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男の娘アイドルを守れ!

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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「みんなーっ! 今日はさくらのライブに来てくれてありがとねー☆」
 パンダ耳に金髪ツインテール。青い瞳の愛くるしい少女がくるりとスカートを翻し、ウインクする。と「「ウオォオオオオオーーーーー!」」と会場から雄叫びのような歓声が上がった。会場自体はそこまで広くもないが、熱気は十分。
「それじゃ、さっそく一曲目歌っちゃうよー!」
 さくらがマイクを片手に歌い出す。すると会場のあちこちで「さくらー!」とか「さくらた~ん!」とかいう掛け声と共に、ペンライトの灯りがぶんぶん揺れた。人類が滅んだ後の世界でも、アイドルのライブ風景はあまり変わらないようだ。そんな賑やかな光景に、突如として闖入者が現れた。
「待て待て待てぃ! なんじゃこの軟弱な歌と踊りはぁ!!」
 マイク片手にがなり立てながら、ティラノサウルスの頭部を持つ怪人がのしのしとステージに上がってきた。会場がざわめく。
「えっ何あれ、ティラノサウルス……?」
「なんだなんだ、新手の演出か?」
「もしかしてアイドル対決ってやつ……?」
 観客たちが好き勝手なこと言ってる間に、さくらは悲鳴を上げて後ずさった。
「えっ……きゃぁ! だ、誰ですか!?」
 その様子を見る限り、これは予定された演出とかじゃなくて本当に不測の事態らしい。観客たちが息を吞む。
「お、お客様困ります勝手にステージに上がられては……!」
 おろおろしながら駆けつけてきたスタッフを、ティラノサウルス怪人は「うるさい!」と一喝して黙らせ、観客に向き直った。
「な~にが『さくらた~ん(はぁと)』じゃぁこの軟弱者がぁ! 世の中強さが全てだ! 戦わなければ生き残れない! こんな軟弱男はいらん!」
 さくらを指差してがなり立てるティラノサウルス怪人。……今男っつった? しかしそこには誰も突っ込まないままティラノサウルス怪人の演説は続いた。
「こんな腑抜けたアイドルなんかより、俺の方が強くてカッコイイって証明してやる! つまり……」
 怪人は大きく息を吸って叫んだ。
「俺がアイドルじゃぁ!!!」

「……っていう事件を予知したんすよ」
 机に寄りかかってせんべいをボリボリ食いながら、雨月・雨莉(は何もしない・f03581)が言った。最初の時は緊張しまくってたくせに、もう慣れた顔だ。慣れ過ぎだ。せんべいを飲み込み、雨莉は続けた。
「んと、つまり、キマイラフィーチャーでティラノサウルス怪人がアイドルのライブに乱入してめちゃくちゃにするんで、アイドルと観衆を守って、怪人をぶっ飛ばしてきてくださいって依頼っす」
 狙われるのは「さくら」という名の、パンダ耳と金髪ツインテールが可愛らしいライブアイドルだ。そこそこ人気はあるらしい。そのさくらがライブやってる最中に、突如としてティラノサウルス怪人が乱入してくるらしい。らしい、という言葉から分かるように、これは未来の話であり、つまりまだ事件は起きていない。
「なんで、まずはさくらさんを守ることに全力尽くしてください。自分がアイドルに扮して怪人を迎え撃つなり、秘密裏に潜入して怪人を待ち受けるなり」
 そうして怪人が現れた後のことは後で考えればいいと雨莉は言った。大分アバウトである。ただ、猟兵達に邪魔されたとして、ティラノサウルス怪人はいきなり自分が戦うのではなく、まずは手下を差し向けてくるだろうという。
「まー、その手下がどんなヤツかは現時点では分かんないっすけど、なんとかなるっしょ。皆さん俺よりできる子だし」
 変わらずせんべいをボリボリ食いながらあっけからんと言う雨莉。
「現場近くまでは俺が皆さんをテレポートさせて連れてくんで、後のことは申し訳ないけどお任せするっす。ご武運を」
 そこまで言った後で、雨莉は「あ、そうそう、言い忘れてたっすけど」と付け加える。
「さくらさんは男っす」
 ……はい? と目を剥く猟兵に、
「男っす」
 雨莉は頷いて言った。大事なことなので2回言いました。2行目で少女って書いてたのは(外見が)少女って意味だ。
「さくらっていうのも、いわば芸名で。本当の名前は猪熊トシ……いや、人の個人情報をぺらぺら喋るのは良くないっすね……忘れてくださいっす」
 雨莉は首を振って打ち消した。まぁ、アイドルの本名なんて依頼には関係ない。大事なのは彼女……いや彼を魔の手から守ることだ。改めてよろしくお願いしますっす、と雨莉は頭を下げた。


ライ麦
 ライ麦です。頑張りますのでよろしくお願いいたします。

 改めて確認。
 当シナリオは、男の娘アイドルさくらを怪人の魔の手から守りつつ怪人をぶっ飛ばすシナリオです。
 第一章ではライブを怪人にぶち壊しにされないように守ってください。それが達成出来たら第二章に進みます。第二章はティラノサウルス怪人の手下との戦闘(集団戦)、手下を倒せたら第三章でボスたるティラノサウルス怪人と戦います。

 それでは、皆さんのプレイングを心よりお待ちしております!
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第1章 冒険 『アイドルライブを怪人から守れ!』

POW   :    自分がアイドルに扮してステージに立ち、怪人を迎え撃つ

SPD   :    ステージ周辺に秘密裏に潜伏し、怪人を待ち受ける

WIZ   :    スタッフに紛れ込み、怪人の出現に備える

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レイ・クロッシュ
(怪人の言うアイドルは……アイドルなの……かな?)と考えさせられるけど、気にしないで…おく。

動きは…僕もアイドルに扮して…迎え討つよ……。
衣装は黒を基調としたロリータファッションで女装、武器のギターとユーベルコードのJBD(DJ衣装をしたモノ〇マの黒い部分だけの様な着ぐるみ)を出して一応、応戦準備。怪人が出てきちゃったらさくらさんを守りながらごめんねと言ってマイクを借り、マイクパフォーマンス等で怪人の気を引きつつ、スタッフさんの冷静さを戻し、お客さんを盛り上げようと試みる。
「そんなのは……アイドルじゃない……!」と異議を唱えて…ね。

……至らない所があったら……ごめんね。



(「怪人の言うアイドルは……アイドルなの……かな?」)
 雨莉の予知を聞いたレイ・クロッシュ(ヤドリガミのサウンドソルジャー・f10130)は思わず考えてしまう。昨今はアイドルも多様化しているとはいえ、ティラノサウルス怪人が言うアイドル像は新しすぎて分からない。ティラノサウルスそのものはある意味恐竜ファンにとってアイドルかもしれないけれど。まぁいいかとレイは気にしないで依頼に臨むことにした。怪人の言うアイドル像がなんであれ、他人のライブに乱入してぶち壊すのはアイドルとは言えないだろう。
 というわけで、レイもアイドルに扮して怪人を迎え撃つことにした。衣装は黒を基調としたロリータファッション。女装になるが、中性的な顔に加えて男性女性どちらのヴォーカルの声も出せるというレイだと違和感なく着こなせる。さらに武器のギターを装備し、自身のユーベルコードの「Jet Black DJ」を呼び出す。
「……出番だよ、JBD」
 レイの言葉に呼応して召喚されたJBDは、人によっては既視感のありそうな真っ黒いクマの着ぐるみを着たDJの霊だ。これで応戦準備もバッチリ。あとはさくらと共にステージに立って盛り上げつつ、怪人の出現に備えるのみ……だが。ひとつ困ったことがあるとすれば。
「きゃーっ! レイちゃんっていうの? カッワイー!! ねぇねぇ、よかったらさくらと一緒にユニット組まない??」
 さくらになんか気に入られてしまったことだった。陽気なキマイラフィチャーの住人らしく、飛び入りでステージに立つことも快く了解してくれたのは良いとして、目をキラキラ輝かせながらぐいぐい来るのはちょっと困る。
「いや……私は……」
 などと口籠りつつ、レイは油断なく、盛り上がるライブ会場に目を光らせた。

成功 🔵​🔵​🔴​

六道銭・千里
いや、まぁティラノサウルスやろうが男の娘がアイドルやろうがそれはええねんけど
片方を批判するのはあかんわな…

俺はスタッフとして紛れ込んで、立ち向かわせてもらおうかなぁ
いや、バイトとして入ったらまぁ普通にお給金も出るやろうし一石二鳥ってな


怪人が出るまでは真面目にお仕事【コミュ力&礼儀作法】

一応怪人が出た後の誘導のことも考えて避難経路とか見とこうか【情報収集】

後は他ステージに潜入する人がおるんやったら上手く手引きとか潜伏できるよう手を貸すわ【目立たない&救助活動】


アドリブ&絡み歓迎


オルク・オセアン
さくらの後輩アイドルと偽ってステージに立って歌を披露する。
怪人が出てきた場合はさくらを守る。
いざとなったらダブル・スピーカーを盾にする。



「いや、まぁティラノサウルスやろうが、男の娘がアイドルやろうが、それはええねんけど。片方を批判するのはあかんわな……」
 六道銭・千里(六道陰陽師・f05038)がやれやれと首を振る。どんな主義主張を持っていようがやはり、相手を一方的に否定するのは良くない。それをティラノサウルス怪人に教えてやるためにも、千里はスタッフとして紛れ込んで待ち受けることにした。
(「バイトとして入ったらまぁ普通にお給金も出るやろうし一石二鳥ってな」)
 なんて下心もありつつ。もちろん、怪人が出るまでは真面目に仕事する。コミュ力と礼儀作法も駆使して、「入り口はこちらでーす」「押さないでくださーい」などと、スタッフとして客を誘導したり、呼びかけを行ったり。そうして仕事しつつ、怪人が出た後の誘導のことも考えて、避難経路などもさりげなくチェックしていた。と、不意に「あの……」とおずおずと千里の袖を引く者が現れた。
「すみません、ステージの入り口はどちらでしょうか?」
 そう、丁寧に尋ねるのはオッドアイの瞳が印象的な幼い子供――オルク・オセアン(電子の少年・f00431)だった。外見はまるで可愛らしい少女だが、称号からも分かるように彼は性別:男のバーチャルキャラクターである。そしてオルクもまたアイドル。なんだかさくらと少し境遇が似ている。だからこそさくらを放っておけなかったのかもしれない。ともあれ。オルクもまた猟兵であることを察した千里は、「こっちや」と目立たないように彼を誘導し、ステージまで導いた。上手く潜入できるよう、他のスタッフにも「この子さくらの後輩アイドルで……」と根回しして。
 そうして、千里の手引きもあって無事にステージに立つことができたオルクは、
「皆さん、初めまして。さくらさんの後輩アイドルのオルクです。私の歌、聴いて欲しいです」
 とオルクの初ソング「シャチは海の王様」を披露した。シャチ(ととあるアイドル)をモチーフに創られた彼らしく、シャチについて詳しく紹介する歌だ。
「へぇ~、聞いてるだけで勉強になる~!」
「それにカワイイ~!」
 と観客からも好評だ。観客だけじゃない。
「わー、オルクちゃんもカッワイー☆ ねぇねぇ、ほんとにさくらの後輩にならない?」
 と、一緒にステージに立っているさくらからも好評だ。微笑んで返しつつ、怪人が出てこないか、油断なく会場を見回した。いざとなれば、装備している高い科学技術で作られた宙に浮く2台のスピーカーを盾にするつもりだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

中村・裕美
SPDで判定
「…男の娘……それは尊くかけがえの無いもの。…ところで…イケメンマネージャーとの禁断の恋とかそう言うのはないの?強引にグイグイくる俺様系イケメンに押し倒されるでも、ヘタレっぽい気弱なイケメンを毎回誘惑するでも、他には他には…」
みたいなことをステージの下とかに隠れてブツブツ言ってる。面と向かって人と会話するのは苦手なので。
電脳魔術士として、電脳空間にアクセスしたり監視カメラを【ハッキング】したりして周囲の状況を【情報収集】して備える。一応、味方にもメール等で連絡できようにもしておく。
「…準備は…万端。……来たら…仕留める」
いざという時のためにドラゴンランスを磨いておこう



「……男の娘……それは尊くかけがえの無いもの。……ところで……イケメンマネージャーとの禁断の恋とかそう言うのはないの? 強引にグイグイくる俺様系イケメンに押し倒されるでも、ヘタレっぽい気弱なイケメンを毎回誘惑するでも、他には他には……」
 ステージの下に隠れて、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)はなんかぶつぶつ言ってた。正直そういうのは書き手も大好げふんげふん。ではなくて。
 裕美とてただステージの下でぶつぶつ呟くだけの不審者やってるわけじゃない。ぶつぶつ呟きながらも、電脳魔術士として、電脳空間にアクセスしたり、監視カメラをハッキングしたりして情報収集し、怪人の出現に備えていた。さらに、味方にもメール等で連絡できるようにしておく。こうすれば、いざ怪人が現れた時にすぐ対応できるだろう。
「……準備は……万端。……来たら…仕留める」
 そう呟きながら、裕美はいざという時に備えてドラゴンランスを磨いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

大豪傑・麗刃
えっとPOW寄りの行動は……

『アイドルに扮してステージに立ち怪人を迎え撃つ』

……

え~と……

……

ん~と……

まあ、わたしは自他ともに認める変態ではあるのだが。
こういう方面はちょっとやったことはないのだ。

……
まあ、なんとかなるのだ!
ダメならプレイング自体却下されるのだ!
とりまがんばってみるのだ!


一橋・さくら
アイドルでしかもさくらとかこれは守らざるを得ない。
大豪傑せんぱー(f01156)が参加してたら一緒に戦うよー
私だって歌って踊れるアイドル(猟兵)を目指してるからね!
頑張るよ!

【WIZ】【歌唱】【鼓舞】
バックコーラスとして後ろの方で一緒に歌うのが良いかな?
【キラキラ☆猟兵賛歌】で周りの皆の戦闘力を上げつつ、【念動力】や【コミュ力】で敵やファンがさくらちんに近付きすぎないようにするのだー
派手な戦いは他の人とか先輩に任せた!

今夜は私とあなたでダブルさくらだね……(夜かどうかは知らない)


アルファ・ユニ
面白そうなライブ。ユニが音響してもいいかな?いいよね。潜入しなきゃだめだもんね。
【トロイメライ】。心地の良い音で周辺のスタッフにユニが元から古くから仲間だったかのように錯覚させてPAブースに紛れ込む。その場に合った最適な音量、イコライザーにカットアップとかで遊んで音響としてライブを盛り上げながら怪しい奴がいないか見張る。もしステージに立つ子がいたら輝かせるお手伝いをするよ。
不審者を見つけ次第、ライブの音を使って<クラハライツ>で狙撃。喰わせるライブの音って勿論爆音だから、一発分の攻撃力もそこそこあると思うよ。



 アイドルでしかもさくらとかこれは守らざるを得ない。一橋・さくら(には夢がある・f00999)は気合いを入れた。
「私だって歌って踊れるアイドル(猟兵)を目指してるからね! 頑張るよ!」
 えいえいおー! と拳を突き上げるさくら。猟兵はアイドルじゃない、というツッコミは脇に置いておこう。一方、彼女と一緒に来ていた大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)は固まっていた。
「アイドルに扮してステージに立ち怪人を迎え撃つ……のか。……え~と…………ん~と……」
 自他ともに認める変態である麗刃だが、こういう方面はちょっとやったことがなかった。
「……まあ、なんとかなるのだ! とりまがんばってみるのだ!」
 そう言ってとりあえずステージで踊り出す麗刃。なんというか、本当に名状しがたき踊りだった。ノリが良く、猟兵達が飛び入りでステージに立ってもニコニコしてるさくら(男の娘の方)が目を剥くほど。だが、その麗刃の名状しがたき踊りをカバーするものがあった。
「さぁみんな、いっくよー!」
 その掛け声と共に、さくらがバックコーラスとして歌い出したキラキラ☆猟兵賛歌(アキラメマセン・カツマデハ)。それを聞いて共感した対象の戦闘力を増強すると共に、バックコーラスがあることで麗刃のアレな踊りが多少マシに見える効果もあった。さらに、
「面白そうなライブ。ユニが音響してもいいかな? いいよね。潜入しなきゃだめだもんね」
 とユーベルコード『トロイメライ』の効果も用いてPAブースに紛れ込んだアルファ・ユニ(愛染のミキシングエンジニア・f07535)の音響。その場に合った最適な音量、イコライザーにカットアップなどで遊びつつ、ライブを盛り上げる彼女の音響効果で、麗刃も含めてステージに立つ猟兵達がさらに輝く。男の娘アイドルを守るためとはいえ、なんだかこういうのって楽しい。さくらはそっとさくらに目配せして呟いた。
「今日は私とあなたでダブルさくらだね……」
「そっか、あなたもさくらっていうんだ! すご~い、お揃いだね☆」
 ぱぁっと笑って答える男の娘アイドルのさくら。ライブの盛り上がりも最高潮だ。と、その時……。
「なんじゃぁコレは! あっちもこっちも猟兵だらけで近づけねーじゃねーか!!」
 会場の隅で、キレたような吠え声が聞こえた。そして観客達の頭の隙間から覗くティラノサウルス頭。ついにティラノサウルス怪人のお出ましだ。だが、この時のために猟兵達は待機していたのだ。すかさずユニがかつての所有者の遺銃「クラハライツ」でライブの音と共に怪人を狙撃する。
「って痛ってぇな!」
 ティラノサウルス怪人が頭を押さえた。その隙に他の猟兵達も味方に迅速に連絡したり、男の娘アイドルさくらを守る態勢をとったり、素早く戦闘準備を整えたりする。もうティラノサウルス怪人が入り込む隙間などどこにもない。こうして、猟兵達は無事に怪人の魔の手から男の娘アイドルとライブを守ることに、ひとまず成功したのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『マグロ怪人ツーナー』

POW   :    止められない止まれない
【食べられるという恐怖心から無限のスタミナ】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD   :    そんなことより助けて欲しい
レベル分の1秒で【腕を振り払うことで自らに噛み付いてる猫】を発射できる。
WIZ   :    水を得たお魚
【水鉄砲】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を水浸しにし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ひとまずはさくらとライブを守ることに成功した猟兵達だが、まだ終わりじゃない。ライブを邪魔するのを邪魔されたティラノサウルス怪人は怒り狂っていた。
「おのれ、あの軟弱アイドルより俺の方が強いって証明して俺がアイドルになる計画が……! このまま引き下がれるか! 出でよマグロ怪人ツーナー!」
 ティラノサウルス怪人が腕を振る。すると、どこからともなく猫に追われて必死な形相のマグロ頭マッチョがわんさか出てきた。なんかいっぱいいた。
「マグロ怪人ツーナー! 猟兵達を倒して、俺の方が強いって証明しろ!」
「そんなことより助けてぇええええ!」
 ツーナー達が叫び声を上げながら、猟兵達の方に飛び込んできた。
六道銭・千里
うぉっ!?なんか必死なんが来たわ!?
本人自分のことで必死で戦意が気自体はあるんかわからんけど
まぁ、堪忍な

魚やったらこいつはどうやろ?
【属性攻撃:雷&マヒ&範囲攻撃】
雷属性の霊符をばら撒いて攻撃
少しでも動き鈍らせて味方が攻撃にしても回避にしてもやりやすいように


水浸しにするんやったらさらに効くやろ
お客様、他のお客様のご迷惑になりますんで会場を水浸しにするんはご遠慮くださいってな


最初にばら撒いたら後は結界【オーラ防御】使って
味方の盾になってるわ【かばう】

絡み&アドリブ歓迎


中村・裕美
「ライバルのアイドル(男)っていうのは…国民的イケメンスーパースターなんだけど…何故か主人公のことが気になっちゃって…主人公の正体を知った後も『男とか女とかじゃなく、お前だから好きなんだ!』って感じになる展開が希望なんだけど…」

妄言を垂れ流しつつ、エレクトロレギオンで迎撃。ひとまとめにやられないよう散開して戦う。監視カメラの映像でステージ下でも状況把握できるだろうし
ステージの上に上がろうものなら、ステージ下からドラゴンランスで【だまし討ち】の【串刺し】♂にする。ステージで水浸しの箇所があれば、そこに立つだろうから狙いやすい
「……ここは私のテリトリー。…お前達に……ステージに上がる資格は…ない」



「助けてぇええええ!!」
 猟兵達を倒したいのか、絡みつく猫達を倒したいのか。ツーナー達は闇雲に水鉄砲を放ちながら迫ってきた。
「うぉっ!? なんか必死なんが来たわ!?」
 驚きながらも水鉄砲を華麗にかわし、六道銭・千里(六道陰陽師・f05038)は、
「魚やったらこいつはどうやろ? お客様、他のお客様のご迷惑になりますんで会場を水浸しにするんはご遠慮くださいってな!」
 と雷属性の霊符をばら撒いて攻撃する。霊符弾・三式。六道銭家の基本術だ。まぁ、ツーナー達自身は自分のことで必死で、戦意自体あるのか分からないけれどご勘弁。雷の霊符を喰らったツーナー達は痺れて動けなくなる。会場を水浸しにした分、さらに効果的だ。そこに、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)のエレクトロレギオンが迫る。
「ライバルのアイドル(男)っていうのは……国民的イケメンスーパースターなんだけど……何故か主人公のことが気になっちゃって……主人公の正体を知った後も『男とか女とかじゃなく、お前だから好きなんだ!』って感じになる展開が希望なんだけど……」
 相変わらずステージ下でボソボソ妄言を垂れ流しつつ、ひとまとめにやられないよう機械兵器を散開して戦わせる裕美。散開した機械兵器達は次々に動けないツーナー達を撃破していく。だが、ツーナー達はいっぱいいるわけで。中には千里の霊符を免れたツーナーもいた。そのツーナー達はステージ上でさくらを守る猟兵達を倒すため――なのか、ただ猫から逃れたい一心なのか。ステージに向かって突進する。
「おっと、ここは通さへんで?」
 すかさず千里がオーラ防御を使って味方の盾になる。千里のオーラに阻まれたツーナーは足をバタつかせて口をパクパクさせていた。まるで水から上がった魚のよう。千里の防御を掻い潜った僅かなツーナーも、ステージ上の水浸しにした個所に立った瞬間、下から裕美のドラゴンランスに串刺し♂にされた。
「アーッ!」
 お尻を押さえて叫び声を上げるツーナーを尻目に、
「……ここは私のテリトリー。……お前達に……ステージに上がる資格は……ない」
 裕美はブツブツ言いながらドラゴンランスを引き抜く。たとえステージ下にいても、ハッキングした監視カメラの映像で状況把握は容易なのだ。貫かれたツーナーは絶命する。次に餌食になるのは誰だと、裕美は監視カメラの映像越しに敵を眺めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

大豪傑・麗刃
あやしいやつなのだ!
わたしも日頃からあやしいあやしい言われるが、そして無理矢理アイドルやってるのでさらにあやしいことになっているが、ここまでではないのだ!

とりあえず魚は三枚におろすというのが相場なのだ!
わたしはやっぱりそっちの方が専門なのだ!

右手に刀、左手に脇差(と呼ぶにはちょっと大きすぎる剣)の二刀流で全部斬ってやるのだ!

超光速連続攻撃は見切って残像でかわしてカウンターで斬りつける。これがあとのせサクサクという奴なのだ(後の先と言いたいらしいがそもこの読みはアトノサキではなくゴノセンである)
猫飛んで来ても斬るのだ。ところでリアル猫じゃないよね?斬っていい奴だよね?
水鉄砲も……たぶん斬れるのだ



「あやしいやつなのだ!」
 大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)は迫りくるマグロ頭マッチョの群れに、すかさず名状しがたき踊りをやめて颯爽と刀を抜いた。麗刃も日頃からあやしいあやしいと言われるが、そして無理矢理アイドルやってるのでさらにあやしいことになっているが、ここまでではない(はず)。少なくとも服着てる分赤フン一枚のツーナー達より上。麗刃は右手に刀、左手に脇差(と呼ぶにはちょっと大きすぎる剣)を構えた。
「とりあえず魚は三枚におろすというのが相場なのだ! わたしはやっぱりそっちの方が専門なのだ!」
 もう慣れないアイドルの振りする必要もない。麗刃は意気揚々とツーナー達の群れに斬りかかった。もちろん、ツーナー達もただやられるわけにはいかないので、食べられるという恐怖心から無限のスタミナを発動し、超高速連続攻撃を放つ。それは見事麗刃に命中し……
「今のは残像なのだ!」
 瞬間、ツーナーの背後から本物の麗刃が現れ、剣刃一閃でツーナーを切断する。
「これがあとのせサクサクという奴なのだ」
 麗刃はドヤ顔して言った。何か色々間違ってる。本人的には後の先と言いたいらしいが、そもそもこの読みはアトノサキではなくゴノセンである。って書いてる人も今知りました。すいません。教えてくださってありがとうございます。
 ともあれ。この二刀流で全部斬ってやると麗刃はツーナー達の群れを見回した。たとえ猫飛んで来ても斬るつもりだ。ところでリアル猫じゃないよね? 斬っていい奴だよね? たぶん。

成功 🔵​🔵​🔴​

一橋・さくら
ツーナーどこにでもいるなぁ。ねこかわいい。
びしょ濡れハプニングとか定番だけど、こういう衆人環視の中じゃ流石にNGかな。ねこかわいいけど。
そんなわけで私は離れて電撃をお見舞いすることにしたのだ。ねこかわいいから。
くらえ電撃ーエレクトリカル・パレ(これ以上いけない)パニック(言い直し)・ネコ・カワイイ!
[属性攻撃][範囲攻撃][目潰し]
倒しきれなかったらエクスカリバーる!(エクスカリバールのようなもので殴りたくるの意)
[武器落とし][串刺し][なぎ払い][2回攻撃][鎧無視攻撃]のまさに外道

ふ……またつまらぬものを撲殺してしまった……

結論:ねこかわいい。


大豪傑・麗刃
ええいまだ数がいるのだ。
こうなったら一気にさばく!
そのためには、それができるぐらいパワーアップすればいいのだ!

そしてそのために使える秘技がわたしにはあるのだ。

はあああああああ(それっぽい気合)

スーパー変態人発動。
あとは右手で刀と脇差(と呼ぶにはちょっと長い剣)を両方持ち(自分で書いときながらどうやってるんだろうと思いながら)、左手には斧を持ち、ひったすら刺身やネギトロを量産するのだ!

あまった分は他の人がなんとかしてくれるだろうたぶん!
あとはうまいこと連携とかできればいい感じかも?
ああ投げっぱなし。



「はぁ~、ツーナーどこにでもいるなぁ。ねこかわいい」
 バックコーラスとして後ろの方で歌っていた一橋・さくら(には夢がある・f00999)は、ステージの上から会場を見回し、呟いた。
「びしょ濡れハプニングとか定番だけど、こういう衆人環視の中じゃ流石にNGかな。ねこかわいいけど」
 そんな前後の繋がりのない呟きを漏らした後、さくらはさて、と両掌をツーナー達に向かって突き出した。
「そんなわけで私は離れて電撃をお見舞いすることにしたのだ。ねこかわいいから!」
 それ関係なくない? というツッコミをする者はいない。さくらは両掌に高圧電流を貯め、一気に放出した。
「くらえ電撃ーエレクトリカル・パレ」
 これ以上いけない。さくらはちょっと咳払いして言い直した。
「……パニック・ネコ・カワイイ!」
 そして高圧電流を放ったままの両掌をワーッと左右に大きく振り、そのまま範囲攻撃へと移行する。高圧電流に撃ち抜かれたツーナー達は痺れて動けなくなった。
「でかしたのだ!」
 すかさず麗刃がハァァァァァとそれっぽい気合いを入れる。こうなったら一気にさばくのみ! そしてそのために使える秘技が麗刃にはある。
「スーパー変態人(スーパーレイクン)!」
 それっぽい気合いを入れると共に、麗刃の髪が逆立ち、全身が金色に光る。名前はアレだけど、これはこうすることで戦闘力を増強させる麗刃の必殺技だ。ほら『肉の人』も『Gの人』も、いざという時は金色に光るって言うし。尤も、目立つ分当てにくくなるという欠点はあるけど、相手が動けない状態なら関係ないね。麗刃は右手で同時に刀と脇差(と呼ぶにはちょっと長い剣)を持ち(どうやって?)、左手には斧を持ち、動けなくなったツーナー達に襲い掛かった。後はひたすら斬って叩いて刺身やネギトロを量産していく。さくらも麗刃と一緒になってエクスカリバーった。具体的にはエクスカリバールのようなもの(ただの釘抜きのように見えるが、実は古きものどもすら倒せそうな気分になるすごい棒)で相手の武器を落とし、串刺しにし、なぎ払って二回攻撃、相手の鎧(赤フン?)は無視で殴りたくる、まさに外道の攻撃だった。器用にツーナー達に絡みついてるねこたちは避けてるけど。ちょっとモザイク処理したい光景が繰り広げられる中、気が付けばツーナー達は全滅していた。麗刃がマグロのたたきを作る手を止めて首を傾げる。
「あれ? もう終わりなのだ?」
「ふ……またつまらぬものを撲殺してしまった……」
 さくらがフッと息を吐いて、エクスカリバールのようなものを刀を鞘に収めるような動作でしまった。赤いものがあちこちに付着してるけどネギトロだから大丈夫。そしてこの戦いを経て得た結論は。
「ねこかわいい」
 関係なくないか。尤も、ツーナーがいなくなったら同時にねこたちもいなくなってたけど。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『ティラノサウルス怪人』

POW   :    ザウルスモード
【巨大なティラノザウルス】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    ティラノクロー
【鋭く長い爪】による素早い一撃を放つ。また、【装甲をパージする】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    学説バリエーション
対象の攻撃を軽減する【羽毛モード】に変身しつつ、【体から生えた鋭く尖った針のような羽毛】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「へっ!? 気が付いたらツーナー達全滅してんじゃねぇか!」
 ティラノサウルス怪人がギョッと目を見開く。
「クソ! こうなったら俺がやるしかねぇじゃねぇか!」
 ティラノサウルス怪人は地団太を踏みつつ、どこからかマイクを取り出した。
「俺の歌を聞けぇええええ!」
 え? アイドルになるってやっぱりそういう意味だったの? と猟兵達が驚く中、ティラノサウルス怪人は歌い出した。言っちゃ悪いが滅茶苦茶音痴だった。言うなればよく公園でリサイタルを開いている某ガキ大将並み。オーディエンスの冷たい視線に気づいた怪人は赤くなってマイクを床に叩きつけた。
「……今のはあくまで余興だ! アイドルの本質は強さにある! お前達に勝ってそれを証明してやる!」
 そしてティラノサウルス怪人は鋭い爪を剥き出しにして猟兵達に襲い掛かってきた。
中村・裕美
「貴様ごときが…さくらたんと肩を並べられると思うな」
あまりに向こうのアイドルムーブがひどかったので、ずるりとステージから這い出す。その動きはちょっとホラーっぽい。
「…貫け…スカイフォール」
ドラゴンランスをティラノ怪人に【槍投げ】し、【串刺し】にする。
「…そして…恐竜ごときが……真の竜に敵うと思うな」
更に召喚した竜で追い打ちをかけて【傷口をえぐる】。その後もドラゴンランスを回収したら執拗に同じ箇所を攻撃する。
「……安心して。……さくらたんは…私が守るから」
本人的にはニコっと笑って安心させるつもりだが、返り血を浴びてニタァっと笑っているのでホラーでしかない。



「貴様ごときが……さくらたんと肩を並べられると思うな」
 あまりに向こうのアイドルムーブがひどかったので、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)はずるりとちょっとホラーっぽい動きでステージ下から這い出した。そのまま、ドラゴンランスをティラノサウルス怪人に全力で投げつける。
「……貫け……スカイフォール」
 その言葉通りに、スカイフォールはティラノ怪人を貫き、串刺しにした。
「痛ってぇぇええええ!!」
 開幕最初の一撃に、ティラノ怪人は悶絶する。だがこれで終わりではない。
「……そして……恐竜ごときが……真の竜に敵うと思うな」
 ボソボソと呟きながら、裕美は天に掲げた手を振り下ろす。瞬間、召喚された竜が怪人に追い打ちをかけるように傷口を抉った。見よ、これがユーベルコード・ドラゴニック・エンドの真骨頂だ。
「痛い痛い! 傷が!!」
 ティラノ怪人は痛みに喚いている。でも裕美の追撃はまだ止まない。ドラゴンランスを回収すると、執拗に同じ個所を何度も突き刺した。ぐさぐさぐさ。
「もうやめてぇええ!!」
 見てる方が可哀想になってくるぐらいに、ティラノ怪人が叫ぶ。よっぽど向こうのアイドルムーブが腹に据えかねたのだろうか。あまりの光景に思わず絶句するさくらの方を振り向き、裕美は笑った。
「……安心して。……さくらたんは……私が守るから」
 本人的にはニコっと笑って安心させるつもりが、傍目には返り血を浴びてニタァっと笑っているようにしか見えないのでホラーでしかない。さくらは震えながら、
「あ、あああありがとう……」
 と引きつった笑みで答えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

六道銭・千里
アイドルやるんは結構。
強さでアイドル目指すんも結構

けど人に迷惑かけるんはあかんなぁ

…で、どっちが敵やっけ?〈ホラーな笑顔を見て


銭貫文棒を武器に相手の爪と打ち合いや
相手の攻撃をしっかり受けて、カウンターの突き、払い【武器受け&カウンター】

相手が装甲をパージしたらこっちも身体強化術で対抗や
最後は相手の攻撃を食らいながらも力を込めた一突き【激痛耐性&捨て身の一撃&力溜め&吹き飛ばし】

ほんま、まともに強さでアイドル目指すんやったら応援してんけどな…惜しいわ



六道銭・千里(六道陰陽師・f05038)は銭貫文棒を手に、淡々と呟いた。
「アイドルやるんは結構。強さでアイドル目指すんも結構。けど人に迷惑かけるんはあかんなぁ」
 そして、ちらっと裕美のホラーな笑顔を見て。
「……で、どっちが敵やっけ?」
 思わずそう呟いてしまった。
「俺だぁあああああ!」
 裕美からどうにか逃れたティラノサウルス怪人が、どすどすと足音を立てて千里に近づいてきた。正直裕美が怖いからもう相手したくないのだろう。半泣きのまま、
「こうなったらお前を倒して俺の強さを証明してやるぅ!」
 と千里に鋭く長い爪を素早く振り下ろしてきた。千里はそれを銭貫文棒でしっかと受け止め、押し返す。そのままその勢いを乗せたカウンターで突き、なぎ払った。怪人はたたらを踏む。
「むぅ、なかなかやるな……」
 唸りつつ、
「それなら、これはどうだ?」
 と装甲をパージした。身軽になった状態で再度、助走をつけて飛び掛かってくる。だが、向こうが加速するならこっちも加速するまでだ。千里は対抗するように身体強化術で身を軽くした。瞬間、怪人の爪が千里の体に深く食い込む。激痛に耐え、千里は六道銭流格闘術で捨て身の一撃を繰り出した。
「こいつが六道銭流ってな!」
「な……何ぃ!?」
 ティラノサウルス怪人が目を見開いたまま吹き飛ばされる。それを見ながら、
「ほんま、まともに強さでアイドル目指すんやったら応援してんけどな……惜しいわ」
 と千里は呟いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アルファ・ユニ
……歌への、ステージへの冒涜だ。(耳を塞ぎながら)
強さでステージに立ちたいなら格闘技の会場にでも行けばよかったんじゃないの。
消えて。不愉快。

怪人のリサイタル音源は持っていたクラハライツに充分集音された。その音を糧に【壊感音波】を放ち敵の行動を封じる。スピーカー銃の特性は指向性に変化させ周りには影響を与えないようにする。でも近くで一緒に戦っている猟兵がいるなら一応耳を塞いで、聞こえたら自己責任で。

冒涜した歌に…自分の歌に全てを奪われるって、最高の皮肉だよね?
…あー、だめ、明るい性格じゃなきゃ仕事なくなる…まぁ、いいか。倒してからでもいいでしょ。



 ティラノサウルス怪人のリサイタルを聞いてしまったアルファ・ユニ(愛染のレコーディングエンジニア・f07535)は、見るからに不快そうな顔で耳を塞いだ。
「……歌への、ステージへの冒涜だ。強さでステージに立ちたいなら格闘技の会場にでも行けばよかったんじゃないの。消えて。不愉快」
 もはや根暗な本性を隠すことも忘れ、ユニはしかめ面で割と真っ当な指摘を呟きながら、ちらとリサイタル中もずっと持っていたクラハライツを見る。大層不快な経験ではあったが、おかげで怪人のリサイタル音源はクラハライツに充分集音された。それを確認して頷き、怪人に向かってクラハライツの銃口を向ける。そして、一応近くにいる猟兵に声をかけた。
「スピーカー銃の特性は指向性に変化させてあるから、周りには影響を与えないと思うけど……一応耳を塞いで。聞こえたら自己責任で」
「……?」
 言われた猟兵が首を傾げつつ、耳を塞ぐ。瞬間、不快な轟音がクラハライツの銃口から放たれた。
「壊感音波(スクリーム)……失え、全てを」
 ユニの冷徹な言葉と共に、壊感音波がティラノサウルス怪人に襲い掛かる。耳を塞ぐ間もなく、まともにその音を聞いてしまった怪人は思わず転げまわった。
「グァアアアアアア! なんじゃぁ、この音は……」
 ふらつきながら立ち上がろうとするも、壊感音波によって一時的にとはいえ平衡感覚、五感を失った怪人は立ち上がることもできない。そのままずるずると座り込んでしまう。それを見下ろしながら、ユニは言い放った。
「驚いた? 今の音はさっきのリサイタル音源が元だよ。冒涜した歌に……自分の歌に全てを奪われるって、最高の皮肉だよね?」
「な……な……」
 怪人は何か言おうとするも、言葉を発することさえうまくできない。そのままガックリとうなだれる。しばらくは動けないだろう。ユニはふん、と鼻を鳴らし、まったく……と呟きかけて頭を振った。
「……あー、だめ、明るい性格じゃなきゃ仕事なくなる……まぁ、いいか。倒してからでもいいでしょ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

大豪傑・麗刃
敵は傷を負ったとはいえ、まだまだ元気イッパイだぜな感じなのだ。
ならまずは相手の体力をもっと削るのだ。

刀を両手で構える。で、基本は動かない。
これでザウルスモードで来た場合は攻撃対象になりづらいはずなのだ。
それでもこっちに来た場合、あるいはティラノクローが飛んできた場合でも、相手は素早いので、どうにか見切り、最小限の動きで回避。カウンターで剣刃一閃をくらわすのだ。二回攻撃で二閃なのだ。
で攻撃したらすぐ離れて相手の再度の攻撃を待つのだ。これをひと……ひと……ひとがゴミのようだなのだ!
(ヒット&アウェイと言いたかった?)

ただ学説バリエーションで来た場合は近づきたくないので、大きく動くようにするのだ。


一橋・さくら
おーけーガチ勝負とかまさにアイドルだね!
うーりゃー! 真の姿解・放! どーん!(※何も変わらない)
からのー エクスカリバールのようなもの!
【殴打撲殺乱舞撃】発動っ
「君がッ 泣くまで 殴るのをやめないッ!」
滅殺! 殴殺! 撲殺! 私にゃーアイドルの血がさわぐぅー
うりゃうりゃうりゃうりゃうりゃうりゃうりゃうりゃ!
とにかくマウント取って滅多打ちですよ。
当たっても殴る。外れても殴る。殴る時殴れば殴ろう。
いつかオブリビオンを倒せる日が来ると信じて……!
そんな感じでとにかくエクスカリバールのようなもので殴るわけです。
またつまらぬものを殴ってしまった……(バールしまいつつ)



「おーけーガチ勝負とかまさにアイドルだね! うーりゃー! 真の姿解・放! どーん!」
 一橋・さくら(には夢がある・f00999)は真の姿を解放した。ただし見た目は何も変わらない。変わらないがそのまま、
「からのー エクスカリバールのようなもの!」
 と、ティラノサウルス怪人がユニのユーベルコード喰らって動けないのをいいことに殴打撲殺乱舞撃(バーリング・バッシュ)をお見舞いした。
「君がッ 泣くまで 殴るのをやめないッ!」
 エクスカリバールのようなもので一度殴ったあと、さらに執拗に硬いところで殴る連続攻撃。だが動けない怪人は防御すらできない。のでひたすらとにかくマウント取って滅多打ち。
「滅殺! 殴殺! 撲殺! 私にゃーアイドルの血がさわぐぅー。うりゃうりゃうりゃうりゃうりゃうりゃうりゃうりゃ! いつかオブリビオンを倒せる日が来ると信じて……!」
 アイドル……? と突っ込みたくなる、子供には見せたくない光景が繰り広げられる。なんか赤いものが舞ってる。一方的な撲殺タイム。一通り殴り終わった後、さくらはすっきりとした顔で汗と何か赤いものを拭った。
「またつまらぬものを殴ってしまった……」
 そうしてまたエクスカリバールのようなものを刀を鞘に収めるような動作でしまった、その時。
「……ええいこっちが動けないのをいいことにいい気になりやがってぇぇえええ!」
 ティラノ怪人が頭から湯気を出しながら立ち上がった。ようやく動けるようになったらしい。
「ちくしょー今度はこっちのターンだ!!」
 そう言うと、怪人は巨大なティラノザウルスに変身して大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)に向かってくる。麗刃は一見真面目そうな顔で考え込んだ。
「ううむ、敵は傷を負ったとはいえ、まだまだ元気イッパイだぜな感じなのだ。ならまずは相手の体力をもっと削るのだ」
 そして、刀を両手で構える。で、動かなかった。巨大なティラノザウルスに変身した怪人は、動かない麗刃を見落として素通りしていく。そしてそのまま壁に激突した。
「……あれ?」
 変身したことで理性を失った怪人もそれでようやく気付いたらしい。バッと振り返ると、変身を解いて今度はティラノクローで襲い掛かってきた。それを麗刃はどうにか見切り、最小限の動きで回避。そしてカウンターで剣刃一閃……二回攻撃だから剣刃二閃だ、を喰らわせた。
「グワーッ!」
 怪人が痛みに喘ぐ。その隙に麗刃はぱっと離れて、相手の再度の攻撃を待った。
「これをひと……ひと……ひとがゴミのようだなのだ!」
 麗刃がドヤ顔で言う。どうやらヒット&アウェイと言いたかったらしい。かすってもいない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

レイ・クロッシュ
歌が……余興……ねぇ。
曲を奏でて……戦ってる……私への冒涜……かな。

ツーナーと戦えなかったのは…ちょっと後悔だけど…ここで全力を…出すよ。
錬成カミヤドリで…ギターを複数だして…会場をステレオ音響へ…ベースを握って…W.Dも出して…準備万端に。曲は…ファンタジーな出だしから…ロックなリズムへ変わる曲を奏でるよ。(参照参考) 私の声の衝撃波…JBDの音波の衝撃波…キーボードから奏で出る電撃で…怪人に攻撃を入れつつ…ライブを盛り上げる…よ。
怪人を見下したように笑いながら。

攻撃して来ても………私は歌い続ける。それも……アイドルっていうものじゃ……ないかな。



「歌が……余興……ねぇ。曲を奏でて……戦ってる……私への冒涜……かな」
 レイ・クロッシュ(紅と漆黒と白と・f10130)は静かな怒りを湛えた声で呟いた。そして、錬成カミヤドリで幾つものギターを複製して展開し、会場をステレオ音響へと変える。さらにベースを握り、既に呼び出しているJBDに加えて、
「WDも……出番だよ」
 と白いくまの着ぐるみこと、White Drummerも出現させた。これで準備は万端。レイはティラノサウルス怪人をキッと見据えると、
「ツーナーと戦えなかったのは……ちょっと後悔だけど……ここで全力を……出すよ」
 と曲を奏で始める。ファンタジーな出だしからロックなリズムへ変わる曲。それにレイの声の衝撃波、JBDの音波の衝撃波、キーボードから奏で出る電撃を乗せて、怪人を攻撃する。怪人は苦し気に耳を押さえた。
「グワーッ! この地獄の底から迸るような衝撃波に億万ボルトにも感じる電撃……!」
 脳内を激しく揺さぶる攻撃。だが、レイの演奏技術に加えて、勇ましくも美しいボーカルは、ライブを見に来ていた聴衆を熱狂させるのに十分だった。苦しむ怪人とは裏腹に、ライブ会場は盛り上がる。レイは怪人を見下したように笑いながら歌った。だが、怪人もやられっぱなしではいられない。
「くそ、こうなったら……!」
 ティラノサウルス怪人は羽毛モードに変身し、レイの攻撃を軽減させつつ、鋭く尖った針のような羽毛をいくつも飛ばして攻撃した。それはレイに命中し、決して浅くはない傷をいくつも作る。しかし、それでもレイは歌うのをやめなかった。怪人が驚愕に目を見開く。
「なんで……なんでこんな攻撃してんのに歌うのやめねぇんだよ!」
 レイは痛みをこらえて笑ってみせた。
「それも……アイドルっていうものじゃ……ないかな」

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ジェラルド・マドック
最初はステージの袖から先の猟兵の音楽が終わるのに繋げるように俺の歌を始めてステージに姿を現すよ。(此方を認識・警戒される前に【音楽の魅惑】使用以後継続)

俺がアイドル?
そこまで啖呵を切っておいて周りの視線に怖気づいてマイクを捨てるなんて音楽、そして音楽に関わる人に対する侮辱だろう。
アイドルの本質が強さならその強さは周りに冷たく見られても歌い続ける為にあるべきじゃないか?

サウンドウェポンをMIDIパッドに展開して演奏(参照参考)しながら歌うよ。重いベース音と思わず体が動くようなラテンのリズムを使ったEDMでより音楽に引き込んで、そして選択UCで攻撃する時により重くダメージと衝撃波が入るような曲さ。



ジェラルド・マドック(しがない演奏家・f01674)は、ステージの袖からレイの音楽が終わるのに繋げるように自身の歌を始め、ステージに姿を現した。その歌は音楽の魅惑(ファシネーション・オブ・ミュージック)。怪人にこちらを認識され、警戒される前に仕掛けておく。レイに引き続き出てきたジェラルドに歓声を上げる観客に微笑みかけ、サウンドウェポンをMIDIパッドに展開して演奏しながら歌い続けた。手元のパッドの、様々な色に光るボタンを軽快に叩き、重いベース音に、思わず体が動くようなラテンのリズムを乗せた電子音を奏でて、観客共々怪人をエレクトロニック・ダンス・ミュージックの世界に引き込む。
「……あれ!?」
 音楽に引き込まれ、気が付いたら音に合わせて体を揺すっていたティラノサウルス怪人がはたと我に返る。だがもう遅い。演奏に合わせてジェラルドの放った音の刃と衝撃波が怪人に襲い掛かる。音の波(ブレイド・オブ・サウンドウェーブ)。全ての音が彼にとっては武器にもなるのだ。そして重いベース音で奏でた曲はより重いダメージと衝撃波を怪人にもたらす。
「い、いつの間に……」
 音に紛れて襲い掛かってきた音の刃と衝撃波に足をふらつかせるティラノサウルス怪人に、ジェラルドは諭すように言う。
「俺がアイドル? そこまで啖呵を切っておいて周りの視線に怖気づいてマイクを捨てるなんて音楽、そして音楽に関わる人に対する侮辱だろう。アイドルの本質が強さならその強さは周りに冷たく見られても歌い続ける為にあるべきじゃないか?」
 怪人ははっと面を上げた。
「そ、そうか……!」
 確かに一理ある。怪人は何かに気付いたようだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

響納・リズ
こ、これは……酷すぎる歌、ですわね……。
早く止めて、良い音楽を聴きたいですわ……。

「アイドルの本質は強さだけではありませんわ。応援したくなるカリスマ性も必要ですわよ。もちろん、歌も、ですわね!」
WIZメインで攻撃。
聖痕で周りの人々や、仲間、そして、自身の耳の痛みを癒やしながら、カラスのフルートの形をした獣奏器でダメージを重ねていきます。
「そろそろ耳が……いえ、皆様が限界を迎えそうですわ。一気に止めと行きましょう」
フルートを奏でながら、鈴蘭の嵐で止めを行います。

「歌えないのであれば、演奏で人々を惹きつけてみてはいかがですの?」
可能性があるのであれば、新たな道も示しておきます。



 何かに気付いてしまったティラノサウルス怪人は、再びマイクを握った。
「周りの視線に負けずに歌い続けることも強さ……そうか、そうだよな!」
 あっ、嫌な予感。思わず耳を塞ぐ猟兵達。果たしてその予想は的中した。
「おっれは~♪」
 怪人が再びマイクを構えて歌い出す。やっぱり、すごく、聴くに耐えない歌声だった。音程がひどくズレているしめちゃくちゃだみ声だしリズムも取れてないし。ここまでひどい音痴はそうそういないと思われるくらいだ。しかも今度は周囲の視線もお構いなしに歌い続けている。いやジェラルドは悪くない。彼の言ったことは正しい。だがいかんせん怪人が下手過ぎた。響納・リズ(オラトリオの聖者・f13175)も思わず顔をしかめて耳を押さえる。
「こ、これは……酷すぎる歌、ですわね……。早く止めて、良い音楽を聴きたいですわ……」
 おそらくここにいる全員がそう思っているだろう。リズはその想いに応えるため、聖痕でその痛みを引き受け、引き換えに傷跡から溢れる光で周りの人々や、仲間、そして、自身の耳の痛みを癒やしていく。もちろん、攻撃も忘れない。リズはカラスのフルートの形をした獣奏器を構えた。
「アイドルの本質は強さだけではありませんわ。応援したくなるカリスマ性も必要ですわよ。もちろん、歌も、ですわね!」
 そして、フルートを奏でて怪人にダメージを与えていく。フルートの音色は無防備に歌い続ける怪人を確実に捉え、その体を蝕んだ。今までに蓄積した傷もある。その上にリズが奏でる獣奏器が着実にダメージを重ね、怪人を追い込んでいった。怪人の体はもうボロボロのはずだ。だが、それでも怪人は歌うのをやめなかった。敵ながらあっぱれな根性だ。が、その歌声は耳に毒過ぎる。リズも含めた聴衆は思わず、手が耳にめり込みそうな勢いで耳を押さえた。
「そろそろ耳が……いえ、皆様が限界を迎えそうですわ。一気に止めと行きましょう」
 このままだとこっちが危ない。リズはしっかと怪人を見据え、再びフルートを奏でた。そのままフルート以外の装備武器を無数の鈴蘭の花びらに変え、一気に叩きつける。それは怪人に吸い込まれるように命中した。怪人の体が鈴蘭の花弁の中に埋まり、むせ返るような芳香が漂う。まるで葬送のよう。もう歌声は聞こえなかった。代わりに、砂のように消えゆく怪人の口から、微かなうめきが聞こえる。
「俺は……もっと強くなって……アイドルに……」
 リズは静かに口を開いた。
「歌えないのであれば、演奏で人々を惹きつけてみてはいかがですの?」
 もう遅いかもしれない。それでも新たな道を示したリズに、怪人は微笑んだ。
「そうか……演奏……そういうテもあるのか……」
 なら次に生まれてくる時は……ドラムとか、強さをアピールできそうな楽器で……とか呟きながら、怪人は消えていった。猟兵達の戦いを見守っていたさくらがパァッと瞳を輝かせて手を叩く。
「倒した? 倒したの? やったぁ! さっすが猟兵さん! みんなのヒーローだね!」
 さくらの声に、観ていた観客達も次々に歓声を上げた。さくらがウキウキと猟兵達に向き直る。
「みんな、助けてくれてありがとう! これであとは楽しくライブするだけだよ! と、いうわけで~……よかったらみんなもライブに加わってくれない? てゆうか加わって! みんながいれば、ライブがもっと盛り上がること間違いなしだよ!」
 さぁさぁ! とやや強引に猟兵達の手を取るさくらに、えぇ~……と苦笑いするやら笑顔で頷くやら。様々な反応を見せる猟兵達。だがどうせこの後は無限握手会が待っているだろう。キマイラフィーチャーにおける猟兵はアイドルのようなものかもしれない。それをどう捉えるかは個々の猟兵次第だが。
 ともあれ。こうして猟兵達は無事に怪人の魔の手から男の娘アイドルを守り切り、ライブの輝きを守ったのだった。


 …………………………………ところで男の娘要素あんまり関係なくない? って言わないで。俺の趣味です。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月06日


挿絵イラスト