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黒、くろ、クロ……

#UDCアース #【Q】 #完全なる邪神

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#UDCアース
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#【Q】
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#完全なる邪神


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 その空間は暗く、見えるのは一つの明かりだけ。
 しかし……その明かりの周囲を、黒い影が飛び回る。
 ただ彷徨い、揺蕩う影は、待っているのだ。
 人の心が悪意に満ちる……その瞬間を。

 ところ変わって、ここはグリモアベースの一角。
「皆さん、お疲れ様です。
 今日は少し変わった物が手に入りました。」
 いつもより弾んだ声で、アトは集まった猟兵達へ手にしたものを見せていた。
 それは彼女の掌に収まる黒い玉で……いくら覗いても、その玉が光を放つことは無い。
 深淵を思わせるほどの黒さをした玉を持ったまま、同様の瞳で猟兵達をにこにこと見渡しながら、アトは話を続ける。
「これは、UDCアースに存在する邪神……それも、完全なる邪神への道を開く鍵となります。
 皆さんには、これから完全なる邪神を倒してもらおうと思います。
 ふふ……簡単に言うな、といわれるのは承知の上で言っていますよ。
 ですが、ここに来て下さった皆さんには、それだけの覚悟があると信じて言っていますから。」
 アトはそう言うと、自身の持つグリモアへ黒い玉を重ねた。
「……これから皆さんを送る空間は、『超次元の渦』と呼ばれています。
 UDCアースに存在しますが、普段のUDCアースとは少し違う……そんな場所です。
 私が案内するのは、その中の一つ……上も下もない無重力空間に、ただ光が一つだけある、そんな場所になります。」
 いつもは輝きを放つグリモアが、重なる黒い玉に光を吸われている。
 それでもアトがゲートを少し開くと……真っ暗な中に、ぼんやりと光が見える。
 よく見ると、光の周囲を黒い影が漂っている。
「まず、あの黒い影を倒してもらいます。
 彼らは人の無意識下に存在する、悪意の具現『デカダント・ブラック』……どんな人にも存在すると言われている、悪意を増幅するモノです。
 皆さんにも存在するでしょう……トラウマや破壊衝動など、様々な感情が浮かぶでしょう。
 しかし、それも戦いでは必要な要素……皆さんなら、完全に呑まれることはないと信じています。」

 黒い玉を持ったまま、ゲートを完全に開いたアトは言葉を続けた。
「彼らをある程度倒すと、残りが集まって別の存在へと変わります。
 ……完全な邪神というくらいですから、普段とは勝手が違うと思います。
 十分注意して、挑んでくださいね?」


ヨグ
 ヨグです、今回は完全復活した邪神との戦いとなります。
 今回の敵は章ごとの特殊なルールの元での戦いとなるので、以下の文をよく読んで挑んでください。

 第1章は集団戦です。
 ボス敵ではありますが、大量に現れるので、数を倒すようにしてください。

 第2章では、1章の残りの敵が集まり、巨大な1柱の邪神となります。
 1章で、どれだけの数を倒せたか?
 それにより、ボスの強さが変わります。

 第3章では、2章の邪神から新たな邪神が脱皮して現れます。
 ここで生まれた強力な力を持つ邪神は、必ず先制攻撃を行います。
 攻撃に対する対策を、必ずプレイングに書き入れてください。
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第1章 ボス戦 『デカダント・ブラック』

POW   :    人の性は悪なり、その善なるものは偽なり
【悪意を暴く力】を籠めた【黒い波動】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【善心】のみを攻撃する。
SPD   :    集合無悪識
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【悪意】に染め、【デカダント・ブラック】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
WIZ   :    退廃的な黒
【根源的な悪意に満ちた退廃的で底知れぬ黒】を披露した指定の全対象に【心の奥底から湧く嫌悪感と全てを破壊したい】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。

イラスト:透人

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はウラン・ラジオアイソトープです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

テラ・ウィンディア
悪意…か

善の塊たる美少女竜騎士たるおれには皆無と言いたいが…そういう訳にはいかねーよなー

【属性攻撃】で全身と武器に炎付与
更に【戦闘知識】で敵の布陣の把握

槍で【串刺し】に
【早業】で剣と太刀に切り替えればそのまま何度も斬撃を繰り返し続ける

【見切り・第六感・残像・空中戦】で可能な限り回避する

敵のユベコに対し

…銀河帝国にて黒騎士アンヘルへと敗れた時の悔しさと無念が蘇る
そしてもう戦えない事実に対する悲しみが

ずーっと後悔しているんだ
あいつに無様な戦いを見せた事を

そしてもう戦えない悔しさ
身勝手だよなぁ
自業自得だよなぁ
だがなぁ…それでも…この悔恨は…消えないんだよ!!!(消えざる過去の痛み発動!

斬斬斬斬斬!!


霧島・絶奈
◆心情
善悪の定義など、時と場合に応じて其の立場を容易く変えるモノです
善悪を超えた彼岸こそが普遍的価値なのでしょう

◆行動
悪意を暴き善心を攻撃する?
禅問答がしたいなら他を当って下さい
…これは互いの覇を掛けた闘争です
其処に在るのは相手を滅ぼすという善悪を超えた目的意識のみです

『二つの三日月』を召喚し戦闘
対集団戦ですので、小さな三日月の軍勢を有効活用した【範囲攻撃】を優先

私は巨人の影に隠れ【目立たない】様に行動
【罠使い】として持ち込んだ「魔法で敵を識別し起爆するサーメートと指向性散弾」を設置

設置しつつ【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復



「悪意……か。善の塊であり美少女竜騎士たる、おれには皆無だ!」
 びしっ! と自身を指さし、宣言するテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)。
 ……だが、
「って言いたいところだが、そういう訳にはいかねーよなー。」
「ふふ、誰もが持っているモノ、ですからね。」
 へにゃりと勢いを失ったテラを見て、気にするなというように笑みを浮かべる霧島・絶奈(暗き獣・f20096)。
「そもそも、善悪の定義など、時と場合に応じて其の立場を容易く変えるモノです。」
「まーな。」
 手にした槍が炎を吹き、自身に纏わせるテラ。
「徹底的に、斬り刻んでやるだけだ!」
 勢いを取り戻し、飛び出していったのを見た霧島も、配下を呼び出すために意識を向ける。
「善悪を超えた彼岸こそが、普遍的価値なのでしょう。」
 霧島の足元から三日月を思わせる光が差し、現れるのは光の巨人たち。
 無数に現れる彼らは影へと向かい、霧島の姿はその中に紛れていった。

「てりゃああ!」
 炎を纏ったテラの槍に、影の一つが貫かれる。
 特に抵抗もせず、そのまま霧散していった。
「……なんだこれ、あっけないな。」
「ふむ、そのようですね。」
 追いついた光の巨人たちも、小さく分かれて影を取り囲み……押しつぶす。
 彼らが離れた後には、影は残っていなかった。
「ですが、油断はしないよう。」
「おう、解ってる!」
 テラの槍が別の影を貫き、すぐに炎を纏う太刀とルーンソードに持ち替え、別の影を斬り裂く。
 光の巨人たちも別の影たちを捉え、霧島の仕掛けた地雷の炎が影を包む。
 辺りを炎が照らし……消えゆく影から、黒い波動が周囲へ広がっていた。

「……ずーっと、後悔しているんだ。」
 テラの口から洩れる呟き。
 ……それはさきの戦争、銀河帝国での戦い。
「あいつに、無様な戦いを見せた事を。」
 手にした槍で影を貫いた時、一筋の涙がこぼれる。
 ……対峙した者へ一太刀と浴びせることなく、地に落ちた。
「もう、あいつとは戦えない……見返すこともできやしない。」
 その手は止まることなく、影を貫き、斬り刻む。
 ……身勝手? 自業自得? それでも、
「この悔恨は……消えないんだよ!!!」
 叫びと共に放たれる、空間を埋める斬撃。
 それは過去に対峙した者の技で……斬り刻まれる影は、かつての自分。
 魂からの叫びに、周囲の影たちは集まり、刻まれて消えてゆく……満足げに。

「悪意を暴き善心を攻撃する? 禅問答がしたいなら他を当って下さい。」
 巨人たちの影に隠れ、魔力に反応する特製の地雷を仕掛ける霧島。
 その口元に、笑みが浮かぶ。
「ふふ……これは、互いの覇を掛けた闘争です。」
 配下の巨人に掴まれ、踏みつけられ、潰され……自身の仕掛けた地雷に吹き飛ばされる、影。
 ……浮かぶのは、殺戮を楽しむ獣の笑み。
「其処に在るのは、相手を滅ぼすという、善悪を超えた目的意識のみです。」
 口から洩れる言葉も、その通りなのだ。
 悪いこととは思っていない……ただ、滅ぼしたいという衝動。
 無慈悲に動く巨人たちによって、周囲の影は減っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
んー、善とか悪とかはよくわかんないんだけどさ。
あたしがアンタ達を倒しに来たのは、多分そういうのじゃないよ?
アンタはオブリビオンで、いずれ必ず世界とあたしを滅ぼす存在。
滅ぼすか滅ぼされるかの関係に、善も悪も無いだろう?

さて、黒い波動って「波動」ならエネルギーだよね。
【万喰熱線】で吸収して、熱線に変えてまとめて敵をなぎ払うよ。
あたしはこういう心に作用するのって効きにくい性質だし、
取り込んだ先から熱線に変えていけば大きな影響はないと思う。

後はまあ、他に操られた人が居るなら電撃叩き込んで気絶させるのと、
退廃的で底知れぬ黒ってようは色でしょ。
目をつむって反響定位で位置を判断したら効かないんじゃないかな。


水鏡・怜悧
人格:アノン
悪意って何だ?喰いたきゃ喰って殺したきゃ殺すだけだろ
イイとか悪いとか他のヤツらが勝手に決めだんだろ、知るかよ
オレは殺りたいようにやるだけだ

UDCを纏い黒い狼の姿を取ると魔銃から重力属性を取り込んで移動しつつ、手近な1体を前足で切り裂く
手応えが無いなら魔銃から風を取り込んで吹き散らし、火を取り込んで焼き尽くす
「ハハッ、ヒャハハハハ」

倒せたら次の1体へ、重力と風を纏って高速の体当たりで強襲
囲まれないように野生の勘で位置取りして雷撃を放つ
喰えそうなら噛みつくが悪い効果がありそうなら野生の勘で回避
後はひたすら手近な敵を殺し続ける



「悪意って何だ? 喰いたきゃ喰って、殺したきゃ殺すだけだろ。」
 自身の身体に黒いUDCを纏わせつつ、黒い狼のような姿に変わりながら呟く、水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)。
 現在、表に出ている人格は戦闘人格のアノンだ。
「イイとか悪いとか他のヤツらが勝手に決めだんだろ、知るかよ。オレは殺りたいようにやるだけだ。」
「んー……そうだよね、あたしもちょっとよくわからないや。」
 同意しながら漂う影を注視している、ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)。
「あれはオブリビオンで、いずれ必ず世界とあたしを滅ぼす存在。滅ぼすか滅ぼされるかの関係に、善も悪も無いだろう?」
「そうだよな。だから……」
「あー、ちょっと!」
 ペトの言葉に頷いたかと思えば、腕に取り込んだUDCから重力波を放って、一気に影へ飛び掛かる水鏡。
「もう……黒い波動っていうのを撃ってくるっていうから、注意してほしいのに。」
 水鏡の前足が影を捉える様を見ながら、ペトも急いで追いかけていった。

「なんだなんだ! 手ごたえのねえ奴らだな!」
 水鏡の言葉の通り、影はあっさりと引き裂かれる。
 前足に抵抗を受けることなく、その場を斬り裂くだけで霧散していった。
「次はてめえか! ハハッ、ヒャハハハハ!」
 重力を操り、身体全体で体当たりを仕掛ければ、またしても影の一つが掻き消える。
 ……その影が霧散する時、黒い波動を放っているのがペトの目に映った。
「……あー、そういう技なんだね。」
 自身へ降りかかる黒い波動を、ペトはそのまま自身の体で『喰らう』。
「だったら、得意だよ。あたしはそういうの、効きにくい性質だし。」
 波動も元をただせばエネルギー、ならばいくらでも変換できる。
 ペトの喰らった波動は熱線に変換され、周りの影へと放たれる。
 影が熱線に貫かれ、霧散していく様をのんびりと眺めつつ、
「さて、あとは……。」
「ヒャハハハハ!」
 隣を見れば、水鏡が笑いながら影を引き裂いている。
 次の敵を見つけ、飛び掛かる動きは無駄がないが、
「……うん、こういう事なんだね。」
 引き裂き、壊し、かき消す……それを楽しむ心が強くなっている。
「とはいえ、止めなきゃいけないほどじゃないか。」
 いざとなったら、雷撃で止めればいい。
 そのためのエネルギーなら、ここにはいくらでもあるし……などと考えながら、ペトは影の放つ黒い波動を喰らって熱線にし、影をかき消していった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

水元・芙実
邪神…ねえ

要するにそういう風に存在する事を定められた『系』に過ぎないわけでしょ
この世界の前情報は得てる
世界に認められない現象、その中で葬り去られて、そしてオブリビオンとして帰ってくるだけ。まさに亡霊ね

で、「退廃の黒」ねえ
下らない相手ね
相手の負の感情を増幅してそれだけで満たして勝ち誇るとか、結局相手に依存しているだけのしょうもない相手よ
これには「主体」が無いわ、そんな存在の囁きに耳を傾ける価値はないわね

来なさい、僅かでも質量があるのなら煤も残してあげないわ
私の中にも「それ」が無いとは言わないわ
でもね、それをただの現象に譲ってあげるわけにはいかないの

この先にも黒が変化したのが待っているのかしら?


ジズルズィーク・ジグルリズリィ
SPD判定*アドリブ歓迎

未知、道筋。ジズは、来るべき戦いに備えて、完全なる邪神に挑む所存です
強大な相手ですが、協力してことに当たりましょう

影法師のような敵がうじゃうじゃと……
ジズは、ヒトの欲望や押し付けがましい悪意を知っています
それがこの鎚であり、鎖であり、この服です
どうしようもなくヒトの本質の性悪さを見せつけている気がしてなりません

使用するユーベルコードは《私に七難八苦を与えたまえ》
悪意に侵食された心の弱い部分を切り捨てて、聖痕から漏れ溢れる光を叩き込みましょう
信仰、進行。ジズは、それでもヒトの善性、光を信じるのです
真なる意味での自然体とは手を取り合うことだとは思わないですか?


ロバート・ブレイズ
「普遍性を有する存在か。違うな。普遍性『の』化身と思考すべき黒一色。集合した悪意に打ち壊せぬ『平穏』は無いのか。成程」
対象が増えるならばその前に『見る』だろう
自らの脳髄から『神』を召喚する
――貴様は『視た』のだ。ならば悪意よ
――貴様は本当に【集合無意識】の一部なのか
問い掛けと共に神を解き放つ

一体に集中させて答えを求める。応えを迫る
相手が『どのように』応え・答えても満足するものか

集合無意識とは『それ』即ち【私の領域】で在る。

もしも神が突破されたならば鉄塊剣構えて急接近
狂気耐性で心身を留めながら殴り付ける

確実に一体仕留めたら、次の個体に神を魅せよう
――虚空に墜ちよ



「未知、道筋。ジズは、来るべき戦いに備えて、完全なる邪神に挑む所存です。」
 身の丈に合わない巨大なハンマーを掴み、黒い影たちを見渡す、ジズルズィーク・ジグルリズリィ(虚無恬淡・f10389)。
 淡々としているが、その目は油断なく相手の動きを見ていた。
「強大な相手ですが、協力してことに当たりましょう。」
「それはやぶさかではないけれど、邪神……ねえ。」
 倒すべき邪神へと視線を向ける、水元・芙実(スーパーケミカリスト・ヨーコ・f18176)。
 その先にいるのは、ただ明かりの周りをふわふわと、漂うだけの影たち……。
「要するに、そういう風に存在する事を定められた『系』に過ぎないわけでしょ? 世界に認められない現象、その中で葬り去られて、そしてオブリビオンとして帰ってくるだけ。まさに亡霊ね。」
「クカカッ! 普遍性を有する存在か。違うな。普遍性『の』化身と思考すべき黒一色よ!」
 侮蔑のこもった水元の言葉と比べると、影たちを認めたように語るのは、ロバート・ブレイズ(冒涜翁・f00135)。
 もっとも、口元に浮かぶのは嗤いだが。
「集合した悪意に打ち壊せぬ『平穏』は無いのか。成程。」
「平穏、不穏。どちらになるかは、ジズたちにかかってます。」
 一足先に飛び出すジズルズィーク。
「ええ、こんなのちゃっちゃと倒しちゃいましょ。」
「黒は黒へと還るが道理よ!」
 二人も後を追い……影たちはそれを眺めていた。

「ジズは、ヒトの欲望や押し付けがましい悪意を知っています。」
 影に叩きつけられる大槌……一撃で霧散させる威力を持つそれは、元はジズルズィークを繋ぎ止める拘束具。
 ジャラリと腕へとつながる重い鎖も同様、かつて自身を捉えた人間の悪意そのもの。
「でも……。」
 大槌を振り上げた時、自身に浮かぶ聖痕の光と痛み。
 それがジズルズィークの、悪意に浸食される弱い心を捨てさせていた。
「信仰、進行。ジズは、それでもヒトの善性、光を信じるのです。」
 ただ振り下ろす、質量の暴力。
 影が霧散した瞬間、周囲にいた影が途端に燃え上がった。
「僅かでも質量があるのなら、煤も残してあげないわ。」
 水元の指から放たれる、幻の炎。
 近づく黒い影へ飛ぶのは、質量を熱へ変える変換式と火種。
「超常、重畳。影も重さがあるようで、何よりです。」
「本当ね。さぁ来なさい!」
 思ったより簡単に燃え上がる影たち。
 漂うそれへと火種を放つ水元の顔が、炎に浮かび上がる。
「……で、『退廃の黒』だっけ? 下らない相手ね。」
 下に見たものへの、愉悦の笑みが。
「相手の負の感情を増幅してそれだけで満たして勝ち誇るとか、結局相手に依存しているだけのしょうもない相手よ。」
「クカカッ! 悪意よ、貴様へ問う!」
 ……と、炎の中に一つの黒い影とロバートが浮かび上がる。
 その顔は、未知を既知とすることを喜ぶ、探究者のそれだ。
「貴様は『視た』のだ。ならば悪意よ……貴様は本当に【集合無意識】の一部なのか?」
 問いと共にロバートの頭が膨らみ、3つの目を燃え上がらせる神の姿へと変わった……ように見えた。
「……ほう、そうであると言うか。貴様が、そうであると。笑止!」
 水元の目には、普段のロバートに映る。
「集合無意識とは『それ』即ち……【私の領域】で在る。」
 相手の答えが聞こえぬ禅問答の末に、苦しむような動きをする黒い影を鉄隗剣で斬り裂くロバート。
 狂人のそれを目の当たりにした水元の心は、すっかり静まっていた。
「……全く、ばかばかしい。」
 改めて、火種を影へ投げつける。
「私の中にも『それ』が無いとは言わないわ。でもね、それをただの現象であるこいつらに、譲ってあげるわけにはいかないの。」
「その通りです。」
 残る影へ大槌を振り下ろすジズルズィーク。
 静かに落ち着いた、聖女としての声のままに言葉を紡ぐ。
「真なる意味での自然体とは、『それ』とも手を取り合うことだとは思わないですか?」
「ええ、そうね。」
「クカカッ! 虚空へ堕ちよ!」
「……できれば正気のまま、ね。」
 狂気の嗤いのままに影を叩き潰すロバートを見つつ、水元は火種を操っていた。

 影はだいぶ数を減らしていた。
 それらは突然集まり、黒い塊へと変化していく……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『誰も覚えていない』

POW   :    ミヤイリ
【対象の一部を喰らった寄生虫を自身の身体に】【取り込み、対象の力を模倣できる肉体に変異】【すること】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    ガショク
【前もって寄生させた虫を操作すること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【寄生虫増殖による体内破壊】で攻撃する。
WIZ   :    スバク
【寄生虫に侵された存在】から【紐状の寄生虫】を放ち、【無差別に絡みつき喰らうこと】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:すねいる

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は宮入・マイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 影が集まり、現れたのは黒い粘液の塊。
 よく見れば、その中には白い寄生虫のが蠢き、混ざっている。
 ……猟兵達の目の前で、粘液は人の姿を取り始めた。
 少女の姿を取ったそれは、ニタリと嫌な笑みを浮かべている。
「……いい、身体、ね。」
 少女の体の所々から、黒い粘液が零れ、白い寄生虫が蠢く。
 ……見ているだけで、肌に痒みが走る。
「わたしに、ちょう、だい?」
 ズルリと動く少女は、猟兵達へと襲い掛かってきた。
水鏡・怜悧
人格:アノン
「ヒャハハハハ!さっきのやつらよりァ喰い出がありそうじゃねェか」
(アノン、ちょっと待っ…)
ロキの制止も聞かず、破壊衝動のまま喰らいつく
「うげ、何かモゾモゾするヤツ入った」
直感的にヤバいと判断しUC『侵蝕し融合する狂気』発動
「コレ(黒狼)もコレ(UDC)もオレの身体だ!テメェにやるかよ!」
UDC化した身体へ、魔銃から火属性を取り込んで全身高熱の液体金属となり、寄生虫を燃やす
「喰えねェならぐちゃぐちゃに潰してやる」
高温の液体金属UDC化した身体のまま、相手の腹へ触手を伸ばし貫きかき混ぜる
「燃えて痺れて凍って爆ぜて溶けて千切れて潰れて死ね!」
触手の属性を出鱈目に切り替えながら攻撃し続ける


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
色々ごちゃまぜなこの体をほめられるのは珍しいねえ。
実際のところ頑丈で力も強いし、いい身体だと自分では思うけどさ。
頑張れば身体をもうひとつ作るくらいなら何とかなるし、
アンタがオブリビオンじゃ無ければあげても良かったんだけどねえ。

さて、相手は寄生虫の塊か。
絡みついたり、体の中に入ったのをどうにかするなら【不死鳥血】かな。
血液に小さな寄生虫には害になるほどの治癒の力を与えて、
喰らいついてきたり体の中に入ってきた寄生虫を過剰治癒で殺していくよ。
ついでに喰われたりした負傷も治せるしね。

後は、味方の治療も必要ならやろうかな。
血を出すために自傷しなきゃいけないし、
疲れるからあんまりやりたくないんだけどねえ。



「いやぁ、色々ごちゃまぜなこの体をほめられるのは珍しいねえ。」
 異形の手で頬を掻きながら、ペトはまんざらでもない様子で言葉を返していた。
「実際のところ頑丈で力も強いし、いい身体だと自分では思うけど」
「ヒャハハハハ!」
 そんなペトの横を、黒いUDCに身を包んだ水鏡が、狼のごとき姿で駆け抜けていき……。
「さっきのやつらよりァ、喰い出がありそうじゃねェか!」
 生き物はすなわち食べ物、そう考える人格アノンが表に出た狼が、牙をむいて飛び掛かる。
「え……ちょっと?」
(アノン、ちょっと待っ…)
 ペトも止める間もなく、水鏡の中の理性的な人格であるロキも思考する間もなく……少女へかぶりつく。
「きゃ……ふふふ、情熱的ね。」
「……!?」
 喰われたにもかかわらず、ニタリとした笑みを消さない少女。
 そして、水鏡の口の中をもぞり……と動く感触が走る。
「うげ、何かモゾモゾするヤツ入った。」
「その体……とっても、美味しそう。」
 水鏡の身体……黒いUDCに包まれた顎の中で、寄生虫がさらに増殖していくのが解る。
 かつて存在した、人の体内で爆発的に増殖して宿主を殺す、『芽殖孤虫』のように。

「……コレ(黒狼)もコレ(UDC)もオレの身体だ! テメェにやるかよ!」
 怒りのままに叫ぶ水鏡。
 UDCの体内に火の特性を取り込み、焼き殺そうとしていた。
「そのまま齧って。」
「むぐ!?」
 そんな水鏡の口に、駆け寄ったペトの腕が突っ込まれる。
 牙が触り、血の味が広がって……水鏡のUDCはさらに熱く変化し、体内の寄生虫を焼き殺す。
「っつ……どう?」
「ああ……。」
 ペトの体に流れる血液は、生き物の治癒能力を高める効果があった。
 時には効きすぎて体を壊すほどになるが……水鏡のUDCにはちょうどいい。
「ありがとうよ。」
「どういたしまして。」
 ぶっきらぼうに少女の方を向いて言う水鏡に、ペトは笑顔で返す。
「で、どうするの?」
「決まってんだろ……喰えねェならぐちゃぐちゃに潰してやる!」
 言うが早いか、少女へ飛び掛かる水鏡。
 その腕が触手へと変わり……様々な要素を持った触手が少女を引き倒し、その腹を突き破る。
「燃えて痺れて凍って爆ぜて溶けて千切れて潰れて死ね!」
 さらにでたらめに要素を変え、腹の中をぐちゃぐちゃにかき回していった。

「ふっふふふ……。」
「んー? なんだろ。」
 身体をバラバラにされながら、少女が笑いを浮かべている……と、いつの間にかペトの体に、細長い寄生虫がまとわりついていた。
 それらが一斉に、ペトの皮膚を喰い進む。
「……あたしの身体は、美味しくないよ?」
 流れる血を吸った寄生虫たちは、身体を破裂させて落ちてゆく。
 ペトの血の治癒力に、身体が耐えられないのだった。
「なるほど、ね。……あなたの体、強すぎるわ。」
「だろうね。頑張れば身体をもうひとつ作るくらいなら何とかなるし。」
 少し残念そうな声をあげた少女に、ペトはのんびりと語り掛ける。
「アンタがオブリビオンじゃ無ければ、あげても良かったんだけどねえ。あたしの体を褒めてくれたし。」
「……それはいつか、ね。」
「あ、てめぇ!」
 びしゃり! と砕け散り、黒い粘液と化した少女は水鏡から離れ……また集まり、身体を作る。
「わたしはまだ……生きたいから。」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

テラ・ウィンディア
……………………(突如沈黙

…………(ぷるぷるぷるぷる

……真の姿発動
【属性攻撃】で全身余すことなく炎付与

【戦闘知識】全てをフル稼働して全力で接近接触を許さない為の戦術戦略を駆使
【第六感・見切り(寄生虫を視認しないといけないのでとても辛い)・残像・空中戦】にて近づけさせない近づかない

視認した寄生虫を須らく捕捉(したくないけど

……………虫、いやーーーーーっ!!!!(紅蓮神龍波発動!

うん、元々虫は苦手な上に普通に虫が平気な人でもやばいと思える構図なんぞ見たらこうなると思うんだ

なので寄生虫を捕捉して確実に全力で焼き払う

須らく灰になるまで焼き尽くす

近づくのは槍で【串刺し】にして焼き払う

超狂戦士化して大暴れ


水元・芙実
…変わっても変わらない
結局自立性が極端に低い生命体に変わりがないのよ、あなた達は
意思が奪えなくなって次は体。その柔軟性は買うけど売ってはあげないわ

伸びてくる触手に細い炎を潜り込ませて、本体の内部を焼きに行くわ
こちらを喰らうつもりなら開口部があるって事
私の肉体の代わりに狐火を喰らわせて上げるわ

もっともそれは無理でしょうけどね
私の真の姿は炎で構成された狐だから。まだ全ては表には出てないけれど、私の中で文字通り燻ってるわ
もし食べようとしたら黒焦げよ?

燃え尽きなさい、パラサイト
そしてきっと灰の中からまた出てくるのでしょうね
だけどそれさえも私達を止めるのにはいたらないわ

神性とか見飽きてるのよ、こっちは



「まったく……変わっても変わらないじゃない。」
 やれやれと頭を振り、水元は言葉を続ける。
「結局自立性が極端に低い生命体に変わりがないのよ、あなた達は。意思が奪えなくなって次は体。その柔軟性は買うけど、売ってはあげないわ。」
「……。」
 と捲し立てたところで、隣に立っているテラが一言も発さないことに気が付いた。
「ん?」
「む……む……。」
 小さく呟くテラ。
 よく見れば、その体がプルプルと震えている。
「ねぇ、どうし」
「虫、いやーーーーーっ!!!!」
「うわ、ちょっと!」
 突然叫んだと思えば、テラの体から凄まじい勢いで炎が噴き出す。
 驚いた水元が飛び退いた瞬間、一塊の炎と化したテラが敵の少女へと突っ込んでいった。
「あー……まぁ、嫌いな人には嫌いな姿よね。」
 その場には、水元の呟きだけが残っていた。

「熱そうな、子……。」
 向かってくる炎へ、周囲に落ちる寄生虫が触手をのばす。
 しかし、それを的確に斬り裂き、炎は燃え盛る槍の穂先と共に少女を貫いた。
「ぐえ……!」
「燃え尽きろ!」
 動きを止めた炎のにいたのは、東洋の姫のような燃え盛る衣装を着たテラ。
 龍の牙でできた槍から放たれる炎に、少女は黒い粘液へと変わって飛び散っていった。
「ひっ……!」
 テラの目に入ったのは、黒い粘液の中を蠢く、白い蟲、蟲、蟲……。
 炎の下の肌に一気に広がる鳥肌。
「お、おれに近づくな! ぜ、ぜったいだぞ!」
 飛び散り、蠢く白いモノを槍で焼いていく。
 小さく落ちている黒い粘液を、テラは叫びながら焼き尽くしていった。

「……減っちゃった。」
「へぇ、焼くのは有効のようね。」
 離れた場所で体を再構築した少女へ近づく水元。
 その手に浮かぶ、燃え上がる狐火を、怯えた様子で見る少女。
「いや……燃やされたく、ない。」
「ふぅん? 思ったより素直なのね。でも、」
 狐火を手で握り、散らすと……水元の後ろからせまる寄生虫へと火が向いた。
 伸びてきたその口へ火が飛び込むと、寄生虫はのたうち回り、動きを止めていた。
「私の肉体はあげられないわ……代わりに狐火を喰らわせて上げる。」
「ふ、ふふ……だめ、かぁ。」
 楽しそうに笑う少女。
 先ほどの怯えも全て演技……そうとわかる笑顔に、水元の顔が歪む。
 不愉快だ、と。
「人を模倣するのもいい加減にしなさい。」
「人……ねぇ?」
 その時、水元の足を寄生虫の一つが食いついていた。
 しかし……潜り込もうとしたそれは頭を焼け焦がされ、地に落ちていた。
「人は、燃えて、ないよ。」
「ふん、解ったなら燃え尽きなさい、パラサイト。」
 水元は少女の周囲に狐火を生みだし、その体を覆いつくすように燃やしていた。
 少女はヘラヘラと嗤い、体を粘液へと変えていく。
「死なないように、するだけ。」
「……なら、灰になるまで続けてやるわ。」
 生き続けるために何でもする、そういう生き物。
 ため息と共に、狐火を操りながら水元は呟く。
「神性は見飽きてるのよ、こっちは。」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ジズルズィーク・ジグルリズリィ
POW判定*アドリブ歓迎

理解、不快。ジズは、そちらの思惑を知って嫌悪を抱くのです
精神の次は肉体を狙うというのであれば、受けてたちます

虫虫、無心。一心不乱に祈りまして、寄生対象をこの身に釘付けにしましょう
自身が寄生されなければ、対処は幾分か簡単なはず
……潰すのはお味方に任せる必要がありそうですが
ささ。そこのあなた、遠慮なさらず、ぷちっと

残る形態も気を引き締めて臨む所存です
未決、清潔。けして、水を浴びたいなどと、ジズはそういった欲望は抱いてないのですよ


ロバート・ブレイズ
「寄生虫が本体か。ならば我が頭蓋の内に『寄生』する連中と戯れ給え」
脳髄の蛆で『恐怖を与える』の選択する
寄生虫を受け入れて、身体を破壊させよう
如何なる臓器でも持っていくが好い
だが――それは貴様等の為に在る『餌』ではない
文豪の不死性と恐怖を与えるを混ぜ込んで、体内の寄生虫の『動き』を、狂気を【正気に固定】する
真逆の行為をさせ、肉体を活性化
そのまま鉄塊剣を構えてオブリビオン本体を圧し潰す

寄生虫を返すと同時に増幅した『恐怖』を叩き付ける
――誰にも赦されない『現実』を知るが好い。



 その粘液の塊を叩き潰したのは、ジズルズィークの大槌だった。
「理解、不快。ジズは、そちらの思惑を知って嫌悪を抱くのです。」
 飛び散る粘隗へ、珍しく顔をゆがめて吐き捨てる。
「精神の次は肉体を狙うというのであれば、受けてたちます。」
「寄生虫が本体か。ならば我が頭蓋の内に『寄生』する連中と戯れ給え。」
 響いた声にジズルズィークが振り向くと、粘隗の一つを手にしたロバートの姿があった。
 手にしたそれを口へ……。
「クカカッ! ならば好きなだけ喰らいたまえ!」
「……恐怖、臓腑。どうなっても、知りませんよ?」
 狂気の嗤いを浮かべるロバートへ声をかけつつ周囲を見渡すと、粘隗が動き出すのが見える。
「さて……どうしましょうか。」
 大槌を肩にかけ、ジズルズィークは思案していた。

「如何なる臓器でも持っていくが好い。」
 ロバートの体へ入った寄生虫たちは、宿主の言葉の通りに食道を喰い破り、周囲の臓器へと喰い進む。
 バリバリと内臓が食われるのを知り、感じ、なおも続けさせる。
「……最も、それは貴様等の為に在る『餌』ではない。」
 そして脳へと至り、灰色のそれを食べる寄生虫は……それを統一する少女の意識が、認識する。
 今、何を食べている?
「貴様が喰らうのは、寄生する蛆! 人の身にそぐわぬ物よ!」
 少女の意識が、恐怖を認識する。
 ……食べるべきでは、なかった?
「さぁ、恐怖に駆られよ! 嘔吐せよ! それこそが、正常だ!」
 今や、統合する意識である少女は、言葉に従うしかなかった。
 寄生虫たちは、食べたものを吐き出している……それこそが、正常だと。

「い、いや……!」
 少女の声に気が付けば、体を巣食う蟲は全て死んでいた。
 それを識ったロバートが目を向けると、ジズルズィークの体を覆うようにしていた少女が怯えている。
「虫虫、無心。無防備な我の身へと宿りたまえ。」
 ジズルズィークはといえば、一心不乱に祈っている。
 その体を、集まった黒い粘液がズルリズルリと這いまわっていた……が、その弛緩した体を喰い破る事が出来ず、ただ這いずっていたのだった。
 這いまわるものの恐怖を感じて目を開き、鉄隗剣を構えたロバートへ、
「ささ……そこのあなた、遠慮なさらず、ぷちっと。」
「心得た。」
 振り上げた鉄隗剣に、白い寄生虫が付いている……トランス状態が続くジズルズィークの、ぼやけた目に映っている。
「……誰にも赦されない『現実』を知るが好い。」
「や、やだ!」
 ざっくりと、あっけなく……少女は二つに斬り裂かれる。
 黒い粘液へと戻ることもなく、周囲の寄生虫を動かすこともなく、動きを止めていた。

 ぼーっと少女の亡骸を見ているジズルズィーク。
「大丈夫かね?」
「……大丈夫、です。残る形態も、気を引き締めて臨む所存です。」
 ロバートの声に我に返り、立ち上がると……ねちょりと身体に粘液が付いていることに気が付いた。
「未決、清潔。けして、水を浴びたいなどと、ジズはそういった欲望は抱いてないのですよ。」
 誰にも聞こえない声で、小さく呟いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『渇望する黒機甲』

POW   :    ドレイン・ランページ
【吸収渇望形態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    ホールド・アブソーバー
【武器による攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【エネルギー吸収攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    スペクトラム・サクション
【生命力を吸収する波動】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。

イラスト:純志

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はグラディス・プロトワンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 少女の亡骸から、黒い金属が生える。
 それは少女を引き裂いて立ちあがり……黒い鋼の身体を引きずり出す。
「……生命ヲ、認識。」
 赤い目を猟兵達へ向け、その手の鉄塊と言ってもいい剣を振り上げている。
「全テヲ、寄越セ!」
 剣を振る力は、今までの姿とは明らかに違うモノ。
 無防備に近づけば、無差別で力任せの一撃に潰されてしまうだろう。
 対策を、考えなければ……。
水鏡・怜悧
人格:アノン
金属…また喰えねェし
さっき貰った血は美味かったから我慢するか
猟兵じゃなきゃ喰い尽くすんだが
(くれぐれも味方は攻撃しないで下さいね)
…わーってるよ。ロキはイチイチうるせェよ。助けるとか助けられるとか良くわかんねェけど、礼も言っただろ

先制攻撃に対してはUDCを千切って、攻撃が来た瞬間に武器に当てる
千切っても生きてるから攻撃はそっち向くだろうし隙も出来るだろ
魔銃からUDCに属性取り込み
生み出した金属で相手を拘束して連続攻撃
炎熱を纏った触手で攻撃して相手を加熱
氷属性に変えて急速に冷やす
金属はこれで脆くなる…ってロキが言ってた
攻撃は中断できねェから、反撃が来る前に一通り終わらせてから離脱する


ジズルズィーク・ジグルリズリィ
SPD判定*アドリブ歓迎

ついには全てを、と申しますか。過去とはいえ、底の尽きぬ欲には呆れてしまいます

とはいえ、先制は避けられない様子
生命力を吸収されたのちにユーベルコードを起動
不調を振り切って脳天に槌を振り下ろします

認知、存知。ジズは、欲望の一切合切を承知です。
しかし、それだけで語れば単なるケダモノです。
ジズは、手を取り合い繋がれる可能性を信じます
来るべき戦いのため、疾く消えるのです

……このような存在を幾つも匿う黒幕。何処に隠れているのでしょうか


霧島・絶奈
◆心情
さあ、この逢瀬を愉しみましょう

◆行動
<真の姿を開放>し『666』を使用

敵の先制攻撃対策として、【オーラ防御】を展開しつつ回避行動
加えて【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】を【二回攻撃】で放ち迎撃
可能なら【罠使い】として持ち込んだサーメートを【衝撃波】に乗せて散布
攻防一体の壁として利用

負傷は【生命力吸収】で回復

一部の<私>は軍勢に紛れ【目立たない】様に行動
【罠使い】の技能を活かし「魔法で敵を識別し起爆するサーメート」を複数設置
設置完了迄は緩慢な動きを心掛けます
設置後は素早い動きで敵を罠地帯へと誘因

更に<私達>全員で射線を調整し【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で其々が【二回攻撃】


水元・芙実
生命を確認、そして全てを、ってのは強欲ね
でも抽象的過ぎる…、何これ足に力が…

生命力というのは分からないけれど…それが維持するための力を奪うのなら代わりに分子モーターの駆動用のATPを精製、すぐにADPに変換させてその差分の化学エネルギーを私の代替として吸わせるわ
これには幻炎合成法を使うわ

意味の分からない攻撃は流石邪神と言うだけはあるかもね、でもそれもおしまい
開口部にハイドロボムを投げ込んで爆破、相手の中に残った水を相転移させて水蒸気へ変換。体積を爆発的に膨張させ、二回の衝撃で爆破してあげるわ
こちらも水に対して幻炎合成法を使うわ

欲しがりの黒はこれでおしまい
邪神って言うのはわがままなのかしら?


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
んー、こっちより速いし力も強いと。
ならまあ、少しばかり小細工も使うとしようかね。

速く動く物を攻撃するんなら、そうだねえ。
【生体武装】で尻尾をトカゲのように切り落としても動き続ける性質に変えて、
【部位破壊】で自切して相手に投げつけて囮にするよ。
切り落としてすぐなら生命力とかも残ってるだろうし、
吸収渇望への囮にはぴったりじゃないかな。

生き物の武器ってのは、相手を攻撃するものばかりじゃあないんだよねえ。

投げた尻尾に反応して隙が出来たら、真の姿に変身して尻尾を再生。
【轟天雷装】を発動して、全身全霊の力と電撃を込めてぶん殴るよ。

全てを寄越せ?
なら、望みどおりにしてあげよう。

あたしの全力、受け取りな!


テラ・ウィンディア
生命を奪う機械神か(虫が消えて落ち着いた

真の姿継続


寄越してやろう
命の根源たる炎をな!

対ホールド
【見切り・第六感・空中戦】で飛び回り【残像】を残して武器の攻撃の回避に全霊を尽くす

己の体格も利用して避け切る!

そこで小紅龍招来!
そのまま乗っかって飛び回るぞ!
接近して槍で【串刺し】そのまま離れ

紅龍
きゅあきゅあきゅあっ!(鳴声

【属性攻撃】による炎属性の火炎弾を吐き出して猛攻

紅龍&テラ

空中で距離を取れば

さぁって…此処は派手に行くぞ!

そんなに欲しいならくれてやるよ!
アツアツのほやほやだ!味わって喰らえ!!

グラビティバスターによる重力波砲と
紅龍の炎属性の超高熱プラズマビームを
【一斉放射】で大砲撃!!



「生命を確認、そして全てを、ってのは強欲ね……。でも、抽象的過ぎる」
 雄叫びをあげる鉄巨人を見つつ、呟く水元の身体に悪寒が走る。
「何これ、足に力が……。」
「無差別の吸収攻撃……あれが居るだけで、全てを吸収するのでしょうね。」
 声に顔を上げると、数人の霧島が鉄巨人との間に立っていた。
 彼女の異端の神々としての姿だが、先頭に立つ者はすでに影が薄くなっていた。
「貪欲なものです。」
「ありがとう、そういう事なのね。」
 少しだけ楽になった体を起こし、水元は自身の体を幻の炎で包む。
 生命活動による体組織の合成……その促進により、身体が火照ってくるのを感じていた。
「意味の分からない攻撃は、流石邪神と言うだけはあるかもね。」
 先ほどまでの不調はどこへやら、起こした身体に力がみなぎってきた。
「でもそれもおしまい、反撃開始よ。」
「ええ、いきましょう。」
 武器を構えた鉄巨人へ、水元と霧島たちは近づいていった。

「ついには全てを、と申しますか。過去とはいえ、底の尽きぬ欲には呆れてしまいます。」
「そんなに欲しいなら寄越してやろう、命の根源たる炎をな!」
 各々、大槌と炎の槍を構えたジズルズィークとテラの二人は、吸収されるのも構わず突進していた。
 それに気が付いた鉄巨人が大剣を振り上げる。
「貴様ラノ、力ヲ!」
「そう簡単に、お前にやるかよ!」
 身体から炎を吹き出し、振り下ろされる大剣から飛んで避けるテラ。
 しかし、その横でジズルズィークの体を大剣が掠めていた。
「くっ……これは。」
 斬られた太ももから、一気に力が抜ける感覚が襲い掛かる。
 鉄巨人の肩へ槍の一撃を食らわせたテラが振り返り、
「おい! 大丈夫か!」
「……無私、不死。」
 足を止めていたジズルズィークだったが、何事もないように大槌を振り上げて走る。
 その様は、何事もなかったかのようで、
「ジズの受難は、常しえに苛むのです。」
 唱えるような言葉と共に振り下ろす大槌を、鉄巨人は大剣で受け止める。
 身体から力が抜けるのを精神力で無理やり動かす一撃は、大剣にひびが入るほどで……。
「武器ヲ、損傷。」
 しかし負担は大きく、ジズルズィークの身体から血が噴き出る。
「無茶するな!」
 そんな彼女を掴むテラ。
 呼び出した小さな紅龍の背に乗り、龍の吐き出す炎を目くらましに距離をとる。
「すいません、助かります。」
「……ったく、次行くぜ!」
 きゅあきゅあ! と鳴く龍を駆り、二人は鉄巨人へと降下していった。

「金属……また喰えねェし。」
「あっはっは、食べるのは難しいだろうね。」
 黒い粘液のようなUDCで体を覆ったまま呟く水鏡の隣で、ペトは笑って応えていた。
「そんなに美味しかった?」
「ああ……猟兵じゃなきゃ喰い尽くすんだが。」
「はは、さすがに全部はあげられないねぇ。」
(くれぐれも味方は攻撃しないで下さいね。)
 軽く言うペトの言葉に合わせ、水鏡の中にいる人格のロキも釘を刺していた。
「……わーってるよ、助けるとか助けられるとか良くわかんねェけど、礼も言っただろ。」
「はいはい、どういたしまして。さーって……」
 二人の前で、鉄巨人がひびの入った大剣を振り上げている。
「力ヲ、寄越セ!」
 動くものを目指して突進する鉄巨人に、
「……小細工からいくよ。」
「ああ。」
 ペトは異形の尻尾を自ら斬り落とし、投げ飛ばす。
 トカゲの尻尾のように動き続けるそれへ、鉄巨人は大剣を振るい、斬り飛ばしていた。
「よーし、今のうちに」
 ペトが体に力を籠めると、身体をバチバチと青白い雷光が走る。
「あぶねぇ!」
 真の姿へ変わろうとした時には、鉄巨人は大剣を振り上げていた。
 振り下ろされる剣へ、水鏡が体を覆うUDCをちぎり、投げつけ……ペトのすぐ横へ、大剣が突き刺さる。
「……これでチャラだな。」
「へへ、ありがとうね! よーし!」
 倍ほどの大きさに変わったペトが拳を振り上げる。
「望み通りにしてあげる。あたしの全力、受け取りな!」
 青白い雷光に加速され、鉄巨人へ突き刺さった。
 そのままバランスを崩して転がる鉄巨人に、黒い粘液状の触手が巻き付く。
「続けてやってやるよ!」
 鉄巨人の身体が突如霜に覆われた……かと思えば炎が噴き出し、その霜が一気に溶け出す。
 炎熱と凍結の性質を持った触手を交互に使い、鉄巨人の体を炙り、凍らす。
「ロキ、これでいいんだな?」
(ええ、金属ならそれで脆くなるでしょう。)
「よーしもう一丁……ブッ潰す!!」
 さらにペトの雷光を纏う拳も加わり、鉄巨人の身体を蹂躙する。

 一通り終えた時、鉄巨人の身体に力がこもるのを感じた。
「おっと、離れた方がよさそうだな。」
「ええ、それではこちらへどうぞ。」
 言葉に振り返ると、離れたところに霧島……異端の神々の群れが立っていた。
「私たちを盾にしてください。」
「オーケー、ありがとうね。」
 ペトと水鏡が走り出した途端、鉄巨人の後ろから別の群れが現れ、黒剣で斬りかかる。
 鉄巨人もそちらへ向き、ひびの入った大剣を振り上げていた。
「寄、越セ!」
「ふふ……さぁ、この逢瀬を愉しみましょう?」
 動きの緩慢になった大剣の一撃を、オーラを纏った手で弾く霧島。
 そして、二人が離れたのを確認し、異端の神々の群れはジリジリと後退する。
「素直で、結構です。」
「……!?」
 と、鉄巨人の足元からテルミットの炎が吹き上がる。
 あらかじめ霧島が仕掛けた地雷原へ誘い込んだのだった。
「キ、貴様、ラ!」
 叫ぶ鉄巨人の口の中へ、水元は何かを放り込む。
「エネルギーの変換なら、任せなさい。」
 ボム! と破裂した途端、鉄巨人の口から水が噴き出す。
 さらに幻の炎が鉄巨人の口元を舞ったと思えば、大爆発が起きた。
「……水って扱いやすいのよ。」
 辺りに漂う水蒸気の中、ハイドロボムを片手に話す水元。
「液体から気体へ変わると、体積で約1700倍に膨れるわ。狭い口の中で一度にそう変わったらどうなるか、ってことよ。」
「ふふ、かなり効いているようですよ。」
 蒸気が落ち着くと、顎から首が裂けた鉄巨人が見えた。
「ガ……ギザ、マ……!」
「好機、勝機。畳みかけます。」
 そこへ上空から降ってきたのは、ジズルズィークと振り上げた大槌。
 ガゴン! と鉄巨人の頭をぶん殴り、その体を地に沈めた。
「さぁって……此処は派手に行くぞ!」
「ジズは逃げますよ。」
 さらに上空からテラの声が響き、ジズルズィークは最後の力で跳び退る。
 鉄巨人の目が上空へと向き……そこに見えるのは、高エネルギーの収束する様。
「そんなに欲しいならくれてやるよ! アツアツのほやほやだ! 味わって喰らえ!!」
「ヨ、ゴ……ゼ!」
 テラの手に集まる重力波動と、紅龍の口の高熱。
 エネルギーの塊へ手を伸ばす鉄巨人を、解き放たれた超重力とプラズマビームが貫き……消えた後には、黒い鉄の塊だけが残っていた。

「やー、おつかれさん。」
「終わったのか……ちっ、食えねえ敵ばっかりだったぜ。」
 もう動かない鉄塊を前に、猟兵達へ手を振るペトと腹を押さえた水鏡。
「もう、欲しがりなのね。それじゃあ、黒いこいつらと一緒よ?」
「ふふ、食べるというのは根元的な欲ですからね。」
 呆れたように言う水元だったが、それを笑顔で肯定する霧島。
「あーでも……おれも腹減っちゃったな。」
「空腹、祝福。勝利の宴会、というのもいいかもしれません。」
 疲れた、という様子で腹をさするテラを見て、提案するジズルズィーク。
「おー、いいね。せっかくだから何か食べよう。」
「肉! デザート! いっぱい食べようぜ!」
 わいわいとそんなことを話しながら、グリモアベースへと続くゲートへと向かっていくのだった。

 ゲートをくぐろうとしたジズルズィークが足を止めるのを感じ、水元が振り返る。
「どうしたの?」
「……認知、存知。ジズは、欲望の一切合切を承知です。」
 邪神たちがいた場を見渡し、ジズルズィークが呟く。
「しかし、それだけで語れば単なるケダモノです。」
「そうね、人間なら……いえ、知性ある者なら、ある程度は抑えるものだけど。」
 先ほどまで戦った、黒い邪神たち……どれもが、自身のために人を喰らう者たち。
「邪神って言うのは、わがままなのかしら?」
「そうかもしれません……ですがジズは、欲望を持つ者が手を取り合い繋がれる可能性を信じます。」
「……いつかは、ね。」
 そんな言葉だけが残り、空間が閉じられる。
 ただ一つの明かりだけが残り……やがてそれも、消えていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年10月29日


挿絵イラスト