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黒き者、村を喰らう牙

#UDCアース

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#UDCアース


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●喰後
「おいおい、聞いたか?今度は村長のお孫さんが神隠しだってよ!」
「本当かい!?……これでもう十人も行方知れずかぁ。」
「こう毎日神隠しが起こるとはなぁ……やっぱりいつか森で見た、真っ黒い熊が怪しいなぁ。」
「熊が神隠しなんて出来るかよ!それより明日は我が身って言うだろ?最近は森の動物の鳴き声も聞こえやしないしでかなり気味が悪いし、今日は大人しく鍵掛けて家にいようぜ。」
 日本の東北山間部。地図にも載っていない村で、奇妙な出来事が起こっていた。
 ――村人の失踪、神隠し。
 毎日、朝を迎えると村の住人が一人居なくなっていると言う。

●出陣
 グリモアベースは今日も様々な者達が集まり賑わいを見せていた。その中の一人、金髪の少女が何人かを近くのテーブルに集め、右手にエネルギー体【グリモア】を出現させる。
「ふふっ、集まってくれてありがたいわ。私はヤドリガミのゴッドペインターで、名前はリールタルト・サヴェレントよ。」
 よろしくね!と、お辞儀をし微笑むリールタルトと名乗った少女は、軽く自己紹介を終えると本題の予知について話を始める。
「さっそくだけど本題に入るわね!今回の予知なんだけど、【UDCアース】場所としては現代の日本で邪神復活の儀式が行われているみたいなの。残念だけど、既に生け贄として何人か犠牲者も出ているわ。……それでね?皆にはこの儀式を阻止してもらいたいの。」
 リールタルトは神妙な面持ちになり、淡々と告げる。行き先は、東北の山間部。人口数百人の世間から隔絶された閉鎖的な村。外から来る自分達は怪しまれる事。
「地図にも載ってない村なの。怪しい所は村人達や村の長に聞いた方が確実かもね?先ずは情報収集からになってしまうけど、皆よろしくお願いね?」
 ああそれから、とリールタルトが集まった面々を眺め、微笑みながら呟く。
「皆なら大丈夫そうね。――全員無事で帰ってくるように、ね?それじゃあ頑張って!」


たると
 初めまして、たるとです。
 第六猟兵、遂に始まりましたね!
 皆さんに楽しんで貰えるようなシナリオに出来ていけたらなーと思っております!

 こういうの初めてなのでドキドキしますね!
 精一杯、自分のペースですが頑張っていきます!!
 よろしくお願いしますね!!
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第1章 冒険 『閉鎖的な村』

POW   :    腕力などの力を誇示する事で情報を引き出す

SPD   :    村の要所に忍び込む等して情報を調査する

WIZ   :    村人との会話で必要な情報を引き出す

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

バドル・ディウブ
民を勝手に攫うなどと、この地の神は随分と傍若無人だな。まぁ、何か裏があるのだろう…今まで培って来た技の見せ所だ、隠密行動で情報を集めるとしよう。
使えるスキルは、追跡1・目立たない1・忍び足1・情報収集1といった辺りか。
私の風体では浮くだろう、昼間に大っぴらに通りを歩くのは避けて山間部を探ろう。何かしらの痕跡が見つかれば、その臭いを覚えておきたいな。犬ほどでは無いが、人狼故に多少鼻は効く。過信は出来ぬが、自身の嗅覚も調査に役立てたい。
その上で、夜に村内で臭いの痕跡を追ってみよう。もし臭いが残っていなければ、村の要所…とりあえずは村長宅周辺にでも潜み、様子を確認してみるか。


マリアンネ・アーベントロート
神隠し……むむむ、不思議なこともあるんだね……って言えたらよかったんだけど。
これは悪い儀式だもの、絶対に止めないと!
それに、早く解決してまだ助けられる人だけでも無事にお家に返さなきゃだっ。
村人からお話を聞きたいけど……そうだね、怪しまれないように、昔村長さんに両親がお世話になったから、その恩返しに手助けがしたいって村人さんに言うのはどうかな?
村長本人だと怪しまれるかもだしっ。
朝を迎えるといなくなっちゃってるってことは、夜中に何か起きてるのかも?
だから、村人さんに何か夜中の物音とか聞いてないか確認してみたいなっ。
あとは、森で見た熊も気になるよね。それを見かけた人にその外見を詳しく聞きたいなっ。


ジェット・ラトリオック
「コミュ力」を利用して、村人と接触、対話を行う。
自分達は神隠し等、超常現象を調査している団体で、この村で起こっている事を知りたい、と伝える。

万が一情報が得られなかった場合は、【影の追跡者の召喚】を使用し、情報を盗み出す。

…こんな鉄兜を被った人間が言えた言葉では無いが、問題を解決するため、どうか信用して欲しい。



●痕跡
 猟兵が到着した村は丁度お昼時。特に怪しまれる訳でもなく降り立つ事ができた。
 人狼であるバドル・ディウブ(月下靡刃・f03976)は一通り村を見渡すと、
「ふむ。ここだと私の風体では浮くだろう。私は目立たぬように昼間は山間部を探ろうと思う。」
 続けて、夕方に合流しようと言い残し、一人、山の方へ向かう。
 「まったく、民を勝手に攫うなどと、この地の神は随分と傍若無人だな。」
 ふぅ、と溜め息を吐きながら呟き山へ入る。何かの手掛かりがあるといいが――。

「これは悪い儀式だもの、絶対に止めないと!……むむっ!そこの御婆さん、少しお話を聞きたいのですがー!」
 残された元気いっぱいな少女、マリアンネ・アーベントロート(ゼーブスタスの催眠術師・f00623)はバドルを見送った後、早速第一村人を発見する。
「おや?見たことの無い顔だねぇ?こんな所まで何のようだい??」
 老婆は少々警戒しながらも、元気な少女という見た目からか、話だけは聞いてくれる素振りを見せる。
 マリアンネは、神隠しの事を聞いて、昔村長さんに両親がお世話になったから、その恩返しに手助けがしたいと言葉を選びながら伝える。
「――なるほどねぇ?……村長は今は取り乱していて何にも使い物にならん。私も知ってることは少ない。」
「そうですかぁ……。うんうん、ありがとーございました!」
「まぁ、待ちな。ただねぇ……。」
 マリアンネを引き留めた老婆は、続けて語る。最近は動物の声が聞こえなくなった事。夜にカラスの鳴き声が山からする事。そして――――。
 ――とある大きな男、ジェット・ラトリオック(黒玉の蛸・f01121)は困ったように腕を組む。
「話しかける前に逃げられてしまうな。」
 バケツをひっくり返したような鉄兜を被った大男。その見た目からか、警戒心の高い村人達に警戒されてしまっていた。が、しかし、
「オジサン!なにソレ、カッケェーーーー!!」
「むっ!?」
 突然の少年のタックルを受け止める。少年はキラキラした眼差しでジェットを見上げた。
「ふむ……。少年よ、少々聞きたい事が在るのだが。」
 持てるコミュ力をフルに活用し、少年から情報を引き出そうとする。神隠しの事を聞くと少年の顔が曇り、場所を換えたいと言い始めた。
「――さて、少年。何か知ってるな?すまないが教えてくれ。」
「うん……。実はこっそり山で遊んでるとき――」
 集落から離れた場所に移動し、少年から情報を得たジェットは集合場所へ向かう。
――山で遊んでるとき、山奥の神社で黒い光を見たんだ。

「何と言うことだ……。こんなのは私じゃなくても気付けるぞ?」
 一人山間部で何かの手掛かりを探していたバドルは呟く。
 ねっとりとした生暖かい風が強烈な異臭を運んでくる。鉄の匂い。否、血の匂いである。
「この先に行くのは一人では危険か……。」
 既に日が落ちてきており、夜になるのも時間の問題。急いで集合場所へ向かわなければ――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ジニア・ドグダラ
「……おじさん、こんにちはです。おじさんも、釣りに来たのですか?」
「……え、こんな辺鄙なところにわざわざです?友達から、ここら辺は良い魚が釣れると、聞いてみたので、一度来てみたかったのです」
・使用したいステは【WIS】、技能は釣り、存在感、時間稼ぎを狙いたいです。
・山間部といえど、水場はあるはず。釣りに来た大学生のように扮して漁師の人に話しかけます。自身の存在感にて気を取られている隙に話題を振って、情報を集められるよう時間稼ぎを行おうとします。
・時間稼ぎしているついでに周囲の植生や生態系を観察します。怪しいところがあれば、漁師の人に質問して情報を入手しようと思います。



「ああっ!?くそっ!!今日も捕れやしねぇっ……!いい加減にしやがれってんだ!!」
 村の西。山から流れてくる川の辺りで一人の初老の男性が嘆いていた。
 村の周囲で情報収集していた女性、ジニア・ドグダラ(朝焼けの背を追う者・f01191)は、その男性が何か知ってるかもと考え、釣り人を装い話を聞こうと近付く。
「……おじさん、こんにちはです。おじさんも、釣りに来たのですか?」
「あ?……な、なんだ??」
「友達から、ここら辺は良い魚が釣れると、聞いてみたので、一度来てみたかったのです。釣れますか?」
 存在感に気をとられている隙に男性の隣に立ち話しかける。
「い、や。釣れねぇなぁ。と言うかここ数日は釣れねぇし魚影すらみねぇよ。」
 いきなり現れ捲し立てられたので、答えるしか無くなった男性は、最近の状況を語り始める。
 ――魚が捕れなくなったのはここ数日。村人の神隠しが始まったのもその頃。たまに流れてくる魚もあるが、鳥に喰われた後の死骸みたいな状態。
「まぁ、釣れないって事だ。今日は諦めて帰んな。」
 最後にそう言い残し、空の籠を背負って男性は去っていった。
「……魚の死骸、ね。上流の方かな。」
 ジニアは少ない会話から何かに気付いたように山を見つめた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

京条・響
村人が犠牲に……。気になる事件だね。
みんなが得た情報を元に、
俺は川の上流を探索してみようかな。
なるべく音をたてないように、周囲に注意して進むよ。
何かを見つけたら、観察してみよう。
手がかりを得られたら、敵に見つからないうちにゴッドスピードライドで撤退する。
もし敵に出会ってしまったら、可能な限り戦おう。
逃がしても面倒だし、村を襲われても困る。



偶然ジニアと合流した京条・響(サウンドライダー・f00344)は、先程の情報を聞き、川の上流が怪しいと睨む。
「なるほどね。それじゃあ、俺は川の上流を探索してみようかな。ま、危なくなったらすぐ合流場所まで撤退するさ。」
 ひらひらと手を降り川を登って行く。森に入ると、慎重に音をたてないように一歩ずつ進む。
 ――何か変だ。
 立ち止まり、響は周囲を見渡す。隣には川。空は夕焼け。
「……森の中って、ここまで静かなものかな?虫や鳥の声すら聞こえないや。」
 聞こえる音は、川のせせらぎ。時たま吹く風が木々の間を抜ける音。落ち葉が擦れる音。そこに生物の鳴き声等は聞こえてこない。
 さらに数分歩き続けると、不意に風が異変を運んでくる。
 ――誰もが不快と感じる異臭。
 響は眉をひそめながらも、何かの手掛かりがあると感じ慎重に奥へ進む。
「――えっ?」
 広い場所へ抜けると、そこには古びた神社。異臭がキツくなった事から、この神社が元凶かと思われた刹那。


 ――グオオオオォォォォォォ。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『嘲笑う翼怪』

POW   :    組みつく怪腕
【羽毛に覆われた手足】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    邪神の加護
【邪神の呪い】【喰らった子供の怨念】【夜の闇】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ   :    断末魔模倣
【不気味に笑う口】から【最後に喰らった子供の悲鳴】を放ち、【恐怖と狂気】により対象の動きを一時的に封じる。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

京条・響
チッ、見つかったか……!
今の声、他の猟兵にも聞こえてるだろう。
来てくれると信じるよ。

神社でライブなんてのも悪くない!
ギターとアンプを繋いで、準備OK
さぁ、始めようか!
(ギターを掻き鳴らします。村に行かないよう敵の注意を引く、猟兵に場所を知らせる目的もあります)
パフォーマンス3、楽器演奏1

【真の姿、血統覚醒】
これ怖い自覚があるからあんまりやりたくないんだけど……!
(瞳は鮮やかに赤く、爪や牙が伸び、腕や頭部の血管が浮き上がります)

あとは全力で蹴散らすよ!
吸血1、パフォーマンス3、騎乗2、地形の利用1、衝撃波3、クイックドロウ2、2回攻撃1
この辺りが使えそうかな?



●烏

 ――咆哮。
 一人、神社に踏み込んだ響は既に、何体もの巨大な黒い鳥に囲まれていた。
「チッ、見つかったか……!今のコイツらの声、デカかったし他の猟兵にも聞こえてるだろう。つーかカラスの鳴き声って感じじゃなかったぞ?!」
 こんなところで終わるわけにはいかないと、自身の武器であるサウンドウェポンのギターとアンプを即座に繋げる。
「神社でライブってのも悪くない。まっ、聞いてくれる相手がデカい鳥ってのはどうなんだろうね?……よし、準備OK。さぁ、始めようか!」
 豪快にギターをかき鳴らすと、周囲に衝撃波となった音の壁が黒い鳥を弾き飛ばす。
『ギャァァァァァ――』
 響のライブを邪魔するかのように黒い鳥も咆哮で対抗する。そして、黒い不気味な翼のような腕で握り潰そうと響へ手を伸ばす。
「これ怖い自覚があるからあんまりやりたくないんだけど……!」
『ギャッ――!?』
 握り潰される寸前、響の眼が赤く輝き、黒い鳥を逆に地面へ叩き潰す。
 一匹がそのまま消滅すると、此方へ向かってくる人影が複数。
「さて、皆も来てくれたみたいだね。さぁ。全力で蹴散らすよ!」

成功 🔵​🔵​🔴​

ジェット・ラトリオック
(前座か、邪魔だ。)

【拷問具:断割鉈】を鞭のように変形させ、命中率重視で攻撃。その際「怪力」「ロープワーク」「早業」も併用する。
「逃げ足」も利用し、常に距離を取りながら戦う。
狙うのは一体づつ、確実に「傷口をえぐり」ながら仕留める。

超強化された場合は仕方がない。より逃げに徹しながら戦う。

断末魔だけは許せない。「気合」「呪詛耐性」そしてなにより、
「覚悟」を決めて、無理矢理にでも動き、攻撃力重視の【鉈】を顔面に叩き込もう。


バドル・ディウブ
─化生の者に言葉は不要、刃にて語るのみ。

【SPD】と様々な状態異常、更に2回攻撃を駆使し、死角からの素早い連撃を心掛けたい。
奴の攻撃は、どれを食らっても厄介でしかないな…特に、邪神の加護の超強化は注意したいところだ。
残像を活かし、なるべく回避せねば。
毒で削りつつ、うまくマヒか気絶が決まれば、ユーベルコード:空にて
一気呵成に攻め立てる。
これ以上の犠牲、看過出来ぬ…ここで、確実に貴様の息の根を止めてやる。



日が沈み、集合場所に集まっていた猟兵達は各々の情報を持ち寄り、怪しいと思われる場所の特定をしていた。
 山での異常な血の匂い。カラスの鳴き声。川の上流。神社の位置と謎の光。
 一度山へ情報収集に向かった事があるバドルが先導する形で目的の神社があると思わしき場所へ向かう。
 ――ォォォォ……。
 山へ入ると何かの鳴き声と何かの曲が微かに聞こえている。時は夕刻。これは既に誰かが戦闘を行っているのだろう。猟兵達は急いで音のする方へ向かった。

●混戦
 音のする方へ抜けると、既に敵との戦闘が開始していた。
「――化生の者に言葉は不要、刃にて語るのみ。」
 巨大な黒い鳥を見るなり、バドルはそのスピードを生かした攻撃で斬りかかる。連撃に追撃、そこに隙は無く一方的に黒い鳥を追い詰めていく。
『ギャッ、ギャ……』
 黒い鳥は反撃に転じようとする素振りを見せたが、ピタリと動きが止まった。
「ふんっ。動けまい。それは既にお前を蝕んでいるぞ。」
 バドルは冷酷に微笑むと、止めを差すため刃を向ける。
「これ以上の犠牲、看過出来ぬ…ここで、確実に貴様の息の根を止めてやる。我が刃は幻の如く、陽炎の如く、虚空の如く、影の如し――参る!」
 バドルを模した幻影が現れ、敵に向かい刃が交差する。黒い鳥は悲鳴すら上げることを赦されず四つに別れ霧散した。

 鉄兜を被った男ジェットは、この黒い鳥は邪神の眷属だと感じていた。
(邪神の眷属だとすると前座か、邪魔だ)
「早々にケリを着ける。伸びろ―――より長く、或いは重く、或いは鋭利に。」
 ジェットの持っていた刃が分かれ鞭のように変形する。それを勢いよく敵へ叩き付けると、黒い鳥の羽が宙へと舞った。
「ふん。飛べる羽を折られたか。」
 冷ややかに呟くジェットの攻撃は緩まない。反撃の隙を与えず、あっという間に切り刻んでしまった。
「さて、一体ずつ確実に仕留めるか。」
 兜の下はどういう表情をしているのか。不気味に呟くと次の獲物へその刃を振るう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マリアンネ・アーベントロート
おばあさんから聞いた話と、他にも山に向かった猟兵がいることを考えると……一刻も早く、そっちに向かわないと!
……ってことで急いで追いついてきたら、もうすでに交戦中みたい!
なんだかとっても不気味だけど、逃がすわけにはいかないよね!

あれだけ不気味だと催眠術が効くかわからないから、ここは自分自身に催眠をかけるよ!
『暗示・逡巡の破棄』で迷いや恐れ、恐怖を捨て去ってから戦闘に参加するよ!
『催眠術21』の技能を使って深く強い暗示にするから、『断末魔模倣』の恐怖と狂気にだって負けたりしない! ……はず!

(真の姿の描写・発動は無しでお願いします)



●惨劇
「急いで追い付いてきたら、もう交戦中みたい!あの烏、なんだかとっても不気味だけど、逃がすわけにはいかないよね!」
 既に黒い鳥と交戦中の猟兵達一瞥し、マリアンネは戦いに加わる事を決意する。敵は残り数羽。しかし、何をしてくるか分からない不気味差があると直感する。
「あれだけ不気味だと催眠術が効くかわからないから、ここは自分自身に催眠をかけるよ!――迷わない、臆さない、ためらわない……いくよっ!」
 目を閉じて、自分の意識を光すら届かない海の底へと走らせる。【暗示・逡巡の破棄】はマリアンネの迷いや恐怖を捨て去り、大きく戦闘力を高める自己暗示。さらに得意の催眠術を自分に掛ける事によって、暗示の力を底上げする。
「…………いくよ。」
『ギャアァァァァァ』
 目を開けると、黒い鳥はマリアンネの眼前へと迫っていた。巨大な翼のような腕で目の前の少女を握り潰さんとする。
 ――ひょいっ。ゴンっ!!
 軽やかに攻撃を避けると、持っていたウィザードロッドで敵の頭部ごと吹き飛ばす。黒い鳥は一瞬にして霧散、他の猟兵達も次々と敵を葬り、敵は残り1羽となった。

『――タスケテ、タスケテ。』
 最後の黒い鳥が少年のような声で助けを乞い始める。動揺を見せる猟兵達だったが、その中でマリアンネだけは動揺せず、直ぐにでも対象を屠らんと動く。
「さよなら。」
『タスケ――』
 鈍い音が周囲に響き渡り、黒い羽が辺りに舞い散る。神社に静寂が訪れると、突如としてもう1羽の黒い鳥が現れる!

タスケテ
タスケテ
タスケテ
タスケテ
タスケテ
タスケテ
タスケテ
タスケテ
タスケテ
タスケテ
タスケテ
タスケテ
タスケテ
タスケテ
タスケテ
タスケテ
タスケテ
タスケテ
タスケテ
タスケテ
タスケテ
タスケテ
タスケテ

 ――吼える巨大な黒い鳥が紫色の光に包まれると、その全身から黒い牙が生えてくる。
「なんだこれは?!」
「わからないよっ!」
「コイツが邪神か……?」
「いやいや、デカ過ぎるでしょ!?」
 巨大な何かに変貌する黒い鳥を見て驚愕する。あらゆる所から口と牙が生え、真っ黒な体毛に覆われた【邪神】は、猟兵へ明確な殺意を向ける。それはまるで獲物を見つけた羆のような――

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『牙で喰らうもの』

POW   :    飽き止まぬ無限の暴食
戦闘中に食べた【生物の肉】の量と質に応じて【全身に更なる口が発生し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    貪欲なる顎の新生
自身の身体部位ひとつを【ほぼ巨大な口だけ】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    喰らい呑む悪食
対象のユーベルコードを防御すると、それを【咀嚼して】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

マリアンネ・アーベントロート
これが村人さんたちの言ってた熊……!?
羆っぽいと言えばっぽいかもしれないけど……さすがにこれを野放しにするわけにはいかないよね!
さすがに私の身体能力じゃあの熊みたいな巨体と戦うのは厳しいから……
やっぱり催眠術での援護だよね!
というわけで、『催眠術33』の技能から『催眠・自縛の幻想』で相手の動きを止めようと試みるよ!
あとは、『飽き止まぬ無限の暴食』で相手が食べようとする生物の肉……野生の動物とかが周りにいないかを警戒して、いたら追い払うように動いていくよ!



『――孫の声がしたんじゃ。助けてとワシに叫ぶ声が。』


●悪食
 ガチガチと牙を鳴らしながらその巨体を揺らし、目はないがぐるりと猟兵達を見渡す仕草をとる邪神。
 先の戦闘で使用した自己暗示が解かれ、一旦仕切り直しとなったマリアンネは邪神を見て村の人の言葉を思い返す。
「これが村人さんたちの言ってた熊……!?羆っぽいと言えばっぽいかもしれないけど……さすがにこれを野放しにするわけにはいかないよね!」
 想像よりも一段と不気味な敵に驚きながらも、戦う覚悟を決めて邪神と向き合う。
『グルルルルル……』
 顔の無い牙だらけの邪神が猟兵と言う獲物を見つけ、涎を滴ながら唸りを上げる。
 第一の標的となったマリアンネに、巨大な口と化した腕で、噛砕こうと飛び掛かる。
「うわっ!わわっ!……危ないなぁ!さすがに私の身体能力じゃ厳しいかな?」
 固い金属がぶつかり合う様な音を耳元に感じつつもなんとか紙一重で避けながら、瞬時に催眠術を掛けようと狙いを定める。
 邪神がもう一度攻撃へ転じる瞬間を的確に狙い――
「そこっ!あなたはだんだん動けなくなっちゃう、ってね!」
 持っていたコインから放たれたビームは見事に邪神へ命中。見事にマリアンネの【催眠・自縛の幻想】が決まり、邪神はその野性的な動きを封じられ、一時的に唸る事しか出来なくなった。

成功 🔵​🔵​🔴​

バドル・ディウブ
見るもおぞましい姿だな。
が、正体が何であれ、斃すべき相手である事は変わらない。

奴の行動は、どうやら食うという事に関係しているらしいな。
であれば、常に口の動きを注視する事で多少は攻撃予測が出来るか…?
野生の勘や残像と合わせ、上手く回避していきたいところだ。
攻撃面では、手数に様々な状態異常を乗せて削っていく。
更にUC:血河を使い、乱れ飛ぶ刀剣を囮として強襲、不意打ちを狙っていきたい。
防御されれば逆に真似されるので、その辺りも十分に注意したいところだ。
互いに声を掛け合う等して、上手く連携を図りたい。



『グルルルルルッッッ!!』
 マリアンネの催眠術を受けた邪神がその場で動きを止め、唸る事しか出来なくなる。
「見るもおぞましい姿だな。」
 その隙を見逃さず、バドルは一気に距離を詰め、邪神の牙へ向けて武器を振り下ろす。
――ガキィィィィィン!
 鉄と鉄とが激しく呼応する音が周囲に響き渡ると、邪神の牙が粉々に砕け散った。それと同時に邪神に掛かっていた催眠術も解ける。
『グルルルルオオオオオオォォォォ』
「さすがに牙を一つ砕いただけでは倒れないか……それならば!」
 邪神の反撃を野生の勘や残像と合わせ回避しながら、次の一手を打とうとタイミングを合わせる。
 邪神の口が閉じた瞬間。
「――この刃が、貴様への手向けだ!」
 バドルが装備していた武器が邪神を取り囲むように飛び交う。猟兵や邪神さえもその武器で攻撃してくると注意が逸れる。
「――ふっ、隙ありだなっ!」
 そのとっておきすら囮として使用したバドルは邪神の懐へ潜りこみ、一閃。邪神の腕を一本斬り飛ばす。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セロ・アルコイリス
追っ付けで悪ィですが、
声が聴こえちまったもんで。

……じいさん(村長)、来てねーですよね?
じいさんの孫は、……。
あーなんでしょうねェこのココロ(感情)。
知んねーですが、あんたのココロ(魂)は奪らせてもらいますよ。

【WIZ】主眼
学習力で良く見て、回避できたら
【ミレナリオ・リフレクション】で攻撃を返す
あんたの暴食を奪らせてもらいますよ
どうだい、喰われる気分はさ?

もし村長が来てたら身を挺してでも護る
(常にへらへら、アドリブは歓迎ですよ)



「悪い悪い、遅れっちまいましたよ……それよか村長、来てねーですよね?」
 他の猟兵より遅れて到着した彼、ミレナリィドールのセロ・アルコイリス(花盗人・f06061)は、邪神を前に驚きの事実を述べた。
 ――丁度邪神との戦闘が始まった時間帯、村長が家から飛び出し森へ向かったのだという。
「おれも急いであんたらに追い付いたものでして……詳しくは知んねーですよ?ただ、注意する点は増えるって事よ。――それにしても、もう終わりそうではありませんかねー?」
 バドルの攻撃で片腕を失った邪神を見ながら、ククっと乾いた笑いを浮かべる。
『グオオオオオオォォォォッ!』
 邪神も腕を失い、その飽き止まぬ無限の暴食で自己回復と更なる強化を図ろうとセロへ一直線へと喰らいに向かう。地面ごと抉りながら向かってくる姿はまるで熊の姿をしたブルドーザーの一撃。
「やれやれ、その攻撃は――さっき見た。」
 先のマリアンネとバドルの戦いを眺めていたセロは、自らの持つ学習能力で相手の動きを予測しこの一撃を回避する。それと同時に、邪神の体の一部と切り落とされた筈の腕が無くなっていた。
「――ミレナリオ・リフレクション。あんたの暴食を奪らせてもらいました。どうだい、喰われる気分はさ?」
 ペロリと口元を指で拭う仕草をしたセロは、邪神の暴食を逆に利用していた。

『グオオオオオオォォォォ……』
 既に満身創痍な邪神は力無く咆哮を上げる。もう一息かと思われたその時。


『――おぉ。孫よ!孫よ!ワシが、じぃじが助けに来たぞ!』

成功 🔵​🔵​🔴​

ティノ・ミラーリア
少し元気すぎるのがいるみたいだね…手伝うよ
ああ…僕は、そんなに美味しくないと思うよ?
食べて胃に入ればなんでもいいかもしれないけど。

SPD【咎力封じ】
遠距離は狩猟銃「スナイパー」、近距離は処刑人の剣「力溜め」で
「第六感」使いながら「破魔、鎧砕き、鎧無視攻撃」の攻撃。
眷属は死角をカバーしながら敵の攻撃から僕や味方を「かばう」。
戦闘の合間に『咎力封じ』で動きを動きを制限していき、無力化を狙う。
この大きな口、猿轡で塞げるのかな。ちょっと心配だけど…まあ試してみよう。

そろそろ、大人しくなってよね…


エウトティア・ナトゥア
WIZを使用します

味方の行動に合わせて攻撃します

相変わらずUDC共は悪趣味じゃのう。夢に出そうだわい。
口だけの者は碌な者ではないと長老方も言っておったのじゃ。
きっと彼奴もろくでなしに違いないわい。

味方が攻撃するようじゃの、加勢するのじゃ。

「全力魔法」「属性攻撃」使用
この集束砲なら味方を巻き込む事もないじゃろう。
味方を射線から外して『牙で喰らうもの』に対して同時攻撃じゃ!

アドリブ歓迎です



『グオオオオオオォォォォ!!!』
 邪神は突然現れた村長を見つけると猟兵達を無視し、自身の回復を優先する為、補食しようと全身から牙を剥き出しにして襲い掛かる刹那、
 ――ドォンッ!!
 村長に牙が届く数センチの所で重い音と共に邪神が真横に吹き飛ぶ。周囲に硝煙の匂いが蔓延すると、そこには銃を構えたティノ・ミラーリア(ダンピールの咎人殺し・f01828)が立っていた。
「少し元気すぎるのがいるみたいだね…手伝うよ。それと村長、今は危険だから下がっててね。」
『き、君達は一体……?それよりもワシの孫は……。』
「あぁー、御老人、御老人。あの化け物が見えんのか?とりあえず神社に隠れててくれんかの?」
 あまりの突然の出来事に更に困惑した村長を見兼ねて、言葉遣いとは裏腹に幼い少女、エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)は背中を押すように神社に村長を押し込む。
『グオオ……』
 それと同時に邪神もダメージから立ち直り、猟兵達に怨みの籠った唸り声を上げ威嚇する。
「やれやれ、相変わらずUDC共は悪趣味じゃのう。夢に出そうだわい。口だけの者は碌な者ではないと長老方も言っておったのじゃ。」
「そうだね。全く、そろそろ大人しくなってよね……。」
 エウトティアとティノはそれぞれの武器を構える。ティノは先程の猟銃ではなく処刑人の剣で近接戦闘を行う様だ。
「先ずはこの距離から先手必勝じゃ!天地に満ちる精霊よ。我が敵を討ち滅ぼせ!」
 エウトティアの放つ全力の魔法。精霊光を集束させた砲撃が邪神を強襲する。それまでのダメージを蓄積していた邪神は避ける事も出来ずに直撃。動きが止まった隙を突き、すかさずティノが畳み掛ける。
「この大きな口、猿轡で塞げるのかな。ちょっと心配だけど…まあ試してみよう。」
 得意の咎力封じを繰り出す彼は、先ずロープと手枷で邪神の手足を拘束。そのまま大きな口目掛け猿轡を取り付ける事に成功する。
『……オオオオオオォォォォ!』
「ああ…僕は、そんなに美味しくないと思うよ?ただ――」
 この技が決まった以上、君はもう補食する事は出来ないと思うけどね。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


※トミーウォーカーからのお知らせ
 ここからはトミーウォーカーの「猫目みなも」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
コロッサス・ロードス
「邪神よ、汝を無限の飢餓から救おう。我ら猟兵流のやり方で……な」

●戦術
『武器受け』『盾受け』『オーラ防御』『見切り』等の防御技能を活かす為に敵と肉薄して攻撃を誘う

●攻撃
己の『怪力』と『鎧砕き』の技で敵の防御を崩し、二の太刀でその隙を穿つ『2回攻撃』を基本とする

●対コード
【飽き止まぬ無限の暴食】等には、形態変化を素早く『見切り』、その動きに『カウンター』を合わせる為に相討ち『覚悟』で敵の懐に飛び込む
その際に邪神の足を装甲靴[堅甲不落]で強く『踏みつけ』相手の回避を封じてから『捨て身の一撃』【黎明の剣】を放つ

「貴様の望む肉の味とは違うがこの一撃は喰らってもらう。最後の晩餐は我ら猟兵の刃と心得よ」



「邪神よ、汝を無限の飢餓から救おう。我ら猟兵流のやり方で……な」
 肉体の自由を封じられ、それでも眼前の猟兵達を叩きのめそうと暴れる邪神を前に、コロッサス・ロードス(金剛神将・f03956)は笑うでもなく不敵に告げる。
 邪神の腕は既に枷で拘束され、十全の動きはできずにいる。だがその一部が不気味に脈動するのを、コロッサスの目は見逃さなかった。
 長い腕を覆う筋肉が泡立ったかと思うと、次の瞬間裂けるようにして新たな口がひとつそこへ現れ、殆どタックルを仕掛けるような形でコロッサスに身体ごと向かって来る。
 だが、金剛のパラディンは動じない。既にその動きは見切っている。その上で、敢えて彼は敵の真正面へと大きく踏み込んだ。
『グ……!?』
 虚を突かれたように一瞬のけ反った邪神の口元に盾を思い切り叩き付ければ、分厚い金属板越しに牙が砕ける感触が伝わる。そのまま更に一歩踏み込み、敵の足を頑丈な装甲靴で踏み抜いて、コロッサスはほぼ真下から邪神の貌を睨み付ける。
「貴様の望む肉の味とは違うがこの一撃は喰らってもらう。最後の晩餐は我ら猟兵の刃と心得よ」
 まるで彼の気魄がそのまま具現化したかのように顕現した紅の神火が、その手に握る剣へと収束し、一層強く輝く。そのまま殴り付けるように神剣をまっすぐに突き出せば、払暁の光を思わせるその一突きが、深々と邪神の脇腹を貫いた。
『オオオオオオ……!』
 皮肉にも口のような形に開いた新たな傷口からどくどくと体液を溢れさせ、邪神は憎々しげに咆哮する。だが、その動きは目に見えて弱っており、この場に居る猟兵達にははっきりとその命の終焉が近づいていることが見て取れた。
 ――恐らくは、あと僅か。あと僅かで、この忌むべき『神』は討ち取れる。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クイン・クェンビー
おおおおお!? なんだーこいつめっちゃきもーい☆
お腹ペコペコなの? クインもねー食べるの大好き!! 甘いのとか!!
あ、でも辛いのも好き。冷たいのもあったかいのも好きかなー!!
でもでも悪いやつはヒーローとして許さない、それが!
誰より速く一番に、遠くの星までひとっ飛び! スーパーヒーロー・ファースターの条件なのさー!!
って痛い痛い!? クインが喋ってるのになんで攻撃するのぉ~!?
こうなったら【ダーク・ヴェンジャンス】でダメージをパワーに上乗せレイズの倍加して、お返しパンチのラッシュをお見舞いだー!!
いやークインってばやっぱ最強最善最速すぎるね☆(カメラ目線で決めポーズ)
ってもう誰かいたし!?



「おおおおお!? なんだーこいつめっちゃきもーい☆」
 せめて一人でも道連れにとばかりに荒れ狂う邪神を目にして、クイン・クェンビー(ファースター・f16715)は思ったままに言い放つ。
「お腹ペコペコなの? クインもねー食べるの大好き!! 甘いのとか!!」
 辛いの冷たいのあったかいの、あれもこれも美味しくいただけるというその一点だけに関しては、クインは邪神に理解を示してみせる。が、それはあくまでその一点『だけ』のこと。
「でもでも悪いやつはヒーローとして許さない、それが! 誰より速く一番に、遠くの星までひとっ飛び! スーパーヒーロー・ファースターの……って痛い痛い!?」
 ヒーローの口上には横槍を入れず、カッコよく決め終わるまで待ってくれる――などという気遣いをこの邪神がくれる筈もなく。飛んできた攻撃にぷんすかと文句を言いつつ、クインはすぐさま戦闘態勢へと移っていく。
 切れた頬を手の甲でぐいと拭えば、滲んだ血の代わりに漆黒の艶めきがクインの身体を覆っていく。お返しだ、と今度はごく短く言い放つクインの表情に、恐れの色はない。何故なら受けた痛みの分だけ、ヒーローとしてのクインの力は増していくのだから!
「これ! でも! 食らえぇーっ!!!」
 一撃、二撃、そこから先は数えようと思う者もいなかったろう。怒涛の勢いで繰り出される拳のラッシュに、邪神は塞がれた口からくぐもった呻き声を零すことしかできない。そして最後の渾身のストレートがその心臓を撃ち抜き――おぞましき邪神は、遂に仰向けに地に倒れた。
「いやークインってばやっぱ最強最善最速すぎるね☆」
 くるりと振り返り、ポーズを決めつつウィンクしたところで、クインはようやく他の猟兵の視線に気付く。
「ってもう誰かいたし!?」
 最速の件はともかく、クイン達猟兵が邪神を打ち倒したことは紛れもない事実だ。これ以上、村で恐るべき『神隠し』の犠牲者が出ることもないだろう。そんな確信を胸に、猟兵達は各々の武器を収めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月10日


挿絵イラスト