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IT's SHOW TIME!

#サクラミラージュ

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#サクラミラージュ


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●夢の始まりと終わり
「Ladies & Gentlemen! Boys & Girls!」
 その少女は、光り輝くステージをただ眺めて居た。そのステージは少女にとって憧れだった。あの、煌めくステージに立てれば、自分は変われると思っていた。しかし、それは無理だ、とも思っていた。自分とは、生きる世界が違うのだ。
「……お嬢さん、夢はありますか?」
 それは、人生が変わる瞬間だった。ショウを見終わったそのとき、ある紳士は少女にそう問いかけた。少女は、その物腰柔らかい青年と共に舞台裏に消えていった。
 それから、その少女の人生は一変する……筈だった。二人の少女のお披露目公演が行われる前日。一人の少女が奈落から転落。頭部から落ち即死であったという。

●真実の始まり
「いやー、こんな豪華なステージに立てるって羨ましいよ! ね!」
 長峰・モカ(リアルにvirtualなアイドル芸人?・f16136)は、思わず私情を挟みつつも現状を説明していく。因みに彼女が立つ劇場は40人も入れば満員になるような小さいハコである。
「一人の少女のオブリビオン…… いや、影朧って言った方が良いかな? がいるから対処して貰いたいんだよね」
 なんでも、とある劇場に夜な夜な現れる影朧がいるというのだ。
「その影朧の名前は愛子。この劇場で亡くなってる女の子みたいだね。奈落への転落って言う事故みたいだけど……」
 モカは、その後を少し言いよどむ。なぜなら、彼女の死について調べている人がいるというのだ。
「探りを入れてるのは正樹、愛子ちゃんをその劇場にスカウトした張本人みたい。そして…… 彼が愛子ちゃんを匿ってるみたい」
 愛子の事故が受け入れられなかった正樹が、彼女の死について色々調べているウチに影朧となった愛子を偶然発見、彼女に危害が加えられないようにどこかに彼女を匿った上で、事故の真実を調べるために時折彼女を劇場に連れて行き、状況などを聞いているのだろう。
「今回の最終目標は、影朧を倒す事。そのためには、匿っている場所を調べないと行けないけど、正樹くんはこの劇場に行けば会えると思うわ。舞台には愛子ちゃんの同期に当たる優子ちゃんって言うのが出てるみたいだし、色んな人から情報は聞き出せるかもね」
 まずは、劇場で情報収集をすることが最優先であろう。影朧を匿っている場所の他にも、事故の裏側などももしかしたら調べたら分かるかも知れない。
「何か裏に何かありそうな気もするけど、行ける行ける! 頑張って☆」
 無理矢理笑いながら、猟兵達を見送るモカであった。


おじやしげき
 どうも、新世界ですよ。おじやしげきです。
 今回は、ある意味単純な事件でございます。とある劇場で亡くなり、影朧となってしまった少女、愛子。彼女を、正樹という紳士が匿っているようです。影朧を倒すため、正樹から匿っている場所を聞き出し、その場所に向かわなければなりません。
 ……が、なにやら彼女が亡くなった事故、には何かがあるようです。愛子を説得するためには、その真実にたどり着くことが近道でしょう。彼女の同期である優子は、今も舞台で活躍する売れっ子のようです。
 それでは、皆様宜しくお願い致します。
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第1章 日常 『夢のショウへようこそ』

POW   :    舞台に釘付けになってショウ見物を楽しむ

SPD   :    パンフレットやブロマイドを買ってみる

WIZ   :    ゲストとして舞台に上がる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

紅月・美亜
 ふむ……これは私の出番だな。まずは誰も居なくなったタイミングでUNCHAINEDで事件現場を精査。時間が経ち過ぎているし普通に調べても意味は無いだろう。
「なら普通に調べなければいい」
 調査対象の時間にハッキングを仕掛け、一時的に事故当時の情報を引っ張り出す。より厳密に言えばUNCHAINEDに搭載された電子顕微鏡、超音波探査、熱源、霊体、魔力感知器をフル活用して当時の状況を観測する。
「異議を突き付けるには証拠品が必要だからな」
 監視カメラなど無くても、現場は全てを見ている筈だ。



「ふむ……、これは私の出番だな」
 紅月・美亜(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)は、誰もいないステージでそう独りごちる。因みに、少しポーズを決めていたりするが、誰も見ていない。なぜなら誰もいないから。
 その傍らには、Operation;UNCHAINEDが鎮座する。この現場を調べるための必需品であり、戦場の演出家を自称する彼女にとっては欠かすことの出来ないアイテムであるともいえる。
 このステージで一番気になるところ……。それは、やはり事故現場である奈落であろう。なお、知らない人のために解説をしておくと、奈落とは舞台の床下にあるスペースのことで、せり上がり装置が置かれていたりする。
「うわー…… この高さから落ちたら流石に危険だな」
 舞台袖からせり上がり装置を完全に下げ、奈落の底を見下ろす美亜。目算で3~4メートルと言った所だろうか。頭から落ちたら即死は確かに免れなさそうだ。
 しかし、それ以上の情報はあまり出てこない。当然と言えば当然である。事故が起きてから時間が経ちすぎている。
「……なら、“普通に”調べなければいい」
 そう、それは普通に調べたときの話だ。一時的に事故当時の情報を引っ張り出せば良いのだ。じゃあ、それをどうするのか?
 その横では、UNCHAINEDが全力で動き回っている。UNCHAINEDに搭載されている全ての機能をフル活用し、当時のほんのわずかな証拠までも逃さない。コレは本当に事故だったのか?
「……これは?」
 それは、奈落のある場所の周辺。入念に拭き取られているようであるが、何か塗布された形跡がある。油か何かであろうか? 奈落の口が開いている箇所で、油で足を滑らせたらどうなるか……。想像することは難しくないだろう。こんな所に油のようなものを塗っておくとは考えにくいだろう。仮にこぼしてしまったのであっても、放置はしないだろう。
 ……そう、“誰かが意図的にそうしたのでは無ければ”……。
「クックックッ、こんなもの、わが策謀の前には児戯に等しいわ」
 その事実に、クククと笑う美亜。どうやら、コレはただの事故ではなさそうだ。
「ふっふっふ、この程度、大いなる始祖の末裔 レイリス・ミィ・リヴァーレ・輝・スカーレットに取っては朝飯前だな」
 美亜の厨二病的に高笑いがステージに響くのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鈴木・志乃
かなり危険な賭けをしようか
UC発動
事前に関係者各位について情報収集。昔のこと今のこと、仲の良さや事件の記事があればそれも。上がった学習力で全員の接点や動機を炙り出す。
それと後への仕込みとして愛子の顔を調べておく。

その上で変装・演技するのは品の良い中流から上流階級の老婆
素敵な舞台ね、と優子に声をかけよう。可能なら彼女の舞台を誉めちぎる。
第六感で彼女の会話の反応を見切りコミュ力で上手いこと喜ばせよう

もう、すっかりあの事件も昔のことになったわね、と柔らかく微笑む
ほら……あの子……名前が……そう、愛子、愛子ちゃんだったわね

転落事件を悼む素振りで揺さぶりをかける
+最近化けて出るって噂があるのよと脅す



「ええと、今日の役は……と」
 鈴木・志乃(ブラック・f12101)は、そうつぶやきながらその顔にしわを書き足していく。その姿は、まさに品の良い上流階級の老婆、と言ったところであろうか。少なくとも24歳には見えない。そして、その傍らには新聞や週刊誌と言った様々な資料も積み重なっており、そこからも情報を収集することも欠かさない。
 どれもこれもこの事故を面白おかしく報道したものが多く、正直褒められたようなものでは無い見出しが並ぶ。どこの誰だか分からないような関係者の言葉、なんの根拠も無い妄言、あること無いことが書かれているようだ。
「ええと、もう少し使えそうな情報は…… っと……」
 役作りのためとはいえ、下世話な記事を大量に読んで辟易としていた志乃の目に、とあるインタビュー記事が目に入る。
「ふぅん……? へぇ……」
 その記事を読みふけり、時間は過ぎていく。
 
「今日はありがとうございましたー!」
 ステージに向かって、巨大な歓声が響き渡る。カーテンコールでステージ上に勢揃いした演者はその歓声を全身で浴び、生きる活力とする。
「あ、本当にありがとうございましたー!」
 優子も、その一人である。同期が“いない”彼女は、声をかけてくれるファン全員にその笑顔を振りまいていた。
「あらぁ、本当に素敵な舞台ねぇ」
 ありがとうございます! と褒めてくれた上品なその老婆に笑顔で返す。まぁ、その老婆は志乃の演技なのだが。
「あなた…… ええと、優子さん、かしら。あなた、本当に演技が上手いわよねぇ。惚れ惚れしちゃうわぁ」
「いやぁ、わたしなんてまだまだですよぉ……。でも、ありがとうございます!」
 その笑顔は柔らかく、心の底から感謝している優子。その言葉に嘘はないようである。
「もう、すっかりあの事件も昔のことになったわねぇ……」
 幾ばくかの会話の後。柔らかく微笑んだ志乃のこの言葉に、一瞬だけ優子の顔が歪んだことを志乃は見逃さなかった。
「ほら……あの子……名前が……そう、愛子、愛子ちゃんだったわねぇ」
「はい……。わたしの同期になるはず、だったんですよね……」
 愛子に対して、口を濁す優子。
「愛子ちゃん、すごいスターになるって言われてたんでしょう……? 残念よねぇ……」
 その言葉に、口を紡ぐ優子。何を思うのだろうか、下唇を噛んでいる。
「そういえば、最近、このステージに何かが“出る”って噂、聞くわよ?」
 少し含みを匂わせた一言を告げて去って行く志乃の背中をステージ上で見ている優子の顔は、暗く影を帯びていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

スコッティ・ドットヤード(サポート)
外見はどう見ても女子、性格は年相応の活発な男子のサイキッカー。
口調は城〇内君みたいな感じ。友情に厚く義に厚く、明るくてギャグもこなせます。年相応にお色気に弱いです。

両親を4年前に亡くし、それ以来妹と二人で生き延びてきた経験から、小さい少女を見ると世話を焼きたがります。
また、困っている人を見捨てられない性分です。

攪乱や陽動に使えるUCが主体で、戦闘でも前に出るよりも周囲の援護に回ることが多いです。
主な武器はE&F、左手から電撃、右手から炎で攻撃します。
料理が得意ですが、料理系のUCは戦闘では使いません。

戦闘でも日常系でもどんなシナリオでも参加OKです。
よろしくお願いいたします。



「……よ、っと!」
 スコッティ・ドットヤード(どこからどう見ても女の子な少年・f20279)の右手からあふれ出す炎は、ステージを見ている観客達を魅了する。炎を自在に操る“女”サイキッカー……と言う触れ込みで、スコッティはステージに立っていた。最初は「俺は男だ!」と言ってはいたが、最終的には受け入れたようである。というのも……。
「いやー、助かりました」
 舞台が終わり。舞台袖にいるスコッティの所に近寄ってきたのは一人の紳士。その手には、タオルが握られている。その名は、正樹。
「これぐらいならいくらでも。人助けっすからね」
 なんでも、急な体調不良で演者が一人欠場してしまって困っていた所を、“たまたま”スコッティが通りかかったようである。困っている人を見捨てられない女……ではなく男なのだ。
「あー、そういえば、正樹さん知ってます? この劇場の噂」
 次の舞台までの合間の控え室。上手く二人きりになったところで探りを入れてみる。
「噂……? あれかな、ここでトップになった娘はトップスタァになれるとか」
「あ、そう言う噂もあるんすね!」
 引っかかりは少し違ったけど、上手く会話を始めることに成功。上手く雑談に入り、そこそこ会話が盛り上がってくる。時折二人の笑い声がきこえてくるほどである。
「それもあるんすけどねー。あの、ここ、出るらしいんですよー」
「……へ、へぇ。わたしは、怖い話は、き、嫌いだなぁ……」
 一瞬の静寂。その口元が一瞬こわばったのをスコッティは見逃してはいなかった。明らかに何かを隠している顔である。
「えー、怖い話だめっすか? なんでも、奈落の方に白い影が浮かんで……」
 正樹の耳には、その話は届かないようで。何やら一人ブツブツとつぶやいている。
「見られた……? いや、誰もいないことは確認しているはずだ。とりあえず、家から移動させて……?」
 ブツブツ。スコッティとの会話を一方的に切断した正樹は、一人毎を延々つぶやいている。
「正樹さん? 正樹さん大丈夫ッすか? そんなに怖かったっすか?」
「……? あ、あぁ、済まないね。さぁ、次のステージが始まるかな。舞台袖まで行こうか」
 スコッティが声をかけて我を取り戻した正樹は、次のステージの準備に控え室を出るのであった。
 因みに、スコッティのギャグを上手く取り入れたトークやサイキック、可愛らしい見た目で今日だけでかなりのファンが出来たというのは、また別のお話。だが、男だ。

成功 🔵​🔵​🔴​

桜庭・愛
「荒療治ではありますが、愛子さんの死亡事故を追体験する必要がありますね。奈落に転落してみせて正樹さんに訴えてみましょう」

舞台にあがりアイドルっぽく即興で歌唱力とダンスを披露している。
黒髪を靡かせ、愛嬌ある笑顔で観客を魅了する。

トップレスラーの愛にできない事ではない。

正樹に接触し、愛子の事を尋ねる。
彼は白を切るだろう。だから疲労感に立ちくらみした呈で彼の前で奈落に
転落してみる。

念動力プロレスで落下速度を軽減。

「あなたが愛子さんの事を隠しているのは知っています。ですが、それは真実から目を背けているのと一緒です。あなたが真実を教えないなら、
愛子さんの様に第二の犠牲者がでるかもですよ?」と説得。



「♪~夢の向こうへ~♪」
 ステージの上から、桜庭・愛(天真爛漫な美少女レスラー・f22918)の歌声が響き渡る。……と言っても、それを聞くのはわずかなスタッフだけだ。次の公演のリハーサル。PAブースでの音響チェックや、ステージ上でどのように動くか、細かいチェックが行われている。
「ブラボー! 最高ですよ!」
 正樹も、自分が連れてきた愛の様子を逐一チェックを加える。その黒髪を靡かせて、即興でアイドルらしく歌って踊るその様子は、30歳とは思えない物である。コレも、プロレスラーという身体能力のなせる技なのだろうか。
「ありがとうございます!」
 カットの声がかかった直後、ステージに上がってきた正樹に対して笑顔でそう返す。
「この調子なら他の演者も油断できないですねぇ」
 正樹の言葉はお世辞にはパッと聞いた感じはきこえない。心の底からそう思っているのであろう。ピュアである。
「例えば、愛子さん……みたいな?」
「え……? あ、あぁ…… そ、そう……かな?」
 少し、鎌をかけてみる。正樹の言葉ははっきりとはしない。まぁ、しらを切るだろうとは思っていたし、そんな簡単に吐くとは思っていない。そう言いながら、奈落の知覚まで静かに近づいていく。気づかれないように。
「ふぅ…… でも、歌って踊るのって大変なのね……。プロレスとはまた別の……」
 ふらっ。
 その足は一瞬その力を失い。立ちくらみのようにその身は奈落の底に消えていく。
「……っ!」
 正樹がその身を掴もうとするも、その手は虚しく空を切る。落下していくその身体をステージ上から虚しく見ているしか無かった……。
「……っと」
 訳ではなかった。そもそも、奈落から落ちるなんてミスを愛がするはずが無かった。自身のサイキックエナジーでその落下速度を軽減。ふわっ、と言うオノマトペが一番似合うような形で着地する。その様子をみて正樹は安堵する。
「大丈夫ですか!」
 ステージに戻ってきた愛に、正樹は駆け寄る。その顔は、安堵と何かを思い出したか様々な表情が混ざり合っている。
「正樹さん…… 聞いてもらっても良いですか?」 
 神妙な面持ちで、正樹に向き合う。周囲ではスタッフが慌ただしく動いているが、ステージの上には静寂が広がる。
「あなたが愛子さんの事を隠しているのは知っています。ですが、それは真実から目を背けているのと一緒です。あなたが真実を教えないなら、愛子さんの様に第二の犠牲者がでるかもですよ?」
「……そうか、知ってたんですね……」
 正樹は、全てを観念したように語り出す。
「愛子は…… 今、家に匿っています。私が、殺してしまったあの子への贖罪と、真実を明らかにするために。……」

成功 🔵​🔵​🔴​

ラムダ・ツァオ(サポート)
A&Wの遊牧民出の自由人。
見た目からダークエルフと揶揄されることもあるが、当人は特に気にしていない。普段は外套と丸サングラスですっぽりと身体を覆っているが、外套の下はかなり身軽。
なお、見た目は怪しいがわりと気さくな性格。
臨機応変に動くが、完全勝利よりは条件達成を目指す。

行動指針としては以下の3通りが主。
1.潜入・変装・尋問等で確実な情報一つの入手を試みる
 (または情報の裏を取る)
2.斥候・探索役として周囲を探り、情報収集を行う。
3.戦闘にて囮役または攻撃補助に徹する。

台詞回しや立ち位置などは無理のない範囲でご随意に。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。


神楽坂・神楽(サポート)
 アルバイトでUDCエージェントをしている明るく元気な女子高生です。
 基本的に敵の目的だとか境遇だとかそういったことは気にせず、モグラ叩きのモグラを叩くが如く、敵をボコボコにします。

「とうちゃーく!」
 足の速さを生かして、走って現場にやってきます。[足が速い①]

「よーし、いっくよー!」
 敵の攻撃を見切りつつ、走って一気に近付きます。[身が軽い①][足が速い②]

「バイト代になれー!」
 凄く凄いワイヤー(アイテム参照)を用いて戦います。
 UDCアースではUDC組織に引き渡すためにオブリビオンを捕縛することを狙いますが、それ以外の世界では捕縛した後にそのまま細かく切り刻んでポイします。



 終演後の物販会場。ここは、劇場に上がる人間にとってとても重要な場所である。場合によってはここで人気がはっきりすると言っても過言では無い。公演内容によっては、ここでの売り上げで優劣を付けるなんて事もあるらしく、それだけ真剣になることも頷ける。
「ありがとうございまーす♪」
 物販ブース、笑顔で対応している優子もその激烈な戦いに身を投じている一人である。自身が物販に立ち、笑顔と共に握手をサービスしつつ、ブロマイドを販売する。まさに、演者の鏡であろう。
「あ、このブロマイド可愛くない?」
「そうね、こっちのもすごくよく写ってる」
 そして、物販ブースでブロマイドを吟味しているのは、ラムダ・ツァオ(影・f00001)と神楽坂・神楽(バイトエージェント・f21330)。ラムダ自身が召喚した着物と袴は上手くモダンガールっぽさを演出し、二人の仲良しモガが舞台終わりの物販を買いに来ているという構図になっている。
「ありがとうございますー!」
 まぁ、目の前で褒められて嬉しくない人はいない。優子の顔も緩むというものだ。
「あ、えっと、あの、舞台もすごく良かったです! すごく、輝いてたというか!」
 神楽が、思わず声に出す。思ったままの言葉が、優子の顔をさらに緩ませる。まさに猪突猛進である。もちろん物理的にも元気で足も速いのだが。
「それに、演技もしっかりしていたし、歌も上手いのよね」
 ラムダもそれに続く。その言葉は、その場限りのものではなく、しっかりと舞台を見て発せられていることがよく分かる。確実な情報を手に入れるために、潜入すること。そのためには、しっかりと前情報を入れておくこと、ものに触れておくことは重要なのだ。それを差し引いたとしても、本心であるようにはきこえるのだが。

「ふぅん……」
 その後ろから、意味深な声が聞こえてくる。その手には手帳と万年筆。しかし、その身なりは最低限の身だしなみといった感じであろうか。どこかに所属している記者、というよりはフリーランスでやっている記者と言った所だろうか。
 一通りブロマイドなどを買ったラムダと神楽は、列から抜けた……振りをしてその記者の話に耳を潜める。
「いやぁ、お久しぶりですねぇ。最近は舞台の方も好調なようでなにより」
「……用がないなら帰って貰っても良いですか?」
 おお、釣れないねぇ、と大げさに肩をすくめる記者に、明らかに敵意を向ける優子。さっきまでとは大違いである。
「いやね、僕はあなたに本当の事を聞きたいだけなんですよ。あの事故について、ね」
「いい加減にしないと警備を呼びますよ!」
 思わず声を荒げてしまう優子。一瞬だけ目を細め、真面目な顔になっていた記者はまたおどけた顔に戻り。
「おお。恐。ま、真実が聞けるまで何回でも来ますよ。それでは、ね」
 この話を聞いていたラムダと神楽は顔を見合わせる。
「あれ、この人、何か知ってるッぽくない?」
「そうね…… 何か聞いても良いかも知れないわね」

「……ねぇ、そこのお兄さん? 何か情報が欲しいんじゃ無い?」
 今日も収穫が無かった記者の前に現れたのは、敏腕記者……に変装したラムダと神楽。スーツを身に纏い、そのメガネがこの世の全てを写す。こういうときも衣装を召喚できるのはとても強い。神楽は足でネタを探る、とにかく動きまくる記者のようにみえる。
「最近、あの劇場に幽霊が出るらしいじゃない? その情報があるんだけど……」
「……変わりに優子の情報が欲しい、ってか? バレバレとは言わないがあからさまだったからな、お前ら」
「……分かってるなら話がはやいわ」
 フリーの記者ともなると色んな現場に触れることもあるからだろうか、スムーズに話が進む。
「あの事故の前日に、なぜか奈落の昇降装置が壊れちまうんだが、それが物理的に壊された形跡があるんだよ。で、その直前に、優子が機械室に入ったって言う目撃情報が出てる。コレは偶然だって言う方が無理が無いか?」
 まぁ、口止めされてるのかなんなのか知らねえが、この証言出した奴も次からはだんまりだったけどな、とその記者は笑う。口止めまでしていることを考えると信憑性は高そうだ。
「で、デビュー公演の動きとしては、愛子はちょうどその奈落のギリギリ前を通る構成だったみたいだ。そこに、何か滑るオイルのような物が付着していたら…… って奴だな。ワックスでも塗っておけばよく滑るだろうよ」
「ありがとうございます! えっと、舞台に出る幽霊の話なんですけど……!」
「あぁ、なにやらワケありみたいだし、その情報はいらねえよ。多分知ってることだしな」
 神楽が、お返しと言わんばかりに話そうとしたが、それを受け取らず去って行く記者。
「ま、お前らなら真実にたどり着けるかもな。頑張んな」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 冒険 『怪しげなカフェー』

POW   :    従業員や常連客を締め上げて情報を吐かせる

SPD   :    屋根裏やバックヤアドに忍び込み、こっそり情報を集める

WIZ   :    カフェーの従業員として潜入し、情報を集める

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ここが……?」
 誰とも無く、そうつぶやいた。愛子……の影朧が匿われていると思われる建物が、その目の前にあった。
 とある、町外れにあるカフェー。ここは、正樹が自宅を改造したカフェーなのだそうだ。なんでも、彼がスカウトした女の子達が変な仕事などをしなくても済むように、ここでいわゆる給仕として雇うのだという。夢を持って都にやってきた娘達のために、住み込みでも働けるように部屋を用意しているらしい。住み込みの女の子達からも話を聞けるだろうし、バックヤードやそういう所に何か痕跡があるかも知れない。もちろん、給仕として働くことでも色々分かることはあるだろう。
 ……少し空が暗くなり、水滴が落ちてくる。カフェーの前、少しだけだが不穏な空気が流れたような気がした。
紅月・美亜
 給仕として潜入しても良いが、接客労働なんてやる気は無い! 手っ取り早くハッカーらしいやり方で行かせてもらう。
「つまり、引き続きUNCHAINEDの出番という訳だ」
 拷問したり記憶にハックするというやり方もあるが、ガードが堅い相手にUCではないハッキングは微妙だ。UNCHAINEDで建物を隅々まで3Dスキャンさせてもらおう。
 ある筈だろう、お決まりの不自然な空間とか、不自然な間取りとかがな。UNCHAINEDには超音波探査もあるから地下に隠そうが壁を埋め立てようが無駄だがな。



「ふーむ、給仕として潜入しても良いんだな……」
 紅月・美亜(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)は、件のカフェーの前でそう独りごちた。接客労働など、大いなる始祖の末裔であるレイリス・ミィ・リヴァーレ・輝・スカーレットがすべき事では無いのだ。ハッカーにはハッカーらしい方法がある。つまりはそういうことである。
「いらっしゃいませー☆」
 あ、どうも…… と店員に軽く反応しつつ、店内を歩き回る。綺麗に装飾されたカフェーはとても居心地が良さそうで、常連であろうおじいさんやおばあさんが会話に花を咲かせている。お手洗いも綺麗にしているようだし、入れるところには入っていった。
「お客さん、どうかしましたかー☆」
 語尾に毎回☆を付ける店員に少し目を付けられつつも、何事も無かったかのように店外に出る。
 因みに、珈琲はすごく美味しかったという。

「……よし、この辺で良いかな?」
 無く子も眠る丑三つ時。美亜は改めてカフェーに来ていた。丑三つ時ともなると月明かりと街灯以外に灯りはなく、出歩く人などいない。出歩くにもこの時間までやっている店が無いのだ。この静寂に包まれた空間は、厨二病の子が好きそうな奴である。
「まぁ、拷問だったり、記憶にハックすると言う方法もあるにはあるんだが……。ガードが堅い相手には微妙なのだよな」
 そう、独りごちる。厨二病の子はこういうのも口に出して言いがち。しかし、実際その通りである。そもそも、あのカフェーでこの事実を知っているのがどれだけいるのかも分からないし、当の本人を締め上げたとして吐いてもらえるかどうかも分からないだろう。
「つまり、引き続きUNCHAINEDの出番という訳だ」
 そう言いながら、UNCHAINEDを起動させる。起動したUNCHAINEDはわずかにうなりを上げて目の前のカフェーにレーザー光を当てていく。
 今しているのは、カフェー全体の3Dスキャンを作成すること。昼に可能な限り店内のスキャンは終わらせてある。そこで足りない物を、いま外からの3Dスキャンと超音波探査で探ろうというのである。
「ええと、何々……? ここは、いわゆる個室の部分か……」
 精度の高い3Dモデルを確認していくと、何やら違和感を感じる場所が出てきた。従業員の宿舎として使っているのだろうか、左右に5つづつ部屋があるようなのだが、その突き当たり。二階との兼ね合いを見るとその突き当たりにも一部屋あるようなのだが、そこに扉がないのである。宿舎の突き当たり、部屋があるはずの場所になにも無い……。
「ふぅん、ここに何かありそうだな」
 丑三つ時、美亜はそうつぶやいた。
 ……その背後、何かが光ったように見えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミケ・ナーハ(サポート)
アドリブ歓迎

常に可愛くセクシーです♪

スタイル抜群で
くノ一装束やビキニ等
露出度が高いです♪
動くと豊満な胸がぷるんと揺れます♪

「私のドキドキ分かりますか?」
特技は【誘惑】
『ミケ流誘惑術』『セクシーチャーム』
調査から戦闘まで色々♪
むにゅっと自慢の胸を押しつけ
抱きつき甘えたり♪

「やあっ♪」
武器は、疾風靴を履いた美脚での蹴り【グラップル】
胸の谷間から出す手裏剣

「これでどうですか♪」
誘惑不可なら『超忍者覚醒』

大きなぬいぐるみの様な
虎型ガジェット『スア』が
風属性の暴風や雷属性の雷撃等を
口から吐く【属性攻撃】

「だーめ♪」
敵の攻撃を【見切り】華麗に回避

【念動力】で物を動かしたり
自分を宙に浮かせたりも



「いらっしゃいませー♪」
 カフェーに、明るい声が響く。少しの幼さを残した可愛らしい笑顔に、出るところは出て引っ込むところは引っ込むボディ。ピコピコと動くネコミミと、ぴょろっと伸びた尻尾がチャームポイント。メイドのような制服に身を包んだミケ・ナーハ(にゃんにゃんくノ一・f08989)がそこにいた。
「ブレンドとパフェでよろしかったですかー?」
 今日がバイトに入って初めての仕事なのだが、休む暇が無いほどに客がひっきりなしにやってくるのだ。その客層の大半が男性であることは恐らく気のせいだろう。多分、きっと。
「……あそこ、なんでしょうか」
 ……ミケもただバイトをしに来たわけでは無い。宿舎の奥にある部屋を調査するために内部に潜入したのである。いわゆる内偵調査だ。
「ミケさんあちらのテーブルオーダー取りに行ってー!」
「あちらのテーブル回収入って下さーい!」
「いらっしゃいませー!」
 こんなに忙しくなるとは。今までに無い集客で他のスタッフもてんてこ舞い。忙しすぎて内偵調査も十分に出来ない。
「おーい、注文良いかな?」
「はい、オーダーお願いします♪」
 ミケに声を掛けたのは、一人の青年。どうやらこのカフェーの常連らしく、他のスタッフとも仲よさそうに話していたのを見かけている。
「あれ、キミ新人さんかな? かわいいねー」
「あはは、ありがとうございますー♪ でも、お痛は、だーめ♪」
 ニコニコしながらも、そのヒップに向かっていた常連客の手を高速ではたいて華麗に回避。ガードは堅いのだ。
「っと、厳しいねぇ。でも面白いねぇキミ。気に入っちゃったよー」
 ははは、とその常連客は笑う。
「でも、キミはすぐに仕事に入れたんだねー。この前みた子はなんか夜中に研修みたいなことしてたみたいだけど……」
「えー? そうなんですか? その話、少し詳しく、聞きたいなー♪」
 一瞬、ミケの眼が光る。コレを逃すわけにはいかない。その常連客を魅了させながらその話を詳しく聞いてみる。
 なんでも、その常連客が深夜にたまたまそのカフェーの前を通ったときのこと。ここのマスターと、何やら一人の女性が話しているのをここで見かけたのだという。女性の姿はあまりはっきりは見えなかったけど、何やら愛子の顔に少し似ているような、という感じだったらしい。
「あそこまでそっくりな子っているンだねぇ。宿舎に引っ込んでいったみたいだから住み込みなのかな? でもまだ出てこれないって大変だねぇ……」
 しみじみと語る常連。ここの宿舎に愛子がいる事は間違いなさそうだ。
「お兄さん色々教えてくれてありがとー♪」
 色々と確信を持って、ミケは内偵調査を続けるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜(サポート)
『よっし、アタシに任せときな!』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」

基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。

探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。

情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。

戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。


砂喰・ネイン(サポート)
私にとっての興味関心は
商品として価値があるか否か
物でも人でも構わないわよ

一般人の生死はあまり気にしないけれど
子供は傷を負ってでも助けてあげる。大丈夫よ

商人としての話術や【世界知識】を活かした
【情報収集】や【失せ物探し】
戦うとなればこの牙で噛みついての【毒使い】や
隷属の鉄鎖で絞め殺したり絡めとった
【敵を盾にする】のが得意

やたらと動き回るよりも機会を窺って
少ない手数で仕留めるのが好きなの

血生臭い事件から離れたときは、そうね
その土地のものを食べたり
凝った装飾品を探してみることが多いかしら

※絡み・アドリブ歓迎


氷咲・雪菜(サポート)
 人間のサイキッカー×文豪、13歳の女です。
 普段の口調は「何となく丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、
 独り言は「何となく元気ない(私、あなた、~さん、ね、よ、なの、かしら?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

氷や雪が好きな女の子で、好きな季節は冬。
性格は明るく、フレンドリーで良く人に話しかける。
困っている人は放ってはおけない。
戦闘は主にサイコキャノンを使って戦う。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「いらっしゃいませ、お嬢さま方☆」
 カランカランという軽い鐘の音と共に数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)と砂喰・ネイン(奴隷売り・f00866)、そして氷咲・雪菜(晴天の吹雪・f23461)はそのカフェーに足を踏み入れる。
 五月蠅すぎず静かすぎないほどよい喧噪が心地よく、気がついたら何時間でも長居してしまいそうである。
「あ、コーラフロートがありますよ! 私はコレにします!」
「じゃあアタシはコーヒーかな」
「私はナポリタンで」
 雪菜が自分の大好物……が乗った飲み物を見つけて少々鼻息が荒くなっていることを察知したのか給仕がなめらかにオーダーを確認していく。呼ばれる前にオーダーを取りにくるプロの技である。
「へぇ、中々良い雰囲気の喫茶店じゃ無い。人気出るのもなんか分かるわ……あ、美味いこのコーヒー」
 多喜が、目の前のカップに口を付けながら改めて周囲を見回す。柔らかな空気に包まれたこの喫茶店に本当に探している物があるのか…… と思ってしまいそうなほどだ。
「そうですよね。なんだか面白い物が書けそうです」
 雪菜は文豪としての性だろうか、この喫茶店から湧き上がるイメージを纏めようとしている。まぁ、それ以上にコーラフロートに乗っているバニラアイスに心を奪われているのだが。
「……そうなの? でも、この喫茶店が良い店だと言う事は分かるわ。このナポリタンを食べたらね」
 ……極度に目が悪いネインには、視覚的な情報はあまり入らないものの、その味覚でこの喫茶店の本質を見極めてしまっているようだ。喫茶店のナポリタンは美味しいモノなのだ。

「……それでは、行ってきますね」
 とりあえず一息ついた中、雪菜は二人にそう告げる。席を立ち、お手洗いにでも行くのかフロアを移動していく。
「……とりあえずここは雪菜さんに任せて私たちは私たちで探って行きましょう」
「まぁ、あの子は大丈夫だよねぇ。アタシらはアタシらのやり方で、ね」
 雪菜を見送った二人は、また何かをオーダーするのであった。
「……本当に良いんですかね、これ……」
 コーラフロートを飲み過ぎたのか、お手洗いを探しているのか、雪菜は薄暗い廊下を歩いていた。
 ……もちろんお手洗いを探しているわけでは無い。お手洗いを探して迷子になったふりをして例の開かずの部屋を探ろうと言うのである。事前に場所の検討は付けてある。後は、実際にその場所を抑えるだけなのだ。まぁ、少しルール違反をしているかも知れないけど、これぐらいは良いと思いたい。
「えっと、多分この辺なんですけどね……」
 人気の無い一本道。営業時間内はそのほとんどがフロア、および厨房にいるわけで人気が無いのは当然と言えば当然である。そして、その突き当たり。事前の情報ではここに部屋があるはず、と言う場所である。
「……壁、ですね」
 しかし、その目の前にはどう見ても壁しか無い。そこにはドアノブも無いし、薄暗いからかも知れないがそこに何かの切れ目があるようにも見えない。
 もしかするとガセだったのか。しかし、ここ以外に考えられる場所があるわけでも無く、ここで振り出しに戻ってしまうとそれはそれで辛い。
「ここじゃないんですかねー……」
 コンコン。少し目の前に立ちはだかる壁を叩いてみる。密度のありそうな音がわずかに響く。明らかに壁ですよ、とアピールするかのような音がその耳に入ってくる。それでも、最後の期待を込めてもう少し壁を叩いてみる。ここで「ありませんでした!」と言う答えを持ち帰りたくは無かった。それでも、いつ人が戻ってくるかとヒヤヒヤしながら少しでも何か持ち帰ろうとしていたそのとき。
 コーン。
 さっきまでと明らかに違うような音と感触。少なくとも、その場所の向こう側には空洞がある。それだけは確実だろう。
「ビンゴだね」
 ちょうど、暗くてよく見えないけれどもよく見るとその空洞を隠すように板がはめられているようで、それをずらすと、そこにはドアノブのような物が隠されていた。

 一方その頃。多喜とネインは自分たちの周囲に流れてくる会話に耳を傾けていた。情報収集はまず耳から。より少ない手数で、武力では無くコミュ力で。この方針が二人の中で決定され、まずは聞き込む相手を選定する流れとなったのだ。
 と言っても、そこまでクリティカルな会話をしている人がすぐに出て来るわけでも無く。目の前には、多喜がオーダーしているカップとネインのオーダーしたフードの皿が積み重なっている。もはやメニューの全てをオーダーしてしまったのかと言うほどだが、ネインはまだ余裕がありそうである。流石大食いである。
「コレは一回出直す方が良いのかねぇ?」
「そうですね……。次に来るときはこのカツカレーが食べたいですね」
 もう次に来たときのオーダーについて考えているようである。流石大食い。しかし、もう次に賭けよう、そう思っていたときである。
「……ホントだって、夜間営業しようとか考えてるんじゃねえの?」
 ちょうど20代の男性二人組だろうか。一人がヒートアップしているのをもう一人がはいはい、と聞き流しているようである。
「でも、深夜営業しても客来ないじゃん? 見間違いかなんかだろ?」
「確かに見たんだけどなぁ…… 店長がいて、給仕もいたし……」
 ま、気のせいだろ? そもそもそういうのするなら張り紙とかで教えてくれるだろ、と言いながら。
「っと、もう行かないと。じゃあな?」
 男の片割れがそのまま席を立つ。それと同時に、二人は動き出す。
「っと、アタシ達とお茶しない?」
「あなたに聞きたいことがあるのよ」
 じゃあ、自分も帰ろうかと思った瞬間に、目の前に二人の女性が自分とお茶をしたいと現れたのだ。少し鼻の下が伸びているのは内緒だ。
「な、なんだよ逆ナンか? ま、こんな綺麗な女とお茶なら大歓迎だけどな」
 ……この男、ノリノリである。
「アタシ、さっきあなたが言ってた深夜のお話し聞きたいんだよねぇ」
 多喜の分析結果。この男性は、素直に聞けば答えてくれそうだ。ここまで理解出来てしまえば後は聞くだけである。男の方も少し嬉しそうだ。多分すごい単純だ。
「なんでも、ここで深夜営業をしているとかなんとか……?」
 ネインも、この機会を外さないよう、直球で聞いて行く。最小手数である。
「ああ、この前残業後、確か子四つ時(現代でいる深夜1時前ぐらい)かな? ここの前を通ったら、なんか電気が付いてたんだよ。店長がカウンターに立ってたからこの時間に営業してるのか、これから営業する準備なのか……。俺が近づいたら急に電気消してたから変だとは思ってたんだけどな」
 整理すると、閉店後の深夜1時頃に、この店に人がいた、と言う事らしい。恐らく、この時間に店長、そして愛子が動いているのは確定と言っても良さそうだ。
「それで、お姉さん達これから暇? もっと良いところ行かな……」
「貴重な話ありがとう! また機会があれば!」
「それじゃあ、またね?」
 貴重な情報を聞き出した二人。ナンパしてきそうな雰囲気を察して笑顔のまま戦線離脱。その場には、あっけにとられた男性が一人残っていたという。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ベム・クラーク
アドリブ連携歓迎です!

「このボディでは人込みは苦手ですが、カフェーの従業員に話を聞くならできますね。」
体高280㎝を超えるウォーマシンでは町を歩くのも一苦労です。

表通りは目立つので、店裏の暗がりで待ち、従業員が出てきたらカフェーと愛子の話を聞いてみます。
【迷彩】【忍び足】【地形の利用】【存在感】

「こんにちは、お話いいですか?大声は出さないで、すぐすみます。私はいなかった、あなたはいつも通り仕事に戻る。いいですね。」
真摯に協力をお願いしましょう。



「ふむ……。このボディでは人込みは苦手なのですが……。まぁ、カフェーの従業員に話を聞くぐらいならできるでしょう」
 ベム・クラーク(ウォーマシンの鎧装騎兵・f27033)はそうつぶやく。探索制圧用に造られたのだから、こういうミッションも普通にこなすことができるのだ。
「……といっても、このままだと目立ちすぎますね」
 体高が280cmを超えるウォーマシンなのだから仕方がない。少しでも目立たぬよう、それ相当の対策をしているのだ。例えばこの迷彩。きれいに街の風景に溶け込むこの迷彩はもはや芸術である。すごいぞ!
 しかし、それでも大通りでは流石に目立ちすぎる。少しでも目立たないようにするにはどうすればいいのか。……そう、店の裏側、路地の方に入るのである。あまり人通りのない路地は隠れるための場所も多く、そこに忍び足を加えるともはや完璧である。さすがだね!
「……むっ」
「はぁ、あの新人の娘、もうファンが付いてるだなんて……」
 大きなゴミ袋を抱えた一人のウェイトレスが、ちょうど店の裏口から出てくる。ちなみに、この子はミケに指示をしていたウェイトレスの一人である。人気を一気にかっさらわれてショックを受けているようである。まぁ、可愛かったからね。
「……こんにちは、お話、いいですか? 大声は出さないで。いいですか? すぐすみます」
 愚痴っていたその首元に、ひやりとした感触が走る。まぁ、クラークのボディがひんやりと冷たいだけであって、刃物とかを突きつけているわけではない。そのへんは紳士なのである。
「ヒィッ! な、なんですか……!?」
 ……少しショックを受けているようではあるが。
「質問に答えてくれればそれでいいんです。愛子さん……ご存知ですね? なにか知っていることはありますか?」
 あくまで真摯に協力をお願いする。そもそも物騒なことはしたくないのだ。
「愛子さん……? えっと、マスターが毎日、深夜に残って女の人と話してるの、それですかね……? 毎日深夜1時にはそこでなにかしてるみたいですけど……。あと、愛子さんとマスターはいい感じだった、って聞いたことありますよ……?」
「……ありがとうございます。私はいなかった、あなたはいつも通り仕事に戻る。いいですね?」
 最後に少し釘を指しつつ、ウェイトレスを解放する。まぁ、触っていただけではあるのだけれども。
 しかし、これで十分に情報を拾うことは出来たであろう。決戦は深夜1時。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『血まみれ女学生』

POW   :    乙女ノ血爪
【異様なまでに鋭く長く伸びた指の爪】が命中した対象を切断する。
SPD   :    血濡ラレタ哀哭
【悲しみの感情に満ちた叫び】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    応報ノ涙
全身を【目から溢れ出す黒い血の涙】で覆い、自身が敵から受けた【肉体的・精神的を問わない痛み】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ベム・クラーク
アドリブ連携歓迎です!

「やっと通れました。何とかなるものです。」
午前1時ころ、裏口から店内に忍び込みます。この体躯でなぜ通れたかは自分でも不思議

センサーでサーチしながら店内を捜索
「こっちでしょうか」

「愛子さんですね。なぜ、ここに居続けるのですか?」
マスターもいれば、匿った理由を聞きます。

「オブリビオンのあなたは残滓、再び輝くことはありません。人の営みを破壊する前に、排除します。」

室内なのでミサイルや砲撃は使えません。武器腕、踏みつぶしを主として必要ならマシンガンで攻撃します。
一応マスターの安全を確保しておきます。



 草木も眠る丑三つ時……の少し前。正確には牛一つ時、わかりやすく言うと午前1時頃。この街はポツポツと立つ街灯に照らされ、静寂が包み込む。
「ふぅ……。やっと通れました。何とかなるものですね」
 ベム・クラーク(ウォーマシンの鎧装騎兵・f27033)は、その僅かな明かりも届かない裏路地に立っていた。その目の前には、ベムにとっては小さい扉が一つ。一般成人男性が使用することを想定して作られたその扉はベムにとってはあまりにも小さすぎた。そのボディを器用に丸め、なんとかその勝手口から潜入に成功するとそれだけである種の達成感を得られるレベルである。ものがモノならそういう芸として使えるかもしれない。使う場所があるかどうかは不明だが。
「ええと、こっちでしょうか」
 わずかに床のきしむような音も出さないように、抜き足差し足忍び足。ここまでの調査の中で、このカフェーについて、その内部構造は完璧に頭に入っていた。そこに、自身のセンサーを併用することで店内の探索はより盤石に。
「さて……。ここです、ね」
 目の前には、一枚の扉。わずかながらに、二人の男女が何かしらの会話がその聴覚センサーが認識する。そして、熱源センサーは、たしかに1体の生命反応。少なくとも、ここに間違いないようだ。その扉の先は、フロア。
「……誰だ!」
 フロアから、二人の男女がその扉に向かって叫ぶ。その声は、扉の向こう、一生懸命体を丸め、その扉を抜けようとしているベム。がんばれ、もう少しだ、と応援しそうになってしまう。あ、抜けた。

「……愛子さんですね。なぜ、ここに居続けるのですか?」
 うまくフロアに入れたベム。目の前にいるその血まみれの少女にそう語りかける。
「そんなことどうでもいいだろう! 愛子には愛子のやりたいことが……」
「あなたもです、マスターさん。良いですか、愛子さん。オブリビオンのあなたは残滓、再び輝くことはありません。人の営みを破壊する前に、排除します」
 マスターの言葉を遮り、ベムが畳み掛ける。ただただ、事実を。それは、目の前の少女にとっては厳しい内容であったとしても。
「わたしだけ……? わたしはあの子を許さない……。あの子も、私の手で……」
 その声は、この全てを恨むかのような禍々しさをまとい、殺意の視線がまず目の前のベムに向けられる。
「……まずは、おまえから!」
 その叫び声が、フロアを覆い尽くすと同時。大地を蹴ったその体がベムに襲いかかるが、その爪はわずかに空を切る。
「こんなものですか?」
 その言葉とともに飛んでくる鉛玉は、愛子の体を的確に貫く。室内なので、ミサイルや砲撃は自重している。
「愛子!」
 愛子に駆け寄ろうとするマスターをそのボディで妨害する。マスターの安全は確保する、念の為そうしておこうと決めておいたのだ。
「ぐ、ぐふぅ……」
 その身に鉛玉を受ける少女は、小さくそう呻くのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

さぁて、張本人とご対面か。
気張っていきたいところだけど……
まずは、軽く答え合わせしないとねぇ。
愛子さんと正樹さん、二人が「あの日」に何を見聞きしたのか。
放たれる悲しみの叫びに『呪詛耐性』で堪えつつ、
【過去に抗う腕】の探査思念を飛ばすよ。
何故、正樹さんは愛子さんを「殺した」と思っているのか。
そして愛子さんはあの時何を「見た」のか。
さらにそこで二人の想いを直で繋ぎ、
危険だけど触れ合わせる。

そしてそこに流れている悲しみや贖罪の情念と言った諸々の根源を、
探り当てて詳らかにするよ!
証拠を『追跡』するのはアタシの十八番、
そっから先は不得手でね。
探偵さん方、推理は任せたよ!



「さぁて、張本人とご対面……ってうわぁ」
 目の前の状況に、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は思わず声を上げる。……まぁ、たかだか鉛玉が張本人にめり込んでいるというだけではあるのだが。相手も霊体だし。少し呻くぐらいですんでるし。
「っと、まずは色々はっきりさせておかないとねぇ」
 もちろん、このまま倒してしまうことは容易であろう。しかし、その上で知っておかなければならないことがそこにある。
「縺ゥ縺?b縲√♀縺倥d縺励£縺阪〒縺吶?ゅき繝ャ繝シ縺」縺ヲ鄒主袖縺励>縺ァ縺吶h縺ュ縲!」
 その言葉にもならない悲しみの叫びは、カフェー全体を大きく包み込む。この、常人であればその場に留まっていることも難しいであろう怨念に多喜がなんとか耐えきっているのは呪詛耐性があったからに他ならない。
「……っと。卑怯とは言うまいね。アンタの過去、浚わせてもらうよ!」
 知らなければならないこと。それは、二人の”記憶”。

 その日、奈落は真っ赤に染まっていた。壊れて、開放されていた奈落への転落事故。打ち所が悪く即しだった。警察も、事故として処理をして帰っていった。
「僕のせいだ……」
 その、真っ赤に染まった奈落で、正樹はそうつぶやく。機械室から出てきた優子を見かけていた。たまたま通りかかっただけだったが、その後は優子から猫なで声で自分をメインにしてくれと延々言われていた。その時も愛子は邪魔だ、と言っていた。しかし、まさか殺すとは。もし、このことに気づいていれば、愛子は死ぬことはなかった。自分が、もっと早く優子の狂気に気づいていれば。

 その日も、デビュー公演に向けてその体を動かしていた。もちろん、公演を成功させるため。しかし、その日はそれだけではなかった。自分と一緒にデビューする優子さんと、正樹さんが話をしている様子。その内容までは聞き取れなかったけど、仲良く話しているように見えた。なんだろう、胸がチクチクする。こんなときは、練習で発散させないと。
 ……気がつくと、奈落にいた。全ては一瞬のことだった。わたしが終わる刹那、その奈落から手を伸ばした正樹さんがいたのが見えた。

「ふぅん…… そうかそうかぁ」
 二人の記憶を探索し、多喜はそうつぶやく。証拠を”追跡”することは多喜の18番だが、そこから先は不得手、という自覚があった。
「まぁ、こっから先は不得手でね。推理は任せたよ、探偵さん方?」
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィロメーラ・アステール
「謎は全てとけたー!」
でもそれは重要なことじゃない!
大切なのは、本当にしたい事だろ!

【謳い謳われし満天星】発動!
『甘き旋律』を奏で【楽器演奏】だ!
どこか思い出を刺激する【郷愁を誘う】旋律に乗せて歌う。

(大体の内容)
その少女は、光り輝くステージをただ眺めて居た。
そのステージは少女にとって憧れだった。
少女の夢のお話。

それは紳士のお話でもあった。
紳士は悔やんでいる。
少女達への配慮が欠けていたこと、不審な点を見過ごしたこと、傍に居ながら無力だったこと。

今、彼の前には道がある。
復讐に手を貸す? それとも?

そのステージが少女を光にも闇にもするだろう。
紳士が導くのはどっちのショウだ?
(歌の続きを二人に託す)



「謎は全てとけたー!」
 深夜のカフェーに、フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)の声が響き渡る。結構大きな声ではあったが、寮に住んでいる娘達が起きては来ないギリギリのラインである。さすがはその場のノリと勢いで生きているハイテンション妖精である。二人(?)の回りをちょこまかと飛び回りながら、その言葉を続ける。
「謎は全てとけた! しかし! でもそれは重要なことだろうか! いや、そうじゃない!」
 思わず反語を活用しつつ、アステールは熱弁する。確かに、その目の前にはこの謎の答えがある。しかし、それは本当に『正しい』のだろうか。
「大切なのは、本当にしたい事だろ!」
 その言葉と共に、青い宝石のハープはその音色を響かせる。その甘い旋律に、アステールの気持ちを乗せて、どこかロックさも感じられそうな音色は、二人を包み込んでいく。

 気がつくと、正樹は客席に座っていた。それが、アステールのユーベルコード、謳い謳われし満天星によるものであるという事に気づくのは、その数日後であったという。
 ステージが明転し、煌びやかな衣裳を身に纏う少女が現れる。アステールの奏でる旋律に時には優しく、時には力強くこのステージの上を舞い踊る。
「っ!」
 正樹と、その少女が一瞬だけ目が合う。その少女、愛子が、ステージの上で輝いている。まさに、正樹が一番見たかった光景に違いは無いだろう。
「……そう、これがわたしの憧れでした」
 正樹の隣、一人の少女がそう呟く。ステージ上のそれとは違い、悲しく、憂いを纏うその声色は、ステージの盛り上がりと比例して冷たく正樹の耳に響いていく。
「わたしは、どうすべきなのでしょうか」
 暗転。スポットライトは、客席にいたはずの正樹と愛子に向けられている。ステージがあったはずの目の前には、大きくふたつの分かれ道。アステールの演奏にも熱が籠もる。光と、闇。このまま復習することが、本当にやりたいことなのか、どうか。
「さぁさぁ、紳士の選択が、少女を光にも闇にもするだろう。紳士が導くのはどっちのショウだ!?」
アステールのその歌声で、場は静寂に包まれる。スポットライトに照らされる二人。
「……行こう、愛子」
 正樹は、愛子の手を取り前に進む。ふたつの分岐点、そのどちらかに踏み出した瞬間、場は暗転する。

成功 🔵​🔵​🔴​

カグヤ・アルトニウス(サポート)
当面の間は生身ですね
【第六感】で攻撃を察知して回避しながら短距離テレポートと【念動力】+【空中戦】での立体機動で攪乱しつつ攻めるのが基本です

【念動力】+【衝撃波】が基本で、急所が分かれば【貫通攻撃】で突いて行き、耐性に応じて【精神攻撃】と【封印を解く】で対処します

防御としては各種耐性とシャッター・ウォールはありますが、基本的に【第六感】フル活用で直撃は避けます

スタンスとしてはボス戦に関してだけは対象に多少憐れみを感じても油断も容赦も無く冷徹に必要な戦果を求める感じになると思います


クロード・ロラン(サポート)
●心情
「俺は咎狩り!オブリビオンは皆狩ってやるよ!」
オブリビオンを倒すことこそ自分の存在意義と思っています
心情的に敵に同情することもありますが、
最終的にオブリビオンは狩るもので、それが救いにもなると思っています
助けるべき人がいれば、全力で助けに行きます
言動が素で中二病まっさかりな感じです

●戦闘
小柄さ・身の軽さを活かした、スピードやアクロバティックな動きで戦うタイプ
ダッシュ、ジャンプを多用し、敵の死角に潜り込んでUCを使います
武器は大鋏。斬ったり、叩いたり、お好きに使わせてください

その他、連携やアドリブお任せします



「……ここまで来てしまったからには、もう……」
 愛子は、悲しげにそうつぶやく。自分の行動が間違っていたことに気づいたとしても。今までの行動は、消すことができない。そう、死んだ人間が蘇らないように。
「……こうする、しかないのよ」
 その声は悲しみを抱え。それでも、その爪は的確に猟兵たちに襲いかかってくる。
「やるしかないですね!」
 カグヤ・アルトニウス(辺境の万事屋兼宇宙海賊・f04065)の足はその刹那、大地から離れる。まぁ、正確には大地を蹴る、のではなく短距離テレポートによるものであるのだが。急上昇、急降下、急旋回。テレポートに念動力、そこに空中戦の立体機動である。大きく振りかぶったその爪は空を切り、大振りしすぎてそのバランスを崩す。
「ほらほら、こっちも無視してんじゃねーぞ!」
 バランスが崩れたその体に、クロード・ロラン(黒狼の狩人・f00390)の大鋏が襲いかかる。全身に真っ黒な炎をまとい、熱と刃が愛子の身を確実に傷つける。
「どうして……」
 二人と戦う愛子を見て、正樹は顔を覆う。無理もない、目の前では自らが愛していた者が戦っているのだ。それも、自らの贖罪のため。負けることが前提の、傷つけられるためだけの儀式である。
「確かに、これが本当に正しいのかはわたしたちにもわかりません」
 その言葉に、カグヤが答える。
「……まぁ、それでもこれが最善であった、と信じています」
 静かに、しかしその覚悟を胸に、再度その大地を蹴る。
「確かに、同情できるところはたくさんあるよな、俺でも自分がそうだったらどうなってるかわからねえ!」
 クロードも、そこに言葉を重ねる。
「でもな、愛子はオブリビオンになっちまったんだ、それを狩ることで、救いにもなるんじゃねえか?」
 決まった……と中二病真っ盛りなクロードが一瞬だけそう思ったのは内緒である。本心には変わりないですし。
「ま、これも愛子の選んだ最期だ。見届けてやれよ?」
 その言葉を最後に、クロードは自身に黒い炎を身にまとい大地を蹴る。それと同時に、カグヤも見合わせたようにマルミアドワーズを構える。次の一瞬ですべてが決まる。
「正樹さん…… 本当にありがとうございます」
 正樹のその耳に、優しい声が聞こえてくる。それは、あの日までずっと聞いていた、あの声。
「あなたのおかげで、私は夢を見れました……。その夢が終わったあとも、私のことをずっと考えてくれて、こんなこともしてくれて……」
「愛子……」
「私は、道を踏み外してしまうところでした。それは、償わないといけません。ごめんなさい……」
 次の瞬間。炎と刃が愛子を貫く。
「これで、良かったんですよね」
 朝日が昇り始める頃、正樹はそう呟いた。
「残酷なことをしてしまい、申し訳ありません。しかし、見てあげてください」
 カグヤのその言葉に、正樹は愛子の最期の姿を見ると、その顔は、穏やかな笑みを浮かべていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年10月04日


挿絵イラスト