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⏰おばあちゃんのおみそしる

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●幸福は食卓に宿る
 朝の日差しに重たいまぶたを上げておおきく伸びを一つ。
 空気を思い切り吸い込めば、ほらほら、何時もの香りが鼻腔をくすぐる。
 冷めてしまっては美味しくないだろう。慌ててベッドから飛び出てキッチンに向かえばそこには、自分よりもずいぶん小さな背中が立っている。
「おはよう、お寝坊さん。朝御飯ができているよ。」
 顔に刻まれたシワは彼女が生きた証。わたしにとってそれは、世界のどんな勲章よりも輝いて見えて、『わたしもこんな風になりたい』と思ったものだ。
 さて、今日のメニューは……、トーストにハムエッグ、新鮮な野菜のサラダ。
 ……それから、いつものーー、

「味噌汁は好きかい?」
 青景・黒影(くるりくらり・f00707)はマグカップを片手に猟兵達に問うた。
 マグカップからは湯気が立ち上っているものの、中身はコーヒーや紅茶の類いではないことが、その香りから窺えた。
「そもそも味噌汁を知らない子達もいたっけ。味噌汁っていうのは大豆を発酵させて作った調味料を煮込んだ野菜に溶かし入れて味付けしたスープのことだよ。
 サムライエンパイアやUDCアースの住人達なら親しみがあるんじゃないかな。」
 どうやらマグカップの中身も味噌汁のようだ。かわいらしいクマちゃんのイラストの入ったカップを傾けながらアオカゲは続ける。
「今回はアルダワ魔法学園の学生さんを助けるお仕事だよ。大好きだったおばあちゃんの遺したレシピの材料を探しにダンジョンに潜って、帰ってこれなくなっちゃったみたい。」
 学生を救い出し、無事に送り届けること。まずこれが最優先事項だ。
「全部終わったらそのコと一緒に『思い出の味』を作る手伝いをしても良さそうだね。」
 仮にも『学園』と名のつくだけあり、調理室はあるようだ。転校生たる猟兵と、学生が学園側に頼めば自由に使えることだろう。
 もちろん、思い出の味の再現だけではなく新たな味の開拓をしてもいい。
「さぁ、行っておいで猟兵(キボウ)たち。キミらが新たな発見に出会えますように。」


樹志岐
 好きなお味噌汁はキャベツとたまご。こんにちは! 樹志岐で御座います。
 ちなみにたまごは溶いてないヤツをこう、ポーチドエッグみたくね!

 今回は亡きおばあちゃんの味を探す旅。皆様のご参加お待ちしております。
 以下、シナリオの補足です。

●第一章『集団戦』
 レシピを読み解くための手がかりを探しに、書庫へと向かいます。
 向かってくる知識たちを相手にします。

●第二章『ボス戦』
 味噌汁の実(具)を取りに行きます。
 まさかそんなことでドラゴンとか出てくるはずがありません。頑張ってください。

●第三章
 レッツクッキングタイム。
 学生と一緒に思い出の味を再現してもいいですし、新たな味噌汁レシピを開拓しても構いません。
 良識の範囲内でお好きにどうぞ!

●学生
 チヒロ・バッハーズ
 アルダワ魔法学園に通う女子生徒です。フードファイター。
 両親よりも祖母といる時間が長かったため、おばあちゃんっ子に育ちました。
 料理とおばあちゃんのお味噌汁が大好き。

 それでは、よろしくお願いいたします!
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第1章 集団戦 『書物の魔物』

POW   :    魔書の記述
予め【状況に適したページを開き魔力を蓄える】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    ページカッター
レベル分の1秒で【刃に変えた自分のページ】を発射できる。
WIZ   :    ビブリオマジック
レベル×5本の【毒】属性の【インク魔法弾】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

星宮・亜希
この世界に和食たる味噌汁の書物なんてあるんですかね?まぁやれるだけやってみましょう。
アッカをかざし、状態異常に特化したユーベルコードを発動し、風弾を本へと向けて撃ち出します。
「あなた達の攻撃方法は知ってますよ、目的のページを開いて戦力強化するんでしょう!」
そうはさせないとめくれ出した本のページを風で無理やりめくって止まるのです。
あ、でも目的のレシピ本っぽいのはページ変えさせない方がいいですかね?どの本に手心を加えるかは・・・まぁ、第六感で。(行き当たりばったり)



 古びた本がホコリをかぶり、日差しがそれをキラキラと反射させている。
 乾いたインクと、ほんの少しのカビの臭いはかつての叡知のかげ。
 そんな書物を守るモノ達が『書物の魔物』だ。
「この世界に和食たる味噌汁の書物なんてあるんですかね?」
 星宮・亜希(双星の守護天使・f00558)は不思議そうに首を捻る。
 『転校生』たる猟兵の出身は千差万別。もしかすると味噌汁のある世界からきた猟兵が広めたのかもしれない。
 それはさておき、だ。
 書物の魔物の前に仁王立ちになった亜希は魔物に向かってびしり、人差し指を向けて啖呵を切った。
「あなた達の攻撃方法は知ってますよ、目的のページを開いて戦力強化するんでしょう!」
 バラバラバラっと攻撃行動のための準備ーーページをめくり、力を蓄えていた書物がピタリと止まる。
 暫くの制止の後、ギクシャクした動きでパラリとページをめくる。
『な』『ぜ』『ば』『れ』『た』
 智を司る書物の魔物。こいつ意外とバカなのかもしれない。
 やけくそといわんばかりに高速でめくれていくページを、亜希のユーベルコード【疾風怒濤(シュトゥルム・ウント・ドラング)】が妨害する。
「あ、でもレシピ本っぽいのは変えない方がいいのかな?」
 なんか料理っぽい写真の乗ったページを見つけ、

成功 🔵​🔵​🔴​


そのページにドックイヤーをつける。
 そこには『都市伝説ジャナカッタ!メシマズ妻の実態!』と書かれていた
羽久依・集葉
たいへん美味な味噌汁と聞いて拙者参上!
拙者忍者でござるので、美味な味噌汁大好きでござ……えっ忍者関係ない?き、ききき気のせいでござるよ!
とにかく!!拙者頑張る学生の力になりたいでこざるので!【SPD】重視で行くでござる!

それにしても本が沢山でござるなー、拙者難しいことはよくわからんでござるので〈目立たない〉ようにして中身は見ないでござるけど。
沢山飛んでくる本……というより頁は〈早業〉の〈2回攻撃〉【錬成カミヤドリ】でガンガン打ち落としていくでござるよ!〈武器落とし〉みたいなものでござる!



 時代の背景に暗殺者あり。美味しい味噌汁の影に忍者有り。そんなわけで味噌汁に釣られてやってきたのは羽久依・集葉(トンチキシノビガール・f03950)だ。
「えっ忍者関係ない?」
 衝撃の事実に固まる集葉。そのあと慌てたようにバタバタと手を振って、
「とにかく、頑張る学生さんの力になりたいでござるよ!」
 誰かを思う気持ちはとてもよくわかる。本の事や料理はよくわからないが、それならよくわかることをするだけだ。
 目立たないようにコッソリ、ひっそり、目的の本を探している集葉。
 しかしそれを見逃すほど魔物は甘くはなかった。
『ワタシの領域に踏み込むな!』
 怒りににた感情を向け、【ビブリオマジック】を発射する。
「あいえー!?! 何故バレたでござるか!? ……ぐっ、格なる上は!」
 集葉が忍者のように指を組み念じると、現れるのは彼女の本体……の、複製品。鋭利な刃を持つ沢山のクナイ。
 それを何本か纏めて掴み、
「シューーーッ!!!」
 超! エキサイティン!!
 こちらに向かってくるページも、弾丸も全て打ち落として自慢げな集葉だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

清水谷・柳牙
思い出の味か。本人にしか分からないんだろうが、大事なもんなんだろうな。そういうことなら協力するしかねぇよな。

相手さんも何か飛ばして来そうだしな。ここは俺も高速撃ちでどちらが早いが正面から挑む。

魔物とはいえ、書物なんだろ?だったら読めなくなるまで銃火器で風穴を開けてやればいいだろ。

打ち続ける中で魔物が離れようとしてくればむしろチャンスだ。スナイパーライフルで狙撃。

弾丸と風圧で紙屑なんか吹き飛ばしてやるよ。

安全第一だし戦闘が優先だか、元々はレシピを読み解くための手がかりを探しに来てるんだったよな。

あいつが飛ばしてくるページを拾ったら何か書いてあるんじゃないか。とりあえず拾って読んでみるか。



 清水谷・柳牙(軍人脳・f00466)は軍人だ。
 その本質は『大切なものを守る』ことである。
 それは例えば国かもしれない。例えば、誇りかもしれない。愛する家族かもしれない。
 何れにしても言えることは『大切なものを守る』為に、柳牙はやって来た。
 書物の魔物が、どんなものかはいまいちわからなかったが、どうやらなにかを飛ばしてくる攻撃が得意らしい。
「なら俺も飛び道具を使おう。速撃ち勝負ってやつだ。」
 担いだライフルを構え、スコープから向こう側を見据える。
 小さくまぁるい世界は情報量が少ないが、敵の息の根を止めるのにこれ以上のモノはない。
 意図を感じ取ったのか、魔物が柳牙に顔らしきものを向けて揺らめく。
「お前の攻撃を見させてもらった。確かに、攻撃速度は早い。だが……俺からみたら『止まって見えるぜ』!」
 引き金を引けば一発。二発。彼の専売特許たる速打ちは確実に敵の戦力を削ぎ、数を減らしていく。
 やがて向かってくるものがいなくなった頃、一冊の本を拾い上げる。
「やっべ。」
 拾い上げたレシピ本は穴だらけで読めたものではない。見た限り洋食っぽいレシピだったのが救いだろうか。
 本をダメにしてしまったことを『なかったこと』にしてそそくさとその場をあとにしたのだった

成功 🔵​🔵​🔴​

青葉・颯夏
ルーナ(f01357)と同行

この世界でもお味噌汁があるなんて思っていなかったわ
行く方向は【第六感】で決めて
取った本は【情報収集】で速読
「味噌」の文字を手掛かりに読み飛ばせば早く見つけられるはず

魔物が来たらルーナ、任せたわ
間違っても燃やしたら駄目よ


ルーナ・リェナ
颯夏(f00027)と同行

え、みそしる?
なにそれ美味しいの?
じゃあ行く!

進む方向はだいたい颯夏に任せて
迷ってたら【野生の勘】【暗視】【失せ物探し】でサポート
あとは適当に本を抜き出して広げる
うーん、この文字難しいなぁ

魔物が襲ってきたら颯夏を守る
あ、そっか
本だからソルは駄目だね
《クチャロン》で本を殴る
破いちゃうと困るから【武器落とし】【気絶攻撃】で手加減しないといけないかも
こっちが大けがしそうなら本気で攻撃!



 青葉・颯夏(悪魔の申し子・f00027)はいくつかの本を抱えてパラパラと捲っている。
 味噌や料理に関する文献を調べれば、何かわかるはずだと。
「しかし、この世界に味噌汁があるなんて思ってなかったわ」
「ねぇねぇ、おみそしるっておいしいの?」
 颯夏の呟きにルーナ・リェナ(アルコイーリス・f01357)が興味津々といった具合に顔を覗かせる。
「そうね、人によっては涙が出ちゃうほど美味しいかもしれないわ。」
「そうなの? じゃあわたしも頑張らなきゃ。」
 よくも悪くも好奇心旺盛なルーナにひとつ、笑顔で答えて颯夏は本に向き直った。
 今開いている本には無さそうだ。本を閉じれば本独特の香りと共に、風圧が髪を僅かにたなびかせる。
「……?」
 ふと、背後から風圧を感じて振り返る二人。
 そこには他にもここにやって来た猟兵らと同じく、戦意の固まりとも言える書物の魔物が唸り声ににた声をあげていた。
「あー、お出ましってことね。ルーナ、お願いできる? くれぐれも本を燃やしちゃダメよ?」
「あ、そっか。じゃあソルはダメだね。」
 炎を携える竜(ソル)の召喚はしない方が良さそうだ。ならば、と取り出したのはクチャロンと呼ばれるレードル。
 ……つまり、お玉とかかき氷のシロップを掬うアレである。
「食べ物の恨みー! は、まだないけど、邪魔しないでほしいかな!」
 フェアリー種族の大きさになっているとはいえ、その威力はまぁまぁある。
 破かないように、無駄に折らないように、細心の注意を払いつつ魔物を一冊退け、二冊返り討ちにし、三冊目は……、
「みつけた。」
 颯夏のメガネがきらりと光る。
「その魔物をとらえて、ルーナ!」
「よくわからないけど、わかった!」
 本に向かいクチャロンを振るい、動きが鈍くなったところをバスケットのなかに収容する。
 なおも抵抗を続ける魔物の攻撃を、あえて受けることでカウンター返しし、ようやく静かになったところでゆっくりとページを開く。
「うーん、わたしには難しいなぁ、颯夏は読める?」
「もちろん。そしてこれが味噌汁の扱い方よ。」
 本には『きほんの和食の作り方』と書かれている。
 宝箱を開けるときのドキドキ感で、ゆっくりと二人は本を読み進めていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

青葉・颯夏
ルーナ(f01357)と同行

捕まえた本を読み解く
今までは何となく作ってたけど、あらためてレシピを見ると奥深いのかもしれないわね
必要な材料をメモ
他にも出汁を取るコツ、具材の切り方もチェック
時間があれば、ルーナにもわかるように書く
(食欲魔人だけあって)料理、できたわよね?
そこに載ってるので食べてみたい材料があったら選んでおいて

ひととおりメモが取れたら先へ急ぐ


ルーナ・リェナ
颯夏(f00027)と同行

一緒に本を読んでみる
難しいけど、颯夏が読んでくれればわかるかも
美味しいおみそしるが作れるようにしっかり覚えとこっと
え、ぐざい?
これもよくわからないけど、食べたいのを覚えておくんだね、わかった

まだ魔物が来るかもしれないから警戒は怠らない
襲ってきたら《クチャロン》で叩く


スカル・ソロモン
ほうほう、書物が襲ってくるとは面白いじゃないか。
知識は力なり――いや、これはちょっと違うか。
ともかく、書物は書物らしく、読まれる側になると良い。
ユーベルコードを使って、此方へ向かってきた書物の表紙に死の宿命を与える刻印を打ち込み、大人しくなって貰おうか。
何、痛みは一瞬だとも。

さて、やる事は味噌汁のレシピを読み解く手がかり探し、だったね。
基本的な作り方はもうお嬢さん方が見つけたようだ。
となると……そうだねえ、料理にも専門用語が多いようだし、そういう用語の解説が載っている書物を探してみるとしようか。
実際に作る時に役に立つと思うよ。



 少女二人が仲睦まじく本を読み進め、知識を得ている姿をほほえましげに眺める姿があった。
 彼の名はスカル・ソロモン(目覚める本能・f04239)。とある男性と共存をしているヒーローマスクだ。
「いやはや、書物が襲いかかってくるとは、面白いじゃないか。」
 しかしどうせならば本は本らしく、おとなしく読まれてくれればよいものを。これでは目的の本を探すのも一苦労……いや、
「それはそれで愉快かもしれない」
 喉をならして笑う髑髏は果たして周囲にどう見えたか、わからないが。
 さておき、調理方法は少女二人が調べている。ならば自分は、料理の専門用語等を調べることにしよう。
 よくよく見れば料理の棚が向こう側にあるようだ。そこにいけば、きっと目的の本が見つかるだろう。
 自身の(体を借りている男の)背丈の、2、3倍くらいはあるだろう本棚の迷路を進み、角を曲がれば
『ぐるるるるるる……』
 書物の魔物がそこにはいた。
 大きい個体と、小さい個体。大きいものは辞典で、小さいものは絵本のように見受けられる。
「おやまぁ、そんな警戒しなくても。もしかして親子かな?」
 小粋なジョークで場を和ませようとしたスカルだったが、逆効果であったようだ。
 いやそもそもジョーク通じるの? ってか本に親子って概念あるの? みたいな疑問はおいておいて、だ。
 こちらに牙を向いて襲いかかってきた書物の魔物の攻撃をひらりとかわして、ユーベルコード【スカル・ブランディング】を発動しながら鉄塊剣を構える。
「さぁ、エンディングの時間だ。こい!」
 再び向かってくる魔物を振り下ろした剣の腹で叩き落とせば、約束された死を刻まれた魔物はびくり、びくりと痙攣するようにのたうって、動かなくなった。
 さぁ、邪魔はあらかた消えた。目的のものを探そうか。

「で、味噌を溶かし入れるときは火を止めないとダメらしいわ。味噌の風味が飛んでしまうんですって。」
「ふーみ、……美味しくなくなるってこと?」
「まぁ、そういうことね。」
 ルーナと颯夏は同じ本を見て勉強をしている。
 遠くから聞こえる争う声と音に、肩をびくりと震わせることもあるが、学習は順調だ。
 時々やって来るはぐれ魔物はクチャロンで追い払い、あるいは倒しながら、それぞれ調べものを進めている。
 具材の切り方、火を通す順番、出汁の種類と取り方などなど。
 それでもわからない事はやっぱりでてくる。そんなときはヒーローマスクの出番だ。
「ねぇ、なんで味噌汁の中の具のことを『実』って呼ぶの?」
「えーと……、そもそも実が正解で、具って言うのは最近言われ始めた言葉らしい。おでん? とかいう食べ物のことを、本来の呼び方の種じゃなくて、具って呼ぶようになったのと同じだってさ。」
「味噌にも色々種類があるんだねー」
「赤味噌は豆麹、白味噌は米麹から作られるらしいぞ。麹って言うのは味噌を発行させて作るときに必要なもので、簡単にいってしまえばヨーグルトと似てるんだとおもうぞ。おなじ発酵食品だし。」
 それじゃあさー、 それはこうだな。 そうか、ならこうして……。
 美味しいお味噌汁の勉強会は夜遅くまで続いた

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『錬金術ドラゴン』

POW   :    無敵の黄金
全身を【黄金に輝く石像】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    ドラゴンブレス
【炎・氷・雷・毒などのブレス】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    アルケミックスラッシュ
【爪による斬撃】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に錬金術の魔法陣を刻み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「わー、ありがとうございます。」
 チヒロ・バッハーズといういくぶんふくよかな体型の女子生徒は人懐こい笑顔を猟兵たちに向けた。
「まさか助けてもらえるだけじゃなくて、手伝ってくれるなんて……うれしいです、とても!」
 その表情は心のそこからそう思っているような、そんな顔だった。
 味噌汁の作り方はわかった。おばあちゃんのレシピもある程度覚えた。あとは作るだけ……、
「……と、思ったんですけど……実は、レシピには載ってない『隠し味』があって……。それを取りに行こうとも考えたんですけど、行こうとしたら強そうな災魔が出てきちゃうし……。
 その、隠し味探しも、手伝ってもらえませんかね……?」
 申し訳ない気持ちが強いのだろう、恐る恐るといった具合に猟兵らに問いかける。
 乗りかかった船だ、出来ることなら協力しようじゃないか。そう伝えるとチヒロは何度も「ありがとうございます。」と頭を下げた。
「よかった! 出汁に使うドラゴンの骨採集なんて私には荷が重くて……!」
 ……今なんていった?
星宮・亜希
「随分と高級な味噌汁みたいですね?オブリビオン、それもドラゴンの骨から出汁を取らないといけないなんて……」
「まあ、なんとなーくそんな気はしてましたけれど……ともかくこの悪趣味な金ぴか竜をぶったおさないとですね!」
この守りを固める敵には詠唱の長い転移や意味のない結界ではだめです。突破方法はただ一つ。敵が感づく前に先制攻撃!全部の魔力を風魔法に注ぎ込み全力魔法+属性攻撃で速攻連撃を繰り出してやります!
「喰らいなさい!こんちくしょうめです!」
アッカで踊るように金ぴか竜を散らせば吹き飛ばし、トドメにサブウェポンのホーリーランスを握って……「飛んでけー!」と槍投げをぶちかましてやるのです!



 ドラゴンの骨。
 それを聞いた瞬間の亜希の表情は予想が的中したという呆れ半分、ドラゴンの骨で出汁をとるなんて、よほど高級な味噌汁なのだろうという驚き半分であった。
「ともかく、この悪趣味な金ぴか竜をぶったおさないとですね!」
 この手の相手は伝え聞きで存在は知っているし、何となく対処法もわかる気がする、勘だけど。初対面だけど。
「敵に気づかれぬ前に先制攻撃! これ鉄則です!」
 さすがPOW109。頭まで筋肉でできているらしい。
 すべての力を風属性の魔力に極振りし、踊るように全力の攻撃を繰り出す亜希。
 しかし、力を極振りしたのが不味かった。ドラゴンに風属性の攻撃は『あー、なんか淀んだ空気が入れ変えられてちょうどいいわー。インフル対策には換気も重要よね』程度のそれだった。
「ぐっ、かくなる上は……喰らいなさい! こんちくしょうめです!」
 そう叫んで取り出すのはサブウェポンのホーリーランス。
 それを槍投げの用量でドラゴンに向かって投擲した。まさになげやり。
 亜希の投げ槍な攻撃まで想定していなかったドラゴンは驚き、怯んで身動きができなくなっていた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

青葉・颯夏
ルーナ(f01357)と同行

まさかとは思ってたけどやっぱりこうなるのね
豚骨ならぬ竜骨仕立てなんてこの世界ならでは
別の世界じゃ味わえないごちそうよ
……そう思い込まないとやってられないじゃない

《雪紐》を操ってドラゴンと対峙
輝く石像になったら態勢を立て直して
ブレスなら【武器受け】を試みたり、無理そうならオペラツィオン・マカブルで無効化を狙う
魔法陣ができたら《弓曳落星》を【一斉射撃】
魔法陣から追い出す
ダメージを与えるよりは囮
ルーナが攻撃する隙を作る方を優先するわ


ルーナ・リェナ
颯夏(f00027)と同行

えー、ドラゴン出ないって聞いてたような気がするんだけどなぁ
ここだけのごちそうって言われたら頑張っちゃうかも

ドラゴンが出てきたら【目立たない】ように大ダメージを狙える位置へ移動
攻撃されたら【逃げ足】とか【野生の勘】で逃げる
颯夏が隙を作ってくれたら
【鎧無視攻撃】で【串刺し】
あ、骨が砕けないように槍を刺す場所は気をつける

持って帰るときはバスケットに入れてくね
せっかく取ったのに駄目にしちゃったらもったいないもん



「えー、ドラゴン出ないって聞いてたような気がするんだけどなぁ」
「出ないっていうのは出るって言う事実の裏返し立ったのかもしれないわよ、ルーナ」
 体の至るところがひかり輝き煌めき、目が痛くなる錯覚を覚える。
 唇を尖らせて文句を言うルーナに颯夏は静かに答えながらも内心、頭を抱えていた。
 予想していなかった訳ではない。が、まさか本当に出てくるとは思わなかった。
 なるほど、女子生徒が無理をしてでも味を追い求めるわけだ。こんな『ごちそう』、他の世界ではあじわえないだろう。
「……そう思い込まなきゃ、やってられないじゃない。」
「……?」
 親友のぼやきに首をかしげたルーナに、『なんでもない』と言い伝え、ドラゴンと対峙する。
「それじゃあ、『いつもどおりに』ね、ルーナ」
「おっけー! まかせて、颯夏」
 二人に多くの言葉は要らない。目と目で会話をし、それに頷きあったならそれはもう、作戦会議終了なのだ。
 先に行動をしたのは颯夏だ。ともれば親友よりも深い絆と糸で結ばれたからくり人形、“雪紐”を手繰り、ドラゴンの行動に隙を作る。
 それは敢えて無防備な状態で攻撃を受けたり、あるいは素早く動きドラゴンを撹乱させたり……様々だが、そのどれがルーナが攻撃を行いやすくするための行動であった。
「えぇと、……もう本は出てこないから、ソルを使ってもいいよね!」
 フェアリーの少女は燃える炎のような色の槍を取り出す。書物の魔物を相手取った時には、周囲への影響を考え使わなかった、武器としての少女の相棒……ソルと呼ぶその槍も、目の前に対峙する敵と同じく、ドラゴンの姿をとることが出来るモノだった。
『クオオォォォォォォン』
 錬金術ドラゴンが颯夏の【オペラツィオン・マカブル】による攻撃を受け、怯んでいる。
 今こそ、絶好の『隙』だ。
 骨を傷つけぬよう、槍による串刺し攻撃をすれば、ドラゴンは痛みにのたうち、苦しみの咆哮をあげる。
「あとで美味しく食べてあげるからね、早く倒されてね。」
「……。」
 ドラゴンの肉は美味で、ドラゴンの血は高級なワインのよう。とはどこかの世界では有名な話ではある。が、果たして錬金術で産み出されたドラゴンにもそれは共通するのか?
 無邪気な親友をよそに、颯夏は首をかしげた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アリシア・マクリントック
ドラゴンの骨……ですか。いったいどんな味になるんでしょう?ちょっと楽しみです。
その味を知るためにもなんとしても倒さないといけませんね!……変身!

とは言ったものの、ドラゴンというのは目立った弱点はないのですよね……とにかく属性攻撃で属性をのせた剣で弱点を探ってみましょう。有効そうなものが見つかるまで様々な属性に切り替えます。
マリアには尻尾を狙って攻撃をしてもらいましょう。多少は狙われにくいでしょうし、後ろに気を取られれば攻撃も当てやすくなるはず。もちろん無理はしないでね。

有効そうな属性を見つけたら、剣にその属性をのせてセイバーフィニッシュです!



 アリシア・マクリントック(旅するお嬢様・f01607)にとってドラゴンという存在も、それの骨を使う料理も、味噌汁というスープの存在も聞き馴染みのないもので、そのひとつひとつに驚き目を輝かせていた。
 どんな味がするのか非常に楽しみだ。だからこそまずはドラゴンを倒さなくては。
 セイバーエッジを空高く掲げ、声高らかに変身を告げれば、シルクのワンピースは、白に青をあしらった一見シンプルな作りの鎧がその身を包む。
 臨戦態勢の彼女の傍ら、寄り添うように佇む『マリア』と呼ばれた狼は高く、長く、どこまでも響く遠吠えをひとつして、ドラゴンに向かって駆け出した。
『クオオオォォォォーン』
 足や自分の尾の付近でちょろちょろと動くネズミのような生物に、ドラゴンは鳴き声を上げ追い払おうとする。
「(マリア、どうか無理をしないでね)」
 心で親友の身を案じつつ、様々な属性攻撃を試し斬ってみる。が、なかなか尻尾を出さない。
「……もしかして。」
 やがてたどり着いた一つの可能性。
 いやまさか、ドラゴンたる存在の弱点が『それ』のはずはない。
「でも、やってみるしかない。マリア! はなれて!」 
 そろそろエネルギー切れと言った具合の親友に声をかければ、驚いたように小さく唸ってゆっくりとその場を離れる。
「セイバーホールド!」
 ユーベルコードの発動を宣言し、放った攻撃は【無属性】の拘束光線。
 剣先から放たれたそれは、いままでの苦労が嘘のように効果覿面な様子であった。
「……フィニッシュ!」
 苦労して与えた一撃。ドラゴンはもがき、少女と狼は互いを労った。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

月凪・ハルマ
アルダワでまさかの味噌汁と聞いて、遅ればせながらやってきました
(好物)

……え、いやちょっとまって竜骨出汁?
味噌汁ってそんなアグレッシブな料理だったっけ??
てかおばあさん、ソレどうやって入手してたの???

◆SPD判定
俺の場合は足と手数で勝負
多少離れた場所から手裏剣+【投擲】で目や翼等の
防御力が低そうな箇所を集中的に狙いうつ

相手からの攻撃は【武器受け】【見切り】【残像】を駆使して回避

向こうが【無敵の黄金】を使ってきたらむしろチャンス
こっちは【ガジェットショータイム】で設置型の大型火炎放射器を召喚
【属性攻撃】も乗せてひたすら炎で炙ってやろう

物理的に固くなってたとしても、流石に熱までは防げないよな?



 味噌汁が好物だと語るのは月凪・ハルマ(天津甕星・f05346)だ。
 まさかこのような世界で、味噌汁などという料理の名を聞くなど思いもしなかった。とても興味がある。興味がある、のだが、
「いやちょっとまって竜骨出汁?」
 味噌汁ってそんなアグレッシブな料理だったっけ?? てかおばあさん、ソレどうやって入手してたの???
 次々湧き出る疑問に対して首をかしげる。
 まぁ、いいか。女子生徒がその味恋しさに危険行為を犯すほどだ、きっとそれ相応の物なのだろう。
「さて、俺の手数に着いてこれるかな?」
 不敵に笑い、懐から取り出すのは多数の手裏剣。それをドラゴンの弱点になりそうな箇所に向かって投擲をする。
 ドラゴンにとって手裏剣など蚊に刺されるようなものなのだろうが、それがたくさん降りかかってこようものならたまったものではない。
不快な咆哮を上げ、体をくねらせて逃れようとしている。
「おっと、逃がすか! 燃えてしまえ!」
 ちくちく煩わしい手裏剣たちに気をとられ、ドラゴンは気づけなかった。ハルマが【ガジェットショータイム】で設置型の大型火炎放射器を召喚していることを。
 気付き、それを破壊すべく動き出した時にはもう遅かった。ドラゴンに向いた砲火口は確実にドラゴンを炙り焼きにした。

成功 🔵​🔵​🔴​

星宮・亜希
相性が悪いのを覚悟していましたが、ぐぬぬ…!
「なんですかこの硬さは…ああもう!あったまきました!!何がなんでも槍ぶっ刺してやる!」
魔法陣を刻む竜の爪を武器受けで防ぎ、大地に刻み込むのを阻止しつつ、空中戦で飛翔し挑発、空へ攻撃を打たせることで地形に魔法陣を刻みにくくします。
「こっちですよドラゴンさん!ぼーっとしてたら痛い目見ますよ!」
性懲りもせずホーリーランスを取り出し、槍投げでぶん投げます。と、見せかけて。
何やってんだと爪で槍を弾こうとした奴の目の前で鈴蘭の嵐を発動させて、一気に爆発させてやります!
「花びら全部お見舞いします!」
全力魔法を込めた花びらの斬撃の嵐で、全部薙ぎ払っちゃうんですから!



 亜希はキレていた。相性が悪いのを覚悟していたが、まさかここまでとは。
「なんですかこの硬さは…ああもう! あったまきました!! 何がなんでも槍ぶっ刺してやる!」
 吼える亜希に向かって鋭い爪を振るうドラゴン。それをひらりとかわし、あるいはその巨大な爪を受け止める。
 一見なんの意味もない行動のようにみえるが、それはドラゴンが地に魔方陣を刻むのを妨害しているようだ。
 先ほどとうってかわって、翻弄される側となったドラゴンは、目に見えてイラついている様子なのがわかる。
「こっちですよドラゴンさん! ぼーっとしてたら痛い目見ますよ!」
 不敵に素敵に笑う天使(オラトリオ)は再びホーリーランスを取り出す。
『なんだ、また槍を投げてくるのか。そんなもの弾いてくれる。』
 投げられた槍を叩き落とし、ふん、と鼻を鳴らす。
 ヒトという下等生物が、自分に敵う筈がないのだという慢心。それゆえにドラゴンは気づかなかった。
 ぽとり、鼻先に落ちるは鈴蘭の花。
 いつの間にかドラゴンの回りには沢山の鈴蘭の花に埋め尽くされていて。
「花びら全部お見舞いします!」
 亜希の声に応じて鈴蘭の花たちはひかりかがやき、次々爆発する。
 想定をしなかった行動にたいし、ドラゴンはなす統べなく攻撃を受け、少なくないダメージを受けた

成功 🔵​🔵​🔴​

スカル・ソロモン
ドラゴンの骨から出汁を取るのかい?
随分凝っているんだねえ、味噌汁というものは。

真の姿の力も少し発揮出来るようだね。
見た目は変わらないが、身体能力はそれなりに向上しているようだ。

さて、此方が少し押しているようだが油断せずに行こうか。
ドラゴンのアルケミックスラッシュに合わせて魔王特権を使おう。
そう、私は言葉を放つだけだ。それだけで『私には、届かない』。

そしてユーベルコードを相殺された事にドラゴンが戸惑っている隙を突いて、拳に纏ったスカルガイストでドラゴンがダメージを負っている箇所を殴りつけよう。
弱っている所は徹底的に潰すに限る。フフ……錬金術で作られた身でも感じたか?
これが『恐怖』というものだ。


河南・聖
苦戦してると聞いてペガサスで翔けて来ました!
今どういう状況ですか?

ふんふん、なるほどなるほどなんでやねん
いやいやおばあちゃん何者ですか
何を考えて竜骨で出汁取ろうなんて発想に至ったんですか
っていうかあれ前戦った事ありますけど錬金術ドラゴンですよね
アレの骨でほんとにいいんですか?
……まぁどの道ここまで来て戦わないって選択肢もないですか

とりあえず地上で人密集してる所にブレスなんか撃たれたら困るのでペガサスで空中へ
その後バキュームスフィアを頭部に纏わりつかせて空気を奪い
その間に【高速詠唱】でブレイズドラゴンとフロストバードを交互に横っ腹から交互にぶつけましょう
運良く転倒でもしてくれたらしめたものですね



「ドラゴンの骨から出汁を取るのかい? 随分凝っているんだねえ、味噌汁というものは。」
「いやいや、普通に考えておかしいでしょうよ。」
 のんびりと構えるスカルにツッコミを入れるのは、苦戦を強いられているときいて文字通り翔んできた河南・聖(ペガサスナイト・f00831)だ。
 ドラゴンの骨で出汁を取るような発想が理解できない。と、いうか日常的に口にするお味噌汁の出汁をとるためにドラゴンの骨を手に入れられるようなおばあちゃんって何者なのだろう。
「……まぁどの道ここまで来て戦わないって選択肢もないですか」
 あまり納得いってなさそうな聖の声にスカルは頷いて答える。
「そうだね、私たちの仕事は女学生……チヒロ君だったかな? 彼女の手助けだ。もしかしたらこのままドラゴンのエサとなるかもしれないけれど。」
「怖いこと言わないでください!」
 少女の苦情にのんびりと笑って返す姿は親子、或いはおじいちゃんと孫のようかもしれない。
「さて、それじゃあ……来て、ペガサス!
 乙女の声に応じて光と共に現れたのはペガサス。聖の相棒とも、彼女の通り名の所以ともいえる純白の毛並みをもつ気高きその生き物に聖は跨がる。
 大空を自在に駆け回るペガサスを空の覇者を自称するドラゴンが見逃す筈がなく、爪を振るい、或いは吐息でそれを打ち落とそうとする。
 なるほど、確かに一つ一つの威力は猟兵のユーベルコードを遥かに越えるものだろう。だが、
「それは『私には、届かない』」
 短い言霊は、強固な呪い。
 口に出した言葉には魂が宿るとは俗によく言われることであるが、スカルのユーベルコード【魔王特権(マオウトッケン)】は正にそれだった。
 魔王が言うのならば、何があろうとそれは絶対に届かないのだ。
 しかし錬金術により生成されたドラゴンにはそれが理解できない。
 ドラゴンのユーベルコードは魔王特権の効果でなかったことになり、聖は勢いを失ったドラゴンの体にユーベルコードを叩き込む。
 二人の連携でドラゴンは地に伏せることとなった。
 この強大な的を倒すまであともう少しだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

甚五郎・クヌギ
おばあちゃんの味を求める良き孫の為に、我輩も手を貸すとしよう

敵が伏せっている今が勝機と見た!
装備した薙刀を振るって妖剣解放
ブレスが来る前にあの鼻っ柱を踏んづけてやるのだ
「そぉれ、こちらであるぞ!」
妖剣の斬撃を食らうがよい!

自分のSPD、相手との体格差を生かして動き回り攻撃を当てていく
爪による攻撃は武器で受けて払う
あまり骨を断つと、後々の出汁に影響が出てしまうかもしれぬなぁ
ここは肉が骨から離れやすくなるように、薙刀の石突でゴンゴン叩くくらいにしておこうか

骨より取った出汁は、鰹節よりも美味しいのであろうか
これだけ大きいなら余りも出るだろうし、ちょっとかじっても…
いいや我慢だ、ここは我慢だぞ、我輩!


羽久依・集葉
いやーアルダワ魔法学園のご老人は凄いでござるな!竜の骨を隠し味に使うとは!
拙者も見習うでござるよ!

地に伏した竜、拙者の攻撃は一撃一撃が【SPD】重視で軽いものとは言えども、ここまで体力を削られているのならば……
いざ、見事仕留めてみせようでござる!

拙者が狙うは既に与えられた傷!
抉るように、拡げるように、【錬成カミヤドリ】で既に傷ついている部分を執拗に攻撃していくでござる!
〈スナイパー〉〈2回攻撃〉〈早業〉〈地形の利用〉〈ダッシュ〉〈クライミング〉〈暗殺〉
拙者のできる全てをもって、縦横無尽に駆け回って残りの体力を削り切るでござる!
回避には〈第六感〉〈逃げ足〉〈武器落とし〉を使うでござるよ!



「ふむ、敵が伏せている今が勝機とみた。おばあちゃんの味を求める良き孫のた為に我輩も手を貸すとしよう。」
 自分の腰ほどの高さから突然聞こえた声に集葉は首をかしげた。
 いつの間にか隣にいたその存在は和装に身を包み、得物はなぎなたといった装いで、集葉はどこかシンパシーを感じていた。しかし、
「……ねこ?」
「失敬な、我輩は猫ではない。ケットシーだ。名をクヌギという。」
 どこかの文学作品のような返しをする彼は甚五郎・クヌギ(左ノ功刀・f03975)。その姿はメインクーンに似た姿である。
「して、お嬢さん。見たところ君も素早い動きが得意と見える。」
「もちろん! 拙者は忍者でござるゆえ!」
「ふむ、忍か。我輩も素早く動くのは大得意である。ケットシーであるゆえな。」
 自慢げに語る素早さ自慢な二人。ならばやらねばならないことがあるだろう。
「「いざ、素早さ勝負!」」
 の、ついでにドラゴン退治もお願いします。

 先に動いたのはクヌギだった。ヒトよりも体格が小さく、小回りが効く彼は素早く動き回り、ドラゴンの動きを撹乱させる。
 ちょろちょろと煩わしい存在だ。ドラゴンが爪を振るおうとするが、その爪は彼のなぎなたに阻まれて傷を与えることは叶わない。
 その隙に集葉はドラゴンのある箇所に狙いを定めていた。
 彼女が狙うのは既につけられた傷跡。そこを抉り、広げるように自身の本体の模造品【クナイ】を投げつけ、逆手に持ちドラゴンの体に食い込ませて、じわじわと体力を奪っていく。
 さて、そろそろ頃合いだろうか。
 精神統一をし、その身に妖刀の怨念を纏う。
「そぉれ、こっちであるぞ!」
 駆け出し、ドラゴンの体をかけのぼり、獲物を構える。
「果てろ。その身、亡き後も無駄にはせぬ。」
『グオォォォオオォォォォン』
 眉間に突き刺す一撃。地の底から響く咆哮をあげ、ドラゴンはゆっくりと身体を横たえてそのまま、動かなくなった。
「……やった、でござるか?」
「そのようであるな。」
 二人は顔を見合わせ、ハイタッチで勝利を祝った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 日常 『アルダワ的調理実習』

POW   :    レシピなんて見なくても気合いと間隔で料理できるさ!

SPD   :    料理もスピードがいのちだよね!

WIZ   :    料理は科学だ。正確に計量して料理する、

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ドラゴンは沈黙し、解体作業が進められている。
 錬金術で生成されたドラゴンとはいえ、その肉はやはり美味しいのだろう。近日、アルダワの学食に数量限定でドラゴンステーキが提供されるとかされないとか。
 さて、女子学生は無事学園に帰ってきた。目的の食材も揃えた。調理室の使用許可もおりた。
 ならばやることは、ひとつだろう?
『レッツ クッキング!!』
アリシア・マクリントック
先人たちの残した記録に敬意を表して、まずはレシピ通りに作ってみましょう。
そもそも、みそしる、というのがどういった料理なのかわかりませんし……。
料理の基本はまず正確に作ること。アレンジや工夫は基本ができてからです!

完成したら、他の方の作ったものと食べ比べをしてみたいですね。みなさんの好みや、どういったものと組み合わせるのがおいしいのか、新しい発見があるかもしれません。物によっては普段の食事にも取り入れられるかも……

私、気が付いたのですが……ドラゴンの食材がおいしいと評判になってドラゴン狩りが流行したら大変なことになりそうですね。


月凪・ハルマ
うーん、まだ疑問は残ってるんだけど
(おばあさんソレどうやって入手してたの?の辺りとか)

……まぁ、それはそれとして調理開始だ
せっかく手に入れた事だし俺も使わせてもらうけど、
ドラゴンの骨の出汁ってどんな味なんだろ

ちなみに味噌と具はサムライエンパイア及びUDCアースで入手済み
味噌は白と赤を同量ずつの合わせ味噌を使う

具はシンプルに大根の細切りと油揚げの二つ
これだと火の通りが早いから割とすぐ出来るしね
おかずを兼ねた具沢山なのも個人的には好きだけど

後は煮立たせすぎない様に気を付けつつ恙なく調理完了
もし食べたいって人が居れば遠慮なくどうぞ

あ、それとチヒロさんのおばあさんの味噌汁、
よければ俺も頂きたいな



「アリシアはお嬢様だったんだっけ。料理とかできるの?」
 ハルマの問いにアリシアは上品に首をかしげた。
「あまりないですけど、たぶん、大丈夫だとおもいます。」
 隣に味噌汁のことを知る先生も隣にいるわけですし。ね?
 そういって微笑まれれば、やれやれ仕方ない、頼まれるか。

 ドラゴンの骨を臭みを消すために香味野菜等と一緒に水から煮込む。やがて浮き出る灰汁を丁寧に、丁寧に取り除いていけば透き通った黄金色のスープが出来上がる。
 ちなみにこういった類いのスープを作るのには、雨の日が適しているらしい。
 気圧と気温の影響で沸点が低くなり、灰汁として出てしまう旨味成分が残りやすくなるのだとか。
 そんな旨味の凝縮した出汁と合わせる実に、ハルマは大根と油揚げを選んだ。サムライエンパイア直送の新鮮で美味しい食材だ。
 大根は皮を剥き、薄く切ったあとに細切りにして火の通りをよくする。
 油揚げはあえて油抜きをしないことにした。そうすることで染み出した油で旨味に蓋をするのだ。
 あまり煮たたせてはせっかくの風味も飛んでしまう。沸騰しないように、火加減に細心の注意を払って料理を進める。
 溶き入れるのは赤味噌と白味噌と呼ばれる、色の違う二種類の味噌をそれぞれ同量ずつ合わせたお手製の合わせ味噌。
 出汁に味噌が溶けていくにつれ、その香りが調理室に広がる。
 最後に色味として葉ネギを散らせば完成だ。

 さて、隣ではアリシアが震える手で豆腐を切っていた。
 どうやらチヒロが手のひらにのせて豆腐を切っている様子を見て真似をしようとしているらしいが、慣れない包丁で手を切ってしまわないか怖いのだろう。料理初心者あるあるだ。
「あの……無理しないで別の食材にしたらどうでしょう……? 貝類とかなら、出汁も出るし。」
 チヒロの手には透明なボウルに砂抜きされた貝(アサリ)がある。今回はこれを借りることにしよう。
 小鍋に貝と水を入れて火にかけると、温度が上がるにつれてゆっくりと貝がその口を開ける。
 鍋の縁が沸々と沸騰して、貝があらかた口を開けたら火を止めて味噌を入れよう。 味噌の溶けた汁をほんのすこし小皿に掬って味を見ると、貝の旨味の聞いたほんのり優しい味わいの味噌汁ができた。
 チヒロやハルマに味を見てもらうと二人からサムズアップを受けて嬉しそうに笑った。
「ところでチヒロさんのおばあちゃんのお味噌汁は……?」
「ふふふ、もう少し待っててくださいね。」
 とっておきの味は、もう少しかかりそうだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

青葉・颯夏
ルーナ(f01357)と同行

さすがに竜骨入りなんていうのは作ったことはないから
ふつうのになるわよ
ドラゴン料理に意気込む友人には内心溜息
食べられないものは作らないと思うけど気をつけてね

鰹節と煮干しのお出汁に合わせ味噌
具材はキャベツと油揚げ
材料が揃う不思議は忘れて調理
手間取るルーナを手伝いながら仕上げるわ

出来上がったらルーナのものから試食
見た目は普通
味は……食べなれてるものとはちょっと違うけど
これはこれで、この世界らしいわね
あたしのはいつも食べてるのだから落ち着く
ドラゴンはこりごりだけど、たまには違う食材もいいわね


ルーナ・リェナ
颯夏(f00027)と同行

作り方は調べてきたし、わたしはドラゴンスープを作ってみるよ
ええと、お鍋にお水と骨を入れたら火にかけて
わあ、颯夏
これどうすればいい?

できあがったら試食
颯夏が手伝ってくれただけあってよくできたと思うんだよ
具材はいっぱい欲しかったから豚汁っていうのの真似っこ
ちょっとだけドラゴンのお肉も入ってる
颯夏のはなんていうか、ほっとする
おばあちゃんの味っていうの、よくわかる気がするなぁ



 『せっかくだから。』そういって竜骨出汁の味噌汁を作ろうとするルーナと、煮干しで出汁をとるごくごくふつうの味噌汁を作ると言う颯夏。
 何故? ルーナが訊ねると颯夏は唇に人差し指を押し当て、
「『好奇心は猫をも殺す』のよ。」
 と答えた。
 なるほど、よくわからないが親友がそういうならそうなのだろう。
 親友が煮干しを使って出汁をとろうとしているのも、好奇心で死んでしまう猫を助けるためなんだ。きっと、たぶん。
 ドラゴンの骨で出汁をとるどころか出汁をとるのもはじめてだと言うルーナに颯夏先生の指導が入る。
「わたしの煮干しだしも、煮出す行程は同じだから一緒にやりましょう。」
 と、いいながら小さな煮干しの頭とわたを取っていく。フェアリーであるルーナにとってそれは巨大魚の干物のように感じるかもしれない。
 それを最短で30分、理想は半日ほど水に浸けておく。最後にその水を火にかけ、出てきた灰汁を丁寧に取り除けば煮干し出汁は完成する。
 竜骨の出汁は肉の特性上どうしても臭みが出てしまう。水から火にかけるところまでは同じだが、そこに臭み消しのために酒やネギ、ショウガといった香味野菜を一緒にいれて煮たたせ、同様に灰汁を取っていく。
「わぁ、颯夏 これどうしたらいい?」
「冷ましてから具材をいれて、火にかける。具材に火が通ったら火を止めて味噌を溶かし入れれば完成ね。
 ルーナはどんな具材で作るの?」
「えっとね、こんなかんじ!」
 書物の魔物との戦いの後、色々と調べたなかで見つけたルーナの作りたいもの。
 それを見た颯夏は目を細めるようにして笑って、
「なら具の厚さを揃えた方がいいわね。そうした方が均等に火が通って早く出来るわ。」
 切ることが大変なら手伝うと申し出れば小さな親友は嬉しそうに笑った。
 思えばこうして二人で料理をするなどなかなかないように感じる。
 これまで二人でやって来たこと。これから二人で挑戦したいこと。逆にやりたくないこと。
 話の種はつきることなく、やがて漂う優しい香りと湯気に二人は鍋を覗きこむ。
「「できた!」」
 颯夏の味噌汁はキャベツの甘味を楽しむ、油揚げ入りのお味噌汁。ルーナの味噌汁は具材たっぷりの豚汁ならぬ竜汁だ。
互いの分をよそい、一口すすればほぅとため息が漏れた。
「これはこれで、この世界らしいわね。」
「颯夏のもおいしい! おばあちゃんの味って言うのも、なんかわかる気がするなぁ。」
 多く作ってしまったのはルーナの【maravillosa cesta(マラヴィジョサ・セスタ)】に移しかえて。
 二人での思い出がまたひとつ増えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

羽久依・集葉
素材は鮮度が命!ならば料理も【SPD】が命でござるな!!

とは言えやはりレシピがあるのならばそれに従うのがかしこい忍者……いや待つでござる、実は豚汁ならぬ竜汁にした方が美味しいのでは?
思い立ったが吉日!拙者ちょっぴり予定を変えて竜汁を作るでござるよ!
少しくらい竜の肉をもらっても怒られないでござるよね?ねっ?

素材はサムライエンパイアから持ってきた大根、人参、ごぼう、じゃがいも、こんにゃく
あとは竜の肉を使うでござる!
……駄目だったら大人しく豚肉を使うでござるよ……

拙者美味しい兵糧大好きでござるので!美味しく作りたいでござるな〜



 料理もスピード勝負! と意気込む集葉。
 味噌汁と言えば芋がら縄を湯で戻したものだが、作れる環境があるならそれに越したことはない。
 目の前に材料(サムライエンパイア産)を並べてチェックをしながらどういった風に仕上げようか? あれこれ考えていた。
 美味しい料理は大好きだ。美味しい料理は指揮を高める。忍者を語る手前、それが兵糧とされるものなら尚更。
 オリジナリティーを求めつつもレシピがあるのならそれに従うべきだろう。いや、まてよ?
「実は豚汁ならぬ竜汁にした方が美味しいのでは?」
 そうと決まれば予定変更だ。せっかく苦労して倒したドラゴンの肉を入れてみることにしよう。

 早さを売りにしているだけあり、具材を切り分ける手早さは群を抜いて早く正確だ。
 若干不揃いだったりするが、『いろんな食感を楽しめる』と言えば依頼主である女学生は苦笑いを浮かべていた。
 いちょう切りにした大根、半月切りのニンジン。ゴボウのささがきは普段のクナイ使いのおかげで上手く出来た。
 ジャガイモとゴボウは水にさらした方がいいらしい。何故かはわからないが、それならそれに従おう。
 今回の味噌は合わせ味噌にしよう。風味が違う二種類の味噌のいいところを味わえる、合わせ味噌とはいいものだ。
 出来立ての竜汁を一口、口に含めば『ほう、』とため息が漏れる。
 五臓六腑に染み渡るどこか懐かしいが、食べたことのない新しい味。
「おいしい」
 頬を緩ませながらそう呟く。この料理が『おいしい』と感じられる世界に生まれて本当によかった。
 女学生は集葉の幸せそうな顔をまるで自分のことのように嬉しそうに笑っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

斬断・彩萌
ふふーん、味噌汁の味には煩いわよ?ウチの女中さんに習って嫌程作らされたかんね!手際の良さを見せてやるわ!

・POW
家庭料理でわざわざ分量とか量らないっしょ。こゆのは身についた感覚でやるのが1番って先人も言ってたわー知らんけど。
てなワケでまずは出汁からね!煮干しは頭と腸を取って、と。雑味が無くなるらしーよ。そしたら水から出汁とり。沸騰したら煮干しは抜いて、いざ具を投入~!まず根菜系、それが固ゆでになったら白菜、榎の順で入れて、最後に豆腐。豆腐を入れたらすぐボウルに溶いた味噌をドーンして、沸騰する前に火を止めて〆!

ざっとこんな感じカナー。この程度朝飯前すぎ~ワラ
みんなの口に合えば嬉ピ!(Vサイン)



 人には表の顔と裏の顔があるというのはよく言われることであるが斬断・彩萌(殺界パラディーゾ・f03307)は今回参加した中でその表現が最も似合う人物だろう。
 良家のお嬢様な文学少女……かと思えばその実暗殺を得意とするパリピなじぇいけー。それが彩萌だ。
 他の猟兵たちがレシピがあるなら、と、れしぴとおりに作っていくなか、彼女は『感覚で料理すればなんとかなるっしょ』といった精神であった。
 それは料理ができる人の意見ではないのか。ツッコミをいれるものは誰もなかった。
「煮干しは頭と腸を取って、と。そしたら水から出汁とり。沸騰したら煮干しは抜いて、いざ具を投入~!まず根菜系、それが固ゆでになったら白菜、榎の順で入れて、最後に豆腐ね。」
 その言動に見合わず、その手際は誰よりも正確で丁寧であったからだ。
 料理を始める前、『女中さんに習って嫌というほど作らされた』と語っていたのは本当のようだった。
 驚きの尊敬の眼差しがなんだかくすぐったくて、それでいて心地いい。
 豆腐を入れたらすぐボウルに溶いた味噌を投入して、沸騰する前に火を止めれば完成だ。
「ちょっと誰かぁ? 味見してくんない?」
 お椀によそった、暖かな湯気をたてているそれを受け取って一口、口にいれた女学生は頬を緩める。
「おいしい……!」
「でしょでしょ! 私の手にかかればこの程度朝飯前スギ~!」
 きゃぴっとダブルピースをキメてみせたのだった。

●おばあちゃんのおみそしる
「できた!」
 チヒロが声をあげると猟兵らが集まってきた。
お膳の上には海苔の巻かれたおむすびと、おみそしるーーワカメと豆腐のオーソドックスなものだーーが乗っている。
 一口、口をつければワカメから僅かに出た出汁が竜骨出汁と合わさってなんとも言えぬ味を醸し出している。
 つやつやの米のおむすびはシンプルな塩むすびだ。頬張れば海苔がバリッと音を立てて耳を楽しませる。
 体を張って頑張った猟兵達に、それは何よりのごちそうに思えたかもしれない。
 帰り際、チヒロはこんな風にもらしていた。
「結局、完全におばあちゃんの味を再現できた訳ではないんです。きっと、おばあちゃんが長年作ってきたからこそわかる勘とか、作る人への思いやりとか、そういうのがわたしにはなかったのかもしれません。」
 それでも、猟兵たちは料理を作る人への最大にして最高の賛辞を知っている。
「ごちそうさまでした。」
 それを聞いて、おばあちゃんの影を追っていた女学生は笑顔で返した。

ーー『幸福は食卓に宿る』
(お粗末様でした!)

【完食!】
【Congratulations!】

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月27日


挿絵イラスト