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甘くとろける、赤いプロテイン

#UDCアース #マイ宿敵

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#UDCアース
#マイ宿敵


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 ここは、とあるスポーツジムの一角。
 汗とプロテインが混ざり合い、身体に負荷をかけて身体を作る場所。
「……飽きました。」
 一人の女性がそう呟き、手にしたダンベルを元の場所へと戻していた。
「おや、今日はまだ始めたばっかりで……うおあああ!?」
 トレーナーも困惑しつつ、去っていく女性へ声をかけ……振り返った女性の顔を見て、悲鳴を上げる。
 一瞬、赤くドロリと溶けたように見えたからだ。
 そんな様子に、ニヤニヤと笑みを浮かべながら近づく女性。
「ふふ……あなたの体、とても良さそうですね。」
 そう言いながらトレーナーに抱き付く。
「でも……。」
「ぐああああああ!」
 トレーナーの悲鳴に、周囲にいた人間が振り向くと……物言わぬ死体となったトレーナーを、赤い液体が触手を伸ばして締め上げている。
 その液体はまた女性の姿を取り……ニヤニヤと周囲を見渡し、
「……ほかの人も、楽しそう。」
 どぷりと溶けて広がり……周囲の人間達を捉え、締め上げていった。

「……困ったことに、そういう事が起きているようです。」
 アトは猟兵達へ向けて状況を説明していた。
 胸元から取り出した写真には……どう見てもアトにしか見えない女性が、身体から伸ばした赤い触手で男を締め上げている姿が映っている。
「これが、今回の討伐対象です。
 ……先に断っておきますが、私ではありません。
 私の姿を真似た、邪神です。
 どうやら、10日ほど前から成り代わる先を探して、このスポーツジムへ通っていたようで……ふふ、何故私の元へ請求書が来るのかと思えば、そういう事だったようです。」
 本当に、困ったことです……とため息混じりに呟いて、アトは話を続ける。
「この邪神がたまたま目をつけ、飽きてしまったのが今だった……ということのようです。
 そういうわけですので、私の顔をした邪神を退治してください。」
 そう言ってゲートを開くと、一般的なスポーツジムの一室へとつながる。
「すでに、ここにはその邪神しかいません……周りにあるのは、人だったものです。
 そして邪神を倒すと、周囲に飛び散った人だったもの……が襲い掛かってくると思います。
 大変だとは思いますが、討伐をよろしくお願いします。」
 そう言ったアトに見送られ、ゲートをくぐると……。
 アトと同じ顔をした邪神がニヤニヤと、値踏みするように猟兵達を眺めていた。
 この人間は、面白そうだ……と。


ヨグ
 ヨグです、今回もよろしくお願いします。
 他人に成り代わり、人として楽しむ邪神との戦いとなります。
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第1章 ボス戦 『成り変わるもの』

POW   :    わたしはにんげん
【流動するスライムのからだ】に変形し、自身の【人間としての性質】を代償に、自身の【液体としての物理耐性と触手の動き】を強化する。
SPD   :    あなたをおしえて?
【対象を受け止めて取り込む、柔らかいからだ】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    わたしはあなた
対象の攻撃を軽減する【スライム状の肉体】に変身しつつ、【対象の姿に変化しながら、対象の持つ能力】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:はと銘菓

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アト・タウィルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

カナ・リーアス
【心情】他人に成り代わるなんて不気味な奴なんだよー!ここは私にまかせとくんだよー!

【作戦】いれば仲間と協力。触手や攻撃は見切りで対処。そして【挑発】(お尻ペンペン)で敵を近づけさせてそのままヒップドロップを食らわせてやるんだよー!



「他人に成り代わるなんて、不気味な奴なんだよー!」
 びしっ! と、ニヤニヤと笑う邪神に人差し指を向け、カナ・リーアス(鬼の元気っ娘・f04987)は元気に言い放つ。
「とっとと倒してやるんだよー!」
「……ふふ、可愛い子が来たのね。」
 対する邪神はクスクスと笑っていた。
 自身へ敵意を向ける、元気なカナの様子……それがとても楽しい、愛おしいと。
「へへーん! 可愛いワタシを捕まえてみればいいんだよー!」
「それもいいですね、待っててください。」
 自分のお尻を叩いて挑発するカナへ、邪神はズルリ……と近づいていった。

 邪神の腕は多数の触手へと変わり、カナの左右から迫る。
「遅いんだよー!」
「あら、」
 抱き止めるように触手が動いた瞬間、カナは一気に上に飛び上がった。
 そのままカナの姿を見失った邪神へ向け、お尻から突っ込んでいく。
「逃げられちゃいまし」
「お尻でドーン! なんだよー!」
 ベシャリ!
 まるで柔らかいゼリーのような感触と共に、邪神の体が水のように床に広がり……カナのお尻が突いた床にひびが入った。
「へへーん、これでどうだー!」
「……ふふ、いいですね。」
 下から響いた声にカナが体を起こして飛び退くと、床に広がっていた液体が波となり、今いた場所を飲み込んだ。
 どぷり……と纏まり、再び邪神が人の姿を取り、
「あなた、本当に可愛いわ。」
 ニヤニヤと、カナを見ている。
「……やっぱり不気味なんだよー。」
 その目つきにうすら寒いものを感じながら、カナは改めて身構えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

霧島・絶奈
◆心情
請求書が届くと言う事は、相手はアト・タウィルさんの個人情報を正確に把握しているわけですか…
情報の大切さを鑑みれば驚異です

◆行動
変化対象を絞らせない程の多重攻撃は如何でしょう?

『暗キ獣』を使用
屍者の槍衾と屍獣による【二回攻撃】で変化対象選定を妨害

私は軍勢に紛れ【目立たない】様に行動
【罠使い】として持ち込んだ「魔力識別型のサーメート」を設置
罠に化けられる程の万能性は無いでしょう?

設置しつつ【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復

貴女には「自分」という強みが薄い
他者の姿を模倣するだけでは、其れを一番識っている「私」に劣るのは必定です


水鏡・怜悧
人格:アノン
「なんかすっげーピンク色だな。喰えるのか?」
(成り代わるらしいですからね
無理だと思いますが乗っ取られても困ります
食べないで下さいね)
意識の内からロキが返す言葉にチッと舌打ち

袖口や服の裾からあふれ出した黒い液体金属は
玉虫色の光を放ちながらアノンの身体を包み込んでいく
狼にも似た四足歩行の黒い獣の姿を取ると
邪神へ前足を振りかざし、液体金属で作った爪を振り下ろす
相手の攻撃は野生の勘で回避

「…戻ンのかよ」
銃型魔導兵器の力をUDCに取り込み
最大本数まで発生させた冷気を纏う触手を邪神に向けて打ち込む
「クッ、ハハハ、凍ったら戻せねェよ、なァ?」
削られる理性と戦闘の快楽に溺れ、触手と爪で攻撃し続ける



 とぷり、とぷりと体を波打たせながら立つ、ここを案内したグリモア猟兵と同じ顔をした邪神。
「なんかすっげーピンク色だな。喰えるのか?」
 そんな邪神を見ながら、ぶっきらぼうに聞くのは水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)の表に出ている人格、アノン。
 生き物はすべからく食べ物である、という認識の人格に対し、
(成り代わるらしいですからね。無理だと思いますが、乗っ取られても困ります。食べないで下さいね?)
「チッ、わーったよ。」
 一番の博識である人格のロキからたしなめられ、しぶしぶ邪神へ向き直る。
「ふふ……食べたい、ですか?」
「その気はないようですよ。」
 ニタリと水鏡へ笑顔を向けてくる邪神だが、そちらへ語り掛けたのは霧島・絶奈(暗き獣・f20096)だった。
「それにしても……請求書が届くと言う事は、あなたはアト・タウィルさんの個人情報を正確に把握しているわけですか。」
「ああ、この体のこと。」
 邪神はいかにも楽しそうに、聞かれたことがうれしいかのように答える。
「たまたま頭を覗き込んだだけ……知ったことを書いただけですよ。あるべき姿として、ね?」
「……成り代わりは本当と、放ってはおけませんね。」
「なぁ、やっちまっていいんだろ?」
 水鏡の声に振り向くと、袖や襟元からUDCでもある液体金属が漏れ出している。
 それらが玉虫色の光を放ちながら水鏡を覆い、四つん這いになって狼のごとき姿を取り始めたのを見て、
「ええ、好きなように。」
 霧島も自身の軍勢、屍獣と屍人の群れを呼び出し、そこに紛れて姿を消した。

「ふむ、なるほど。」
 どぷり、と邪神は一気に液体状に溶け、霧島の出した軍勢のようなモノを形どる。
 しかし、それらが動く前に飛び掛かり、爪で引き裂く水鏡。
「おいおい、この程度かぁ?」
 飛び散り、液体と化し、床に流れる赤い邪神。
「ふふ、元気でいいですね。」
「……自身の心配をしたらどうです?」
 楽しそうな声と共に集まり、姿に纏まろうとした邪神を、霧島の声に合わせて屍獣の群れが襲い掛かる。
 成す術もなく食い破られるが……また床に広がった。
「もっとも、物理的な攻撃は効いてるように見えませんね。」
「だったらよォ……。」
 と、水鏡の爪から触手が伸びる。
 真っ白な霧と共に蠢くそれが、銃のように変形した腕から放たれ……邪神に触れると、その部分が凍り付いた。
「……おや?」
「クッ、ハハハ、凍ったら逃げられねェよ、なァ?」
 バキ! グシャ! と凍結させる触手を叩きつけ、爪で砕いてゆく。
 この時の水鏡の思考は破壊衝動に支配されていた。
「いい判断です。」
 固まって動けない邪神だったものを、屍獣たちに喰らいつかせ、屍人たちが槍で貫く。
 だんだん細かく砕けてゆく邪神へ、姿を現した霧島が語りかけ、
「貴女には『自分』という強みが薄い。他者の姿を模倣するだけでは、其れを一番識っている『私』に劣るのは必定です。」
 突然、屍人が水鏡の身体を覆うように動くと……邪神だったものの中心で地雷が破裂した。

 砕けた赤い粉が、宙を舞っている……。
「……終わり、かよ?」
 液体金属は服の下に流れ込み、元の水鏡の姿で辺りを見渡している。
「いえ……まだのようですね。」
 床の一部に、赤い粉が集まり、溜まってゆく。
 それは霧島の目の前で、よく知った人物の姿をとった。
 しかし……、
「今のは、痛かったですよ。」
 先ほどより、サイズが一回り小さくなっている。
「ですが……ふふ、たまにはいいものですね。」
 それでも邪神からは、ニヤニヤとした笑みが消えることはなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
ソロ希望
グロNG
WIZ

他人に化ける相手なら慣れっこよ。
さあ、遊びましょ❤

『リザレクト・オブリビオン』で死霊騎士と蛇竜を召喚。
彼らは私と同じ強さ。技能も使える。
邪神も同様に死霊を召喚するだろうけど
死霊の召喚中、邪神は戦えないし
私に化けてる間は寿命を削る

死霊同士の戦いは【オーラ防御・激痛耐性】や
同じ攻撃で相殺する等で持久戦

邪神が変身解除したら、私も死霊の召喚を解除。
包帯に【属性攻撃】の雷を宿し【ロープワーク・早業】で捕縛。
【電撃耐性】で邪神の胸やお尻を触り【生命力吸収】のキス❤

お世話になってるグリモア猟兵の姿でも
相手をあまり傷つけない私の戦術なら罪悪感は無い

けど、後で顔を合わせにくいのは何故かしら



「ふぅん……本当にそっくりなのね。」
 感心した様子で邪神を見るのは、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)。
 ペロリと舌なめずりをしながら、自身の配下の死霊騎士と蛇竜を呼び出し、
「他人に化ける相手なら慣れっこよ。」
「おや、そうなのですね。」
 ぐしゃりと邪神が液体に変わると、すぐにドゥルールと瓜二つの姿に変化していた。
 不敵な笑みを浮かべながら指を鳴らすと、同じように死霊騎士と蛇竜が現れる。
「では、私も真似をしましょう。」
「真似だけで、倒せると思わないでよね!」
 二人のドゥルールが相手を指さすと、お互いの呼び出した死霊たちがぶつかり合っていた。

「……真似をする、とは聞いたけれど。」
 ドゥルールの目の前で、長い戦いにボロボロになった死霊騎士が、お互いの胸を槍で貫き、消滅していった。
「強さまで、全く同じに真似しなくてもよくない?」
「ふふ……。」
 ニヤニヤとドゥルールの顔で笑う邪神が操る蛇竜も、相手の蛇竜の首へ齧り付きあいながら消滅する。
 それを見て、元の姿に戻りながら、
「同じ技量ならば、長く楽しめるでしょう?」
「……本気で言ってるの?」
 そんな邪神にドゥールはふわりと近づき、手に隠し持った包帯を一瞬で巻きつける。
「が……こ、れは。」
 雷撃を伴う包帯に体を痺れさせた邪神を、ドゥルールはその腕に抱き止め、
「そんなに遊びたいなら、一緒に……楽しみましょう?」
「ひぅ……!」
 邪神の口を塞ぐ、ドゥルールの口づけ。
 身動きの取れない邪神の身体を、生命力を奪う手がまさぐっていった……。

「ふふ……ご馳走様。」
 赤い水たまりに背を向け、ドゥルールは呟いていた。
「お世話になってる人の姿だからどうかと思ったけど、吸収する分には罪悪感はないわね。」
 ちらりと振り返ると、水たまりが盛り上がって人の姿を取ろうとしていたところだった。
 その顔が、ここへのゲートを開いたグリモア猟兵へと変わる……。
「でも……後で顔を合わせにくいのは、何故かしら。」

成功 🔵​🔵​🔴​

大月・嵐
「こ、ここはどこなんだよなぁ!?」
日本っぽいけど桜が咲いてないんだよなぁ!
おかしなことに巻き込まれたんだよなぁ!?

「そういえば謎の場所で請求書の謎の解明を依頼された気がするんだよなぁ!」
油断したら誘拐されたりするけどこれでも探偵の端くれなんだよなぁ!
とっとと犯人を……え、犯行の真っ最中なんだよなぁ!?

な、なんなんだよなぁ!?
粘体系不思議生物なんだよなぁ!?
あれも影朧……え、おぶりび? な、なんなんだよなぁ?
ええい!
此の世に不可思議など有り得ないんだよなぁ!
液体とか触手だってわかれば行動を推理してみきった上で、自分じゃ吸えない謎ハーブをパイプで叩きつけて、液体に混ぜこんで健康被害なんだよなぁ!!



 赤い水たまりから人の姿を取り戻した邪神。
「こ、ここはどこなんだよなぁ!?」
 突如響いた声に振り向くと、幼い少女が外を見て騒いでいた。
「日本っぽいけど桜が咲いてないんだよなぁ! おかしなことに巻き込まれたんだよなぁ!?」
「……あらあら、可愛らしい探偵さん。」
 ずるりと近づく邪神に気が付いた少女、大月・嵐(神の猟奇探偵・f23315)は一気に飛び退る。
 すっかり小さく、大月と同じくらいの背格好の邪神を見て頭を掻きむしり、
「な、なんなんだよなぁ!? 粘体系不思議生物なんだよなぁ!?」
「ふふ、そう見えますか。」
 ずるりと邪神の体の一部が溶け落ちるのを見て、小さく悲鳴をあげる大月。
「そういえば謎の場所で、請求書の謎の解明を依頼された気がするんだよなぁ!」
「請求書? ……ああ、なるほど。」
 邪神の笑みが深くなる。
「あの子は、まだ人でいられたんですね。」
「は、犯人はあんたなんだよなぁ!」
「ええ、その通りですよ。……ふふ、怖いですか?」
 微笑みながら顔を近づけてくる邪神に対し、頭を掻きむしっていた大月は顔をあげる。
 自身に満ち溢れた顔で、懐から煙管を取り出し、
「影朧……ここで打ち取るんだよなぁ!」
「ふふ、面白い子……さぁ、いらっしゃい?」
 腕を広げる邪神へ、殴り掛かっていった。

 正面から一気に駆け寄る大月へ、広げた腕から触手を伸ばして抱き止めようとする邪神。
「体は液体、触手ももってるだよなぁ!」
 左右から押し寄せる触手を届く手前で止まって躱しつつ、持っていた煙管を飲み込ませた。
「おや、残念……あら?」
 邪神の腕が、べしゃりと溶け落ちる。
 煙管を取り込んだ腕から色が変わり……邪神の体を青く変色させていった。
「あらあら……。」
「ふふ、油断したんだよなぁ!」
 距離をとり、勝ち誇った顔で大月が言い放つ。
「あんたは影朧で、体は不思議な液体なんだよなぁ! だったら、自分の持ってる謎ハーブを混ぜてやれば、健康被害で溶けだすんだよなぁ!!」
「ふふ……そのよう、ね。」
 今や、頭しか残っていない邪神。
 青く溶けだした身体を気にせず、笑みを浮かべたまま、
「じゃあ最期に……ここでは、影朧ではなく、UDCって呼ぶといいです、よ。」
 その顔も青くなり、そのまま液体になって溶け広がった。
「あれ、おぶりび……なんなんだよなぁ?」
 色んな呼び名があるんだよなぁ……と思案する大月だけが残されていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『暗黒面・翁の者』

POW   :    儂は暗黒面。儂は翁の者。肉体と狂気の蒐集家。
自身が戦闘で瀕死になると【ホエイプロテイン】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    プレテインに秘められし力こそパゥワァー
【大豆プロテイン】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
WIZ   :    儂は肉体と狂気の蒐集家。これこそ我が蒐集の極地。
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【尻】から排出する。失敗すると被害は2倍。

イラスト:天之十市

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 スポーツジムの床に、邪神が溶けだした液体が広がっている。
「儂は暗黒面、儂は翁の者……。」
 突然声が響いたと思えば、液体が盛り上がり……翁の面を被った人型が立っていた。
「儂は肉体と狂気の蒐集家……。」
 さらに残った液体からも、人型が立ちあがる。
 彼らはポーズを決めながら言い放った。
「儂らの体、プレテインに秘められし力こそパゥワァー!」
カナ・リーアス
【心情】うっわー!なんかお面被った変なオッサンたちが出てきたんだよー!さっきのよりもなんか嫌で気持ち悪いんだよー!!!

【作戦】仲間がいれば連携。「鬼さんこーちら!」と敵を【挑発】しつつできるだけ一か所に集めてそこから【2回攻撃】のヒップドロップをくらわせてやるんだよー!敵の攻撃や無効化されて排出された攻撃は【見切り】でかわすか【衝撃波】で防ぐんだよー!(アドリブ・絡みOK)


霧島・絶奈
◆心情
成る程…
先程の邪神も、その本質は模倣ではなく蒐集でしたか
…であれば、行き着く先は簒奪でしょうか?
何れにしても、倒すだけです
…さあ、私を愉しませて下さい

◆行動
『暗キ獣』を使用し軍勢を展開
波状攻撃による【二回攻撃】で攻撃を通し易く工夫

私は軍勢に紛れ【目立たない】様に行動
【罠使い】の技能を活かし「ワイヤートラップ連動のサーメートと指向性散弾」を設置
設置しつつ【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

ユーベルコードでは無い攻撃の味は如何でしょう?

更に屍者と屍獣は罠や私の攻撃のタイミングに合わせて攻撃
脱力状態を打破し、損害を与え易くします

負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復



「うっわー! なんかお面被った変なオッサンたちが出てきたんだよー!」
「……成る程、先程の邪神も、その本質は模倣ではなく蒐集でしたか。」
 突如周囲に沸きだした暗黒面・翁の者に、若干引きながら叫ぶカナ。
 その後ろでは、霧島が顎に手を当てながら、冷静に分析していた。
「であれば……行き着く先は、簒奪でしょうか?」
「なんにしたって倒しちゃうんだよー! まとめてドーンとやっちゃうよー!」
 パン! と拳を手に打ち付けて言うカナに、
「ならば、援護しましょう。存分に、やりたいように。」
 笑みを浮かべた霧島の周囲に蒼い燐光が散り、屍人の兵が呼び出される。
「さぁ、行くんだよー!」
 槍を構えた屍人たちを引き連れ、カナは翁へと駆け出していった。

「儂らの体こそプレテイン!」
 対する翁は筋肉を誇示するポージングをしながら待ち構えている。
「儂らの肉体、討ちやぶげはぁ!」
「ごちゃごちゃうるさいんだよー!」
 見事なサイドチェストを決めた翁だったが、その面にカナの飛び蹴りが突き刺さった。
 そのまま蹴飛ばして着地するカナを、屍人達はすり抜けて翁を囲む。
「その程度ですか?」
 屍人の槍に貫かれ、持ち上げられる翁の身体だったが……その体がドロリと、白く溶けだす。
「うわぁ……なんか出てきたんだよー。」
「ふっふっふ……儂の身体はプレテインでできている……。」
 ぼたりと面と共に落ちると、また新たな翁となって立ちあがる。
 ……が、足元にいたのは霧島の呼び出した屍の獣たち。
「ちょ、やめ、食べ物ではな……!」
「……食べ物で合っていると思いますよ。」
 ガツガツと食いつかれ、喰われる白い身体……残るのは、面だけだった。

「儂らの体を食べられてはかなわぬ。」
「応、主らを倒すのは儂らだ!」
 惨状を見た翁達が一斉に襲い掛かってくる。
「さて、どうしますか?」
「こういう時はー!」
 姿を消した霧島の声に、カナは翁たちへお尻を向ける。
「鬼さんこーちら!」
 ペンペンと、引き締まった自身のお尻を叩き、翁たちを見ると、
「主の肉体も良さそうだ!」
「プレテインにしてくれよう!」
 挑発に乗った翁たちがカナの方へ駆け出していった。
「ふふ……では、逃げ場を塞ぎましょう。」
 霧島は屍人や屍獣を操り、翁たちを包囲し、まとめていく。
 それに気が付いた翁が方向を変えるが、
「そちらはいけません。」
 ドン! と燃え上がる、テルミットの炎。
 仕掛けられた指向性地雷にかかった翁を、霧島の黒剣が貫く。
「わ、儂の最後っ屁を」
「……させるとお思いで?」
 その時には屍獣に食いつかれ……屁の音がした頃には、燐光を残して霧島の姿は消えていた。

「く、動けぬ。」
 いつの間にか、ほかの翁たちは屍人が構える槍に囲まれていた。
 そんな屍人たちを飛びこえたのは、
「し、尻!」
「ドーン、だよ!」
 翁たちの視界を覆うのは、カナのお尻だった。
 ヒップドロップに翁たちが潰され、ドロリと広がる。
「もういっちょー!」
 すぐに起き上がり、屍人達に持ち上げられ、さらに上からもう一度。
 ベシャリ! と白く溶けだしたモノも、そのまま床に広がり……二度と動き出すことはなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

水鏡・怜悧
人格:アノン
「今度のヤツは…やっぱ、喰っちゃダメなんだよなぁ…」
(そうですね、先程の彼女と同じ…というより此方がオリジナルのように思います)
「クソッ、何か変な動き(ポージング)してるしやり難ィ…」

様子を見つつUC『黒き獣の狂撃』で弱めに攻撃。回数重視で色んな部位やタイミングで攻撃して反応を見る
(何か効いてねェ時がある…のか?効いてるときに一気に仕留めてェけど…)
動きながら液体金属のUDCをマットように薄く伸ばしておく
(変な動きが止まったとき(ポージング中)は当たる…気がする)
野生の勘で力が入った瞬間を見極めて、床に伸ばしたUDCから一気に高圧電流を流す
残ったヤツは前足(UCじゃない)で叩き潰す


大月・嵐
「大腿二頭筋」「半膜様筋」「半腱様筋」ちゃんと意識して鍛えてるんだよなぁ?
ただただ闇雲に鍛えてるだけじゃだめなんだよなぁ!
スポーツ医学に則って効率的に鍛えないと時代遅れなんだよなぁ!
大正が700年積み上げてきた筋肉理論を甘くみてるんだよなぁ!

……え?
大正がそんなに長いわけがない?
訳のわからないことをいうんじゃないんだよなぁ!
大正が終わる訳ないんだよなぁ!

訳のわからないことをいう奴は筋肉が足りてないんだよなぁ!
脳味噌まで筋肉にしないと真の筋肉とはいえないんだよなぁ!

お前みたいな筋肉の足りてない体がパワーなんて不可思議なんて有り得ないんだよなぁ!!
そう、足元の筋肉が疎かすぎるんだよなぁ!!



「今度のヤツは……やっぱ、喰っちゃダメなんだよなぁ……。」
(そうですね、先程の彼女と同じ……というより、此方がオリジナルのように思います。)
 水鏡の表に出ている人格のアノンに、内部のロキが口を出している。
 はぁ……とため息をつきつつ、
「わぁったよ。にしても……」
「『大腿二頭筋』『半膜様筋』『半腱様筋』、ちゃんと意識して鍛えてるんだよなぁ? ただただ闇雲に鍛えてるだけじゃだめなんだよなぁ!」
 そんな横で、幼い少女の大月が頭を片手で掻きながら騒いでいた。
 主にポージングをしている翁に対して、腕はこうだと自身もポーズをとりながら。
「スポーツ医学に則って効率的に鍛えないと、時代遅れなんだよなぁ! 大正が700年積み上げてきた筋肉理論を甘くみてるんだよなぁ!」
「……大正って、そんなに長かったっけか?」
 思わずボソッと突っ込んでしまう、UDCアース出身の水鏡。
 それを聞いた翁たちも反論を始める。
「そうだ、大正は15年で幕を下ろしたのだ!」
「そもそも、90年も前の事をぐぼあ!」
 ……翁の1体が、大月に殴り飛ばされていた。
「訳のわからないことをいうんじゃないんだよなぁ! 大正が終わる訳ないんだよなぁ!」
「……あぁ、そういやそんな世界だっけか。サクラミラージュは。」
 大正期の着物姿で説教をする大月を視界に納めつつ、水鏡の身体が黒い粘液状のUDCに覆われていく。
 黒い狼のような姿に変わり、
「なんでもいいや、てめえらは殺す。」
 水鏡も翁たちへ飛び掛かった。

 翁たちの拳で殴られても大したことはないのだが、
「……なんか、効いてねぇ時があるな。」
 数度、UDCの変化した爪で翁を引き裂いた水鏡が呟く。
 攻撃と共に、足元へUDCの欠片を零れ落とす。
「効いてるときに、一気に仕留めてぇが。」
「ふっふっふ……我らは肉体の収集ごふぅ!」
「足元がお留守なんだよなぁ!」
 小さな体のどこにそんなに力があるのか、大月も体当たりで翁を倒している。
「喋ってる暇があるやつは筋肉が足りてないんだよなぁ! 脳味噌まで筋肉にしないと真の筋肉とはいえないんだよなぁ?!」
「む、無茶をいげぶ!」
 狙っているわけではないのだろうが、大月が投げ飛ばす相手は反論しようとしている者たちで……。
「あいつの攻撃は全部通ってる……。」
 翁の動きを見ていた水鏡はある事に気が付いた。
 翁たちが何かしら体に力を入れている時、攻撃が通っていると。
「なら、やってやろうじゃねぇか。」
 水鏡は床に落としたUDCを、膜のように広げていく。
 翁たちの足元へ伸びるそれに、自身の腕に生やした触手を繋いで機会を待つ。
「だから大正はぐは!」
「お前みたいな筋肉の足りてない体が、パワーなんて不可思議なんて有り得ないんだよなぁ!!」
 翁がポーズをとり、大月が一人に飛び掛かって……今だ。
「痺れやがれ!」
「あががっががが!」
 水鏡の触手から放たれる高圧電流が、残った翁たちの体を襲う。
 黒焦げになったそれらは、二度と動くことはなかった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『四五零『デビルズナンバーわたがし』』

POW   :    悪魔の綿飴(デビルコットンキャンディ)
【体が溶けるほどの甘さの超巨大綿菓子】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    悪魔の飴雨(デビルキャンディレイン)
【巨大な綿菓子を空高く投げること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【綿菓子から降り注ぐ超高温の飴の雨】で攻撃する。
WIZ   :    悪魔の硬飴(デビルハードキャンディ)
【カチコチわたあめモード】に変形し、自身の【フワフワ感】を代償に、自身の【攻撃力、防御力、移動速度】を強化する。

イラスト:ケーダ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は六六六・たかしです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 翁たちを倒し終えると、その屍は液体となって溶けだしていった。
 それらは集まり……ふわふわとした体に変わって宙に浮かぶ。
「あっははは! ねぇねぇ、疲れたでしょ? 甘いもの食べようよ!」
 軽い調子で浮かぶそれは、甘い香りと共に猟兵達を見下ろしている。
 その体は綿菓子でできているようで……。
「ね、君たちも好きでしょ? 甘ーいお菓子!」
 綿菓子を手に生みだし、猟兵達へ押し付けようとしてきた。
カナ・リーアス
【心情】うわー…またあのおっさん達が集まって…なんか可愛くなったんだよ!?しかもなんかいい匂い…前のお祭り(前に参加した依頼)で食べた綿菓子みたいなんだよー…はっ!ダメだダメだ!あいつは他人に成り代わるオブリビオンなんだよー!

【心情】うー…なんか触ったらべとべとしそうなんだよー!ここは斧の出番だー!くらえー!ってアックススラッシュを放つんだよー!敵の攻撃は【見切り】で対処するんだよー!ううう…でもあいつの攻撃美味しそうだからたべちゃいそうになるんだよー…!(絡み・アドリブOK)


水鏡・怜悧
人格:アノン
「喰い応えの無さそうなヤツだな…甘いものより肉が喰いてーんだよ
仕方ねェ…とりあえず殺すか」
「私としては興味深いですけどね。綿菓子型生命体とか内臓はどうなっているんでしょうか」
「邪魔すんなよ」
「ハイハイ、ご随意に」
妖精に意識を移したロキは言葉を返してから上空へ移動する

アノンは黒狼の姿のまま、触手から熱風を起こすと相手を壁に叩きつける
「フワフワしてんなら風圧で潰れンだろ
溶けて壁に引っ付いてろ」

ロキは上空で待機し、綿菓子が投げられたらUDCの触手(妖精の羽を変形)で叩き落とします
撃ち漏らしはアノンに合図して氷属性で冷して貰います
「溶けた飴よりマシでしょうから当たっても適当に耐えて下さい」



「うわー、さっきのおっさん達が集まって、なんか可愛くなったんだよ!?」
 ふわふわと浮かぶ綿菓子の少女に、カナは改めて身構える。
「しかもなんかいい匂い……前のお祭りで食べた綿菓子みたいなんだよー。」
「あっははは! 綿菓子好きなんだね!」
 ケラケラと笑いながら、少女の手に綿菓子が出来上がっていくのが見える。
 砂糖の溶ける甘い匂いに、口にたまる唾を呑み込み、
「……はっ! ダメだダメだ! あなたは他人に成り代わるオブリビオンなんだよー!」
「ふっふふ、よくわかってるじゃない……きゃっ!」
 と、少女の横から黒い狼のような影が飛び掛かる。
「あっぶないわねー?」
「……喰い応えの無さそうなヤツだな、甘いものより肉が喰いてーんだよ。」
 ふわりと避けられるが、水鏡は構わず少女の動きを見ていた。
「仕方ねェ……とりあえず殺すか。」
「私としては興味深いですけどね。綿菓子型生命体とか内臓はどうなっているんでしょうか。」
 よく見ると、水鏡の後ろに妖精のようなものが飛んでいる。
 内部人格のロキが動かして喋るそれに、表に出ている人格アノンは舌打ちしながら、
「邪魔すんなよ。」
「ハイハイ、ご随意に。」
 ふわりと飛んでいく妖精。
「ふっふふ、変わった子達ね!」
 そんなやり取りを見ていた少女は、手に綿菓子を生み出していた。
 そのまま、ふわりと甘そうなそれを投げつけてくる。
「さぁ、召し上がれ!」

「いらねーって言ってるだろうが!」
 水鏡の呼び出した妖精が触手を伸ばし、叩き落とす。
 その隣でカナは斧で綿菓子を斬り落とそうとするが……べたりと張り付いていた。
「わーお、べったべたなんだよー。」
「そりゃそうだろ……。」
「あっははは! 食べてもいいのに!」
 そんな様子を見て笑っている少女に向け、一気に駆け寄るカナ。
「あなたを斬ってからにするんだよー!」
「そう簡単に……あら?」
 ふわり……と風に流されるように飛ぶ少女。
「あらあらあら?」
「フワフワしてんなら風圧で潰れンだろ、溶けて壁に引っ付いてろ。」
 水鏡の腕から生えた触手が放つ熱風に、綿菓子の身体は溶けて固まり……そのまま壁に張り付いた。
「え、まってまって!」
「ぶったぎってやるんだよー!」
 ドスン! と後ろの壁が壊れるほどの威力で斧を叩きつけられ、少女は腹の辺りで両断されていた。

「ほう、これは……なるほど、こうなって」
「おい、いつまで見てるんだよ。」
 興味深そうに切断面を見ている妖精を、水鏡は掴み上げる。
「はは、なかなか興味深い構造をしていましてね。」
「甘ーい!」
 声に振り向けば、斧についた綿菓子を口に入れたカナの姿があった。
「なにこれ、すっごく甘いんだよー!」
「……そんなにか?」
「うん、すっごいんだよー!」
 幸せそうに齧っているカナ。
 ……辺りには、鼻腔をくすぐる甘い香りが漂っている。
「一口くらい、いいか。」
「あっははは! 一口でいいの?」
「そりゃ、美味ければ丸呑みに……おお?」
 切断面はそのままに、綿菓子の少女が浮いていた。
「ちっ、まだ死なねえか。」
「うふふ、まだ倒れる訳にはいかないかな。もっと楽しみたいし!」
 ふわりと浮かぶ少女……その手には、新たな綿菓子が浮かんでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

大月・嵐
やっぱり影朧……おぶりび? はわかってないんだよなぁ?
筋肉のためには炭水化物じゃなくてタンパク質とアミノ酸なんだよなぁ!!
プロテイン飲んでたさっきのやつの方がまだ見所があったんだよなぁ!!

でっかい綿菓子?
綿菓子は縁日で食べているとベトベトになって怒られるんだよなぁ!
洗うのも大変だし一口で満足なんだよなぁ!
こんな大きい綿菓子だなんて不可思議はありえないんだよなぁ!!
相手が広範囲で攻めてくるならどこか薄いところがあるんだよなぁ!
一点突破で突き破っておにぎりの素晴らしさを叩き込むんだよなぁ!

綿菓子は一口でいいけどおにぎりはいくらでも食べられるんだよなぁ!
おにぎり最強だよなぁ。
え、タンパク質だよなぁ?



「やっぱり影朧……おぶりび? はわかってないんだよなぁ……。」
 頭を掻きながら呟く大月を見て、綿菓子の少女はふわりと近づき顔を覗く。
「何が解ってないのかな?」
「筋肉のためには炭水化物じゃなくてタンパク質とアミノ酸なんだよなぁ!! プロテイン飲んでたさっきのやつの方がまだ見所があったんだよなぁ!!」
 びしっ! と指さして叫ぶ大月に一瞬きょとんとする少女。
 そのまま腹を抱えて笑い出し、
「あっははは! 私は筋肉には興味ないわよ! それより……。」
「な、なんなんだよなぁ!?」
 にじり寄ってくる少女に後退る大月。
 少女は大きな綿菓子を生み出し、それを大月の顔に叩きつけようとしてくる。
「甘ーいもの、食べましょ?」
「い、いらないんだよなぁ!!」
 追いかけっこが始まった。

「綿菓子は縁日で食べているとベトベトになって怒られるんだよなぁ! 洗うのも大変だし一口で満足なんだよなぁ!」
「そんなこと気にしなくてもいいじゃない?」
「気にするのは自分であんたじゃないんだよなぁ!?」
 ガリガリと頭を掻きながら逃げる大月。
 相手は大きな綿菓子を武器に近づいてくる、服は汚したくはない……。
「こんな大きい綿菓子だなんて不可思議はありえないんだよなぁ!! 相手が広範囲で攻めてくるならどこか薄いところがあるんだよなぁ!」
「ふっふふ、まだ反撃しようなんて考えてるんだぁ。」
「あったりまえ……」
 と、大月は言葉の途中で一気に体勢を低くする。
 急に大月が少女の視界から消え、
「あら、転んじゃった?」
「隙ありなんだよなぁ!!」
「きゃあ!」
 ふわりと大月の上を通り過ぎた少女を、下から突き上げ、投げ飛ばす。
「綿菓子は一口でいいけどおにぎりはいくらでも食べられるんだよなぁ! おにぎり最強だよなぁ。」
「ま、待ちなさいよ!」
「なんなんだよなぁ?」
 壁に叩きつけられた少女が抗議の声をあげている。
「タンパク質とアミノ酸はどこ行ったのよ!?」
「え、タンパク質だよなぁ?」
「おにぎりも炭水化物でしょ!?」
「わけのわからないことを言うんじゃないんだよなぁ!?」
 少女と大月の言い合いは、終わる気配がなかった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

霧島・絶奈
◆心情
確かに疲れている時は甘い物が良いですね
…とはいえ、その疲れる要因が貴女ですから、排除する方が結果として疲労が軽減されます
ですので、大人しく倒されて下さい

◆行動
<真の姿を開放>し『暗キ獣』を使用
屍者の槍衾と屍獣の遊撃で敵を包囲
【範囲攻撃】で敵の移動力を殺します

私は軍勢に紛れ【目立たない】様に行動
【罠使い】として持ち込んだ「魔法で敵を識別し起爆する指向性散弾とサーメート」を設置
軟らかいままならば効果も薄かったでしょうに…
態々硬質化してダメージを底上げしてくれるのですから御苦労様です

設置しつつ【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復



「確かに、疲れている時は甘い物が良いですね。とはいえ……、」
 ふわふわと浮かぶ綿菓子の少女を見ながら呟く霧島。
 口元に浮かぶ笑みを濃くし、
「その疲れる要因が貴女ですから、排除する方が結果として疲労が軽減されます。」
「へぇ、そうなんだ。うっふふふ、そう簡単にやられないけどね!」
「おそらくそう言うだろうと、思っていました。」
 蒼白い燐光を浮かべながらニコリと微笑むと、霧島の足元に広がる魔法陣。
 黒い輝きを放つそれから浮かび上がる、屍人と屍獣の群れ……。
「力づく、といきましょう。抵抗しても構いませんが、大人しく倒されて下さい。」
「させないんだから!」
 すっかり周りを取り囲む群れを見渡しながら、少女は自身の体を硬く変えていった。

「とりゃー!」
 少女が硬くなった体で地面に降り立ったかと思えば、近づく屍獣を蹴り上げ、屍人の槍を手で捌いている。
「ふむ、硬くなるだけかと思えば……。」
「あっははは! どう? これが私の実力、よ!」
 いつの間にか群れに紛れて姿を消した霧島の感心したような声に、槍を持つ屍人を殴りつけて得意げに返す少女。
「数で勝てると思わないでよね!」
「ええ、認識を改めましょう。ですが、」
 と、少女が次の屍人へ殴り掛かろうと踏み込んだ瞬間。
 炸裂音と共に、燃え上がる散弾が少女の体を襲った。
「きゃああ!」
「元々、彼らだけで勝とうとは思っていませんので。」
 吹き飛ばされた少女の先に立っていた霧島。
 その手には刑の執行を現す黒剣が握られ、横へ避けつつ少女を斬り捨てる。
「軟らかいままならば、効果も薄かったでしょうに……態々硬質化してダメージを底上げしてくれるのですから、御苦労様です。」
「う、うう……。」
 霧島が振り返ってみれば、硬い身体のまま床に転がる少女の姿があった。
 ただ、うめき声をあげるばかり。
「後の方に任せましょう。それでは、さようなら。」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘NG
グロNG
SPD

あら、それが貴女の正体?
他人の姿を借りなくても可愛いじゃない❤
それに、私も甘いものは好きよ。気が合いそうね♪

真の姿で背中に黒炎の翼を生やし【空中戦】
守護霊の憑依【ドーピング】で更に戦闘力を高め
降り注ぐ超高温の飴に【オーラ防御・火炎耐性・気合い】で耐え
『無情なる刻』で11.4秒の時間を止めて接近

甘いキャンディを有難う♪
お礼に、もっと甘くて美味しいものをあげる。
それは……永遠の愛よ❤

【誘惑・催眠術】で魅了し
抱きしめて唇を奪い【生命力吸収】
身も心も蕩けさせるわ

うふふ、ご馳走様♪
私の中で永遠のスイーツタイムを堪能して頂戴。
きっと貴女も気に入るわ❤
(愛おしそうに自らの胸を撫でつつ)



「うぅっ……今日は散々」
「あら、それが貴女の正体? 他人の姿を借りなくても可愛いじゃない♪」
 明るく話しかけてくる声に、やっと立ちあがった少女が顔を向ける。
 ぺろりと舌なめずりをするドゥルールに、少女は身構えて手に綿飴を生み出す。
「ち、近寄らないで!」
「ふふふ、そんなに警戒しなくてもいいじゃない……。」
「こ、この!」
 少女が綿飴を掲げると、そこから放たれたのは熱く溶けた飴。
 雨のように降り注ぐ中、ドゥルールは歩みを止めず……大半は体に纏うオーラに弾かれるが、その頬に飴がぽつりとついた。
 指ですくい、口に運び、
「それに……私も甘いものは好きよ。気が合いそう、ね♪」
「……え!?」
 ドゥルールはそういった時……少女の視界から、その姿が消えた。

「甘いキャンディを有難う♪」
 その声が後ろから聞こえたと思えば、一気に抱き着かれる少女。
「い、いつの間に!」
「ふふふ、逃げなくてもいいじゃない? ね、力を抜いて。」
「む、むぅ……!」
 顔を触る手に導かれるままに横を向けば、柔らかい感触に唇を塞がれる。
 強張る少女の体は、少しずつ柔らかくなっていく。
「お礼に、もっと甘くて美味しいものをあげる。」
「もっと……?」
「ええ、それはね……」
 言葉を紡ぐドゥルールの腕の中で、少女は身を任せるばかりになっていた。
「永遠の愛よ♪」
 少女の唇が、また塞がれていく……。

「うふふ、ご馳走様♪」
 気が付けば、この場にいるのはドゥルールのみ……。
 自身の胸を撫でながら、
「私の中で永遠のスイーツタイムを堪能して頂戴。きっと貴女も気に入るわ♪」
 慈愛の表情で、呟いていた。

 こうして、一つの事件が幕を下ろした。
 甘い綿菓子の香りを漂わせたまま、このスポーツジムはひっそりと閉鎖され、人々の記憶から消えていくだろう。
 後日、そんな跡地を一人の女性が見上げ、呟きを残して去っていく
 ……次は何をしましょうか。
 あの人とか……面白そう、ですね?

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年11月04日


挿絵イラスト