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忍忍者、どこなんじゃ。

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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 ある男が唐突に思いつきを吐露する。
「そうだ、町民を妖魔にしましょう。うん、それがいい。」
 そんな恐ろしいことを今夜の夕飯を決めるように言い放った男は、善は急げとばかりすぐさま配下の忍びを町に放つのであった・・・。

●グリモアベース
「皆様お集りいただき感謝いたします。さっそくですが予知の概要を説明いたします。場所はサムライエンパイア、そこであるオブリビオンが町民を妖魔化させる計画を企てております。猟兵の皆様には計画の阻止及びオブリビオンの討伐をお願いしたく存じます」
 クラウス・ハントハーベン(青薔薇の操者・f01090)は集まった猟兵である君たちにお礼を述べると自身の予知の内容の説明に入る。
「どうやらこのオブリビオンは町に配下の忍びを潜伏させ、その忍達の手によって妖魔化行うようです。またこの妖魔化は体内に少しずつ特殊な妖魔の体液を摂取させることで進行するもので、完了するまである程度時間が必要のようであり、すぐさま町民全てが妖魔になるということはありません。ですので潜入している忍びを見つけ出し、排除することでこの計画は頓挫することでしょう」
 妖魔化についての概要と今回の作戦の目的を猟兵達は真剣に耳を傾けている。
「それでは皆様に忍の探索をお願いしたい村の説明をいたしましょう。この町は山の麓にあり、交易の中間地点となっており、主に大きな町へ行く途中の商人や旅人への商売で栄えております。住民の数もそれなりに多いですが、それ以上によそ者がいても誰も不思議がりません。目立った施設といえば宿泊用の宿や食事処がいくつかあり、呉服屋など基本的な生活を送るに不自由ない程度には栄えております。また山の麓にある為、山から引いて来た清流の水が名物の一つのようです」
 探索する上で君たち猟兵が町にいても誰も警戒はしないが、それは忍びも同じことであり、町民に見たことない奴はいないかなど聞いても効果は薄いだろう。
「人が入り乱れるなか潜伏した忍を探し出す…確かに中々骨が折れる案件ではございますが、皆様は腕利きの猟兵、このような時に使える手札は持っておいででしょう?」
 試すような、それでいて信頼を感じるような、そんないたずらっ子のように彼の言葉に猟兵達からは軽い笑みがこぼれる。
「ただ注意していただきたいのは見事に忍を見つけ出した際、まず間違いなく忍達は口封じにと襲ってくるでしょう。忍を倒したとしても黒幕である親玉の登場も予測されます。そのことはしっかりと肝に銘じておいて下さい」
 戦闘には備えるよう彼は警告をする。
「説明は以上になります。ご清聴ありがとうございました。それでは皆様を、町の近くまで送り届けようと思いますが何か異論のある方は?」
 異論などあるはずもない。猟兵たちは言葉にはしないがそう告げるような表情を彼に向ける。
「頼もしい限りでございます。それでは皆様のご武運、心から願っております」
 そう述べながら人形と共にに恭しく一礼した後、彼は転送の準備を始めるのだった。


八咫
 オープニングを読んで頂き、ありがとうございます。この度MSとなりました八咫と申します。初投稿となりますので至らない点はあるかと思いますが誠意一杯頑張りますので、温かい目で見ていただけたら幸いです。
 さてシナリオですが、第一章が冒険(忍の探索)、第二章が集団戦、第三章がボス戦となります。
 第一章の忍も間抜けではありませんので猟兵が「君って忍?」と聞いても「そうだよー」とは返してくれません。どう忍を見つけるか…皆様のプレイングを楽しみにしております。

 (地雷な行動・発言などがありましたら記載していただけると幸いです)
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第1章 冒険 『忍者はどこに消えた?』

POW   :    片っ端から忍者かどうか問い詰める。

SPD   :    忍者がひっかかってしまう尋問や罠を仕掛ける。

WIZ   :    華麗な推理(あるいはアイテム、魔法)で忍者を見分ける。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ジニア・ドグダラ
「……ひとまず、手数は大事でしょう。もう一人の『ワタシ』も、お願いしますね」

【SPD】
・【オルタナティブ・ダブル】でもう一人の自分を呼び出し、別々に行動します。
・一人は街中で出来るだけ多くの方に怪しい人を見なかったか、聞き込みを行い、街中にいる忍者をおびき寄せます。襲撃されそうな場合、ワイヤーフックを駆使して逃げ足に徹します。
・忍者と言えば薄暗いところ。もう一人は家との隙間や屋根など、地形を利用して存在感を消して目立たないようにしながら、路地裏や人通りの少ない店などを監視しておきます。こちらの場合、奇襲は激しくなると予想し、『鎮痛剤』を使用し、痛みに備えます。

※アドリブ・他者との協力歓迎です。



そこには二人の巨大な棺桶を背負った少女、ジニア・ドグダラ(朝焼けの背を追う者・f01191)がいた。これは彼女がUC【オルタナティブ・ダブル】を使った結果である。これにより自分をもう一人呼び出し、二人ががりで忍を探し出そうというのだ。
「……ひとまず、手数は大事でしょう。もう一人の『ワタシ』も、お願いしますね」
 ジニアは現れたもう一人自分にそう言うと彼女、いや彼女達は行動を開始する。
「何も闇雲に探す必要はありません。向こうから来てもらえばいいんです」
 一人が人通りの多いところで聞き込みをすることで忍をおびき出し、それをもう一人が追跡する。それが彼女の作戦だ。
 作戦の効果はすぐに表れた。自分たちを探している者がいるというのは、潜伏する忍達にとって放置できる問題ではない。そこで潜伏している忍の一人がジニアの調査をすることになる。もちろん見つからないように『陰に隠れて』だ。
「あら?釣れたようですね」
 もう一人ジニアが物陰で呟く。忍者がいるとすれば見つかりにくい、薄暗い所だろうと当たりを付け、監視していた彼女の前に忍が現れたのである。奇襲を予想していたが、忍は大通りのジニアを確認すると撤退を始めた。どうやら仲間の忍に情報を伝えるつもりなのだろう。これはツイている。このまま追跡すればまとめて忍を発見することができるに違いない。
「ふふっ、おまぬけさんな忍者さんですね♪」
 そう彼女は呟き、ご機嫌に追跡を始めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

モルツクルス・ゼーレヴェックス
【猟兵商業組合】【WIZ】

サムライエンパイア、まだまだ馴染みは薄いっすけどこの【世界の知識】は当然勉強済みっす!【学習力】には自信があるっす!

不自然なやつには気づいてみせるっす!……と自分を【鼓舞】っす!

【情報収集】の基本はどんな世界も聞き込みっす!

「お姉ちゃん方!ちょっといいすか!」

市場でお喋りするおば様方

「ちょいと旦那!部屋を探してんすけど」

宿屋の主人

「いやあ、これが名物、清水っすか!……おやここらのお人っすかね?」

名物の清流

それぞれに対応する【礼儀作法】をもってお話しうかがうっす!
【コミュ力】で内心を推し量るっすよ!

最近、変わった事や人、不自然な点、何気なく聞き出したいっすね!


朝凪・深月紅
ここ最近で日常生活に関わる部分で別の人に代替わりした人が居ないか、そういった行動を取ろうとした人が居ないかを聞いて回ってみましょう。体液という事ですし、特に水に関わる部分で関わろうとしてる人に重点をおいたほうがいいかな?
あまり口にしてくれない人には【誘惑】しつつお話してもらえるように動きましょうか。些細な違和感は長く住んでいる人でなければ感じる事が難しいでしょう。
食料や水の運用でそういった人が居なければそれよりも先の部分で影響している人が忍者かな?
他の人の情報と照らし合わせて特定に協力していきましょう



結果から言おう。清流には忍が妖魔の体液を流し込んでいる。その忍へとたどり着いた猟兵が二人いた。その二人の活躍をそれぞれ見ていこう。

●モルツクルス・ゼーレヴェックス(影を扱き使う・f10673)の場合

 持前の知力、行動力、そして溢れんばかりのやる気を武器に探索を行う者がいた。それがモルツクルス・ゼーレヴェックス(影を扱き使う・f10673)である。
 サムライエンパイアのことは既に予習済みだ、そして自慢の学習能力で必ず見つけ出してやる!そう彼は意気込み行動を開始する。
「情報収集の基本はどんな世界も聞き込みっす!あっそこのお姉ちゃん方!ちょっといいっすか!」
 市場でお喋りするおば様方。
「ちょいと旦那!部屋を探してんすけど」
 宿屋の主人。
「いやあ、これが名物、清水っすか!……おやここらのお人っすかね?」
 名物の清流の元へ集まる人々。様々な人へ聞き取りをしたが、元々よそ者に対し警戒心の薄い住民達であり、モルツクルスからの何気ない質問も快く答えてくれる。そうしてあちらこちらへ東奔西走する彼の元へ着々と情報が集まってくる。一つ一つの証言は弱いが集まればそれは真実に近づいてくのだ。そうすることで一つの結論にたどり着く。どうやら清流付近に怪しい旅人がいるとのことだ。清流に旅人がいること事態はいつものことだが、その旅人は清流に寄るだけで飲んでいかないらしく。以前から不思議に思っていたらしい。
「これは匂うっすね。もうぷんっぷんに匂うっす」
 その旅人に狙いを定めたモルツクルスはさっそく清流に赴くのだった。


●朝凪・深月紅(妖狐の人形遣い・f02133)の場合

 聞き込みで清流の忍にたどり着いた者がいる一方、こちらは最初から清流が怪しいと訝しんでいたものがいた。朝凪・深月紅(妖狐の人形遣い・f02133)である。
「体液という事ですし、特に水に関わる部分で関わろうとしてる人に重点をおいたほうがいいかな?」
 グリモア猟兵からの事前情報をもとに調査方針を決めた彼女はさっそく聞きこみを開始する。
「ちょっとそこのお兄さん。町の方ですよね?お話を伺ってよろしいですか?」
 些細な違和感は長く住んでいる人でなければ感じる事が難しいと考え、町民を中心に話を聞いていく。住民は基本的に友好的だったが中には口の重い者もいる。そういう相手には持前の美貌を武器に、誘惑しつつ話を聞き出せるのは妖狐故だろう。そうして集めた情報を照らし合わせていくとある結論に達する。清流に時折変わった旅人が現れるのだといったものだ。また、口の重かった男性の証言では声を掛けたらそそくさと立ち去ったのだという。
「これは大当たりかもしれませんね」
 ならば迷う必要はないとばかりに、朝凪は清流へ向かうのだった。

●合流
「怪しい旅人~。見逃さないっすよ~」
 まるで清流を守る番人のように周囲を見張っていると不意に声を掛けられた。
「ちょっとモルツクルスさん。気合があるのは分かるのですが、それだと敵が警戒してしまいます」
 朝凪である。彼女は清流に到着し、すぐさま恐ろしく周囲を見渡す男を見つけた。これが例の男かと近づいたらよく知る男性ではないか。思わず注意の言葉も出てしまうものである。
「朝凪さんじゃなっすか!これはうっかりしてしまったっす。ついつい力がはいってしまったっす」
 モルツクルスは注意を素直に受け入れる。
「その様子だとあなたも清流が怪しいと踏んだのでしょう?ここで会ったのも何かの縁、協力しましょう?少し離れた場所で談笑してるフリをするの」
 どう?と朝凪はモルツクルスに提案する。
「いい考えっす!よーし気合入れるっすよ!」
 快諾するモルツクルス。そして朝凪は入れすぎないようにね。とやんわり注意するのだった。
 モルツクルスの情熱が幸運を呼んだのか、張り込みを続けしばらく経つと目的の人物と思われる旅人が現れた。その旅人はさり気なくではあるが周囲を気にしており明らかに違和感を覚える。そして周囲の目が薄くなるのを見計らって清流に何か液体のようなものを注いでいるではないか。
「見つけたっすよ!現行犯っす!」
「はい!動かぬ証拠ってやつです!」
これでもう言い逃れはできない。後は取り押さえるだけである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ウィルトス・ユビキタス
なるほどな、全てを理解したぞ(強がり)。
妖魔の体液を摂取させるということは飲食物に混入させているに違いない。
つまり、この町の飲食店をめぐり、色々なものを食べていけばいずれは混入させた料理に出くわすはず……。その場合は料理人が忍者だな。
忍者を探すためだ、仕方がない。他の猟兵が頑張っているのは承知だが、俺は美味しいご飯を食べに行くぞ。
あと清流に混ぜられている可能性もあるからそっちに水を飲みに行くぞ。
【毒耐性】があるから多少は妖魔の体液を摂取しても大丈夫だろう。

忍者が襲いかかってきたら、【イラ・ナトゥーラ】を使って、装備している【ラディウス・ナトゥーラ】の銃身でぶん殴る。



「なるほどな、全てを理解したぞ」
 そう言い放つのはウィルトス・ユビキタス(武闘派デスクワーカー・f01772)である。強がりで出した言葉ではあるが、妖魔の体液を摂取させるということは飲食物に混入させているに違いない。という彼の考えは実に的を射ていたといえる。
「飲食店をめぐり、色々なものを食べていけばいずれは混入させた料理に出くわすはず……。その場合は料理人が忍者だな」
 他の猟兵が頑張っているのは知っている。だがこれだって忍者を探すため、結果として美味しいご飯を食べることになるだけでこれは必要な調査なんだ、毒に耐性のある自分に適した調査なんだと、そう自分に言い聞かせつつ彼は歩を進める。今宵の戦場、食事処へと…。
「なるほど、この町の食事処はおおまかに分けて2パターン。元々この町にある大きな店、そしてもう一つは屋台や出店の類か…」
 元々この町に暖簾を掲げている店はいずれも町民が経営しており、逆に屋台などは町民以外が出稼ぎとして商売しているようだ。
「とりあえず大きい方のから回るとしよう。さあ楽しませてもらおうか」
 何に対してなのかは彼にしか分からないのだろう。そして食事もとい毒味の結果、町民が経営している大型の食事処では異常は見受けられなかった。
「そうなるとやはりこっちが本命か」
 出店が立ち並ぶ方を見据え彼は呟く。本命なら何故後回しにしたのか…それもきっと彼にしか分からないことなのだろう。何はともあれウィルトス調査を続行する。
 出店も残り半分となった所でウィルトスの箸が止まる。
「この料理…僅かではあるが毒が混じってるな」
 この町の料理を食べ比べ続けた彼には僅かな味の違和感も逃すことはなかった。さあ尻尾は掴んだ次は腹ごなしの運動でも始めるとしよう。

成功 🔵​🔵​🔴​

ビッグ・サン
「う~ん、かぶれてしまいました」
「人形でもかぶれるのか」
「一応生きてるものでしてね」

ビッグと呼び出した探偵の霊が話している
「それより、本当に忍者を見つけられるんですか?」
「任せたまえビッグくん」

場所は変わって宿の大広間
探偵が香を焚き良い匂いが漂っている

「お集まりくださりありがとうございます。そして忍者はこの中にいると確信できました」

「忍者が使っている妖魔の体液の臭いと、この香の臭いを嗅いだものは手に湿疹が出ます。このように」

ビッグの手を見せる探偵、ざわめく人たち

「嘘でしょ?」
「嘘です。ですが間抜けは見つかりました。忍者はあなたです!」

皆が他人の腕を見てる中、自分の腕を見る人物を探偵は指を刺した



「う~ん、かぶれてしまいました」
「人形でもかぶれるのか」
「一応生きてるものでしてね」
 そう話しているのはビッグ・サン(永遠を求める研究者・f06449)とUC【サモン・ディテクティブ・ゴースト】で呼び出した探偵の霊である。しかし彼らの会話には不思議な点がある。人形の手がかぶれたようだが、手に湿疹が出来ているのは少女の方であり、翼の生えた兎のようなぬいぐるみにおかしな点はない。それもそのはずビッグ・サンの本体はぬいぐるみであり、少女の方が人形なのだ。
「それより、本当に忍者を見つけられるんですか?」
「任せたまえビッグくん」
 推理の舞台は町の宿である。宿の中に危険人物がおり、もし宿の中にいる人たちを集める協力さえしてもらえれば、自分ならその人物を特定できると宿の者を説得した。宿の店主も万が一本当に危険人物がいるのなら放置はできない。そうして半信半疑ではあるが宿の協力を得ることに成功したのである。
 所変わって宿の大広間、探偵の焚いた香が辺りに漂っている。
 店主が本当にいるんだろうな?いなかったらわかってるな?と念押しをしてくるが心配しないで下さいと返答し、探偵の霊とビック・サンは集まった人たちの前へと歩き出す。そして集まった者たちをぐるりと見渡すよう目を向けると語りだすのだ。
「お集まりくださりありがとうございます。そして忍者はこの中にいると確信できました」
 そういうと忍者だって!?と驚きの声がところどころで上がる。すると探偵は掌を向け静かにするよう促す。静かになると探偵は話を続ける。
「忍者が使っている妖魔の体液の臭いと、この香の臭いを嗅いだものは手に湿疹が出ます。このように」
 その言葉と共にビック(人形の少女)の腕を見せる。そこには確かに湿疹があった。
 嘘でしょ!?なんだって!?お前ちょっと見せてみろ!っとざわめく人たち。その様子を見て探偵は満足げに告げる。
「嘘です。ですが間抜けは見つかりました。忍者はあなたです!」
 皆が他人の腕を見てる中、自分の腕を見る一人の人物を探偵は指を刺した。そう、自分が忍者でないことがわかっている人ならばまず周囲の腕の湿疹を確認する。隣にいる人物が忍者かもしれないなら猶更だ。
「貴様!図ったな!バレてしまっては仕方がない!まずは貴様を血祭にあげてくれる!」
 隠し通せないと悟や否や変装を解き口封じに掛かる妖魔忍者。
「さて、宿のみなさは早く逃げてください。探偵さんもお疲れ様です。後は私の仕事です」
 そう告げビック・サンは迎撃態勢を取るのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『妖魔忍者』

POW   :    忍法瞬断
【忍者刀】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    忍法鎌鼬
自身に【特殊な気流】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    忍法鬼火
レベル×1個の【鬼火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●集団戦の開始

 なんの因果か猟兵達が忍を見つけ行動を開始したのは、ほぼ同時であった。周囲から響く戦闘音に妖魔忍者達も自分たちの存在が露呈したことを悟る。こうなっては致し方ない、この作戦は失敗だ。しかし、我らを暴いたこの者たちを生かしておくわけにはいかない。なんとしても息の根を止めねならぬ!。
 忍者達は隠れるのを辞め、なりふり構わず猟兵達を殺しに掛かってくるだろう。君たちはこれを迎撃し、忍者達を一掃するのだ!
ジニア・ドグダラ
「さて、どうするべ、き……あれ、私の棺桶は、どこに行ったのでしょうか?」

【WIS】
・思考にふけっている時に、(勝手に)【縛棺疾走】が発動(してしまいます)。
・一対のマッスルな腕と脚が棺桶に生えて、忍者たちに向かって全力疾走します。あまりのシュールさと存在感に忍者たちも困惑するでしょう。そのまま棺桶は1体の忍者をその手で捕獲し、棺桶に収納しようとします。

「…………えーと、とりあえず、攻撃すれば、よろしいのでしょうか?」
・棺桶が目線をおびき寄せている間、自身は目立たないよう隠れつつ鎖で忍者たちを1体1体捕縛して無力化していきます。

※アドリブ・他者との協力歓迎です。



町の各地で戦闘が始まる少し前、ジニア・ドグダラ(朝焼けの背を追う者・f01191)は忍者の潜伏先を突き止め、そこにいる複数の忍者達を物陰から伺っていた。
「なるほど、ここが拠点の一つですか。多勢に無勢ですが奇襲の好機、どう攻めるとしましょうか…」
 ジニアがこれからの戦闘方針について思考にふけっていると、あることに気付く。
「あれ?私の棺桶がない?」
 ジニア・ドグダラという女性を形容する上で、まず間違いなく特徴の一つに上がるであろう巨大な棺桶。それが彼女の背中から姿を消していたのだ。ここに来た時には確かに背負っていた。なら何故?いつ?何処へ?彼女が突然のことに困惑していると思わぬ人物から答えを得ることになる。
「おい!なんだあれは!なんなんだ!?」
 そう敵である忍者達からである。
 彼女は忍者達の声を聴きその方向へと目を向けると、そこには筋骨隆々の手足を生やした自分の棺桶が、忍者達に向かって全力疾走してるではないか。これは彼女のUCの一つ【縛棺疾走(カンオケマン)】なのだが、どうやら気づかぬうちに発動してしまったようだ。
「なんだこいつ!?くそっ!やめろ!離せ!」
 マッチョな棺桶がこちらに向かって凄い速さで駆けてくるという、あまりの非常識な光景に忍者達の思考は停止し、すぐさま行動に移すことができになかった。棺桶はそうして動きが止まっている忍者の一人を羽交い絞めに拘束し、棺桶の中に収納しようとする。
「やめろ!やめっ!くそっ離せ!嫌だ!お願いだから!やめてくれ!誰かたすk」
バタン!!棺桶の扉は閉ざされ、中からはくぐもった悲鳴とドンドンと扉を叩く音だけが辺りに響く。あまりのことに忍者達は言葉を失い、辺りは静寂に包まれる。数秒ほどだろうか、動きを止めていた棺桶はゆっくりと別の忍者へ向き直ると、次はお前だとばかりにその忍者に狙いを定め、猛獣の様に襲い掛かる。
「…………えーと、とりあえず、攻撃すれば、よろしいのでしょうか?」
 その一部始終を目撃したジニアは戸惑いつつも、忍者達の意識が棺桶に向いている今なら容易く捕縛できるだろうと鎖を取り出す。実際、忍者達は恐慌状態に陥っており、ジニアの存在に気付く者など誰一人いないだろう。
 そうしてジニアは1体1体確実に捕縛して忍者を無力化していくのだが、棺桶に襲われることを考えれば、彼女に捕縛された忍者は間違いなく幸運だったと言えるだろう…。

大成功 🔵​🔵​🔵​

モルツクルス・ゼーレヴェックス
「いえーい分身の術っす!」

戦いは数だって【戦闘知識】が囁くっす!
【自己複製】二人は多彩な魔術で【属性攻撃】を撃つっすよ!

「何が忍者っすか!こっちは猟兵っすよ!」

本体は【存在感】消し、街中で物が多い【地形を利用】して隠れるっす!自分の方が忍者っす!

集団戦は【コミュ力】がものを言うっす!

「みんな!所詮やつらは窮鼠っす!噛まれないようどっしり構えていくっすよ!」

皆の意図を察して補助しながら【鼓舞】し、忍者達の動きをよく観察して【学習】するっす!
段々と的確な指示を出すっすよ!

「いやあ、忍者の皆さん、無駄な抵抗は止めて腹でも切ったらどうっすか?遺言は聞いてやるっす!」

煽っとくっす!逃げなくなりゃ儲け!



場所は清流、モルツクルス・ゼーレヴェックス(影を扱き使う・f10673)は戦闘準備を開始していた。
「いえーい分身の術っす!」
 にんにんと手で印を組みつつUC【自己複製(アート・オブ・ザ・ドッペルゲンガー)】を行使する。これにより自己複製を行い、自身と同じ強さのモルツクルス1号・2号を召喚する。戦いは数、つまりはそういうことだ。
「何が忍者っすか!こっちは猟兵っすよ!」
「いやあ、忍者の皆さん、無駄な抵抗は止めて腹でも切ったらどうっすか?遺言は聞いてやるっす!」
 召喚された一号と二号が妖魔忍者達を挑発する。
「なんだと!貴様こそ、その素っ首叩き切ってくれる!」
 あくまで敵を逃がさないための挑発だったが、よほど忍者達の癇に障ったのか複製二人に敵の視線が集まる。その間に本体であるモルツクルスはこれ幸いと物陰に隠れ、目立たぬよう存在感を消していた。【自己複製】は強力な技だが、その間本体は戦闘ができず、傷を負ってしまうの複製が解除されてしまう為だ。
「所詮やつらは窮鼠っす!噛まれないようどっしり構えていくっすよ!」
 いざ開戦とばかりに声を上げ戦闘の幕が開ける。
 始まってしまえば情勢は圧倒的だった。はじめは妖魔忍者達も善戦したが、複製達の多彩な魔術の攻撃に蹂躙され、さらには戦いが長引くほどモルツクルスは敵の動きを分析・学習し、行動が最適化され付け入る隙がなくなっていく。こうなってしまってはこの清流に集まった妖魔忍者達が殲滅されるのも時間の問題だろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

ウィルトス・ユビキタス
神宮寺・絵里香(雨冠乃巫女・f03667)と連携。
忍者が現れたか、だがそんな後先を考えない攻撃でどうこう出来ると思うなよ。
「段取り通りにな」
【スチームエンジン】で蒸気エンジンをガジェットスケートに搭載、そのまま【ダッシュ】で敵群に突っ込んで、敵が殺到してくるのを待つ。敵と押し合いをしてれば神宮寺の援護が来るだろうから、合図と共に【ダッシュ】で【逃げ足】を活かして脱出しよう。
念の為、念のために一応【電撃耐性】と【呪詛耐性】、【オーラ防御】、【激痛耐性】で耐える準備はしておく。
上手く敵だけ麻痺したなら、腕部装着型可変ガジェットで【串刺し】にしていく。


神宮寺・絵里香
さて、忍者が破れかぶれで特攻してきやがったか。 んじゃ、ウィルトスの救援にでも入るか。 神宮寺の雷を喰らいたい馬鹿共からかかってこい。 ウィルトス・ユビキタス(武闘派デスクワーカー・f01772)と連携。 ウィルトスが前衛で時間稼ぎをしている間にUCの準備 【力溜め】【全力魔法】で威力を高め、【範囲攻撃】で拡大化、 【高速詠唱】で詠唱時間を短縮した【雷属性】のUCに【麻痺攻撃】 を乗せてウィルトスが抑えていた敵群に指先を向けてUCを発動。 UC発動前にウィルトスに回避を促す。「避けろ!ウィルトス!!」 UC発動後は麻痺して動けない敵相手に【水属性】を纏った 叢雲での【薙ぎ払い】で一気に仕留める



町のいたる所で猟兵達の戦う音が響く中、出店が立ち並ぶ大通りでも今まさに戦闘の幕が上がろうとしていた。

 そこには二人の猟兵がいた。ウィルトス・ユビキタス(武闘派デスクワーカー・f01772)と神宮寺・絵里香(雨冠乃巫女・f03667)である。町民は既に逃げており、彼らの周囲には二人を亡き者にしようという忍者達しかいない。
 端から見たら危機的な状況にも関わらず、二人の姿からは危機感どころか、どこか余裕すら感じる。
「段取り通りにな」
「ああ、やるべきことはやるさ」
 声を掛けるウィルトスに返答する神宮寺。短いやり取りを終えるや否やウィルトスが行動を開始する。
UC【スチームエンジン】で蒸気エンジンをインラインスケート型の脚武器であるガジェットスケートに搭載、そうするとウィルトスは大地を蹴ると滑るように忍者達に迫っていく。
「まずは挨拶代わりだ!もらっときな!」
 精霊銃を取り出すと忍者達に向け発砲、決定打にこそならないが牽制としては十分で攻撃を防御している忍者達は身動きが取れないでいる。
「クソっ!何をしている!奴を止めろ!」
 忍者達もなんとかウィルトスを捕えようとするが、彼の高速機動は素早さに自信のある忍者達の手を持ってしても止めることができない。
「ウィルトスやつ、上手いこと引き付けてるな。ならオレは自分の仕事をするとしよう」
 そう言うと神宮寺はUC【因達羅乃矢(インドラノヤ)】の詠唱を始める。そう彼らの作戦はウィルトスが牽制・足止めをして神宮寺の大技で一網打尽にするというものだった。
 神宮寺が詠唱を始めると、忍者達は一帯の気温が下がったような寒気に襲われる。マズイ、何かは分からないがあの女を放置するのは危険だ。忍者達は己の直感に従いウィルトスに襲い掛かろうとする。だが…。
「させるわけねえだろ!」
大地を滑走するウィルトスがそれを阻止する。詠唱を止めようと駆けだす忍者の先回りをし、あるものには携帯ロッドの一撃で叩き飛ばし、あるものには勢いそののまま蹴っ飛ばす。そうして神宮寺を守りつつ忍者達を一か所に集めていく。
 そうしている間に神宮寺の詠唱は完了する。
「避けろ!ウィルトス!!」
その声と共に神宮寺はウィルトスが抑えていた敵群に指先を向け、全魔力を注ぎ込んだ全力の【因達羅乃矢(インドラノヤ)】を開放する。すると天からの青白い稲妻が轟音と共に忍者達に襲い掛かる。
 だが【因達羅乃矢】を放つ瞬間忍者の一人がその鞭のような左手を伸ばしウィルトスを掴むことに成功する。
「ただでは終わらぬ!」
「いや終わっとけよ馬鹿野郎!」
 ウィルトスは思わず悪態をつくがもう稲妻は止まらない。
「「「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」」」
 凄まじい稲妻の一撃に叫び声を上げる忍者達とそれに掴まれたウィルトス。
 轟音が止み、辺りは忍者達がうめき声をあげ地に伏しているだけとなった。ウィルトスも稲妻を食らったが彼は見事な先見の明により、念の為に防御機構を展開しており行動不能になることを回避することができた。
「・・・・・・・・・・・やったな、作戦成功だ」
ウィルトスの元に近寄り声を掛ける神宮寺、それに対し彼は。
「・・・・・・・・・・・・・・オウ」
 と答えるしかできなかった。
 何はともあれ、もう忍者達は這うことすらままならない。後は確実にトドメを刺していくことでこの場の戦闘は幕を引く事だろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

朝凪・深月紅
さてどうしたものでしょうね……。
と呆けている場合はありませんでした。
私も皆様をお手伝いしないと。

戦場にふらふらと足を踏み入れて忍者の視線を【誘惑】により集めます。
ここに居る以上猟兵な事はばれているでしょうし無防備にしていれば勝手に襲ってくるでしょうね。
【残像】を利用した【フェイント】で【敵を盾にする】

こんな状態ですし、逃げようとするのがいないか【視力】を使って周囲を見回しておきましょう

※アドリブ可



「さてどうしたものでしょうね……。」
 朝凪・深月紅(妖狐の人形遣い・f02133)は戦場と化した町を眺めながら呟く。
「っと、呆けている場合はありませんでした。私も皆様をお手伝いしないと。」
 とりあえず無防備に歩くことで忍者を誘い込みこれを撃退しよう。そう考えた彼女は早速戦場に足を踏み入れる。そして、そんな彼女の罠にはすぐ獲物がかかることになるのだった。
「目標は女一人…。ふんっ間抜けなやつだ」
 鼻歌交じりに通りを進む朝凪を見つけた忍者はそう吐き捨て、仲間のもう一人の忍者もその言葉に侮蔑したような笑いをあげる。
「しかし奴も敵の一人、生かしてはおけん仕留めるぞ…」
 その言葉に仲間の忍者はうなずき返し、忍者二人は朝凪を奇襲することを決定する。
 死ね!そう叫声を上げながら襲いかかる忍者の攻撃は空を切ることになる。攻撃が当たった瞬間、朝凪の姿が蜃気楼のように霞んで消えたのである。確かに女はそこにいたはずなのに、なぜ、どうして。そんな疑問に困惑しているとその背後から静かに告げられる。
「残念。それは残像なの。ごめんなさいね?」
 背後から声を掛けられ思わず忍者は振り向こうとするがそれは叶わず、朝凪の大太刀によって一刀に伏すことになる。
 間抜けな女と思っていた、しかしそれが罠であり逆に奇襲された。その事実に残りの忍者は激昂し、鞭のような腕を朝凪に突き放つ。だがその行動すら彼女の計算のうち、素早く切り伏せた忍者を盾にする。すると腕は味方の死体を貫通し腕が思うように動かなくなる。動きの鈍くなった忍者など彼女の敵でなく、すぐさま懐へ潜り込むとその忍者の首を一閃する。こうして罠にかかった哀れな忍者二人は物言わぬ骸となるのであった。
「うん、いい感じです。それじゃあ次に行きましょうか」
 そうして朝凪は再び敵を罠に嵌めるべく歩き出すのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『黒幕の助言者』

POW   :    死灰復然(しかいふくねん)
【Lv体の武者】の霊を召喚する。これは【刀】や【弓矢】で攻撃する能力を持つ。
SPD   :    含沙射影(がんしゃせきえい)
【無数の影の刃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    電光雷轟(でんこうらいごう)
【錫杖】を向けた対象に、【激しい雷光】でダメージを与える。命中率が高い。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠犬憑・転助です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


猟兵達の活躍により妖魔忍者達の一掃は成功。激しかった戦闘の音も止み、一件落着かと思っていたのも束の間、不意に猟兵達へ声を掛ける僧侶が現れる。
「やれやれ、町民の妖魔化…いい作戦だと思ったのですがねえ。全て水の泡ですよ。まあ思いつきなんですけどね」
 そうケラケラ笑いながら語るこの男、明らかに先ほどまでの妖魔忍者とは一線を画す力を持っている。男の纏う威圧感から猟兵達はそれを感じ取り身構える。しかし、戦闘態勢を取る猟兵を目にしても男は変わらず語り続ける。
「いや別に配下にしようだなんて考えてはいなかったんですよ。ただ交易の中間地点であるこの町から妖魔化した人間を各地に送れば、世の中大混乱者じゃないですか!それって凄く面白くないですか!?」
 そう思うでしょう?と問いかけてくる男に共感するものなど一人もいない。
「おや、お気に召しませんでしたか…まあいいでしょう貴方たちにはどの道死んでいただくのですから。計画を潰したんです。せいぜい私を楽しませてください!」
纏う邪気を増大させ男は猟兵達へ襲い掛かってくる。
これが最後の戦いだこの黒幕を打倒し、この戦いに決着をつけろ!
モルツクルス・ゼーレヴェックス
純・ハイト(f05649)殿と連携とるっす!

「このタイミング!忍者達を先に倒して各個撃破に成功した自分達が有利っす!勝つっすよ!」と【鼓舞】してからの

【戦闘知識】で最適のタイミングを見計らって【睡眠雲】っす!

今や町人の逃げ出した町の【地形を利用】
ここでは大きな移動は妨げられるっすから広範囲攻撃は避け難いはずっす!
ちなみに対象は選べるんで味方は眠んないっす!

「今っすハイト殿」

【コミュ力】の前には狸寝入りはさせないっすよ!
確実に寝入ったところで繋ぐっす!
でかいので倒してもらうっす!

「生憎と、他人に迷惑をかける趣味は尊重されないっす。……遺言あるなら今のうちっすよ!」

独り善がりは善くないっすよね


ビッグ・サン
正体を暴かれ逆上した忍者は、素早い動きでビッグに近づき、一瞬で心臓を一突きして逃げていった
そして猟兵にやられた様だ

「流石忍者、急所を一撃ですか」

心臓を刺されたはずの少女が起き上がると、医療の心得があるのか器用に自分の傷を縫ってふさぐ

「うん、まだ問題なく使えますね」

身体をあちこち動かし、問題なく動けることを確認すると外に出る。

「ふむ、人の新たなる可能性の為に妖魔化させるなら良いですが、おもしろがってとは許しがたいですね」

自分の実験で人が死ぬのは大いに意義があることだが、遊びで人を殺すのは生に対する冒涜である

忍者の死体が沢山ある。呪文を唱えると忍者の死体はむくりと起き上がり、僧侶に向かって殺到する


純・ハイト
モルツクルス・ゼーレヴェックス(f10673)さんと連携。モルツクルス・ゼーレヴェックスさんが『黒幕の助言者』を眠らせて合図が来たら戦神フェアリーの軍勢を発動させて【戦闘知識】で効率のいい攻撃をさせに行かせる。自身は戦神フェアリーの鼓舞で戦っている仲間を【鼓舞】をしながら自身を鼓舞して攻撃できそうなら【全力魔法】【属性攻撃】【高速演唱】で攻撃する。



黒幕の僧侶との戦闘が始まる少し前、ビッグ・サン(永遠を求める研究者・f06449)と名乗る『少女』は町の宿の中で天井を仰ぐように倒れていた。先の妖魔忍者との戦闘で何人かの忍者は倒せたが不意をつかれ心臓を一突きされてしまったのだ。
「流石忍者、急所を一撃ですか」
 心臓を刺されたはずの少女が起き上がると、何もなかったかのように動き出し、その傷を器用に縫合していく。
「うん、まだ問題なく使えますね」
 そう言葉を発するのは翼の生えた兎のようなぬいぐるみ。実はビッグ・サンの本体はこのぬいぐるみであり、少女は操っている死体にすぎず、刺された心臓もそもそも機能していない。そして身体をあちこち動かし、問題なく動けることを確認すると宿の外に出る。
 すると少し離れたところから黒幕らしき僧侶の不愉快な口上が聞こえてくる。
「ふむ、人の新たなる可能性の為に妖魔化させるなら良いですが、おもしろがってとは許しがたいですね」
自分も決して善人とは言えない所業をして来た。しかしそれは目的あってのこと、遊びで人を殺すのは生に対する冒涜である。やつの好き勝手にさせることなど看過できない。
「ふむ、幸い息絶えた忍者の数は十分ですね。それでは彼らに手伝ってもらうとしましょう」
そうビッグ言うとUC【サモンアンデット】を発動し、アンデットと化した忍者達を僧侶に放つのだった。


 時は戻って黒幕の僧侶と戦闘開始直後。純・ハイト(優しさと狂気にあふれたフェアリーの魔術士・f05649)とモルツクルス・ゼーレヴェックス(影を扱き使う・f10673)は先陣を切ろうとしていた。
「忍者達を先に倒して各個撃破に成功した自分達が有利っす!勝つっすよ!」
「ええ勿論です。このような輩は始末しないといけません」
気合十分のモルツクルスに静かに返すハイト。
「あんな役立たずな忍など、いくら倒したところでなんだというので?まあいいでしょう、それなら次はこいつらと戦って下さい」
僧侶は錫杖で地面をトンっと叩くと、周囲に黒い靄が発生しその靄がどんどん集まり、やがて武者の姿となっていく。それも一体や二体でなく、かなりの軍勢だ。
 僧侶が殺しなさい。と武者達に命令すると、一斉に武者たちが二人に襲い掛かってくる。
しかし、結果から言うと武者達では二人の相手にすらならなかった。魔法や精霊術に秀でた二人は、適度な距離を保ち遠距離から攻撃すればよく、敵からの弓の攻撃もフェアリーであるハイトに当てることは至難の技であり、モルツクルスもオーラで防御するなどの対策がある。完全にワンサイドゲームであった。
それを見ていた僧侶は見るに見かねて。
「なんですその様は!私の周りには役立たずしかいないのですか!」
 と声を荒げる。しかしそれがいけなかった。一瞬とはいえ意識が猟兵二人から逸れたのである。
「ここっす!『魔なる力よ、安らぎよ、深く暗き眠りを与えよ』!」
 僧侶の隙を伺っていたモルツクルスが睡眠効果のあるUC【睡眠雲】を僧侶に放つ。
「そんな…攻撃っで、私っが…たお…れると…でも?」
 完全に睡眠状態にこそ出来なかったが、僧侶の意識は途切れ途切れの状態に陥らせることには成功する。
「今っすハイト殿!睡眠雲も長くは持ちそうにないっす!お早く!」
「了解だ!『戦いの時は来た、来たれ我が故郷『失われた都』のフェアリー軍の精鋭兵と精霊軍の精鋭兵達よ我と共に戦ってくれ‼』」
 ハイトが詠唱を終えるとその場には200に迫ろうという数の妖精の軍勢が現れていた。
「全軍!突撃!!」
 ハイトの号令と共にフェアリーの軍勢が突撃を開始する。
 しかしその時である、遠方から妖魔忍者の軍団がこちらへ向かって走ってくるではいか。
「ハイト殿!敵の援軍っす!」
「くそ!このタイミングで!」
「ハハ…ハ!なん…だ!少しは役に…立つじゃ…ないです…か!」
 援軍に戸惑う者と喜ぶ者、三者三様の反応を見せるが、忍者達は三人の予想とは違う行動をする。猟兵二人へではなく僧侶へ向かって進行しているではないか。そうこの忍者達はビッグによって作られたアンデット化した忍者であり、攻撃対象は僧侶の方なのだ。
「ハイト殿これはどういうことっすか!?」
「わからん!しかし好都合!このまま圧殺する!」
 不明な点も多いが忍者がこちらの援軍ならばこのまま攻撃を続行するとハイトは吠える。
「ぐううううううううううう」
 睡眠雲によって動きが鈍くなっている僧侶は、フェアリー軍と忍者達によって袋叩きになっている。このまま決着かと思いきや…。
「舐めるなああああああ!!」
 僧侶は【含沙射影(がんしゃせきえい)】を放ち、自身に群がる軍勢を一瞬で消し去る。
「すぅー…はぁー…ふう、中々やりますね…しかし屈辱的ではありましたがまだこの程度で倒れる私ではないですよ」
 深呼吸しそう言い放つ僧侶は、虚勢ではなくまだ余裕はありそうだ。しかし、確実にダメージは蓄積している。ファーストアタックは間違いなく成功と言っていいだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジニア・ドグダラ
「…………人が多く死ぬかもしれないことを、面白い、ですか……」『いや、こいつ、ただの阿呆だ。何にも考えてないから、こういうことを言ってるだけ』

【WIZ】

・【高速詠唱】で素早く死霊を敵の前面に召喚し、攻撃を防げるようにします。死霊騎士は敵の行動を味方たちに把握できるよう、【時間稼ぎ】に徹さしつつ、敵の雷光を盾で受け流しつつ地面に逃します。死霊蛇竜は騎士の背後に位置し、敵の出方を窺いつつ【フェイント】を織り交ぜた尻尾による【だまし討ち】を狙います。
・自身は負傷を防ぐため、宣言後はフックワイヤーで逃げだし、【地形を利用】し、【目立たない】よう【存在感】を消します。

※アドリブ・他者との協力歓迎。



ジニア・ドグダラ(朝焼けの背を追う者・f01191)現れた黒衣の僧侶の人を人とも思わない言葉に憤慨していた。
「…………人が多く死ぬかもしれないことを、面白い、ですか……」
 ジニアがそう呟くとそれに答える声が現れるが、その声もまたジニアから発せられる。
『いや、こいつ、ただの阿呆だ。何にも考えてないから、こういうことを言ってるだけ』
 その男の思考を考えるだけ無駄だと警告するその声の主は、ジニアであってジニアでない。彼女は『ヒャッカ』ジニアの別人格である。ジニアに比べ冷酷ではあるがジニアと同じく優しさも持ち合わせてる彼女にとっても僧侶の言葉は許せるものではないのだろう。
「阿呆とはひどいですねぇ…そんな悪い貴方にはお仕置きです!」
 わざとらしくやれやれと首を振る僧侶は、錫杖をジニアに向け雷光を放ってくる。
 しかし激しい雷光は突如現れた死霊騎士の盾によって防がれる。ジニアのUC【リザレクト・オブリビオン】である。僧侶はなおも雷を放ってくるが、死霊騎士はその全てを地面へ受け流しジニアへの攻撃を完全に防いでいる。
「後は頼みましたよ!」
 そう死霊たちに声を掛け、自身はワイヤーフックを後方へ飛ばし、前線から距離を取る。自身の負傷によるUCの解除を防ぐためだ。
「ふんっ!守るだけの木偶と逃げる小娘など用はありません!」
 決定打を与えることも難しく、その上召喚者本人には距離を取られた今、死霊にかまっても旨味は少ないと踏んだ僧侶は、早々に見切りをつけ別の猟兵を攻撃しようとする。しかしその瞬間、死霊騎士の後ろで隙を伺っていた死霊蛇竜が僧侶へ襲い掛かかる。
「なあんてね!その蜥蜴モドキが隙を付こうとしてるのなんて見え見えなんですよ!」
 引っかかったとばかりに、向かってくる死霊蛇竜に雷を放つ僧侶。しかし死霊蛇竜はそれを予期していたのか、僧侶が雷を放つと同時に進行方向を変え雷を回避する。そしてそのまま、避けられたことに驚愕している僧侶に尻尾による強烈な一撃をお見舞いする。
「この死にぞこないがあああァ!」
 僧侶は後方へ大きく吹き飛ばされる。なんとか転倒せずに着地することに成功したものの、思わず膝を付く。ダメージは確実に蓄積されている。勝利まであと一歩だ!

成功 🔵​🔵​🔴​

神宮寺・絵里香
さて、ようやく黒幕か。この手の化生は速やかに抹殺するに限る。 ヘラヘラした態度も気に入らん。じゃあ、速やかに死ね。 ウィルトス・ユビキタス(武闘派デスクワーカー・f01772)と連携。 POWの攻撃に対しては、【範囲攻撃】で拡大化した【高速詠唱】して 詠唱を短縮。さらに【破魔】の力をつけて攻撃をすることで対処する。 WIZの攻撃については【水属性】を纏った叢雲で【薙ぎ払い】対処。 【電撃耐性】と電気を流さない純水を纏った薙刀で攻撃をしのぐ。 そして隙を見て【力溜め】をした【雷属性】の雷槍因達羅を【槍投げ】で 投擲し【串刺し】にしつつ【麻痺攻撃】を行うことでウィルトスのUC発動 をサポートする。


ウィルトス・ユビキタス
神宮寺・絵里香(雨冠乃巫女・f03667)と連携

親玉はろくなやつじゃないか。御託なしにさっさと倒すか。
「近付けるもんなら、近付いてみな!」
と近づかれたら困るという【パフォーマンス】をして敵を誘導する。
【スナイパー】【援護射撃】【先制攻撃】
精霊銃で後方からラディウス・ナトゥーラで撃ち抜いていく。
銃撃はあくまで陽動。神宮寺が短槍を投擲するまで援護。
先の反省を活かして、神宮寺が投擲で隙を作ったのを見計らってから【ダッシュ】で近づく。
懐まで潜り込んだら、【イラ・ナトゥーラ】を使用、ラディウス・ナトゥー手の銃身を心臓目掛けて叩き込む。
これを使うと精霊銃の精霊が怒って弾が出なくなるので、鈍器として扱う



猟兵達との戦いにより疲弊した僧侶は【死灰復然(しかいふくねん)】を発動、武者を召喚し護衛にすることで大勢の立て直しを図る。しかし、その武者達の半数はどこからか飛来した破魔の魔法攻撃と精霊術を宿した魔法弾により消滅することになる。
 その正体は神宮寺・絵里香(雨冠乃巫女・f03667)とウィルトス・ユビキタス(武闘派デスクワーカー・f01772)である。
「さて、ようやく黒幕か。この手の化生は速やかに抹殺するに限る。 ヘラヘラした態度も気に入らん。速やかに死ね。」
「おお怖…。まぁ、あんなろくでなし、御託なしにさっさと倒すのは賛成だな。さあ!近付けるもんなら、近付いてみな!」
 気に入らん、さっさと殺すと魔力を溜め始める神宮寺、そして僧侶を挑発するウィルトス。二人の姿を見た僧侶はうんざり気に声を漏らす。
「貴方達ですか…残念ながらその手には乗りませんよ。先ほどの戦いを見ていましたのでね。近づいたところで貴方に妨害され、そこの彼女の雷でズドン…そういうことでしょう?」
 ですが、と僧侶は続ける。
「私も雷を操る者、力比べといきましょう。まあ勿論こちらも妨害はさせてもらいますがね!」
 そう言うと残った武者達を神宮寺に殺到させ、自身は全力の【電光雷轟(でんこうらいごう)】を放つため力を溜め始める。
「だってよ。どうする神宮寺?」
 向かってくる武者達を精霊銃で撃ち抜きながらウィルトスは問う。
「ふんっ、望むところだ。あんなボンクラにオレの【因達羅乃矢(インドラノヤ)】が止められるとは思えんがな」
 その提案乗ってやると口の端を上げながら神宮寺は答える。
 調度ウィルトスが召喚された武者達を一掃し終わったころ、神宮司と僧侶二人の準備が完了する。
「さあ死になさい!【電光雷轟】!」
『ナウマク・サマンダ・ボダナン・インダラヤ・ソワカ!神々の王の裁きよここに!魔を滅ぼせ因達羅の矢よ!!』
 天から飛来する青白い稲妻とそれに対抗する錫杖からの激しい雷。両者はバチバチと拮抗していたが、それも長く続かず【電光雷轟】は霧散し【因達羅乃矢】が僧侶に降り注ぐ。
「ぐううううう!」
 しかし【因達羅乃矢】は【電光雷轟】に力を削がれていたため、僧侶を倒すまでには至らない。
「ハハハ!力負けこそしてしまいましたが貴方達の奥の手は耐え切りましたよ!」
 落雷の影響であたりに砂煙が立ち込める中、僧侶の笑い声が辺りに響く。
「しかしどうやら旗色が悪いですね。申し訳ありませんが尻尾を巻いて逃げるとします。それでは皆様おさらばです!」
 そう告げ撤退を始めようとする僧侶に神宮寺は呟く。
「あぁお前、【因達羅乃矢】が切り札と思ってたのか?勘違いしてるとこ悪いが…」
 砂埃の中一つの影が僧侶へ向かって接近している。
「本命はそっちだ」
 神宮寺が告げると同時に砂埃が風に流され晴れていく。そこには精霊銃「ラディウス・ナトゥーラ」をもったウィルトス・ユビキタスが一直線に僧侶へ向かって駆けていた。
 不意のことに僧侶が驚愕しているとウィルトスは僧侶の懐まで距離を詰める。そして銃身を心臓に当て引き鉄を引く。
「あばよ!!」
吠えるウィルトス。そしてカチリと小気味いい音と共にウィルトスの渾身の【イラ・ナトゥーラ】が僧侶の心臓を貫く。間違いなく致命傷、これが決着の一撃となったのだった。



 僧侶は天を仰ぎながら倒れている。息絶えるのも時間の問題だろう。
「ああ残念負けてしまいました。もう少し遊びたかったんですがねえ…。まあいいです、それなりに楽しかったですからね。なあに次は地獄で遊ぶとしますよ。ふふふ楽しみですねえ。流石に私も地獄で遊んだことはありませんからねえ。ああ楽しみだ、本…当に…たの…しみ…だ…」
 そう言葉を残し黒い靄となって僧侶の姿は消えていく。
 かくして猟兵達の活躍により事件は解決。町民達の妖魔化は阻止された。町の建物に被害こそ出たが、その程度の事すぐに修復し、町民達はまた商売に励むだろう。
 猟兵達は町民から口々にお礼を述べられると満足げに帰路に着くのだった。

 ――のちに、この町で勇敢な旅人が町を救ってくれたという話が語り継がれるのだが、それはまた、別のお話しである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月08日


挿絵イラスト