●
常に夜闇に包まれた世界、ダークセイヴァー。
この世界の各地には、オブリビオンであるヴァンパイアが我が物顔で闊歩し、眷属や魔獣を従えて人間達を支配している。
この圧政は100年もの間続いており、強固な支配体制は何者も抵抗することができず、人々は苦しみながらも日々を過ごす。
しかしながら、猟兵達の戦いによって、少しずつ『希望』を抱いた人々が出現し始めていた。
とある洞窟内に集まる20名ほどの若者達。
10~20代の男女を中心に編成された血気盛んな彼らは人知れず、ヴァンパイアに虐げられた人々の解放へと動いていた。
秘密組織『リリース』。
解放を旗印と掲げながらも、密かな活動を始めたばかりの小さな組織だ。
「俺達もいつかは、あの猟兵という人達みたいに……!」
リーダーの青年ミックが小声で決意を誓うと、皆が一斉に頷く。
ヴァンパイアのいない生活など知らずに生まれ育った若者達は、それらの脅威のない世界を目指して活動をと立ち上がったのだ。
猟兵達が付けたこの世界の呼称でもあり、猟兵達を讃えて呼ぶ称号から、彼らは自分達をこう自称する。
――『闇の救済者(ダークセイヴァー)』と。
まずは、近場の鉱山の町。
そこは魔獣に襲われたこともあり、人々はしばらく前に町を放棄し、今『リリース』メンバーのいる洞穴へと避難していた。
『リリース』のメンバーは周囲に魔獣がもういなくなっていることを確認し、このゴーストタウンに人々を戻すことを目指す。
ところが……だ。
「いつの間にか、ヴァンパイアの眷属がいるって……!?」
偵察に出ていた組織員の報告を聞き、ミックは悔しがる。
何もなければ、人々を町に戻すことができたのに……。
「いや、これはある意味でチャンスではないか?」
話によれば、その眷属はいずれも若い女性達で、力もさほど強くないとのことだ。
――町の何処かに拠点を構える女眷属達を、一気に叩くことができれば……。
ミックは慎重に元鉱山の町を仲間達と共に探索することにし、その拠点の場所の発見に全力を尽くすのである。
●
グリモアベースにて、多数出されている【Q】。
その中で、「【Q】ダークセイヴァーで抗う者達を支援しよう」という呼びかけから、多くのグリモア猟兵達が動いている。
そして、金髪エルフの少女、セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)もまた、猟兵達にその支援へと助力を求めていて。
「まだ、小規模なのだけれど、『リリース』という名前の組織を皆の手で支援してあげたいの」
ミックという青年をリーダーとして、若者達はヴァンパイアの圧政に抵抗しようと少しずつ活動を始めている。
まだ20名という規模だが、それはこれからの活動によって大きくなる可能性は十分にある。
「ただ、今は秘密組織でしかないわ」
現状は、強力なヴァンパイアが1体来れば、簡単に壊滅してしまうほどの弱い力でしかない。
『闇の救済者』を自称する彼らがこの世界を救う為の力となる為に、力を貸してあげたい。
まず、彼らは近場にある元鉱山の町を取り戻そうとしている。
すでに、ゴーストタウンとなっているこの町。
以前、魔獣の襲撃によって人々は近場の洞穴へと避難している状況だが、魔獣はこの近場にはもういない。
どうやら、別件で魔獣は猟兵達が倒していたようだ。
「ただ、この地に人がいないと判断したヴァンパイアの眷属が町のどこかを拠点にしているようよ」
その眷属は、『黒い薔薇の娘たち』。
ヴァンパイアによって眷属となり、ヴァンパイアの為に尽くす少女達だ。
彼女達を倒せば、街の人々は町に戻ることができるだろう。
しかし、発見が遅れれば、彼女達は住民達の居場所と合わせ、『リリース』の拠点も突き止める危険がある。
そうなれば、眷属達はヴァンパイアを呼び寄せ、『リリース』を全滅、住民達を引きずり出して圧政を強いると思われる。
「まずは、この拠点の発見を『リリース』の人々とお願いしたいの」
――この地の人々を助ける為に。
――そして、リリースの人々に是非、力添えを。
セレインは最後に、そう猟兵達に願うのである。
なちゅい
猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。
基本、纏めて執筆のスタイルですが、今回は、個別、グループ単位での執筆で受付いたします。
グループ参加の場合は、グループ名、IDなどの記入も願います。揃った地点で、執筆OKのサインとさせていただきます。
他作業の兼ね合いもありますが、受付から1日以内を目途に執筆を目指します。よろしくお願いいたします。
●概要
廃墟と化した元鉱山の町。
この街のどこかに、邪教の徒の拠点があるようです。
それを『闇の救済者』組織と共に探索して発見し、彼らと共に解放を目指してください。
うまくいけば、事後は元の住民達が町に戻りますので、住民と組織の人々に付き合い、一晩だけ過ごしてくださいますよう願います。
まずは、冒険パート。
『闇の救済者』組織の人々と拠点の発見の為、探索を願います。
組織員のサポート、助言を念頭に行動しなければ、彼らはオブリビオンに襲われて命を落とす可能性もありますので、くれぐれもご注意を願います。
●シナリオの執筆予定
章間は前章終了から半日以内を目途に、プレイングの幅を広げる為の情報を加筆します。
そちらが確認できましてから、プレイングを手掛けていただければ幸いです。なお、第1章も公開後、加筆を致します。
今回は随時受付、執筆予定ですので、締め切りは設けておりません。
シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
それでは、行ってらっしゃいませ。
第1章 冒険
『ゴーストタウン』
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POW : 捜査の基本は足。手当たり次第に探す
SPD : 不意の遭遇とならないよう、周囲を警戒する
WIZ : 過去の資料と照らし合わせ、痕跡を探す
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
ダークセイヴァーの地で、密かに活動を始めた秘密組織『リリース』。
自らを『闇の救済者』と称し、青年ミックをリーダーとして活動する彼らはヴァンパイアに支配されたこの世界の救済を目指す。
目下のところの目的は、今自分達がいる洞穴に避難してきた人々を、元鉱山の町へと返すこと。
その街はゴーストタウンとなっていて、脅威となる魔獣も討伐されていなくなっていた。
それもあって、住民達を町に返そうと『リリース』メンバーは考えていたのだが……。
「いつの間にか、ヴァンパイアの眷属がいるって……!?」
町の偵察から帰ってきた組織員の一言に、ミックは悔しがる。
すでに、その町のどこかにヴァンパイアの眷属である『黒い薔薇の娘たち』が拠点を構えてしまっていることが発覚したのだ。
ただ、現状、どれだけの数の眷属が集まっているのか。そして、どこに拠点があるか分かってはいない。
「まずはそれを探らねばならないな」
敵が集まりそうなほどに広い場所はいくつかあるが、まずは町の集会場。人が多く収容できる場所なので、可能性は高い。
合わせて、教会。こちらも広いが、ヴァンパイアの眷属としては忌避したい場所ではないかとミックは考える。
後は、この洞穴から近い採掘場。
洞穴とは直接繋がってはいないが、ここを調べるなら少し骨だ。自分達や住民達のいる洞穴を気取られぬようにしなければならない。
『黒い薔薇の娘たち』はそれほど外を出歩こうとしておらず、物陰に隠れながら偵察はさほど難しくはない。
それぞれの集落に住み着いている可能性もなくはないが、眷属達はすぐに主であるヴァンパイアの命に従うべく、一所に集まって屯すことが多い。
「ともあれ、油断せずに町を探索していこう」
リリースメンバーの中には鉱山出身者もいるので、彼に聞くことで場所は問題なくわかるだろう。
後は、事態を聞きつけてこの場に駆け付けてくれた頼もしい猟兵達。
彼らの力を借りれば、眷属など目ではない。
鉱山の町を救う為、ミックは……『リリース』のメンバー達は気合を入れるのである。
(※プレイング受付に締め切りは設けておりません。随時受付、受付から1日以内をめどに、タイミングの良いときに執筆させていただきます。)
桜庭・愛
鉱山の廃墟ならば、まずは、地理や侵入できる場所がないか
鉱山で働いていた人間を探したり、地理や過去の資料を照らし合わせて情報を整理する。
吸血鬼すら知らない侵入経路が
あるかもしれないが、
常に罠の可能性も考慮し
行動する。
最低でも、二名。
情報は複数から聞き取り、
地図と照らし合わせる。
吸血鬼と共謀している可能性もあるからだ。
また、記憶の定かではない情報を鵜呑みにはしない。
安全面を第一に考え、
侵入経路と脱出経路は別々にする。
撤退の場合、こちらに居場所がしられるのを考慮して
現場にいった人間とも情報を共有できればよいが
●
ダークセイヴァー某所。
かつて鉱山の町として栄えていたこの地はヴァンパイアの暴政が続く世界にあって、珍しく活気のある場所だったとこの世界出身の若者は語る。
しかし、今この地に住む人間は誰もいない。
直接の原因こそなくなっているが、新たな脅威がこの地に住み着き、住民達の帰郷を妨げているのだ。
ヴァンパイアの眷属、『黒い薔薇の娘たち』。
彼女達はどこかを拠点として一所に集まり、主の命を待っている。
「よし、行くぞ」
眷属達の拠点をまずは探し出そうと、青年ミックを始めとして、決起した秘密組織『リリース』のメンバー達が洞穴から町へと移動していく。
彼らと入れ違いに、スタイル抜群な女子プロレスラー、桜庭・愛(黒髪の女子プロレスラー・f22918)が洞穴の中へとやってくる。
「鉱山の廃墟……ね」
駆けつけてすぐ、彼女は洞穴に避難していた鉱山の町の住人達から情報を集める。
町の地理はもちろんのこと。侵入できる場所などを聞き出す。
残念ながら、過去の資料を持ち出す余裕まではなく。町に置き去りになっている状況とのこと。
「不確かな情報など、頼りにしたくはないのだけれど……」
この場に資料がない以上、人々の記憶を情報源とする他ない。
愛はまず複数人から情報を得ながら、簡単な町の地図を作っていく。
その際、彼女は確実な情報だけを集めるよう努める。
記憶の定かではない情報を鵜呑みにしてしまえば、それだけで危険なことになりかねない。
口には出さぬが、愛は最悪の可能性は頭に入れていて。
――この場に、吸血鬼と共謀している人間がいないとも限らない。
罠の可能性も否定せず、愛は眷属達の居場所に当たりをつけていく。
ゴーストタウンとなった街へと近づく愛。
彼女は安全面を第一に、侵入経路と別ルートの脱出経路を考える。
撤退の際に、眷属達にこちらの居場所を知られる事を想定してのことだ。
(「吸血鬼すら知らない侵入経路があれば、良かったのだけれど」)
さすがに、そう都合よく事は運ばなさそうだ。
愛は町の外の物陰で探索方法について話をしている『リリース』のメンバーを発見し、情報の共有を図る。
残念ながら、拠点の場所の確定には至らなかったものの。
「……っと、すまないな」
リーダー、ミックは思った以上に高い精度の地図と、経路について提示してくれた愛に感謝を示したのだった。
成功
🔵🔵🔴
シビラ・レーヴェンス
グループ名:【銀色】。露(f19223)。
一応は闇の眷属だ。今は種族は伏せる。
組織の者達に少しでも不安を与えないのが理由だ。
今回の私たちは『周囲の厳重警戒』を主にしよう。
土地勘もない私達だ。手当たり次第も痕跡捜索も困難だろう。
警戒は露と共に。身を隠す場所で背中合わせに視認警戒だ。
お互い極力声は出さす物音を控えて潜むようにする。
(闇に紛れる、暗視、野生の勘、物を隠す使用)
警戒中。
もし近くに眷属の姿を発見したら露に報せに行かせる。
但しタイミングは十分に見計らって行動。
迂闊に動けば私達の物音で逆に眷属へ報せることになる。
余裕があれば私は【三体の従者】に眷属の後を追跡させる。
(迷彩、闇に紛れる使用)
神坂・露
グループ名:【銀色】。レーちゃん(f14377)。
レーちゃんの住処ってどっちだったっけ…。
今どんな気持ちなんだろ。レーちゃん…。
レーちゃんの出生のことはここでは黙っておくわ。
多分そのほーがいいってレーちゃん思ってるはず。
「うん、あたしたちは警戒ねv」
盗賊の頃を思い出してちょっとワクワクするわ。
レーちゃんと背中合わせしてじっと警戒。
聞き耳をたてて周囲の音に敏感になるわ。
(目立たない、忍び足、聞き耳、使用)
偶然でも眷属さんが接近してきても落ち着く。
驚いて動けば音が出て見つかるわ。避けないと。
じっと身を隠して様子を窺って慎重に。
レーちゃんの指示で動くわ。慌てずに報せにいく。
(忍び足、地形の利用使用)
●
探索を行う『リリース』メンバーへと、続いて2人の猟兵が近づいてくる。
グループ【銀色】の少女達の姿に、青年達は些か驚いたようで。
「驚いた。猟兵はこんな小さな子供達もいるのか……」
『リリース』のリーダー、ミックは素直に思ったことを口に出す。
なお、その2人は幼女に見えて、この場の誰よりも長生きしているのだが、それはさておき。
「よろしく頼むよ」
1人は、黒いドレスを纏ったクールな態度をした銀髪の少女。
苗字からとってレーちゃんこと、シビラ・レーヴェンス(ちんちくりんダンピール・f14377)は簡単に挨拶を交わす。
もう1人は、遊牧民の衣装を纏う同じく銀髪の少女。
ブルームーンストーンのヤドリガミ、神坂・露(親友大好き子犬娘・f19223)は子犬の様にシビラへと寄り添っている。
(「レーちゃんの住処って、どっちだったっけ……」)
自らの素性を明かさぬシビラを、露は気遣って。
――今、どんな気持ちなんだろ。レーちゃん……。
ここは、露もシビラの出生のことは黙っておくことに。多分、その方がいいと彼女が考えているだろうと察したのだ。
――ヴァンパイアの支配するこの地域では、彼らに不安を与えてしまいかねない。
事実、ダンピールであるシビラは一応闇の眷属だからと、敢えて自らの種族を伏せていた。
「今回、私たちは『周囲の厳重警戒』を主にしよう」
シビラは話を戻し、そう提案する。
先程、同じ猟兵の愛が地図を作製してくれてはいたが、何せ土地勘のない【銀色】の2人。
手当たり次第の追跡捜索も困難だろうと、シビラは考えていた。
「うん、あたしたちは警戒ね」
露は盗賊だった頃のことを思い出してワクワクしながらVサインをして同意すると、ミックは大きく頷いて。
「ああ、それじゃ、よろしく頼むぜ」
ミックは彼女達の助力に感謝しつつ、偵察の為に仲間と共に町へと突入していくのだった。
●
常に闇に覆われたこの世界。
薄暗い中で町へと突入していった若者達は眷属がいないかと確認しつつ、道なりに進んでいく。
鉱山の町は道なりに家々が立ち並ぶ。
それもあって、最悪家の中へと入って隠れることもできる。
ある程度、若者達も敵の居場所に目星をつけているのだが、そこに至るまでどこに眷属がいるか分からない。
現状、『リリース』のメンバーは集会場を目指しているが、とりわけ目立つ場所にあるそこは警戒を強める必要がある。
ミックも冷や汗を垂らしながらも、慎重に気配を殺しながらも目的の場所へと近づいていく。
その間、【銀色】の2人は背中合わせに周囲の視認警戒を行う。
彼女らは家々の間や植え込みの陰などに隠れ、自らの技能に頼って眷属が現れないかと神経を尖らせる。
「…………」
「…………」
お互い声を出すことなく、物音を出さぬよう街中に潜む。
シビラは闇に紛れながらも、暗視で自らの勘を働かせてあちらこちらを確認する。
そこで、聞き耳を立てていた露が離れた位置で出歩く1体の眷属の姿を捉えた。
書物を手にする黒いドレス姿の女性『黒いバラの娘たち』の1人だ。
幸い、こちらには気づいてないが、露は逸る気持ちを抑えて落ち着こうと深呼吸する。
(「驚いて動けば、音が出て見つかるわ」)
どうやら、露が眷属を発見したのを、シビラも察したらしい。
『リリース』メンバーには、露が知らせる手はずとなっている。
(「十分、タイミングを見計らわないと……」)
シビラもまた迂闊に動けば物音を立てて、眷属達に知らせてしまうことになると考えていた。
徐々に、こちらから離れていく眷属。
それを察した2人は静かに動き出し、シビラの合図で露が慌てずに忍び足を使い、先程確認させてもらった地図を元に最短距離で『リリース』メンバーの元へと向かう。
「Urmăriți-vă……」
一方で、シビラは聞き慣れぬ言葉を操り、【三体の小さい影】を召喚する。
彼女はそのまま気づかれぬように影達に迷彩を施し、眷属を追跡させていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ビリー・ライジング
ミリィ・ライジング(f05963)と共に行動
まずはミリィ共々、猟兵と紹介してリリースの警戒を解いてもらう。
「俺達は猟兵だ。お前達の支援にここに来た」
待て、ミック。教会は忌避したい場所だと?
その考えは危険だ。そう思わせるのが奴らの狙いかもしれん。
「あいつらにその考えは通用しない。むしろ読まれてる可能性もある」
教会の偵察は教会の正面に対して、俺は左側から回り込んで偵察する。
窓から内部の様子を見る事が出来れば御の字だが、奴らはヴァンパイアだ。
窓にカーテンなどを閉めているならば、壁に聞き耳を立ててみる。
探ってる教会の会話から、何人いるか推測も出来るだろうか?
桜庭・愛
「ならば、私を軍師として仲間に加えなさい。相手が人間より強いのであれば、こちらは束になり、精兵で対応するしかないわ。鉱山の狭い路地は、
今のところは敵が有利。
しかし、調練次第ではこちらに勝機がない訳はないわ」
提案は
廃材を使った武器や盾による隊列の編成。
地形を考慮しての戦い方
射撃武器の作り方と仕様の仕方。
「鍛練ならレスラーにおまかせよ。勝つ気があるならだけど」
報酬?
気にしなくていいわよ。
「義を見て動かざるは勇なきなり」これを矜持にしてる私は
あなたたちを放ってはいられないだけだから。
まあ、作戦が成功したら、
娯楽も生まれるでしょ?
そしたら、プロレスを見に来て
くれればいいわ」
と笑顔で手を繋ぐのだ
ミリィ・ライジング
ビリー・ライジング(f05930)と共に行動
リリースに対して、一定の距離を置きつつ、追跡。
横や背後を兄と一緒に確認しながら、距離は保ちつつ。
「今、集会場を目指してるんだよね? 教会は調べないんですか?」
集会場は集まるには最適な場所だけど、
それだったら隠れ家的な場所でこっそり会議してた方が良いような気もするけど……。
教会の偵察は教会の正面に対して、私は右側から回り込んで偵察。
右側に回り込んだら、天晴を呼び、教会の裏側へと回ってもらう。
そして教会の裏側で物音を立てて、教会の内部の動きを見る。
物音に反応して、ヴァンパイアや眷属が動き出したら、足音の数や大きさ等で人数を推測。
●
ゴーストタウンとなった鉱山の町。
新たにやってきた猟兵達と、『リリース』メンバーも連携を取ろうとする。
しかしながら、ヴァンパイアの眷属が何処かに屯す町中だ。すぐに動くことができぬこともあり、話も難しい。
そんな中で、金髪の双子兄妹、ビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)、ミリィ・ライジング(煌めく白銀・f05963)兄妹が先行して町の集会場を目指すミック達との接触を図る。
自分達が眷属に見つかっては元も子もない。
プラチナブロンドの長髪と淡い赤色の瞳、妹のミリィは一定の距離を置きつつ、ミック達を追跡していく。
そして、金の短髪、濃い赤い瞳を持つ兄のビリーも周囲を警戒しながらも、少しずつ『リリース』メンバーへと迫って。
「……新手の猟兵か」
どうやらミック達も気づいたらしく、近場の家に眷属がいないことを確認し、その中へと転がり込んでから話を始める。
「お前達の支援の為、ここに来た」
まずは警戒を解いてもらおうと、ビリーは自分達の素性を明かしてから小声で挨拶するのである。
●
ヴァンパイアの眷属達はそれほど外を出歩いているわけではなさそうだが、町は敵の巣窟には違いない。
メンバー達は家の中に隠れ、手早く話を行う。
「今、集会場を目指してるんだよね? 教会は調べないんですか?」
「そうだ。話によれば、集会場が一番収容人数のある場所だからな」
それだけに、眷属達も集まりやすい場所だとミックも考え、まずはそこから偵察をと考えていたのだが……。
確かにとミリィは理解を示しはするが、完全には同意することはなく。
「それだったら、隠れ家的な場所でこっそり会議してた方が良いような気もするけど……」
「悪いが、可能性の高いところから攻めるべきだろう」
ミリィの助言に、ミックも反論する。
教会もある程度の大きさがあるが、ヴァンパイア達は避ける場所だろうと彼は判断していたのだ。
「待て、ミック。その考えは危険だ」
教会は忌避したい場所と思わせるのが眷属の狙いかもしれないと、ビリーは自らの考えを語る。
「あいつらにその考えは通用しない。むしろ、読まれてる可能性もある」
そこへ、街の傍に駆けつけていた桜庭・愛(黒髪の女子プロレスラー・f22918)も、こちらへと合流してくる。
先にミックが街中へと向かってしまったこともあり、彼女も追ってきたのだ。
警戒に当たってくれるシビラ、露の働きもあって、愛もミック達が一時避難している家の中へと合流する。
「私を軍師として、仲間に加えなさい」
「あんたを、軍師に……?」
愛はそこで、ミックへとそう提案する。
相手は眷属とはいえ、人間よりも強い敵だ。
ならば、こちらは束となり、精兵で対応するしかないと愛は忠告する。
「鉱山の狭い路地は、今のところは敵が有利。しかし、調練次第ではこちらに勝機がない訳はないわ」
愛は様々な提案をミックへと行う。
廃材を使った武器や盾による隊列の編成。地形を考慮しての戦い方。射撃武器の作り方と仕様の仕方……等々。
「鍛練なら、レスラーにおまかせよ。勝つ気があるならだけど」
「ああ、それはありがたいが……」
確かに、猟兵が軍師となってくれるのはありがたい。
ただ、鍛錬に関しては即席でどの程度できるかという問題があるのだが、愛もそこは胸を張る。
「『義を見て動かざるは勇なきなり』。これを矜持にしてる私は、あなたたちを放ってはいられないだけだから」
もし、作戦が成功したなら、娯楽としてプロレスを見に来てほしいと愛が手を差し伸べると、ミックはその手を取って。
「わかった。よろしく頼む」
彼の手を握り返す愛は、にっこりと笑顔を浮かべていた。
そこにやってくる露。
「眷属がいたわ。教会の方に」
どうやら、シビラの追跡させた影がそちらに向かったのを確認したようだ。
「そう……か」
この報告を受け、ミックも作戦の立て直しを余儀なくされていたようだった。
●
ここにきて、教会へと偵察を移すよう方針転換する『リリース』メンバー達。
一度、作戦を立て直した一行は、今度は教会を目指して進むことに。
愛にはメンバーに戦いのノウハウを教えることにし、その間、ビリー、ミリィ提案の作戦を含めて偵察を進めることにする。
改めて、シビラ、露の警戒に助けられつつ、メンバー達は偵察を進める。
ビリーが左手側から回り込み、中の様子を窺おうとする。
「やはり、いるようだな」
ビリーの言葉に、遠方から見守るミックが頷く。
外は常に闇の世界。窓にカーテンなどする必要もないらしく、開けたままの状態となった内部では……。
――うふふふ……。
――あははは……。
『黒い薔薇の娘たち』は読書をしながら、楽しそうに語らってすらいる。
その数はかなり多く、何人いるかまでは推測が難しい。
「天晴、出番よ」
一方で右側から回り込むミリィはユーベルコード【化身招来・安倍天晴】を使い、化身の天才陰陽師の亡霊を呼び出す。
教会の裏側へと向かわせた天晴に物音を立てることで、ミリィは内部の反応を見る。
「何、今の音は?」
「確かめましょう」
物音を聞きつけ、眷属の娘達が教会から出て裏へと向かっていく。
内部に留まる敵を含めれば、総数は間違いなく『リリース』メンバーより多そうだ。
しばらく、偵察の一行は敵の動きを見て、できる限りの情報を集めていく。
「……思った以上に、情報は得られたな」
ミックは猟兵達に感謝をしつつ、今度は突入の為の作戦を立てるべくその場から離れていくのだった。
大成功
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第2章 集団戦
『黒い薔薇の娘たち』
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POW : ジャックの傲り
戦闘中に食べた【血と肉】の量と質に応じて【吸血鬼の闇の力が暴走し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD : クイーンの嘆き
自身に【死者の怨念】をまとい、高速移動と【呪いで錬成した黒い槍】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : キングの裁き
対象のユーベルコードを防御すると、それを【書物に記録し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
イラスト:シャチ
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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ゴーストタウンとなった鉱山の町。
秘密組織『リリース』メンバー達がこの地に住民を戻そうと活動する最中、街の何処かにヴァンパイアの眷属『黒い薔薇の娘たち』が新たに拠点にしようとしている事がわかった。
猟兵達の力を借りた『リリース』メンバーは事前の偵察によって、町の教会内部に眷属達は拠点を構え、主であるヴァンパイアの命を待っている状況であることを確認していた。
「つっても、元々人がいない場所だ。ヴァンパイアも抑え程度でしか考えていないらしい」
『リリース』のリーダー、青年ミックは偵察で眷属達が話していた内容を盗み聞き、この場所が拠点としてさほど利用価値は高くない場所だと踏んだらしい。
「つまり、この眷属達さえ倒せば、ヴァンパイアがやってくる可能性はかなり低いってわけだ」
教会の入り口は、正面両開きの扉と裏口。窓を破壊すれば、側面に3ヵ所ずつできる。
眷属の数は20よりは多いが、教会の大きさを考えれば50を超えることはないだろう。
普段内部の椅子に腰かけ、書物を読みながら楽しそうに語らう眷属達。
時折、何かを食らっているようだが、それは……敢えて追及しない方がいいかもしれない。
死を糧として、力にする眷属達。
『リリース』メンバーもある程度は対抗するだけの力はあるが、それでも数人がかりで1体を倒すといった程度の力だろう。
「なあ、あんた達も突入に当たって、いい作戦はないか?」
ミックの問いかけで、猟兵達もあれこれと作戦を提示する。
教会内にいる眷属を倒すだけなら、猟兵達なら油断がなければ倒せる相手ではあるだろう。
ただ、今回は『闇の救済者(ダークセイヴァー)』の名乗る彼らが成し遂げてこそ価値がある依頼だ。
彼らが殺されぬよう注意しつつ戦わせ、眷属を殲滅させたい。
作戦を提示した猟兵達にミックや組織員達が感嘆しながらも、それなら行けるかもしれないと期待を抱く。
「どうなるかはわからないが、やってみよう」
皆の検討を祈ると、ミックはメンバー達へと告げる。
――これから向かうのは死地ではない。解放の為の戦いなのだ。
彼らはこの地に自らの組織の名、『リリース』を誓うのである。
(※このシナリオに、プレイング受付に締め切りは設けておりません。随時受付、受付から1日以内を目途に、タイミングの良いときに執筆させていただきます。)
桜庭・愛
「個々の戦力の差はあるでしょうが一律の戦闘ができる集団に鍛えるため、
あなたたちにある戦術を授けます。」
今回の教会は入口から進入し刺突(しとつ)にて相手を倒します。
陣形は、前面が盾を持つもの。
後ろに剣で盾の隙間から前方に突き刺すもの。
その後ろに射撃武器を扱う者と続いてください。
入口から入ったあと、半円状に前面の盾役が盾を並ばせ、その隙間に剣、中心に弓と陣形を維持し上空に向けて弓を射掛け、剣を突き刺してください
「弓の制射は一度、入った瞬間です。他の猟兵に当たりますので」
これが魚麟陣です。何匹かは生かしておいて下さい。情報を聞きます。
どんな化物でも気勢を制すれば勝てますよ。
神坂・露
【銀色】レーちゃん(f14377)と。
『リリース』が噂って形でも広まれば…素敵よね。
この世界の変化に猟兵だけじゃ足りない気がするの。
手助けができるなら頑張るわ。ね?レーちゃん♪
二人でミックさん達の後方からサポートをするわ。
向かってくる眷属の力を【三種の盗呪】で奪ってみる。
眷属二人くらいなら同時に襲われても対応できるかしら。
(盗み攻撃、2回攻撃使用)
単純にコードを使っても反撃を受けそうね。なら…。
眷属達の動きを【見切り】で躱しながら攻撃を囮にするわ。
使う武器はクレスケンスルーナね。
【フェイント】や【カウンター】を織り交ぜつつコード使用。
あたし自身を囮にしてレーちゃんのコードで…って連携もするわ。
シビラ・レーヴェンス
【銀色】露(f19223)とサポート。
同じ街や村に常に猟兵が駐在してはいられない。
今後は人間達の力も必要になる時がくるだろう。
その足掛かりを作るのに丁度いい。
露と連携し【影手】を行使しミック達の手助けだ。
主に眷属達の行動を一時でも封じるように操作する。
無理やりこちらの間合いに引き入れようか。
無論。攻撃にも使う。露や他の者との連携にも。
『影手』は【早業】と【見切り】を駆使し操る。
コードは【高速詠唱】と【全力魔法】を利用し行使。
戦況に応じ『影手』に【破魔】や【呪詛】を付与。
眷属に簡単に破られては困るから念の為に付与。
ミック達の動きを読み彼らが戦い易い状況を作る。
今回は特に露に頼る。…やれやれ…。
●
改めて作戦会議の後、猟兵達と『リリース』メンバー達はヴァンパイアの眷属達が拠点としている教会に向かうこととなる。
今回の作戦は、黒い長髪にグラマラスで引き締まった肉体の持ち主、桜庭・愛(黒髪の女子プロレスラー・f22918)提案の元で進めることとなる。
「個々の戦力の差はあるでしょうが、一律の戦闘ができる集団に鍛えるため、あなたたちにある戦術を授けます」
彼女は正面の入り口からの侵入を提案し、刺突によって相手を倒す作戦をメンバー達へと教えていた。
今作戦には、『リリース』メンバーも参加できる者は全員参加している状況だが、前線には盾を持つ者が構え、その後ろから剣で盾の隙間から前方に突き刺す者と布陣する。
「その後ろに射撃武器を扱う者と続いてください」
「……なるほどな、やってみよう」
リーダーであるミックもそれに従い、隊を編成する。
その殲滅作戦に、参加するチーム【銀色】の少女達。
「『リリース』が噂って形でも広まれば……素敵よね」
民族衣装を纏ったヤドリガミの少女、神坂・露(親友大好き子犬娘・f19223)は大好きな親友と共にこの作戦に参加している。
「この世界の変化に、猟兵だけじゃ足りない気がするの」
露の言葉に、黒いドレスに身を包む半魔半人の少女、シビラ・レーヴェンス(ちんちくりんダンピール・f14377)が頷く。
多くの世界を渡り歩く猟兵がこのダークセイヴァーの同じ街や村に、常駐し続けるわけにもいかない。
「今後は、人間達の力も必要になる時がくるだろう」
その足掛かりを作るのに、ちょうどいい作戦だとシビラは話す。
「手助けができるなら頑張るわ。ね? レーちゃん♪」
同意を求める露に、レーちゃんことシビラは「ええ」と短く応じたのだった。
●
町の教会まで近づいた一行は頷き合い、正面から中へと突入していく。
「眷属ども、覚悟しろ!!」
ミックが叫ぶと同時に、外から内部へとメンバー達が駆け込んでくる。
まず、半数近くが半円状に前面の盾役が盾を並ばせるように構える。
その隙間に、後方からは剣を持つ者達。そして、中心に弓と陣形を維持して。
「弓の制射は一度、入った瞬間です。他の猟兵に当たりますので」
愛は今回指示を出すのみ。
その一言を事前に耳にしていた弓を持つメンバーが上空目がけて弓を射かけ、剣を持つ者が前方へと突き刺す。
「ああっ!!」
「きゃああっ!!」
矢で射抜かれ、痛みに苦しむ眷属『黒い薔薇の娘たち』。
「これが魚麟陣です。何匹かは生かしておいて下さい。情報を聞きます」
頷き、『リリース』メンバー達はなおも攻め立てる。
「敵よ。応戦を」
人間を辞めてしまった彼女達は、まさか人間達が攻めてくるなど思ってもみなかったらしい。
しかし、黒い薔薇の娘たちはすぐさま死者の怨念を纏い、素早く移動して応戦しようとしてくる。
中には、どこからか取り出した何かの肉を食らい、吸血鬼の闇の力が暴走させて強化していた眷属もいた。
「無力な人間のくせに……!」
「ひっ……」
人ならざる力を持って襲い来る眷属の集団に、『リリース』メンバー達も臆してしまう。
「だいじょうぶだよー」
「私達がついている。安心なさい」
ただ、後方メンバーの少し後ろに、【銀色】の2人がサポートについていた。
相手が使ってくるユーベルコードは、露、シビラが無力化をはかる。
「言葉を三つの力にして剥奪す!」
露が使う言葉は、【金環(手枷)】【黒革(禁言)】【銀鎖(拘束)】。
【三種の盗呪】によって、露は向かい来る眷属の力を奪っていく。
「Lasă orice……」
その露の連携するシビラもまた一言告げ、見えない【魔力で造った素手】を放つ。
シビラの【影手】は、無理やりつかんだ眷属を間合いに引き入れてリリースメンバーの刃を貫かせたり、露と連携して相手のユーベルコードを封じたりする。
「いけ、敵は総崩れだ!」
「どんな化物でも、気勢を制すれば勝てますよ」
弓を取り、矢を射て眷属を倒すミック達を、愛は鼓舞するのだった。
●
愛の作戦はうまく機能してはいるが、徐々に眷属達も態勢を立て直して。
「迂闊に近づくと危険よ」
「【キングの裁き】で応戦するわ」
中には、【銀色】の2人が使うユーベルコードの対策を立てる眷属もいた。
とはいえ、彼女達もその対策は想定済み。
「単純にコードを使っても反撃を受けそうね。なら……」
露は眷属達の動きを見切り、青白い色に煌く片刃剣『クレスケンスルーナ』でフェイント、カウンターをいかし、『リリース』メンバーと同時に攻撃していく。
その露を囮とし、シビラが【高速詠唱】でユーベルコードを全力で使う。
「眷属に簡単に破られては困るからね」
合わせ、シビラは【破魔】、【呪詛】を付与した影手で眷属達を攻め立て、ミックら『リリース』メンバーが戦いやすい状況を作る。
とはいえ、今回ばかりは影手だけで押し切るのは難しい。
「……やれやれ……」
露に頼る部分は大きいと実感し、シビラも嘆息していたようだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ビリー・ライジング
ミリィ・ライジング(f05963)と共に行動
「松明だろうが、角材だろうが、石でもいい! とにかく『投げろ』!」
全てなる臨界点を発動させるが、直接攻撃はしない。
リリース達の投擲した物に対して、炎を操作して、纏わせる。
眷属に当たれば痛いだろうし、外しても延焼で教会を燃やす。
「いや、ここは既に汚れてる。だったら焼いた方がマシだ!」
炎の基点は俺だという事は眷属達も理解するだろう。
残りの炎(最大5個まで)をルーンレイピアに纏わせて、眷属に対抗。
【見切り】や【武器受け】で攻撃を防御する事に専念。
これは『リリース』の戦い、俺達はそれが上手く行く様にやるだけだ。
ミリィ・ライジング
ビリー・ライジング(f05930)と共に行動
兄の掛け声と共に持つ手裏剣に炎の【属性攻撃】も組み合わせて、【投擲】。
リリースの人々にも投擲物を持つ者に対して、投げる様に指示。
「お兄ちゃんを信じてあげて!」
投擲攻撃を始めたら、リリース達の陣形から飛び出して、
護符や手裏剣に【属性攻撃】【破魔】【投擲】を合わせて、眷属へ攻撃。
リリースの投擲攻撃とタイミングをずらす等、確実に当てる様にする。
眷属のUCに対しては降魔化身法で対抗。
黒い槍の放射に対して【破魔】の力を込めた護符を【投擲】。
「お兄ちゃんに手は出させないよ……!」
桜庭・愛
徐々に眷属たちも態勢を立て直してきている。
それを見てほくそ笑む愛。
(入口に陣取り、扇状に射撃を展開し、盾を構え剣で突いたのは敵との間合いを広く取る為。「迂闊に近寄ると危険」という言葉に次の指示を出す。
「第二列、射撃一斉掃射。上空に撃つ一列、正面に撃つ二列、最前面の盾は蹲り射線を開けて。」
剣兵は弓を持ち替え前面に一斉掃射。第二列は上空から地面に突き刺さる弓の雨。猟兵たちの動きに呼応し戦術は中距離一斉掃射となる。
奇襲から掃討戦。室内の四隅に追い詰められた敵は掃射の的になるしかない
敵の詠唱も魔法もこの物量の前には覆す事は出来ぬであろう。
愛の采配で他の猟兵の動きに軍は縦横無尽に動くだろう。
●
教会での戦いは、『リリース』サイドが押している状況にある。
護りと攻めを同時に行う布陣に、ヴァンパイアの眷属『黒い薔薇の娘たち』もなかなか対応できずにいたが、それでも仲間達がやられる間に少しずつ対応策を考えていたようだ。
敵、眷属達は敢えて突っ込んではこず、間合いを開けてユーベルコードでこちらを狙ってくる様子。
態勢を立て直しつつある眷属達の様子に、桜庭・愛(黒髪の女子プロレスラー・f22918)はほくそ笑む。
(入口に陣取り、扇状に射撃を展開し、盾を構え剣で突いたのは敵との間合いを広く取る為)
相手は「迂闊に近寄ると危険」と言っていた。
ならばこそ、愛も『リリース』メンバーへと次なる指示を出す。
「第二列、射撃一斉掃射。正面に撃つ一列、上空に撃つ二列、最前面の盾は蹲り射線を開けて」
剣兵も愛の合図を受け、弓を持ち替えて。
「一斉掃射だ。撃て!」
リーダー、ミックの声で、前線の『リリース』メンバーが正面へと矢を射放ち、第二列は上空へと弧を描くようにして教会の床へと弓の雨を降らせていく。
こうして、戦術は中距離一斉掃射となり、眷属達は更なる矢の雨に晒されることとなる。
●
しかしながら、相手は眷属となった者達。
多少、矢に射られ、その身に矢を突き刺したところで死にはしない。
「この程度で、人間などに……」
「必ず、あの下賤な連中を……始末しますわ……!」
言葉の端々に、眷属達は自分達の優位性と人間達に対する侮蔑の態度を感じさせる。
彼女達はどこからか取り出して食らった血肉で自らの力を高め、呪いの黒い槍を放ってきた。
そこで、遅れて教会内へと入ってきたのは新手の猟兵、ライジング兄妹だ。
「松明だろうが、角材だろうが、石でもいい! とにかく『投げろ』!」
金の短髪の魔法戦士、ビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)はユーベルコード【全てなる臨界点】を発動させつつ、『リリース』メンバーへと呼び掛ける。
「お兄ちゃんを信じてあげて!」
妹である金の長髪の忍者、ミリィ・ライジング(煌めく白銀・f05963)も兄の掛け声に合わせて、手裏剣に炎を纏わせて投擲していく。
「よし、一斉にいくぞ!」
ミックがさらに指示を出すと、『リリース』メンバーはさらに矢を射放ち、合間に予備のナイフや石ころなどを投げつける。
それらに対し、ビリーは先程使ったユーベルコードの炎を操作して纏わせていく。
眷属に当たってダメージを与えるのはもちろんのこと、外しても延焼させることで教会を燃やすのが彼の狙いだ。
「おい、さすがに町の人に悪いんじゃないのか!?」
ミックもそこまでは聞いておらず、戸惑いを見せていたが。
「いや、ここは既に汚れてる。だったら、焼いた方がマシだ!」
ヴァンパイアの手勢に怪我された教会。一から作り直す方が住民の為と彼は主張する。
また、ミリィが『リリース』達の陣形から少しだけ前に飛び出し、護符や手裏剣に破魔の力を纏わせ、投げ飛ばす。
ミリィの狙いは、『リリース』メンバーの投擲からは少しタイミングをずらしており、確実に投擲した武器を眷属達へと命中させていく。
「ぎゃあっ!」
「ああああっ!!」
炎を浴び、破魔の力を受け、眷属達は体を崩してしまう。
ヴァンパイアの眷属となって、自らの美貌に自信を抱いていたはずの娘達だったが……。
「いやあ、いやああっ!!」
「しにたくない、しにた、く……」
その最後は、傍に落ちる黒い薔薇と対比して、あまりにも醜さを感じてしまうのだった。
愛の立案した掃討戦は功を奏し、裏口への扉も引火して逃げられなくなった眷属達は、『リリース』メンバー達の掃射の的。
多少、反撃したところで、もはや眷属達には劣勢を覆すことができず。
「せめて、お前も道連れに……!」
呪いの黒い槍を飛ばしてくる眷属。炎の基点となるのがビリーだと察したのだろう。
「お兄ちゃんに手は出させないよ……!」
そこで、降魔化身法を使って自らを強化させていたミリィが、破魔の力を込めた護符を投げ飛ばして槍を撃墜してしまう。
また、別方向から飛んでくる槍は、ビリー自身が残る炎をルーンレイピアに纏わせ、全て切り払ってしまう。
(「これは『リリース』の戦い、俺達はそれが上手く行く様にやるだけだ」)
あくまで、猟兵は彼らのサポートに徹し、『リリース』達の、この世界の人々の手で眷属を滅ぼさせていく。
「「あああ、ああああぁぁぁぁ……」」
その2度目の生を眷属達は1人、1人、終えていく。
最後の1人が崩れ落ちた時には、教会の後方から、メンバー達のいる手前側にまで火の手が及んできていて。
「いかん、避難するぞ!」
ミックの指示で次々に外へと飛び出すメンバー達。
程なく、教会は崩れ始め、眷属達の残骸へと覆い被さるように崩壊していった。
「やった……」
「やったぞ!!」
燃えていく教会を目に、『リリース』メンバー達は自分達の勝利を噛み締めるのである。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 日常
『微睡みに溶ける』
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POW : 寝ずの番をする
SPD : 寝具を用意する
WIZ : 子守唄を歌う
👑5
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
鉱山の町へと新たに拠点を作っていたヴァンパイアの眷属『黒い薔薇の娘たち』を討伐して……。
その後、『リリース』メンバー達は喜び勇んで、洞穴へと避難していた住民達へと知らせ、町へと戻ってもらうことに。
老人、子供達を含め、それから半日ほどで住民達は町へと戻り、ようやく人々は我が家へと帰ることができた。
教会が破壊されてしまった事には、人々も理解を示してくれて。
「ありがとう、ありがとう……!」
「本当に良かったよ、良かったよ……」
「下手すれば、もう故郷には二度と帰れないかもしれないとすら考えていたのだが……」
住民達は自分達の故郷から全ての脅威を排除してくれた『リリース』メンバーへ、そして、猟兵達へと感謝を示していた。
戻った人々は早速、自宅や集会場、街道の大掃除を始める。
『リリース』メンバーを始め、余裕のある猟兵達もその手伝いへと当たっていた。
崩れた教会はおいおい再建するとして、その日は再び故郷に戻った人々は安堵の表情を浮かべていた。
避難生活で気が張り詰めていた事もあったのだろう。故郷の掃除だけで、人々は喜びの宴を開く余裕もなく泥の様に眠りへとついてしまう。
そんな人々の寝顔を見つめながら、街を歩いていた『リリース』メンバーと猟兵達。
彼らは仮の滞在場所として提供してもらっていた集会場へと戻って。
「今回は本当に助かった。あんたらには感謝の言葉すら満足に伝えられないよ」
ミックが助けてくれた猟兵達に感謝する。
『リリース』メンバーも大仕事を終え、緊張で疲労が蓄積していたのだろう。
あちらこちらで、メンバー達もうつらうつらと船を漕いでいる。
「悪い、俺も寝かせてもらうわ……」
ミックも眠気が限界にきたらしく、すぐに寝息を立て始めてしまった。
ここで、猟兵達が立ち去るのは簡単だが、すぐに立ち去って不安を煽るのもよくはないだろう。
住民や『リリース』メンバーが眠っている間、彼らが寝冷えしないよう寝具を周囲から用意したり、悪夢を目にしないよう子守唄を歌い聞かせたり。
また、環境面を考え、念の為に寝ずの番をするのもいいだろう。
折角だから、今夜はこの町で一晩過ごすことにしたメンバー達。
どう過ごすかを考えながら、ぼんやりと救い出した鉱山の町を眺めつつ歩き出すのである。
(※プレイング受付は、10月15日8時30分までの予定です。その後に受付分は間に合う分のみの対応となります)
(※上記、訂正です。プレイング受付に締め切りは設けておりません。随時受付、受付から1日以内をめどに、タイミングの良いときに執筆させていただきます。失礼いたしました。)
桜庭・愛
「ならば、女子プロレスを見せましょう。そういう約束でしたよね♪」
吸血鬼の影に怯えることのない夜。住民や「リリース」のメンバーが寝静まる中、せっせと粗末なリングを作るのだった。
夜が明け、人々の門出を祝う新しい朝。
リングに立つのは黒髪を靡かせる女子プロレスラー。
「さて、ミックさん。約束したよね。プロレスを喧伝させるって」
お手製のリングで微笑む愛は、解放された街とリリースのメンバー、
そして協力してくれた猟兵にプロレスの試合を見せるのだ。
一流のレスラーは相手が居なくても試合ができる。
プロレスの試合という演舞でリリースのメンバーや住民たちを楽しませ、
この解放の日を大いに笑顔にさせるのだった。
神坂・露
全員に寝具が渡ってるか確認してレーちゃん探す。
街中をウロウロ。熟睡してる人達起こさない様に。
あれ?レーちゃんどこいったんだろ?
欠伸しながら色んな場所を探して高台で発見。
眠いわ…ぁ。どこ行ったんだろ?レーちゃん…。
「…あ~♪ はっけぇ~んv えへへぇ~♪」
横からレーちゃんに抱きつくわ。(半分寝てる)
見張りするって言うからあたしも。
「あたしも見張るわ~♪ 交代ねぇ~?」
…って言って胸を張って座り直したけど。
眠気と安心する匂いで…心地よくなってぇ。
それからしばらく記憶がないわ。
目が覚めたのは翌日で。すっごく反省。
うー。レーちゃんとお話しする予定だったのに。
あたしと逢う前のお話しとかしたかったのにッ!
シビラ・レーヴェンス
一先ず一段落だが。私は高台で見張りだ。
街を。街の外まで見渡せる高い所に腰を掛けて警戒。
少々眠気はあるがまだ十分にもつだろう。集中力もある。
基本的に裸眼視認で警戒。時々ゴーグルでも周囲を視認。
(パフォーマンス、情報収集使用)
警戒中。北東辺りに顔を。故郷は向こうだったな。
…。(小さく吐息)
露にみつかった。鼻が利くな流石に。
抱きつきと言動が少し可笑しいところをみるに眠いな?
交代でという話だったが寝入ってしまって苦笑。
「やれやれ。何しに来たんだ君は…。阿呆め♪」
そのまま寝かせる。疲労が堪っているんだ仕方がない。
起床した露は。何やら後悔していた。何なんだ。
…あの悔しがり方は約束破棄だけではなさそう…だ?
ビリー・ライジング
ミリィ・ライジング(f05963)と共に行動
町にある大きな石や枝木を集めて、魔法で焚き火を起こす。
寝ずの番兼焚き火番を行い、焚き火を絶やさない様にする。
「俺は大丈夫だ。お前達は自分の出来る事をやってくれ」
寝ずの番は体力を有するが、体力には自信のある方だ。
とはいえ、焚き火を絶やさない為の枝木も集めなければならない。
離れている間に火が燃え尽きてなければいいのだが……。
「……ミリィ? 何やっているんだ?」
焚き火は見守ってくれたのは嬉しいが……こうなると、ミリィはてこでも動かない。
「無理するなよ。もしも、眠くなったらさっさと寝ろ、後は俺だけで十分だ」
ミリィ・ライジング
ビリー・ライジング(f05930)と共に行動
ミックさんやリリースの皆さん、お疲れ様。
元の生活に戻るのには時間がかかるけど、早める事は出来る。
集会場にある食べ物を使って、何か美味しい物は出来ないかな?
調理に使えそうな物とかもあったら、嬉しいな。
ビリーが焚き火番を受けてくれてるけど、枝木を取りにその場を離れてるみたい。
焚き火に木行の【属性攻撃】を与えて、燃え尽きない様にしよう。
「お兄ちゃん。この焚き火貸してくれない?」
ビリーの焚き火も借りて、集会場の食材を調理しよう。
「お兄ちゃん、私達が住んでる家が綺麗だったり、美味しいご飯が出来るのは誰のおかげだと思ってるの?」
●
秘密組織『リリース』のメンバー達が救い出した鉱山の町。
この地が解放されたことで、住民達は歓喜に湧いていた。
立役者である『リリース』メンバー、そして、人知を超えた力で助けに当たってくれた猟兵達へと、彼らは感謝しきれぬ程の言葉でその働きを祝福してくれる。
再び、この町で住めるように掃除を行っているうちに、その日は暮れていく。
元々、日の光が当たらぬ薄暗い世界であるが、夜になると闇が一層濃くなったようなそんな気さえさせる。
避難から戻って作業に当たっていた住民達はもちろん、ヴァンパイアの眷属との交戦を潜り抜けた『リリース』メンバー達も、疲れてしまったのか、泥の様に眠り始める。
住民達は自宅で。『リリース』メンバーは集会場で、その日は安息の一時を過ごす。
皆が寝静まった後、銀髪のヤドリガミの少女、神坂・露(親友大好き子犬娘・f19223)は特に集会場でそのまま寝てしまった『リリース』メンバーへと毛布が行き渡っているかを確認して。
「あれ? レーちゃん、どこいったんだろ?」
それまで一緒にいたはずの少女の姿が見えない。
深い眠りについている人々を起こさぬよう、露はウロウロと街中を歩き始めるのである。
●
ライジング兄妹も集会場へと留まっていた。
集会場の脇にあるスペースで、金の短髪の兄、ビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)が大きな石や枝木を集め、魔法で焚火を起こしていた。
こうして寝ずの番をすることで、新たな魔物の接近を防ぐことにも繋がるとビリーは判断したのだろう。
彼は火を絶やさぬよう、時折集めた枝木を投げ入れる。
そこで、ビリーは妹の様子が気になったようで。
「俺は大丈夫だ。お前達は自分の出来る事をやってくれ」
プラチナブロンドの髪を揺らす妹、ミリィ・ライジング(煌めく白銀・f05963)は頷き、集会場へと入っていく。
一通り集会場を見回すミリィは、寝息を立てる『リリース』メンバー達を目にして思う。
元の生活へとこの町の人々戻るまでには時間がかかるだろうが、早めることはできる。
彼らはその為に力を尽くし、眠りについたのだ。
「ミックさんやリリースの皆さん、お疲れ様」
一声かけたミリィは、集会場の備蓄と備品を確認する。
食料を少しだけ拝借した彼女は、調理道具を借りて美味しいものを作ろうと考えていた。
ミリィがそれらを持って焚火のところに戻ると、兄、ビリーはいなくなっていた。どうやら、なくなりかけた枝木を集めに行ったらしい。
その焚火へと、ミリィは木行の護符の力を使い、燃え尽きないようにする。
そうしている間に、枝木を多数持ち帰ってきたビリーが戻ってきて。
「……ミリィ? 何やっているんだ?」
「お兄ちゃん。この焚き火貸してくれない?」
彼女が火の晩をしてくれていたことを察し、ビリーは嬉しさを感じる。
彼女は続けて、集会場から持ってきた食材と調理器具で料理を兄に振舞う様子だが、ビリーはそんな妹が逆に心配になって。
「無理するなよ。もしも、眠くなったらさっさと寝ろ、後は俺だけで十分だ」
だが、妹はむっとして反論する。
「お兄ちゃん、私達が住んでる家が綺麗だったり、美味しいご飯が出来るのは誰のおかげだと思ってるの?」
こうなると、ミリィがてこでも動かないとビリーは知っている。
やれやれと首を振るビリーは彼女を見守り、料理ができていく様を見ていたのだった。
欠伸しながら、町の隅々まで探し回っていた露。
「眠いわ……ぁ。どこ行ったんだろ? レーちゃん……あっ!」
町の高台を見上げた露はようやく、その姿を発見した。
その相手、レーちゃんこと、銀髪のダンピールであるシビラ・レーヴェンス(ちんちくりんダンピール・f14377)は町の解放が一段落してから、高台で敵が来ないか見張りを行っていた。
町全体はもちろんのこと、街の外まで見渡せる場所に腰かけて警戒する。
裸眼で視認する他、警戒に生かせる技能を使いながらシビラは時々、『電脳ゴーグル』を使って周囲を確認していく。
その最中、シビラは北東の方向へと視線を向けて。
「故郷は向こうだったな……」
何かを思い出したのか、彼女小さく吐息を漏らしていると。
「……あ~♪ はっけぇ~ん。えへへぇ~♪」
やってきた露が甘えるように、横からシビラへと抱き着いてきた。
「みつかった。鼻が利くな、流石に」
ただ、その言動や抱き着くその行動から、すぐに彼女が眠そうだとシビラは気づく。
「あたしも見張るわ~♪ 交代ねぇ~?」
ちょこんと横に座り直した露は自分も見張りをと意気込んだが、安心するシビラの匂いとやってきた眠気で心地よくなり、露はすぐに寝息を立て始める。
「すー、すー……」
交代でと言ったのに、すぐに寝入った露にシビラは苦笑してしまって。
「やれやれ。何しに来たんだ君は……。阿呆め♪」
疲労が堪っていたのだろうと、シビラは彼女をそのまま寝かせることにしたのだった。
静かな夜を過ごすメンバー達が多い中、1人、ハッスルしていた女性の姿が。
「ならば、女子プロレスを見せましょう。そういう約束でしたよね♪」
黒い長髪にグラマラスなスタイルの持ち主、桜庭・愛(黒髪の女子プロレスラー・f22918)は口約束ではあったが、確かに教会へと攻め込む前にミックとそう約束していた。
吸血鬼の影に怯えることのない夜。愛はあり合わせの素材を使い、せっせと何かを作っていくのである。
●
朝になり、闇一色だったダークセイヴァーの世界が薄らぐ光がさす。
夜が明け、人々の門出を祝う新しい朝の始まり。
しかし、目覚めた露は「うー」と小さく唸り、ものすごく悔しそうにしていた。
(「何なんだ。……あの悔しがり方は約束破棄だけではなさそう……だ?」)
シビラが見つめる当の本人はシビラを探す為に歩き回り、疲れていたことに気づいて。
「レーちゃんとお話しする予定だったのに。あたしと逢う前のお話しとかしたかったのにッ!」
――折角のレーちゃんと2人きりの夜が。
露は昨晩の出来事を後悔し、すごく反省していたのだった。
徐々に鉱山の町の住民達や『リリース』メンバー達も目覚め、起き上がってくる。
そんな中、自ら作った粗末なリングの上に腕組みし、黒髪を靡かせる女子プロレスラーは人々が来るのを待っていた。
「お、おはよう。なんだこれは……?」
「さて、ミックさん。約束したよね。プロレスを喧伝させるって」
猟兵達も集まる中、一晩で出来上がった特設リングに驚く『リリース』リーダー、ミックへと愛が告げる。
彼女はこの場の人々へ、プロレスの試合を見せようと考えていたのだ。
相手が不在なのだが、一流のレスラーだと胸を張る愛は相手が居なくとも試合ができるとのこと。
「はっ、やああああっ!」
試合というよりは演舞を思わせたが、愛は力強い立ち回りで人々を魅了する。
「でりゃあああああああっ!!」
「「おおおおおっ!!」」
チョップ、掌打、ラリアット。ロー、ミドル、ハイキック。
スープレックスにバックドロップ。
観客達にはまるで、仕掛ける相手が見えるようで。
「いいぞ!」
「いけ、そこだ!」
鍛え上げた体で繰り出す技でパフォーマンスを見せつける愛へ、人々から声援が飛ぶ。
解放の日、鉱山の街は活気に満ち溢れて。
住民達の顔には、満面の笑顔が浮かんでいたのだった。
大成功
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