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退屈は呪詛と共に

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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「ふむ、こんなところか。」
 日の差さない世界の暗い村。
 家々から聞こえるはずの声は無く……転がるのは、意思を持つ拷問具にかけられた、人の死骸のみ。
 それを見渡した吸血鬼は、足元に崩れた二人の人間の首輪を掴みあげ……顔を覗き込む。
「どうだ? かつて、共に生きた者たちの悲鳴は。」
「あ……あぁ……。」
 夫婦と思わしき二人の目は焦点を合わすことなく宙をさまよい、口からは涎と共に意味のない言葉を発するのみ。
 その様子に、吸血鬼は笑みを浮かべる……が、
「この程度で壊れるか、見込み違いだったな。」
 つまらなそうに地面に二人を放り捨てると、二人に忍び寄るのは生きた拷問具たち。
「あああああああ!」
「や、やめ……!」
「……俺を楽しませることもできない、お前らは生きるに値しない。」
 針で貫かれ、万力で締め上げられ……その様を、吸血鬼は見ていた。
 ただ、つまらなそうに。

「えっと……また、吸血鬼です。」
 グリモアベースに集まった猟兵達に、暗い表情で現状を話した影山。
「小さな村でしたが……全滅です、その、たった一人の吸血鬼に。
 生きた拷問具を操る吸血鬼に、拷問にかけられて、そのまま……。
 吸血鬼は何かを探しているようで……でも、この村の人は知らなくて。
 結局、全員……。」
 言葉に詰まった影山だったが、首を振って顔を叩き、改めて猟兵達へ向き直る。
「……すいません、続けます。
 それで、この吸血鬼を倒してもらいたい、んですが……その、苦しめた末に殺す、そういうやり方のせいかもしれないんですが、呪詛を受けているんです。
 それも、相当な……呪詛だけで、物質化できるほど。
 吸血鬼を倒すと、それが解き放たれて……皆さんを襲う、かもしれません。
 注意してください……皆さんなら、勝てると、信じてます。」
 そう言って影山がゲートを開くと、暗い村の道に一人の吸血鬼が佇んでいた。


ヨグ
 ヨグです、今回もよろしくお願いします。
 拷問具を操る吸血鬼と、彼に向けられ、宿した呪詛を退治してください。
103




第1章 ボス戦 『逃した赤子を追い求める者』

POW   :    さあ僕たち、ディナーの時間です
無敵の【意思を持つ醜悪な拷問具】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD   :    貴方に答えが出せますか
対象への質問と共に、【魔方陣】から【意思を持つ様々なタイプの拷問具】を召喚する。満足な答えを得るまで、意思を持つ様々なタイプの拷問具は対象を【拘束し、どす黒く血に濡れた吸血刃】で攻撃する。
WIZ   :    貴方はオレには敵わない
【完璧な会釈】を披露した指定の全対象に【洗脳波を浴びせ、決して敵わないという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。

イラスト:冴時

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はタンケイ・オスマンサスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フォーネリアス・スカーレット
「ドーモ、オブリビオンスレイヤーです」
 完璧な会釈に完璧なお辞儀で応じる。私の挨拶はただの挨拶ではない。これから貴様を殺すという決断的宣言だ。
 それに、敵うか敵わないかなど何の問題でもない。
 牽制の千撃ちからのフックロープ投擲。一気に距離を詰めて盾殴りで体勢を崩し、二刀十字電磁火炎居合斬り。両手両足の楔打ちを撃ち込み、大上段からの神喰い。
 オブリビオンは殺す。私は相手が殺せるかどうかなど考えない。殺さなければならないからだ。その過程で私がどれだけ苦痛を受けたとしても気にも留めない。オブリビオンを殺さなければいけないからだ。
「お前はただの通過点だ。最終的に全員殺すからな」


ミリア・ペイン
…こんばんわ、薄汚い吸血鬼さん
何を探してるか知らないけど
お前みたいな快楽殺人鬼が存在してると迷惑する人が大勢いるの
さっさと塵に帰って頂けるかしら

【WIZ】
《UC:昏き深淵の守護者》
私はこの子達の影に隠れて攻撃を受けない様気を付けましょう

その余裕ぶった態度、気に入らないわね
【挑発】して心を搔き乱してやるわ
『どれだけ完璧な会釈も創造も、魂が汚れ切ったお前がしても全く様にならないわね
見てるだけで反吐が出そうよ

私を洗脳しようだなんていい度胸ね、やれるものならどうぞ?【呪詛・狂気耐性】

逆に此方が【精神攻撃】を乗せて心身ともに疲弊させてやるわ

お前に穢された魂達の悲鳴が聞こえる?
悶え苦しみながら死ぬがいいわ



「おやおや……これはこれは、猟兵の皆さん、おそろいで。」
 静かな村に現れた二人に対し、吸血鬼は完璧な会釈で迎え入れていた。
「ドーモ、オブリビオンスレイヤーです。」
 それに対し、手を合わせて完璧なフォームのオジギを返したのは、フォーネリアス・スカーレット(復讐の殺戮者・f03411)。
 あまりにも堂々とした姿に、吸血鬼の表情も少し固まる。
「ふむ。」
「私の挨拶は、ただの挨拶ではない。これから貴様を殺すという、決断的宣言だ。」
「……こんばんわ、薄汚い吸血鬼さん。」
 平然と不気味な熊のぬいぐるみを抱いて立っている、ミリア・ペイン(死者の足音・f22149)。
 その赤い瞳に恐怖は見えず、汚い物を見る目つきで吸血鬼を見返している。
「どれだけ完璧な会釈も創造も……魂が汚れ切ったお前がしても、全く様にならないわね。」
「はっはっは! ……そうか、貴方がたには効かないか。」
 パチン! と指を鳴らすと、周囲に転がっていた拷問具たちが浮き上がり、
「では、彼らに相手をしてもらおう!」
 猟兵達へ、襲い掛かってきた。

「その余裕ぶった態度、気に入らないわね。」
 ミリアの言葉と共に現れたのは、死神と大きな兎のぬいぐるみ。
 そのまま向かい来る木馬を大鎌で薙ぎ払う死神を見つつ、
「何を探してるか知らないけど……お前みたいな快楽殺人鬼が存在してると、迷惑する人が大勢いるの。」
「なるほどなるほど! くっくっく……力無きものの嘆きなど、耳に留めておく価値もないな!」
 ミリアをめがけて飛び掛かる口枷だったが、不気味な兎が空中で掴み、引きちぎる。
「さぁ、守ってばかりでは俺を倒すことはできんぞ!」
「……だろうな。」
 突如、横から投げつけられるフックロープ。
 吸血鬼の体に巻き付き、巻き上げ……飛び込んできたのは、フォーネリアスの構えた盾。
「ぐ、貴様!」
「オブリビオンは殺す。」
 盾ごと体当たり……全体重のかかった突進に吹き飛ぶこともできず、ロープに導かれた吸血鬼は床に倒れる。
 それを追いかけるのは、引き抜かれた2種の炎の剣。
「私は相手が殺せるかどうかなど考えない……殺さなければならないからだ。」
「ぐああああ!」
 十字に燃やし斬られ、手足を楔が地に繋ぎ止める。
 流れるような攻撃に身動きもできず、吸血鬼の目に映るのは燃える魔法剣と居合刀を振り上げたフォーネリアス。
「ぐ、き、貴様。」
「……お前はただの通過点だ。最終的に全員殺すからな。」
「貴様あああああ!」
 薙がれる2閃の炎に焼かれ、焦がされる十字の傷。
 そこに近づく気配……苦しむ吸血鬼を見下ろす、ミリアの死神。
「……お前に穢された魂達の悲鳴が聞こえる?」
 ミリアの問いかけに答える間もなく、振り下ろされる大鎌。
 巨大な刃に抗う術もなく、吸血鬼の首が飛ばされた。
「悶え苦しみながら、死ぬがいいわ。」

「く、くっくっく……。」
 斬り飛ばされた首が笑う。
「骨のある者たちだ……俺をここまで追い詰めたのは、貴様らが初めてだ。」
「……その体で、何ができるの?」
 ミリアの問いに答えず、地に寝ていた吸血鬼の身体がぼろりと崩れ……気が付けば、首を飲み込む鉄の処女。
 バクンと閉じたと思えば、すぐに開き……
「さぁ、続きを始めようか!」
 元の姿の吸血鬼が、中から現れた。
「……驚いた、また死にたいの?」
「ああ、そのようだ……殺してやる、何度でもな。」
 猟兵達は、改めて武器を握りしめた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

霧島・絶奈
◆心情
拷問とは情報を得る為の手段です
無為に殺す程度の腕しかないのであれば懐柔した方が効果的だったでしょうに…
二重の意味で不愉快ですね

◆行動
成る程敵わない相手ですか…
ならば全力で、【恐怖を与える】程苛烈に挑んでも大丈夫ですね?
我が全力を受け止め続けてくれる素敵な玩具は貴重です

『暗キ獣』を使用
二種の兵科による【二回攻撃】を軍勢で運用する【範囲攻撃】で敵を鏖殺

私は【目立たない】様に行動
【罠使い】として持ち込んだ「ワイヤートラップ連動の指向性散弾とサーメート」を設置
罠に感情はありませんからね

設置しつつ【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復



「……拷問とは、情報を得る為の手段です。」
 蠢く拷問具たちを見降ろしながら、霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は呟いていた。「無為に殺す程度の腕しかないのであれば、懐柔した方が効果的だったでしょうに。」
「はっはっは、貴方もわかっていないな。探し、殺したい人間の居場所を吐かせるのもいいが……。」
 冷めた目で見られているというのに、吸血鬼は笑いながら会釈を返していた。
「全てを殺せば、いつか殺せるだろう?」
「……手間をかける必要はない、か。」
 さらに冷たくなる霧島の目と対照的に、楽し気に吊り上がる口の端。
 破壊と殺戮の衝動に任せて目を閉じ、手を向けると、蒼白い燐光の霧が霧島の周りを漂い始め……周囲に屍兵と屍獣の群れが沸き立つ。
「不愉快ですね、私の前から消したいほどに。」
「やれるならやってみたまえよ!」
 群れに姿をかき消された霧島へ向け、拷問具たちが襲い掛かった。

 最初こそ、突進する屍獣に絡み付き、動きを止めさせた拷問具たちだったが……。
 人に痛みと苦しみを与える拷問具は、たとえ捻じられ刺されるとも、痛みを感じぬ屍兵によって崩されていった。
「……こんなモノを操る者がいるとはな。」
 吸血鬼も新たに拷問具……ノコギリや車輪などの処刑道具を生み出してゆくが、時すでに遅し。
「ぐ、貴様!」
 屍獣に食いつかれ、その体を振り払っていた。
「ふふ……思ったより弱いのですね。」
「貴様……姿を現せ!」
 霧島の声だけが響くが、辺りには蒼白い霧が立ち込めるのみ。
 屍獣に食いつかれ、屍兵の槍に貫かれ……吸血鬼はそのまま地面に引き倒され、
「自分の心配をすべきでしょう。」
 その声と同時に、何かに引っかかった途端、設置された地雷に吹き飛ばされる。
 一部の屍たちと共に吹き飛んだ、吸血鬼の体が転がっている……それを、落胆の表情で見下ろす霧島。
「……この程度ですか。」
「くっくっく……。」
 突如、背後から鋭い気配に霧島が身を躱すと、先ほどまで立っていた場をギロチンの刃が通り過ぎる。
 そのまま吸血鬼の首を斬って止まり、身体は塵となって崩れ……と思えば、斬り放たれた首を持ち上げる体があった。
「犬に食われた身体では、お相手できまい?」
 いつの間にか現れた首のないその体が、あるべき場所に首を置けば……吸血鬼の体となった。
「まったく、便利な身体だこと。」
「貴方も、ほしいかね?」
 そう問いかける吸血鬼だが、その身体は背後が少し透けて見えている。
「……今にも崩れそうな身体なんて、必要ないわ。」
 霧島は呟きながら、新たな屍兵たちを呼び出していく。

成功 🔵​🔵​🔴​

マルコ・ガブリエル(サポート)
『初めまして、わたくしはマルコと申します』
『皆様を苦しめるのであれば、わたくしも情けは捨てましょう!』
『まあ、なんて美味しそう……! 宜しければ、一緒にいかがですか?』
笑顔が魅力的で朗らかな女の子です。実は故郷を滅ぼされて天涯孤独の身ですが、そうした悲壮感を仲間に感じさせることはなく、いつも明るく振る舞っています。
誰に対しても優しく、ば戦わず、穏便に事件を解決したい」と考えるような優しい性格ですが、無辜の人々を苦しめる悪い奴には心を鬼にして全力で攻撃をお見舞いします。
美味しいもの、特に焼肉をみんなで食べるのが大好きで、無事に事件解決した後はよく他の猟兵をご飯に誘おうとします。



 辺りを見渡せば、壊れた拷問具と村人の死体が転がっている。
「……なんという、ことを。」
 目に入る光景に心を痛めるのは、マルコ・ガブリエル(焼肉天使・f09505)。
 悲痛な表情のマルコへ、ニヤニヤとした笑みを浮かべながら会釈て迎える吸血鬼。
「楽しんでいるようで何よりだ、天使のお嬢さん。」
「楽しんで……? よく、そんなことを言えたものですね。」
 かつて故郷を滅ぼされた、その記憶を呼び覚ます光景。
 それを作り上げた吸血鬼の発した言葉に、いつもの明るいマルコは姿をひそめ、
「人を滅ぼすことしかできぬ魔を、討ち祓わせてもらいます。」
「くははは! 全く、猟犬というのはお優しい。」
 メイスを握りしめ、駆け寄っていく。
 手招きをする吸血鬼へと。

 全力で振り下ろされるメイスだが、その手ごたえは鉄の塊を打ったもの。
「いくら壊れようと、盾にはなるものだ。」
「あなた……自身の部下すらも!」
 歪んで絞めることのできない、頭蓋骨粉砕機や親指締め具……それらが吸血鬼の周囲を飛び、盾となってマルコを阻む。
「部下? 面白いことを言う。」
 叩き潰されたネジを掴んだ吸血鬼は、歪んで絞められない拷問具を見せつけ、
「ただの道具に、そのような感情を持つのかね?」
「……なんて、悲しい心の持ち主なんでしょう。」
 言葉と共に、マルコから純白の光が漏れる。
 光に照らされた拷問具のネジが癒され、唐突に締まり……吸血鬼の指を締め上げた。
「ぎ……! なん、だと!」
「反省が必要です。」
 吸血鬼の注意が逸れた瞬間、マルコは近づき……吸血鬼の頭へメイスを叩きつけた。
 地に崩れた吸血鬼の頭に、壊れていたはずの粉砕機が填まり……。
「……さようなら、二度と会うことはないでしょう。」
「ぐ、ぎぎ……!」
 マルコから放たれる光を受けた粉砕機のネジが絞まる。
 背を向け、離れるマルコの後ろで、吸血鬼の頭蓋骨は完全に粉砕されていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

バッファロー・ギリー
要は悪党だな、お前
あぁ、口は開かなくていい
俺がそう決めたから、お前は悪だ
それじゃあ、悪党は無様に死ね

外だからバッファローも戦闘に出す
派手に暴れるぜ

◇悪党キラー発動
相手が悪ならば、俺達の力は増大される
基本的にバッファローを敵陣に突っ込ませて、俺はそれに合わせて射撃する形になるな
拷問具を巻き込みながら、敵を突き殺しな

壊しちまえば拷問具の意思とかは関係ねぇな
そこら辺に落ちてる拷問具の残骸……特に刃物があれば、それを投擲するのもいいだろう
◇幻の投擲術を見せてやるよ
お前の脳天にひたすら投げ込んでやる
逃がすなよ、バッファロー。角でしっかり固定しな
「自分の愛用道具で傷付けられる気分はどうだ? ド変態野郎」



 頭を潰され、灰となって崩れる頭部……と思えば、起き上がった身体が背から頭を取り出す。
 首へ頭を乗せた時、すでに身体は煙のごとく存在が薄くなっていた。
「……要は悪党だな、お前。」
 その声に振り返れば、そこにいるのはテンガロンハットを被ったチョコレートのガンマン、バッファロー・ギリー(悪魔の弾丸・f22032)。
 ギリーの目に映るのは、死ぬことを許されぬ、地獄の囚人のごとき再生能力……それを見せる吸血鬼が口を開く。
「なんだと」
「あぁ、口は開かなくていい。俺がそう決めたから、お前は悪だ。」
 言葉をかぶせて黙らせ、鼻息荒く隣に控えたチョコレートのバッファローを解き放つ。
 そして、自身も腰のホルスターから拳銃を抜いて構え、言い放った。
「それじゃあ、悪党は無様に死ね。」

「なめるな!」
 バッファローの足を止めようと、吸血鬼は足元の魔法陣から拷問具を呼び出す。
 ギロチンに手枷足枷……鋼鉄製の拘束具たちが取りつき、その体を血濡れた刃が襲うが、
「その程度で止まるような、やわな身体はしてねえぞ。」
「ぐ、貴様!」
 取りついた枷を引きちぎり、刃はギリーの弾丸に弾かれ……バッファローの角が吸血鬼を突き刺し、突き上げる。
「ぐああああ!」
「……お前が悪い奴ならば、俺達の力は増すのさ。」
 言葉と共にギリーが拾い上げたのは、紐が外れた血濡れたギロチン。
 角で貫いた吸血鬼を地に叩きつけていたバッファローに指笛で合図し、
「壊れちまえば、意志も何もねぇ。ただの道具だ。」
「が……!」
 ギリーの投げたギロチンの刃が、バッファローの角に刺さったまま掲げられた吸血鬼の脳天に突き刺さる。
「自分の愛用道具で傷付けられる気分はどうだ? ド変態野郎。」
「ぎ、ぎざ、ま……がは!」
「まだ足りねぇようだな。」
 さらに投げつけられる、様々な拷問具の破片。
 ……すでに自身の体重と同等の鉄を突き刺された吸血鬼の頭へ、ギリーは拳銃をぶっ放す。
「……無様な野郎だ。」
 弾丸に貫かれた身体はすべて灰となり、地には鋼鉄の破片が散らばっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ダペルトゥット・ドール』

POW   :    感情暴走の呪詛
【対象の強い感情や欲求が増幅され続ける呪詛】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    お返しの呪詛
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【普段は存在が隠蔽されている巨大な繰り手】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ   :    人形化の呪詛
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【運搬及び自衛用の人形】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。

イラスト:霧島一樹

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 吸血鬼を倒した時、周囲へ黒い霧が放たれた……が、すぐに晴れた。
 後に残るのは、村人の死体だけ……しかし、その死体がふわりと浮き上がり、ぎこちなく動き出す。
 見る間に関節が人形へ置き換わり、空中から糸で操られるがごとき動きで、猟兵達を取り囲む。
「……。」
 それらは言葉を発さず、ガラス玉のような……ガラス玉に置き換えられた瞳で、猟兵達を覗く。
 人であったモノたちの瞳が、猟兵達の心を覗き込んでいた……。
フォーネリアス・スカーレット
 呪詛か。オブリビオンに成った、と。そういう事でいいんだな。
「ならば殺す」
 元が何であろうが知った事か。オブリビオンは皆殺しだただの一匹も逃がしはしない。
 強い感情や欲求が増幅され続ける、か。私にとっては面倒、とでも思ったか。
「知らんな、オブリビオンを殺すのは感情でも欲求でもない」
 強いて言うなら殺戮衝動に身を委ね、電磁居合斬りで斬り飛ばしたり、千撃ちで射貫いたり、楔打ちで縫い止めたりするのは楽しくなってくる物ではあるが。
「スゥー、ハァー」
『一時の炎ではなく、長き熱を持って鋼を鍛えよ』
 これは師の教えの最も大事な部分だ。不快深呼吸により精神を平均を保つ。



「あの霧は呪詛か……オブリビオンに成った、と。そういう事でいいんだな。」
 周囲へ浮かぶ、人形と化した村人たちを見渡して呟くフォーネリアス。
 その顔を覆い隠すアーメットヘルムから覗く目を見返すのは、人形のガラスの瞳たち。
「……ならば殺す。」
 言葉と共に駆け寄り、電磁加速された居合刀が炎を引きながら斬りつける。
「ぐぎ!……が……。」
 バラリと地面に転がる、人形の部品……。 
 あっさりと崩れた人形へは目もくれず、フォーネリアスは次の獲物へと飛び掛かっていった。

 元が何であろうが知った事か、オブリビオンは皆殺しだ、ただの一匹も逃がしはしない……。
 地獄の短剣を投げつけて人形を縫い留めたフォーネリアスの頭の中を、殺戮を現す言葉が駆け巡っていた。
「オブリビオンは……殺す。」
 ……オブリビオンへの憎悪は、ある。
 しかし、今も周りにいる人形を……1体をパイルバンカーで貫いた時に感じたのは、
「……楽しい。」
 これが……自分の声か。
 フォーネリアスは無意識に、深く……とても深く、深呼吸を始める。
「スゥー、ハァー……スゥー、ハァー……。」
 呼吸と共に思い出すのは、師匠の教え。
 曰く、『一時の炎ではなく、長き熱を持って鋼を鍛えよ』……精神の平衡を保つ大切さを叩き込んだ、教えの大事な部分。
「うむ。」
 閉じていた目を見開き、改めて人形へ駆け寄る。
 居合刀を鞘走らせた時……呑まれかけていた歓喜や憎悪は静まっていた。
「……知らんな、オブリビオンを殺すのは感情でも欲求でもない。」
 ここにいるのは、殺戮者。
 オブリビオンを殺す者、フォーネリアスは次の獲物へと武器を振り上げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

霧島・絶奈
◆心情
理不尽な末路には同情しましょう
ですが、斃されるわけにもいかないのです
二度目の理不尽でしょうが…せめて安らかに眠れ

◆行動
『暗キ獣』を使用
屍者の槍衾で迎撃し屍獣が遊撃する【二回攻撃】を、軍勢で運用する【範囲攻撃】で殲滅

私は軍勢に紛れ【目立たない】様に行動
【罠使い】として持ち込んだ「ワイヤートラップ連動指向性散弾」を設置

死体には「動かすと起爆するサーメートのブービートラップ」を仕込み、敵のユーベルコードに対抗
看取る者も、祈る者ももう居ない者達…せめて灰として地に還ると良いでしょう

設置を進めつつ【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


バッファロー・ギリー
ファンシーさの欠片もねぇ人形だな……
まぁ、どうであれ壊すのは変わらねぇが
んじゃ頼むぜ、バッファロー。適当にぶっ壊して来い

……突いても刺しても動きが衰える気配がねぇ
これはアレだな。操縦者ががいるパターンか
よし、戻って来い

◇歴戦の予測、必殺の間合い発動
さっきの鉄片を人形の上に向かって投擲だ
何かその辺りに気配がする……お、刺さったな。見付けたぜ
俺は繰り手を。バッファローは人形を破壊する
バッファローの上に『騎乗』し、突進しながら『クイックドロウ』で繰り手を【早撃ち】だ
ついでに『殺気』も放ってビビらせる。手がビビるかは知らねえが

「運が悪かったな、お前ら。まぁ仕事なんでな、抵抗はするなよ?」


ミリア・ペイン
…最悪な置き土産を残していったわね、悪趣味な奴
死者を弄ぶだなんて許される行為ではないわ

【WIZ】『黒き怨恨の炎』
…私の呪力が人形相手にどこまで通用するかしらね

炎に【呪詛】と【精神攻撃】を混ぜ攻撃
弱った個体は炎を纏めて一気に押し切りましょう

人の心を覗き見なんて感心しないわね
【部位破壊】でガラスの瞳を集中狙い
これで呪力も少しは落ちるでしょう

脱力状態の時は迂闊にUCを使わない様に注意
【第六感】でその気配を感じ取れるかしら

お人形は好きだけど、なりたくはないわ
【オーラ防御】や【呪詛耐性】で身を守りましょう

…辛いわよね、もう一度殺される痛みを味わうだなんて
二度と悪用されない様に、私の炎で弔うわ

アドリブ歓迎



「ファンシーさの欠片もねぇ人形だな……。」
 周囲へ浮かび上がる人形達を見て、そのチョコレートの顔をゆがめながら吐き捨てるように呟くギリー。
「……最悪な置き土産を残していったわね、悪趣味な奴。」
 同じく、顔をしかめながら言葉を紡ぐミリア。
 嫌悪感を隠すことなく、自身の周囲へ悪霊を放つ。
「死者を弄ぶだなんて許される行為ではないわ。」
「ええ、彼らの理不尽な末路には同情しましょう。」
 霧島も、自身の周りへ屍獣と槍を持つ屍人を解き放つ。
 その姿は屍人達の影に紛れ、言葉だけが響いていた。
「ですが、斃されるわけにもいかないのです。」
「あぁ、どうであれ壊すのは変わらねぇ。んじゃ頼むぜ、バッファロー。」
 ギリーは隣で鼻息荒く控えていたチョコレートのバッファローの尻を叩き、
「適当にぶっ壊して来い。」
 そのまま人形達へ突進させた。

「人の心を覗き見なんて感心しないわね。」
 胸の内を写すかのような、ガラスの瞳。
 ミリアの周囲に浮かぶ悪霊たちが炎となり、焼き焦がしていく。
「これで呪力も少しは落ちるでしょう。」
「だろうな。……しかしまぁ、」
 バッファローの角に人形を貫かせたギリー。
 しかし、人形達は自身の傷を意に介さず、周囲を飛び続ける。
「……突いても刺しても動きが衰える気配がねぇ。これはアレだな、操縦者がいるパターンか。」
「形状からして、操り人形ですからね。」
 屍人の槍が貫いても、結果は同じ……屍獣が食らいつき、手足を無理やり取り外してやっと止まる。
「何かがいるのでしょう。」
「ふむ。」
 おもむろに、ギリーは人形の上へ拷問具の欠片を投げた。
 気配を頼りに投げたそれは、空中で何かに突き刺さり……下にいる人形が大きく揺れる。
 よく見れば、暗い色の手袋が宙に浮いていた。
「お、刺さったな。見付けたぜ。」
「……見た目通りのパペットだったのね。」
 ミリアが死霊の炎を人形の上に放つと、人形を操る手袋が無数に浮かぶ姿が照らしだされてゆく。
「ふふ、そうとわかれば落とすだけですね。」
「そうだな。」
 霧島の声に、指笛でバッファローを呼び戻したギリー。
 ひらりと騎乗し、改めて突進していった。

「見えちまえば、こっちのもんだ。」
 人形がバッファローの角に貫かれ、その上の手袋を拳銃の早打ちで撃ち落とすギリー。
「そうね、でも……。」
 ミリアは炎を撃ち出すが……嫌な気配に、人形の手前で炎を止めた。
 自在に動くその炎は、無防備になった人形を照らし出している。
 その頭の上で、手袋がミリアへ向けて手を広げていた。
「……まったく、油断できないわ。」
 手袋へ炎を撃ち込み、燃やす。
 ……人形に当てていたならば、手袋から炎を飛ばしてくる気だったのだ。
「ですが、数はだいぶ減りましたね。」
 霧島の呼び出した屍獣が人形を咥えて引きずり倒し、下がってくる手袋を槍で突き刺して落としている。
「あと少しです。」
「ああ、そうだな」
 言葉と共に、バッファローが最後の人形を突き刺し……同時に抜き打ちで放ったギリーの弾丸が、手袋を落としていた。
「運が悪かったな、お前ら。まぁ仕事なんでな……」
 と、落ちた手袋が何かに引っかかり、山と積まれた人形達の元からテルミットの炎が巻き上がる。
「うお! あっぶねええ!」
「……あらあら、失礼を。」
 急いで飛び退いたギリー。
 姿を現した霧島が火炎を吹き出す地雷を持っているのを見て、
「お前、俺とバッファローが溶けたらどうするんだ!?」
「おそらく避けてくれるだろうと思っていましたよ。」
「俺達の体はお前らと違うんだよ!」
「そのようですね、申し訳ありません。」
 頭を下げる霧島に、ギリーも機嫌を直したようだった。
 ゆかいな仲間、材質はチョコレート……そんなギリーとバッファローにとって、熱は命に関わる。
「……ふふ。」
 そんな二人を見ていたミリアはクスリと笑い、周囲の炎を人形達へ当てて燃え上がらせる。
 そして、焼け焦げて灰になってゆく様を見ながら、
「……辛いわよね、もう一度殺される痛みを味わうだなんて。二度と悪用されない様に、私の炎で弔うわ。」
「二度目の理不尽でしょうが……せめて安らかに眠ってください。」
 隣に立つ霧島も、同じように祈りを捧げていた。
 ギリーも同様……しかし、遠くからだが。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『崩呪の遊星シュヴェルツェ』

POW   :    呪殺
【雨霰と降り注ぐ多種多様な呪い】が命中した対象に対し、高威力高命中の【収束した呪いの破壊光線】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    呪狂
レベル×5本の【滅殺・崩壊・不死殺しの呪詛が籠った呪】属性の【ホーミングする呪いの矢】を放つ。
WIZ   :    呪天
【中央の主星と周囲の衛星】から【様々な呪いを籠めたどす黒い呪いの波動】を放ち、【爆発、凍結、感電、石化、衰弱などにより】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:夏目零一

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は死之宮・謡です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 人形達が燃え上がる炎……その中から、またしても黒い霧があがる。
 それは宙を彷徨い、徐々に形を現すと、まるで天球儀のような姿をとった。
 ……離れて見ていてもわかるほど、呪いの凝縮された球体の集まり。
 それは周りに立つ猟兵達を敵と認め、自身の呪いを解き放ち始めた。
フォーネリアス・スカーレット
 呪いその物がオブリビオンか……だが、オブリビオンであれば殺す手はある筈だ。
『雨がオブリビオンだったらどうする?』
 先とは別な師の教えだ。確か、雲を斬ると答えた気がするが、
『お前はバカだ』
 と、一蹴されたな。そう言えばその答えはまた『自分で考えろ』だった気がするな。
「やはり、雲を斬るしかあるまい」
 雨を避けるのは不可能だ。故に避けない。正面に盾を構え、最小限の被弾で矢の如く突き抜ける。腰に下げた居合の距離まで詰め切れればいい。
『そこに”ある”なら斬れる』
 別の猟兵の言葉だ。奴は斬った。だから、私でも出来る筈だ。
「貴様はそこに居る……ッ!」
 二刀十字電磁居合斬りだ。


バッファロー・ギリー
危ねぇ、炎には気を付けねぇとな
……おっと、俺を狙って来たか
つまりお前は悪党だな、禍々しいから間違いねえ
そんじゃ、悪党は死ね

◇悪党キラー、荒野の悪運、悪魔の弾丸、必殺の間合い、発動
下がってなバッファロー。あの呪いはお前と相性が悪い
見るからにヤバそうな呪いだが……俺には通用しねぇ

やる事は単純
『早業』で弾丸をリロードし、銃をホルスターにしまい、『クイックドロウ』。銃をホルスターにしまうのはガンマンの絶対条件だ
色々と属性があるようだが関係ねえ、弾丸が当たれば壊せる
そして俺は外さない……後はリロードが追い付くかどうかの問題だ

小細工無用、真っ向勝負
お前の矢が届くのが速いか、俺の迎撃が速いか
「さあ、決闘だ」


ミリア・ペイン
何なの…この凄まじい呪力
こんな危険な奴がまだ潜んでいたなんて
正直相手したくないけれど、仕方ないわね

【WIZ】《冥き深淵の守護者》
奴に主導権を握られたら何も出来ずに殺されるわ
少しでも手数を減らさなければ

【先制攻撃】で周りに浮かぶ衛星や矢を【部位破壊】で攻撃
固くても【鎧無視攻撃】で多少の無理は通すわ
此方も【呪詛】を込めて力を相殺しつつ攻撃

私は絶対に攻撃を受けない様防御に専念【オーラ防御・呪詛耐性】
光線や矢は【念動力】で反射、最悪軌道を逸らす事だけでも出来れば
無理なら【第六感】に頼って回避に集中を

ああ…もう、見ているだけで精神がやられそうだわ
そんな人を呪ってばかりだと嫌われちゃうわよ?

アドリブ歓迎


霧島・絶奈
◆心情
実体化する程の呪詛ですか…確かに厄介ですね
とはいえ、放置は出来ませんので御退場頂きましょう

◆行動
<真の姿を開放>し『666』を使用
数を活かし四方から包囲する様に攻め立てます
降り注ぐ呪い自体は雨霰でも、破壊光線の方は収束する都合上、全ての<私>を同時に攻撃は出来ないでしょう

何人かの<私>は数に紛れ【目立たない】様に行動
【罠使い】の技能を活かし「魔法で敵を識別し起爆するサーメートと指向性散弾」を複数設置
敵自体だけで無く、降り注ぐ呪いに反応させるのも一興でしょう

<私達>全員で射線を調整し【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で其々が【二回攻撃】

負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復



「呪いその物がオブリビオンか……。」
「何なの……この凄まじい呪力。こんな危険な奴がまだ潜んでいたなんて。」
 天球儀を見据え、呟くフォーネリアとミリア。
「実体化する程の呪詛ですか……確かに厄介ですね。」
「本当……正直相手したくないけれど、仕方ないわね。」
 霧島の言葉に答えながら、ミリアは大鎌を持つ死神と大きな兎のぬいぐるみを呼び出し、
「ええ、放置は出来ませんので御退場頂きましょう。」
 霧島も自身の真の姿、異端の神となり……その自身の姿を増やし、神々の群れとなった。
 ミリアの死神が迫り、天球儀の衛星を狙うが、
「……おっと、俺を狙って来たか。」
 相打つかのように、その衛星から炎の呪いの矢がギリーへ飛ぶ。
 ひらりと飛んで避けながら拳銃で撃ち落とし……あとには、拳銃の空薬莢が転がる。
「つまりお前は悪党だな、禍々しいから間違いねえ。」
「ああ、間違いなくオブリビオンだ。」
 言葉と共に、ギリーは再装填を済ませた拳銃をホルスターへ落とす。
 その音に、思案していたフォーネリアも意識を戻す。
「そんじゃ、悪党は死ね。」
「呪いであろうと、手はあるはずだ……必ず、殺す。」
 腰の刀に手をかけながら、フォーネリアは機を窺っていた。

「それでは、私が呪いを引き受けましょう。……攻撃は、お任せしますよ。」
 霧島の言葉がどこからか響くと、天球儀を異端の神々が包囲していく。
 対する天球儀も、衛星から周囲へ雲のように、呪詛を放ち始めた。
「……させない。」
 指さすミリアの合図に合わせ、ふわりと死神とぬいぐるみが襲い掛かる。
 衛星へ大鎌で斬りかかり、布の手で殴りつけると、一つが落ちる。
 が、地面に落ちた瞬間……どす黒い呪いの波動が周囲へ広がった。
「来るだろう、と思っていましたよ。」
 瞬間、霧島の配置した地雷が起動し、天球儀をテルミットの炎が包み込む。
「派手にやるぜ、まったく……と。」
 空中へ飛び退った死神とぬいぐるみに被害はないが、彼らを追うように呪いの矢が飛ぶ。
 ギリーの手が動いたと見るや、その手の拳銃からは紫煙が上がっていた。
 目にもとまらぬ速さで抜かれ、放たれた弾丸は、正確に呪いの矢を撃ち抜き落とす。
「ありがとう。」
「どういたしまして。さぁ、続けていくぜ。」
 援護射撃を受けながら、ふわりと死神とぬいぐるみが異端の神々の間を抜けると……。
 周囲へ広がる呪詛の雲が、様々な呪いを雨のように降らせ始めた。

『雨がオブリビオンだったら、どうする?』
 左手に小型の丸盾を構え、呪いの降り注ぐ戦場を駆け抜けるフォーネリア。
「……当時はバカだと言われたが、」
 当時の師の問い……答えたフォーネリアへ返ってきたのは、『自分で考えろ』という辛辣な答えだった。
「やはり、雲を斬るしかあるまい。」
 その言葉の通り……力を備えたフォーネリアの鞘走る炎を引く一閃が、呪詛の雲を斬り裂く。
 収束しかけた呪詛の光線も、同様に霧散していた。
「お見事。」
「いきますよ!」
 斬り裂かれた雲の間を、死神とぬいぐるみが飛ぶ。
 近づく物へ、天球儀から呪いの矢が飛ぶが、
「お前の矢が届くのが速いか、俺の迎撃が速いか……決闘だ。」
 ギリーの放つ嵐のような弾丸が、呪いの矢を正確に、確実に撃ち落していく。
 さらに周囲を覆う異端の神々の黒剣に遮られ、天球儀の攻撃は死神たちへ届かない。
「そんなに人を呪ってばかりだと、」
 そして、死神の大鎌が天球儀へ走る。
「嫌われちゃうわよ?」
 ガキン! と衛星軌道の金具を弾き、ぬいぐるみの体当たりが軌道の残骸を吹き飛ばす。
 鈍く輝く天球儀が呪詛を放とうと輝きを失うが、
『そこに”ある”なら斬れる。』
 電磁加速された鞘走りと、魔法の炎を纏う剣……その二閃が天球儀を捉える。
「貴様はそこに居る……ッ!」
 過去にフォーネリアスと同道した者の言った通り、存在する呪詛を斬り裂いた。
 天球儀は四つに断たれ……そのまま輝きを取り戻すこともなく、黒い塵となって溶けて消えていった。

「……終わったか。」
「そのようですね、お疲れ様です。」
 二本の剣を鞘に収めたフォーネリアスへ、労いの言葉をかける霧島。
 周囲にいた異端の神々達の姿も今は無く、残るのは霧島のみ。
「ああ……もう、見ているだけで精神がやられそうだったわ。」
「へっ、違いねえ。だが、」
 自分の元へ死神たちを戻し、普段から持つ不気味なぬいぐるみを抱きながら呟くミリア。
 くるりと拳銃を手で廻してホルスターに納めたギリーも同意し、
「これで悪党は滅びたな。」
「ああ、オブリビオンは死んだ。」
 周りを見れば、村に立つのは猟兵達だけ……。
「でも……村の人達は、戻ってこないのね。」
「仕方ありません。……今は、これ以上被害が広がらなかったと思いましょう。」
 その言葉を胸に、猟兵達はグリモアベースへと帰っていく。

 ……怨嗟を断ち切った彼らを称賛する声は、この世界にはなかった。
 しかし、彼らは……この世界の闇の一つを止めたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年10月16日


挿絵イラスト