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プレゼント

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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●My dear
 めぇめぇ、モコモコ。
 一つ目のプレゼントは、何だろう?
 ひらり、キラキラ。
 二つ目のプレゼントは、輝くよ。
 ふわり、ピカピカ。
 三つ目のプレゼントは、星の雫――。

●グリモアベースより、皆様へ
 グリモアベースの一角で、ミンリーシャン・ズォートン(綻ぶ花人・f06716)が辺りの猟兵へと声を掛け始めた。
「ハロウィンの準備で賑わっているなか、わざわざ足を運んで下さりありがとうございます。今回皆様に行って来ていただきたいのは、アックス&ウィザーズの世界にある、『星屑の丘』と呼ばれる場所です。その丘にある大樹は夜になると月の明かりと共に花を咲かせ、その花は星のように輝き、それはそれは幻想的な世界へと誘うとか。星の花には、贈ればその人に幸福をもたらし、花の蜜を分かち合えば心が強く結びつくと伝えられているようです」
 ただし、と彼女は付け加えた。
「その魅力的な丘に惹かれるのはオブリビオンも同じらしく、昼間は羊のような姿をしたオブリビオンが、夕刻になれば体が宝石で出来た蝶の姿のオブリビオンが現れるみたいです。夜に輝く花を愛でたいのならば、先ずは昼と夕に現れるその子達を討伐しないといけなくて……。ちょっぴり戦いづらい相手かもしれませんが、上手くやれば沢山のアイテムをGet出来ちゃうかもしれません。興味が出た方は、準備が完了した方から順に転送しますので声を掛けて下さいね。それから、強敵ではないですが相手はオブリビオン。くれぐれも油断はしないよう、皆様どうぞお気をつけて、いってらっしゃいませ」


ぺこ
 ぺこです。
 八作目、アックス&ウィザーズの世界にて、お宝がっぽりな依頼をお届けします。
 戦闘の難易度は低めですが、あんまり油断していると攻撃されますのでお気をつけ下さい。
 *一章:昼間。
 『木の精霊・まんどらめぇめ』との戦闘です。めちゃんこ可愛いです。頭から食べ物や縫いぐるみなど、様々なものを咲かせ、それを餌に人を引き寄せてきます。上手く戦えば頭上のアイテムをGETできるかも。
 *二章:夕刻。
 『宝玉蝶』との戦闘です。上手く戦えば宝石の粒や、欠片がGETできるかも。
 *三章:夜。
 『星の雫の降る夜に』日常です。星屑の丘にて光る星の花を心ゆくまで堪能して下さい。ミンリーシャンはお声をかけていただいた場合のみご一緒します。

 ※どなたかと参加される方はお相手のIDと呼び方、もしくはグループ名を記載の上、なるべくタイミングを合わせてご参加頂けると助かります。
 ※各章、プレイング受付開始時期はお手数をかけますがMSページにて確認お願いします。
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第1章 集団戦 『木の精霊・まんどらめぇめ』

POW   :    マンドラ・ミサイル
レベル×5本の【木】属性の【ふわもこな毛の塊】を放つ。
SPD   :    めぇめぶらすと
【ふわもこな体】から【ざっくりと編みこんだ毛】を放ち、【巻きつけること(痛くはない)】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    必殺!疑似餌封じ
【美味しそうな食べ物】【愛らしいお人形】【魅力的な書物】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。

イラスト:藤乃 はくまい

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●星屑の丘(昼)
 そよそよと風が吹けば丘の上の草は波打ち、ぽかぽか暖かいお日様が照らせば絶好のお昼寝タイム。
 ――でも眠れない?
 大丈夫。そんな時は羊を数えてみよう。
 羊が一匹、羊が二匹、羊が……。いやいや、あれは羊じゃないよ。
 だって彼らの頭には、プリンやケーキ、ヌイグルミに花束、本に指輪等、実に様々なものが実ってる。
 「メェ~~♪」
 「メェメェ~~♪」
 愛くるしい声と長閑なお顔でころころ、草の上を転がる『まんどらめぇめ』。
 とっても倒しずらい相手だけれど、オブリビオンを放っておく事は出来ないので、さぁ、皆様、頑張っていきましょう!
ティエル・ティエリエル
WIZで判定

「めぇめぇ、羊さん退治だ!目標は……はちみつたっぷりのパンケーキだよ♪」

背中の翅を羽ばたいて「空中浮遊」、「空中戦」によるヒット&アウェイで戦うよ!
レイピアに風を纏わせて「属性攻撃」でどんどんやっつけてまわるよ☆

頭にパンケーキを実らせてるのを見つけたら【妖精姫の括り罠】で捕まえて逃がさないぞー!
お仕事の後のパンケーキ、きっと美味しいよねと涎をじゅるりっ……、いけないいけない、まずはオブリビオン退治だよ♪

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です




「てりゃーっ☆」
「メェェ~!」
 小さな掛け声の主、ティエル・ティエリエル(f01244)が刺突剣を振れば、風を纏った小さな刺突剣はくるくるとまんどらめぇめの体を回転させ、ぽしゅっと消滅させた。まんどらめぇめの頭上に実っていたプリンアラモードも本体と共に消え去る――。
「……今のはちょっと勿体無かったかな? いやでもそんなに食べられないしやはり此処は目標を絞って――」
 小さな妖精姫ティエルが目を凝らし獲物を探せば、とあるまんどらめぇめに視線が釘付けになり、妖精姫の視界がキラキラと輝き始めた。
 妖精姫が狙いを定めたまんどらめぇめは、ご機嫌なのかぴょこぴょこ跳ねてお散歩中。そして頭上には蜂蜜たっぷりのパンケーキが乗ったお皿がカタカタと絶妙なバランスを保ち魅惑的に揺れ動いていた。
 ――じゅるり。
 口元から涎が垂れそうになり慌てて拭う。
「ぉぉっと、いけない。ふふ、ふふふふ……っ。お仕事後のパンケーキ、絶対美味しいよね~♪」
 よぉし、そうと決まればあの子を捕獲するぞ!
 ティエルが心内で意気込み詠唱すれば、お散歩中の標的はあっという間に……。
「メェェ~~っ!?」
 本当にあっという間に捕縛された。ティエルのくくり罠は標的の足を縛りその拍子で転んだが、やはりパンケーキは絶妙なバランスを保ち、無事だった。
 ティエルは働きアリのように自分よりも重いパンケーキを安全な場所へと運ぶ。パンケーキを失いただの可愛い羊となったまんどらめぇめは最後に潤んだ瞳でティエルを見つめていたが、運んだパンケーキを誰かに盗られはしないかと妖精姫の視線はパンケーキに向いたまま、まんどらめぇめはティエルの刺突剣により消滅する。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エウトティア・ナトゥア
※アドリブ・連携歓迎
チーム【獣人同盟】で参加するのじゃ。
うむうむ、丸々と肥えてよい羊じゃのう。
確かに家畜にはできぬが狩る分には問題あるまい。
毛や肉だけでなくおまけもついておるようじゃしのう。
【動物使い使用】
狼達も腹を空かせているようじゃし、お肉を沢山獲るのじゃ。
(狼を沢山召喚し【巨狼マニトゥ】をリーダーに群れを形成)
よし、お前たち今日は好きなだけ狩ってよいぞ!多少の攻撃力が減っても構わぬ、数で圧すのじゃ。
あ、ただし頭上のアイテムは傷つけず持ってくるのじゃよ。
むむ、マニトゥ!あのハンバーガーを持った羊を狩るのじゃ!あちらのケーキもよいのう。
うははは、どれも美味しそうなのじゃ!


スピレイル・ナトゥア
【獣人同盟】で参加します

「お姉様、かわいらしい羊さんがいますよ! あれが、例の羊さんでしょうか」
お菓子に人形に書物に……みんな魅力的です!
私たちの部族の家畜にできたら便利そうですが、さすがにオブリビオンさんを家畜にはできませんね
せめて、あのふわもこな羊毛や新鮮なラム肉を採取することができれば良いのですが
彼らの羊毛を使ったら、それはもう着心地の良さそうなかわいらしいお洋服ができるとは思いませんか?
採取できるかどうかはわかりませんが、ここは炎や雷ではなくゴーレムさんたちを使って羊毛を傷つけないように人海戦術で倒してもらうことにします

お姉様は食べ物なんですね
あ、でも、あんまり血生臭いのはちょっと……




 むしゃむしゃむしゃ♪
 美味しそうに草を食べるまんどらめぇめの群れ。
 草を食べてお腹が膨れれば、あっちへコロコロ。そっちへコロコロ。
 見ているだけで癒される光景に、黒と金の猫の尻尾がゆっくりと揺れた。
「お姉様見て下さい、とても可愛らしいですね! あの子達が例のまんどらめぇめさん……でしょうか?」
「うむ、恐らくそうじゃろうな。話に聞いていた通り、頭に色々な物が実っておるようじゃしのう」
 黒の猫娘が双子の妹、スピレイル・ナトゥア(f06014)。
 金の猫娘が双子の姉、エウトティア・ナトゥア(f04161)。
 幼い双子猫はまんどらめぇめを暫し眺める。
「お菓子に人形、それに書物までも頭に実るとは、なんて魅力的なのでしょう……♪ 私達部族の家畜にできたらとっても便利なのに……」
「うむ、確かにな。だが家畜には出来ぬが、狩る分には問題無いようじゃ」
 双子の姉妹がにこり、笑顔で顔を見合わせた後、のんびりと過ごしていたまんどらめぇめの群れの方へと近づいた。
「メェ~?」
 まんどらめぇめが姉妹の存在に気付き、じっと此方の様子を伺っている。どうやら一応警戒しているらしい。
 しかし姉が巨大な白狼の率いる狼の群れを、妹がゴーレム集団を召喚した瞬間、まんどらめぇめの群れは怯えるような表情をみせ、ぷるぷると小刻みに体を震わせた。
「――狼達が腹を空かせているようじゃ」
「お姉様、あの羊毛で衣服を作ればとても着心地が良さそうです」
 ふふふふふ…………。
 双子の姉妹がじりじりと獲物を追い詰めれば、追い詰められたまんどらめぇめはついに反撃にでる。
「メェメェメェ~~っ!」
 頭に実っていたぬいぐるみ、書物、そして美味しそうな料理の数々をエウトティアとスピレイルに向け放つ――。
 もう一度言うが、此れは反撃であり決して相手が狙う獲物を渡し降伏しようとしている姿ではない。
「――むむっ、マニトゥ! あのハンバーガーを死守するのじゃっ、あ、あちらのケーキもじゃ……っ!」
 マニトゥと名を呼ばれた狼のリーダーは主人の命を受け宙舞うハンバーガーの皿をキャッチ。更にあれもこれもと指示を出すエウトティアに合わせ、リーダーに続けと狼達が忠実に命を遂行していった。

「お姉様は食べ物が目当てでしたか。でも、私の欲しいものは……」
 スピレイルが、投げるものを失ったまんどらめぇめをちらりと見れば“剥がされる”そう悟った羊達が一斉に青ざめた。
 ゴーレムが主人へと投げられたぬいぐるみや書物を確保していたが、一先ずそれを地面へと降ろし、じりじりと獲物を追い詰める。
「メェ~~☆」
 とことことこ。
 スピレイルが率いるゴーレムの後ろを新たに散歩中だったまんどらめぇめが通りかかった。見ればとても気持ちの良さそうな服が綺麗にたたまれた状態で頭に実っている。
 すぐにゴーレムがその服を回収し妹猫が服を広げてみると、それはウール100%のワンピースだった。
 服を捥がれただの羊の仲間入りをした一匹が、ただのまんどらめぇめの群れの中に放り込まれる。
「大収穫ですね♪」
「――よしお前達。もう好きなだけ狩ってよいぞ!」
 直後、辺りに響き渡る絶叫――。

 静けさを取り戻した空間で妹猫が、ぁ、と声を零す。
「どうかしたのか?」
「新鮮なラム肉を採取するのを忘れていました」
 ふぅむ、と姉猫が考える。
「今一度狩りに出るか?」
「はい!」
 仲良し双子は再び羊狩りへと赴いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シシル・ロッツェル
「珍しい花とか宝石が手に入る楽園があると聞いて」
大樹の下でお昼寝してれば獲物が勝手にやって来る、とてもいい狩場。ずっと狩れればいいのに。

「この心地よい風、草のベッドの肌触りこそお昼寝の醍醐味……」
うとうとしてきた。このまま寝そう……Zzz
……はっ。いけないいけない。先に罠仕掛けないと。
昼間に来るのは羊って言ってたっけ。ならトラバサミとくくり罠かなー。
今回は通常の【罠を使って】設置しよう。バレないようにしっかりと【罠を隠そう】。
「これでヨシ」
後は罠にかかった獲物に【シーブズ・ギャンビット】の要領で飛び乗って、毛を刈り取っちゃおう。デザート付きらしいし。
勿体ない獲物だけど、ちゃんとトドメは刺す。




 心地よい風が吹く度に草木が音を奏でる。
 ぽかぽか、お日様が照らすから思わず草の上で寝転がってしまう。
 見上げた空はゆるりと雲が流れていくものだから、ついうとうとしてしまい……。

 ――……ハっ!

「いけない。先に罠仕掛けないと」
 目を擦り起き上がったのは、妖狐の少女、シシル・ロッツェル(f16367)。
 この時間に現れるのは、まんどらめぇめと呼ばれる羊型のオブリビオン。
 シシルはトラバサミとくくり罠を見えないように設置した。
「これでヨシ」
 大きく伸びをし、改めて草のベッドに身を沈める。
 やっぱりとても良い天気――。
 シシルが流れる雲を見つめながら再びうとうとし始めたその時、草を踏む音が聞こえた。そして大きくガサガサと草の擦れる音がすれば、ほぼ同時に羊の鳴き声が響き渡る。
 トラバサミにかかったまんどらめぇめが、足から血を流し潤んだ瞳でシシルを見上げた。
 シシルはまんどらめぇめから目を逸らし、頭上のチョコレートマフィンを回収。そしてその気持ちのよさそうな毛を狩ろうとした時、捕まったまんどらめぇめが反撃にでる。
「メェェ~!」
 もふっ。
 まんどらめぇめが自身のふわもこな身体から、編みこんだ毛束を放ってきた。それがシシルの身体に巻きつくけれど。
「すごいふわもこ!」
 狩らずとも自分から毛を差し出してきたまんどらめぇめにダガーでトドメを刺せば、まんどらめぇめは、ぽしゅんっと消えた。
 再びシシルはうたた寝。
 また獲物がかかっては同じように消滅させてゆく。
「珍しい花や宝石が手に入ると聞いて来たけど……お昼寝してれば獲物が勝手にやって来るとは、なんていい狩場」
 シシルは暫しこの時間を満喫した――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

胡・佳莉
※アドリブ絡み歓迎

わぁ、もこもこな上に色んなものをつけてるなんてなんとも不思議なオブリビオン。倒さないといけないのがちょっとかわいそうなぐらいですけど、あれでも人を襲うならしかたないですね。

「見切り」で動きを読んで躱し、【封荒】で穏やかにして片付けます。
なるべくそっと、苦しませないように・・・。

他の人が欲しい物があればそれを優先的に。私は特にこだわりはないので、適当に頂きましょう。

「このお菓子とかぬいぐるみとか、どうやって出来てるんでしょう?」
「あ、羊の上に羊のぬいぐるみ・・・いくつもついてて群れみたいになってる・・・」


ファルシェ・ユヴェール
これはこれは、随分とファンシーな

オブリビオンでさえ無ければ
敵でさえなければ
連れ帰れたならこれからの冷え込む季節、よいお伴になったでしょうに
流石にそういう訳には参りませんね……無念

あっ、あれは!
なんとお誂え向きにめぇめぐるみを載せているではありませんか
あれならば持ち帰っても大丈夫でしょう

懐より小さなコーラルをひと粒
これを触媒に、ペガサスを呼び出す
ペガサスはその身体能力と飛翔、そして雷の魔力を持ちます

目当ての一体を共に追い込んだら、
ぽこんとステッキ一閃、めぇめぐるみゲットを狙う
己の魅力をよく分かっているのですね……危険です
(縫いぐるみをふかふか)
(そうしている間にも働くペガサス)

●アドリブ連携歓迎




 キラキラキラ。
 つぶらな瞳が此方を見上げている。
 ふわふわもこもこ、思わず抱きしめたくなるそのボディ。
 頭上には魅力的なアイテムが右へ左へと揺れ動く。
「メェ~♪」
 此れはまた……なんと不思議で魅力的なオブリビオンなのだろうか。と、愛くるしいまんどらめぇめの前に立つ少女、胡・佳莉(f21829)は思考を巡らせた。
 人を襲うのならば倒さねばならない。けれど、今の所まんどらめぇめはただ此方をじっと見つめてくるだけであった。そっと自身の刀に手をかけるけれど、見れば見るほど可愛くて、なんだか可哀想に思えてきた。
 なかなか刀を振るう事の出来ぬ佳莉の後ろで、カサリと草の音がする。佳莉が振り向けば、そこにいたのは華美に飾った衣装を身に纏った美しい男性。ファルシェ・ユヴェール(f21045)の姿があった。どちらからともなく挨拶をし幾つか言葉を交わせば、彼もオブリビオンまんどらめぇめを探していたと解った。
 そして二人は同じ方角へ視線を向ける。先程から一歩も動く事なく、じぃっと此方の様子を伺うように見つめて来るつぶらな瞳を。
「これは確かに……なんともやりづらい。随分とファンシーで……」
「メェェ~♪」
「う……っ」
 甘えるような可愛い声。抱きしめてしまいたくなるそのふわふわもこもこの毛並み。
 ――無念だ。敵でさえなければ連れて帰り、冷え込むこれからの季節に備えてよいお伴になった筈。
 だが、流石にいつまでもこうしている訳にはいかない。
 ファルシェが懐から取り出したのは一粒のコーラル。
『貴方の物語を聴かせて下さい』
 ファルシェが詠唱すれば、チリチリと電気を纏った美しい馬が徐々に姿を現した。立派な翼を持つそれは、神話の中の生物“ペガサス”だった。
「メェェ~~!」
 召喚されたペガサスを見て驚いたまんどらめぇめが、仲間を呼んだ。
 ぞろぞろと姿を見せるまんどらめぇめの群れに、ついに佳莉も刀を構える。
『暴風も波濤も烈火も、荒ぶる神さえも穏やかに』
 ぽこぽこと多数のふわもこな毛の塊が飛んでくる。佳莉は体重を感じさせない軽やかな動きでふわりひらり、花弁が舞うように毛の塊を避け、まんどらめぇめ達の懐へ入り込み、刀を一振り。
「メェ?」
 佳莉の刀による傷は無い。代わりにまんどらめぇめは、ぽわーんとした顔でくるくるその場をゆっくり回りだす。どうやら遊んでいる様子。
 ファルシェがぽこん、とステッキで頭を叩けばまんどらめぇめは、ぽすっと消滅した。
 ペガサスが敵を追い込み、佳莉が他者を害する気持ちを削る。そしてファルシェがステッキで叩くを繰り返していくうちにいつしかお菓子や書籍などがたまっていた。そして最後の一匹となった時――。
「あっ、あれは!」
 ファルシェが思わず声をあげた。見ればその頭上には、薄い桃色とラメ入り虹色の2つのめぇめぐるみを実らせた、まんどらめぇめ。
「羊の上に羊のぬいぐるみ……本体と合わせると、親子のように重なっていて、とても可愛いです……」
「己の魅力をよく分かっていますね……」
 佳莉の攻撃の後、まんどらめぇめのぬいぐるみを回収した二人。
 最後はやっぱりファルシェがぽこっとステッキで叩いて、さぁ、おしまい。
 二人は話し合い戦利品を分け合った後、薄い桃色羊は佳莉が、ラメ入り虹色羊はファルシェが引き取った。

 もふもふもふ。
 二人は夕刻の戦いが来るまでの間、思う存分ぬいぐるみを抱きしめる――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

吉備・狐珀
落浜・語(f03558)さんと

かわいい…ふわもこ…
ぁ…倒します、オブリビオンですから、わかっています。

縫いぐるみ可愛いなと思いつつ、UC【狐遣い】を使用して眷属の倉稲魂命『ウカ』に協力してもらいます。
語さんの仔竜の雷に合わせてこちらも雷の【属性攻撃】をし、感電させる【マヒ攻撃】を仕掛けます。
痺れて動きを封じたらウカに近接攻撃を仕掛けてもらい【なぎ払い】ます。

…縫いぐるみも可愛いんですけれど…。
あのふわもこの羊毛で作ったら手触りの良いのが作れそう…。
…ウカ、なるべく毛を傷つけないようにしてくださいね。


落浜・語
狐珀(f17210)と一緒に、

またずいぶんともふもふしたのが。
かわいいけど放置はできないからなぁ。
…うん、ちゃんと倒そうな。

とりあえず、上に逃げるのはカラスや仔龍に任せようか。つついたり雷落としたりで牽制してくれ。
で、だ……この状況で使えるコード…
『人形神楽』、行けるか…?
人形を操りつつ、カラスや仔龍にも協力してもらって一ヶ所に集め、纏めて叩く。
ダメそうなら、奏剣でチクチクするか。
にしても、どういう原理で色々出してるんだろうな。なんか不思議だ。今さらだけど。




 右へころころ。左へころころ。
 まんどらめぇめが、草の上をころころ転がっている。
 一体彼らが何をしているのかは解らないが、その光景はとても――。
「ふぁぁ、かわいい……っふわもこ……!」
 まんどらめぇめに魅了され、きゅんと胸を締め付けられてしまった彼女の名は吉備・狐珀(f17210)。そしてそんな彼女の隣で、転がるまんどらめぇめを共に見つめる彼は落浜・語(f03558)。
 また随分ともふもふした可愛い敵がきたものだと語は思った。
 けれど、放置する訳にもいかない。自身の隣で可愛い生物に夢中になりつつある大切な君へ、そっと声を掛ける。
「……うん、ちゃんと倒そうな」
「ぁ、はい。ちゃんと倒します、オブリビオンですから。……解っています、解って、ますよ?」
 す、と視線を逸らしつつ、苦笑いを浮かべる狐珀。

『眷属 寄こさし 遣わし 稲荷神恐み恐み白す』
 桜の花のような唇が言の葉を紡げば、主をサポートすべく現れる、二頭身の愛らしい黒狐“ウカ”。
「ウカ、あの縫いぐるみを……じゃなかったです。ぇっと、なるべく頭上のアイテムや毛を傷つけぬよう、注意して戦って下さい」
 ちらちらと、ぬいぐるみを実らせたまんどらめぇめを見遣る彼女。
 欲しいんだろうな。語は彼女が気になるものを傷つけぬよう気を付けろと、カラスや仔龍に命じ放った。
 カラスが転がるまんどらめぇめをつつけば、嘴攻撃から逃れようとまんどらめぇめが逃げ出した。ウカが宝玉を光らせ、逃げるまんどらめぇめに衝撃波を放つが、今一歩というところで、まんどらめぇめが高く跳ねる。
「メェェ~☆」
 ぴょーん、ぴょーん。まんどらめぇめは、どうだこれならば当たらないだろう。と言わんばかりにぴょんぴょん跳ね続けた。
 仔龍が跳ねる敵にビリリっと雷を走らせる。
「メェェ……ッ!?」
 体がピリピリ、ちょっと痛い。
 ならばと狐珀も雷の攻撃で仔龍を加勢すれば、まんどらめぇめは今度こそ体が痺れて動きが止まった――。
 語がぬいぐるみを回収し、チクり、奏剣で刺せば、まんどらめぇめはぽしゅんっと消滅した。
「メェ~?」
 戦闘音を聞きつけて、他のまんどらめぇめが徐々に姿を現し群れとなる。
 二人は再度指示を出した。カラスは指輪や腕輪等光る物を、仔龍はぬいぐるみ。そしてウカにはその他のアイテムを隙あらば入手するよう言い渡す。
 頭上の実を捥がれ、怒ったまんどらめぇめが語に向けふわもこな身体から編んだ毛束を放ってきた――。
「……っ」
「語さん……!」
 語へ駆け寄り心配する狐珀が大丈夫かと彼に問えば、彼は痛みはないと説明し彼女を安心させた。そうして、自分を縛る羊毛をとろうとすると――。
「ぁ、語さん。その羊毛欲しいので、無理に引きちぎらないで下さい」
「ぇ…………」
 ふわもこの毛を傷つけぬよう、そぅっと狐珀が毛束を取り除くまでの間、語はなんともやるせない気持ちになっていた。解放され自由になった後語は、仔龍、カラス、ウカが一か所に集めたまんどらめぇめへとゆっくりと近づいていく。
「……メ、メェェ~♪」
 魅力的なアイテムを捥がれただの可愛い羊と化したまんどらめぇめが、語へ愛想よく鳴いてみたが……。語はふ、と笑みを浮かべただけだった。詠唱の後、語の絡繰人形が主人を害した者達へ超高速の連続攻撃を行えば、羊達の悲鳴があがる。
 ポップコーンが弾けるように、まんどらめぇめは次々と星屑の丘より退場した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『宝玉蝶』

POW   :    育つ宝石
戦闘中に食べた【清らかな水】の量と質に応じて【宝石の輝きが増し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    極彩色の鱗粉
自身が装備する【煌びやかな宝石の粒】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    秘宝の光
【眩い宝石の輝き】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。

イラスト:たま

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は宇冠・由です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●星屑の丘(夕)
 青い空は流れ、日が沈みかけた頃。
 ひらひらと宙舞う宝玉蝶が猟兵達の前へ姿を現した――。
 煌びやかな体から零れ落ちるのは、宝石の粒。
 一人がその粒を掌で受け止め目を凝らせば、その輝きは本物の宝石だと解った。

 ……億万長者。
 ――ゲフンゲフン。
 誰かが思考したが、今は邪な考えは捨て去らねば。
 黄昏時に煌めく宝玉蝶を倒し、夜に花咲く星の雫を視る為に、猟兵達は宝玉蝶へと武器を構える。
胡・佳莉
※アドリブ絡み歓迎

夕日を受けて輝きながら飛ぶ宝石の蝶……とても幻想的。ずっと眺めていたいぐらい。
本当に、オブリビオンでなければ良かったのに。

蝶となれば、ただ振り回すだけで捕らえるのは難しいかもしれません。よく動きを「見切り」、相手の攻撃をかわして速さで的確に仕留めましょう。必要となれば、【時翔】も用いて。

宝石が手に入ったなら、特に透明度の高い物を残したいですね。なにかアクセサリー……ピアスにでもしようかな?



 ●
 それはとても、幻想的な光景だった―。
 鮮やかに透けた体が夕日に反射され、辺り一面キラキラと光が踊る。
 ひらり、ひらり。
 宝玉蝶が舞う様子を、胡・佳莉(f21829)は静かに眺めた。
 なんて、幻想的な世界なのだろう。このままずっと眺めていたいと願うけれど、時は止まる事を知らない――。宝玉蝶がこの場に滞在する時間は限られていた。
「本当に、オブリビオンでなければ良かったのに……」
 佳莉はゆっくりと吐息を零し、愁いを帯びた表情で刀を構えた。
 ブルーダイヤモンドの宝玉蝶がひらひら。佳莉の瞳にその姿を映した。宝玉蝶が彼女に近づくほどに瞳に映る姿は次第に大きくなってゆく。
 自身と同じ色をした佳莉の瞳に惹かれて来たのだろうか?
 次の瞬間、宝玉蝶が大量の鱗粉を撒き散らした。
 煌めく宝石の砂粒が互いにぶつかり合ってシャララっと音を立てながら渦を巻き、佳莉に襲い掛かる。
 普通に見切るだけでは足りない。躱す為にはもっと早く動かねば。
 佳莉は瞳を閉じ素早く詠唱した。渦巻く宝石の粒が目前へと迫る。
 刹那。佳莉が瞳を開けば、彼女の中に眠っていた力が解き放たれた。
 赤い瞳が軌跡を残す。佳莉は先ず姿勢を低くし鱗粉を躱し、そのまま右へ跳び出して彼女を追う鱗粉と距離をとった。転回にてブルーダイヤモンドの宝玉蝶へと近づけば、刀を振り上げる。パキン、宝玉蝶が割れ地面に落ちた。
 佳莉は仕留めた宝玉蝶を拾い上げる。加工すれば、ピアスが作れるだろうか?
「綺麗……」
 佳莉は宝玉蝶を再び夕日に照らし、その輝きを手に入れた。
 もうじき日が沈む。
 “星屑の丘”この丘が最後に魅せてくれる世界は一体どんな世界なのだろうと胸躍らせる。

大成功 🔵​🔵​🔵​

スピレイル・ナトゥア
【獣人同盟】で参加します

「お姉様、今度は宝石の蝶ちょさんです!」
綺麗な蝶ちょさんですが、あんまり傷つけると綺麗じゃなくなっちゃうかもしれません
居合斬りとか一閃みたいなユーベルコードがあれば綺麗に倒せるのかもしれませんが、お姉様、どうしましょう?
なるほど! 風の精霊の力を使うのですね!
刀で綺麗に一閃するよりは綺麗に倒せなさそうですが、お姉様の選択を見て私も諦めがつきました
雷の精霊の力でなるべく綺麗に倒すことにします

……たくさんの宝石で着飾るのは、私たちにはもしかしたら似合わないのかもしれませんね
そうだ! 手に入れた宝石のなかで1番綺麗なものを私たちで交換し合いませんか?
私からは、この赤の宝石を!


エウトティア・ナトゥア
※アドリブ・連携歓迎
チーム【獣人同盟】で参加するのじゃ。

うーむ、宝石のう。護符を作るくらいにしか使わぬな。
それに宝石は食べられぬしのう…
じゃが、スピレイルが気になっておるようじゃし、傷つけずに狩ってみるとするかの。
(UC【風の精霊は奔る】使用)
精霊よ、『宝玉蝶』の羽と胴体部分を上手く切り離せぬか?
大粒の宝石は羽部分だけのようじゃし風の刃あたりでこうスパッとやって欲しいのじゃが…

(蝶を風の刃で切り裂き)
まずまずかの?じゃが再生している個体もおるようじゃな、再生しなくなるまで胴体部分を切り刻んでおくれ。
うむ、スピレイルや、この青い宝石が綺麗じゃよ。これを持って帰るかの?




 柔らかな草の上。一通り狩りを終え、ちょこんと二人並んで座りハンバーガーやケーキを食べてのんびりと日が暮れる刻を待っていた。
 とっても仲良しな双子の猫が、ひらりと現れたそれに気付く。
「お姉様、来ました! 宝石の蝶ちょさんです!」
 妹猫のスピレイル・ナトゥア(f06014)が指を差した先に居たのは、紅と蒼の宝玉蝶。
「うーむ。宝石のう……護符を作るくらいにしか使わぬな。それに宝石は、食べられぬしのぅ……」
 姉猫、エウトティア・ナトゥア(f04161)は口元に手を当て、うーんと考える仕草をする。
「お姉様……」
 昼間の戦闘時にも思ったが、姉はやはり食べ物にのみ食いつくようだ。
 妹猫は、じっと煌めく宝玉蝶を見つめる。
 ひらり、ひらり。
「…………」
 キラリ、ひらひら――パシンっ!
 ぼとり。猫の習性が遊び感覚で宝玉蝶をはたきおとす。
「ス……スピレイル?」
「……はっ! わ、私ったらついっ」
 その美しさだけではない、魅力的な動きに誘惑された妹猫が、姉猫の言葉で我に返った時。地面へと落とされた紅色宝玉蝶はちょっと怒ったのか、蒼い宝玉蝶と共にスピレイルへと勢いよく飛んだ――。

『奔れ! 風の精霊よ!』

 エウトティアが妹猫を守るべく詠唱。
 風の精霊は鋭い刃の如く、スパっと蒼の宝玉蝶の羽と胴体部分を切り離した。
「ありがとうございます、お姉様……!」
 蒼の宝玉蝶が落とされ、紅の宝玉蝶もひび割れたが、紅の宝玉蝶は切断される前に遥か上空へと回避した。紅の宝玉蝶から眩い光が溢れ出し、その光は徐々に強くなってゆく。そして自身のひび割れた部分を修復し、綺麗な状態へと戻った。
「再生したようじゃな……。スピレイル。傷つけず狩りたい気持ちも解るが、油断は禁物じゃぞ」
「はいっ!」
 落ちこぼれの自分とは違う。いつも頼もしいお姉様。
 お姉様がやっていたように、私も戦わねば――。

『雷の精霊さん。任せました!』

 スピレイルの詠唱。雷の精霊が二百八十本の矢を形成し、稲妻が走った。
 次々に稲妻が紅の宝玉蝶へと襲い掛かる。
 ――しかし、宝玉蝶は幾ら雷に打たれようと、ひらりと飛んだ。
「そんな……」
 まさかあの体は電気を通さないの? やはり私はお姉様のようにはなれないの?
 スピレイルの目尻にじわりと涙が浮かぶ。
「スピレイル、そのままじゃ」
 己を信じ、そのまま稲妻攻撃を続行せよと妹猫に指示をする姉。躊躇いはあったが、姉の言葉を信じで妹は攻撃を続けた。そして、連続で宙走る稲妻が紅の宝玉蝶の視界を光で完全に覆った瞬間、姉猫の風の精霊が紅の宝玉蝶を切り裂いた。
 ぼとり、蒼と紅の宝玉蝶が地に並んだ。先程迄の仲良し姉妹のように。
「お姉様、私――」
「スピレイル」
 妹猫の言葉を姉猫が名を呼び遮った。そして、よくやったと褒める。
 稲妻が視界を隠した事で、風の精霊の攻撃を警戒していた敵に攻撃が届いたのだと、エウトティアは言った。“自慢の妹”だと。
 今度は温かな涙が浮かび、頬を伝った。
「はいっ!」
 ふわり、笑顔を浮かべて姉妹猫は笑い合う。
 そうして二人、各々が倒した宝石の羽を拾い上げ、夕日に透かした。
「スピレイルや、この蒼の宝石綺麗じゃよ。スピレイルの瞳と同じ輝きじゃ。これを持って帰るがいい」
「お姉様――。それでは、交換しませんか? お姉様の瞳と同じ色の、この宝石と」
 紅と蒼の宝石を交換しあう仲良しの双子猫は、互いの存在を輝かせ合う。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シシル・ロッツェル
「まだかな、まだかな。きらきら~」
きらきら蝶々は夕方頃って言ってた。そろそろ来てもいいはず……。
あれかな? すごい。きらきらしたの振りまいてる。捕まえなきゃ。

今度はちょっと本気出す。【わたしのテリトリー】で迷路を作って逃げれる範囲を狭めよう。そして通路の途中に蜘蛛の巣のようなネバネバトラップを仕掛けて、そこに追い込む作戦。虫取り網は無いから、タライでいいや。これで追いまわそう。
「まて~」
捕まえられたら、その後どうしよう?
……とりあえず気が済むまで振ろう。きらきらがいっぱい落ちるかもしれないし。
気が済んだら退治するけど、もったいないなー。




 手頃な茂みに隠れ葉の隙間から宝玉蝶を探す少女はシシル・ロッツェル(f16367)。
「まだかな、きらきら~……」
 待つのはとても退屈だけれど、たっぷり昼寝したから元気はいっぱい。
 シシルはトレジャーハンターだ。本番は此れからだと、目を凝らしその時を待つ。
 キラリ。夕日の光とは明らかに異なる煌めきが極小の宝石の粒を撒き散らしようやく姿を現した。彼女が待ちわびた宝玉蝶だ。

 ――すごいっ。キラキラしたのを振りまいてる。絶対に捕まえなきゃ! あと少し左に……。

 逸る気持ちを深い吐息にて落ち着かせ、目標が狙いの場所へ飛び込んだ瞬間、シシルは罠だらけの迷路を瞬時に作り上げ、翠色の宝玉蝶は迷路内を逃げ惑う。
 虫取り網が欲しいが、今は罠用として仕掛けられていた盥しかない。
 シシルは粘り強く追い回し盥の中へと宝玉蝶を捕まえた。
「やった……! うわっ!?」
 ガタガタガガタッ。全力で宝玉蝶が暴れだし僅かに生まれた隙間からひらりと飛んで逃げる。
 ならば次は蜘蛛の巣作戦だ――。
 シシルは迷路の入口と出口、双方に粘り気のある罠を仕掛け、もう一度盥を手に宝玉蝶を追い回した。時が過ぎ、ようやく蜘蛛の巣に獲物を捕らえる事に成功。
 シシルは自身の革袋を広げその上で捕らえた蝶を勢いよく振った。零れ落ちる鱗粉を余すことなく入手する。
 生きる宝石、宝玉蝶。退治してしまうのは勿体ないと思ったが、使命を果たし宝玉蝶にトドメを刺す。
 パキン。割れた宝玉蝶が地に落ちた。そしてその輝きを失うことなく。
「あれ、消えない? もしかして此れも貰っていいの?」
 シシルは翠色の煌めき、エメラルドの宝玉蝶を手に入れ、満足気に尻尾を振った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

空咒・羅牙
宝石の蝶なんて可愛らしいね。
でもオブリビオン、なんだっけ?
それなら対処を考えないとね。

『枝竜』に飛び回ってもらって宝玉蝶を追いやりながら
『哭蜘蛛の珠糸』を使って部位破壊で翅を狙うよ

「あれ?皆も遊びたいのかい?」
UCを使用して十二支と猫の霊を呼び出したら
皆で宝玉蝶を眺めて、満足したら退治にかかるよ。

「……まぁ、壊すことと作ることは、大抵の人間は得意だから」
砕けた翅を拾って、何かの材料に使えないか考えみようかな?
ハーバリウムの飾りにあしらったり
もう少し小さく砕いて人工水晶の中に内包させたり…。

「やりようはいろいろありそうだね。ねぇ、枝竜」
って、まって噛みつかないで枝竜!?

アドリブ、絡み、大歓迎!!


ファルシェ・ユヴェール
ああ、美しいですね…
こう、蝶の形をして飛んでいるのは大層不可思議な光景ですが
じっくり鑑賞している場合でもありませんか

懐より『洞察力』の意を持つモルガナイトをひと粒
触媒にUCを使用

其々の蝶を構成する宝石の種類を見極めつつ
ステッキで叩き落としていきましょう
基本、向こうから襲ってきたものをカウンターで狙う形で

例えば
エメラルドやアクアマリン等、緑柱石の仲間は縦の衝撃に弱い
トパーズなら横の衝撃
ルビー等のコランダムは尖ったところから、等
ええ、宝石に関しては、一応本職ですから

…それにしても
こう砕いてしまっては、大きな結晶は難しいかもしれませんね
状態の良いものも、少しは得られると良いのですが


●アドリブ連携歓迎


ティエル・ティエリエル
SPDで判定

「わわっ、キラキラ奇麗な宝石だー♪ボクの秘密基地に飾っちゃおうかな?」
美味しいパンケーキを食べてご機嫌なまま、次は奇麗な宝玉蝶退治だね♪

背中の翅で羽ばたいてびゅんびゅんと空中を飛び回って「空中戦」で戦うよ☆
敵の攻撃は「見切り」と【スカイステッパー】による急転換による変則的な飛行で回避だよ♪

こっちからの攻撃は「カウンター」で宝石の羽を刈り取るような攻撃を加えるね!
バランスを崩したところに風を纏わせたレイピアによる「属性攻撃」でトドメの一撃を叩き込むよ☆

ところで、刈り取った宝石の羽は消えずに残ったりしてないかな?かな?

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です




「そろそろ、黄昏時です――」
 豪奢な飾りが夕日に煌めく。宝石商のファルシェ・ユヴェール(f21045)がそっと呟けば、キラキラ輝く彼の帽子の上で翅を休ませていた小さな妖精姫、ティエル・ティエリエル(f01244)が身を乗り出した。その拍子でファルシェの帽子が彼の視界を覆い隠してしまい、宝石商の彼は、わっ、と小さく声を零す。
「次は奇麗な宝玉蝶を見られるんだよねっ? 楽しみだなぁ~っ☆」
「ティエルさん、前が見えないので元の位置に戻って貰えますか?」
「ぁ、ごめん!」
 てへへ、と笑みを浮かべ妖精姫が身を戻せば、ファルシェもまた笑顔で帽子のズレをなおした。
 昼間蜂蜜たっぷりのパンケーキを思う存分食べた彼女はとてもご機嫌な様子だった。
「宝石の蝶はきっととても美しく、可愛らしいんだろうね。……でもオブリビオンならば、対処も今の内に考えておかないと……」
 二人へと声を掛けるのは、共に宝玉蝶を待つ仲間、空咒・羅牙(f23495)。そして彼の頭の上にも何かが乗っていた。金色の瞳がティエルとファルシェをじっと見つめる。尾が長く、翼を持ったその生き物は羅牙の相棒。誇り高き白竜“枝竜”。
「やりようはいくらでもありそうだけど……なるべく傷つけずに入手出来ればいいよね……んん、ごめん。話し変わっちゃうけどさっきから気になってたんだ。――ティエルちゃん、ケーキの食べ屑が髪についてる」
「えっ、どこどこー?」
 ぷるぷると頭を左右に振る妖精姫をファルシェが帽子から掌に乗せ換え彼女の髪についていた食べ残しを指でそっと払ってあげれば、妖精姫はありがとうと感謝を述べた。出会ったばかりとは思えぬほどに仲の良さそうな二人を見て、羅牙もにこにこしながら枝竜へ手を伸ばし――。
 がぶり。容赦の無い噛みつきが羅牙の心を削りとった。
 ――ところでさ、と妖精姫と宝石商が羅牙を見遣る。
「その恰好、寒くないの?」
 上半身裸のカミサマの体を気遣うように、びゅうっと吹いた風が羅牙のマントを彼の体に纏わりつかせる。


 煌めく粒が降り注ぐ。夕日に照らされその輝きを撒き散らし宝玉蝶がひらりと舞い三人の前に現れた。
 ひらり、ひらり。一頭かと思われた宝玉蝶は三頭だった。三色の煌めきが重なったり、離れたり。あまりにも幻想的なその美しさに、猟兵達は暫し見惚れる。
「想像以上だ」
 ぽつりと羅牙が笑みを零せば、きっと、皆も視たいだろうと囁いた。

『楽しい宴によっといで』

 カミサマがそっと友人達を呼び出せば、召喚された十二支と猫。そして頭上の白竜が、大好きなカミサマと共に宝玉蝶を観賞した。
「水色のあれは……アクアマリンかな。黄色はトパーズ。赤はルビーで出来ているようです。緑柱石の仲間は縦の衝撃に弱く、トパーズなら横からの衝撃に。コランダムは尖った所を狙えば討伐出来るかと思います」
 ファルシェは紫水晶の瞳を凝らし、鑑定した宝玉蝶の特性をティエルと羅牙に語った。宝石に関し本職の彼は生きた宝石に出逢えた奇跡に感動する。
「ですが、いつまでもこうして鑑賞している訳にも――ん?」
 気が付けば一人足りない。ファルシェと羅牙がティエルを探し始めれば、白竜が長い尾でべしっと主人をはたいた。
「イタイっ! ちょっ、枝竜いきなりは酷いよ……ぁ」
 主人をはたいた尾で白竜が指した方向を二人が見れば、勢いよく宝玉蝶へと飛び出したおてんば妖精姫の姿――。
「まてまてーっ、キラキラ奇麗な宝石ー♪ ボクの秘密基地に飾ってあげるからー!」
 迫るティエルへ、宝玉蝶が煌めく鱗粉を放つ。普通の人間にとっては小さな宝石粒でも、ティエルには飴玉くらいのサイズに感じた。風を纏う妖精姫の刺突剣が、自身を襲う宝石粒を弾き、風を巻き起こす。そのまま遥か上空へと宝石粒を誘い急転換。
 翅が空気を裂いて変則的な飛行を続ければ、宝石粒と距離があいた。
 ティエルはそのまま急降下し、アクアマリンの宝玉蝶を見事仕留める。
 遠くからVサインを贈る妖精姫を見て、ファルシェと羅牙もひらり舞う宝玉蝶へと進み出た。
 ファルシェは懐から桜色を一粒、モルガナイトの宝石を取り出すとそれを触媒に詠唱した。桜色に光る欠片がファルシェを包めば、ふわり宝石商は空へ跳び、ステッキくるくると指で回した。黄色に煌めく蝶へ、横に一閃――。
 ピシ。ヒビの入った宝玉蝶を、ステッキで更に叩き落とせばトパーズの宝玉蝶はその衝撃で砕けた。
 ファルシェの戦闘が終われば、真っ先に飛び出した妖精姫は彼の帽子の上に着地する。
 どうやらちょっと気に入ったらしい。帽子にティエルを乗せたファルシェが羅牙の方を見遣る。
 羅牙の方も、順調のようだった。天と地から十二支と猫、白竜が次々と襲い掛かり、最後の煌めきを追い詰める。
 途中、猫と酉だけは宝玉蝶に対しやや本気で狩りにいっていた気がするが、必要以上に破壊せぬよう白竜がそれを制止し、最後は羅牙の哭蜘蛛の珠糸により、ルビーの宝玉蝶の煌めく羽を切断し、戦闘が終わりを告げた。

 かくして宝玉蝶との戦いを無事終えた三人は、地に落ちても輝きを失わない宝石を拾い集めた。三人でそれを分配し、夜を迎える――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

吉備・狐珀
落浜・語(f03558)さんと

夕日を受けてキラキラ光ってすごく綺麗。
幻想的でずっと眺めていたくなりますけど…。
オブリビオンなら放っておくわけにはいきませんね。


UC【狐遣い】で引続きウカに協力してもらい、今回は仔竜の月代にもお手伝いをお願いします。
ウカと月代に一斉発射で広範囲に雷を落としてもらい蝶をマヒさせ動きを封じます。
痺れて動けなくなったところをウカに攻撃してもらい蝶に追い討ちを(カラス殿が拾いやすいように、くれぐれも粉々にしないよう気を付けて下さいね)

(手に落ちてきた欠片を見つめて)…あ、この紫色と緑色…。語さんの瞳の色に似ているかも。
(加工してもらって、こっそり身につけようかな…)


落浜・語
引き続き、狐珀(f17210)と一緒に

前にもこの蝶倒したっけ。
確かにキラキラしてて、綺麗なんだけどオブリビオンだからなぁ。
あの時は確か、洞窟内だったから爆破して回ったんだったか。

ってことで、今回も爆破するかな。UC『人形行列』を使って、倒していこうか。
ある程度威力抑え気味で爆風で煽って飛んでいるのを落とし、奏剣でとどめを刺していく。
あー構わないよカラス。好きに追いかけて。…カラスも、本能が勝ることあるんだな…。(普段ド突かれ続けている)

(こっそり藍と紫、緑の欠片を拾ってポケットに)

アドリブ歓迎




 吉備・狐珀(f17210)は沈みゆく夕日を静かに見つめていた。その夜空のような瞳に、きらり、星屑が映し出される。
 夕日を反射し辺りに光を撒く紫と緑の二頭の宝玉蝶。ひらひらと踊るように舞えば、その美しさに心奪わてしまう。
 そういえば、前にもこの蝶を倒した事があったなと、落浜・語(f03558)は胸の内でその日の事を思い出していた。あの時は確か鉱山だった。爆破して回った記憶が蘇る。
 確かにキラキラしてて、綺麗なのだが、相手はオブリビオンだからな……。そう思い、隣の彼女へ視線を向ければ、その瞳は星空のように世界を映し出していた。
 あの時居なかった君が隣にいるだけなのだが、まぁ、悪くは無いな。と語の口からふいに零れた言葉。
 狐珀が何か言ったかと語に尋ねたが、語は笑みを浮かべ、いいやと返して――。

 狐珀が黒狐のウカと仔竜の月代に指示を出している間に、語の烏が鳴いた。
「あー、構わないよカラス。好きに追いかけて」
 ……普段自分をド突いてくるカラスも、本能が勝ることあるんだな。そう思いながら、煌めく宝玉蝶を追いかけ飛んだ烏を見上げる。
 三、二、一……。
「ウカ、月代、今です!」
 狐珀が声をあげれば、ウカの宝玉が光り出し、晴れていた筈の空に雷雲が垂れ込める。ゴロゴロと音を鳴らし、閃光と轟音――。
 月代が瞬時に落ちた雷を操り、アメシストとペリドット宝玉蝶を貫いた。電圧かそれとも電熱が効いたのか、地上に落ちた紫の煌めきをウカが仕留めようと接近し、宝玉を光らせた。
「――ウカっ! 粉々にしないよう気を付けて下さいっ」
 ぴくり、黒狐の耳が動き、宝玉から放たれた光は宝玉蝶の体のみを貫き砕いた。
 緑の宝玉蝶が眩い光を発する。
 光が収まれば、ひらひらと、宝玉蝶は空へ舞い戻った。
 共に飛んでいた紫の蝶はもう居ない――。緑の宝玉蝶が狐珀を狙い降下すれば、カチャリ。語の小さな人形が狐珀と宝玉蝶の間に入る。宝玉蝶が人形へ体当たりした瞬間、人形が光り膨らんだ――。
 刹那、語が狐珀を抱いて大きく跳んだ。転がる二人の後方で連続して起こる爆発音。
 大丈夫かと彼が尋ねれば、こくりと彼女が頷いた。
 そして、すまないと語が呟く。
 威力を抑えてはいるけれど、大切な彼女が傷つくところは見たくなかった。ただ、それだけだった――。
「語さん、助けて下さってありがとうございます」
 ふわり、彼女が微笑んだ。
 起き上がる二人の後ろでは、未だ人形が爆風を起こし宝玉蝶を煽っていた。
 逃げるように飛んで来た蝶を、語が飛び上がり、空中で身を捻り奏剣にて止めを刺した。キラキラと落ちて来たペリドットの片羽を狐珀が手を伸ばし受け止める。
 その輝きに彼女が見惚れている間に語もアメシストとペリドットの欠片を彼女に気付かれぬようにポケットへと隠し、拾い上げたもう一つの紫の煌めきを彼女に渡した。
「ありがとうございます!」
 掌にある紫と緑の煌めきは、まるで彼のよう。加工してもらって、こっそり身につけようかなと、狐珀が二つの煌めきを大事そうに胸に抱いた。
 カァ。烏が鳴いて語の腕にとまる。烏が口に光る何かを銜えていた。見れば、それは全く傷ついていない、綺麗なままの藍色に煌めく宝玉蝶。何処かで自然に事切れたのだろうか。
「出来した」
 大切な彼女の瞳と同色の蝶を大切に仕舞い、語は狐珀の元へと静かに歩き出した。

 星屑の丘にもうじき待ちわびた夜が来る――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『星の雫の降る夜に』

POW   :    星を見上げる

SPD   :    零れる星を追う

WIZ   :    掌に掬う

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●星屑の丘(夜)
 静けさを取り戻した星屑の丘に、夜が訪れる。
 雲が晴れ、姿を現した月が大樹を照らし始めれば、蕾だったそれらは次々に光の花を咲かせてゆく。

 “星の花”
 星の花を人に贈れば、その人は幸福になる。
 星の花の蜜を大切な人を分け合えば、互いの心が強く結びつく。

 見上げれば、本物の満天の星――。
 大樹には、煌めく星の花――。

 はらり、星の花が地面に落ちた。
 もしや長くは咲いていられないのだろうか。
 故に貴重で、故に美しいのかもしれない。
 落ちた星の花は光を失わなかった。
 月の明かりが照らす間だけ、その輝きは永遠に。

 猟兵達は星屑の丘が魅せてくれる最後のプレゼントを受け取りに、大樹の元へと歩む。
空咒・羅牙
宝石の後は、星の花、かぁ。
幻想的で可愛らしい景色だね。

僕が幸せにしたいヒトもカミサマも
僕の記憶にはないけれど……
「もしいたら、この景色を見せたかったかもしれないなぁ」

…ん?どうしたの枝竜。
え、待って痛いッイタタッ!!
なんで尻尾でべしべしするのさ!!

「え……これ、花かい?」
枝竜が咥えた花を受け取るけど、ちょっと困惑しちゃうね。
僕は幸せになっていいようなモノじゃないし…。
「でもキミがそう望むなら、今はきっと幸福だろうね」

枝竜を撫でながら星屑の夜を楽しもう。
どうせならUCで十二支や猫の皆も呼んじゃおう。
星をすくって皆で星見のウタゲだよ。
お酒はないけど、星に酔っちゃおう。

アドリブ、絡み、大歓迎!!




 煌めく生きた宝石に出逢えた後に待っていたのは、星の花――。
 肩の上に大切な白き竜を乗せ、空咒・羅牙(f23495)が大樹を見上げた。
「なんとも幻想的で、可愛らしい景色だ」
 僕が幸せにしたいと願ったヒトも、カミサマも。今、僕の記憶には居ないけれども――。もしも今此処にその人達が居たのなら、この景色を共に見たかったかもしれない。その人達の事を考え始めると、不思議と胸が苦しくなる――。何故、思い出せないのか。何故、こんなにも苦しいのだろう……。
「……ん? ……えっ、ちょっ、待って! 痛いッイタタッ!!」
 肩の白き竜が、もぞもぞと鉤爪を立てながら頭をよじ登る。オマケに容赦なく顔面を長い尾でべしべし、はたいてくるものだから、羅牙はいつの間にかいつもの調子を取り戻していた。
「急にどうしたのさ、枝竜……。何で尻尾で……ん?」
 いつの間に花を銜えていたのか。枝竜は淡く輝く星の花をカミサマに差し出した。
「僕に、くれるのかい?」
 羅牙が星の花を受け取り大樹を見上げれば、ふわり、ふわりと星の花が降っていた。
 枝竜はどうやらこの降ってきた星の花を捕まえたのだろう。
 僕は幸せになっていいようなモノじゃないのだけれど……でも、キミがそう望むならば、今はキミの望みのままに――。
「ありがとう。僕は今、幸福だよ」
 空いた手で枝竜を撫で、もう片方の手で一輪の星の花愛でながら、皆も呼んじゃおうか、とカミサマは言った。
 星を掬ってカミサマと白竜。呼び出された十二支と猫が星の花を拾い集め、皆で囲む。
 星見の宴の、はじまり、はじまり――。
 此処にお酒は無いけれど、今宵僕らは、星に酔おう。
 宴はまだ、始まったばかりだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

吉備・狐珀
落浜・語(f03558)さんと

先ほどの夕日を浴びながら舞う蝶も綺麗でしたけど、星の花も負けないくらい幻想的で綺麗ですね…。
同じように落ちてきた花を拾って語さんに。
幸せになって欲しいのは私も同じですから。

差し出された花を手に取り、根本側に口を付けて蜜を吸います。
全部飲んでしまわないように気を付けないと…。
…あれ?これって…。
(慌てふためく様子を見て)あ、やっぱり…。

…嫌じゃないのでしょうけど…、このままだと朝がきても飲めなさそう…。
飲まないなら全部飲んでしまいますよ?

(耳まで赤くなった様子と星の花を見つめながら)…飲まなくても強く結ばれていると、私は思っていますけどね(ぽつりと独り言)


落浜・語
引き続き、狐珀(f17210)と一緒に

星の花…。月が差すと咲くのかな。
そんな話を前に読んだことがあった気がしたけど、なんだったっけか…。
まぁ、それはとりあえずどうでもいいやな。
事前に聞いてた通り、幻想的で綺麗だ。
落ちてきた花を、狐珀に。そらね、大切な人には、幸せになってほしいもの。

花の蜜、分ける?
っても、そんなに量があるわけではなさそうかな…。
これは…間接キス、だな……(真っ赤)
いや、あの、嫌じゃないよ。嫌じゃないんだ。(あたふた)
(全部、に)それは、嫌というか……(あわあわ)
意を決して、っていうのも変だけれども、受けとってそっと吸う。
……ほかに人が居なくてよかった(耳まで真っ赤)




「星の花は、月が差すと咲くのか」
 前に何処かでそんな話を読んだ事があった気がしたが、なんだったっけか。
 暫く考えてみるも思い出せず、落浜・語(f03558)は、一先ずそれは置いておこうと頭の隅に追いやった。
 月の光が大樹を照らせば、樹上に輝く星の花。
 語は事前に聞いてた通り、幻想的で綺麗な光景だと思った。
 「わぁ、綺麗っ」
 語の隣から聞こえる声は、吉備・狐珀(f17210)のものだった。
「語さん、先程の夕日を浴びながら舞う宝玉蝶も綺麗でしたけど、星の花も負けないくらい幻想的で綺麗ですね」
 ふわり、彼女が微笑めば、語は思わず視線を逸らしてしまう。頬を掻きながら、咳払い。そしてひらりと舞い落ちて来た星の花を掌で受け止めて、大樹に輝く星の花に見惚れていた彼女の目の前に差し出せば、くれるんですか?と狐珀が尋ねる。
「……そらね、大切な人には幸せになってほしいし……」
「ありがとうございます。……それじゃあ、私からも語さんに。幸せになって欲しいのは、私も同じですから」
 ふわり、落ちて来る星の花をキャッチして、狐珀からも彼に星を贈った。

「――花の蜜、分ける? っても、そんなに量があるわけではなさそうだけど……」
 狐珀から受け取った淡く光る星の花を見ながら、語が花を観察する。
「そうですね、折角ですから」
 狐珀は彼がくれた星の花にそっと唇を寄せ、全部飲んでしまわぬように気を付けながら、その舌に甘い蜜の味がするとすぐに唇を離した。
 そして彼に渡す前に気付く。

 ――あれ? これってもしかして……。

 星の花を手にしたままじっと彼を見つめれば、彼もようやく気が付いたようで……。
「……っこ、これは、まさか……。間接、キスでは……」
 明らかに動揺を見せながら、みるみる内に赤面し耳まで真っ赤になる彼を見て、狐珀は胸の内で、やっぱり……と思う。恥ずかしいのは彼女も一緒だったけれど、あたふたしながらいつまでも受け取ろうとしない彼をじと目で見遣った。
「……花の蜜を分けようと言いだしたのは、語さんですよ?」
 自分が口付けた星の花を手に、じり、と彼に近づけば彼も近づいた分だけじりじりと後退してゆく。
「語さん……」
「いやっ、あの、嫌じゃないよ、……嫌じゃ、ないんだ。……ただその、ちょっ、ちょっと待って」
 ……彼の様子を見るからに、本当に嫌では無いのだろうけど、このままでは日が昇っても飲んでくれない気がして。
「もうっ、飲まないなら私が全部飲んでしまいますよ」
「ぇっ!? ぜ、全部っ? ……そ、それは、嫌だ」
 覚悟を決めて、彼女から星の花を受け取れば、右を見て、左を見る。
 近くに誰も居ない事を確認してから、語もそっと花へ口付けて、ようやく星の花の蜜を飲んだ。
「…………他に人が居なくてよかった」
 彼女に花を返した後、波打つ鼓動を抑えようと語は冷たい空気を大きく吸い込んで吐き出した。
 そんな彼の様子を見ていた狐珀は、再び戻ってきた星の花で口元をそっと隠して――。
「……飲まなくても強く結ばれていると、私は思っていますけどね」
 彼に聞こえぬように、ぽつり呟いた。
 その後二人は大樹から少し離れ、その全体が見える位置に座ると、空に、樹上に、地に輝く星達を見つめる。
 とん、と意図せず指と指が触れ合えば、ごめん、互いにそう言いつつも、どちらからともなく手を繋いで笑い合う。
 此れからも、二人に幸がありますように――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エウトティア・ナトゥア
※アドリブ・連携歓迎

チーム【獣人同盟】で参加するのじゃ。
ほお、これは見事じゃ。この風景を見る事ができただけでも来た甲斐があるのう。
この綺麗な花を両手いっぱいにと言いたい所じゃが、それは無粋じゃろうな。
(先程の宝石を取り出して眺めつつ)
此度の報酬は、この満天の星空とこれで十分じゃ。
(星の花をひとつ拾い、妹のスピレイルに渡す)
ほれ、幸せの花じゃ。星たちからの贈り物を受け取とよい。
わしは、先程の馳走がまだ残っておるでな花はお主に任せるのじゃ。
(巨狼マニトゥの口に食べ物を運びながら)
よし、マニトゥや、この星空を肴に残りのご馳走を片付けるかの。


スピレイル・ナトゥア
【獣人同盟】で参加します

お姉様。オブリビオンさんたちを倒したおかげで、私たち猟兵が『星屑の丘』をひとりじめですね
とても幻想的で綺麗な大樹です
羊さんや蝶ちょさんがオブリビオンでさえなかったら、一緒に眺めるのも楽しかったかもしれませんね
色んな世界で見た綺麗な景色のなかに、今日の1枚も追加です

さあ、お姉様
私たちも星の花を拾いにいきましょう!

星たちからの贈り物……ですか
お姉様はロマンチックなようでロマンチックじゃありませんね
こういうときは「お主の幸せを願っておるからの」とか、ちゃんとそういうことを言ってから花を渡したりするものです!
私からの花も受け取ってください
お姉様が世界で1番幸せでありますように!




 ふわり、ぽとり。また一輪、大樹から星が零れ落ちた。
 幻想的。それでいて見事な大樹から、次々に星の花が降ってくるが、咲いたばかりの星達はまだ幾百万も樹上で光り輝いていた。
「ほお、これは見事じゃな。この風景を見る事が出来ただけでも来た甲斐があるのう」
 月の光が双子の金と銀の髪を煌めかせる。姉猫のエウトティア・ナトゥア(f04161)がその美しさに感嘆すれば、妹猫のスピレイル・ナトゥア(f06014)も楽しそうに星屑の丘を見渡した。
「お姉様、お姉様。私達猟兵がオブリビオンさん達を倒したことで、“星屑の丘”は私達の貸し切りですねっ!」
 昼間出会った『まんどらめぇめ』や『宝玉蝶』。彼らがオブリビオンでさえなければ、一緒にこの景色を眺め楽しむ事が出来たのかもしれないと、スピレイルは少しだけ寂しく思うが、彼女が此れまでに色々な世界で見て来た綺麗な景色。その中にこの“星屑の丘”も追加しようと。視える景色を脳裏に刻む。
「さあ、お姉様っ、私達も星の花を拾いにいきましょう!」
 妹猫が大好きな姉の手をとり姉もその手を握り返せば、二人は地面に落ちた星の花が作り出した光の路を小さな歩幅でどんどん歩き、沢山の星の花が落ちている場所で足を止めた。
 エウトティアが両手いっぱいに星の花を掬おうかと手を伸ばしたが、やはり無粋な事は止めておこうと、一輪だけ星の花を拾いあげる。
「ほれ、スピレイル。――幸せの花じゃ。星達からの贈り物を受け取るがよい。此度の報酬、わしはこの満天の星。そしてこれがあれば十分じゃ」
 エウトティアが取り出したのは先程入手したばかりの紅の宝石。紅い欠片がきらり、光に反射し煌めいた。
「それに、先程の馳走がまだ残っておるでな。花はお主に任せるのじゃ」
 姉猫はそう言うと、昼間得た戦利品の横で座り込んでいた白い巨狼“マニトゥ”の傍へ行くと白狼の頭をふわふわと撫でて、数ある料理の中から肉料理を選ぶと、その肉を分け与える。
「マニトゥ、この星空を肴に残りの馳走を片付けるのじゃ」
 そんな姉と白狼を見つめながら、スピレイルは――。
 “星達からの贈り物”そんなロマンチックな科白は出るのに、ちっともロマンチックな空気にはならないから。
 妹猫は星の花を拾うと姉の元へと進んでいく。
 お姉様!と、そう大きく呼びかければ、姉は目を丸くして妹を見つめた。
「こういうときは、――お主の幸せを願っておるぞ。……とかなんとか言ってから花を渡したりするものです!」
 そういうと、ふわり光る星の花を差し出して、私からの花も受け取って下さい。と、姉にありったけの笑顔を見せて願い紡ぐ。
「私の大好きなお姉様が、世界で一番幸せでありますようにっ!」
 エウトティアは妹から花を受け取ると、くしゃりと破顔し、妹を捕まえた。スピレイルが驚いて小さな悲鳴を零したが、姉は妹の髪をくしゃくしゃと撫で回す。
「スピレイル、こやつめ姉に向かって堂々たる言い回しをしおって」
 ぐりぐり、わしゃわしゃ。どんどん妹の銀の髪が乱れていく。
「お、お姉様っ、姉と言っても私達、双子だからそんなに変わらな――きゃぁぁっ!?」
 姉のわしゃわしゃ攻撃。もとい、スキンシップは妹が白旗を上げるまで続けられた――。
 エウトティアとスピレイル、そして白狼のマニトゥは色んな料理を摘まみながら、夜空の星。そして降り注ぐ星の花を眺めながら今日の思い出を心に確りと焼きつける。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

胡・佳莉
樹に光りの花が次々と……。
これが星の花。月明かりの下で地上に咲く星。輝く樹はまるで光り咲く花で出来た天の川のよう。
ここは本当に不思議な場所ね。昼も夜も(宝玉蝶を光にかざしながら)

“星の花を一人贈ればその人は幸福になる”

では、ミンリーシャンさんにこの花を贈りましょう。
私の幸福はここに来れた事。
本来、私は故郷で死んでこの光景を見ることはなかった。
死ぬはずの私は猟兵に助けられ、この身を得て、自らも猟兵として戦う事を選んだ。
そこに後悔はないけれど……
この体験、この記憶はきっとこれからも続くの戦いの日々の中での安らぎとなる。
だから、この美しい場所へ連れてきてくれた貴女にも幸福を。




「此れが星の花――」
 さらり、艶やかな長い髪が光に煌めいて、胡・佳莉(f21829)は大樹を見上げる。
「昼も夕も、夜までも、此処は本当に不思議な場所ね」
 月の光を浴びて次々に開花してゆく星の花達がふわふわと地上へと降れば、光の大地は次第に大きくなっていき、星の花が生み出す天の川となった。
 佳莉は夕刻手に入れた二つに割れたブルーダイヤモンドの宝玉蝶を月の光に透かしてみる。
 “星の花を人に贈れば、その人は幸福になる”
 本当にそうなのならば、私は彼女に声を掛けてみようかな。
 佳莉は星の花の天の川を渡りながら、青の天使を探し始めた。そうして見つけた後ろ姿にそっと声を掛けてみる。
「ミンリーシャンさん」
 名を呼ばれ、一人煌めく大樹を見上げていた彼女が振り返る。
「佳莉さんっ!」
 たたた、ミンリーシャンは嬉しそうに佳莉へ駆け寄ると、お疲れ様でした。そして、ありがとうございます。と言葉を紡いで、二人でゆっくりと星屑の天の川を歩いてゆく――。
「ミンリーシャンさん、どうぞ」
 佳莉が彼女に差し出したのは、星の花。
「わぁっ、貰っていいのですか?」
 ふわり、花人が綻べば佳莉もつられるように柔らかな笑みを浮かべて。
「勿論です。私の幸福は、此処に来れた事ですから」

 ――そう、本当なら私は、オブリビオンの襲撃により滅ぼされた故郷で死んでいる筈だったから、この光景は本来ならば見る事の叶わなかった景色。
 死ぬ運命だった私を助けてくれたのは“猟兵”だった。
 一見普通に見えるこの身の半分は機械で繋いでいるもので、この左眼も、左腕も、そして、心臓すらも機械で補っている。この体を得た事で自らも猟兵として戦う事を選び、その事に後悔はしていないけれど……、たまに胸が苦しくなる。
 今日の体験、今日の記憶はこれから起こる長い戦いの日々の中で、きっと安らぎとなってくれる筈だと思った。
 だからこそ、此処へ私を導いてくれた貴女にお礼が言いたくて――。
「この美しい場所へ連れてきてくれた貴女にも、幸福を」
 そういって、寂しそうに微笑むから。ミンリーシャンも両手を広げ大樹からふわり落ちて来た星の花を受け止めると佳莉の心臓の辺りに星の花を飾る。
「私からも、どうぞです。佳莉さんに、沢山の幸せがありますように」
 佳莉の左胸で淡く優しい光を放つ星の花が、今宵だけ佳莉の心臓のように光り輝いて――。
 二人は顔を綻ばせ、本物の星空を見上げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シシル・ロッツェル
ふわもこの毛にきらきらの宝石。
もう成果は十分と言えるけど、ここの本命は夜みたいだから楽しみに待ってよう。

なんで?どうして?本当にこの樹……というか花が光ってる。
魔力でも持ってるのかな?
いつまで光ってるか分からないけど、落ちて来たのは拾っておこう。
1個は押し花か何かにして保存用にして、残りは蜜を抽出してみようかな。
取り出した蜜はポーション瓶に入れて持って帰るつもりだけど、その前に味見しなくちゃ。蜜ってくらいだから、多分きっと甘いはず。
「ん。これは……」
今まで味わったことのない不思議な甘さ。もう少し、もうちょっとだけ……。

甘い蜜と幻想的な景色。是非また来たい。
その時に羊と蝶々もまた居るといいなー。




 左腕にはふわもこの編み込み毛束、右腕にはエメラルドの欠片。
 既に充分成果をあげていたけれど、此処の本命はどうやら此れからのようだと、シシル・ロッツェル(f16367)は戦利品を愛でながら夜を待つ。
 そして、シシルが待ちに待った時間がようやく訪れた。雲が晴れ、月が大樹を照らし始めれば蕾が花へ姿を変えて樹上いっぱいに星の花が咲く。
 「凄い、何で? どうして?? 本当にこの樹……じゃない、花が光ってる」
 シシルは感嘆の声を零し、この樹は魔力でも持っているのかと思考を巡らせるが、今宵中に答えが出るかは解らない。シシルは考える事を中止してこの貴重なる星の花を入手にしようと地に落ちた星の花を掬った。
 星の花を一輪、保存用にするべく荷物の中にしまい、残る花達は蜜を抽出してみようと試みる。
 彼女がせっせと働く間もシシルの周りには次から次へと、ふわり、ぽとりと星の花が落ちて来た。
 ポーション瓶の蓋を開け、スポイトを取り出すシシルの姿は流石トレジャーハンターだとしかいいようがなかった。用意周到である。
 拾った星の花を手に持って、いざ抽出開始……かと思いきや、シシルはじっと星の花を見つめた。
「その前に、味見」
 花の蜜だからきっと甘い筈。そう思いながらも花に口付け味を確かめて。
「ん、これは……」
 今まで味わった事のない不思議な甘さが口内に広がった。
 もう少しだけと星の花を味見して、満足した所でようやく作業を開始する。
 甘い蜜と幻想的な景色。是非また来たいと少女は願う。その時また、羊と蝶も居ればいいのに。そう思考を巡らせながらシシルの星の花の蜜抽出作業は、彼女の身体が悲鳴をあげるまで続けられた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ファルシェ・ユヴェール
昼間の、なだらかな緑の丘に、澄んだ空から明るく陽光の差す光景も
私の育った世界には無い、大層美しいものでしたが

空にも地上にも輝く星
それは、この美しい世界に於いても稀有なものなのでしょう

……などと、スケールの大きい自然というものに
思いを馳せてみたりも致しますが
手にはしっかり、虹色のきらきらめぇめぐるみを抱えていたり
いえ、その
そろそろ時期柄、夜はそこそこ冷えますので(ふかふか)

地に落ちてきた星の花に触れ
……恩ある我が師に贈れればよかったのですが
どれだけかかるか分からぬ道行きでは、持って行く事は出来ぬでしょうから

この花は
近くに他の仲間がいらっしゃるなら
幸運を、と差し出してみましょうか


●アドリブ絡み歓迎


ティエル・ティエリエル
SPDで判定

わー、お花もお星さまも両方キラキラで奇麗だー☆

今日は美味しいパンケーキに奇麗な宝石、最後はこんなきれいな風景が見れて……ボク、頑張ってよかったよ♪
それじゃあ、大樹の周りを飛び回ってお花を見て回るね♪ひらりひらりと飛び回る姿がダンスを舞っているようにみえたりするよ♪

もう夜遅く、1日頑張ったせいか最後は大樹の木陰でぐっすりお休みしちゃうよZzz

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です




 ふわり、ぽとりと星の花が降り積もる。
 地に落ちた星の花が作り出した星屑の路を歩きながら、ファルシェ・ユヴェール(f21045)は空と樹上、そして地上にも輝く星達を彼の紫水晶の瞳に確りと映し出した。
 昼間の丘も、澄んだ青空から差した陽光が木漏れ日となって、なだらかな緑の丘に煌めいていて美しかった。彼の育った世界には無い景色だったから尚感動した。だが今も“星屑の丘”は煌めいている。昼も、夕も、夜も、星屑の丘が輝きを失う時間帯は無かった。故にその名の由来となったのであろう。
「わぁ~~っ! 星のお花も、本物のお星様も両方キラキラで奇麗だーっ☆」
 ファルシェの帽子から小さな妖精が空へと飛び出すと、大樹の周りをびゅんびゅんと飛び回り星の花と共に舞った。暫くすると、落ちて来た星の花を両手で受け止める。瞬間ずしりとかかる重みにティエル・ティエリエル(f01244)の身体が沈みかけるけれど、昼間のパンケーキ程の重みでは無い。ふらふらとティエルがファルシェの元へ戻れば、あげる! 笑顔でそう言い星の花を渡そうとするから、ファルシェは急いで抱きかかえていた虹色のきらきらめぇめぐるみを一旦足元へ置いて、小さな妖精姫から星の花を受け取った。
「ティエルさん、ありがとうございます。それでは、私からも――」
 ふわり落ちてきた星の花をそっと掴むと宝石商の彼は妖精姫にそれを渡そうとして、はたと気付く。彼の掌にある星の花は、彼女には邪魔なだけでは、と……。
「ありがとう!」
 彼の優しさだけを受け取ってティエルが礼を口にすれば、ファルシェもうーん、と考えて。そっと自分の帽子に自身と彼女の二人分の星の花を飾った。
「わぁ……っ! それ、いいね! 凄く奇麗だー♪」
 わぁい、と嬉しそうに帽子の上で星の花と共に寛ぐティエル。頭上から零れる彼女の楽しそうな声を心地よさげに聞きながら、ファルシェはそぅっと虹色めぇめぐるみを拾い上げた。
 帽子の上に妖精姫。腕に虹色めぇめぐるみを抱いたまま、ファルシェは星屑の丘をゆっくりと散歩する。
「ねぇねぇ、そのキラキラしたぬいぐるみって、もしかして昼間のまんどらめぇめ?」
 興味津々に降って来た言葉に、宝石商の彼はやや恥ずかしそうに、はいと答えた。
 時期柄、そろそろ夜は冷えるから、と彼女が聞いていない事まで付け加えて。
「そっかー。ボクも今日は美味しいパンケーキに奇麗な宝石、最後はこんな奇麗な光景が見れて良かったよ。 今日一日、頑張って本当によかったー♪」
「――私もです。本当に長い一日だった気がしますが、此処に来られてよかった」
 ファルシェはふわりとまた落ちて来た星の花を受け止める。淡く光る花弁を撫でながら恩師に思いを馳せた。
 出来る事ならば、この星の花を恩師に贈りたいけれど、どれだけかかるか分からぬ道行きでは持って行く事は叶わないと、憂いを帯びた表情で星の花を手から零した。
 気付けば妖精姫の声がしない。 あれ?とファルシェがティエルの名を何度か呼んだが、返事は返って来なかった。どうしたのかなと耳を澄ませていると、やっと届いたのは彼女の小さな寝息――。
 ファルシェは思わず笑いそうになるが、彼女を起こさないようにそっと堪えて、大樹の根本に腰を下ろした。
 見上げれば満天の星――。
 樹上と地上には星の花――。
 恩師と小さな妖精さんに沢山の幸福が訪れますように。そう願い瞳を閉じる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年11月11日


挿絵イラスト