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能天気系猫耳アイドル『ネコミィ』

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●キマイラフューチャー
 人類滅亡後の地球(?)らしき惑星。
 人類の遺したポップなサイバーパンク都市に、何らかの理由で生き残ったキマイラ達が楽しく暮らしている。
 しかも、食べ物が豊富で暮らしに困らないため、住民はみんな何らかのアーティストになっており、動画をアップして『いいね』を貰ったり、ダンスをしたりして暮らしている。

●ライブ会場
「みんな、今日も丸くなっているかニャー!」
 能天気系猫耳アイドル『ネコミィ』が、マイク片手に観衆達に呼び掛けた。
『んにゃあああああああああああああああああああ!!』
 観衆達は肉球ウチワを高々と掲げ、ネコミィの呼び掛けに応えた。
「よぉーし、それじゃ今日も始めるニャヨ~!」
 ネコミィが軽快な音楽に合わせ、脱力ヴォイスで歌を歌う。
 それに合わせて、観衆達がウチワを振り、ねこじゃらし型ペンライトが、ほんのり煮干し色に光っていた。
 ライブはマタタビ飛び交う大熱狂の中、始められたものの、ネコミィにはひとつだけ心配な事があった。
 それはネコミィ宛に届けられた犯行予告……。
 『今日のライブを中止しなければ、観衆達が死ぬことになる』。
 そんな一文が書かれた手紙と共に、届けられた大量のピザ。
 スタッフ達はそれを大喜びで食べ、仲良く揃って、病院に運ばれた。
 そう言った事もあり、スタッフが不足している中で始まったライブ。
 何やら不穏な空気が漂う中、ネコミィの十八番『三味線なんかにしたらダメダメ♪』のイントロが流れ始めた。

●ガジルからの依頼
「ネコミィを助けて!」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が今にも泣きそうな表情を浮かべ、猟兵達に対して今回の依頼を説明した。
 ネコミィは知る人ぞ知る超人気地下アイドル。
 正確には、一部の熱狂的なファンに支えられ、何となく活動しているアイドルに、ピンチが迫っているらしい。
 おそらく犯人はネコミィに対して、何かしらの恨みを持つ者。
 場合によっては、既に会場に来ている可能性もあるようだ。
 その犯人が何らかの行動を起こす前に、阻止する事が今回の目的である。


ゆうきつかさ
 現時点で分かっている事は、ほとんどありませんが、ネタ依頼なので気にしたら負けです。
 例え、マトモな行動をしたところで、ネタキャラにされる可能性が高いので、色々と諦めておきましょう。
 また、リプレイはプレイングによって作り上げていくものだと言う考えなので、あえてオープニングでは多くの情報を出しません。
 その分、面白ければどんどん採用してくれので、色々なプレイングを掛けてみてください。
 ノリと勢いで何とかなったり、キャラクター的に動かしやすかった場合は、例え無茶なプレイングであっても何とかなったりします。
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第1章 冒険 『アイドルライブを怪人から守れ!』

POW   :    自分がアイドルに扮してステージに立ち、怪人を迎え撃つ

SPD   :    ステージ周辺に秘密裏に潜伏し、怪人を待ち受ける

WIZ   :    スタッフに紛れ込み、怪人の出現に備える

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

高野・エドワード
んにゃあああああああああああああああああああ!!

行ってみたかった!行ってみたかったんだよアイドルのライブ!!
ネコミィ詳しく知らないけど、こういうのって雰囲気を楽しむものなんだろう?ちゃんと仕事するのは大前提としても、折角だから楽しまないと損だしネコミィにも失礼だよね!!

できたら【目立たない・忍び足】で観客席の最前線を陣取りたいな!それなら全力で楽しめるし、何かあったとき動きやすいんじゃないかい?あ、翼は邪魔になりそうだし仕舞っておこう。

後はできる範囲で【視力・第六感・聞き耳】で観客に怪しい人がいないか注意しておきたいね。
もし変な奴を発見できたら、ユーベルコードを使用して秘密裏に見張るニャア!



●ライブ会場
「んにゃあああああああああああああああああああ!! 行ってみたかった! 行ってみたかったんだよ、アイドルのライブ!! この熱気! この空気! たまらないにゃああああああああああああああああ!」
 高野・エドワード(愛のガチ勢・f00193)は最前列に陣取り、最前列でネコミィのライブを楽しんでいた。
 ネコミィのライブチケットは、発売と同時に完売するほど、大人気!
 そのため、ライブチケットの入手は困難かと思われたが、ライブ会場の近くにいたファンが、ライブチケットを大量に配っていたため、容易に入場する事が出来た。
 この時点で、何やら微妙な気持ちになったものの、会場の熱気はホンモノ。
 正直なところ、エドワードはネコミィの存在を知らなかったが、それでも楽しむ事が出来る程、ライブ会場はほんわかマタタビムードに包まれていた。
 特に最前列の熱気は半端なく、ジッとしているだけでも、魂が震えるほどの熱量で、思わず一緒になって叫んでしまう程だった。
「……ん?」
 だが、ひとつだけ気になる事があった。
 会場に……マグロがいる。
 いや、正確にはマグロ怪人っぽい何かがいる。
 思わせぶりにフードを被って顔を隠しているが、そのせいで余計に怪しく、色々な意味で悪目立ちしていた。
 もちろん、見た目が怪しいからと言って、犯人とは限らない。
 それでも、念のため声を掛けた方が良さそうな感じになっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ネミ・ミミーニーズ
なるほどなるほど。
状況はよくわかった!ここは私に任せてもらおう!

「ズバリ犯人一味はもう会場に潜入している!そこだ!」
(たくさん届いたピザ指差し)

まったく巧みな怪人め、私でなければ見逃すところだった。
怪人の擬態能力と変身能力を駆使すれば薄っぺらいピザになりすますことなど容易。
既に多数の犠牲者が出てしまったがこれ以上悪さ出来ないようとっちめてやりましょう。

と、言うわけでピザ食べてます。
冷めてるとあんま美味しくないわね。



●ネコミィの控室
「なるほど、なるほど。状況は、よくわかった! ここは私に任せてもらおう!」
 ネミ・ミミーニーズ(蒸気打ちの妖精・f00595)は探偵チックな雰囲気を漂わせ、ネコミィの控室に関係者達を呼び集めた。
「一体、誰がこんな事を……」
 敏腕マネージャー桜吹雪大五郎は、カブキメイクで見栄を切る。
 この時点で『お前、マネージャーじゃないだろ!』と、ツッコミを入れたくなったが、今回の一件とは関係ないので軽く流した。
「絶対、外部の犯行よ!」
 鉄仮面プロデューサー鬼瓦ゴンザレスが、ヒステリックな声を上げる。
 この事件が起こるまで、イケメンマッチョ達と一緒に、おしくらまんじゅうで欲望の限りを尽くしていたせいか、全身汗だくになっており、何やらセクシャルな香りを漂っていた。
 そう言った意味で、彼女(?)は今回の一件とは無関係。
 犯人ではない……はず。
「それで、犯人は……」
 通りすがりの清掃員、ジャック・オリバーは、頭の紙袋を被った姿で、鋭い眼光をネミに向けた。
 彼は行き先々で事件に遭遇しているようだが、おそらく彼も……無関係。
「ズバリ! 犯人一味は、もう会場に潜入している! そこだ!」
 その視線に気づいたネミがキリリとした表情を浮かべ、ネコミィ宛に沢山届いたピザの山をビシィッと指差した。
「「「な、なんだって!?」」」
 その場にいた全員が、劇画タッチで驚いた。
 まさに衝撃、目から鱗。
「まったく巧みな怪人め、私でなければ見逃すところだった。怪人の擬態能力と変身能力を駆使すれば、薄っぺらいピザになりすますことなど容易。既に多数の犠牲者が出てしまったが、これ以上悪さ出来ないよう、とっちめてやりましょう」
 そう言ってネミが目の前のピザを、問答無用で食べ始めた。
 控室に届けられたピザは、どれも美味しく、高カロリー。
 その上、トッピングをしまくっているせいで、半端なくボリュームがあった。
 だが、ピザに使われていた油が合わなかったのか、食べている途中でゴロゴロと腹が鳴り、気が付いた時にはトイレを目指して、全力ダッシュをかましていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ピードル・ニュービー
んにゃあああああああああああああああああああ!!
あっいけないけない。観客と一緒になって盛り上がっちゃ、ネコミィのライブを盛り上げていかないとニャ。もちろん怪人の監視もですニャ。


人手不足のネコミィのライブスタッフになり【楽器演奏】と【パフォーマンス】でネコミィの十八番『三味線なんかにしたらダメダメ♪』のベースをボクのショルダーキーボードで演奏してネコミィを引き立てますよ。その傍らでユーベルコードで15体の召喚したミニボッツを観客席に忍ばせて怪人の動きを見張らせますね。



●ライブステージ
(「んにゃあああああああああああああああああああ!! まさか、こんな事になっていたなんて……。これはネコミィと一緒に、ライブを盛り上げていかないとニャ!」)
 一方、ピードル・ニュービー(音楽好きな機械傭兵・f01112)は人手不足のライブのスタッフとして、ネコミィの十八番『三味線なんかにしたらダメダメ♪』のベースを、ショルダーキーボードで演奏して盛り上げた。
 その間も15体の召喚したミニボッツを観客席に忍ばせ、マグロ怪人と思しき観衆を監視していたのだが、ずっとイライラしており、何やら怪しげ。
 しかも、ネコミィに向けられた視線も、妙に殺気立っており、とてもファンには見えなかった。
 そういった意味でも、怪しさ爆発。
 『コイツが犯人でなくて、一体だれが犯人なんだ!?』と言わんばかりに怪しげな雰囲気が漂っていた。
 だが、推理者の定番的に考え方をすれば、マグロ怪人と思しき観衆はシロ。
 真犯人は別にいると言う考えに至るのだが、そう思う事が出来ない程、怪しげな雰囲気と同居している感じであった。
 故に、ミニボッツ達に見張らせているものの、その行動ひとつひとつが怪しかったため、『もうコイツでいいんじゃね?』的な気分になった。

大成功 🔵​🔵​🔵​


●休憩中のネコミィ
「うにゃあ……」
 ネコミィはライブ途中の休憩タイムで、テーブルに突っ伏したまま、グッタリとしていた。
 犯行予告があった事もあり、辺りは妙にピリピリムード。
 そんな空気が観衆達にも伝わったのか、何やら今日は調子が出ない。
 例えるなら……そう。
 まるで喉に毛玉が詰まったような感覚だった。
「う~、駄目にゃ、駄目にゃ!」
 ネコミィがハッとした表情を浮かべ、心の中に芽生えた真っ黒な感情を振り払う。
 こんな気持ちで歌を歌ったところで、ライブが成功する訳が無い。
 だから、そうなる前に喉に詰まった毛玉と一緒にポイッである。
霧城・ちさ
私もライブというものを見てみたかったのでちょうどいいお仕事ですわね
んにゃーと掛け声をしてこのペンライトを振ると仲間になれた気がしますの
周りの方とお話できたら最近悪い噂がないかとか確認していきたいですの
ここでの聞き方もファンの中に犯人がいるというのも考慮に入れておかないといけませんわね
挙動が怪しく情報がきけなければ賢者の影を試してもいいですわね
場合によっては多少怪我するかもしれませんが私が治してさしあげますわっ



●休憩中の観衆達
「何だか『んにゃー』と掛け声をして、このペンライトを振ったせいか、皆さんと仲間になれた気がしますの」
 霧城・ちさ(夢見るお嬢様・f05540)は隣の座っていたファン達に対して、最近悪い噂が流れていないか話を聞いていた。
「……怪しい奴か。おそらく、これは『にわかファン』の犯行だな。まったくストーカーの風上にもおけんヤツめ!」
 凄腕ストーカー猫田ネコスキーが、ムッとした様子で拳を握る。
 猫田ネコスキーは通報される事、数千回。
 ナイト気取りでネコミィに付き纏い、昨日食べたニボシの数から、吐き出した毛玉の量まで把握しているド変態。
 彼の手に掛かれば、妄想しただけで、本人の身体に鳥肌が立つほどのレベル。
 その彼が言うのだから、おそらくそうなのだろう。
「まったく、にわかファンにも困ったものですね」
 全裸に蝶ネクタイの紳士ポルノ三十郎も、優雅に紅茶を飲みながら、不機嫌な表情を浮かべた。
 あまりにも自然に紅茶を飲んでいるせいか、『ひょっとして、そういう文化圏のヒト?』と思いがちだが、誰がどう見ても通報レベルの姿であった。
「なるほど、『にわかファン』の犯行ですか……」
 そんな中、ちさが物思いに耽る。
 個々の来て、ようやく確信する事が出来た。
 犯人はライブ会場の何処かにいる……と!

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『マグロ怪人ツーナー』

POW   :    止められない止まれない
【食べられるという恐怖心から無限のスタミナ】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD   :    そんなことより助けて欲しい
レベル分の1秒で【腕を振り払うことで自らに噛み付いてる猫】を発射できる。
WIZ   :    水を得たお魚
【水鉄砲】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を水浸しにし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●マグロ怪人現る
「ネコミィ、死ねえええええええええええええええ!」
 マグロ怪人ツーナーが暴れたのは、それからすぐの事だった。
 ネコミィのデビュー曲『マグロは必ず頭から』のイントロ部分を聞き、内に秘めていた怒りが爆発してしまったようだ。
 こうなると誰も手をつけられず、まるでモーセの如く勢いで、観衆達が道を開けていく。
 だが、このままマグロ怪人ツーナーを放っておけば、間違いなくステージに上がり込み、ネコミィが絶体絶命の大ピンチに陥ってしまうだろう。
ネミ・ミミーニーズ
む!おのれ怪人!
私がちょっと目を離した隙に会場に潜入しているとは!

ホントなら今すぐたたき出してやりたいとこだけど既にライブ中!
ここはライブ演出に見せかけてリズムに合わせて戦うしかない!
迫りくる怪人に合わせてタイミングよくユーベルコードを使うにゃ!
飛んでくるにゃんこをキャッチして高得点を目指そう!

うー!にゃー! ネ コ ミ ン にゃー!


そんなわけでSPDな【妖精の便利な槌】で怪人を攻撃。
地面にめり込んでてください。


高野・エドワード
なっ、まさかあのマグロが犯人だったのか!!……いや、まぁ、うん、そりゃそうだよね。
しかし、あのマグロは些か目立ち過ぎてないかい…?もしやあれは囮で、本命は別にいるとか!?……うーん考え過ぎかな…。

OK。まずはユーベルコードに一般市民を巻き込まないよう、素早く翼を広げて飛ぶよ。人込みを掻き分けて怪人に近づこうとすると時間が掛かるしね。
翼を広げた時に後ろの人が巻き込まれるかも?大丈夫、僕の翼はふかふかだし綺麗だから。
…でもごめんね!今は一刻を争うんだ。

「マグロはお寿司で頂くのが一番だよ…ニャ!!」

大声でそう言ってこちらに気を引き、その後【高速詠唱・全力魔法】を行使してユーベルコードを発動するよ。



●ライブ会場SS席中央
「……む! おのれ怪人! 私がちょっと目を離した隙に、まさか会場に潜入していたとは!」
 ネミ・ミミーニーズ(蒸気打ちの妖精・f00595)がハッとした表情を浮かべ、マグロ怪人ツーナーの行く手を阻んだ。
 ここでマグロ怪人ツーナーを叩き出す事は簡単だが、残念ながら今はライブ中。
 このままマグロ怪人ツーナーと戦えば、確実にライブが滅茶苦茶になってしまう。
 それが分かっているせいか、ネミも本気を出す事が出来ないため、ライブ演出に見せかけて、マグロ怪人ツーナーに攻撃を仕掛ける事にした。
「そこを退けえええええええええええ! 俺はネコミィのせいで、いつも頭を齧られているんだぞ! そのツラさが、お前に分かるかああああああああああああ!」
 だが、マグロ怪人ツーナーが、考えを改める事はない。
 瞳から溢れんばかりに涙を浮かべ、そのままネミにタックルを食らわせようとした。
「うー! にゃー! ネ コ ミ ン にゃー!」
 そのタイミングに合わせ、ネミが【妖精の便利な槌】を振り下ろし、マグロ怪人ツーナーを地面にガッツリめり込まれた。
「うぐぐ……、何故だッ! 何故、俺が……こんな目に!」
 マグロ怪人ツーナーにとって、それは予想外の展開だった。
 まさか、誰かに邪魔をされるとは夢にも思っていなかったため、受け身が取る事さえ出来ず、気がついた時には地面とディープキスだった。
「うにゃー!」
 その隙をつくようにして野良猫達が、マグロ怪人ツーナーに飛び掛かり、牙や爪を突き立て、欲望の限りを尽くすのだった。

●ライブ会場SS席東側
「ま、まさか、あのマグロが犯人だったとは……!? ……いや、まぁ、うん、そりゃそうだよね。しかし、あのマグロは些か目立ち過ぎてないかい……? もしやあれは囮で、本命は別にいるとか!?」
 高野・エドワード(愛のガチ勢・f00193)は名探偵チックな雰囲気を漂わせ、事件の裏に黒幕の存在が潜んでいるのではないかと考えた。
 おそらく……いや、間違いなく、黒幕がいる。
 それは尺的な理由もあるが、誰かがマグロ怪人ツーナーを嗾けたと考えれば、色々な意味で納得がいく。
 その人物が本当の意味での黒幕ッ!
 つまり真犯人と言うヤツである。
「ごめんね! 今は一刻を争うんだ」
 すぐさま、エドワードは翼を広げて飛び上がり、観衆達を掻き分けてマグロ怪人ツーナーの前に降り立った。
 おそらく、マグロ怪人ツーナーが、何かを知っているはず。
 しかし、マグロ怪人ツーナーは野良猫達に襲われ、酷い有様。
 身体の所々がモザイクに包まれ、赤身の部分が丸出しになっていた。
「マグロはお寿司で頂くのが一番だよ……ニャ!!」
 次の瞬間、エドワードが【高速詠唱・全力魔法】を行使して、自身の装備武器を無数の【ブルースター】の花びらに変えると、マグロ怪人ツーナーを攻撃した。
 最初は話を聞くつもりでいたのだが、ついウッカリ……。
 『切り身にしてからでも、遅くはないだろう』と言う考えが芽生えた。
「うにゃー!」
 それに驚いた野良猫達がぴょんと飛び跳ね、『ひょっとして、イジめるの?』と言わんばかりに瞳をウルウルきゅるるんモード。
「まだ食事の途中だったね。ほら、大丈夫。怖くないよ」
 そう言ってエドワードがマグロ怪人ツーナーの一番おいしい部分をもぎ取り、野良猫達に振舞うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧城・ちさ
マグロ怪人が出ましたわねっ
頭のマグロは本物か被り物か気になりますの
引っ張って確かめたいですわね
頭から食べるマグロがこんな姿では食欲が湧きませんの
マグロに悪い噂が流れても仕方ありませんわね
ネコミィさまを助けるためにもステージに上げさせませんわっ
ネコミィさまを守るためにも正面から通行止めですの
そのお姿では会場にいるのもいけませんわね
私とうさぎさんでブロックしますわね



●ライブ会場SS席西側
「とうとうマグロ怪人が現れましたわねっ。頭のマグロが本物なのか、被り物か気になりますの。これは近寄って確かめてみなければ……!」
 霧城・ちさ(夢見るお嬢様・f05540)は妙な使命感に包まれながら、マグロ怪人ツーナーに近づいていった。
 既にマグロ怪人ツーナーは綺麗に捌かれ、頭部以外にモザイクが掛かっていた。
 それでも、何となく生きているのか、『ビクッ! ビクッ、ビクッ! ビクン!』と身体を震わせ、まだまだ健在である事をまわりにアピールしていた。
「それでは、さっそく調べてみますの」
 ちさが覚悟を決めた様子で、マグロ怪人ツーナーの頭部を引っ張った。
 マグロ怪人ツーナーの頭部は軽くスポッと抜け、その中から……人の顔……いや、妙にリアルな人面魚寄りの顔が現れた。
「「「……!?」」」
 これには、まわりの野良猫達もドン引きしたのか、全身の毛を逆立て警戒モード。
 だからと言って、先程まで食べていたモノを吐き出す訳にも行かず、『何も見てニャイ……何も見てないニャ!』と言わんばかりに視線を逸らした。
 そうしなければ、リバースしてしまいそうな程のグロさ。
 被り物を取ったちさ自身も、『こんな姿では食欲が湧きませんの』とゲンナリムード。
 しかし、マグロ怪人ツーナーは、身体の大半を野良猫達に食べられ、虫の息。
 そのため、反論するだけの余裕もなく、まわりには天使の翼を生やしたマグロ達が、マグロ怪人ツーナーを天国的なところに運ぶため、スタンバっている様子であった。
 それでも、念のために【やさしくかわいい白うさぎさん】と【ワイルドでかっこいい黒うさぎさん】で、マグロ怪人ツーナーの行く手を阻んでいるものの、いまのところこれといった動きはない。
 後は、このままネコミィを避難させるか、マグロ怪人ツーナーを何処かに運ぶか、真犯人を捜すだけである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カレン・ナルカミ
ラブミィ! ネコミィ! んんんにゃー♪
オタ芸集団に混ざって激しくペンライト振るってたんだけど
猫ちゃんたちにガツガツ食われているマグロに気付いて駆けつけますわ

ライブ中にお弁当食べるとか信じらんないっ!(ぷんすか!)
持ち主はどこのどなた様、シメてやるから教えなさい
すぐ言え。早く言え。3秒以内に言え。
フォックスファイアでもっと美味しくしちゃうにゃー!
と、メラメラと火の玉でジャグリングしながら脅す

答えても、答えなくてもフォックスファイアで美味しくなるまで燃やすわ
助けるなんて言ってないもん



●ライブ会場SS席最前列
「ラブミィ! ネコミィ! んんんにゃー♪」
 カレン・ナルカミ(焔桜の糸遊狐・f02947)はオタ芸集団に混ざって、激しくペンライトを振るっていた。
 ほとばしる汗が綺羅星の如く輝き、ペンライトが幻想的に光る。
 観衆達と一緒に呼吸を合わせ、動きを合わせ、心をひとつにして踊るオタ芸も、これまた格別。
 気がつくと、見ず知らずの相手であった者達と打ち解け、ひとつの目標に向かってまっしぐらな感じであった。
 そんな中、カレンは野良猫達の御馳走になっていたマグロ怪人ツーナーに気づき、クルリと踵を返して、その場にサッと駆け付けた。
 マグロ怪人ツーナーは、瀕死の重傷を負っており、地面に『犯人は野良猫……』とダイイングメッセージを残していた。
 こんな事をして、何の意味があるのか分からないが、野良猫達にとってマグロ怪人ツーナーが御馳走だった事は間違いない。
「……まったく、ライブ中にお弁当食べるとか信じらんないっ! 持ち主はどこのどなた様、シメてやるから教えなさい。……すぐ言え。早く言え。3秒以内に言え」
 カレンが、ぷんすかと怒った様子で、マグロ怪人ツーナーをジロリと睨む。
 マグロ怪人ツーナーは何か言いたげな様子で、口をパクパクさせていたが、その言葉がカレンに届く事はない。
 しかも、野良猫達も気まずい様子で、知らんぷり。
 ただし、口元には御馳走を食べた『証拠』が残っていたりするのだが、それでもダンマリを決めていた。
「それなら、御仕置きするだけよ! フォックスファイアで、もっと美味しくしちゃうにゃー!」
 次の瞬間、カレンがフォックスファイアを仕掛け、マグロ怪人ツーナーをもっと美味しくこんがり焼いた。
 それは野良猫達にとってのパラダイスタイム。
 みんな心の中でカレンに感謝しつつ、マグロ怪人ツーナーだったモノを思う存分、喰らいつくした。
「こ、これは、どういう事だァ!」
 それを目の当たりにしたパスト・フォーサイスが、信じられない様子で叫ぶ。
 すべてが予想外。
 まったく想像していなかった未来が、そこに広がっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『パスト・フォーサイス』

POW   :    来い!俺様の手下どもっ!!質より量で押し潰せ!!
【相手している猟兵の10倍の数の雑魚キャラ】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ!!!
【武器を使った怒涛の連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    俺様は逃げるから、後は任せたぞ!俺様ちゃん人形!
自身が戦闘で瀕死になると【逃げる時間稼ぎ用の巨大パスト君ぬいぐるみ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は百目鬼・明日多です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ネミ・ミミーニーズ
ようやく黒幕のお出ましね!
それにしても可愛い子ね。
これはつまりそういうことね。
一連の事件はなるほどそういうことね。
なるほどなるほど。

ネコミィちゃんかわいいものね!
素直になればおねーさんも協力してあげないこともないわよ!
好きなんでしょう!
わかってるわかってる!
もう何も言わなくて平気よ!

そんなわけでパストくんを応援するためにおねーさんの特製ガジェットを貸してあげましょう。
これでネコミィちゃんと仲良くなれること間違いなし。
ぁ、変なとこ触るとそれ爆発するから注意ね。
会場の皆さんを巻き込まないとこで爆発してね。


高野・エドワード
おっ、ボスのお出ましかい!自分から姿を現してくれるなんて中々気が利くじゃないか。
OK!相手になってあげるよ。また翼をバサァッと広げて空中へ。

花弁が届くギリギリの距離を維持しつつ、全速・全力で敵に瑠璃花弁の嵐を放つよ。
青き愛の洗礼をその身に受けて貰おうか!


しかし…あのマグロ君は兎も角、ボス君は何故ネコミィを狙うんだい?
ボス君も同じパフォーマーだったんだけど人気を奪われちゃった、とかかな。

と、ちょっと興味本位で聞いてみよう。
決して煽りたいわけじゃないんだよ。ただ気になっただけで。
まぁどんな理由があるにせよ、楽しいライブを滅茶苦茶になんてさせないけどね!これが終わったら僕、ネコミィと握手するんだ…!



●黒幕登場……?
「……おっ、ボスのお出ましかい! 自分から姿を現してくれるなんて、中々気が利くじゃないか」
 高野・エドワード(愛のガチ勢・f00193)がネコミィの歌声を耳にしながら、パスト・フォーサイスの前に立つ。
 だが、パスト・フォーサイスは、何やら不満げな様子。
「……って、何の話だ! 俺はマグロ怪人ツーナーから相談を受けて、悪の大魔王ネコミィを倒しに来ただけだ! お前達だってネコミィが、どんなに酷い奴なのか知っているだろ! アイツはマグロを頭から食べるようなヤツだぞ!? あり得ないだろ、フツー!」
 パスト・フォーサイスが全身に鳥肌を立たせながら、ガタブルと身体を震わせた。
 おそらく、マグロ怪人ツーナーから、話盛り盛りホラータッチで、話を聞かされていたのだろう。
 『想像しただけでも、吐きそう……』と言わんばかりに、顔面蒼白。
 半ば思考停止状態で、ネコミィを敵視しているようだった。
「それにしても、可愛い子ね。これはつまりそういうことね。一連の事件はなるほどそういうことね。なるほど、なるほど」
 そんな中、ネミ・ミミーニーズ(蒸気打ちの妖精・f00595)が色々と察した様子で、力強くウンウンと頷いた。
 何だか、よく分らないが、すべて分かった!
 まさに名探偵、爆誕の瞬間である!
「な、な、何が分かったって言うんだよ!?」
 パスト・フォーサイスが激しく動揺した様子で、大袈裟にグググイッとたじろいだ。
 何だか、よく分らないが、物凄く気まずい雰囲気……。
 たった一言で、白が黒になりそうな勢いであった。
「ネコミィちゃん……、かわいいものね! 素直になれば、おねーさんも協力してあげないこともないわよ! 好きなんでしょう! わかってる、わかってる! もう何も言わなくて平気よ!」
 ネミが物凄くイイ笑顔を浮かべながら、パスト・フォーサイスの背中をポンポン叩く。
「そ、そんなんじゃねーよ! つーか、マグロを頭から食うようなヤツだぞ!? そんな奴……好きになる訳がねーだろ! それに、どっちかと言えば、ねーちゃんの方が……って、そう言う事じゃねーから!」
 パスト・フォーサイスが顔を真っ赤にして、途中まで言いかけていた言葉を飲み込んだ。
 別に恋愛感情を抱いている訳ではないようだが、本人を目の前にして言うような事では無かったため、とても恥ずかしい気持ちになっているようだ。
「それじゃ、マグロ君の仇討ちをするため、ここに来た感じかな? まあ、マグロ君にも、色々と事情があったようだけど、別にネコミィもまわりを煽るつもりで歌っていた訳じゃないからね。もう少し話し合うべきだったんじゃないのかな? まぁ、どんな理由があるにせよ、楽しいライブを滅茶苦茶になんてさせないけどね! ……と言うか、これが終わったら僕、ネコミィと握手するんだ……!」
 エドワードが何かを悟ったような表情を浮かべ、スタイリッシュにフラグを立てた。
 何やら背後に死神やら、死界の王やら、負の女神やらが浮かんでいるものの、何となく心強い味方達のようにも見えた。
「つーか、邪魔をするんだったら、お前達だって容赦しないからなッ! ギッタンギッタンにして、二度と悪さが出来ないようにしてやるからなッ! ……来い! 俺様の手下どもっ!! 質より量で押し潰せ!!
 パスト・フォーサイスが半ば逆ギレした様子で、ポコポコと雑魚キャラを出現させた。
 雑魚キャラ達は見るからにザコっぽく、倒されるためだけに存在している感じであった。
「……OK! 相手になってあげるよ」
 すぐさま、エドワードが翼をバサァッと広げ、花弁が届くギリギリの距離を維持しつつ、自らの装備武器を無数の【ブルースター】の花びらに変え、出来立てホヤホヤの雑魚キャラを倒していく。
「えっ? も、もう!? もう倒したのか!」
 パスト・フォーサイスが信じられない様子で、目をパチクリさせた。
 雑魚と言うだけあって、瞬殺。
 攻撃を仕掛ける前に、全滅である。
 それを受け入れる事が出来ない為、パスト・フォーサイスがぐぬぬと唇を噛み締めた。
 出来る事なら夢であってほしい。
 というか、これは夢……。
 『もう夢でいいでしょ……!』と言わんばかりにションボリムード。
「何か誤解があったようだけど、ネコミィちゃんは悪い子じゃないから、仲良くしてあげてね。そんなわけでパストくんを応援するために、おねーさんの特製ガジェットを貸してあげましょう。これでネコミィちゃんと仲良くなれること間違いなし」
 ネミがパスト・フォーサイスを励ましながら、不安定なガジェットを手渡した。
「い、いや、誤解な訳ないだろ。絶対にアイツが悪いッ! ……と言うか、何だ、これ?」
 そう言いつつパスト・フォーサイスが、不安定なガジェットを触り始めた。
「……あ、変なとこ触ると、それ爆発するから注意ね」
 ネミが何かを思い出したように、さらりとツッコミを入れた。
 次の瞬間、不安定なガジェットがボンと音を立てて弾け、パスト・フォーサイスがコントちっくにアフロ頭でススまみれになった。
「うう……、やっぱりお前達は、敵だああああああああああああああああああ!」
 これにはパスト・フォーサイスもブチ切れ、再び雑魚キャラ達を出現させ、猟兵達に攻撃を仕掛けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧城・ちさ
マグロ怪人さんが歌詞が気に入らなくて襲おうとしていたのをわかってないみたいですわね
あのマグロさん……凄い顔でしたの
大勢の敵には私たちも数で対抗しますの
うさぎさん達ならきっとパストさまもお気に入り間違いないですの
かわいいうさぎさんと遊べばきっと仲良くなれますの
ごめんなさいでるのは早いうちがいいですわね
ネコミィさまが悪さをするような方かステージを見るといいですわっ



●野良猫達と一緒に
(「どうやら、マグロ怪人さんがネコミィさまを襲おうとしていたのは、歌詞が気に入らなかった為だと言う事を、分かっていないようですわね」)
 霧城・ちさ(夢見るお嬢様・f05540)は野良猫達に囲まれ、まったく身動きが取れなくなっていた。
 その間も野良猫達は、身体を擦り寄せたり、服を引っ張ったりして、『遊んで、遊んで♪』モードに突入中。
 ちさが、あれこれ考え事をしているせいか、心配そうに顔を覗き込んでいる野良猫もおり、そこだけ野良猫パラダイスと化していた。
 そのため、多少は構っているものの、野良猫達は加減を知らず上機嫌な様子で、全力ダイブ!
 考え事を中断させて『ボク達の方を見て!』と言わんばかりに、円らな瞳をきゅるるんとさせていた。
 だからと言って、このまま野良猫達と戯れていたのでは、事態が悪い方にゴロゴロと転がってしまう。
 それを防ぐためにも野良猫達の誘惑を振り払い、自らの考えを行動に移す必要があった。
(「……とは言え、あのマグロさん……凄い顔でしたの」)
 ある意味、あの顔はトラウマレベル。
 野良猫達も、その事は思い出したくないのか、心の奥に封印しているようだった。
 それでも、『マグロを喰うたび、思い出す。アイツの苦悶に満ちた表情を……』的なノリで、野良猫達のトラウマになっている事は間違いない。
「ひょっとして、そこの姉ちゃんも敵か!?」
 次の瞬間、パスト・フォーサイスがちさ達の存在に気づき、殺気立った様子で雑魚キャラ達を嗾けた。
「何か誤解をしているようですが、マグロさんは歌の歌詞が気に入らなかっただけで、ネコミィさまに恨みがあった訳ではありません。それにネコミィさまが悪さをするような方かどうか、ステージを見るといいですわっ」
 すぐさま、ちさが【やさしくかわいい白うさぎさん】と【ワイルドでかっこいい黒うさぎさん】を召喚し、雑魚キャラ達をバッタバッタと倒していく。
 まわりにいた野良猫達も『悪い子には、御仕置きにゃ!』と言わんばかりの勢いで、雑魚達を引っ掻き、引っ張り、引き千切り、ちさを守る騎士的なアレになった。
「……うぐっ! それでも、俺様は……退く訳には行かないんだッ! アイツの仇を討たないと……このままじゃ……うぐぐ!」
 パスト・フォーサイスが激しく動揺した様子で、ネコミィのステージを横目で見た。
 ネコミィはステージの上で元気よく歌っており、こちらで起こっている事に気づいていない。
 まわりにいる観衆達もネコミィだけを見つめているため、パスト・フォーサイス達にはまったく興味がない様子であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カレン・ナルカミ
ダメだこいつ早くなんとかしないと新曲発表が始まっちゃうわ
よし、殺そう。大げさに褒め殺しちゃいましょう

クールな髪型と外見を褒め、伸びがあっていい声してると褒め
歌って踊れるアーティストの才能の匂いがプンプンすると褒めちぎる
マグロは鮮度が命。才能に気付いても育てる時間が無かったのでしょうね
最期にマグロはこう言ってたわ
「親愛なるパスト。俺は間違っていた。身から食われて気づいたんだ。頭から食うのは痛みが少ない、優しさ、だと。捨てずに食べる、愛、だと」
「おまえと一緒にネコミィの新曲でオタ芸やりたかった……」

パクパクとこう言ってたに違いない
パストさんを呪縛から解放し、ネコミィの新曲で熱く激しくオタ芸するわよ



●ライブ会場
(「ダメだ、こいつ。早くなんとかしないと、新曲発表が始まっちゃうわ。……よし、殺そう!」)
 カレン・ナルカミ(焔桜の糸遊狐・f02947)は、色々な意味で危機感を覚えていた。
 おそらく、パスト・フォーサイスは、退くに退けない状況にある。
 それが原因で、自分に非があると分かっていながら、ゴメンナサイが出来ないような感じであった。
 だからと言って、このまま放っておけば、ネコミィにまで迷惑が掛かってしまうのは、確実。
 それ故に、カレンは覚悟を決めた。
 パスト・フォーサイスの考えを改めさせるため、大袈裟に褒め殺してしまう事を……!
「ま、まさか、お前も敵か!?」
 そんな空気を察したパスト・フォーサイスが、警戒した様子で叫ぶ。
 この時点で、見るからに小動物。
 恐怖で身体を強張らせ、逃げるタイミングを見失った子ネズミである。
「……それは誤解よ!」
 カレンが自分に敵意が無い事を示す。
 そして、褒めた。
 ……褒めまくった!
 クールな髪型と外見を褒め、伸びがあっていい声だと褒め、歌って踊れるアーティストの才能の匂いがプンプンすると言って、パスト・フォーサイスを褒めた。
「あ、いや……それほどでも……」
 パスト・フォーサイスも、まんざらではない様子で頬を掻く。
 元々、調子に乗りやすい性格なのか、『やっぱ、見る奴が見れば、分かるんだな』と言わんばかりにノリノリ。
 こんな感じでマグロ怪人ツーナーにもおだてられ、ネコミィに対して、激しい敵意を抱いてしまったのでは、と思ってしまう程のレベルであった。
「マグロは鮮度が命。あなたの才能に気付いても、育てる時間が無かったのでしょうね。最期にマグロは、こう言ってたわ。『親愛なるパスト。俺は間違っていた。身から食われて気づいたんだ。頭から食うのは痛みが少ない、優しさ、だと。捨てずに食べる、愛、だと……。そして、出来れば……おまえと一緒にネコミィの新曲で、オタ芸やりたかった……』と……」
 カレンが思わせぶりな態度で瞳を潤ませ、いかにも本当の事であるかのように語っていく。
「まさか、そんな事が……」
 その言葉は間違いなく、パスト・フォーサイスの心を打ち、偏った考えを改め……。
「……って、違うだろ! 絶対に!」
 そこでパスト・フォーサイスがハッとした表情を浮かべ、カレンにビシィっとツッコミを入れる。
 危うく信じてしまいそうになったが、この数時間で心変わりするほど、マグロ怪人ツーナーの恨みは浅くない。
 それほどマグロ怪人ツーナーの恨みは深く、ネコミィと野良猫達に怯え、生活を続けていたのだから……!
 そういった意味でも、カレンの言葉を鵜呑みにする事が出来なかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カレン・ナルカミ
なによ、この子
演技だけでなくツッコミまでこなして芸、人から俳優までいけそう、万能なの!? おそろしい子。
なんだか、本気で救いたくなってきた(燃)

復讐を止めるの止めます
一匹の野良猫を優しく抱き上げて彼に差し出し
さあ、頭から召し上がれ
爪を立てて引きちぎり、ふわふわしたお腹からピーピーピーを取り出して
ピーピーしてピーからのピーピーピピー……

マグロ怪人を超える放送禁止用語を多用したトラウマ確実な捕食方法を
伝えて「いつやるの、いまでしょ!」と実行を迫ってみるわ
トラウマをトラウマで上塗りすれば
仲間たちの説得が天使の歌のように聞こえるはずよ!

どうしようもないようなら降魔化身法で流血しながら物理的に排除するわ



●能あるタカは
「な、なによ、この子ッ! 演技だけでなく、ツッコミまでこなして、芸人から俳優までいけそう、万能なの!? お、おそろしい子。なんだか、本気で救いたくなってきた」
 カレン・ナルカミ(焔桜の糸遊狐・f02947)は妙な使命感をメラメラ燃やし、パスト・フォーサイスにサッと視線を送る。
 此処まで来ると、戦うかどうかではなく、どう救うかという考えに気持ちがチェンジした。
「な、なんだよ、オイ! や、やるのか!?」
 パスト・フォーサイスが、後ろに下がっていく。
 何やら嫌な予感しかしないため、とりあえず得物を構えて、警戒モード。
 何かあれば、この得物を振り回して、ズンバラリンのバッサリである。
「ええ、私ではなく、この子がね」
 カレンがイイ笑顔を浮かべながら、野良猫を優しく抱き上げ、パスト・フォーサイスの頭にポンと置いた。
「……ん? なんだ?」
 そのため、パスト・フォーサイスは、キョトン顔。
 頭の上に乗っかっている野良猫も、ハテナマークを浮かべて、一緒になって首を傾げた。
「さあ、頭から召し上がれ」
 カレンが今までにないほどイイ笑顔を浮かべ、野良猫に何となくサプライズ。
「……え?」
 これには野良猫だけでなく、パスト・フォーサイスも驚き、一緒になって目を丸くさせた。
「さあ、まずは爪を突き立て、それから肉を引き千切って、ふわふわしたお腹から(ピーピーピー)を取り出して、(ピーピー)して(ピー)からの(ピーピーピピー)……」
 カレンがマグロ怪人を超える放送禁止用語を多用したトラウマ確実な捕食方法を野良猫に伝え、『いつやるの、いまでしょ!』と実行を迫っていく。
「……!」
 そのため、野良猫はガタブル状態。
 『そ、そんなの無理ニャ、残酷ニャ!』と言わんばかりに瞳をウルルン、きゅるんとさせた。
「ちょっ、ちょっ、待ってくれ! さすがに、それはヤバイだろ。……この猫だって嫌だし、俺も嫌だ!」
 パスト・フォーサイスの言葉に、野良猫も力強くウンウンと頷いた。
(「……と言うか、コイツ美味しくなさそうだし……!」)
 野良猫が『もっと美味い肉をプリーズ』と言わんばかりに、カレンにアピール。
(「うぐ……ぐぐぐ……もしかして、俺が間違っていたのか!? 何というか、物凄くヤバイ相手を敵に回してしまったと言うか、何というか……」
 パスト・フォーサイスが、気まずい様子で汗を流す。
 やはり間違っていたのは、自分かも知れない。
 ……次第に、そう思い始めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​


●苦悩
(「……畜生ッ! どうすりゃいいんだ!」)
 パスト・フォーサイスは迷っていた。
 ひょっとして、間違っていたのは、自分ではないか。
 もしかすると、マグロ怪人ツーナーが、話を盛っていたのではないか。
 ……そんな不安が脳裏を過ぎる。
 だからと言って、ここで退く訳には行かない。
 自分にだって意地があるッ!
 ……ここでやるべき事があるッ!
 そう思っていたはずなのだが、それでも……考えを改める必要があるのかも知れない。
 次第にネコミィの歌声が心地良く聞こえ始めた現状で、酷い事など出来ないのだから……。
カレン・ナルカミ
動物にまで気づかい。ズキュンときちゃったわ!
あなた、いい魔王ね。いい魔王過ぎて都合のいい魔王だわ

艶々な毛並みのグルメな野良猫
そこから導きだされる答えは、一つ
マグロは日頃から自分が召喚した野良猫に齧られてたって事よ
魔王、あなたは騙されたの
部下が魔王の座を狙うなんてのは、よくある話だわ
お互いに利用された上に命を奪い合うなんて馬鹿らし事、やめましょう
ネコミィの曲に合わせていい感じで言いくるめるわ

可愛いモノとは戦えないのよ
マグロのよき怪人ぶりにまんまと騙されて、踊らされてる姿が可愛い魔王
あと、かっこつけててもかっこ悪いところがダメ可愛い魔王 
次の戦いの日の為に「魔王を私にください」って練習しておくわね



●新たな時代の幕開け
「動物にまで気づかい。ズキュンときちゃったわ! あなた、いい魔王ね。いい魔王過ぎて、都合のいい魔王だわ」
 カレン・ナルカミ(焔桜の糸遊狐・f02947)が、ずびしとパスト・フォーサイスの欠点を指摘した。
「そりゃあ、まあ……って、何だよ、都合のいい魔王って!」
 パスト・フォーサイスも、まんざらでもない様子で頬を掻いた後、ハッとした表情を浮かべてツッコミを入れた。
 途中まで褒められているような感覚に陥っていたが、よくよく聞いてみれば、小馬鹿にされていただけである。
 一応、パスト・フォーサイスもプライドがあるため、何やら納得がいかない様子。
「よく考えてみて……。艶々な毛並みのグルメな野良猫。そこから導きだされる答えは、一つ。マグロは日頃から自分が召喚した野良猫に齧られてたって事よ。魔王、あなたは騙されたの。部下が魔王の座を狙うなんてのは、よくある話だわ。お互いに利用された上に、命を奪い合うなんて馬鹿らし事、やめましょう」
 カレンがネコミィの曲に合わせ、事件の真相を何となくでっち上げ、パスト・フォーサイスに和解を持ちかけた。
「ま、まさか……!? でも、そんなはずは……。いや、待てよ。確かに言われてみれば、怪しい点が幾つもあった気が……」
 パスト・フォーサイスも、だんだん不安になってきたのか、マグロ怪人ツーナーとのやり取りを思い出し、気まずい様子で汗を流した。
 確かに……引っかかる点が幾つもある。
 つまり、カレンが言っている事にも、一理あると言う事だ。
「うぐ……ぐぐぐ……。と、とりあえず、今日の所は見逃してやる! で、でも、次にあったら容赦をしないからな!」
 その結果、戦う必要なしと判断したのか、パスト・フォーサイスが捨て台詞を残して、ライブ会場から姿を消した。
「カレンさん!」
 そんな中、姿を現したのは、ネコミィ親衛隊長の猫山猫太と、ネコミィのファン達であった。
 彼らは、ずっと最前列に陣取ったライブを盛り上げてきたが、カレンの頑張りに心を打たれ、居ても立っても居られなくなってしまったようである。
「俺達はどんな事があっても、ライブを盛り上げる事に専念していればいいと思ってました。でも、今回の一件で、それが違うと分かった。あなたが頑張る姿を見て……自分達が、ただ単に見て見ぬフリをして、嵐が去るのを待ち続ける子羊でしかなかった事に気づいてしまったから……。なので、これはあなたに……。ぜひ、ネコミィ親衛隊長として、俺達を導いてください!」
 そう言って猫山猫太が親衛隊長の証であるタスキを、カレンに手渡すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月10日


挿絵イラスト