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マグロの国のアリス

#アリスラビリンス

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#アリスラビリンス


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●不思議の海一本釣りの旅
「おい新入りてめぇ!俺の角砂糖パクっただろ!」
「そんなことしてません!」
 厳しいノルマによって気を荒らす船員たち。
「もっと波に負けない声を出せ!!次そのカトンボみたいな喋り方したら海に投げ落とすぞ!」
「この間は『でけぇ声出すな!マグロが逃げんだろ!!』って言ってたじゃないですか!」
 年功序列が生む理不尽な人間関係。
「ここから海に落ちたら借金は帳消しかぁ……」
 そして、なによりアリスの心を蝕む借金の重い鎖。
 ここは、オウガが作り出した今は無き日本の闇が一つ。保険金をかけられた船員が借金返済のために危険な船旅に出る違法な密漁船であった。

●ご期待ください
「皆さんお集まりいただきましてありがとうございます。今回が初めてのお仕事ですが頑張るのでよろしくおねがいします!」
 新人グリモア猟兵の空葉・千種(新聞購読10社達成の改造人間・f16500)がこの場に集った一同に声をかける。
「今回はアリスラビリンスでパワハラを受けてるアリスの救援に行ってもらいたいのですがー……実は私も昔バイトしてた業種なのでイメージが悪くならないように皆さんには特に頑張ってもらいたいんです!」
 かつて華奢な少女が働いていた業種と聞きケーキ屋さんやコンビニなどの軽作業を想像するだろうが猟兵達に叩きつけられた内容は、
「マグロ漁船です」
 嘘だろ?と騒ぎ立てる一同を尻目に千種は説明を続ける。
「今回アリスがパワハラを受けてる職場はマグロ漁船、それも魚群探知機とかモーター式巻き取り網みたいな自動化処置が施されていない、一本釣りタイプの随分と古風な船なんです。なので皆さんには多分マグロ漁船に乗ってアリスのメンタルケアやお仕事の手助けをしてもらうことになると思います」
 千種はこう言うが今回の不思議の国の海はあまり広くないため、船に乗る以外の手段でアリスにアプローチする事も不可能ではない。だが、冷たい海を単身渡ることになるのでさすがの猟兵でもおそらく過酷な道のりとなるだろう。マグロ役として潜入を行う際は結構な覚悟が必要だ。
「今回のアリスさんは40代前半男性。借金は無いはずなのにオウガのせいで『完済するまでこの船を降りれない』という強迫観念に襲われながら仕事をしています。ですから自殺とか事故死とかしないようにフォローしてあげてください!この船の漁獲量ノルマは全員で共有なのでアリスさん関係なくマグロを釣り上げても助けになると思います!」
 そう言いながら千種が差し出したスケッチブックにはくたびれたサラリーマン風の男性アリスが描かれていた。……知り合いに押し切られて連帯保証人にされそうな気弱な印象を受ける男性である。

「最後に重要なお話なんですが、アリスさんをいびる先輩船員、明らかにカタギじゃなさそうな船長、体格的に絶対無理そうなのに何故かマグロを掻っ攫う海猫などオウガが作り出した幻がいっぱいいるせいかオウガ本体の姿が予知できませんでした……。ですから、オウガを発見するまではユーベルコードを使ってることがオウガにバレないようにしてください。オウガ発見前に猟兵が来たことが知られると逃げられちゃいます!」
 『きっと、みなさんならうまくごまかせるはず』と締めくくった千種は転送装置のスイッチを入れ、マグロ漁船が寄港する港へと猟兵たちを送り出した。


岡崎三号
 岡崎三号です。
 私には借金のカタにマグロ漁船に乗せられた経験が無いため資料で調べながらふわっと執筆しますのであらかじめご了承ください。そんな経験あってたまるか。
 今回のシナリオはオープニングの通りアホシナリオです。第1章で潜入する役割が船員、マグロ、海神様などなどどんな役だろうと大体なんとかなるのでゆるい感じのプレイングで潜入していただけたらと思います。
 特別にアイテム発行等はしませんが一応普通のマグロなどが釣れますのでよろしければ旅団とかでお召し上がりください。漁師さんの偉大さを考えながら執筆していきたいと思っているのでどうかよろしくお願いします!
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第1章 冒険 『嫌な現実の国』

POW   :    嫌な奴の嫌がらせに対して、「アリス」を正面から庇う

SPD   :    素早く細工や手回しを行い、嫌な奴の嫌がらせをわかりやすく妨害する

WIZ   :    親身になって「アリス」の話を聞き、慰めてあげる

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●マグロ、冒険開始
 マグロ漁船が港から漁場へとたどり着く。
「キビキビ動け新入り共!ノルマ達成できなかったら利息分航行日数が増えるからな!!」
 オウガが作り出した幻である船長がアリス、そして船に乗った猟兵たちに罵声を浴びせる。
「おい、新入りのあいついるだろ?トロいし役に立たねえから海に突き落としちまうぜ!」
 同じく幻の先輩船員が良からぬ計画を建てる。
 ここはオウガがアリスを苦しめるために作った現実より過酷なマグロ漁船。体力、気力、技術力、その他色々が求められる過酷で命がけな職場での仕事(たたかいと読む)が今始まろうとしていた。
カーバンクル・スカルン
千種さんあなた一体何をされてるんですかねぇ……。否定する勇気も大切よ……?

まー、うるさ方の罵声は無視してマイペースに釣るとしますかねぇ。こう見えて釣りの経験はあるし、力にも自信あるんで。マイ釣竿(という名のフック付き鎖)も持ってますし。冷たい気温? 宇宙育ち舐めんな。

で、マグロが釣れても釣れなくても他の人(アリス)の足を引っ張ろうとしているバカを見つけたらマグロかフックをそいつの顔面か腹部に釣竿を上げた反動による偶然を装ってシューッと!

「あんたさー、釣竿の前にちゃんと着いてないからぶつかったんだよ。真面目に仕事してくれない?」

釣り上げたマグロはワニの口の代わりに水槽にぶち込んでくぞー。


ニコリネ・ユーリカ
SPD
マグロ漁船ですって! 前から乗ってみたかったの!
中古で買った営業車のローンも残ってるし
明日は我が身と思って働かせて貰いましょ
うん、スリルの予感が汐風に漂ってる

マグロ一本釣りなんて漢らしくて憧れちゃう
私も「釣り」には自信があるから、彼の為にマグロを釣っ…
んンッ、全然引っかからないから予定変更!

【Santuario Segreto】で姿を消して、先輩船員の釣果をいただきよ!
先輩船員が釣った瞬間にマグロに触れて消し、アリスさんの所へ「運搬」
自分が釣れてないのに、釣れてる人を悪くは言えない筈よ
船長が怒鳴り込んできたら、シャッター棒で足を引っ掛けて転ばせちゃう
怪盗ニコリネは弱い者いじめを許さないわ


ルシル・フューラー
SPD

私は流離いの釣り人
マグロ漁船、一度乗ってみたかったんだ

固めに焼いた焼きおむすびを餌に自在竿構えてマグロ釣り
釣りスタイルは持久戦
逃げるマグロの動きに合わせて竿を伸び縮みさせ、マグロが疲れ切るのを待って引き上げる
自在竿はどこまでも伸びる
この海の果てまでだろうが伸ばしてみせるさ!
アリスの分までマグロを釣り上げても構わんのだろう?

幻船員の妨害もしておこう
海に浮かぶ船の上と言う地形を利用して
荒波で船が揺れたタイミングで『おっと足が滑ったー』等とだまし討ちで釣りたてのマグロを叩きつけて船から落とす
「これはきっとマグロの呪いだよ。誰かを海に落とそうなんて考えるから」
などと他の幻船員に恐怖を与えておこう



●攻撃に使用したマグロは猟兵一同がおいしくいただきました

「おい新入りてめぇ!この漁船に乗ってだいぶ経つのにほとんど釣れてねぇじゃねぇか!」
「ズブの素人を乗せてマグロを釣れって言われても無理がありますって!」
 アリスと船員が言い争うすぐ近く、船の右舷に並ぶ影が三人。
「随分と薄着だけど寒くないのかい?」
「太陽があたってるから十分。宇宙育ち舐めんな、ってことよ」
 自在竿で順調にマグロを釣り上げるのはルシル・フューラー(ノーザンエルフ・f03676)だ。そのとなりのカーバンクル・スカルン(クリスタリアンの咎人殺し・f12355)は時折ワイヤーにマグロがかかるものの釣果につながらない状態である。
「マグロ漁船、前から乗ってみたかったの!」
 なんて出発前に話していたニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)は中古で買った営業車のローンのためにもマグロを多く釣り上げたいところであるが完全にオケラ。未だワイヤーに引っかかりすらしない。
「私も釣りには自身があるのだけれどね……」
「こちらは自前のエサをつかってるからかもね」
 なんて話している間にもルシルは追加のマグロを釣り上げる。ルシルは自在竿の糸をマグロの動きに合わせて伸び縮みさせる持久戦スタイルでヒットしたマグロを決して逃がすことなく着実に釣果を上げていく。
「わたしもルシル君のエサ借りてもいいかしら?」
「もちろん。ニコリネも釣れるといいね」
 そう言ってルシルが取り出したのは硬めに焼いた焼きおむすび。本来マグロは肉食であり穀物に反応することは殆どないのだが……
「早速ヒット!……駄目、逃げられちゃった」
 何故かここのマグロは盛んに反応する。不思議の国のマグロは雑食なのか、それともルーンソードの魔力に反応しているのか。なぜ焼きおむすびに反応するのかを知るは水槽に浮かぶマグロのみであった。

「おめーよぉ?何もできねぇんだったら撒き餌役でもなるか?」
「わかりました!なんとかしますからその鮪包丁をしまってください!」
 しばらくマイペースに釣りを続ける三人であったが、肉体的な危害の可能性を感じて無言で顔を合わせうなずきあう。そろそろアリスに対する行動を開始するタイミングだ。
「おっと、荒波のせいで手が滑った」
「手が滑ったなら仕方がないねシューッと!」
 ルシルが釣り上げたマグロの針を空中で外し、カーバンクルが回収するふりをしてフックを船員の脇腹にクリーンヒット。
「おいゴラァ!今思いっきりシューッって言ってふべらっ!!」
 船員に当てたフックでマグロを回収した後、水槽に入れるふりをして高威力高命中のマグロを顔面にぶち当てる追撃も忘れない。不意を喰らった船員は超エキサイティングに水槽にダイブした。
「あんたさー、釣竿の前にちゃんと着いてないからぶつかったんだよ。真面目に仕事してくれない?」
「なんだよ!俺はこいつが足を引っ張らないように、「海の漢が女々しいこと言っちゃ駄目よ」んべにっ!」
 マグロごと叩き落された船員はなんとか水槽から這い上がるが、次の瞬間にはどこからか伸びてきたシャッターを閉める棒に突き落とされ、セリフを言い切る前に水槽に戻される。
「その割にはあんたの釣果も随分なものみたいだけど?」
「んなわけねぇだろ!見ろ!このマグロに付いてるタグには俺の名前が書かれてる!」
 そう言って息絶え絶えで船に上がった船員が取り出したマグロの尾びれには名前入りのタグが付いている。漁獲量が全員の合計で算出されるとはいえ船内のイニシアティブを確保するためにこういったことをする輩がいるのだが……
「そのタグにはアリスの名前が書かれてるようだけど?」
「あ”あ”っ!?」
 困惑する船員の後ろでピースをするのはSantuario Segretoで透明になったニコリネ。大胆にも騒ぎの中心である水槽に近づきマグロと小指をつなぐ事によって透明化。先輩船員が釣ったマグロをアリスが釣ったことにして船内でのアリスの地位向上を行おうという魂胆である。……マグロに小指はない?じゃあ多分小指っぽい腹ビレ辺りをつないだのだろう。
(怪盗ニコリネは弱い者いじめを許さないわ)
 と心のなかでつぶやきつつも先程船員を突き落としたシャッター棒で上がってきた船員を再度突き落とすニコリネ。この工作によりしばらくの間アリスが無能扱いされることはないだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

烏丸・都留(サポート)
※ステータスページ/器物設定要確認!
※UCは、状況に合うのを選択し使用して下さい。
又は過去リプレイ確認。
※共闘連携可


<戦闘その他>

『後方支援は万端よ! だから安心して行きなさい!』



近接戦闘:
アイテールのメイス
防御偏向結界:10万枚


※下記装備を無数に拡縮召喚しての後方支援等

射撃攻撃:
アサルトユニットα/β/Γ:無数

索敵・迎撃・陽動:
クラスタード・デコイ/リレイ:各9万

防御:
ガードユニット:3万
アイテールの護衛隊:無数

支援:
メンテナンスユニット(Lv個大隊対応):治癒修理


<日常>
お腹の傷への揶揄はNG!
賑やかな仲間との日常を眺めて楽しむタイプ。
しょうがないわね……と言いながら誘われると受ける感じ。


キギ・レインメーカー(サポート)
『今日は何をしようかな?』
オラトリオの探索者 × 戦場傭兵
年齢 22歳 男
外見 171.6cm 紫の瞳 金髪 普通の肌
特徴 雨が好き
口調 ヘラヘラ(俺、~君、~さん、だ、だね、だろう、だよね?)
考え事中は 口元に指をあてる(俺、~君、~さん、言い捨て)

知的好奇心高めでマジックアイテムやアーティファクト集めが趣味
猟兵としての活動理由は専ら自らの知識欲を満たすため
戦闘方法はマジックアイテムを使ったりテキトーなハッタリで相手を罠にはめる

お気に入りのアイテムは
満たした液体と同様の雨を降らせる効果のある杯「零れる雨」



●密猟は犯罪です

 水槽周りでの騒動から少し経って、船内には次々とマグロが積み上げられていく。そんな中キギ・レインメーカー(オラトリオの探索者・f02371)は堂々と船内の検分を行っていた。……堂々としていると逆に怪しまれないようでキギは船員たちを一人ひとり観察し、オウガの所在について情報を集めていく。
「おい、オメェ何者だ!」
「いやだなぁ。組本体から監査に来たキギだよ。忘れたのかい?」
「そ、そうでしたね……いやぁ申し訳ない!マグロなら好きなだけ持ってっていいですからエンコ詰めだけは勘弁してください!」
 飄々と嘘を重ねて情報を集めていくキギ。一時間ほど船内を漁ったところで船の左舷後方から拡声器ごしの大声が響き渡った。

「こちらは海上保安庁です!そこの漁船は漁業許可証を見せてください!」
 そう叫んで船から現れたのは二等海上保安正……いや、その演技をしている烏丸・都留(ヤドリガミの傭兵メディック・f12904)だ。海上保安庁の巡視艇も対UDC/NBC対応自立戦略生体型クラスタード・デコイを偽装させたものである。
「やべえぞ、海保のガサ入れじゃねぇか!」
「オイ!密猟でパクられる前にマグロを隠せ!!」
 慌て始める船員たちを尻目に厳つい顔の船長が横柄な態度で都留の臨検に応じる。
「……これが許可証だ。文句あっか?ないなら仕事のジャマだからとっとと帰れ!!」
 明らかに偽物の漁業許可証を差し出す船長だが、ここは理不尽が支配する不思議の国。下手に正当性を問えばこちらが不利になる可能性もある。
「いえ、こちらで十分です。航海中失礼しました。ごきげんよう」
「ごきげんよう。もう顔を見せんじゃねぇぞ!」
 しかし、それでも問題はない。都留の目的はガサ入れなどではないのだ。
「あれ?監査役の人どこ行ったんだ……?」
「知らねえよ!お前もとっとと仕事にもどれ!」

 臨検を装ってキギの回収に成功した都留。巡視艇に戻った二人はキギの潜入で得た情報の整理を始めた。
「アリスを連れ出さなかったということは、オウガの特定に失敗したようね」
「いや、完全に失敗したわけではない。俺が見る限り『猟兵とアリスとマグロ以外は全員幻影』だった。つまりは『オウガは船内にいない』んだと思う」
「つまり、オウガを特定するには『海を探すしかない』ということね……」
 一通りの整理が終わったところで都留は床に転がった『新たな乗客』へと話を移す。
「……一つ聞きたいのだけど、どんな理由があってアリスの代わりに冷凍マグロを連れてきたの?探索者から寿司屋の板前に転職する気にでもなった?」
「だって、不思議の国の生物を持ち帰っても怒られないんだよ!?更にこのマグロにオウガの手が加えられてたのならこのマグロは魔術触媒として高い価値を持つことになる!」
 もし魔術的に価値がなくても美味しく食べれるから全く無駄にならない、といつもどおり軽薄に笑うキギに若干呆れながらも都留は態勢を立て直すために港へ舵を取った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ギャンビット・メレナス
しいま(f05777)と参加
船内と船外からアプローチする算段

アリスへのパワハラを妨害しつつ、しいまによる疑似魚群の一本釣りといくカ。
(わざとタールを巻き散らかして先輩船員を転ばせたりしつつ)
いやぁすまないタル、やたら風が強くテ身体がもげてしまったタルー(棒)

さて、釣果でも大貢献を果たすカ。何せ進んで喰いついてくれる算段だからナ。
ハンバーガー型のルアーを放ってト…って喰いつきすぎタル!

ぴ、ぴちぴちしていル…。この精巧さなら確かにマグロだと認められるだろウ。
しかししいまのことダ、この中のどれカで今頃間食中かと思うと、オレも腹が減ってきたナ。釣果を上げたら、後に備えてひっそり干し肉でも齧っておくカ。


暇島・しいま
ギャンビット先輩(f05402)と参加
おいらがひと肌脱いで、いやロボットを着込んで
マグロになりやしょう!

【バトルキャラクターズ】のフレンズをマグロボにするっす
質感も動きも本物のマグロそのもの…めっちゃリアルな仕上がりっす
その中の1体の中においらも乗り込んで、巨大マグロが海を泳ぐっすよ
内部は保温機能搭載、後はバーガーを食べて発熱するっす
(計41体のロボを何体合体させて、何体のマグロになるかはお任せ)

ハンバーガー型のルアーを発見
事前打ち合わせした、ギャンビット先輩の針はコレっすね
ガンガン釣り上げていただきやしょう!
おいらもびよーんと釣られて船上に乗船しやっす
…待ってる間、暇っすね(再び腹ごしらえ



●マグロボと行く海の旅
「おい、あいつとんでもない数を釣り上げてるぞ……?」
 オウガが作り出した幻が驚きと畏怖をもって取り囲んでいるのはギャンビット・メレナス(変幻自在の怪盗紳士・f05402)。
「すげぇ、変なルアーを使ってるのに入れ食い状態じゃねえか!」
「まるでマグロが自分から集まってきているみたいだ!!」
 幻の船員の中でも比較的温厚な者がギャンビットを褒めそやすが、彼の中に喜びの感情は一切湧いてこない。
「……何せ進んで喰いついてくれる算段だからナ」

 場所は変わって水面下。大量のマグロの群れの中をエンドレスバーガー片手に進むのは暇島・しいま(もぐもぐライフ・f05777)だ。
 しいまの前をギャンビットが落とすハンバーガー型のルアーが横切り、次の瞬間にはルアーに食いついたマグロと共に海面へと消えていく。最初こそはダイナミックな動きに興奮したしいまだが、段々と代わり映えのない光景にやる気を失っていく。
「……待ってる間、暇っすね。寒くはないからまだマシっすけど」
 なんて言いながらもしいまは手元のゲーム機を操作してマグロをギャンビットのルアーへと向かわせる。
 そう、ギャンビットが釣り上げているのはマグロなどではない。しいまがバトルキャラクターズで精密に再現した非常にリアルなマグロロボ、略してマグロボだ。
 しいまは今、そのマグロボの中でもひときわ大きなスーパーマグロボに乗り込みギャンビットと協力して漁獲量のかさ増しを行っているのである。
「……なんかマグロボ少なくないっすかね?」
 マグロを大物に見せかけるよう何体かマグロボを合体させたしいまであるが、それを込みにしても数がおかしい。
「一旦おいらも船に上がって、ギャンビット先輩と数えてみやしょう!」
 他のマグロボを下げて自ら釣られに行くしいま。釣り上げられた彼が海上で目にしたのはアリスをギャンビットにけしかけ、自身の手柄を増やそうとする横柄な船員の幻であった。

「おいお前、あの入れ食い野郎から何匹かかっぱらってこい」
「ええ!?そんな!同じ船の仲間同士ですよ!?」
「なあ、わかるだろ?俺にもメンツがあるんだ。先輩の顔を立てるのが後輩の役目だぇぇぃっ!?」
「いやぁすまないタル、やたら風が強くテ身体がもげてしまったタルー」
 ギャンビットの身体を踏んで転んだ幻の船員に棒読みで謝るギャンビット。もちろん偶然などではないことを理解している船員は逆ギレしながらギャンビットに殴りかかる。
「風で体がもげるならもげなくなるまで軽くしてやらばぁぁーーーーっ!!?」
「そうそう、オレの身体はとても良く滑るタル。気を抜くと船尾まで滑っていくから気をつけるといい……もう聞こえてないようダナ。今のうちに船内に戻ると良い、もうすぐ仕事は終わるタル」
「ありがとうございます!これでまた下船日が伸びないで済みました!」
 アリスはギャンビットに一礼して船尾の船員から逃げるように自分の持ち場へと戻っていく。……この漁獲量であったらアリスがノルマに追われることはもうないだろう。



 ノルマを達成しても干し肉とバーガーをかじりながら釣りを続けるしいまとギャンビット。
「……もう十分ではあるまいカ?これだけ釣れればノルマも十分だと思うタル」
「そうしてもいいんすけどマグロボが足りないんすよ。おいら数え間違えたんすかねぇ?」
「ふむ。ちょうどヒットしたこいつを釣り上げたら一度数えてみるかナ……!?」
 そう言ってマグロを釣り上げたはずのギャンビットのワイヤー。しかし、針の先にかかっていたのはピチピチと動くマグロボではなく破壊されたロボの破片にしがみつく不気味な人体模型であった……!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『たのしいおとぎばなし』

POW   :    残飯
レベル×1体の、【眼球】に1と刻印された戦闘用【人体模型】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
SPD   :    たすたすけたすけたすけにきたよ
【王子様と白馬の成れの果て】と共に、同じ世界にいる任意の味方の元に出現(テレポート)する。
WIZ   :    おいしかったもの
【プリンセス】の霊を召喚する。これは【恐怖を呼び覚ますけたたましい悲鳴】や【【溶ける体を見せつける事】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:V-7

👑5
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●マグロ、二章連続
 警戒したギャンビットが銃を構えようと懐に手を入れた瞬間、にわかに海が荒れ始める。船は大きく揺れ、強風が吹きすさび、海に残ったマグロボが遠くへと流されていく。
「ハードッコイショ!」「ウミハシゼンノタカラバコー」「オトコハダマッテニホンカイ!!」
 海を見ると大量のスライムがひしめき、体を揺らすことで海を荒らしているようだ。……なんだかよくわからない鳴き声をあげながらプルプルと目玉を揺らす様子ははっきり言ってかなり気持ち悪い。
「このままだと転覆するっすよ!?」
「船長!舵取れないんだったら私と交代して!ハンドルがあれば車と同じよ!!」
 慌てるしいまと転覆を防ごうとするニコリネ。
 しかし、船長は二人の言葉を無視してスライムの群れのはるか向こうを指差す。
「おい見ろ新入り共、アレはこの海に住む伝説。挑戦した漁師が一人として帰ってこないことから人食いマグロと呼ばれている存在だ……!」
 ……オブリビオンの波の向こう船長が指差す人食いマグロはどこからどう見てもマグロではない。
「あのオウガをマグロと言い張るのは無理がないかしら……?」
「良くてウミウシだと思うよ……」
 カーバンクルとルシルのツッコミで一気に気が抜ける猟兵達だが、オウガを特定した以上遠慮はいらない。まずは思う存分ユーベルコードをぶつけてスライムの波を乗り越えてやろう!
ニコリネ・ユーリカ
SPD
んもー船長ったらこんな時に舵を任せてくれないなんて!
こうなったら自分で船を出すしかないわねぇ

【特種用途車輌出動!】で漁船を召喚するわ
荒ぶる海に相応しく、海の漢を具現化したような勇壮な船よ
鋭い船首で波を分けてスライムに突進! 轢き殺しちゃう
船長が意地悪するなら、私が代わりに皆を乗せて進撃のお手伝いを
漁船を移動の足場に、攻撃から身を護る盾に使って貰いましょ

大量のスライムで航行が難しくなったら、船を停めて白兵戦!
海と似た体色だけど、目玉を狙ってシャッター棒で突く!
銛突き漁の要領で串刺し! おりゃー!
ラジカセから渋い演歌を流して雰囲気もそれなりに
沢山やっつけたら大漁旗を掲げて勝利宣言しましょうね


カーバンクル・スカルン
あれがマグロか否かは今はいいとして……この海全部がこれだとしたら車輪やワニじゃ対処しきれない……! ならば他の猟兵の力を借りるまでですよ!

【集団懲罰】は猟兵の攻撃を受けた仲間が感じている痛みや苦しみを自分も追体験する精神「攻撃」、つまり最初の一撃を受けた仲間を見ていなくても【集団懲罰】によって苦しんだ仲間を見てしまえばそれらは伝染していく! 痛みによってショック死しなくても、反撃出来なくなるだけでも十分!

今は亡きアリスさん。あなたの恨みや憎しみ、確かに受け取った。あとは、私たちに任せておきなさい?



「この海全部がこれだとしたら車輪やワニじゃ対処しきれない……!」
 海にひしめくスライムたちを見て戦慄するのはカーバンクル・スカルン(クリスタリアンの咎人殺し・f12355)。流石にこの量のスライムを相手取るのは難しいようで、船内に乗り込んだスライムを機械仕掛けのワニで喰らいながらもあまり戦況は芳しくない。
「んもー船長ったらこんな時に舵を任せてくれないなんて!」
「ニコリネさん!何してるの!?」
 カーバンクルの視界の隅で船の淵に手をかけるのはニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)。さっきまで船長と舵の奪い合いをしていたのだが、奪い取ることを諦めたニコリネの次の行動は海への飛び降りだった。
「今日も一日、ごきげんよう!」
 あわやスライムの海に飲み込まれ溺死かと思われた瞬間に特種用途車輌出動!彼女が足をつけたのは海面ではなくみんなの食卓を支えるはたらくのりものの甲板。そう自前で用意したマグロ漁船である!
 ……ちなみに詠唱が『ご安全に』ではなく『ごきげんよう』になっているのは艦船の出航だからである。
「みんな、こっちに急いで!これからかっ飛ばして行くわよ!」
 ニコリネの指示に従いそそくさと新しい漁船に乗り込む猟兵とアリス。エンジンとラジカセのスイッチを入れ人食いマグロ?へと舵を切るニコリネ達の後ろでは漁船がスライムの重みで水平を保てなくなり海へと消えていった。

「スピード、落ちてきたわね……」
「ええ……そろそろこのスライムをなんとかしないと私達もあっちの船員の仲間入りですよ」
 ニコリネがセットした演歌のCDが響く船内。出だしこそ順調に進んでいったものの少しずつ海面のスライムの密度が増していき足止めを強いられている状態だ。
「ニコリネさん、ちょっと白兵戦をしてもらいたいのだけれど大丈夫?」
「大丈夫よ、運転はアリスさんがやってくれるし」
「えっ?」
 多分普通自動車免許しかもってないアリスに舵を渡して船の艦首に立つ二人。ここからはじまるのは単なる戦いではない。海の女、カーバンクルとニコリネが生存のために相手を狩る『漁』の時間なのだ。

「おりゃー!」
「メガー!メガー!」「ヤベェゾモリツキリョウダ」「オレラッテクエルノ?」
 ニコリネのシャッター棒がスライムの目玉を貫き、それに怯んだスライムが船に轢き殺される。昔ながらの銛突き漁で一匹一匹仕留めるニコリネだが、それの影響力を高めるのがカーバンクルの集団懲罰だ。スライムが目玉を貫かれるたびにユーベルコードを発動し、スライムの連携を断って行く。
「アマサンキテルノ?」「クワレテタマルカ」「フカノエサニシテヤロウゼ」
 だが、スライムもやられてばかりではない。スライムを泳ぐように謎の尾びれが船に迫り、甲板のカーバンクルへと襲いかかる!
「人魚?」
「怪奇サメ人間?」
「違う!下半身をサメに食われているプリンセスの霊……だっ!」
 亡霊仕掛けのサメと機械仕掛けのワニがぶつかり合う。「助けて……」なんて言いながらプリンセスが溶けかけの身体を晒すがカーバンクルは咎人殺し。微動だにしないままワニをサメの胴体に喰らいつかせ、派手な回転とともに海に叩き返した!
「いまよ!アクセル全開!」
「もうどうにでもなれー!」
「スクリューヤバクナイ?」「グチャグチャノカイヨウシンソウスイニナルゾ!」「ニゲロー!」
 密度が弱まったスライムの群れをニコリネの漁船は最大出力で進んでいく。

「……あなたの恨みや憎しみ、確かに受け取った。あとは、私たちに任せておきなさい?」
 カーバンクルは高速で進む船の船尾に立ち、沈みゆくプリンセスの霊を眺める。
 ……このプリンセスもマグロ漁船の被害者なのだろうか?
 そんなことを考えながらしばらく沈む様子を眺めていたが、沈むスピードよりも漁船のスピードのほうが早く、やがてプリンセスは水平線に消えていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ルシル・フューラー
スライムが海を埋め尽くしておる
え、あれ、最初からいたの?
スライムの中からマグロ釣ってたの?
(良くてウミウシなマグロは一先ず見なかったことに)

しかもの強風は一体どうしたことだい?
波で風にまで影響してるんだとしたら、スライム頑張るねぇ

だけどその努力、文字通り水の泡とさせて貰おうか
向こうが自然に干渉するなら、お返しだ

船の上からエレメンタル・ファンタジア

属性は【海】
自然現象は【震動】
海よ、震えろ

スライムの起こす波とは逆向きの波をぶつける
制御が難しいのは判ってるから、むしろ暴走しても良いやな心持ち
いっそ派手に盛大に波を起こして
スライムが召喚するであろう【プリンセス】の悲鳴も溶ける身体も押し流してしまえ


暇島・しいま
さらばマグロボ! お次はサメロボの出番っす!
(マグロ変形合体orキャラの再選択)
全てのキャラを合体させた巨大サメロボで、いざ海へ!

邪魔なスライムは、ガジガジ喰い潰してやりやしょう!
船が進みやすいように援護するっす
周りを囲まれて身動きが取れない?
ギュルルンと大回転して振り払うっす!

アレはなんすか。盛大なバグっすね…
なんかの成れの果てと飛んできたスライム、こりゃまたグロい…
バグは綺麗にデリートっす!
サメロボの脇からフォーク型魚雷発射ー!
グサリ&ドッカーンで、周りのスライムも連鎖で消去っす!

あ、勿論戦闘中もハンバーガーは欠かせないっす
食欲落ちる敵っすねーと言いながらむしゃむしゃ



「え、あれ、最初からいたの?」
 ルシル・フューラー(ノーザンエルフ・f03676)の疑問はもっともだろう。突然現れたスライムの群れはオウガが起こす強風に同調するようにプルプルと震え、今なお時化は収まる気配を見せない。
 もしかしたらどこからか増援が現れている可能性もある。
「アレはなんすか。盛大なバグっすね……」
 暇島・しいま(もぐもぐライフ・f05777)も海に浮かぶ大量のスライムに若干引いているが、それでもこのまま手をこまねいていては生身でスライムの海に飛び込むことになりかねない。
 船をオウガの元へ進めたいしいまはマグロボを戻し、新たに自分が乗り込める巨大合体サメロボを召喚しなおしてからスライムの海に飛び込んだ。

「……水面下は普通の海みたいっすね」
 つまり、戦場がスライムでできているわけではない。スライムをどうにかできれば戦場を普通の海に戻すことができるだろう。
 出どころを探るためにサメロボを急速潜航させようとしたしいまのサメロボに絡みついたのは一体のスライム。一体だけなら取り憑かれても無視できる程度の移動負荷だが、取り付いたスライムを起点に次々とスライムがテレポートし、サメロボの潜航を妨げる。……操作画面一面にゼラチン質や目玉がみっちりしている光景はなかなかに精神的なダメージが大きい。
「これ以上食欲減衰させるのは、NG……」
 そうは言いながらも食べかけのハンバーガー片手にダイナミックな回転軌道。そのままスライムから距離を取り……
「……バグは綺麗にデリートっす!」
 フォーク型魚雷の一斉射でまとめて葬りさる!
「ウワッ、アツッ!」「ウタレタヤツガウイテキテルゾ」「ジャマダジャマダ」
 撃たれた敵が水面に浮かぶせいでしいまを追えないスライムたち。この隙に探索を続けたしいまはやがて海底に空いたスライムが湧き出す穴を見つけるのだった……。


「ルシル先輩!これ以上水面にスライムは増えないはずっす!」
「わかった。あっちが自然に干渉するならこっちもお返しだ」
 しいまがスライムの湧く穴を爆破しこれ以上スライムが増えないことを確認したルシルはfuparkを構え海に向かって突き出す。
「海よ、震えろ」
 ルシルのエレメンタル・ファンタジアを受けてスライムの動きと逆向きに揺れ始める水面。
「ナンカユレルゾ」「オシカエセ」「ワッセワッセ」
 両方の波がぶつかり合い少しの間水面の動きが穏やかになるが、やがてルシルの波がスライムの波を押し切りそれでもなお海を揺らし続けた結果、再び漁船は大時化の中に放り出される。
「君たちの努力、文字通り水の泡とさせて貰おうか」
「シズムゾ!」「シマナガシダ!」「アイルビーバック」
 事前にリシルが船にくくりつけた網にしがみつきながらも猟兵たちは各々の手段で漁船の転覆を防ぎ、その間に水面を埋め尽くしていたスライムがルシルの作り出す波に飲まれていく。
 
 しばらくして、平穏を取り戻した海の上には猟兵たちの漁船とマグロと呼ばれる謎のオウガのみが残された……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『リカイシャ』

POW   :    どうして帰りたいの?
自身が【疑問】を感じると、レベル×1体の【アリスが元の世界で体験したトラウマ】が召喚される。アリスが元の世界で体験したトラウマは疑問を与えた対象を追跡し、攻撃する。
SPD   :    どうして帰りたくないの?
自身が【疑問】を感じると、レベル×1体の【アリスがこの世界で体験したトラウマ】が召喚される。アリスがこの世界で体験したトラウマは疑問を与えた対象を追跡し、攻撃する。
WIZ   :    どうして“  ”たいの?
対象の攻撃を軽減する【傷一つ付かない外殻を持つ姿】に変身しつつ、【物理攻撃も魔法も全てを喰らう口】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:榛戸ろもも

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はサフィリア・ラズワルドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ニコリネ・ユーリカ
んンッ、一筋縄ではいかない相手だけど大丈夫!
傷一つ付かない外殻を持っても内部にはダメージが及ぶし
全ての攻撃を喰らうっていうのは、相応の威力も負うって事よね
この子が斃れるまで私も粘ってみせるわ

海の底に眠る大地の精霊に呼び掛けて、地震を起して貰おうっと
暴走しないように神経(第六感、野生の勘)を研ぎ澄まして
振幅や強弱を違えた振動で、造波装置並みに波を操るの
敵の攻撃タイミングに合わせて噴潮や津波を起して動きを阻害し
お仲間さんが攻撃し易いように隙を作ってみせる
海は貴方の土俵だけど、横綱相撲はさせないわ
海水を沢山飲んで鈍った所に、シャッター棒で重たい一撃を刺突!
素敵な世界だったけど、借金と共にオサラバよ!


ルシル・フューラー
あの船長もオウガの作った幻なんだよね?
つまり、自分で作った幻にマグロと言わせてる?
ひょっとしてマグロになりたいのかな?

いや無理でしょ

UC【サモン・サーモン】!
見たまえ、オウガ
これが魚類だ
オンコリンクスよ
あれはマグロになりたいウミウシだ
ウミウシが魚類になるのを認める君じゃないだろう?
奴に魚類の掟を教えてやれ(交渉)

交渉成功したら、戦闘は悪魔に全任せ
その間に網を改造して
オウガが弱った所に投網よろしく投擲
網がかかったら端をアリスに渡して
「あとは引き揚げるだけだ、手伝ってくれ」
大物を引き揚げた、と言う手応えを感じて欲しい
彼の今後の漁師人生にきっといい影響があるはずだ

漁師じゃなくても、きっといい経験!


カーバンクル・スカルン
どっかに行ってた船員が復活して、まーたいびってくるわけですか。まぁこっちの素性はバレちゃってるでしょうしこっからは誤魔化しなしで本気を出していくとしますかね!

出現した先輩船員、明らかにカタギじゃなさそうな船長を「カタリナの車輪」で拘束して、人間水車を体験していただきましょう。ちょうどデッカイ水槽がこの船にもありますしー。

で、残った私たちは温かい湯船に足だけつかって見学。この寒さで裸になったら温度差で絶対に風邪を引いちゃうから我慢してねー。

ん? 俺達も冷たい水槽だけじゃなくて温かい湯船に浸からせろ? いいよー、その代わり限界まで熱した地獄風呂に案内するけどね!


暇島・しいま
漁船に戻って、アリス先輩を守るっす
トラウマ攻撃をしてきたら、おいらがかばうっす
バトルフォークで追っ払ってやりやしょう

アリス先輩の記憶の幻も破ってやりたいっすね
本当は借金なんてないんすよ
帰りたいならお手伝いしやすし、
帰りたくないくらいの悪夢が現実にもあるなら
おいらが食べてやりやしょうか?

このハンバーガーみたいに、とアリス先輩にも差し出して
エンドレスバーガー(ツナ)をもぐもぐ
【ファストフード】でオウガをノロマにして
マグロと言い張るならその味を確認してやるっすー!
大食いのおいらが跳びかかって、味付けしてガブリ!
お味はいかに??美味しくても美味しくなくても
怪力バトルフォークでとっちめてやるっす!



●マグロ、冒険快調
 スライムの群れを越えてこの不思議の国を支配するオウガのもとにたどり着いた猟兵達。遠目で見た際にはオウガの姿のみしか確認することができなかったが、いつの間にかオウガの周りを漁船が取り囲み呆けたような顔で何やらつぶやいている。
「ああ……これこそが海の力……!」
「人間はなんてちっぽけなんだろうな……」
 現れた漁船に乗るのはは人食いマグロの力強さに惹かれ心酔する漁師たち。そう、漁師にとってマグロとは自然の具現。自らが狩る側でありながらも畏敬の念を持たざるを得ない雄大な存在なのだ……。

●そもそもマグロではない
「いや無理でしょ」
 ルシル・フューラー(ノーザンエルフ・f03676)の発言は最もである。なんか神秘的っぽい光景のつもりなんだろうが、今の状況を端的に説明するとウミウシっぽいUMAの周りに漁船が集まってサバトを行っている状態。
 正直アリスラビリンスじゃなくてUDCアースの邪神儀式と言われても違和感のない冒涜的な光景が繰り広げられている。
「まあ、マグロでもオウガでも倒せば今回の事件はおしまいでしょう。こっからは誤魔化しなしで本気を出していくとしますかね!」
 ツッコミを入れずにはいられなかったルシルに対してカーバンクル・スカルン(クリスタリアンの咎人殺し・f12355)はそろそろこの不思議の国にも慣れてきたようで武器を構え、まっすぐにオウガを見つめる。
「素敵な世界だったけど、借金と共にオサラバよ!」
 ニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)は最初からこの不思議の国に馴染みまくっていた。今回の事件では彼女の胆力によって場の明るさが保たれていたような部分もあるだろう。
「ぶもぉぉぉぉ…………!」
 猟兵たちのさまざまな思念が渦巻く中、オウガがひときわ大きな唸り声を上げて猟兵に襲いかかる。この国で最後の漁が今、始まろうとしていた……

 さて、戦闘が始まるとなかなかに邪魔になってくるのはサバトを行っていた船員たちである。『アリスがこの世界で体験したトラウマ』の象徴たる船員は銛、網、鮪包丁などを抱えてアリスと猟兵に襲いかかってくるのだが……よくその顔を見てみると見覚えのある顔もちらほらと見受けられる。
「おい新入りぃ……!まだ借金を返し終わってねぇだろぉ……?」
「ひぃ、ごめんなさい!ごめんなさい!」
 トラウマを刺激されたアリスはその場にうずくまり、ただただ暴力を受け入れようとしていたが、それを防いだのはサメロボから漁船に戻った暇島・しいま(もぐもぐライフ・f05777)である。
「大丈夫、本当は借金なんてないんすよ」
 サメロボをアリスと船員の間に割り込ませ、一時的にアリスと船員を分離することに成功したしいまはアリスにツナバーガーを差し出しアリスがトラウマに押しつぶされないよう語りかける。
「どけよ、バーガー野郎……!そいつと話をしてるのは俺たちなんだぞ!」
「それなら代わりに私とお話していただきましょう!」
 サメロボとカタリナの車輪で挟み込むような形で何人かまとめてカーバンクルに拘束される船員。
「あんた、さっき私に水槽に叩き落された船員だよね?復活して、まーたいびってくるわけですか」
「そういうお前はさっきのフック女じゃねぇか!……いいさ、さっさと殺せ!今度復活したらお前を水槽にぶち込んでやる!」
「いやぁ、残念だけど今度もあんたが水槽に浸かってもらうんだよね」
 カーバンクルが拘束した船員を運んだのはマグロを保管するための水槽。今回の漁船はニコリネが特種用途車輌出動!で生成したものであるが、ニコリネが召喚の基準としたのは最初に乗っていた漁船であり……船員は同じ水槽でもう一度責め苦を受けることとなる。
「今度は一気に叩き落とすんじゃなくて人間水車を体験してもらうよ……って、もう頭が水面に入ってるから聞こえなさそうですけど」
「ぶはぁ!ゲホッ!ゲホッ!なるほど、俺たちを殺さないで拘束するのは良い手段だが……幻といえども俺たちは海の男。この程度の冷たさで屈するわけが……!」
「そういえばこんなところにちょうどよくどこでも熱湯風呂があるんですよね」
「悪魔か?!てめぇは!!」
 熱湯風呂は(自称)拷問用ではないらしいので船員が熱湯にぶち込まれたかどうかは確かではないが……少なくとも幻の船員は死んで再度召喚されることもなく、生きたまま戦闘終了までカーバンクルの責めを受け続けることとなった。

 障害が排除されたことによりオウガに専念できるようになった一同。
 真っ先にオウガに襲いかかったのはルシルが召喚した悪魔『オンコリンクス』。ルシルに魚類としてのプライドを刺激されたサーモンは口からイクラ魔弾を吐き出しオウガが漁船に近づけないよう足止めを行っている。
「先輩が帰りたいならおいらがお手伝いしやす。あんなマグロおいらが食べてやりやすから!」
 オンコリングスを足場にして近づき、バトルフォークで巨体に張り付くしいま。かじりついたオウガの味は正直言って美味しいものではなかったが、それでもこのオウガはアリスを救うために食い尽くさねばならない存在。時折エンドレスバーガー(ツナ)で口直しを行うことでユーベルコード『ファストフード』の発動条件を満たし、振り払おうとするオウガに弾き飛ばされることもなく粘り強く喰らいつき続ける。
 しいまとオンコリングスの時間稼ぎの間にルシルは先程船員が持ってきた網を改造し対オウガ専用の協力な網を作り上げた。
「その網をあいつにぶつけられればすべておしまいってことなのね!」
 ルシルの思惑に気づいたニコリネはエレメンタル・ファンタジアで大波を起こし、オウガがしいまの攻撃に対処するどころではない状態に追い込む。
「海は貴方の土俵だけど、横綱相撲はさせないわ!」
 顔面に波を受け、傷口から海水が入り、少しづつオウガの動きが弱まっていく。
 しいまの腹がバーガーで膨れて漁船に戻る頃にはルシルの投擲によってオウガの身体は完全に網の中に捕らえられていた。
「あとは引き揚げるだけだ、手伝ってくれ」
「えっ!?私ですか!!」
「そうだ。きっと君の人生には大物を引き揚げたという経験が必要なんだと思う」
 ルシルの提案にまごつくアリス。
「……多分、私は漁師ではないので海の事はわかりません。」
 しばらくうつむき、何かを考えていたようだが決意を胸に網の紐を握る。
「ですが、お膳立てされて引き下がるような漢でないのは確かなはずなんです!!」
 アリスが力強く引き上げたオウガをカーバンクルがボディ・サスペンションで船体に固定し、そこにニコリネが音を立てて歩み寄る。
「見なさい。これが海に生きるもの達の生き様ってやつよっ!」
 固定されている上にファストフードで遅くなっているのだからニコリネの一突きが外れるはずもない。
 シャッター棒がオウガの眉間を貫きオウガはその動きを完全に止める。
 それはつまりパワハラがアリスを支配する歪んだ海の不思議の国が終焉を迎えたということでもあった。

●自然の幸は関わるものすべてに感謝していただきましょう
「……では、その人食いマグロの夢を見たときにマグロ漁師になることを決意したと」
「ええ、あの時の網の感覚……きっとあれはただの夢ではない。今でも私はそう信じています」
 いつかの日のどこかの世界。仕事人を取り上げる番組のインタビューにアリスは答えていた。
 あの不思議の国があまりにも荒唐無稽すぎたせいか、それともアリスラビリンスを脱出した際に記憶が薄れてしまったのか。何らかの理由で一連の出来事を現実ではなく夢であったと認識しているアリスであるが、その瞳には惑いがない。

「私は夢の中で様々な人を見ました。
過酷な状況の中でも自分らしさを失わず突き進む女性。
好奇心旺盛ながらも他者への慈愛を忘れない少年。
勝ち気で自らの信じる善を貫けるだけの強さを持った少女。
そして、私自身の強さに気づかせてくれた心の師匠。
……きっと、彼らは彼らの想いがあって戦っていたのだと思います。
そう考えると、私も私の場所で戦ってみたくなりまして」

 今日も骸の海ではない普通の海を漁船が進む。きっと、すべての生命にとって生活とは命をかけた戦いなのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年11月11日


挿絵イラスト