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水中迷宮の古代魚討伐作戦発令!

#アルダワ魔法学園

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●グリモアベースにて
「古代魚討伐作戦をここに発令する!」
 オラトリオの特徴である天使のような羽を背に生やしたガタイの良いスキンヘッドの大男が、叫びながらバーンと目の前の机を叩いた。グリモア猟兵でブレゴ・ミーノと名乗る彼は、机をたたいたことで驚かせてしまった周りの人たちにぺこぺこと頭を下げる。

「いや何、難しい話じゃねぇんだ。アルダワ魔法学園の地下迷宮に今まで何度も討伐に失敗している巨大魚のオブリビオンが居るんだがな、今までの失敗を糧に対策を練り、今回満を持して討伐作戦を実行することになったんだ。んで、作戦への参加者を募集しているというわけだ!」
 もう一度机をバーン!……と叩きそうになって慌てて手を引っ込めた。どうにも討伐作戦!というワードにテンションが上がって仕方がないようだ。
 ブレゴは少々興奮した状態のまま、討伐対象の説明を始めた。

 討伐対象は『骸の海のダンクルオルテウス』と呼ばれる巨大な古代魚の姿をしたオブリビオンだ。泳ぐ速度が早く、鋭い牙での噛みつきや尾撃が得意技だ。また影を纏い凶暴化することもあるらしい。
 場所は水中迷宮。一帯には地上の通路はあるものの大半が水没している。まず水中に魚型のオブリビオンが居るという点で討伐を難しくしている。
 だが一番の問題は、このオブリビオンが劣勢になると水中の奥深くにさっさと逃げ出してしまうという点だ。水中行動を得意とする者達もその速度にはかなわず、今まで何度も取り逃してしまっていた。

「そこで、このオブリビオンを確実に仕留めるべく、数々のトラップを用意した!トラップを仕掛けてこの古代魚型のオブリビオンを確実に仕留めて欲しい!」
 ぐぐっ、と拳を固めてブレゴが力強く話す。少々暑苦しい。

「用意したトラップは、錘付きのワイヤー網、電気銛発射装置、水流発生用の巨大スクリューの3つだ。水流でトラップのある場所に古代魚を流して、仕掛けたワイヤー網のところに追い込み動きを拘束、電気銛で突き刺して痺れさせよう、って作戦だな!
 本当は陸上に釣り上げるぐらいのことが出来ると確実なんだが、良い罠が思いつかなくてな……。何かいい方法がありゃ、独自にどんどんやってくれていいぜ。材料は何でも用意する!」
 要するに事前に用意したトラップを設置しても良いし、オリジナルトラップを作って設置しても良い、ということらしい。

「トラップは迷宮を進む道中に設置してくれや。古代魚は元気な間はどんどんこっちを追いかけてくるからな、見つけたら引き返して罠におびき寄せるって寸法よ。
 進むだけでも大変な場所だけど、その辺はまぁ頑張ってくんな!途中、敵の妨害も考えられるから気を付けてくれよ。」
 まずは水没している迷宮の奥深くへと進みながらトラップを設置していくことが必要になるようだ。

「じゃあ、よろしく頼んだぜ。古代魚討伐作戦、開始だ!がははは!」
 ブレゴは豪快に笑ってあなたをアルダワ魔法学園に案内した。


君島旭
 君島旭です。あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 さて、今回の依頼は古代魚討伐です。トラップを仕掛けて討伐しよう!という内容です。実はトラップは無くても討伐は可能です。ただ難易度が高くなるので失敗の可能性も出てしまいます。

 トラップは一応3種類用意しましたが、オリジナルトラップも大歓迎です!
 特にボスの特徴にあったトラップであればより効果が高くなります。出来るだけ拾っていきたいと思いますので、どしどしお寄せ下さい!

 第一章では水中迷宮を踏破しつつ、あちこちにトラップを仕掛けて貰えればと思います。基本の判定は踏破に関することのみになりますが、合わせてトラップ設置内容を提示いただければと思います。トラップの状況で第二章以降の判定に影響が出ます。
 それでは楽しいプレイングをお待ちしてます!

 PS。
 リプレイの方針についてはマスターページに記載させていただきました。
 読まずとも問題は無いのですが、出来るだけ有利になるよう考えたい!などの場合は一読していただければ参考になるかと思います。
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第1章 冒険 『深淵を目指すものたち』

POW   :    息を止める、我慢する等で深部を目指す

SPD   :    素早く泳ぎきる、安全地帯を見つける等活路を見出す

WIZ   :    蒸発させる、凍結させるなどで踏破を可能にする

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

寧宮・澪
【連携希望】
【WIZ】で攻略

おっきい、お魚さん……なんです、よねー?
泳ぐのも速いし、力も強そー、ですねー……。
んん、浅いところに追い込んで、網で持ち上げやすくできたら……地上に、引っ張れません、かねー……。

まずは踏破ー……そですねー……通れないとこは、【地形の利用】と【第六感】で、通りやすい場所狙って移動ー……します、ねー。
一部は、遺跡を【破壊工作】で埋め立てましょかー。

……遺跡、崩れないようには、計算して破壊しますよー?

罠、としてー……浅い部分へ、追い込めるようにー、付近の水没部分で、逃げれそうな部分はー……レギオン達を沈めて、待ち伏せてもらいましょー……。


メンカル・プルモーサ
【連携希望】
……ん……追い込み漁、かな……?
ひとまず、MAPを作りつつ……探索、かな。仕掛けるにしても、全体図が欲しい…
水没部分が少なければ…ウィザード・ミサイルで蒸発させつつすすんでいくね。
水中の移動は【現実を侵せし狩猟団】を召喚してそれに捕まって移動するよ…
トラップとか在るかもだし、その辺は慎重に解除出来そうなら解除
罠は、他は水中で術式を爆破させることで音や衝撃でダメージを与える…とか
かなり速いから早め早めの起動が必要になるけど……

MAPを見て…どこか行き止まり誘い込めたら……水路を崩したりで退路塞いで、水をウィザードミサイルとかで蒸発させれ無いかな…?
それが出来そうな場所は探してみるね…


フェイルシア・インパーサ
【連携希望】アドリブは歓迎いたしますわ

では罠におびき寄せる、ということで水中迷宮の道を凍らせて罠のあるところに誘導するようにしましょうか
人が乗れるアイスキューブ、もしくは氷の板などで封鎖してまいりますわ
他猟兵の方が設置している罠へ逃げ込むように、関係ない道を封鎖しておきましょう

私はできる限りその上を伝って踏破するようにいたしますわ(WIZ)
ただし氷を仕掛けたら他の猟兵の動きを阻害するところは避けて、どうしても通りたい場合は水面だけに道を作って歩いていくようにしましょうか

ではインパーサ式水上歩行法をご覧あれ、ですわ


今川・貞俊
トラップは、いくつか用意できるのかな?
陸上に吊り上げるなら、動きを拘束したところに、
巨大スクリューの回転する動力でも使ってワイヤー網ごと「巻き上げ」ればいいんじゃないかと思います。
工作は必要となるでしょうが。
後は、陸地近くでないと使えませんね…。

そうなると問題は、トラップにどうやって追い込むか、ですよね。
迷宮のマッピングを行い、水の流れとトラップ設置のベストな場所を探りつつ設置。
行って欲しくない方へは蓋をするようにワイヤー網を張って、電気銛の動力でも使って接触したら電気が流れるようにしましょうか。
少しびりっとする程度で強烈な電気である必要は無いでしょう。
後、あまり強い電気で凶暴化されても困る。



●いざ迷宮探索
「ひとまず、MAPを作りつつ……探索、かな。仕掛けるにしても、全体図が欲しい……。」
 ウェーブのかかった灰色の髪を揺らし、メンカル・プルモーサ(プルモーサ家の魔女・f08301)が地下迷宮の通路を歩く。その横には同年代の少年、今川・貞俊(スペースノイド・f09177)の姿。大人に対して少々反抗期で反発しがちなところのある彼だが、相手が同い年の少女であり、考えも同じだったという事で素直に頷き返した。

「同感だね。迷宮のマッピングを行おう。水の流れを把握して、トラップ設置のベストな場所を探りたいからね。」

 二人は頷き合い、迷宮を進みながら手元の機器に迷宮の地図を入力していく。

「水場……これなら何とかなる、かな……。私に任せて……。」

 水深の浅いところはメンカルの放った炎属性のウィザード・ミサイルで蒸発をさせてしまい、深いところは実体化させたガジェットに捕まって水中をグングンと進んでいく。

「すごいな、メンカルさん。これなら奥まですぐにいけそうだね。」
「ん!?別に……すごくはない、にょ……?」

 今川に褒められたことに驚き、慌てて答えて口調がおかしくなるメンカル。
 その後も探索は順調に進み、通路や部屋がどうつながっているか、地上部分や水中部分、また水流を確認して地図に書き込み、情報はその他の猟兵達に随時送信を行っていく。徐々にだが、迷宮の全体像が明らかになりつつあった。

●罠設置

「ここは……行き止まり、だね。でも、水中では、先に繋がってるみたい……。ここに追い込んで、水中の水路を崩せば……。」
「なるほど、古代魚を追い詰めることができそうだね。ここを設置ポイントにしよう。」

 通路の一角、行き止まりに突き当たったメンカルと今川は周辺を確認して、罠の設置ポイントとして今居る場所を仲間の猟兵に連絡をした。
 連絡を受けてやって来たのはこんな場所でも無表情でぼんやりしている印象を受ける女性、寧宮・澪(澪標・f04690)と気品を感じさせる少女、フェイルシア・インパーサ(ミレナリィドールのマジックナイト・f04276)だ。

「おっきい、お魚さん……なんです、よねー? 泳ぐのも速いし、力も強そー、ですしー……ここに網を仕掛けておいて、持ち上げやすくできたら……地上に、引っ張れません、かねー……?」

 寧宮は2人の説明を聞き、周辺を確認して網での引き上げを提案する。

「罠、としてー……浅い部分へ、追い込めるようにー、付近の水没部分で、逃げれそうな部分はー……レギオン達を沈めて、待ち伏せてもらいましょー……。」
「……ん……追い込み漁、かな……?水中で、術式を爆破させて……音や衝撃を出すことも、出来るよ……。かなり速いそう、だから、早め早めの起動が……必要になる、けど……。」

 寧宮の提案にメンカルが頷いて続ける。今川は二人の話を聞いて周辺の様子を改めて確認する。

「地上に引っ張るり上げるにしても、巨大スクリューの回転する動力でも使ってワイヤー網ごと『巻き上げ』ればいいんじゃないかと思います。手で引っ張っていたら逃げられるかもしれないですし、最悪の場合、引きずり込まれてしまいますからね。
 ただ……工作が必要になりますし、もう少し陸地が欲しいですね。ここだと狭すぎます。」

 スクリューはかなりの大きさだ、設置するにはスペースが居る。今川はそう説明する。
 メンカルは水深の浅い一帯の水場に目を付け、そこにウィザード・ミサイルを発射した。水が蒸発し、そこに陸地が出来る。

「このあたりに……スペースがあれば、いいかな……?」
「それならこのあたりの壁を壊して埋め立てましょかー。……遺跡、崩れないようには、計算して破壊しますよー?」
「埋め立てまですれば……完璧……。」
「完璧、ですねー。」

 メンカルに続いて寧宮がその場の壁を破壊しはじめ、瓦礫で今で来た陸地を補強し、水が流れ込まないようにした。どこか似た雰囲気の2人の共同作業であっという間に陸地が出来上がっていく。
 一通り作業が終わったのを確認してフェイルシアが凛とした声で話しかける。
 
「ではこの場所におびき寄せる、ということで。私は水中迷宮の道を凍らせて罠のあるところに誘導するようにしましょうか。そうですね、アイスキューブ、もしくは氷の板などで封鎖してまいりますわ。場所はどのあたりが良いでしょう?」
「このあたりは封鎖しておきたいですね。確かこちらの水路から水流が流れていたので……。」
 
 フェイルシアと今川が地図を確認しながら封鎖箇所を検討する。封鎖箇所が決まったところで、寧宮が進行方向を示した。「んー、多分こっちですねー」と曖昧な説明でマイペースに進んでいく。
 今川とメンカルはその場の工作のために残り、フェイルシアと寧宮が封鎖箇所へと向かった。

●封鎖しての誘導準備

「こちらで大丈夫なんでしょうか……?」
「大丈夫、ですよー。通りやすい場所狙って移動ー……します、ねー。」

 フェイルシアの疑問をよそに的確に地形を読んで移動しやすい経路を見つけて進んでいく寧宮。とはいえ、安全に歩いて進める場所だけではなく、深い水路にも差し掛かるが。

「ここは泳ぐしか、ないですかねー……?」

 寧宮が呟いたところで、その水路が氷り始め、一本の氷の橋を形成した。

「私の魔法で凍らせましたわ。凍らせたのは水面だけ、水面下は凍ってませんから古代魚の通行も妨げません。」
「おー、すごいですねー。これなら、どこでも通って行けそうですよー?」

 胸を張って告げるフェイルシアに寧宮が相変わらずのテンションで拍手をした。

「ふふ、お任せくださいね。封鎖する場所は水面下も凍らせますので。
 では、インパーサ式水上歩行法をご覧あれ、ですわ」

 フェイルシアは優雅な足取りで凍った水面を歩いていく。寧宮も感心した様子でその後に続いたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
SPDの素早く泳ぎきるで踏破を試みるわね。
水泳1も役に立つかしら?
ここでは目標は出てこないと思うけど、万一見つかりそうになったらユーベルコードで透明化しておくわね。

トラップは出してもらっている3種のほかに、青色に塗って見えにくくしたワイヤーネットと、人型のルアーを用意してみるわね。
ルアーで目標をおびき寄せて、ワイヤーネットに突っ込ませるつもり。
「青ネットで動きが鈍くなれば、他の罠にも引っかかりやすくなりそうね」


ヘルミナ・イェルソン
SPD
古代魚、本で読んだことはあるけれど実際はどんなものかしら。ふふ、ある意味楽しみだわ。

さて、魚と言ったら釣り、魚釣りと言ったらルアーね。水中でも目立つように鮮やかな色を使って、ついでに中に爆弾を仕込んで食いついたら爆発するようなルアーの罠を用意するわ。ふふ、爆発漁法ね!!

進む際はなるべく周囲の様子を分析して効率的に、そして安全に進んでいきましょう。時々潜水して、魚礁になりそうな所とかは要注意ポイントとして覚えておくわ。もちろん他の方にも情報共有しますね。

ルアー罠を沈めるポイントは障害物と障害物の間、適度に流れがあって、かつ、敵が通れそうな場所を狙いましょう。



●水路探索

「地図情報はありがたいわね。ここの水路は進めそう。素早く泳ぎ切ってみようかしらね。」

 ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は仲間の猟兵から送られてきた地図情報を確認して進むべき方向を確認する。一見すると街に出かける用の服装のようだが、その実、戦闘用に調整されたものだ。暗い迷宮の中にあっても青く輝くタンザナイトの髪飾りがよく映えた。

「まずは先まで進んでみるわ。姿を隠して進むから、もしも敵を見つけたら連絡するわね。このあたりには、さすがにいないと思うけどね?」
「わかりました。潜水して漁礁になりそうなところとか色々調べたいですから、後から続きますね。」

 ヴィオレッタは共に歩く眼鏡をかけた女性、ヘルミナ・イェルソン(夜を飛び越える・f02267)に告げて、念の為に自分の姿を透明化させてから、先に水路の中へと入り、素早い泳ぎで先に進んでいく。

「古代魚、本で読んだことはあるけれど実際はどんなものかしら。ふふ、ある意味楽しみだわ。」

 ヴィオレッタが先へと進むのを待ちながらヘルミナは楽しそうに呟きを漏らす。この迷宮の奥に居るという古代魚から何かしらのインスピレーションを得られないかと楽しみにしているのだ。
 暫くして、ヴィオレッタから敵の姿無し、との連絡が入る。ヘルミナは水路へと入り、なるべく周囲の様子をじっくりと観察しながら進んだ。時折、潜水しては水路内で障害物があったり、魚礁になりそうな所などをチェックしておく。少し時間をかけて進んでから、ヘルミナはヴィオレッタと合流した。

「水路の様子はどうだった?ところどころ岩みたいなのがあるのは私も見えたのだけど。」
「ちょうど障害物が並んでて水流が出来ているところがありましたよ。多分、崩れた瓦礫で出来たのね。ああいうところは漁礁になりやすいから、釣りのポイントにもなるんですよ。」

 ヴィオレッタはヘルミナの話に頷く。

「なるほど、ルアーを仕掛けて誘き寄せようと思っていたの。ワイヤーネットも仕掛けてそこに突っ込ませようとね。そのあたりがポイントとしてはちょうど良さそうね。」
「私もルアーを仕掛けますよ。魚といえば釣り、魚釣りといえばルアーです。ついでに中に爆弾を仕込んで食いついたら爆発するようなルアーの罠にするわ。ふふ、爆発漁法ね!!」
「ず、随分ダイナミックな漁法ね……?」

 テンション高く宣言し水路に入るするヘルミナの様子に苦笑しながら、ヴィオレッタも続いて水中へ。
 ヴィオレッタは古代魚の注意を引けるよう人型のルアーを設置、その先に青色に塗って水中で見えづらくしたワイヤーネットを設置する。
 ヘルミナは水中でもよく目立つ、色とりどりの鮮やかなルアーを設置していく。見た目の華やかさに反して爆弾入りの危険物だ。それらをちょうど敵が通れそうなポイントに仕掛けてから二人は陸へと上がった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ネラ・イッルジオーネ
【WIZ】

魔法的なトゥラッポラ(罠)でも仕掛けましょう。

壁や地面などに複数の簡易魔法陣を描いてオブリビオンなどの敵が来た時に、自動で私のユーベルコードの簡易版が発動するのとか良さそうですね。

攻撃を受けた古代魚には様々な審判(状態異常)を受けて、永遠に苦しんで頂きましょう。


リコリス・シュピーゲル
こちらが仕掛ける側になるのは意外ね
さてさて、捕獲作業には何がいいかしら

とりあえず水中戦での勝ち目は薄そうですし、足場を作ろうかしら
【死を謳う氷雨】で「範囲攻撃」すればそれなりに足場は確保できそうね
滑って落ちないよう、縁のところは盛り上げておきましょう
皆さんへの注意喚起も忘れずに

あとは…罠の設置よね
追いかけてくる方向がある程度読めるのなら、突破される強度の金属ワイヤーを蜘蛛の巣のようにいくつか張り巡らせて、全身に絡みつくようにしてやろうかしら
電気を流すときにより広い範囲に電気を行き渡らせるの
このお魚の柔らかいところはどこでしょうね?

絡みアドリブ等大歓迎



●2人のミレナリィドール

「こちらが仕掛ける側になるのは意外ね。さてさて、捕獲作業には何がいいかしら…?」

 水路が複雑に交差する迷宮を無表情に見つめるのは機械人形の女性、リコリス・シュピーゲル(月華の誓い・f01271)だ。人並外れ均整の取れた顔つきは作られたもの故か、このような場所でも黒のドレスを着こなしていた。

「魔法的なトゥラッポラ(罠)でも仕掛けましょう。簡易魔法陣を描いてオブリビオンへの罠にします。」

 静かに語るのは同じくドレス姿で迷宮を歩く少女、ネラ・イッルジオーネ(サンツィオーネ・ディ・アニマ・f06949)。ミレナリィドールである彼女もまた表情は無く、冷静に淡々と迷宮を観察している。

「それなら、このあたりに足場を作ってしまいましょう。水中戦をするのも勝ち目は薄そうだしね。凍ってしまうので、滑って落ちてしまわないよう気をつけてね。」

 リコリスは周囲の水路へと魔法の弾丸を放つ。水路へと着弾した弾丸は周囲を凍てつかせ、そこに氷の床を作り上げた。その弾丸を何十発と撃ちだし、十分な広さを確保する。氷の床の縁は盛り上がっており、転落防止にもなっていた。

「魔法陣は用意できそうかしら?」
「はい、これだけ足場がしっかりしていれば大丈夫です。私の罠は自動発動させられますから、他の罠と連動させるのも良さそうです。」

 ネラは氷上の床を歩きところどころに簡易の魔法陣を描いていく。
 リコリスは手元に端末に届いた地図情報を見ながら罠の設置先を考える。

「水の流れも掴めているみたいだし、古代魚が進みそうな方向は読めそうね。あえて突破されるぐらいの強度のワイヤーを張ろうかしら。進むごとにワイヤーに絡めとられて、気づいた時には全身がワイヤーに絡みついているわ。」
「それでは、ここから少し先に通路に。そこでワイヤーにかかれば水の流れにのって私の魔法陣まで泳いできそうですので。
 古代魚は随分と速いそうですけど、ワイヤーで動きが鈍れば私の魔法陣の発動も間に合いそうです。」

 リコリスはネラの指す方へと向かい、ワイヤーのトラップを設置する。

「電気を流す仕掛けもしておこうかしら?広い範囲に電気を行き渡らせるの。ワイヤーにかかったところに電気が流れてネラさんの魔法陣発動に合わせて電気も流したいわね。」
「良いと思います。私の魔法陣で様々な審判を古代魚に与えます。電流の痺れと共に永遠に苦しんでいただきましょう。」

 ネラの魔法陣は対象に多種多様な状態異常を与える効果がある。電流と合わせて古代魚にとってはまさに地獄のようなトラップになるだろうが、ネラは変わらず表情を変えずに淡々と告げるのだった。

「このお魚の柔らかいところはどこでしょうね? 電気で痺れてネラの罠に嵌ったところでじっくり見極めましょうか。」

 リコリスもまた表情を変えず、しかしどこか楽しげな声音で話す。2人のミレナリィドールががその場に罠を設置し続けた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『メカふくちゃん』

POW   :    超振動ギアヒレカッター
【高速振動する鋼鉄のヒレ】が命中した対象を切断する。
SPD   :    ふくちゃんサーチライトビーム
【目】から【ビーム】を放ち、【突然の驚き】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    どくバリミサイル
レベル×5本の【毒】属性の【鋼鉄のトゲ】を放つ。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●メカふくちゃん現る

 古代魚討伐用に多数の罠を設置し終えた猟兵達。しかし、そこにやってきたのは古代魚ではなく大量の『メカふくちゃん』であった。
 討伐せねば先へと進めないが、何よりも問題なのはメカふくちゃん達は罠へと突撃してトラップを発動させてしまうということだ。地上の物でも飛び上がってタックルをしたりもする。悪戯好きで封鎖路を崩したりすることもあるようだ。

 メカふくちゃん相手に罠を使用して討伐をしてもいいが、そうするとその罠はこの後すぐに現れるであろう古代魚に使えなくなってしまう。そのあたりの判断は自由だ。
 なお、現在は以下の罠が既に設置された状態だ。

 1.水没部分に潜む機械兵器レギオンの群れ
 2.水中で爆破する術式トラップ
 3.古代魚巻き上げ用の網と巻き上げ動力の巨大スクリュー
 4.アイスキューブと氷の坂による封鎖路(罠へ誘導)
 5.ワイヤー網と電気銛の電流による封鎖路(罠へ誘導)
 6.人型のルアーと青色ワイヤーネット
 7.爆発するルアー
 8.突破される強度のワイヤー群と電流発生装置
 9.状態異常を与える自動発動型の簡易魔法陣

 基本的には一人一つの罠を護るぐらいは可能だろう。やり方次第で同時に複数の罠を護ることも出来るかもしれない。これらの罠を護りつつ、メカふくちゃんを討伐する必要があった。

 なお、仲間の猟兵が既に護り切った罠を護りにいった場合は、近くにある別の罠を護ることになるため、特に行動に無駄が出ることはない。そのあたりは臨機応変に動いて対応するようだ。
ネラ・イッルジオーネ
真の姿はまだ私自身よく分からないですが、いつも以上の力が出せる様にします。
罠はなるべく使用しないように罠の前で立つか、罠にかかる前に行動します。

敵は多数なので、ユーベルコード『ラ・リヴォルツィオーネ・デェラ・グローリア』を放ち、主に鈍足状態などにさせてから、『2回攻撃』で『全力魔力』で杖に力を集中させてから、『範囲攻撃』でユーベルコード『ラ・ルーチェ・ディラ・フィーネ』で多数の敵を串刺しにします。

何処かの世界で聞いた。『ふぐ刺し』とはこの事なのでしょうか。



 ネラ・イッルジオーネ(サンツィオーネ・ディ・アニマ・f06949)は罠の前方へと移動し、迫りくる大量のメカふくちゃんと対峙する。

「とても多いです。これを留めるのは大変です。いつも以上の力を出せるようにします。」

 ワインレッドの輝きを持つロードライトガーネットが先端に嵌め込まれた長杖を掲げる。ネラの周囲を揺蕩う光がその輝きを強め、月の装飾を施された宝石が光り輝く。それに呼応するようにネラ自身が光を纏った。
 これがネラの真の姿の発露なのかはわからないが、いつも以上の魔力を全身に宿し、その輝きを無数の槍へと変じて水中のメカふくちゃんへと放つ。
 槍はメカふくちゃんに傷は与えないものの、その素早い動きを鈍くさせていく。

『神々の魂。古の時より蘇り。我の杖に光となり集う。天を舞う無数の剣。神光を纏い堕落せし魂を貫く。』

 迷宮の暗闇を照らす輝きと共にネラの詠唱の声が響いた。動きの鈍ったメカふくちゃん達に杖の先端を向ける。

『……――― ラ・ルーチェ・ディラ・フィーネ』

 そうして詠唱を終えると共に、周囲に無数の光り輝く剣が具現化した。それらはメカふくちゃん達の群れへと殺到し、次々に串刺しにしていく。

「ふくふくーー!!」
「ふくくーーー!!」

 メカふくちゃん達の断末魔が響き渡る。多数のメカふくちゃん達が罠へと迫る前に大きく数を減じる。罠の防衛をしやすくなるだろう。
 メカふくちゃんが剣に串刺しにされた衝撃で水中から跳ね上がりネラの足元に落ちた。ぴちぴちと跳ねてから暫くして動きを止めた。剣を放ち終えたネラは無表情のまま、しかし興味を惹かれた様子で足元のメカふくちゃんを見た。

「これは聞き覚えがあります。何処かの世界で聞いた「ふぐ刺し」とはこの事なのでしょうか。」

 ネラは首をかしげて見入るのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヘルミナ・イェルソン
SPD
守るのは爆発ルアー。そこなら周辺も実際に見ているしせっかく作った罠ですもの、本命に使いたいわ。

水も魚もメカふくちゃんも、大量に流れようとすれば狭い所にボトルネックができる事に変わりないのよね。
そう、詰まった所で一気に殲滅を試みて、あわよくば他の人の負担を減らせるように頑張るわ。

ガジェットを水中型に展開、逃げるような動きで狭い所、見つけておいた魚礁の付近へ誘導。古代魚が通れなくてもふくちゃんは通れますよね。ええ、それなら罠の範囲と重複はないはず。
誘導ができたら私も水中へ。【メモリ配分・分析】で攻撃を回避しつつ【ヴァリアブル・ウェポン】で脊椎部から攻撃回数重視の刃物を展開して叩いていくわよ。


寧宮・澪
おー……ちょっと、かわいい、かもー?
でも、罠、壊しちゃうのは、めっですよー……。

【鈴蘭の嵐】、を、罠の前に壁みたいにして防ぎましょかー。
こう、花びらの風の壁、みたいにー……。
罠は【拠点防御】で守ってー……辺りの【地形の利用】で、罠に行く進路を壁と花びらで妨害したり、封鎖路や罠ととは別の方向に、投げたり、蹴ったりして誘導したりー……。

連携できるなら、誘導や罠の前に嵐を吹かせる位置とか、調整しましょー。

攻撃は、【見切り】で避けたり、【オーラ防御】で軽減、しますねー……避けて、罠に当たらないよう、考えますよー。



「おや、綺麗ですねー。キラキラ光ってますよー……。」

 寧宮・澪(澪標・f04690)は罠が設置されているところのすぐ手前に立ち、罠の向こうでキラキラと輝くネラのユーベルコードを見ていた。それによりすぐそこまでメカふくちゃんの群れが迫っていることを確認する。

「おー……ちょっと、かわいい、かもー? ぷくぅ、っとしてますねー。でも、罠、壊しちゃうのは、めっですよー……。」
「せっかく仕掛けた爆発ルアーですもの、守り切って本命に使いたいわ。寧宮さん、後ろにいい誘導先があるんです。準備してくるので誘き寄せてもらえますか?」
「じゃあ、ヘルミナさんの方に誘導するねー……。多すぎるのは、罠のない方に流しちゃうからー。」

 ヘルミナ・イェルソン(夜を飛び越える・f02267)は寧宮に言って後方へと下がった。
 寧宮はその場に残り、まんまるとしたメカふくちゃんが近づいてくるのをぼんやりと待つ。傍から見るとぼんやりしているだけだが、実のところ最適なタイミングを見計らっていた。

「ぷくーーー!!」

 メカふくちゃんは鳴くと同時に、全身から鋼鉄のトゲを生やして寧宮へと打ち出してきた。また一部のメカふくちゃんは体当たりの勢いで水中から飛び上がってくる。

「あ、あぶないですよー? とっても悪い子、ですねー……。」

 寧宮はトゲの飛翔方向を見切り、ささっと身を屈めて避ける。一部は力場を眼前に展開することで弾いて避けて。また、飛び上がってきたメカふくちゃんは叩いたり蹴ったり捕まえて投げたりして、罠のない通路の方へと誘導した。

「寧宮さん、こっちにお願いします!この辺が狭くなってるので、流してくれると詰まってくれそうです。」

 ヘルミナはその後方、爆発するルアーを仕掛けた近くで数々のガジェットを水中に展開しながら声をかけた。

「はーい、任せてー……。そっちに誘導するねー?」

 ヘルミナにひらひらと手を振ると、寧宮の持つ装備達がスズランの花びらとなって、水路内に壁を作り上げる。罠へと続く通路一体を拠点のように固めてしまった。メカふくちゃん達は強引に抜けていくものもいるが、多くがヘルミナの方へと流されていく。

「ぷくくー!」
「ぷくー!」

 ヘルミナの方に流されたメカふくちゃん達は水中で素早く動き回るガジェットに注意を惹かれて追いかけまわした。狙い通り、事前に見つけて置いた漁礁の付近に集まっていく。それを確認して、ヘルミナは自身も水中へと潜った。

「何匹かこっちに向かってきているわね。」
『分析強化。思考の最適化、スタンバイ』

 ヘルミナの思考が高速化する。ヘルミナの姿を見つけたメカふくちゃんは目からサーチライトを放ち、あるいは鋼鉄のヒレを高速振動させて突撃をしてくるが、最適なメモリ配分により分析力と思考力を強化し、敵の動きを予測、最小限に動きで突撃を避けていく。

「狙い通りね、たくさん集まってここで動けなくなっているわ。さぁ、一気に殲滅するわよ。」

 漁礁の周辺に集まり身動きが取れなくなってしまっているメカふくちゃん達に対して、ヘルミナは脊椎部から刃物上の内臓兵器を展開、高速の斬撃を無数に見舞った。

(「これだけ殲滅できれば、他の人の負担も減るはずよ。」)

 ガジェットに引き寄せられたメカふくちゃん達を次々に斬り裂いていくヘルミナ。メカふくちゃん達はガジェットに夢中で爆発するルアーへたどり着くこともできず、そこでも大きく数を減らすのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

今川・貞俊
【連携希望】

取捨選択か。
そういう、大人の判断ってやつは、得意じゃないし、気に入らないけど…。
とりあえず、自分の仕掛けた罠ぐらいは守って見せなきゃ。

3か、5だけども…。
3は設置場所の関係上、どちらかと言えば悪戯されにくいかな。
となると、僕が守るべきは、5だ。
とはいえ、5を守るにしても、3や他の罠に向かわせないように、メカふくちゃんをひきつけるぐらいはしてみせないと。
僕だってやれるって所を、みせてあげますよ!

迷宮という場所柄、フォースセイバーで戦うことになりますね。
罠に向かおうとする敵を、サイコキネシスで引き寄せたりも出来るでしょうか。


(はじめての戦闘…。僕は、うまく、やれるのか…?)


メンカル・プルモーサ
……ん、前哨戦というか…準備運動……
でも、抜かれても困る……守らないと

取り合えず、要の3.巻き揚げ用の網&スクリュー守りにいくね……
片っ端からウィザード・ミサイルでフクちゃん撃ち落としていくよ……(高速詠唱・属性攻撃・オーラ防御)
数が多いから…どんどん撃つよ……

【現実を侵せし狩猟団】も召喚……こっちは4.アイスキューブと氷の坂による封鎖路(罠へ誘導)を守らせる……(時間稼ぎ・かばう・オーラ防御・援護射撃)正確には、他の誰かが駆けつけるまでの時間稼ぎをする……

……他の罠が破壊されそうなら…2.水中で爆破する術式トラップを機動して罠を守るね…この罠、優先順位は低いから……



「全部は同時に守り切れないか……。
 そういう、大人の判断ってやつは、得意じゃないし、気に入らないけど……。とりあえず、自分の仕掛けた罠ぐらいは守って見せなきゃ。」

 今川・貞俊(スペースノイド・f09177)は地図と罠の設置場所を確認して考える。どこを護るべきかというと……。

「古代魚巻き上げ用の仕掛けか、もしくは誘導するためのワイヤー網と電気銛かな。水中に設置している罠の方が悪戯もされやすいだろうし、僕が守るべきはワイヤー網と電気銛だ。」
「私は、取り合えず要の巻き上げ用の網とスクリュー守りに行くね……。アイスキューブと氷の坂の封鎖路も、できれば守ってみる……。」
「わかった、メンカルさん。こっちは任せて。僕だってやれるって所を、見せてあげるよ!」

 その横で同じく地図を覗き込みメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)が今川へと告げた。二人の少年少女は頷き合い、それぞれの防衛対象に向かう。
 今川は水中へと入り、ワイヤー網と電気銛の罠の前でメカふくちゃんを待ち受ける。

(「はじめての戦闘……。僕は、うまく、やれるのか……?いや、やると言ったんだ……!」)

「ぷくー!」
「ぷくくーー!」

 今川は迫りくるメカふくちゃん達を見据えて、フォースセイバーを抜き放った。

●巻き上げ用網と巨大スクリュー

「……ん、前哨戦というか…準備運動……。でも、抜かれても困る……これは要の罠だから、ちゃんと守らないと……。」

 巨大スクリューの手前に立ち、メンカルはメカふくちゃん達を待ち受ける。

「まずは、これで時間を稼ぐ……。アイスキューブと氷の坂も、守れるように……。」
『我が軍勢よ、集え、出でよ。汝は電霊、汝は猟団。魔女が望むは現を狩り取る百鬼夜行』

 メンカルの声に応え、大量の小型ガジェットがプログラムから実体化する。それらは、アイスキューブと氷の坂の方面へと飛んでいく。

「あくまで、時間稼ぎが目的……。でも、こっちは守り切る……。」

 メカふくちゃん達は地上の巨大スクリューを見つけると、水中から飛び上がりものすごい勢いで突撃をしてきた。鋼鉄のヒレが高速振動し、迷宮の壁程度ならたやすく切り裂いていく。
 それに対し、メンカルは大量のウィザード・ミサイルで迎撃した。高速詠唱からの連続斉射でメカふくちゃん達を確実に撃ち落としていく。
 元々数を減らしていたこともあり、余裕を持って迎撃を行うことが出来ていた。

「ミサイル、ちょっと余裕あるかな……。これなら……。」

 メンカルはメカふくちゃん達を迎撃しながら、封鎖路の方へも視線を向けた。

●封鎖路
「ぷくくーー!」
「ぷくっくー!」

 水中で次々に突撃してくるメカふくちゃん達を今川はフォースセイバーで切り裂いていく。元々の数から随分減ってはいたが、それでも多数であることに違いはなく、何度か横をすり抜けられそうにはなっていた。

「これが、実戦……。厳しい……体を張ってでも、止めるしかないか……!?」

 体ごと罠の敵の間に割り入り攻撃を受ける覚悟を決めた時だった。
 後方から多数のウィザード・ミサイルが魚雷のように迫り、メカふくちゃん達の数を減じていく。

「これはメンカルさんの……。ありがとう、これだけ支援があればやれる!」

 展開が変わった。今川は罠の前から身動きが取れなくなりつつあったが、ウィザード・ミサイルの攻撃が、今川が動く時間の余裕を作る。水中を素早く泳ぎ回り、罠へと近づくメカふくちゃん達を接近する前に先手先手で切り裂いていく。

「氷の封鎖路の方……!そっちにも行かせはしないよ!」

 今川はさらに前へと押し出て、アイスキューブと氷の坂の封鎖路へと進路を変えようとするメカふくちゃん達をサイコキネシスで引き付けて斬り裂く。

 メカふくちゃん達は巻き上げ用網と巨大スクリューの罠と、ワイヤー網と電気銛の罠を守り切り、アイスキューブと氷の坂の支援を継続した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​


 メカふくちゃん達の数は当初より大きく減らしている。トラップも約半数の防衛が無事に行われていた。

 1.水没部分に潜む機械兵器レギオンの群れ
 2.水中で爆破する術式トラップ
 【防衛済】3.古代魚巻き上げ用の網と巻き上げ動力の巨大スクリュー
 【防衛済】4.アイスキューブと氷の坂による封鎖路(罠へ誘導)
 【防衛済】5.ワイヤー網と電気銛の電流による封鎖路(罠へ誘導)
 6.人型のルアーと青色ワイヤーネット
 【防衛済】7.爆発するルアー
 8.突破される強度のワイヤー群と電流発生装置
 9.状態異常を与える自動発動型の簡易魔法陣
ネラ・イッルジオーネ
まだ残っているみたいですね。

残りの守れそうな罠を発動させないように、使えそうな技能を活用して、ユーベルコード「ラ・リヴォルツィオーネ・デェラ・グローリア」で敵を処理しましょう。

処理が足りないのでしたら、9の罠を発動させて通路一帯に魔法の槍を飛ばせば良さそうですね。

それとふくちゃんを1体を持ち帰って調べてみましょう。
食べられと思いますが、何かしら知識を得るのに良いかなと考えます。


フェイルシア・インパーサ
【連携希望】
ここはあの子達の悪戯好きを利用しましょうか
”9”の罠を守るように陣取りましょう

そして通路の何もないところを凍らせてダミーのスイッチを作りますわ
メカふくちゃんが悪戯が好きならこれは何かと群がってしまうでしょう

このダミーの氷スイッチをそこら中にボコボコ作って引き寄せますの
十分群がったことを確認したら、【悠久に咲き輝く愛すべき造花】でまとめて消し飛ばしてしまいましょうか

他の猟兵がいるならこちらにメカふくちゃんを誘導して頂いてもいいですわね?
取りこぼし分をこちらでまとめて一網打尽にしてしまいましょうか



……どうでもいいですがネラさんというお方、何故か私と雰囲気が似ているような(絵師が同じ)



 最前線でメカふくちゃん達の掃討を行っていたネラ・イッルジオーネ(サンツィオーネ・ディ・アニマ・f06949)がメカふくちゃん達の数が減ったところで一度引き返していた。

「あら、ネラさん。これから防衛に向かわれるのですか?」
「はい。先ほどふくちゃんをたくさん倒しましたので、後は罠を守りに行こうと思います。……えっと、フェイルシアさん。」

 途中、フェイルシア・インパーサ(ミレナリィドールのマジックナイト・f04276)に出会い、声をかけられた。ネラが簡易魔法陣を仕掛けた水路で何かの細工をしていたようだ。

「先ほどは素晴らしい攻撃でしたわ!こちらからも見えましたの。
 罠の防衛でしたらご一緒しませんか?良いアイデアがありますの。」
「アイデア、ですか?」
「えぇ、今ここにメカふくちゃんが悪戯をしたくなるような氷スイッチを仕掛けてますの。それで集まってきたメカふくちゃんを一網打尽にしますわ!ですので、ここにメカふくちゃんを誘導していただきたいんですの。」

 ネラはしばし思案顔で考える。近くのワイヤー群と電流発生装置のところで攻撃をすれば逃げてこちらに来るかもしれない。

「はい、わかりました。それでは、私はあちらからメカふくちゃんを追い立てます。」
「助かりますわ!ではお願いしますね!」

 移動中、遠方でも水中での爆発音が響いた。メンカルが仕掛けていた術式が起動をしたようだ。何か罠を守ったのだろう。

「同じことを考えていた方がいたのでしょうか。」

 ネラは首を傾げつつも気にしないことにする。目的に辿り着いたところ、水中のワイヤー群にぺちぺちと体当たりをしているメカふくちゃん達が居た。

「ここから向こうに追い立てましょう。」
『天翔ける奇蹟。集いて満ちるは栄光の槍。邪悪な魂に渾沌の審判を。
 ラ・リヴォルツィオーネ・デェラ・グローリア』

 ネラの詠唱と共にあらゆる属性の魔法の槍が宙に生まれる。大量のそれらがワイヤーに体当たりをしていた水中のメカふくちゃん達に突き刺さり串刺しにしていった。串刺しを免れたメカふくちゃん達もフェイルシアの方へ泳ぎ去っていく。

「これで大丈夫でしょうか。……ふくちゃんが水路に浮いてますね。1体持ち帰って調べてみましょうか。
 食べられないと思いますが、何かしら知識を得るのにいいかもしれません。」

 槍の状態異常で動けなくなったメカふくちゃん数匹がぷかぷかと水路に浮かんでいる。ネラはそのうちの1匹を掬い上げて持ち去るのであった。

「すごい音がしましたわ。ネラさんですね!メカふくちゃんがたくさん泳いできてますわ。」

 フェイルシアの方では仕掛けられた大量の氷スイッチのメカふくちゃん達が群がりこつこつと突いたり叩いたり頭突きをしたりしていた。

「ぷくくーーー!」

 押しても押しても反応しないのでご立腹のようだ。そこにネラの攻撃に押されて流れて来てちょっとしたパニック状態になっていた。
 今がベストタイミングと判断し、フェイルシアはユーベルコードの詠唱を始める。

『最果てより想う…かつて栄えた理想郷、朽ちて変わらぬ我が忠誠!受け継がれし騎士の奥義、今こそその身に焼き付けなさい!!』

 フェイルシアの周囲に無数の花びらが舞う。それらは桜色のオーラを纏い高速で回り出し花の嵐となった。その嵐が水路の中で巻き起こり、巨大な渦巻きとなってメカふくちゃん達を巻き込んでいく。

「バッチリですわ!もうメカふくちゃん達も見えませんね。これで大丈夫でしょう!」

 渦がおさまったその場所にはもはや動くメカふくちゃんの姿は一つもなくなっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「自分で作った罠ぐらいは守っておきたいわよね」
6.人型のルアーと青色ワイヤーネットに近づくメカ魚に自らはなれたところからユーベルコードマルチプルバレットをお見舞いするわ。
19Lv×5=90発の電撃弾よ。電流には弱そうよね?

生命力吸収1、誘導弾3、2回攻撃2、スナイパー1、クイックドロウ2、鎧無視攻撃1、恐怖を与える1、気絶攻撃1、なぎ払い1、鎧砕き3。
器用貧乏だけど使えるスキルはすべて使うわね。



「すごい音。あちこちで盛大にやっているみたいね。流れてくる敵の数も随分と減っているかしらね。」

 周囲の様子を窺いながらヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は感心の溜息をついた。周囲の奮闘のお陰か、人型のルアーと青色ワイヤーネットのところに流れてくる敵の数は少ない。すぐ近くでヘルミナと寧宮が誘導と殲滅をしていたのも大きいようだ。

「それでも多少は流れてくるかな?せめて自分で作った罠ぐらいは守っておきたいわよね。そろそろここも倒しておかないと。」

 ヴィオレッタは効果的な攻撃は何かを考える。確かメカふくちゃんは魚の形をしているものの実際には機械であったはずだ。

「メカ魚よね。電撃弾を使えばいいかしら。電流には弱そうね。」

 ヴィオレッタは長銃身の黒色の回転式拳銃を取り出し素早く銃弾を装填する。追加装填用の銃弾も用意し、地上から水路内へと狙いを定めた。

「90発の電撃弾よ。誘導して確実に当てるわ。遠慮しないで受けてみなさい。」

 そうして水路内のメカふくちゃん目掛けて銃弾を放った。全弾発射を終えると即座に再装填し、追加の銃撃を放つ。
 銃弾を受けたメカふくちゃんはその場で動かなくなり、電撃は周囲にも伝播する。電撃を浴びたメカふくちゃんは半ばパニックになり、またそこにも銃弾の嵐が降る。
 90発全弾を撃ち尽くすころには、そこには既に動いているメカふくちゃんは居なかった。

「もうメカ魚の見当たりそうにないわね。これで大丈夫そうね。そろそろ古代魚が来るかしら。」

 あたりからはメカふくちゃんの気配はもうない。ヴィオレッタは静かに迷宮の奥を見据えた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『骸の海のダンクルオルテウス』

POW   :    噛みつき
【噛みつき 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    尾撃
【尾っぽ 】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    影化
【輪郭のぼやけた影 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠秋冬・春子です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちは罠の防衛を終えた。いくつか罠を失ったものの多数の罠が残っている。

 1.水没部分に潜む機械兵器レギオンの群れ
 【使用済】2.水中で爆破する術式トラップ
 3.古代魚巻き上げ用の網と巻き上げ動力の巨大スクリュー
 4.アイスキューブと氷の坂による封鎖路(罠へ誘導)
 5.ワイヤー網と電気銛の電流による封鎖路(罠へ誘導)
 6.人型のルアーと青色ワイヤーネット
 7.爆発するルアー
 8.突破される強度のワイヤー群と電流発生装置
 9.状態異常を与える自動発動型の簡易魔法陣


 メカふくちゃん達が倒れ、生き残りもすべて逃げ去ったそのすぐ後であった。

『―――ぉぉおおお!』

 迷宮奥から激しい水しぶきの音と何かの雄叫びのようなものが聞こえた。巨大な何かが水路の水を掻き分け迫る。巨大な古代魚、骸の海のダンクルオルテウスが、猟兵達の動きを感知し襲い掛かってきたのだ。
 最初に目を付けたのは水中に見えた人影だ。迷うことなくそれに食らいつき噛みちぎるダンクルオルテウス。ついでとばかりに近くの鮮やかな色の魚も捕食する。

『!!!!!?』

 だが食らいついたその時、鮮やかな色のルアーが爆発を起こした。体内での爆発にもがいているうちに、青い色のワイヤーに絡めとられている。

『ぐぉぉおおおおお!!!!!!』

 ダンクルオルテウスは傷を負い大幅に動きを制限されながらも、今度こそと猟兵達へと狙いを定め襲い掛かった。
ネラ・イッルジオーネ
さて……開幕から敵の行動をさらに制限致しましょう。

自分で描いた簡易魔法陣(9)とユーベルコード「プニツィオーネ・ディ・ディオ」を【二回攻撃】で発動させて、迷宮外より来たる制裁によって、行動不能、状態異常のパーティを開催致しましょう。

他の方もいて、余裕がある時は他のユーベルコードも活用してみます。

ふぐ刺しの次は活造りになるのでしょうか。(知識的に勘違い)


フェイルシア・インパーサ
【連携希望】
では「3」の罠へと誘い込みましょうか
古代魚は追い込まれるとすぐに逃げ出す、ならばけん制してダメージを与えつつも怒りを刺激致しますわ
「随分と醜態を曝すのがお好きでございませんこと?
全く私には理解できかねますわね」

そのまま相手を観察し続け
●尾撃 の範囲に収まるのならそれをミレナリオ・リフレクション
で無効化いたしますわ

●影化 を使用されたら正念場
回避に徹し「3」の罠まで一気に誘い込みますわ
引っかかりそうだったらミレナリオ・リフレクションで
●影化 を無効化し陸上に引き上げましょう

後は一気に倒してしまいましょう

連携頂くなら一緒に罠まで追いつめる
逃げないよう通路を封鎖する等して頂ければ良いかと


今川・貞俊
【連携希望】

思ったよりも、凶暴なのかな、古代魚は。
でも、それなら、自分たちの姿をちらつかせることで誘導出来そうですね。

うまくやれて陸上に巻き上げられれば、対処は楽になるし、騎乗も出来ると思うけど…。
でも、予想外のことがおきたら…
…いや、やれるさ。
僕だけじゃない、皆も居るんだから。
頼りにしてますよ。

自分の姿と罠を利用して誘導しましょう。
そのために、マッピングを心がけましたからね。
サイコキネシスで、敵にちょっかいをかけたり、罠の起動タイミングも出来る限りにコントロールしてみますよ。

戦いになれば、後は、僕には持てる全てで、ただ全力を出し切るしかないんだから。
僕だって、男なんだ…!やってみせる!


ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「いよいよ本命の登場ね」
敵との間に罠が挟まる位置に移動して行動開始よ。

逃げ足2で距離を詰められないようにしつつ、誘導弾3、2回攻撃2、スナイパー2、クイックドロウ3、鎧無視攻撃1、気絶攻撃1、なぎ払い1、鎧砕き3当たりを取り混ぜて弓で攻撃するわね。
相手はいざとなると逃げちゃうらしいから、罠に出来るだけ引っ掛けて動けないようにする事を重視。

足を止めたら10秒の集中時間でユーベルコード千里眼射ちで攻撃よ。
「捕まえた・・・魚っぽい形はしているけど、リリースはなしよ?」


メンカル・プルモーサ
……ん、予定通り来た……まずは……誘導…逃げる……
水中はガジェットに捕まって移動して……誘導路を使って網と巨大スクリューの場所まで移動する……
…鬼さんこちら…魚だけど……
首尾良く地上に釣り上げたら…まず、古代魚が入ってきた水路を【愚者の黄金】で地面を複製した黄金を作って塞ぐ……そのあと…ウィザードミサイルで…攻撃ついでに水を蒸発…これで水がなくなる…
もし黄金に体当たりしても……300トン近い金はそう簡単に動かない…
……後は…ガジェットに援護射撃させつつ……魚にさらにウィザードミサイルを撃ち込む。
影化は【崩壊せし邪悪なる符号】で分解する……
(高速詠唱・属性攻撃・情報収集・援護射撃)



●誘導、釣り上げ

 ダンクルオルテウスはワイヤーに絡め取られながらもその凶暴な殺意を緩めはしなかった。地上の通路に人影を見つけるや否や、尾を激しく振るい一気に水中から地上に飛び出て噛みつこうとする。

「こちらに来てくれましたね。開幕から行動をさらに制限いたしましょう。」

 地上の通路の人影、ネラ・イッルジオーネ(サンツィオーネ・ディ・アニマ・f06949)は無表情のまま冷静に告げて、水中に仕掛けてあった簡易魔法陣を起動する。

『ぐぉぉおおお!!?』

 ネラのみを見据えていたダンクルオルテウスは魔法陣の存在に気付かず、魔法陣から生まれた無数の槍をその身に受ける。それは傷は与えないものの、五感の低下や体の痺れなど様々な悪影響をその体に与えた。

「追いかけっこですね。こちらですよ。」

 ネラはパンパンと手を叩き誘導するように通路奥へ。ダンクルオルテウスを動きは鈍くなってはいたが、ネラを追いかけ始める。

「エーデルシュタインさん、今川さん、連れて来ました。」
「ありがとう、いよいよ本命の登場ね。逃がさないように上手に罠に引っかけていかないとね。」
「マッピングはばっちりですから、罠の位置は把握してます。任せてください。それにしても、思ったよりも、凶暴なのかな、古代魚は。すぐに追いかけてきましたし、これなら姿をちらつかせれば誘導できそうですね。」

 ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)と今川・貞俊(スペースノイド・f09177)がネラと入れ替わるようして誘導役を交代する。ネラはそのまま最後の罠ポイントへと向かった。

(「罠の仕掛けも万全。上手く地上に巻き上げることも出来るはず。……でも、もしも予想外のことが起きたら。」)

 今川は迫るダンクルオルテウスの凶暴な挙動に不安を感じる。何をしでかすかわからない。それでも。

「……いや、やれるさ。僕だけじゃない。皆も居るんだから。
 ヴィオレッタさん、頼りにしていますよ!」
「えぇ、任せて頂戴ね。今川さんは無理をしすぎないようにね?」

 今川はヴィオレッタに頷き、前へと出てサイコキネシスを発動した。敵へと衝撃を与え、注意を引く。

『――シャァアアッ!!』

 攻撃に反応して今川へと加速するダンクルオルテウス。今川は巧みに通路を誘導する。ダンクルオルテウスは途中途中で回り込む挙動を見せるも、氷の壁に阻まれ、あるいはワイヤーネットと電流で道を阻まれ、今川の誘導通りに進むしかなくなっていた。
 ダンクルオルテウスは気づいたころには無数のワイヤーネットに包まれていた。あえて強度を落とし絡まるように仕掛けたワイヤーの罠だ。

「これだけ動きが鈍れば、誘導も容易いわね。……横が無防備よ、お魚さん。」

 敵のサイドに回り込んでいたヴィオレッタが弓での連射を浴びせる。ダンクルオルテウスの鱗を砕き、何本のその体に弓矢が突き立った。

『グォ、ッオオオ!!』

 ダンクルオルテウスは痛みに雄叫びをあげながら突如一息で水上へと飛び上がった。その巨体を大きくひねり、超高速の尾撃をヴィオレッタを放つ。
 しかし、ヴィオレッタの目の前にダンクルオルテウスのそれと似た大きさの尾が具現化し、ダンクルオルテウスの尾撃と衝突した。ダンクルオルテウスはその衝撃でまた水路へと落ちる。

「随分と醜態を曝すのがお好きでございませんこと? 全く私には理解できかねますわね。」

 ニコリと微笑むフェイルシア・インパーサ(騎士姫の造花・f04276)の姿がそこにはあった。

「フェイルシアさん、フォローありがとうね。」
「この程度は造作もありませんわ。さ、もうすぐゴールです。後はメンカルさんに最後の誘導をお願いしましょう。」

 フェイルシアは水中のメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)に手を振った。そして今川とヴィオレッタと3人でそのまま奥へと下がっていく。

「……ん、予定通り誘導してくれた……後は……網と巨大スクリューの場所まで、逃げる……。」

 メンカルは水中でガジェットに捕まり、ダンクルオルテウスへと視線を向ける。地上からだけの誘導では正確に罠まで誘き寄せるのは難しい。メンカルはガジェットの推進力で水中であっても高速で動きながら、ダンクルオルテウスを誘導した。
 ダメージこそは少ないものの、さまざまな仕掛けで速力が随分と落ちたダンクルオルテウスはメンカルに追いすがるのでやっとの状態だ。

「そろそろ、ゴール……鬼さんこちら…魚だけど……。」
『――シァアッ!!』

 メンカルは敢えて速度を落とし、陸上巻き上げ用の網の上を素通りする。ダンクルオルテウスはようやく噛みつけるとメンカルを追って。

『時を刻む古の歯車。狭間より再来しは神の万雷。放たれし閃光は汝に戒めの時を与えん。』

 その時、地上で待機していたネラがユーベルコードの詠唱を終えた。

『プニツィオーネ・ディ・ディオ』

 水路上に巨大な時空の門が開く。そこから降り注いだのは神の審判たる無数の稲妻。それらは例え水中であっても意に介さず全てを貫通し、ダンクルオルテウスの身に降り注ぎ、その動きを一時的に封じた。

『グォォォオオ!!??』
「今だ……!巻き上げる!」

 今川が地上に設置した巨大スクリューを起動させた。スクリューの回転が網を一気に巻き上げていく。ダンクルオルテウスは必死の抵抗を見せるが。

「完璧に作戦通りね。捕まえた……魚っぽい形はしているけど、リリースはなしよ?」

 同じく巨大スクリューの設置場所まで戻っていたヴィオレッタが射撃のみに全集中力を注ぎ、いまだに抵抗するダンクルオルテウスへと弓の連射を行う。深々と突き刺さる矢にダンクルオルテウスの抵抗も弱まり始める。

『グォオ!!グォォオオオ!!!』

 その時、ダンクルオルテウスが輪郭のぼやけた影に変化する。超怪力とその超耐久をもって網を強引に引っ張る。その勢いにスクリューすらもミシミシと音を立てる。

「正念場ですわね。ここまで来て逃がしはしませんわ。」

 フェイルシアのユーベルコードにより具現化したのは、今度は尾ではなく輪郭のぼやけた影であった。それが、ダンクルオルテウスへと激しく体当たりし、身に纏っていた影を強引に剥がしていく。残り僅かの影もメンカルのユーベルコードが分解した。

「後は、僕に持てる全てで。ただ全力を出し切るしかないんだから。
 僕だって、男なんだ…!やってみせる!」

 後一息。今川が叫びサイコキネシスを発動する。
 スクリューの力に強引に逆らっていたダンクルオルテウスの身体を、全力のサイコキネシスで地上へと一気に引っ張り上げた。

『グォォォオオオオォァアアア!!』

 どずんっ、と激しい音を立ててダンクルオルテウスは地上へと釣り上げられた。
 だが、それを予想していたのか対応が早い。全身を大きく暴れさせ、尾撃の反動ですぐさま水中へと飛び入ろうとする。その動きをさせまいと、メンカルの操る大量のガジェットによる射撃、そしてウィザードミサイルが着弾した。
 だが、ダンクルオルテウスは体中に攻撃を受けながら強引に水路へと飛び込んだ。

『グォア!?』

 水路へと飛び込んだはずが、またもや、どずんっ!と激しい音を立てて地面に落ちるダンクルオルテウス。状況が理解しきれない様子に、メンカルが声をかける。

「もう、そこの水は全部……蒸発させたから……。出口も……黄金で塞いだから……逃げ場はないよ……。」

 水路の出口は黄金で閉ざされ、そこに既に水は無く。
 ダンクルオルテウスは地上で逃げ場を失った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヘルミナ・イェルソン
来たわね本命。剥いだ鱗を私の作品にしてやるわ!

ヴィオレッタさんと同時に仕掛けた罠が上手くはまってくれて、テンション上りますね。
罠の爆発で口内にダメージを与えられたので、そこをえぐっていこうかと思います。噛みつきを誘発させて口内を晒させ、そこに【ヴァリアブル・ウエポン】威力重視の大剣をぶち込むわ。もちろん私が噛まれないように【ガジェットショータイム】を展開してつっかえさせ、口を閉じられなくしましょう。ガジェットの耐久力は心配だけれど一瞬の隙くらいは作れるはずよ。
さすがに危なそうならすぐに距離を取って体勢を立て直すわ。
とにかく大きな一撃を入れておきたいわね。


ネラ・イッルジオーネ
釣り上がりましたね。この後は調理でしょうか。

ユーベルコード「ラ・ルーチェ・ディラ・フィーネ」で、敵を活け造りにしますが、やり過ぎてしまいますと何とかの叩きやミンチというのになるのでしょうか。

ふくちゃんはお持ち帰りしましたが、こちらは大きいのと……あまりかわいくないので放置します。聞いたことがある魚拓も良さそうですが、そのような道具も無いので、端末機に情報収集として記憶しておくことにします。



「来たわね本命。これでもう逃げ場はないわ、剥いだ鱗を私の作品にしてやるわ!」

 ヘルミナ・イェルソン(夜を飛び越える・f02267)はいつになく高いテンションで地上で動きが取れなくなっているダンクルオルテウスの正面に敢えて飛び込んだ。脊椎部より内臓兵器の大剣を取り出し、目の前で挑発をするように振るう。

『グォォオオ!!!』

 狙い通りダンクルオルテウスは大きな口を開けてヘルミナに噛みつきかかった。そこへヘルミナが呼び出した変な形のガジェット……「H」という文字の形をしている……が何機も飛び出て行った。ダンクルオルテウスの口内に入りつっかえ棒となる。

『グォァア!!?』
「狙い通りね。そのまま大口を開けていらっしゃい。」

 口を閉じれずにいるダンクルオルテウスはせめてもの抵抗と全身と尾を大きく振るい暴れさせる。

「釣り上がりましたね。鱗を剥いだ後に調理でしょうか。切り分けることを活け造りというそうですが、やり過ぎてしまいますと何とかの叩きやミンチというのになるのでしょうか。」

 ネラ・イッルジオーネ(サンツィオーネ・ディ・アニマ・f06949)はその様子を見てユーベルコードの詠唱を開始した。

『神々の魂。古の時より蘇り。我の杖に光となり集う。天を舞う無数の剣。神光を纏い堕落せし魂を貫く。』

 ネラは詠唱と共に杖をダンクルオルテウスへと差し向ける。

『ラ・ルーチェ・ディラ・フィーネ』

 詠唱の終わりと共に周囲に無数の剣が具現化した。それが身動きの取れないダンクルオルテウスへと容赦なく降り注ぐ。剣はその体は切り裂き、また突き刺して地面へと縫い留め、その動きを大幅に制限した。

「鱗は剥がれたでしょうか。ヘルミナさん、後はよろしくお願いします。」
「ありがとうございます、ネラさん!爆発で口の中はもうぼろぼろね。そこから解体してあげるわ!」

 ヘルミナは身動きの取れないダンクルオルテウスの口内に威力重視の強大な大剣を突き刺す。

『グォォァアア!?』

 メンカルとフェイルシアに影化も封じられ、身動きも取れないダンクルオルテウスは、ヘルミナの大剣の一撃で体内から真っ二つに切り裂かれ、二つに分かれた体はどさりと地面へと落ちた。

●討伐完了

「真っ二つになってしまいました。これでは魚拓は難しそうですね。そもそも道具も無いので無理なのですが。」

 ネラはそういいながら端末機を弄り、ダンクルオルテウスの情報を収集する。その横とでヘルミナはダンクルオルテウスから剥がれ落ちた鱗の内、傷が少なく綺麗なものをいくつか収集した。

「ふふ、これは良い作品になりそうね!」

 水路の上でも、他の皆が各々を労うため声をかけあい、仕掛けた罠の回収作業に入っていた。健闘を称えるもの、機転を称賛するもの、その内容は様々だが、一様に討伐を完了した達成感に満ちていた。

 何度も仕留めきれず、被害を起こしては逃げることを繰り返していたダンクルオルテウスは、猟兵達の知恵と工夫により最後は成すすべもなく討伐をされたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月15日


挿絵イラスト