エスケープ・ダンス・ぷりんセス
●エスケープ
息が荒れる。胃液が上がる。臓物が揺れる。目玉が。目玉が。目玉が。目玉――視線が少女に突き刺さり、悉くが罪を羅列する。ぷりん。ぷりん。ぷりん。ぷりん――僕等のプリンが食べられた。新しいプリンに食べられた。だったら。新しいプリンを食べないと。プリンセスの頭の中身を食べないと。たすけにたすけにたすけにたすけ……針が伸びる。黒曜石が醜く光る。狙われた少女の頭蓋を抉れ。掘り進め。刺し啜れ。
さあ。エスケープだ。
逃げなければ。踊らされるように。
●ぷりんセス
「はい。はいはいはい!!! 隣人ちゃんですよ。今回はアリスラビリンスにて逃走中の少女を救ってもらいますね。ええと。確かハロウィンが近いのでしたっけ。それでオウガに追われるとか災難だと思いますよ!!!」
常日頃の如くテンション爆上げな怪奇メイド。回転椅子で遊びながら資料を捲り、げらげらと指差して猟兵に見せる。
「先ずはアリスの逃走劇をお手伝いするのです。気合いでも好いですし。速度重視で抱えても好いですし。オウガを出し抜いても構いません。ホラーな連中を振り切るのです。アリスを安全なところに導いたら戦闘開始です。オウガの群れを討伐して親玉を撃破しましょう。ええと。問題なのは其処です。親玉。隣人ちゃんの予知ではアリスの姿しか見えなかったのですよ。嫌な予感がしますね。皆さん充分に注意してください!!!」
簡潔に纏めるならば【逃走する少女を守る】【オウガの群れを蹴散らす】【親玉を滅ぼす】だ。目隠ししたメイドが首を傾げ、言の葉を続ける。
「そうですね。オウガの群れはプリンセスのプリンが大好きだそうです。新しいプリンセス(アリス)がそれを食した事に激怒しています。だからプリンを狙われているのですね。あ。プリンってのはあれです。頭の中に詰まったもの!!!」
猟兵の数名が蒼褪めただろうが、グリモアの輝きは失せる事なく。
にゃあら
にゃあらです。
プリンセスのプリン再び。
ぷるるん。
宜しくお願い致します。
食べ物のうらみ、罪は重いのだ。
第1章 冒険
『ホラー・ホラー・テラーナイト』
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POW : 気合で切り抜ける。
SPD : 足で切り抜ける。
WIZ : 慎重に考えて切り抜ける。
イラスト:葎
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
はぁ……はぁ……走る。走る。裸足で走る。肺が爆発しそうなほどに。されど立ち止まればぷりんが食される。酷い頭痛は其処を守れとの警鐘で、背後から粘りつく目玉の沸き立ち――助けて。お願いだから。助けてください……たすけてたすけて。声が重なる。音が重なる。逃走劇に垂らすべきは、貴様等の希望だ。
ユエイン・リュンコイス
ホラアに逃走劇、カーチェイスはつきものさ…横転だの衝突だので、大抵ご破産になるけれども。まぁ、大丈夫だよ…多分。
『駆月』を運転して、アリスと追跡者を遮るように停めよう。
機人に『月墜』を構えさせ【スナイパー、範囲攻撃】で吹き飛ばし【時間稼ぎ】。その間にアリスを車内へと招き入れて急発進。
機人はそのまま砲撃を続行させつつ、ボクはUCで地形を把握しながら【操縦】して【ダッシュ】で逃げよう。
小銃弾を跳ね返す装甲板に、底面は対地雷仕様のミルスペック四輪駆動。簡単に止められると思わない事だ(フラグ)。
ところでプリン(暗喩)をアリスは食べたらしいけど…普通に考えて食べようと思う見た目ではないだろう、あれは。
ホラアに逃走劇は憑きものだが、少女を追い掛ける鬼さんはメルヒェンの輪郭も有して在る。はち切れそうな肺に空気を送り込み、止まらない咳と止められない肢――カーチェイスはつきものさ――ゴウゴウと少女の隣に現れたのはユエイン・リュンコイス(黒鉄機人を手繰るも人形・f04098)が駆『ける』月で、不定形のオウガどもを妨げる超装甲。停止した車両は怪物と衝突し、飛び散る肉片カラメルソースだ。赤なのか黒なのか判断し難い液体が、機体と地面を装飾した――大丈夫だよ。多分――不安を誘う言葉を発し、構えるべきは機人の月墜。クロガネの咆哮が悪夢を撃ち壊すかの如く、混迷するイカモノに地獄を魅せる。足止めは完璧だ。急な出来事に思考を止めた・肢をとめたアリスを車内へ。ケチャップを振り切るように突っ走れ。
砲撃の命中有無など如何でも良い。重要なのは無気味なほどに迫り這う、目玉どもの泥沼だ。生えて、映える塔の上――視る為に生まれたかの如く『地形』を彼方まで伝授する。走りは限界を越えて総てが近く、月も星も逃走経路も幸運な『我が目』に示されている。四輪駆動は劇的に、激的に――簡単に止められるとは思わない事だ。地雷も銃弾も無意味と知れ。
曲がる。揺れる。ジグザグと鬼を引き・轢き離す――ところで――疑問が生じた。座席で顔色を失っているアリスに視線。
プリンをアリスは食べたらしいけど。
普通に考えて食べようと思う見た目ではないだろう。
たとえ無言だったとしても。たとえ音だったとしても。少女には。アリスには。ぷりんセスには。おぞましい『もの』だった。がくりと倒れて運転席へ。此処で旗は成立する――装甲車がぐらりと粘液に入り、轢いた目玉諸共スピン。都合主義じみた展開に何処かで何かの嗤う声。気の所為だろう――がしゃんと停止した頃には不幸中の幸い、オウガは周囲に居なかったが。
アリスの表情は、それはもう紫色だった。
成功
🔵🔵🔴
青葉・まどか
プリン。プリン。美味しいプリン。
そんなプリンを食べちゃたら、追われるのも仕方がないね。
でも、アリスが食べるとも思えない。
だったらオウガの勘違い?
勘違いでなくともプリンの代わりに食べられるなんて冗談じゃないよね。
オウガに話が通じるわけもないし。
返り討ちにしてしまおう。
オウガがアリスを求めて走ってくるよ。
よかったよかった。
折角、造った罠が無駄にならずに済みそうだ。
走ってくるオウガの行く先には【レプリカクラフト】で造った対人地雷。対人地雷。対人地雷。
辺り一面に対人地雷の大サービス。
勿論、遠隔操作も出来ますよ。
それではオウガの皆様、ごきげんよう。
プリン。プリン。美味しいプリン――魅力的で酷い禁忌なぷるるん黄色と焦げ茶色。いやいや違うさ。彼も彼女もピンク色か灰色だ。青葉・まどか(玄鳥・f06729)が歌うように好奇と過剰を突っ込むと、メルヒェンな世界が少女を追い込む。大目玉を担いだ化け物が、キャンディの鈍器を担いで嗤う――そんなプリンを食べちゃったら――誰だって追われる筈だ。猟兵が過去を屠るが如く、人類からも嫌悪されるだろう。されどプリンセスがプリンを食べるとは思えない。此れはオウガの勘違いか企てか。何方にせよ。プリンの代わりに食べられるなんて冗談じゃないよね。成すべきは守護と返り討ちだ。狂った鬼の群れにきびだんごの証を叩き付けるのだ。
走ってくるよ。奔ってくるよ。醜悪な笑顔を晒して、オウガの貌(カタチ)が走って来たよ――なら。良かった。よかった。世の中に無駄なものはない。折角作った『もの』も無駄にしないで扱うべきだ――それは瞬時に鬼のプリンを撒き散らした。
対人地雷。対人地雷(プリンアラモード)。対人地雷(ホールケーキ)。辺り一面に対人地雷(レプリカクラフト)の大サービスだ。スプーンもフォークも要らない。ごきげんよう――いただきますと手を合わせるには、べちょりと惨劇――たとえ鬼が躱しても、誘爆遠隔操作は容易だ。ぐっちゃぐちゃに混ざる、どりんくバー。
成功
🔵🔵🔴
佐倉・理仁
えぇ……ぷりん?
俺も好きだよ、プリン。でもみんなが言ってるのって多分違うよな?
●
まあなんでもいいけど……よく無いけどいいよ、今は。
俺も大概力技しかしらなくってね。ちょいとお呪いをくれてやるぜ。
お前らのいとしのぷりん、それはあのアリスだけなのか?……【天下恋鎖】、お前らに「大切なもの」をやろう。『呪詛』
どうよ、お友達のぷりんも悪くはないと、思うんだがなァ……。
いやいやいやいや、俺は関係ないから、ホラー系同士で仲良くやっててくれー!
ぜぇはぁ爛れるような息を嘔吐(は)き、アリスはひたすら目玉から逃れる。アンバースデイケーキの炸裂を後ろに、されど迫る鬼の足音は止む事が無い。佐倉・理仁(死霊使い・f14517)が転移し貌(かたち)を晒した時、メルヒェンの奈落が広がっていた――えぇ……ぷりん? 俺も好きだよ、プリン――卵色の上の注がれたカラメルの香ばしさ。想像するだけで唾液が出そうだが、思考回路に這入り込む異物の予感。でもみんなが言ってるのって多分違うよな? 額を濡らす無意識の汗が、咽喉に引っ掛かりそうだ。調子が悪いとは言わせない。童話の世界だ、ポジティブに行こう。
まあなんでもいいけど――プリンセスに向かって跳ね寄る理不尽が、くすくすと怒る不定形――よく無いけどいいよ、今は。お祝いは在り得ないがお呪いを贈る時間だ。王道の恋物語を咽喉から掻き出すが好い。壊れた楽器が美しいように、愛しのぷりんを伝えてやれ――お前らに「大切なもの」をやろう。愛が震える。慈悲が昂る。言の葉が『天下』を『恋鎖』させる。捕らわれよ。囚われよ。真っ黒な『それ』に充たされよ――どうよ、お友達のぷりんも悪くはないと、思うんだがなァ……。
鬼が鬼を。ぷりんがぷりんを。ピンクとグレーの跳梁跋扈を。貪り吸い取り突き刺し嗤う。頭蓋が抉れる鈍い音が――いやいやいやいや、俺は関係ないから――男にも向けられる。アリスへの思いは一時的に逸らせただろう。
ホラー系同士で仲良くやっててくれー!
押し寄せる呪言(おはなし)、ラブアンドピース。
大成功
🔵🔵🔵
ニオ・リュードベリ
プリンは頭の中に詰まってないよ!?
一体それってどういう事なの?
あ、お菓子のプリンは好きだよ、美味しいよね
呑気にそんな事を思いつつ現場に到着
ここまでの惨状を見てきてしっかり理解
散らばるピンクと灰色に色々と察するよ
この世界ではよく見る物体だけど……
ああでもやっぱり気持ち悪い
そして落ちてるプリン(ピンクと灰色の方)ってあたしの頭にもアリスの頭にも詰まってるんだよね
そしてオウガはあれが食べたい……やだやだ!
そう考えると頭の中がぐるぐるしてきて、私のプリンもぐるぐる揺れる
結果生まれるのは恐怖心!
暴れろ、あたしの恐怖心!
召喚されたレギオン達にオウガを足止めしてもらうよ
あたし達はその間に逃げちゃおう
ぷるぷる欲しいと鬼が揮えば、少女の震えは止まらない。共食い友喰い罪の数だけ欲が増す――プリンは頭の中に詰まってないよ!? それは真っ当な突っ込みだった。ニオ・リュードベリ(空明の嬉遊曲・f19590)はお飾り揺らして驚いた。どういう事だろうか。もしかしたらお菓子のお家ではなく、お菓子の人間でも出来たのかもしれない。疑似生物達の『おかしさ』はアリスで在る彼女もよくよく理解している。勿論、お菓子のプリンは大好きだ。ぷるるんと舌の上で踊って、楽しそうに喉を通る甘さは、もう、たまらないしとまらない――呑気に。跳ねるように。到着した逃走現場。惨状もしくはSAN状を観て漸く『呑み込め』た。散らばるカラメルを双眸で視る。金色に映る灰色とピンクが、酷くどろどろとしておぞましい。
この世界ではよく見る物体だけど……メルヒェンの悪夢に良し悪しはない。在るのはオウガどもの腐敗じみた塊だ。ああ。気持ちが悪い。ああ。落ちているプリンの正体に気が付いたら――あたしの頭にもアリスの頭にも、とっても美味しい卵型。オウガはお腹が空いている。食べたい食べたい……やだやだやだ!
ぷっちんと成された振動が、ぐるぐるぐるぐる頭の中を埋め尽くす。私の、あたしのプリンも揺らいで、ぐにゃぐにゃくねくねスプーンにつつかれる。結果、生まれるのは恐怖心。生じるのは猜疑心。どろりと溢れるレギオンが、アリスを追う鬼どもを阻む。さあ。さあ。可愛い。プリンセス。ナイトと一緒に逃げようか。
アリスがアリスの腕を引っ張って、逃走劇は終わらない。
今日のアイス『も』ぷりん味。
成功
🔵🔵🔴
大怪獣・赤禍津
●わわわ、今度のアリスはオウガのお菓子を間違えて食べちゃったのかな? とにかく安全なところまで逃げれるように助けないとね!
●うーん、と…猟兵の仲間が手を繋いで一緒に逃げてるから、オイラはその援護をしよう。アリスが通りすぎた後に立ちはだかってオウガに向って「マガスラッガーを乱れ撃ちで攻撃だ。2つのスラッガーはオイラの念動力で誘導弾になってるからしっかり避けないと串刺しになっちゃうぞ!
そしてスラッガーの動きは避けるオウガを一纏めにするように工夫するよ。
●一纏めにできたら【ムーンウェーブクリーナー】で全部浄化だ。
悪い心そのものを攻撃するオイラの月光線を受けて骸の海でぐっすり寝るといいんだよ!
舞台は愈々始まりを終える。追われるプリンセスのぷりんが悲鳴を押し殺す時、ぬそりと現れたのは大怪獣・赤禍津(怪獣王子・f20020)だ。心優しい力持ちの愉快な仲間な怪獣が、二つの首を揺らしてアリスに微笑んだ――わわわ――オウガのお菓子を食べちゃった少女を助けないといけない。安全なところまで導こう。赤色の身体が立ち塞がって鬼さんの怒りを留めよう。
額に生えた二本の角が光り輝いて、オウガのぷるるんを停滞させる。眩んだ相手に揮うべきは取り外し可能なマガスラッガー。念動力を籠めて投擲したならば縦横無尽に宙を踊るだろう。不規則に乱れて飛び交う『鋭利』がすぱすぱとオウガを切断していく。輪切りか乱切りか何方でも問題はないだろう。アリスが逃げ延びれば大団円だ。しっかり避けないと串刺しになっちゃうぞ!
するりするりと軌道を描いてマガスラッガーは鬼を集める。一箇所に固めたならば悪い心に浄化の明かり――骸の海でぐっすりと眠るといいんだよ――怒りと称される負の感情そのものが『光線』に中って解けて弾ける。ポップコーンのように膨らんだ幸せが、鬼に微笑みと消滅を齎すだろう。
月の枕が夢へと誘う。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『たのしいおとぎばなし』
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POW : 残飯
レベル×1体の、【眼球】に1と刻印された戦闘用【人体模型】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
SPD : たすたすけたすけたすけにきたよ
【王子様と白馬の成れの果て】と共に、同じ世界にいる任意の味方の元に出現(テレポート)する。
WIZ : おいしかったもの
【プリンセス】の霊を召喚する。これは【恐怖を呼び覚ますけたたましい悲鳴】や【【溶ける体を見せつける事】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:V-7
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ぷりん。ぷりん。ぼくらのぷりんがたべられた。
プリンセスにプリンセスのプリンが食べられたからプリンセスのプリンをとらないと。抉って穿って取り出して、啜って齧って舐って笑わないと。たすけにきたからさあ美味しい??? おとぎばなしと自称する、目玉入り不定形がぷるんと跳ねた。
――残飯だってたのしく使おう。
ニオ・リュードベリ
ぷるぷるしてる……けどこれもプリンじゃない!
ぎょろぎょろしてるし気持ち悪い……さっさと倒そう
再びレギオン達を呼び出して、あたしのサポートをしてもらうね
相手も何かを呼び出してる……プリンセスの霊?
そっちの相手はレギオンに任せるよ
悲鳴に溶ける体、どちらもとても怖いけど
恐怖心こそがあたしの武器だから
霊達に負けないようにレギオンには全力で暴れてもらうね
でも【狂気耐性・呪詛耐性】で正気だけは保てるように
敵本体はあたしがランスで応戦しよう
霊の側を【ダッシュ】で駆け抜け、【ランスチャージ】で【串刺し】にしていくね
ぷるぷるしてるから効くかは分からないけど……
飛び散ったら落ちてるピンクと灰と混ざるかな、嫌だなぁ
ぷるぷるしてる――猟兵の目の前で輪郭を保ち難い『鬼』は不定を揺らして甘味を欲した。脂質に塗れた塊を、プリンセスの頭蓋の中に【見つけた】のだ。此れを逃す理由は無い。耳元から細い物質を突き刺して、じゅるじゅるじゅるじゅる――けどこれもプリンじゃない! 正直に説いて気持ち悪い。呑み込もうとしても言葉が勝手に漏れてしまうほどに、おとぎばなしは趣味が酷いのだ。ぎょろぎょろ目玉と視線が合わさり、背筋に垂れる冷えた汗。さっさと倒そう。アリスが蒼白の儘、倒れる前に。
此度のアイスはホラーの味覚だ。未確認の鬼どもが、浮上させるのは『おいしかった』プリンセスのプリン。ぷりんを無くして亡くなった、爛れた霊体が出現する。それが齎す『感情』こそが開戦の合図。再開の合図――悲鳴に融ける肉の塊が、レギオンと衝突する【現実】は怪物に立ち向かう人の心か。狂気の柔らかが思考をこねくり、耐えねば成らぬと鐘が鳴る――大丈夫だ。今日も衣装は変わらない。
霊体駆け抜け構えた銀色、閃く想像(おもい)が白と化す。敵対者を無慈悲にも。残酷にも――ぷるるんは弾けなかった。核とも思える巨大な目玉が、串に刺されてめきゅりと弾ける。不定形の肉から飛び出た破片。
ねりりと混ざる、ピンクと灰色。
うぇぇ……嫌だなあ。
アリスが見る前に片付けよう。
成功
🔵🔵🔴
青葉・まどか
プリン、プリンと騒いでいるのは出来損ないのゼリーの様なナニカ。
なるほど。こいつらではプリンと■■■■の区別もつかないだろうね。
アリスが■■■■を食べるなんて有り得ない。冤罪確定だ。
お前たちは無実のアリスを追い回したんだ、その罪を償ってもらおうか。
こいつら面倒くさいな。
ワラワラいるうえに妙なモノを呼び出してくる。
いちいち相手にしていたら大変だ。
そんな訳で今回は遠距離攻撃でいってみよう。
離れた場所からビームキャノンを構えて『射撃武器・魔改造』発動。
あいつ等相手にいちいち狙っていたら日が暮れる。
【誘導弾・クイックドロウ・範囲攻撃・2回攻撃】で辺り一面、ビームを雨あられと撃ちまくる。
プリン。ぷりん。ぼくらのおいしいもの――などと。騒いでいるのは出来損ないのゼリーの様なナニカ。カラメルの色彩すらも判断出来ない物体だ。こいつらではプリンと■■■■の区別もつかないだろうね。今にも吐きそうなプリンセスが■■■■を食べたとは想像不可能で、信じ難い妄言だ。虚言だ。でたらめだ。冤罪確定だ。無実のアリスを追い回すゼリーどもには弾ける不味さに『成って』もらおう。その罪を償ってもらおうか――うねうねと這い寄るおとぎばなしの王子様が、しゅびびと妙な転移を成した。猟兵の近くへと現れた『目玉』は本当に唾棄すべき冒涜だろう。
相手にしていたら大変だ。だったら。遠距離を『維持』すれば好い。構えた超兵器(レーザーキャノン)の大口がゼリーに向けられる。狙う必要は無い。定める必要は無い。日が暮れてしまう。故に面だ。面を叩くのだ。面の皮が厚い鬼どもにはお似合いな乱れ――誘導された無数の閃が、雨霰とおとぎばなしを蒸発させる。
たすけ。たすけけ。け。たすけに――助けに来たのは猟兵(私達)だ。オウガはお伽噺の悪役にも成れない。
成功
🔵🔵🔴
ユエイン・リュンコイス
プリンと言うよりもゼリーじゃないかな、キミら。まぁ、兎も角、賞味どころか消費期限切れになっていそうなモノはさっさと処分しよう。
UCを起動。素材なら幾らでもあるだろうさ。足りなければ装備も放り込もう。
ほら、生ゴミ処理は素手でなくて、ゴム手袋なりビニール袋なりを使うだろう?少しばかり分厚いだけさ。
【操縦、メカニック】で機械神を操作し、超重量の【グラップル、範囲攻撃】で纏めて叩き潰そう。
何やら不快なモノを見聞かせて来るようだけれど、見るのはモニター越しだしね。【情報収集】で不要なノイズはカット、足りなければ【狂気耐性】で凌ごう。
あと、最後に一つだけ言わせて貰えないかな。
ーーお前の何処が御伽噺だ??
感想は先の猟兵と同じだった――プリンと言うよりもゼリーじゃないかな、キミら――首を傾げて不可思議オウガを観察すると、言葉が容易く漏れてしまう。ぎょろりと目玉が『合った』なら、プリンセスは自分の目玉を数回転させるだろう。まぁ、兎も角。賞味も消費もとっくに切れているおとぎばなしだ。さっさと処分しよう。がしゅん。何処からか蒸気の音。素材なら幾らでもあるだろうさ。
菓子のような物質が端から端まで集まって『神』は創造される。パンプキンの頭部をガムで粘着させて、自らの装備も注ぎ込めば奇妙な『機械』は創造された――視るが好い。祈るのだ。塔の頂から『素晴らしさ』を覗き込め――生ごみ処理の手袋は分厚ければ分厚いほど喜ばしい。それは腐ったゼリーを『消滅』させる為に降臨した、機械神(デウス・エクス・マキナ)。召喚された神を破壊するもの。
ぐわぁ……神の腕が持ち上げられる。此れを超常的な重撃と、他に表現する術が在るのか。おいしかった存在の悲鳴もコックピットには届かない。情報収集の応用(ノイズカット)が世界を晴れやかに『叩き』潰す。
あと、最後に一つだけ言わせて貰えないかな。
問い掛けではない。問い掛ける相手が壊れたのだから。
――お前の何処がお伽噺だ??
ぷちゅ。
成功
🔵🔵🔴
ナイア・アルハズラット(サポート)
猟兵としては主に金銭目的の仕事、趣味である魔術品の収集として活動する。
自信満々な強気な女、社交的で相手に合わせるタイプだが、それは円滑に自分の目的を達成する為。
情よりも理や利を優先するタイプだが、善人に対しては非情にはなり切れない甘さがある。
また、魔術品に気が向いてしまいウッカリミスをする等、詰めの甘さも。
自身が美少女だと言う自負があり、女の武器を使う事に躊躇いがない。
安売りはしないが、男を誘惑してその隙に物を盗んだり魔術で眠らせて排除する等は常套手段。
その他、鍵開け、盗み、変装等の泥棒スキルは一流。
戦闘スタイルは槍と短剣を主にしたスピードタイプの魔法戦士。
「魔性の女、つまり魔女ですことよ?」
魔導書とは禁忌を召喚する、もしくは禁忌に対抗する為に手段、を『記した』束でも在り、人類の希望と絶望の両極端に仕込まれた『道具』だ。ナイア・アルハズラット(いずれ深淵に至る魔導書・f04959)は何でも使い、その執着は何者よりも凄まじい。そんな彼女が何故アリスの側に現れたのか。理由は判断し難いが。一個だけ言えるだろう――ぷりんには知識が詰まっている――魔女が微笑んだ。面を合わせたゼリー状の目玉が、美味しいものを狙って『おいしかった』ものを呼び起こす。魔術か呪術か、霊体の操作(コントロール)か。捕食されたプリンセスの爛れた悲鳴。
興味深い。ああ。本当に。面白い『オウガ』だろう。魔導とは繋がりも無いクセに『それに似た』術を扱うおとぎばなしの理不尽・不条理。秘密を暴いて行使出来たなら、素敵な収集品に為るだろう。肉の欠片でも。目玉の一個でも。構わない。残して他を焼き尽くせば。自由を奪えば――『欲在るが故に結末は』
酷く『在り来たり』だが、救済の言葉は大母神(マグナ・マータ)か。助けに来たのは猟兵で、ゼリーどもの『たすけ』は不要だ。降り注ぐ極光(オーロラ)がオウガの一部を転がして蒸発させる。恐怖に苛まれた霊体も消滅するだろう――魔性の女がくるりと笑って、アリスに青色の瞳を魅せた。
大丈夫――魔女は世話好きなのだから。
成功
🔵🔵🔴
佐和足・妹子(サポート)
『み、みなさんの足手まといにならないよう、がんばります!』
『ポチさん!よろしくお願いします!』
『し、正気度は、け、削れる、ものですよねっ(ぐるぐる目)』
▼特徴
至って普通のUDCエージェントです。青黒い犬のようなUDC(ポチさん)を使役しています。ポチさんの影響からか、三角形のものを好む傾向があります。基本的に真面目で、一生懸命ものごとに取り組みます。
▼戦闘
自身はあまり戦闘が得意ではないため、UCでポチさんを召喚して戦います。ポチさんを強化するための生命力や正気度の提供は躊躇しません。
その他、MS様にお任せいたします。連携・アドリブ等可です。
ぷりんがたべたい。ぷりんがだいすき。おいしいおいしいプリンセス――オウガの思考が大波の如く、佐和足・妹子(人間のUDCエージェント・f14599)のぷりんに流れ込んだ。感受性が人一倍なのか。怪物の類に好かれ易いのか。わらわらと垂れ流される頭の中身への空腹。がりがりと削がれるような気分に、目を回してしまいそうだが、しっかりと地に足をつけ――躊躇はしない。三角の印を宙に描き、可愛い可愛いポチを呼ぶのだ。のそり、と、角度から牙は出現した。
舌から爛れる膿がゼリー状の超越性を認識する。青色の煙が狗へと変貌し、宿主の正気と生命を啜りながら『鬼』を定める。組み上げられた人体模型を見定める――其処からは蹂躙だった。否。食事だった。奔る猟犬が三角へと入り込んで急襲し、狙ったオブリビオンの肉を吸収する。ポチを止められる手段など無い。有るとすればUDCが満足し、角度の『果て』に戻る事か。正気が瘴気に喰われ、猛毒が嘲笑う。
ふらり。猟兵の近くに居たアリスが意識を手放した。ポチが場を支配している間に介抱しなければ。あせあせと猟兵がプリンセスを抱える。
勝機に至る為、等価交換を恐れてはいけない。
成功
🔵🔵🔴
佐倉・理仁
いやお前らゼリ(略
悪趣味だしとっとと終わらせちまうのがいい、いつまでもこんな連中から逃げてたらアリスも俺も精神にキちゃうって。
●
また不気味なモンを喚び出しやがるが……死霊使い相手なのが運の尽きだな。(骸の香)『呪詛、オーラ防御』で霊の支配権をもぎ取り強制送還してプリンセスの霊にゃお帰り頂く。12時の鐘でも鳴ったんじゃねーの。
【暴虐の屍骨龍】……まずゾンビ軍団を的中にばら撒く。コイツらでも食って腹下しやがれ。
食ったか? よしいい子だ、ちゃーんと俺の術を取り込んだか。キッチリ俺の『呪詛』に浸食されたな。
あとは屍骨龍のブレスでまとめて溶けて消えちまいな!
テメェらのおはなしはバッドエンドで決まりだよ。
いや。お前らやっぱり――ゼリー状のオウガどもが、弾けて崩れて融けたなら、更なる飢餓が発生する。ぷりんの為ならば死んでも構わない、プリンセスをたすける為ならば奈落への直行も構わない。目玉の輝く混沌は、王子様の白骨だろうか。ぐんにゃりと輪郭を忘れた、おいしかった少女の群れが悲鳴を膨らませて『猟兵』を視た――また不気味な、無気味なモンを喚び出しやがる、が。堕して終えば此方の『モン』だ。死霊を扱う秘法のような、骸の香りが魂を擽る。防壁が施すのは捻じ曲がる朦朧で、心の核からぶらさげる支配権――強奪すると同時に命を発せ。ごーん。ごーん。ごーん……12時の鐘が鳴り響いた。硝子の靴は残らない。ぷりんの欠片も食べさせない。
ホラー・ホラー・テラーナイトだ。ハロウィンの悪夢には早いだろうが、南瓜の馬車は存在しない。起き上がる音色は骨のダンスで、鈍い足取りがゼリーと絡み合う。ねばねばからからと嗤う恐怖は、コメディじみて滑稽だろう。だが。本命は此処からだ。背景は喰われる為に在る。腐ったぷりんは美味か。よし。いい子だ。侵蝕する呪詛が場を掌握する――暴虐(ドラゴン)が腐臭(ゾンビ)と混じった。
まとめて融けて消えちまいな――派手に。派手に。派手に。死の超越性(いざない)が総てを薙ぎ払う。抱擁する。総てのゼリーを道連れに、奈落の底へと還るのだ。骸の海へと失せるのだ――テメェらのおとぎばなしはバッドエンドで決まりだよ――迷子には印が必要だろう。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『赤い靴』
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POW : この女の罪を教えてやるよ!
【絶望した魂を好んで捕食する口を開いた形態】に変形し、自身の【操るアリスの罪を喧伝、言葉でいたぶること】を代償に、自身の【操るアリスの舞踏と鋭い牙による噛み付き】を強化する。
SPD : 罰として死ぬまで踊ってもらおうか!
【舞踏に合わせて放たれる殺傷力十分な脚撃】【美しい所作で攻撃を回避する華麗なステップ】【足切断時アリスが死亡する呪い(常時発動)】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
WIZ : 赦されるいい方法を教えてやろうか?
自身の【憑りついたアリスが罪の記憶を取り戻すこと】を代償に、【アリスの足を切断する為召喚した首切り役人】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【首切り斧と「赤い靴」が操るアリスとの連携】で戦う。
イラスト:ぬる
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「トリテレイア・ゼロナイン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
意識が回復したアリスと共に、逃れて逃れて逃れた先。
其処には出口も入り口も、門も鍵も、パーティーも。
何も無かった。
何も無かった。
何も……アリスが不意に停止した。
たらり。だらり。くらくらり。
アリスの貌が青白く染まる。
――くるり。くるり。くるくるり。狂々狂々。
踊り始めた。踊り出した。踊り続けた。
止まらない止められない留まらないどうしようもない。
助けて。助けて。助けてたすけてたすけにきて……ごめんなさい。
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
赤色の靴が嘲笑う。こいつの罪を教えてやろうと、死へのダンスにぷりんを刻む。そうさ。そうさ。そうさ。こいつの口から聞けばいいさ。
ああ――ああ――ああ!
私は。確かに。他のアリスの。
――おいしい。おいしい。のうみそを、たべました!!!
げぇ……ぇ……うぇ……おいしかった。のよ。
しかたない、じゃない、の。おぇ。
猟兵よ。アリスを傷付けず、オウガの力を削ぐのだ。
アリスの絶望を。どうしようもない罪を。記憶を。
――魂からの、謝罪を受け入れるのだ。
※※※
アリスの罪を『赦す』もしくは『赦さない』プレイングをお願い致します。
アリスが心の底から謝らないと、赤い靴は倒せません。
アリスはごめんなさいと言っていますが、それは命乞いに近いものでしょう。
無理矢理赤い靴を倒そうとすると、アリスが罪に圧し潰されて『死ぬ』でしょう。
だって、プリンは美味しいのだから。
ナイア・アルハズラット
可哀そうなアリス。
好奇心に負けたのかしら?それとも空腹?慈悲だったのかも?
何にせよ、プリンを食べると決めたのはアリス自身。
……でも私は魔女だから、それを悪いとは思わない。
魔女は赦すわ。魔女ですもの。悪い魔女は肯定するわ。
ただし逃げる事は許さない。
悪い魔女だからこそ、逃げる事だけは絶対に許さない。
決めなさいアリス。
選んだのはアリスなのだから。
罪を背負て生きるのか。
耐えられないというのなら、今ここで眠らせてあげましょう。
考える時間だけはあげるわ。
世話好きの魔女に感謝なさい?
もしも生きるというのなら、愚痴くらいには付き合ってあげるから。
靴は黙っていなさいな。
踊れぬように足を縛っておきましょう。
ああ。ああ。可哀想なアリス。可哀想なプリンセス――魔女は笑う。嗤う事は無いが。嘲る事は無いが。底知れぬ『赦し』が場を抱擁する。舞台上のアリスは赤い靴に囁かれ、死と生の狭間でくるくると狂っていく――好奇心に負けたのか。空腹に苛まれたのか。もしかしたら。小世界からの慈悲かもしれない。何にせよ。それは『意思』だったのだ。神意でも真意でも無く、ただ、単純にアリスの狂行だったのだ――でも。私は魔女だから――その行為は悪くない。その選択は間違いじゃない。その吐き気は肯定されるべき『おとぎばなし』だ。ただし、逃げる事は許さない。
悪い魔女は天使でも悪魔でも在らず、人間として『正しい』『正しくない』の境を魅せる。決めなさい。定めなさい。此れは最後か、最期を掴む一か零だ――罪を背負い生きるのか。耐えられないというのなら――ぜぇはぁ踊る白髪と、蒼白と、やかましい赤。搔き乱されるぷりんで、プリンセスは思考する。私の望みは。私の腕は。私の餓えるような、渇くような『地獄』は。
おいおい忘れるんじゃねぇぜ。死にたいってんならとっととおっ死ねばい――靴は黙っていなさいな。魔女は『己』を『他者』を弄ぶ愚物を赦さない。魔術は既に紡がれていた。止まる。留まる。第一・第二・第三。ぴたり。一時的だが赤が沈黙する――考えるだけの時間はあげるわ。
世話焼きの魔女が覗き込んだ――感謝なさい?
何だって使いなさい、愚痴くらいには付き合ってあげるから。
成功
🔵🔵🔴
ユエイン・リュンコイス
・赦す
少し前にもUDCアースで似たような事件を解決したね。アリスだって元は現代社会の人間だろうし、罪の是非は司法が裁くべきだ…とは言え、手を打たねば早晩死に至るようだ。それだけは最悪極まる。
UCを起動。相手の動きを封じながら、犠牲者の思念を汲み上げよう。それを読み取ると同時に相手へ見せつけつつ、言葉をぶつける。
別に何を美味に感じようと、それ自体に罪はないよ。実行したのは確かに悪手だけど…こんな世界に放り込まれたんだ、緊急避難とも言える。
『真摯に』反省すれば、赦される範疇なのでは無いかな?
と言うかプリン(暗喩)を食べたらプリオン病を発症するし、死にたくないなら早急に近代的な治療を受けるべきだよ?
世界はテメェに不適切っていう狂気を埋め込んだのさ――赤色が叫ぶと同時、拘束は解除された。小さな悲鳴が漏れたなら、奇怪で不愉快なダンスが――少し前にもUDCアースで似たような事件を解決したね――猟兵は冷静に『現実』を手繰り寄せる。独楽のように遊ばれるプリンセスを観ながら、償う方法を模索する。元が現実世界の人間ならば、罪は是非司法が裁くべきだ。捌かれる前に裁かれるべきだ――手を打たねば成らない。踊り疲れて、憑かれて死ぬか。脚を切断されて死ぬか。ぷりんが壊れて死ぬか。それだけは最悪極まる――死者が浮き上がる。魂が怒りを示す。ぷりんが想いを晒し出す。門は愈々『此処に在り』開放されたのだ。
ぶつかった。それだけだ。故に踊らされるプリンセスは、絶望の淵へと落とされた。スプーンの銀色が灰を掬い、ぷるるんと微笑んだ幻覚。新鮮な内に運び込んだ心地は、甘ったるい嘔吐に近かった。おいしい。おいしい……嘆き。それに罪はない。美味しいと思う気持ちに罪はない。実行したのは確かな悪手でも、こんな世界だ。狂わない方が恐ろしい。緊急避難とも言える。【真摯】に反省すれば、赦される『範疇』なのでは無いかな? ぷりんを摘出(と)られた残滓が――(わらっ)た。
というかプリン(暗喩)を食べたらプリオン病を発症するし、死にたくないなら早急に近代的な治療を――現実世界に帰るべきだよ。赤い靴なんて脱いでしまえ。物語の終いこそが生命への執着なのだ。世を憎まず、他者を恨まず。
遠くへと視線(目)を向けてみよう。
そうすれば。総てのものが近くに視える。
大丈夫。永遠の装飾(ゆるし)。
成功
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青葉・まどか
そうなんだ。食べていたんだ。
そうなんだ。美味しかったんだ。
うん、びっくりしたよ。
でもね、アリス。あなたはとっても辛そうだよ。
望んだ食事だったのかな?
他に生き残る手段はあったのかな?
食事にオウガが関与していたのかな?
状況は分からないけれど、あなたはそれを悔やんでる。
罪を感じて苦しんでいる。
自分を赦せないでいる、そんなあなたを私は赦すよ。
今は落ち着いて考えれないかもしれない。
でもね、いつかは罪に向き合って生きていける。
あなたなら出来るよ。
その為にも心からの言葉から始めよう。
オウガ。
己の楽しみの為だけにアリスを責めるお前を許さない。
アリスの苦しみの一端でも味わえ。
『逆しまの毒』
そうなんだ――うん。そうなんだ。食べたのは真実で、美味しかったのは最悪だ。アリスの絶望が、驚きと冷静の狭間を作る。猟兵の表情に仰天は無い。存在するのは慈悲深い『言葉』だ。悔やみ。悔やみ。悔やんでも、取り除く事の出来ない食事風景――あなたはとっても辛そうだよ。望んだ食事だったのか。仕方がないから掬ったのか。救われる為に咀嚼したのか。生き残る為に呑んだのか。オウガが唆した結果なのか。理由は解らない。所以は判らない。おそらく『プリンセス』自身にもわからないのだろう。罪を感じて苦しんでいる『あなた』は私に赦されるべきだ。今は落ち着いて考えられないかもしれない――でも。それでも。向き合って『生きて』いけるはずだ。あなたなら大丈夫。その為にも。
心からの言葉を。心からの「ごめんなさい」を。そして「ありがとう」を――赤い靴のお喋りは黙らせねば成らない。己の楽しみ、愉しみの為にアリスを責める『お前』こそ『赦さない』――逆しまに。毒が地面に滴って、融けて、美しい踊りを緩やかに侵蝕する。アリスの苦しみを一端でも味わえ。
赤色が紫色に染まった時、饒舌は一時的に失われた。
成功
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大怪獣・赤禍津
●赦す
●……多分、ほとんどのアリスに当てはまることだけど、このアリスちゃんもかなり追いつめられてたんだよね。
オイラだって、どうしようもなくなったら間違いをやっちゃうかもしれない。
だからこそ、間違いに気づいたら振り返って「誰にどう謝るか」を考えないといけないんだ。そのための時間はオイラ達が作るよ。
●とにかく、あの赤い靴がアリスちゃんを痛めつけるのを止めないといけないね。アリスちゃんの間違いは仲間が教えてくれた。だから、赤い靴…お前がいくら騒ぎ立てても「知ってるよ」とオイラは心を揺らさないでいられる。
さ、アリスちゃん。月明りの中で一息ついて……一人でダメなら皆と一緒に謝罪のこと、考えてみようよ。
何が見たい。何が視たい。優しさが知りたい。罪が、酷く、重く、のしかかる――多分、ほとんどのアリスに当てはまることだけど。怪獣は思う。怪獣は想う。数多のアリスに施された、世界からの重荷を思い出す。彼女・彼は追い詰められていたのだ。どうしようもなく空腹で、倒れてしまう前に『ぷりん』を食べるしかなかったのだ。誰だって『間違い』を選んで、自らを絶望に叩き込む。だったら。だからこそ「振り返って」誰に如何謝るのかを考えないといけない。オイラたちに作れるのは『時間』だけだ。赦す。赦さない。此れを決めるのはアリス本人でも在り、死を選択する事は『赦さない』ではないのだ。ぷりんは甘いが、現実はそんなに甘くない、慈悲。
月明かりが場を満たす。舞台上を抱擁する。赤色の罵声を塗り替える。清らかに。鎮める為に――いくら赤色が騒いでも、オイラは知っている。仲間達が教えてくれた。だから。心が揺れる事など有り得ない。怪獣にも『それ』は在るのだが、その強度は人間以上だ。温かくて、大きな『優しさ』の光線(クリーナー)――さ、アリスちゃん。一息ついて。
皆と一緒に考えてみようよ。
絶えた望みは、生み出せる。
成功
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ニオ・リュードベリ
プリンが本当に頭の中に詰まってたものだったなんて
でも食べちゃったなら仕方ない
美味しかったなら仕方ない
生きるため、狂わないために選んだ道なら仕方ないんだ
だからあたしはアリスを『赦す』よ
だってあたしもアリスだもん
貴女の気持ち、少しだけ分かるから
だからこそ、彼女の罪を好き勝手に叫ぶオウガは赦さない
アリスがごめんなさいって言えるまで、その煩い口を塞いでやる!
無敵の鎧を着込んでアリスの体を支えよう
大丈夫、貴女は一人じゃないよ
オウガに貴女の事は食べさせない
だからお願い
自分の罪から逃げないで
やっちゃったことは仕方ないけど、ちゃんとプリンだった人に謝ろう
そうすればきっと、貴女はこれからも生きていけるから
あたしのぷりんが揺れている。私のプリンが踊っている。赤色の靴に擽られて、世界が罪に塗れていく――本当だった。頭の中に詰まっているものだった。黄色に注がれたカラメルソースは、きっと砂糖と呼ばれる罰の色彩だ。でも。食べちゃったなら仕方ない。美味しかったのだから、仕方ない。仕方がないから、生きる為――狂わない為。選択肢は間違いでもアリスにとっては正しい道だ。だから『あたし』はアリスを赦す。だって『あたし』もアリスだから、帰りたいけど帰りたくない。矛盾した気持ち、少しだけわかるから――だからこそ。歪みに沈んだ世界を。真っ赤な真実が赦せない。好き勝手に叫んで嗤って狂わせて、殺そうと試みる『靴』が赦せない。
その煩い口を塞いでやる――想像が創造された。アイスクリームが溶けないならば、夢も現も幸せだ。ふわりと近寄って、狂ったダンスを抱き寄せる。触れたリズムを逃さない。自分の罪から逃げないで。大丈夫。貴女は一人じゃない。貴女は孤独じゃない。貴女の事は食べさせない――ちゃんとプリンだった人に謝ろう。
そうすれば、生きていけるから――罪を背負って。罰を受けて。感謝して。冷たくて甘い『ごめんなさい』で口直ししちゃえば。これからも。其処に疑念は存在しない。アリスは何処にでも『行ける』のだ。女の子らしく。『いつも通り』に。
成功
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佐倉・理仁
俺はお前を『赦さない』よ。
目の回るようなこの世界で生き残る為にはそうするしかなかったかもしれねぇがな。
……俺の術だって赦されるべきモノじゃない。
だが生きたいと願う、美味い欲に負ける、敵を踏みつけていくのは俺たちの生き方だろ。
綺麗事だけじゃ食われる側になるだけだ。
俺たちはいつだって、赦されるべきじゃない戦いを勝ち残って生きるんだ。だからアリス、お前はもう一度罪を犯せ。俺たちと一緒に、身勝手な欲の為に戦え。
そのオウガ(過去)を踏みつけて未来へ。
【奈落の一段】、致命的なたった一つはお前の足元にある。
アリスがそれを乗り越えるように。オウガが躓き落ちるように。『呪詛』
お前の一歩を見せてくれ。
赦しは。死は。絶望は。音を立てて崩れていく。それは決して幸福ではない。それは決して楽園ではない。それは迷宮(ラビリンス)よりもおぞましく、果てしない吐き気のような――俺はお前を『赦さない』よ。猟兵が溜息(ことば)を吐き捨てた。悦ばしくない。喜ばれない。一言を、踊らされるアリスに沁みつけた。浸けた。憑け込んだ――目の回るようなこの世界で、生き残るには『そう』するしかなかった。そうだろう。アリスの涙が罪を呑む。ごめんなさい、は、いよいよ『真実』に塗れたのだ。赦されるべき術など存在しない。存在するのは、ただ、生きたいと願うだけの大罪だ。『俺達の生き方』は綺麗事を受け付けない。受け付けた時点で『餌』なのだ。赦されるべきではない『冒涜』を貪っているのだ――だから。アリス、お前はもう一度罪を犯せ。身勝手な欲の為に戦うのだ。それこそが『ぷりん』への償いでも在る。踏み付けろ。踏み潰せ。赤色の臓物(おおわらい)なんてのは硝子よりも脆いのだろう――ワン・ステップ。奈落・奈落・奈落――エスケープは赦されない。
致命的な、たったひとつ。ふらりと躓いたアリス、ぐるんと一回転した世界。離れていく過去(オブリビオン)を落として、墜として、こわれてしまう――呪いは永久にこびりつくのだ。お前の一歩を見せてくれ――残酷で美しい、転倒。
ころころ。ころころ。ころころ。
――ごめんなさい、ありがとう、また、あいましょう。
プリンセスは罪(のうみそ)抱えて生きるのだろう。
大成功
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