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淫蕩なる宴は彼の神の為に

#UDCアース

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#UDCアース


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 捧げられた生け贄は只、与えられる快楽に身悶えながら身をくねらせる。
 紫の軟体が白く瑞々しい肢体を這っても、贄は抵抗もできず受け入れるがままに邪神の眷属へ捧げられる。
 掠れた声を上げ続けさせられながら、憐れな生け贄は柔らかなその肉を咀嚼されるように丁寧に触手に食まれながら、紫の塊に飲み込まれていく。
 そして贄の魂は、傍らの灰霞なる神に捧げられてゆくのだ――。


「皆、UDCアースで邪神教団の拠点が判明したから、奇襲して拠点を壊滅させてきて欲しいのっ」
 グリモアベースに集まる猟兵に声をかけるのはグリモア猟兵の風雅・ユウリ。
 話を聞く姿勢の猟兵が集まると、姿勢を正して話を続ける。
 その邪神教団は儀式を完遂したらしく、既にUDCが召喚されてしまっているらしい。
 召喚されたUDCは邪神教団では制御することが出来ず、有り体に言えば暴走している状態に近いようだ。
「召喚した後のUDCは、……邪神と眷属どちらも凄くたくさんの生け贄を欲しがってたみたいなんだけど……その邪神教団、最初は一般人を誘拐したりして生け贄を用意する……っていう方法がとれなかったみたいで、なんとか教団員から志願者を選出して生贄として捧げていたみたいだったんだけど……」
 そんな方法を続けていれば、教団員の中でも志願する者がいなくなる。
 いないからといって、無理やり教団員を生け贄に捧げれば、教団員が逃げたり抵抗したりして、組織の存続にもかかわるだろう。
 とすれば、次は一般人を攫っての生け贄調達という方法へと切り替わるのは簡単に予想がつく。

「で、まだ一般人には被害は出ていないのだけど……邪神教団が一般人に手を駆けるのも時間の問題だし、生贄をたくさん捧げられて力を付けた邪神たちが拠点の外に放たれるようなことがあったら、本当に大変なことになっちゃうの!」
 仮に邪神が一般人の目に触れるようなことがあれば、世界など直ぐに滅んでしまうだろう。
 そうならないよう、拠点に奇襲を仕掛け、邪神とその眷属を倒し、邪神教団も壊滅させる必要があるのだ。
「まず、あなたたちを拠点の入り口に転送するわね。中には一応教団員はいると思うけれど……一般人だから、猟兵のあなたたちなら障害にはならないわね。多分、だいぶ減ってしまったから……幹部を含めて20名程度しかいないはずね」
 邪神や眷属のいる場所は儀式を行う地下の大部屋。
 拠点の入り口から進んだとしても、何人かの教団員には出くわすだろうが、気絶させるなり無視して進むなりして対応は可能だろう。
「儀式してる大部屋は、凄くわかりやすい位置にあるから普通に拠点の中を進めばすぐにたどり着けるわ。それで……最初は、眷属を倒しす必要があるわね」
 邪神はその大部屋の奥の玉座の付近にいるようだが、扉から玉座にいくまでに邪神の眷属が屯しているのだ。
 どんな眷属が居るんだ?という猟兵からの問いかけに、ユウリは少しいい辛そうに目線を外しながら、ポツリと答える。
「……紫色の触手よ」
 触手、と聞いて数人の猟兵はビクッと反応する。
 紫の蛸のような触手の塊の眷属は、その触手に触れれば……なんかこう、大変になるという。
 具体的にどうなるかは、その……確かめてきてください。
「そ、その……触手の眷属を倒したら、あとは邪神を倒してね!」
 邪神は触手ではないけれど手ごわい存在よ、とユウリは真剣な顔でビシッと指を立てて猟兵たちに告げる。

「邪神と眷属を倒したら、UDC組織の人たちが教団の後の事は引き受けて下さると思うから……その後は少し、皆でUDCアースで打ち上げしたりして楽しんでみたらどうかしら?」
 UDCアースで打ち上げ?と首を傾げる猟兵に、ふふっ、と微笑みながらユウリが現地のガイドブックのようなものを見せる。
 ガイドブックには、『今"麺"が熱い!麺類フード大特集!』と書いてある。
「ほら、触手とか……うねうねした細長いの見てたら、……なんだかお腹空きそうじゃない?帰る前に、ゆっくり英気を養ったらどうかしら」
 ユウリは転移の門を開きながら楽しそうに微笑むと、『いってらっしゃーい!』とにこやかに猟兵たちを送り出すのだった。


胡蝶

 胡蝶です。
 今回のシナリオはUDCアースです。


 当シナリオは『邪神の眷属との集団戦』『邪神とのボス戦』『皆で打ち上げ』の三本立てとなります。
 眷属との戦いは、開始が儀式の部屋に入るところからになるので、直ぐに始めて頂けます。
 眷属との戦いが終わると、自動的に邪神とのバトルになります。
 邪神を倒せばハッピーエンド、その後は皆さんで麺パとか打ち上げを楽しんで頂ければと思います。
 関係ありませんが、細くてうにょうにょしてるものを見ると麺的なものが食べたくなりますよね。
 ……今私のお腹が空いているから言ってるのではアリマセンヨ?

 以上、皆様の素敵なプレイングを楽しみにしております!
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第1章 集団戦 『パープルテンタクルズ』

POW   :    押し寄せる狂気の触手
【触手群】が命中した対象に対し、高威力高命中の【太い触手による刺突】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    束縛する恍惚の触手
【身体部位に絡みつく触手】【脱力をもたらす触手】【恍惚を与える触手】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    増殖する触手の嬰児
レベル×5体の、小型の戦闘用【触手塊】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ウイシア・ジンジャーエール
戦闘は初めてなの…。教団員は天井付近を飛んで追い越していきたいな。

「私知ってる。この世界では一定層に人気があるのよね。あれ、違った?」
ズレた世界知識。ウイシア本人は「何となく気持ち悪い」とぼーっと考えています。ただ「第六感」が「捕まったらヤバい全力で潰せ」と囁いているので従う気です。

●WIZ
攻撃範囲ギリギリで【鈴蘭の嵐】使用し範囲攻撃。
後衛で「オーラ防御」「全力魔法」使用。
敵の増殖個体数が多そうなので「第六感」で近づかれないよう距離を測る。
隣接された場合は「カウンター」で攻撃、確実に潰して「逃げ足」で距離を取る。
ヒット&アウェイの要領で範囲攻撃【鈴蘭の嵐】と単体通常攻撃で確実に潰していきます。


アリア・ティアラリード
【SPD】
これでもお姉ちゃんパープルテンタクル退治は慣れた物
遭遇すれば《先制攻撃》からの斬撃でイチコロですっ

と思っていたら目前で教団信者が触手に襲われています!
信者であろうと襲われているのを見た以上放ってはおけず
私の体は反射的に《ダッシュ》し《かばい》身代わりになって…!

「くっ、早く逃げなさい…っ」

潜入任務用のフィルムスーツは凄く薄く、触手の感触をそのまま伝え
全身を覆っていても触手の毒液が染み込んでくるのが分かります

粘液を纏った、まるで肉のパスタを束ねたような触手が
僅かに肌を擦るだけで四肢を突っ張らせ
《挑発》的なたわわなバストを、体を跳ねさせてしまって

でも、負けません…決して屈したり…は……ぁ


火奈本・火花
「自身でさえ制御できないモノを呼び出すなんて、支配する計画があったのでしょうか――いえ、人類が制御出来るようなものは、そもそも邪神足りえない、という考えかも知れませんね」

■戦闘
機動部隊と共に拠点へと進行しましょう。途中で教団員にあった時は、機動部隊と協力して拘束します
事が済んだ後でUDC組織に引き渡し、今までの活動やUDCの召喚方法を尋問しましょう

触手達と出会ったら、私自身も拳銃での「二回攻撃」を行いながら、機動部隊と共に弾幕を形成する
触手に捕らわれないように遠距離からの攻撃が基本となるが、もし教団員が生贄になっていたり、仲間が捕らわれた時は、「捨て身の一撃」と「怪力」で救出を試みるつもりだ


エスペラ・アルベール
ラーメンや焼きそばと聞いてっ!!あれっ、まだ早い?

トリニティ・エンハンスを攻撃力重視で発動させて、ルーンソードに炎の属性を宿して斬りつけるよっ! 焼きそばの前に、焼き触手っ!
触手塊が出たら、とにかく一撃ぶつけて消すこと優先っ、自分や他の人が囲まれないように注意しておくよっ
触手の攻撃は、無理に回避するよりは見切りながら迎撃をする方向でっ

へ、変な気持ちにされると恥ずかしいけど……顔を赤らめながら、防御重視に切り替えて耐えしのぐ……っ!


藤堂・遼子
ハン、そのまま狂信者全員生け贄になればよかったものを。一般人に手を出そうとするからこうやって見つかるのよ、自業自得だわ。

邪神の眷属、触手ねぇ。
なんでこう、邪神の癖に眷属や狂信者は陵辱方面に走るのか。
……下腹部が疼くけど、そんな状況じゃないわ。

大鎌の「狂気を狩るモノ」で触手を刈り取っていくわ。
とはいえ、全部を全部切り払えるとは思えないわね。
触手に絡みつかれてあられのないことになって悦楽に沈みそうになりそうだけど。
いざとなったら【オーバーリミットアームズ】で電撃纏って振り払うわ。
オーバーリミットアームズ発動後は電撃まき散らしながら高速移動して大鎌の『2回攻撃』『なぎ払い』で触手を蹴散らしてやるわ。


チガヤ・シフレット
邪神とやらのお出ましか。
面倒ごとになる前に、さっさとこの世界から退場してもらうとしようか。
ちょっと困った眷属がいるようだが……なに、手足を機械化してる私には問題ないな!

ヴァリアブル・ウェポンを起動。両手の義手に内蔵してある銃火器を使って、眷属どもを撃って撃って撃ちまくろう。近づけないし、近づかせない!
ってところだな。
他にもワイヤー使ったりして、絡めたり引っぺがしたり、他の猟兵たちとうまく戦えるように動き回るとしよう。

なに、ちょっとくらい触手が当たったとしても腕とかなら……ってうわぁ、どこに触って、入って……!?
やめろ、そんな変なところ……ん、はぁ!?

ゆ、許すまじ触手ども……!!


東雲・ゆい
わ~触手さんがいっぱいだ~!
触られると大変なことになるの?
なんか楽しそう♪
わたし★ヒロイックフォースと★ギリギリフォースでピンチになるほど強くなるの~!
だから触手さんの中にドーンッて飛び込んで
わざと攻撃を受けてユーベルコードを発動させちゃうよ~!
「ふわあっ……なにこれぇ、やだよぉ」
「あっあっ! やだやだやだぁ~!」
ちょっと楽しんじゃったりして♪

強くなったら触手さんを引っ張ったり、振り回したり、暴れまわってやっつけちゃうよ~!
その間も触られたらヒクンッて震えちゃって動けなくなったりするけど
「ああぁぁぁやだやだぁっ」
でもわたし負けないもん!
とにかく頑張ってやっつけちゃう!




「私知ってる。この世界では一定層に人気があるのよね。……あれ、違った?」
 儀式の部屋に乗り込んだウイシア・ジンジャーエール(f09322)は、部屋を埋め尽くすようにウネウネと気味悪く蠢くパープルテンタクルズの紫色の触手を見ながら呟いた。
 何となく気持ち悪い、と感じながらぼんやりと考えていると小さな触手塊がウイシアに襲い掛かってくる。
「……自身でさえ制御できないモノを呼び出すなんて、支配する計画があったのでしょうか」
 触手塊はウイシアに触れる前に火奈本・火花(f00795)の拳銃の二回攻撃によって破裂し消滅する。
「いえ、人類が制御出来るようなものは、そもそも邪神足りえない、という考えかも知れませんね……」
 黒縁の伊達メガネを、銃を持つその手の甲で押し上げ直しながら火花は半ば呆れた様な声で呟く。
 UDCを目の前にして、自身の中に芽吹きそうな凶暴性を抑えながら、半ば呆れた様な声で追撃してくる触手塊に銃を向ける。
「……ありがとう、火花」
 普段は名前を呼ぶときに敬称をつける女性的な話し方をするウイシアも、意識を戦闘中に切り替えると凛々しい口調で礼を言う。
 そして改めて紫色の触手群の周りに排出され続けている触手塊を見据える。
 彼女の第六感が、『捕まったらヤバい全力で潰せ』とひたすら警鐘を鳴らしてくるため、オーラをその身に宿らせて防御を固めながら、ジリ、ジリ、と後ずさり後衛へと就く。
 増殖する触手塊を視界に捉えながら、ウイシアは己の武具を鈴蘭の花びらへと舞い散る花吹雪のように操るユーベルコード『鈴蘭の嵐』を発動させ、全体攻撃を行い、小さな触手の塊たちを掃討しようと試みる。
 合わせる様に火花も、エージェントグローブをキュッと締める様に嵌め直すと、愛用の自動式9mm拳銃や胸に宿るヤドリギの力を駆使して、触手塊を一つずつ確実にヒットアンドアウェイで撃ち抜き破壊していく。
 お互い『あの触手に触れては、触れられてはいけない』という意識は一致しているのか、その小さな触手すら近づけさせぬような猛攻を見せるのだった。


 ウイシアたちが触手塊の掃討をする横を、仲間の猟兵たちが駆け抜けて本体である邪神の眷属――紫色の触手群、パープルテンタクルズに向かっていく。
 パープルテンタクルズ討伐の経験があり、退治に自信を持ったアリア・ティアラリード(f04271)は先制攻撃で早急に沈めてしまおうと愛武器である蓬莱:スペクトラムセイバー【翠】の他、意匠を凝らした刀を以て斬りかかろうとする。
「……あっ!」
 だがアリアが斬りかかろうと近づいたその時、触手の蠢きの中に、恐らく信者であろう女性――生け贄が飲み込まれてゆくのを視認してしまう。
 アリアはその瞬間、反射的に触手群へと飛び込み、生け贄の女性を掴み出し、絡みつく触手から引き剥がし外側へと放り投げて救出する。
 しかし、触手に接触してしまったアリアは急速にその触手の力に囚われてゆく。
 救出をしたその直後から、張っていた気が緩んでしまったのかぬめる体液を纏う紫色の触手にその身体をフィルムスーツごと絡みつかれ、束縛されてしまう。
 身動きが取れないままに解放された信者へと叫ぶが、その言葉を遮るように豊満なアリアの身体に、どんどん触手の粘液毒が染み込んでゆく。
「くっ、……ふ、ぁ……は、早く逃げな、さっ……い……っ」
 アリアの潜入任務用のフィルムスーツは薄い素材でできており、全身を這いまわる触手の感触をそのまま彼女の脳へと伝えてくる。
 更に、恍惚の効果を与える触手の粘液とその艶めかしい動きが僅かに這うだけで、アリアの意思とは関係なく豊満な乳房を揺らすほどに全身が跳ねる。
「こんっ……な、触手、にぃ……っ、負けませんっ……決して屈したり……は……ぁ」
 虚ろに濡れる青い瞳で、己の肢体を這いまわる触手を弱々しく睨みつけながら、脱力した身体は好き勝手に蠢く触手に翻弄させられてしまうのだった。

「わわっ……大丈夫?!今助けるから……っ」
 触手塊の細い麺を連想させるようなフォルムを見て、ラーメンや焼きそばへの思いを馳せるのはエスペラ・アルベール(f00095)。
 パープルテンタクルズの周りの触手塊を、炎、水、風の魔力で自身を強化させるユーベルコード『トリニティ・エンハンス』を発動させると、攻撃力を強化した状態で炎を纏うルーンソード。
 エスペラは手に馴染むその剣を振るい、ほぼ一撃で触手塊を斬り裂き、焼きそばならぬ焼き触手を量産していたのだが、アリアのあられもない姿に気付くと顔を真っ赤にさせながらアリアを拘束していた触手を斬り裂いて救出する。
 束縛する恍惚の触手の影響で、脱力が解けないアリアと救出されていた信者を安全な場所へと運ぶと、他の仲間も囲まれたりと危険な目に遭わないよう注意しながら再びパープルテンタクルズへと飛び掛かる。
 至近距離での攻防は、無数に蠢く触手で拘束しようと蠢くたびに、エスペラの剣に斬り落とされてゆくパープルテンタクルズが劣勢のように思えた。
 触手の猛攻を、紙一重の見切りによる回避で避けながら一方的にダメージを与え続ける。
 状況が一変したのは、紫色の触手が彼女の素肌を掠めた時だった。
「ッくぅ……!……ぅ?……あっ」
 掠めた触手はエスペラの露出した肌を裂き、小さな傷を作った。
 その傷自体は大したことはないものだったのだが、開いた傷から触手の粘液毒が染み出し、エスペラの全身へと回っていったのだ。
「ひぃ……ぅ……や、やだっ」
 今までに感じたことのないような、奇妙に身体の疼くような感覚に襲われるエスペラは、顔を真っ赤にしながら『トリニティ・エンハンス』を防御強化に切り替えて発動させる。
(へ、変な気持ち……だけどっ、流されちゃダメ……耐えなきゃ……っ)
 エスペラの身体を這いまわろうと伸びる触手を、炎纏う剣で牽制しながら、朦朧とし始める意識を叱咤する。

 そんなエスペラの背後から、藤堂・遼子(f09822)は大鎌である狂気を狩るモノを振りあげると、パープルテンタクルズを一刀両断してトドメを刺す。
 エスペラに少し休むようにと声を掛けながら、触手塊を大鎌を振るって薙ぎ払うように蹴散らしていく。
(――ハン、そのまま狂信者全員生け贄になればよかったものを。一般人に手を出そうとするからこうやって見つかるのよ、自業自得だわ)
 途中、救助された信者を一瞥すると、溜息交じりに思考する。
 まるで掃除をするかのように大鎌を振り回す遼子は、部屋の中を駆けながら触手の傷口を連続で抉るように斬り裂き、触手が伸びれば軽やかに逃げる様に回避していた。
 彼女の軽やかな逃げ足が封じられたのは、薙ぎ払い倒したと認識していた紫色の触手が足を絡め取ったその時からだった。
「くっ……?!こ、のぉ……ッ」
 振り払う様に大鎌で斬り裂くも、触手に触れられた部分から全身へと恍惚を催す毒が回り、足が縺れる。
(……下腹部が疼くけど、そんな状況じゃないわ……っ)
 触手の蠢きに自身の過去を思い出してしまうが、緩く首を振り雑念を振り払う。
 今は足を止めれば、捕らわれてしまう、と駆けだそうとするが――不意に脱力してしまい、膝が折れて。
「ひ……っ、や、やめなさっ……離れな、っ……さい、よぉ……ぁっ」
 体勢が崩れた遼子を、狙ったかのように次々に紫色の触手群がその醜悪な触手を伸ばし、四肢を捕えて束縛していく。
 自由を奪われ、一層身体に触手と共に這い回る毒に侵され、身を焦がす様な疼きが止まない。
 身体も、心までもが。
 あの時のように――身体を這い回る触手の生み出す快楽に呑まれ墜ちてしまいたいと望みそうになる。
 ――だが。
「――リミット解除、オーバードライブ!」
 遼子の胸に抱く邪神への復讐の思いが勝ったのだ。
 高速移動と機械化された四肢から電撃の放射を可能とするユーベルコード『オーバーリミットアームズ』を発動させれば、彼女を拘束していた触手は電撃に焼かれて朽ちる。
 遼子はそのまま電撃を纏いながら高速で駆け出し、薙ぎ払いの連続攻撃で『お返しだ』と言わんばかりに猛然と大鎌を振るうのだった。

(ちょっと困った眷属がいるようだが……なに、手足を機械化してる私には問題ないな)
 ふふん、とワイルドな顔立ちで笑うチガヤ・シフレット(f04538)は、ピンク色のポニーテールを揺らしながら触手塊を撃ち抜く。
 ユーベルコード『ヴァリアブル・ウェポン』を発動させると、両手の義手に内蔵された銃火器を命中重視に設定する。
 後衛の立ち位置で、前衛で戦う仲間が相手にしている触手へと射撃していくチガヤだが、不意に至近距離に触手塊が現れれば、蜘蛛糸やワイヤーガンで振り払う。
「……ふぅ。面倒ごとになる前に、さっさとこの世界から退場してもらうとしようか」
 横目で、紫色の触手によって、なんというか女子として大変な目に遭っている仲間たちに南無……なんて心の中で合掌を送りながら、触手を自分に近づけさせないように立ちまわり撃ち抜いていくチガヤ。
 いくら倒してもキリがないんじゃないか、と当初は思いながら掃討していたものの、段々と部屋の床が見えてゆき、触手の塊も大小合わせて数えることができる程度には減ってきていた。
 倒した触手塊を踏みながら、徐々に空間の中央へと陣形を狭めていく猟兵たちに合わせ、足を進める。
 チガヤが、離れた位置で蠢く触手塊を見つけて狙おうと照準を合わせているその時、踏んでいた触手が急に蠢き、チガヤを貫こうと伸ばされた。
 体勢が僅かに崩れ、義手にした腕を触手が掠める。
 素早くワイヤーガンで振り払い、触手塊を銃で撃ち抜き完全に絶命させてから、チガヤは恐る恐る触手の掠った腕を見る。
「なに、ちょっとくらい触手が当たったとしても腕とかなら……ってうわぁ!?」
 腕を気にしていて、ぬるりと背後に近づいていた触手塊への反応遅れたチガヤに、容赦なく触手が絡みつく。
 義手の腕とはいえ、脱力や恍惚をもたらす紫色の触手の効果はチガヤの身体を蝕みを侵していく。
 服の上からぬるぬるした粘液毒を纏う触手に這い回られ、振りほどこうともがくチガヤ。
「どこに触って、入って……!?ッ、やめろ、そんな変なところ……ん、はぁ!?」
 股の間に潜り込まれ、蕩け痺れるような快楽が身体と脳に響く。
 だが本能的な恐怖と怒りが勝ると、めちゃくちゃに義手の銃を撃ちまくりワイヤーガンを振り回して拘束から抜け出す。
「ゆ、許すまじ触手ども……!」
 羞恥と怒りで顔を赤くさせながら、『ヴァリアブル・ウェポン』を攻撃重視に切り替えると、存分に内蔵した銃火器の銃声を部屋中に鳴り響かせるのだった。

「わ~触手さんがいっぱいだ~!触られると大変なことになるの?なんか楽しそう♪」
 次々と触手によってあられもない姿を晒されてゆく仲間たちを見ながら微笑むのは東雲・ゆい(f06429)は、何を思ったのか自らパープルテンタクルズの犇めく触手の群れへと飛び込んでいく。
(わたし★ヒロイックフォースと★ギリギリフォースでピンチになるほど強くなるの~!)
 内心でそう考えながら、無防備のままにゆいの身体はあっという間に触手の蠢きに飲み込まれてしまう。
「ふわあっ……なにこれぇ、やだよぉ……♪」
 頭からつま先に至るまで、まさに呑みこまれたように全身を蠢く触手に愛撫されるかのように這われ、恍惚と脱力の毒に侵されていくゆい。
 どこか楽しんでいるような声が漏れるのは、彼女が
いじめられるとドキドキする性格だからかもしれなかった。
「あっあっ……!やだやだやだぁ~……♪」
 ぴくぴくと快楽に濡れた虚ろな緑色の瞳を伏せながら悶えるゆいだったが、ふと胸元を這いまわる触手を力強く掴むと、力任せに引き剥がし、そのままブチィッと千切ったのだ。
 彼女のユーベルコードは『ヒロイックフォース』。
 敢えて不利な行動をすることにより身体能力が増大するその力が発動したのだ。
 今までいいように弄んでいた相手に突然触手を千切られたことに腹を立てた様に、触手はゆいを貫こうし、その肌を傷つける。
「……こんなのぜんっぜん痛くないしぃ!?」
 そんな攻撃に、にっこりと迫力のある笑みを浮かべると、数倍返しをするように増大したスピードと攻撃力を以て触手の蠢きのど真ん中目掛けてペイントブキを振るう。
 鬼神の如く身体能力を強化したゆいだったが、それでも触手が触れてしまうと走る快楽には感じてしまう。
「ああぁぁぁっ……もうっ、やだやだぁっ」
(わたし負けないもん!)
 はぁ、と熱っぽく息を吐きながらも、ゆいは蕩ける思考を冷ますようにペイントブキを振るって、近づく触手群を倒していく。


 そして数十分の時間が経過した。
 猟兵たちの奮闘により、儀式の部屋を埋め尽くしていた邪神の眷属たちは、その紫色の残滓を残して葬られていた。
 同時に残ったのは。
「……あの、大丈夫ですか……皆さん?」
 後衛に居り更に第六感とオーラ防御で守りを固めていたためか、触手に触れられることを逃れたウイシアが、おずおずと尋ねる。
 加えて彼女は、特に触手を警戒して第六感、カウンター、逃げ足を駆使していたためか触手の射程に入る事さえなかったのだった。
 そして、前衛というべきか、触手に触れられてしまった猟兵たちのあられもない――もとい凄惨たる姿に、顔を朱に染めながら。
(やっぱり、捕まったらヤバイやつだったわね……)
 と内心思いつつ、ウイシアは捕まっていた仲間から触手を触らないように取り去ったり、気付けをさせたりしている。
 
「お疲れ様ね」
 火花は、共に戦った機動部隊に労いの言葉を向けた。
 彼女のユーベルコード『≪緊急要請≫機動部隊投入』で、機動部隊ひー4("四葉のクローバー")と共に後衛から射撃し、弾幕を形成して触手たちを近づけない戦い方をしていた火花もまた、触手の効果を免れていた。
 仲間が捕らわれた際は、近い位置にいる仲間を援護するように周囲の触手を撃ち抜きながら、捨て身の一撃を形成された弾幕でお見舞いしながら、怪力で救助を行っていたのだ。
「全てを私が対処する必要は無い。我々は人類だ、我々には我々のやり方がある」
 機動部隊の仲間に、そう告げつつも負傷した者へ医術の技能を活用して効果的に応急処置のようなものを行いながら、火花は儀式の部屋の奥――邪神の鎮座する玉座へと赤い瞳を向ける。
「――次はお前だ、邪神」
 次の瞬間、部屋の中の空気が淀む。
 猟兵たちは、玉座に座るその存在の放つ邪悪な気を祓う様に武器を構えるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『『灰霞の剣』ヴォル・ヴァ・ドーズ』

POW   :    焔を焚く者
真の姿を更に強化する。真の姿が、🔴の取得数に比例した大きさの【灰色の焔 】で覆われる。
SPD   :    灰霞の剣
【灰霞の剣 】が命中した対象を燃やす。放たれた【霧とも霞とも見える灰塵の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
WIZ   :    焔・灰・剣(BLAZE ASH BLADE)
【焔か灰か剣】が命中した対象を切断する。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は吾唐木・貫二です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 パープルテンタクルズを掃討した猟兵たちが目にしたのは、玉座に腰掛けているように見える、灰色の禍々しい霞のような何か。
 それは邪神『灰霞の剣』ヴォル・ヴァ・ドーズであった。
 灰色の焔を焚きながら、大量の生け贄を養分に醜く肥えたその邪神は、猟兵たちをも自身の供物にし喰らおうと襲い掛かってくる。
ウイシア・ジンジャーエール
眷属の戦い、後方上空から確認していましたが…その、凄かったですね。
「第六感に従って良かった」と心から思いました。
さて、私にとって、お楽しみはここから。

[空中戦]継続、上空から武器を向けて【天罰】。
[第六感]で攻撃回避しながら話しかけます。
「邪神に会うのって初めて。はじめまして、私はウイシア」

初めて会えた邪神に、知識欲が刺激され質問攻め。
「ねえ、あなたって喋れるの?発声器官はあるの?思考をする脳はどこ?容量は?」
興味と共にアドレナリンも上昇。気付かないうちに[全力魔法][オーラ防御][激痛耐性]。
興味はあるけど理解する気はない。オラトリオ且つ[呪詛耐性]もあり、狂気に飲み込まれる事はありません。



(後方上空から確認していましたが……その、凄かったですね……眷属の戦い)
 自分の第六感に従っていて正解だったと、心底思いながら先の邪神の眷属との戦いを思い返すウイシア・ジンジャーエール(f09322)は、ふわりと翼を揺らして浮かんだまま神妙な顔をしていた。
「……さて、私にとって、お楽しみはここから」
 誰にともなく呟けば、玉座へ座す邪悪な神へと琥珀色の瞳を向ける。
 ――真実の木なるエレメンタルロッドを構える彼女の口元に、僅かに笑みが浮かんでいたことに誰か気付いた者は居ただろうか。
 浮かんだまま、彼女の可憐な唇は紡ぐ。
「――消えて」
 真実の木を向けた邪神にユーベルコード『天罰』の生み出す光の柱が、燃える灰霞の邪神を串刺しにするように刺し抜いていく。
「――――!!!」
 認識できない言語を以て咆哮を上げながら、彼女に向かって焔と剣が振るわれる。
 だが、第六感を駆使して寸でのところでその攻撃を回避しながら、彼女は邪神に囁く。
「邪神に会うのって初めて。はじめまして、私はウイシア」

 囁いた彼女の瞳に、爛々と輝くのは好奇心と知的探究心の煌きか。
 知的好奇心旺盛な彼女は、初めて邪神に対面したことによりその欲を抑え切れない様子で、無意識に自身をオーラによって護りながら、回避し損ねた焔の痛みすら耐えうる力を見に宿してゆく。
「ねえ、あなたって喋れるの?発声器官はあるの?思考をする脳はどこ?容量は?」
 矢継ぎ早に尋ねながら、全体魔法の加護と呪詛への耐性をも得ながら、問いかけと『天罰』を同時に繰り出し邪神を焼いていく。
「―――!――!!」
 彼の神の咆哮が部屋に響く。
 その声は質問への回答であったか、只の怒りの咆哮であったのか。
 興味はあれど理解をする気のないウイシアの言葉は、光の柱のように容赦なく邪神を貫いてゆくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エスペラ・アルベール
ぅぁ、まだなんか変な気分……っ、あんなのが眷属って、こいつ自身もどんな趣味してるんだかっ
……服燃やしてきたりしないよね?

まずはシンフォニック・キュアで、みんなのさっきの戦いでのダメージを回復するよっ。ど、毒も消えてくれるといいんだけど……
その後は焔や灰なんかに気をつけながら、ルーンソードで攻撃っ! 炎は効き目薄そうだし、水の属性で勝負!
傷を負った人が出たら、適時後ろに下がって、シンフォニック・キュアで回復するねっ、援護重視でっ

教団の人は自業自得だけど、それ以上に被害を広げるつもりなら容赦はしないっ!

(アドリブ等歓迎です)



 他の猟兵と隊列を合わせる様にルーンソードを構えながら、エスペラ・アルベール(f00095)は『灰霞の剣』ヴォル・ヴァ・ドーズを見据える。
 キッ、と真剣な瞳で邪神を見据えるエスペラだが、時折顔を赤くさせて困ったように頭を振っていた。
(……ぅぁ、まだなんか変な気分……っ、あんなのが眷属って、こいつ自身もどんな趣味してるんだかっ)
 先ほどの邪神の眷属との戦いで酷い目に遭ったようで、警戒の色を隠さないままに目の前の邪神に悪態をつく。
「……服燃やしてきたりしないよね?」
 眷属が眷属なら邪神も邪神なのかも、と自身が大変な目に遭うことを心配しながらルーンソードを邪神に向ける。
 だが、その前にと。
「――みんな、全快で戦おっか♪」
 あー♪とシンフォニックデバイスのマイクチェックをしてから、ユーベルコード『シンフォニック・キュア』で、エスペラの歌声に癒しを乗せ、淀んだ空間に清涼で暖かな風を呼び込む。
(ど、毒も消えてくれるといいんだけど……)
 紫色の触手の粘液を思い出して、もう効果は薄れたとはいえ微妙な表情を浮かべつつ、エスペラはルーンソードに水の属性を付与させながら灰色に燃える焔の邪神へ斬りかかる。
 カウンターのように邪神から向けられる焔と剣を、水の属性加護を付与したルーンソードで相殺しながら、攻撃を見切り鍔競り合う。
 空気すら燃やすような焔を振るう邪神の攻撃を防ぎながら、彼女は仲間の猟兵の戦況を窺い、援護の姿勢も崩さない。
 私は一人で戦っているのではない――仲間と戦っている。
 邪神と、その周囲にも意識を集中させながら、剣を振るい、歌声を響かせるエスペラ。
「教団の人は自業自得だけど、それ以上に被害を広げるつもりなら容赦はしないっ!」
 強い意志で叫ぶと、上から垂直に振り下ろされる邪神の焔を水の剣で切り返すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リョウ・サイバ
………う、ふぅ。(一章を外から眺めて遅れて参加さ)

さぁって、邪神退治だね?遅れた分オジサンがんばっちゃうよ(賢者な顔でナイフを構え)
毒入りのナイフはお嫌いかい?(目立たないで隠れ力溜めで力を溜めた後に毒使いでユーベルコード使用)

邪神だろうが神様だろうが美女や美少女を食い物にするようなのは許せないし許さないよ?
なぁに、痛いのは一瞬さ、多分ね?

※アドリブや絡みやその他もろもろ何でも大歓迎


チガヤ・シフレット
欲にまみれてぶよぶよと肥えた邪神様のお出ましか。
触手どもをけしかけてきたお返し、たっぷりさせて貰うとしよう。
くくく、邪神狩りってのはワクワクするなぁ

しっかし、炎だか霞だかわからんがややこしい相手だな!
ガジェットショータイム!
取り出しましたるはビックリドッキリ消火器砲!
吹き飛べ消し飛べ!
属性攻撃で水で押してみるとしよう

あちこち動き回って、炎やらに捕まらないように、ミドルレンジ以上からの砲撃射撃で攻撃!
霞みたいで妙な感じだが、どこかに弱点とかそういうのがあるだろう?
撃って撃って撃ちまくって、あぶり出してやろうじゃないか。

他の猟兵とも連携できるように周囲に気を配りながら、必要に応じて声を掛け合って。



「欲にまみれてぶよぶよと肥えた邪神様のお出ましか。触手どもをけしかけてきたお返し、たっぷりさせて貰うとしようか……」
 くくく……と怒りを秘めた微笑みを浮かべながら、チガヤ・シフレット(f04538)はガジェットを構える。
 鋭い目つきで灰色に燃える邪神を睨みながら、隣を走るリョウ・サイバ(f05025)と合わせる様に部屋を駆ける。
「邪神狩りってのはワクワクするなぁ!」
「さぁって、邪神退治だね?遅れた分オジサンがんばっちゃうよ」
 ナイフを構えながら、どことなく賢者風な顔つきでチガヤの言葉に返すリョウ。
 彼が儀式の部屋に辿り着いたのは邪神の眷属――触手たちが倒された後だったのだが。
「……う、ふぅ」
 触手が片付いた直後の様子はそれはそれは女性陣的には凄惨な状態だったためか、思い返すとなんだか複雑な心境になるのだった。
 
「しっかし、炎だか霞だかわからんがややこしい相手だな!」
 互いの心情など知る由もなく、チガヤは邪神に悪態をつきながらユーベルコード『ガジェットショータイム』でガジェットを消火器砲の形状へとチェンジさせる。
 水の属性を付与すれば、それは水の大砲を打ち出す蒸気機械となる。
「吹き飛べ消し飛べ!」
 邪神には近づかずに中距離程の間合いを保ったまま、景気よく水大砲を打ち出すチガヤ。
 その隣を、目立たないようにして走っていたリョウは、ナイフを携えたままチガヤを追い越すとそのまま邪神へ駆けていく。
 そして一気に邪神の懐へ飛び込むと、力を溜めた強力な一閃。
「――!?――!!」
 そのナイフの一閃を受ければ、邪神の焔が濁った色に染まり、苦悶の咆哮が耳を劈く。
「おや。……毒入りのナイフはお嫌いかい?」
 毒使いの彼のユーベルコード『斬撃の嵐』により、その一閃に見えた一瞬のうちに毒を付与されたナイフの刃によって、邪神は超高速連続攻撃を与えられていたのだ。
 本人さえその回数を認識できないほどの高速の斬撃は、確実に邪神の焔を弱まらせてゆく。
「邪神だろうが神様だろうが美女や美少女を食い物にするようなのは許せないし許さないよ?……なぁに、痛いのは一瞬さ、多分ね?」
 リョウの後ろから打ち出されるチガヤの水大砲が当たった場所目掛けて再び『斬撃の嵐』を繰り出し、じわじわと邪神を解体せんとナイフと共に踊る。

「うぉっと!あっちぃ!?」
 熱い、とぼやきながらも第六感による感知で邪神からの焔と灰と剣の応酬を回避しながらチガヤは走る。
 とにかく走りながら、ガジェットで水大砲をめちゃくちゃに撃ちながら思考する。
(霞みたいで妙な感じだが、どこかに弱点とかそういうのがあるだろう?……よし、撃って撃って撃ちまくって、あぶり出してやろうじゃないか)
 邪神との間合いを保ちながら、前衛で斬りかかっているリョウの動きを気にしながら水大砲を連射するチガヤ。
「おーい!次は上を狙うぜ!」
 ナイフを構えるリョウにそう声を掛けると、邪神の上体に照準を定めて水大砲を連射する。
 連射されて焔の勢いが鈍るその場所を、リョウのナイフが断ち切るように鋭く斬り裂く。
 前衛のリョウ、中衛のチガヤ、共に声を掛けたり動きを合わせた見事なコンビネーションで剣携える邪神の腕を落とさせるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

藤堂・遼子
眷属が触手だったから邪神もそういう系統かと思ったら、まったく関係なさそうね。

まぁある意味では楽だし、こうも実体があるのかないのかよく分からない相手だと逆に厄介でもあるわね。
……楽よね?まさかこいつもエロ要素あったりしないわよね?もしそうなら最悪なんだけど。

まぁなんであれ、邪神相手なら最初から全力を出す必要があるわね。
初っ端から【オーバーリミットアームズ】を発動させるわ。
高速移動しながら大鎌の狂気を狩るモノでの物理と電撃のどっち攻撃のが効果があるかをまずは見定めるわ。
というか、仲間の攻撃も含めてなにが効果的なのかどうかを観察ね。それで特に効果的な攻撃をしてる仲間の援護に回るわ。



「オオオオ――!!」

 周囲の空気を爛れさせるような焔混じりの咆哮が響き渡る。
 猟兵たちの苛烈な攻撃によって半身を灰燼に帰された邪神は苦痛と怒りに戦慄いている。
(眷属が触手だったから邪神もそういう系統かと思ったら、まったく関係なさそうね)
 藤堂・遼子(f09822)はパキパキと両手を組んで骨を鳴らすように音を立てると邪神を観察する。
「まぁ、ある意味では楽だし、こうも実体があるのかないのかよく分からない相手だと逆に厄介でもあるわね」
(……楽よね?まさかこいつもエロ要素あったりしないわよね?もしそうなら最悪なんだけど)
 先程の邪神の眷属との戦い、そして過去の記憶が一瞬記憶を掠めたのもあり、苦虫を噛み潰したような顔をしてそんな独り言を零しながら、ユーベルコード『オーバーリミットアームズ』を発動させる。
「リミット解除、オーバードライブ!」
 そう叫ぶと初めから全開の力を開放するし、遼子は怒れる邪神へ向かって電光石火の如くオーバーリミットした義肢から発生する電流を纏いながら高速で駆け出す。
 機械化された四肢から電撃を放出させ、ジリジリと寿命を削られながらも、遼子は自身の為に誂えた肉厚の大鎌――狂気を狩るモノを振り、振り下ろされた灰霞の剣ごとその焔を割断する。
 同時に、遼子は電撃による攻撃と大鎌による攻撃のどちらが効果的かを冷静に観察して思考する。
 どちらも苦痛の咆哮は同じように感じると、更に思案しながら周囲の仲間の様子を注視する。
 遼子は自身の戦闘知識も踏まえて効果的に攻撃していると思われる猟兵に気付くと、その猟兵の傍に近づき、その援護へと回り確実に邪神にダメージを蓄積させていく。

 ――邪神の終焉は近い。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリア・ティアラリード
真の姿を現したヴォル・ヴァ・ドーズと対峙します
強烈な圧を放ってくる邪神…しかしUC「焔を焚く者」を
展開出来ずにいる欠陥に《戦闘知識》で気付くと躊躇なく突撃します!

全力で《力を溜め》てから《二回攻撃》の【飛櫻剣】!
地下の空気を十字に引き裂く強烈極まりない衝撃波で灰霞を《吹き飛ばし》ます!

「こんな物では終わりません! さっきはよくもあんな恥ずかしい…〜〜〜ッ!」

極薄のフィルムスーツはダメージを受け、結構な肌が露出しちゃってます
しかもヌルヌル粘液で全身テカテカ
今思い出してもお姉ちゃん恥ずかしくって悔しくってもやもやイライラしちゃって…
《怪力》を込めてフォースセイバーを大上段から!面!面!面ですっ!!



「大分弱っているようですね……これで終わりにしましょう」
 邪神関連の依頼の経験豊富なアリア・ティアラリード(f04271)は、凛々しい表情で『灰霞の剣』ヴォル・ヴァ・ドーズを見据えていた。
(……私たち猟兵に抑え込まれて、本来使えるユーベルコードを展開できずにいるみたいね)
 強烈な圧を放つ邪神を前に、冷静にその状態を分析する。
 彼の神の真の姿を強化する『焔を焚く者』――アリアの戦闘知識にあるそのユーベルコードを発動した様子の無い邪神を鋭い観察眼で見抜くと、剣を構える。
 間合いを詰めながら全力で力を溜める。
「――逃がしません、これでっ!」
 終わりにする、そう続けるかのように強烈なユーベルコード『飛櫻剣』で目に見えぬ衝撃波と共にフォースの刃を生み出し邪神の四肢を斬り裂く。
「まだまだっ!」
 それを更にもう一度、クロスさせるような太刀筋で繰り返し生み出し放つ。
「――!?――オオオオオ!!………Aaaaaa……」
 その衝撃波の刃は、空間の空気ごと十字に斬り裂きながら邪神に喰らい付く。
 中心を十字に裂かれ、邪神は玉座を破壊しながら後方へと吹き飛ばされる。
 今まで蓄積されたダメージもあってか、動きは鈍り灯る灰色の焔は今にも消えそうなほどに弱々しく揺らめいていた。

 ――……ザッ。
 壁を焚く邪神の前に、アリアが立つ。
「こんな物では終わりません……!」
 逆光により表情が見えないが、アリアの声から滲むのは――
「さっきはよくもあんな恥ずかしい…〜〜〜ッ!」
 燃えるような羞恥と怒りだった。
 アリアの極薄のフィルムスーツは、先程の邪神の眷属との戦いのダメージで破れており、更にヌルヌル粘液で全身テカテカと淫靡に光を反射していたのだ。
(今思い出してもお姉ちゃん恥ずかしくって悔しくってもやもやイライラしちゃって……)
 わなわなと剣を握る手が震える。
 そしてカッと目を見開くと携えた剣全てを以て邪神に斬りかかるアリア。
「面!面!……面ッ!!」
 怪力を込めながら構えたフォースセイバーを大上段から連続で振り下ろすと、メタメタに灰色の焔は切り刻まれ、漸く煤を残しその邪悪な気配は消え去ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『麺類食べたくなりました』

POW   :    火力に物を言わせた焼きそば食べよう!

SPD   :    細くてコシのあるちゅるちゅるのラーメンとか蕎麦とか素麺食べたい!

WIZ   :    科学の叡智!……インスタント麺おいしいよ?

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 こうして邪神を消滅させた猟兵たちは、あとの始末をUDC組織に託して街へ繰り出す。
 UDC組織からの勧めもあり、猟兵たちは現場近所の商店街へと足を運んでいた。
 そこは焼きそば、焼うどんなどの焼き系の麺類を提供する屋台。
 ラーメン、そば、うどん、そうめんなど汁系の麺類を提供する屋台。
 お湯とインスタント麺を提供している屋台。
 そして自らが調理できるようにと自由に使える食材や調味料を準備してあるカンイキッチン。
 猟兵たちが勧められた飲食スペースを囲むように用意された屋台とキッチン。
 屋台や調理材料の代金はUDC組織が経費で持つため、自由に飲食や料理を楽しんでください、と伝えられた猟兵たちは、各自思い思いの麺類を食し始める。
エスペラ・アルベール
ラーメンっ! 焼きそばっ! おうどんっ!(目をキラキラさせながら)

大好きな麺類に囲まれご満悦、小柄な身体のどこに入るんだとばかりに食べまくり、満面の笑顔を浮かべる。
麺料理は至高だよね……っ、ボク、猟兵になってよかった……!

一息ついたところで、ふと、絡んだ麺から戦った眷属を連想し、更にはその時に味わったあの感覚まで思い出してしまい、人知れず顔を赤くしながら立ち去るよっ



「ラーメンっ!焼きそばっ!おうどんっ!」
 緑色の澄んだ瞳をキラキラと輝かせながら、猟兵たちを囲むように設置された麺類の屋台を目にして思わず叫んでしまうエスペラ・アルベール(f00095)。
 叫んだ通りに、ラーメン、焼きそば、うどんの屋台へとふらふらと誘われるように近づいていった。
「麺料理は至高だよね……っ、ボク、猟兵になってよかった……!……ちゅるるっ♪」
 エスペラの大好きな麺類に囲まれ、ご満悦かつ幸せそうな、満面の笑みを浮かべながら注文しては啜り、注文しては啜り。
 その小柄で愛らしい身体の何処に納まってゆくのだろうというほどに、屋台を巡っては店主がその食べっぷりに目を丸くさせているのも構わずに、美味しそうに麺類を愉しむエスペラ。

「ふぅ~……、えへへ、いっぱい麺類……幸せだなぁ……♪」
 殆どの屋台を制覇し、空腹も落ち着いたのか満足げに呟くエスペラだったが……ふと、一息ついたところで、お椀に残った絡まった麺を見て教団で戦った邪神の眷属、パープルテンタクルズとの戦いを思い出してしまった。
「……ぅあ。……あううぅ……」
 思い出した途端に真っ赤になって俯いてしまうエスペラ。
 更には、温かい麺類を食べ身体がちょうど熱を持っていたこともあり、ついその時味わった――何とも言えぬ、人ならざる者の快感を思い出してしまい、閉じた足をもじもじと揺すってしまう。
「ご、ごごごちそうさまっ!」
 真っ赤な顔をブンブンと振ってから立ち上がると、挙動不審な様子で飲食場所から離れたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウイシア・ジンジャーエール
UDCアースに来て間もないウイシア。
今回は邪神に会ったりと、初めての体験が沢山ありました。
資料ばかりを読み漁り、実体験をしたことがないウイシアにとって、今回用意していただいた打ち上げは感動するものでした。
「すごい、データで見たことある…!」
これが屋台…!と目をキラキラさせながら屋台の外観を興味深そうに何周かします。

「屋台といえばラーメンと書いてありました。ラーメンをください!」
「そうだ、撮影をしてもいいですか?」
ネットに投稿する訳ではありません。後日見返したくて。
UDC組織の兼ね合いもあるでしょうから、店員さんのお顔が映らないよう配慮しながら【花通り】についた録画機能を起動させたいです。



「すごい、データで見たことある……!これがあの、『屋台』……!」
 一方、エスペラとは違った方向で琥珀色の綺麗な瞳をキラキラとさせて屋台を見つめていたのはウイシア・ジンジャーエール(f09322)だ。
 彼女はUDCアースに来て間もなく、UDCアースで見るモノ全てがとても興味深く新鮮に見えている。
 普段、篭って資料を読み漁って過ごすことが多く、実際に体験や経験をすることがなかったウイシアにとって、初めて目にした邪神や眷属との戦いは貴重な経験であり、更にこの打ち上げも彼女にとっては感動する展開だったようだ。
(この屋台も……ここも!資料に載っていたわ!)
 目を輝かせたまま屋台とその外観を興味深そうに見遣る美女に店主たちは満更ではない様子で微笑みながら見守っている。
「屋台といえばラーメンと書いてありました。ラーメンをください!」
 観察に満足したのか、スタンダードなラーメンの屋台の前に立つと元気よく店主に注文するウイシアに、店主はニコニコと嬉しそうに笑って応対する。
「あいよっ!姉ちゃんべっぴんさんだから、チャーシューおまけしとくよ」
 チャッチャ、と手慣れた様子で茹でた麺を湯きりして、澄んだ琥珀色のスープの入った器に麺を入れ、盛り付けていく。
「そうだ、撮影をしてもいいですか?……あの、ネットに投稿する訳ではありません。後日見返したくて……」
 そう言って店主に断りを入れようとすると、店主は手を動かしたまま『構わないよ』と答える。
 了承を聞き、ウイシアはサングラス型の暗視ゴーグル――『花通り』の小型カメラを起動させ、人の顔を映さないように店主の慣れた手際で完成されていくラーメンの様子と、完成したチャーシュー多めのラーメンを撮影していく。
「ははっ、熱心で嬉しいが……麺伸びちまう前に食べてくれな」
「そうですね、では……いただきます」
 苦笑する店主の声で、満足したのか撮影を止め、初めて口にするラーメンの味に、舌鼓を打ちながら堪能するウイシアなのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

チガヤ・シフレット
いやぁ、触手やら邪神やらでドタバタしたが、バッチリ退治出来たな。
せっかくだ、ラーメンでも食って帰るとするか。

仕事終わりの一杯は美味い!
ついでに、酒も飲んでいいよな?
止められても飲むがな!

豚骨、しょうゆ、みそ……とりあえず、次から次へと食べるとするか。
よく運動した後だからな、カロリーのことは気にしないぞ。

他の一緒に食べてる猟兵連中捕まえて乾杯とかするか―。
お疲れ様だっ!

美味い酒に旨いラーメン。実にいい気持だ


アリア・ティアラリード
なまじ育ちが良く家が厳しいため、町のラーメン屋など中々行く機会がなく
そうであるならこのチャンスを逃してなるのものか、と全五感…だけではなく《第六感》も全開!
いかにも名家の令嬢然とした金髪巨乳のお嬢様が、目を瞑り鼻をヒクヒクすんすんさせながら
屋台ひしめく繁華街をうろつき回る姿は周囲の注目を《おびき寄せ》てしまいます

「なんかこうお姉ちゃんの第六感が囁くんです。美味しいラーメンがあるぞ…って」

……!この店が美味しい…はず……多分…

「醤油薄口 ネギ増しチャーシュー 麺固め」

魔法の呪文もスルスル出てきます!これが【サイン・オブ・ニアフューチャー】の力
まるでラーメン通の『ような』物知り顔で屋台に突撃です!


リョウ・サイバ
うーん、依頼が終わった後の解放感はいいねぇ(焼きそばをつまみにビールをごくごく)ぷはー

さぁて、オジサンは夜の戦いを始めますかねぇ(周りを見渡し)

そこのおねーさーん、オジサンと夜のアバンチュールといかないかい?

(デレデレとナンパ開始そしてフラれてフラれて際限なくフラれリトライ)

オジサン挫けない!もっこりは不滅だ!
そしてビールと麺類をやけ食いして翌日は二日酔いコース・・・運が良くて奇特な美女・美少女がいない限り。

※アドリブや絡みや突っ込みや巨大ハンマーなどで潰されるなど歓迎します


藤堂・遼子
あー、とりあえず食べるなら蕎麦かうどんね。あぁ、温かい汁のやつね、蕎麦なら月見、うどんならキツネかしらね。

うっ!(出された麺を見て、思わず口を押さえる)
……麺見て戦った触手思い出して、濡れるとか……これ殆ど後遺症よね。
……頼んだ以上、食べないわけにはいかないわよね。
あっ、んんぅ……ふぁっ!(注意:麺を食べてるだけです)
だ、駄目ね。本格的に疼いてまずいわ、まさか麺啜って飲み込むだけで感じるとか普通に重症でしょう!
……こ、此処だと公衆トイレしかないか。公衆トイレの個室に駆け込んで自分で慰めて静めるしかないわね。……十八禁な本とかだと、これ見知らぬ男が押し入ってくる展開だけど、まさか、ね?




 一見して名家の令嬢然としたアリア・ティアラリード(f04271)が、美しい金髪を靡かせ、豊満な乳房の目立つわがままボディを揺らしながらラーメン屋台の前をうろつき回る姿は、周囲にいた人々の視線を一身に集めていた。
 彼女は正真正銘のお嬢様であり、家が厳しく町のラーメン屋台などに足を運ぶ機会がなかったためか、『せっかくのこのチャンスを逃してなるものか!』という意気込んでいたのだ。
 アリアはその優れた五感全てを集中させ、更には第六感さえ敏感に巡らせるとカッと目を開き、ある屋台にその美しい顔を向け、歩き出した。
 アリアが向かう先の屋台で、豚骨、醤油、味噌、塩と一通りのラーメンを堪能してジョッキをあおるのはチガヤ・シフレット(f04538)。
 チガヤが食べた分の、摂取カロリー何の其のという状態で器が重なったテーブルの上に、空になったジョッキを置くと満足そうにニコニコと笑う。
「いやぁ、触手やら邪神やらでドタバタしたが、バッチリ退治出来たな!」
 仕事終わりの一杯は美味い!とばかりにチガヤの席には次々に中ジョッキや徳利、ワインボトルやらの酒瓶やグラスが並べられては空になっていく。
 もはや止められても飲むぞ、という硬い意思の元、飲んでは食べ、飲んでは食べを繰り返していた。
「美味い酒に旨いラーメン。実にいい気持だ……おっ、アンタもこの店選んだのか?旨いぞココ!」
 此方に近づいてきたアリアに気付いたのか、御機嫌にほろ酔いになっているチガヤが笑いながら手を振る。
「まぁ。貴女も此方においででしたのね」
「おう、今回はお疲れ様だっ」
 乾杯を誘う様にジョッキを持ち上げるチガヤに微笑むアリア。
 そして、積もる話もあるがまずはラーメン!とばかりに目を付けた屋台に近づいていく。
「なんかこうお姉ちゃんの第六感が囁くんです。美味しいラーメンがあるぞ…って」
(……!この店が美味しい…はず……多分…)
 自信満々に目を輝かせながら、店主が注文を伺う前にニッコリと微笑みながら唇を開く。
「醤油薄口、ネギ増しチャーシュー、……麺固め!」
 ラーメン通のような物知り顔をしながら、常連が発するのような魔法の呪文(注文)が、アリアのユーベルコード『サイン・オブ・ニアフューチャー』の効果であったかどうかは本人以外知る由もない。
「おー、旨そうだな!私もそれ!……えーと……」
 アリアが頼んだラーメンに興味を惹かれたのか、チガヤも同じように注文しようとするが、酒の酔いもあってか滑らかに舌が回らなかったのはまた別の話である。


 藤堂・遼子(f09822)はラーメンの屋台の並びの隣、一人でフラフラと歩いて回り、好みの匂いに惹かれた屋台に入っていた。
「へい、お姉ちゃん月見とキツネおまち!」
 店主の張りのある声と共に、遼子の目の前にコトリ、と置かれる食欲を誘う出汁の香り湯気を漂う丼ぶり。
 さて、食べよう…と、箸を割って器を覗き込んで――
「うっ」
 周りにわからないように呻き、口を抑え顔を赤らめながら目を逸らす遼子。
(……麺見て戦った触手思い出して、濡れるとかこれ殆ど後遺症よね。……頼んだ以上、食べないわけにはいかないわよね……)
 器の中の絡まる麺――思わず触手を思い出してしまい、鎮めていた筈の遼子の身体の火照りだす。
 悩ましげな吐息を零すその様子を見ていた周囲の客や店主が、思わず顔を赤くしてソワソワしだしていることも気付かずに、遼子は深呼吸すると意を決したように麺を啜る。
「あっ、んんぅ……ふぁっ!……おいし……」
 色めいた声を漏らしながら麺を啜る遼子の姿に、客たちからゴクリと生唾を呑む音が発せられていく。
(だ、駄目ね。本格的に疼いてまずいわ、まさか麺啜って飲み込むだけで感じるとか普通に重症でしょう!)
 手早く食事を済ませると、代金を置いてそそくさと屋台から離れる遼子。
(こ、此処だと公衆トイレしかないか。公衆トイレの個室に駆け込んで自分で……静めるしかないわね。……えっちな本とかだと、これ見知らぬ男が押し入ってくる展開だけど、まさか、ね?)
 悶々と急ぐ遼子とすれ違ったのは、上機嫌で周囲の見目麗しい女性客を眺めているリョウ・サイバ(f05025)。
「うーん、依頼が終わった後の解放感はいいね屋台で買った焼きそばと冷たく冷えたビールの缶を両手で持って、好々爺のような顔で歩き回る。
 パックの焼きそばを食べ終わり、空き缶と共にゴミ箱に捨てると、周りを見渡す。
「さぁて、オジサンは夜の戦いを始めますかねぇ」
 キリッと整った美丈夫の顔で微笑むと、リョウの戦いが始まる――!

 ……数十分後。
「そこのおねーさーん、オジサンと夜のアバンチュールといかないかい?」
 好みの美人にナンパをしていくリョウだったが、幾ら顔が良いイイ男……でも、デレデレとだらしない顔でナンパを繰り返す彼は、ことごとくフラれ、それでもフラれても何度もリトライした結果……
「何の成果も得られない……だと……」
 しょぼーん、と肩を落としつつも拳を握り起き上がるリョウ。
「オジサン挫けない!もっこりは不滅だ!」
 とは言いつつも、今晩はビールと麺類をやけ食いして翌日は二日酔いコースだろうか……とトボトボ歩いていると、フラリと酔っているように足元がおぼつかない様子でトイレから出てくる女性に気が付く。
(おっ……アレはもっこり美人!)
 リョウの美人センサーが働いたのか、後姿からそう判断すると、介抱しつつ声を掛けてあわよくば……と彼女に近づく。
「君、大丈夫?オジサンと休まな――」
「……キャーっ!」
 言葉が終わる前に100tハンマーのような何かで潰されるリョウ。
 声を掛けられたのはその……色々冷静になった様子の遼子であった。
 彼女はハンマーを握った手と潰されたリョウを交互に見ながらオロオロとするのであった。
 反射的に『何故かそうしないといけない気がした』と遼子は後に語ったとか。


 夜になり、祭りのように屋台の集ったその場所に明かりが灯る。
 ラーメン、そば、うどん、焼きそば、パスタ…和洋中の他、エスニックから何まで様々な麺料理の集う宴は、まだまだ明ける気配無く夜は更けていく。
 猟兵たちは心ゆくまで麺を堪能するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月18日


挿絵イラスト