7
隠された牙

#ダークセイヴァー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ダークセイヴァー


0




「え〜っと……みみみみ皆さん、き、きき聞いてくれません、っすか……ダークセイヴァー世界で、じ、事件が発生した……みたい、っす……」
 黒髪のロングヘアの女性が、めちゃくちゃ緊張した面持ちでマイク片手に喋り出した。注がれる猟兵たちの視線にビクッと肩を震わせた後、はぁーっと息をついてまた話し出す。
「えっと、じ、自己紹介が遅れました……一応グリモア猟兵の雨月・雨莉っす……人間のバトルゲーマー、っす……以後お見知りおきを……」
 さて、と咳ばらいをひとつして、雨莉は出したグリモアを見ながら話し出した。
「えーっと、で、じゃぁ、じ、事件の説明をします、ね。えっと、ダークセイヴァー世界のヴァンパイアの中には、街の統治を任せた住人を何らかの手段で脅迫することで、面倒な統治をせずに街に潜伏して暮らす者もいるん、ですが。その潜伏してるヴァンパイアの情報を知ってしまった人物が、捕まって地下牢に閉じ込められてるみたい、っす」
 そこで一旦言葉を切って、息を吸って、
「皆さんには、この捕まっている人を助け出して、情報を聞き出した上で、その潜伏してるヴァンパイアを倒して欲しいんす」
 と一気に語った。ちょっと息を整えつつ、雨莉はボソボソと追加の情報を語る。
「……潜伏してるヴァンパイアに関しては、正直さっぱり情報がないんで。まずは捕まってる人を助けないと。後のことは、助けた後で考えやしょう……」
 で、となると次は助けるべき人物の情報っすね、と雨莉はボリボリ頭を掻きながらグリモアを見る。
「えっと、捕まってるのはナキリさんっていう若い女性の方っすね。俺より若……いやそこはどうでもいいっす……なんか、気が強くて意思も強い女性みたいで。捕まったのも、ある日突然失踪した弟を独自に探してるうちに、潜伏してるヴァンパイアの正体に辿り着いちゃったからみたいっす」
 言い忘れてた、っていうかほんとはこっちを先に言うべきだったんすが、と雨莉は顔を上げる。
「その街では、年若い少年が人知れずに消えるって事件が起きてて。不思議と話題にもならないし誰も調べようとしないんすけど、まぁ十中八九潜伏してるヴァンパイアがなんかやってるんでしょーね……統治を任せてる人間に情報統制させたりとかして……」
 失踪事件の犯人も恐らくは潜伏してるヴァンパイアだろうが、その正体は分からないと雨莉は言う。
「ので、とにかくナキリさんを助けて情報訊かないと。そのためには、地下牢をどうにかして攻略しないといけないわけで……」
 ああもう、説明することが多いなぁ、とぶつくさいいながらグリモアとにらめっこする雨莉。
「幸い、地下牢の場所は分かってるんで。街の、廃墟にしか見えない建物の地下に。こう、なんか、すごーくオーソドックスな感じの拷問地下牢が……」
 場所自体は分かっているので、そこまで行くこと自体はできる。あとはどうやって地下牢を攻略するかだが。
「これはもう、なんでもいいと思うっす。力に自信のある人なら正面突破で牢を破壊してもいいでしょーし。鍵を盗み出すとかして秘密裏に救出したりでもいいし。ヴァンパイアの息がかかった牢番がいますけど、正直あんまりやる気ないみたいなんで。そいつを騙すとかして助けてもいいし」
 方法は色々あると言う。あとは、各々の猟兵次第だ。ちなみに、牢番は下っ端らしくヴァンパイアのことはあまり知らないので、牢番からヴァンパイアのことを訊き出すことはできない。
 説明を終えた後、雨莉はちいさーく握りこぶしを作って猟兵たちを激励する。
「俺はまぁ、皆さんをテレポートさせる仕事があるんで、一緒には行けないっすけど。その……頑張ってくださいっす」
 ファイトっす、という呟きを残して。


ライ麦
 こんにちは、ライ麦です。
 というわけで始まりましたね第六猟兵。私も頑張りますので、よろしければお付き合いの程、よろしくお願いいたします。

 改めて確認。
 このシナリオの目的は、潜伏しているヴァンパイアを倒すことです。
 全ての章をクリアすると、この目的が達成できます。
 第一章では、潜伏しているヴァンパイアの正体を知る女性(ナキリさん)を地下牢から助け出すことが目的です。これがクリアできると次の章に進めます。
 方法はOPにある通り、色々あるので、色々と考えてみてください。で、それをプレイングにしてぶつけてください。後は私がアレします。

 初めてで慣れないことも多いですが、お互いに頑張って行きましょう!
 それでは、猟兵の皆さまのプレイングをお待ちしております!
 ドウイットユアセルフ! まずは、やってみることさ!
52




第1章 冒険 『拷問地下牢』

POW   :    正面突破で拷問地下牢を破壊して重要人物を救出する

SPD   :    鍵を盗み出すなどして秘密裏に重要人物を救出する

WIZ   :    牢番や拷問吏を騙して重要人物を救出する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シャルロット・クリスティア
ここもヴァンパイアの支配下に……。
……いえ、嘆くのは後です。まずは自分にできることをやっていかねば。

と言っても、隠密行動は苦手なんですよねぇ。
花雫(f00523)さん、すみませんが陽動、お願いしても?
救出はこっちで何とかやってみます。

さて、牢番の相手をしてもらってる間に……刻印弾なら破壊力は十分。鍵くらいなら強引に破壊できるでしょう。

あなたがナキリさんですね?助けに来ました。ちょーっと危ないので下がっててくださいね!


霄・花雫
「まーかして! そう簡単に追い付けないよーにしてあげる!」

親指を立ててシャルロット(f00330)に応えて、準備は万端。

わざと牢番に姿を見せて、見付かった! とでも言いたげな様子を自然に演じてみせる。
ダンサーは演技力だってなくちゃね!
牢番が怪しい奴だと思ってくれたらしめたもの。牢番を引き付けて、飛んで跳ねての大立ち回りと行こうかな!
勘は良い方なんだよねー、なるべく他の敵にかち合わないように道を選んで逃げ回るよ。
シャルや他のひとがナキリさんを助け出すまでは、牢番はあたしが引き受けた! くらい言えないとカッコ付かないもんねー。



「ここもヴァンパイアの支配下に……」
 一見廃墟にしか見えない建物の前で、シャルロット・クリスティア(人間のマジックナイト・f00330)は肩を落とす。脳裏にはかつて喪った両親、そして、故郷のことがよぎっていた。ヴァンパイアに対する抵抗運動をしていた両親。結果として運動は鎮圧され、粛清されて村ごと壊滅してしまった。苦い記憶と、この街の状況がどこか重なり、シャルロットは唇を噛む。でもだからこそ、と彼女は力強く面を上げた。
「……嘆くのは後です。まずは自分にできることをやっていかねば」
 この街を密かに支配しているヴァンパイアを倒し、街を解放する。そしていつかは、失った故郷も取り戻してみせる。決意を胸に、シャルロットは拳を握りしめた。そのためにまずは、囚われている人物を救出しなければ、と彼女は建物の入り口を見やる。幸い、建物の入り口周辺に見張りらしき人間は見当たらない。一見廃墟にしか見えない建物だ、入ってくる人間もいないだろうとヴァンパイアも高を括っているのだろう。だが、牢周辺はそうはいかないとシャルロットはため息を吐いた。正直、隠密行動は苦手だ。だから、とシャルロットは一緒に来ている霄・花雫(霄を凌ぐ花・f00523)に視線を送る。
「花雫さん、すみませんが陽動、お願いしても?」
 シャルロットのお願いに、花雫はグっと親指を立てて応えた。
「まーかして! そう簡単に追い付けないよーにしてあげる!」
 花雫の頼もしい返答に、シャルロットも安堵の息を吐く。
「ありがとうございます。救出はこっちで何とかやってみますから」

 かくして廃墟に潜入した二人は、事前の情報通りに地下を目指す。地下までの道に障害らしい障害はなく、あっさりと地下に辿り着くことができた。情報を知っている身としては、こんなに簡単でいいのかと拍子抜けしそうになるが、とはいえ。知らなければこんな、廃墟にしか見えない建物の地下に牢があって、そこに誰か囚われているなんて思いもしないだろう。人避けはこのぐらいで十分なのかもしれない。いざとなれば統治を任せている人間に命令して、ここに人を近づけさせないこともできるのだから。
 尤も、さすがに牢周辺は厳重だ……と思いきや、牢の前では牢番らしき人間が椅子に座って、退屈そうにあくびをしていた。雨莉が言っていた通りだ。あんまりやる気なさそうだ。とは言っても、ヴァンパイアの息のかかった人間には違いない。油断は禁物だ、とシャルロットと花雫は物陰で互いに顔を見合わせ、頷いた。まずは牢番の気を逸らす。そのために、花雫はわざと物陰から飛び出した。
「あれ―? 迷っちゃった。ここどこー?」
 キョロキョロと辺りを見回す花雫を見た牢番は、目の色を変えてばっと立ち上がる。
「貴様……!? 何奴だ!? 何故ここにいる!」
「きゃっ! 見付かった!」
 自然に飛びのき、いかにも慌てた様に花雫は駈け出す。ダンサーには演技力だってなくちゃ!
「あ、待て!」
 効果はてきめん。牢番は手を伸ばして花雫を追ってきた。やる気がないとはいえ、仮にもヴァンパイアの息のかかった牢番だ。侵入者がいれば当然追いかける。それをより引き付けるように、花雫はひらひらと、飛んだり跳ねたりしながら立ち回った。まるで空を泳ぐ魚のように。勘は良い方だ。なるべく他の敵にかち合わないように道を選んで逃げ回る。逃げ回りながら、花雫はちらりと牢のある方に視線を送った。
(「シャルや他のひとがナキリさんを助け出すまでは、牢番はあたしが引き受けた! くらい言えないとカッコ付かないもんねー」)
 後は任せたよ、と花雫は心の中でサムズアップして、軽やかに道を駆け抜けた。

 花雫が牢番を引き付けてくれている間に、シャルロットは急いで牢に駆け寄った。薄暗い牢の中では、ポニーテールの女性が手枷と足枷をつけられた状態でうずくまっている。その体は傷だらけで、あちこちから血が滲んでいた。拷問地下牢というくらいだ。ここに至るまでに、様々な拷問を受け続けてきたのだろう。早く救出しなければ。逸る気持ちを押さえ、シャルロットは牢の柵を叩いた。
「あなたがナキリさんですね? 助けに来ました」
 その声に、ポニーテールの女性は顔を上げてシャルロットを見る。
「そうだが……あなたは?」
「猟兵です。ちょーっと危ないので下がっててくださいね!」
 この世界の人々に、猟兵の存在は知られていないけれど。あえてそう名乗って、シャルロットは構えた。刻印弾なら破壊力は十分。鍵くらいなら強引に破壊できるはずだ。察したのか、ナキリも体を捻って一歩後ろに下がる。シャルロットは息を吸った。
「いきますよ……術式刻印弾・炎爆(ルーンバレット・ブラスト)!」
 放たれた炎の魔力を纏った弾丸が、牢の鍵穴に着弾し炸裂する。音を立てて、粉々に牢の鍵が砕けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アイナ・ラウタヴィーラ
要人救助、ですね。
えと、もう突入してる仲間がいるようですから、脱出の援護に回ります……。

牢番と要人はもう分断されているみたいですから、リザレクトオブリビオンで呼び出した死霊を囮の人が引き付けている牢番へけしかけて囮役の人が捕まらないように時間を稼ぎます。

私はそのままナキリさんのところへ向かって救助に参加しますね。
治療が出来ないので、ナキリさんが自力で動けないようならば抱えて出口まで運ぶのをお手伝いします……

あ、その、こんな見た目ですけど、女性一人なら抱えて走るくらいなら出来るので、大丈夫、です。
……派手に牢を破ったみたいなので、増援が来る前になるべく急いで出口まで向かいましょうね。


アーレイラ・モンクスフード
陽動と、牢破壊が済んでいますので私はナキリさんの連れ出しを申し出ます。
「私は修道女のアーレイラと申します。オブ…吸血鬼の敵、でしょうか?旭の、黎明の神に仕える者です」優しく安心させる様に語り掛けます。
ユーベルコードの黎明なる者の衣を使用し、光のロザリオを手渡し姿を隠しての連れ出しを試みます。
「忘れられて久しい神ですが、人の子を守る神です。貴方に彼の方の加持を」
声を出さない様に注意してから手を引いて連れ出します。
万一見つかっても、私自身が残り足止めをして逃す積りで居ます。

その場合も、きっと続く誰かが彼女の手を引いてくれるでしょう。

「明けぬ夜などありません。過去に、闇に囚われぬよう、進みましょう」



その頃、牢番はまだ花雫を追っていた。
「くそっ、待て、侵入者め……!」
 仮にもヴァンパイアに牢番を任された手前、易々と侵入者を逃がすことなどできない。身軽に身をかわす花雫を、執念で追いかけていく。牢番の方も本気だ。侵入者を逃がしたら、主であるヴァンパイアにどんな罰を与えられるか分かったものではない。必死で花雫の背に手を伸ばす牢番……の前に突如、見覚えのない騎士と竜が現れた。
「ひっ……ひぇぇ!」
 驚き、恐怖の声を上げる牢番。それを物陰から密かに眺めている妖狐がいた。
「……リザレクト・オブリビオン」
 妖狐――アイナ・ラウタヴィーラ(常世に祈る・f00892)が呟く。そう、騎士と竜は囮役が捕まらないよう、彼女が召喚した死霊だ。叫び声を上げる牢番を尻目に、アイナは牢へと急ぐ。花雫とけしかけた死霊がいれば、牢番の気は十分に逸らせるだろう。あとは一刻も早く、要人を助け出さねば……。そう、増援が来る前に。
 尤も、ナキリの救出にやってきた猟兵は彼女だけではない。アイナが牢に辿り着くと、そこには同じように救出に来たアーレイラ・モンクスフード(ダンピールのクレリック・f02061)の姿があった。シャルロットの手助けもあって、なんとか手枷と足枷を外せたらしいナキリに、アーレイラは優しく安心させる様に語りかける。
「初めまして。私は修道女のアーレイラと申します。オブ……吸血鬼の敵、でしょうか? 旭の、黎明の神に仕える者です」
「吸血鬼の、敵……」
 その言葉に安堵したらしい。ナキリはほっと息を吐いて、「私はナキリだ」と短く自己紹介した。そして、
「……本当に助けてくれるのか? 夢みたいだ……もうダメかと思っていた……」
 と一滴の涙と共に心情を零す。
「ええ、必ず助けます」
 アーレイラが力強く頷く。アイナも壊された鍵を見ながら呟いた。
「……派手に牢を破ったみたいですし、増援が来る前に急いで脱出しましょう。ナキリさん、自力で動けそうですか?」
 もし動けなければ、私が抱えて走りますが……というアイナに、ナキリは軽く手足を動かして答えた。
「……怪我は痛むが、なんとか」
「それでは、これを」
 アーレイラが光のロザリオを手渡す。
「いと尊き黎明の神よ、汝の衣で我らを隠したまえ」
 詠唱と共に、ナキリとアーレイラの姿が透明になる。黎明なる者の衣(デイライトシンカー)。これで、姿を隠して移動することができる。
「忘れられて久しい神ですが、人の子を守る神です。貴方に彼の方の加持を」
 声を出さないように注意してから、アーレイラはナキリの手を引いて慎重に出口に向かう。黎明なる者の衣の効果もあり、なんとか見つからずに出口に辿り着くことができた。久しぶりに外の空気を吸ったナキリはほっと息を吐き、助けてくれた猟兵達に向き直る。
「捕まってからずっと、闇の中にいるようだった……こうしてまた、日の光を浴びることができるなんて。本当にありがとう」
 笑顔で礼を言うナキリに、アーレイラは言う。
「明けぬ夜などありません。過去に、闇に囚われぬよう、進みましょう」
 ああ、と頷いたナキリはふと真剣な顔で告げた。
「吸血鬼の敵、と言ったな? 貴方方もヴァンパイアに抗う者と見込んで、頼みがある。どうか、私の話を聞いてくれないか」
 私の知っていることは全て話す、とナキリは語り出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『秘密の拠点への通路』

POW   :    罠や障害を力尽くで突破する

SPD   :    発動した罠を素早く回避する

WIZ   :    慎重に罠を見つけ出して安全に進む

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「どこから話せばいいのか分からないが……そうだな、事の発端は私の弟――ナキュレが、一月前に行方不明になったことだ」
 猟兵達を前に、ナキリはポツポツと語り始めた。
「ナキュレは行方不明になる前、体調を崩した両親のためによくとある薬屋に通っていた。もしかしたら、その薬屋に何かあるのかもしれないと思って張っていたところ――その薬屋の薬師が、人間に成りすましたヴァンパイアであることを知ってしまったんだ」
 そして、同時に、その薬屋のカウンターの中に秘密の地下道への入り口があることも発見したという。
「他の従業員……おそらくはヴァンパイアの手下だろうが、がいなくなる隙を見計らってその地下道に潜入したんだが……途中で捕まってしまってな。結果がこのザマだ」
 自身の傷を見、ナキリは肩をすくめてため息をついた。そして、気を取り直したように改めて話し出す。
「その地下道には、警備の人間は元より、様々な罠も仕掛けられていた。例えばワイヤートラップや、粘着罠やトラバサミ。括り罠、落とし穴など……様々だ。同じ罠が複数仕掛けられていることもあった」
 尤も、罠自体にそこまでの殺傷力はない。問題なのは、罠に捕まったり、罠に手こずったりなどすれば警備の人間が駆けつけてくることだ。私も罠に手こずっているうちに捕らえられてしまって……と、ナキリは嘆息した。
「私は途中で捕まってしまったから、その地下道の先に何があるのかは分からない。だが、おそらくはヴァンパイアの拠点に繋がっていると思う」
 そして、おそらくその薬師に化けていたヴァンパイアもそこにいるだろうという。
「ナキュレが無事なのかどうかも分からないが、できることなら、私もそこに行ってヴァンパイアに一矢報いたい。だが、生憎のこの怪我、行ったところで足手まといにしかならないだろう……。それに、顔が知られている私が行くのはまずい。だから、申し訳ないが代わりに行って来て……そして」
 ヴァンパイアにふさわしい報いを与えて欲しい、とナキリは真剣な面持ちで言った。
「よろしく頼む」
「罠、たくさん?」
 ナキリに教えてもらった地下道に降り立った舞音・ミケ(キマイラのサイキッカー・f01267)は、ふむ、と指を頬に当てて小首を傾げた。
「でも、普段使ってる通路なら安全に通ろうと思えば通れるよね」
 その通り。ヴァンパイア達が普段使っている通路なら、たとえ罠だらけでも安全に通れるルートはあるはずなのだ。そこに気付くあたり、なかなか鋭いミケである。ともかくそれを見つけよう、とミケは黒猫の霊を召喚し、先を見ながら進む。ヴァンパイア達の足跡、罠の動いた跡、ホコリの積もり具合等……役に立ちそうな痕跡を見逃さないように。さらに警備の人に見つからないよう、聞き耳や第六感も駆使して、慎重に進む。いざとなれば黒猫が身代わりになってくれるはずだ。
 そうやって進んでいるうちに、ミケは気になる床を発見して足を止めた。僅かに残る先人の足跡が、不自然にここで途切れているのだ。何だろう。絶対に何かありそうな気がする。だが不用意に足を踏み入れるのは危険だと、ミケの第六感が告げていた。なればとミケはおもむろに丸い石を取り出し、そっと転がしてみる。この石はなんの変哲もないただの丸い石だが、ミケが肌身離さず持ち歩き、想いを込め続けた結果立派な媒介具になったものだ。その割には扱いが雑で、こうして罠が発動しないかどうか試すのにも使っちゃうのだが。
 果たして、石が転がった床は不意にパクリと割れ、下に向かって扉が開くように開いた。落とし穴だ。やっぱりだと、慌てて石が落下する前に手を伸ばして掴む。底を覗き込むと嫌らしいことに、大量の槍が尖った方を上にして備え付けてあった。落ちたら串刺し。落ちなくてよかったと心の底から安堵する。罠自体にそこまでの殺傷力はないという話だったが、この罠は割と殺傷力高い方じゃないだろうか。
 ともあれ。無事に落とし穴を突破した彼女はヴァンパイアの拠点を目指して、さらに奥へと進んでいくのだった。
舞音・ミケ
罠、たくさん?
でも普段使ってる通路なら安全に通ろうと思えば通れるよね。
黒猫の霊を召喚して先を見ながら進もう。
罠を見つけたら解除、無理そうなら場所だけ覚えてよける。
何が起きるかわからないところは装備の「丸い石」転がしてみる。
(大切な召喚媒介道具だけど扱いが雑)

警備の人が来たら隠れて、見つかりそうなら黒猫で制圧して無力化しよう。
できれば、できるだけ見付からないように行こう。

ヴァンパイア達の足跡、罠の動いた跡、ホコリの積もり具合…
とか役に立ちそうな痕跡は全部参考にするよ。



「罠、たくさん?」
 ナキリに教えてもらった地下道に降り立った舞音・ミケ(キマイラのサイキッカー・f01267)は、ふむ、と指を頬に当てて小首を傾げた。
「でも、普段使ってる通路なら安全に通ろうと思えば通れるよね」
 その通り。ヴァンパイア達が普段使っている通路なら、たとえ罠だらけでも安全に通れるルートはあるはずなのだ。そこに気付くあたり、なかなか鋭いミケである。ともかくそれを見つけよう、とミケは黒猫の霊を召喚し、先を見ながら進む。ヴァンパイア達の足跡、罠の動いた跡、ホコリの積もり具合等……役に立ちそうな痕跡を見逃さないように。さらに警備の人に見つからないよう、聞き耳や第六感も駆使して、慎重に進む。いざとなれば黒猫が身代わりになってくれるはずだ。
 そうやって進んでいるうちに、ミケは気になる床を発見して足を止めた。僅かに残る先人の足跡が、不自然にここで途切れているのだ。何だろう。絶対に何かありそうな気がする。だが不用意に足を踏み入れるのは危険だと、ミケの第六感が告げていた。なればとミケはおもむろに丸い石を取り出し、そっと転がしてみる。この石はなんの変哲もないただの丸い石だが、ミケが肌身離さず持ち歩き、想いを込め続けた結果立派な媒介具になったものだ。その割には扱いが雑で、こうして罠が発動しないかどうか試すのにも使っちゃうのだが。
 果たして、石が転がった床は不意にパクリと割れ、下に向かって扉が開くように開いた。落とし穴だ。やっぱりだと、慌てて石が落下する前に手を伸ばして掴む。底を覗き込むと嫌らしいことに、大量の槍が尖った方を上にして備え付けてあった。落ちたら串刺し。落ちなくてよかったと心の底から安堵する。罠自体にそこまでの殺傷力はないという話だったが、この罠は割と殺傷力高い方じゃないだろうか。
 ともあれ。無事に落とし穴を突破した彼女はヴァンパイアの拠点を目指して、さらに奥へと進んでいくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

守谷・一刀
あかりん(f06738)と同行
あーあーやだねえ、こう湿っぽい場所は
ま、ナキリの譲ちゃんの弟君も気になるし、さっさと行くか!
ほれ行くぞ、あかりん

罠を解除したり避けるってのは性に合わねえな
一気に突破と行こうじゃねえか!
罠に引っかかったら……あんま滅多に使わねえけど、愛刀で払ったりだな
こっちの攻撃で捌けない様なら後ろからついてきているあかりんに任せよう

そういやナキリの譲ちゃんも言ってたな
どうすっかな
こういうトコにゃトラバサミとかワイヤートラップが転がってるだろ? 俺が引っかかりかけたのもあるけど
これをうまく再利用すりゃ足止めできるだろ

っしゃビンゴ!

アドリブ可、自由に動かしてやってください


上里・あかり
一刀さん(f03105)と
ナキリさんに応急手当を
弟さんの為にこんな怪我を…
任せてください、皆で力を合わせてヴァンパイアを倒してみせます!
あ、あかりんって呼ばないでくださいっ

私は一刀さんのサポートに回ります
後ろからついていけば、一刀さんが罠にひっかかるので私は大丈夫…かな?
一刀さんがかりそうなら後ろから声をかけてあげられますし
慎重に行きたい所ですが、置いてかれちゃうので発動した罠を攻撃や回避でお互いあまりダメージを負わないように行動します

あ、地下道には警備の人がいるってナリキさん言ってましたよね? 急いで先に進み…何をしているんですか?
再利用、ですか?
分かりました、任せてください

アドリブ可能です



一方、上里・あかり(あかりを照らすもの・f06738)は地下道に向かう前にまずナキリの応急手当をしていた。
「弟さんの為にこんな怪我を……」
 気遣うあかりに、ナキリは、
「手当までしてくれるとは……本当にありがとう」
 と感謝しきりだ。
「この上にヴァンパイアの退治までお願いしてしまうとは、気が引けるな」
「いいえ、それが私達の仕事ですから。任せてください、皆で力を合わせてヴァンパイアを倒してみせます!」
 力こぶを作ってみせるあかりに、頼もしいとナキリは感嘆した。
「ま、ナキリの嬢ちゃんの弟君も気になるし、さっさと行くか! ほれ行くぞ、あかりん」
 一緒に来ていた守谷・一刀(一矢をもって悪を断つ・f03105)が声をかける。
「あ、あかりんって呼ばないでくださいっ!」
 ちょっと赤くなって抗議しつつ、あかりも一刀の後に続いて件の地下道に向かった。
 そして辿り着いた地下道。普段もヴァンパイアやその手下が使うためか、灯りはあるがどこか薄暗く、湿っぽい。
「あーあーやだねえ、こう湿っぽい場所は」
 湿った空気の匂いを嗅ぎ、一刀は顔をしかめる。だがここで立ち止まるわけにはいかない。いざ、地下道の先へ。尤も、ここは罠だらけなわけだが……。
「罠を解除したり避けるってのは性に合わねえな。一気に突破と行こうじゃねえか!」
 掌を拳でパシンと打ち、一刀は一気に駈け出した。
「え、えぇ!? ま、待ってください!」
 あかりが慌てて後を追う。もっと慎重に行きたいところだが、のんびりしてたら置いてかれちゃうから仕方ない。それに、後ろからついていけば一刀が罠にかかるから自分は大丈夫、かもしれない。と、思いながら追いかけていると、ふと先行く一刀の前に何かキラッと光るものが見えた。
「あ、一刀さんそこに何か……」
「え?」
 振り向く一刀だが、急には止まれない。振り向いてまた前を見た時にはもうそこに飛び込んでしまっていた。
「うわー! なんじゃこれはー!?」
 ワイヤーまみれになった一刀が叫ぶ。見えにくいワイヤーが、足元だけでなく四方八方に張り巡らされていたらしい。意地の悪いトラップ。とりあえず滅多に使わない愛刀で絡みつくワイヤーを振り払う。しかし一刀が引っかかってくれたおかげであかりは引っかからずに済んだ。それに安堵しつつ、あかりははっと気が付いた。
「あ、地下道には警備の人がいるってナキリさん言ってましたよね? どうしよう、急いで先に進まないと……」
 焦るあかりに、一刀も腕を組んで考え込んだ。
「そういやナキリの嬢ちゃんも言ってたな。どうすっかな……」
 そう言ってる間に、カツーン、カツーンと警備の者と思われる足音が聞こえてきた。ますます焦るあかり。
「一刀さん、早く……って何をしているんですか?」
 一刀は先ほど切ったワイヤーを集めていた。
「いや、これをうまく再利用すりゃ足止めできるだろって思ってさ」
「再利用、ですか? 分かりました、任せてください」
 一刀の意図を理解したあかりが頷く。いざ。二人は切ったワイヤーの端を互いに持ち、足元にピンと張って物陰に隠れた。何も知らない警備の人間が近づく。
「今、この辺で声が……うわっと!?」
 狙い通り、警備の人間はワイヤーに蹴躓いてすっ転んだ。一刀はよっしゃというように拳を握る。
「っしゃビンゴ! よし、早く先行こうぜ!」
「あ、待ってください!」
 またも駈け出す一刀の後を、あかりが追う。少々危ない場面もあったものの、二人は無事にワイヤートラップを抜け、着実に一歩を進めたのだった。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

青葉・颯夏
ルーナ(f01357)と同行

どんなところに行っても興味のあることばかりね
やる気があると思うことにするわ
矢?
あるにはあるけど……なにに使うのかしら
《雪紐》の胴体から数本の矢を取り出してルーナへ
ああ、仕掛け罠ね
これなら見つかっても少しは時間稼ぎができそうだわ

仕掛けができたら床と壁に注意しながら進む
なにかあれば第六感あたりが働くといいんだけど……
落とし穴があれば飛んで回避

敵に見つかったら後方に注意しつつ戦闘
花風を撃ちながら突破できるタイミングをはかる


ルーナ・リェナ
颯夏(f00027)と同行

そういえばこういうのって初めてだったっけ
だったらやってみたいことあるんだよね
颯夏、矢っていっぱい持ってなかった?
できればちょっと拝借したいなぁ

颯夏からもらった矢と、ワイヤートラップの残りのワイヤーで
即席の迎撃用罠を作るね
レプリカクラフト使ったら上手くできるかな
設置できたらあとは主に天井側についてる罠を警戒しながら奥へ
追跡で、普段通ってそうなところを見ながら通って大丈夫そうなところを見極める
見つけたら颯夏に伝えて引っかからないように注意するよ
敵に見つかったら、前方に注意しながら戦う



「そういえばこういうのって初めてだったっけ。だったらやってみたいことあるんだよね」
 ちょっとワクワクした様子のルーナ・リェナ(アルコイーリス・f01357)の言葉に、青葉・颯夏(悪魔の申し子・f00027)はやれやれというようにため息をついた。
「どんなところに行っても興味のあることばかりね。やる気があると思うことにするわ。それで、何をするの?」
「颯夏、矢っていっぱい持ってなかった? できればちょっと拝借したいなぁ」
「矢? あるにはあるけど……なにに使うのかしら」
 そう言いながら、颯夏は『雪紐』と名付けられた、金色の髪に赤い瞳のからくり人形の胴体から数本の矢を取り出し、ルーナに渡した。ありがと、と受け取ったルーナは、一刀達が残したワイヤートラップの残りのワイヤーと、颯夏からもらった矢で即席の迎撃用罠を作り始めた。レプリカクラフトも使い、精巧に仕上げていく。見ていた颯夏も合点がいった。
「ああ、仕掛け罠ね。これなら見つかっても少しは時間稼ぎができそうだわ」
「そうでしょ?」
 出来上がった罠を設置しながら、ルーナはちょっと得意げな顔をする。罠だらけというなら、こっちがそれを利用して相手を罠にかけたっていいはずだ。無事に迎撃用の罠を仕掛け終わった後は、二人で慎重に罠に注意しながら奥へと進む。
「颯夏、こっちの天井からワイヤーが伸びてるよ。注意して」
「ありがとう。こっちの床にもトラバサミが設置してあったわ」
 などと、お互いに見つけた罠を報告しあいながら。フェアリーであるルーナが天井側についている罠を、オラトリオの颯夏が床と壁の罠を警戒しながら進むのは、理にかなっていて合理的だった。うまく役割分担ができている。さらにルーナは、追跡の技能も駆使して、上から誰か通ったような痕跡のある道を見極めては颯夏に伝えて、その道を通るようにした。これぐらい徹底していれば、そうそう罠に引っかかることもない。二人は順調に道を進んでいった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アイナ・ラウタヴィーラ
ナキリさんの怪我はもう大丈夫そうです、ね
罠、ですか……
単純なトラップほど引っかかり易いものですから気を付けない、と

頻繁に人が通っている痕跡があるルートが恐らく正解でしょうから、そういう痕跡のある場所を通ってみます
感覚系の技能を総動員して罠を探しながら慎重に進みましょう
暗がりや怪しい所は暗視で見るか、適当に生成した球を転がしてみて要確認、です

警備はなるべく見つからないように迷彩の技能で隠れてやり過ごすか……、見つからずに通るのが無理そうなら応援を呼ばれる前に黙らせちゃいましょう、ね

ナキリさんの弟さんがまだ無事ならいいです、けど……
なるべく急いで見つけてあげないといけない、ですね



・アドリブ歓迎です



「ナキリさんの怪我はもう大丈夫そうです、ね」
 ナキリの救出にも参加していたアイナ・ラウタヴィーラ(戦場の毛玉・f00892)は、あかりがナキリに応急手当てを施してくれたのを見てほっとする。あとは自分も急ぎ、秘密の地下道の攻略に加わらなければ。アイナはいざ、ナキリが教えてくれた地下道へと向かった。
「罠、ですか……単純なトラップほど引っかかり易いものですから気を付けない、と」
 そう呟きながら、アイナは油断なく地下道を見回した。頻繁に人が通っている痕跡があるルートが恐らく正解だろうから、技能も駆使して、そのような痕跡のある場所を探して通ってみる。もちろん、罠に対する警戒も怠らない。例えば、進む先の曲がり角に見つけた暗がり。第六感で何か怪しいと感じたアイナは、まず暗視でそこを見てみた。
「あそこ……何か、ある……?」
 暗視で何かあるらしいことぐらいは分かったが、何かまでは分からない。仕方ないから、適当に生成した球を転がしてみて確認してみる。と、べちゃっと球がくっついた。粘着罠か。あると分かれば、避けるのはそう難しくない。こんな調子で、アイナは技能も駆使しながら、次々に罠を攻略していった。
「ナキリさんの弟さんがまだ無事ならいいです、けど……なるべく急いで見つけてあげないといけない、ですね」
 そう呟きながら、罠だらけの道を掻い潜って着実に進んでいく。この先に何があるのか――そして、ついに出口に辿り着いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ヴァンパイア』

POW   :    クルーエルオーダー
【血で書いた誓約書】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    マサクゥルブレイド
自身が装備する【豪奢な刀剣】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    サモンシャドウバット
【影の蝙蝠】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 仕掛けられた数々の罠を突破し、ついに地下道の出口に辿り着いた猟兵達。ナキリの話だと、おそらくここがヴァンパイアの拠点だということだが、一体何が待ち受けているのか。慎重に足を踏み入れた猟兵達は、辺りを見回して思わず息を呑んだ。内側に鋭い棘を生やした檻。棘のついた鞭。棘の生えた椅子。その他様々な拷問用具が無造作に置かれ、周囲には血の匂いが漂っていた。猟兵達のうち幾人かが、こみ上げてくる吐き気をこらえるように口を押さえる。ナキリも拷問地下牢に閉じ込められていたが、ここでも拷問が行われていたのか。ここでの拷問の対象になったのは、おそらくヴァンパイアが攫ってきた年若い少年達だろう。そうなるとますますナキリの弟の安否が気にかかる。素早く猟兵達が部屋に目を走らせると、片隅に痩せ細った少年が俯せに倒れているのが目に入った。すかさず何人かの猟兵が駆け寄って声をかける。
「おい、大丈夫か!?」
「う……」
 少年が微かなうめき声と共に、うっすらと目を開ける。その身には殆ど何も纏っていない。露わな身体は傷だらけだ。だが、生きている。そのことに安堵しつつ、猟兵が名を訊こうとした時、カツーン、カツーンと靴音が聞こえてきた。
「何奴だ? そこで何をしている?」
 冷たい声色。猟兵達が振り向くと、そこには蒼白い顔をした一人の男が立っていた。容貌は整っているものの、その瞳も声もひどく冷たい。そして、その背には蝙蝠のような翼。間違いない、この男が倒すべきヴァンパイアだ。尤も、向こうは向こうでこちらのことを理解したらしい。
「なるほど、猟兵か。残念だが、私はこの少年を愛でるので忙しいのでね。お前達に付き合っている暇はない。さっさと退場してもらおうか」
 ヴァンパイアが装備している豪奢な刀剣を猟兵達に向かって向ける。戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。
西院鬼・織久
【POW】
【心情】
最後の狩には間に合ったようですね
我等が敵オブリビオン
その血肉、我等が怨念のとして頂きましょう

【戦闘】
「先制攻撃」を狙い「影面」を使用
命中したら「怪力」で引き付ける
逃げ出されそうなら「串刺し」で固定し「二回攻撃」「なぎ払い」
失敗や脱出された場合間合いが空いたら「範囲攻撃」で牽制
または「ダッシュ」で距離を詰める
敵の防御が高いなら「鎧砕き」「鎧無視攻撃」で防御を弱める
敵が傷付いたらそこを狙って「傷口をえぐる」

敵からの攻撃は致命傷のみ「見切り」で回避
回避できない物は「怪力」で「武器受け」
それと同時にタイミングを「見切り」「カウンター」を狙う



「最後の狩には間に合ったようですね。我等が敵オブリビオン。その血肉、我等が怨念として頂きましょう」
 駆けつけてきた西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)が、先制攻撃を狙い、黒い影を放つ。
「何人たりとも死の影より逃れる事能わず……」
 織久の口から紡がれる、呪いのような呟き。その言葉通りに、影面は見事にヴァンパイアを捉え、爆破する。
「グッ……!」
 ヴァンパイアが苦悶の声を上げる。だがまだ終わりではない。織久は無表情のままに、自身とヴァンパイアを繋いだ影の腕を掴むと、恐るべき怪力でもって引き寄せた。
「……っ! 何をする! 離せ!」
 ヴァンパイアが喘ぐように言い、影の腕から逃れようと身を捩る。それを織久は冷徹な瞳で見やり、赤黒い槍で串刺しにして動きを封じた。
「動くな」
「グァッ……!」
 貫かれたヴァンパイアが叫ぶ。その叫びを意に介さず、織久は柄と刃が一体化した黒い大鎌で、なぎ払うように二回連続で斬りつけた。さらに大剣でもって傷口を抉る。その刀身に彫られた花が血で鮮やかに咲く。さすがはオブリビオン狩りを至上目的とする西院鬼一門の狂戦士というべきか。戦いは初手から、織久がヴァンパイアに大きなダメージを与える形で開幕した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

坂上・半
ふーん

なんというか、不便そうだなぁ、その翼
こんな屋内じゃあよ

どうなんだおい

まぁ、おぜぜのために、仕事人半くん参上だぜ

視認と同時に縮地にて斬りかかる
準備なんて許すつもりねーよ

デッドウェイトに見える翼、片側だけ切り落としてやる
両側切り落とされたならともかく、片側だけならバランス取りづらいだろ?

それなりにたっぱあるみたいだしよぉ――逆に俺みたいなちっせぇの、捕えづらいだろ

殺気と呪詛でフェイントを入れて縮地で突っ込み
第六感と見切りで攻撃は回避してカウンター


剣を複数操る?
呪詛耐性にオーラ防御、残像で身を守った上で
敵を盾にする要領で動きを逆に制限してだまし討ちしてやんよ

乱戦は体のちっせぇ方が強いんだぜ



「ふーん。なんというか、不便そうだなぁ、その翼。こんな屋内じゃあよ」
 刀の鞘で肩をトントンと叩きつつ、ヴァンパイアを一瞥して坂上・半(羅刹の妖剣士・f06254)はボソリと呟く。屋内では特に使い道もなさそうだが、どうなんだおいと突っ込みを入れつつ、まぁいいかと半は妖刀を構えた。
「まぁ、おぜぜのために、仕事人半くん参上だぜ」
 そして、殺気と呪詛でフェイントを入れつつ、縮地にて一気に斬りかかる。道理も摂理も踏み越える一撃。準備なんて許すつもりはない。実際、織久の攻撃で動きを封じられたヴァンパイアには避ける余裕もない。そのまま、デッドウェイトに見える翼を片側だけ切り落とす。
「両側切り落とされたならともかく、片側だけならバランス取りづらいだろ?」
 ニヤリと笑ってみせる半。
「グァアアアア!」
 ヴァンパイアは痛みに叫び、
「おのれ……小童がぁ!!」
 と振り向きざまに、幾つもの複製した刀剣を一斉に半に向かって差し向ける。半はそれをオーラで防御しつつ、残像で目をくらませ、逆にヴァンパイアの背後に回り込んだ。結果、半に向けた幾つもの刀剣の切っ先が、ヴァンパイアの方に向く。
「何!?」
 ヴァンパイアが目を見開く。
「それなりにたっぱあるしよぉ、逆に俺みたいなちっせぇの、捕えづらいだろ」
 乱戦は体のちっせぇ方が強いんだぜ……と半は不敵に笑う。半を狙った刀剣はそのまま、半の前に立つヴァンパイアを貫いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

風雷堂・顕吉
【目立たない】ところから姿を現して話しかける。

風雷堂顕吉だ。ヴァンパイアハンターを生業としている。
ふむ……誇り高き血族が血族を前にその名すら名乗らぬとはな。
百年も生きておらぬヴァンパイアなどそんなものか。


【POW】
●クルーエルオーダー
誓約書の内容:下位者は上位者に逆らってはならない。

なるほど。
では最初に、どちらが上位者かを戦いで決めることにしようか。
【血族覚醒】し、【生命力吸収】し、さらに【吸血】する。


装備しているパイルバンカーの白木の杭で【串刺し】にし、【傷口をえぐる】。

忘れられた世界へと帰るがいい。オブリビオン。


※アドリブ歓迎



 猟兵達とヴァンパイアの戦いが繰り広げられる中、風雷堂・顕吉(ヴァンパイアハンター・f03119)は目立たないところから姿を現して話しかけた。
「風雷堂顕吉だ。ヴァンパイアハンターを生業としている」
「アァ?」
 これまでの戦いで不利な状況に追い詰められているヴァンパイアは、顕吉の言葉に苛立った様子で返した。呑気に自己紹介などしている場合ではないというように。顕吉はその返事にふむ、と顎を撫でた。
「ふむ……誇り高き血族が血族を前にその名すら名乗らぬとはな。百年も生きておらぬヴァンパイアなどそんなものか」
「……なんだと」
 ヴァンパイアの眉が不快そうにしかめられる。或いは図星だったのか。分からないが、ヴァンパイアはならばと血で書いた誓約書を顕吉に叩きつけてきた。顕吉はその内容を読み、頷く。
「『下位者は上位者に逆らってはならない』なるほど。では最初に、どちらが上位者かを戦いで決めることにしようか」
 そう言うと、顕吉は真紅の瞳に覚醒してヴァンパイアに変身する。爆発的に増大した戦闘能力でもってヴァンパイアに掴みかかり、噛みついてその血を啜り、生命力を吸収する。さらにパイルバンカーの白木の杭で相手を串刺しにして傷口を抉った。
「忘れられた世界へと帰るがいい。オブリビオン」
「……ふざけるなよ」
 傷口から血を流しながら、ヴァンパイアが低い声で答える。瞬間、顕吉に貼り付いた誓約書が突如爆発した。
「何……!」
 思いがけず被ったダメージに、顕吉は目を見開く。ヴァンパイアは血を拭いながら答えた。
「誰が上位者かは私が決める」
 そう、当然、クルーエルオーダーは自身に有利になるようなルールを書くものだ。そう簡単に、使用者が相手を上位者と認めるはずもない。少しの読み違いに、顕吉は唇を噛んだ。だが、ヴァンパイアには確かなダメージを与えることに成功した。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

舞音・ミケ
誰かを苦しめる遊びは良くないよ。
代わりになる趣味探そう?
(辺りを見渡して)…これの代わりは難しい…かもしれないけど。

まず…あなたはナキュレ、かな?
傷、治さないとね。【猫は鳴き声で癒す】…にゃあ。
私は少し疲れるけど、平気。

ヴァンパイア、あなたにはこっちだよ。
【静かな黒猫がついて行く】…ここに来た時から放ってた。
全力で引っ掻いちゃえ。

以降は影と私で戦う。(短剣を構え)近付いたら斬るよ。
他の猟兵たちの戦いで余裕が出来てる間は男の子のそばで鳴いてる。にゃあ。



「誰かを苦しめる遊びは良くないよ。代わりになる趣味探そう?」
 真っ当に諭しながら、舞音・ミケ(キマイラのサイキッカー・f01267)は辺りを見渡して呟いた。
「……これの代わりは難しい……かもしれないけど」
 ともあれ。傷ついた少年を放ってはおけない。幸いにも、ヴァンパイアは他の猟兵達が戦って引き付けてくれている。その隙にミケは少年に駆け寄り、しゃがみ込んで声をかけた。
「まず……あなたはナキュレ、かな?」
「ん……」
 返事をする気力すら残っていないようだが、少年は確かに頷いた。ナキリの弟は、確かに生きていた。そのことに安堵しつつ、
「傷、治さないとね。私は少し疲れるけど、平気」
 と、猫の鳴き声を上げた。にゃあ、という鳴き声がナキュレを包み込み、傷口をたちどころに癒していく。治療によって少し楽になったようで、ナキュレは弱弱しくも微笑んだ。
「ありがとう……」
「どういたしまして」
 尻尾を振りつつ、ミケがそう答えたところで、不意に影が差した。
「勝手なことをされては困るな。少年は傷ついた姿が一番美しいのに」
 ミケの背後に立ったヴァンパイアが、紅い瞳でミケを睨みつける。どうやら他の猟兵達の攻撃を振り切ってきたらしい。それほどまでにナキュレに執着しているのか。自身も傷だらけのくせに。ミケはナキュレの前に立って守りつつ、視線で負けないようにじっとヴァンパイアを見据え、前から召喚してた黒猫の霊を差し向けた。
「全力で引っ掻いちゃえ」
 さらに、自身も短剣を構えて、
「近付いたら斬るよ」
 と威嚇した。切れ味鋭い真っ白な短剣。引っ掻かれたら痛いだろう。両者の間で緊張が高まった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アイナ・ラウタヴィーラ
ヴァンパイア……。不滅の存在。畏怖の象徴。永遠に囚われた囚人、ですか……
ナキュレさんの容態が心配、です。早く決着をつけなくちゃ……


迷彩、目立たない技能を使ってナキュレさんに近寄り、まずは手当をします、ね
消毒と沈痛剤の投与をして容態を安定させましょう
恐らく気づかれるでしょうから、近づいてこられたら鎧無視、零距離射撃、呪詛をのせたスラッグ弾で先制攻撃します
それで距離を取るなら見切り易くて良いですし、近寄ってくるならもう一発お見舞いしてあげます


通信によると、もうすぐ猟兵部隊の増援が来るよう、です。
彼等が到着しているようなら、援護射撃と負傷者の手当でサポートしましょう
今回は怪物も、運が無かったです、ね



「ヴァンパイア……。不滅の存在。畏怖の象徴。永遠に囚われた囚人、ですか……」
 物陰から敵を眺め、そう呟いたアイナ・ラウタヴィーラ(戦場の毛玉・f00892)は軽く頭を振って、
「ナキュレさんの容態が心配、です。早く決着をつけなくちゃ……」
 と、迷彩で偽装して目立たなくした上でナキュレに近づいた。
「私も手当をします、ね」
 そう声をかけて、消毒と沈痛剤の投与をする。他の猟兵もナキュレの傷を癒してくれていたこともあり、これで大分容態は安定したようだ。さっきより呼吸も落ち着いているし、瞳に力が戻ってきた。ナキュレが笑って言う。
「痛いの、大分良くなったよ。ありがとう……」
「どういたしまして」
 微笑んで返事をしつつ、アイナは油断なく周囲を見回した。先ほどのヴァンパイアの様子を鑑みるに、これに気付かないとは思えない。果たして、ヴァンパイアはミケの制止を振り切り、回り込んで近づいてきた。紅い瞳が怒りに燃えている。
「お前まで余計なことを……!」
 その言葉が終わる前に、アイナは素早くソードオフショットガンを構え、強力なスラッグ弾を放った。呪詛を乗せたほぼ零距離での射撃は相手の鎧すら無視し、貫く。
「これは痛い、ですよ……」
 その言葉通り、スラッグ弾を喰らったヴァンパイアは「グァアア!」と叫び声を上げ、蹲った。大分効いたらしい。だが、またよろけながらも立ち上がり、アイナを睨みつけた。
「やってくれたな……私を怒らせるとどうなるか、思い知るがいい!」
「ええ、です、が」
 アイナはチラリと入り口の方に目をやった。
「もうすぐ猟兵部隊の増援が来るよう、です」
 その言葉通り、入り口からは複数人の足音が聞こえてくる。
「何……!?」
 ヴァンパイアが驚きに目を見開き、入り口の方を見る。足音はどんどん近づいてきていた。アイナがくすりと笑う。
「今回は怪物も、運が無かったです、ね」

大成功 🔵​🔵​🔵​

乙雪・柚佳
【ブットバース】で参加

弱い者いじめはいただけないなぁ…。
ナキュレへできるだけヴァンパイアを近づけないようにしないと。
これだけ攻撃を食らってても、まだ少年を狙う事を辞めないから警戒しつつ周りのみんなのサポートをするよ!

POW
ユーベルコード使用で暗闇でのヴァンパイアの動きをみんなに伝えつつ、ナキュレの防衛優先で攻撃に参加。

討伐成功又は余裕があればアイテムのブランケットをナキュレにかけてあげたいな。

アドリブ歓迎


フラウロス・ハウレス
【ブットバース】で参加だ。
やれやれ、こんな大所帯でなくとも妾一人で十分なのだがな……まぁ良い。
さて、貴様は偏愛主義か?あぁ良いぞ答えずとも。その真偽に意味などないのだから。
曰く「変態に遠慮は不要」という。もっとも、吸血鬼である時点で遠慮するつもりなどないがな!

率先して前に出よう。
サポートを受けながら、力一杯拳でぶん殴る!
「ちょいと痛いぞ?一撃で潰れてくれるなよ!」
右で【アースシェイカー】、左で【ブラッディ・インパクト】を交互に繰り出そう。
受けたダメージは吸血と生命力吸収で補い、流れた血は【ブラッド・ガイスト】で黒爪に喰らわせようぞ。
「くくく、愉快だな吸血鬼!さぁ、もっと吠えよ、黒爪!」


ユーミ・アハティアラ
【ブットバース】の面々と悪を倒しに参上。
悪くて嫌な奴は好きだよ、手加減とか要らないからね。
親愛の証に地獄行きの片道切符をプレゼントだ。

さて戦場は拷問部屋、まさに咎人殺しのホームグラウンド。この[地形を利用]して敵の剣をいなしつつ、[フェイント][2回攻撃]を駆使して得物の拷問具による[マヒ攻撃]とユーベルコードをヒットさせ敵の動きを鈍らせることに注力する。
私の仕事は咎人を処刑台に立たせる事。敵の動きを鈍らせれば、あとは仲間の一撃がこの邪悪を断罪してくれるはず。


コトト・スターチス
【ブットバース】のみなさんといっしょに行動します!
つよそうな敵があいてなので、ぼくはヒーラーのつとめとして回復や支援をしますねっ!

ぶっとばーすのみなさんはもちろん、他にもキズをおった方はいやしのてのひらと【医術】で早めに応急てあてします!
「もう安心してくださいね。ぼくがキズもつかれも、ぶっとばーしてあげちゃいますからっ!」
回復を使いつづけるとつかれるとは思いますが、この吸血鬼をたおすまではがまんです!
回復がいらないときは、ナキュレお兄ちゃんをかばって少しでも安全な場所へ移動させますね
「きずついた人をなおすのがヒーラーのやくめです!あなたが誰かをきずついたなら、それ以上にぼくが癒してみせますっ」


犬憑・転助
【ブットバース】で参加

俺のユーベルコードは超嗅覚、キナ臭さだってかぎ分けるぜ

着物姿で進みつつ
おいおい、なんだあの翼、空を飛ばれちゃどうしようもないぜ?

敵の奇襲や発見は超嗅覚で感知し、仲間に知らせる

戦闘時は二刀流

蝙蝠や剣の群れが一斉に攻めてきた時は<殺気>を解き放って一瞬でも足止めして機を作る

俺はキナ臭い場所が解るのよ、来ると思ったぜ(かばったり避けたり敵の弱点ついたり)

戦いが膠着したら、頭脳派な旅団の仲間の指示に従う。またはやろうとしてる作戦をフォローする
(コロ助が苦労するのは望むところです。苦労人ポジション希望)

自分の世界(エンパイア)との違いには感心する

アドリブ歓迎、他PCと絡み希望



「おまたせ。【ブットバース】、悪を倒しにただいま参上」
 ユーミ・アハティアラ(バーチャル咎人・f02282)が、無表情のままに軽く手を挙げて挨拶する。ヴァンパイアが歯ぎしりして呟いた。
「さらに5人もの増援だと……!」
「やれやれ、こんな大所帯でなくとも妾一人で十分なのだがな……まぁ良い」
フラウロス・ハウレス(リベリオンブラッド・f08151)は軽く肩をすくめてみせた後、ニヤリと笑ってヴァンパイアに問う。
「さて、貴様は偏愛主義か?」
「はぁ……?」
「あぁ良いぞ答えずとも。その真偽に意味などないのだから」
 尤も答えは求めておらず、動揺するヴァンパイアを前にひらひらと軽く手を振ってみせた。どのみちこれから倒すのだ、余計な問答は不要というもの。フラウロスは拳を握った。
「曰く『変態に遠慮は不要』という。もっとも、吸血鬼である時点で遠慮するつもりなどないがな!」
「うん、やっぱり弱い者いじめはいただけないしね」
 乙雪・柚佳(シトロンスカイ・f01966)が、ナキュレの方を気にしながら相槌を打つ。何しろ、あれだけ攻撃を喰らっていてもまだ少年を狙う事を諦めていないのだ。
「警戒しないとね……できるだけナキュレに近づかせないようにしないと」
 そう呟く柚佳に、
「それなら、ぼくがナキュレお兄ちゃんをかばって少しでも安全な場所へ移動させます!」
 とコトト・スターチス(バーチャルネット辻ヒーラー・f04869)が手を挙げて応える。柚佳がぱぁっと笑顔を見せた。
「本当? 助かるよ!」
「させるものか!」
 ヴァンパイアがコトトの方に向かいかける。その前に立ちふさがり、柚佳は自身のユーベルコードを解放した。
「こっちこそさせない! 私の中の大好きな力、おひろめさせてくださいな!」
 その言葉と共に、柚佳は狐、虎、梟を纏った姿に変身する。それによって爆発的に戦闘力が増大した柚佳に阻まれ、近づけない。無事にナキュレを移動させるコトトを恨めしそうに眺め、ヴァンパイアは呟いた。
「どいつもこいつも……! 何故邪魔をする!」
 その言葉に、コトトはきっぱりと言い返す。
「きずついた人をなおすのがヒーラーのやくめです! あなたが誰かをきずつけたなら、それ以上にぼくが癒してみせますっ」
 その隙に、犬憑・転助(孤狼の侍・f06830)も、仲間をフォローするべく、着物姿でヴァンパイアに近づく。
「翼で空飛ばれちゃどうしようもないと思ったが……よく見りゃ片翼切り落とされてんな」
 半が切り落とした翼に気付き、転助は安堵する。懸念事項が一つ消えた。情報は一つでも多い方がいい。尤も、ヴァンパイアの方にしてみればあまり知られたくない情報だ。ヴァンパイアは赤くなって、
「この私を愚弄するとは……もう許さん! 纏めて蹴散らしてやる!」
 と無数の剣を一斉に【ブットバース】の面々に向かって放った。だが、転助の超嗅覚は全てを見抜いていた。
「そっちとこっち、あとあっちにも来るぜ!」
 超嗅覚でキナ臭い場所を嗅ぎ分けて剣の軌道を予測し、回避するとともに、仲間にも知らせる。ヴァンパイアが目を見開いた。
「何!?」
「来るのはわかってたぜ。悪いが俺の鼻は特別性でね、キナ臭い場所まで嗅ぎ分けちまうのさ」
 転助が得意げに、人差し指で鼻の下を擦る。しかし、ナキュレの前に立って防衛に当たる柚佳とコトトは、来ると分かっても迂闊に剣を避けることができない。剣が二人に迫る。息を呑む二人。気付いた転助は素早く剣と二人の間に割り込み、庇った。剣が転助の体に突き刺さる。痛みに顔をしかめつつ、転助は二人を気遣った。
「大丈夫か?」
「ありがとう! でも、傷が……」
 心配そうに転助から滴る血を眺める柚佳も、転助も安心させるように、コトトは母性に溢れた優しい手のひらを差し出した。
「もう安心してくださいね。ぼくがキズもつかれも、ぶっとばーしてあげちゃいますからっ!」
 そして、「よくがんばりましたね。いいこいいこっ」と転助を撫でる。すると、みるみるうちに転助の傷が塞がった。さらに医術も併用しつつ、転助以外も含めた負傷者の治療に当たる。癒し続ければ疲れるだろうが、敵を倒すまではがまんがまん。その間にユーミは地形を利用して剣をいなしつつ、得物の拷問具を構えた。
「悪くて嫌な奴は好きだよ、手加減とか要らないからね。親愛の証に地獄行きの片道切符をプレゼントだ」
 そして戦場は拷問部屋、まさに咎人殺しのホームグラウンド。ユーミは生き生きと拷問具によるマヒ攻撃を仕掛けつつ、ユーベルコード・咎力封じを放つ。
(「私の仕事は咎人を処刑台に立たせる事。敵の動きを鈍らせれば、あとは仲間の一撃がこの邪悪を断罪してくれるはず」)
 そう信じ、敵を見やる。果たして放った拘束具は命中した。それを見てとったフラウロスは今だと前に出て、拳を振り上げる。
「ちょいと痛いぞ? 一撃で潰れてくれるなよ!」
 そして、力一杯殴りつける! 単純で重い素手の一撃は、確かにヴァンパイアを捉えた。
「グッ……!」
 ヴァンパイアが呻き声を上げる。だがまだ終わらない。右でアースシェイカーを繰り出した後は、左でブラッディ・インパクトを繰り出す。ユーミの攻撃で動きを鈍らされたヴァンパイアはうまく避けることもできない。それでも。殴られつつも一矢報いてやろうとするように、ヴァンパイアの手が密かに剣に伸びた。その動きに気が付いた柚佳が、
「危ないっ!」
 とフラウロスに知らせつつ、なぎなたで相手をなぎ払う。その一撃でヴァンパイアは剣を取り落とした。転助も二刀流でもって攻撃に加わる。もはやヴァンパイアに勝ち目はない。フラウロスは笑い、再度拳を振り上げた。
「終わりだな。妾の一撃、耐えられるものなら耐えてみせよ!」
 再び振るわれたアースシェイカー。耐えられるはずもなく、ヴァンパイアは苦悶の声を上げて、塵となって消えていった。
「うまくいった? よかったー!」
 安堵の声を上げつつ、柚佳はもこもこふわふわの大型ブランケットをナキュレにかけてやり、彼を連れて仲間達と一緒に地下道を脱出する。外に出ると、やはり気になったのか、出口で待っていたナキリに出会った。猟兵達がナキュレを連れていることに気が付くと、彼女はこらえきれない様子で涙を零し、ナキュレに抱き着く。
「ナキュレ……! よかった、無事で……! 本当によかった……」
「うん、この人たちが助けてくれたんだ」
 ナキュレは笑って猟兵達に振り向き、
「本当にありがとう!」
 と頭を下げた。猟兵達は微笑んで頷く。
 こうして、街に潜んでいた隠された牙――ヴァンパイアは倒され、街には平和が取り戻されたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月24日


挿絵イラスト