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逆転の桜(作者 長井休)
#サクラミラージュ
#逢魔が辻
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●イカもおだてりゃ木に登る
目にも楽しきサクラミラージュ、夜と昼との狭間の時刻、玄朧桜の花が散り。
不死の帝の治めし帝都、700余年の歴史が香る。
帝都より程近い桜の咲き乱れる都市に、宵の深きに艶めく笑いが木霊する。
「オ~ッホッホ!よイカお前達!本日今宵から、この都はアタシのものよ~!」
「「アイアイカー!」」
嗚呼、なんたる悲劇。なんたる惨状。そいつらは、闇を引き連れやってきた。
美しい桜を照らす月はその姿を隠し、深い闇夜が都市を包む。
「スクイラー!この都で一番イカした女は誰だい!?」
「それは勿論、イカージョ様でございます」
上から下まで真っ白のマジシャン風情の男が答える。
パキリと指を鳴らす。無数の影朧が現出し、男に首を垂れて傅いた。
「この都の武器を手に持つ反乱分子を一掃せよ」
白手袋をキュッと締め、小さき影朧に指示を出す。
指示を受ければ影朧は散り散りに、右に左と闇夜の都市を疾走する。
「ゲソッキー!この都のハイカラさに足りないモノはなんだい!?」
「そりゃー勿論、イカージョ様しかないでしょう」
上裸に白衣を引っ掛けた目つきのやらしい男が答える。
懐から、見るからに怪しいリモコンを取り出して、慣れた手つきでスイッチを押す。
「はい、ポチッとな」
ガシャンガシャンと音を立て、周囲の家屋が変形し、黒煙噴出す巨大な腕に変化する。
蒸気機関の巨大な腕は、周りの家屋をまるでにぎり飯のようにこね始める。
暫くすると、捏ねられた家屋は粘土のように固まっていき、巨大な石造を作り上げる。
はしたない程露出の多い衣装に身を包み、天を指差す高慢な美貌。
「オ~ッホッホ!いいじゃなイカいいじゃなイカ!よく出来てるよお前達!」
「「アイアイカー!」」
上品に口元に手を遣りながらも高慢な笑いを闇夜に響かせる。
今宵の彼女の目当ての宝は、この美しい都そのもの。
三悪は、逢魔が辻の侵食と共にその笑い声を、どこまでもどこまでも響かせていた。
●嗚呼、逆転桜
「ご機嫌よう、猟兵」
スカートの両端を軽くつまみ、いつものお辞儀をパナシェは送る。
今日はいつもより、猟兵達がそわそわしている。そんな気配を感じてパナシェは微笑んだ。
新世界の発見。未知を知ることは、猟兵でなくても誰でもわくわくするものだ。
「新世界で、オブリビオンの事件を予知したわ」
幼い少女の一言を耳にした猟兵達は、耳を体をパナシェへ向ける。
それでも少女は変わらずに、いつもの調子であらましを語る。
曰く、一つの都がオブリビオンの手に落ちる光景が見えたという。
「その都はね、サクラミラージュの玄朧桜が沢山咲いてる素敵な都なの」
そのオブリビオンは、自分が一番美しいと信じて止まない大の自信家なのだという。
だからこそ、幻想的な桜舞い散る都にすら、負けたくないと支配をすると決めたのだ。
「沢山なのよ。沢山沢山、沢山のオブリビオンを従えているの」
その都を支配するため、リーダー格の直属の部下二人の内の一人、白い手品師は数多の焔纏うオブリビオンを従えて、都にいる反乱分子――警官や武器を持つ一般人――を次から次から殺害して回るという。
もう一人、科学者風情の青年は、怪しげな蒸気の機械を使い都の造りを変えていく。
このままでは、抗う事もままならず、一つの都が逢魔が辻に堕ちる事となる。
「猟兵、パナシェのお願いは二つよ」
一つ、都に散り散りになっている集団のオブリビオンの掃討。
一つ、都を支配せんとする三悪人のオブリビオンの討伐。
二本の指を立てながら、パナシェはそれと、と一言加える。
「新世界のオブリビオンさん達は、なんていえばいいのかしら、ええと」
うーんうーんと頭を悩ませ、ポン、と手を打ち笑みを浮かべる。
「そう!新世界のオブリビオンさん達は、生まれ変われるかもしれないのよ」
サクラミラージュの玄朧桜は、過去の残滓のオブリビオンすら転生させる力を持つ。
もしも三悪人を説得し、桜の精が『癒し』を与えられれば、転生の機会を得るという。
「くるくるーって、ひっくり返るみたいだなって、パナシェは思うのよ」
くるくると手を回し、上と下とがひっくり返る様子を表現する。
過去の残滓が、生まれ変わって未来を紡ぐ存在となる。それは正に、逆転といえるだろう。
「悪い人はやっつけなきゃだめよ。でももしも、もしも良い子に生まれ変われたら」
それはとっても素敵な事ね、と。
えくぼの浮かんだ笑顔を送り、猟兵達を帝都へと送り出すのであった。
長井休
長井休です。
サクラミラージュを一発ボカンと楽しみましょう。
本依頼は全章通して戦闘になります。
第1章は、集団戦です。
戦闘力はそれほどでもなく、数の多い『ヒヨリミ』の集団を討伐してください。
武器を持った人間しか相手にしないので、基本的に一般人への配慮は不要です。
都のあちこちに散らばっているので、探しながら戦闘になると思われます。
第2章は、集団戦です。
ヒヨリミが少なくなる事で、戦闘力のある集団敵を更に召喚してきます。
三悪人の前に立ちはだかるように現れる『古塚の呪い』を討伐してください。
第3章は、ボス戦です。
集団戦を終えれば、『三悪ワルイカー一味』との戦闘です。
三人一組のオブリビオンですので、UCに対応した相手との戦闘になります。
サクラミラージュでは、オブリビオンの転生という概念が在ります。
討伐をするも良し、転生を促すも良し、色々試して貰えれば良いと思います。
猟兵のきらめきで勝利をいただき、最後は勝利のポーズで決めましょう。
第1章 集団戦
『ヒヨリミ』
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POW |
●ヒヨリミ台風
予め【二本の刀を掲げて空中でくるくると回転する】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
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SPD |
●ヒヨリミボディ
自身の肉体を【刃のように触れるものを切り裂く布】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
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WIZ |
●無縁火
レベル×1個の【血のように赤い色】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
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👑11 |
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴 |
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●遂に出た出たヤット出た
玄朧桜はその花弁をひらひらと風に乗せ、幻想的な威光を示す。
かぁかぁとカラスが鳴き、夕焼けが差す。商店街は仕事終わりの勤め人や夕食の買い出しの奥様方でごった返す、やると昼との狭間の時刻。
魚屋、八百屋は威勢良く商売の口上を上げ。
学生達が、他愛ない笑い話に盛り上がる。
帝都の威光が色濃く注ぐこの都の、いつもの風景。
しかし。異変は闇夜と共に訪れる。
「おい、ありゃなんだ?」
茜色に染まる都が、じわじわと、まるで乱暴に絵筆で塗りたくるようにして、暗夜の色に染まっていく。
次いで、見た事も無い火の塊が散り散りに、都のあちらこちらへ奔走する。一見すれば愛らしい見た目だが、隠し持った二本の刀がその異常さを際立たせる。
時刻は17時。狭間の刻限。
都は正に、逢魔が辻の最中にあった。
時を同じくして、不遇の都に正義の影がさす。
猟兵は、桜が香る新世界へと降り立った。
紅月・美亜
どうも事前情報と違うな。何か、平和な世界と聞いていた筈だが……まあいい。
「Operation;RAY&UNCHAINED、発令」
射撃精度ならRAYが一番だ。狙った相手をピンポイントで撃ち抜ける。N.D.A.L.C.S.でRAYと視界を同期して遠隔手動操縦だな。
同時にUNCHAINEDを複数配置しておく。こっちは索敵用だ。高感度センサーで敵の位置を素早く補足する。そこにRAYを飛ばしてロックオン、後はトリガーを引くだけだ。それにしても、
「新しい世界の街並みを低空飛行で駆け抜けるのは実に気持ちが良い!」
フォルク・リア
あたりを見渡し
「やっぱり平和な街は活気がある。
どんな世界でもこの人々が尊い事には変わりない。」
ホーリーフロウで自分の左腕を流水に変え
広い範囲に展開して触れる敵を探す。
「さて、行くか。」
目視とホーリーフロウによる索敵を行いつつ移動。
町の人々には自分が猟兵である事を告げ
今現れているものには手を出さない様に。
また、武器や其れに見える物は持ち歩かないで
ほしい旨伝えておく。
敵の攻撃に対してはホーリーフロウの
流水を周囲に薄く張って
【残像】技能を併用して自身の幻影を水に写して敵を攪乱。
敵の隙を突いて流水で包み込み。
【破魔】の力を纏わせた浄化の水で攻撃。
「次に転生して会えるなら
こんな形でない事を願いたいね。」
●そして夕闇は黒に染まる
幻朧桜の花弁がはらはらと舞う。
町の人々の活気が溢れ、夕日がそのレトロモダンな町並みを赤く染めていく。
その只中を、二人の超弩級猟兵が並び歩く。
目深に被ったフードの下から辺りを見回すフォルク・リア(黄泉への導・f05375)の口元には笑みが浮かんでいた。
町の人々の賑わいは、そこがいかに平和であるかを指し示す指標になるものだ。
「(やっぱり平和な街は活気がある)」
平和という、何事もない日常という、代え難い幸福の基に成り立つ活気。
それは誰しもにとって、いかな世界であっても、尊いものであることに変わりはない。
「どうも事前情報と違うな…平和な世界だと聞いていた筈だが」
その横を歩く紅月・美亜(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)もまた、平和な街並みを眺めてはいたものの、これより起こる敵の襲撃に対しての疑問を口にした。
サクラミラージュ。
700年余年もの永きを治める一人の帝の元、一つの時代のまま育った世界。
オブリビオンの脅威は他世界と同様にあるとはいえ、聞いていた情報より事態は剣呑だ。
「逢魔が辻などという現象があって果たして平和なのか」
「どの世界にも、例外的な悪意は渦巻くものだ」
口元に手を遣り、頭を捻る美亜へとフォルクが返す。
一見すれば異国情緒の溢れる異人の美男美女の連れ歩きである。
街の人々は自然と、二人の姿を目で追った。
「例外的ね。まぁいい、私は来る者は撃つだけだ」
得心いった、とはいかないが美亜は一先ず納得の言葉を返す。
一方フォルクは、近場に立っていた帯刀した警察官を見つける。確か、これより現れるオブリビオンは武器を持つものを対象に攻撃を仕掛けてくるのだという話だった。であれば、彼らに言葉をかけておかなければなるまい。
「そこの君、一ついいだろうか」
「はっ!なんでありましょうか?」
ビシッとした態度でフォルクへ向かう警察官。
「これから、この街に災厄がやってくる。だけど、誰にも武器を持たせてはいけない」
フォルクは深いフードの下からとくとくと言葉を放つ。
いぶかしむ警察官はその真意を汲み取れない。
フォルクの横に立つ美亜へと目を向ければ、なにやら不思議な機械をガチャガチャと用意し始めている。この二人は一体なんなのだろう、警察官がそう思っていた事を察して、美亜が付け足す。
「我々は超弩級戦力、影朧共と奴らが連れてくる夜を、晴らしにきた」
言うやいなや。
赤に染まった街は急速に夜の帳を下ろしていく。否、夜なのではない。
宵闇、不自然な黒が町へと広がっていき、ぽつりぽつりと火の玉が、それは次第に数を増やしながら、街を右へ左へと駆けていき始めた。
「キミ、今言ったことを皆に伝えてくれ」
「しょ、承知いたしました!」
美亜の言葉に敬礼した後、警察官は街の人々へ家屋へ避難するようにと大声で叫びながら、自転車で黒に染まり始めた街へと奔りだした。
逢魔が辻。
昼と夜の境目に、怪しき悪が跋扈する。
「Operation;RAY&UNCHAINED、発令」
「さて、行くか」
二人は、静かに戦闘態勢へと移行した。
●参上、超弩級戦力
尋常ならざる数の刀を携えた炎の塊が街を跋扈する。
ヒヨリミと呼ばれるそのオブリビオンは、武器を持つものを徹底的に狙う性質を持つ。
とはいえ、武器を持たざるものに脅威ではないかといえばそうともいえない。
何しろその身は愛らしさがありつつも炎。危険でないという方が難しい。
突然降りてきた夜に戸惑う人々の頭上を、あるいはその只中を、炎が駆ける。
右に左に、人々をすり抜けるようにヒヨリミは獲物を探し疾走する。
不意に、なにか巨大な羽虫が追ってくるような感覚を覚える。
音も無く、だが、間違いなく。高速でなにかが追って来る。
なんの気配なのだろうかと振り返る。
何が起きたのか、認識する事もできず、ヒヨリミはその身を霧散させることとなった。
「タリホー!一機撃墜だ!」
ヒヨリミを撃墜し、美亜は喜びの声が上がる。
テンションが高く思えるのは、STGのような感覚に浸っているからだろうか。
彼女のユーベルコードにより、街には二つの変化が起きていた。
一つ、UNCHAINEDと呼ばれる熱光学迷彩搭載早期警戒機の設置。
これらは索敵用として街の至る所を飛行し、その状況を美亜へと伝える。
一つ、Rと呼ばれる波動砲搭載次元戦闘機の警邏。
50機にも及ぶ戦闘機は、索敵情報を元にヒヨリミの元へと急行し撃破する。
驚くべきはその数と戦闘力もさながら、それらと視界を共有する美亜であろう。
人々の合い間を縫い、あるいは高速上昇し、また下降し地を這うように、目まぐるしく変わる視界に混乱する事も無く、淡々と、あるいはゲームを楽しむかのように、美亜は任務をこなしていく。
「新しい世界の街並みを低空飛行で駆け抜けるのは実に気持ちが良い!」
桜舞い散る街を疾走する快感、ターゲットを捉え撃ち落す快感、いずれも実に爽快だ。
ヒヨリミの大群は、超弩級の遠隔射撃に圧され、確実にその数を減らしていった。
●清き水よ祓いたまえ
美亜がゴキゲンな空中戦闘に対し、フォルクもまた魔術による索敵を行っていた。
「清き流れよ。清浄さを以って邪を払う聖なる泉よ。
その姿を現し、我が道を遮る全てを浄土の果てに押し流せ。」
紡がれる詠唱によりフォルクの左腕は流水へと変化する。
その魔術により生じた水を、町全体へと滴り駆けさせ、己が触れることの出来る敵を索敵する。
大量のヒヨリミが、フォルクのその行動自体を武器を所持していると判断した。
索敵をした矢先から、次々とヒヨリミたちがフォルクの元へと飛来する。
周囲には、まだある程度街の人たちがいた。武器を持っていないとはいえ、安全とは言い難い。
フォルクはその身を向かい来るヒヨリミたちへ向けて、差し出すように疾走する。
次々と姿を見せるヒヨリミは、愛らしいその姿のまま、殺意をむき出しにしたような二刀を構え、その身をまるで刃のような布へと変じていく。あの武器を持つやつを、倒すのだ、殺すのだ。そう言っているかのように思えるほどで。
「さて、どれが本物か分かるか?」
しかし。ヒヨリミたちはいざフォルクと相対すれば、混乱の感情を抱く事になる。
沢山いる。一人、二人、四人。気配は一つ。
それはフォルクがホーリーフロウの流水を操り築き上げた幻影。
水の魔術の作り上げた残像であった。
それでも、ヒヨリミたちのやることは変わらない。
武器を持つ敵を滅ぼし、あの方に、あのお方達に、この街を。
特攻のような思いでヒヨリミは、刃の布を回転させながら次々とフォルクたちへと飛び込む。
癒しの水は、飛び込んできたヒヨリミを優しく抱き、浄化するようにその身の炎を消していく。
「もしも、次に転生して会えるなら、こんな形でないことを願いたいね」
優しき水が喰らう影朧たちの残滓へ向けて、フォルクはそんな事を呟くのだった。
二人の猟兵の活躍により、絶望的とも思われたヒヨリミたちの数も次第に数を減らしていく。
水が呼び、炎を喰らい、浄化する。
奔る炎を索敵し、追撃の後、撃破する。
街は危機に瀕している。街の人々も分かっている。
けれども、心の中には期待と興奮が沸き立っていた。
超弩級戦力。
正義の味方が、この街へ現れた、その事実に。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
猫森・奈緒(サポート)
『あなたの歌を…聴かせて?』
『歌での支援なら任せて』
『私の歌が…あなたの力になるのなら』
猫と蝙蝠のキマイラ…猫森・奈緒よ。
攻撃したりなどの戦闘行為は苦手だけれど…。歌での支援や巻き込まれた人達の避難の手伝いとかなら出来るわ。
あまり戦場で貢献できるタイプではないけれど…。猫の手も借りたい時があれば呼んでね。
基本的にMS様にお任せで、アレンジなどもご自由にどうぞ。
ただ…R18系やそれに近い内容のものだけはNGにさせてもらうわね。
佐倉・理仁
大正マロン、華の帝都ってか……あ、ちょっと待って。俺、ドコらへんに居るんだ?
●
全く物騒なモン引っ提げてフラフラするんじゃねーよ。ツラ構えはマヌケだが、この様子じゃやる事は辻斬りみたいなモンだろ。
ま、俺らにも丁度いい時間帯だ。さあ、【地獄開き】といこう。『高速詠唱』
地獄鍵……剣を持った死霊剣士達を街に解き放つ。見栄えはコッチも悪いがね、敵の目をひくにはいいだろ。
燃そうが斬ろうが死霊共は還るだけ。減った分は追加で喚びなおす『2回攻撃』
人魂饅頭らには悪いが、コイツらは遠慮を知らねーぜ。てなワケだ、容赦なく、バッサリやってきてくれや。
俺?
俺は静かに隠れてるよ。
アドリブ絡み歓迎!
●夜歩く
「大正マロン、華の帝都…ってか」
「随分と美味しそうね」
人々が建屋へと逃げ隠れ、がらんとした通りを絵になる男女が二人歩く。
ヒヨリミの魔の手はまだここまでは届いてないようだ。
佐倉・理仁(死霊使い・f14517)の言葉に猫森・奈緒(真実ノ歌・f18253)が突っ込んだ。
幻朧桜が点々と並び立ち、風が吹けばその花弁がひらひらと踊る。
このまま観光でも出来ればと思う風情だが、そうも言っていられない。
「…そろそろ、来るわ」
「了解…と、ちょっと待って。俺ら、今どこら辺にいるのこれ?」
景色に見惚れていたのか、理仁は思いついたように確認する。
ふらふらと景色に見惚れ歩いていたら、街の端に位置する小さな広場に辿りついていた。
大量の影朧を迎え撃つにはお誂えの場所だ。
「よし、じゃあここで迎え撃つとしよう…俺らにも丁度いい時間だしな」
「ん、分かった」
にっ、と笑う理仁に応える奈緒。
ゴォーンと昏鐘鳴の音が聞こえる刻限、逢魔が辻。
「さて…【地獄開き】といこうか」
●ウヱルカム・トウ・ヘル
器の水を零したように、夕闇の空を黒が侵食する。染みきたる黒の中にちらりちらりと赤い姿。最初はぽつぽつと、次第に、うぞうぞと、その数を増やして空を舞う。
あれに見えるはヒヨリミの大群。武器持つものを無差別に切り裂く悪の御霊。
「全く、間抜けな面して辻斬りみたいな真似しようとはな」
迎え撃つは二人の超弩級戦力。理仁は迫る赤を見ながら詠唱を唱える。
「傷つける者共よ、その手に地獄の鍵を持て」
広場の大地に音もなく、異形の門が姿をゆらめかせつつ現れる。
これなるは死者の門。彼岸と此岸を繋ぐ魔の扉。
「…苦痛と恐怖を、地獄を刻みつけてこい」
詠唱は鍵となり、死者の門を開く。陰鬱とした瘴気を大地に放ち、門の中から黒き煌きを持つ剣を携えた死霊の剣士が次々と現れる。その数はゆうに500体を越えていた。
「見栄えはこっちのが悪いが…ま、敵を惹きつけるには充分だろう」
召喚した死霊を並べ、理仁はその身を隠せる場所を探す。
戦闘は死霊たちにという考えからだが、ふと、微動だにしない少女に気付く。
「奈緒、そこにいたら危ないぞ」
「ありがとう、でも、大丈夫」
奈緒は、ヒヨリミへと向かう死霊剣士達の最奥に立ち、空の果てを見遣る。
戦闘に特化していない彼女に出来ることは、歌うこと。ならば。
「オブリビオンに鎮魂と、剣士達に勇気を、与えようと思う」
そういうと、蝙蝠の装飾を施したマイクを取り出し、深呼吸。
剣を持つものの矜持が敵を斬ることであるなら。
盾を持つものの矜持が人を護ることであるなら。
歌を持つ私の矜持とは、その心を支える事。
「私の魂の全てをぶつけるわ。だから……聴いて。私の歌を」
空を覆う無数のヒヨリミへ、それに立ち向かう死者の剣士へ。
少女の歌声が響き、合戦の火蓋は斬って落とされた。
なんだろう、この音は。なんだろう、あの敵は。
武器を持つものを斬る。それだけが、己の存在意義。
深い思慮を持たない身であっても、疑問に思う。
およそ人とは似つかない、むしろ自分達に近い存在の武器を持つ者たち。
仲間が次々と彼らに襲い掛かる。一人相手に、二体、三体。
状況は拮抗していると思っていたが、不思議と事態は圧され始めている。
あの膨大な数が原因か。いや、それだけじゃない。
歌。あの歌だ。
あの歌は奴らを強くしているのかもしれない。
そして、自分達の心を、鎮めるような、そんな音色。
おかしい。こんな思考は持ちえてはいないはず。
武器持つものを斬り、また武器持つ者を探す。それだけの存在な筈。なのに。
ああ、ああ。もういい。もう分からない。
とにかく斬ろう。あれらを斬って。斬って。そして、あの歌も。
それは凄絶な光景だった。
死霊剣士達は、奈緒の歌に鼓舞されたかのように、肉のなき喉から雄叫びを上げ、迫り来るヒヨリミを次々と屠っていった。その振るう剣の勢いは凄まじく、苛烈を極める。
対するヒヨリミも、その柔和な表情からかけ離れるような痛烈な剣戟を放ち、死霊剣士達へと肉薄した。
黒い粉と瘴気が飛び散り、剣と刀の鳴る戦場は正に地獄の様相であった。
その中に響く、奈緒の清廉な歌声。
風に吹かれ、舞い散る桜の吹雪も合い間って、ひどく幻想的な地獄はまるで絵画のようで。
物陰から隠れていながら様子を見ていた理仁は、肩を竦めて息を吐く。
「…場合によっちゃあもう一度地獄開きをする必要があると思ってたけど」
歌に鼓舞され、奮闘する死霊剣士達はその数を維持し続けていた。
これなら自分は高みの見物。いや、このショウの観客のままでいられそうだ。
清廉な歌声が響く地獄の戦場を彩る桜の花弁。
特等席で楽しめる…というのは不謹慎か。
自嘲するように笑うと、再び眼下のショウへと目をやるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ディー・ジェイ
「夕闇の帝都を走り回るのはテンションが上がるってもんだ」
・逢魔が時を駆ける
基本的に建物の屋根上を走り続け、ヒヨリミを発見したら上空から奇襲、倒したらワイヤーで屋根上に戻って捜索再開を繰り返す。今夜の俺は気分がいい、一人でたっぷり討伐数を稼いでやるさ。
奇襲する際は集中砲火を行いながら接近し、銃弾の雨で回転の勢いを少しでも殺してから辻斬りのようにナイフで斬って通りすがる。
炎をばら撒いて来たら火喰蛇を舞わせてどちらが消滅するか試すようにぶつける。特に戦術的な意味はない、テンションが上がってるからやってみたくなっただけだ。
※アドリブ大歓迎!
●夕闇アッチェレランド
ディー・ジェイ(Mr.Silence・f01341)は宵闇の黒に染められつつある都を駆ける。その瞳に映るのは、数を減らしたとはいえまだまだ大量に街を朱に染めるヒヨリミの集団。
他の猟兵達があの手この手でヒヨリミの数を削り続けている様子も、強化プラスチック越しに確認をする。
ディーが駆けるのは地であって地に非ず。大正独特の実用的でありつつもモダンな造りの建物の上、屋根伝いに戦場全体をその視界に捉えていた。
「(夕闇の帝都を走り回るのはテンションが上がるもんだ)」
誰に聞こえるでもない程度の呟きは吸気口を通過し、音の形だった吐息として排出される。
ガスマスク越しではその表情は窺い知れないが、ディーのテンションは昇り続ける。
桜舞が舞いモダンな建屋に生える夕闇の空。
幻想的というよりは神秘的なノスタルジーを感じさせる風景は、戦場に在る事を常としていたディーの心に風を通し、マスクを着けているにも関わらず口笛の一つでも吹きたく成る程気分を高揚させていた。
「…っと、敵影確認」
ふと下を見下ろせば、集団で標的を探すヒヨリミを見つける。見る限りでは、まだこちらの存在には気付いていない様子。ならばやる事は。
「一つだよな、っと!」
駆ける勢いでディーは屋上から一足飛びに地表へ向けて飛び降りる。端からその様子を見る者があれば、気分の上がった青年が無謀な事をしたと思うほどに、自然な自由落下だった。
その自然さに殺意は全くなく、落ちる速度をそのままにナイフで一体のヒヨリを一閃すれば、ヒヨリミは短く鳴いたような声を上げて黒い粉へと姿を変えた。
「お疲れさん、と」
同族が倒された事に気付いたヒヨリミが一斉にディーへと視線を向ける。
その数は両の手を使っても足りない程だ。
「やれやれ、随分とモテちまったみたいだな…辛いところだねぇ」
ガスマスクの下では、言葉と反して笑顔を浮かべる。
武器を手にするものへと襲い掛かるヒヨリミはその表情までは覗けないが、大量に武器を携えるディーは最も分かりやすいほどの標的であった。
チャリチャリと刀を鳴らし、ヒヨリミの集団は一斉に刀を振り回す。
「おっと、それは悪手だぜ」
動けぬ状態となった回転するヒヨリミは、ただの的でしかない。
パラララと銃弾をばら撒けば、ヒヨリミ達は黒い粉へと化す。粉は風に舞い玄朧桜の花弁と共に空へと登る。ともすれば美しいとも見える光景、だが。
「1部隊撃破、続いて索敵行動に復帰…なんてな」
おもむろに手を屋上へと向けると、バシュッと低い音を鳴らし、グローブから見えない程の糸が放たれる。Silence,S2-logの錘が屋上へかかった事を確認すると、ディーはお身軽に糸を辿り屋上へと戻り、再び索敵を行う。数十秒見回すと、ディーはガスマスクを外し、懐から取り出した葉巻に火を灯す。
「…どうやら、さっきので打ち止めだな」
キンッ、と音を立ててライターをしまうと、咀嚼するようにゆっくり煙を味わう。
目下の敵の討伐を以って、都一帯に敷き詰められていたヒヨリミの殲滅は終わっていた。
「ここから先はいよいよ黒幕のご登場、かね」
吸い終わった葉巻をアッシュトレイにしまう。
空を染める黒を見つめ、ゴキゲンな傭兵は再びガスマスクを被りなおすのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『古塚の呪い』
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POW |
●百手潰撃
レベル×1tまでの対象の【死角から胴から生える無数の腕を伸ばし、体】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
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SPD |
●百足動輪砲
【両腕の代わりに生えたガトリング砲】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【銃弾の嵐】で攻撃する。
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WIZ |
●百足朧縛縄
【呪いに汚染された注連縄】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
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👑11 |
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
富井・亮平
【心情】
なるほどなッ!
こいつが新たなオブリビオン怪人かッ!
粉骨砕身の覚悟で戦うぞッ!
【行動】
「トォリニティィィ・エェンハンスッッッ!!!」
全身に風の魔力が宿るッ!
重視するのは防御力ッ!
これで周囲に風の結界を形成し、敵の掴み攻撃をはじくッ!
仮に掴まれてしまった場合も、風を反発させて叩き付けダメージを軽減ッ!
さらに結界の鋭さを増すことで周囲の物を風の刃で断絶し、腕を切断して脱出するぞッ!
そして、結界とは別に風の精霊を剣や杖に宿らせることで魔法斬や魔法弾も発射して攻撃することができるッ!
この攻防織り交ぜたイェーガーアタックにより邪悪なオブリビオンを駆逐しつくしてやろうッ!
正義の力を思い知るがいいッ!
編堵・希亜(サポート)
「……なに?」
「そうなんだ。」
「私は、私だよ。」
囚人服のようなものを着て、いつも黒猫のぬいぐるみを抱えた女の子。口数は少なく、人見知りで猜疑心は強いものの、猟兵としての仕事をこなすためなら、それなりに人と付き合っていける。
甘い物が大好きで、食べればすぐに機嫌がよくなる。嫌いなモノは、かつて自分のいたアリスラビリンスの世界と、それを連想させるもの。
戦闘では、自分ではあまり戦わず、自身に宿るオウガの『カイ』を戦わせたり、ぬいぐるみをバロックレギオンとして相手を押しつぶしたりする。
『カイ』は上等なドレスを着たラミアで、少し高飛車な話し方。宿主の身は守り、敵には容赦がない。『さぁ、敵はどこかしら!?』
燈夜・偽葉(サポート)
★これはお任せプレイングです★
『ぶった斬ってあげます!』
妖狐の剣豪 × スカイダンサー
年齢 13歳 女
外見 黄昏色の瞳 白い髪
特徴 長髪 とんでもない甘党 柔和な表情 いつも笑顔 胸が大きい
口調 元気な少女妖狐(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)
性格:
天真爛漫年下系ムードメーカー(あざとい)
武器:
刀9本
黄昏の太刀(サムライブレイド)を手に持ち
場合によっては念動力で残り8本を同時に操る
ユーベルコードはどれでもいい感じで使います
敵の動きは見切りや第六感を生かして回避
避けられなければ武器受けで対処します
多彩な技能を持っていて、問題に対していい感じで組み合わせて対処します
●正義見参!
桜舞う都に夥しく現れたのは、古の戦場にて果てた戦士達の首塚より蘇った怨霊。
はらはらと舞う桜の風を切り、命を欲さんと疾駆する。
嗚呼、これこそこの世の地獄だろうか。この世に正義はないのだろうか。
「あるさ!ここにいる!」
シュタッ!という音と共に到着してみせたのは、紛れもなく、正義。
赤いマスクとたなびくマント。ヒーローと呼ばれるその勇姿。
富井・亮平(イェーガーレッド・f12712)が降臨する。
「猟兵戦隊イェーガーレンジャー!ただいま参上!」
威風堂々たる口上にビシッと魅せた決めポーズ。
背景には幻のように、だが、事実のように、盛大な爆破の煙が見えさえする。
「こいつが新たなオブリビオン怪人か!いくぞ!パープル!ホワイト!」
亮平が声をかけると、彼の後ろに控えるように立っていた二人が返事をする。
「…うん。わかった」
「頑張りましょう!」
編堵・希亜(蛇に囚われた少女・f19313)と燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)は、亮平のペースに乗ってはいないが、それでも気持ちは同じだった。
この美しい都に害する輩は許さない。
猟兵と怨霊との戦いの火蓋が切られたのであった。
●狂乱麗舞!
猟兵たちの姿を見受けて、怨霊達が殺到する。
「パープル!ホワイト!露払いを頼む!」
うおおお!という叫びと共に怨霊に両手の武器を振るい突っ込んでいった亮平は同行した二人に声をかける。彼女達がイェーガーレンジャーのホワイトとパープルでないことは、第三者が見たら分かることなのだが、今は猟兵と怨霊しかいないのでその点を言及する者は誰一人としていなかった。
「……パープルって、誰」
「細かい事を気にしちゃいけませんよ!さぁ!ぶった斬っていきましょう!」
やや困惑している希亜を諭すように偽葉は念力を用いて自慢の九刀を構える。その様子に少しの溜め息を吐いて、恐ろしい怨霊の姿を見た心底にある恐怖心を媒介に、希亜も50にも及ぶバロックレギオンを召喚する。
「なるほど、では私も…協力、お願いしますね!」
召喚されたバロックレギオンの軍隊を見て、偽葉はUCによる管狐を呼び出す。
二人の動きを阻害せんと放たれる注連縄は召喚されたバロックレギオンに阻まれ、怨霊達の動きは具に管狐たちが監視する。数体数の戦闘が始まる。
少女二人は、片や刀を、方やぬいぐるみをもって、戦闘地帯へと身を投じた。
●疾風怒濤!
少女二人の後方での活躍を背中で感じ、亮平は心でにやりと笑う。
圧倒的な数の敵、対する味方は自分を含めて3人だけ。守るのは、都。
正にヒーローの出番というに足る、絶好の舞台が整った。
ルーンソードとエレメンタルロッドを振るい、ばったばったと怨霊をなぎ倒し、亮平は次第に高揚していく気分を抑えようとはしない。しかし、嗚呼、それでもしかし。
圧倒的な物量は抗い難く、怨霊達から這い寄る無限の腕が亮平の体を投げ飛ばさんと掴みかかる。その膂力は恐るべきもので、並みの人間なら用意にひしゃげることも出来るだろう。
しかし、ヒーローは揺るがない。
「トォリニティィィ・エェンハンスッッッ!!!」
裂帛の気合を持って詠唱を放ち、その身が風の魔力に包まれていく。疾風となった風の結界は亮平の防御を最大まで引き上げ、それと同時に鎌鼬のように怨霊の腕を切り飛ばしていく。
「ッハァ!!」
眼前の怨霊を踏み台に亮平は飛翔する。眼下に広がる怨霊の群れへ向け、風の魔力を篭めた弾丸が次々と怨霊を撃ち払う。死をも恐れぬ怨霊はそれでも、その勢いを留める事はない。しかし、亮平はそれを意に介することはない。
むしろ彼は、熱く熱く燃えていた。
風の結界を身に纏い、風の魔力で敵を払い、駆逐せんと疾走する。
これぞ完全無欠のイェーガーアタック。正義は我が心と、行いにあり。
「正義の力!思い知るがいい!」
三人の猟兵による疾風怒濤快刀乱麻の大活躍。
怨霊達は、確実にその数を減らしていくのであった。
成功
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真城・美衣子
☆サポート&おまかせ専門
何を考えているかよくわからない猫っぽい少女
&
喋るペンダント『マキさん』
・UDCアース人や猟兵としての一般常識はある
・鋭い感覚、高い運動能力、強靭な肉体で頑張る
・ぼんやりしているけど動きは早い
・無表情で説明もないまま行動するので、奇行に見える事も多いが、本人は一生懸命
・マキさんは主に解説・交渉などの会話を担当
・PLが直接操作しない方針なので挙動はご自由に!
☆セリフ例
「にゃ」
『みーこさんは「こんにちは」と言っています』
「……すんすん」
『みーこさんはニオイを確認しているようです』
『お時間よろしいでしょうか、事件についてお話を……』
「にゃ」
『みーこさん、今は喋らないでください』
●猫猫発奮!
「にゃ」
『えぇ、綺麗ですねみーこさん』
戦禍の只中にあってなお、幻朧桜は帝都を彩る。
ハラハラと舞う淡く光る桜の花弁を一摘み、真城・美衣子(まっしろみーこ・f12199)は無表情に喉を鳴らす。
逢魔が辻の夜の中でも白が映える可憐な少女であるが、その実は限りなく猫に近い少女だ。
その意思を汲み取り会話が可能なのは、彼女の相棒であるペンダントの「マキさん」だけである。
「にゃ」
『みーこさん、食べたらダメですよ』
桜の花びらは可食花弁ではあるが、流石にそのまま食べては問題がある。
興味津々と桜の花びらの香りを嗅ぐ美衣子に、マキさんは無機質に静止をかける。
一見すれば帝都へ見学に来た二人だが、時はまさに逢魔が辻。魑魅が沸き、魍魎が跋扈する闇の時間。
仲睦まじくやりとりをする美衣子の背後に、古塚の呪いの一団が迫る。
美衣子の姿を見るやいなや、素早く攻撃体制をとる。
ガキン、キン。
視界一帯を殲滅するガトリングが重金属音を鳴らす。
標的は、勿論。
「にゃ」
不意に、背後から声がした。
振り向く間も無く、呪いの一体に拳が刺さる。
次いで、足。肘。距離を置き、手刀。足刀。膝。目まぐるしく、それでいてプログラムされたように正確な連続の打撃。呪いの赤い鎧が、ひび割れ、欠けて、砕けて、散る。
それは桜の花びらよりも醜くはあったが、まるで花吹雪のようで。
『標的沈黙、みーこさん、殲滅しましょう』
無機質なマキさんの声が鳴る。
完全に沈黙した呪いを見下ろし、残る集団へと眼差しを送る美衣子は。
「にゃー」
ひどく無感情で無慈悲な声を上げ、再びその拳を振るうのだった。
大成功
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