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いとしき我が子はいまどこに?

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 子供がどこかへ流れていくよ、子供はどこかへ連れてかれたよ。
 子供を思うその亡者、亡者になっても彷徨って、愛しい我が子は見つからない。
 子供を連れたその天使、楽しく楽しくあそんでる。子供と楽しくあそんでる。
 さぁさぁ、向かおうその場所へ。さぁさぁ、彩れ奇劇と鬼劇。

「ダークセイヴァー。事件を予知した世界の名前です。皆様ご存知でしょうか?」
 グリモア猟兵、煌石・庭園水晶(庭園で佇む静寂・f10825)は緩やかに微笑みを浮かべる。
「私が何かは、えぇ、どうでもいいことですね。早速ですが説明をはじめます」
 事件が予知されたのはダークセイヴァーのとある村。近年、その村から子供が少しずつ消えていくということだ。
 子供を探しに出た親もいるらしいが、いずれも帰ってくることはなかった。
「ですが、子供たちが姿を消す前に時折、どこからかきた商売人達が村へとあらわれているそうです」
 商売人たちは村で食料や適当なものを売買して去っていくらしいが、その後に子供が行方不明になると言う事件が起こり始めた。無関係なこととして切り離すことはできないだろう。
「私が見た予知では、その商売人らしき男たちに子供が連れられて歩いている光景しかわかりませんでした」
 商売人たちの塒(ねぐら)になっている場所は『まよわずの森』と呼ばれる森。村の者が好んで入るような場所ではない。そこで商売人たちはそれぞれ少ない人数で組となって行動しているようだ。
「森にいる商売人たちの正確な人数はわかりません。彼らからオブリビオンに関係する情報をひきだせられるのであれば、どのような手段でも構いません」
 ただし、と庭園水晶は念を押すように言葉を区切る。
「派手に暴れたり、時間をかけすぎる行動をすれば、商売人たちは危険や違和感を察知して逃げるかもしれません」
 そこは注意してほしいと猟兵を見回す。
「今回の目的は、商売人から情報を入手し子供達の行方を調べること。そしてその行方の先にオブリビオンが関係あれば、これを討伐してください」
 子供の他に、その親たちが何人も行方不明にはなっているが、目的を間違えないでほしいと庭園水晶は念を押す。
「もちろん、目的を見失わず達成できるのであれば、その過程や寄り道は、皆様のお好きなように」
 にっこりと微笑を浮かべて、庭園水晶が頭を深々と下げた。


阿離磨
 はじめまして、こんにちは。
 3つ目のシナリオとなります。阿離磨(ありま)です。
 今回はダークセイヴァーの世界で事件です。
 情報はオープニングで語った庭園水晶の説明の通りです。

 第一章での注意点も庭園水晶の説明通りです。
 派手に動きすぎたり、時間をかけすぎればオブリビオンの手掛かりとなる情報元はいなくなるでしょう。ご注意ください。
 ご縁がありましたら、よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『「命」を扱う商売』

POW   :    人身売買業者を痛めつけて、オブリビオンの情報を吐かせる。

SPD   :    人身売買業者のアジトに忍び込み、オブリビオンの情報を入手する。

WIZ   :    人身売買業者の同業者等を装い、オブリビオンの情報を聞き出す。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


村から離れた『迷わずの森』
 視界の良くない木々の中に木と煉瓦を使って作られた小屋がひとつ。
 中から聞こえる笑い声。
 気分のおかげで森の中を歩く者達。
 必要のない警戒を行う者も数人いる。
 さぁ、どう動く?
リズ・ルシーズ
【SPD】

子供を攫うって聞いたら、放置は出来ないよね?

他の猟兵と連携して動くよ!
【迷彩】して【地形の利用】をしてアジトに侵入。鍵の掛かった扉があれば【鍵開け】の出番かな。アジトで【情報収集】しながら、1人だけの業者を見つけたら【念動力】で少し遠くで物音を立てて注意を向けた後、【だまし討ち】して【気絶攻撃】しようかな。うまく気絶してくれれば、レプリカクラフトで遮蔽物を作って他から見えないようにしてちょっと質問しようかって思う【傷口をえぐる】ぐらいは良いよね?

静かにしてもらっていい?ちょっと聞きたいことがあるんだ

聞き終わったら、業者はワイヤーを使って【ロープワーク】でグルグル巻きにして放置だね!


明日葉・雅
私では少々難しいですが、あーくんに頑張ってもらえれば大丈夫でしょうか?
『流石にスパイみたいなことはやったことがねぇんぞ? みーちゃんにも頑張ってもらわないと、なぁ』
SPDで判定。
雅(みーちゃん)が業者に声をかけ注意を引く。その間に分かれた明日葉(あーくん)にアジトへ侵入し、情報を探す。
注意の引き方は彼らの前で歌を披露します。楽し気な歌も悲し気な歌も彼らのリクエストにお応えして披露しますわ。

みーちゃんが頑張ってる間に金庫を開けてみたり、書類の棚を漁ったり、黒幕に繋がる情報を探し出すさ。
長居は無用、見つかろうとそうでなかろうとさっさととんずらさせてもらうぜ。捕まりたくないからな。


トウロ・コーラル
『まいどー!景気はどうですかー!』
と明るく近づいていく。

いなくなった子供たちの情報収集を目的とする。

『あ、よかったらこれどうぞ!』
と菓子を差し出す。
『勿論仕事用じゃないのでご安心を…安価で軽くて喜んでもらってくれる…私はもっぱらこれでしてねー』
と自身が同業者であるかのようにそれとなく匂わせる行動と言動

『この辺りで商売をしようと思うのですが…これだけご同業がいると控えた方が良いんでしょうかねぇ…』
と切り出して情報を探っていく。



●商売人の塒

「まいどー!景気はどうですかー!」
 良い気分でカードゲームを始めていた商売人達は声の方へと向き直る。そこには見知らぬ男と、同じく見知らぬ女性がたっていた。
「なんだい、アンタら」
訝しげな視線を向けるが、トウロ・コーラル(サーヴァント谷のシスコンマンゴー・f00117)は用意したモノをそっと商売人達に渡す。
「あ、よかったらこれどうぞ!」
 それはトウロからすれば、お菓子だ。ただし、ダークセイヴァーの世界で『お菓子』となれば、それはそうそう手に入るようなものではない。
「おぉ!?菓子じゃねぇか!」
 その一言にカードゲームをしていた商売人達がお菓子に視線を集める。
「勿論仕事用じゃないのでご安心を…安価で軽くて喜んでもらってくれる…私はもっぱらこれでしてねー」
 ほう、と数人の男たちが納得の息をつく。素材はあっても手に入り辛いモノを安価に扱う。なるほど、と。トウロはしっかりと同じ『商売人』なのだと、思わせることに成功したようだ。
「あの。歌はどうでしょうか?」
 意識がトウロに向いていた商売人達は、その隣に立っていた女性にも興味の目を向ける。明日葉・雅(多重人格者の咎人殺し・f07590)はにっこりと微笑をみせる
「うたぁ?」
「はい!なにかリクエストがあれば歌ってみます!」
 ならばと商売人のひとりが『楽しい曲』をリクエストする。
 雅の人格のひとつである『みーちゃん』はそれを快諾すると、ひと呼吸置き歌を歌い始める。最初は静かに、徐々にテンポとテンションをあげて、リズムが踊り出すような曲調へ。それはリクエストをした商売人が唸るほど、確かな『楽しい曲』だった。
「んで、アンタらは結局何しにこんなところまで来たんだ?」
 楽しい旋律が流れる中、商売人が切り出す。
「この辺りで商売をしようと思うのですが…これだけご同業がいると控えた方が良いんでしょうかねぇ…」
「なんだ。アンタも天使様の加護がほしいってかぁ?」
 ケラケラと笑う商売人の発した言葉に、トウロは少し思案して、素直に言葉を口にする。
「天使様、とは?」
「綺麗な翼の天使様さ、子供達を大切にしてくださっている」
「長くなりそうだな。他の奴らも呼んで、菓子でも食いながら話すか」
 商売人のひとりが立ち上がり楽しそうに笑いながら、席を離れた。
「なるほど。天使様、ですか。よろしければ詳しくお話を聞かせていただけませんか?」
トウロは気のいい笑顔を向けて、その続きを促した。


●ひとりの商売人

 別口から商売人の塒に侵入したのは、リズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)と雅のもうひとりの人格がユーベルコードで形成した『あーくん』だ。
 2人は静かに音を立てずに、少し薄暗い室内を物色する。何か子供達やオブリビオンに関係しそうな書類や証拠はないかと探してみるが、目立つような収穫はなかった。
「なにも出てこないな」
「子供を攫うって聞いたら、放置は出来ないよね?」
 『あーくん』が言葉を繋ごうとすると、リズがしぃっと指を口に当て、隠れる仕草をする。それにならって一緒に隠れると、ひとりの男が室内にはいってきた。商売人の男だ。
 リズと『あーくん』の目がすぃっと細められる。リズが静かに念じると【念動力】で動いた本棚の本が音を立てて床に落ちる。その音に気を取られて視線をそちらへ向けた商売人の男に気付かれない様に近づくと、リズは静かに男の口と喉に手をまわして、声を出せない様にする。
 気づいた男が振りほどこうとすれば、喉をぐっとおさえてその動きも封じる。状況が理解できていない男は慌てるが、
「静かにしてもらっていい?ちょっと聞きたいことがあるんだ」
 静かな静かなリズの声に、背中が冷えるのを感じ、暴れる身体を男は強制的に大人しくさせた。
(女ってこえぇな)
 リズの無駄のない動きを見て、『あーくん』はそんなことを考えた。
「ボクの聞いたことだけ答えて。子供達をさらったのはキミ達?」
 男は頷く。
「さらった子供達はどこへやったの?」
 男は恐々した声で喉を震わせ、言葉を口にした。

「て、天使様のところだ」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

三原・凛花
【愛し子召喚】で息子と娘を呼んで、【生き人形】に取り憑かせる。
わたしが【恥ずかしさ耐性】【誘惑】【おびき寄せ】で、人身売買業者を誘い出したところを、二人に捕まえてもらうよ。

で、拷問に掛けて情報を吐かせる。
【傷口をえぐる】【恐怖を与える】で相手を追い込んで、【コミュ力】を使って情報を引き出していくよ。


子供達もだけど、その親も心配だね。
無理やり子供と引き離される親……気持ちは痛い程分かるよ。

わたしも……生きてる「この子達」と、もっと触れ合いたかった。

だから、子供はおろかその親にすら手を掛けるような奴らは、絶対に許せない。
死んだ方がマシってくらいの苦しみを味わわせてやる。



●セイレイと独りの商売人

 塒から少し離れた場所を、商売人の男が歩いていた。賑やかな雰囲気も好きではあるが、今は少し静かな場所にいたい気分だった。
 そんな男を目標(ターゲット)にしたのは三原・凛花(『聖霊』に憑かれた少女・f10247)だった。
(子供達もだけど、その親も心配だね)
 そっと視線を落とし、言葉をゆっくりと紡ぐ。
『生まれてきて幸せだった……?』
 凛花の呼び声であられた2人の愛し子は、人形の中に入りこむと、音を立てずに動き出す。彼女は簡単なお願いを愛し子達にすると、商売人の目先に現れてゆるりと微笑みを浮かべた。
「おにいさん、すこしはなしをしませんか?」
「は」
 男はぽろっと言葉を漏らした。人が来るような場所ではない森に、美しい黒髪の女性がいればそれは驚いただろう。
 子供の親か?それにしては村で見かけたことがない。
 男は少し悩むが、確かめるために目の先で艶っぽく誘惑してくる凛花へと近づいていく。
(そう、それでいい)
 ふわりと彼女が微笑むと、近づいてきた男へ2人の愛し子が音もなく近寄って、男をとらえる。
「な、なんだ!?」
「無理やり子供と引き離される親……気持ちは痛い程分かるよ」
 男の困惑の声を無視して、凛花はとつとつと言葉を漏らす。
(わたしも……生きてる「この子達」と、もっと触れ合いたかった)
 目の前にいる愛しい娘と息子を見て、少しだけ目を伏せる。
「だから、ね?子供はおろかその親にすら手を掛けるような奴らは」
――絶対に許せない。
 地の底から響くような静かな凛花の言葉に、男は口を閉じるしかできない。背筋を這うような恐怖。それが他の者へ助けを呼ぶ声を封殺している。
「さぁ。オハナシ、しようか」
その言葉に、商売人の顔が恐怖で引きつり、こう言葉を漏らした。

「タスケテクダサイ、てんしさま」

と。

成功 🔵​🔵​🔴​

小読・灯
【POW】
◆方針
アジトに侵入し、一人でいる悪い人を見つけて、捕まえてお話をしましょう

◆探索
まずは【迷彩】で私の色を周囲に溶け込ませるように変化させて忍び込むわ

小屋の回りを見て、忍び込めそうな窓や穴を探して、【怪力】で壁の突起物や木々を利用して侵入できそうな所へ移動して侵入

中に入ったらカンテラをつけて静かに業者を探しましょう

一人で居る業者を見つけたら後ろから近づけそうなら後ろから、駄目なら少し高い所で隠れ、隙を見せたところでジャンプして接近【怪力】で捕まえて発火ナイフを首に突きつけて聞きたいことを聞きましょう

ねえ、おじさん
ここで何をやっているの?
いなくなったみんな(子供)はどこにいっちゃったの?


フロース・ウェスペルティリオ
……POWの人と組んで、情報の精査でもしようかな?

傷めばつけられて吐かれた情報は『現在正しい物であるか』を【質問する】よ。
真実なら黒い蝙蝠のような花が咲き、
嘘であるなら巻き付いた蔓が締め上げよう。
……ああ、蔓を放る(UC使用)時は、人身売買者に気づかれないよう、こっそりやった方が、油断してくれるかな?

正しい情報だと良いねぇ



●塒の裏で

 【迷彩】で周囲に自分の色を溶け込ませて隠れいていた小読・灯(灯売り・f01972)はどこか侵入ができそうな場所はないかと塒の周りを探していた。しかし、時折現れる二人組の商売人達は、辺りを警戒しているため、なかなか侵入に至ることができない。
 フロース・ウェスペルティリオ(蝙蝠花・f00244)は焦れる彼女を見て、ひとつ提案をする。
「中に入る必要はないのでは?」
 そう言ってつい、と指を宙に滑らせて、少し離れた場所で1人で辺りを見回している商売人を見つける。塒から離れた場所、見晴らしのわるい森。ナニカが起こっても早々に気付くことはないだろう。
「なるほど、いいね」
 言うが早いか、灯は木々の葉音を風に紛れ込ませて、商売人のすぐ後ろを取る。商売人の男が気づいた様子はない。とんとんと肩を叩いて、意識をこちらへ向けさせようとすれば、男は仲間が来たのかと勘違いをして叩かれた肩の方を見る。その瞬間を狙って、灯は男を胸ぐらをつかみ見目にそぐわぬ【怪力】で男を引き倒して、その首に発火ナイフを突きつける。
『応えを。蝙蝠が導になるよ。』
 フロースはそっと言葉を口にするが、目前のナイフという危機の方が勝っている男がそれに気づくことはない。
「ねぇ、おじさん。ここでなにをやっているの?」
「お嬢ちゃんみたいな可愛らしい子供を、優しいヒトのところに連れて行っているだけさ」
 目の前でナイフを突きつけているのが子供だと認識して、男は冷静になり嘲笑するように言葉を発する。フロースは男の足に柔らかく絡みついた蔓を見る。真実を言えば黒い蝙蝠の様な花が咲くはずだが、その様子はない。かといって、偽りを述べた際の痛いほどの締め付けがあるのかと思えば、それもない。それは、男が偽りでもないが、真実も言っていないと言うことになる。
「いなくなったみんなはどこにいっちゃったの?」
その質問に男は少し口を閉ざす。
「さぁ、俺は知らないな」
 男がそう口にした瞬間、蔓がピンと張りつめて、男の腰より下をきつく締めあげる。衣服と身体の肉が擦れるような音を立てて引き出される痛みに、男が反射的に声を上げようとするが、それを灯は許さず、手で抑えることで制止する。
「聞き方を変えさせてもらいましょうかぁ。子供達の『親』はどこにいきましたか?」
 フロースがゆっくりと丁寧な言葉遣いで、男に質問をする。男はフロースの言葉を聞いて、少し青ざめた表情をする。
「……手を放してあげようか。ふふ、次はちゃんと正しい情報を言ってくれるといいねぇ」
 小さく微笑みを浮かべたフロースだが、商売人の男にはその笑みがニタリと妖しく笑ったように見えた。灯が手を放すと、男は慌てて言葉を口にする。これ以上関わりたくないと言いたげに。

「お、親達には、天使様の屋敷を教えてやっただけだ!!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

赤月・句穏
九条・文織(f05180)と同伴
お互いの手はずを相談し、情報収集を行う。
「子供の行方、さて如何探しましょう」
「はい。それでは、文織。どうぞお気を付けてください。ご武運を…」
無事合流できれば情報共有
【WIZ】
家出中で困っている、商人に雇い入れて欲しいと申し出て、誘拐又は仲間に入れてもらう。誘拐される場合は大人しく、相手のアジトまでついていきます。か弱い振りをして聞き出せる情報は商人から聞き出しましょう
子供たちがどこへ連れていかれるのか。
せめて、無事を【祈る】ばかりです。


WIZ判定
人身売買業者を装い、人身売買業者のアジトに忍び込みます。
その際、文織がアジトに忍び込む手助けをします。


九条・文織
赤月・句穏(f05226)と共に
アジトの傍まで向かい、そこから別行動
「句穏があんな連中に近づくのは我慢がならないけど、事情が事情だししょうがないか。気を付けて行くんだよ。それではまた後で落ち合おうね。」

【SPD】で判定
「私も気を付けないとね。」
句穏が人身売買業者に接触するタイミングに合わせ
物陰に身を隠しながらアジトに近づく

「売買をしているんだから、何かしらの記録は残しているはず。」
【絶望の福音】を使用し、業者に遭遇しないように気を付けながら
取引の書類や帳面を探ってオブリビオンの情報を入手しようとする

「引き際は肝心だからね。」
これ以上の情報収集が厳しそうだと判断した場合は
成果がなくても撤収する



●笑い話にわらいはなし

「句穏があんな連中に近づくのは我慢がならないけど、事情が事情だししょうがないか。気を付けて行くんだよ。それではまた後で落ち合おうね」
 パートナーを心配するように、左右で色の違う両眼を細める九条・文織(界渡りの旅行者・f05180)に、赤月・句穏(界渡りの旅行者・f05226)は優しい眼差しを向けて、嬉しそうに笑って見せる。
「はい。それでは、文織。どうぞお気を付けてください。ご武運を……」
 塒から離れた場所で頷きあい、それぞれの行動の為に動き始める。
 近くを警戒していた商売人達の目の前に、あえて飛び出したのは句穏だった。いきなり現れた女性に驚いた商売人達は、警戒しながら訝しむように句穏を見る。
「なんだお前は、どうしてここにいる?」
「い、家出をして困っています。ここに商人の方たちがいると聞いて、その、参りました」
 家出、という言葉を聞いて、男たちは警戒を少しだけ緩め、じろじろと句穏の足先から頭のてっぺんまで見直すように確認する。
「家出、なぁ……?まぁ、いい。とりあえず俺達の塒まで来てもらう。話はそこで聞こう」
「はい、おねがいします」
 ぺこりと、礼儀正しく頭を下げる句穏に、男たちは困ったように頭をかいて、彼女を塒まで案内するのだった。

 それを見送り、警戒が薄くなったのを確認して行動を始めた文織は、塒の裏口から室内へと侵入をする。薄暗い廊下といくつかの部屋、一番奥の曲がり角から漏れてくる光は、恐らく商売人たちが集う広間に繋がっているのだろう、笑い声が響いてくる。パートナーを心配しつつ、文織は事前に話した手筈の通りにいくつかの部屋を物色する。
 物置の様な一室だったが、書類や冊子の束がいくつかおさめられている。商売人であるならば『売買』の記録があるだろうと、帳簿や書類を数点あさってみるが、どれもふるくて読めなくなっていたり、そもそも文字を成していないものもあった。
(ここははずれか)
 そう思い部屋を後にしようとした時、他よりも古い冊子を見つけた。表紙はボロボロで読めないが中は何とか読むことができた。文織はペラリペラリと頁をめくり、その情報を頭の中で構築して整理していく。
「なるほど」
 静かに冊子を閉じた文織は、目を伏せて広間がある方角へと目を向ける。笑い声が文織の耳に届く。
「件の村は……昔、子供を森に捨てていたのか。食い扶持を減らすために」
 耳に小さく響いてくる笑い声。
 そうそれは、決して、泣き声ではなかった。
 かつては泣き声だったかもしれないが、今は、わらう声だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

桐府田・丈華
「神隠しのように人身売買・・・なんか怖いね なんとかして止めなくちゃ!」
情報を得る為にまずは人身売買商人のアジトに潜入します
何か手がかりが無いか調査して、見つかってしまっらた場合は抵抗せずに自分も商品となりさらわれた子供達のところへ
他の猟兵にもわかるように何かしらの手がかりを残したり
影の追跡者で連行される自分を追跡させて自分の目印とします


キーア・エントール
とりあえず霊達に業者を探させましょう
見つけたら特に隠れたりもせずに、歩いて向かい接触します
会えたらば自然体に話しかけて、昨今の状況を尋ねて世間話でもします
時折ジョークでも混ぜたりしましょう、相手にとって笑えるものとは限りませんが
聖霊の子にワインとパンでも出してもらって、振る舞ったりもしましょう。お酒で口が滑りやすくなってくれれば御の字です
私に対して恐怖を覚えたのでしたら、絶対隷奴で命令します。内容は正直に、子供の連れ去りに関して何か知らないか。知っている上で可能ならば、居場所に案内もさせましょう

アドリブ、絡み歓迎



●そしてそこへ至る

「おい、お前。こんなところで何をやっているんだ」
 塒の裏口から内部へ侵入しようとしていた桐府田・丈華(カードバトルゲーマー・f01937)は数人の商売人に見つかってしまう。それぞれが自由に同行しているがゆえに、いつ見回りに来るかの予想ができなかったが故だ。
(さて、どういえば良いかな?)
 見つかった場合の行動も考えてはいたが、咄嗟に言葉が出てこずに一瞬の静寂が訪れる。
 そこへ声がかかる。
「その子は私と同じで、用があってここへ来ました」
 それぞれが各々で目を向ければ、そこにいたのは金の髪に純白の翼を広げたキーア・エントール(完全聖・f02455)が静かに立っていた。
 丈華は同じ猟兵であったことに少し安堵したが、ざわめいたのは商売人達だった。
「天使様!?」
「何故天使様がここに!」
 武器に手をかけていた者もいたが、キーアを目にした瞬間武器を投げ捨て皆が皆、首を垂れる。キョトンと、表情が変わらないが首を傾げたキーアはまずは軽い挨拶とばかりに、聖霊の子からパンとワインを出してもらい、商売人達に分けようとする。
 するとそれをみた商売人の男達はざわめき、互いの顔を見合わせて困惑したような表情を見せる。すすす、とキーアの側まで寄った丈華も、その様子を見てキーアと視線を交わす。
「……先ほども言った通り、私達は用がありここへ来ました」
「どんな用かは、言わなくてもわかるだろう?」
 『用』を具体的に言わずとも、商売人達の中では彼女たちの言葉を独自に理解したのだろう。それぞれが立ち上がり一礼する。
「ご、ご案内します!」
「……あ、私達が来たことは内密にお願いします」
「もちろんです!」
 キーアが念を押すように言えば、それ以外の答えはないと首を縦に振って商売人の男は答える。丈華はキーアの後ろについて歩くが、商売人のひとりが声をかける。
「よかったな。天使様といれば餓えることもないぞ」
 そう言って手を振って、2人が歩き出したのを見送る商売人達は、やがて木々が深くなり見えなくなった。

 キーアと丈華の前を歩き先導していた男は、数分歩いたところで足を止める。
「この先からは俺達は入らない様にしているので」
 そう言って地面を指さすと、何かの線が引かれており、そこから先は土ではなくかたい石畳になっていた。
「天使様たちのご用事に俺達が顔を出すわけにはいきませんから」
 そう言って先導していた男はもう一度頭を下げると、来た道を引き返して行こうとする。
「待って!子供達の親は、ここへ来たんだよね?」
 丈華が質問を投げれば、男は少し言い辛そうに言葉を濁し、こくんと頷く。
「ここまでの案内をしたが、それ以上はわからない」
 男は首を振って、今度こそ道を戻っていき、見えなくなった。

 各々の猟兵達が手にした情報を整理しながら、案内、あるいは特定した場所へと向かう。
 そこは森を円形に切り開いた大きな広場であり、中央に館と呼べるような建物が鎮座していた。
 そして屋敷とは別に目を引く多くのモノがあった。
 それは――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『篝火を持つ亡者』

POW   :    篝火からの炎
【篝火から放たれる炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤々と燃える】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    篝火の影
【篝火が造る影に触れた】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    新たなる亡者
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自分と同じ姿の篝火を持つ亡者】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 それは、墓場の様なモノだった。
 盛り上がった土と、枯れかけた花、そして墓標の代わりなのか、松明が炎を揺らめかせてついていた。
 気分のいい庭ではない。
 そう思いながら庭園に一歩足を踏み入れると、ぼこりぼこりと土が盛り上がる。
 警戒して辺りを見回すと、土を押しのけるようにして、黒い襤褸布(ぼろぬの)を被ったモノが這い出てくる。それはひとつふたつではない。庭のあらゆる場所から出てきたソレらは、墓標代わりの松明を手にして、踏み入った猟兵達へと近づいてくる。
――かえして、こどもをかえして。
――どこにいったの、かわいいこども。
 泣くようなうめき声は襤褸の中から響く。
 ソレは子供を探していた親のなれの果てか。
『篝火を持つ亡者』に変わり果ててしまったモノ達は、救いを求めるように篝火を掲げて、猟兵達へと無念と殺意を向けた。
リズ・ルシーズ
【SPD】

子供は良いよね、だから、君達の想いは分からなくはないかな!

他の猟兵と連携して戦うよ。【迷彩】をした状態で篝火の影に入らないように【地形の利用】をして、【スナイパー】みたいに遠距離から皆の【援護射撃】をするよ。最初の1発は【先制攻撃】になれば良いかな、武器は擬似刻印のレーザーで光【属性攻撃】だね。

もし攻撃されても、少しぐらいの炎なら【火炎耐性】で防げないかな。

でもね、死者は大人しく土の下に・・・ね!

周囲の敵の数が増えてきたら、アトゼトアを使ってまとめて攻撃するよ。近づいてきたら、【零距離射撃】をしながら【空中戦】で空を飛んで距離を取るよ【逃げ足】も少しは得意なんだ。


小読・灯
なんてこと、悲しみでこの場所に縛り付けられて亡者となってしまっているのね。

こんな悲しみを振り撒くモノが天使様なんて、そんなはずはないわ。私は嫌いよ。
その化けの皮、剥がしてあげるわ。

だから、ねえ、道を開けて。貴方達のような悲劇がもう起きないようにするために私達はこの先に行くんだから。

【POW】
本当は未練を亡くしてから天に還って貰いたいのだけれど
道を阻むのなら倒さないと駄目よね。

全力でやるしかないわね。
マッチを一本擦って【属性攻撃】で強化した【ブレイズフレイム】を放つわ。

私は炎には強いの、早く先に進むために、亡者の攻撃は【炎熱耐性】やブレイズキャリバーの炎で傷を癒して耐えながら攻撃に集中するわ。



●亡者をおくる光と炎

(なんてこと、悲しみでこの場所に縛り付けられて亡者となってしまっているのね)
 小読・灯(灯売り・f01972)は土の下から現れる亡者の群れを見回し、一瞬だけ屋敷へと目を向ける。この群れを生み出すきっかけとなった元凶は恐らくソコにいるのだろうと。
(こんな悲しみを振り撒くモノが天使様なんて)
 そんなはずはない、と強い意志を持って閉じた屋敷の扉を見据える。
(その化けの皮、剥がしてあげるわ)
 しかし、まずは目の前の亡者達から。考えを切り替え、戦闘の体勢に入る。
 先手を打ったのは篝火を掲げた亡者達だった。篝火が渦巻くように円を作り、そこから炎のが撃ち出される。風を焼き焦がしながら灯に炎は迫るが、その火は灯の横を通りすぎたレーザーの光で打ち消されるように散り消え、その先にいた亡者を撃ち抜く。
「子供は良いよね、だから、君達の想いは分からなくはないかな!」
 風景に溶け込み、亡者たちの目を欺きながら確実に一撃を与えられるポジションに付いていたリズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)が刻印を浮かび上がらせ、そこにいた。
「でもね、死者は大人しく土の下に……ね!」
 その先へ行かなければならないと、瞳に光を宿して亡者達を見る。
 亡者の数は数えてもきりがない。ならばまずは、全て倒すのが先決。
灯とリズは、色彩の違うお互いの青い瞳で目配せをして、同じ方向でひと固まりになっている亡者達へと戦意を向ける。
『『限定解除、申請、承認』うん、いこっ!始まり[A]は終わり[Z]に、終わり[Z]は始まり[A]に』
 リズが亡者達の群れの中に飛び込み、そこでくるりと鮮やかに一回転する。視認した亡者達を、刻印から放たれたレーザーが一部の狂いもなく撃ち抜いていく。襤褸布と共に灰のように消えていく亡者達は、目に見える範囲で数は減ったがそれでも、代わりはいると湧き出でてくる。
 されるがままになるものかと、亡者が篝火をかかげて、黒い影を伸ばす。リズはそれを見て地面を蹴ると、空中へと飛び上がる。
 襤褸を纏った亡者達がそちらへ顔を向けるが、その横から恐ろしいほどの炎が吹き荒れながら波のように彼らをのみ込む。
 マッチを擦った炎を自身の地獄の炎と合わせ、灯が放った紅蓮の焔は巻き込んだ亡者達を、頼りない篝火と共に焼き消していく。
(本当は未練を亡くしてから天に還って貰いたいのだけれど)
 チリチリと消える黒い亡者達をその瞳にうつしておくりながら、灯は一度だけ誰へ向けるでもなく頷く。
(道を阻むのなら倒さないと駄目よね)

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フロース・ウェスペルティリオ
天使さま、ねぇ…… うん、すっごく胡散臭い
消えた子供たちも、その親御さんたちも心配だし、先を急ぎたい所だけど、
弔いが先、かな?

オクタ(f05708)さんと組んで、頑張ってみようかな
【忍び足】で静かに移動し、なるべく敵に気づかれないよう気を付けるね
液状化して地面を伝ったら【目立たない】かな?
あ、炎の影にも気を付けなきゃねぇ

オクタさんが攻撃し易いよう【援護射撃】頑張ろうかなぁ
敵を矢で【串刺し】にすれば、いい足止めになるかな?
余裕があれば、『千里眼射ち』で視界内の敵をまとめて射抜くよ
これでも【視力】は良い方でね。視覚は【情報収集】の基本だよねぇ

SPDだけど、流石に飛ぶ矢が影に触れる事はないかな?


オクタ・ゴート
遅れて来てみれば、なんとも。希望をちらつかせる名を騙っているとすれば大変憤ろしいですが、一先ず目先の脅威を払いましょうか。
フロース(f00244)様と連携し、事に当たりましょう。
『生命力吸収』で動きを鈍らせ、フロース様を『かばう』よう立ち回ります。隙ができた時のため、『力溜め』も忘れずに。
隙ができれば、【燃える汚泥の鞭】で群れごと焼き払いましょう。亡骸を燃やすのは、松明ではなく荼毘の火です。
POWで攻め切れるかどうか、という所ですがーーー長引くと面倒かもしれませんね。



●亡者をはらう黒の蝙蝠と黒の山羊

 天使さま。それは誰が言っていたのか。
(うん、すっごく胡散臭い)
 フロース・ウェスペルティリオ(蝙蝠花・f00244)の率直な感想だった。液状化し、音を立てずに静かに移動しながら、オクタ・ゴート(八本足の黒山羊・f05708)と連携を取るための位置へと動く。
(なんとも)
 目の前で群れなす多くの亡者達へ向き、オクタは屋敷をちらと見る。
(希望をちらつかせる名を騙っているとすれば大変憤ろしいですが)
「一先ず目先の脅威を払いましょうか」
「先を急ぎたい所だけど、弔いが先、かな?」
 フロースが視線を亡者の群れに向ける。情報収集の基本である視力は篝火をかかげて影を伸ばす亡者達をしっかりと捉える。伸びる影に対してフロースは動かず、集中するように篝火の群れをていた。
 黒い影が足先まで伸びようとした時、亡者達の身体に響くように声がした。
『荼毘には火を、旧き過去には葬送を』
 パチャン、と水音が聞こえると放たれた黒い体液が篝火を覆うように付着し、揺らめく火を消していく。亡者達が消えた篝火を確認するように訝しげに顔を近づけると、黒く濡れたソレが発火し、炎となって亡者達の移り、その身体を燃やしていく。
「あ、炎の影にも気を付けなきゃねぇ」
 視線を動かさずに目の先で起こったその光景を見て、思い出したようにフロースは笑う。
 そんなフロースに向けて、火に巻かれていない亡者達は篝火から炎を撃ち出す。飛び出した多くの火の玉が邪魔者を焼かんと迫る。
「もういいかなぁ?」
 ゆるりと口にしたその言葉と共に、視認していた亡者達へ無数の煌めく矢が放たれる。風を切り裂き、火の球を射抜きながら真っ直ぐに飛んだ矢は、亡者達の暗き顔を撃ち抜くように貫通する。
 カラン、カラン、と篝火のともる杖が石畳に転がる。それを手にしていた亡者は、矢が抜けた場所からパラパラと灰になり、塵になり、その姿を消していった。
「援護射撃はまかせてねぇ」
「フロース様、射抜くのがとても的確でございますね」
 さて、援護射撃とはいったいなんだったのか。その会話に口を挟むモノはいない。
 亡者達は数を減らしつつあるが、まだまだ見ぬフリをして抜き通ることはできない数だ。
「長引くと面倒かもしれませんね」
「それなら、はやくおわらせようか」
 天使さまにトられた子供を、トりカエそう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

彩花・涼
子どもたちを攫うのか、この世界の未来を摘むのは許しがたいな。
しかし……子どもたちの親か…。
同情はするが、ここで立ち止まるわけにはいかないな。

黒爪・改で遠距離攻撃して削りながら【ダッシュ】で敵に近づき、黒華・改で【2回攻撃】と【生命力吸収】で切り伏せにいく。
敵からの攻撃は【見切り】で回避しようとするが、命中した時は【火炎耐性】で耐えつつ、黒蝶の鎮魂歌を使用して【カウンター】で攻撃の手を緩めない。

すまないが、あなた達に手加減している時間はない。
あなた達の子供は無事に取り返す、だから安心して眠ってくれ。



・黒蝶は篝火と躍る

 襤褸布が風切る音と共に崩れ落ちる。ひとつ、ひとつ、またひとつ。亡者達の間を縫うように舞うように駆け抜ける黒い一閃。彩花・涼(黒蝶・f01922)は抜けた亡者達の群れを振り返り、見る。認識するまもなく一度に二度の切り付けを受けた亡者達は、篝火を取りおとして塵となり風に乗って消え去っていく。
(……子どもたちの親か…)
 はかなく消えていく亡者と、耳に残るような嘆きの声。同じ想いを抱いていた仲間が消されたためか、亡者達は地に響くような唸りをあげ篝火をかかげる。渦巻く炎は火玉となって涼へ向かって放たれる。
「同情はするが、ここで立ち止まるわけにはいかないな」
 単純な軌道の火玉を危なげなくかわし、片手を伸ばし、宙を撫でる様に指を動かす。
『安心しろ、しっかり黄泉の国に還してやる』
 つぅ、と撫でられた指先から、ふわり、ひらり、と……。ソレはやがてぶわりと量を増し、まるで夜を呼び出したような漆黒の蝶の群れが、亡者達の周りを飛び交っていた。
 亡者の視界が黒に埋め尽くされる、見えなくなる。散るように消えていく亡者達はやがて数を減らしていき、最期に残った亡者は細くやつれ腐りかけた節だらけの腕を天に伸ばした。
 まるで、天から何かを取り返すように。
 まるで、天に縋るように。
 そうして、多くの篝火を持つ亡者の群れは消え散っていった。
「あなた達の子供は無事に取り返す、だから安心して眠ってくれ」
 亡者の消えた墓場の残骸を見つめ、涼は静かに呟き、屋敷へと歩を進めた。


 重く閉じていた屋敷の扉が、まるで猟兵達をいざなう様に、ギィ、と音を立てて開かれる。
 そこは、まるで。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『子ども遣い『チャイルドマン』』

POW   :    理不尽な言いつけ
【攻撃】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    財産喰らい
自身の身体部位ひとつを【対象の親もしくは同じくらい信頼している人】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    操り人形
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【一時的に幼い頃の姿】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はステラ・リトルライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


・てんしさま

 そこは、まるで見世物の為の場所だった。
歩く邪魔にならない間隔で設置されたいくつものガラスのケース。その中に美しく着飾られ、飾り付けられている子供達。女の子も。男の子も。眠るように死んでいるのか、はたまた死んでいるように眠っているのか。それは一見して判断はできない。
 そして、床に無造作に転がる人形のような、ソレら。
ソレらは子供がいずれ成長する姿。丸みのなくなった身体をした、大人へと足をかけたような青年や少女達が、服を血で汚して弔うこともなく放置されていた。
「おや。不躾な客がいたものです」
 ねっとりとした笑い声と共に振ってきた言葉に、上を見ればシャンデリアに腰を掛け子供の姿をした人形を大切に抱く黒い翼の天使がいた。
 猟兵達はその男を見てすぐにわかるだろう。その天使が、オブリビオンであると。
「私と愛らしい子供達の楽園にようこそ。用が済んだなら帰ってもらいたいところですが」
 そう言って、オブリビオンは面倒くさそうに翼を広げる。

「どうやら私達を放っておいてはくれない様子。仕方がありませんから愉しく可笑しくあそんであげましょう」
「あぁ、せっかく子供達が自分で帰る場所になる親を殺してここに残ると決めたのに。貴方たちは優しい決意を無駄にするっ。なんてひどい方達なんでしょうねぇ!」
「永遠に温かな夢にいたほうが子供達は幸せなんですよ。えぇ、えぇ、ですから」

 オブリビオンたる『チャイルドマン』はニタリと笑う。

「私の敵、子供達の敵は、排除しなければなりませんね」
リズ・ルシーズ
他猟兵と連携

【SPD】

子供好きはボクもだけど、動きもしない子供を見て何か楽しいのかな!

【情報収集】後【迷彩】して【地形を利用】し距離を取ったまま【スナイパー】として動くよ!擬似刻印のレーザーの光【属性攻撃】で【先制攻撃】。見つかったら【ルシーズ】を使うよ!

『包囲、鏡面体反射計算開始、斉射』Rシリーズ、ボクの我侭に付き合って!

ルシーズに【援護射撃】で【時間稼ぎ】をさせ、【空中戦】で空を飛び【見切り】と【残像】で攻撃を避け近付いて【財産喰らい】を【零距離射撃】で潰してくよ

知らない顔だよね?ボクが人の顔してたら躊躇すると思ってるのかな!

生存した子供達がいれば【医術】で治療、子供はやっぱり動いてないと


キーア・エントール
ええ、敵です
種族的なものを言ったところでどうともなりませんが、風評被害が酷くなるので
とりあえず消えてください、子供達がどうのは後で考えます

神格降臨の礎にて、場を奪います
どうやら敵の言では、命令を聞かせたりなどもできるようなので
場の支配権から手にしてそれに対抗、更には此方の法を押し付けてしまいましょうか

ああ杭打ちを防ぐのもどうぞ、子供たちを使うのもご勝手に
私は甘くはありません、積極的に子供たちを害するつもりもありませんが、目的を見失いもしないので
既に運が無かったのですから、最早程度の違いでしかありません

どうあれ此処は既に裁きの地、神威に頭を垂れ、判決を受け入れなさい



・黒い翼を撃ち抜く光の射撃手達

「さぁ、害敵は排除しなくては!!」
 大仰しく手を振り、チャイルドマンはシャンデリアから飛び降りる。リズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)はガラスケースの影に身を隠し、疑似刻印のレーザーをチャイルドマン目掛けて放つ。しかしソれは見えていると、天使の風体を持つそのオブリビオンは軽く翼を動かしてレーザーを回避する。
「子供好きはボクもだけど」
「おや、気が合いますね」
「でも、動きもしない子供を見て何か楽しいのかな!」
 やれやれとチャイルドマンは手を広げて首を振り、指先から光る糸を紡ぎ出す。
 その糸は床に転がる子供よりも大きな死体に絡みつくと、ソレらの体積が少しずつ小さくなり『幼い子供』の姿へと変わる。手には錆びたナイフや、木の棒を持っており、意志のない敵意が向けられる。
「どうぞ、“動く”子供ですよ」
 にたり、と笑うその顔にリズは嫌悪感を覚える。その交錯する視線を遮るように2人の間に降り立ったのは、白い翼を広げたキーア・エントール(完全聖・f02455)だった。
「種族的なものを言ったところでどうともなりませんが、風評被害が酷くなります」
 青い瞳がオブリビオンを捉え、綺麗な唇から美しい声が発せられる。
『頭を垂れなさい』
 その言葉と共に、使役している霊体から光の杭が現れ、その先端がチャイルドマンに向けられる。キーアの後に続くように、リズも言葉を編上げる。
『包囲、鏡面体反射計算開始、斉射』
 R-Series(ルシーズ)と呼ばれる十数体の戦闘用簡易複製体が、一斉に場に現れる。
 キーアの光の杭は音もなくチャイルドマンに放たれるが、黒い天使が腕を動かすと子供の姿をした死体が壁となり、その杭をその身に受けてぱたりと落ちる。
「おやおや、酷い天使ですね。素敵な子供を傷つけるだなんて」
「とりあえず消えてください、子供達がどうのは後で考えます」
 オブリビオンは淡々としたキーアの態度を、面白げがないと舌打ちする。が、その余裕はすぐに消える。
 場に召喚された十数体の戦闘用機体が、チャイルドマンに向けて一斉射撃を行う。翼をもつとはいえ、空中での戦いに心得などないオブリビオンは大回りな動きをしてその射撃を避ける。
 しかし、その行動は読まれていた。
 リズは射撃の合間を縫うように移動し、隙の大きな回避を行ったチャイルドマンの真横に肉薄する。突然現れたリズに大きく目を見開き凝視する。
「そんなに見つめないでほしい、な!!」
 チャイルドマンの肩を掴み、疑似刻印からのレーザーを零距離で放つ。
 肉の蒸発するような音と共に、オブリビオンの汚らしい短い苦悶の声が響く。
 力任せに掴むその手を振り払うと、翼を広げて距離を取り忌々しげに猟兵を睨みつける。

「お、のれっ!!子供を傷つけるような害敵に後れを取るとは……!!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

桐府田・丈華
「・・・もしかしてこれって・・・」部屋と着飾られた人に異様な雰囲気に圧倒されていそうになってしまいそうになります
容姿からオブリビオンにコレクションに加えようと宣言されようやく我に帰り
倒すべき相手と奮起し素早く行動
「絶対負けないよ! 行け!ボクのカード達!」
カードゲームデバイスからバトルキャラクター達を召喚し、連携して戦わせます
他の猟兵の人とも連携できれば連携して戦います


赤月・句穏
かわいそうに。
その視線はオブリビオンに向けたもの。子供達に向けたもの。
「私は、ある方の呼びかけに応じ、貴方を討伐しにまいりました。名乗る名はございませんが…、すぐ、骸の海に還してさしあげますので・・必要ございませんでしょう?」
魔霊杖で【高速詠唱】で【全力魔法】の【2回攻撃】を放ちます。
回避は、【第六感】を用いて【呪詛耐性】と【激痛耐性】もって、対応。
「子供…。」
憐憫の眼差しをオブリビオンに向けて
「悪趣味な人形遊びですね。…仕方がありませんね。お眠りなさい。」
氷の柩に閉じ込めて眠らせるか緋色の炎で以て葬送とします。
せめて、安らげるように【祈り】をこめて。
「子供達が優しい夢をみられますように―。」



・遊戯盤で戦う者と焔を抱く柩

 子供を飾る、という悪趣味な飾り付けに桐府田・丈華(カードバトルゲーマー・f01937)はジリッと一歩後退する。
「…もし、かして……これって」
「おや。害敵の中にも可愛らしい子供はいるものですね。折角ですからアナタも飾ってあげましょう」
 チャイルドマンの小馬鹿にしたような笑い声に、丈華はハッと我に返る。
 一瞬反応が遅れた丈華の前に立つように、赤月・句穏(界渡りの旅行者・f05226)は歩み出ると、ガラスケースとオブリビオンを交互に見、小さく溜息をつく。
(かわいそうに)
 青い瞳に宿るその真意がわかるようなオブリビオンではない。しかしその瞳が気に入らなかったのか、チャイルドマンは目を細め小さく舌打ちをする。
「私は、ある方の呼びかけに応じ、貴方を討伐しにまいりました」
「ほう?大人には興味がないですが、名前くらいは聞いてあげましょう」
「名乗る名はございませんが……、すぐ、骸の海に還してさしあげますので……必要ございませんでしょう?」
「素直ではない大人はこれだから嫌いです」
 指を広げて光る糸を紡ぎ、死体を操るその姿は天使というには醜悪であり、悪趣味でしかない。
 句穏は自身の後ろにいる丈華にちらりと視線を向ける。圧倒されていた丈華だったか、その視線の意味を理解し、力強く頷く。
「大丈夫!!絶対負けないよ!!」
「では、参りましょうか」
 手にした魔霊杖をくるりくるりと回し、その先端に光を集める。他者には解せぬ旧き言葉を詠唱し、収束した光をオブリビオンに向ければ、ソレは強き力を得た魔法の光弾となりチャイルドマン目掛けて放たれる。
「面倒な大人ですねっ!!」
 糸を強く引き上げると、ふわりと死体が飛び上がり光弾を防ぐ肉の盾となって、爆ぜる。
「悪趣味な人形遊びですね」
「それなら、ボクに任せて!!行け!!ボクのカード達!!」
 丈華が手にしたカードを宙に広げると、淡い光と共にゲームキャラクターが召喚され、操られた死体に向かって飛び込んでいく。手にしたナイフや棒を振るいながら、ゲームキャラクターを振り払おうとするが、それを操るチャイルドマンの指と意志が足りていない為に、死体は無様にゴロゴロと転がりまわる。
 その様子を見ていた句穏は魔霊杖の先端で撫でる様に宙を滑らせる。と、そこから光る文字が溢れ出て、転がりまわる死体へと降り注がれる。
 文字が落ちたその部分からボッ、ボッと緋色の焔が燃え上がり、紅蓮の柩が死体を誘い込むように広がっていく。その焔は光る糸を駆け昇り、死体を操るチャイルドマンの腕に燃え移る。
 急ぎ糸を切り捨てて、腕を振るって燃えうつった焔を消火する姿は中々に滑稽である。
 そんなオブリビオンに向ける視線などないように、句穏は燃えていく死体を見つめ、静かに祈る。

「子供達が優しい夢をみられますように―」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フロース・ウェスペルティリオ
オクタ(f05708)さんと参加

……そう。決めたのは自分だと言うのなら、それを壊されないよう守るのも、他でもない自分だと、分かっているという事かな?
なら、ウチはウチの仕事をするだけだよ
ふふ、親から自立したのなら、立派な”大人”だよねぇ

室内っぽいし、武器はダガーに持ち替えるよ
今でも一番信頼しているのは、育ての親っぽい人かなぁ
口の無いウォーマシンだったよ
戦闘面の師匠でもあるから、急に現れて噛み付かれ(頭突かれ?)そうになったら、反射的に攻撃してしまいそうだよ。狙うなら、やっぱり首かなぁ
基本が液体な種族だし、噛み付かれてもさして痛みはないけれど、服を駄目にされてはちょっと困るかなぁ……予備あるけど


オクタ・ゴート
 天使というには些か品のない人物が現れましたね。その羽を捥ぎ取り、地に伏す彼らの気持ちを味わって頂きましょう。

 【油の沼より出ずる者ども】で手駒を呼び出し、フロース(f00244)様の援護に回りたいと思います。
 子供の亡骸を繰る事の意図が見えませんが、私も、召喚した化生も、怯む事などあり得ませんね。フロース様の攻撃に合わせ、【呪詛】を込めた一撃を叩き込ませましょう。子供、親、それにこれまで重ねた全ての罪を味わって頂くとしましょうか。

「貴方も眠りに落ちるでしょう―――最も、夢など見られぬ覚めない眠りに、ですが」

【WIZで判定】



・黒の刃が纏う呪詛

「あぁっ!!あぁっ!!これだから大人は嫌いだ!!」
 シャンデリアを忌々しそうにガシャンと踏みつけて、チャイルドマンは癇癪を起こしたように叫ぶ。
「……天使というには些か品のない人物が現れましたね」
「変なヒトと目を合わせちゃダメなんだっけ?」
 オクタ・ゴート(八本足の黒山羊・f05708)と、フロース・ウェスペルティリオ(蝙蝠花・f00244)は呆れたように、嘲笑うように、大人の姿をした子供の様なオブリビオンを見る。
「ですが、あの汚らしい声を聴き続けるのも、ある意味苦痛ですね」
「うん、わかるよ。決断したって言う子供達の方が立派な”大人”だよねぇ」
 オクタとフロースの言葉を理解しているのか、ただ耳に障った為か。チャイルドマンはギロリとその敵意を持った視線を2人へと向けると、フロースはポンとひとつ手を打つ。
「目障り、ってこういう時に使うよねぇ」
「フロース様は的確に言葉を使われますね」
「目障りなのはお前達だ!!」
 声を荒げて乱雑に光る糸をばらまき、繋がった死体を端から操り始める黒い天使に、余裕の欠片などは見られない。
(わぁ、本当に目障りだ)
 口には出さないこともある意味美徳。そんなフロースの心境を察したのか、オクタは少し場を移動し、操られる死体達から離れた場所を陣取る。
『未来のため、過去は搾り滓まで使い潰しましょう』
 黒き口から発せられた言葉の後、その影からドロリとした黒い油とタールを滴らせる、蛸型の生物と人型の怪物達が召喚される。怪物達は動き回る死体に近寄り、その黒い身体の中へと死体を取り込み動きを封じる、
 もがきながらずぶりと取り込まれる死体を見たチャイルドマンは何度目かの舌打ちを発する。
「飾れもしないでかい役立たずどもめ!!」
「……ねぇオクタさん、もういいかな?」
「付き合う必要もないですし、良いのではないでしょうか」
 うんうんとフロースは頷き、ガラスケースの上に軽やかに飛び乗ると、ケースを蹴って宙へと舞い上がる。視線の先に突然現れたフロースを見つけ、オブリビオンは身を固くする。
 フロースの手にしたダガーに、オクタの呪詛が纏わりつき、その刃は呪いを帯びたおぞましいひとつの術となる。
「はい。“コレ”、あげるね」
 腕を綺麗に振るい、投げられたダガーは宙を切りながら、その刃をオブリビオンの片目に突き立てる。
「あ?」
 軽い衝撃に何が起こったかわからずにいたチャイルドマンだったが、一瞬の間の後に痛みから絶叫を響かせる。
「うわぁ、うるさい。ダガーは返してね」
 トン、とガラスケースに着地したフロースはのんびりと言葉を放つが、目を潰された痛みで半狂乱のオブリビオンには聞こえていないようで、宙を転げるように跳び回ったあと、ボトリと無様に、床へと落ちる。
「翼があるのにみっともないですね」
「うん。蜘蛛の巣に絡まった蛾ってこんな感じだよね」
「せっかくですし、その羽を捥ぎ取り、地に伏す彼らの気持ちを味わって頂きましょう」
 響き渡る苦悶の叫びも気にせず、ゆるりと言葉を交わすオクタとフロースを、片目の潰れたオブリビオンがギラリと睨む。
 突き刺さったダガーを乱暴に抜きさり、下手な投擲でオクタへと投げつけるが、指を軽く上げて投げつけられたダガーを簡単に受け止める。
「お早い返却ですね。フロース様、どうぞ」
「わぁ、親切なオブリビオンだね。見た目が無様だけど」
 余裕をなくし、いらだつように翼を広げ、泥のような血を流すチャイルドマンは、 血が出るほど唇を噛み締め、害敵とする猟兵達を射抜くように殺気を向けた。

安心なさい、とオクタは呟く。
「貴方も眠りに落ちるでしょう―――最も、夢など見られぬ覚めない眠りに、ですが」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

小読・灯
酷い人、酷い大人。アナタ、子供に嫌われるタイプよ
死んだ子供を自分のために操ったり盾にしたり。アナタのお人形遊びはここで終わらせてあげる

【WIZ】
もう生きていないって言っても、できれば弄ばれた子たちを火葬にはしたくないわね。
ちゃんと後で葬ってあげたいから炎は封印よ

まずはマッチを擦って幻影で私の周りの空気を揺らめかせて幻の【迷彩】を纏うわ

そして剣に炎を纏わせる代わりに術式で氷を纏わせ戦うの
幻影で攻撃を掻い潜りながら、避けられないのなら手から氷の盾を出して弾いて敵に向かっていきましょう
その操り糸、邪魔でしょう?そんな玩具はあなたには必要ないでしょう?
もう大人なんだから
私が断ち(裁ち)斬ってあげるわ!



・眩惑幻燈幻想の剣

「酷い人、酷い大人。アナタ、子供に嫌われるタイプよ」
「なん、だとっ!?」
 マッチを一本だけ持った小読・灯(灯売り・f01972)が、目を鋭く細めてチャイルドマンを見ていた。青い瞳は静かに揺らめき、まるで青白い炎の様にも思えた。
「死んだ子供を自分のために操ったり盾にしたり。アナタのお人形遊びはここで終わらせてあげる」
 マッチをシュッと擦ると、小さな、小さな、炎が灯る。その炎を摘まみながら、踊るようにくるりとあたりに焔の軌跡を描き、幻燈の迷彩をその身に纏う。
 手にした剣の刃を指で優しく撫でると、纏う炎の力の属性が反転し、冷たい氷の六花を纏う氷の属性へと変転する。
 役に立たない、と称した死体を操る術の代わりに、チャイルドマンは指から紡いだ光の糸をしゅるりと巧みに扱い、鋼糸でも扱うかのように糸を振り回す。
 しかし、幻燈を纏った灯の姿は幾重にも見え、本体を定めて狙うことができない。
 チャイルドマンに接敵した灯は、氷結を纏った剣を振り、腰を落とす。
「その操り糸、邪魔でしょう?そんな玩具はあなたには必要ないでしょう?」
「な、」
「もう大人なんだから……」
 ソレは一瞬の微笑み。ソレは刹那の眩惑。
「私がタち斬ってあげるわ!」
 敵を断ち、糸を裁つ。零度の一閃はオブリビオンの胸と、指から紡がれる糸を鮮やかに切り払う。
 軽くはないその一撃を受けたチャイルドマンは、ふらふらと後退し、膝をつく。
 ひゅーひゅーと、安定しない呼吸を吐きながら、せめて最後に一矢報いるためにと、黒い翼を広げて、吼えるような絶叫を響かせた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユト・リーィング
子供好きなら、自由に遊ぶ子供を見守るとか出来ねぇもんなのか?そんな歪んだ愛情は大人でもノーサンキューだぜ。
同じ旅団の涼と共闘。真正面からぶつかるしか俺は脳がないからな。
【オーラ防御、激痛体制、毒耐性】で体自らの怪我は気にせず叩き切りに行くぜ。
敵の攻撃は【野生の勘、第六感】を感じで【カウンター】攻撃するぜ!【フェイント】を掛けてから【力溜め】した【怪力】で【気絶攻撃】を体をひねって【2回攻撃】くらわせてぇな!
怯んだとこを涼にもう一声ぶった切ってもらったりよぉ。1発はいると気持ちいいもんだよな。胸糞悪い奴の面なら余計によぉ!自分の傷は攻撃ついでに【生命力吸収】で吸い取ってやるぜ!覚悟しな!


彩花・涼
ユト(f00959)と連携して動く。

楽園か…どう見ても貴様の自己満足だな。 その楽園も今日で終わりにさせてもらう。
【残像】でフェイントをかけながら接近し、黒華・改で斬りかかり【2回攻撃】と【生命力吸収】で敵の体力を削りにいく。
敵の攻撃は【見切り】で当たらないように回避するが、命中した場合は簡単なルールは敵を攻撃しない系以外なら破らないように動く。
ダメージを受けたら【激痛耐性】で耐えつつ【カウンター】で黒爪・改で敵を撃つ。

苦戦する場合は真の姿になり黒蝶の鎮魂歌を使用し、黒蝶でコチラの姿を隠して死角から攻撃する。

子供たちは返してもらう、貴様の楽園にこれ以上付き合わせるわけには行かない。



・愛しき糸式我が子はいまここに

「楽園か……どう見ても貴様の自己満足だな」
「子供好きなら、自由に遊ぶ子供を見守るとか出来ねぇもんなのか?」
 黒い装束をまとった彩花・涼(黒蝶・f01922)と、青き鎧に身を包んだユト・リーィング(蒼き鎧の剣豪妖狐・f00959)が、それぞれ刃を手にしてチャイルドマンへと言葉を放つ。
 痛みで焼き切れそうな理性を律した襤褸のようなオブリビオンは、2人を睨みつけて一歩足を踏み出す。
「そんな歪んだ愛情は大人でもノーサンキューだぜ」
「都合の良い楽園も今日で終わりにさせてもらう」
 ガラスケースの間を駆け抜けチャイルドマンを剣の刃内に捉える。
 互いの攻撃をよくしり、連携のとれた動きで刃を振るう涼とユトに、黒いオブリビオンは防戦一方となる。ぐっ、とくぐもった声を喉の奥で鳴らし、腕を勢いよく振るったチャイルドマンの手が、剣を握るユトの手をわずかに掠める。
 その瞬間、チャイルドマンは声を荒げて、こう宣言する。
『私に刃を向けるな!!』
 理不尽な言いつけ。しかしユトはニヤリと不敵に笑う。
「ならコレでも食らっとけ」
 刃の代わりに柄尻で黒い顔を横殴りにする。怪力から繰り出されたその重い殴打の一撃に、チャイルドマンは口から血を吐いて身体を横に傾ける。その瞬間を見逃さず、ユトは身体をひねり足を半身下げ、勢いをつけて鋭い蹴りを黒い天使の脇腹へと叩きつけた。
 二回の連続攻撃を受け、オブリビオンの身体から、ボギリッ、と鈍い音が漏れ出る。
 ぐらりと揺れた身体を何とか立たせ、崩れ落ちそうな膝を何とか持ちこたえさせるが、顔の横を殴られ意識が混濁したチャイルドマンがすぐに動くことはない。
「涼!!」
 ユトが飛び退いて下がり、共に戦う涼へと声をかけると、動きを見ていた涼はすぐさま接近し黒華・改を払うように振り抜きチャイルドマンの胸を切り裂く。オブリビオンの身体から黒い靄のようなものが噴き出るが、涼はそのまま勢いを止めずにくるりと回転し、遠心力を用いて剣の切れ味と勢いを上乗せする。
「貴様の楽園にこれ以上付き合わせるわけには行かない」
 刹那の煌めき。それがオブリビオン・チャイルドマンが最期に見た光だった。

 涼の二度目の斬撃は、寸分の狂いもなく黒い天使の頭と身体を切り離した。重い音を立てて落ちた頭と身体は身体からあふれ出た靄に摂りこまれ、風も吹いていないのに霧散し、消えて行った。
 朽ちて消えたオブリビオンのいた場所を見て、涼は呟く。
「子供たちは返してもらう」
 その呟きを聞く敵は、もうどこにもいなかった。

 猟兵達の活躍により、生きたまま飾り付けられていた子供達は目をさまし、ガラスのケースから無事に外へと助け出された。
 多くの子供達が猟兵の案内で村へと帰還し、親兄弟にその無事を喜ばれる。
 しかし、その中で数人の子供達は所在なさげに周りを見回していた。

「おかーさんと、おとーさんは?」

 ぽそりと呟かれた頼りない泣きそうな言葉は、自分の子供の無事を喜ぶモノ達の声の中に消えていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月31日


挿絵イラスト