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人斬り銀座へようこそ

#サクラミラージュ #逢魔が辻

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#サクラミラージュ
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#逢魔が辻


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 帝都の街に数多く存在する商店街。
 その一つ、門には日戸菊理銀座と書かれている、だが大通りには人一人いない、店も全て扉は堅く閉ざされ営業している店など一件も存在しない。
 その昔、一人の少女がこの商店街で殺害された、それだけならまだ只の悲劇で済んだ。
 その後、商店街の関係者、客、ただの通行人、何の分け隔ても無く次々と斬殺される事件が相次ぎ、商店街として機能しなくなった。
 商店街自体を取り壊そうとすれば今度は工事関係者が斬殺される始末、次第に誰も近づかなくなり、人のいない商店街だけが残った、人々はこの商店街を。
 人斬り銀座と呼ぶようになった。
「最近、誰も来なくなったわね」
 真夜中、商店街の店舗の屋根で刀の鍔を指で弾く少女がポツリとつぶやく。
「何人切っても私の怒りも、無念も、何も収まらない、けど人を切った時だけはちょっとだけすっきりする」
 逢魔が辻と化した商店街には道には影朧と化した野犬、照明代わりに光る影朧がいなくなった人間の代わりに商店街に溢れていた。

「と、言うわけなのです」
 リリィエル・ロックウェル(クレヨンの勇者・f01438)が集まった猟兵達に予知の経緯を説明する。
「ええっと、サクラミラージュの、ひ、ひと、ひときくりぎんざって場所がオブリビオン、サクラミラージュでは影朧と言いますがその影朧達の巣、向こうでは逢魔が辻って場所になっているそうなので皆さんで影朧を退治してきてほしいのです、商店街は一本道ですが」
 リリィエルは商店街の地図を猟兵達に見せる、広い大通りが1本、距離にして400mほどの商店街、両脇には店が立ち並んでいるが営業している店は存在しない。
「一本道ですが中には野犬、と言うより狼の影朧がいて侵入者に襲い掛かるそうなのです、1体1体は弱いですが集団となると厄介なのです、他にも影朧はいますが地の利は向こうに有ります、何をしかけてくるか分から無いので皆さん注意してください、そうやって影朧を倒していけばこの逢魔が辻を支配している影朧が出てくるはずなのです」
 説明が終わればリリィエルが転移の準備に入る。
「逢魔が辻を支配しているオブリビオン、影朧は強いですが皆さんならきっと大丈夫なのです、それでは頑張ってくださいなのです!」


忍P
 忍Pです。
 舞台となる商店街は「ひときくりぎんざ」と読みます。
 内容は純戦です、多いに暴れてください。
 1章は普通の集団戦です、2章も集団戦ですが何らかの策を打ってきます、3章はボス戦です、転生の余地があるかどうかはまだ未定です。
 それでは良いプレイングをお待ちしています。
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第1章 集団戦 『影狼』

POW   :    シャドーウルフ
【影から影に移動して、奇襲攻撃する事】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    復讐の狼影
自身の身体部位ひとつを【代償に、対象の影が自身の影】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    ラビッドファング
【噛み付き攻撃(病)】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:鴇田ケイ

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

霧ヶ峰・星嵐
帝都の守護こそが私の本懐! 霧ヶ峰が裔、星嵐! 参ります!

こちらの影を利用してくるなら……! 桜幻朧・七変化! その牙、届かせはしません!
桜學府制服から初期技能:空中戦の桜の羽衣に早着替えし、軍刀の形状の月ノ輪を武器に、空中戦をすることで私の影が写る地面から離れ、影からの噛みつきを避けていきながら、怪力の一撃で一体ずつ確実に仕留めます!

これで全て避けられればいいですが……地の利はあちら。そうもいきませんよね。
何があるか分かりませんし野生の勘は大事に。

あとは明かりの位置を把握、敵が身体部位を犠牲にしたのを見逃さず影が敵の頭部に変わる瞬間を見切り回避、月ノ輪で敵の頭部と化した影に反撃します


イゴール・スミルノフ
アドリブ・協力歓迎です!

ほぉ、ここが噂の人斬り銀座か。
確かに嫌な気配を感じるが… ゆっくりと探す暇は無いようだな。

あの狼達… 影狼と言ったか?
素早い動きと影から影に移動する能力で我々を翻弄し、群れで攻撃を仕掛ける…
少し厄介な相手だな… 私が出来るのは《神威解放》を発動し、動きの鈍った狼を軍神刀とゴッドチャクラムで各個撃破するくらいだろうか?
手負いの獣は厄介だからな、出来るだけ一撃で決めたい!

何故かは分からないが、あのUCを食らうと回復されてしまう気がする…〈第六感/見切り〉か〈残像〉で回避するか、〈オーラ防御〉でどうにか対処しなければ!


サフィリア・ラズワルド
POWを選択

初!サクラミラージュ!
でもこの商店街は無人なんだよね?この世界の人と交流できないのはちょっと残念……それは置いといて、敵は狼って言ってたけど

『純粋に獣型かぁ、ならこっちも“獣”でいこう』

【竜の侵蝕】を使用、【激痛耐性】で攻撃を耐えて攻撃してきた奴に【捨て身の一撃、鎧砕き、部位破壊】で襲いかかります。
今の私は本能に従って動きますから獲物と判断した奴には容赦しません!

どんどん来い!私は引かないぞ!

アドリブ協力、歓迎です。


大豪傑・麗刃
狼なのだ。しかも数が多いとな。
おお神よ!なんちゃって。

ともあれ。
数が多い相手に無策で突っ込んでいくのはさすがに無謀なのだ。
なんか良い策を考えるべきなのだ。
で、考えた結果。

全員斬ればいいのだ。

ということで、右手にサムライブレイド!左手にフライングシャドウ!この2刀流で斬って斬って斬りまくるだけなのだ!
相手は影から影に移動するらしいのだ。見てから反応するのも大変なので、敵の攻撃を外せばいいのだ。なのでわたしは常に存在感ある残像をばらまきながら高速で動き回る。相手があやまって残像を攻撃してくれたら早業で斬り捨てるのだ。剣刃一閃二刀流で二閃2回攻撃で四閃すればたぶん死ぬんじゃね。あとはこの繰り返しで。



「初! サクラミラージュ!」
 時刻は真夜中、月明かりが照らす中、サフィリア・ラズワルド(ドラゴン擬き・f08950)は意気揚々とサクラミラージュの地を踏んで周りを見渡す。
「けど例の商店街って無人なんですよね、せっかく初めてのサクラミラージュなのに地元の人とお話しできないのは残念かな」
「いや、そうでも無いみたいだぞ」
 イゴール・スミルノフ(時空を歪ませる系の神・f21891)の視線の先には商店街の入り口の前に人が入ら無いように警戒する警備兵が立っていた。
「警備ご苦労、入らせてもらうぞ」
 イゴールが憲兵に話しかけるが警備兵は怪訝な顔をしてイゴールを止める。
「悪いがここは危険なので立ち入り禁止です」
 イゴールとサフィリアの2人が事情を説明しようとすると後ろから霧ヶ峰・星嵐(桜幻朧・七変化・f22593)が声を掛けた。
「その2人は私の仲間です、猟兵ですので通行許可を」
 星嵐がサアビスチケットを見せると警備兵は警戒を解く。
「おお、対影朧弩級戦力と噂の猟兵の方々でしたか、これは失礼しました、どうぞお通りください、ご武運を!」
 警備兵は敬礼をして3人を通す、星嵐は敬礼を持って返し、イゴールは黙って頷き、サフィリアはニコニコと微笑んで手を振って答える。
「期待されてるんですね、私達」
 商店街の大通りを歩くサフィリアが2人に話しかける。
 イゴールはそれに頷き。
「ああ、だからこそ務めは果たさないとな」
 イゴールは唸り声を上げる影狼の群れを前に軍神刀を抜く。
 星嵐も武器を構え。
「帝都の守護こそが私の本懐! 霧ヶ峰が裔、星嵐! 参ります!」

「さあ来い、神の力を見せてやろう」
 影狼に囲まれながらイゴールが大通りの真ん中で腕を組んで立つ。
 影狼は警戒しているのか唸るだけで周りをぐるぐると回る、イゴールの放つ威厳、存在感、殺気が影狼に対するプレッシャーとなって影狼の動きを鈍らせていた。
「どうした?素早いと聞いていたんだがな」
 その言葉に反応するかのように1匹の影狼の影が膨らみ巨大な頭となってイゴールを襲う。
 頭がそのままイゴールを飲みこんだかに見えたがそれと同時に影狼の首がポトリと落ちた。
「残念、それは残像だ、あー危なかった」
 チャクラムを指で回しながら冷汗と共に息を吐くイゴール、ギリギリのところでの回避だがその見切りは完璧。
「まさに紙一重だったな、神だけに」
「おお、これはなかなか面白いダジャレなのだ!」
「はっはっはっ、これぞゴッドジョーク……って誰だお前!」
 イゴールはいつの間にか横にいた大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)に驚き1歩後退る。
「麗ちゃんは助っ人にやって来たのだ、突然現れたのは、その、アレなのだ、変態的サプライズ?麗ちゃんが変態だからこそできるのだ」
「お、おう、そうか」
 思わず素になって答えるがとりあえず味方だと判断し麗刃と背中合わせに構える。
「では麗ちゃんもダジャレを一つ、狼なのだ。しかも数が多いとな、おお神よ!」
 麗刃は2本の刀を構えれば残像で複数に増える、イゴールの行った回避のための残像ではなく、存在感を残し攻撃を誘うカウンターの為の残像。
 影狼はそれに釣られて残像の残した影からの奇襲を仕掛ける、麗刃はそれを見越し残像に吊られた影狼から二刀で切り伏せた。
「数が多いなら、つまり全部切ればいいのだ!」
 それ以降も影狼の攻撃をかわしカウンターで切る、これを素早く、正確に繰り返す。
「やるな、確かに変な奴だが実力は申し分ない、だが」
 麗人が気付かなかった背後からの影狼の奇襲に反応しイゴールのチャクラムが影狼の首を切り落とす、それが最後の一匹だったか二人を囲んでいた影狼は全滅した。
「おお、助かったのだ」
「気にするな、それよりその戦法、疲れるだろ?」
 イゴールの指摘通り麗刃は大量の汗を流し息を切らしていた。
「おお、そう言えば疲れたのだ、何で分かったのだ?神だから?」
「いや、あれだけ無茶苦茶に動きまわってたらそりゃ疲れるだろ」
「なるほど!流石神なのだ、賢いのだ!」
「そうだろーやっぱ俺って神だからなー」
 イゴールは褒められてまんざらでも無い笑顔を浮かべ笑った。

「あの2人、出合ったばかりなのに仲良さそうですね」
 星嵐は軍刀を構え、サフィリアは自然体で立っているがその瞳は何かに耐えているかのように時折顰めていた。
「サフィリアさん?」
 星嵐はサフィリアの様子を見て心配そうに声を掛ける。
「こっちも獣で行こうと思います、気を付けるカラ、セイラン、モ、気を付け、ロ」
 サフィリアの言葉が次第に片言になり、巨大なドラゴンに変身する。
 自身の第六感が危険を察知したのか星嵐は自身の服に手をかけて。
「桜幻朧・七変化! 天空の旅装束、桜羽衣!」
 桜の花びらが散り、星嵐は服を桜色の羽衣に着替え宙を舞う、その間僅か0,05秒。
 そのわずか数瞬の後、ドラゴンに変化したサフィリアが影狼の群れに突進を仕掛ける。
 防御を考えない全力の攻撃、影狼もサフィリアの陰から現れその爪や木場で攻撃を仕掛けるが分厚い鱗に阻まれ、接近した瞬間にその巨体に跳ね飛ばされて空高く吹き飛ばされる。
「まさに間一髪、可愛い顔してやることは豪快ですね」
 上空でサフィリアが商店街の大通りを走り回り影狼の群れをゴム毬の様に跳ね飛ばす姿を眺める星嵐、しかし決して気を抜いてはいなかった。
(明かりは……サフィリアさん、すごい勢いで壊していますね)
 決して故意ではないが影狼と共に商店街のガス灯も数個破壊され、影狼と同様に宙を舞う。
 影狼はガス灯の破片でできた影が星嵐の近くにできた瞬間を狙い影狼の頭が数体、星嵐を襲う。
「タイミングは良し、だけどこちらも無為無策ではありません!」
 注意深く証明の明かりを見ていた星嵐は影狼の攻撃タイミングを見切り攻撃を空中で躱し、軍刀で全て切り落とす。
 影狼はそのまま地面に落下、暴れまわるセフィリアに踏みつぶされることになった。
 サフィリアが元の姿に戻る頃には影狼は全滅、商店街は一時的にではあるが静寂を取り戻していた。
「皆さん、まずは敵の先鋒の撃退、成功です」
 星嵐は地上に降りてサフィリア、イゴール、麗刃の3人に敬礼する。
「星嵐さん、無事でよかったです」
 変身中に攻撃に巻き込んでいないかと心配だったのか安堵の笑みを浮かべる。
「いえ、影狼の多くはサフィリアさんが倒してくれましたし、お見事でした」
「2人もすっかり仲良くなったようだな、だがまだ終わりじゃ無いぞ、何しろここは人斬り銀座、まだ件の人斬りが出ていないんだからな」
 イゴールは商店街の大通りのさらに奥を見据える。
「うむ、それでは突撃なのだ!」
 麗人が刀を振るい商店街の奥を指す。
 商店街が再びざわつき始めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ヒヨリミ』

POW   :    ヒヨリミ台風
予め【二本の刀を掲げて空中でくるくると回転する】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    ヒヨリミボディ
自身の肉体を【刃のように触れるものを切り裂く布】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    無縁火
レベル×1個の【血のように赤い色】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。

イラスト:RAW

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
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 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 暗い商店街の道、ガス灯もポツリポツリとしか明かりがともっていない道に赤い光、赤い炎のような物体が浮かび上がる。
 ヒヨリミと呼ばれる影朧は血のように赤い色の炎を商店街の建物に放つ。
 火は燃え広がり商店街中が炎に包まれ、ヒヨリミ達はその炎に隠れ攻撃の機会を伺う。
 幸い、延焼は逢魔が辻と化している商店街のみに留まっているが、その炎と熱は確実に猟兵達の体力を奪おうとしていた。
 
イゴール・スミルノフ
アドリブ歓迎です!

くっ!まさか炎を放つなんて…
熱はもちろん危険だが、煙にも注意しないといけないな!
これは中々キツい戦いになりそうだ!

奴等は地の利を生かして攻撃を仕掛けてくる…
無闇に斬り込むのは危険だな。
今回は《最終奥義》を発動し、触れてはいけない時空の歪みを放って炎諸共奴等を吸い込んでやろう!
敵が攻撃を仕掛けて来た時は、この時空の歪みを盾の様に展開して防ぐ!
味方を吸い込まない様にしないといけないからな… 調整が難しいが、何とかなるだろう!

家主の為にもなるべく建物を残しておきたいんだが、かなり燃え広がっている… これでは難しいだろう…
全焼している物は吸い込んでしまった方が良いかも知れないな…


霧ヶ峰・星嵐
こんなに火が回って……今後も考えれば火はできるだけ消したいところですが、まず元凶を倒さないとですね!

それではまずは……お茶にいたしましょうか、ご主人様。
【桜幻朧・七変化】で瞬時にメイド服に早着替えし、火が回らない場所に商店街のどこかの店からいつの間にか持ってきたテーブルと椅子を並べ、テーブルの上にはどこからか取り出した冷たい緑茶と和菓子を置き他の猟兵を対象に【無敵奉仕】致します。

(メイド服で給仕に没頭しているため、口調もメイドっぽい口調に)
こちらでお休みになられている間は奇襲も炎も熱も関係ありません。ゆっくりと鋭気を養ってください、ご主人様。

攻撃は一切できませんので、そちらはお任せいたします。



「くっ!まさか火を放つなんて……ごほっ」
 イゴール・スミルノフ(時空を歪ませる系の神・f21891)は煙を吸って咳き込む。
「そう、ですね、今後の事を考えれば火は消したいところですが、けほっ」
 霧ヶ峰・星嵐(桜幻朧・七変化・f22593)も袖で口と鼻を覆い煙を防ぐ。
「ですがまずはその元凶を倒さなくてはいけませんね」
 星嵐は火の中に潜むヒヨリミとその奥にいるであろう逢魔が辻を作った影朧の元締めとの戦いを見据えて服に手をかける。
「桜幻朧・七変化!帝都に貴方にご奉仕いたします、メイド服!」
 0,05秒で和装にエプロンのメイド服に着替えた星嵐はまだ火の手が回っていないカフェからテーブルと椅子を持ってきて設置する。
「それではまずは……お茶にいたしましょうか、ご主人様」
「え?ご主人さまって私か?」
 突如ご主人さまと呼ばれ動揺するイゴール、しかしすぐに神らしく振舞おうと椅子に座り。
「うむ、神ならば主従となるのもまた必然……よろしくお願いします」
 座ったまま頭を下げる、やはりどこか緊張が解けていなかった。
 星嵐はイゴールに冷たい緑茶を用意する。
「暑い時に冷たいお茶はいいな、そう言えばここ全然暑くもないし、煙も来ないな」
 周りは炎に包まれているにもかかわらず茶を飲んでいるこの空間だけは涼しく、煙も避けるように入ってこない。
「私がご主人様に奉仕している間だけはこの空間は外部の攻撃を遮断いたします、ですのでご主人さまは戦って疲れたらまたここに戻ってお休みくださいませ」
 お茶を飲みほしたイゴールは頷いてから立ち上がる。
「分かった、疲れたら戻ってくるよ」
 イゴールは星嵐のユーベルコードの範囲外に出ればそこはまた炎の中、あっという間に汗が滲み、煙が目に染みる。
「ではこの炎と煙では体力を削られる前に短期決戦と行きたい所、最終奥義でも発動させてもらおうか」
 最終奥義(アルカナム)
 存在してはいけない高次元の神々の力を持って時空の歪みを引き起こすユーベルコードである。
 ヒヨリミは炎の中から布を刃に変えて単身現れたイゴールを狙う。
「神の、しかも最終奥義の前ではこのような布きれの技など児戯にも等しい」
 布は歪められ、別の時空の何処かに吸い寄せられ、それに引きずり込まれるようにヒヨリミも姿を表し。
「単身突撃ならば遠慮もいらん、全力で仕留めよう」
 強力すぎる故に味方がいれば細心の注意を払わなくてはいけないユーベルコードだが、星嵐は後方で待機している以上その必要も無く。
「時空の果てへと消えされ!」
 ヒヨリミは布ごと時空の彼方へと飛ばされ、消滅する。
 その時全焼して崩れ落ちた家屋も一緒に吸い込まれ、結果的にだが火の勢いが弱まる、それを見たイゴールは昔はこうやって家屋を破壊することで延焼を防いでいたことを思いだした。
「では古来のやり方に倣うとするか」
 全焼した店は建物ごと別時空へと放逐、更地にすることで火を弱くしながら戦い、疲れれば星嵐の所へ戻って休憩する。
 少しづつではあるがヒヨリミも火事も収まりつつあった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

大豪傑・麗刃
夏を戻すかのごとくにこんなに暑くするのはじつにけしからんのだ!
熱いのに対抗するには熱い男になればいい……は前やったのだ。同じグリモア猟兵の依頼で同じネタは2度やりたくないのだ。

ならば。

まずはサムライブレイド二刀流。これに水属性を付与。いにしえの名刀村雨ぽい感じになるのだ。
そしておもむろに叫ぶ。

カンカンカーン!
火事だー!火事なのだ!
消火消火~!!

と、剣から水を出し燃えてる建物を鎮火!
ついでに敵にも水をぶっかける!
まるでコントのように。

だがこれはただの水遊びではないのだ。
相手を笑わせ、あるいは怒らせ、あきれさせ等で平常心を乱させ普段通りの実力を発揮できなくさせ弱体化させるれっきとした秘技なのだ!


サフィリア・ラズワルド
WIZを選択

私は【火炎耐性】を持つドラゴニアンだからちょっとくらいならへっちゃらですよ!そして、この子達も!

【竜の怨念】を召喚して『敵はあいつらだよ』と指を差して戦ってもらいます。
ペンダントを竜騎士の槍に変えて手当たり次第炎の中に突っ込みます。敵に当たればよし、当たらなくても【おびき寄せ】で誘い出せればよし

出てきたところを一緒に叩きます。

『みんな!建物は壊しちゃだめだよ?攻撃していいのは敵だけだからね!聞いてる?ねえ聞いてる?』

たぶん敵に夢中で聞いていないのだとわかっていても『無茶もだめだからね!』と怨霊達に言い続けます。

アドリブ協力、歓迎です。



「夏を戻すかのごとく暑くするのはけしからんのだ!」
「私は割と平気です、ドラゴニアンですから」
 大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)とサフィリア・ラズワルド(ドラゴン擬き・f08950)は2人横並びでまだまだ燃えている商店街を見つめる。
「ドラゴニアンではしょうがないのだ、では麗ちゃんも暑いのに対抗するには熱い男になれば……」
 麗刃は唐突に思いだす、8月のエンパイアウォー、山陽地方の暑い戦いを。
 あの時は自ら熱くなることで暑さを凌いだ、ならば同じ手を使うのは効率的ではある、しかし。
「同じネタを繰り返すのはいかんのだ、ネタキャラ的に!」
「何だか良く分からないですけどじゃあどうするんですか?」
 事情を知らないサフィリアの問いに麗刃は二刀を構え、水の力を付与する。
「カンカンカーン!火事だー!火事なのだ!」
 刀から放出される水が延焼する家屋の火を消し止める。
「ヒャッハー火事は消火なのだー!」
 何度も同じネタはやらない。
 そんなネタキャラの矜持、プライドとも言っていい、そんな思いが結果的に極めて正攻法による消火活動となった。
 そうして次第に消火作業が進み、隠れていたヒヨリミにも水がかかり、計画を台無しにされたヒヨリミは次々と姿を表し麗刃へと殺到する。
「麗刃さんナイスです、隠れている敵をおびき出す必要も無くなりました」
 隠れているヒヨリミをおびき寄せる方法をいくつか考えていた。
 だが麗人が敵をおびき寄せてくれた、ならそこは省略できる。
「みんな、敵はアレだからね、あの変な踊り踊ってる人は味方だからね」
 竜の怨霊を召還したサフィリアは刀で水芸をしつつ文章では表現できない動きをしながら水を撒く麗刃は攻撃しない様に指示をしながらサフィリアはペンダントを槍に変えてヒヨリミに飛びかかる。
「やあっ!」
 槍が麗人に集中していたヒヨリミを容易く貫く.
 無事1体倒したサフィリアは周りを見る、竜の怨念も順調にヒヨリミを倒してはいるが時折怪しい動きをしている麗刃が気になるのか麗刃をチラチラと見ていた。
「だからその人味方だからね、聞いてる?ねぇ聞いてる?」
 怨霊はサフィリアの制止で再びヒヨリミへの攻撃を始め、サフィリアは安堵の息を吐く。
「それと無事な建物も壊しちゃダメだよ、無茶もしちゃダメだからね!」
 怨霊の心配をするサフィリアだがそんな彼女の優しさを怨霊も感じ取っているのか頷いたような仕草を見せてヒヨリミを次々と撃破していく。
「よかった、私も負けていられないね」
 サフィリアの振るう槍も麗刃の動きに気を取られ平静さを失っているヒヨリミを倒していく。
 麗人お水が火を消していき、サフィリアがヒヨリミを撃破する。
 火もヒヨリミもその勢いは減っていきつつあった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ジズルズィーク・ジグルリズリィ(サポート)
判定どれでも*連携アドリブ歓迎

『認知、存知。ジズは、一切合切承知です。』
 エルフの咎人殺し×聖者、21歳の女です。
「熟語、別の熟語。ジズは、〜。」が口癖。口調は「自分の愛称、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?」

 行動指針は攻め手が足りない時以外は防御や回復のユーベルコードを優先します。聖光により加護を授かる、治癒を行う等の【祈り】を組み合わせることを意識します。
 アンニュイな性格で胆力があり、滅多なことでは驚いたり動じたりしません。
 人を害するようなことでなければ頼まれごとは断りません。不器用なりに精一杯やり遂げようとします。


筒石・トオル(サポート)
「邪魔をしないでくれるかな」
「油断大敵ってね」
「ここは任せて」
正面切って戦うよりも、敵の動きを封じたり、属性防御を固めて盾や囮となったり、味方が倒し切れなかった敵にトドメを刺して確実に倒すなど、味方の安全性を高めるように動く。
ユーベルコードの使用はお任せ。
使用しない場合は、熱線銃での援護射撃を主に行う。
人見知りではあるが人嫌いではないし、味方が傷付くのは凄く嫌。
戦うのも本当は好きではないが、誰かを守る為には戦う。
もふもふに弱い。敵がもふもふだと気が緩みがちになるが、仕事はきちんと行う……ホントだよ?



 大詰めを迎えた戦場にジズルズィーク・ジグルリズリィ(虚無恬淡・f10389)と筒石・トオル(多重人格者のマジックナイト・f04677)が降り立つ。
「状況認識、優勢の模様です、シズが援護します、トオルさんは残敵の掃討を」
「オッケーここは任せてもらおうかな」
 トオルは熱線銃を構え臨戦態勢を取る。
「戦闘開始、シズは援護を開始します、聖なる光の加護を与えます」
 シズから放たれる聖なる光がトオルの体を包む。
 右手で熱線銃を構えたトオルは左手で眼鏡の弦に手をかける。
「光よ我が願いを叶えたまえ。聖なる力、邪なる者を封じる力をここに」
 トオルの眼鏡が光を放ち、その点滅する光はヒヨリミ達を照らしその動きを宙に浮かせたまま封じる。
 動きを封じたヒヨリミを右手の熱線銃が貫く。
「右の熱線銃はフェイント、本命はこっちの眼鏡、油断大敵ってね」
「敵接近、トオルさん、油断大敵です」
 ヒヨリミが上空から炎を放ちトオルに向かって炎の雨を降らせる。
「あちちちちち!って熱くない」
「成功、援護は引き続き続行、トオルさん、シズは多少のダメージは治癒します」
 トオルはリズの方を振り向いて頷く。
「やれやれ、油断大敵と言ったとたんに言い返されちゃ世話無いね」
 トオルは右の熱線銃を撃つと見せかけ眼鏡を光らせ、左に眼鏡を光らせると見せかけて熱線銃を撃つ。
 虚実を織り交ぜた攻撃はシズの援護により防御を考えずに済む分積極的に行われ、ヒヨリミ達は次々と躯の海へと送り返されていった。
「これで、ラスト!」
 最後のヒヨリミをトオルの熱線銃が撃ち抜きヒヨリミの姿は完全にこの場から姿を消した。
 ふう、と一息ついて熱線銃を腰に戻すトオル、一時的だが商店街は静寂に包まれ、火の手も完全に鎮火していた。
「これで片付いたかな?」
 さっきまで火の手が上がっていて周辺温度も高かったせいか、緊張が解けたのか額の汗をぬぐうトオル、シズもユーベルコードを解除するが何かをきょろきょろと差がしている。
「シズさん、何か探してる?」
 トオルの問いにリズが頷く。
「脆弱、この程度ならこの世界の學徒兵でも対処できる、シズはまだ大物がいると推測します」
 シズの言う通り、これは嵐の前の静けさ。
 遥か奥で何かが光るのをシズとトオルは見逃さなかった。
「攻撃、来ます、シズは回避します」
「分かってる!」
 2人は何かが飛んでくるのを察知して回避行動を取った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『辻斬り少女』

POW   :    【先制攻撃型UC】血桜開花~満開~
【対象のあらゆる行動より早く急接近し、斬撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    【先制攻撃型UC】絶対殺人刀
【対象のあらゆる行動より早く急接近し、殺意】を籠めた【斬撃】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【急所、又はそれに類する部位】のみを攻撃する。
WIZ   :    【先制攻撃型UC】ガール・ザ・リッパー
【対象のあらゆる行動より早く急接近し、斬撃】が命中した対象を切断する。

イラスト:久蒼穹

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアララギ・イチイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 斬撃が商店街の道を抉り、小さな裂け目を作る。
「今日も調子がいいわ、斬るにはとてもいい日」
 刀を持った少女が猟兵が侵入した道の反対側からゆっくりと歩いてくる。
「斬って、斬って斬って斬って、いっぱいいっぱい斬るの、たくさん、たくさんたくさん切ったらすっきりする斬ったら……」
 少女は歩みをピタリと止める。
「斬ったら、どうなるんだっけ?何で私斬ってるんだろ?まあいいか、斬れば分かる」
 少女の顔には僅かだが迷いが見えた。
大豪傑・麗刃
右手に刀、左手に脇差(と呼ぶには大きすぎるバスタードソード)装備。

斬ればわか……わっ!まだ言い終わってないのに攻撃が来たのだ!さてはこれが世に言うボケ殺しか!
対抗手段はまず斬撃を見切り、早業で脇差による武器受け。カウンターの刀で逆に相手を斬れれば言う事なし。最悪激痛耐性で耐える。

乗り切ったら……続き。
斬れば分かると言ったのだな?
つまりあれか。君が言いたかったのは。

この道を行けばどうなるものか危ぶむなかれ
(中略)
迷わず斬れよ。斬れば分かるさ。

アリガトオオオオオオオ

渾身のギャグ(猪木の真似)で相手の精神を乱し、わたしの世界に持ち込んだところで、あとは真剣勝負。精神状態の差と、二刀対一刀の差で勝つ!


霧ヶ峰・星嵐
あの人が辻斬りですね! そういえば、確か最初の犠牲者も少女だと……

と思い出していたら着替える間もなく急接近されそうですね(2章に引き続きメイド服)
ですがこんな格好をしていていますが私は桜學府の学徒、そしてこう見えて丸腰でもありません! 奉仕のために持っていたトレイは月ノ輪が変形した立派な武器、オーラ防御で補強したトレイを盾のように使い、剣閃を見切り斬撃を防ぎます
防いだら月ノ輪を軍刀の形に変形(武器改造)、服装はメイド服のままですが学府で学んだ剣術(戦闘知識)で戦い、【強制改心刀】での一閃を

余裕があれば最初に犠牲になった少女との関係も聞いてみます
何か彼女を正気に戻す糸口がつかめるかもしれません!


ルドルフ・エルランゲン
※絡み、アドリブどんと来い!

神速の辻斬りとはも恐ろしいものです。なら対峙する前から対策しないとね。

■事前準備
あらかじめレギオンを自身の周囲に展開させ、防御陣を築いた状態で現場に向かう(可能ならグリモア転送時点で展開済みで)

■エレクトロレギオン(Wiz)
今回、レギオンは盾です。
レギオンは脆い、だが心配は要らない、200を超える数がある。いっぱい斬りたいなら一つ一つじっくり味わいながら斬るが良い。

……で、斬るのはそんなに楽しいですか?、何か分かりましたか?
と、ハイになってるところに冷水を浴びせるように問いかけましょう(精神攻撃、言いくるめ、恐怖を与える)
敵を動揺させる言葉こそ、本命の攻撃手段です。



「斬れば分か……」
 大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)が言い終わる前に接近した少女の振った刀を脇差で受ける。
「まだ言い終わってないのに攻撃が来たのだ!さてはこれが世に言う……」
 また言い終わる前に麗刃の後ろに有った建物が斬撃で粉々になって崩れ落ちた。
「ボケ殺しじゃなくて建物殺しなのだ」
 受けと同時にカウンターの刀を少女に振るうがバックステップで躱され袖を切るに留まる。
 カウンターこそならなかったが攻撃は凌ぎ切った、麗刃は刀を構え直した。
「斬れば分かると言ったのだな?つまりあれか。君が言いたかったのは」
 麗刃の両手に力が入る、少女も攻撃に備えて警戒する。
「この道を行けばどうなるものか危ぶむなかれ、なんか長いしうろ覚えなので省略!迷わず斬れよ。斬れば分かるさ」
 両手を天に掲げ。
「アリガトオオオオオオオオオオ!!」
 商店街に響き渡るほどの声、それに答える歓声……は無いものの少女は意表を突かれた少女の隙を霧ヶ峰・星嵐(桜幻朧・七変化・f22593がジャンプして上空から襲い掛かる。
「隙ありです!」
「ちょっと星嵐ちゃんそれトレイ!」
 だがその手に持っているのはトレイ、到底武器には見えず普段はボケ倒す麗刃も思わず突っ込んでしまう。
「あら可愛らしいメイドさん、斬ったら可愛い血が出るのかしら?」
 少女は刀を無造作に振るう、熟練者から見れば素人のそれだがその剣筋は早く、一振りで何重もの斬撃が飛ぶ。
「ご心配には及びません、只のトレイではありませんので」
 その斬撃をトレイが受け止め、受け流す。
 麗刃が受けた斬撃と同じものだがその時の斬撃に比べれば幾分鈍い。
 ギャグに見せかけた麗人のユーベルコードは確実に少女の精神を乱していた。
「おお、星嵐ちゃん、すごい、のだ!」
 流れ弾ならぬ流れ斬撃を2本の刀で受ける麗刃を背後に星嵐は横に構えていたトレイを縦に持つ。
「月の輪、軍刀形態!」
 トレイを軍刀に姿を変えそのまま振り下ろす。
 少女は刀で受け止め、着地した星嵐と鍔迫り合いになった。
「この商店街の辻斬りの最初の犠牲者は女性だと聞いています」
「……だから何?」
 鍔迫り合いの金属がこすりあう音の中、星嵐の言葉に眉を顰める。
「貴方と何か関係があるんじゃないですか?」
「そうね、今切ってないのにちょっと気分いいから答えてもいいかな」
 星嵐の剣が少女の邪心を払っていたことが功を奏したのか少女は微笑み。
「その犠牲者は……私だもん!」
 少女の手に力が籠って星嵐を押していき、体制を崩された星嵐の腹に蹴りを入れて吹き飛ばす。
「きゃあっ!」
 大きく後ろに吹き飛ばされる星嵐、だが壁に叩きつけられることは無く何者かに受け止められる。
「ありがとうございます麗刃さん」
「いえ、私はルドルフ・エルランゲンと申します、美しいお嬢さん」
 星嵐を受け止めたルドルフ・エルランゲン(黄昏に抗う白梟・f03898)が微笑む。
「ちょっとルドルフさーん!それって麗ちゃんの役目じゃない?」
「すみません、イケメンなので」
 麗刃に対してにこやかに答え前方に予め用意していたエレクトロレギオンを展開する。
 少女は壁になったエレクトロレギオンに一瞬にして接近し斬る。
 切られたレギオンはすぐに消滅するがその大群で少女の進撃を止めていた。
「お嬢さん、彼女の事何か分かりましたか?」
「星嵐です、霧ヶ峰・星嵐、辻斬りの最初の犠牲者は恐らく彼女です、その恨みで影朧になったんじゃないかと思います」
 それを聞いたルドルフはレギオンを切っている少女に視線を向ける。
「あはっ、これ結構楽しいねおじさん」
 ルドルフはテンションを上げてレギオンを切る少女に見えるようにわざと大袈裟にため息をつく。
「……で、斬るのはそんなに楽しいですか?、何か分かりましたか?」
 その言葉に少女はピタリと動きを止める。
「斬って斬って何もかも切って、もう何を切っているのかも分から無いのではないかと……これは要らぬ世話でしたか?」
「うるさい!」
 少女は激高し、最後のレギオンを切る。
「ルドフルさん、流石なのだ」
「え?確かにあの防御はすごいと思いますけどそれ以外はただ煽っただけに見えます」
 麗刃は隣に控えていた星嵐に頷いて。
「その煽りで彼女の剣筋はかなり鈍ったのだ、最高のタイミングで彼女の怒りを引きだし精神を鈍らせる、斬るだけが戦いでは無いのだ」
 ルドルフを良く知る麗刃ならではの視点に星嵐も納得して。
「なるほど、勉強になります」
 直接のダメージは少なかったが少女は確実に追い詰められていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

宴・段三郎
おんしゃ、刀がほしーか?

【目的】
営業

【行動】
何でも斬れる素晴らしい刀はいらぬかや?

使用妖刀は
号 『侵蝕姫』
号 『断切線香-小糸-』
号 『酔月』
号 『無声慟哭』

まず壱の太刀、侵蝕姫
これは普通に機会があれば渡して実験してみたい。誰にも扱えぬ妖刀じゃが、万が一の事があるやもしれぬからのぅ

ついで弐の太刀、断切線香-小糸-
これは渡す前に線香に火を灯し、紫煙による【二回攻撃】を発動する

そして参の太刀、酔月
試しに自分が盃の甘酒を飲み、小型の月を浮かばせて月光で【範囲攻撃】

最後は肆の太刀、無声慟哭
刃を合わせてレクチャーする

おんしに合う妖刀が見つからんならもうこっから好きに決めて欲しいのじゃ

UC発動



「ほう、荒れとるのう」
 刀を何本も抱えた宴・段三郎(刀鍛冶・f02241)がふらりと現れる、少女はそれが誰であるかなどどうでもいいとばかりに一瞬で間合いに入り刀を振るう。
「おおっと、まあ落ち着け、おんしにゃ刀を売りに来ただけじゃ」
 偶然持っていた刀が受けてくれたがその斬撃は刀を貫通し段三郎の脇腹から血が滲む。
「刀なんてのは振って斬れればいいの、今機嫌が悪いんだから邪魔しないで」
 明らかに不機嫌そうな顔で段三郎を睨む少女、それを異に介さず段三郎は1本の刀を鞘ごと地面に突き刺す。
「まず壱の太刀、侵蝕姫、誰にも扱えぬ妖刀じゃが、万が一の事があるやもしれぬからのぅ」
 滲む血を抑えながら売り口上を述べ少女に渡す、まさか本当に刀を売りに来たのかと予想外の行動に少女はきょとんとする。
「ついで弐の太刀、断切線香-小糸-」
「どこが刀よ、タダの線香じゃない」
 段三郎が懐から取りだした線香に少女は怒り交じりの声を上げる。
「まあ落ち着け」
 段三郎は線香に火を付けると紫煙が上がり、三味線の音がする。 
 せき込んで煙に涙をにじませた後、少女の体は2度切られていた。
「そして参の太刀、酔月」
 次に段三郎が取りだしたのは大盃、これに甘酒を注ぐ。
「子供にお酒はまだ早いのではなくて?」
「甘酒じゃけん問題なしじゃ」
 甘酒に映った月光が光り、少女の体を焼く。
「きゃっ!な、何よコレ」
 姿こそ様々でも間違いなく武器、段三郎本人の口からすれば刀、それも妖刀の類なのだろう。
 そして段三郎は見た目は普通の刀を抜く。
「……今度は何?」
 流石に少女も警戒したのか1歩後ろへと下がる。
 段三郎はその刃振るい、少女はそれを自分の刀の鞘で受ける。
「これは決して刃を合わせてはならぬという妖刀なのじゃが、どうやらお気に召さんかったようじゃのう、ならもうこっから好きに決めて欲しいのじゃ」
 その瞬間、数多の刀が虚空より現れ少女に襲い掛かる。
 その数、十万と四七振り。
 庄野の姿も見えなくなるほどの刀の雨、そして盛大に上がる土煙。
「気に入ったものがあったなら躯の海でゆるりと選ぶが良い」
「それはまだもう少し先の話かな、最初の刀、返すわね……思わず見とれちゃってた」
 土煙が晴れた後、少女はまだ立っていた、血を流してはいる、決して小さなダメージではない。
「ほう、大した執念じゃ」
 侵食姫を受け取る。
 売り込みはしくじったが猟兵としての責務は果たした。
 段三郎は刀を仕舞い後に続く猟兵に託すことにした。

成功 🔵​🔵​🔴​

筒石・トオル
【SPD】
敵の動きが速い!?
【オルタナティブ・ダブル】+『第六感、見切り』で方向も何も無く、兎に角、敵を距離を取る事に全力を尽くす。攻撃を完全に避けられなくても、急所を避けられれば次の行動に移れる。
以降は仲間への攻撃を阻害するように、熱線銃で『援護射撃』する。接近されると危険なので、なるべく距離を取り『スナイパー』で狙い撃つ。

斬る事に何か拘りがあるみたいだけど、説得するにはある程度ダメージを与えないと厳しいだろう。
「何がしたいのか分からないけど……キミは人を傷付けて満足なの?」
誰かを守る為の行動なら否定はしない。
けど、そうでないなら──許さない。


サフィリア・ラズワルド
SPDを選択

『どうぞ、お好きなだけ』

と、腕を広げて敵の前に立ちます。敵の攻撃を【激痛耐性、オーラ防御】で耐えながら彼女に『すっきりする?これで貴女は救われるの?』と問います。

斬ってすっきりするなら少しは話せるかもしれない、ヒートアップするだけならすぐに反撃します。
膝をつくくらいまでやられたら竜騎士の槍で攻撃を受けて【竜の牙】を使用して尾の先を変形させて攻撃します。

一方的にやるより多少苦戦する戦いの方がもっとすっきりするよ!少なくとも私はそういうタイプ!

『貴女が本当にすっきりするまで付き合うよ、だから教えて、貴女の怒りや無念を』

アドリブ協力、歓迎です。



「敵の動きが……早い!」
 筒石・トオル(多重人格者のマジックナイト・f04677)は大きなダメージを受けているはずの少女の動きがまだ衰えていないことに驚きつつもオルタナティブ・ダブルで分身を作り距離を置く。
 分身はすぐに切られ霧散するが刀の届く範囲からは大きく離れた、少女もやはりダメージが大きいのか追撃はしてこない。
「何がしたいのかはわから無いけど、キミは人を傷つけて満足なの?」
 トオルの言葉に少女の動きがピタリと止まる。
「誰かを守る為の行動なら否定はしない、けど」
 トオルは熱線銃を構え、静かに、だがはっきりと言う。
「そうでないなら──許さない」
「許してもらおうなんて思ってない!私は、私は!」
 少女は一気にトオルに駆け寄る、流れた血が一直線にトオルに向かって近づいてくる。
「斬られて!いっぱい怖くて!だからその怖いのから逃げたくていっぱい斬った!今更許されるなんて思ってない!」
 トオルの熱線銃も間に合わず、刀が射程に入る、しかし。
 サフィリア・ラズワルド(ドラゴン擬き・f08950)が間に入り少女の刀を肩で受ける。
 オーラ防御が刃をある程度防いで致命傷を避けてはいるがサフィリアの血が少女を真っ赤に染めた。
「すっきりする?これであなたは救われるの?」
 少女は何も言わずに首を振る。
「救われる訳、無いじゃない、救われていい訳ないじゃない!」
 少女の本音を聞いたサフィリアは両手を広げる。
「貴女が本当にすっきりするまで付き合うよ、だから教えて、貴女の怒りや無念を」
「……分かった、なら私も貴方たちに全てをぶつける」
 少女は一歩引いて深呼吸、刀を構える。
「こう言うのは全部吐き出させた方がいい、トオルさん、あの子の恨み、全部吐き出させる」
 ノーガードの殴り合い。
 それがサフィリアの取った手段だった。
「無茶をするね、けどその話乗らせてもらうよ」
 トオルも腹を括る、少女が一歩踏み出すと同時にトオルは熱線銃の引き金を引いた。
「君に取って人を切るのが自分を守るための手段だと言うのか!だとしたらそんなやり方間違ってる!」
 3発の熱線銃の内2発は刀に弾かれ、1発は少女の頬を掠める。
「そんなの分かってるわよ!けど止められないの、やめられないのよ!」
 トオルに向けて刃を振るう、早すぎて剣筋も見切れないトオルは勘を頼りに横に飛ぶ。
 トオルの足に血が噴き出るがその傷は浅い、完全ではないが避けることはできた、とトオルは安堵のため息を漏らす。
「だったら、私たちが止める!」
 サフィリアの腕が竜の頭になって少女の右腕を食らう。
 少女が刀を咄嗟に左腕に持ち替えて1度切ったサフィリアの肩をもう一度切ろうとする。
「させるか!」
 トオルの熱線銃が少女の刀を弾き。
「なら、これで……終わり!」
 竜の牙が少女の左腕を食らった。

「もう、刀も持てないかな」
 大地に倒れ、今までよりは落ち着いた声で少女が呟く。
「ええ、これで決着です」
 トオルは熱線銃を腰のホルスターに収める。
「もう、人、斬らなくていいんだ」
 サフィリアは膝まついて少女に視線を合わせる。
「ねえ、満足した?」
 サフィリアに笑顔を向ける少女。
「満足って言うか、安心したかな」
「笑うと可愛いね」
 サフィリアも笑顔を返す。
「そう?嬉しいな」
 その言葉を最後に少女の体は桜の花びらと共に消えた。

「これで、解決だね」
 後日、桜の精に転生の処理を託し、2人は傷の手当てを受ける為に病院のロビーでくつろいでいた。
「サフィリアさんボクより重傷なんですから少し大人しくしておいた方が」
 軽傷で済んだトオルがサフィリアの隣に座る。
「大丈夫、私結構頑丈だから、あの子、今度は幸せになるといいね」
 サクラミラージュの影朧は転生し、またどこかで生まれ変わる。
 他の世界には無い無二の救い、彼女はそれを受けることができた。
「そうですね、可愛そうだけで終わるのは僕も嫌ですから、最後はハッピーエンドが一番ですよ」
 トオルは頷いて立ち上がる。
「ボクは明日帰還します、傷も大したことは無いですし、サフィリアさんはもう少し安静にしてた方がいいかと」
「そうだね、私は少しゆっくりしてから戻るわ、次のハッピーエンドの為に」
 そしてトオルとサフィリアは別れ、外の幻朧桜が風に揺れた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年10月20日


挿絵イラスト