7
咲いて、散って、微笑む

#UDCアース

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#UDCアース


0




●■立聖アーカム女学院:裏掲示板
『また起きたね。今度もまた”転校”扱いになっちゃうのかな』
『今度こそ警察沙汰じゃないー?風紀委員ったら涙目で身元捜査するとかマジ笑えるwwww』
『馬鹿だよねー。風紀委員の仕事なんて適当にやってりゃいいのに。ま、彼女って超人気だし期待に応えないといけないんじゃね?』
『そういえば今度の生徒会選挙、あの人連続当選確定じゃない?』
『そりゃー一番寄付しているのあの子の親なんでしょ?お友達もレベル高い子ばっかだよね。お嬢様中のお嬢様失踪とかヤバくね?』
『いやー最近なんか取り巻きがいっぱいいる彼女とかどうよ?カリスマじゃん。全国大会優勝だって?』
『あの人に出会えてよかったーとかクラスの子がいっぱい言ってるし、なんか変じゃね』
『確かに彼女と仲良しの子もいなくなってるよね』
『変なのはずーっと誰も頼んでもないのに図書委員会仕切ってるあれじゃねwwwあいつマジオタク臭いwww』
『そういえばっアレ黒魔術使えるみたいなんだって』
『はあ?マジ?』
『今いなくなっている子ってその黒魔術を教えてもらったせいなんじゃない?』
『まっさかーwww』
『『『ま、私達には関係ないよね』』』

『あの方についていけば、いいんですよ』
『私は私の罪を思い出しました。今から身を委ねます。そうだ、私は罪人だった』

●???
 私は罪を犯し自らその運命に決着をつけた人間を貴方に捧げました。これは贖罪です。
 貴方は私の神様です、愛しそうに生贄を貪って頂いてとても嬉しいです。
 この学園はもうすぐ私の物になります。
 貴方が愛してくれるように私が仕向けた子ばかりが揃いつつあります。
 そうでない子も恐らく貴方の眷属である彼女に反応し、貴方様の愛に喜んでいました。
 最後に私が愛されるように全ては順調に進んでいます。
 だって、あの子が、私の大切な――が――くなってしまった事に耐え切れないのです。

●グリモアベースにて
「未だに形を変え、裏掲示板なる存在は真実と虚構が混じっている……と、これは失礼」
 スマートフォンをなんとなく弄っていたアルム・サフィレット(愛し子を抱えし宝石人形・f02953)は猟兵にお辞儀する。
「ようこそ、『UDCアース』邪神と狂気が混在するこの世界へ。私は邪神の出現予知を致しました故に、皆様をお呼びしました」
「全く、電子の海から邪神の予知ができるとは狂った世界です……話がそれましたね」
 これより復活されるは旧神『焔を焚く者』あるいは『灰霞の剣』。
 まあ一言で言うと狂っています。誰の願いなど叶えません。その狂った物はただ一つ、真なる名を呼ばれることを恐れているので二つ名など使っているのでしょう。
 邪神が愛するのは「人の生贄を喰らってしまい、その味に酔いつつも思い詰めて自決した人」だそうです。

 さて、邪神の復活を願っている人物の特定には至りませんでしたが、潜伏場所は分かりました。
 閑静な住宅地に古くからお嬢様学校と知られている■立聖アーカム女学院です。由緒正しき女子高ではお嬢様、そして邪神の信奉者もお嬢様。カリスマ的存在が何故か何人もいるその学校で、その内の1人に連れられて女子生徒が消え去るそうです。
 色々絞り込みましたが候補は4人。
・風紀委員としてこの失踪問題に取り組む風紀の女王菫青。
・資産家一家の娘として、学校内で2期連続生徒会長に選ばれている統率の女王玉髄。
・テニスの全国大会で優勝した溌溂の女王藍玉。
・学院に入学して以来図書委員として図書室を居城にしている知識の女王星葉。
 彼女達4人に共通しているのは、極度の男性不信。
 否、この世に男は不要、女同士が至高!といってはばからず、誰もそれを咎めない点です。彼女達の主張に他の生徒はむしろ信奉の対象にしています。

 というわけで女子高に潜入して誰が信奉者なのか探してください。
 あ、こちらも最大限の配慮として制服は用意しますが、強引に押し入っても、関係者を装って周囲の聞き込みをするのもいいのではないのでしょうか。
 全ては百合畑の中に埋もれた悪意、若しくは慈愛。
 いずれにせよ刈り取らなくては取り返しがつかない事態が発生します。


硅孔雀
 早速第二弾のUDCアースシナリオです
 最終目的は
 【焔を焚く者』あるいは『灰霞の剣』の召喚阻止】
 になりますが、
 今の時点で誰が犯人か、どうやって生贄が選ばれ消えていくのかわかりません。
 舞台は■立聖アーカム女学院。閑静な住宅街にある歴史ある女子高です。
 多角的な捜査、或いは推理がこの物語の話の進行を握っています。
 結果までの過程を楽しみたい。
 そんなあなたに捧げる百合畑に包まれた半クローズドサークルを。

 NPC情報:1話目でのNPCの居場所、行動です
 風紀の女王菫青:放課後の教室にて行方不明の生徒の資料整理
 統率の女王玉髄:放課後の生徒会失踪事件の報告書制作
 溌溂の女王藍玉:部活が終わり、部活棟から1人でてきたばかり。スマホの連絡先を弄っています
 図書室の女王星葉:図書館で1人本の整理中。『相談を受けた子達のリスト』が机の上に置いて有ります
 彼女達に共通しているのは
 『この世に男は不要、女同士が至高!といってはばからず』という主張です
69




第1章 冒険 『潜入!白百合の園!』

POW   :    性別を偽る事なく強引に学園に侵入。力任せで調査を行う。

SPD   :    学園の生徒に扮する。男性は女装。そうして学園内を行う。

WIZ   :    学園の周囲や生徒に聞き込みをして調査を行う。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


【白百合の園への招待状】
 閑静な高級住宅街〓〓市の中に伝統ある学園として創立された聖アーカム女学院までは原則電車・徒歩での移動のみ許されています。車での送り迎えは淑女としてはまだ早い、がその理由らしいです。
 生徒たちは聖羊(セイラム)駅西口を降り、横並びにならないよう気を付けながら一等地に相応しい豪華な家々の間を談笑しながら歩いていきます。
 途中にある【立ち入り禁止】の文字が描かれている黄色と黒のテープで家の入口が塞がれた屋敷から皆は目をそらすか、話題にはあげません。埃まみれですしね。
 いつからか空き家になっている家、誰も手入れのされていない柳の木が向こうに見える十字路を左に曲がればもうすぐ聖アーカム女学院の正門です。
【●▲年に発生したトラックと歩行者の接触事故について目撃情報を…】等と立てかけられた、軽く錆びついた看板に気が付く子はいるのでしょうか。
【ゆかりちゃんへ。向こうでも……でね】看板の下には枯れた花と稚拙な文字で書かれた手紙がそっと風化を待っています。

「ごきげんよう」
『ええ、ごきげんよう。今日は随分と校門が混んでいますのね』
「あら、貴方知らないの?今日から菫青様が主体になって風紀委員による登下校のチェックがあるのよ」
 ほら、菫青様よと生徒が指さした先にはポニーテールの生徒が、何やらリストにチェックを入れながら生徒を出迎えています。
 すると腰ほどまであるつややかな髪をなびかせた生徒が菫青様に話しかけます。
「今日も朝から大変ですね。菫青、私に手伝えることがあれば何でも言ってください」
「大丈夫よ。これ位風紀委員長として当然、先生が動かない分私がやらないと。玉髄会長様なんて親御さん向けに報告や対策まで考えてるんでしょ?大丈夫?」
「ええ……まあ、それが私の仕事ですし。女性同士守り合いましょう」
 きゃあ、と生徒達から歓声が上がります。
『あら一体どうしたのです?』
「なにってほら生徒会長の玉髄様よ!うわーあのお二人仲良しなのね!」
 はしゃいでいる生徒を上手くすり抜けるようにベリーショートの生徒が正門まで駆けていきます。
『随分慌てているのですね』
「あ、あの方は藍玉様!テニスで全国大会優勝者で運動系部活のエリート助っ人!」
 生徒の言う通り藍玉は軽やかに入口まで駆け、菫青に手をぶんぶんと振ります。
「おーい!たまには一緒に遊ぼうよー!カラオケとかプリクラとか!生徒会長様とデスクワークより面白いよー!」
 この学院でそんな遊びを提案できるのは彼女ぐらいなようで、菫青は苦笑して振り替えします。
 そんな活気にあふれる中三つ編みの生徒はただ一人、誰も近寄るなと言わんばかりに正門へと歩いていきます。
「あ、あの!」
「通して。あと10分あれば書庫が少しでも片づけられるから」
 風紀委員の静止に冷たく答えた生徒は正門での出来事に視線を向け悲しげな表情を一瞬浮かべすぐに校舎へと消えていきました。
「あら……星葉様は今日も本の事ばかり、なのかしら」
『といいますと?』
「ええ、星葉様……ご趣味かは知りませんがこの学院の図書室は寄贈された物も合わせて膨大で、その整理を図書委員長として一人で黙々と」

 そこまで聞かれて生徒は気が付きます。
「えっと……失礼、貴方、どこのクラスの人でしたっけ?」
『あら、ちょっと先程の十字路で落とし物をしてしまいました。探すの手伝ってくださりません?ふふ』



 寂れた公園で、アルムは一人ブランコに腰かけている。
「と、いうわけで先程までの道のりでの出来事は全て職員が調査した通りでした。あ、ここは無関係な場所です」
「さっきの彼女はちゃんと職員が手配して記憶を綺麗につなぎ合わせて頂きました。今回もお手伝いは全力ですのでご安心を」
 寂れた公園に相応しく、風に吹かれたゴミの切れ端がアルムの顔に当たりそうになり……それを器用に彼女は受け止めた。
「雑誌の切れ端……三面記事……ふふ、これはこれは」
 さてと、と彼女は立ち上がる。
「これも貴重な資料になるのかもしれません。といってもほとんど読めないですけどね」

【〓〓市一家心中未遂事件の裏に新興宗教の影!?】
【行き過ぎた被害者への取材に対するメディアの罪】
【都市伝説。〓〓市幼女事故死は実は行方不明事件!?】
 雑誌の目次らしき残骸に並ぶ数々の文字を猟兵達が追う中、アルムは夕日に染まった鉄塔を見上げる。

「……4人の中に、1人は紛れ込んでいます。それは確かです。百合の花の合言葉の一つに偽りというものがあります」
「さあ、それぞれの道を。私の役目はここまでです」
水瀬・和奏
判定:SPD 【コミュ力】【言いくるめ】【情報収集】

書類をでっち上げてもらって転校生として学校に潜入
クラスメイトの中でも噂話が好きそうな子に接近し
行方不明になった生徒の情報や、調査対象の4人についての情報を聞き出します
『行方不明になった子が誰を特に慕っていたか』がヒントになりそうなので、そのあたりが聞き出せれば

敵意を持たれそうなので、話をする際は4人を疑いすぎるような言動は控える
怪しまれた場合は「前の学校でそういう噂があって気になっていた」等誤魔化す

得られた情報は逐一仲間と共有

※アドリブ・絡みOK



【探索:学院内】
 ■立聖アーカム女学院で働く事務員はそういえばあの時は随分と書類の整理が多かった、と思い出すかもしれない。
 多数の猟兵達が、それぞれの立場を考え、UDC組織の協力の元学院へと潜入していった。

●転校生から始まるお話。
 転校生水瀬・和奏(重装型戦闘人形・f06753)のアーカム女学院での生活が始まる。
 学院では今朝早く緊急集会があり、その場で学院の生徒全員にUDC職員による情報操作があった事をここに記す。最も、猟兵本人に魅力が備わっていれば、生徒達は自然と興味を抱き、惹かれたであろうことを追記する。
 銀色の髪に紫の瞳をもつ彼女にクラスメイトは皆憧れを抱くような視線を向け、水瀬はふうと息を吐く。
(うーんなんか目立って……る?私としてはどなたかに話を聞きたいのですが)
「ごきげんよう、和奏さんとお呼びしてもよろしいですか?」
 笑顔で話しかけてきたクラスメイトはどうやらロッカーが隣らしい。鍵のかけ方や先生の話をしながら水瀬は慎重に話を切り出す。
「そういえば……ここの学校の生徒さんが行方不明になってると聞いたのですが」
「……その話、どこで?」
「あ、その、前の学校で噂を聞いたので……」
 咄嗟の誤魔化しに対しクラスメイトはそうですか、と小さく呟き、そっと水瀬の手を引き階段の踊り場へと歩き出す。
(こ、これは朝からすることなのでしょうか)
 電灯のついていない、薄暗い踊り場でクラスメイトは辺りを見回す。
「正直そのお話は『女王様達』がなんとかしてくださるから私達はなにもしない方がいいという空気です」
 どうやら彼女は話をしたかったらしい。水瀬は切り出す。
「達、というとあの四人の」
「ええそうです。女王様達は絶対。こちらからは手を出さず、選ばれるのを待つ、それが掟」
「……生徒全員が慕っていたのですか?行方不明になられた人も」
「はい、そうです。皆さん四人の誰かに声をかけてもらった、と喜んでいました。その数日後に……」
(これ以上は空気が悪くなりそうです。話題を変えましょう)
「あ、あの、じゃあ四人は四人だけで仲が良かったと」
「その通りです。なんといいますか……言い方は良くないかもしれませんが、四人で秘密を共有していたように思えました」
「わかりました。ありがとうございます」
 水瀬は秘密を告白しほっとした様子のクラスメイトと共に教室へと戻る。
【行方不明の生徒が特に慕っていた女王はいない。女王達四人の誰かからのアプローチがあった後行方不明者が出ていた可能性がある】
 そっとスマートフォンをとりだし、猟兵達に連絡する。授業のチャイムと共に、任務は始まった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

月隠・三日月
女同士……というと、男色の逆かな。そういう人も居るよね
男が要らないというのは行き過ぎだけれど

女子ばかりということは、男の私がそのまま入っては話も聞けそうにないね
女装は一通り修めているから、騙すようで悪いけれど女生徒に扮して潜入しよう。……趣味ではないよ。私は忍だからね、異性装も技能の一つ

潜入に成功したら、図書室に行って星葉さんに話を聞いてみよう。声ばかりは誤魔化せないから、筆談が妥当かな。今は喉の調子がすごく悪くて話せないということにしておこう
『行方不明者がたくさん出ていて怖い。物知りの星葉さんは、何か知らないか』と訊いてみようかな
隙があるようなら、『相談を受けた子達のリスト』を確認したいね


ウーゴ・ソルデビラ
学園の生徒に扮する。男性は女装。そうして学園内を行う。

着崩した不良っぽい女装。一人称を俺⇒私に変更。
けっ、背が低くて助かったぜ。獣人の性別なんて
パッと見で解る訳ねーし案外イケるんじゃね?

星菜に会いに図書室へ行ってみる。
星菜が『相談を受けた子達のリスト』が見えなくなる瞬間を狙って、
適当な文庫本にメモ紙を挟み読書するフリをして書き写す。
とりあえず、クラスと名前。タイミングは「野生の勘」で計る。

写し終えたり、バレそうになった時は、
「自分も居なくなった知り合いの件で相談に来た」と言って反応をみる。
不審がられたら即逃走。廊下か窓の近い方から
メモを隠蔽する時は落として文庫本ごと本棚の下へ蹴り飛ばしておく。



【知識の女王】
 放課後の図書室、うっすらとオレンジ色が差し込むそこに月隠・三日月(黄昏の猟兵・f01960)はマスクをつけ星葉の姿を探していた。
(異性装も技能の一つだし、上手く潜入は出来たけど、流石に声まではごまかせない)
 いざとなれば、風邪でも引いて今は喉の調子がすごく悪くて話せないということにしておこうと考えていると、三つ編みの少女が書庫扉を開け、出てきた。
「何か。用?」
 ぶっきらぼうに答えた知識の女王星葉は、マスク姿の三日月をじっとみる。予定通り筆談を始めようと鞄に手をかける寸前、三日月の手を星葉はとった。
「……!」
「あ、いえ、喉の調子が悪くて、今貴方は筆談で私と話がしたい。……そんな体調が悪い人を立たせて話をするのは悪い。書庫の奥に色々持ち込んであるからお茶の一つは出せるからついてきて」
(え、これは……意外だ)
 初対面のイメージと随分と違う彼女は、三日月を気遣うように手を引いて書庫へと足を進めた。
 一方、書庫の扉が開いている隙を狙って先に書庫へと潜入したのはウーゴ・ソルデビラ(吸血鬼マイラ・f09730)だった。これはチャンスだと言わんばかりに足をすすめ、余っていたのであろう机の上に置いてある紙を見つける。
「これが例のリストか。俺……じゃねえ私の野生の勘がそういっている」
 ウーゴが紙に手を伸ばそうとしたその時であった。
「何してるの?」
 星菜と三日月。紙に手を伸ばそうとしている自分。
「お、いや、その、私。居なくなった知り合いの件で話が聞きたくて……」
 星菜は三日月とウーゴの顔を順番に見て、はあ、とため息をつく。
「相談をしたいのなら、話は聞く。ただし、このリストは私だけの物だから、触ったり移したりはなし……まあ、こうやって自分達から調査する子がいてくれるのは、正直助かる」
 助かる、という言葉に二人は顔を見合わせた。

『行方不明者がたくさん出ていて怖い。物知りの星葉さんは、何か知らないか』
三日月がノートに書いた字を読んだ星葉は悩んだ顔をして、物知りの部分をなぞる。
「本を読んでいれば、自ずと知識を得る。それだけの事だと思うけど……ただの本好きなだけよ私」
「あ、いえ、これは単なる私の愚痴。図書委員会が仕事してなくて、本が傷んでいたり破けているのが嫌で、勝手に仕切ってたのがいつの間にか変に持ち上げられて困ってた。それだけ」
(なんか普通の女っぽくねぇか?)
 ウーゴは星菜は三日月や自分を完全に信用しているように思えるが『相談を受けた子達のリスト』には触らせない様子を見て訪ねる。
「その、やっぱそれは見たりしちゃ駄目なの……でしょうか」
 ウーゴの言葉に星菜は、二人とも内緒にしててね、と言って話す。
「学校生活の愚痴を聞かれされたのが最初のきっかけ。段々皆が私を憧れの眼差しで見るようになってからは『彼女達の話を聞いてあげないと』って余計なお世話やいていただけ。だから、これは私とその子達だけの秘密。それが女性同士の恋愛感情に勘違いされて困ったけど。今はそれどころじゃない。来てくれた子には手を貸す」
『みせてくれるの?』
 悩んだ星菜は近くにあった図鑑で生徒の名前とクラスを隠し、悩み事の一覧だけを二人に見せた。
「彼氏に振られた。成績が上がらない……なんかいっぱいだな、ってなんだこの赤い線」
 ウーゴが赤い線が引かれた悩み事を見る。『地元の友達が自殺してしまった』
 どこからか吹き込んでくる風が冷たく感じられた。赤い線はいくつも引いてある。
『赤い線の内容は、どれも一緒?』
 三日月の文字に、一瞬星菜は顔を曇らせた。
「ええ、親しい友人、恋人、家族……大切な人を自殺で亡くしてしまった。ウーゴさんの知り合いもそうだったんでしょう」
「あ、ああそうだぜ!すげえ悩んでた」
 素の口調が出てしまっていることにもはや星葉は何も言わず、話を続けた。
「そして、この悩みを聞いた後に、相談相手は行方不明になったの……何も、してあげらなったのよね私。結局は」
 二人は椅子に座り、遠くを見ている星葉に何もいえなかった。
 書庫から出ていく二人を見送ると言った星葉は、少し明るい声で送り出す。
「来てくれてありがとう。気を付けてね」

【星葉さんは協力的だった。行方不明の生徒に共通しているのは自殺者が周りにいた事】

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

火奈本・火花
「お嬢様学校ですか……未知の世界ではありますね」

■行動
年齢的にも不審ではないでしょうし、生徒に扮して潜入します(SPD)
接触対象が生徒の顔と名前を憶えていると厄介ですし、下見に来た転校生という設定です

校内の見学と言う名目で各部屋に向かい、星葉>菫青>玉髄>藍玉の優先順で接触します。迷ってしまった体で近付き、「失踪の噂は聞いていて、それぞれの資料に興味をもった様子」を装って話を聞きましょう
接触対象と失踪者の関係、連続失踪をどう思うか聞いてみます

もし怪しい対象がいれば「誘惑」でさらに情報を聞き出してみましょう
一生懸命になっている貴女に一目惚れしました、とでも言います
……私にそっちの気はありませんが


古高・花鳥
もう犠牲は出させませんから

わたしの高校のセーラー服で捜査
転入を考えている他校の生徒として有名な生徒への質問へ、ですね
「礼儀作法」を大切に「コミュ力」を活用、「言いくるめ」も考え「優しさ」を忘れずに

最初は星葉さんへ
次に玉髄さん
時間が余れば他のお二人も

失踪者の事でなく信者ならこぼす筈の思想や勧誘等の情報が欲しいので、素性や生活の質問から
その類の情報が無ければ失踪者について疎いように聞きます
ですが相手は同年代、楽しくお話ししたいです

お嬢様学校……世界が違う感じです
女の子同士、知識はないですが抵抗もありません
皆さんどれほど素敵なのでしょう、わたしへの評価はどうなのでしょう、少し気になっちゃうなぁ



【統率の女王】
 放課後の生徒会室。お嬢様学校の生徒会室というと豪華な設備を思い浮かべる猟兵もいたかもしれない。しかし生徒会室はごく普通の部屋で、学園祭の時に使うのであろう各部のネームプレートや学院のパンフレットが無造作にパイプ椅子が置かれている。
「折角の転校されてきた方、それに転入を考えていらっしゃる方がいらして頂いたのに学内の案内も出来ずに申し訳ありませんわ」
 玉髄は生徒会室を訪れた火奈本・火花(エージェント・f00795)を古高・花鳥(月下の夢見草・f01330)を椅子に座るようさり気なく勧めながら、生徒会長用の長机の前から離れられないんですと苦笑した。ノートパソコンと何回も書き直したであろう原稿が積まれている。
(今彼女が制作しているのは行方不明事件についての資料ですね。これに興味を示した、から話に入っていきましょうか。場合によっては……誘惑も一手、でしょうか)
(ここがお嬢様学校……にしては生徒会室は随分普通みたいですね。いきなり行方不明者の話に行く前に、信者であるならばどこかで思想を漏らしたりや勧誘をしてくるかもしれないので、お話をまずはしてみましょう)
 二人の思惑には全く気が付かない様子で玉髄はニコニコとしている。しかしパソコンで文章を打つ作業を止める気配はない。
「驚きましたでしょう。生徒会室がこんなにボロボロなのは。文化系のクラブに空き教室や部屋を渡していったらここしか場所がなくなってしまったようで」
「あ、い、いえそんなことないです。それにしても、本当に素敵な学校ですね。生徒会長さん……玉髄さんも素敵な方だと思います。お仕事、大変そうですね」
 花鳥は彼女の素性や生活を、礼儀をもって聞き出そうと試みた。彼女の問いに玉髄は苦笑する。
「いえ、古高さんも素敵な方ですわ。是非転入の際は一緒にお昼でも頂きましょう。この学院はあまり生徒を外に出すのを嫌がるので、どうしても学食のお誘いしか出来ませんが」
「そ、そうですか……厳しい所もあるのですね」
「ええ、そういった厳しさは、私達を外の世界から守ってくれる装置だと私は考えています。でも……」
「でも?」
「でも、父や他の男性の支えがあってこそ学園、そして私の生活があるということは理解しています。女性同士いつまでも楽しくいられればという時間を楽しめればいいのに、とは思ってしまいます」
 どことなく寂しげな玉髄の様子を見て、そこに宗教的な信仰を感じさせる物はないとなんとなく考えた。
(女性同士が最高、というよりかは学院から離れるのが怖い、ように思えてしまいます……この辺りにしておきましょうか)
「あの」
 と、割り込んできたのは火花だった。
「失礼ですが、今作っているのは例の事件の資料でしょうか?」
 その声に、玉髄は一瞬怯えるような目をする。
「その、一生懸命作業されている貴方を見ていると、大変そうだなと」
「これは……生徒を守れなかったことに対する自分の仕事なので、苦に想うだなんて考えてはいないです。一番悲しんでいるのは行方不明者のご家族であったり、友人だったりするでしょう」
(この空気だととても誘惑なんて使える状況ではないか)
 悩んでいる火花の様子を見て、自分の言葉で不快にさせたと思ったのか玉髄は申し訳ございませんと謝罪する。
「一番怖いのは、行方不明になった彼女達が根も葉もない噂話で余計に傷をつけられること……かもしれません」
「と、いうと」
「ええ、実は、学校の名誉に関する事なので表向きは禁止させていますが……俗にいう裏掲示板で、あの子は不良だった、彼氏と駆け落ちした等、謂れのない中傷がとびかっているのに耐えきれないのです。いくら削除申請をして、削除を確認してもまた次のサイトが出来る……もしかして、誰か、内部の生徒が犯人なのでしょうか」
 段々と、小さく力なく言葉を発する玉髄を前に、二人はこれ以上言葉をかけることが出来なかった。

「暗い話ばかりですみません……お二人のためにも、よりよい学園生活を送ることが出来るよう私は努力いたします」

【玉髄は今回の事件に落ち込んでいるように見える。裏掲示板は削除と復活の繰り返し?】

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

灯璃・ファルシュピーゲル
【SPD:学園関係者を装い学園内を潜入調査】

●「SIRD」所属員として行動、
グループ回線にて同所属員と秘密裡に随時情報共有実施

●現地UDC機関に協力してもらい学園に守衛・設備保守員として潜入

巡回や点検を装い先生や生徒に何気ない雑談の感じで聞き込み実施
・失踪者が出た時間に妙な事はなかったか

・学園近くで事故があった様子だが、ゆかりという子に心当たりは無いか
また4人内に事故関係者はいなかったか

・学園内に人が寄り付かない・立入禁止区域は無いか

以上を重点調査しつつ。仲間が聞き込み時問題が起きた場合は
その場の状況に合わせフォロー
また仲間が行動しやすいよう警備保全員の立場を利用し
それとなく侵入経路を確保する



【昼間の追憶】
 ここで時間を昼間へと戻そう。
 灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)は特務情報調査局(Specialservice Information Research Department、略称SIRD)に所属しており、今回の潜入調査においては生徒ではなく守衛として学院内で活動を行っていた。猟兵達の潜入活動の補佐となるよう各教室や部活棟を回り、最適な侵入ルート、或は学院内で何があった場合の避難や脱出経路の確保に努めている。
(とりあえず、学院内に人が寄り付かない・立入禁止区域は無いか、については全くなかった。まさに安全が保障されている籠の中の鳥たちの住処、という感じか)
 巡回ルートの説明を先輩職員から説明された時の状況を逐一SIRD関係者や他の猟兵に送る。
(それにしても、先生達、あれはきっと親御さんかもしれないけどクレームの電話の対応大変そうだったわ)
 ひっきりなしに電話越しから聞こえてくる金切り声に、先生からの聞き込みを諦めた灯璃。巡回ルートを回ろうと中庭を歩いていると、丁度庭の手入れをしていた初老の用務員を目が合った。
「おや、見かけない顔だね。ここの学院は今は大変だけど、普段は静かな学校なんだけどねえ……」
 ぼやきながら散った葉を集めている用務員に、思い切って声をかけてみることにした。
「あの……少し、お聞きしたいことが」

 学園近くで事故があった様子だがゆかりという子に心当たりは無いかという質問に、用務員は場所を変えようと庭の奥まった場所に灯璃を案内する。
「ゆかりちゃんの話も随分聞かなくなったなあそういえば。ほら、学院の近くに大きな柳の木があるだろう。あそこには昔変な宗教団体が集団生活していて、いつの間にかいなくなってたんだよ」
(これは、当たりをひいた)
「それで、ゆかりちゃんは良くその跡地でお姉さんと遊んでいたよ。ここの学院もこうやって庭が綺麗だからか、たまに『お姉ちゃんに会いに来た』って勝手に入ってきてしまってなあ」
「お姉ちゃん……というと生徒さんの身内だったと」
「ああ、それでいつもゆかりがごめんなさいって謝りに来ていたけどこっちとしては可愛らしい姉妹さんだと思っていたよ」
 そして、用務員の顔が暗くなる。
「……二人が一緒に学院に入ることは無かった。聞いた話だと、ゆかりちゃんはここ辺りの子で、お母さんと買い物に行った帰り道で事故にあって亡くなった」
「それから」
「……それ以上は、あまりに酷かった。すまない。この話はこれ以上」
「え、ええすいません」
 二人は立ち上がり、それぞれの仕事へと戻っていく。

【ゆかりちゃんはお姉さんが学院の生徒でよく学院内に入っていた】

大成功 🔵​🔵​🔵​

玄崎・供露
【SPD】使用
「礼儀作法」「言いくるめ」技能使用

風紀の女王菫青と接触。
礼儀作法と言いくるめを駆使して「正義感の強い風紀委員長のファンのお嬢さん」を演じ情報をを手に入れる

……潜入調査を行う。技能的にもこっちのが他より向いてるしな。まるで道化だが、精々道化らしく演じてみせるさ

※アドリブ等ご自由に、大歓迎です。


数宮・多喜
【SPD】

アタシに今更学生姿になれ、って!?
確かにちょっと前(3年前)までは学生だったけどさぁ…
仕方ないので変装技術を駆使して学生に。
3年の転入生として潜入する。
当てがあるわけじゃないけど、話が合わせやすそうな
藍玉ちゃんに接触を試みるかな?
「へぇ…アンタが藍玉?なかなか人気者じゃん」
と、ちょっと不良っぽく迫ってみる。
食いついてくれたら「ははっ、アタシはアンタと仲良くなりたいだけだよ」
とすぐに降参。顔を覚えてもらうことにする。
スルーされたら…仕方ないね、肩をすくめて図書室に向かうかな。

サイキックの探知は通学路からフル活用。
怪しい動きをする奴が周囲にいたら全速力で追いかけるよ。


ネリッサ・ハーディ
【SIRD】で行動
学園内部に潜入して情報収集を行う事にします。
とはいえ、私の見た目的に生徒と言うのは無理がありますから・・・英語の教師に扮するのが妥当でしょうか。一時的に実習もしくは研修に来た、と言った理由辺りで。教師という視点で情報を集めれば、生徒に扮した場合とまた違った成果が得られるかもしれません。
それに、職業柄こういったカヴァーストーリーはお手の物ですし。
こちらは、風紀の女王菫青に当たってみましょうか。
風紀委員なら、教師サイドに対しても態度を軟化させると思いますし。
まずは、適当な会話から始めて安心感を誘い、悩みを聞いてあげて、その後さりげなく行方不明者に関して話を聞いてみます。


寺内・美月
雑誌の発刊元に問い合わせて原本を確認し、当時の編集者などに話を聞く。
1,心中未遂事件は現地警察の資料を、新興宗教はUDCと連携して警察庁警備局から情報をもらう。新興宗教がまだ存在しているなら秘密裏に潜入も行う。
2,事故に関することは、当時の現場検証の記録と医師による死亡診断書を確かめる。
3,メディアによる被害者への取材を明らかにして、被害者の背後関係を探る(家族・友好・近所付き合い)。
4,以上三つを確認して収穫があれば、【SIRD】メンバーとその他猟兵で情報を共有する。


ロクガツ・クロッカス
【SPD使用】【SIRDの仲間と連携】

うわー、これが制服? エレガントでかわいい!
人生初制服にひとしきりはしゃいだら、比較的お話ししやすそうなキャラクターの藍玉さんに接触するために行動を開始するよ。
彼女はあちこちの部活に助っ人として参加してて、仲良しの子もいなくなってるんだよね。
消えた子におかしな様子がなかったか、何か情報を持っていないか聞いてみたいな。

世界の半分が男性なのに、それが不要って普通に意味わかんないけど、彼女たちの手前そういうそぶりは見せないようにするよ。
「怖い男の人に連れ去られているんじゃないかと思うと夜も眠れない。藍玉様みたいな強い女性のそばに居られたらいいのに……」
って感じ?


江戸川・律
「SILD」の一員として参加
【ハッキング・情報収集を使用】
大量の資料が積まれた「SIRD」の資料室
PCで「立聖アーカム女学園」の裏掲示板を探りつつ
苦い珈琲を愛用のマグカップで飲みながら
次々に仲間から寄せられる情報を
ホワイトボードに「キュッキュッ…」と
書き込んで纏めていきます

過去に起きた学園周辺の事件と今回の事件の関連性
【立ち入り禁止】怪しい屋敷⇒一家心中未遂?
【行き過ぎた報道】
【幼女事故死】⇒ゆかりちゃん⇒誘拐?

【容疑者の4人】
風紀の女王菫青
統率の女王玉髄
溌溂の女王藍玉
図書室の女王星葉

さぁて、どうパズルが組み上がるか
「てかホント記者というより探偵のマネ事だよなぁ…」
「…みんな無理すんなよ」



【溌溂の女王】
 放課後の部室棟。連続生徒失踪事件により、自然と部活への参加の自粛が求められているためか、生徒達の影はまばらだ。
そんななか、溌溂の女王藍玉に接触を試みようと生徒に扮しているのはSIRD所属のロクガツ・クロッカス(光線銃とクロッカス・f06933)と数宮・多喜(人間のスターライダー・f03004)だ。
(うわー、これが制服? エレガントでかわいい!)
(ちょっと前(3年前)までは学生だったけどさぁ…似合ってるかなこれ)
 人生初の制服、しかもお嬢様学校というブランドにはしゃぐクロッカスと変装技術でなんとかなってるかなと複雑な表情を浮かべる数宮。二人が女王を探す前に
「あれ?どこの部かは知らないけれど、もうほとんど皆帰っちゃってるよ?」
 大丈夫?と声をかけてきたのは藍玉の方だった。
「行方不明の皆……怖い男の人に連れ去られているんじゃないかと思うと夜も眠れない。藍玉様みたいな強い女性のそばに居られたらいいのに……」
 と部室棟の近くにあるベンチに腰かけた藍玉達、藍玉にしなだれかかったロクガツは想う。
(世界の半分が男性なのに、それが不要って普通に意味わかんないけど、彼女たちの手前そういうそぶりは見せないようにするよ。特にお話しやすそうな感じがするし)
「うーん……私、そんなに強く見える?」
「え?」
 予想していなかった反応に、ロクガツは慌てて座りなおす。その様子を見ていた数宮はわざと不良らしく笑う。
「ははっ人気者じゃん」
 人気者、という言葉に藍玉はうんうんと頷く。
「そうだなー確かにロクガツちゃんみたいな子に頼られるっていうのも悪くないけど、数宮ちゃんみたいな友達も欲しい!のが本音!」
「女の子同士っていうのは?」
「そりゃ男子より女子同士遊んでいた方が楽しいから!ここの学院に入ってからいっぱい友達できたし、皆大人しいから面白い遊び教えてあげると喜んでくれたりもして、凄く楽しかったなあ……」
 過去形になっているということは、彼女も連続生徒失踪事件には思う所があるのかもしれない。
「やっぱり、藍玉様のお友達も……?」
 スマートフォンを取り出した藍玉に二人とも身を乗り出す。
「この子と、この子、あとこの子も……いなくなっちゃったんだよね」
 悲しそうな声で呟く彼女に二人もどこか悲しくなってしまう。
「でもさ、一応電話は通じるの。勿論出てくれないけど。学校中探し回ったんだけどみんなの電話は無かった」

【失踪した生徒の荷物は学校にはない可能性がある】


【風紀の女王】
「先生が来てくれて助かります!生徒の自主性に任せる、なんていって逃げる先生ばっかりで困っていたんです!」
【SIRD】所属のネリッサ・ハーディ(ナイフ・アンド・コーツ・f03206)に笑顔で話しかけるのは風紀の女王菫青だ。
(英語の先生として潜入したのは成功したようね……上手く話が聞きだせそう)
「それに、私なんかのファンがいるなんてなんか照れちゃうなー」
正義感の強い風紀委員長のファンのお嬢さん、という設定で潜入を試みた玄崎・供露(テクノマンサー・f05850)にも菫青は笑顔を向ける。
「本当はもっと大人数で、登下校の徹底までしたいんですけど、それは難しいって……先生方もお仕事大変ですよね」
「え、ええ、ごめんなさいね。それにしても菫青さんは本当に風紀の活動に熱心ね」
「菫青委員長の正義というのは一体どこから来てるんですか?」
二人からの返事に、菫青は明るく微笑む。
「昔から、悪い奴は許せないってだけです。よくお天道様は見ている、的なのまだ信じちゃっているんですよねえ」
「この学院に悪い子なんていないはず!と私思っているんです。悪いことをしてしまっても、反省して前を向けばいいと」
(……なんか随分、周りが暗い中でこいつは明るいんだな)
 供露はどことなく菫青のテンションの高さに得体の知れないものを感じる。
「え、えっと委員長。その前を向くってのは反省文かなんかの提出でいいんですか……?」
「ネリッサ先生が顧問になっていただければその制度を導入してもいいかもしれないわね」
「うーん、それはどうかしら……」
 苦笑するネリッサに菫青はそうですか、とうなだれるふりをする。
「菫青さんは、今何をしているの?」
 話題を変えるようにネリッサは、菫青が何枚かの書類を持っていることに気が付きたずねてみる。
「あ、これは行方不明になりそうな……というと誤解されちゃいますね。正直、過程に問題がありそうとか、裏でよくない話をきいた子について、あくまでも噂話レベルで纏めているんです」
 行方不明になるまえに声をかけてそうさせない運動をしていこうかと思っているんです!と明るく返事をする菫青。供露はその様子をじっとみていた。
「その……もう一度聞きますが委員長にとっての正義ってなんですか?」
「難しい話だなーそれは。うーん……悪いことをしたら反省すればいいんだよ。反省だけじゃだめっていうのなら、罪を償えばいい。自分の事は自分で決着をつけさせる、とか?」
その言葉とあくまでも明るく風紀を守る女王としてのオーラを感じさせる菫青に、二人は立ちすくむ。

【???????】



【探索:学外】
 学園という花畑以外にも花は咲いている。そこから真実を摘み取れれば。
 そこに咲く花の色はいかに、と猟兵達は町へ繰り出す。

【ゆかりちゃん】
 雑誌の切れ端だけでは雑誌名もいつ発行されたものなのかも情報は掴めなかった。
 そして、警察等公的な機関に対してまでUDC組織はその力を発揮できず、情報を入手したりすることはできなかった。
『人類防衛組織は未だ民間人に知られていないUDCに対処するための組織であり、
 自分達には手に負えないUDCと対峙できる猟兵への協力と、事後の処理として情報統制を行うのが精一杯である。
 今回のケースであれば潜入するにあたっての必要な書類偽造、受け入れのための関係者の記憶改竄での支援行える』
 というのが寺内・美月(地獄雨の火力調整所・f02790)の依頼を受け、UDC組織から回答として返信されたものである。
「仕方ない、というしかないですね。自分の足を使ってなんとかですか」
 寺内に残されていた最後の手段はメディアによる被害者への取材を明らかにして、被害者の背後関係を探ることであった。おそらくは一家心中未遂事件の被害者に対して何かしらの事が起きたのであろう。立ち入り禁止のテープに覆われた屋敷には『金剛』という表札が残っていた。
「あらぁ、金剛さんの知り合い?」
 美月が屋敷を覗き込んでいると、いかにも噂好きそうな女性がその様子をうかがっていた。
「あ、はい、そうです」
 とっさに知り合いを偽ると、あの時は大変だったわよねえと女性は話をし続ける。
 適当に流しながら情報を整理し、【SIRD】メンバーとその他猟兵で情報を共有するために、どこまでも話を振ってくる女性を振り切った。
「金剛さんの家は4人家族でねえ、ここらへんで一番大きな屋敷でしょ?有名人だったのよ。それがね、妹さん。あ、お子さんは姉妹だったんだけど、ゆかりちゃんっていう子がトラックにはねられて、その日の内に一家で心中未遂なんてのがあったの。長女さんが息があったみたいでね」
「確かに、トラックで跳ねられたゆかりちゃんの死体まで現場にあったのは皆おかしいとは思ったわ。けど、昔あった宗教団体の呪いではないかまで噂されて、どこかのオカルト雑誌がいたずらに取り上げたせいでそれはそれは酷くジャーナリストに追いかけまわされてね、最終的に彼女は親戚の家に引っ越すことになったのよ」
最後の挨拶の時正義の味方がいてくれれば……っていうのが可哀そうでねえと、ジャーナリストそっくりに興奮気味に話す女性の笑顔は歪んでいた、と美月は感じた。

【ホワイトボード探偵】
PCで「■立聖アーカム女学園」の裏掲示板をおいながら、江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)はコーヒーを一口、その苦さより苦い話をかみ砕いていく。
「あんまり良くないパズルが組み上がりそうだなぁ…」

【行方不明の生徒が特に慕っていた女王はいない。女王達四人の誰かからのアプローチがあった後行方不明者が出ていた可能性がある】
【玉髄は今回の事件に落ち込んでいるように見える。裏掲示板は削除と復活の繰り返し?】
【ゆかりちゃんはお姉さんが学院の生徒でよく学院内に入っていた】
【金剛ゆかりは4人家族。遺体が一家心中未遂事件の現場で発見された】
【生き残った長女は執拗な取材に耐え切れず苗字を替えている】
 各情報をホワイトボードに書いているとそういえば裏掲示板には何か残っていないかと思い付き、律は調べる。削除と復活を繰り返しているとはいえ、過去ログはある程度見られるらしい。
「ゆかりちゃんの幽霊をみた、Kさんの転校……Kさんはさっき出てきた金剛さんのお姉さんの方か……ん?」
『金剛さん、苗字変わったけど編入してきた件について』
 スレッドのタイトルだけしか読めないが、それだけでも律にとっては重要なパズルのピースだった。
「女王様4人の内……一人は金剛?」

 その時、新しいスレッドが立ち上がった
『女王です。一日ご苦労様でした。しかし、遅かったですね』
『大丈夫です。罪を償う日はやってきました』

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『ゆかりちゃん』

POW   :    「ただいま」「おかあさん、おとうさん」
戦闘用の、自身と同じ強さの【母親の様な物体 】と【父親の様な物体】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD   :    「どうしてそんなへんなかおでわたしをみるの?」
【炎上し始める捜索願いからの飛び火 】が命中した対象を燃やす。放たれた【無慈悲な】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
WIZ   :    「ひどいよ、ひどいよ、ひどいよ」
【嗚咽を零した後、劈く様な叫声 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


【ゆかりちゃんとおねえちゃんとかぞくのおはなしとむらがるゆかりちゃん】
 ゆかりちゃんはかわいくてかわいそうなおんなのこでした
 ゆかりちゃんのかぞくはおとうさんとおかあさんとおねえさんでした
 ゆかりちゃんはかぞくのみんなといっしょにおでかけするのがだいすきでした
 ゆかりちゃんは「きょうだん」のおともだちといっしょにあそぶのがだいすきでした
 「きょうだん」がなくなってしまったときおねえさんが「それでもかみさまはいるんだ」といってくれました
 ゆかりちゃんのかぞくはきんじょのみんなにわからないようひっそりと「かみさま」をしんじるようになりました
 ゆかりちゃんはおともだちとあそべなくなってしまってもおねえちゃんといっしょにあそべるので「かみさま」をしんじていました
 あるひゆかりちゃんはおかあさんとかいものにいったかえりみちにとらっくにはねられてしまいました
 おかあさんはきゅうきゅうしゃはこちらでてはいするのでとうんてんしゅさんをかえしてしまいました
 かわいそうなゆかりちゃん。おとうさんもおかあさんはわらっています
「かみさまへのいけにえがちょうどてにはいった」
 おとうさんとおかあさんはおにくになってしまったゆかりちゃんをみて、わらって、手を伸ばして、彼女を。

「神様、本当にいてくださったのですね!……この二人は悪い奴だっただけど、こうすれば会えたのか。ごめんねゆかり。ゆかり。ゆかり」
 二人には罪を償わせた。そうしたら神様は現れてくれた。これは神が私にもたらした使命であり、私は正義でないといけない。
 正義とは、もっともっともっと罪を償わせることだ。
 離れからでてくる沢山のゆかり。失ってしまったものに対する罪悪感の塊。
 この子はゆかりなのかなんてもうししらない。
 かみさま、きょうもゆかりをたべてしまったことをこうかいしつみをつぐなってくれた子をあなたに捧げます。
「こんばんわ。わたしはゆかりだよ。ゆかりだよ。ゆかりだよ。ゆかりだよ。ゆかりだよ」
 放課後の学校から帰る途中、彼女は、彼女達は現れる。

≪愛し子様情報≫
ヒャッハー!そういうわけで戦闘開始だな!
俺様が現れるってことは猟兵じゃなくてそこのお前らに伝える事があるぜ
これが終わった後【誰】が【どこ】で【何】をしようとしているのか
これまでの推理とかも文字数余ったらぶっこみタイムだぜ!
フレーバーとして反映はあるけどプラス補正はないんだぜ!じゃあヒャッハー!
玄崎・供露
ふざけんな、ふざけんなよクソが

なんだありゃ、なんであんなナリしてんだよ。あんなガキが死んだあともオブリビオンのクソ邪神に利用されるってのか?なぁ?

……とにかく何かされる前に削れる分は削る……「先制攻撃」「早業」技能を使ってなんとしても相手より先んじてユーベルコード「軍勢跋扈」を発動する。最大効率発揮のために敵陣特攻だってやってやんよォ、「激痛耐性」も「捨て身の一撃」にする「覚悟」もあるんだこちとらァ!

数で押し潰せ。何もさせるな。ただ眠らせてやれ……頼むよ、レギオン



※アドリブ等大歓迎です。


古高・花鳥
情報をくれた学園の方々、そして有益な情報を集めてくださった猟兵の皆さんに感謝を

事の流れは、ある程度分かりました
あとは、斬り伏せるだけ、斬り伏せるだけなんです
でも、でもあまりに……

まず「先制攻撃」「見切り」「かばう」の活用を
【居合域】はわたし以外の、他の猟兵の方に対する攻撃の迎撃として発動します
相手の召喚するユーベルコードには【月下抜刀流・花鳥一閃】ですぐに召喚を解除します
領域により召喚にはいち早く気付き、行動をしたいと思います
叫声攻撃は、「捨て身の一撃」「激痛耐性」も活用しながら耐え抜いて見せます
きっと、彼女達の叫びは、受け止めなきゃいけないんです

せめて、安らかに眠ってください、ゆかりちゃん



【ゆかりちゃんがはちにん】
 聖羊(セイラム)駅西口へと■立聖アーカム女学院の生徒が向かい始める。
 幸いにも無関係な生徒とは遭遇しなかった。
(情報をくれた学園の方々、そして有益な情報を集めてくださった猟兵の皆さんに感謝を)
 古高・花鳥(月下の夢見草・f01330)は集めた情報から素早く通学路の確認をしていた。見知らぬセーラー服の少女が歩いている中、花鳥はもう一人、アーカム女学院の制服を着ていない少女を見つける。
「あの!この道は……」
「ふざけんな、ふざけんなよクソが!」
 花鳥と同じ猟兵の玄崎・供露(テクノマンサー・f05850)が、黒いマスクの内側から言葉を吐き出していた。
(なんだありゃ、なんであんなナリしてんだよ)
 かわいそうなゆかりちゃん。かわいいゆかりちゃん。
「あんなガキが死んだあともオブリビオンのクソ邪神に利用されるってのか?なぁ?」
 相手が花鳥と、同じ猟兵だとわかった供露が声を絞り出す。今この場にいるのは自分たち二人だけ。
「ええ、あとはこのまま斬れば終わりであることは分かっています。無関係の生徒を巻き込む前に、終わらせてあげましょう」
「そうするしかねえのかよ。俺は特攻も考えてる。先手は任せろ」
 無言で確認し合う二人は、空気が淀んでいくのを感じた。アスファルト、ところどころはげかかったライン。影を伸ばす塀代わりの木々。
 そして、
「こんばんは」
「おねえちゃん」
「ゆかりだよ」
 ゆかりちゃんが、はちにん

 宣言通り先手を取ったのは供露であった。群がるように手を伸ばしてくるゆかりちゃん達。 彼女達は一斉にその両手を丸め話しかける。
「みぎてはおかあさん。おかあさんただいま!」
「ひだりておとうさんはおしごとお帰りなさい」
丸めた手、腕、そしてゆかりちゃん達全体を覆い尽くす黒い影からは、彼女、彼女たちの望んだおとうさんとおかあさんが黒ずみ、歪み現れる。
『ゆかりおかえりなさいあのひとをころしましょうね』
『おとうさんつかれたよあのひとをころしましょうね』
 戦力が増えたことに対する脅威を感じる前に供露は怒りを覚えた。畜生、と呟き覚悟を決める。
「……対象確認。蹂躙しろ」
 ユーベルコード:軍勢跋扈(レギオンレイド)の発動。空中にはゆかりちゃんとその両親を超える数の自律可動式戦闘兵器が浮かび上がる。
「全員だ。全員を攻撃しろ」
『ゆかりころしししししししししし』
『ぱぱいたいいたいいたいいたいかみさまいたいいたいいいた』
 レギオンによって両親は薙ぎ払われ、呆然と立ち尽くし泣いているゆかりちゃんごと消し去ろうと次の態勢に移行する。
「数で押し潰せ。何もさせるな。ただ眠らせてやれ……頼むよ、レギオン」
「おとうさんおかあさんころさないでえええええ」
「ゆかりのおとうさんおかあさんどうしてどうしでどうじどぇえ」
「ひどいひどいひどいひどいじどいびどいいいい」
 ひどい、ひどい、ひどいと大声で泣き叫ぶその声には耳を傾けず……いや、聞きたくなかったのかが正解かも知れない。しかし、このままだと同じ猟兵が攻撃を受ける。迎撃のためにと花鳥は迎撃態勢に入る。
「……集中です。よし!」
 背後で花鳥はその場には持っていない剣を抜刀し、そのままゆかりちゃん達の元へと捨て身の一撃を放つように間合いに踏み込む。その瞬間、自分から見えない刀の届く範囲までゆかりちゃん達を包み込むような、清廉な空気が球状に集まる。
「……これで、安らかに」
 花鳥のユーベルコード:居合域(イアイイキ)により、その場にいたゆかりちゃん達は消え去った。

「……あの叫びは、受け止めなければいけなかった」
 これから先も、まだゆかりちゃんは現れ続ける。そうわかってはいるが、と花鳥は俯く。
「覚悟を決めてたとはいえクソ邪神……!」
 二人は後に続くであろう猟兵達に連絡をはじめた。

【ゆかりちゃんをなのる子供が集団で襲い掛かってくる】

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

月隠・三日月
子ども……違うね、オブリビオンか。周りに高校生がいたら逃がさないとね
高校生がいたら、早く逃げるよう声をかけよう。声で男だとばれてしまうだろうけれど、女装を続けている場合ではないからね

《妖刀》を抜いて【羅刹旋風】で攻撃力を高めてから攻撃するよ。隙を突かれたくはないから、刀を振り回す時間は短くしよう
羅刹旋風を使うと攻撃を当てづらくなるから、この際しっかりと狙いを付ける必要はないかな。沢山いる敵のどれか一体に当たればいいくらいの心積もりでいこう。私は器用な戦い方ができる方ではないしね

罪を償う……というと、風紀の女王の彼女かな。他者に贖罪を求めて自らが罪を重ねる、なんて愚を犯していないことを願うけれど


水瀬・和奏
近くに一般生徒がいれば避難を促しながら戦闘開始

『制圧射撃』で援護射撃
持ってきた武器を使い分けて相手の動きを抑え、味方が仕掛ける隙を作ります
遮蔽物や高低差があればそれもうまく利用

あれはゆかりちゃんじゃない、よく似た化け物です

※アドリブ可

≪以下PLの推測 間違ってたら笑って流してください≫
【菫青】が【金剛家跡】で【邪神復活の儀式】をしようとしている?
菫青さんは自分が声をかけた生徒を生贄にしてきたのではないでしょうか
ただ、菫青さんに復讐とかそういう意図はなく、正義を為そう(=罪を償わせよう)としているだけなのではないかと
…その正義が「正しい」かどうかは別として


ウーゴ・ソルデビラ
『自分の事は自分で決着をつけさせる』。俺も大いに賛成だぜ。
だが、この『決着』は誰も喜ばねえよ。とても正義とは言えねえな。

ユーべルコードはガチキマイラを使用。拳をライオンの頭部に変形。

味方の攻撃に合わせて、攻撃を一体に集中して確実に倒す。
ただし、POWの技が使用された場合、解除を優先する。

WIZの技を喰らい過ぎた場合、効果範囲から離脱するor
味方の回復の範囲に入る。可能であれば両方行う。

【菫青】が【金剛さんの家】で【自決】をしようとしている?
金剛宅へ行って、「野生の勘」+「忍び足」を駆使して念の為調べるぞ。
行方不明者の荷物とかが出てきたり・・すんのか解んねーけど探してみる。


数宮・多喜
【アドリブ・改変・連携等大歓迎】

くっ!後手に回るのは痛いねぇ…!
とにかくアタシは他の連中のバックアップ!
金剛の屋敷の周囲を電撃で囲い、聖句を唱える。
範囲が広いから収束もまばらで威力は落ちるだろうけど、
ヤツらが街中へ出て暴れるのをなるべく抑え込む。
後は任せたよ、みんな…!

電撃の檻の維持で手一杯だろうから、
他の誰かにお願いできるならしたいこと。
テレパスでも事前連絡でも伝わってくれるといいんだけどね…!
金剛はたぶん、この騒ぎの隙に【自らを最後の供物にする】はず。
【柳の木の下】で、【自ら首を吊る】か…?
とにかく、どの女王もひとりにしちゃダメなんだけど
【菫青】は特段にマークしないと!



【ゆかりちゃんがにじゅういちにん】
 聖羊(セイラム)駅西口へと向かい始める生徒達が増えてきた。
「ゆかりちゃんをなのる子供が集団で襲い掛かってくる……予想していたとはいえ、これから来るゆかりちゃんは、ゆかりちゃんじゃない」
 よく似た化け物です、と呟くのは水瀬・和奏(重装型戦闘人形・f06753)
「オブビリオンとの戦闘に生徒を巻き込むわけにはいかないし、まずは生徒さん達を逃がさないと」
 声をかければ女装していたと分かってしまうが、今はそれどころではないと月隠・三日月(黄昏の猟兵・f01960)は避難させる方法を考える。
「なんかいい方法はねえかなあ……」
 と思案するのはウーゴ・ソルデビラ(吸血鬼マイラ・f09730)だ。
 三人が歩いていると4人の生徒達が談笑していた。
「ごきげんよう、あの、先程向こうで事故があったみたいで遠回りした方が早く駅までいけますよ」
「うん、私もさっき見たけど、片付くまで時間がかかりそうだったかな」
 和奏はその場で思いついた理由を使い生徒に話しかけ言いくるめ、それに三日月が便乗する。生徒達はあらそうなんですか、ありがとうございますと口々にお礼を二人に言って別の道へと歩いていった。避難は上手くいったようだ。
「意外にばれないものなんだね」
「他の奴の事なんて案外気にしねーって奴かもよーってか」
始終を見ていたウーゴは真っ先にその野生の勘によって気が付いた様子で、二人に低い声で話しかける。
「来るぞ。群れだ……10は超えている」

 くすくすくすくすくすくす……その笑い声は何重にも響き渡った。
「おにいちゃんこんばんは」
「おねえちゃんもこんばんわ」
「おにいちゃんもこんばんわわこんばん」
「ゆかりをたべてしんでゆかりをたべてしんでゆかりをたべてしんでゆかりをたべてしんでゆかりをたべてしんで……」
 うわごとのように、えほんをよむように、たのしそうに。
 ゆかりちゃんがにじゅういちにん。

「きいてひどいんだよゆかりはちにんもしんじゃったの」
「ひどいよ、ひどいよ、ひどいよ」
「えーんえーんえーんえーんえーんえーん」
「ちっ……よくわかんねーけど記憶でも共有してんのか。速度なら俺が勝つ。ってことで行くぜ!」
 ウーゴはユーベルコード:ガチキマイラを発動させる。その両拳が膨れ上がったかと思うと、ライオンの頭部に変形する。
「その頭かみ砕いてやるぜ!」
 ゆかりちゃんの群れへと駆けるウーゴの後ろ姿を見ながら和奏は隠し持っていた<<マークスマンライフル>><<ベアキラー>>を取り出す。おそらく、彼女達の嘆きは全体に響く攻撃となる。
「ならば……ここは私が抑えます!」
ユーベルコード:制圧射撃(セイアツシャゲキ)による切れ目のない銃弾の雨。
「いたい!いたい!」
「ちがでてるちちちち、ちまみれ」
 その攻撃に足を止めるゆかりちゃん達の群れを薙ぎ払い、より銃弾を浴びている個体からその頭を次々にライオンは食いちぎる。住宅街にある塀や近くにあった自販機などを移動しながら和奏はウーゴの支援をする。気が付くと、その場にゆかりちゃんの姿はなかった。
「よっしゃ、これでここは――ぁ、ああ!」
 ウーゴの歓喜を、拳のライオンと茶色の髪を巻き込んで燃やすのは
「これねゆかりのてがみなのおねえちゃんにわたすの」
「みてみてみて」
 死角にいた3にんのゆかりちゃんによって放たれた火であった。
「くっそいってえ!」
 一瞬よろめき、ウーゴは体勢を立て直そうとする。その時、彼を抱えて走っていくものがあった。
「ちょっとごめんね!下がるんだったら行きがてらてつだってもらうよ!」
 数宮・多喜(人間のスターライダー・f03004)は器用に<<宇宙カブJD-1725>>を運転し、ウーゴを片手に去っていく。
「彼をどこに!」
 残りのゆかりを倒すため器用な戦い方ができる方ではないと考えながらも<<妖刀>>を握り、攻撃態勢をとっていた三日月が叫ぶ。
「金剛の家!あそこでゆかりちゃんを食い止めてみる!」
 振り返った数宮の「金剛」という言葉に和奏も三日月も反応し、ゆかりちゃんへと視線を向ける。
「ゆかりのおうちはぱぱとままとおねえちゃんのものだよ」
『そうだねゆかりこいつらをころしてたべてまたしんであげるよぱぱは』
『おとうさんはやさしいわねそうねまたくりかえしましょうゆかりゆかりおいしいゆかり』
 ゆかりちゃんの影から現れるちちとははのような物体はぐにゃりと輪郭を歪ませ、近づいていく。
「ここで、あなたたちはお終いだ。……さようなら」
 三日月はユーベルコード:羅刹旋風を発動させる。殺傷力を高めた<<妖刀>>による斬撃は、ゆかりちゃん達を一瞬にして消し飛ばした。
「ゆかりはつみつみつみつみみみみみっみ……」
 最期までうわ言のようにつぶやくゆかりちゃんが消えるまで、二人はその光景を見ているしかなかった。

「他者に贖罪を求めて自らが罪を重ねる、なんて愚を犯していないことを願うけれど」
「罪を償わせる……菫青さんが行いたいのは、過去や男性に対する復讐ではなく、罪を償わせる正義」
それは正義。『ただしい』のか。二人は金剛家に向かい始めた。



「おいこら味方なら味方っていえ!まあ途中で回復したのはいいけどよ」
 立ち入り禁止の屋敷、金剛と表札の貼ってある家から次々に現れるゆかりちゃんを何体かガチキマイラで食べ、回復したウーゴに数宮は笑う。
「いやーごめんごめん、ちょっと別の場所に行ってたら余計に時間かかっちゃって」
 発動に時間がかかるから手短にごめんね、と数宮は言って説明する。
「ゆかりちゃんが跳ねられたっていう柳の木の下で菫青が自分を最期にって首つってるもんかと思ったけど」
 そこには何もなく。しかし柳の木の辺りを見てみると
「白骨化した死体があったんだよ。多分、元からあったっていう宗教の団体の人のかね」
 じゃあと聖句を唱え始める数宮を横にウーゴは考える。勘だが。
(邪神って奴を独り占めしたくて殺したとかか?こえー世界だな、おい)
「ashes to ashes,dust to dust,past to past...収束せよ、サイキネティック・プリズン!」
 数宮のユーベルコードが発動し、電撃の檻が屋敷を包む。
「あああああががががあああ」
「びりびりびりびりびり」
 思惑通りゆかりは出られなくなり、焦げ付いて消えていく。
「檻に入るのってちょっとやだけど侵入いくぜ」
「頑張ってね!」

 屋敷のあちこちからでてくるゆかりを避けながら、ウーゴは庭にたどり着いた。
 辺りには血の付いた制服と、何台もの携帯電話。
「間違いねえなこれ、えっと『金剛家の庭先』……ん?」
 ウーゴは気が付いた。ゆかりちゃんがいなくなっている。

 そして、屋敷の扉がゆっくりと内側から開けられた瞬間を見た。

【皆!金剛家に集合!】

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『『灰霞の剣』ヴォル・ヴァ・ドーズ』

POW   :    焔を焚く者
真の姿を更に強化する。真の姿が、🔴の取得数に比例した大きさの【灰色の焔 】で覆われる。
SPD   :    灰霞の剣
【灰霞の剣 】が命中した対象を燃やす。放たれた【霧とも霞とも見える灰塵の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
WIZ   :    焔・灰・剣(BLAZE ASH BLADE)
【焔か灰か剣】が命中した対象を切断する。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は吾唐木・貫二です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


【はいになるせいぎとぎせい】
 埃に塗れた玄関からリビングをぬけ和室を改装したらしき大きな部屋。
 その奥に家族4人の幸せそうな写真が散乱し、胎児の様に横たわる少女がいた。
 そこまで猟兵を導くかのように玄関から部屋まで夥しい血痕、もはや一本の線が引かれている。
『ごきげんよう。私は金剛あかりです。私は神の教えを信じてきました』
『実の所、正義とは、罪でしかありません。正義を信じた父と母は妹を食べました』
『それでも神は現れませんでした。教祖を殺して、儀式の通りにしたのにと泣き叫んでいました』
『つまるところ、正義を騙っていた父と母は罪人でしたので、ならば罪を償えと包丁を渡しました』
『そうして真の神が現れたのです。正義の名で私は神の下に彼女達を連れてはいきませんでした』
『正義は存在している限り罪なのです。罪を償わせることで正義が産まれるのです』
『それでは皆様ごきげんよう』
 大分出血したのかと裏掲示板に書き込みながら薄れゆく意識の中で、菫青あかりは微笑む。
「あ、ああ、……あなたさまの、ほんとうのなは、ヴォル・ヴァ・ドーズ」
 力尽きた笑顔の死体を包み込むかのように炎は上がり、死体から剣が伸び、それは産まれた。
 しかし、『灰霞の剣』ヴォル・ヴァ・ドーズは狂っていた。
 誰の願いも叶えない。

●緊急展開;グリモアベース
 今回もお時間がございませんので説明は簡素かつ明確に。
 アルム・サフィレット(愛し子を抱えし宝石人形・f02953)は真剣な眼差しで猟兵を送り出します。
 『焔を焚く者』あるいは『灰霞の剣』の真名はヴォル・ヴァ・ドーズ。
 本来であれば真名を呼ぶこと自体で排除は可能でした。しかし、邪神の求める愛が満たされたと同時に菫青、否金剛あかりの思念まで愛と取り込み不完全な状態で召喚されています。倒すしかこの事態を収拾する方法はありません。

●愛し子様情報
 ヒャッハー!またあったな!
 色々あってこういう結果になったんだ。
 あとはやる事やっちまえだぜ!腹話術じゃねえからな!
・今までのシナリオで起きた出来事、情報は全て緊急展開;グリモアベースでアルムより説明があります。
・戦闘は屋敷の奥の改造された和室。広さは柔道場を半分ぐらいにしたもの。大きく動く跳ねるは遠慮なく行えます。
・戦闘終了後、辺りには『幸せだったころの4人家族の写真』が散らばっています。
・シナリオの最後ではアーカム女学院で緊急集会が行われ、UDC職員よる記憶操作により菫青は海外留学扱いになります。
・各NPCにその前に会うのも、写真をどうするのも自由です。お名前を出しての描写が出来る保証はありませんが記載があればエピローグとして採用します。
・連続で参加される場合、エピローグの行動を再度記載する必要は不要です。
玄崎・供露
正義だの罪だのごちゃごちゃごちゃごちゃうっせえんだよクソが。カミサマ信じるんならまともなのを信じろっての……あんなのを使う連中はぶっ潰されても仕方無ねェだろうが

不定形の輩なら核ごと纏めて小さく押し潰すっきゃ無いな……ユーベルコード『エレクトロレギオン』で囮になるレギオンをばら蒔きつつ本命のユーベルコード『空間の腕』の発動射程距離30センチを満たすため全力で接近する。『激痛耐性』『捨て身の一撃』技能を使ってなんとしてでも成し遂げる。その『覚悟』は足りてる

戦後処理は他のに任せる。俺ァ疲れた

※アドリブ、ダメージ描写、連携などご自由に、個人的には大歓迎です


月隠・三日月
ああ、この出血量じゃあもう駄目だね。命を賭してまで化物を召喚する人の気持ちはわからないけれど、彼女はそれほどまでに追い詰められていたのだろう

【妖刀解放・大太刀】で《妖刀》を大太刀に変化させて戦うよ。精神力を喰われるから疲れるけど、気にしていられる状況じゃない
生物にすら見えないあの敵を刀で斬れるかはわからないけど、物は試しと言うからね。思い切り、バッサリいかせてもらうよ

散らばった絵……写真、というのだったかな。写真は集めて、可能なら、UDC職員の人に頼んで菫青さんの親族に届けてもらいたい。『写真』というのは、生きている人が昔を懐かしむためのものだろうから。何も残らないよりはきっと、少しだけましだ



【はいいろのほのおにちかづくもの】
 『灰霞の剣』ヴォル・ヴァ・ドーズは狂っていた。意思も、感情も、全ては混沌の中、たった今生まれ、そしてたった今狂った。
 そしてその誕生の瞬間を見たものは二人。
「正義だの罪だのごちゃごちゃごちゃごちゃうっせえんだよクソが。カミサマ信じるんならまともなのを信じろっての……」
 黒いマスクの下から、そう呟くのは玄崎・供露(テクノマンサー・f05850)
「……あの、出血量じゃもう駄目だね。命を賭してまで化物が生まれた」
 黒い髪の下から1対の黒い角を生やす月隠・三日月(黄昏の猟兵・f01960)がそれに答える。
「あんなのを使う連中はぶっ潰されても仕方無ねェだろうが」
「そうだね、彼女はそれほどまでに追い詰められていたのだろう。でも、それでも化物を召喚していい理由にはならない」
 三日月は手にしていた『妖刀』を構え、戦闘態勢をとる。
「けっああいう不定形の輩なら核ごと纏めて小さく押し潰すっきゃ無い。こっちにはその手段がある。先行はこっちが貰う」
「刀で切られるものであれば構わない。武運を」
「はっ、化物相手にわざわざ覚悟決めなきゃいけねえってのは腹が立つが、まあいい……じゃあ、行かせてもらう」
 至近距離まで接近するために、まずはヴォル・ヴァ・ドーズの懐まで接近しないといけない。ユーベルコード:エレクトロレギオンで召喚された無数の機械兵器が部屋全体を覆い尽くす。
「――――ァ、ァ」
 ただ揺らめく焔、或いは剣のはずなのに、どこからか声のような、呻きのような何かが響き渡る。それはまるで、少女の口ずさむ歌のようで。
(……召喚者とまだ完全には離れてねえっていうのか糞カミサマってのはよ!)
 身をよじるような動きを見せるヴォル・ヴァ・ドーズから放たれる灰によって撃墜されていくエレクトロレギオン。その残骸を踏み越え、あと僅か30センチでその身に焦がされる位置まで供露はヴォル・ヴァ・ドーズまで接近できた。
「カウント開始。……いまだ、なぞれ。」
そのまま指でヴォル・ヴァ・ドーズを切断する動きを見せると、そのまま空間が裂けたかのように、その体が切り裂かれる。
 供露のユーベルコード:空間の指(アクマノユビ)の発動条件が揃い、ヴォル・ヴァ・ドーズのいた空間そのものが攻撃対象となった。
「こういう攻撃は効くって訳か。じゃあ後は」
「ああ、……こちらが。得物は大きい方が有利、だろう?」
 駆けだした供露の後を追っっていた三日月のユーベルコード:妖刀解放・大太刀(ヨウトウカイホウ・オオタチ)によって大太刀がその空間に現れる。ヴォル・ヴァ・ドーズは殺傷力を増した真の剣、否刀から放たれる斬撃にその身を吹き飛ばされる。
「――――イタ、ァ」

 二人の猟兵により、まずはヴォル・ヴァ・ドーズに対し物理による攻撃が通じることが分かった。
 全くの無傷で一度引き下がる三日月達は、ひらひら舞い、地面に散らばる何かをみつけた。
「あれは……あの絵は、写真というものだったかな」
「ああ、それであってる。俺ァ疲れた。この後のことは任せるから好きにしろ」
 供露が無関心に毒づく中
「写真……」
 残されたもの、あれがヴォル・ヴァ・ドーズの手によって燃え尽きえる前に終わらせないと、と三日月はふと思った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ウーゴ・ソルデビラ
けっ、胸糞悪ィな。結局、糞邪神の思い通りかよ。今から自分の事しでかしたことに決着をつけさせてやんよ。死んだ奴らにあの世で詫びやがれ厄病神!!

他の猟兵と組んでヴォル・ヴァ・ドーズをタコ殴りにしてやる。
命中重視の【寝苦露腐悪慈威・有獲奔】で【2回攻撃】。
攻撃は【野生の勘】で躱し、ピンチの味方が居れば【かばう】。

無事にヴォル・ヴァ・ドーズを倒せたら、の話だが
一応、助けて貰ったんで知識の女王星葉に一言礼を言いに行く
(行方不明者の)荷物は見つけたから、後は警察が何とかする
だろ、とだけ伝える。
帰り際に一つだけ。・・やっぱり、変装だってバレてたか?
笑いを堪えるの大変だっただろ、と言ってさっさと居なくなるぜ。


数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】

間に合わなかった…彼女の心を、生きてる内に救えなかった!
くっ、それでもやるしかねぇ!
危険なのは承知の上で、邪神とのテレパスリンクを試みる!
ヤツの攻撃衝動をそれで探知して周りに注意喚起しながら、
残っているはずのあかりの思念を探すよ…!
だって、こう言ってやらなきゃ気が済まない!
「正義だ罪だ、そんなのアタシは分かんないさ。
ただ一つ、アタシは…アタシたちはアンタも救いたかった!
だけどな、時計の針は戻しちゃいけない。
起こった事は、起こった事として受け止める。
それが猟兵さ。過去を弔うものさ。
これはアタシたちが背負うべきモノ。
アンタは身軽に行けばいい。
…本当のゆかりちゃんの所へさ…!」



【はいいろのほのおにふれるもの】
 猟兵達の攻撃によりその焔の勢いは衰え、召喚者とは別の方向に吹き飛ばされた『灰霞の剣』ヴォル・ヴァ・ドーズ。
 しかし、未だにその姿は消えることなく、焔の中に幾つもの目のような器官が生まれ、目を開く。その目がとらえたのは二人の猟兵。ウーゴ・ソルデビラ(吸血鬼マイラ・f09730)と数宮・多喜(疾走サイキックライダー・f03004)だ。
「間に合わなかった…彼女の心を、生きてる内に救えなかった!」
 多喜は悔しそうに呟き
「けっ、胸糞悪ィな。結局、糞邪神の思い通りかよ。今から自分の事しでかしたことに決着をつけさせてやんよ」
 ウーゴは憎々しげにヴォル・ヴァ・ドーズを見開く。
「俺はこうなったらタコ殴りにしてやる。攻撃されたら野性の勘でなんとかなんだろ」
「いや、あたしがユーベルコードで……一か八かだけど、ユーベルコードであいつの動きを読んで、あかりの思念を探す。それで回避はできるんじゃないかい?」
多喜の提案にウーゴは驚く。おいおい、本気かよといいかけて、多喜の決意が変わらないことを理解した。
「オーライだぜ。まあせいぜいナビゲートよろしくって所だ。なんかあったら庇うぜ」
「…ああ」
「んじゃよ……死んだ奴らにあの世で詫びやがれ厄病神!!」
 足音も気配も分からないダッシュでただただそのからだをよじらせ、ねじらせているヴォル・ヴァ・ドーズの元へとウーゴは駆けだす。
「正義だ罪だ、そんなのアタシは分かんないさ。ただ一つ、アタシは…アタシたちはアンタも救いたかった!だけどな、時計の針は戻しちゃいけない。起こった事は、起こった事として受け止める。それが猟兵さ。過去を弔うものさ。これはアタシたちが背負うべきモノ。アンタは身軽に行けばいい。…本当のゆかりちゃんの所へさ…!」
 駆けだすその後ろ姿を眼で追い、多喜は悔し気に、生きている間にこう言ってやりたかったとばかりに呟く。
「だから……悪いね、アンタとは繋がりたくないけど、つながせてもらう」
多喜のユーベルコード:超感覚探知(テレパシーリンク)により、まずヴォル・ヴァ・ドーズがその目でウーゴを捉え……
「剣で右側から襲ってくる!炎付きだ除けな!」
 ウーゴはその声に、その通りにヴォル・ヴァ・ドーズから生まれ、飛び出してきた灰霞の剣を避ける。床に突き刺さった剣は灰色の炎と共に灰へと還る。
「けっ!こんな攻撃でウーゴ様をやるとはなめられたもんだな。……使えるモンは何でも使うぜ!」
 ウーゴのユーベルコード:寝苦露腐悪慈威・有獲奔(ネクロファジー・ウェポン)の発動。両手の爪が硬化し、その色や形を大きく変化させ、体に不釣り合いなまでな大きさになる。
「本当の攻撃って奴を見せてやるぜ!」
 ウーゴは正確に、まず、右手でヴォル・ヴァ・ドーズの目の部分を抉り
「――ゥ、ゥ」
「そんでもってこれで!」
 左手で足元を薙ぎ払うようにその不定形な体を絡み取り、抉り、横倒しにする。
(あついあついあついあついいたいいたいいたいいたいいたい)
「こ、これは……あかりちゃんの意識が」
(ごめんなさいゆかりごめんなさいみなさんもうすこしですわたしはばけものですもうすぐおわりますはいがふります)
「次は灰が来る!避けろ!」
 異形の爪を使い素早く天井へと避けることによって全くの無傷で戦線を離脱し、多喜のいる場所まで下がってきたウーゴに多喜は良かった、と声をかける。
 そして、もうすぐだとも伝えた。
「ふん、俺様の攻撃が見事に命中したおかげでこれであと少しって訳か」
「ああ……終わりだ、と本人が、否、あかりが言っていた」
 もだえ苦しむ『灰霞の剣』ヴォル・ヴァ・ドーズ。
 その狂いが終わるまであと少し。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
【アドリブ・改変・連携大歓迎】

あと一押し…なら、行くしかないね。
なるべくテレパスは維持。ただし集中できなさそうだったら解除する。
奴の剣を押さえつけるように、電撃を放つ。
もうすぐだ。もうすぐ、終わらせるから…
そう祈りながら陣を紡ぐよ。
聖句を唱え、電撃の檻に邪神を閉じ込めたなら…
あとは皆、任せたよ。
とどめを…刺してやんな!

全てが終わったら、藍玉さんへは…
「行方不明だった子の遺品を菫青さんが探し当てて、保管してた。
でもそれを誘拐犯に気付かれて…手遅れだった」
と、真実を伏せようとする。
まあ、真実を明かしたいという意見があったらそっちを尊重するよ。
多分すぐバレるだろうからね。

まったく…因果な仕事だよ。


水瀬・和奏
…やっぱり、手遅れでしたか。
なら、あとは…せめて、あかりさんがこれ以上コイツに利用されないようにするだけです。

攻撃力重視のガンラック・ガールで攻撃
命中率は【2回攻撃】で補う
攻撃は【地形の利用】と【見切り】で回避

…「次」があるのなら、今度はこんな事になりませんように。

ヴォル・ヴァ・ドーズを倒したらもうあの学校にも用事はありませんし
挨拶を済ませて、転校なり記憶処理なりでうまい事いなくなりましょう


…本当に、この世界の「かみさま」はロクな事しないんですから。

※アドリブ・連携歓迎


古高・花鳥
とりあえず、真っ先に刀を持って来なければ

参戦遅れましたが、わたしは支援に徹底します
剣に焔に灰、殆どが飛び道具ならば!
【居合域】により軌道を「見切り」ながら「かばう」要領で撃ち落とします

終われば、先に玉髄さんの元へ
もう安心していいこと、これまで生徒さんのことを考え続けていたこと、ずっと耐え続けていたことに精一杯の感謝と労いを
そして、昼食のお誘いは、きっと先になってしまうと
ちゃんと伝えなければ

……それから、金剛家のお墓
場所を聞けるようであれば、写真を一枚、供に行ってもいいでしょうか
きっと意味もなく、自己満足なのでしょう
それでも、願い続けます
どうか、違う世界で幸せに過ごし続けられますように……



【はいいろのほのおのさいご】
(さいごにしてくださいさいごにしておわらせていたいいたいおわりおわりあいしてますあいしてます……)
 身悶えする『灰霞の剣』ヴォル・ヴァ・ドーズに呼応するかのように、金剛あかりの意識らしきノイズが数宮・多喜(疾走サイキックライダー・f03004)の頭を襲う。
「終わらせる……これで終わらせる」
 何とか向こうに、あの焔に飲み込まれないようにするには。テレパスを解除した数宮の傍には二人の少女がいた。
「猟兵かい!」
「やっぱり、手遅れでしたか」
 水瀬・和奏(重装型戦闘人形・f06753)は軽々と手に取っている『対UDC用重機関銃"ミンチメーカー"』等銃火器の整備を済ませながら
「真っ先に必要なのは刃……参戦遅れましたが、これで終わらせます」
 古高・花鳥(月下の夢見草・f01330)はヴォル・ヴァ・ドーズを見上げる。
こうして、最期にヴォル・ヴァ・ドーズを灰へと帰す猟兵達は揃った。その白百合たちに幸福あれ。

「あたしと水瀬さんが遠距離、そんでもって」
「剣に焔に灰、殆どが飛び道具ならば、私が懐にて切り裂きます。それで終わらせられるのであれば」
「だとすれば、銃撃は攻撃力を重視して、向かってくる攻撃は」
「ああそれは平気だ。檻で閉じ込める。銃弾を掻い潜ってそのままばっさり。がいいね」
 数宮は天に祈るように精神を集中させ、聖句を唱える準備をする。
「――――ォ、ォ、ァ」
 その空気を悟ったかどうかは分からない。しかしヴォル・ヴァ・ドーズの体から灰色の焔が燃え上がり、猟兵達へと襲い掛かろうとにじり寄り始めた。
「気が付かれましたか……では、状況を開始します。目標を確認、安全装置解除。……射撃始めます」
 和奏のユーベルコード:ガンラック・ガールにより、彼女が装備、或いは内蔵されていた全ての銃火器が火を噴く。灰色に揺らめく炎が迫る度に重ねて銃撃を行い、すでにめくれあがっている部屋の床の残骸を上手く盾にし、その焔の残骸を回避する。
「……本当に、この世界の『かみさま』はロクな事しないんですから」
 和奏が呟くのと同時に、空中からぱちりと火花が上がる。それは段々と青白い電撃と姿を変え。
「ashes to ashes,dust to dust,past to past...収束せよ、サイキネティック・プリズン!」
 数宮のユーベルコード:黄泉送る檻(サイキネティック・プリズン)によるサイキックブラストによる束縛。言葉を発するナニカすら焼き切れてしまったヴォル・ヴァ・ドーズは、身悶えしながら灰霞の剣を振り回し、炎をあちらこちらにまき散らす。しかし、電撃の檻と銃弾の前に炎はかき消される。
「ふぅーっ……集中!」
 焔、炎、銃弾、電撃。全てを見切りながら、精神を集中し、花鳥はヴォル・ヴァ・ドーズの元へと駆けよる。花鳥のユーベルコード:居合域(イアイイキ)の発動。球場に広がる領域内に存在するすべての存在を瞬時に斬り、そして、その刃は焔。灰、そして剣をも封じ込める。
「……終わらせます」
ヴォル・ヴァ・ドーズごと空間を切り裂くように刃は動き、
「ええ、これで、お終いです」
 和奏の体から、そして携行していた銃器から放たれた銃弾がサイキックブラストの青白い光に照らされ、全てがヴォル・ヴァ・ドーズに命中する。突然、風が強く吹き込み猟兵達3人は床に伏せた。しかし数秒経っても何も起きない。灰は降らず埃が舞うのみ。
「終わり……ましたね。これで、ようやく」
 ヴォル・ヴァ・ドーズの焔が掻き消えた際の最期の咆哮だったのだろうかと和奏は慎重に銃を構えながら辺りを見回す。
 そこにはもう、『灰霞の剣』ヴォル・ヴァ・ドーズは存在してはいなかった。
 ただ、写真がひらひらと舞っていた。

【さいごの緊急集会】
 金剛あかりによって召喚された『灰霞の剣』ヴォル・ヴァ・ドーズは猟兵達の活躍により、消滅した。 旧金剛家での戦闘は”空き巣と思われる人物の放火事件”として、邪神を信仰していた菫青は今日”海外留学のため出国”というシナリオでUDC職員による記録処理計画は実施される。
 放火事件を起こした不審人物に対する緊急集会として、■立聖アーカム女学院の生徒達が講堂に集まる。
 その幕間。

●知識の女王
 思い返してみれば、随分と人とあっていた気がすると星葉は『相談を受けた子達のリスト』を破りながら思う。
 朝日が差し込む図書室のゴミ箱に全てを捨て、講堂へと向かう。
「男性でも女性でも……動いてくれて、助けてくれた人がいた。よかったわ」
その一言を聞いた者は誰もいない。

●統率の女王
「そうですか、学食のお誘いはまた今度にいたしましょう」
どこかほっとした様子の玉髄は、それでも花鳥の返事に少し残念そうな顔を見せた。
「本当にすみません……でも、玉髄さんが忙しそうにしていらっしゃいますし」
「ええ、あかりの留学に伴う新しい風紀委員の再編、不審者対策。ここからが正念場です」
最初にあった時と同じ微笑みで花鳥に返す。
「もう、大丈夫です。玉髄さんはとても頑張っていらっしゃっていましたし、いいことがあるはずです」
思わず花鳥の口から出た言葉。玉髄は目をぱちぱちさせ……穏やかに笑った。
「いいこと、ですか。そういえば、例の裏掲示板が削除されて以来検索しても見つからなくなりました。いいことかもしれません」
それでは先生達との打ち合わせがあるので、と立ち上がった玉髄を花鳥は見送る。
「ちゃんと……伝えられたでしょうか」

●溌剌の女王
 朝早くから練習していたのか、部室から出てきた藍玉は数宮の姿を見るなり駆けつける。
「この間の……大丈夫か?」
 このことを話していいのか、まったく因果な仕事だと思いながら数宮は話す。
「例の行方不明の事件だけど……行方不明だった子の遺品を菫青さんが探し当てて、保管してた。でもそれを誘拐犯に気付かれて……手遅れだった」
 どさり、と藍玉のスポーツバッグが地面に転がる。
「あ、い、いや……そこまで、してたんだなあいつ。うん、良かった」
 やはり年頃の少女なのかと藍玉の動揺を前に真実をどこまで喋ろうか数宮は悩む。
(多分すぐバレる。けど、この後この記憶が無くなるなら全部……)
「えっと、教えてくれてありがとう。あいつ、本当に昔から無茶ばっかしてたから……数宮さん、でいいんだっけ?」
「あ、ああ」
「あいつが黙ってそこまでしてくれて、それを数宮さんが教えてくれただけでも嬉しい。これ以上は追及しない。あとは警察に任せておけば……いいのかな」
 意外な反応に数宮は驚くが、彼女は真実を知る事より猟兵を信じた。と信じることにした。

●風紀の女王菫青あかり、或いは金剛あかり
 UDC職員の調査によって金剛家には親戚がいると分かった。金剛家の宗教に対し否定的で遠縁になっていたという親戚に写真の一部は”留学前の挨拶”として送付され、どこかで飾られているという。
「そうそう、こんな風に仲のいい家だったわ」
 と親戚の誰かが目を細めた。

 そして、金剛家の墓は〓〓市郊外にあるという。
 墓の前には花鳥の希望があって供えられた写真が一枚。墓の掃除を行うUDC職員は花鳥からの言葉を思い出す。
「きっと意味もなく、自己満足なのでしょう。それでも、願い続けます。どうか、違う世界で幸せに過ごし続けられますように…… 」
 白百合の花を花立てに差し、職員は親戚へ金剛あかりからの伝言だとして墓の手入れの依頼を行い始めた。



 白百合の花に尊厳という花言葉が与えられているという。
 花壇に咲いていた白百合の花を不思議そうに眺めている黒猫。
 にゃあ、と鳴く口で『楽しめたよ』とまるで人間のような声を発したのを聞いた者はいない。
 いつの間にか黒猫はいなくなっていた。
 風は、どの場所にでもある白百合の花をそっと撫でていた。

【咲いて、散って、微笑む・完】

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月24日


挿絵イラスト