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消えた学生

#UDCアース

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#UDCアース


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 ねぇ、知ってる?B組のあの子、風邪で休みってなってるけど本当は行方不明なんだって。
 えーうちの学校で3人目じゃん?マジ?
 マジマジ。そもそも風邪ならSNSで連絡の一つ位よこすはずなのに全然ないらしいし。これってあれじゃない?最近噂の……。
 あっ、ちょっとそれあたしのウインナー! 勝手に食べないでよね、もう! で、なんだっけ……まぁ、いいか。そういやさ、D組の――。


「皆さんは学校というのはご存知ですか?基本的には特定年齢の若者が国で定められた一定の学を修める為に通う施設です」
 私は行った事ありませんが、楽しいそうですよ、とチャーリー・ライドゴー(ぶらり自転車週末紀行・f03602)が紙束を整理しながら喋る。もちろん、彼はなにも雑談をしたくて猟兵を集めたわけではない。
「実はUDCアースで邪神復活を予知したのです。これは邪神を信奉する者の手による物で、既に被害が出ています」
 そう言って猟兵の前に差し出されたのはUDCアースで発行されている新聞紙と言われる紙でできた情報媒体。そこには『○○区で学生の行方不明者多発。現時点で5人か』という見出しが大きく書かれていた。
「ここまで言えばお分かりだとは思いますが、皆様には邪神復活を防いでもらいたいのです。予知ではとある高等学校が関係している所までは分かったのですが、残念ながら儀式について詳細な情報は分かりませんでした。
  そこで、皆様にはまずこの予知に出た学校で儀式に関与する情報を探してきていただきたい」
 場所は東京と呼ばれる地域の公立の高等学校で、行方不明者が多く出ている学校でもある。
 この高等学校は一学年300人を超えるマンモス校。制服は人類防衛組織が調達してくれるので、学生として潜り込んでも怪しまれはしない。
 また、学生の年じゃない猟兵も出入りの業者や教育実習などの名目で潜入は可能だろう。
「行方不明者について話を聞く、怪しい物や噂が無いか探す、厄介事に首を出して情報を集める……調査方法はお任せします。そしてある程度情報を集めたら現地の猟兵間で情報共有し、儀式場と思われる場所を探し出し、儀式場の破壊を行ってください。
 ちなみに、儀式は学校ぐるみで行っているのか、たまたま利用されているだけなのか……この事件と学校の関係は現時点ではまだはっきりとわかりません。が、どちらにしても学校内に邪神復活の関与者が潜り込んでいることも考えられますので、猟兵の名を出してあちらに警戒される事が無いよう、気を付けてください」

 行方不明になっている人達は無事なのかと猟兵が問うとチャーリーは首を横に振る。
「残念ながら生きている可能性は低いでしょう……彼らの無念を晴らすためにも、この事件の幕引きをよろしくお願いします」


遭去
 遭去(あいさり)です。ホラーが苦手なのでUDCアースは書くことが無いだろうと思ってましたが気が付いたらOPを書いてました。不思議ですね。
 以下補足です。

●話の流れ
 1部で学校で情報を集め、2部で儀式場を探しだし儀式に必要な、3部でボス戦という流れです。

●支援について
 人類防衛組織に頼めば調査に必要な物は揃えてくれるはずです。

●制服
 黒を基調としたセーラー服か学ランになります。
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第1章 冒険 『潜入!秘密の学園生活!』

POW   :    学校でトラブルを起こしたり首を突っ込んだりして情報を炙り出してみる

SPD   :    邪神の手がかりになりそうな場所や物品などを歩き回って探してみる

WIZ   :    学校関係者(生徒や教師などなど)に扮して人から情報を集めてみる

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レンズ・リンド
「授業中は皆、特定の場所に集まるのなら...私はそこから抜け出している人間を探しますよ。小さいフェアリーじゃ人間の私生活には入り込めませんからね...それは他の猟兵に任せましょう。」

と小ささを活かして授業時間に人気の無い廊下を自由に探索します。
授業の予定のない部屋に人の気配があったら中の様子をこっそり覗いたり、独り言や会話の内容に聞き耳を立てて情報を集めましょう。



 教室から教鞭をとる大人の声、机といすが軋んだり、ペンと紙がこすれる音を聞きながら黒い妖精――レンズ・リンド(陰鬱なフェアリーのUDCエージェント・f05600)は廊下をふよふよと漂う。
 いくら猟兵の姿に違和感がないとはいえ、あまりに小さい妖精のレンズは学生との接触は難しいと判断し、別の視点での情報収集に回ることにした。
 授業時間なら廊下は静か……と思っていたが、見回りの先生以外にも体育の授業の室内練習や合唱のパート練習をする学生達も居たりと、考えていたよりそこそこ人がいた。そのためレンズは小柄な身を活かし、ある時は消火器の後ろに、またある時はトロフィーがたくさん入ったショーケースの中へ。人がいない教室を見て回る。

(てか、ここの学生はもうちょっと教室の中で授業しなさいよ……)
 人がいない部屋を一通り見て回ったが儀式に関係しそうな魔法陣や怪しげな物は見つからなかった。それが良い事なのか、骨折り損なのか……レンズが心の中でツッコミを入れながら少々疲れた足取り……羽取りで移動していると、とある部屋――家庭科準備室と書かれている――から声が聞こえてきた。中は確認できないためこそりと扉に耳を当てて話を聞く。
 声からして二人の女子が話に花を咲かせているようで、男が、後輩が、ファッションがと聞き耳を立てていた数分の間にも話題がコロコロ変わっていく。
 これいつまで聞けばいいのよ……と、レンズがげんなりした表情で耳を離そうとした時だ。
『てか最近センコー監視厳しくね?いつもの場所も結構なペースで見回り来て教室に戻そうとするし』
『あれでしょ、ゆくえふめーな奴らここの学校からけっこー出てるし監視してんっしょ』
『はー、マジ意味分かんね。行方不明になってるやつらってガッコー出たところまでは分かってるらしいし、ガッコー関係なくない?』
『まったく、事件のせいでセンコーも19時には学校に鍵かけて帰るから部活も満足にできないし。まったく真面目にやってられないですわー』
『それふけてるあんたが言うか』
『それ言ったらあんたもでしょ』
 何が面白いのか手を叩きながら笑いあう声が響き、また違う話題へと変わっていった。
(ふーん、やっぱり学校もピリピリしてんのね)
 演技か否かは分からないが、学校としては早めに帰宅を促したりと行方不明事件を警戒しているようだ。
 後ろから聞こえる足音(おそらく教師が聞きつけたのだろう)を聞きながら彼女は次の噂を探しに廊下を飛ぶのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

蘇芳・薊
使用技能【POW】
私がこの身体になった時の事を思い出します。犠牲者を少しでも減らす為、全力で事件解決に当たりましょう!
幸い私の元々いた学校も黒セーラーでしたから着慣れていますし、潜入する事はそう難しくは無いでしょう

足と第六感でトラブルを探して、片っ端から解決しつつ顔を売り情報収集を試みます!
万が一UDC関連の敵が現れた場合はブラッドガイストを使いますが、そうでなければ肉体を変異させず普通に対処に当たります
出来るだけ言葉で解決したいですけど、恫喝されている方等がいれば腕力で助け出します!
もし事件の証拠に繋がる事があればこっそりスマホで撮影します
(コミュ力,第六感,情報収集,忍び足,撮影,怪力)



「大丈夫ですか、お怪我はありませんか?」
 渡り廊下で腰を抜かした男子学生に優しく笑いかける蘇芳・薊(悪食・f01370)。散乱した紙を集める毎に黒い髪が肌に、黒いセーラー服にさらりと滑る姿は少々目に毒かもしれない。
 ちなみに彼女と彼の周りには散乱した紙と、着崩した学ランを着た学生たち――不良が倒れている。
 情報収集していくうちに直感で体育館が怪しいと思い、渡り廊下に通りがかると男子学生が不良に絡まれているのを見つけ、助けるために彼女は腕力をもって助けたのだ。普段なら言葉をもって対処するべきと考える彼女だが、誰かが恫喝されているとなれば別である。
 紙を集めているとふと、とある文字が目に留まった。
「……学校の怪談?」
「え、ああ。僕オカルト研究部の部員で。今学校にまつわる噂とか怪談とか集めていてね! ……でもそうこうしていたら絡まれて……」
 目をキラキラと輝かせたと思ったら途中でしょんぼりと喋る男子学生。
「怪談や噂というとトイレの花子さんとか増える階段とかですよね。私噂とか怪談とか疎くて……この学校特有のものとかあるのでしょうか?」
「あっ、こういうのに興味あるのかな?なら最近面白い噂があるんだ。『コイバナさん』っていうんだ。聞いたことない?」
「あら、名前からして恋愛に関係する噂の様ですね」
 どの学校でも恋愛の話題は尽きないのですね、と薊は少し笑みを浮かべる。
「ああ、その通り。恋愛に関係する噂話でさ、なんでもこの人に相談すると恋愛が上手くいくそうなんだ。詳しい情報は今情報を集めているところなんだよ……でもこの噂が出るようになってからだね、行方不明者が出るようになったのさ」
 それでは僕はここで。助けてくれてありがとう。と一礼すると彼はまた新しい噂を見つけに購買へと向かっていった。
「さっそく気になる情報をゲットしたかもしれませんね」
 彼を見送ると、薊は他の猟兵に情報を共有するため携帯を取り出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

七々鐘・茉莉也
教師の格好で学校に潜入して、新しい非常勤講師って設定で生徒達から色々と話を聞いてみようかしら
スーツや教科書とかは人類防衛組織ってところに頼んで用意してもらうわ
ふふ、七々鐘先生ですよぉ~

噂話が好きな子とか、いつも帰りが遅い子を重点的に当たって【情報収集】してみるわ
こんにちは~。七々鐘先生、17歳です♪少しお話いいかしら?
【コミュ力】を発揮して、どんな些細な情報でも手繰り寄せるように心掛けましょう
あ!この際学生さんとお友達になっても良いわね~

それと……行方不明の生徒と仲が良かった子の所にも行ってみるわ
話を聞いてあげれば少しでも気が休まるかもしれないし……その子達のためにも、早く事件を解決しなくちゃ



「それじゃあせんせー、またね~」
「はぁい。気を付けて帰るのよ~」
 七々鐘・茉莉也(羅刹の戦巫女・f11217)は先ほどSNSの連絡先を交換した学生に手を振って帰りを見送った。
 噂好きの子たちを中心に茉莉也は学校内で色々な情報を集めていると色々と聞くことができた。
 曰く、ここの焼きそばパンは焼きそばがとてももちもちしていて美味しい。××先生は○○ちゃんと付き合っている。購買部では昔戦争で亡くなった人の霊が夜な夜な食べ物を求め彷徨っている。廊下を疾走する人体模型。等々……。
 既に十分すぎる情報量だが、もう少し欲しいわね……と考えながら暗くなった放課後の見回りをしていると、ある教室に女子生徒を見つけた。
「あらあら、もう帰る時間よぉ?」
「えっ、あなたは?」
「うふふ、非常勤講師の七々鐘 茉莉也、17歳よ。七々鐘先生って呼んでね?」
 スタイルの良い体をスーツで包み、かわいらしくウィンクをしながら自己紹介をする茉莉也。茶目っ気を交えて言えば17歳って、面白い先生だなぁ。と女子学生はふにゃっと笑った。
「どうしたの、机を見つめちゃって。この机何かおかしいところがあったかしら?」
「あっ、いや……これあの子の机でさ……大丈夫かなって」
 あの子、というのはきっと行方不明になっている子の事だろう。
「そう……。どんな子だったの?」
 大丈夫、無事に帰ってくるとは言えなかった。少し唇を噛み、茉莉也は優しい口調で目の前の学生に問いかける。
「うん、凄くいい子でさ。クラスのみんなと分け隔てなく喋れる子で……」
 彼女は勉強ができるけどすこしほわっとしたところがある。この前も顔面でバレーボールを受け止めて心配だった。など取りとめもない話が続き、茉莉也は優し気な表情で話に相槌をつく。
「あとあの子、最近恋愛で悩んでたみたいだから変なことに巻き込まれてないか心配でさ。変な噂も信じていたし」
「噂?」
「なんだっけかな……たしか、ある電話ボックスから電話すると恋愛相談に乗ってくれる人がいるとかなんとか……詳しいことは分からないや」
(そういえばさっき似た様な話を聞いたわね……)
 先ほど情報交換をした女子生徒に扮しているある猟兵の話を思い出す。もしかしたらなにか繋がりがあるかもしれない。

成功 🔵​🔵​🔴​

七瀬・麗治
〈変装〉で教育実習生を装って校内を調査する。活動は主に放課後。自身がサッカー経験者ということもあり、体育会系の学生達と積極的にコミュニケーションを取る。恋愛話が好きなので、学生の恋愛悩み相談なんかの軽い雑談から始まり、部活に最近来なくなった生徒やSNSで連絡がつかない生徒の話題になると、詳しく聞いてみよう。ユーベルコードは【謎を喰らう触手の群れ】を使用。人目につかないように注意。使ったあとは記憶消去銃と〈催眠術〉の併用でアフターケア。「オレと話したことや、今見たものは忘れろ。いいな?」



 別の日の放課後。校庭では白熱した球技が行われていた。
サッカー部の部員たちが二つチームに分かれておこなれた練習試合。1つはレギュラーが多いチーム、もう一方は補欠の割合が多いチーム。普段なら後者のチームが負けることが多いが今回は後者のチームに混じって試合に出た教育実習生――七瀬・麗治(悪魔騎士・f12192)が大きく流れを変えたのだ。
 フェイクを交える麗治の足技に惑わされてた相手チームは上手く実力を発揮できず、試合は麗治達のチームが前半有利のまま終了した。
「うへー先生、なんでそんなにうまいんだよ」
「訓練……練習だ、練習」
 休憩時間、人通りが少ない場所に置いてあるベンチにドカッと座る学生に笑いながら答える麗治。自分もこんな風に当時のサッカー部の皆とサッカーをしていた時期のことを思い出し、懐かしさを覚える。
 休憩時間の合間の世間話を切り出す。隣に座っていた男子学生に話を振れば、話題は他の学生も交えた恋バナへ移っていった。
 恋バナの話の内容――詳しいことは割愛するが健全な男子達が大変いい感じに盛り上がる内容だった。
 恋愛話が好きな麗治としてはもう少し恋バナに話を咲かせたかったが、休憩時間が終わるまで時間もない。惜しく感じながらも、目的の話題を切り出す事にした。
「そういえば今日俺がサッカーのチームに入ったが、普段は誰か別の部員が入ってるのか?」
「あー、普段は部活の後輩がいるんだけど……あいつ最近学校に来ねーんだよな」
「あれじゃね、うちの学校のSNSで有名になってた『コイバナさん』のおかげで彼女ができたからじゃね」
 他の男子学生もコイバナさんの話に喰いつく。
「『コイバナさん』というのがここの学校で噂になっているようだが、そもそもなんだ?」
「ああ、なんでも『コイバナさん』は良縁の神様で、その神様の恋愛アドバイス通りに動くと両想いになれる、らしい。それで実際恋愛成就した奴いるらしいぞ、他校で」
「マジかよ、いいなー俺も相談してみっかな。確か『5187』にかければソイツの電話に繋がるんだろ?」
「やめとけ、あれ普通の電話だと通じねぇらしいし。試しに俺この前スマホでかけてみたら通じなかったしな」
「いや試したのかよお前!」
 和気藹々と盛り上がる男子学生達。本気で信じているかはともかく『コイバナさん』は男子学生の間でも有名になっているようだ。
 ユーベルコードを使うことも考えたが、十分情報を手にいれられた。今回は不要だろうと、麗治は記憶消去銃をしまい直す。
 「さて、そろそろ時間だ」
 麗治が時計を見れば休憩時間は過ぎている。やっべという声と共に慌てて校庭に向かおうとする男子学生達。
 背中を見て少し眩しそうに目を細めると、麗治は彼らに続いて歩き出した。

成功 🔵​🔵​🔴​

墓多野・ソルト
【SPD】アドリブ歓迎

学ラン着たーい!
異界の学校!怪事件!潜入調査!
う~んわっくわくだねぇ!

皆の情報を鑑みるに、事件の原因はコイバナさんだよねー、やっぱ!
なら電話ボックスを求めて屋外を探索だ!【視力・暗視・聞き耳・第六感】
誰かに見咎められそうな時は【クリスタライズ・忍び足】でこっそり行こー!

電話ボックスを見つけたら
何か怪しい物がないか確認して、5187に発信
何事もなければ他の電話ボックスにGO

繋がったら恋愛相談を装って相手の出方を伺うよ
行方不明者は学校出るまでは無事だったみたいだしね
何か指示でもされたんかなー

もしもしコイバナさんですか!
あなたに相談すれば彼女ができるって聞いたんですけど!!!



 異界の学校!怪事件!潜入調査!こんな楽しい物があるだろうか!
 黒い学ランを着て塩ソフトクリームを片手に夕暮れの街を歩くのは墓多野・ソルト(クレイジーソルト・f11904)。普通の人間以上の好奇心はハーライトで構築されたその身を学校の外に飛び出させた。
 夕暮れの街は学校や仕事帰りの人々で賑わい、テレビは今週のおすすめグルメを紹介している。色んな世界を見ているがやはり自分が住んでいない、見たことが無い世界を歩くというのは心が躍る。
 この時点で既にソルトの目は輝いていたが、道の片隅に上に横長く緑色の電話が入った箱を見つけるとまさしく塩の結晶のように目を輝かせる。それが今回のお目当ての物、電話ボックスだ。
 人通りが多いので怪しまれない程度に外見を見れば電話ボックスにおかしい処は無さそうだ。中に入ると緑色の受話器を手に取りこの世界の硬貨――10円玉とやらを入れ、『5187』のボタンをリズミカルに押す。

 外界から遮断された静かな空間。耳にコール音が響く。1回、2回……
『――あら、だぁれ?』
 数回のコール音の後に聞こえてきたのは若く、しかしどこか艶がある女の声。
「もしもしコイバナさんですか!あなたに相談すれば彼女ができるって聞いたんですけど!!!」
『うーん……声からして恋に悩んでるように聞こえないけど。悩みがあるの?』
「はいそうなんです!もう彼女の事を考えただけで口の中が渇いちゃって……!」
『あらー……それは重篤ね?でも私忙しいの』
「それは相談に乗ってくれないって事ですか!?」
 ソルトが明らかにがっかりした声で喋れば、女はまぁ待ってと少し困ったようなトーンで答えが返ってくる。
『落ち着いて、聞かないとは言ってないわ。でも、私も今忙しいの。それに、そこの電話じゃあなたの相談内容が誰かに聞こえちゃうじゃない?』
 だから夜、そこよりも人気が少ない電話ボックスでまた電話してちょうだい?
 その一言だけ残して電話は切れた。
  
『そこの電話者あなたの相談内容が誰かに聞こえちゃうじゃない?』
 最後のまるでこちらの事を見ているかのような口ぶり。
 ソルトは思わず電話ボックスから出て周りを見渡すが、先ほどとは変わらない、電光と音に溢れた世界が広がっていた。 

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『恋愛成就の公衆電話』

POW   :    公衆電話の設置場所を調べる、実際に試す

SPD   :    中高生に聞き込み、尾行する

WIZ   :    噂の出所を調べる、不審な人物を洗い出す

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 午後8時、若い人を中心ににぎわうカラオケ店。廊下を歩けば音楽にのせて歌う人の声が漏れてくる。
 そんな一室で情報収集をしていた猟兵たちと人類防衛機構の職員が集まり情報を共有をする。学校で集めた情報からするとやはり『コイバナさん』というのが関わっているのは濃厚の様だ。
 公衆電話から電話をし、恋愛アドバイス通りに動くと恋愛が上手くいくという『コイバナさん』と詳しく話ができる場所は「夜、人がいない場所に設置している公衆電話。」
 職員が集めた行方不明の人たちを最後に見かけた場所周辺には公衆電話が何件かあるのが分かった。猟兵たちはその辺りの公衆電話を調べ『コイバナさん』のしっぽを掴んでほしい。
 また、学校の外にも噂は広まっているようなので、公衆電話の近くに居る人や夜の街を歩く学生に声をかければ何か別の情報が見つかるかもしれない。

 打ち合わせを終えると猟兵たちは目の前の飲み物と食べ物を腹の中に収め、次の調査へと向かうのだった。
七瀬・麗治
やはり現代の「噂」の発信源はSNSだろうか。
インターネットで、この地域一帯の噂話を調査するぞ。
やはりこの手の噂を流すのは、学生か? と推測、
「コイバナさん」に興味がある学生を装い、SNSの地域コミュニティで交流した人物たちとの会話内容から地名、団体名などを
ピックアップし、情報をまとめていこう。
ある程度材料が揃ったら〈失せ物探し〉で実際に
自分の足で調査。バイクで町の噂話にまつわる電話ボックスを
探し、「コイバナさん」に電話をかけている人物を尾行する。
ターゲットに声をかけ、【謎を喰らう触手の群れ】で謎を収集だ。ついでに当該電話ボックスの写真も撮影。最後に〈気絶攻撃〉でターゲットの記憶は消去だ。


幽暮・半月
【SPD】
恋だ愛だとうつつをぬかしおって
…まあいい、漆黒の流体たる我が身は影となりてそれらしき場所に張り込むとしよう

(約:
リア充爆発しろ!(ただよう悲壮感
…あ、いや、この場合被害に遭ってるのはリア充じゃない方か?
どっちにせよオブリビオンの暗躍は放っておけないな

にゅるにゅると影に擬態して、絞り込んでもらった公衆電話のすぐ傍を張るぜ!
誰かが来たら会話内容を盗み聞きして情報を集める
尾行できそうならこれまた影に擬態してついて行こう
撒かれたりしたら他の人に連絡して早めに情報共有したほうがいいかな?)

アドリブ絡み歓迎



 麗治は学校のコミュニティの画面を真剣に見ていた。おそらく噂の発信地はここだと踏んだからだ。
 学生に成りすまし調べていると、どうやら先ほどまでいた学校から噂が広まったのは間違いない。学校のスレッドで『コイバナさん』関連の一番古い話題発言を見ればある女子高生が書き込んだものが始まりのようだ。
 情報を収集していると携帯電話が振動し始める。電話に出ると慌てた声が飛び込んできた。
『大変だ! 今すぐ来てくれ!!』

 時間は少し前に遡る。
 幽暮・半月(一葉・f00901)は今は静まり返った公共施設の敷地内にある公衆電話の近くで枯れ木を模した体を揺らしながら誰かが来るのを待っていた。
「恋だ愛だとうつつをぬかしおって……まあいい、漆黒の流体たる我が身は影となりてそれらしき場所に張り込むとしよう」
 感情を表す信号機を緑と黄色に点滅させ、クールな口調でかっこつけているが、本音はリア充爆発しろ! である。そのためなのかどことなくセリフに悲壮感が漂ってる気がするのはたぶん気のせいだろう。
 相棒のブランシュはその様子を見てやれやれといった感じで彼の上で首を横に振った。
 と、寒い中張り込みを続けているとセーラー服を着た女子高生がやってきた。女子高生はあたりをきょろきょろと見渡すと電話ボックスの扉に手をかける。
 入ったことを確認すると半月は気づかれない様に夜の闇に紛れ慎重に近づきを耳……耳を澄ます。
 最初はテンション高く身振り手振りも交えてどうすれば意中の男の子との恋愛成就できるかを恋愛相談していたが段々と静かになっていく。
 電話ボックスから出るとうつろな目で何かを呟きながらふらふらと歩きだす少女。数分の間にここまでおかしくなるのはどう見てもおかしい。嫌な予感がする……慌てて麗治に連絡をとると相手の返事を待たずに早口で要件を言う。
「大変だ! すぐ来てくれ!」

「とまれー!親が安寧の地でお前の帰りを待っているぞ!」
 麗治がバイクで急ぎ現場に向かうと半月が少女に呼びかけ、彼の相棒の白い竜はセーラー服の襟を引っ張り足止めをしていた。
「……いかなきゃ、いかなきゃ……いぐるス、いぐなセす……」
 周りで起こっている事が見えてないかうわごとを呟きながらどこかへと行かんとする少女。
 麗治も近づき声をかけてみるが少女は同じことを呟くだけで返答はない。それならばと麗治は腕から紫色の触手の塊を召喚する。
「行かなきゃというが。さて、どこに行くんだ」
「いかなきゃ……えっ」
 あたし、どこに行くんだっけ。少女の脳裏に小さな疑問が頭をよぎると彼女に彼女の疑問を喰らうべく触手がへばりついた。
「さて、もう一度聞こう。どこに行くつもりだったんだ?」
「あたし、あたし……そう公園。公園の電話であの人のアドバイスを聞かなきゃいけないの」
「公園……おお、あったあった。確かにこの近くに公園があるな!」
 半月が枯れ木の様な体を器用に使い地図を広げて見れば、確かにここから近い所に公園が2か所ある。どちらかの電話ボックスが『コイバナさん』に会う事が出来る場所なのだろうか。
「だからいかなきゃ。でもなんで進めな……ひっ!? なに、このうねうねしたの?!」
 はたと気が付き目に光が戻ると同時に少女は上擦った声をあげながらあわてふためく。気が付いたら見たことが無い生き物(かすら怪しい)が自身に張り付いていたらこのような行動をするのもあたりまえだろう。
 ああ、そうだったなと触手を呼び戻す麗治。触手が離れほっと一息をつくと少女は抗議をするため睨み付ける――
「ちょっとあんたっ……!?」
 麗治の手刀が彼女の首をとん、と叩くと少女は眠るかのように気を失う。崩れ落ちる彼女を半月がその身を震わせて丁寧にキャッチして近くのベンチへと寝かせる。
「ようやく『コイバナさん』とやらのシッポが掴めたようだな」
「ああ、長かった。2か所あるようだが二択ならばすぐ件の公衆電話も見つけられるだろう」
 さすがにこのままじゃ危ないな……と半月が携帯を取り出して警察に連絡を入れる間麗治は公衆電話の写真を撮る。 
「しかし、『コイバナ』さんとやら本当に現れてくれればいいが」
「なに、現れなくても儀式場を破壊すればひとまず今回の目的は果たせる」
 最悪電話ボックスを二つ壊せば邪神復活の計画はとん挫するだろう。
 気絶する少女の記憶を消し、男2人は次の儀式場へと向かっていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

蘇芳・薊
コイバナさんに問い合わせが出来る公衆電話が見つかったのなら物は試しにやってみましょう。何があっても良い様に、スマホのGPSと録音機能もオンにしつつチャレンジです!

儀式も行われると言う事なら広い場所が必要でしょうから、まずはより広く人通りの少ない方の公園の公衆電話に行ってみましょう。

「最近好きな子が出来てしまって。実はその子も女の子なのですが、どうすれば思いが伝えられるか相手も困らないか悩んでしまって……」なんて、こう言う場所でも無ければ相談出来無さそうなそれっぽい話題で話し掛けます。

とは言え周囲にも暗視や第六感等で気を配り、もしもその場で何かに襲われればブラッドガイストでカウンターを試みます!



 薊は何かあった時の為にスマホのGPS機能を起動し、周りを見渡す。
 彼女が怪しいと睨んだ場所は人通りの少なく広い公園。夜というのも相まって周りは静寂に包まれており、灯も街灯が申し訳程度にしか設置されていないため、自然と人が通るのを拒む仕様となっている。
 なるほど、ここなら大規模な儀式だろうと、儀式場自体をどうにか隠すことができればやりやすいだろう。
 意を決し街灯以外の光源――電話ボックスの扉を開き、録音の準備ができてから受話器を外す――。

「……そう、実は最近好きな子が出来てしまったんです」
『その口ぶりからだと年下の男の子かしら?それじゃあ――』
「実はその子も女の子なのですが、どうすれば思いが伝えられるか相手も困らないか悩んでしまって……」
『……あら、お相手は女の子?あなたも女の子よね?……あらやだ、素敵じゃない?』
 嘘か本当か、薊が持ち込んだ恋愛の悩みの話に『コイバナさん』はノリノリで食いついた。曰く『恋に性別は関係ない』。深夜テンションも相まってとても盛り上がる。
 時間が流れコイバナさんからの大胆なアドバイスを聞き、それでも悩んでいると『コイバナさん』からその言葉が出てきた。
『じゃあその恋、叶えるおまじない、教えてあげる』
「おまじない……とは?」
『ただここである呪文を唱える。それだけよ。そうすればあなたが告白する不安がなくなってしまうの』
 受話器から聞こえた呪文は『イグルス、イグナセス』。先ほどの少女が呟いていた物と同じ物だった。
 すると、なぜだろうか。この話題になった途端に電話ボックス内の空気が先ほどより重くなった気がする。
 『コイバナさん』への返答に悩み、ふと下を見る。すると先ほどは無かったはずの床に赤い線で描かれた魔法陣が薄らと浮かんでいるではないか。
「すみません、やはりここは不安を自分で乗り越えて告白すべきだと思うのでこれにて失礼したします!」
『あっ、ちょ』
 何か受話器で聞こえたが無視し、出る時より重くなった電話ボックスの扉を開ける。
 勢いよく飛び出し電話ボックスを振り返ると、中では分からなかったが怪しい光を放っている。やはり、ここで間違いないようだ。
 電話ボックスでのやり取りが録音されているのを確認し、薊は急いで周辺を調査をしている猟兵に連絡を取るためにスマホの電話アプリを起動した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

七々鐘・茉莉也
行方不明者の友達がしていた顔……あれを見たらここで躊躇してはいられないわ
電話ボックスからコイバナさんに電話をかけて現場を案内させてみるわ

実は私、教師をしているのだけれど……
教え子のことを……好きになっちゃったの
いけないことだって分かってるけれど、どうしても諦められなくて

でもある日、その子が行方不明になっちゃって
私がそんな事を願ったせいで、あの子に良くないことが起こったんじゃないかって不安で……
サッカーが好きなあの子に、もう一度会いたいわ……

うまくいけば、儀式の現場に行けるかも
被害者と、その家族や友達のためにも危険は覚悟の上……コイバナさんの指示に従って進んでいき、他の猟兵に私の位置情報を送るわ



 
「実は私、教師をしているのだけれど、教え子のことを……好きになっちゃったの」
 深夜のとある電話ボックス。そこには浮かない表情で『コイバナさん』に電話をする艶やかな黒髪を持つ女性――茉莉也の姿があった。
「いけないことだって分かってるけれど、どうしても諦められなかったの」
 相談することに、電話をかける事に多少の戸惑いがあった。しかしその度に夕刻に出会った生徒の顔が脳裏をよぎる。
 彼女は明日も朝に友人が登校するのを、夕刻にはあの机の前で友人を待つのだろうか。そう思うと躊躇する時間も惜しかった。
「でもある日、その子が行方不明になっちゃって。
 この思いを叶えたい。私がそんな事を願ったせいで、あの子に良くないことが起こったんじゃないかって不安で……」
 茉莉也が喋る相談内容はもちろん作り話だ。
「サッカーが好きなあの子に、もう一度会いたいわ……」
 ぎゅっ、と受話器を握る手に力が籠る。
 彼女の口から悩ましげに紡がれる言葉は、電話越しの相手に真実だと思わせるには十分だった。
『サッカーが好きな……ああ、もしかしたらその子に会わせてあげられるかもしれないわ』
 話自体は作り物だったが、たまたま似たような相談をしていた人物がいたようで、『コイバナさん』が思い出したかのように答えを返す。
「ほんとうに!?」
『ええ。正確にはさいごに会った場所を教えてあげるだけれど。以前似たような悩みを持った子に会ったことあるの』
 何がおかしいのか、受話器の向こうの女はくすくすと笑う。
『今から言う場所に来て。そしてそこにある電話ボックスから私に電話してくれるかしら?』
一拍の間を置いて電話の主は次の言葉を口にした。
『そしたら私、会いに行くわ』

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『膨らむ頭の人間』

POW   :    異形なる影の降臨
自身が戦闘で瀕死になると【おぞましい輪郭の影】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    慈悲深き邪神の御使い
いま戦っている対象に有効な【邪神の落とし子】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    侵食する狂気の炎
対象の攻撃を軽減する【邪なる炎をまとった異形】に変身しつつ、【教典から放つ炎】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 深夜の都内の公園。
 昼間ならば散歩やジョギング等で賑わう場所も、今は頼りなさげに街灯がぽつりぽつりと灯るばかり。用が無ければ近寄らない様なそんな場所に靴音をたてながら近づく影があった。

「なぜか立て続けに電話があると思ったら……ふぅん、そういう事ね」
 それは昼間潜入調査していた学校の制服を着た女子高生。
 女子高生が茶のミディアムヘアーを揺らし、手に持っていた薄汚れたサッカーボールを猟兵の方を投げ入れると、猟兵の間をするりと通り過ぎて電話ボックスの前で振り返る。
「どこから嗅ぎ付けたのかしら。でも、残念。色恋に溺れるサル共のおかげで必要な贄はもう確保できたわよ。恋愛が叶うなんて根拠もない噂を流したら、思ったより相談に来たのは想定外だったけどね。
 でも、面白かったわよ?サル共が電話ボックスの中で段々と溶けていく様を見るのは。溶けているのに相談に夢中でもうおかしいったらありゃしなかったわ!」
 まぁそうなるようにしたのも私なんだけどね。女子高生はその様を思い出して一人でくすくすと笑った。が、そうも長くは続かなかった。
「愛も恋もくだらないわ。誰かと繋がらないといけない世なんておぞましい……」
 先ほどとはうって変わり苦しげに少しの間だけ自分の身を抱きしめると、電話ボックスに向き直る。
「だから、変えるの。くだらないモノを是とする人が蔓延るこの世界を!」
 少女の声に呼応するように電話ボックスに纏う怪しい赤い光を発し、それは段々と強い光となっていく。
「イグルス、イグナセス!神よ!地の底に揺蕩う×××よ!この汚らわしい世界を変える叡智を力をお与えください!」

 瞬間電話ボックスから強烈な赤い光が公園を包むこむ。
 一瞬なのか、それとも数分か。光が収まったそこには先ほどの女子高生の姿は無く。

『イグルス……イグnセス……我レ、世かぃを改変んnnNNんせsもnNNN』

 そこには人型を取りながら人を捨て去った、この世ならざるモノが立っていた。
七々鐘・茉莉也
コイバナさん(仮)が指定した電話ボックスで待ち受けて、事件に終止符を打ってみせるわ

その制服……そう、あの学校に行方不明者が片寄っていたのはやっぱりそういうことなの
察しの通り、私達は貴女を止めるために遣わされたわ
(彼女の言葉を受けて)じゃあ、貴女に相談した子達はもう……

(ボールを一瞥し)貴女にもきっと世を呪うほどの、そうさせるほどの理由があるのよね
……でも、アナタは越えてはならない一線を越えたわ

話を終えたら、後は私のUCを発動して戦闘に入るわ。変身……!
全ての罰を、呑み干しなさい

得意の水の属性攻撃で炎に対抗しながら戦うわよ
敵が落とし子を召喚したら、野生の勘を信じて脆弱な箇所を狙って撃破を試みるわ



「そう、あの学校に行方不明者が偏っていたのはそういうことなの」
放り投げられ夜の闇へと転がっていったサッカーボールを一瞥し、変わり果てた学生へと向き直る。
「貴女にもきっと世を呪うほどの、そうさせるほどの理由があるのよね」
姿が変わる前のあの少女に何があったのか。人間関係でうまくいかなかったのか、はたまた思春期独特の考えに陥ってたのか、それは分からない。

「……でも、アナタは越えてはならない一線を越えたわ」
一つ分かることは少女が身勝手な理由で他人を巻き込み、その命を溶かしたことだけだ。
それは、誰であろうとも赦される物ではなく、温厚な茉莉也もそれを赦す事はない。

少女だった『膨らむ頭の人間』――異形の頭を持ったその人間だったものが咆哮する。
すると、制服を着た身が邪なる炎に包まれ、その炎で自分以外を焼かんと猟兵へと向ける。

茉莉也が翠色のドレスと霊水を纏う戦闘形態へ変身すると指先から新緑色の液体を生み出し、襲い掛かる炎へと撃つ。
空中でぶつかり合う炎と水は膨大な量の水蒸気と僅かなお茶の香りで戦場を包み込み消滅する。

消滅した炎を認めると、異形が低く呻く。
同時に異形の影から邪悪な落とし子ーー顔がないスポーツユニフォームを着た者が滲み出るように現れると、ボールを蹴りあげて攻撃を始める。
「いやね、もうっ!」
攻撃の姿勢を解除して回避を行う。
変幻自在に曲がるボールは茉莉也を確実に追い詰める。
横から腹を抉らんとするボール、頭を穿とうとするもの……それらを彼女はすべて感によって回避し続ける。
一方落とし子は優秀な攻撃手段を持つも、先程の攻防の影響で場を包む水蒸気により攻撃の狙いが定まらない。
視界が晴れるまで待つために落とし子が攻撃を緩めた。
直後、水蒸気に包まれた場に水の弾丸が空気を切り裂きながら落とし子の体を穿った。

この学生がやった事は決して赦される罪ではない。だからこそ 。
「すべての罰を、飲み干しなさい」
茉莉也が真っ直ぐ異形を見つめる。
消え行く落とし子を見て膨らむ頭の人間が悔しそうにぎぃぃ、と鳴きながら距離をとった。

成功 🔵​🔵​🔴​

虚偽・うつろぎ
アドリブ連携等ご自由にどぞ

颯爽登場、通りすがりのうつろぎ参上
気になって来てみれば丁度良いタイミングだったかな
見つけた以上は僕も自爆しておかないといけないね
さぁその頭に僕の華麗なるキックを叩き込んであげるよ

トッカンモードを使用
命中率を重視

少し長期戦になりそうだしね
まずは牽制と様子見も兼ねて一発自爆しておく
シンプルに突貫
飛び蹴りからの自爆
技能:捨て身の一撃を駆使したトッカンモードによる自爆

ほら、どうせ自爆してボロボロになるのだから
回避できるものは回避するけど
ある程度の敵からの攻撃は無視するよ

自爆後はボロボロになってピクピク倒れてます
後からしれっと復活して自爆しにやってきそうです



『イグLuス……イグなseス……』
 呪詛の様なうめき声をあげれば学生服を着た落とし子がずるりずるりといずこからか顕れる。
 普段は住民たちの憩いの場である公園が今は異形の集団と猟兵たちの戦いとなっていった。

 異形の咆哮とお茶の香りが戦場を包む中、その様子を公園の闇から静かに観察する者がいた。
 今でこそ落とし子の召喚と炎で攻撃するだけだが、膨らむ頭の人間が今後追い詰められればどのような動きをするか分からない。
 牽制と様子見。その目的を果たすため、体で名を表すブラックタール、虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)は公園の闇から膨らむ頭の人間の元へ猛スピードで駆けだしていく。
 その動きを察知した膨らむ頭の人間が咆哮をあげる。
 その声に呼応するように異形の落とし子たちは得物を持ち攻撃をはじめる。
 当の膨らむ頭の人間も手に持つ経典から怪しげなオーラを持つ炎を次々と空へと打ち上げれば、うつろぎの上から火球の大雨が降り注ぐ。
「ふん、この程度の攻撃で我が動きを止めることは不可能ぞ!」
 その美しいフォントの様な体を活用し、異形の落とし御の攻撃も火球による熱の熱さも気にしないとでも言う様に、一つ二つ三つ、確実に火球を滑らかに避けていくうつろぎ。
 炎の雨が晴れ、落とし子たちの攻撃をもかいくぐりその異形との距離を一気に縮めた彼がとった行動は――
「よ~しっ、それじゃあ自爆しようかな!」
 自爆である。いきなり?と思うかもしれないが、今回は牽制と様子見という2つの目的を一気に達成するために必要な自爆だからおかしい事は無い。
 たぶん。
「ゴッドうつろぎフォーミュラ…暴風となり…HPは1になる…!」
 体全体を使い飛び跳ねて繰り出したうつろぎの鋭い飛び蹴りが異形の体を捉える。
 直後、うつろぎと異形の間で閃光公園の闇を切り裂き、轟音と膨大な熱量を撒き散らした。

 うつろぎは、爆発が起きた場所からちょっと離れた公園の木々の間へ飛んでいき、木々を揺らす音を立てて地面へと落下。
「ふ、ふふふ……実に良い自爆だったね……」
 地面にべしゃっ。と着地した彼は『うつろぎ』を形成する線が切れかかってホラー系フォントの様になりつつもぴくぴくとその体を動かしながら満足げに頷くのであった。
 
『ぎゃぎgggっぎっぎぎぃLiぃぃぃぃぃ!!!!??????』
 一方の膨らむ頭の人間は自身が纏う炎すら吹き飛ばす大爆発に飲み込まれた熱に灰色の肌を焼かれ、奇声をあげて地面にのたうつ。
 その奇声を聞いて心配したのか、はたまた刷り込まれた行動なのか不明だが、今まで猟兵と戦っていた落とし子のうち数人が介抱するため慌てて主の元へ駆け寄り始め、戦況は大きく変わっていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィロメーラ・アステール
「よーし、このままじゃんじゃん畳み掛けるぞー!」
無慈悲にも傷口に塩を塗る! 塩じゃないけど!

【星の遊び場】を発動だー!
【破魔】【属性攻撃】の渦潮を起こす【全力魔法】で、落とし子もろともキレイに洗ってやるぜ!
聖なるエネルギーが傷口にしみるかどうかは、わからないが!

反撃しようにも、その荒波の中では狙いは定まらないだろ!
教典で片手ふさがってるから、姿勢も制御しにくいはず!
落っことしてくれたらラクなんだろうけど、流石に大切そうなモノは手放さないだろうなー!

もし反撃してきても、すばやく【残像】を残して回避するぜ!
闇雲に反撃してきた場合は、流れ弾に当たらないように【第六感】で危険を察知するぞ!



「よーし、このままじゃんじゃん畳み掛けるぞー!」
 フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)がのたうち回る敵を倒すべく、流れ星のように公園の闇を切り裂いて駆ける。
 そうはさせるかと周辺にいた落とし子がそのそれぞれの得物を持ち彼女の妨害を始める。剛速球の野球の玉、サッカーボールが公園内を乱舞するが、小柄な彼女を捉えることは難しい。
「ふふっ、あたしのスピードについてこれるかな? なーんちゃって」
 ふっふーんと襲ってくるボールを軽々と避けさらに加速するフィロメーラ。そんな時、一人の落とし子がフィロメーラの軌道線上にテニスラケットのガットを向ける。
「ちょっー!?」
 突然の出来事に反応しないフィロメーラは勢いを殺すこともできず、哀れ勢いそのままでテニスラケットにぶつかり地面に落ちた……
「……って、そんなわけないだろう?」
 少し呆れた表情でテニスラケットの背後に立つフィロメーラ。
「いやぁ、なんとなくそういう妨害技きそうだなーって途中で幻影にすり替えていたけどラッキーだったね。」
 したり顔をしてそのまま上空へと駆けのぼり敵の姿を確認すると、フィロメーラはその場で精神を統一させる。
「よしっそれじゃあ、あたしにまかせろー! バリバリ! じゃなくてばしゃばしゃ―!」
 一つ呪文を唱えれば彼女の直下の地面から破魔の祝福を受けた津波が現れ、そのまま膨らむ頭の人間と傍らにいた落とし子たちを襲う。
 落とし子たちは主を守るべく何人かがくっつき合って防波堤になろうとするが、津波の勢いに耐えることができず主ともども津波の胃袋に飲み込まれた。
 轟々と響いていた津波が過ぎ去り残るは猟兵と動かない頭部が膨らんだ者といつもの公園の静寂。
『いgyaaaaaAAAAA!!!!!!!!!!』
 静寂を引き裂いたのはこの世ならざる者の悲鳴だった。
 悲鳴と同時に津波が襲う前以上にのたうち回り暴れる。先ほどの爆発によって負傷した肌から破魔の加護が直接触れ、さらなる激痛に苛まれ始めたのだ。
(傷口に塩ならぬ破魔を塗り込むのは上手くいったな)
 うんうんと頷き、もう一発を入れようとするが、痛みにもがく膨らむ頭の人間が出鱈目に撃った炎が彼女の横を掠める。
 この場で一人で攻撃するのは危険だと判断したフィロメーラは自分のカンを頼りに炎を避けながら猟兵たちの元へ戻っていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

七々鐘・茉莉也
やたらに攻撃を出しているわね……追い込まれて正確な攻撃が出来ていないけれど、逆に我を忘れた一撃は無視できない威力のはず
だったらこれで!次なるUCを使って別形態へ変身するわよ

レモンの力を使えば身体に風を纏える。これで炎との間には空気の層が出来て、延焼を押さえることが出来る
それに冷静さを欠いた状態では、レモンの高速移動にはとても反応出来ないわ
ジグザグな動きで周囲を飛び回り、風による衝撃波を撃ち込んでいきます

さあ、この風についてこれるかしら!

そうして相手を翻弄したら高速移動を駆使して接近し、プロペラブルストームで切り裂いていくわよ
風の属性攻撃と2回攻撃を発揮した連続攻撃で斬撃を叩き込み追い詰めるわ


ミーヤ・ロロルド
にゃにゃーーー!!
こんなの駄目にゃ! 悪いことしちゃ駄目にゃ!!
だから、ごめんなさいにゃ。
君を……倒す、にゃ……。

メインは得意の【SPD】で。
走り回って、敵を翻弄。敵が隙を見せたときにすかさず炎の属性攻撃を込めたガジェットショータイムで攻撃!
野生の勘で、相手の弱点とおぼしきところをピンポイントで攻撃!!
大打撃を狙う。

もし、化け物になった子も助けられるのであれば、果敢に呼びかけ。
必要ならば、彼女が好きそうなポップスも歌って。
「ねえ、もう元には戻れないかにゃ?」
「もし戻れるのなら、ミーヤがお手伝いするにゃ!」
「だから……答えてにゃ!!」
どうしても駄目なら、覚悟を決めて相手を倒すことに専念します。



 爆発と破魔を宿した洪水により膨らむ頭の人間は癇癪を起こした子供のように身に纏う炎を矢鱈滅多に撒き散らし公園を炎の海へと変えていく。
「こんなの駄目にゃ! 悪いことしちゃ駄目にゃ!!」
 周りが火に包まれる中ミーヤ・ロロルド(人狼のガジェッティア・f13185)は奇声を発するそれに呼びかけながらあるポップスを口遊む。
 それは別れと出会いを歌った少し悲しいけれど、それでも前に進もうとする人の歌。
 その歌は化け物も知っていたのか、化け物――少女の時に思い入れがあったのか……その歌に聞き入る様に大人しくなっていく。
 彼女のした事は許されることではない。
 しかし、誰にも相談できない環境で一人で問題抱えてしまう事になった彼女にはまだ赦される機会はあるのかもしれない。
「もし戻れるなら、ミーヤがお手伝いするにゃ! だから…答えてにゃ! 」
 青の目を真っすぐ向けたその願いともいえるそれはしかし、答えは邪なる炎となって返された。
 宙に舞う葉やごみが焼ける臭いを感じながら、ミーヤはぎゅっと目をつむる。
 と、ふわり。先ほどの焦げた臭いは吹き飛ばされ、代わりにレモンの匂いがミーヤの鼻腔をくすぐる。
 目を開ければ黄色の鎧装束を身に纏った茉莉也が炎の前に立ちふさがり、風の力で炎を消し去っていた。
  危ないことをしちゃだめよ? と茉莉也はミーヤに微笑めば対照的にミーヤは耳をへたりとさせる。
 もしかしたらまだ、彼女が元に戻る可能性はあるかもしれない。
 しかし、可能性を探しながら膨らむ頭の人間を相手にできる程容易ではないし相手も易々とその可能性を提示しないだろう。
 実際、膨らむ頭の人間は再び炎を纏うと二人に炎を向けて彼女らを燃やし尽くさんとしていた。
 炎が到着する直前で茉莉也とミーヤは散開すると風の力で、あるいは己の身体能力を活かして二人は公園内を縦横無尽に駆ける。
 茉莉也は邪なる炎をジグザグに動きながら躱し、時に身に纏う風で炎の延焼を防ぎながら、衝撃波で攻撃を加える。
 先ほど攻撃を相殺されたことを思い出したのか、膨らむ頭の人間は苛ついた様子で彼女の体を焼かんと執念深く炎を打ち込み始めた。
(冷静さを取り戻したと思っていたけど……私に釘付けになるのは好都合ね)
 茉莉也に攻撃が集中するその隙をミーヤは見逃さない。敵に気づかれない様に近づいて敵のある一点――そこを弱点と思ったのは人狼ゆえか、生来のカンゆえか――を真っすぐ見つめるとガジェットを強く握る。
(ごめんなさいにゃ。君を……倒す、にゃ……)
 まだ迷いはある。しかし、覚悟を決め、ガジェットのボタンを押せばそれは瞬く間に剣へと変形し、刃から炎が溢れる。
 ガジェットを変形させた段階でミーヤの動きに気づき、膨らむ頭の人間が慌てながら距離を取ろうとした時、一陣の風が吹きすさぶ。
「お姉さんのことも忘れちゃいやよ?」
 茉莉也が一瞬で距離を詰めてその手を敵に前に突き出せばレモンの香りを纏う竜巻、プロペラブルストームが発動する。
 膨らむ頭の人間は身に纏う邪な炎で防御しようとするもそれはまさに風前の灯のように揺れればやがてその炎は力尽き、やがて風がその身を切り裂いていく。 
「ごめんなさいにゃ……!」
 どすり。直後、ミーヤの炎の刃が膨らむ頭の人間の胸に深く突き刺さった。

 その身を切り裂かれ、焼かれ、胸を抉られた膨らむ頭の人間はその場に倒れこむ。
 終わった――公園にいた猟兵がそう思った瞬間。
 電話ボックスが再び怪しげな光を発すると膨らむ頭の人間の影を作り出す。
 すると、ずるり。影の輪郭がゆったりと、膨らむ頭の人間から離れる。
『Maダ、マdaよ。私haせかいををwowokaえ』
 ずるりずるりと引きずるような音を出しながら、膨らむ頭の人間――のおぞましい輪郭の影は邪悪なる笑みを浮かべて再び猟兵を殺さんと向かってくるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミーヤ・ロロルド
にゃにゃにゃ!! 電話ボックスが光ったら、復活してきたにゃ!?
もしかして、先に電話ボックスを壊した方がいいのかにゃ?
それとも、電話ボックスに何かあるのかにゃ?

メインは相変わらずSPDで。
追跡と野生の勘を使って、素早く電話ボックスへ。
電話ボックスに不釣り合いなものがないかを見ます。
見つけたら、それを壊します。
なければ、申し訳ないですが、電話ボックスそのものをUCを使って、破壊します。

憂いがなくなったところで、再度、ボスと対峙。
「後は……あなただけ、にゃ」
女の子ではなく、その背後に居るモノを倒す気持ちで、野生の勘で敵の攻撃を避けながら、UCを当てます。
「あなたが安らかに眠れるよう……倒すにゃ!!」


アリス・マジック
いやはや。なんともまぁ、執念深いことだ。
深情けはご遠慮願いたいものだけど、そうも言ってられないね。押し切らせてもらうよ!

〇WIZ
ウィザード・ミサイルで弾幕を張り、付かず離れずの距離を維持しながら敵を攻撃します。
その際、隙を見てウィザード・ミサイルを数本飛ばして電話ボックスも攻撃。何の関係もないかも知れないけど、先の現象を見るに単なる祭壇以上の役割があるのかも知れないし、一応念の為。


七々鐘・茉莉也
ここには、もう私達に救える命は存在しない
邪神へ全てを捧げ、"人でなし"に堕ちてしまった……

私も最後まで付き合うわ
抹茶ノ戦装衣に戻り、決着をつける
他の方が戦っている間に、力溜めと気合いを練り上げて必殺の準備をします

十分に力を溜めたら、全力魔法をトリガーに必殺の一撃を放つ
《ブレイヴ・エクストラクション》
水の属性攻撃と怪力を乗せ、儀式装置となった電話ボックスごと必殺キックで貫いてみせるわ。マックスチャージストライク!!!


全部終わったら、後日に放課後話した生徒のところへ
怪物のことは話せないけど、安否の事実だけは伝えておくわ
悲しいけれど……真実を知れば、きっとそこからまた進み始めることができるはずだから


天笠・恋華
アドリブ歓迎

「ったく、面倒なもの見つけちゃったわね!」
アタシの知らない地球のヴィラン…邪神?
どこの世界にも似たようなのがいるわね、ホントに

[力溜め24]でバスターソードに大自然の力のチャージ開始
同時にスマホで砲撃に最適な位置を[情報収集1]して[ダッシュ1]で移動

落とし子は[見切り1][武器受け1]であしらいつつ
攻撃位置に到着したなら
[力溜め24]解放+【バスターモード・フルバースト】の[一斉発射100]+溜めた大自然の[属性攻撃1][衝撃波1][範囲攻撃1]
で射線上の落とし子諸とも本体を砲撃するわ
「纏めて…消し飛べ!!」

味方には一応注意喚起
「射線開けなさい! 巻き込んでも知らないわよ!!」


虚偽・うつろぎ
アドリブ連携等ご自由に

再び降臨、我うつろぎ
最後にもう一度自爆しに来たよー
さぁ一緒にレッツ爆発

という訳でもう作戦もくそもなく
ただただシンプルに超スピードで突進からの自爆
(技能:捨て身の一撃を用いたジャベリンモード)
敵の攻撃?
どうせ自爆するのだから、そんなのはだね、気にしない気にしない
僕に出来るのは捨て身の一撃の自爆だけなもだから
ならばただそれだけを実行する自爆特攻マシーンと化すよ



 怪しげな光を放つ電話ボックスによって膨らむ頭の人間の影が生まれた――そこから何かしらの関連があるのは明らかだろう。
「もしかして、電話ボックスに何かあるのかにゃ?」
 ミーヤが電話ボックスに近づこうとすれば、行かせる物かと膨らむ頭の人間の影が何度目かの落とし子生み出し、彼女の行く手を阻む。
「数が多いにゃ、これじゃ近づけにゃいにゃ……!」
 野生の感と天性の身のこなしがあれど埋め尽くさんばかりの落とし子とその攻撃を避けながら電話ボックスに近づくというのは至難の業であった。
 どうするか悩んでいる合間にも弓を持った落とし子が矢をミーヤに向けて放つ。当たればただでは済まない攻撃を避けようと構えれば矢が突然発火して彼女にたどり着く前に燃え尽きた。
 何事かと。落とし子が当たりを見渡せば、厚手のコートをたなびかせ、古びた単車にまたがった女性――アリス・マジック(旅の手妻師・f00870)が戦場へと駆けつける。
 アリスが指輪をはめた手をかざせばそこから生まれた炎の矢がいびつなるその配下を打ち抜き、燃やし尽くす。
 突然の増援に驚く膨らむ頭の人間。その間にもアリスは100は優に超える炎の矢を放ち落とし子と膨らむ頭の人間を近づけない様に弾幕を張る。
 突然の増援とその弾幕に気を取られているその隙をつき、ミーヤは落とし子と膨らむ頭の人間の攻撃、そして時々流れてくる炎の矢をかいくぐり見事電話ボックスの前へと到達する。
 電話ボックスは怪しげな光と邪悪なるオーラを放っており普通の人ならば近づくのも憚られるほどだ。
 ミーヤとてそういう耐性は無いため中に入ることは憚られたが……外から目を凝らせば電話ボックスには普通ない物を見ることができた。
(電話ボックスには……中……と上の屋根部分に変な魔法陣かにゃ?が描かれてるにゃ。これが原因かにゃ?)
「どうだい?その電話ボックスに何かあったかな?」
 弾幕を張るアリスの呼びかけにミーヤはぶんぶんと首を縦に振る。
「魔法陣みたいなのがあるにゃ! これをどうにかすればもしかしたら……!」
「そう。じゃあ壊そう」
 言うが早いかアリスは既に展開敷いた炎の矢の一部を電話ボックスに向けそのまま放てば電話ボックスはガラスに大きな穴を開けて瞬く間に炎上する。
『あAAaaa嗚呼アあああ!!?』
 炎上する電話ボックスを見て肥大した頭の人間が今までとは違う悲鳴を上げ落とし子を電話ボックスへと差し向ける。
 そうはさせまいとアリスは再び炎の矢を放てば落とし子たちは炎の雨と化した矢に次々と打ち抜かれ炎上。ミーヤも負けじと咆哮を放てば、炎上する落とし子は衝撃波に吹っ飛ばされていき近づけさせない。
 わずか数体電話ボックスにたどり着けた落とし子が自身が覆いかぶさって消火しようとするも時すでに遅し。燃えられる物が燃えた後は電話ボックスだったものへと変わっていった。
 『ぎ!ぎぎぎ……』
 完全に電話ボックスが燃え尽きた瞬間、膨らむ頭の人間の影が纏っていたオーラだろうか……そういった物が薄まったように感じられた。
(祭壇でもあるけど力を供給する場でもあったのかもね)
 おそらく祭壇以上の役割があったのだろうとアリスとミーヤは結論付ける。
 許さんとばかりに膨らむ頭の人間が怒りを込めた咆哮を放てば落とし子が二人を取り囲もうとする。
「いやはや。なんともまぁ、執念深いことだ」
 さてさて、全部押し切るにはさすがに数が多いかなと考えていれば遠くから少女の声が響く。
「射線開けなさい! 巻き込んでも知らないわよ!!」
「ああ、それは危ないね。それじゃあ一回退散させてもらおうか」
 アリスはミーヤを単車の後ろに乗せ、包囲網が薄い所を突破する。
 瞬間一条の光が公園内を包み込んだ。

「ここらへんね。うん、ここなら邪魔も入らないしあいつらを纏めて消し飛ばせるわ」
 増援は何もアリスだけではない。天笠・恋華(自称只者・f17114)もその一人だ。彼女は身長と同じ大きさもあろう銃剣を片手に携え、もう片方の手に握られるスマホで位置を確認しながら射撃に絶好のスポットへとたどり着いた。
 敵がいないのを確認するとバスターソードからバスターライフルへと切り替え射撃姿勢を整えて銃口を肥大した頭の人間とその周りへと向ける。
「全く、あたしは只の人だっていうのに……面倒なもの見つけちゃったわ」
 照準を合わせ、バスターライフルへと力を籠めながらぼやく恋華。
 恋華はスピリットヒーローの兄とは違うただの人。そして面倒事はあまり首を突っ込まない主義だ。
 それでも目の前で猟兵が、人が苦しんでいるのを見逃せるほど非情な人間ではない。
「射線開けなさい! 巻き込んでも知らないわよ!!」
 エネルギーチャージ完了を確認後すぐに敵に取り込まれている仲間へ大きな声で呼びかけ、そのままトリガーを引く。
「これで全部……纏めて消し飛べ!!」
 瞬間、銃口から大自然の力を孕んだビームが極太の光となって辺りを照らし、焼き尽くす。
 光が収まると辺り一面を覆い尽くさんばかりに溢れていた配下が影だったかの様にまた姿を消し去った。
 『ぎぃぎぃEiiiいィ……!』
 しかし、まだ立つのは膨張した頭の人間。
 力の寄り何処である電話ボックスも既になく、先ほど供給された力はあまり残っていない。
 それでも憎しみと憤怒、色々な感情がごちゃまぜになった執着を猟兵に向ける。

「再び降臨、我うつろぎ。と言う事で、もう一度自爆しに来たよー」
 高らかな宣言と共に飛び出すのは先ほどの自爆から復帰したうつろぎ。ふるふる震える身をジャベリンへと変形させるとそのまま猛スピードで膨らむ頭の人間へと突撃する。
 膨らむ頭の人間はうつろぎの姿を見つけた瞬間、先ほどの自爆攻撃がトラウマになっているのか、拒否を交えた叫び声をあげながら今までで煌々と輝く火の玉を複数うつろぎに向けて発射する。その様は今までの攻撃よりも苛烈な一撃。
「もう、そんなに喜ばなくてもいいんだよー」
 そんな過激な攻撃も何のその。避けることはしない。なぜならこのあと自爆するからガードしても意味ないから。
 捨て身で攻撃をする人間にはそんな攻撃は全然通用しない。全くである。
 膨らむ頭の人間の抵抗むなしく、ジャベリンと化したうつろぎが膨らむ頭の人間の身を穿つ。
「さぁレッツ自爆。うつろぎジャベリン……稲妻の如く疾走し…やっぱり自爆する……!」
『ぎEiぃぃぃヤAaああ!?』
 そのまま宣言通りにうつろぎと膨らむ頭の人間は再び爆発に飲み込まれる。
 爆発の粉塵が晴れ、そこには誰にも立つ物がいない……かと思われた。
『ギィ。ギィィ……』
 先ほどの攻撃もあって一度目の自爆よりも多大なダメージを受けたはずだがそれでも膨らむ頭の人間は気のせいだろうか、耐えきったぞという様な笑みを浮かべながら立っていた。
 勝った。しかし膨らむ頭の人間は気づかなかったのである。
 そこには力を溜めていた女性がいた事を。

 膨らむ頭の人間へと歩を進めるのは茉莉也。翠色のドレスを身に纏い、練り上げた力は大きな水のうねりとなりを周囲に漂っている。
「ここにはもう私たちに救える命は存在しない」
 猟兵たちに狩られていく落とし子と膨らむ頭の人間を見やり悲し気に目を伏せる。
 知らなかったとはいえ邪神へと身を捧げていった彼女ら落とし子がこの後安らげるのか分からない。それでもこの事件に終止符を打てるなら……
「最後まで付き合うわ、決着をつけましょう」
 
「後は……あなただけ、にゃ」
 同じく膨らむ頭の人間の前に立つのはミーヤ。彼女も耳をたれ下げるが、すぐに決意をこめ真っすぐ膨らむ頭の人間を見つめる。
 ミーヤが倒そうとしているのは目の前の膨らむ頭の人間ではない。それは異形となり果てた少女の後ろにいる物を倒さんとする何か。直接は無理でも、それでもその何かを倒さんという気持ちを込めて大きく息を吸い込む。
 膨らむ頭の人間もこれが最後だと悟ったのか、それとも苦し紛れか。特大の炎を生み出し、二人を焼き殺さんと放つ。
「あなたが安らかに眠れるように……倒すにゃ!」
「マックスチャージストライク!」
 二つの声が重なり、ミーヤの咆哮と共に茉莉也の必殺キックが膨らむ頭の人間へと向けられる。

 ぶつかり合った力は果たして二人の方が強かった。
 邪悪なる炎は魂の咆哮たる衝撃波により威力を削がれ、水を纏う茉莉也のキックを防ぐこともできず霧散。鋭い蹴りはそのまま異形の体の中心に大きな穴を開けた。
『ぎぃ?そ、SoんNa……こんな……dおsite……!』
 ぽっかりと自身に開いた穴を見ることもなく膨らむ頭の人間は前向きに倒れ、砂となり散っていく。
 それと同時に落とし子たちも動きをぴたりと止め、公園に差し込んだ朝日に溶ける様に消えていった。
 やがて影が全て消え去った後。残ったのは公園の惨状と戦闘に携わっていた猟兵たちが安堵する姿、そして学生達が持っていた学生手帳が残るのみとなった。

 公園にようやくの朝が訪れた。
 何時もと同じ様な朝日。だが昨日とは違う。日課で公園でトレーニングに来ていた若者が公園が立ち入り禁止となっており日課を果たすことができなかった。
 立ち入り禁止の看板には公園の木に薬を撒いたためと書いてあったが――遠目から見ると公衆電話が無残な姿をさらし、激しい戦闘の後だけが残っていたという。

 余談だがうつろぎは再び街灯にぶら下がりぴくぴくしていたが生きていたのが見つかり、猟兵に救助された。


「そう、あの子……死んじゃったんだね」
 後日、とある公立高校の放課後。茉莉也は行方不明となった友人を心配していた学生の元へと訪れていた。
「でもなんで先生が知っているの……?」
「……報道関連に伝手があってね」
 事件は『コイバナさんという噂で学生を呼び出し殺害する快楽目的の無差別殺人事件』として処理され、地方紙に載ることとなった。UDCが絡む事件を公に出すことはできない。そして普通事件ならば新聞に被害者の名前も公表するが……今回に限り親しい人のみに伝えられることとなったのだ。
 行方不明者が無事に見つからない可能性が高い。覚悟はしていてもわずかに持っていた希望を打ち砕かれ、目の前の少女は堰を切ったように泣きじゃくり、崩れ落ちる。
 別れは辛い。悲しい事だ。それは今日にとって耐えがたい苦痛が永遠に続くのではと感じてしまう。
 それでもこの悲しみが明日を乗り越えられる力になると信じて。茉莉也は泣きじゃくる少女の背中を抱きしめた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年04月20日


挿絵イラスト