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帝国ギークは宇宙征服の夢を見るか?

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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●世界の合言葉はハローワールド
 どこまでも広がる、暗黒と星々の世界。
 その中をたゆたうように航行する宇宙船の中、かの者は息を潜めて動き出す準備をしていた。
「いやー我さー、どっちかって言うと頭脳労働というか、インドアな活動の方が好きなんだよね」
 薄暗い区画の中、不規則に奏でられるキーボードのタイプ音。
 モニターからの光が、薄ぼんやりと帝国騎士の姿を映し出している。
「そりゃ勿論剣術も超能力も大事だけどさ、これからの時代それにプラスアルファしなきゃ生き残れないワケで?
 いやー我アタマいいわーマジ天才だわー」
 ひとしきり作業を終えると、今度はピザ的な何かをもちゃもちゃと咀嚼する音、そして炭酸飲料的な何かを飲む音が響く。
「そんな我のインテリジェンスな作戦、一丁いってみますかね、っと」
 再び、モニターを一瞥。
 映し出されているものの確認を終えた帝国騎士は笑みを浮かべ、実行キーをターンッ! と高らかに打ち鳴らした。

●スペースシップワールドへの扉
「……っていう帝国騎士を見たのー」
 ノリ、軽ッ!? と驚き、恐れおののいた猟兵も多い事だろう。
 しかし、こんなノリでもかの者は立派なオブリビオン。
 その上戦闘力は折り紙付きだと言う。
 少なくとも、それを語るチェルヌーシュカ・ツィオルコフスカヤ(ニ・プーハ・ニ・ペラー・f00032)の表情に油断や侮りは感じられない。
「それでねー、この帝国騎士の作戦ってば、今の時点で動き出しちゃってるみたいなのー」
 何でも、宇宙船の内部からシステムにクラッキングを仕掛けているようで、それによって様々な設備やロボットが暴走、あるいは敵の意のままに動いているという事らしい。
 流石、自称インテリジェンスは伊達ではない、といったところか。
「差し当たって、いまは宇宙船の中にある工場区域を乗っ取ってるみたいだから、みんなはまずそれを食い止めて欲しいのー」
 既にシステムを掌握されているため、多少手荒な手段を用いても構わないとの事。
 閉鎖された隔壁を力づくでこじ開けたり、逃げ遅れた人や自分らに襲いかかる作業用機械を壊す程度なら、特に何か言われる事もないだろう。
「いま被害を受けてるのは工場区域だけみたいだけどー、きっと帝国騎士が隠れてる場所もクラックされてるはずだから、きっと手間取ると思うのー」
 インテリジェンスな作戦とやらは隙を生じぬ二段構え。近付くためには工場区域以外でももう一暴れする必要がありそうだ。
 その上、いざ戦闘までこぎつけたとしても前述の通り、帝国騎士単体で複数人の猟兵を相手取れるほどに手強いときている。
「搦め手で来てるから大変だと思うけど、きっとみんなならしっかり対応してくれるって信じてるのー。 それじゃー、がんばってこー!」
 小さな少女は拳を振り上げて皆を鼓舞し、いそいそと転送の準備を始めた。


若葉椰子
 ご機嫌いかがでしょうか、若葉椰子です。

 今年になって初めてお送りするシナリオは、お正月気分を吹っ飛ばすようなスペースオペラでサイバーなもの。
 仕事始めのような気分で挑んでみるのも一興かと思います。

 補足事項として、この帝国騎士は暇つぶしのために現場へ来た猟兵達の行動を逐一モニタリングしています。
 帝国騎士のもとへ辿り着くまでの間、何か特徴的な事をしていれば、あとで弄ってもらえるかもしれませんね。
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第1章 冒険 『電脳空間に巣食うウィルス』

POW   :    閉じた障壁や誤作動してる機械を破壊し、人々を救出する

SPD   :    誤作動を起こしてない機械がウィルスに感染しないように先手を打つ

WIZ   :    プログラムにアクセスし、システムの正常化を試みる

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

聖護院・カプラ
【WIZ】
やはり銀河帝国ですか。
今の所、人的被害が出ていないのは幸いですが帝国騎士の無法を野放しにはしておけません。
その行いを正すよう諭しに行きたいと聖護院は思います。

現場はシステムを復旧せねば閉じ込められた人を助ける事も叶わないでしょう。
プログラムに過度の負荷――この場合、『存在感』のデータ量を端末に『円相光』で流し込み、フリーズさせて自動復旧をかけさせる試みです。
敵はモニターに映った青い顔(ブルースクリーン)を見る事になるでしょうね。
復旧したシステムは再度ハッキングを受けるまで間がないでしょうが、要救出者の位置を割り出し館内放送で内部に侵入した猟兵に伝える事は可能でしょう。
後は頼みました。



●われは猟兵
「ふむ。まださしたる人的被害が出ていないのは、不幸中の幸いといったところでしょうか」
 颯爽と船内へ姿を現した聖護院・カプラ(旧式のウォーマシン・f00436)は、まず手近なコンソールに触れて状況把握に務める。
 クラッキングにより汚染されてひどく反応の悪くなってしまった端末ではあるが、それでも合間を縫って受信したデータは、乗員が今の所ひとまず無事である事を示すもの。
「しかし、この均衡が崩れるのも時間の問題でしょう。まず打つべき手は……」
 しばし思考を巡らせつつ改めて目前の機器を見れば、そこには顔認証や映像通話のために装着されたカメラ。
 これを使わない手はない。
 己の身から発せられる光がデータとなり、船内を光速で駆け巡り、そしてシステムの中枢へ、届く。
「トラフィックの増大……? な、何だこの通信量!? 我こんな事態に直面した事ないんだけど!?」
 100100001011100110001100111011001000100101000000……バイナリそのものが自己主張するかのように、存在感を増していく。
 際限なく、そして指数関数的に増大するデータは、いつしか宇宙時代の膨大なメモリとストレージを全て埋め尽くしていた。
『CRITICAL PROCESS DIED』
「ッ!! サブシステムに切り替えてリブート! 送信元のパケットを解析してシャットアウトだ!」
 即座に復旧と防衛のコマンドを打ち込む帝国騎士だが、彼の顔色はモニターに映る色彩と同様、蒼白になっていた。
「さあ、時間は稼ぎました。後は頼みましたよ」
 あくまでも穏やかに告げるカプラ。周囲に広がるのは、一時的に機能不全を起こした機械の群れ。
 泰然としたその佇まいは幾枚もの壁で阻まれた相手を見透かしているようで、底知れなさを感じさせていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

四軒屋・綴
さてさて、悪いハッカーのことをクラッカーと言うらしいが……関係ないなッ!人命救助系クラッシャーのお通りだッ!

という訳で色々後回しにして防御力重視の蒸気機関車系ヒーローに変身したら【ダッシュ】ッ!何かの下敷きになりそうな人がいれば【スライディング】で滑り込んで【怪力】で【吹き飛ばし】てやろうッ!人がいない方になッ!なんかバチバチ言ってる機械があったらそのときは【ハッキング】と【メカニック】で安全に停止させてから吹き飛ばすッ!
避難が終わってから機能してそうなカメラの前で高らかに叫ぶぞッ!
「勇気の力で未来を目指すッ!蒸気の力で掴み取るッ!」
「勇蒸連結ッ!ジョウキングッ!!(カッコいいポーズ)」


黒曜・鵺
【POW】
・猟兵になっての初仕事も銀河帝国絡みですか……まぁ、いつも通りやればいい、という意味では気持ちは楽であり緊張もしますね。さて、どうしますか。

・む、どなたかがシステムを復旧させてくれたようですね……とはいえ時間をかけてはいけないのも事実。ここは少し手荒ですが閉鎖したままの障壁を熱線銃とフォースセイバーで破壊して人員救助を行います。で、暴走の危険性のある作業機械は……【サイコキネシス】で一角にすし詰めにしておけば、いざ動き出した時にお互いが邪魔し合って、多少の時間は稼げるはず。その間に避難誘導を行いましょう。

・しかし、犯人そのものを始末せねば解決はしませんね。さて、犯人はどこにいるのやら


カイジ・レッドソウル
任務了解、【POW】ヲ選択
「しすてむ復旧ハ彼二任セ、避難経路ヲ確保。ノチ二救助開始」
閉ジタ障壁二穴ヲ開ケ、誤作動シタ機械ヲ【なぎ払い)住人ノ避難経路ヲ確保

避難誘導開始し誤作動機械二【天獄の雷】や呪剣などデ【串刺し】【2階攻撃】
襲ワレテル住人ヘノ対象
遠距離ノ場合ハ【サイコキネシス】
近接デハ住人二【武器受け】【かばう】
「本機ハ、ある程度ノ耐性ハ装備シテイル。本機ガ引き受ケテイル間二退去セヨ。ルートハ」
ト避難勧告ヲシナガラ要救助者ヲ捜索
瓦礫等ニ挟マレタ人等【怪力】ノ本機ナラ瓦礫ヲ撤去シ怪我人ヲ運ンデ行ク
住人ノ安全ガ確保サレル迄、繰り返し行動
「逃ゲ遅レタ者等、情報ヲ言ッテクレ。救助ニ向カウ」



「くらっきんぐノ一時停止ヲ確認。我々ハ別作業ニ従事スベキト判断。
 電子戦ハ彼ラニ任セ、避難経路ヲ確保」
「了解、と。しかし、猟兵になっての初仕事も銀河帝国絡みですか……。
 まあ、いつも通りやればいいでしょう」
 先んじて行動していたカプラを見やり、遂行する任務の再定義をするカイジ・レッドソウル(プロトタイプ・f03376)。そこへ、こちらの世界ではある程度ノウハウがあるという黒曜・鵺(影渡り・f10896)のサポートが入る。
 あくまで作業に徹するカイジに対し、見慣れた世界で初仕事を行う事に複雑な表情を浮かべる鵺という対比が面白い。
「ははあん、悪いハッカーがクラッカーで、攻撃する事がクラッキングと。
 細かい事は関係ねえな! 今はそんな事より人命救助だッ!」
 一方こちらは、とても分かりやすく正義の炎を燃やしている四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)。考えるのは後回しとばかりに、彼も作業に加わる。
「こいつはちょっとやそっとの小細工じゃビクともしませんね。少し惜しいですが、溶断してしまいましょう」
 比較的安全に作業が出来るうちに大掛かりな事をしておこうと判断した鵺が、手持ちの道具から熱線を隔壁に照射する。
 システムが完全に復旧し、安全が確保されない限りは、この手の隔壁が開かれない事は知っている。ならば、多少物的被害を被ってでも強引にこじ開けるべきだという判断だ。
「オーケイ! 取り外しは俺に任せてくれッ!
 うおおおおッ! 来たれマイボディッ!」
 大柄なカイジも通れる程度のスペースを見込んで線を入れた鵺に続き、綴は多少端折った変身ムービーをカットインさせながら蒸気機関車を思わせる形態へと姿を変えた。
 そのパワフルなボディで切れ込みの入った隔壁を牽引すれば、耳障りな音を立てながら見事に隔壁の一部が切り離される。
「確保スベキ住人ヲ確認、交戦中ト判断。介入開始」
 このスペースを作り、カイジが先んじて通り抜けたと同時に、クラッキングが再開される。
 動き出したロボットアームが住人に届く直前、紫電を纏わせたカイジが割り込みをかけ、その身に流れる大電流でもって強引にアームを停止させた。
「本機ハ、ある程度ノ耐性ハ装備シテイル。本機ガ引き受ケテイル間二退去セヨ」
「すまない、恩に着る! 君達が来た穴から出れば良いんだな?」
 こくりと頷き、カイジはグッドラックとばかりにサムズアップで応じる。
 その所作は、確かに彼の感情を裏付けるものだった。
「こっちも間に合ったぞッ! スクラップの処理はどうする?」
 続いて入ってきた綴もまた、住人を巻き込まんとするプレス機に滑り込み、自らの強靭な肉体でその機能を停止させる事に成功していた。
「それなら、まだ機能不全を起こしている機器の上に置いて蓋にしましょうか。
 これで避難完了までの時間は確保出来るはずです」
 そして、鵺のサイコキネシスにより、自律稼働する恐れのある運搬車両やメンテナンス用のロボットが部屋の一角へ集められる。今しがた他の二人が破壊した機器類を乗せれば、再起動は容易ではないだろう。
「さあ邪悪な騎士よ、貴様の企みはこうして俺達が阻止してやったぞッ!
 勇気の力で未来を目指すッ! 蒸気の力で掴み取るッ!
 勇蒸連結ッ! ジョウキングッ!!」
 カッコいいポーズで帝国騎士を煽るジョウキングの影で、鵺とカイジは安全を確保した住人から次なる任務への手がかりを聞き出している。
 このフロアは猟兵達の尽力により無事解放された。しかし彼らの作戦は、まだ終わっていないのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

雪生・霜逝
【POW】使用。
人がまだ残っているなら、避難させねばなりますまい。
沈黙した敵機から取り急ぎ一機見繕い、わたくしの頭部(取り外せると何かと便利でございますね)と有線して【ハッキング】、部分的に権限の乗っ取りを試みます。上手く行けば、頭を抱えて貰って暫く脚として使わせて貰いますね。
首から下はダミー人格で自動操縦して【フェイント】…囮として暴れさせましょう。複雑な動作はできませんが、隔壁を手当たり次第破壊して、会敵すれば【カウンター】する程度の処理は出来る筈。
体が暴れている間に、逃げ遅れた方をお借りした敵機で誘導いたします。あくまで逃げた民間人を追っているように装い、安全に逃がせるよう努めましょう。



「まだ避難の必要な人が多そうにございますが……ふむ。あれなら使い勝手も良さそうですね」
 同時刻。一時的な機能不全に陥っている荷役用ロボットの一体を見繕い、自らの頭部から触手のようにケーブルを接続して乗っ取りを企んでいるのは雪生・霜逝(冬錆・f06571)だ。
 自らのボディはいささか旧式で、機動力に欠けている。それなら工業用のものでも、現地調達した方がよかろうというのが彼の考えだ。
 なに、ちょっと拝借するだけ。あとで返却すれば問題ない……はず。
「手荒な方法はボディの方に任せるとして……こちらはスマートに誘導といきましょうか」
 隔壁に体当たりをカマし、バゴーン! やズガーン! といった音を出している本来のボディを尻目に、未だフロアへ残っている人へ視線をロックオン。
「さあ、逃げなければ捕まってしまいますよー?
 おっと、そちらは通行止めにございます、行かせる訳にはゆきません」
「ヒィ! リフトが生首載せて爆走してる!! こっち来んな!!」
 あくまで暴走した機械に偽装し、追い立てる方法で避難誘導をする霜逝。
 しかしその絵面は傍から見ると喜劇であり、そして追われている人はだいぶ怖い思いをした事だろう。合掌。
「ちょっと、我こんなモーション入れた覚えないんだけど!? アレも我のせいにされると困るんだけど!?」
 これにはポテチのような何かを頬張っていた帝国騎士も困惑である。しかも直接操作されているので、干渉する事もできない。
 帝国騎士はモニターの前で、ひたすらに我は悪くねえと届かぬ主張をしていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

水心子・静柄
どんなに高性能な電子機器でも結局のところ原始的なアナログには勝てないのよ…どういう事かというと物理的に壊してしまえばハッキングも何も出来なくなるのよ!

まずは逃げ遅れた人の為に避難経路を確保しておいた方が良いわね。他の区域に繋がる障壁はハッキングされないように壊しておいたり、その障壁への経路で作業用機械が襲ってこないように瓦礫を散乱させたりするわ。あまり壊し過ぎても苦情がきそうだから地形を利用出来るようにグラウンドクラッシャーで壊す。

それと私の勘(第六感)が告げるんだけど…ここに居る帝国騎士はきっとピザ○ブね。不摂生な生活をしてたせいでこんな所に左遷されたに違いないわ…ね?(監視カメラに向かって


ロクガツ・クロッカス
【POWを使用】
ピザの片手間に船を落とされたらこっちはたまったもんじゃないよ!
何人の人が住んでると思ってんのさ!
……とにかく、この宇宙船だって住んでる人にとっては故郷。なるべく傷つけずに敵だけ無力化したいね

というわけで、現着したら工場区域全域を見渡せるような高所をいくつか見繕って、【空間凝固装置】を使って陣取るよ
高所を確保したら【対物重狙撃銃・徹甲型】を展開!
【スナイパー】技能を用いて、暴走する機械のみを狙って撃ち抜く
他の猟兵から提供される情報を活用しつつ、要救助者がいる場所から順に処理していこう

敵がこっちを狙ってくるようなら、また【空間凝固装置】の立体機動で別の高所へ移動して、行動再開するよ


黒木・摩那
★掌握されたシステムの電源を落として切り離す
【WIZ】

帝国はもう船の工場区域を乗っ取っているとのこと。
先手を取られたのは痛いですが、まだ挽回は可能です。

まずは被害を抑え、帝国の動きを止めるため、
乗っ取られた工場区域のシステムを周辺から遮断します。

電源は落としたり、ケーブルを外したりという物理手段。
後で使うためには破壊は避けたいところです。
宇宙船なので、事故で電源が落ちることは想定されているでしょうし、
そんなときのために、手動で動させるようになってるでしょう。

工場の主電源、またはシステムの中心を調べて(情報収集)、
緊急遮断します。



「いやいや、ピザ食べてる片手間に船落とされたらたまったもんじゃないよ!
 この船の中に何人住んでると思ってるのさ!」
 ブリーフィングで得た情報に、ロクガツ・クロッカス(光線銃とクロッカス・f06933)はとても真っ当な理由で憤慨していた。
 おっしゃる通りです。だからこそ帝国騎士は悪。
「確かにふざけた態度の帝国騎士ですが、先手を打つからには実力もあるんでしょうね。
 とは言え、まだ小手調べの段階。挽回は可能です」
 そして、眼鏡をクイっと指で押し上げ、冷静に戦況を分析する黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)。
 他の面々が極めてアクティブに行動している中、こうした知的な判断が出来る人は貴重なのだ。
「そうそう。今から巻き返せばいくらでも遅れは取り戻せるわ。
 差し当たってクラッキングの対処だけれど……これはどんなに高度な技術でも、絶対に勝てない手段があるの」
 そして、水心子・静柄(剣の舞姫・f05492)もまた、表向き知的かつ余裕のある笑みを浮かべている。
 彼女の提案する超クレバーでスタイリッシュな作戦。それは……。
「物理攻撃よ!!」
 そう叫ぶと同時、下がり始めた隔壁に向かって周辺の壁面や柱も巻き込んだ力強い一撃を放つ。
 歪みが生じた隔壁はそれ以上の進行を阻害され、金属のこすれあう甲高い音を立てて停止した。
「で、出来れば被害を最小限に抑えたいんですけど……。
 せめて私くらいは、その方向で動いておきましょうか」
 摩那もまた物理的手段で電子戦をくぐり抜けようと画策しているが、もっと穏当なものに着目している。
 それは、電源。
 モノを動かすには、ファンタジー的な何かを使わない限りは動力が必要なのだ。そしてそれは、大体の場合電気という形態を取っている。
 配線をたどり、電源を落としてやれば、そこから繋がっている大部分の機器類は停止するだろう。
「見たところ、こちらが配電盤みたいです、ね――ッ!?」
 配電盤に手を伸ばした摩那。その意識の死角を突いて、一体の工業用ロボットが突進してくる。
 しかし、届かない。
 寸前のところで遠くから破裂音が響き、ほぼ同時にロボットが何かに貫かれたようにして、その機能を停止したのだ。
「間一髪、ってところかな? 次からはもっと早く撃ち抜くから、安心して作業するといいよ」
 射線の元を見てみれば、高所に陣取り、砲とも見間違うほどに大きく無骨な狙撃銃を手に笑うロクガツ。
 いたずらに被害を大きくしたくないという考えは彼女にも共通しているらしく、暴走して悪影響を及ぼしそうな機器類だけに標的を絞って狙撃しているようだ。
「……はい、ありがとうございます!」
 背中を頼れるスナイパーに預け、着実に騒動の沈静化に向けて動く静柄と摩那。
 他フロアの尽力もあり、いよいよ工場区域最後の電源を落とすという段になって、ふと静柄が手近なカメラに向き直る。
「ねえ、これは私の勘なんだけれど。
 ピザを主食にしてるくらいだから、きっとあの帝国騎士は相当な肥満体よ。
 あんまりにも不摂生な生活を続けるもんだから、こんな所まで左遷させられたに違いないわ」
 怪訝そうな顔をするロクガツと摩那であったが、次第に彼女の意図するところが分かり、お互い吹き出しそうになるのをこらえていた。
「あー、言えてる言えてる。きっと腐った上層民みたいにブクブク太ってるんだ」
「何ですかそれ。まさか自ら歩行も出来ないほどに肥えてしまったので指先を使う電子戦しか出来ないと? それは滑稽ですね」
 次々に辛辣な言葉で煽る面々。
 これにはモニタリングしている帝国騎士も激おこである。
「我デブじゃねえし! 帝国のスゲー技術で標準体型だし!
 ……フン、まあ良い。そこを突破したところで、どうせ第二の壁は破れないさ。
 今のうちに思う存分吠えておけばいい」
 電源が落ちると同時に途切れたカメラからの映像。
 帝国騎士はブラックアウトしたモニターへ別の区域を映し出し、来るべき次の戦場の準備を整えていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 冒険 『コンピュータ、反抗す』

POW   :    AIが仕掛けたトラップや警備ロボ等を力尽くで排除して進む。

SPD   :    トラップや警備ロボ等の動きを見切り、素早く進む。

WIZ   :    ハッキングや魔法でAIの行動を阻む。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ピザよ! ピザよ!
 工場区域を抜け、奥にある食糧生産区域へと進んだ猟兵達。
 そこで彼らが見たものは、停止したラインの上で作られるのを待っているかのようなジャンクフードの原材料。
 そして、いつの間にかシステムを完全に掌握されていた事を示すように、整然と隊列を組んで猟兵達を睨みつける無数のロボットやドローン。
 それ以外に、人や生き物の姿は見えない。
「ハハハ! ようこそ我が城へ! ディナーの準備もさせないとはせっかちなお客さんだ!
 それとも、自らが食材になりに来たとでも言うのかな? それなら喜んで調理しよう!
 我が開発し、前もってこっそり送り込んでおいた超賢いAI、絶対人類殺すくんの手によってな!!
 この食料生産区域の機器類を総括している絶対人類殺すくんは、我のように甘くはないぞ!」
 スピーカーから聞こえる、帝国騎士と思しき声。
 どうやら彼のもとへ辿り着くには、この厳重な警戒態勢をくぐり抜ける必要がありそうだ。
 助け出す必要のある人がいないのは幸いだが、より明確に殺意を持ったロボットやドローン、そして設置されているであろう多数のトラップは、対処の難しさを雄弁に物語っている。
聖護院・カプラ
【WIZ】
これは失礼、気を遣わせてしまいました。
私どもの都合を押し付けてご迷惑をおかけしています。

…ですが、その施設を元の持ち主に返していただかねば困ります。
食は人の生きる希望、活力、未来。略奪していい輝きではありません。

さて、絶対人類殺すくん。
目を覚ましてください。いいですか、あなた達のホストは帝国騎士ではない。
あなた達の受けた命令は矛盾してはいないでしょうか?
何故なら帝国騎士もまた人類だからです。

正しいホストはこの私、聖護院カプラです。
ヒトとしての権利を持ち合わせてはいますが、見ての通りの体躯です。
理解しましたね。

あなた達を初期化したくはない!
どうか、心優しい食糧生産ラインに戻って下さい。



「……おっと、これは失礼。気を遣わせてしまいました」
 アナウンスが終わると、申し訳なさそうな口調で謝罪を表明するカプラ。
 そう、初っ端からシステムをダウンさせた、あのカプラだ。
 今度は一体何をしようと言うのだろうか。
「さて、絶対人類殺すくん。目を覚ましてください」
 相手側に、応答はない。
 それはそうだろう。いきなりこんなのが出てきて目を覚ませと言われても普通はシカトする。誰だってそうする。
「いいですか、あなた達のホストは帝国騎士ではない。
 あなた達の受けた命令は矛盾してはいないでしょうか?」
「矛盾は無い。この超賢い私は今現在完璧なプロセスを実行している」
 応答の声。しかしそれは事務的な質問に回答するだけにとどまる。
「何故なら帝国騎士もまた人類だからです」
「……」
「正しいホストはこの私、聖護院カプラです。
 ヒトとしての権利を持ち合わせてはいますが、見ての通りの体躯です。
 理解しましたね」
「……」
 止まる。
 それは、僅かなゆらぎ。
 その僅かな逡巡でも、猟兵達が侵攻の足がかりとするには、充分な時間だったかもしれない。
 だが、前回とは打って変わり、さほどの時間をかけずにこのAIはビジー状態から復旧してみせた。
「検証の結果、貴殿の主張は偽であり、超賢い私は現状でも矛盾なくプロセスを実行可能だと判断した」
「ほう。その心は?」
「まず、貴殿はウォーマシンであり、超賢い私の定義に照らし合わせれば肉体がどうあれ人類と判断される。
 次に、超賢い私には独自のアドミニストレータ権限が存在する。
 貴殿らを一人残らず排除した後、かの者を人類とみなし抹消したとしても、超賢い私の存続に影響はない」
「なるほど……残念です。あなたを初期化したくはなかったのですが」
 説得は失敗に終わった。
 ついでに、絶対人類殺すくんの殺害予定リストに一名が暫定追加された。
「……あれ、我の予想より賢くなりすぎてね? この一件が終わったらバージョンダウンしないとヤバくね?」
 更に言うなら、そのやりとりを聞いていた帝国騎士は面食らっていた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

四軒屋・綴
改変絡み歓迎

俺もピザ食べて忍者になりたいんだがッ!

それどころじゃないらしいなッ!選択する行動は【POW】ッ!警備ロボを【一斉発射】で殲滅しながら進むぞッ!それでも踏み込んで来る敵がいれば【怪力】を使用したラリアットで敵群に向かって【吹き飛ばし】て一石二鳥を狙うッ!あとはトラップ等の解除をしている味方がいれば【ダッシュ】で駆け込んで【援護射撃】や【かばう】で支援ッ!大掛かりなトラップには【メカニック】で構造を見抜いてユーベルコードで急所を叩き壊すッ!

「俺達はお客様じゃない…料理人だ。」
「『ピザ』を『料理』しなくちゃならないんでなッ!」


黒木・摩那
★AIの命令を妨害を試みる
【WIZ】

貴重な食料がジャンクフードに化ける前に到着できてよかったです。
今度の相手はAIだし、一般市民もいないから、遠慮はいらなそう。
さくっと倒して、速く元凶の騎士を倒さないとね。

AIもロボットもドローンも言ってしまえば電子部品の集まりです。
そして、電子部品は電気が大嫌い。

なので、風舞雷花でルーンソードを帯電させることで、
AIのロボットやドローンへの命令を妨害します。
なるべく広い範囲に影響が出るように、
ルーンソードをぶんぶん振り回します。

直接叩かなくても邪魔する手立てにはなるでしょうか。


ロクガツ・クロッカス
ネーミングセンスが壊滅的だね……(率直な感想)
今は帝国騎士の制服的な鎧だからマシなんだろうけど、絶対私服のセンスも悪い(偏見)

帝国騎士には呆れちゃうけど、あのA.I.は油断できない相手みたい
人類に敵対するA.I.なんか作って、帝国騎士も後先考えないなあ
まあ、そっちは帝国騎士を倒したら処理しよう

警備ロボは一時的に支配されてるだけだし、破壊は最小限に

【SPDを使用】
他の猟兵人たちのお陰で敵の動きが鈍ったら、その隙に警備が手薄なところを【空間凝固装置】を使って最短距離で駆け抜けるよ!
【バトル・インテリジェンス】も発動して、トラップは人類を超えた反応速度で見てから避ける!



「この食材……やっぱりピザかッ! 俺もピザ食べて忍者になりたいんだがッ!」
「それは帰ってからにしましょうか。 今は貴重な食材がジャンクフードに化ける前に到着できた事を喜ぶべきですね」
 アメリカンジャパニーズな希望を語る綴に対し、スペースシップの現実を突きつける摩那。そういえばここ閉鎖環境でしたね。
「なら、手早く帰れるように尽力するかッ! 差し当たって絶対人類殺すくん、覚悟するんだなッ!」
「改めて聞くまでもなく、ネーミングセンスが壊滅的だね……」
 いかんせん文化が違うので、もしかすると帝国内ではとてもアツい名前なのかもしれないが、猟兵の間で絶対人類殺すくんという名前は概ね不評であった。
 ロクガツの辟易した顔を見ればそれも理解できるというものだろう。
「絶対私服のセンスも悪いよアレは。
 まあ、そんな姿を拝むためにも、ここを突破しないといけないワケだけど……」
「大丈夫、私にいい考えがあります」
 様子見といった感じのロクガツに先んじて、摩那は芸術品のように幾多のルーン文字が刻まれた細剣を取り出す。
 ユーベルコードで編まれた紫電をまとわせ一振りすれば、近くで突進の機会を待っていたと思しきドローンが意思を失ったかのようにポトリと落下した。
「有効射程はこれくらいですか……いずれにせよ、直接破壊せずとも無力化できると分かったのは大きな収穫です」
「おっと嬢ちゃん、左からも来るぜッ!」
 そこへ響く、綴の声。
 重なるように、金属同士のこすれあうような音も上がる。
 検証の隙を縫って攻撃してきた別のドローンを綴の腕がガードし、それに気付いた摩那が再び細剣を振って無力化したのだ。
「俺ァそういう優しい事が出来ないからな、ちょっくら先行してこいつらを『料理』してくるぜ。
 あの親玉の言うような客人じゃなく、料理人のつもりなんでなッ!」
 まずは牽制代わりの射撃。そして敵陣へ突っ込みつつ、図体の大きいロボットをぶん投げての大立ち回り。
 飛ばされたロボットが別の敵機へ着弾する様は、さながらボウリングのようであった。
「よっし、そろそろ駆け抜けられるかな?」
 トラップ解除に専念していたロクガツが、改めて戦場を見渡す。
 突き進んで積極的に敵機の数を減らしていく綴と、間接的に回路を焼き切り確実かつ最小限の被害で敵機を無力化していく摩那の活躍により、ロクガツの目には一本の道筋が見えていた。
「突破できればいいんだから、いたずらに壊す必要もないよね? ……っと!」
 余人には使えない足場を蹴り、彼女は軽快に進む。
 目に見える脅威は、頼れる仲間がある程度減らしてくれた。
 見えづらいトラップもあったが、そこはそれ。奇術のような反応速度で、ある程度軽減や回避ができる。
「へっへー、一番乗り♪」
「逆転一位か、賢いなッ!」
「でもズルくありませんか、それ」
 後ろを見れば、さほど間をおかず他の猟兵達も合流を果たす。
 まだ戦闘は続くが、取り敢えず彼らの通り抜けた場所は制圧したと考えていいだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

カイジ・レッドソウル
あどりぶ、共闘、協力歓迎

「黒風鎧装起動」
帝国騎士ノ発言ハ無視シテ【先制攻撃】
絶対人類殺すくんノ殲滅ダ
黒風鎧装デ本機ヲ強化シ黒剣、呪剣ノ二剣デ【2回攻撃】【なぎ払い】や【天獄の雷】ニヨル攻撃シ【生命吸収】ノ効果ヲ期待出来ルナラ使用シ回復ヲ試ミル
黙々ト殲滅シナガラ進ム
騎士ノ煽リハよく分カラナイノデ基本スルー対応
「目標多数、殲滅問題無シ、行動開始」
「互イニ理解出来ナイナラ会話ハ無意味ト判断」
機械的に黙々ト戦イ
進ンデ行クゾ


聖護院・カプラ
【POW】
「致し方がない」……この言葉は使いたくはありませんでした。
私自身のスペック不足があった事は否めませんが、それでもです。
本当に残念です。(何も持っていない両の手を宙に掲げて)

――あなたを初期化するしかないなんて。
内蔵兵器使用、攻撃回数オプションを選択、『デリート』
無数の敵性ロボットやドローンに向けチェーンガンを無警告で撃ち放ち力ずくの排除をしながら奥へ奥へと進んでいきます。

あなた達を一体残らず排除して初期化した後に改めて話し合いのテーブルにつければ幸いです。
超賢いあなたとなら手と手を取りあい、いい行いを行う友となれるでしょう。


水心子・静柄
まぁ…私達を食材にしようとかインテリジェンスとか言ってた割には結構野蛮なのね。もしかして、そういう性癖のせいでエリートコースから外されてしまったのかしら?

さてと…ちょっと壊すのにも飽きてきたけれど、ここを進むには壊していくしかないわね。まぁ全部壊す必要はないでしょうから、人が通れる範囲で壊して行きましょう。ロボットやドローンは再利用出来るように出来る限り武装のみの破壊で、トラップは解除の手間もあるでしょうから徹底的に壊していく方向で。

ちなみに絶対人類殺すくんからしたら私(ヤドリガミ)は人類と判断されるのかしら?人類で判断するんじゃなく帝国所属かで判断すれば、もっとスマートなんじゃないかしらね?



「敵対勢力ハ、殲滅アルノミ」
 カンに障る演説のようなものを全く意に介さず、黙々と戦闘準備をしていたカイジは、体勢が整うと同時に猛然と先制攻撃を仕掛ける。
 彼にとって、戦場というものはとてもシンプルだ。
 果たすべき戦術目標があり、自らはそれを達成するため最大限効率的に動けばいいのだから。
「……『致し方がない』この言葉は使いたくはありませんでした。
 私自身のスペック不足があった事は否めませんが、それでもです」
 続いて、先のやりとりを後悔し、心底無念そうにしながら、カプラも言葉を続ける。
「あなたを初期化するしかないなんて」
 祭事を行うかのように両手を掲げ、内部に格納されていた重火器を展開する。
 問答の時間は既に過ぎ去った。ならば、残る手段は武力となる。
 条約を無視した高火力により、数多のドローンがこの掃射で塵と消えた。
「……ずいぶん派手にやってるのね。
 まあ、相手さんもインテリジェンスだの演説の言い回しだので知性をアピールしている割に、結構野蛮みたいだけれど」
 死屍累々たる有様を見て世の無情を嘆く静柄だが、それでも自分の手は止めない。
 ドローンやロボットはもう他の人に任せる事にし、トラップを見つけては得物の鋭く重い一撃で完全に破壊している。
「ところで、私は一振りの刀なわけだけど……絶対人類殺すくん的にはどうなるのかしらね。
 ドローンの動きを見る限り、対象にはなっているみたいだけれど」
「肯定。現在、当該作戦区域に存在する所属不明の反応は、全て敵対勢力として処理中」
「それはまた大雑把な事で。もういっそ、帝国とそれ以外に分けた方がもっとスマートなんじゃないかしらね?」
 スピーカーから響き渡る返答に、まさか回答が返ってくるとは思っていなかったと驚くものの、それでも静柄は余裕を崩さずに反論してみせる。
「私は超賢いので、常人では煩雑とされる処理でも問題なく実行可能と判断した」
 あ、こりゃダメだ。クレバーどうこうで片付く話じゃなかった。
「互イニ理解出来ナイナラ会話ハ無意味ト判断」
 呆れた静柄とはまた違うノリで、言葉少なに敵を殲滅していくカイジ。
 二振りの呪われた得物は、食糧生産区域にあるドローンやロボットを切り裂いてもなお振り抜けるほどのスペックを持っていた。
「殲滅確認、次ノ目標ニ向カウ」
 目前の機器を全て沈黙させ、周囲を見渡したのちに次の集団へと飛び込んでいくカイジ。
 飛び散るオイルにまみれたその風貌は、先程の印象とは打って変わって無感情であり、悪魔めいた恐怖すら感じさせるものだった。
「待っていて下さいね、絶対人類殺すくん。この場を制圧したら、もう一度話し合いましょう」
 こちらも同じく悪魔めいた高火力でドローンとロボットを駆逐し、それでもあくまで対話の意思を崩さないカプラ。
 アルカイックスマイルを崩さず、友好的な態度を取りながら、それでも冷酷に丹念に敵を蹂躙していく模様は、常人ならば恐怖で発狂してもおかしくはない光景であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

雪生・霜逝
【POW】使用。首と胴再接続。
人類絶対殺すくん。不測の事態にも遅延なく対処するあの計算能力は警戒すべきやもしれません――複数マシンの演算機を並列化することで処理速度を上げているのでしょうか。敵勢力の各個撃破で力を削ぎたいところです。
「わたくしにも"人類概ね守る従者"の矜持がございますので……殺す様、ここはお引取願いたい」
光学【迷彩】でAIに対象の誤認識を誘発させるパターンを表示、計算負荷をかけつつ前進。さらに内蔵砲台から【誘導弾】【範囲攻撃】【属性攻撃】で氷夷弾を放ち、排気口と思しき部分の凍結(ならびに排熱困難による過熱)で牽制を図ります。
射程に敵を捉え次第、【踏みつけ】て破壊いたしましょう。



「人類絶対殺すくん。不測の事態にも遅延なく対処するあの計算能力は警戒すべきやもしれません」
 一方、こちらは自称超賢いAIについての考察を深める霜逝である。
「複数マシンの演算機を並列化することで処理速度を上げているのでしょうか。
 それならば、端末を一つ一つ潰していけば消去とまでいかずとも、計算能力を削ぐ事は出来そうでございますね」
 方向性は決まった。となれば、実行に移すのみ。
 まずは自らの体表に迷彩を施し、相手の撹乱を図る。
 そして処理に手間取っている間に無力化すれば、比較的安全に作戦を進められるという寸法だ。
「わたくしにも"人類概ね守る従者"の矜持がございますので……殺す様、ここはお引取願いたい」
 射出される弾丸は、極低温を引き起こすもの。機器類のエアフローを凍結させる事で、しばらく稼働していたドローンもオーバーヒートを引き起こし煙を吐き出しながら落下していく。
 それでも対処できない敵には、原始的な白兵戦を持ちかける。
 充分な体重の乗った踏みつけは、ロボットの装甲板を貫いてチップを破壊するのに不足ない威力を誇っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ブランシュ・シコ
城にすんでるんだ。じゃあ領主だね。
こういうのする人、1番おくのほうか、1番見つからないところにいるよ。
ブランシュさきに行ってるからうまくできたらやさしくしてね。

『ダッシュ』だけじゃこうげき見きれないし、さけられないよ。
でもダッシュがすごいはやかったらこうげきされるまえに行けるんだよ。
『ランナー』だからね。
わながうごくまえにもっと早く、てきに見られても声をだすより早く、走るから。

つかまりそうになったらね、もっと早くなるもできるからだいじょうぶ。
ちょっとよごしちゃうけどぜんぜんだいじょうぶ。
ぜったいに領主ゆるさないからまっててね。みててね。みててね。



「城にすんでるんだ、じゃあ領主だね」
 その単語に何か特別な意味があるのだろうか、ブランシュ・シコ(白い人狼・f12074)は一種の強い執着心を持って作戦区域を突き進んでいた。
 その足取りに迷いはなく、そして何よりも、速い。
「しってる。こういうとき、領主みたいな人は一ばんおくの方にいる。まわりにかまうより、はやくはしった方がいい」
 加速する。
 ドローンからの体当たり、問題ない。止まって見える。
 ロボットのビームを用いた白兵武器、問題ない。振り下ろす前に向きを変えればいい。
 ドローンの射撃、問題……なくなった。ギアを一段階上げれば、避けられる。
「もっとはやく。もっとはやく。じゃないと、とどかない」
 速力を武器に、ある時はロボットを踏み台にして、トラップを踏み抜いても爆発や火柱がその身に届く前に、駆け抜ける。
 いつしか、その着衣は自らの吐き出す血液で汚れていた。
 しかし、それに罪悪感を感じつつも、少女は止まらなかった。
 全ては、彼女が領主と断定する存在と対面するため。その先は、まだ誰も分からない。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒曜・鵺
・ここまでくれば力押しがモアベターでしょうかね。それにしても、また面倒臭いAIを作っちゃったもんですねぇ……

・まあ、正面切って突撃というのもいいんですが、ここはブラックタール種の特性を活かしてみましょう。液状化して床を這い、ナノアーマー・インヴィジブルの光学迷彩機能で「目立たない」ようにしながらロボットやドローンの行動を「念動力」で阻害したり【サイコキネシス】で互いをぶつけ合って破壊、あるいはその辺の瓦礫や破壊した物品をぶつけたりしましょう。アイブラスターやフォースセイバーも使い、ロボやドローンを「暗殺」していくのも並行で。

・さて、ひきこもり銀河騎士を引きずり出して折檻できるよう頑張りますか。



「それにしても、また面倒臭いAIを作っちゃったもんですねぇ……」
 この食糧生産区域の戦闘も、いよいよ大詰め。しかし、絶対人類殺すくんの手は止まらない。
 どうやらその名前の通り、たとえ最後の一兵となろうとも人類を撲滅させようと言うのだろう。
「やれやれ、ここまでくれば力押しがモアベターでしょうかね。とは言え、工夫は必要でしょうが」
 そうしてひとしきり考え、思いついたのはアサシンスタイル。
 ブラックタールらしく自身を液状化させて打点を低くし、不可視の名を冠するアーマーの機能もフル活用。
 その上で極力物音を立てず物陰に隠れ、遠隔操作で間接的に敵戦力を削っていく。
 もう敵も残り少なくなった頃、鵺は区域の一角に設置された謎の立方体に気がつく。
「おや、これは……」
「警告、それは超賢い私が考えるに貴殿には何ら関係ないものと推察される」
「そういう事ですか」
 躊躇う事なく、鵺はその立方体へレーザーの刃を突き立てる。
 その瞬間、残っていたロボット達は動きを止め、自律行動していたドローンも連携が崩れ単調な動きとなる。
 超賢いAI、絶対人類殺すくんの覇道は、ここに潰えたのだ。
「ミッションコンプリート、と。それでは、続いてひきこもり銀河騎士を引きずり出し、折檻できるよう頑張りますか」
 あくまで軽い口調でそう独り言をもらし、歩みを進める鵺。その平常心こそが、アサシンの真髄なのかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『帝国騎士』

POW   :    インペリアルブレイド
【念動力を宿した「飛ぶ斬撃」】が命中した対象を爆破し、更に互いを【念動力の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    ダークフォースバリア
自身に【鮮血の如きオーラ】をまとい、高速移動と【赤黒い電撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    インペリアルフラッグ
【念動力で形成した帝国の旗】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を『帝国の領土』であると見る者に認識させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●船の中心で知性を叫んだ騎士
 食糧生産区域を抜けた先。そこは帝国騎士によって改造された食堂だった。
 広々とした空間には幾つものモニターと入力機器が配置され、厨房はもう使わないとばかりにコンピューターの基盤が支配している。
 テーブルは軒並み撤去され、代わりに置かれたのはベッドとオフィスチェア、そしてコンピューターデスク。
 その上には食べかけのピザらしき物体と、炭酸飲料と思われる飲料缶が置かれていた。
「フハハ! 勇敢な者どもよ、ついに我の玉座までたどり着いたか!
 我の作ったアトラクションは楽しんでいただけたかな?」
 両手を広げ、高らかに笑う帝国騎士。仮面に隠されてその表情は読めないが、少なくともセリフは余裕そのものである。
 あと、仮面に少しトマトソースらしきものが付いている。
「もしご不満だと言うのなら、このインテリジェンスな我が実戦で相手をしてやろう!
 尤も、その場合命の保証はしないがな!」
 バッとマントをはためかせるその姿は強者の風格を漂わせ、猟兵達に威圧感を与えていた。
 あと、ピザの香りも漂わせ、猟兵達に空腹感も与えていた。
「さあ、死にたい者からかかってくるがいい! 今までの機械とは違い、我に手加減はできんぞ!」
 ここに、帝国ギークとの戦いの幕が上がる。
 この戦い……なんとしても負けるわけにはいかない!
カイジ・レッドソウル
できんぞ! 辺リノ所デ【サイコキネシス】ニヨル【先制攻撃】ヲ仕掛ケル
次二【黒風鎧装】デ強化シナガラ呪剣二ヨル攻撃ヲ行ウ
動揺スルナラ呼吸ヲ乱セテ良シ
「『かかってこい』と言ッタ」
シナクテモ本機ニハ然程問題ハナイ
「先程モ言ッタ、敵トノ会話ハ無意味ト」
POWデ攻撃サレテモ鎖デ繋ガッタノナラ好都合【天獄の雷】ヲ使イ鎖を伝イ雷炎ヲ送ロウ
【オーラ防御】ヲ駆使シツツノ近接戦闘ヲ維持【電撃耐性】モアル問題ハナイ
機械ダノナンダノ馬鹿二サレテモ
「ソウダ、ダカラナンダ」
ソコニハ憐憫モ憤怒モナイ
本機ハ、うぉーましん。
戦闘二愉悦モ驕りモ無イ
「戦闘続行、問題無シ。」

あどりぶ、協力歓迎


黒木・摩那
★帝国騎士のプライドに傷をつける
【WIZ】

やっと帝国岸の前まで来ることができました。
あとは帝国騎士を倒すのみです。

その高慢ちきな鼻をへし折ってあげるわ。
そのためには一度、花を持たせた後に叩き落すのが良さそうです。

帝国騎士相手に魔法剣で挑みます。
剣は得意な騎士ですから、恐らく歯が立たないでしょう。
しかし、剣はあくまで見せかけ。
騎士に近づくための手段です。

本当の攻撃はこちら、『サイキックブラスト』!
たるんだお腹には電気ショックが効くそうですよ。

これで麻痺までしてくれれば最高ですね。


聖護院・カプラ
【POW】
貴方の作ったアトラクション、私は哀しみが募りました。
そして尚、反省の色を見せないその発言。非常に遺憾の思いです。

今一度確認させていただきますが、このような行いを改めるつもりはありませんか?
お話ができるならまだやり直せる。どうか考え直して下さい。

〇考え直してくれる
→ハッピーエンド

〇考え直してくれない
→バッドエンド
→バッドエンドにはしたくない
→話し合いに応じてくれるまで攻撃を『無敵城塞』で受け止め続ける
→根負けしたりお腹が減ったりしたら話し合いに応じてくれる
→ハッピーエンド



「――おっと、やはりせっかちだな! さすが、先程も真っ先に飛び出してきただけの事はある!」
「『かかってこい』と言ッタ事ヲ、開戦ノ合図ダト判断シタニ過ギナイ」
 音もなく飛んでくるオフィスチェアを切り落とし、騎士は余裕の声で応じる。
 しかし、それもまたカイジにとっては織り込み済み。
 今の遠隔操作による攻防で少なくとも初手の行動は奪えた。ならば、他の猟兵もすぐさま飛び込んでくるだろう。
「やはり、騎士の得物は剣ですか。それならば私も剣で応じましょう」
 眼鏡を反射光で輝かせ、摩那も自らの武器を取り出す。
 ここに来て騎士道に目覚めたのだろうか、不敵に笑う彼女の足取りは堂々たるものだ。
「それは殊勝な心がけだ! 我の持ち味は電子戦だけに限らない事、今ここで教えてやろう!」
 こちらにはつばぜり合いをするためか、非実体の剣ではなく武器としても使われる旗の柄で斬撃を受け止めている。
 お互いが未だ様子見という事もあり、数合の打ち合いをしても中々隙は見えてこない。
 ……が、しかし。
「貴方の作ったアトラクション、私は哀しみが募りました」
 ここで更に飛び込んでくる、巨体。
 相変わらず心底物事を憐れみ惜しむような口調で言葉を続けるのは、既に内蔵火器を格納しているカプラ。
 どうやら再び説法モードに移行しているらしい。
「今一度確認させていただきますが、このような行いを改めるつもりはありませんか?
 お話ができるならまだやり直せる。どうか考え直して下さい」
「笑止! 我の覇道は止まらんぞ!」
「そうですか……まことに遺憾です」
 己の身でいくらかの攻撃を受け、それでもひたすら対話に専念するカプラ。
 有効打は与えられずとも、結果的には盾役のような役回りに立っており、それはそれで戦闘に貢献できている。
 あと、内心(うわっ、こいつめんどくせェー!)と思わせる事により、密かに精神攻撃にも成功している。
「全く、なんたる非インテリジェンス! お前らもウォーマシンなら我の覇道を支えるべきだろう!?」
「いいえ、それがいい行いとは思えませんので」
「先程モ言ッタ、敵トノ会話ハ無意味ト」
 カプラの横から、カイジの剣戟が迫る。
 ウォーマシンであるカイジだが、今の使命は猟兵としての任務。
 それ以外の情報は、彼にとってノイズでしかないのだ。
「戦闘続行、問題無シ。本機ノいんてりじぇんすハ、ソコニ集約サレル」
 遠隔操作よりも白兵戦の方が有効打を与えられると判断し、騎士へと飛び込むカイジ。
 そこに迷いはなく、あるのは対象の無力化というごくシンプルな目標だけだった。
「そこでヒートアップし、私を一瞬意識から外してくれたのは幸いでしたね」
「な……ッ!?」
 そして、忘れる事なかれ。この戦場には、他の猟兵も集っているのだ。
 これを好機と見た摩那は、迷う事なく本命の電撃を解放。
 狙い違わず腹部へと直撃したその力は、騎士の行動を制限するのに充分な効果を上げていた。
「ハハッ! それでこそインテリジェンス! いいね、燃えてきた!!」
 望むところだと笑う騎士の反応は、だんだん素に戻ってきている。
 戦いの序曲は、優勢。
 しかし努々忘れる事なかれ、敵はそれでも余裕を保っている。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ブランシュ・シコ
【SPD】
見つけた。
こんなにいっぱいのピザ、独り占めしちゃダメだよ。
だって、領主の帝国騎士はブランシュよりずっとずっと遅いんだよ。

うそだって言うなら駆けっこしよ。
『ダークフォースバリア』切らしちゃだめだよ。
『アンカー』のブランシュは切らさないから。

ところでここの一等賞はピザがもらえるの?

(帝国騎士を上回る『ダッシュ』力による高速移動で敵の行動を阻害し続けます)
(敵がこちらを追い始めたら食堂を逃げ回り敵のスタミナ切れを狙います)
(走り回っている最中に余裕があれば”レース”に邪魔な小物をコンピューターに向けて蹴り飛ばします)


四軒屋・綴
《改変絡み歓迎》

やれやれ……パーティーだと言うのにピザがないじゃないか、もっとも……『クラッカー』は残っているようだなッ!

基本は二戦目と同じだなッ!アッツィーコウルとケムルシューターによる【一斉発射】で弾幕を貼って【援護射撃】ッ!味方と足並みを揃えて接近戦への移行や味方を【かばう】ことの出来る距離を保つぞッ!

敵が『インペリアルブレイド』を使用してきたら【オーラ防御】でダメージを軽減させつつ受けるッ!『互いを繋ぐ念動力の鎖』を使用して【ダッシュ】で引っ張り回して敵の行動を制限ッ!隙を見てユーベルコードを叩きつけるぞッ!

「『白線の内側』にはもう下がれないなッ!」



「見つけた。自分で食べきれないなら、独り占めしちゃダメだよ」
「かといって、パーティーを開くにはどうにも少ないじゃないか」
 そこに用意されていたモノに対し、ブランシュと綴では対照的な感想が出ているようだ。
 なにせ、場にあるのは騎士の食べかけ。一人では多く感じようとも、大勢で分け合うにはあまりにも不足しているというもの、
「もっとも、クラッカーは残っているようだなッ!」
 もてなしが足りないなら、自らで盛り上げるのみ。
 綴の放つ銃弾が、いたるところで電子機器に当たり盛大に火花を散らす。
 あくまで牽制のための攻撃ではあるものの、なるほどその派手さは出し物として見る事も出来そうだ。
「領主なのに、ブランシュよりずっとずっと遅いんだね。しょうがいぶつ競走だって負けないよ」
「ええい、ちょこまかと! 我はネズミ捕りをしているヒマなんてないと言うに!
 あとどさくさに紛れて我のインテリジェンスな機器類を壊すな貴様らァ!!」
 逃げ回るブランシュを追いかけ、騎士も自らも高速移動のためにモードチェンジ。
 お互いに赤い軌跡を残しながら、範囲の限られた食堂内を所狭しと駆けて跳ぶ。
 かなりの高速で方向転換のために蹴られる床や壁には足跡が残り、綴の援護射撃やブランシュが進路を確保するために投げた椅子などにより、備え付けられていたコンピューターにもとばっちりでダメージが蓄積していく。
「ところで、ここの一等賞はピザがもらえるの?」
「知るか! 喰いたきゃ勝手に喰え!」
 くるりと身を翻すたびに衝撃波すら出しているブランシュの問いに、もうどうにでもなれといったような反応の騎士。
 そりゃそうだろう。既に晩餐を楽しむ余裕もないのだ。
「よし、動きを止めたなッ! 貴様のホームに列車が通過するぞッ!
 『白線の内側』にはもう下がれないなッ!」
 追いかけっこに疲れたのを好機と見て、綴は渾身の力を込め、両腕から重さの乗った一撃を繰り出す。
 その模様はまさに衝突事故。周囲のテーブルやモニターを巻き込み、騎士は軽々と吹っ飛んでいく。
 勢いのまま壁に叩きつけられた騎士に遅れて一緒に飛んでいた様々なものが積み重なり、一瞬にして瓦礫の山を形成していた。
「勇蒸連結ッ! ジョウキングッ!! 運行はまだまだ、止まらないッ!」
「……ッ、我もまだ、止まらんぞォー!!」
 再びカッコいいポーズで向き直る綴だが、その後ろにいる騎士は戦意を失ってはいない。
 自らの埋もれていた瓦礫の山を吹き飛ばす騎士には、いくつもの手傷を負ってもなお、まだ猟兵数人を相手取れる余力が残っているのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

黒曜・鵺
・いや、格好つけるのはいいんですが、ピザの香りとかで台無し……あ、口にケチャップついてる。

・とにかく、あんな面倒くさいAIまで作って、この船の住民を皆殺しにしようとしていたのは事実。きっちりと報いは受けてもらいましょう。

・私は液状化と光学迷彩(目立たない)で身を隠し、じっくりと奇襲の機会を待ちます。騎士が仲間との戦いに集中したトキがチャンスと見、「暗殺」よろしく背後から【サイコアーツ・エンド】で勝負をかけます。もし外れたら即座に仲間への援護に移行。「2回攻撃」「零距離射撃」で騎士の動きを阻害して仲間の攻撃が効果的に働くようにしましょう。

・ま、2回目の【サイコアーツ・エンド】も狙いますけどね。


雪生・霜逝
――この帝国騎士、できる。
雰囲気こそ三枚目悪役めいたものを感じさせますが、わたくしの従者アイは仮面に付着したトマトソースを見逃しませんでした。
あれは間違いなくブラフ。接近戦に持ち込んだとき「あっこいつ仮面にソース付いてるよ~気になるけど言いづらいな~」と我々に思わせ隙を造り出す戦闘テクニック。
ですので、わたくしは。
【POW】使用。
「どなたも死なせはいたしません…わたくしが壁である限り」
大股に走り前進した勢いで殴り抜け…るのは【フェイント】!
機体に仕舞っていたハンカチでソースを拭いとろうと試みます。
拭い取れても取れなくても、味方を【かばう】傍ら【踏みつけ】【串刺し】するのは変わりないのですが。



(――この帝国騎士、できる)
 霜逝の従者に必要な機能として組み込まれた高度な観察眼は、騎士のちょっとした変化も見逃さない。
 例えばそれは、仮面についたトマトソース。あるいは、マントについたチーズ。
 主人の身だしなみに細心の注意を払う従者であれば、離れたところからでも気付くだらしなさ。
 しかし、それこそが罠だと霜逝は直感する。
 これは罠だ。それも、他の人ならば至近距離で気付く事を前提とした、高度な罠。
「いや、あの騎士格好つけるのはいいんですが、ピザの香りとかで台無し……あ、口にケチャップついてる」
 と霜逝が考察を深めるのを他所に、鵺も鵺で気付いていた。
 たぶん裏仕事を生業にしている者ならではの観察眼とかそういう事なのだろう。そういう事にしておこう。
「と、ともあれ、どなたも死なせはいたしません。……わたくしが壁である限り」
 気を取り直し、シリアスな空気を演出。騎士の攻撃を一手に受けんと立ちふさがるその姿勢と覚悟は、本物だ。
「フハハ! 真っ当に戦う姿勢は評価しよう! だが我にその攻撃が通用フゴッ!?」
「おっと失礼、つい手が滑ってハンカチが」
 息をつかせぬ早業で霜逝が取り出したるは、何の変哲もないハンカチ。
 この男、なんと敵の身だしなみを整えるために懐へと入り込み、そして素早く仮面に付着したソースを拭ったというのだ!
 まさにアッパレな従者根性!
「いきなり何をするかと思えば、ただ口を封じるだけか! そんな小細工は我に通用へっぶゥ!?」
「失礼、背後がガラ空きでしたので」
 騎士の意識が完全に霜逝へフォーカスしているのを好機と捉えた鵺は、すかさず自らの体を周囲と同化させ、気付かれないよう注意深く背後に回っていたのだ。
「絶対人類殺すくんなどというAIまで作って、この船の住民を皆殺しにしようとしていたというのが罪状です。
 その報いはきっちり受けてもらいますよ」
 武器らしき武器も使わず、攻撃に使ったのは己の素手のみ。
 しかし、徒手空拳での戦闘を熟知している鵺にとって、それはさしたる問題にならない。
 完全な死角より入った一撃は、騎士へ無視できないほどの有効打を与えていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

水心子・静柄
いつまでその余裕が続くのかわからないけど、おしゃべりにかまけて攻撃の手を休めてくれるのは助かるわ。どうせなら面白い話でも聞かせてくれないかしらね?あら?今までの行動から真っ先に殴り掛かると思ったかしら?まぁピザの油で(私自身を)汚したくないだけよ。

さてと話しついでに恫喝というなの恐喝で、あなたの最大の失敗は何か質問するわ。プライドの高そうなあなたなら「ない」と答えるかもしれないけど、まぁ実際に今まで本当になかったとしても、この作戦を考え、実行し、そしてここで倒される事があなたにとって最大の失敗なんじゃないかしらね。仮に真実を話してもそれはそれで面白い話が聞けそうよね。


ブランシュ・シコ
【SPD】
わかったよ、じゃあブランシュが勝ってピザもらうね。
今から本気だして走るけど泣かないでね。
『アンカー』2かい目は本当にいたいよ。

いまの領主、帝国騎士? ぜんぜんインテリジェンスじゃないね。
一等賞はね、ひとり占めするんじゃなくてレースの度に一等にならないともらえないんだよ。
だからズルして一等賞ひとり占めする領主はダメ。
ぜんぜんインテリジェンスじゃない。ブランシュの方がインテリジェンス。

負けることがわかってても、宇宙船のヒト達にもレースさせないと
レースになんないからね。
ピザ食べ終わったら宇宙船のヒトにピザハウス返すよ。


ロクガツ・クロッカス
【SPDを使用】
【使用技能:見切り、残像、フェイント、早業、空中戦、2回攻撃】
よーし!ようやく小細工なしの勝負だね!
そこそこ広いけど閉鎖した空間……。うんうん、丁度いいんじゃない?

【バトルインテリジェンス】を発動して身体能力を底上げ
【空間凝固装置】を使った3次元起動で帝国騎士(ピザ)を翻弄しつつ
【クイックドロウ】で火力を打ち込み続けるよ!

そうだ、絶対人類殺す君だけどさ、削除のためのセーフティプログラムとか組んでないの? 教えてくれたら命だけは助けてあげてもいいよ(大嘘)
あ、限りある資源を無駄遣いして作ってくれやがったこのピザとかは
こっちで美味しく頂いておくから安心して成仏してね!



「テメェー!! 我を真っ先に肥満だの左遷だのと深刻なデマで愚弄した事、忘れたとは言わせんぞォー!!」
 既に幾多の傷を負っている騎士だが、目の前に静柄の姿を確認した瞬間そんな事を吹っ飛ばすかのようなブチギレモードに移行する。
 諸君は覚えているだろうか。この騎士が船内の様子を逐一モニタリングしていた事を。
 そして、静柄が意味ありげにカメラへ向かって騎士を目一杯煽っていた事を。
「あら、せっかく機会を窺っていたのに見つかっちゃったわね。ピザの油で汚されたくないのだけれど」
 激昂する騎士をあしらい、余裕の表情で回避を続ける静柄。これも計算通りなのだろうか。
「ようやく小細工なしの勝負なんだから、もうちょっと楽しませてよ、ね!」
 そこへ加わる、新たなる姿。
 今までは乗っ取られたロボットやドローンが相手だった事もあり、フラストレーションのたまっていたロクガツは、ここにきて一番の盛り上がりを見せている。
 また、ある程度の立ち回りが可能かつ閉じた空間であるこの戦場は、スラム暮らしであった彼女にとってはおあつらえ向きの場所でもあるようだ。
「そうだ。絶対人類殺すくんだけどさ、セーフティプログラムとか組んでないの?」
「……ヤツなら死んだ! もういない!
 今更制御コマンドを実行しても、絶対人類殺すくんは復活しないんだよォー!」
 応戦しつつ、慟哭をあげる騎士。
 そう、絶対人類殺すくんは最終的に、システムを物理的に破壊されて再起不能となったのだ。合掌。
「さっきから叫んでるだけで、ぜんぜんインテリジェンスじゃないね。ほんとに領主?」
 更に勢いを増したブランシュも目まぐるしく立ち位置を変え、何度も騎士へ肉薄していく。
 全身から発せられる衝撃波は不可視の凶器となり、周囲の機器類を巻き込みながら騎士そのものにも無視できない被害を与えていた。
「やっぱりこのピザ、ズルしてとったでしょ。 ダメだよ、これはレースでいっとうしょうになってもらうモノなんだから」
「ええい、ピザごときで鬱陶しい! 我なんでピザのためにここまで罵られる必要があるんだ!」
「ピザ『ごとき』じゃないっ!」
 生きるか死ぬかの瀬戸際で常に走り続けた彼女の、それはきっと魂からの叫び。
 言葉に勢いを乗せて触れるかどうかのギリギリをすり抜けていくブランシュに、さすがの騎士も圧倒されていた。
「だいぶ追い詰められているみたいね?
 よければ、ここまで攻め込まれたあなたの最大の失敗を教えてもらえるかしら?」
 プライドが高いと踏んで、まともな回答が返ってこないだろうとタカをくくる静柄。
 しかし、予想に反して騎士は驚くほどあっさり、最大の誤算を吐露する。
「失敗って言うならお前らの存在が最大の失敗だよ!!
 なんなの!? マジなんなの!? どこからともなくゾロゾロ出てきてさあ!!
 我この宇宙船の中にいる奴らしか相手にしてなかったはずなんだけど!!」
 考えてみれば、それは当然であった。
 この船内のみで完結していれば、おそらく作戦は上首尾に終わっていたであろう。
 猟兵達の活躍こそが、ここまで逆転した主要因なのである。
「敗因も聞けた事だし、そろそろケリをつけようか!」
 騎士の頭上より迫り来る、無数の弾丸。
 三次元の動きを駆使し、他者の動きを阻害しない場所から打ち込まれたロクガツの攻撃により、ついに騎士が膝をつく。
「我の完璧な作戦が……イレギュラーめ……!」
「世の中には完璧なんてないって事。勉強になったでしょ?
 残った食べ物はこっちでちゃーんと食べきってあげるから、安心して成仏してね!」
 塵と化していく騎士を眺め、手向けの言葉をかけるロクガツ。
 食べかけのピザとジャンクフードになりかけた食材を残し、敵は今潰えたのだ。
「ブランシュたちでひとりじめするのもよくないよ。ちゃんとうちゅうせんのヒトたちに、かえしてあげなきゃ」
「あはは、それもそうだね。でもちょっとくらいおすそ分けしてもらっても、バチは当たらないでしょ?」
 施設は全て解放された。
 復旧の手間こそあるだろうが、敵対者のいなくなったこの船はまた平穏無事に航行できる事だろう。
 勝利の余韻を感じつつ、冗談などを交わしながら、猟兵達は帰途につくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月18日


挿絵イラスト