アースクライシス2019④バックアタックをあなたに
●腕の多いお姉さんは好きですか?
ユタ州南部からアリゾナ州北部に広がるモニュメントバレー。
そこに現れた複数の洞窟の一つに彼女の姿はあった。
「さーて、ムカツク猟兵のやつらは来るかねぇ」
戦女神アシュラのクローンであるアシュラレディ。 彼女はその身を銀色に光る鎧に包んで悠然と洞窟内から外へ視線を向ける。
彼女の鎧は首・胴・腰・腕・脚を覆っており、間接部分も魔法的なものでカバーして隙がないようにみえる。
……ただ一部を除いては。
●精神攻撃きかない鎧とか強くね?
「集まってくれてありがとな。 今回はいっぱい人の手が欲しいから助かるぜ」
そう切り出したケイ・フォルク(はぐれドラゴニアンつっこみ派・f14875)は前置きもそこそこに本題を切り出す。
「モニュメントバレーに突如現れた幾つもの洞窟から、「神鋼の鎧」を装備したオブリビオンが出現した。 この鎧は鋼神ウルカヌスの授けたものであり、敵はセンターオブジアースから地上に送り込まれた刺客だって話だ。 この鎧が厄介でな。 聖地……っと、モニュメントバレーな。 その中ではあらゆる攻撃への超耐性を持ち、物理的な攻撃はおろか、悪口などの精神攻撃や、毒やガスさえも遮断するとかなんとか。 まさに無敵ってやつだ」
そんなのどうやって倒すんだ、と集まった猟兵達からどよめきが広がる。
「ああ、一応弱点というか隙間があるんだ、その鎧。 背中の肩甲骨の中間……まあ、背中の真ん中と言ってもいいかも。 敵のアシュラレディは腕が多い関係上、肩回りを動かしやすくしなきゃいけないから、そこにミスがないよう重視して設計し……かえって背中に気が回らなかったのかもな。 そこを狙ってくれ」
あっさりと背中を狙えと言うが、そう簡単にはいかないだろう。 単純にスピードで勝負するか、射撃の跳弾で狙う等の作戦も必要だ。
「まあ、皆ならいい作戦思いつくだろうし期待してっから!」
そう言うとケイは戦場へのゲートを開いた。
もふ丸
はじめまして、またはお久しぶりです。もふ丸です。
急に戦争が来たので……ということで純粋な戦闘シナリオです。
こちらは一章のみの構成となっております。
鎧をつけたアシュラレディの弱点を狙ってください。
迷子予防に一緒に行動したい人のIDやグループ名を【】で囲んで書いておいてください。
皆さんのご参加お持ちしております。
第1章 ボス戦
『戦神アシュラのクローン』
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POW : 神獄斬
【6本の剣を振り回しながらの】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【心から現れる殺戮衝動の具現アシュラレディ】の協力があれば威力が倍増する。
SPD : アシュラブレイド
【集中と共に踏み込み、一刀】による素早い一撃を放つ。また、【攻撃に使う1本を除いた剣を手放す】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 阿修羅六輪斬
【剣の切っ先】を向けた対象に、【炎を纏った剣を次々と飛ばすこと】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:otomo
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●さあ、戦闘をはじめよう
本来なら何もない、赤茶色の大地が広がる場所。
突然現れた洞窟、そしてそこから出てきたオブリビオン……戦神アシュラのクローン、アシュラレディ。
そして……それを倒さんと、ぞくぞくと集まる猟兵達。
「わざわざ倒されにきてくれたのかい? ご足労なこった」
言いながら彼女は剣を構え戦闘態勢をとる。 軽口を叩きながらも油断はしない、その意志が見える。
モニュメントバレーの一角で、戦いが始まる――。
レイ・アイオライト
暗殺者に背後を取れって言われたらやるしかないでしょ。
まずは魔刀を構えて対峙、敵からの攻撃を『見切り・第六感・残像』で回避、難しそうなら影のオーラで『オーラ防御』。
そんな剣の腕であたしに勝てる?って挑発する。
向かってきた瞬間、【朧ナル潜影ノ従僕】の暗殺者が背後から隙間を強襲する。
正々堂々?暗殺者にそんなもの求めるのが間違ってるわ。
●最初は正面から……と、思った?
(暗殺者に背後を取れって言われたらやるしかないでしょ)
魔刀・篠突ク雨を構えて思うはレイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)。
最初に相手となった彼女にアシュラクローンは6本の剣を向ける。
「アタシと斬り合いしたいって? ちゃんと相手になるんだろうねぇ?」
言い終わると同時に六振りの剣を振り回しながらの突撃、神獄斬を繰り出す。
それを身軽に、自らのカンも駆使して躱し「そんな剣の腕であたしに勝てる?」と煽るように声をかける。
しかしそんな挑発を彼女は鼻で笑う。 鎧の耐性により精神攻撃が効きづらいのだ。
「ふん、吠えるよりも行動で示しな! オラァ!」
気合のこめた一層激しさを増した剣の一振りを躱しきれずに、レイの背中から溢れる影のオーラで攻撃を受け止める。
――そこに油断が生まれる。
楽し気に唇を歪ませるアシュラクローンに、レイも同じように口に笑みを乗せる。
「後ろ、気をつけたほうがいいわよ」
「なっ……!?」
告げると同時に背中を穿つ衝撃。 レイのユーベルコード【朧ナル潜影ノ従僕】による攻撃だ。
常に相手の死角をとる暗黒の暗殺者に攻撃させるこの技は、鎧の弱点をつくにはうってつけである。
「正々堂々? 暗殺者にそんなもの求めるのが間違ってるわ」
初めに刀で対峙した時から作戦だったのだと、アシュラクローンは無意識に油断していたことを自覚した。
大成功
🔵🔵🔵
風見・ケイ
これは、私では手に負えませんね……。
物理も毒も効かないのでは、荊でも厳しそうです。
関節技や投げ技の衝撃は通じそうですが……ここは正攻法で背面を狙いましょうか。
(狙撃が得意な螢に人格を切り替える)
ま、そうなるわな。
【終末を共に】
初撃をあえて外す。以降は威嚇や囮としてわざと鎧を狙う。
斬撃は視えた未来を元にかわすしかないな……最悪ライフルで受け止める。
笑っていていいのか? オマエの終末は近いぞ。
外れたはずの銃弾は、翼を広げて飛翔する。
狙うのはアシュラの背中一点。[スナイパー][追跡]
悪いが、次が控えているんでな……忘れるまでは覚えていてやるよ。
●後ろの正面は焔の弾丸
「これは、私では手に負えませんね……」
相手の鎧の耐性に頭を悩ませたのは風見・ケイ(The Happy Prince・f14457)だ。
(物理も毒も効かないのでは、荊でも厳しそうです。 関節技や投げ技の衝撃は通じそうですが……ここは正攻法で背面を狙いましょうか)
暫しの逡巡の後、ケイは狙撃が得意な別人格、螢に切り替わる。
「ま、そうなるわな」
「さっきから何をブツブツ言ってんだ!?」
「っ……!」
鋭い一閃。
クローンが放ったアシュラブレイドを、かろうじてアサルトライフルで受けて斬撃の力を逃がすと慌てて螢は距離をとる。
追撃されないように弾を撃つが大きく外し、アシュラクローンは余裕の表情だ。
螢は更に射撃を続ける。 しかし当てられた鎧に傷がつくことはなく、初撃以外剣が当たっていないアシュラクローンはそれでも余裕を見せていた。
どうしても当たらないのなら、一本を残して剣を捨てればいいと思っているのだろう。 そうすれば攻撃の速さが増して必ず当たる、と。
「笑っていていいのか? オマエの終末は近いぞ」
何を、と思う間もなくクローンの背中に衝撃が走る。
急いで振り返ると炎の残滓が見えた。
【終末を共に】――螢が最初に外した弾丸はわざとであったのだ。
そのユーベルコードにより炎を纏い燃える翼を広げた弾丸は思ったとおりの場所に届く。
そう、確かにそれは鎧の隙間を捉えたのだ。
「悪いが、次が控えているんでな……忘れるまでは覚えていてやるよ」
大成功
🔵🔵🔵
フィオリナ・ソルレスティア
「あれだけ手があると背後をとるのも難しいわね」
ならば挟撃する状況を作り出すしかないわ
■作戦
UCで作りだした迷宮の十字路に誘い込み挟撃することで背中の真ん中を狙う
■行動
まずは[高速詠唱]から【影の追跡者の召喚】で戦神アシュラを追跡開始
「フォルセティ。今よ、迷宮に閉じ込めて」
弟に指示を出し迷宮が出現したら戦神アシュラの行動を補足
「北に移動しているから、次の十字路で仕掛けるわよ」
戦神アシュラが十字路や丁字路に差し掛かった時を狙い弟と挟撃
「タイミング合わせていくわよ!」
[高速詠唱]で【ロンギヌスの槍】を放つ。[一斉発射]と[スナイパー]で背中の真ん中を狙い撃ち
阿修羅六輪斬は【アイギスの盾】で相殺する
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(共闘/アドリブ可)
「わわわ、手が一杯ある敵だよ」
フィオ姉ちゃんと一緒に戦って戦神アシュラの背中を狙うよ
【行動】()内は技能
フィオ姉ちゃんとは離れて行動するよ。インカムで通信しながら戦闘だね。
「迷宮に閉じ込めちゃえー」
(先制攻撃)でラビリント・ネプトゥノを唱えて戦神アシュラを氷壁の迷宮に閉じ込めるよ
そしてフィオ姉ちゃんの指示した場所に移動して挟撃だね
「任せてよね、フィオ姉ちゃん」
タイミングあわせて(高速詠唱)でロンギヌスの槍を放つよ
(一斉発射)と(スナイパー)で尻戦神アシュラの背中を狙い撃ちだー
阿修羅六輪斬は(高速詠唱)のグアルディアン・サトゥルノで相殺するんだ
●氷&雷VS炎
「わわわ、手が一杯ある敵だよ」
「あれだけ手があると背後をとるのも難しいわね」
アシュラレクローンの腕の数を見て慌てたようなフォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)に、フィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)は冷静に返す。
「仲良しこよしで二人がかり? いいよ、相手してやる!」
未だ軽口を叩く余裕を見せながら剣を向けようとするが、フィオリナはアシュラクローンが動き出す前に【影の追跡者の召喚】を素早く詠唱する。 アシュラクローンの影に僅かに揺らぎが生じた。
「フォルセティ。今よ、迷宮に閉じ込めて」
ユーベルコードがかかった手応えを感じ、フィオリナは指示を出す。
「迷宮に閉じ込めちゃえー」
フォルセティは【ラビリント・ネプトゥノ】を発動させる。 そのユーベルコード戦場に霧が立ち込め、氷の壁でアシュラクローンは閉じ込められた。
戦女神のクローンは戸惑ったように辺りを見回した後、すぐに移動を始める。 同じ場所に居続けるのは得策ではないと咄嗟に判断したのだ。 それに、見通しの悪い霧の中というのは相手も同じ条件じゃないかとだんだん思考が回ってくる。
しかし、そんな行動はフィオリナに筒抜けであった。 先のユーベルコードの効果である。
「北に移動しているから、次の十字路で仕掛けるわよ」
「任せてよね、フィオ姉ちゃん」
同じく迷路に入った姉弟はインカムを使って連絡を取り合い挟撃を仕掛ける。
「タイミング合わせていくわよ!」
移動する通路の先を読んで十字路で待ち伏せをし、二人は同時に魔法の槍を繰り出す。
『全てを貫け、ロンギヌスの槍よ!』
重なった詠唱と目映い光。 霧の中に吸い込まれる槍にあがる叫び声。
フィオリナはユーベルコードでアシュラクローンに攻撃が当たり作戦が成功したのを確認すると、フォルセティに告げる。
「フォルセティ、作戦はばっちり成功よ」
「そっか、良かったぁ」
【ラビリント・ネプトゥノ】を解除したのか迷路が消え、霧が薄れる。 フィオリナの視界には、ダメージを負いながらも立ち続けるアシュラ、そしてその先にいる少し焦げた跡のある弟――。
「フォルセティ!?」
「大丈夫、攻撃が同時だったから盾出すのちょっと遅れただけ。 まともにはくらってないよ」
おそらく殺気に反応して阿修羅六輪斬を放ったのであろう。 クローンとはいえ、そこは戦女神である。
だが、無傷ではなくともアシュラクローンにダメージを与えられた。
それは確かな事だった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
薄荷・千夜子
クローンとはいえ、油断できる相手ではありませんね
そちらも複数の腕で手数も多いようですが、手数ならこちらも負けませんよ!
UCを発動して破魔と炎の力を纏わせた『夜藤』を複製して展開
彗、行きますよ!
相棒の鷹に『飛星流克』での援護射撃を指示してタイミングを合わせ一斉発射
さぁ、全部追いきれますか?
四方八方から剣と雨の矢を降らせ、さらに『花奏絵巻』で目眩しの花嵐を
敵の攻撃は見切りとオーラ防御を纏わせ『鷹羽炎扇』で受けながら背後を狙って
全てはこの一擲のための陽動
本命はこちらです!!毒使いで毒付与した『禽羽双針』を羽扇から早業で投擲
●武器を隠すのは、武器と花の中
まだ立っているとは言え、流石に鎧の隙間を狙われ続ければダメージは蓄積する。
気丈にもそんな素振りを見せないよう振る舞うアシュラクローンの前に、薄荷・千夜子(鷹匠・f17474)が居た。
「クローンとはいえ、油断できる相手ではありませんね。 そちらも複数の腕で手数も多いようですが、手数ならこちらも負けませんよ!」
そう言うと【干渉術式:護火剣乱】を発動させる。 このユーベルコードにより千夜子の周囲に炎の力を纏わせた短刀『夜藤』がいくつも浮かび上がる。
「彗、行きますよ!」
「はっ、ペット同伴とはアタシも舐められたものだね!」
本人にそのつもりがなくても戦場に動物を連れて来るのが彼女には有り得ない事だと、軽く見られたものだと反応を示す。 しかし、その動物だって立派な戦力なのだ。
鷹の足に付けられた『飛星流克』での上空からの射撃、そして50を越える短刀を操っての遠距離攻撃。 物量で押すかのような構成だ。
「さぁ、全部追いきれますか?」
更に千夜子は『花奏絵巻』を取り出す。 この絵巻の効果により、色鮮やかな大量の花びらが戦場に舞う。
「小賢しいマネをっ!」
確かに視界は悪くなったが、アシュラクローンの鎧は普通の攻撃なら傷つかない。 背後に向かう攻撃だけに注意すればいいのだ。
深く息を吐いて集中してからの素早い踏み込みからの一太刀。
アシュラブレイドを繰り出す、が――その攻撃は見切られた事により浅く、オーラを纏わせた千夜子の持つ『鷹羽炎扇』によって受け流される。
ならば、と一本を残して他の剣を捨てる。 素早さで勝負するつもりだ。
そのつもり、だったのだ。
「本命はこちらです!!」
攻撃を受け流した千夜子がその迫った距離を利用し、背中を視界に入れる位置へ素早く移動。 そして彼女手にした扇の中、毒の付与された『禽羽双針』がアシュラクローンの背中目掛けて放たれる。
本来なら効かない毒。 しかしそれが鎧の隙間に当たるなら別だ。
「ぅあ゛あ゛あ゛――――!」
戦場に声が響いた。
大成功
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アリシア・マクリントック
弱点は背中……なら私にいい考えがあります。いきますよ、変身!
セイバークロスを纏い、正面から戦いを挑みます。そしてマリアには敵の背後へ回っての牽制を頼みます。そして敵がマリアに気を取られた隙に背後に回り込んで一撃!
……というのを狙っているように見せかけましょう。とにかくマリアを敵の背後に、私を正面に。私が回り込もうとするもうまくいかない、と演出します。攻撃も少しは通るので正面からの戦闘も全力で。
そして、敵が私に向かって大技を使おうとしたところでフォームチェンジ!「魔法少女マジカル・マリア」です!
この瞬間に正面の私こそが囮、背後のマリアが本命に。そのまま鎧の隙間を狙ってマジカルハンマーの一撃を!
●終焉は魔法少女と共に
「ブッコロス……全員ブッコロス……」
アシュラクローンは先程から猟兵達に背中を狙われ続け、最早余裕も体力もなくなっていた。 無敵のはずの鎧も隙間が有り、そこを集中的に攻撃されては意味がない。
それでもそこに立ち続けるのは、意地であり執念でもあった。
「弱点は背中……なら私にいい考えがあります。いきますよ、変身!」
そう言うが早いか、清楚なワンピースを身にまとったアリシア・マクリントック(旅するお嬢様・f01607)は、腰に付けている服装に不似合いなベルトを起動させる。
それは自身を包む特殊強化装甲のスイッチとなっており、たちまち彼女は戦場の似合う銀に青のラインの入った装甲を身に着ける。
そして連れている狼、マリアに背後からの牽制を頼む。
先程の戦いでアシュラクローンは獣だからと侮ることは止めたようだ。
ただ、正面のアリシアへ剣を構え、そして戦闘が始まる――。
数分が経過した。
背後の狼を警戒しながらもアリシアからの攻撃をいなす。 油断しないよう剣でのやり取りで様子を見ていたが、アシュラクローンの体力はかなり減っていたしアリシアの攻撃は重く、鎧越しでも響いてくる。
何より、彼女は先程から上手く後ろに回り込もうとしているのがバレバレである。
早めに決着を――。
少しアリシアから距離をとると阿修羅六輪斬の構えを見せる。 その時、アシュラクローンは背後の狼の存在を意識の外にやっていた。
「私の全て、あなたに託します!任せましたよ、マリア!マジカルチェンジ!」
「なんだと……っ!?」
アリシアの狙いはこの時だった。 敵が自分に意識を集中して技を繰り出す時に本命のマリアが背後から攻撃を仕掛ける。
ユーベルコード【魔法少女 マジカル・マリア】によって自身は小さな妖精に、マリアはひらひらの服を纏った女の子に変身する。
そして魔法少女の手に持つマジカルハンマーがアシュラクローンの背中の隙間目掛けて繰り出される。
――鈍い音が聞こえた。
「そんな、バカな……っ。 アタシは……」
それが彼女の最期の言葉だった。
大成功
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