12
新春満喫偽歳神様

#サムライエンパイア

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#サムライエンパイア


0




●あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ。
 正月とは、豊穣を司る歳神様を迎る行事である、と言われている。
 そして、諸説に依ると。
 あああ、あああ、あああ。ああ。
 迎え祀られた先祖神が、『歳神様』と成り。
 祖先に豊穣をもたらすと言われているそうである。
 あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ。

 ええい、うるさいっスね!
 ちょっと静かにしてるっスよ、予知!

●おちむしゃみちみち
「と、そゆ訳でして。サムライエンパイアのある町の墓地に落武者がミチミチになってるっス」
 もうそりゃあ、ミッチミチっス。
 二度言った小日向・いすゞ(妖狐の陰陽師・f09058)は、猟兵達に顔を向ける。
「ご先祖が豊穣をもたらしに来た……、という訳では無く。アレは魑魅魍魎、妖怪変化の類――所謂、おぶりびおんっス」
 今の所。
 墓地周辺から出てくる様子は無いのだが、唸り声がうるさいといすゞに大不評だ。
 勿論、人が近づけば襲われる可能性も高く。
 一体一体はそこまで強くは無いのだが、何にせよ数が多い。
 とにかく多いのだ。
「ま、今回もセンセ達ならササッとドカーン! パッカーンっスよね! ……お仕事を終えたら、丁度町はまだ、年明けのお祭りっスから。お風呂で汗を流すも良し、れじゃーを楽しむも良しっスよ」
 くくく、と喉を鳴らして笑った彼女は顔を上げる。
「それじゃ、センセ達。今回も張り切って行くっスよ!」
 いすゞの掌の中で、グリモアが瞬き。
 コーン、とぽっくり下駄が音を立てた。


絲上ゆいこ
 こんにちは。改めて明けましておめでとうございます。
 絲上ゆいこ(しじょう・-)です。
 大体お正月って7日くらいまでの事を言うそうなのでセーフですね。……セーフですよね?

●やること
 サムライエンパイアの墓地で大暴れする落ち武者をとっちめて頂きます!
 別段、ココのご先祖様という訳では無さそうですし、沢山いますし、無双状態です。
 もうもう、ドカーン! パッカーンっスよ!

●三章について
 今回のお話が無事に成功すると、三章はサムライエンパイアのお正月のお祭りムードの休日を楽しんで頂けます。

 実際の江戸は、基本的にお正月は皆働かないし、初詣もしないし、寝正月が基本、でもお風呂屋さんだけは元旦から営業している――、ような状況だったらしいのですが。

 それはそれ、これはこれ、ここはサムライエンパイア!

 ここは、お正月も何となく皆いい感じにお祭りムードの町なのです!
 お餅つきも、羽つきも、凧揚げも、初詣も、お祭り屋台も、お正月にちなんだ落語だって行われているに違いありません。大体お任せ致します!

 フラグメントはフレーバー程度で、江戸っぽく程々に栄えた街を自由に遊んで頂けると~!
 どうやらここは温泉もあります。熱々です。not混浴。

 また三章では、一つのシーンに絞ってプレイングを行うと、ぎゅっと引き締まって良い感じになるかもしれません!

 また、いすゞはお声掛けがあれば三章のみ参加させていただきます。
 お呼びがなければ、一人でお揚げの入った蕎麦を食べに行く予定のようです。

●迷子防止のおまじない
 ・冒頭に「お相手のキャラクター名(または愛称)とID」または「共通のグループ名」の明記をお願いします。
 ・グループ名等は、文字数が苦しければ括弧で囲わなくても大丈夫ですよ!

●その他
 ・プレイングが白紙、迷惑行為、指定が一方通行、同行者のID(共通のグループ名)が書かれていない場合は描写できない場合があります。
 ・町で購入したアイテム等は、自動配布等はございません。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております!
323




第1章 集団戦 『落武者』

POW   :    無情なる無念
自身に【すでに倒された他の落武者達の怨念】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    欠落の決意
【武器や肉弾戦】による素早い一撃を放つ。また、【首や四肢が欠落する】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    妄執の猛撃
【持っている武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●うららかな朝の風
 小高い丘の上にある日当たりの良い墓地は、周りに緑が生い茂り。
 天気の良さも相まって、冷たさの中にもどこか心地の良さを感じる風が吹いていた。
 あーー、ああーー。あーー。
 響く、鈍い唸り声。
 骸の海に、知性を忘れてきてしまったのであろうか。
 鎧と鎧の擦れ合う音。
 墓石にヘッドバンキングする落ち武者や、同じ場所を周回し続ける落ち武者。
 お供え物を大切そうに抱える落ち武者に、掃除用の竹箒を落ち武者に振り回す落ち武者。
 落ち武者、落ち武者、落ち武者。
 そこに響く、落ち武者以外の足音。
 落ち武者達は、一斉に視線を向け――。
小読・灯
そう、ご先祖様の無念が……あ、違うの。
そうじゃないのね。ただのオブリビオン。
なら話は簡単ね。燃やしましょう!
お正月を楽しむために出来るだけ早く。

【WIZ】
刀を持っている相手には出来るだけ近付きたくないわね。

マッチを擦って、【ウィザードミサイル】で火矢を私の周りに展開
その炎を【属性攻撃】で威力を高めて一斉に落ち武者の軍勢に向かって放つわ。

新年だもの、景気良く燃やしていきましょう。どんどんマッチを擦って炎を飛ばしていくわ。

落武者に近付かれたら、ダメージはブレイズキャリバーの炎で耐えながら【怪力】で落武者を元居たところに投げ返すわ。返品よ。
そして返品ついでにマッチも付けて投げ返して爆発させましょう。


境・花世
お正月だけの落ち武者出血大サービス!
っていうとちょっと目出度くなるだろうか
……ムリがある? だよね知ってた

逃げ足ばかりは自信がある身
ひょいひょい避けて間隙縫って、
疑問でも振り撒いてあげよう
そう、お年玉代わりとでも思っておいて

どうしてお正月から出ちゃったんだろうね
考えてもみなよ、すっごく謎だよ
なんて敵を惑わせすっかり染めて

――だからそのまま、喰われてしまおうか

敵に襲い掛かる触手を眺めながら
この身に宿る王が楽しげに震えてる
だめだよ、あんまり笑ったら、ああ、
薄紅の花弁が鮮やかに散ってしまう
餞を贈るような相手じゃないのに勿体ないな

だけどそうだね、晴れやかな新春の空には、
随分うつくしく映えるみたいだ


エン・ギフター
おーおーハゲばっかじゃねえか!
俺こそがご来光だとか言い出しそうな団体だなおい。
と、30年後にも言いたいので頭皮は大事にしようと思う。

ミチミチチミモーリョーどもの中に飛び込んで暴れまくるぜ
[黒嵐]で広範囲の敵を羽まみれにしてやろう
倒すまで削れなくとも
関節だのにブッ刺されば【マヒ攻撃】
手元にヒットすりゃ【武器落とし】が狙えるかもしらしんな
無差別攻撃しかできねえから、巻き込まれんなよ猟兵サンら!

うわ首落ちても動いてやがる
距離詰められる前に移動して、囲まれねえようにしないと詰むなこりゃ
いざとなったら墓石の上をジャンプして逃げる
悪ィな、バチはあとで纏めて当ててくれ!



「おーおーハゲばっかじゃねえか!」
 大きな橙色の瞳を一杯に見開いて。
 エン・ギフター(手渡しの明日・f06076)が、大きな羽根で風を切って、落ち武者の頭に綺麗な飛び蹴りを叩き込む。
 強かに弾き飛ばされ、地を滑る落ち武者を尻目に。
 猟兵達へと一斉に群がる、落ち武者達。
 刀を持つ敵に、できるだけ近づきたくは無い、と。
 敵を惹き付けてくれるエンを、遠巻きに見守る小読・灯(灯売り・f01972)が呟く。
「そう、ご先祖様の無念が……」
 あ、そうじゃないの? そう? だたのオブリビオン?
 なら、話は簡単である。
「新年だもの、景気良く燃やしていきましょう」
 お正月を楽しむためにも、できるだけ早く。
 魔法のマッチに火を灯す。
 燃える炎と同じように、灯の髪の毛がふうわり揺れる。
 その背後に生まれた数多の炎矢が、落ち武者へと降り注ぐ!
「お正月だけの落ち武者出血大サービス! ……っていうとちょっと目出度くなるだろうか?」
 突き出された刀を横っ飛びで掻い潜った、境・花世(ハクセイ・f11024)の赤髪が跳ねる。
「いやーそんなことないんじゃね?」
「だよね、知ってた」
 縁と花世の軽口の応酬。
 エンは落ち武者の頭を蹴って跳ね、暫しの頭上空中散歩。
「あ、でも俺こそがご来光だとか言い出しそうな団体だな、おい」
 足元で群がる月代は、少し目出度いかもしれない。
 30年後にも同じ罵倒をして行きたいので、頭皮は大切にして行こうと誓うエン。足場にした落ち武者の頭頂部を、更に踏み込み。
 滑る月代を蹴り上げて、後ろに飛び退き様に大きく広げたエンの羽根が風をたっぷりと孕んだ。
 放たれる黒羽根は、刃と成って全方位を貫く!
「巻き込まれんなよ猟兵サンら!」
 それは敵味方区別無き、無差別攻撃。
「まあ、危ない!」
 地獄の炎を燃え上がらせ、その身を守る灯に。
「おっと」
 目にも留まらぬ早業で、全ての黒羽根をより逃げ切った花世が肩を竦めて。
 落ち武者達に向き直る。
 花世の右目に咲き誇った八重咲牡丹が、艶やかに敵を見下ろし。
「知性の無さそうな君達に何処まで通じるか解らないけれど――、お年玉代わりに聞いていって」
 どうしてお正月から出ちゃったんだろうね、考えてもみなよ。
「すっごく謎だよ」
 問いかけの内容、と言うよりも。
 話しかけられた事自体に、興味――疑問を示したのであろう。
「――だからそのまま、喰われてしまおうか」
 振り向いた落ち武者が、紫色の軟体に絡め取られる。
 花世の身に宿るUDC――絢爛たる百花の王が揺れ震えている。
 だめだよ、あんまり笑ったら、ああ。薄紅の花弁が鮮やかに散ってしまう。
 餞を贈るような相手じゃないのに勿体ないな。
「だけどそうだね、晴れやかな新春の空には、随分うつくしく映えるみたいだ」
 落ち武者達には、連携すると言う感情が在る訳では無い。
 しかし、動く者を追う本能に近いモノは存在している様だ。
 猟兵達を追い、駆けてくる落ち武者達。
 マッチを擦る灯に迫る狂刃が振り落とされ、ガードを上げた灯は嘆息する。
「返品、よ!」
 腕に纏わせた地獄の炎は、その刃を通さず。
 その腕を絡め取ると、更に後ろを追ってきた落ち武者に、落ち武者と更に炎を叩き込む灯。
 炎が爆ぜ、その首が転がり――。
「うわ、首が落ちても動いてやがる……」
 墓石の上を跳び、逃げるエンの気づき。
 ワーイ、しつこい。
 ああ、もう、動かなくなるまで潰すしかないみたいだな。
 本来の『歳神さま』達にエンは祈るように、鋭く吠えた。
「悪ィな、バチはあとで纏めて当ててくれ! ――できるもんなら、避けてみろよ!」
 墓石に、墓地に、落ち武者に。
 全てを貫き荒らす、黒羽根が叩き込まれる!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

オブシダン・ソード
爽やかな朝だね
落ち武者。敗残兵か
ヤドリガミになる前は君達みたいなのもたくさん斬ってきたものだよ

というわけでそれいけ錬成カミヤドリ
複製の剣の列でばっさばっさ斬っていこうか
できれば狙いやすい胴を両断していきたいね
近づかれたら手にした器物の剣で近接戦闘
左手から炎の魔法も駆使して魔法剣士な立ち回り

怨念吸って動きが素早いやつにも近接戦闘で直接斬りに行こう
君達くらいなら、僕でも後れは取らないよ
多分

えっ首斬っても動くの? どうなってんのさ
ヤドリガミの僕が言うのもなんだけど相当気持ち悪いよ君達

近くの仲間とは連携
背中を狙ってそうなやつをぶった斬るとかして協力体制を取りたい
あとは応援もしてあげる
がんばれがんばれー


ワン・シャウレン
なんとまぁ、この長閑さの上では少々間の抜けたようにも見えてしまうの。
やっとることがまた尚のこと。
かといってわざわざ夜にやる理由もありはせんが。

つられたように間抜けたことを考えてしまったが
仕事はきっちりこなすとも。

ガジェットショータイムを使用。
意表を突くものが出る可能性もあるが、この相手ならば使い方を考える時間もあるじゃろ。
思うにまとめて叩くとか、一息に仕留める系の鈍器とか火器ではないかと期待しとるんじゃが。
半端にダメージを与えても構わず襲ってきそうじゃしの。
使い方が分からなかったとしても、
背後を取られぬように注意し、
とりあえずぶん回すか、スイッチやトリガーがあれば引いてみれば良いじゃろ。


カノ・エクセクオール
あらまぁ…新年早々賑やかね
でもこのままでは、きっと何方様にも良いことはなさそう
目覚めたばかりで申し訳ないのだけれど、
落ち武者さん達にはまた眠って頂きましょうね

◆戦闘
叶うならばまず、お話で解決をと思うのだけど…
聞いて頂けそうにありませんね?

SPD重視
目標が多いと乱戦になりそう
他の猟兵さん達と連携して戦うよう心掛けるわ

わたくしの武器は鋼糸と炎
糸で束縛して、炎で焼き尽す…至ってシンプル
2回攻撃、傷口をえぐる、で力よりも回数で攻める
敵を盾にする、で攻撃を防げるなら味方の庇いも積極的に

ブレイズフレイムで纏めて火葬できれば良いけれど…状況次第かしら
まずは各自の立ち位置と戦況を把握して、迎撃と妨害に務めるわ


ジェイクス・ライアー
見れども見れども亡者ばかり。こうも寄り集まっていては、どんな下手撃ちであろうと戦功を上げられるだろうな。
…ああ、仲間に当てずにいるには、それなりの技量がいるか。

【SPD】
【傘型の散弾銃】と同形態のスナイパーライフルを持っていく。
【暗殺・援護射撃】などを使用し、数減らしに勤しもう。陣取る場所は墓地の周りの木の上がいいだろう。
高台ならば全体の戦況がよく見える。背後を取られている仲間などがいればそちらを優先して仕留めよう。
的当て練習は随分と久しぶりだ。次は奴の右目を撃ち抜いてみようか。



ヤドリガミのオブシダン・ソード(黒耀石の剣・f00250)器物たる黒曜石の剣。
 カミヤドリにて複製された刃が、宙にぞろりと立ち並ぶ。
「爽やかな朝だな、って思っていたんだけど、なっ!」
 身を低く構えたオブシダンが、敵の動きに警戒しながら腕を振るい。
 念力に操られた刃が空を駆ける。
「なんとまぁ、長閑ではあるがのー」
 背後を彼に預けたワン・シャウレン(潰夢遺夢・f00710)がガジェットを掲げると、巨大な大砲めいた何かへと変化し、一瞬使い方を考えるワン。
「やっとる事が昼間に墓場で運動会なのも、少々間抜けに見えるが……こうじゃろか?」
 まあ夜に運動会をする理由もありはせん、なんて。つられて間抜けな事を考えてしまうけれど。
 ワンがスターターロープを引き上げると、どるんと音を立ててエンジンが回りだし。
 打ち上げられた星が流星の如く、降り注ぐ。
 それは花火の様に、地上で弾け――。
「あらまぁ……新年早々賑やかね」
 爆ぜる火花にも、弾け飛ぶ敵にも臆すること無く。
 ゆうらりゆうらり、揺れるランタン。
 彼女もまた、ヤドリガミ。
 叶うのならば、お話で解決をと思うのだけれど、……話は通じなさそうだ。
 弾け飛んだ首だけで食らいついてきた敵を蹴り上げ、鋼糸で絡め取る肉体。
 カノ・エクセクオール(灰かぶり・f03309)は一気に踏み込むと、敵を一絡げにまとめ上げ。
「えー……首斬っても動くのって、相当気持ち悪いなぁ」
「とりあえず、バラバラにすれば動くに動けんじゃろ」
 カノの纏めた敵を、貫く流星と、刃。
「――、また眠って頂きますね」
 落ち武者さん、と。
 紫水晶の瞳を炎に揺らして、紅蓮色の地獄で千切れた彼らの肉体を焼き尽くすカノ。
「おっと!」
 その瞬間。
 オブシダンが地を爆ぜさせんばかりに踏み込み、サマーソルトめいた蹴りで、カノの背後に迫っていた刃を弾き飛ばした。
「――相棒!」
 吠えるオブシダン。
「ああ、見えている」
 ジェイクス・ライアー(素晴らしき哉・f00584)が樹上で、小さく応え。カノへ迫っていた敵の頭が弾け飛んだ。
「まあ、ありがとう!」
 声は樹上まで通るかどうかは解らぬが。
 首を失い、地を転がり滑った落ち武者の。未だ動く身体を鋼糸で縛り上げながら、カノが小さく手を振って。
「こうも寄り集まっていては、どんな下手撃ちであろうと戦功を上げられるだろうがな」
 ……ああ、仲間に当てずにいるには、それなりの技量がいるか、と。
 喉を鳴らしたジェイクスは瞳を細めて。
 肩に響く反動が心地良い、敵を次々に貫くライフル。
「しかし、的当て練習は随分と久しぶりだな、……次はヤツの右目を撃ち抜いてみようか」
 座り直したジェイクスは、どこか楽しげに一人呟いた。
「しっかしキリが無いのぅ」
「……説得をして聞いてくれる相手でもないものね」
 懲りずに襲いかかってくる敵へと跳ね跳び、その首を太ももに挟み込んだワンは、そのまま半回転分捻って首の骨を外し。
 バランスを失った敵の肩に、手を付いて跳躍。
 隙を逃さずカノが地獄の炎を纏わせ。
 燃える敵へと更に踏み込んで間合いを詰め――その背後にぴょい、と身を隠した。
 その瞬間。
 横より迫っていたもう一体の敵が、燃える敵の脇腹を貫き。
 見事に敵を盾と化したカノ。
「君達くらいなら、僕でも後れは取らないよ、……多分ね」
 上体を捻ったオブシダンが飛び踏み込み。
 勢いを下半身で抑え込むと、解き放った上半身の捻りの遠心力で、敵を二体同時に斬り飛ばす。
「……ヤドリガミになる前は君達みたいなのもたくさん斬ってきたからね」
 過去の記憶。
 地に落ちて尚身を捩った敵を踏みしめ、黒曜石の剣を持つ手とは逆の手より魔力を放ち、牽制を。
 この動きは、自分だけで得たモノでは無い。
「もう一度行くのじゃ!」
 掛け声。
 距離を取った瞬間に、ワンのガジェットの流星が全てを焼き尽くす。
「ま、仕事はきっちりこなすとも」
「ええ」「もちろん」
 ワンの声に。
 こくんと頷いたオブシダンとカノは、同時に刃と鋼糸を翳した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

誘名・櫻宵
🌸リル(f10762)と一緒に

嫌だわーー墓地とか嫌だわーお化け出そうじゃない?
フレズなら泣いちゃうわね!
な、なによリル。あたしは陰陽師だけど、術はからっきしなの!
ぶった斬って壊す方が得意なの!

飄々と笑うリルに、もう!と眉間に皺寄せ膨れる
ああもう
綺麗な顔で笑っちゃって!
その笑顔ごと守ったげるわ
確かこの子、正月の楽しみを知らなかったはずだから

あらあら随分なお出ましじゃない?
殺気は程々に、刀に乗せるのは破魔宿す衝撃波
舞うように避けて、何度でも同じ所を狙い切り崩す
陰陽師らしく…あなたの怨念、すっぱり斬り捨てるわ
リルの歌に後押しされるように『絶華』を放ちなぎ払ってあげる!

★アドリブ、他PCとの絡み歓迎


リル・ルリ
■櫻宵(f02768)と同行
(アドリブや他PCとの絡み歓迎です)

「墓地の魑魅魍魎といえば、陰陽師である櫻宵の独壇場じゃないかい?」

櫻の龍の横を游ぎながら尋ねれば眉間によった皺にクスリと笑う

「そう、櫻宵。君は術はからっきしだったのだっけ」
からかいながらも彼の力を信頼しているのは事実

「君が矛となるならば、僕は君を支える歌となろう」

【野生の勘】【空中戦】を上手く使って攻撃をいなしながら、【歌唱】を活かして歌うのは【サウンドオブパワー】で能力を上げる支援をするよ
折角の新年なのだから、明るく幸の希望に溢れた歌にしよう
骸骨諸君には縁のないものさ

怨念よりも歓喜を
呪より祝を
さぁ櫻宵
僕の歌に合わせて舞っておくれ



「嫌だわーー墓地とか嫌だわーー、お化け出そうじゃないーー?」
 昼間の墓地に、首が取れても動く落ち武者がミチミチのこの状況自体が怖いとは言わない誘名・櫻宵(誘七屠桜・f02768)は、やんなっちゃう、と身を震わせ。
 フレズなら泣いちゃうわね、と今日は一緒にいない星詠みの兎に思いを馳せながら、ついでに落ち武者を蹴っ飛ばした。
 やん、汚いモツ晒して近づかないで。
「墓地の魑魅魍魎といえば、陰陽師である櫻宵の独壇場じゃないかい?」
 尾鰭を捩って、空中を泳ぐ人魚――、リル・ルリ(瑠璃迷宮・f10762)がくつくつと笑って、櫻宵の眉間のしわを指で突いた。
「――ああ、そうか、櫻宵。君は術はからっきしだったのだっけ」
「そうよ、リル。あたしは陰陽師だけど、術はからっきしなの! ぶった斬って壊す方が得意なの!」
 もう、と。
 ただの事実を認めて櫻宵は破魔の力を紅い紅い血桜の刀身に乗せて振るう。
 墓を駆ける落ち武者達が、衝撃波に一気に弾き飛ばされ。
 リルが瞳を瞑って。
「ねえ、君が矛となるならば、僕は君を支える歌となろう」
 揺らぐ尾。
 紡ぐメロディは明るい幸いに満ち満ちる、希望の歌だ。
 歌声は猟兵達に希望と、幸いを。
「まあ、生を持たぬ諸君には縁のないものかもしれないけれど」
 聴いていっておくれ。
 怨念よりも歓喜を、呪より祝を。
「さぁ櫻宵、僕の歌に合わせて舞っておくれ」
 歌に笑顔を、そして力を漲らせる旋律を響かせる。
「……ああもう、その笑顔ごと守ったげるわ。『矛』を信じなさい!」
 全く、綺麗な笑顔を浮かべるものだ。
 全部、全部守りたくなるような。
 きり、と体勢を立て直して刃を振り上げた落ち武者達を睨めつける櫻宵。
「――あなたたちの怨念、すっぱり斬り捨てるわ!」
 次は衝撃波では無い、護るために更に踏み込む。
 腕の筋を引き絞る程に引きつけて、一気に放つ剣戟は、空間事断ち切らんばかりの勢いで、敵の群れを吹き飛ばす。
「桜のように潔く……散りなさい!」
 手早く終わらせてあげるわ。
 なんたって正月の楽しみを知らぬ人魚に、楽しみ方を教えてあげるという大任が今日の櫻宵にはあるのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アーノルド・ステイサム
【バッカス】

ヨツロ、正月って何するんだ
はあ、餅ね
…うちの店は人死に出したことないってのが売りなんだよ

スプートニクは知らねえよな(種族的に)
いや悪かったよ、そんな怒るな…決まってんの?

まあ祭り前に仕事だな
うるせえ死霊どもだなあオイ
墓石で遊んでんじゃねえぞ!攻撃支援アクティブ!※攻撃の精度を上げる技

ちびちび斧でぶった切っていく
スプートニク、そっち行ったぞ
ってオイ!!仕事しろ!!

あとはヨツロの方にぶん投げて一緒に燃やすとかかね
スプートニクに言われればへいへいと返事して客の対応
シラフのくせにめんどくせえ客だなあ…

ヨツロの戯言は一瞥しただけで無視
人間の顔があれば表情で「めんどくせえ」って言ってるところだ


四辻路・よつろ
【バッカス】
正月?
こたつに入って、みかんでも食べながら正月番組を見るのよ
あと餅を喉に詰まらせるってのも風物詩ね
今度是非酒場の誰かを使って試してみてちょうだい
私横で見物してるから

墓場女って――、失礼ね
まあ、当たらずといえども遠からずだけど
ほんとう、賑やかね
なんだか意外と見てて飽きないわね、コレ

面倒くさいから全部蛇竜の炎で焼いちゃいましょう
死体は焼くに限るわ、その方が後腐れないもの
さぁさぁ、みんなとっとと灰になっちゃいなさい


――あっ、そうだお年玉
正月には年上の人が年下にお金をあげる風習があるの
はい、お年玉ちょうだい
(ん、とアーノルドとギドの方に向かって手を指し出す)


ギド・スプートニク
【バッカス】

正月と言えば餅つきと羽子板に決まっておろうが、戯けめ
あまり侮ってくれるなよ、伊達に貴様らより長く生きてはおらぬわ

落ち武者は打ち首獄門と相場が決まっている
処刑剣にてその首を斬り落とす(『咎力封じ』演出)

飽きた
墓場で死霊相手に小競り合いなど興が乗らんな
私はそこらの茶屋で汁粉でも啜っているが故、あとは店主と墓場女のふたりで何とかするがいい

>ヨツロの炎
なかなか派手で良いではないか
目出度い目出度い

店主ももう少し働くがいい
ほれ見ろ、オーダー待ちの客がわんさと列を為しているぞ

近付いてくる敵は拷問具が自動で拘束しオート断罪

お年玉だと?
ふ、(一笑に付す)
鏡を見て自分の歳ともう一度相談してくる事だな



「ヨツロ、正月って何するんだ」
 アーノルド・ステイサム(天使の分け前・f01961)の問う声音。
 その巨躯で振りかざす斧は、単純な力だけで敵をねじ伏せる。
 Bad Luck Curse。
 “負け犬の住処”にある、“不吉の呪い”なんてどうしようもない名前の酒場だ。
 しかし、この酒場を今のマスター、――アーノルドが店を引き取る際にあだ名を付けてやった。
 通称『バッカス』。
 そんな酒場に集うマスターと常連と。
 その悪友である貴族は、今日は墓場で大運動会宙であった。
「正月? こたつに入って、みかんでも食べながら正月番組を見るのよ」
 常連――四辻路・よつろ(Corpse Bride・f01660)は読めぬ程掠れた文字が記された墓石の上で、アーノルドの働きを見ながら足を組んでいた。
「あと餅を喉に詰まらせるってのも風物詩ね」
 アーノルドが返す手で切りつけた敵の腕がよつろへと弾け飛び。
 骨の尖を抜くことも無く、杖のまま叩き落とすよつろ。
「はあ、餅ねェ……」
 表情のない貌の、蒼いレンズがキチと引き絞られた。
 その面に似合わぬ酷く人間臭い声音は、明らかに面倒そうな響きを保つ。
「今度是非酒場の誰かを使って試してみてちょうだい。私横で見物してるから」
 やはり面倒なジョークであった。
「……うちの店は人死に出したことないってのが売りなんだよ。ああでも、スプートニクは正月なんて知らねえよな」
 ダンピールの彼は、種族柄その様な催しをしたことはないだろう、とアーノルド。
「あまり侮ってくれるなよ、伊達に貴様らより長く生きてはおらぬわ」
 よつろの横に立ち、トネリコの枝の節を確認していたギド・スプートニク(意志無き者の王・f00088)は、その血液より顕にした処刑道具を片手に。
「正月と言えば餅つきと羽子板に決まっておろうが、戯けめ」
 ハチャメチャに辛辣だけど、なんかかわいい事を言っていた。
 肩を竦めて。アーノルドにタックルをぶちかまそうとした落ち武者に向かい、枷を叩き込む。
「いや悪かったよ、そんな怒るな……決まってんの?」
 羽子板って何だよ、と枷を嵌められた敵を叩き潰したアーノルド。
 積み上がる敵の残骸。
「まあ祭り前に仕事を終わらせなきゃァな。しっかし、うるせえ死霊どもだなあオイ」
「ほんとう、賑やかね。なんだか意外と見てて飽きないわね、コレ」
 アーノルドが頑張る姿も、見ていて飽きないもので。
 足をぶらぶら、向かってくる敵だけ、やっと抜いた刃で串刺しにするよつろ。
「墓石で遊んでんじゃねえぞ! っつーか仕事しろ!」
 串刺された落ち武者の頭を、血の処刑剣で断ち切るギド。
 転がった頭をブーツの底で踏み抜き――。
 嗚呼。
「飽きた」
 そしてよつろの横に腰掛けると、溜息を一つ。
「墓場で死霊相手に小競り合いなど興が乗らんな。……私はそこらの茶屋で汁粉でも啜りに行く故、あとは店主と墓場女のふたりで何とかするがいい」
 横に腰掛けられ、場所を追いやられて立ち上がるよつろ。
「墓場女って――、失礼ね。……まあ、当たらずといえども遠からずだけど」
 まあ、そろそろ頃合いよね。
 杖をくるりと回すと、召喚される騎士と、蛇竜
「首を獲っても動くだなんて面倒くさいわ。死体は焼くに限るもの、その方が後腐れないわ」
 ――さぁさぁ、みんなとっとと灰になっちゃいなさい。
 騎士がアーノルドに並び大剣を振るい、蛇竜が地に倒れ伏したた落ち武者共を炎で舐める。
「なかなか派手で良いではないか、目出度い目出度い」
 パチ、パチ、とやる気の無いギドの拍手。
 召喚中は戦えぬよつろは再び見学モードだ。
「ほれ見ろ、店主オーダー待ちの客がわんさと列を為しているぞ」
 ギドの声に面倒臭そうに、斧を構え直すアーノルド。
「いやお前も仕事しろよ……へい、へい。シラフのくせにめんどくせえ客だなあ……」
 それはギドも、敵もだ。言っても無駄だな、と音声よりありありと滲む感情。
 そこでよつろは、はたと思いだした表情を浮かべた。
「――あっ、そうだお年玉。正月には年上の人が年下にお金をあげる風習があるの」
 はい、と手を差し出す。
「ふ、鏡を見て自分の歳ともう一度相談してくる事だな」
 ギドの一笑。
 アーノルドは一瞬そちらを見ただけで、何の反応もせずに蛇竜の吐く炎に敵を叩き込む作業に戻った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

鴛海・エチカ
死者の嘆きもこう重なると煩いだけじゃのう
さあて、どかーんと一網打尽じゃ!

先ずは我が魔術発動の要、ユフィンの星霊杖をびしっと敵に差し向ける
そして其処から一気に『二律背反』で流星の矢を撃ちまくるかの
ふふん、外したとて心配はいらぬ
軽く跳躍して魔法陣の上に着地し、星魔の力を得ようぞ

数が多過ぎるならばエレクトロレギオンの機械兵達を呼び出す
一撃ずつは弱くとも数を当てれば斃す助けにもなるもの
他の者と狙いを合わせてさっくさくと撃破していこうかの
囲まれて拙い時は空飛ぶ箒ガジェットに乗って空に逃げるのじゃ

歳神様を祀るという祭りが嘆きの聲で穢されてるなど癪じゃ
この世界に齎される豊穣とやら、このチカが守ってやるぞい!


リリト・オリジシン
なんだ。有象無象の掃除と言うのは年末にしているものではないのか?
ふむ、それとは違うのだな。なるほど。であれば、良い

ミッチミチに存在する落ち武者を確認したならば、突進。突撃。大爆砕
駆ける勢いと妾自身の怪力を用い、血染めの流星を落ち武者達へ叩きつけてやろう

汝らが罪、人の世に向ける悪意。妾に捧げよ

血統覚醒で漲る力を身体へ巡らせ、宣戦布告といこうではないか
来らば来い。全て受け止めてやろう
あとは1対1であろうと、1対多であろうと、妾の下に来た者は全て叩き潰すのみ
その命を貪り、罪を食んで生命力を吸収し、終わりの時まで戦い続けようではないか
数は多いのだ。足を止めている暇なぞないのだからな



「なんだ。有象無象の掃除と言うのは年末にしているものではないのか?」
「死者の嘆きもこう重なると煩いだけじゃのう」
 リリト・オリジシン(夜陰の娘・f11035)と鴛海・エチカ(ユークリッド・f02721)は背中合わせ。
 ああ、ああ、ああ。
 嘆く声音、呻く声音。
「あれは年末の掃除とはまた違うらしいのじゃ」
「ふむ、それとは違うのだな。なるほど。――であれば、良い」
 ならば今、掃除すれば良いのだろう。
 地を軋ませて間合いを詰める。
 遠心力と、身体の捻り。そして、踏み込んだ勢い。
 棘付き鉄球を撓らせて、そのまま敵の集団へと叩き込むリリト。
 赤く染まる瞳は、吸血鬼の証。
「汝らが罪、人の世に向ける悪意。妾に捧げよ」
 漲る力で肉片まで敵を叩き潰し、その屍の上で彼女は朗々と謳う。
「来らば来い。全て受け止めてやろう!」
 妾の下に来た者は全て叩き潰すのみ、と。
「おお、チカも負けてはおれんのう! どかーんと一網打尽じゃ!」
 背後の大暴れの気配に合わせて、天球儀を模した星杖をくうるり回し。
 ――星の命題よ、因果と為って廻れ。
 敵群へと宣戦布告。
 同時に魔力が膨れ上がり、流星の矢が星屑を描いた。
 星が弾ける様は、まるで花火の如く。
 命中する事無く墜ちた矢はその場で爆ぜ、魔法陣と化してエチカの魔力を高める文字通り陣地と化す。
 振り回される棘鉄球に、降り注ぐ流星の矢。
 圧倒される敵群は、戦術も何もなく弾き飛ばれ。
 それでもそのまま立ち上がると、無策にも愚直にも魔女へと刃を向け、駆けてくる。
「ふふん、甘い、甘いのじゃ!」
 エチカはくつくつと笑い。箒型のガジェットに横座り、軽く地を蹴ればふわりと浮く身体。
 貫くべき場所を失った敵は、鑪を踏み。
「そこは、行き止まりだ」
 叩き込まれたリリトの鉄球で、敢え無く動きを止める落ち武者。
 振り向きざまに、遠心力の侭に振りかざした鉄球が反対側から迫る敵二体を弾き飛ばす。
「――歳神様を祀るという祭りが嘆きの聲で穢されてるなど癪じゃ」
 星霊杖に星が煌めき。
 空中で杖を握るエチカは、敵群へと向かって流星を放つ。
「この世界に齎される豊穣とやら、このチカが守ってやるぞい!」
 着弾する先に、星が散る。
 きらきら、きらきら、爆ぜて、飛んで。
 ぽこぽこ生み出される機械兵器に合わせて。
 ついでにエチカの箒もぐうるり円を描いて、少しばかり乱暴に主人を地に落とした。
「ええい。このポンコツガジェットめっ!」
 ちょっとやっぱりご機嫌斜めの箒であった。
 喰らう、抉る、叩き潰す。
 敵とリリトの得物の刃と柄が噛み合い、力まかせにカチ上げて蹴り上げる。
 その直後、倒れた敵に降り注ぐ鉄球の影。
 潰す、抉る、喰らう。
 リリトは唇だけで笑む。
 ――ああ、命を貪り、命を喰らい。罪を貪り、罪を喰らい。
 終わりの時まで戦い続けようではないか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧城・ちさ
お墓で落ち武者が歩いてるというだけでもう怖いですわね
落ち武者が一般の方々を襲わないうちに私達で退治しますわね
落ち武者には囲まれたり背後に回られたりしないよう注意して戦いますわね
1体1体しっかりとどめをさしていきますの
持っている武器を思いっきり振り回しますわね
離れた敵へはユーベルコードで全力攻撃ですの


リュー・メトカーフ
ふむ
知性もないオブリビオンじゃあ、揶揄いがいもなさそうだ
早めに退場してもらうとしよう

とはいえ自分から相手を探すのも手間だ
落ち武者が集まってくるまで適当に座って休んでいよう
そのまま終わってくれれば楽もできるな

さて、キミたちには特に語りたい想いも無いだろう
今日は正月だ
骸の海で寝正月とでも洒落込んでくれ

トリニティ・エンハンスで攻撃力、特に水属性を強化
サーキュレイションの氷と合わせて地面を凍らせよう
転んだり動きが鈍れば御の字だ
サクサク切り飛ばしていく
皆のように素早く動くのは苦手でね
私の戦いやすいようにやらせてもらうよ

この時期、氷で寒くても構わない人となら共闘もいい
ああ、私は人形だからね
寒さには強いのさ


馮・志廉
ユーベルコード『馮門三絶』の内、今回は距離を潰しての攻撃回数を重視して『馮家拳法』を使う。

これだけの数、放っておいてはいずれ民草に害をなすに相違無い。今のうちに壊滅させねば。
一人残らず、打ち倒す。

飛ぶ斬撃の間合いに付き合わず、一気に間合いを詰める。一人一打、足を使って動き回り飛び回り、敵の中を駆け巡る。
拳法と言っても、使う部位は拳だけでなく肘や脚も使う、剛猛な外家拳。

囲まれたり飛ぶ斬撃が来そうなら、『大力鷹爪功』の擒拿手(グラップル)で手近な落武者を逆手に捻り上げ、盾として使う。


セツナ・クラルス
おお、これはまごうかたなき落武者だね
「ささっとどかーんとぱっかーん」だったかな
ふふ、心得た
励むとしよう

とはいえ
落武者だらけの場所へひとりで向かうには
少々心許ない
別人格を呼び出し殲滅速度upを図る
別人格の名前はゼロ
一人称はオレ
セツナよりも目付きが悪く
やや乱暴な口調

ゼロ、おいで
共に歩も…いや、逃げないでおくれ
ふふ、私たちは一心同体
逃げられるはずもなかろう

別人格と連携し落武者たちを翻弄
交戦中の猟兵たちのフォローもできたら積極的に行う
おっと、怪我はないかな
数は多いがお互いに励みましょう

死んでなお生き生きとした彼らを倒すのは忍びないが…
あるべき場所へ還すのも、また救済となるだろう



「おお、これはまごう事なき落ち武者だね」
「あー、そうだな」
 セツナ・クラルス(つみとるもの・f07060)が興味深そうに、落ち武者を観察する。
 彼に呼び出された別人格。
 セツナより少しばかり目付きの悪い『ゼロ』が肩を竦めて、人形の『無垢』を引いた。
「さて、ささっとどかーんとぱっかーん、だったかな。……励むとしよう」
「さっさと終わらせるぞ」
 二人のセツナ――、セツナとゼロは落ち武者の群れへと飛び込んで行く。

「ふむ」
 知性もないオブリビオンじゃあ、揶揄いがいもなさそうだ、と。
 座ってゆっくりする少女の姿。
 リュー・メトカーフ(ヴィユーヴィス・f01051)だ。
 彼女はただゆっくりしている訳では無く。
 彼女自身が純粋にただ歩くのが凄く遅い事もあり、敵からこちらへと近寄ってくる事を待っているのだ。
 いや、まあ。
 そのまま終わってくれても全く問題はないのだけれども。
 彼女が横にいる限り、そこまでサボる事は敵わないかもしれない。
「お墓で落ち武者が歩いてるというだけでもう怖いですわね……」
 うう、と魔法のピコピコハンマーを手に。
 彼女――、霧城・ちさ(夢見るお嬢様・f05540)はリューの横に立って、周りをキョロキョロ。
 頑張らなきゃ、と息巻いてはいるが怖いものは怖い。
 そこへ響く大量の足音。
「おい、セツナ、テメェ……」
「はは、少し引っ張りすぎてしまったね。ゼロ、おいで、共に歩も……、いや逃げないでおくれ」
 セツナとゼロは一心同体、逃げられる訳もないのだが。
 セツナから離れすぎるとゼロは消えてしまうのだから、自然セツナが追いかける形となっているが。
 二人は、駆ける。
 その後ろを追う、大量の落ち武者達。
 首や四肢を欠落すればするほど、落ち武者達の攻撃も速度も早くなる。
「わ、わあっ」
「ああ、来たか」
 ぎゅっとピコハンを握りしめたちさと、のんびりと立ち上がったリューが熱帯びた凍てつく氷槍を手に、敵をぼんやりと眺めた。
「……今日は正月だ、骸の海で寝正月とでも洒落込んでおくれ」
 身体の属性の巡りを魔力で増強すると、ピキピキと氷が地を侵す。
 伸びる霜柱は地を凍えさせ、駆ける落ち武者達の足元へと続き。
「いきますのっ!」
「なんてね」
 くうるり、振り向いたセツナとゼロ。
 これはだまし討ち。
 仲間の多い場所に誘導を終えれば――。
 リューが凍らせた足場で動きが鈍くなった敵を、セツナ達とちさが叩き潰す!
「キミたちは、語りたい思い出はあるかい?」
 槍を突きつけ。落ち武者に尋ねる、リュー。
 あ、ああ、あああ。う、あ。
 答えは無い。
 意味のないうめき声を、ただ漏らす落ち武者。
「……そうか、無いとは思っていたが。そうだろうね」
 リューは興味を一層失ったかのように。
 茶色の瞳を冷たく揺らして、落ち武者の首を貫き捨てた。
「これだけの数、放っておいてはいずれ民草に害を成すだろう、……壊滅して貰うぞ」
 三つ編みがぴょんと揺れ、足止めされた敵群の刃に向かって。
 果敢に距離を詰める男は、馮・志廉(千里独行・f04696)だ。
 しかし刃の間合いに、付き合ってやりはせぬ。
 刀の間合いよりも、もっと近く、もっと懐へ。
 一瞬の早業。
 触れたと思った瞬間に。鍛え抜かれた鋭い鳥嘴の様な指先が、敵を貫き抉る。
「一人残らず打ち倒す」
 言いながらも彼は冷静な判断を続ける。
 氷を踏めば、敵と同じく機動力を奪われるだろう。
 倒した落ち武者を踏むと、更に落ち武者を蹴って。志廉は飛び石の様に、敵へと跳ね渡り迫る。
 刀を持つ手へと手刀を叩き込むと。
 そのまま返す手で、もう一体の落ち武者の頬を刳り抜いた。
「ええっ、落ち武者が一般の人々を襲わないうちに退治をしてしまいますわ!」
 ちさがピコハンをカチ上げる形で振り上げ。半円を描く形で跳ね上げた敵を、志廉が拳で受け止める。
「……はッ!」
 気合の呼気。
 受け止めざまに足を振り上げ、靭やかに頚椎へと叩き込む打撃。
 両より迫る腕を、伸ばした腕だけで止めると捻り引き抜き。
 地へと投げ捨てると、その肉はびくびくと跳ねながら、千切れた先が凍った地とくっついて動かなくなった。
「とどめ、ですっ!」
 腕を失った敵へとちせがピコハンを叩き込み――。
 
 死んでなお生き生きとした彼らを倒すのは忍び無いけれど、有るべき場所に還すのもまた救済だ。
 セツナはほう、と息を吐いて。
「それにしても寒いねえ」
「ああ、私は人形だからね――、寒さには強いのさ」
 場を文字通り凍りつかせたリューが肩を竦めて。
 その氷槍でゆっくりと敵を貫いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

喫茶・柚子結
アキ、早口言葉しよ!
おちむしゃみちみち
おちむしゃむちむち
むちむしゃおちおち

せっかくお墓で寝てたのに、わざわざ起きてきちゃったのかっ?
ユズはこの時期、お母さんにおふとん剥がされても、しがみついてだって起きたくないぞ!
寝起きがいいの、うらやましなあ。……ユズは、敵にも学べるできた猟兵だからな!
いすゞのあねごも――えへへ、ユズをセンセって頼ってくれてるもん
町のみんなのためにもいっちょ、頑張らなきゃだなっ!

作戦!
ライオンくんに乗る!
ユズはオカリナ吹く!
アキは……応援してて!
ドカーン! パッカーン!

*行動以外は参考くらい。自由にユズを動かしてほしいぞっ!
*肩にのってるオコジョのアキも、絡み大歓迎だって!


英・明夜
えーっ、温泉に入れちゃうの!
明夜はもう、張り切っちゃうよ。気持ち良く汗をかいて、気持ち良く汗を流さなきゃ。
あっ。いすゞ、新年おめでとうね!

落ち武者はとにかくいっぱい居るんだもの。
このなぎなたで、ばさーっと、なぎ払っちゃうね。お掃除お掃除!
ただ、お墓だとか、猟兵を巻き込んでしまいそうな時は、払うんじゃなくて、突き攻撃に変更するね。
「こらーっ! 罰当たりなことは許さないんだからー!」

すごーく・みちみちしてる時は、ただバッタバッタ攻撃するけど、
数が減って来たら、お墓を荒らそうとしてる落ち武者を優先して攻撃するね。

どうしても防ぎきれなくて、大きい怪我をしそうな時は、巫覡載霊の舞を使って神霊体になるね。



「アキ、アキ、早口言葉しよ! 聞いて、聞いて!」
 おちむしゃみちみち。
 おちむしゃむちむち。
 むちむしゃおちおち。
 ふさふさ金色タテガミのライオンに跨った喫茶・柚子結(風はこび・f01347)は、まんまる柚子果色の瞳を輝かせて。
 あんまり言えていない早口言葉を言うだけ言うと、周りをぐうるり見渡した。
 彼女の肩に乗ったオコジョのアキも、首を小さく傾げて。
「しっかしみーんな、せっかくお墓で寝てたのに、わざわざ起きてきちゃったのかっ? ……寝起きがいいのは、うらやましなぁ」
 敵にも学べるかしこい猟兵。
 ユズはこの時期、お母さんにおふとん剥がされても、しがみついてだって起きたくないぞ、なんて。
「冬のお布団は強敵だもの!」
 むむっ、と薙刀を握りしめた英・明夜(啓明・f03393)も頷いて。
「でも起きてきちゃったからには仕方ないよねー、ばさーっとお掃除しちゃおう!」
 ふぁいといっぱつ。
 そこではっと気づいた明夜は、墓石によじ登る落ち武者へと駆けだした。
「こらーっ! 罰当たりなことはやめなさーいっ!」
「そうだぞーっ、ばちあたりはダメだぞーっ!」
 ぐぁお、と柚子結の跨るライオンが唸り。
 獣の一歩はとても大きい。
 二歩で明夜を追い抜き、靭やかな獣の筋肉のバネで一気に跳ねると、墓石を跨ぐように跳ねた。
 ぐ、る、る!
 その牙は落ち武者の首根っこを捕え、砂利の上に着地すると同時にぶん、と放り投げ。
 丁度駆け込んできた明夜の下へと、落ちてくる落ち武者。
 むちむしゃおちおち。
「えーいっ!」
 両手で振り落とす形で突き出した薙刀は、落ち武者を半分に叩き裂く。
「ようし、ライオンくん、明夜ちゃん! どんどんいくぞー! アキは……、応援してて!」
 宣言するように元気な声で、おー! と拳を突き上げた柚子結が、獣奏器であるオカリナに唇を寄せると、澄んだ音色が響き出し。
 呼応する形で、再び吠えたライオンが立派なタテガミを靡かせて駆け出した。
「一杯動いた後の温泉はとっても気持ち良いものね、――もう、張り切っちゃうよ!」
 気持ち良く汗をかいて、気持ち良く汗を流さなきゃ、と。
 ぴょーんと跳ねて、向けられた刀をリーチの差で振りほどくと、薙刀を撓らせて。
 金色の瞳をぴかぴかに輝かせて、みちみちに詰まっている落ち武者を薙ぎ払う明夜。
「さあ、かかってきなさーいっ」
「うん、うん! 町のみんなのためにもいっちょ、ユズもひとはだぬぐぞっ!」
 薙ぎ払われて尚、動き出そうとした落ち武者を押し倒すライオン。
 その上で柚子結がぴしっとポーズを決めた。
 頼ってくれる人達がいるなら、頑張らなきゃだな!
「明夜ももう、張り切っちゃうからね!」
 元気な宣言、ライオンと明夜が同時に敵へと一気に間合いを詰めて――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『戦国武将』

POW   :    合戦具足
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【自分の城の一部もしくは武者鎧】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    乱世斬
【日本刀による衝撃波を伴う斬撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    戦国兵団
【自分に従う兵士達】の霊を召喚する。これは【火縄銃】や【弓矢】で攻撃する能力を持つ。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●風の匂い
 樹上。
 弾をリロードしていたジェイクスが顔を上げた。
 ぴん、と空気が張り詰めた様に感じたのだ
「……ふむ」
 空気中に感じる薄ら寒い感覚。
 まるで細い針にぴりぴりと全身を貫かれるような、心地悪さ。
 ああ、強敵が現れてしまったのだ、と、戦場傭兵としての勘が告げていた。
 ジェイクスはスコープを覗き込む。

 構えた刃が振り翳され、ぞわと震える空気。
 衝撃波が場を貫き、一瞬遅れて周りの落ち武者達の首が根こそぎ撥ね飛んだ。
「――――あ、あ、あ」
 嘆きの声。
 怨嗟の声。
 絶望の声。
 その響きは、もはや敵も、味方も、そして理性すら有りはしないと告げる様だ。
 言葉無くとも、猟兵達は理解する。ヤツこそが渠魁であると。
 仲間の首を撥ねたばかりの狂刃が、大きく引き絞られる。
「させん」
 冴え冴えと澄んだ音が響き。
 片方の刃はライフルの弾が弾き、止め。
 もう片方の刃には、刃が噛み合わされていた。

 シャンと音を立てて鎬を滑ると同時に、バックステップを踏む強い意志をその顔に湛えた男。
 劈空刀の刃に手を添えて構えた志廉は、敵――戦国武将の鈍く光る瞳を睨めつける。
「ニイハオ。覚えずとも良いが、俺は馮・志廉だ」
「……」
 ただ剣を構え直した敵と、志廉の視線が絡み合い。構える二者。
 ――推して、参る。
霧城・ちさ
戦国武将強そうですわね。敵も味方も関係なく斬りつけるのはかなり危険ですわっ
このまま町に向かったら大変ですの
刀での攻撃は間合いを多く取らないといけませんし隙をみつけて攻撃して離脱をしたり警戒は常に行いますわね。可能であればカウンターで対応していきますわね
戦国武将の刀での攻撃から隙を作る手段として、あるいは兵士を呼ばれた時にはうさぎさんを呼び出しますの
私は距離を取って攻撃されないな位置に移動しますわね。銃や弓矢での攻撃でユーベルコードを解除されないように気をつけますわっ


リリト・オリジシン
有象無象を生み出すは汝か
だが……何を嘆いておる。何を恨んでおる。何を哭いておる
この地が未だ戦場にあると勘違いしておるのか?
それとも、行くべき場所も分からずに迷い泣く童が如くか?
何も嘆くことはない。何も恨むことはない。何も哭くことはない
全て、全て妾が持って行ってやろう
その身を縛り、この世に繋ぎとめる鎖を砕いてやろう
彼岸の彼方へと還るが良い

罪喰を放つつもりではあるが、最初から本命が当たるとも思ってはおらん
ユーベルコードは載せていない血染めの流星で一撃、二撃と牽制を
その鎧を砕き、意識を揺さぶってやろう
隙が見えた時こそが喰らい付くべき時
その時を見計らって本命の一撃を


馮・志廉
凄まじい剛刀だ。何も想わず暴れるのみの怪物。必ず討ち果たす。

『合戦具足』を纏う間も与えぬよう、至近距離で刀を振るい、間断無く攻め続ける。
相手の刀は刀で防ぎ、相手が組み付いて来たなら拳法を振るい、離れようとするなら鷹爪功で掴みかかる。
『合戦具足』を許してしまったなら、その戦闘力を削ぐことを目標とする。
狙うは四肢。『馮家断魂斬魄刀』で斬り落とし、バランスの喪失や転倒を狙う。
刀を撃ち合わせた後、刀身に沿って滑らせる事で今度は懐に入り込み、渾身の内力(気功の力)を込めて斬る。

「早々に九泉に還るがいい」


小読・灯
折角新しい年だって言うのに、辛気くさい人ね。
もう少し楽しい声を出せないかしら?
しかも仲間を攻撃するなんて暴走しちゃってるのかもしれないわ。大変な事にならないうちにこのオブリビオンには黄泉の国にお帰り願いましょう。

【WIZ】
私は他の人のサポートに回りましょう。

幻を私の周りに纏わせ【迷彩】で周囲に溶け込んで戦国武将に近付き機会を待つわ。

他の人の攻撃に合わせてマッチを擦って炎を作って、その炎を鎖に変えて戦国武将を拘束するように動かして、戦国武将の動きを妨害しましょう。

うん、流石に強いわね。暖炉に薪が必要なように、まだ炎が足りないわね。更にマッチを擦って炎を継ぎ足していきましょう。(【属性攻撃】)



 あ、あぁ、あぁ、ア。
 敵面より漏れ響く声に、意味などは無く。
 二刀と、雁羽を模した刃が交わり。
「――凄まじい剛刀だ」
 正に火花が散ったのであろう。
 受け止めた志廉の腕が痺れ、堪えた足が轍を産む程の膂力。
 正面から刃で受け止め続ける事は、得策で無い様に思えるが。
 ――尚も志廉は距離を詰め、更に重ねて斬り結ぶ事を選んだ。
 そう、彼は一人で戦っている訳では無いのだから。
 絶え間なく斬り結ぶ事で、敵に隙を与えぬために。
 ゆうらり、揺れる幻像。
 マッチの炎が燃える。
「折角新しい年だって言うのに、辛気くさい人ね。もう少し楽しい声を出せないかしら?」
 長い金髪を揺らして。
 自らに幻を纏った灯がもう、とうんざりした表情で、もう一本マッチを擦り。
「有象無象を生み出すは汝か」
 合わせて叩き込まれた、リリトの棘付き鉄球に炎が纏わりつき。
 鉄球に絡みついた灯の炎が、炎鎖と化して武将を絡め取る。
 ぁ、あ、あぁ、ああ!
 怨嗟の音、声、響き。
 その隙を逃すこと無く、志廉が踏み込み。逆袈裟に刃を一閃し。
 更に重ねて、リリトは鎧を砕く牽制を叩き込んでやる。
 嗚呼。
 何を嘆いておる。
 何を恨んでおる。
 何を哭いておる。
「この地が未だ戦場にあると勘違いしておるのか? ――それとも、行くべき場所も分からずに迷い泣く童が如くか?」
 意志の在る答え等は、無い。
 ――。
 否、答えはあった。
 志廉へと斬りつける刃と共に、面よりひゅうと音が漏れた。
 おお、お、おお、おお。
 吐き出される紫色の氣が人の姿を模した瞬間に、生気の宿らぬ鬨の声が沸き立つ。
 現れたのは、大量の亡霊武者共だ。
 そう、ここは未だ戦場だ。
 未だ、戦場である事を、意志無き敵は望んでいるのだ。
「もう、また増やしちゃうのね。――これ以上増えるのも困りモノだわ。みんな纏めて、黄泉の国にお帰り願うわ!」
 暖炉に薪が必要なように。
 火力が足りないのならば、炎を足してやれば良い。
 灯は更にマッチを擦り、炎を継ぎ足し。ゆうらり揺れる炎は激しさを増す。
「このまま町に向かったら大変ですの!」
 ちさがピコピコハンマーをぎゅっと握りしめて桃髪を跳ねて、敵軍から距離を取った。
 ゆうるりゆれる、魔法の力。
 私のうさぎさん、一緒に戦ってほしいですの!
「みなさまを、お守りしますわっ!」
 ちさの祈りに呼応して、白ウサギと、黒ウサギがぴょんと飛び出し。
 飛び出した勢いのそのまま地を踏み込んで、死霊へとフットスタンプ!
 白ウサギが銃を持つ手をかわいいあんよで殴打すると、黒ウサギが銃を蹴り抜き死霊より武器を奪う。
「うさぎさん、流石ですのっ!」
 きゃいきゃいと応援するちさ。
「……嗚呼、そうか」
 リリトは理解する、敵が囚われている事を。
 リリトは理解してやらない、敵の囚われている事に。
「全て、全て妾が持って行ってやろう。――その身を縛り、この世に繋ぎとめる鎖を砕いてやろう」
 何も嘆くことはない。
 何も恨むことはない。
 何も哭くことはない。
 処した相手の罪咎を貰い受け、その者の魂の穢れを雪ぐ事こそ妾の出来る救いなのだから。
 血染めの流星が空を裂き、死霊共を蹴散らし倒す。
「彼岸の彼方へと還るが良い」
 人は人で有る限り、長時間、ずっと絶え間なく戦い続ける事は難しい。
 それが神経を刻々と削るような戦いであれば、尚更だ。
 志廉は掲げた刃で、振りかざされた刀を滑らせ、受け流し。
 懐に飛び込むと、肘でブチ上げ、顎を貫く。
 不快そうに肩を跳ね上げて。バックステップを踏んだ武将の身体を捉えるべく。
 志廉が鷹爪の様に立て伸ばした指先が、空を掻く。
 更に、もう一歩跳ねる敵。
 がちん、と音がした。重ねられる音。
 鎧が形を変え、その体が膨れ上がり――。
 内心歯噛みする志廉。
 コレを纏わせぬ為に、絶え間なく攻め続けて居たというのに。
「わあ、……強そうですわね。――うさぎさん!」
「させないわ」
 ちさと灯の声が重なり、二匹のウサギが変形する武将の頭を蹴り、炎が渦巻くが、変形は止まりはしない。
「――――あ、あ、あ」
 嘆きの声。
 怨嗟の声。
 絶望の声。
 その身を膨れ上がらせた敵は、無機質な光を宿した瞳を猟兵達に向け――。
 しかし、彼らはその視線に、怯むこと等は無い。
「早々に九泉に還るがいい」
 リリトの鉄球が、敵の脛当てへと叩き込まれ。一気に踏み込んだ志廉の、内力を込もった刀が重ね貫く。
 バキ、と音を立てて罅の入る脛当て。
「喰らいがいの有る大きさになったものじゃの」
 ――その身に宿した罪咎、妾が喰ろうてやろうぞ。
 血呪いの竜が全てを、喰らわんと叩き込まれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

伍島・是清
【バッカス】四辻路/ギド/おっさん
…えぇ…あのわけわかんねェのが正月っぽいの…?
御前ンとこの正月、変わってンね…

まァ、特撮感あるのはわかる
何となく座り込んで眺めながら
がんばれ、おっさん
戦え、おっさん(応援)
あ、おっさん、俺のとこに斬撃きそう(絲で引っ張り、【敵を盾にする】感覚でおっさんを盾にする)

かくし芸…(すげえ嫌そう
四辻路は?やんないの?
ギド、何その華麗なる一発芸

うーんと嫌そうな顔ながら考え込んで
死角に回り込み
──プログラムジェノサイド、『絲独楽』

絲と共に自分の身体を独楽のように旋回
敵を絲で切り刻む
何時もより多く廻っといた

──ぶふっ
いや、四辻路の芸、善かった、うん…(掌で口許覆い肩震わせ


アーノルド・ステイサム
【バッカス】
正月らしいかはわからんが
歯ごたえありそうなのが出てきたな
さすがに本気でかからんと駄目そうだぞ、三人とも

いやだから戦えってんだよ
こんなのとプロレスできるか!
(言いつつ右ストレートは狙う)

――って、ああ!?(引っ張られる)

盾に使われたら咄嗟に斧でガードを試みるが
ゴシマ、お前マジで覚えとけよ

調子狂うが戦うぞ、俺はちゃんとやる
アクティブ、防御支援
耐久力には自信ありだがしっかり守りは固めていく

盾になるから殴るのは任せた
…何でかくし芸大会になってるのかはわからんが
スプートニク、今の効いてるからもう一回やってくれ

口喧嘩をバックに堅実に攻撃を防いでいく
仲良いなあいつら…(口出しはもう諦めた)


四辻路・よつろ
【バッカス】
すごいすごい!何あれ、ロボット?
アーノルドと並んだらその手の特撮か、プロレスみたいね
訳が分からないってのがいいわ、お正月っぽくて
(何となく一緒に並んで応援する)
あっ、そこ右ストレート

飛んできた斬撃をアーノルドで避ける是清でちゃっかり自分も避ける
それじゃあお言葉に甘えて守りは任せたわ
おいでわんちゃん達、と死霊の狼を召喚
喉笛を全部噛み千切ってあげましょう
あとの処理は任せたわ

へぇ、あなた達みんな一発芸持ってるの
えっ私?
……あー、えっと種も仕掛けもございません、ってハト(死霊)出すぐらい?
――うるさいわね、私今日スカートなの
あなた達みたいな大道芸なんてしないわよ
バッカじゃないの


ギド・スプートニク
【バッカス】
特撮か
私はどちらかと言えばアレを思い出したぞ
何と言ったか……アメ、コミ?

>是清
絡繰対決。見世物にはちょうどよい演目ではないか?
新春かくし芸大会というやつだ

私か?
私の芸は些か疲れるのでな、派手な披露は遠慮願いたいところだが
仕方あるまい、一瞬だけだ

『意志無き者の王』にて自身の武器を支配し、最大限にパフォーマンスを発揮した剣杖による抜刀術にて応戦
(無理であれば普通に空間支配で動きを一瞬静止させ同時に抜刀術)

刀を抜くのは一瞬で良い
敵さえ斬れれば良いのだし、抜き続けると何より冷える

やれやれ、品も無ければ芸も無いとは
生まれた時に取り柄というものを置き忘れてきたのだな



「すごいすごい! 何あれ、ロボット? アーノルドと並んだらその手の特撮か、プロレスみたいね!」
 楽しそうに響くよつろの声音。
 実はこのロボの出現に当たって、この辺りにいる下手な10台猟兵よりも、20台半ばの女猟兵達の方がよっぽどはしゃいでいる統計が出ている。
「訳が分からないってのがいいわ、お正月っぽくて!」
「……えぇ、あのわけわかんねェのが正月っぽいの……? 御前ンとこの正月、変わってンね……?」
 よつろの喜びっぷりに伍島・是清(骸の主・f00473)が明らかにヒいた声を漏らしながら、その緑瞳を細めた。
 なんとなく石塀に腰掛けて、はあー、と見上げるデカブツ、でっかいなあ。
「正月らしいかはわからんが、歯ごたえありそうなのが出てきたな」
 貌の無い顔が蒼いレンズをキュイ、と引き絞り。
 アーノルドが斧を手に、ロボ武将に一気に距離を詰める。
 敵の反応は、早い。
 瞬間。振り向いた敵が、ほぼ反射とも言える動きで刀を叩き込み。
「……ッ、さすがに本気でかからんと駄目そうだぞ、三人とも」
 斧をガードに上げるが、強かに打ち込まれたアーノルドの身体が、地を滑り轍を産む。
 削れた飛び石が、アーノルドの巨体を引きずる程の威力を物語っている様だ。
「特撮か。私はどちらかと言えばアレを思い出したぞ。……何と言ったか? ……アメ、コミ?」
 武器を片手にぶらぶら揺らし。
 ギドもなんとなく石塀に背中を預け。
「まァ、特撮感あるのはわかる」
「あっ、そこ右ストレート!」
 是清の横に同じく腰掛けたよつろが、テレビの前で観戦するおじさんのように声をあげた。
「いやだから戦えってんだよ! 話を聞け! こんなのとプロレスできるか!」
 叩き込まれる刃を斧で応戦しながら、一応右ストレートを狙ってみるアーノルド。
 打ち合い、打ち合い、打ち合い。
「がんばれ、おっさん、戦え、おっさん」
「絡繰対決とは見世物にはちょうどよい演目ではないか? 新春かくし芸大会というやつだ」
「へぇ、大会って事は、あなた達みんな一発芸持ってるの? 正月特番ね」
 三者三様、言いたい放題。
「かくし芸……四辻路は? やんないの?」
 凄く嫌そうな表情を浮かべた是清が、よつろに話を振る。
「えっ、私?」
 がんばってね、アーノルドさん。
 キミのお店に来るメンツどうしようもないね。
 地を踏み込み、ぐん、と身を捻ったロボ武将。
「――、あ」
 是清の背に、ぞ、と奔る感覚。
 ヤバい攻撃が来る、と言う直感。
「……おっさん!」
 是清が吠え、アーノルドへと絡めた絲。
 なにかを悟ったよつろが、一瞬で是清の背へと身を隠し。
 ギドもそれに習う。
「なン、っ、あ、ああっ!?」
 ぐん、と引き寄せられたのはアーノルドの身体。
 敵が刀を円を描くように払う。
 吐き出された斬撃は、衝撃波と成り、周りを貫き、裂く。
 塀が裂け、墓石が裂け、木々が貫き崩れ落ちる。
 ガードにあげた斧も虚しく、軋むアーノルドの身体。
 その彼の後ろで悠々と、アーノルドを盾に避けきった三人。
「危ないところだったわね」
「助かったな」
「やれやれ、その巨体も役に立つじゃあないか」
 三者三様、言いたい放題。
「……お前ら、マジで覚えとけよ」
 酷く人くさいアーノルドの声音が、恨めしく響く。
「アクティブ、――防御支援」
 人であれば溜息の一つもついていた所であろう。
「俺が盾になるから、殴るのは任せたぞ」
 味方がこんなので調子は狂うが、俺はちゃんとやる。ああ、やってみせる。
「それじゃあお言葉に甘えて守りは任せちゃうわ。――あー、種も仕掛けもございません、ってね」
 地をとん、と叩いたよつろ。
 おいで、わんちゃん達。
 喉笛を全部噛み千切ってあげましょう。
 死霊の狼が、一気に敵に飛びかかり――。
「――私の芸は些か疲れるのでな。一瞬だけ披露をしてみせよう」
 とん、とアーノルドの肩を踏み台に飛んだギド。
 瞳が黄金色に輝き、一瞬動きを止める敵。
 その抜刀に莫大な魔力を消耗する故、『一瞬』だけ披露してみせよう。
 氷狼の牙の如く、握った剣杖が連続で打ち込まれる。
 横薙ぎに振り払い、斬り込み、その鎧を壊し剥がすように。
 降り立った時には、砕けた鎧が周りに落ちている。
「ギド、何その華麗なる一発芸、かっけー。つか、四辻路の芸、ソレ普通に召喚しただけじゃねーの?」
 嫌そうながらに俺も、と少し考え込んだ是清。
 よつろがつっこまれ、なっ、と絶句した。
「……こう?」
 追加で鳩を召喚するよつろ。
「……ぶふっ」
 思わず吹き出した是清が、そのまま駆け出す。
 ──プログラムジェノサイド、『絲独楽』。
 ぐうるり、絲と共に自らの身体を独楽のように。
 回る、跳ねる、駆ける。
 召喚された死霊を、武将を。
 切り刻む、切り刻む、切り刻む。
「――何時もより多く廻っといた」
 すとん、と降り立つ是清。
 アーノルドが、あー、と一度声を漏らしてから。斧を肩でとん、とん、と。
「……何でかくし芸大会になってるのかはわからんが。お前ら、今の効いてるからもう一回やってくれ」
「何で笑ったのよ……?」
「いや、四辻路の芸、善かった、うん……、うん。可愛い可愛い」
 が、よつろも、是清も。聞いちゃいない。
「やれやれ、品も無ければ芸も無いとは。生まれた時に取り柄というものを置き忘れてきたのだな」
「――うるさいわね。私今日スカートなの。あなた達みたいな、身軽さだけが取り柄みたいな大道芸なんてしないわよ。バッカじゃないの?」
 はあ、と肩を竦めたギドに、よつろが不機嫌そうに眉を寄せて。
「善かったって言ってるじゃんね」
 肩を震わせて、口元を覆う是清。
 敵の矢面。
 アーノルドは、敵の攻撃を防ぎながら蒼いレンズをきゅい、と引き絞って。
「――仲良いなあいつら……」
 完全に口出しを諦めていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

セツナ・クラルス
先ほどまでは墓地であるのにも関わらず
どこか牧歌的な雰囲気だったが
…空気が変わったね
ふふ、これは油断できないな

長閑な死者であろうが
剣呑な死者であろうが
救済するのが私の務め
精々励むとしよう

そちらが亡者ならば
こちらは死神にでもなってみせようか
如何にもな大鎌を構え
優しげに微笑んで

可能な限りかわして、避けて、撥ね退けて
一定の距離を保ちながら交戦
近づき過ぎたら鎌で薙ぎ払い
遠距離攻撃には人形で反射を狙う
刃には氷の属性を織り込んで
敵の動きを鈍らせることができればいいのだが

武器は持たないつもりだったが、
行動の幅が広がるのは楽しいものだね

あなたたちに捧げる曲は
牧歌ではなく鎮魂曲が適当かな
安らかに眠りたまえ


カノ・エクセクオール
◇戦闘
引続き遊撃と妨害に当たるわ
一見した限りわたくしの技ではダメージを与え難そうね
だけど頼もしい猟兵さん方も一緒だもの、大丈夫

洗練された動き…隙を作るには、さて
錬成カミヤドリで複製した灯りを差し向けて気を惹けるかしら?
味方の一手で距離を詰めれるならそれで
手段は様々、状況は確り把握し味方と連携して

片手片足でも良い。拘束具で触れられたなら、咎力封じ
追撃を狙えるなら、色々と便利な小型ナイフで(拷問具)繋ぎ目や傷口を攻めて

向けられる刃や矢には見切りまたは、
まだ周囲に盾と出来そうなものがあればそれで対処
偽りの体切られた所で痛みはないけれど、ちょっと恥ずかしいわ
…ご希望とあらば白紫の炎で焙ってあげるけれど


ワン・シャウレン
頭が先か、手足が先か
しらなんだが、出てきてしまった以上やることは一つじゃ。
こやつを狩ればここも落ち着こう。

その有様では頭には違いないがあたまは置いてきてしまったようだの。
寝覚めも悪かろう。休ませてくれる。

やる気のある者揃いじゃろうし、協力していくぞ。
ミレナリオリフレクションが活用できる所で
敵の仕掛けを返しつつ打ち抜きに行かせて貰おう。

鎧相手の打ち方も承知の上よ。
とはいえその太刀筋侮る気はないでの。
ヒットアンドアウェイ、
ここぞの機会を除いて間合いで打ち合い続けようとは思わぬよ。
逆を言えば、その時は覚悟を決めて懐で撃ち込んでくれる。


ジェイクス・ライアー
やはり、ただの的当てだけでは終わらんか。

【POW】
奴の初撃は止めた。だが、他の猟兵もあの鎧武者に集まるだろう。密集戦ともなれば遠距離射撃は仲間に被害を生みかねん。
銃は不要だ。接近戦へと移行する。
ベルトのバックルの裏に仕込んだナイフが次の獲物だ。…人間の【暗殺】は得意分野でね。
太刀の間合いには気をつけなければいけない。隙をつき、一気に間合いを詰める。
人間用に作られた鎧は可動域を作るために関節部に隙間が出来る。
そこが、弱点だ。
年のはじめくらい、ゆっくりしたいのだ。さっさと倒されてくれ。


マリア・アリス
主役は遅れて登場よ!ツカサ、イイトコ見せて頂戴ね!

ツカサ(f04788)のバイクに同乗して戦場に突入。

足になってくれているツカサと電脳ゴーグルで視界を共有しながら、クィックドロウで霊を蹴散らしていくわ!回避と防御はツカサを信じて任せて、私は射撃に専念するわね!

相手が隙を見せたら、ツカサと一緒に突撃して一気に相手をクィックドロウで削りにいくわ!私に気を取られればツカサが突撃を決めてくれるし、そのままツカサ狙いなら私が蜂の巣にしてあげるから!


甲斐・ツカサ
お待たせ!ちょっと道に迷っちゃった!

幼馴染のマリア(f04782)を後ろに乗せて、宇宙バイクで遅れて参上!

マリアが射撃に集中出来るように、周囲に気を配るのはオレの役目
視界を電脳ゴーグルを通じてマリアと共有し、攻撃はマリアに任せて運転に専念
それでもこっちの道に立ちはだかるなら轢いちゃうよ!

その間、マリアへ向かってくる攻撃は全部オレがかばっておく
あ、あくまでマリアが射撃に集中しやすくする為だからね!

相手が変形して攻撃の構えを見せたら突撃のチャンス
全速力で突っ込んで、一気に間合いを詰めよう
相手がデカければ、小さいオレ達は懐に簡単に潜り込める!

こいつを倒せばお正月、後の事は考えずに全力でぶつかろう!


オブシダン・ソード
親玉が出てきたね。刀を手にした鎧武者、か
腕試しもかねて、剣の使い手として何度か打ち合ってみたい
分が悪いにしても、ね

ああ、中々良い刀を持ってるみたいだね、対抗意識が芽生えてきた
誰か、剣であれとやり合いたい腕自慢は居るかな?
それか、あいつに一泡吹かせたい人は?

手を貸すよ、『僕が君の剣になる』

仲間の一人に器物である黒耀石の剣を取ってもらう
二刀流だろうがなんだろうが、僕の斬撃は止められないからね
剣として、剣士として、どちらが上か教えてあげたいところ

勿論、持ち主に策があるなら協力するよ
さあ行こうか、相棒

持ち手が居ないなら居ないで炎魔法や鼓舞でサポートするとも
応援は得意なんだ、意外と


英・明夜
自分の味方までスパッとやっちゃうなんて!ってガツンとやりたいところだけど、
もう、「壊れちゃってる」みたいで、何も感じないのかな。
それに、ガツンとしたくても、近付きすぎるとすごーく危ない感じがする!

だから、武将から少し距離を取って、フォックスファイアで攻撃。
お墓や卒塔婆だとかを壊したり燃やしちゃったりしないように気を付けるね!
敵が兵士霊を呼び出そうとしたら、よーく見て、霊が出現した瞬間に、ボーっと燃やしたいけど、難しいかな。
飛んで来た銃や矢も、狐火で撃ち落すのを狙ってみよう。火の壁みたいにして防いだり。

ただ、全部の狐火を兵士霊との戦いに使うんじゃなくて、1つか2つだけでも、武将に飛ばしたいな。


境・花世
出ました大将ロボ! これはすごい!
なんて懲りずに盛り上げる心意気
折角のお正月、賑やかにしていこう

第六感で察知した敵の攻撃を
早業でひょいひょい掻い潜って
武者鎧の隙間に埋め込むのは、
燔祭と名付く媒介道具、百花の王の種
そのまま一気に――“花開花落”
ほら、爛漫に咲かせてあげるよ

もがく度にひらりと散る薄紅は
祝月の晴れたる空にやっぱり映える
ねえ、戦国の世にもこれは咲いてた?
そうそう、牡丹っていうんだよ

も一度おまけに舞わす花弁の合間から
どこかあどけなく笑ってみせ

お仲間も一緒に、懐かしいお城も一緒に
何もかもが沈む旧い海に還っておいで
そしたらそこにはきっと――きっと
おんなじ花が、咲いてるはずだから


誘名・櫻宵
🌸リル(f10762)と一緒
アドリブ等歓迎

あらリル
武将の首をとるだなんてロマンチックじゃない
仲間の首まで跳ねるなんて痺れるわ
――醜くすぎて

リル、あの首がほしいの?
いいわよ
とってきたげる

軽口を叩くも殺気は隠せずに
破魔のせた刀を抜いてリルを庇うように前へ
空間を断つ衝撃波に無数の剣戟這わせ
なぎ払い貫いて
何度でも傷を抉りぬいて斬り捨てたげる!
その鎧ごとね!
生命力もその首もあなたの全て斬り伏せて奪うわ

あはは、いいわ!もっと撃ち込んで来なさい!
もっとあたしを昂らせて!
リルの歌に合わせ、舞うように見切り残像を残し
これがあたしの舞台

踏み込んだ先
絶華の後に美しい花を咲かせて頂戴
死に際くらいは美しく
彩ってあげる


リル・ルリ
■櫻宵(f02768)と共に
(アドリブ等歓迎です

「あれが武将っていうやつなの?首をとって名をあげよ、っていう」
ねぇ櫻宵、僕は見てみたいな
君が首をとるところ

「なんて。1番は君が傷つかないことさ。そう、ならば歌おう。凱歌を」
君が存分に力を発揮できるように
あの渠魁を存分に屠れるように

【歌唱】を活かした【サウンドオブパワー】で櫻宵を支援するよ
【野生の勘】を働かせて敵の様子をよく観察して流れの攻撃は躱していくから大丈夫
可能なら【光の歌】で櫻宵を援護したいけれど

「――僕は歌だけだ
けれど歌で君を助けたい
君が華麗に舞えるよう舞台を整えてあげる」

櫻の龍の剣舞は見蕩れるほどに美しくて
危うくて
嗚呼、これが屠桜――



 ゆうらり揺れる、カノの灯り。
 まるでそれは敵を誘う誘蛾灯のように揺れる。

「あの大きさだと、わたくしの技ではなかなかダメージを与え難そうね」
 新たに召喚された亡霊武者達を、縛り、燃やし、白紫の炎を燻らせて。
 遠巻きに武将を見つめるカノ。

 しかし。
「だけど頼もしい猟兵さん方も一緒だもの、――大丈夫」
 カノに出来る事を、一つづつ積み上げて行けば良い。
 小さなナイフを手に取ると、カノは敵をキリリと睨めつけた。

「あれが武将っていうやつなの? 首をとって名をあげよ、って言う」
 湧き出る死霊を断ち切る、血桜の刃。
「あらリル。武将の首をとるだなんてロマンチックじゃない。仲間の首まで跳ねるなんて痺れるわ」
 背に庇ったリルの言葉に、櫻宵は肩を竦める。
「――醜くすぎて」
 花あかりの淡墨を靡かせて。
 櫻宵はたっぷりの皮肉を籠めて、呟いた。
「ねぇ櫻宵、僕は見てみたいな。――君が首をとるところ」
 リルは薄花桜色の瞳を小さく瞬かせて、彼に首級を強請る。
 それはどこか、歌姫に相応しき響きだったかもしれない。
「いいわよ、とってきたげる」
「……なぁんて、1番は君が傷つかないことさ。そう、ならば歌おう。凱歌を」
 何ということもない様に櫻宵は承諾し。
 そんな彼の言葉に。リルはふ、と唇に笑みを乗せて、貌を伏せた。
「じゃあ、歌ってくれるかしら。そうね、一番熱い歌を」
 血桜の刀身を振り抜き、死霊を割いて彼は一気に地を踏む。
「――ああ、勿論」
 リルには、歌しか無い。
 だからこそ、歌おう。
 櫻宵が十分にその刃を揮えるように。
 渠魁を、存分に屠れるように。
「――君が華麗に舞えるよう舞台を整えてあげる」
 紡ぐ旋律は、強く、強く響き渡る。
 
 身体の大きさを増した武将は、力任せに刀を振るう。
 袈裟に振りかざされた刀を受け止めれば、逆の手に握り締められた刀が凪がれ。
 身を屈めて、逆に踏み込む事で間合いを殺し避ける。
 続き、突き出された刃が、櫻宵の脇腹を裂いた。
「あはは、いいわ、もっと撃ち込んで来なさい! もっとあたしを昂らせて!」
 リルの旋律は、よく響く。
 肚の奥から沸き上がる力が、櫻宵の身体を、心を昂ぶらせる。
 舞う様な足取りで踏み込めば、同時に放たれた空間を断つ衝撃波と衝撃波がぶつかり合い。
 弾ける音が響き、更に薙ぎ払い、剣戟が重ねられる。
「何度でも傷を抉りぬいて斬り捨てたげる! その鎧ごとね」
 ――生命力も、その首も、あなたの全て。
 斬り伏せて、奪うわ。
 だって、あたしは歌姫と約束をしたのだから。
「……はァッ!」
 肺腑をえぐるようなかけ声。
 灰髪を靡かせ、一気に踏み込む櫻宵。
 破魔の力が乗った刃が、巨大化した敵の装甲を剥ぎ。
 ばかん、と音を立てて、鎧を崩し割った。
「…………」
 嗚呼、これが屠桜――。
 櫻の龍の剣舞は見蕩れるほどに美しくて、……危うくて。
 リルはほうと歌に吐息を混じらせ、蒼瞳を細めた。

 鎧を崩されて、たたらを踏んだ武将が。体勢を立て直す勢いで、刀を振るう。
「出ました大将ロボ!  これはすごい!」
 衝撃波をひょいと木陰でやり過ごした花世が、折角のお正月なのだから賑やかしていこう、と無闇にテンション高く言い。
「後でまた掃除に来るから」
 だから、今から行う罰当たりな事を許して欲しい、と。黒耀石の剣を片手に握りしめたまま、逆の手で墓石の頭を付いて。
 空中に身体を投げ出すと、馬跳びの要領でオブシダンは跳ねた。
 跳ね跳んだ足先より下が、斬撃の衝撃波の嵐に飲み込まれ。
 墓石がガタガタと揺れ、削れる。
 あ、あ、あぁ、あ。
 続いて響く、低く鈍い呼び声。
 一度死を迎えたモノの、断末魔。
 オブシダンの背後に迫っていた亡霊武者達が、自らを呼び出された者の放つ攻撃に、裂け爆ぜ倒れる。
「自分の呼び出した味方までスパッとやっちゃうなんて、もう『壊れちゃってる』のかな……」
 瞳を細めた明夜は、なぎなたを構え直しながら呟いた。
 もう彼は仲間を壊しても、何も感じないのだろうか。
 ――答えなんて、無いけれど。
「んーん! 集中!」
「そうそう、今は目の前の事さ」
「……うんっ」
 ひょい、と跳ねてきた花世に声をかけられ、明夜は頷き返す。
 何にせよ、近づきすぎるのは得策では無いと。
 バックステップを踏んだ明夜の纏う炎は、狐火だ。
 彼女とは正反対の方向。
 逆に武将へと一気に迫り、駆けて行くのは花世の姿。
 しかし。先程の一撃で、全ての亡霊武者達が倒された訳では無い。
 当然、邪魔をしてくる者共も現れる。
「――えーいっ!」
 亡霊武者達が花世に向かって放った矢を、明夜の狐火が壁と化して。
 燃やして、燃やして、燃やし尽くす!
 そして武将本体も、勿論。近づく者があれば叩き潰さんと、刀を翳す。
「よっと!」
 どこか気の抜けた声掛けと共に。
 跳躍で一気に前へと躍り出たオブシダンが、その刃を翳した剣で受け止める!
「……、やっぱり、重いね」
 剣の使い手として、打ち合ってみたいと思いはしたが――。
 やはり分があるとは言いかねよう。
 斬ると言うよりは、押し潰さんと掛けられる圧を。奥歯を噛み締めて、無理やり捻った全身のバネでなんとか刃を弾き返して、オブシダンは一気に後方へと跳ぶ。
 そんな小競り合いの隙を逃す訳も無く。
「二人ともありがとう、――では、少し良いモノを見せてあげよう」
 鎧と鎧の隙間に『燔祭』を埋め込んだ花世は顔を上げ、自らに咲き誇る八重咲牡丹を皆に向けた。
 媒介道具、百花の王の種。
「――ほら、爛漫に咲かせてあげるよ」
 花開花落。
 軋む音を立てた鎧の隙間から、牡丹が一斉に芽吹き、咲き乱れる。
 ひいらり散る牡丹の薄紅は、祝月の晴れたる空に映える色。
「ねえ、戦国の世にもこれは咲いてた?」
 武将の内側から、侵食する花弁が舞う。
 お仲間も一緒に、懐かしいお城も一緒に。
 ――何もかもが沈む、旧い海に還っておいで。
「そしたらそこにはきっと――きっと。……おんなじ花が、咲いてるはずだから」
 少しばかり鈍った様に感じさせる武将の動きに、花世はあどけなく笑いかけた。

「………空気が変わったね」
 氷の力を宿させた大鎌をガードに上げて、セツナが小さく呟く。
 先程までは墓場だと言うのに、どこか牧歌的な雰囲気であったが。
 こうも空気が変わってしまうと。
 これでは、油断が出来なくなってしまう。
「そちらが亡者ならば、こちらは死神にでもなってみせようか」
 長閑な死者であろうが、剣呑な死者であろうが。
 救済するのが私の務め、と。
 大鎌を構え直して、柔らかに微笑んだセツナに対し。
「お前ばかりズルいよなァ」
 顕現した別人格のゼロは、無手で一歩踏み出す。
 武器は持たないつもりだったが、行動の幅が広がるのは楽しいもの、だなんて。
 二人はひとつ。
 相手の考えが、理解出来てしまう事もある。
「ねえ」 
 そんな彼らに、背後より掛けられた声。
 ――ああ、あの刀は良い物だ。
 丁寧に打たれたのだろう。
 業物といって差し支えが無いだろう、手入れだって、丁寧にされていたのであろう。
「少しばかり、対抗意識が芽生えてきたんだ」
 敵より距離を取り退避して来たオブシダンが、無手のゼロに声を掛ける。
「ねえ、君。僕を使ってみないかい」
「……アァ?」
「手を貸すよ、『僕が君の剣になる』」
 解けるように、魔法のように。
 オブシダンのローブが揺らげば、彼の姿は掻き消え。
 そしてゼロの掌の中に顕れる、無骨で原始的な、一振りの黒曜石の剣。
「――さあ行こうか、相棒」
「……丁度、俺も攻撃手段が欲しいと思っていた所だ」
 く、と喉を鳴らして。
「……では、共に歩もうか、ゼロ」
「仕方ねェな」
 セツナも未だ使い慣れぬ、大鎌。
 ゼロも初めて使う、一振りの黒曜石の剣。
「大丈夫、二刀流だろうがなんだろうが、僕の斬撃は止められないよ。当てさえしてくれれば、僕が斬ろう」
 掌の中で、オブシダンは力強く彼に伝える。
 剣として、剣士として、敵と自らがどちらが有用か。
 どちらが上かと、教えてあげると言う使命――野望を心に秘めて。
「――精々励むとしよう」
 軽く振り上げた鎌で、亡霊武者を薙ぎ払ったセツナは肩を竦め。
 優しく優しく、微笑んでみせた。

 初撃は止めた。
 しかし、やはりただの的当てでは終わりはしなかった。
「……ふッ!」
 降り立った先に屯していた、死霊の首を音もなく掻き切る。
 愛銃から、ベルトのバックル裏より引き抜いたナイフに得物を変え。
 密集した乱戦と成れば、遠距離射撃よりも、接近戦――暗殺術の方が有利と働くだろうと。
 ジェイクスは身を隠しながら前へ、前へ。
「間合いには気をつけなければな」
「ああ、頭が先か、手足が先かは知らなんだが。出てきてしまった以上やることは一つじゃ」
 あの有様では、頭だと言うのに『あたま』は置いてきてしまったようだが、と。
 同じ木陰に身を潜めたワンが、相槌を打ち。
 く、と喉を鳴らして笑った。
「わしがあの仕掛けを返そう。お主、あやつを解体できるかのぅ?」
「……やってみよう」
 そこへ駆け込んできたのは――光のように鋭く、風のように軽やかな。
「お待たせ! ちょっと道に迷っちゃった!」
 甲斐・ツカサ(宵空翔ける冒険家・f04788)の宇宙バイク、レイガスターだ!
 星のように輝く軌跡を描いて疾る宇宙バイクは、武将の巨体に体当たり。
「主役は遅れて登場よ! ツカサ、イイトコ見せて頂戴ね!」
「任せて。マリアは――攻撃を頼むよ!」
 レイガスターに相乗りするツカサの幼馴染。マリア・アリス(歩き出したアリス・f04782)が、ブラスターをゼロ距離で叩き込む!
「ツカサの運転を、信じるわ!」
 勢いに尻が振られバンプするタイヤを押さえ込み、ギャリと半回転して一時停止。
 撹乱するかのようにツカサはアクセルを握り込み、更に反転して急発進を加え。
 ――亡霊武者達の群れに、全速力で突っ込んだ!

 敵を轢き、穿ち。
 全力走行でもって、ツカサはマリアの信頼に応えよう。
 弾き飛ばされた武将は、土埃をあげてその場になんとか踏み留まり、深く深く刃を構えた。
「――いまじゃっ!」
 その刃を薙がんと、将軍が円を描いた瞬間。
 ワンの裂帛の気合いと共に、タイタンズグラディウスが振るわれる。
 ミレナリオ・リフレクション。
 正確に同じ攻撃を加えることで、相殺する技だ。
 破裂音が響き、ワンが一気に駆けた。
 武器を振り切った瞬間とは、一番隙が顕れるモノだ。
「年のはじめくらい、ゆっくりしたいものでね。さっさと倒されてくれないか?」
 音も無く、背後に忍び寄っていた男――ジェイクス・ライアー。
 ごきん、と音を立ててジェイクスの突き立てたナイフが鎧と鎧の隙間、関節部を刳り。
 筋が外れる音がした。
「あたまの中身が無ければ、座りも悪かろう。よほど目覚めも悪い事じゃろうし、休むが良いぞ」
 鋭く息を吐いたワンが、敵の首に拳を突き込み。鞭のように足先を撓らせてそのまま横に蹴り上げて。
「そうそう、ゆっくり休んで欲しいわ」
 少しだけ冗談めいた響き。
 重ねてカノが小型ナイフを鎧と鎧の間。
 関節に投げつけ、首を傾ぎ。
 蹴り上げられた勢いで地に頭を叩き込まれ、そのまま半回転した将軍は膝をついて体勢を整え直すと。
 あ、あ、あ、あ、あ、あ。
 ただ、慟哭した。
 強く握りしめた得物から手が離れる事は無く、がむしゃらに振るわれた刃が衝撃を生む。
 その衝撃波が、マリアの目前に――。
「……ッ!」
 今から動いても避けきれぬ、と。
 ツカサはバイク上でマリアを押し倒すと、自らの背でその衝撃を受け止め。
「……ツカサっ!」
「大丈夫、だから! マリアは、射撃に集中して!」
 あくまでも、マリアが射撃に集中しやすくする為に庇っただけだから、と。ツカサは眉を寄せて痛みに耐え、ぎゅっと奥歯を噛みしめる。
「解ったわ、――蜂の巣にしてあげるから!」
 彼の思いに応えるべく。
 マリアはブラスターを構え、熱線を解き放った!
 しかし敵も理性を失っているとは言え、ただで喰らう訳には行かぬのであろう。
 あ、ああ、ああ。あ。
 武将は刀を前に翳して、得物で熱線を受け止めるが――。

「おい、コレ斬れるんだろうな」
「ああ、僕に任せておいて――相棒」
 そこにオブシダンを握りしめたゼロが樹上から勢いをつけて、黒曜石の剣を高く高く掲げて、降り落ちてきた。
 刀への度重なる重圧。
 熱線のダメージ。
 ――振り下ろせ!
 最後の一刀に耐えかねて。綺麗な音を立てて、砕け落ちる敵の刀。
 残ったもう一本の刃は、――肩が壊され、振るう事も儘ならない。

 それでも尚。
 立ち上がろうとした将軍の首筋に、大鎌が這った。
「あなたたちに捧げる曲は、牧歌ではなく鎮魂曲が適当かな?」
「死に際くらいは、美しく彩ってあげる」
 セツナと櫻宵の影が、地に腰をつけたままの将軍の上に落ち。
 ――鎌と、刃が、同時に敵を貫いた。

 ゆうらり、ゆらり、揺れるカノのランタン。
「おやすみなさい」
 それは、魂を導く鬼灯の様に、
揺れていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『大江戸ツアーへご案内』

POW   :    蕎麦や寿司、うなぎ屋などのお江戸ファストフードを堪能

SPD   :    浮世絵や貸本屋など庶民が日常的に楽しんだ文化に親しむ

WIZ   :    落語や歌舞伎などの大衆芸能を楽しむ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●みちみちおちむしゃ
 敵の首が落ちると、タールの様に一瞬で蕩け。
 躯の海へと還るのだろうか。はじめからそこには何も無かったかの様に、溶け消える敵の躰。

 少々荒らしてしまったとは言え、町の墓地にミチミチに詰まっていた落ち武者達は一掃され。
 概ね平和が取り戻されたと言って、差し支えは無いようであった。

 墓石や、塀等。
 ……壊れてしまった物は再び作り直すしか無いが、その事で猟兵達を恨む者等居ない。
 魑魅魍魎、妖怪変化を退治して貰ったのだから。
 壊れてしまったモノは新たに拵え直して、来年以降の歳神様を迎えられる様にすると町人達は言っていた。
 ――つまり、は。
 心置きなく遊んでも良い、と言う事であった。

●昼下がりのお祭り騒ぎ
 曰く、饅頭が旨い、蕎麦が旨い。
 温泉街に響く、客引きの声。
 市場に続く道も活気が溢れ。
 芸者がゆうるりゆうるり、艶っぽく道を行く。

 子どもたちが凧を上げ、神社へと続く道には立ち並ぶ屋台。
 二十歳を超えていれば、昼から酒を飲むのも良いだろう。
 昼から風呂を楽しむも良いだろう。

 今日はお祭り、年明けのお祭り。
 まだ始まったばかりの年を祝う、江戸の町。
リル・ルリ
■櫻宵(f02768)と
(アドリブ等歓迎

「櫻宵、櫻宵……ごめん、僕が首が欲しいなんてワガママを言ったから……怪我を」
歌の余韻、美しい桜の剣舞に見蕩れ気がつけば
赤に染った彼の脇腹に瞳を落とす

「僕のせいだ…」
囁くように歌う「泪の歌」
泪を流すのは苦手
だけど君が癒されるなら

こつりとおでこを付けられて
ぼっと顔が熱くなる
「さ、さよっ、わかった
わかったから!」
嬉しくて疲れが飛んだ
首よりもいいものを貰った気分

「お正月、そう。お正月を楽しみにきた」
君が教えてくれると言ったから
櫻宵の花咲く笑顔につられ微笑みついて行く
初詣も甘酒もはじめてで楽しみ
…温泉は照臭い

年明けというのはこんなにも煌びやかで楽しいものだったんだ


誘名・櫻宵
🌸リル(f10762)と一緒
アドリブ等歓迎

んー!楽しかったわぁ!やっぱりいいわね!リル、ありがと!最高の舞台だったわ!
あなたにあげる首が消えてしまったのは残念だったけれど
伸びをしながらリルを見れば尾鰭までしゅんとした彼の姿が

なぁにリル
このくらいかすり傷よ?と励ますも
零れた彼の泪に驚き戸惑い
いつもフレズローゼにしているように彼のおでこにおでこをつけて
大丈夫よと微笑む
あなたがいたからこその勝利よ
誇りなさい?
治してくれてありがと

さ、お正月よリル!楽しみ方を教えてあげる!
まずは初詣、甘酒を飲んで……温泉にいきましょ!
あたしが背中流してあげる

ほら笑って新年を祝いましょ
あなたは笑顔が1番素敵なんだから!



「ん……、リル」
 表情をくしゃり、と緩めた櫻宵を見た瞬間。
 剣舞――歌の余韻に、紅潮していたリルの頬よりさっと血の気が引いた。
「櫻宵、櫻宵……」
 リルの尾が空中を泳ぎ、櫻宵の元へと駆け寄れば、薄花桜色の瞳が、後悔と悲しみに染まり揺れる。
「ごめん……ごめん、僕が首が欲しいなんてワガママを言ったから……怪我を」
 ああ、ああ。
 彼の脇腹が、朱に染まっているのは。
「――僕のせいだ……」
「なぁに、リル。この位かすり傷よ?」
 櫻宵はそう言って笑うけれど、リルの尾鰭はうなだれたまま。
 ああ、ああ。これは、この傷は、僕のワガママのせいだ。
 僕がワガママを言わなければ、彼が傷つく事もなかったかもしれない。
 ――人魚は泪など流さない。泪を流す事は、苦手だけれど。
 痛みも、悼みも、すべて泡沫に。
 囁くような癒しの歌声。
 ほろり。
 リルの蒼い蒼い瞳より零れ落ちた泪は、癒しを宿す。
「――リル」
 櫻宵は瞳を見開いて。小さく肩を竦めると、リルの頬を捕まえる。
 星詠みの娘にするように、おでこに、おでこをくっつけて。
 柔らかく、柔らかく囁いた。
「リル、あたしは大丈夫よ」
 じんわり暖かな癒しを受けた腹は、痛みが引いている。
 潤んだ視線と不敵な視線が重なり、櫻宵は微笑みをその瞳に宿し。
「さっ、さよ、」
 次は、リルが目を見開く番。
「あなたがいたからこその勝利よ、誇りなさい? 治してくれてありがとね」
「わか、わかったっ、わかったから!」
 あまりに近い。
 一瞬で紅潮しなおした、リルの頬。
「でも、んーっ、楽しかったわぁ! やっぱりいいわね、リル、ありがと、最高の舞台だったわ!」
 そのまま櫻宵がぎゅうっと抱きしめたりするものだから、リルは尾鰭の先を忙しなく揺らして。
「あなたにあげる首が消えてしまったのは残念だったけれど……」
 続く櫻宵の言葉に、ふるふるとリルは首を振る。
 だって、こんなに労われてしまったら。
 嬉しくて、嬉しくて、疲れなんて飛んでしまう。
 胸の奥が暖かくて、首よりもいいものを貰った気分だ。
 さて、と。
 リルを解放した櫻宵は、彼の手を引く。
「お正月よリル! あなたに楽しみ方を教えてあげる!」
「お正月、……そう。お正月を楽しみにきたんだ」
 君が教えてくれると、言ったから。
「まずは初詣ね。その後、甘酒を飲んで……、ゆっくり温泉で汗を流しましょ」
 あたしが背中を流してあげる、と言われれば照れてしまうけれど。
 ぜんぶ、ぜんぶ、リルには初めてで。
「……楽しみ」
 リルは大きく頷いて、ゆうるり揺れる魚の尾。朗らかに笑う花あかりの淡墨に引かれて、町へと。

「ほら笑って新年を祝いましょ、あなたは笑顔が1番素敵なんだから!」

 活気に溢れた町並みは、きらきら、わいわい、がやがや。
 飾り付けも、おいしい匂いも、きれいな反物も。
 元気いっぱいの客引きも。 
 ああ、知らなかったな。
 年明けというのはこんなにも煌びやかで楽しいものだったんだなんて。

「ねえ、櫻宵。……楽しいね」
「ふふ、今日はもっともっと楽しくしてあげるわ、リル」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

境・花世
あちこち色んな異界を歩いたけど
大江戸の活気、好きだなあ
威勢のいい呼び込みにつられて
思わず入ってしまう鰻屋さん

こんがり香ばしいタレの匂いに
どれくらい歴史があるの、なんて
大将にわくわく聞いてみたりして
ちょっぴりおまけしてくれたの、嬉しいな

! はふ、ほいひい

ふっくら蕩ける脂の旨味を堪能したら
指先まで満ち足りるみたいなきもち

ご馳走様でした、お会計――、
さいふのなかみがぜつみょうにたりないもんだい
か、躰で! このからだで返します!

? わたし何か変なこと言ったかな
えっと、皿洗いでも配膳でも呼び込みでも
バイトには慣れてるから何でもするね

戦いのさなかに見た顔があれば
うなぎおいしいよ!と笑って捕まえてしまおう


リリト・オリジシン
飲めや遊べや
心に明るきを満たし、心より昏きを洗い流す
ああ、人の顔には笑みが良く似合う
良きことぞ
あとは……妾の腹も満たせれば、猶更か?

罪咎を喰らうが妾ではあるが、それだけで生きる訳でもなし
動いた分だけ、きちんと飯も食わねばな
とは言え、饅頭が旨い、蕎麦が旨い、屋台物も美味いと来たか
うぬぬ。こうもあってはどれが良いやら分からぬな
誰ぞ、お勧めなどはなきものか

のう、そこの汝。食すに良きは何がある?

その辺りの町人か、はたまた猟兵でも居るならばお勧めとやらを聞いてみようぞ
良ければ案内などしてもらえると有り難いがな

何、こんな目出度き日だ。きっと何を食べても美味いことだろうよ
腹満つるまで堪能し、食そうか



 飲めや遊べや。
 心に明るきを満たし、心より昏きを洗い流す。

 硫黄の香りは温泉が近い事を示す様。
 おねえちゃん、どうだいこの反物、仕立てたらきっとアンタに似合うよ。
 うちの饅頭は美味しいよ!
 華やかな客引きの声に、子どもたちのはしゃぐ声。

 ああ、人の顔には笑みが良く似合う。
「良きこと、良きこと」
 桃色の髪を揺らして歩くリリトは、取り戻された平和に浮かれる皆の顔を見渡してにんまり微笑む。
 風車をもって駆けてゆく少年。
 饅頭を齧る男。
 どこからか出汁の匂いが漂ってくれば、リリトは軽く腹を撫でた。
「……後は、妾の腹も満たせれば、猶更か?」

 八重咲牡丹を揺らして、花世は町をそぞろ歩き。
「あちこち色んな異界を歩いたけど、大江戸の活気は好きだなあ」
 先程から一番気になるのは、この美味しい香り。
 香ばしいタレの香り。
 うちの鰻はこのあたりで一番美味しいなんて言われちゃったら、飛び込むしか無いでしょう。
「!」
 はふ、はふ。
「ほいひい……」
 ふわふわの身の鰻に、こうばしい焼き目。
 指先まで満ち足りるような、とろける脂の旨味。
 それに絡むたまらないタレの香りが食欲をどうしようも無く唆り、添えられた山椒がまた良い味を出している。
「大将、ここのお店はどのくらい歴史があるの?」
「ウチの鰻はねェ、先々代から続いてンだが。俺の代で鰻の裂き方と焼き方を変えたってェ訳よ。他の店と違って山椒みそじゃなくて、醤油と酒を使ってンだ。味が違うだろう? タレ自体は俺ァ考えたんだが――」
 自慢げに語る大将のセリフはとても長い為割愛させていただくが、長い話をウンウンと聞いてくれた花世には肝の吸い物をおまけしてくれたそうな。
「はー……、ご馳走様でした。お会計……」
 財布の中身を見た花世は、そこで凍りついた。
「……か、からだで、このからだで返します!」
 絶妙に、お金が、少し、そう少し足りない。
 大将の眉間に、深い深い皺が寄った。
 あはは、と空笑いする花世。

 饅頭が旨い、蕎麦が旨い、屋台物も美味いと来たか。
「……うぬぬ。こうもあってはどれが良いやら分からぬな」
 ヒールで地を踏み、進む先に見える店は全て旨そうに見えてしかたがない。
 罪咎を喰らうがリリトではあるが、それだけで生きる訳でもなし。
 動いた分、きちんとお腹も減るし、きちんとご飯だって食べたいものだ。
「ねえ、そこ行く君。 そう、猟兵の君!」
 声を掛けられ、首を傾ぐリリト。
 その主は鰻の絵が描かれた藍染のエプロンを付けた、花世であった。
「お腹が空いてるみたいだね、とっても良いお店があるんだけれど、寄ってみないかい? 味はわたしが保証するよ。それに、大将の人柄も」
 お金が足りない花世を、店の手伝いで許してくれたのだから。
「ふむ、……良いな。ぜひ案内をしてもらおうか」
 何、こんな目出度き日だ。きっと何を食べても美味いことだろうよ、とリリトは笑う。
 ふんわり香る、鰻のタレの香り。
 
 飲めや、遊べや。
 今日ばかりは、腹満つるまで堪能し、食そうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

英・明夜
うふふー、戦った後のご褒美だね!
お饅頭やお蕎麦にも心惹かれるけど、それは後のお楽しみにして。

明夜はねえ、何と言っても、おんせーん!
熱いお風呂みたいだから、何か飲み物、持って入れたら良いな。
冷やし飴とか、冷えた(子供用)甘酒とか、お湯屋さんで売ってたら
買い求めておくね。

あったまって、休んで、あったまって、休んで。
ふえー、溶けそうう(ふにゃ)。
そうそう。良かったら、皆のお背中、流したいな。

あのね、温泉ってね、気持ち良いなって思う人が多いでしょ。
だから、笑顔の人とか、優しい顔してる人が多いでしょ。
明夜が妖狐だからかな。そんな皆の顔を見ると、嬉しくなっちゃうんだ。


ミミ・フリージア
わらわは大江戸の温泉という大きな風呂に入りたいのぅ
マナーがある、とな
わ、わらわはもちろんわかっておる。心配せずとも大丈夫じゃ
風呂から出たらこの国の服も着てみたいのぅ。うむ、とっておきの綺麗なのを探すのじゃ
これを着て落語も歌舞伎も見ていくのじゃ。わらわには難しそうじゃがそう見れる機会もなさそうじゃからな



「うふふー、戦った後のご褒美だね!」

 ふわふわ温かい湯気。
 硫黄のにおい。
 岩を組んだ湯船の端は温泉水が掛け流され、温かい温泉水で満たされている。
 温泉が好きで、好きでたまらない明夜は、この時間の為に今日は戦っていたと言っても過言では無いだろう。
 もちろん、お饅頭やお蕎麦だって心惹かれるけれど、それは後のお楽しみだ。
「……マナーがある、とな?」
 エルフの耳をぴょんとさせて。
 ミミ・フリージア(エルフの聖者・f05747)が緑色の瞳を眇めた。
「わ、わらわはもちろんわかっておる、心配せずとも大丈夫じゃ、一人ではいれるからのう!」
 そろーっと、身体を洗わず湯に近づき……。
「……わっ、わっ、ダメだよー!」
「ひゃっ」
 それを静止したのは明夜であった。
 エルフは、この当たりで見かける種族では無い。
 つまり彼女は、この世界に慣れていない猟兵だと判断したのだ。

「ちゃんとかけ湯をして、身体を洗って……、髪の毛を纏めてはいるんだよっ」
 明夜の持ってきた桶で湯を掬い――、ゆっくりと肩からお湯を被るミミ。
「こ、こうかのぅ?」
「うふふ、そうだよー。……よかったら、背中流そうか?」
「背中が流れる!?」
 ミミはおっかなびっくり。明夜はくすくすと笑いながら彼女の背を流して、身体を洗ってやる。
「わ、わらわもやってみて良いかのぅ?」
「勿論、いいよ!」
 そして一緒に洗いっこ。
 長い髪の毛を手ぬぐいで纏めて、やっとの事で温泉に入るふたり。
「……はあー、気持ちいいのじゃー」
「……ふえー……、溶けそうー……。えへへー、だよね、だよね、温泉って気持ちが良いんだよ!」
 明夜が妖狐だからだろうか。
 温泉は、気持ちが良いと思う人が多いものだ。
 だから、優しかったり、笑顔の人も多いのだ。
 ――そんな皆の顔をみると、明夜は嬉しくなってしまうから、温泉が大好きなのだ。

 ミミもまた、幸せそうな表情を浮かべて。
「わらわ、風呂から出たらこの国の服も着てみたいのぅ、……ああ、落語と歌舞伎も気になるのじゃ」
「うふふ、良いねー。あっ、でもその前に。温泉の後のお楽しみ、冷たい飲み物を体験しなきゃ!」
「何、お楽しみじゃとっ?」

 ミミと明夜は、ゆっくりゆっくり。
 あったまって休んで、あったまって休んで。
 肌がふやふやつるつるになる頃に、また町へと遊びに行くのであろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ハリエット・ミリオンズ
POWでエイワズさん(f02906)と江戸の町を散策に行きましょう。

川にかかる木造の橋や長屋、武家屋敷の街並み……色々と見所がある風情のある町ね。それに活気があるように思うわ。

お侍さんや町人、街並みを観察しながら江戸の町を巡り思い出に記録していきましょう。

UDCアースも昔はこんな景色もあったのかもしれない。
だけど橋の近くの柳の木や河原の様子もUDCアースと似ているようで、流れる空気が違うと感じるわ。異世界も含めて旅ができるのは猟兵の特権かしら。

町の散策に疲れたら屋台で一休みしましょうか。
蕎麦に餅にお寿司と色々とここで食べるのにふさわしい食べ物は沢山あるわね。

ねえ、何から回りましょうか?


イルナハ・エイワズ
ハリエットさん(f05758)と参加です

一番人通りの多い通りでの人間観察から開始して
屋台の多いの方へと向かって進みます

私の中にあるサムライエンパイアの街並みの記録と照らし合わせながら
まずは街並みや芸者などの人々を観察しながら歩きましょう

ハリエットさんと会話をしつつ、屋台のある方へ進みます
人の営みというのは世界によって差異があり
それはとても興味深いものです

UDCアースの江戸時代は火事を防止するためや単身赴任が多かったため
屋台が増えたとのことです
サムライエンパイアでも同様なのでしょうか?

お祭りというのはやはりUDCアースで見た縁日と重なるものがありますね


リュー・メトカーフ
【WIZ】

私は歌舞伎を楽しみたい
歌舞伎というのは人が人形を演ずるものもあるというじゃあないか
人を模した人形、それをさらに模した人、とは
なんとも愉快で面白いな

こうのんびりと物語を楽しめているだけで、今日を頑張った甲斐もあったものだね
ああすまない、サインを貰っても良いだろうか……ダメかな……
サインという文化はあるんのだろうか……?

一通り楽しんだら次は甘味でも楽しみに出回ろう
まだ、帰るには早い時間だ
もう少しくらい遊んでからでも文句は言われないだろうさ


自由に。アドリブもいい。
共に連れ立つ方がいれば、それはそれで。


ワン・シャウレン
無事済んでなによりじゃ。
これで終い…でも構わんが、わしも少し遊ばせて貰うとしよう。

神社まわりを眺めておるでも十分じゃが、折角じゃ。
落語に歌舞伎というのを観させて貰おうかの。

なんのかのこの地で戦ってはおるが、
地の文化などには明るくない。
都度理解しきれぬ部分もあるやもしれぬが
考え方などは感じられよう。
感じられるようにありたい、というべきやもじゃが。

見立てて表現する割合が多いのじゃのう
表現力という面では学ばされるわ…あまり活かしようは思いつかんが

ふむ…
旅団に帰ってよくいる奴がおったら
少し話を聞いてみてやろうかの



 歌舞伎の語源とは、『傾く』だ。
 奇抜なファッション、世間の既存の考えに囚われぬ『傾奇者』を模した踊りがルーツと言われている。
 面白い事、流行を取り入れ、人々を楽しませる、音楽と踊りと芝居。
 それが、歌舞伎だそうだ。
 演目の書付けを眺めるリューの横で、ワンはふぅむと顎に手を寄せて。
「のう、どれがおすすめかのぅ?」
 ワンは何度かこの世界で戦った事もあるが、文化に明るいとは言えない。
 理解しきれるとは言い切れはしなかったが、考え方を感じたいと思いここに足を運んだのであった。
 ――感じられるようにありたい、と言うべきかもしれなかったが。
「人が人形を演ずるものもあるという、私はこの演目を見ようと思っているよ」
 人を模した人形、それをさらに模した人、とはなんとも愉快で面白いとは思わないかい、とリューは首を傾ぎ。
「なるほど、良し。それを見てみる事とするかのぅ」
 ミレナリィドールの二人は、相伴い劇場の中へと消えてゆく。

 木造の橋、長屋、武家屋敷の町並み。
 人の行き交う大通りを古びた旅行鞄を揺らし進むハリエット・ミリオンズ(ソラリス・f05758)と、イルナハ・エイワズ(挟界図書館の司書・f02906)。
「色々と見所がある風情のある町ね。……それに活気があるように思うわ」
「人の営みというのは世界によって差異があり、興味深いものですね」
 イルナハは自らの中にあるサムライエンパイアの町並みの記録と実際の町並みを照らし合わせながら、周りを見渡し人間観察。
 うん、と小さく頷き。
「お祭りというのは、やはりUDCアースで見た縁日と重なるものがありますね」
「UDCアースも、昔はこんな景色もあったのかもしれないね」
 ハリエットの相槌。
 歴史は違えど、似た世界観をたどっている二つの世界。
 重ね合わせて、ハリエットは周りを見渡し――。
「……だけど、橋の近くの柳の木や河原の様子もUDCアースと似ているようで、流れる空気が違うと感じるわ」
 呪術法力がありながら、なぜか日本に似た歴史を辿る島国「エンパイア」は海の外は何もない。
 UDCアースは、海の外にも世界は広がっている。
 やはり、少し似ていると言えど、二つは全く違う世界だ。
「……異世界も含めて旅ができるのは猟兵の特権かしら」
 瞳を細めた、金の髪を揺らすハリエットには一番底の記憶が無い。
 だからこそ新しい景色や人間と出遭いを忘れないように、彼女は大切に思い出を記録する。
 今日この日の、華やかな出店を。
 活気のある街並みを。
「……UDCアースの江戸時代は火事を防止するためや単身赴任が多かったため、屋台が増えたとのことです」
 イルナハは自らの中の記録を思い返すように、少し空を見上げて。
「サムライエンパイアでも同様なのでしょうか?」
 イルナハの疑問に、少しだけ瞳を瞬かせたハリエット。
 周りをぐうるり見渡して。
「どうでしょうね、……折角だから屋台で一休みして聞いてみない?」
「良い考えです」
 うん、と頷いたイルナハ。
 蕎麦に餅にお寿司と色々とここで食べるのにふさわしい食べ物は沢山ある。
「ねえ、何から回りましょうか?」
 ハリエットはイルナハに尋ねた。
 今日の思い出に、また一つ記録を重ねて。

 歌舞伎座から、流れ出る人の群れ。
「見立てて表現する割合が多かったのう。表現力という面では学びが多かったのう」
 あまり活かしようは思いつかんが、と。
 リューと並び歩く、ワンは肩を竦めて。
「うん、しかし、面白かった。こうやってのんびりと物語を楽しめているだけで、今日を頑張った甲斐もあったものさ」
 人波の中、周りを見渡すリュー。
「……ああ、すまない。先程の演者にサインを貰っても良いだろうか……、そういう文化はあるのだろうか……?」
 本当に面白かったらしい。
 演者を探してリューはキョロキョロ。
 帰る人の群れ、浮世絵を売る屋台。
「ふむ、……似絵は有るようじゃが」
「う、うーん、見つけたら演者に掛け合ってみようかな」
 悩みながら、歩くリューの横。
 ものすごく歩みの遅い彼女を待つワンは、似絵を眺め。蒼い瞳を眇めれば、旅団の皆が思い浮かぶ。
「……後で少し、話を聞いてみてやろうかの」
 そこで、あ、と思いだした様にリューはワンに振り向き。
「ああ、そうだ。まだ、帰るには早い時間だ。キミ、一緒に甘味なんてどうだろうか」
「む、悪くないのう」
 なんたって、動いた後の甘い物は美味しいものですから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

甲斐・ツカサ
さあ、マリア(f04782)と一緒に新年のお祭りだ!
宇宙船暮らしのマリアはつきたてのお餅とか食べた事ないよね?
オレはあるよ!(得意げ
もちもちっとして美味しいんだよ!

そういえば、さっきのマリアの感触もおもちみたいで……
なんか分かんないけど顔が熱くて赤くなってきたから、マフラーで隠しておこうっと……


……ん?
マリア、何か言った?
って、口元にあんこついちゃってるよ!
おじょうさまなのにギョウギ悪いんだから!
でも、このお餅美味しいからついつい勢いよく食べちゃうのは分かるよ!
口元のあんこは勿体ないから俺がもらっちゃうね!

うわ、な、なんだよ急に!
マフラー取られたら寒いだろ、せめて半分ずつにしろよー!


マリア・アリス
厄介ごとは終わったから、ツカサ(f04788)といっしょにこのお祝いを楽しむわよ!

おもち…?食べたことないから初めて見るわね。美味しいの?ツカサ。美味しいなら私も貰うわ!(そしてほっぺにつく餡子)

それと、ツカサ。さっきだけどその…庇ってくれてありがと。助かったわ…ってちょっと!顔隠してこっち見てないじゃない!?

もう…せっかくお礼素直に言えたのに…って今度はいきなり何よー!?ほ、ほっぺ…!

さ、寒くなったからマフラー借りるわ!ええ!借りるんだから…!(赤くなった顔を隠す)



 早突き餅の屋台。
 阿吽の呼吸で、杵を振り下ろしその瞬間に餅を捏ね上げ。
 瞬く間に突き上がってゆく餅。
 出来上がったばかりの餅にあんこが包まれ完成すると、待ち並んでいた人々がどんどん買い求めて行く。
 二人分のお餅を手に、ツカサは満面の笑み。
「宇宙船暮らしのマリアはつきたてのお餅とか食べた事ないよね? もちもちっとして美味しいんだよ!」
「……おもち……?」
 オレはあるんだ、と自慢げなツカサに首を傾ぐマリア。
「初めて見るわね、もちもちしていて……、美味しいの? ツカサ」
「色んな味で食べられるんだけど、ここのはあんこみたいだね! つきたてのお餅は美味しいよ!」
「美味しいなら、私も貰おうかしら?」
 一つ受け取り、マリアはパクリ。
 ツカサも一口かじりながら、もちもちを楽しみ。
 ……そういえば、さっきのマリアの感触もおもちみたいで……。
 むう……。
 なんだかよくわからないけれど顔が熱くなってきたツカサは、マフラーで顔を隠す。
「……そ、それとツカサ。さっきだけど、その、……庇ってくれてありがと。……助かったわ」
 餅から溢れたあんこが、頬についている事も気づかず。マリアはツカサを見て――。
「って、ちょっと! こっち見てないじゃない!? 話は聞いていた!?」
「……ん? マリアなんか言った……?」
 完全に頬の熱さに気を取られ、ぼんやりしていたツカサはマリアに怒鳴られやっと振り向き。
「もう……折角素直にお礼を言えたのに……」
 むくれて、小さな声で呟くマリアの頬についたあんこ。
 あっ、と声を上げた、ツカサは瞳をまあるくして。
「今度は何よ!」
「口元にあんこついちゃってるよー、おじょうさまなのにギョウギ悪いんだから!」
 手を伸ばして、マリアの頬のあんこを指先で拭ってやると、そのままぱくり。
「でも、このお餅美味しいからついつい勢いよく食べちゃうのは分かるよー、口元のあんこは勿体ないから俺がもらっちゃうね!」
 悪戯げに笑うツカサに、マリアは。
「……っ! ……っ!! ほ、ほっぺ……」
 マリアは言葉を失い、一瞬で紅潮する頬。慌ててツカサのマフラーを思い切り引っ張る。
「さ、寒くなったからマフラー借りるわ! ええ! 借りるんだから……! 今日は寒いものね!」
「うわっ、な、なんだよ急に! マフラー取られたら寒いだろ、せめて半分ずつにしろよー!」
「半分ッ!?!?」
 目をまんまるくして、びっくりするマリア。
 その後。
 マフラーを半分ずつ巻いて、互いに顔を隠す二人がいたとか、いなかったとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジェイクス・ライアー
ようやく静かになったと思ったら町はこの賑わいか。
…ほう、これはこの世界のギャンブルか。最近はすっかりご無沙汰だったからな、たまにはいいだろう。

●対戦:丁半博打
シンプルなルールだが、こういうのも嫌いじゃあない。いすゞ、時間があるなら一戦どうだ。
…さて、ギャンブルというからには何か賭けなければつまらんな。負けた方が祭りでの遊戯代を支払うというのでどうだ?

・勝負の結果は全てお任せします。
・真剣勝負でも、イカサマをしていただいても構いません。



 お天道様の下。
 若者たちがこぞって、賭け札となる木板を積み上げている。
 手本引に、賽の音。
 遊びとしての賭けでも、負ける事はイヤなモノで。
 鉄火場と化した広場には、静かな熱気が籠もっていた。
「……ほう、これはこの世界のギャンブルか」
 最近はすっかりご無沙汰だったからな、とジェイクスは若者達の静かな戦いを観戦しようと歩み寄り。
 そこで見知った顔がある事に気がついた。
「……いすゞ?」
 声音に視線だけで応えたいすゞは、くくく、といつもの様に喉を鳴らして。
 悪戯げな表情でジェイクスに向かって手をひらひら。
 賭け札を、床に積み上げ。
 笊に賽を二つ放り込むところころと音を立てて、彼を見上げる。
 ジェイクスは肩を竦めて、いすゞと視線を交わし。
「……たまにはいいだろう」
「ならば、真剣勝負。さあ張ったっスよ、センセ」
 笊をひっくり返し、いすゞは朗と宣言する。
「――半」
 ジェイクスは、応え。
 ころり、ころり。
 盆台の上に現れた賽は、まあるい赤が二つ。
 ピンゾロの丁だ。
「……あっしの勝ちっスね、センセ」
「ああ、そのようだな」
 周りの若者達が、おお、と歓声を上げる中。
 いすゞの首筋に、するりと絡みつく彼女の小さな『管狐』。
「さあさ、センセ。あっしの勝ちっスから、約束のでーと、今からお願いして良いっスか?」
 ジェイクスは、瞳を細めて。
 眉根の皺を親指と人差し指でぐいと伸ばした。
 ああもう、全く。
 肩を竦める。
「……仰せの侭に。遊戯代は私が持つとしよう」
「ワーイ、さすがセンセ!」
 ジェイクスの腕に腕を回したいすゞのぽっくり下駄は、コーン、コン。
 まだ日の高い町に、二人は歩みだす。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馮・志廉
蕎麦屋できつねそばを頂く。
「ハオ!これは旨い」
店主に向けてぐい、と親指を立てる。
表情は険しいが、別に怒っている訳では無い。
先日年越し蕎麦というものを食べたが、旨いものは何時食べても旨い。

蕎麦屋にいすゞが居たなら話しかける。
「正月早々、縁起の悪いモノを予知したものだな」
尤も、グリモアというのは、あまり楽しいものは見せてくれない様だが、とお揚げを噛る。



 香ばしい出汁の香り。
 甘く炊き上げられたおあげを、噛みしめれば旨味が口の中一杯に広がる。
 ああ、先日年越し蕎麦というものを食べたが、旨いものは何時食べても旨いものだ。

「ハオ! これは旨い」
 険しい表情で店主に向けてぐい、と親指を立てる志廉。
 彼の表情はコレがデフォルトなだけで、決して怒っている訳では無い。
 店主も雰囲気でそれを感じ取っているのか、あんちゃんありがとよ、なんて笑っている。

「正月早々、縁起の悪いモノを予知したものだな」
 ジェイクスと並んでソバを啜っていたいすゞは、志廉の言葉にそうっスよねェ、と相づち一つ。
「……センセもぐりもあ猟兵っスよね」
「うむ、グリモアというのは、あまり楽しいものは見せてくれない様だからな」
 ガブリと大きな口でおあげを噛った志廉は、いすゞをちらりと見て。
 あくまでも予知は予知。
 しかも事件の予知なのだから、グリモアは楽しいものが見える確率のほうがよっぽど低い力であろう。
「また悪い予知に苛まれることあれば、この武、義によって振るい助けとなろう」
「センセが手伝ってくれるなら、百人力っスねェ」
 くく、と喉を鳴らして笑ういすゞ。
 志廉は小さく頷き、蕎麦を啜った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鴛海・エチカ
いすゞに声をかけて共に街をまわるぞ
チカもお揚げ蕎麦とやらは気になるがいすゞが食うた後でよい
食後の散歩として暫し付き合って貰おう

客引きの声、市場に満ちる人々の声、何もかも心地良いのう
移動は箒で行うことも多いがたまにはゆるりと歩くのも好い
おっと……いすゞ、手を繋いでくれぬか
チカとしたことが人波に流されそうじゃった

以前、チカの主もこうして手を繋いで庭を散歩させてくれたのじゃ
そのときは外の世界の人々がこれほど愛おしいものとは知らんかった
やはり生きる者達が紡ぐ日常が、我々が守るべきものなのじゃな

おや、いすゞ! 饅頭の屋台があるようじゃ
お主がまだ食べられるのなら半分こしようぞ
ふふ、友としての親愛の証じゃ



「いすゞ、今はあいとるかの?」
「はぁい、えちかセンセ。あっしは今、暇っスよー」
 どこか出汁の香りのするいすゞを見つけたエチカは、手を振り振り。
 手を振り返した狐を連れて、魔女は食後の散歩と二人町をそぞろ歩き。

 客引きの声、市場に満ちる人々の声。
 賑やかな町中の雰囲気は、エチカにとってなんとも心地良いものだ。

「いつもはこやつで移動する事も多いが、たまには歩くのも好いものじゃのう」
「センセの箒って、そんなに移動に使える程言う事聞いてくれるンスか……?」
 悪戯げに尋ねるいすゞに、エチカは箒をきゅっと握りしめて。
「むっ、気まぐれじゃが、言う事を聞いてくれる時も……、ふにゃあああっ!?」
「セ、センセ!」
 人の増えてきた道。
 彼女の小さな身体は、人混みの中を歩く事には適していない。
 向こうからやってきた大柄な人々に流され――そうになって、大きな帽子を抑えてなんとか駆けてくるエチカ。
「い、いすゞ、手を繋いでくれぬか? チカとしたことが流される所じゃった……」
「センセとはぐれたら、もう逢えなさそうっスからねェ……」
 彼女の事を方向音痴と認識しているいすゞは、いつもより大きめに見開かれていた瞳を笑みに変えて。
 エチカの掌をきゅっと握りしめる。
「以前、チカの主もこうして手を繋いで庭を散歩させてくれたのじゃ」
 その時は、外の世界の人々がこれほど愛おしいものとは知らなかった。
 生きる者達が紡ぐ日常こそが、自分達の守るべきものなのだと、エチカは思う。
 そこに。
「おや、いすゞ」
 鼻孔をくすぐる、ふんわり美味しい香り。
 それは、ほかほか蒸したて饅頭屋台の香りだ。
「向こうに饅頭の屋台があるようじゃ。どうじゃ、お主がまだ食べられるのなら半分こしようぞ」
「あっ、ならあののあんこ味と、肉味噌味を一つづつ買って半分こずつ交換なんてどうっスか?」
 尾を揺らしたいすゞは、首を傾ぎ。
「ふふ、素晴らしい考えじゃ。友としての親愛の証の交換じゃの」
「――この友情を誓って、みたいな事を言えば良いっスか?」
「うむ、うむ!」
 楽しげに相談を交わした占狐と魔女は意気揚々、饅頭屋まで歩き出す。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オブシダン・ソード
食は人の生の楽しみ、と最近思うんだよね

やー、働いた後はごはんが美味しい
正月と言えばお餅らしいし、なんか振舞ってたりしないかなぁ
後は屋台ものをつまんでいく感じで、両手いっぱい使って食べ歩く

いすゞを見かけたら挨拶しておこうか
おつかれ。厄介な相手だったけど、僕の方が良い剣だったってとこかな、ふふふ
君も何か食べる?

それと勿論、セツナとゼロにもご挨拶を
僕の手を取ってくれてありがとう、最後のは良い斬撃だった
今度は君達二人に握られてみたいね。楽しそうだ

お礼かぁ、どうせだし僕からも何か渡そう
綿菓子とかおすすめ

怖い饅頭? 割ったら何か入ってるとか?
まぁ、いいや、何でもこいだよ

ははあ、なるほど。これはお茶が怖いね


セツナ・クラルス
当てもなく街中を探索

屋台で湯気を立てている饅頭の香りに吸い寄せられて
…そういえば
先程寄席で「まんじゅうこわい」というお話を聞いたのだが
饅頭はそんなに恐ろしい食べ物だったのか
ふふ、どんな恐怖体験ができるのかな
とびきりの饅頭をお願いするよ
(落語のオチがいまいち分かってない)

オブシダンに会えたら声をかけよう
先程は力添えに感謝するよ
慣れない武器を使用したのにも関わらず
スムーズに進められたのはあなたのおかけだ
また共闘できると嬉しいね
はい、感謝の印の怖い饅頭
ぱくっといってくれたまえ

おや、綿菓子
…ふふ、嬉しいなあ、ふふふ
ほら、ゼロ
半分こしよう
ご褒美に嬉しそうに笑い



 セツナとゼロは寄席を後にすると、屋台の群れの中を二人歩く。
「そう言えば、先程寄席で饅頭が怖いと言っていたね」
「ああ、饅頭ってそんなに恐ろしい食べ物だったんだな。あと蕎麦が何とかって……お、噂をすれば饅頭屋」
 通りには、饅頭の蒸されるあまあい香りが漂っている。
 ゼロはへえ、と声を漏らし。セツナが頷き一つ。
「ふふ、では恐怖体験をしにいこうか。とびきりの饅頭をお願いしなければね。行こう、ゼロ。」
「恐怖は要らねえけど、饅頭は確かに食いたいなァ」
 セツナもゼロも、あまり落語のオチ自体は理解ができていない様で。何かしら怖いという事だけは理解できているようだ。
 ふわふわした会話をしながら店の前へと向かうと――、先客と出会った。
「おや、センセ達じゃないっスかー」
「お主たちも饅頭を頂きにきたのかの? ここの饅頭はなかなか良い味じゃぞ」
 先客。
 いすゞとエチカは店の前の、野立傘の下に設置された長椅子に腰掛けて。
 二人並んで、お饅頭を半分こ中だ。
「やあ、私達もぜひ恐怖を体験したいと思ってね」
「へえ、饅頭こわい」「むむ、恐怖じゃと?」
 セツナの言葉に、ピンと来たのはいすゞだけ。首を傾げるエチカ。
 そこに通り掛かった、フードを目深に被った男の姿。
 片手には串焼きと、ヒモで括られたかすていらの箱がぶーらぶら。
 逆の手には海苔でまいた香ばしい餅。
 食は人の生の楽しみだと、最近気づいてしまったヤドリガミ。
 ――オブシダンは全身を使って食を楽しんでいた。
 ごくん。
 餅を噛み切り、飲み込むと、あんまり空いていない手をゆるーく振って。
「やあ、皆集まって。お疲れさまー」
 働いた後はごはんが美味しいねえ、なんて言いながら餅をむいっと伸ばした。
 つきたての餅はよく伸びる。
「よ、お疲れ」
「おや、オブシダン。先程は力添えに感謝するよ」
 購入したばかりの蒸したての饅頭を手に。
 オブシダンの声に気がついたゼロとセツナが振り返って、ご挨拶。
「慣れない武器を使用したのにも関わらず、スムーズに進められたのはあなたのおかけだ」
 セツナが瞳を細めて、オブシダンを真っ直ぐに見て伝える言葉。
 その言葉に、擽ったそうに笑うオブシダン。
「ふふ、そう言ってもらえると冥利に尽きるね。僕の手を取ってくれてありがとう、最後のは良い斬撃だった」
 くつくつと喉を鳴らして。
 セツナとゼロをフードの下からじっと見た。
「厄介な相手だったけど、僕の方が良い剣だったってとこかな、ふふふ。……今度は君達二人に握られてみたいね。楽しそうだ」
「そうだね、また共闘できると嬉しく思うよ。――はい、では感謝の印の怖い饅頭だよ」
「……怖い饅頭? 中身が怖いとか? ま、いいや、じゃあこれは僕からのお礼」
 と、セツナとオブシダンは饅頭とかすていらを差し出し合い。
 あまあい感謝の交換会。
「おや、かすていら。……ふふ、嬉しいなあ、ふふふ」
「甘くてうまいんだよなァ、コレ」
 ほら、ゼロ。半分こししよう、と。
 セツナはご褒美に笑顔を綻ばせ。
「センセ、あっし達には何か無いンスかー?」
 こんとぽっくり下駄を響かせて、悪戯げに尋ねるのはいすゞだ。
「うん? 君たちは何が欲しい?」
「うむ、うむ。何かをくれると言うのならば、チカは一杯のお茶が欲しいのじゃ」
 チカの言葉に首を傾げつつ、オブシダンは饅頭を一口。
「ははあ、なるほど。……これはお茶が怖いね」
 お後がよろしいようで。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

小読・灯
無事、オブリビオンのお侍さんにもお帰り頂けて良かったわね。
町に活気が溢れているし、清々しい新年

急に暇ができちゃうと何をして良いか迷うわね。折角賑やかで色々ある町のようだし江戸の雰囲気を楽しみましょうか

【POW】
人がいっぱいいそうな長屋の方へ行ってみましょう

(凧揚げや羽根つきで遊ぶ子供達を見て声をかけて一緒に遊ぼうかしら)
綺麗な絵が描いてあるのね、それはなあに?私も混ぜて貰っても良いかしら?

……私の故郷のダークセイヴァーとはやっぱり別の世界なのね。こんな風に沢山の人が平和に新年を祝えるなんて。大人も子供も幸せそう。この世界にも色々あるんだとは思うけど、羨ましくなっちゃう

私もまた、頑張らないと、ね



 無事、オブリビオンのお侍さんにもお帰り頂けて良かったと。
 活気に溢れた町並みを、ぐうるり見渡した灯。
 オブリビオンを倒していなければ、この活気が守られている事も無かったのだから。
 そう思うと、この活気をどこか誇らしくすら感じる。
「……でも、急に暇ができちゃうと何をして良いか迷うわね」
 折角賑やかなのだから、と。
 楽しげな声が聞こえる方へと、自然と向いてゆく灯の足取り。
「……わあ、綺麗な絵が描いてあるのね。それはなあに?」
「おまえしらないのか? これは凧っていうんだぞ、みてろ! おい、そっちを持ってろ!」
「おう、おやぶん!」
 いかにもガキ大将といった風体の少年が、威張りながら灯に見せつけるように。
 もう一人の少年に凧を持たせて駆け出した。
 流石に威張るだけあるようで、まるで生き物のように凧は青い空の下、高く高く飛んでゆく。
「わ……、もうあんなに高くまで!」
 空を見上げ、驚く灯。その背をちょい、ちょいと突く少女が一人。
「おねえちゃん、妖怪を退治してくれた人のひとりだよね? ……ねえ、羽根つき一緒にしよ!」
 きっと、そういう人は羽根つきも上手なんだろうと、少女は瞳を輝かせて。
「いいよ、でも、遊び方を教えてね」
 灯が笑って快諾すると、少女がわあと微笑んで。遊び方を伝えようと、一生懸命説明を始める。
 ――灯の故郷のダークセイヴァーとは全く違う世界。
 こんな風に沢山の人が平和に新年を祝える世界。
 大人も、子供も、幸せそうで。
 この世界には、この世界で色々何かとあるのだろうけれども――。
「……なんだか羨ましくなっちゃうな」
「えっ? おねえちゃんなあに?」
 首を傾ぐ少女に、灯は何でもない、と笑ってみせる。

 青い青い空の下、空高く高く凧が舞う。
 コンと高らかに響く、羽子板の音。

 今日は祝いの日。
 一年の始まりを祝い、喜ぶ日。
 平和で、賑やかで、目出度い日。
 その日を護る事ができたのは、猟兵達のおかげなのだ。

 ころん、と転がる羽根。

「おねえちゃん、羽根を落としたね! 落とした人は顔に墨で絵を描かれるんだよ」
「えっ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

アーノルド・ステイサム
【バッカス】

賑やかなこったな。
俺は飲み食いできねえが、見てるだけでも飽きないもんだ。
(クレムに)…すげえな、どこで分かったんだ。エスパーかお前。

お前らは好きに楽しむといいさ
せっかく祭りに混ざってるんだしな
ただし羽目は外し過ぎるなよ
…って言ってるそばから…あいつは…(よつろを見送る)

(ヨーヨーを渡される)
なんだこれ、どうやるんだ
手を上下に…? ほう
(ブォン)(バチンッ!)(地面ではじけ飛ぶ水風船)
……。(伍島を見る)

ヨツロは誰も止めなけりゃ俺が止めるが
ゴシマあたりが止めるだろ
(狐の面は抵抗せずそのままつけている)
ほらな、案の定

…俺は別にこいつらの保護者じゃねえんだけどなあ
へいへい、善処します


伍島・是清
【バッカス】
ロケットパンチか、飛んでねェな

呑むのは良いが俺の財布を返せ
あんま入ってねェンだけど
(紺谷の財布を代わりに抜き取る

え、クレムが奢ってくれンの
店主、此の酒を熱燗で、支払いはこっち
とめちゃくちゃ高い日本酒一つ
ツマミは俺が(紺谷の財布から)出すよ
ああ、烏賊焼き喰いてェな、たこ焼きも喰いたい
紺谷如何した、たこ焼き喰う?

やー、飯が美味ェ
おっさん喰えねェの、勿体ねェなー
しょうがないからこれやるよ、水風船のヨーヨー
…あー…(目逸らし
おっさんもたこ焼き、喰えないか、うん

…えぇ…四辻路めちゃくちゃ酔ってンじゃん…
吐くなよ御前、てかいくンじゃねェ酔っ払いがァッ!(絲で捕獲、からの拘束)
はァ?!何で俺?!


四辻路・よつろ
【バッカス】

お酒!お酒呑むわ、呑みたい、超呑みたい
私今日ちゃんと働いたもの、全部あなた達の奢りね

そう宣言して許可もなく勝手に是清の財布を持ち出し
返事は聞かずに駆け出して、あちらこちらで酒を買い
丁度いいとばかりに見つけた屋台屋の一角を陣取って
一人さっさと呑み始める

程よく酔いが回ってきた所でスッと立ち上がって長椅子の上に立ち
よつろ、いきまーすと言って脱ぎ始めようとする
(※適当な所で止めてあげて下さい)
(※周囲の迷惑にならない程度に楽しい酔っ払いで)

こんな風にくだらない日々が続いたらいいなと、そう思いながら
正座をしながらゆっくり目を瞑って寝落ち


紺谷・喜々丸
【バッカス】
みんなおつかれさん!いやー大活躍やったなぁ
是清さんのロケットパンチが飛んで行ったとこなんか
感動で泣いてしもたわ~

祭りの雰囲気ってええもんやね
屋台の並びの中から、焼きとうもろこしを買って食べ歩く
サムライエンパイアの料理は口に合うわぁ

クレムくんボクもボクも、酒奢ってくれるよな、な?
ところで是清さんの財布ボクのんと似てるなぁ
あっ待ってボクの財布ない、いつの間に!
ハイ、たこ焼き…食べる…

よつろさんを追ってやけくそで酒を飲み始める
楽しい!どうでもよくなってきた!(酒に弱い)
服を脱ごうとするよつろは横で囃し立てて

ちゃうよ、ギドさん!
この女が勝手にやったんやって!ほんまに!


クレム・クラウベル
【バッカス】
飲んで良いと聞いた、邪魔するぞ
……戒律? 真っ当なのに就いてるわけじゃないからな、関係ないさ
それにしても……なんか疲れた顔してるな
(顔ないけど)(アーノルドをちらりと見上げ)

清酒、と言うんだったか
手頃な屋台を見かければ早速呑みに
仕事の労いだ。皆に一杯くらい奢ろう
あぁ、良いぞ。喜々丸も飲んでおけ
って是清、お前ちゃっかり高いのを……
ではつまみは頂いておこう
鳥串なんかもいいな、などと遠慮なく買い込む
アーノルドには酒の代わりに……
少しの逡巡後、狐の面を頭に掛け満足気に見遣り

酔っぱらい達の応酬は遠目に眺めとばっちりを免れる
……まあ、程よい賑やかしさは良いことだろう
折角の祝い事なんだからな


ギド・スプートニク
【バッカス】
…の面々を尻目に静かに酒を呑む
相も変わらず煩い連中だ、と嘆息

祭りに賑わう町を見て、良い治世だと物思いに耽る
和食は割と口に合う
食事が旨いのは豊かな暮らしの証左であろう

見知らぬ誰か、或いは顔見知りと言葉を交わし、酒を酌み交わすのも良いだろう
腹を空かせる童には、多少なりの施しをくれてやっても構わん


会話の最中も耳に障る、酒場の連中の馬鹿騒ぎに頭を抱え
軽い謝罪の後にまたいずれ、と話の続きを約束して【バッカス】の面々の元へ

場所を弁えろ、莫迦者どもが
ヨツロ、喜々丸、是清(巻き添え)の三人を拷問具で拘束し正座させる

しっかりと手綱を握っておけよ、店主
此処は潰れても良い場末の酒場とは違うのだからな



「みんなおつかれさん! いやー大活躍やったなぁ!」
 賑わう屋台街の中でも一際大きく響いた、紺谷・喜々丸(四片・f03891)の無駄に明るい声。
「是清さんのロケットパンチが飛んで行ったとこなんか感動で泣いてしもたわ~」
「飛んでねェな」
 是清の冷ややかなツッコミにもめげず、焼きとうもろこしを手にへらへらと喜々丸は笑い。
 人々の群れの中でも、人一倍。いや、二倍程の巨躯を誇るアーノルドの姿は、世界の加護で住民に違和感を与えていないとは言え、目立っていた。
「賑やかなこったなぁ」
 甲冑めいた鋼面の奥、青いレンズが見渡す世界は華々しく。
 赤に黄色の正月飾り。
 立ち並ぶ屋台からは、いかにも旨そうな雰囲気が漂っている。
 アーノルドには食べる事が叶わぬ料理だが、それらは見ているだけでも飽きないもので。
「ま、お前らは好きに楽しむといいさ。せっかくの祭りだ、――ただし羽目は外し過ぎるなよ」
「あっ、お酒! お酒呑むわ、呑みたい、超呑みたい!」
 言うが早いが酒屋を見つけたよつろは、世界で一番幸せな笑顔。
 今にも飛び出しそうな勢いで、『是清の』財布を握りしめた。
「私、今日ちゃんと働いたもの。全部あなた達の奢りね!」
 ――いやもう飛び出している。
 よつろは戦闘時以上の機敏さで、酒屋へ一直線。
 その場で買い込んだ酒を片手に、勝手に長椅子に腰掛けると酒盛りを始めてしまう。
「……って言ってるそばから……あいつは……」
 痛む訳もない頭が、痛む気がする。
 よつろを見送ったアーノルドの横。
 財布を持って行かれてしまった是清は、嘆息ひとつ。
「呑むのは良いが俺の財布を返せよ」
 ツッコみながらその手の先はスムーズに、喜々丸の尻へと向かっていた。
「祭りの雰囲気ってええもんやねー。こっちの料理はボクの口に合うわぁ」
 何も気づかぬ様子で、屋台を物色する喜々丸。
 その彼の尻ポケットに押し込まれた財布を、慣れた動きで抜き取った是清は瞳を細めて。
「……あんま入ってねェな」
 盗った挙げ句に、人の財布に文句を言う。
 アウトローですよ。
 そこにひょっこり顔を出したのは、首から銀の十字架を下げたクレム・クラウベル(paidir・f03413)だ。
「飲んで良いのだろう? 邪魔するぞ」
 首から下がった彼の十字の戒律には、飲酒は引っかかる事は無いらしい。
 ――尤も、その様に真っ当な信仰が無いだけなのかもしれないが。
「それにしても……、なんか疲れた顔してるな」
「……すげえな、どこで分かったんだ。エスパーかお前?」
 一瞬でアーノルドの表情の無い貌から、疲れを汲み取るクレム。
 戒律は無くとも第六感はあるようで。
 よつろの前に並んだ猪口を一つ拾い上げると、クレムは皆に向かって緑色の瞳を向けた。
「ま、仕事の労いだ。一杯くらいならば奢ろう」
「えっ、ほんま? クレムくんボクもボクも、酒奢ってくれるよな、な? な?」
 一番に食いついたのは、働いていない喜々丸で。
 犬の様にクレムにたかる彼は必死だ。
「じゃ、店主、此の酒を熱燗で。支払いはこっちの奴で」
 是清もこれ幸いとよつろの横に陣取れば、一番お高いお酒をご指名だ。
「あぁ、良いぞ。喜々丸も飲んでおけ――って是清、お前ちゃっかり高いのを……」
「その分、ツマミ代は俺が出すよ、店主、熱燗の用意宜しくな」
 気前の良い雰囲気を醸し出す是清だが、内なる声は誰にも聞こえない。
 そのセリフには、喜々丸の財布からの言葉が隠れている。
「ああ、烏賊焼き喰いてェな、たこ焼きも喰いたい……。ああ、こっちの世界じゃ明石焼きか?」
 屋台を意識すれば、一層強くなったように思える美味しいにおい。
 是清が屋台をぐうるり見渡し、財布片手に歩き出し。
「鳥串なんかもいいな、買いに行くか」
 立ち上がったクレムと、太っ腹と喜ぶ喜々丸は、彼の後ろをご随従。
「ところで、是清さんの財布ボクのんと似てるなぁー。ボクのんも多分同じメーカーで……」
 喜々丸は尻ポケットに手を入れ、財布を、――財布を……。
「あっ待って!? ボクの財布ない。えっ!? いつの間に!」
 そりゃあそうですよね。
「紺谷如何した? 明石焼き喰う?」
「ハイ。明石焼き……、食べる……」
 ぱかぱか飲み続けるよつろを背景に。
 すっかり意気消沈した喜々丸は、是清の買ってきたばかりの明石焼きを与えられて口の中を火傷をした。

 それはそうと食べ物を必要としないアーノルドは、皆を見守るばかりで。
「アーノルドには酒を奢るの代わりに良いモノをやろう」
 しゃがめ、とクレムはアーノルドの頭に狐面を掛けてやり満足げ。
「確かに。折角の祭りなのに、おっさんに何も無しなのも勿体ねェしな、俺はコレをやるよ」
 是清は紙風船をご提供だ。
「なんだこれ、何に使うんだ?」
「こうやって遊ぶンだってよ」
 お手本代わり。
 ぽん、を紙風船が是清の掌の上で跳ねて。
「ほう」
 真似たアーノルドが掌を振るうとスパァン、と空を切る音が高らかに響いた。
 バラッバラになって弾けた紙が、ひらひらと舞う。
 ウォーマシンには風船遊びは難しい、のかもしれない。
 是清を見下ろす、青いレンズ。
「……」
「……あー……」
 暫しの沈黙の後。
 是清が困ったような声を漏らして。一応差し出してみた明石焼きは、アーノルドには食べられそうになかった。

 宴も酣なのは、二人ばかり。
「楽しい! どうでもよくなってきた!」
「そうでしょ、そうでしょ、嫌な事は飲んで忘れるに限るわ。所でご主人もう一本頂ける? もうそのままで良いわ」
 喜々丸は、財布を失ったショックに呷り酒。
 もともと強い訳でも無い彼は、発言が余りにおおらかになりだしていたが、特に止める者も居ない。
 なんならよつろもお酌をしてくれる。
 ソレ以上に呑み続けているよつろはもうダメですねこれ。
 ダメ。
 だいぶダメな感じです。
「……何をしているのだ、奴らは」
「いやー、元気そうで何よりっスよー」
 少し離れた小料理屋。
 彼らの様子を横目に。相も変わらず煩い連中だ、と嘆息を零すギドが傾ける猪口には温い酒。
 横では狐の娘が、茶と焼いた油揚げをつついている。
「騒がしいのと元気なのは、また別だろうがな」
「案外一緒かもしれないっスよ。なんとかは紙一重、みたいに」
 笑ういすゞ。
 しかし。
 今日のこの町の平和を守ったのが彼らなのも事実で、少しくらい羽目を外す事も許されよう、と。
 何より、食事が旨いのは豊かな暮らしの証左だ。
 騒がしい見慣れた面々より視線を離し、良い治世だとギドが物思いに耽ろうとすると――。
「……ん、むっ?」
 変な声を漏らした狐の娘。
 いすゞが一瞬、細い目をまんまるにして、おやあ、とギドを見上げた。

 空きまくった酒瓶の大量に足元に転がる、長椅子の上。
 花の散るショールが、降り落ちてくる。
「よつろ、いきまーす」
「ワーワー、ええやんええやん~」
 ぴかぴか笑顔の、雑な喜々丸の囃し立てに合わせて。
 タイツより脚を艶かしく引き抜けば、現れる白い白い爪先。
 さらけ出された肩と腕は華奢なもので。
 白い肢体を包む黒いドレスが揺れている。
 ゆうくりとその手がドレスの肩口に伸ばされ――。

「止めなくてよいのか?」
「まあ放っといても良いだろう」
 横の長椅子で烏賊を齧るクリムに、アーノルドが慣れた様子で肩を竦める。
「いくンじゃねェ酔っ払いがァッ!」
 是清が吠え。
 駆ける絲が、今まさにドレスを脱ごうとしていた女を拘束した。
「ほらな」
「なるほど」
 慣れた様子のアーノルドに、クリムは相槌。
 がんばってね、アーノルドさん。
 キミのお店の常連、本当にどうしようもないね。
「――征け」
 赤い血液が風を切って弾き飛ばされ、宙で形取りベルトと成り。
 強かに叩き込まれたベルトが、よつろと喜々丸。
 ついでに巻き添えにされた是清を仲良く拘束する。
「場所を弁えろ、莫迦者どもが」
 拘束具が三人を正座の形で固定すると、ゆっくりと歩いて歩み寄ってきたギドは喜々丸の額を踏んだ。
「ちゃうよ、ギドさん! この女が勝手にやったんやって!ほんまに!」
「はァ?! 何で俺まで?!」
 喜々丸が言い訳を喚く横で。そうだね、是清さんは完全にとばっちりだね。
「はぁぁい……、わきまえまぁす……」
 よつろは幸せそうな笑顔でふうわふわ。
 なんだか、とっても気持ちいい。
 ふわふわ、ふわふわ。
 ああ、こんな風にくだらない日々が続いたらいいなあ、なんて。
「……くう、くう……」
 正座をしながらゆっくり目を瞑って、静かな寝息を立てだした。
「ちょっと!! よつろさん!!」
「テメェ、四辻路! 何寝てんだこのクソアマ!」
「ふふー……」
 やれやれ、と肩を竦めたギドはアーノルドへと向き直り。
 何故、狐面を付けているのだこいつは。
「しっかりと手綱を握っておけよ、店主。此処は潰れても良い場末の酒場とは違うのだからな」
「……俺は別にこいつらの保護者じゃねえんだけどなあ。へいへい、善処します」
 ついでに叱られるアーノルドの横。
 わあわあ騒ぐ皆を眺めて、クレムは酒を一口啜り。
「……まあ、程よい賑やかしさは良いことだろう。折角の祝い事なんだからな」
 緑瞳を、柔らかく細めた。

 今日は祝いの日。
 一年の始まりを祝い、喜ぶ日。
 平和で、賑やかで、目出度い日。
 騒がしく始まった一年は、きっと楽しいものと成るだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月19日


挿絵イラスト