●憎悪の侵攻
暗く垂れこめる曇天の元、老人は一人、荒野を彷徨い歩く。
その眼差しは静かな狂気を帯び、全身から立ち込める暗いオーラは殺戮の意志に満ちている。
でありながら、老いてなおかくしゃくとした足取りに迷いはなく、あらゆる仕草の芯には威厳が鎮座し、その存在感をして、見る者を圧倒して憚らぬ。
「……我が領地、我が統治、我が人民……」
口許から零れる独白には、人ならざる超越者の響きと人間らしい情念が、渦巻くように共在していた。
「……我が、憎悪……!」
世界を滅ぼさんばかりの意志で睨み上げる視線の先には、数多の篝火を焚き、不可思議な光球に彩られて暗い景色に浮かび上がる、白亜の都市が鎮座していた。
●グリモアベース:ゲネ
「招集に応えてくれて感謝する! 今回はダークセイヴァー、吸血鬼同士の大喧嘩勃発だ!」
ゲネ・ストレイ(フリーダムダイバー・f14843)は二枚のホロモニターを展開すると、それぞれに別のオブリビオンの姿を映し出した。
一人は神性な輝きに彩られた異国風の優男、一人は威厳溢れる騎士の如き老人。
「若いほうは『異端なる太陽神仰の寵児』。現在、ヴァイスゾンネと自称する領地を支配しているオブリビオンだ」
元は正真正銘の博愛主義者。が、オブリビオンとなって以降は博愛がひん曲がり、愛する見返りに命を求めるようになった、非常に歪んだ男である。
「老人のほうは『吸血大公』ヴラド・レイブラッド。同胞すら数多く葬って支配域を広げ、吸血鬼らしく人間に対して厳しい統治を強いていた、厳格な最上位の吸血鬼だ」
『同族殺し』はダークセイヴァーのオブリビオンに最も忌み嫌われる存在である。ヴラド・レイブラッドに何があって狂気に堕ち、同胞たるオブリビオンに牙を剥くに至ったのかは一切不明だ。
が、これは猟兵にとっては好機でもある。
「同族殺しの侵攻を利用して、『異端なる太陽神仰の寵児』と『吸血大公』ヴラド・レイブラッド、両名とも討ち取る! 普段なら手を出しにくい強大な敵を、それも二体、まとめて撃退するチャンスだ!」
厳重に警備された領主の館を、ヴラド・レイブラッドが正面から強襲する。その混乱に乗じて、猟兵たちもまた館の内部に侵入し、警備のオブリビオンたちを蹴散らしていくのだ。
館の最上階にたどり着くと、玉座の間にて、領主である『異端なる太陽神仰の寵児』との三つ巴の戦いとなる。
ここで猟兵が狙うべきは『異端なる太陽神仰の寵児』だ。そうすれば『異端なる太陽神仰の寵児』は猟兵とヴラドの双方を相手取るほかなくなる。一方ヴラドは基本的に『異端なる太陽神仰の寵児』しか攻撃しないが、猟兵が邪魔だと判断すればそれなりの排除行動をしてくるだろう。
『異端なる太陽神仰の寵児』を撃破したあとは、そのままヴラド・レイブラッドとの戦いとなる。
「ヴラド・レイブラッドは相当な手練れだが、ここまでの戦いでかなり消耗している。戦って勝てない敵じゃない。……それに、仇敵を倒した後なら、多少なりと外部からの言葉も通じるかもしれない」
場合によっては無血で撃退できる可能性もある。
しかしそのためには、彼が狂気に堕ちた経緯や事情を知らねば、どんな言葉も届かないだろう。
「吸血鬼にも吸血鬼なりの事情というやつがあるらしい。その辺は彼の様子を観察して推測するしかないだろうな。『異端なる太陽神仰の寵児』を狙ったからには、ヤツやこの領地が無関係ということもないはずだ」
ヴラドが警備のオブリビオンたちを蹴散らしている時、そして『寵児』と対峙している最中、ヴラドの言葉に耳を傾けてみるといい、とゲネは転送術式を展開した。
「さあ、準備が出来次第、ダークセイヴァーに出発だ! 存分に戦い、そして、狂気の同胞狩りを供養してやってくれ!」
そらばる
ダークセイヴァーにて、オブリビオン同士の衝突が勃発。
混乱に乗じて両勢力とも撃退してしまいましょう!
●第一章:集団戦『レッサーヴァンパイア』
後天的に吸血鬼として蘇った元人間。
生前の記憶はあるものの人間性はすでに喪失しており、人間の血を啜ることを喜びとしています。
『吸血大公』ヴラド・レイブラッドが領主の館に攻め込むので、それを利用する形で館の内部に侵入し、大量のレッサーヴァンパイアたちを蹴散らします。
レッサーヴァンパイアは個々は大した戦力ではありませんが、物量をもって非常に堅固な警備体制を敷いているため、このような状況でなければとても突破できません。
●第二章:ボス戦『異端なる太陽神仰の寵児』
命ある全てを愛した男がオブリビオン化したことでその博愛精神は歪み、全てを愛する見返りに全ての命を求めるようになりました。
太陽神に姿を変えて自分の力を強化したり、太陽を模した小球による炎や、全方位への放射光などで戦います。
館が襲撃されても逃亡せずに、余裕綽々で待ち構えています。
最上階の玉座の間にて戦います。
ヴラド・レイブラッドと猟兵の双方を攻撃します。
ヴラドは、戦いの邪魔さえされなければ、猟兵を攻撃することはありません。
●第三章:ボス戦『『吸血大公』ヴラド・レイブラッド』
狂気に堕ちた吸血鬼。
元は非常に厳しい統治者でした。
強力な魔力の持ち主で、魔力を注いだ大剣での攻撃、魔力を込めた視線での重力攻撃、魔力のオーラでの戦闘力増強、などを用います。
ここまでに消耗しているので、普通に戦っても十分勝てます。
狂気を鎮めるよう説得してみるのもありですが、狂ってしまった理由をきちんと把握していないと難しいでしょう。
ものすごく上手くいけば無血で撃退できるかもしれません。
執筆の進捗やプレイング締め切りなどは、マスターの自己紹介ページで呟いております。目安にどうぞ。
それでは、皆さんの自由なプレイングをお待ちしています!
第1章 集団戦
『レッサーヴァンパイア』
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POW : 血統暴走
【血に飢えて狂乱した姿】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : ブラッドサッカー
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【レッサーヴァンパイア】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
WIZ : サモンブラッドバッド
レベル×5体の、小型の戦闘用【吸血蝙蝠】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
イラスト:慧那
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●ヴラド強襲
爆発は、館の正面で発生した。
硬く閉ざされていた鉄の門扉が原型をとどめずにひしゃげ、煙を上げている。
もうもうとした煙が退いたそこに立っていたのは、振り抜いた大剣を静かに下ろす黒衣の老人。
『吸血大公』ヴラド・レイブラッドである。
狂気にまみれて血走った眼差しに映るのは、数多のレッサーヴァンパイアたち。容姿も年齢も性別も様々だが、共通して病的なまでに色素が薄く、瞳はあり得ないほどに赤く濁っている。
人でなき存在へと転化した烙印のように。
「お久しゅうございます、ヴラド様」
「ようこそいらっしゃいました」
「ですが、我が館の主は貴方様を歓迎いたしません。お帰りを」
レッサーヴァンパイアたちはうっすらと笑みを刷きながら、続々とヴラドの前に立ち塞がる。
ヴラドの口許は閉じ結ばれたまま。
……いや、うっすらと何かを呟いた。
「……我が民、我が城、我が誠……」
繰り返されるうわごとの意味はわからない。
もはや言葉が通じないと判断し、レッサーヴァンパイアたちが統制のとれた隊列を組んで身構える。
「お帰りいただけないのならば」
「我等全力でお相手致しましょう」
ヴラドは再び口を閉じ結び……きつく噛み締めたその口の端から、真紅の血を一筋流した。
次の瞬間、
「────愚か者どもがァァァッ!!」
腹の底から響く恫喝がレッサーヴァンパイアたちを打ち据えた。
振り抜かれる魔剣、炸裂する魔力。白いヴァンパイアたちが紙のようにあっさりと薙ぎ倒されていく。
ヴラドの強襲が始まった、今こそ好機。
猟兵はこの混乱に乗じて館に乗り込み、大量のレッサーヴァンパイアたちを蹴散らすのだ……!
レン・デイドリーム
アドリブ連携歓迎
館に着いたらまずは【呪詛】を乗せたUCで戦士の霊を召喚
ヴラドが暴れるのに合わせて戦士の霊にヴァンパイア達を攻撃させよう
蝙蝠を出されたなら纏めて炎で燃やしてしまってね
その時にヴラドは巻き込まないように
彼を今怒らせても何の得にもならないからね
彼の動向にも注意を払いつつ
そして僕も【衝撃波】で加勢しよう
弱っているヴァンパイアがいたら話を聞いてみるのもいいかな?
【恐怖を与える】ように脅しつつ、ヴラドについて知ってる事を聞いてみよう
君達は彼の事を知ってるようだけど、どういう関係だったのかな?
君達の主と知り合いなのかな?
知ってる事は何でも教えて欲しいな
だからってやる事は変わらないんだけど
フォルク・リア
ヴラドの戦闘の様子を遠目に身ながら。
「確かに戦い方は狂気と言って良いが。
あの強さは本物だ。
あれで消耗していると言うのだから
真面に相手をしていたらと思うとゾッとしないね。」
此処で強敵の首を二つ取れるなら好機だけど。
罷り間違って同時に敵に回したら
好機が裏返って危機になる。慎重に事を進めないとな。
戦場全体を見てヴラドの手の回らない部分で
猟兵の侵攻妨害となる箇所の敵を優先して攻撃するべく
真羅天掌を使用し発火属性の濃霧を発生させる。
レッサーヴァンパイアや召喚蝙蝠を燃やし
別の敵にも燃え移らせ効率的に被害を拡大させる。
ヴラドには近づきすぎない様に注意しつつ
戦い方等様子はよく観察し今後の戦闘や対話に備える。
●ヴラドの怒り
大剣が奔り、魔力が蹂躙し、白いヴァンパイアたちがあっけなく吹き飛ばされていく。
「なるほど大した力だ。悪いけど利用させてもらうよ」
館に駆け付けたレン・デイドリーム(白昼夢の影法師・f13030)は即座に古代の戦士の霊を召喚した。
禍々しい呪詛を帯びた甲冑姿の戦士は、ヴラド・レイブラッドの動きに追随する形で、ヴラドが討ち漏らした者、死角から襲い掛かろうとしてくる者どもを、槍で的確に突き殺していく。大量に召喚される吸血蝙蝠は炎でまとめて焼き払う。
「ヴラドは巻き込まないように。彼を今怒らせても何の得にもならないからね」
主の意図に従って器用に立ち回る戦士に加勢して、レン自身も衝撃波を放ち群がる吸血鬼たちを薙ぎ倒していった。
レンと戦士の的確かつ堅実な立ち回りに対して、ヴラドの攻勢は己の身を顧みぬ苛烈さだった。堅固な陣を敷く吸血鬼たちに正面から踏み込み、問答無用でねじ伏せる。戦力差は圧倒的、しかし徐々に積み重なる消耗が無視できない水位に到達するのも、時間の問題のように思われた。
「確かに戦い方は狂気と言って良いが」
ヴラドの戦いぶりを遠目に見定め、フォルク・リア(黄泉への導・f05375)は目深に素顔を隠したフードの下で小さく呟く。
「あの強さは本物だ。あれで消耗していると言うのだから、真面に相手をしていたらと思うとゾッとしないね」
ここで強敵の首を二つとれるならば、またとない好機。
が、罷り間違って同時に敵に回せば好機が裏返って危機にもなろう。事は慎重に勧めねばならない。
「大海の渦。天空の槌。琥珀の轟き。平原の騒響。宵闇の灯。人の世に在りし万象尽く、十指に集いて道行きを拓く一杖となれ」
フォルクは上向かせた掌に力を収束させる。混ぜ合わせる属性は『発火』、自然現象は『濃霧』。
掌中に、ぼう、とあえかな炎が立ち昇った瞬間、濃霧がレッサーヴァンパイアの後方陣営を包み込んだ。
「……!?」
「これは一体……」
ヴラドと猟兵たちの進路上に集結しつつあった吸血鬼たちに、困惑が瞬く間に伝播し──次の瞬間、陣営が一気に発火した!
阿鼻叫喚に包まれる戦場。レッサーヴァンパイアも召喚蝙蝠も皆まとめて発火し、炎は次から次へと燃え移り、敵陣を瞬く間に業火へと叩き落としていく。
吸血鬼たちの絶叫が鼓膜を打ち、炎の中に踊る影がその苦しみを網膜に焼き付ける。
魔剣を振るうヴラドの表情に、なんとも言えぬ悲壮の翳が落ちるのを、猟兵たちは目撃する。
「……奴の甘言に安んじた者の、これが末路か。これが罰、相応の報い……」
大剣に流し込まれる魔力がさらに高まる。己の手を傷つけるほどに。
「認めぬ……認めはせぬぞ! たとえ因果が報じた末路だとしても、かように無益な命の浪費を、儂は認めん……!」
より精強に振るわれる大剣。破竹の勢いで薙ぎ倒されていく吸血鬼たち。
フォルクは濃霧を暴走させぬよう制御に注力しながらも、ヴラドのうわごとに耳を傾け思案する。
「命の浪費……レッサーヴァンパイアたちの死に怒っている……?」
自分から襲撃をかけておいてその物言いとは、いかにも狂人らしい支離滅裂さを感じぬでもないが……あるいは、これが狂気に堕ちた理由なのだとしたら……?
「ふむ」
フォルクの推測を片耳に、レンは向かってくるレッサーヴァンパイアの一群を衝撃波で打ち据えた。床に叩きつけられつつ、辛うじて命と意識があるらしい青年の個体に歩み寄り、その襟首を掴んで顔を近づける。
「う……っ」
「君達は彼の事を知ってるようだけど、どういう関係だったのかな?
君達の主と知り合いなのかな? 知ってる事は何でも教えて欲しいな」
「ヴ、ヴラド様は……っ」
笑顔で威圧され、恐怖にあっさりと屈した青年ヴァンパイアが口走る。
「ヴラド様はこの地の元領主様だ……っ、『異端なる太陽神仰の寵児』様に領主の座を追われたのだと聞いている! 俺たちはお優しい『寵児』様のおかげでヴラド様の圧政から救われたんだ……!」
「へえ。元領民ってことね」
「ほ、本当だ、それ以上のことは知らな──」
皆まで言わせる必要も感じず、レンはあっさりと衝撃波で追い打ちをかけて物理的に黙らせた。
口を滑らせてくれたからといって、やることは変わらない。たとえ相手が元人間だったとしても。
「そうか、レッサーヴァンパイアは後天的に吸血鬼として蘇った元人間という話だったね。「甘言に安んじた者」か……少し見えてきたかな」
フォルクが呟き、レンも頷く。
「となると、領主を追われた具体的な経緯を知りたいもんだけどね。これ以上は下っ端に訊いても無駄かな」
ヴラドの怒れる背を、二人の眼差しが探るように静かに見つめた。
大成功
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フレミア・レイブラッド
お父様…嘗てのお父様とは思えない程、見る影も無い様ね…。
娘として、ここで止めさせて貰うわ
【虜の軍勢】で過去の依頼で魅了し眷属とした戦闘系の眷属達(雪花、エビルウィッチ、邪悪エルフ、ハート・ロバー、異国の少女剣士、黒い薔薇の娘たち、ジョーカー、レッサーヴァンパイア、猫又)を召喚。レクスも呼んで眷属達と共に敵の軍勢の相手をするわ。
眷属達には互いの能力を活かし、連携しての戦闘を指示。父様に巻き込まれない様、無理はしないようにさせるわ。
自身は敵の動きを【念動力】で封じつつ、魔槍による【怪力、早業、串刺し】での一撃や炎や氷魔力弾【属性攻撃、誘導弾】で敵や蝙蝠達をなぎ払い始末しながら進んでいくわ。
●父と娘
フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)は累々と吸血鬼の屍が転がる館の廊下を駆け抜けた。
無残に、一切の容赦もなく築かれたとわかる死体の山に、やるせない呟きが零れる。
「お父様……嘗てのお父様とは思えない程、見る影も無い様ね……」
大量に放出される魔力と戦いの騒擾を追いかけて到達した廊下の先に、ようやく求めていた人影を見いだした。
『吸血大公』ヴラド・レイブラッド。
紛れもない、フレミア・レイブラッドの父親だ。
「…………!」
お父様。娘が父を呼ぶ声は、音にならずに唇を空転させた。
父が命を蹂躙している。獣の如く、魔物の如く。血走った瞳にはもう、フレミアの姿は映っていない。
フレミアは唇を噛み締め、静かに拳を固めた。
「……娘として、ここで止めさせて貰うわ」
小柄な身体の周囲に、たちまち数多の影が立ちのぼり実体を成していく。雪花、エビルウィッチ、邪悪エルフ、ハート・ロバー、異国の少女剣士、黒い薔薇の娘たち、ジョーカー、レッサーヴァンパイア、猫又。いずれも過去の依頼で魅了し、麾下に加えた眷属たちだ。
さらに。
「行くわよ、レクス」
最後に呼び出されたワイバーンの仔竜が先陣を切って勢いよく戦場へと突っ込み、羽ばたきで発生したつむじ風で吸血鬼の群れを蹂躙した!
仔竜に続き、一斉に戦線へと身を投じる眷属たち。各々の個性と能力を活かして緊密な連携を取りながら、多種多彩な攻撃で有象無象の吸血鬼たちを打ち倒していく。
「無理はしないで、周囲をよく見て。……父様の攻撃に巻き込まれないように」
的確に指示を飛ばしながら、フレミア自身も吸血鬼たちを念動力で縛りつけ魔力の弾丸を撃ち込む。炎や氷が敵陣で爆ぜ、蝙蝠たちを打ち落とし、敵群を薙ぎ倒していく。
「──グガァッ!!」
気を失っていたレッサーヴァンパイアの一体が、関節のよじれた不気味な動きで突如起き上がり襲い掛かってきた。
フレミアは冷静に意識のない襲撃者を魔槍で貫くと、返す刀ならぬ槍で、同胞を囮として操り背後から襲い掛からんとしていたレッサーヴァンパイアを串刺しにした……!
短い悲鳴を上げて絶命した吸血鬼をすげなく横に振り捨て、フレミアは前を見る。
「このまま、進むわ」
その両眼に映るのは、ヴラド・レイブラッド、ただ一人。
大成功
🔵🔵🔵
杼糸・絡新婦
ヴラド・レイブラッドには攻撃しないよう注意し、
距離をあるていどあけて行動する。
錬成カミヤドリで鋼糸を召喚、
撃ち漏らしやこちらに向かってくる敵を
絡みつくようにして攻撃していく。
【フェイント】を入れて行動し、
先に拘束したり倒した【敵を盾にする】ことで、
他の敵の攻撃を防ぐ。
しかしあれやな、お話聞く限り、
領主が変わってから領民は
オブリビオンになったんやろ、
・・・で、今幸せ?
すまんけどオブリビオンは
基本的に倒すのが猟兵やからなあ。
リーヴァルディ・カーライル
…ん。私を非力な獲物と見ているのね。
お前達もかつては同じだったというのに…。
…如何なる事情があるにせよ、
人ならざる者となったお前達を見逃すつもりは無い。
…ここがお前達の終の地よ、吸血鬼。
事前に目立たない一般人程度まで弱体化する【血の鎖錠】を発動
吸血鬼化した自身の生命力を吸収して存在感を消す事で、
外部に漏れる怪力やオーラを防御して力を溜める
…封印解放。吸血鬼狩りの業を知れ。
戦闘と同時に弱体化を解き残像が生じる速度で突撃
第六感が同族殺しの殺気を捉えたら離脱するように警戒する
今までの戦闘知識を基に攻撃を暗視して紙一重で見切り、
呪詛を纏う大鎌をなぎ払い傷口を抉るカウンターを行う
…消えなさい。永遠に…。
●人ならざる、人だった者たち
前方を行くヴラドの進撃は、もはや瀑布の如き勢いでレッサーヴァンパイアを薙ぎ倒していく。
「ふむ、今は触らんでおくのが賢明やな」
杼糸・絡新婦(繰るモノ・f01494)はヴラドと一定の距離を置きながら、マイペースな足取りで戦場を闊歩した。
その手に閃くのは、ヤドリガミとしての本体を模した、幾本もの鋼の糸。
「鋼糸【絡新婦】いざ、参るてな」
横合いの廊下から飛び出してくる吸血鬼たちを、ヴラドの討ち漏らしを、自由自在に宙を疾る鋼糸が絡めとり締め付けていく。
次々に平らげられていく自陣に、吸血鬼たちにもいよいよ焦りが見える。
「くっ、ヴラド様だけでも厄介なのに、漁夫の利狙いの猟兵どもが──……?」
吸血蝙蝠に紛れながら鋼糸を掻い潜った女性レッサーヴァンパイアが、猟兵の後陣に目を見開いた。
淡々とした足取りで歩み寄る少女が一人。場違いなほどに目立たず、吹けば消えそうな存在感の、どう見ても一般人でしかない佇まい。
なぜここにいるかは知らないが、侵入者の仲間である可能性は極めて高い。そうでなくても猟兵は一般人の犠牲をよしとはしまい。ならば……!
「──動くな!!」
女吸血鬼は巧みに少女の背後に回り込んで、少女を羽交い締めにすると、猟兵たちへと声を張り上げた。鋭く研ぎ澄まされた爪が、少女の喉に突きつけられている。
「動けばこの女の喉を掻き斬──」
「……ん。私を非力な獲物と見ているのね。お前達もかつては同じだったというのに……」
唐突な呟きは、腕の中の少女のものだった。女吸血鬼は思わず少女に視線を落とした。
少女の──リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)の静かな眼差しが、見透かすように見つめ返してくる。
「……如何なる事情があるにせよ、人ならざる者となったお前達を見逃すつもりは無い。……ここがお前達の終の地よ、吸血鬼」
「何を言、って……」
女吸血鬼がじわりと顔色を変える。
こうして間近に目を凝らせば、ぼんやりと視える。ただの一般人にしか見えなかった少女の内側に、押し込められるように滞留しているオーラが……
「……封印解放。吸血鬼狩りの業を知れ」
リーヴァルディは、ユーベルコードの最終段階を解放した。
抑圧されていた力がはち切れんばかりに少女の肉体からあふれ出した!
オーラと怪力が女吸血鬼を敵陣へと弾き飛ばし、リーヴァルディの肉体もまた残像を置き去りにして凄まじい速度で敵陣へと突撃する。同族殺しの振るう魔剣はその殺気を頼りに、吸血鬼たちの攻撃は蓄積してきた戦闘知識と視力を駆使して、何もかも紙一重で躱しながら、呪詛纏う大鎌が大きく振り上げる──
投擲武器の如く自陣に叩き込まれ、大量の仲間たちを巻き込む形で着弾した女吸血鬼は、態勢を立て直すこともままならずに大鎌の禍々しいフォルムを呆然と見上げた。
「……消えなさい。永遠に……」
三日月の如き刃の閃きが、緩やかな時の流れの中を一瞬にして翻る。
──次の瞬間、凄まじい轟音と衝撃が迸り、敵陣が一気に薙ぎ払われた!
さらに重ねて傷口を抉るような強烈な猛攻。吸血鬼の陣営が大きく崩れ、運よく巻き込まれなかった吸血鬼たちが散り散りに逃げ出した。が、それらを絡新婦の鋼糸は逃さず絡めとっていく。
「しかしあれやな、お話聞く限り、領主が変わってから領民はオブリビオンになったってことなんやろ」
「そ……れが、どう、した……ッ!」
首に巻き付いてくる鋼糸に必死に抗いながら、優男風の吸血鬼は絡新婦の顔に吐き捨てた。
絡新婦はにっこりと微笑みかける。
「……で、今幸せ?」
男吸血鬼の顔が、不格好に強張った。
その瞬間を狙い澄ましたかのように奇声が上がり、死角から狂乱状態のレッサーヴァンパイアが襲い掛かってきた!
絡新婦は即座に捕えていた男吸血鬼を盾にした。暴走したレッサーヴァンパイアは構わず仲間に噛み付き血を吸い上げる。男吸血鬼は絶叫を上げ、すぐにがくりと首を落として沈黙した。
ヒュンッ……と軽やかな風切り音を立てて、仲間を殺した暴走体の首に鋼糸が巻き付いた。
「すまんけどオブリビオンは基本的に倒すのが猟兵やからなあ」
自分の首と身体が斬り離される音を聞きながら、暴走した吸血鬼が最後に見たのは、飄々とした絡新婦の笑顔だった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『異端なる太陽神仰の寵児』
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POW : 陽の光を仰ぎ見ろ
【出現する太陽を模した小球の熱線】が命中した対象を燃やす。放たれた【高熱を孕んだ光の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : 陽の恵みに享受されるがいい
【超高温を全方位に放射する光】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ : 信仰による神の力
【異端の太陽神】に変形し、自身の【移動】を代償に、自身の【光球の操作数と射程距離】を強化する。
イラスト:謠
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠肆陸・ミサキ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●領主と領主
大量のレッサーヴァンパイアをほぼ全滅させてたどり着いた玉座の間には、優しげな顔立ちに微笑みを湛えた男が悠々と待ち構えていた。
『異端なる太陽神仰の寵児』である。
「本当に来たのだね、レイブラッド卿。ずいぶんとお変わりあそばされたようだ」
柔らかな声色にも高圧的なところは微塵もない。
……しかし、どこかがひどく捻じれている。魂に傲岸不遜な濁りを感じる。
「しかし何をそんなに怒っているのだろう? 貴公から譲り受けた領民は、私の統治に満足しているよ? 貴公の統治はそれはそれは厳しかったようだから。私は世界の全てを愛しているし、誰かとは違って、寵愛はきちんと形で示すことにしているからね」
猟兵が見守る中、ヴラド・レイブラッドの背中が小刻みに震え始めた。
狂気に陥ってなお、『寵児』の言葉を、その歪みを、認識しているのだろう。
「……我が領地、我が統治、我が人民……」
ヴラドの全身に、魔力が漲る。
「貴様が奪い取った全てを……奪い歪めた命を……貴様が免れた代償の全てを、今ここに支払うがいい、歪みし異端よ……!」
爆発する重力の魔力。しかし『寵児』は召喚した光球であっさりとそれを相殺し、困ったような笑みを浮かべた。
「対価ならばとっくに支払っているのだけれど。言っただろう? 私は世界の全てを愛しているのだよ」
その笑みの深淵にうす暗い濁りが滲む。
「私が愛する全ては、私を愛するべきだろう?」
──人ならざる咆哮と共に、狂える魔剣が牙を剥く。
強大な領主と、強大な元領主。高位の吸血鬼同士の戦いが始まる。
猟兵にとっては理想的な状況での、千載一遇の好機。
今こそ『異端なる太陽神仰の寵児』を討つ時だ……!
レン・デイドリーム
アドリブ連携歓迎
この人がヴラドの領地を奪った……とかそんな感じなのかな
同士討ちなら好きにしてくれていいんだけど……
この機会、利用させてもらおう
今回もヴラドは巻き込まないように気を付けつつ
相手は神に変身出来るんだ
でも知性と感情のある相手ならどうにかなるね
光球を掻い潜り、【オーラ防御】で身を守りつつ少しずつ相手へ接近
誰かを愛するのは素敵な事だ
見返りを求めてしまうのも自然な事だ
でも君が求める見返りは重すぎる
どれだけの見返りが君に渡った?
どれだけの人が君の手元に残ってる?
【第六感・学習力】で相手を観察して【恐怖を与える】ように言葉を紡ぐ
相手の心に少しでも隙が出来たのなら僕らの勝ちだ
シュエ、切り刻もう
フォルク・リア
警戒しつつヴラドに話しかけ
「事情は凡そ察したつもりだが、
その上で一つ問おう。あれを斃せば失ったものは戻るのか?
その剣を己の意志で納める事ができるのか?」
答よりヴラドの心根を探る為の問い。
太陽神仰の寵児には
「考えが中々歪んでいるな。
しかしお前はそれを気にする必要はないし。
俺は老吸血鬼の様に対価等要求する気はない。
ただ静かに消えて貰うだけだ。」
ヴラドや寵児に不用意に近づかず
主に攻撃補助目的に行動。
真羅天掌を使用し
浸蝕属性の夜を発生させ敵周辺を覆い
光球の数や位置、移動速度に注意し
光球を夜の闇に染めて消し去るが
ヴラドを攻撃する物は敢えて残す。
残った光球は注意して回避するか
デモニックロッドの魔弾で相殺。
リーヴァルディ・カーライル
…ん。戯言に耳を傾けるつもりは無い。
お前はここで朽ち果てなさい、吸血鬼。
事前の戦闘知識から“夜闇の呪詛”を自身に付与
敵の光属性攻撃を全身を覆う闇のオーラで防御して、
傷口を抉るような陽光の余波は激痛耐性と気合いで耐える
…っ、短時間なら耐えられる。問題無いわ。
第六感を頼りに寵児と同族殺しの位置関係を意識し、
存在感を消して目立たないように寵児を挟撃する
【吸血鬼狩りの業】で敵の殺気の残像を暗視して攻撃を見切り、
時に同族殺しの怪力も利用して【封の型】のカウンターを発動
生命力を吸収する呪力を溜めた大鎌を連続(2回攻撃)でなぎ払う
…此方で勝手にあわせるわ。
吸血鬼の動きならば、手に取るようにわかるもの…。
●奪った者、奪われた者
早々に戦端を開いた二者の激突を、レン・デイドリーム(白昼夢の影法師・f13030)は注意深く眺めた。
(「この人がヴラドの領地を奪った……とかそんな感じなのかな。同士討ちなら好きにしてくれていいんだけど……」)
『異端なる太陽神仰の寵児』は振り下ろされた魔剣をさらりと躱し、超高温の放射光を放つ。反射的に退くヴラド・レイブラッド。追い打ちをかけるように光球が数個、戦場を舞うように暴れ回る。光球がかすめたヴラドの肩を光の炎が高熱で焼き払う。
殺到する光球を斬り払い態勢を立て直すヴラドに、背後から声がかかる。
「事情は凡そ察したつもりだが」
フォルク・リア(黄泉への導・f05375)の呼びかけだった。
「その上で一つ問おう。あれを斃せば失ったものは戻るのか?」
『寵児』の攻撃への警戒を切らさず、ヴラドの様子を窺いながら、フォルクは慎重に言葉を重ねる。
「……その剣を、己の意志で納める事ができるのか?」
返答はない。我が憎悪、我が無念……うわごとのように繰り返される言葉は、色濃い狂気にまみれたまま。
しかし問いかけの直後にわずかに差し挟まれた沈黙に、魔剣を握りなおした動作に、ふつりと一瞬怒りの気配を途切れさせた背中に。ヴラドの深層に潜む心根が透けて見えた気がして、フォルクはいっそう目を凝らし、耳を澄ませる。
「……偽りの安寧は過酷な現実から逃避する麻薬に過ぎぬ……愚かしき選択の因果は報じた……残る罪は奴自身の命で贖わせるのみ……ッ」
ヴラドの肉体が疾る。近づかせまいと光球を増やす『寵児』へと、光球を躱した瞬間に魔剣を横薙ぎに振るう。魔力を込めた剣圧が『寵児』を襲う。
避けきれなかった衝撃に軽く身をのけぞらせながらも、『寵児』の笑みは崩れない。
「そうだとも、選択はなされた! 彼等は私の愛を選びとったのだよ? 貴公に横槍を入れられる謂れはないと思うのだけれど」
小さな違和感が灯る。愚かな選択、選びとられた愛。……領地が吸血鬼同士の諍いで奪い奪われた、という単純な構図だけではないのかもしれない……。
……『寵児』の注意は完全にヴラドを向いている。込み入った内情も気になるが、動くならば今。
「この機会、利用させてもらおう」
レンは全身を透明なオーラで覆い、接近した光球の高熱を凌ぎながら戦線奥深くへじりじりと踏み込んでいく。
(「……敵が太陽なら、有効なのはきっと、夜の闇」)
リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は己の戦闘知識を活かして、自分自身に“夜闇の呪詛”を付与し、己の存在感をかき消した。戦いの気配に神経と直感を尖らせながら、光に対して濃く落ちた暗がりに紛れて敵との距離を測っていく。
戦場全体に動きがあった、その時。
「大海の渦。天空の槌。琥珀の轟き。平原の騒響。宵闇の灯……」
詠唱が響くと共に、たちまち辺りが翳った。
玉座の間を浸食するが如く満ちたのは、夜。
すぅ……と、光球のいくつかが夜の闇に染められ消えていく。
『寵児』は残る光球をヴラドへとけしかけ続けながら、面白そうに術者であるフォルクを見やった。
が、やさしげに細められた両眼だけは笑ってはいない。
「レイブラッド卿を狙っている光球だけを残すとは、器用だね。君達はどうやら私を倒した後に彼も倒すつもりらしい。ということは私はそこの狂人よりは与しやすいと判断されたわけか、悲しいことだなぁ。私を殺そうとする君達のことさえ、私は愛しているというのに」
「考えが中々歪んでいるな。しかしお前はそれを気にする必要はないし、俺は老吸血鬼の様に対価等要求する気はない」
『寵児』はヴラドの飛ばしてくる剣圧を防いだ光球を、今度はフォルクへと飛ばしてきた。
フォルクは掲げた黒杖に魔力を喰わせ、黒々とした魔弾を生成していく……
「ただ静かに消えて貰うだけだ」
一気に撃ち出された闇の魔弾と光球が正面衝突、相殺しあう輝きがよりいっそう燦然と玉座の間を照らし出した……!
その瞬間を狙い澄ましていたかのようにヴラドが動く。
その動きに呼応するかのように、リーヴァルディもまた走り出す。
狙うは、挟撃。ヴラドは制御の効く相手ではないが、問題はない。
(「……此方で勝手にあわせるわ。吸血鬼の動きならば、手に取るようにわかるもの……」)
身に染みついた吸血鬼狩りの業が、ヴラドと『寵児』、それぞれの動きをつぶさに伝えてくる……。
「懲りないね、レイブラッド卿」
光球を斬り払いながら正面から突撃してくるヴラドへと、『寵児』は再び超高温の放射光を放った。
光は、各々別方向から『寵児』の間合いへと踏み込んでいたヴラドとリーヴァルディを同時に巻き込んだ。身を焼く光にヴラドは咆哮し、リーヴァルディは全身を覆う闇のオーラと気合いで耐える。
「……っ」
傷口を抉るような強烈な熱。しかし短時間ならば耐えられる。むしろこれを耐え抜かねば、『寵児』に攻撃が届かない……!
「……さすがの実力か」
放射光の外側でレンは呟く。
神にさえ変身できるという強大な領主。光の力を駆使し、同等の実力者であるヴラドさえ容易く近づかせない。
しかし同時に、知性と感情を持つ存在であるならば、どうにでもなる。
「誰かを愛するのは素敵な事だ。見返りを求めてしまうのも自然な事だ。でも君が求める見返りは重すぎる」
静かに断言するレン。
光の中心から『寵児』の視線が注がれるのを感じながら、レンは言葉を重ねる。
「どれだけの見返りが君に渡った? どれだけの人が君の手元に残ってる?」
問いかけに対する『寵児』の反応をつぶさに見取り、その核にあるものを探る。
「手に入れた命は、本当に欲しかったもの? 空っぽな君の心は満たされた?」
少しでも隙を作るため。『寵児』の感情を揺さぶるために。
「残ったものは……孤独?」
──その瞬間、放射光がふつりと消えた。ヴラドとリーヴァルディが同時に高熱から解放される。
「決めたよ」
光の中から現れた『寵児』は、黄金の瞳、黄金の羽、黄金の装飾具に彩られた、異端の太陽神の姿に変じていた。
「たっぷりと愛してあげるから、君達の命も、私の眷属に変えてあげよう」
まるで太陽が爆発するかのように、無数の光球が周囲へと展開する──その瞬間の殺気の残像を、リーヴァルディの眼差しは捉えている。
正面から打ち付けられる光球を構えた大鎌で的確に受け流し、リーヴァルディの小柄な身体が一足飛びに『寵児』の懐に踏み込んだ……!
「……ん。戯言に耳を傾けるつもりは無い」
はっとして振り返りかけた『寵児』の背を、リーヴァルディの大鎌が袈裟懸けに斬り裂き、間髪入れずヴラドの魔剣が怪力のもとに正面から一太刀を浴びせ、
「僕らの勝ちだ……シュエ、切り刻もう」
微かな、しかし確かに与えた心の隙。大量の光球を掻い潜り間合いに踏み込んだレンは、召喚した半透明の触手塊の一部を刃と化して、『寵児』の内に潜む恐怖の在り処を斬り刻む──!
「お前はここで朽ち果てなさい、吸血鬼」
大鎌を再度振り上げて、リーヴァルディはさらなる斬撃を加えた。
黄金の羽根が玉座に散り、噴き出す鮮血に穢れた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フレミア・レイブラッド
お父様を肯定するわけではないけど…今はお父様に加勢するわ。
貴方の方も随分と歪んでいるみたいだしね。
【ブラッディ・フォール】で「生み出すことを許さないというならば」の「イーギルシャトー」の力を使用(イーギルシャトーの翼や尻尾が生えた姿)。
【極寒の空を往く】で白銀の輝きを纏い戦闘力増強。更に周囲の熱を代償に【世界を絶つ氷翼】を発動…貴方が生み出す超高温も高熱の光も代償として無効化させて貰うわ。そして解放した刃による連撃【怪力、早業】から【白銀の世界に君臨す】の絶対零度ブレスで凍結させ、一気に砕いて仕留めさせて貰うわ。
また、父様の攻撃タイミングに合わせて、【念動力】で敵の動きを阻害したりと援護するわ
杼糸・絡新婦
多分誰が話しても噛み合わない会話になりそうやなこの空間。
引き続き、ヴラド公には攻撃しないよう気をつける。
他の攻撃に気を取られているなら
【忍び足】で動き敵の動きを【情報収集】しつつ
【フェイント】をつく
敵からの攻撃はここちらにきた場合、
またほか猟兵への攻撃も【かばう】
【見切り】でタイミングを図り
脱力することで受け止め
オペラツィオンマカブルを発動。
ほらお返ししたり、サイギョウ。
あんたさんの言う愛とやら、排しそっくりそのままなあ。
●欺瞞者は散る
舞い散る黄金の羽根に彩られ、刻み付けられた創傷から血を流す黄金の『寵児』。
俯かれた顔は黒々と剣呑な影を落とし……しかし目線が上げられたその時には、それまでと変わらぬ笑みに塗り替えられている。
「私の愛を拒む自由など、君達にはないよ?」
目だけは、やはり笑っていない。
『寵児』を中心に放射光が爆発し、猟兵とヴラドを間合いから退かせる。放射光の収束と同時に切れ目なく放たれる大量の光球。
「……罪には罰を……欺瞞者には死を……!」
ヴラドは光球の牽制に圧されることもなく、己が怒りと敵の光に文字通り身を焦がしながら、魔力を込めた剣圧と重力の視線で『寵児』を激しく攻め立てていく。
歪みの『寵児』、狂気のヴラド。飛び交う言葉は各々のベクトルを目指して、互いにぶつかり合おうとしない。
「多分誰が話しても噛み合わない会話になりそうやなこの空間」
杼糸・絡新婦(繰るモノ・f01494)はひっそりとぼやいた。足音を忍ばせながら、激しい戦闘の輝きを横目に情報収集に怠りない。
「お父様を肯定するわけではないけど……今はお父様に加勢するわ」
フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)は解放した白銀の輝きに取り巻かれながら、玉座の前に不動で佇む『寵児』をまっすぐに見上げた。
「貴方の方も随分と歪んでいるみたいだしね」
一陣の嵐の如く光が駆け抜け、フレミアの容姿は劇的に変じた。
背には氷を切り出したかの如き美しい氷翼、腰の下からは鞭の如くしなる白銀の尾。かつて斃した白竜の異端神の一部を借り受けた姿へ。
「へぇ、彼の娘……?」
『寵児』の声と瞳に、怪しげな色が帯びる。
──と同時、光球の一部が、白銀の輝きを纏い始めたフレミアへと一斉に疾りだした……!
「……代償に、熱を」
フレミアは回避の態勢を取ろうともせず、手に剣の柄を構える。
「貴方が生み出すその熱も光も、代償として無効化させてもらうわ」
殺到する光球は、極寒の力を宿した翼の力場に接触した瞬間、ぱ、とあっけなく弾けて消えた。
『寵児』はからかうように笑う。面白いおもちゃを見つけたように。
「へぇ、素晴らしい。君、僕の傍に置いてあげようか。名案だと思うだろう? ……ねぇ、レイブラッド卿?」
その周囲を、ありったけの光球が勃然と埋め尽くした。
これまでとは比べ物にならない光球の大乱舞。それは横殴りの瀑布の如く、津波にも似て、フレミアとヴラドを呑み込まんと襲い掛かる──!
「──父娘の情をつつこうなんぞ、随分ねじけた根性しとんなぁ」
マイペースな呟きと共に、『寵児』の意表を突いて光球の瀑布の前に絡新婦が飛び出した。
骨も筋も機能を放棄したかのようにしなりと脱力した全身は、一瞬にして光球の洪水に呑み込まれていく──
が。
「ほらお返ししたり、サイギョウ」
眩い白光の中で、赤い輝きが瞬いた。
次の瞬間、光の洪水をも凌駕する目映い光線が玉座の間を横切り、『寵児』の胸部に直撃した!
自身の光球を凝縮したかのような攻撃に胸元を焼かれ、『寵児』は痛み以上に驚愕に大きく目を見張った。
光の中から姿を現したのは、無傷の絡新婦と、その傍らに佇む狩衣姿の狐人。
「……そうか、そのからくり人形で私の力を跳ね返したのだね」
『寵児』の明察に、絡新婦は十指に結びつけたあやつり糸をキリリと鳴らして、微笑む。
「あんたさんの言う愛とやら、排しそっくりそのままなあ」
口の端から一筋の血を零しながら、『寵児』は剣呑に目を細めた。
──獣の如き咆哮が場を揺るがした。
ヴラドの突撃だ。己の力を返された衝撃を引きずる『寵児』を狙って高々と跳躍、渾身の魔力を込めた魔剣が斬り下ろされ──
「ヴラド……っ、──!?」
『寵児』はらしくもなく忌々しげに顔を歪めながら、放射光を展開しようと手をかざし──突如、目に見えぬ何かに縛りつけられたように動きを止めた。
……念動力による拘束。
瞬時に理解し、咄嗟に術者を探して視線を転じようとした『寵児』の横っ面を、ヴラドの魔剣が超重の一撃で殴り飛ばした!
甘いマスクを無残に変形させながら吹き飛ぶ『寵児』に、光輝く刃を掲げるフレミアが突っ込む勢いで肉薄する……!
「仕留めさせて貰うわ」
封印状態から解放された刃が一瞬にして強烈な連撃を叩き込み、続けざまの絶対零度のブレスが視界一面を白銀に塗り替える──
一瞬の吹雪が去った玉座の間には、その身の芯から氷漬けにされた『異端なる太陽神仰の寵児』の氷像が佇んでいる。
異端の神の似姿をとる男は、信じられないものを見るように呆然とした表情のまま、甲高い破砕音と共に粉々に砕け散っていった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『『吸血大公』ヴラド・レイブラッド』
|
POW : 鮮血魔剣・ブラッドオーガ
単純で重い【魔力を大剣に超圧縮して放つ、広範囲超威力】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 平伏す大地の重圧
【魔力を込めた視線で対象を視界に捉える事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【対象を押し潰し、大地に平伏せる超重力】で攻撃する。
WIZ : カース・オブ・ブラッドナイト
全身を【魔力と驚異的な瞬間再生を得る魔力オーラ】で覆い、自身が敵から受けた【怒り等の負の感情や戦闘時に受けたダメージ】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
イラスト:純志
👑8
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「フレミア・レイブラッド」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●狂気の代償
『異端なる太陽神仰の寵児』の消滅を見届けた猟兵たちは、警戒を切らすことなくヴラド・レイブラッドへと視線を移した。
傷だらけのヴラドは、『寵児』だった氷像の欠片一片とて見逃すまいと注視している。
粉々になった氷の、最後の煌めきが空気に溶けるように消え果てたのを見届けると、ヴラドは静かにこうべを垂れた。
「終わらぬ」
静寂を破り、不吉な言葉がヴラドの口から零れ落ちた。
鎮まっていたはずの魔力が、その全身を再び巡り、漲ってゆく……
「城塞、街、領地、人民、何もかも……何もかもッ!」
際限なく高まる殺気が、その狂気の、怨念の深さを思い知らせる。
「全てを無に帰し、是を贖いとせん……!」
ヴラドは本気だ。心は狂気に堕ちたまま。
かなりの数の人民が吸血鬼化されていたとはいえ、街にはまだ普通の人間が暮らしている可能性もある。そうでなくとも、都市は今後人々の寄る辺となれるかもしれない。
虐殺や破壊を見過ごすわけにはいかない。ヴラドを街に向かわせてはいけない。
……いや、これ以上、狂気の吸血鬼を野放しにしてはいけない。ここで確実に仕留めなければ。
これまでの死闘を経て、消耗に消耗を重ねたヴラドは、猟兵たちにとって脅威ではなくなっている。戦いでねじ伏せるのは難しくはない。
あるいは……彼の心に届く言葉をかけられれば、あるいは。
どちらにせよ、ヴラドが生きる未来はない。それは猟兵が敗北する時のみ。
一切の後悔の残らぬよう、存分に刃を交え、言葉を交え、
この悲しい狂気を、彼の死をもって鎮めるのだ……!
フォルセティ・ソルレスティア(サポート)
◆性格
明るく元気で、好奇心旺盛で何にでも興味を持つけど、少し飽きっぽいところも。
年齢より子供っぽく(見た目に近い)、味覚も完全にお子様。
よく女の子に間違えられるが、言うほど気にしていない。
口調は「ボク~だよ」「わー、~だね」
◆戦闘
聖なる箒を振り回して、遠距離からの魔法系UCを使用。
グアルディアン・サトゥルノで相手のUCを相殺したり、ラビリント・ネプトゥノで
行動を制限したりすることもある。
フィニッシュはカラミダド・メテオーロが多い。
TPOに応じて愛用の宇宙バイクで戦うことも。意外と乗りこなす。
負傷者がいれば楽器演奏と歌で癒すことも多い。
◆非戦闘
情報収集を中心にしつつも直感を信じて行動することも
スピネル・クローバルド(サポート)
『お姉ちゃんに任せておいてね♪』
妖狐のクレリック×アーチャー、15歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、兄弟姉妹には「優しい(私、~君、ね、よ、なの、なの?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格は温厚で人に対して友好的な態度をとります。
滅多に怒る事はなく、穏やかです。
怖そうな敵にも、勇気を持って果敢に挑む一面もあります。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●狂気の歩みを阻む者たち
『吸血大公』ヴラド・レイブラッドの纏う怒りの魔力は収まらない。触れる者皆破壊せんばかりの殺気を放ちながら、ゆっくりと、猟兵の固める出入り口へと向かってくる……
「難しいコトはわからないけど、ヴラドさんはなんというか……悲しいのかな?」
フォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)はヴラドとこの領地の抱えるバックグラウンドを考えるよりも、今目の前にいるヴラドを見て、直感的にそう思った。
柔らかな眼差しで怒りを纏う吸血大公の姿を見つめ、スピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)は頷く。
「そうですね……大きな悲しみを抱えているからこそ、あまりにもやりきれなくて、もう怒り狂うしかなかったのかもしれません……」
「だよね! じゃあその悲しみや怒り、ここで発散させてあげないと!」
フォルセティは元気に聖なる箒を掲げて、ヴラドの進路に立ち塞がった。
「それは名案です。私たちがお相手しますので、どうぞたっぷり思いの丈を吐き出してくださいね」
木製の弓を構えながら、スピネルも怖じることなく果敢にヴラドへと立ち向かった。
進路を塞がれたヴラドはいっそう力強く足を踏み出し、真横に構えた魔剣に瞬時にして魔力を集束させた。
「──退けい!!」
重い薙ぎ払いから放たれる膨大な魔力が、あたかも激流の如く猟兵たちへと殺到する……!
「暁闇を統べる星刻の大神。七界を照らすは虹鱗の彩光!」
フォルセティは溌溂と箒を振り回すと、虹色に輝く魔法の盾を展開して、敵の魔力を一切漏らさず相殺した!
生じた一瞬の間隙を、スピネルが逃さず捉える。
「見えていますよ……!」
優れた性能をさらに強化されたフォレストスナイパーが、限界まで引き絞った矢を一瞬の弛緩によって解き放った!
宙を駆け強襲する一矢。ヴラドは咄嗟に射線上に腕を掲げたが、強化された矢は堅牢な篭手をやすやすと貫いた。
ヴラドは構わず連射される矢を魔剣で払い落し、魔力での反撃を放ってくる。が、放たれる剣圧は、周囲の石材に紛れる灰色のオーラを纏ったスピネルの姿を捉えきれず、直撃の手応えを残さない。
攻撃を放った直後の隙を狙って、フォルセティの聖箒が星屑の煌めきを放ちながら高らかに翻った。
「悠久に揺蕩う無限の星屑よ。星柩満ちて此へ集うは漆黒の紅炎……」
ふっと、辺りに闇が落ちた。
天井のあるべき場所を埋め尽くす星空。その中天から、燃え盛る巨大隕石が凄まじい速度でヴラドの頭上へと落下してくる──!
「くっ……!」
ヴラドは即座に魔剣を構えて隕石を真っ向から迎え撃った。刃と隕石の激突。灼熱する金属塊に罅が入り、魔力が侵食していく……。
その時。
「この力を以て、天地の嵐を征しましょう」
唸るような風切り音が、戦場を切り裂いた。
鋭い衝撃と共にヴラドの肩を貫いたのは、強力な魔力の矢。
驚愕するヴラドの視界の端に、変形した弓を携えたスピネルの姿が映り込んだ瞬間、魔剣に送り込まれる魔力が一瞬途切れた。
「ぐ……うおおおおおぉぉぉ──!!」
ヴラドの咆哮が隕石に押しつぶされていく。
隕石が床を打とうかというその時、魔力の侵食が隕石を食い破り、その巨大な質量を粉々に砕き割った。
石つぶてが降り注ぐ中央に佇む人影は激しく息をつき、全身から焦げ臭い湯気を立てている。ぱたぱたと床を穢す少なくない血液が、その損傷の具合を知らしめた。
「……邪魔だてを……」
怒りと狂気にまみれたヴラドの瞳が、明確な敵意を宿して猟兵たちを睨みつけた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
レン・デイドリーム
アドリブ連携歓迎
僕の推測がどこまで当たっているかは分からないけれど……
ヴラドは元々ここの領主で、それを『寵児』に奪われてしまったんだよね
そして彼は狂気の中でもかつての領主としての務めを果たそうとしている
「『寵児』の手に落ちた全ての抹消」という形にはなっているようだけど
でもそんな償いはしなくていい
この地の全てが『寵児』の手に落ちていた訳じゃない
吸血鬼化していない、貴方の人民もこの地には残っているはずだ
それまで消してしまうのは……違うんじゃないかって思うよ
説得中は補助的に立ち回ろう
【オーラ防御】で身を守りつつ、必要に応じてUCで相手の攻撃を打ち消すよ
彼のこれまでの戦いぶりを参考にしつつやっていくね
杼糸・絡新婦
戻ったところで元通りてわけにはいかんからな。
こうなるやろうなあ。
・・・それは誰への贖い?あんさんの言う領地?人民?
それとも自分へ?
立て直すならまだしも、更地に戻して何ができる、
それこそなんも戻ってこうへんわ。
バトルキャラクターズでケルベロスを
10ずつ合体させ5体召喚し攻撃。
【フェイント】を入れ行動し、
敵の動きを観察し、こちらへの攻撃は
サイギョウで排出しできるだけ受け流す
・・・止めというか決着は娘さんの
おまかせしてええかいな。
フォルク・リア
「偽りの安寧というのなら。
彼の愛とやらに身を落とした者もそうなら
今、狂気に身を委ねている自分も同じ事じゃないのか。
そうして破壊を続ける内は全てを失った過去からも
自身の悔恨の念からも逃れる事が出来る。
どんな力を持っていても。過去から逃げているだけの
ものに敗れる謂れはない。」
「正気になってもやる事に変わりはないが。
狂ったまま消えるか
己の誇りだけは取り戻して逝くかは、自分で決めるといい。」
敵の殺意を利用し誘いの魔眼を発動。
魔力を払う【破魔】の【呪詛】を込め
強化を打ち消しにかかる。
魔眼で乱した敵の五感や払った魔力の状態を
【見切り】で観察して隙を見つけ
デモニックロッドの魔弾を【全力魔法】で
撃ち出し攻撃。
●折れぬ意志
「戻ったところで元通りてわけにはいかんからな。こうなるやろうなあ」
杼糸・絡新婦(繰るモノ・f01494)はふう、と吐息をついた。何もかも壊してしまいたい、となってしまう心理遷移は予測の範疇だった。
ともあれヴラドは猟兵たちを排すべき障害物と認め、殺意を漲らせている。猟兵が立ち塞がる限り、一足飛びに領地を破壊しに行くようなことはないだろう。
不俱戴天の仇を誅し、損耗激しい今のヴラドならば、狂気の底に残っているであろうひとかけらの正気に訴えかけることもできるかもしれない。
「僕の推測がどこまで当たっているかは分からないけれど……」
レン・デイドリーム(白昼夢の影法師・f13030)はオーラを展開して身を守りながら、思考を巡らせた。
「ヴラドは元々ここの領主で、それを『寵児』に奪われてしまったんだよね。そして彼は狂気の中でもかつての領主としての務めを果たそうとしている。……「『寵児』の手に落ちた全ての抹消」という形にはなってしまっているようだけど」
呟きつつ、レンはヴラドの魔力がその視線に集束するのを見取り、所作と魔力の性質を完璧に写し取った。
ヴラドの視線とレンの視線がぶつかり合い──超重力の力場が正面から激突した!
ビリビリと空気が鳴動し、玉座の間が軋む。力の拮抗による膠着状態。
「でもそんな償いはしなくていい」
レンは一歩も退かずにヴラドへと訴える。あくまでも冷静に、理性的に。
「この地の全てが『寵児』の手に落ちていた訳じゃない。吸血鬼化していない、貴方の人民もこの地には残っているはずだ」
ヴラドもまた視線を逸らさない。答えはないが、こちらの言葉に耳を傾けている気配はある。
「それまで消してしまうのは……違うんじゃないかって思うよ」
拮抗が、弾けた。
超重力と超重力が相殺され、力場の消失と共に急速に場が鎮まる。
しばしの沈黙ののち、ヴラドは口を開いた。
「贖いは未だ、果たされてはおらぬ」
その姿が、残像一つ残さず消えた。
──否、頭上! 天井すれすれまで、部屋の高さをめいっぱい使っての跳躍だ。掲げられた魔剣が禍々しい魔力を纏って振り下ろされる──
きしり。十指のあやつり糸が軋みを上げて、狐人のからくり人形が魔剣の前に飛び出した。脱力した主を庇うように魔剣の攻撃を無効化し、同じだけの魔力をそのまま叩き返す──!
「……ッ」
自身の魔力をそっくり返され、ヴラドは忌々しげに顔を歪めつつ外套を翻して後方へ退いた。
「……それは誰への贖い? あんさんの言う領地? 人民?」
絡新婦は脱力状態から復帰した関節や筋をさすりつつ、ヴラドを見据える。
「それとも、自分へ?」
ヴラドの瞳が、細められる。
回答はシンプルだった。
「正義へ」
迷いなく返された思わぬ答えに、絡新婦は瞬間的に言葉を失い、次にかぶりを振った。
「吸血鬼がそないな言葉使うなんて、えらい噴飯ものやわぁ。だいいち正義とかいう相対的で主観的なもんに贖えなんて、あんまりにも独善的すぎちゃう?」
ぼやきつつ、絡新婦はゲームデバイスをくるりと手元に取り出した。
レトロなゲーム機の画面が明々と輝いた瞬間、大量の三つ首の犬が周囲に次々に表れては合体し始めた。五体の、巨大ケルベロスへと。
「立て直すならまだしも、更地に戻して何ができる、それこそなんも戻ってこうへんわ」
絡新婦が断じると同時、主の意を受けたケルベロスたちが一斉にヴラドへと襲い掛かる!
「何に成らずとも。何も戻らずとも。為さねばならぬ、付けねばならぬ落とし前というものがあるのだ……!」
ヴラドは一瞬にして魔力のオーラで武装すると、魔剣と魔力を駆使して、ケルベロスたちの牙と爪、ブレスを巧みに凌いでいった。が、数と連携に押されて無視できない手傷も増えていく。
「偽りの安寧というのなら。彼の愛とやらに身を落とした者もそうなら」
ケルベロスの群れの相手に忙しいヴラドへ、フォルク・リア(黄泉への導・f05375)は抑制的な声音で語り掛けた。
「今、狂気に身を委ねている自分も同じ事じゃないのか。そうして破壊を続ける内は、全てを失った過去からも自身の悔恨の念からも逃れる事が出来る」
淡々と、しかし相手の心を抉り出すように、フォルクは言葉を繋いでいく。
「どんな力を持っていても。過去から逃げているだけのものに敗れる謂れはない」
「……戯れ言を!」
明確な挑発に、ヴラドが鋭い殺気と共に剣圧を飛ばしてくる……!
「君の戦いぶりは十分見た。その動きは読めているよ」
レンは悠々と剣圧の進路に立ち塞がり、瞬時にして同質の魔力を練り上げ放出した! ぶつかり合う魔力と魔力が互いを喰らいあうように相殺し合い、瞬く間に消滅する。
フォルクは吹き付ける余波にローブを揺らしながら、目深にかぶったフードの下で、両眼を輝かせた。
その周囲に闇が溢れかえり、無数の赤眼が不気味に浮かび上がる。
「正気になってもやる事に変わりはないが。狂ったまま消えるか、己の誇りだけは取り戻して逝くかは、自分で決めるといい」
瘴気纏う赤眼が、一斉にフォルクの両眼と同じ輝きでヴラドを直視する──
「ぐぅ──っ!?」
吸血大公の全身を蝕むのは、魔力を祓う破魔の呪詛。ヴラドの驚異的な戦闘力と再生力を支えていた強化のオーラが瞬く間に剥がされていく……!
「貴様……ッ」
五感を乱されたヴラドは、頭を抑えながらも踏みとどまりきれず、大きくよろめいた。その隙を見抜き、フォルクは呪われし黒杖を掲げた。魔力を存分に吸い上げ肥大化した闇の魔弾が床材をめくり上げながら疾駆し、ヴラドを呑み込んだ!
闇の蹂躙。獣じみた咆哮も闇にかき消され、瞬く間に魔力が収束したその中心には、疲労困憊のヴラドが膝をついていた。
魔力は目に見えて目減りし、全身は傷だらけ、流れる血はもはや途絶える気配もない。
だというのに。
「……我が正義は、我が誇りは……我が統治は! 未だ終わってはおらぬ……!」
ヴラドの怒りにも殺意にも、いささかの翳りもない。
これは厄介だ、とレンは肩を竦めた。
「こだわるなぁ。……読み間違えたってことはなさそうなんだけど」
「たぶん情報が足りていないんだろう。思ったよりも根が深そうだ……」
ここまでの戦い……とりわけ『寵児』との戦いの際にもう少し情報を引き出せていれば違ったのかも、と呟くフォルク。
「改悛に期待するのは難しそうやね。あとは娘さん次第というところやろか。……おまかせしてええかいな」
絡新婦の呼びかけに合わせて、猟兵たちは背後へと視線を転じた。
大成功
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リーヴァルディ・カーライル
…ん。何やら因縁もあるみたいだし、
あの吸血鬼と言葉を交わすのなら止めはしない。
…だけど、互いの正義が相容れない以上、
私の為すべき事は変わりはしないわ。
他の猟兵が対話している間、第六感を頼りに警戒を行い、
殺気や危険を捉えたら、左眼の聖痕に生命力を吸収させてUCを発動
心の傷口を抉るような邪神の精神攻撃を呪詛耐性と気合いで耐え、
全身を時間を停滞させる黒炎のオーラで防御して加速する
【吸血鬼狩りの業】で敵の攻撃や視線を暗視して見切り、
大鎌の刃に黒炎を纏わせ時間停滞の呪詛の力を溜め、
怪力の踏み込みから大鎌をなぎ払う時間属性攻撃を行う
…お前自身の手で終われないならば、
この私の手で止めてあげる、吸血大公。
フレミア・レイブラッド
お父様…わたしを封印し、母様を殺した貴方をわたしは決して許さない…。
…でも、それ以上に人々に厳しく、誇り高かった父様の今の姿は見ていられないわ…。そんな姿も嫌いだったはずなのに…
【吸血姫の覚醒】を発動…真の姿で父様を倒すわ…!
【念動力】で敵の動きを阻害しつつ、重力に捉まらない様に視界に入らない様に超高速で翻弄しながら接近。
速度を活かしつつ、魔槍による連撃【怪力、早業】を叩き込んで行くわ!
最後は覚醒による全魔力を込めた魔槍による全速力渾身の一撃で父様を仕留めるわ…!
さよなら、父様…
※過去に真祖の力を危惧したヴラドに封印されており、その際に反対した母(メイリー)が不慮の事故で死亡した因縁がある
●正義と正義の戦い
仲間たちの視線を受けながら、フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)が毅然として戦線へと歩み出る。
「任せてもらえるなら」
「……ん。何やら因縁もあるみたいだし、あの吸血鬼と言葉を交わすのなら止めはしない」
リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は何気ない佇まいの中にもヴラドに対する警戒を切らさず、ぽつりとフレミアに言葉をかけた。
「……だけど、互いの正義が相容れない以上、私の為すべき事は変わりはしないわ」
「ええ、問題ないわ。わたしは話し合いに来たわけじゃない。決着をつけに来たのよ」
きっぱりとしたフレミアの言葉にも、ヴラドへと立ち向かう足取りにも、迷いはない。
……『正義』。
実に吸血鬼らしからぬ、そして実に父らしい物言いだと、フレミアは思う。
「お父様……わたしを封印し、母様を殺した貴方をわたしは決して許さない……」
父はフレミアに強く発現した真祖の血と力を危惧し、実の娘を長きに渡って封印した。その際、反対したフレミアの母は死亡している。
……直接手をかけたわけではないにせよ、父の冷血極まる采配に起因したことには間違いない。
フレミアは面を伏せる。
「……でも、それ以上に人々に厳しく、誇り高かった父様の今の姿は見ていられないわ……。そんな姿も嫌いだったはずなのに……」
フレミアの体内で、魔力が嵐の如く爆発し、その姿を塗り替えていく。真祖の血統を開放した、吸血鬼の本性、真の姿へと。
「父様が忌み嫌ったこの力で、父様を倒すわ……!」
「────!」
ヴラドの反応は超常的でさえあった。娘を認識したわけではない。危険極まる真祖の力。それが突如眼前に現れたことへの本能的危機感に従って超速で魔剣を振り抜き──
しかしその動きは、それ以上の反応速度で動いたフレミアの念動力によってあっけなく止められた。
「ぐぬ……っ」
ヴラドは目に見えぬ力に抗いながら、ぎこちなく視線を動かした。
殺気と魔力の高まりを察知した瞬間、リーヴァルディは左眼の聖痕を解放した!
「……今こそ我が身を喰らい顕現せよ、黒炎覚醒」
聖痕が生命力を吸収するや否や、心の傷を抉り精神を蝕む邪神の侵食が覆いかぶさってくる……
「っ……、負け、ない……っ!」
コンマ数秒の内なる戦い。地力と気合いで精神攻撃を耐え抜いたリーヴァルディの全身が、時間を停滞させる黒炎のオーラに燃え上がった!
片や血統の解放によって、片や黒炎の覚醒によって。爆発的な加速を得たフレミアとリーヴァルディは、ヴラドの視線と殺気を読んで各々逆方向へと超加速、超重力の力場の展開を紙一重で回避した!
「世を乱し理を乱すその力……滅さねばならぬ!」
ヴラドの魔剣が念動力の妨害の隙をついて唸りを上げる。視線と剣圧が交互に猟兵たちを襲うが、凄まじいスピードで行き交う二つの人影は消耗したヴラドの知覚をいっそう翻弄していく。
ヴラドの肉体が念動力に押し込まれ、視線が途切れた瞬間を、リーヴァルディの身に染みついた吸血鬼狩りの業が暗視の中にはっきりと捉えた。
大鎌が翻り、刃が黒炎を帯びる。
「……お前自身の手で終われないならば」
リーヴァルディの細い足が見目に似合わぬありったけの怪力をこめて踏み込み、弾丸の如くヴラドめがけて飛び出した!
「この私の手で止めてあげる、吸血大公」
大鎌の刃が、黒い残影を描いて薙ぎ払われる。時間停滞の呪詛を籠めた斬撃がヴラドの背を薙ぎ払う……!
「ガ、ァ──」
冗長なまでにゆっくりと、もはやスローモーションのように、ヴラドの全身が浮き上がるようにのけ反る。
その瞬間、正面から伸び迫ったのは真紅の魔槍。
あまりにも速く、あまりにも正確に、渾身の力でヴラドの左胸を貫く──
「さよなら、父様……」
全ての魔力を籠めた穂先を深々と押し込みながら、フレミアは静かに、娘としての別れの言葉を贈った。
ヴラドは最後の生命力と共に大量の血を吐き、赤く汚れた唇を微かに震わせた。
「フ……レミア……?」
初めに、娘の名を。
「…………メイ……リー……」
次に、死なせてしまった妻の名を。
それはわずかに残っていた正気が浮上した証左か、あるいは狂気の中で幻を見たのか。
今際の表情は、意外にも穏やかに。
狂気に囚われた吸血大公は、娘の手の中に倒れ、息を引き取った。
●あるいは蛇足の、とある領主の物語
とある名もなき領地は、厳格な吸血鬼の領主の下、厳しい統治が敷かれていた。
悪徳には罰を。怠惰には報いを。惰弱には淘汰を。
厳格な規律と処断は、ある意味ダークセイヴァーの厳しい環境下に適応を促す治世とも言える。
それが証拠に、理不尽な仕打ちや無益な殺戮を、領主は好まなかった。吸血鬼という異形の尺度においては、極めて高潔な信念の持ち主だったと言えよう。
しかしある日、事件が起きた。
戯れに領内を訪れたとある吸血鬼が、少女を一人、戯れに殺してしまったのだ。
いち早く己の人民を殺されたことを知った領主は、激怒した。
天涯孤独の吹けば飛ぶような命、領主の統治下では今年の冬を越せるかわからない、領主の嫌う惰弱そのものの少女だったが、殺しは殺し、罪は罪。吸血鬼であろうが罪人は罪人だ。
領主は領内の規律に従って罪人を裁こうとした。
が、それは吸血鬼としては行き過ぎた行動と見做された。吸血鬼が人間を殺したぐらいでその吸血鬼を処罰するなどありえない、と。複数の吸血鬼が罪人に味方し、領主から力ずくで領地を取り上げ、あろうことか罪人へと統治権を移したのだ。
そして、領民はこれを歓呼をもって受け入れた。優しげな新領主の統治はさぞ過ごしやすかろう、厳しい領主はもうこりごりだ、と。すでにこの時、罪人によって情報統制がなされ、民意は操られていたのだ。
故に、領主は……領主でなくなった領主は、狂気に堕ちてなお怒るのだ。
少女の死が罪人──すなわち新たな領主の手によるものだということは、知ろうと思えば、調べようと思えば、知れぬことではない。領民たちはそれを怠った。目先の餌に釣られて目を曇らせ、規律を、正義を貫かなかった。少女の死は、ないものとなった。
罪を贖わなかった新領主。己の欲に目がくらみ、結果的に少女の死から目を背けた領民。
そして、この一連の事態を招いた最大の要因である己自身。
全ての落とし前をつけるために、領主は狂気の中で立ち上がった。
どれほど歪んでいようとも、どれほど不毛であろうとも、それが彼の信念であり正義であった。
そして彼は領地に戻り、領地で死んだ。
新領主を担いで自ら吸血鬼化した多くの領民は死に、新領主も死に、贖いは果たされた。
領地にはまだ、胡散臭い新領主に阿らず、吸血鬼化から懸命に逃れ続けてきた人々が生きている。
彼等にも贖わせられなかったことを、彼は口惜しく思うのか、あるいは……安堵しただろうか?
それは、狂気に堕ちた最期まで領主として生きた、ヴラド・レイブラッドにしかわからない。
大成功
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最終結果:成功
完成日:2019年10月23日
宿敵
『異端なる太陽神仰の寵児』
『『吸血大公』ヴラド・レイブラッド』
を撃破!
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