#ヒーローズアース
タグの編集
現在は作者のみ編集可能です。
🔒公式タグは編集できません。
|
この世には無数の生命が存在し、そしてその数だけ違う好みを持つ。髪の長さや香り、眼の吊り具合。身長や体形、胸の大きさや手足の太さ、声の高さに至るまで、その種類は無限といえるだろう。
グリモア猟兵、ネルウェザ・イェルドットが予知したのはそんな『好み』にまつわる事件だった。
「皆、集まってくれて感謝するよ」
グリモアベースにて、彼女は仁王立ちで礼を述べる。どういうわけかその手には女性ものの下着やストッキングがぶら下がり、さらには黒いもじゃもじゃした何かも握られていた。
「あ、あー。これ私が盗んだとかじゃないからねぇ?」
苦笑いでネルウェザがそれらを持ち上げる。ほら、とそれらを床に並べていくと、黒いもじゃもじゃの正体がどうやら何かの毛であることが分かった。
「さて、これらのどれに心惹かれるか。きっと千人いれば千通りの答えが返ってくるだろうねぇ。人の好みってのは人それぞれ。なのにヒーローズアースでとんでもない敵が現れちゃってさ……つまり、こういうこと」
突然ネルウェザの手が床に広がる下着や毛、その他諸々をぐちゃっと掻き寄せて塊にする。その場につんと鼻を突きさすような悪臭が漂って、彼女の手には何とも醜い塊が完成した。それは全ての色を混ぜ合わせた絵の具のような、『混ぜるんじゃなかった』という無念が感じられる一品だ。
「敵が作ろうとしてるのはこういうカタマリ。ヒトの体から無理やり『好まれやすい』パーツを奪って、ひとりの女の子に全部くっつけようとしてるらしい」
体から一部を奪われた人たちの中には命の危機に陥った者もいるのだとネルウェザの話は続く。彼女が手にしていた下着や衣服類であればそこまで被害は無いだろうが、髪や目、手足といった身体的特徴を狙われたのならそれはただでは済まないだろう。
「しかも厄介なことに、パーツを奪ってるのは敵の下っ端。指示してる敵の頭を潰さない限りは、この事件は解決しないだろうねぇ……」
事の深刻さに反して、ネルウェザは手を広げてへらっと笑う。しかしそれは事態を甘く見るような軽薄なものではなく、彼女なりに手掛かりを掴んだ余裕の笑みだ。
「ヒーローズアースでも調査を進めてる人物がいる。かなり核心に近づいてるらしいんだけど、どういうわけか調査を中断しちゃってるらしいんだ」
やれやれとため息をつくネルウェザ。
「とりあえず、まずはその人を説得して手掛かりを共有してもらってほしい。一応、これがその人の情報だよ」
ネルウェザは小さなメモ紙を猟兵へと手渡す。
その人物の名は沖追ネム。26歳、探偵業をしている女性のようだ。
メモから目を離せば、ネルウェザが何やらもう片手で先ほどの塊をつんつんと弄りながら小さく呟いているのが視界に入る。
「こんな悲しすぎる塊が生まれるのはねぇ。好かれたいにしてもこれじゃ誰にも……」
と、言葉を切って彼女は手を離す。呆れたようにそれを踏みつけて、ネルウェザはふわりとグリモアを浮かべた。
「それでは、協力してくれるなら転送を始めるよ」
にまっと笑い、グリモアが柔らかな光を帯び始める。ヒーローズアースへと発つ猟兵へ、ネルウェザは最後にこう言った。
「ちなみに私は!鎖骨が好きだからねぇー!!」
かなりどうでもいい情報が耳を通った瞬間、猟兵の視界はふっと光に包まれた。
●
ヒーローズアースの市街地。猟兵が降り立った道のすぐ横に、沖追探偵事務所の看板がひっそり立っていた。猟兵がその看板を見つめていると、事務所の戸が小さく開いて中から一人の女性が顔を出す。
「……こんなところに御用ですかー?」
眠たげな顔で間延びした声。すらっとした体の上半身で大きなふくらみがこれでもかとTシャツを引き延ばしており、そこに下がるネームプレートには沖追と書いてある。どうやらこの人物が、ネルウェザの言っていた探偵だろう。
「もしかして、最近の事件のことー?ごめんなさい、もうあの事件には触れたくなくて……」
そう言って眉を下げる沖追。
事務所の中を覗き見れば、赤い印が幾つも付いた地図や様々な女性の写真が散乱している。彼女も最初は必死に事件を調べていたのが一目でわかるような光景だったが、彼女は怯えたように目を伏せる。
「なにも知らないなら、放っておいて。私は外に出たくないんです」
沖追は頑なにそう言い張って、無理やりにも戸を閉めようとしていた。
みかろっと
こんにちは、みかろっとと申します。今回はヒーローズアースにてクレイジーな事件が発生しているようです。まず一章は冒険シナリオ、手掛かりを持っている女性がなぜかその調査を中断してしまっており、彼女が調査を再開するように説得するのが目的です。
どうして怯えているのかはそんなに難しくはないと思います。謎解きと言えるほど凝ったギミックではありませんが、ぜひちょっと考えてみてください。
そして、第二章で集団戦、第三章でボス戦を突破できれば任務完了となります。ネタシナリオとして楽しむのも真剣な怪事件解決に挑むのも皆さま次第。プレイング、心よりお待ちしております。
第1章 冒険
『悩める協力者を救え!』
|
POW : 熱い説得や力強さのアピールで、協力者に情熱を取り戻させる
SPD : 冷静な分析で悩みを聞き出し、論理立てて協力者の悩みの解決法を提示
WIZ : 親身になって相談に乗ってやり、悩みの原因を聞き出すか励ます
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アレク・アドレーヌ
【選択:WIZ】
成程、また怪異な事件があったもんだ…そして手掛かりを持っているものが調査をやめた理由
恐らくは犯人が彼女の身内かそれか自分も標的にされているかのいずれかであろうが…最悪の想定であればその『パーツ』をくっつけようとしているベースに選ばれてるのが知り合いという可能性もあるわな
個人としては調査を再開してくれとは無理には言わない。だが困っている人がいるならばお節介でも大きなお世話であっても手を差し伸べるのがヒーローなのでもっている限りの情報だけでも提示してもらう程度にはお悩み相談するさ。
閉められかけた戸をがしっと掴み、アレク・アドレーヌは事務所に再び籠ろうとする沖追を引き留める。沖追はびくりと震えて手に力を入れるが、彼女の細い腕の力は猟兵のアレクに到底敵うことは無く、戸が閉まることはなかった。
「待ってくれ。俺は何も知らないわけではない。現に、この怪事件の手掛かりを求めて真っ先にここに来ている。何も知らなければ普通、その辺を虱潰しに当たるだろう?」
言い返せず、諦めて手を離した沖追に、アレクは自分に敵意が無い事を示すため同じく手を離す。そして少し考えるように黙り込んだ後、ゆっくりと話し出した。
「何も、無理に調査を再開させようとしに来たわけではないんだ。情報をもらえればそれでいい。お節介かもしれないが、悩みを聞かせてくれれば助けになれるかもしれない」
沖追はうーんと悩んでアレクの顔を見る。情報ですらそう簡単に渡したくない事情があるようで、彼女はしばらくうんうんと唸っていた。アレクは少し痺れを切らして、話を再開する。
「……これは推測だが、犯人の正体を言いたくないのではないか?身内や知り合いが犯人だと分かって、それを庇って――」
しかし、それに割って入るように沖追が口を挟む。ぐいっと戸から顔を出すのと同時に彼女の細い体は前のめりになり、横に引き延ばされたTシャツのクマの絵が睨むように迫った。
「違います。そうだとしたら私が自分で喝入れにいきますよー……」
どうやら犯人を庇っている様子ではないらしく、沖追は訝し気に眉をひそめる。アレクはそれでも、彼女から情報を聞き出そうと再び会話を続けた。
「では、自分が標的にされているのが分かった、というのはどうだ?」
アレクは沖追の様子を伺う。すると先ほどとは違い、沖追は興味深そうにじっとその瞳をアレクの方へと向けた。
「……だとしたら、なんでそう思うんですか」
しかしアレクはその先、どうして彼女が標的にされているのかまでは考えがまとまっていない。言葉に詰まったアレクに、沖追がふうんと目を細め、流石にそこまでは分からないんですね、とぼそり呟いた。
どうやら、沖追が自分自身に敵の目が向いているのに気づいた、というアレクの考えは間違っていないようだ。ただし、彼女はその理由までもを言い当てる推理を期待しているようである。
成功
🔵🔵🔴
ミルケン・ピーチ
SPDでいきます
桃姫(17歳ボディ)で以下のように説得
こちらが集めた情報では、犯人は人の優れたパーツを集めていると聞きました
もしあなたが狙われたとしたら、まず目につくのはこれ、ではないでしょうか。私もそうだからよくわかります(自分の胸を軽く持ち上げ)
もしそうだとしたら私に提案があります
あなたの代わりに私が狙われる役を引き受けましょう
相手が欲しいのはあなたではなくあなたのパーツ…つまり代わりになる人間がいればあなたにこだわる必要はなくなるはず
もちろん簡単に奪われるつもりはありませんし、最終的には相手のたくらみを潰しあなたも守ります
そのためにも…どうか手を貸してはいただけないでしょうか?
怪訝そうな目をしている沖追の前に現れたのは、たわわに熟れた桃の如く実る胸。沖追のそれよりも更にボリューミーで柔らかな球体を両手で持ち上げながら、ミルケン・ピーチは探偵に詰め寄る。
「こちらが集めた情報では、犯人は人の優れたパーツを集めていると聞きました。もしあなたが狙われたとしたら、まず目につくのはこれ、ではないでしょうか」
ミルケンピーチはそう言うと、自分の胸から手を離して沖追の上半身を指さした。
個人差のある胸の大きさを『優れたパーツ』と自覚し、この事件の被害者の候補だと考えるのは些か自意識過剰かもしれない。しかし沖追のTシャツを引き延ばしている肉体は、ミルケンピーチに及ばずとも十分な大きさだ。
それを指摘された沖追は、むむ、と図星を突かれたように唇を噛む。
「……そ、そうです。そうなんですが、だからこそ外に出たくないんですよ」
目を伏せ、沖追は事務所の中を見せるように体を退かす。光が差し込む部屋の中には写真が沢山散らばっており、髪が真っ直ぐに長く伸びた者や瞳が透き通るような色をした者、角や尻尾のある種族も写っている。特徴は様々だが、どれもどこか艶めかしく、誰かしらの興味を惹きそうなパーツを持っていることが分かった。
「今までの被害者たちは皆体の一部を奪われていますが、どういうわけか、その中に胸が大きい人はひとりもいませんでした。しかしつい先日、巨乳を気にしていた女性が襲撃されかけ、小さな騒ぎになったんです」
つまり、犯人の次のターゲットは巨乳であり、自分も襲われる可能性が極めて高くなったのだと沖追は続ける。
ぶるりと震える沖追に、ミルケンピーチはそれなら、と自分の胸をとんと叩いた。
「私に提案があります。あなたの代わりに私が狙われる役を引き受けましょう」
勇ましく胸を張る猟兵に沖追は少し目を輝かせるが、それでも申し訳なさそうに眉を下げる。
「もちろん簡単に奪われるつもりはありませんし、最終的には相手のたくらみを潰しあなたも守ります。そのためにも…どうか手を貸してはいただけないでしょうか?」
にこっと笑うミルケンピーチ。自信ありげなその表情に沖追はおそるおそる頷きながらも、事務所の周囲をぐるりと見渡した。まさか猟兵がふたりもいる場で襲われはしないだろう、と彼女はやっと戸を全開にする。
どうぞ、と中へ誘われ、猟兵たちは埃っぽい室内へと足を踏み入れた。
大成功
🔵🔵🔵
沖追を説得し、事務所の中へと踏み入れた猟兵たち。中には沢山の写真や、赤い印のついた地図、ストッキングや女性ものの下着までもが散らばっている。それらは全て彼女が調査した事件の資料であり、手に入れれば敵に立ち向かうためのカギになることだろう。
部屋の汚さを少し恥じらいながらも沖追は客人に茶を出す。コーヒーや緑茶、オレンジジュース等があるようだ。資料だらけのテーブルには小さな菓子も置かれており、よければお好きにどうぞと沖追は告げた。
どうやら彼女も吹っ切れたようで、事件に関する事であれば話してくれそうである。
七篠・コガネ
体の一部を狙われる…
どうしよう。ちょっと気持ち分からなくも…
だって僕だって血の通った生体ボディは羨ましいし…
でも人を傷付けて得るものなんて高が知れてるんです
あの、ネムさん。護衛をするので調査の再開お願い出来ますか?
だって事件を解決しない限りは
ネムさんのように誰かが怯えて毎日を過ごす事になる。そうでしょう?
そのためには調査のプロである探偵の力が必要です
そんで僕は鎧装騎兵!ディフェンスのプロです!
任せて欲しい代わりに、僕等も貴女に任したいんですよ
第一、自分の手も汚さずコソコソしてる奴に負ける訳ないでしょう?
(と言って【怪力・踏みつけ】で思わず足元をドスンと足踏み)
…ごめんなさいです
そして、事務所にもうひとりの猟兵が訪れる。最初は来訪者と話すことも拒んでいた沖追だったが、今度はすんなりと彼の入室を受け入れた。
ソファに案内された七篠・コガネは、近くのテーブルに散らばる調査資料を見た。犯人の目的が定かでなくとも、無機質な自身の体を嫌う彼には生身の体を欲する気持ちが少し理解できなくもない。しかし、どんな理由であれ他者を傷つけて得るものの価値などたかが知れている。そう眉をひそめながら、七篠は被害者の写真を手に取り、向かいのソファに座る沖追へ視線を移した。
「あの、ネムさん。護衛をするので調査の再開お願い出来ますか?」
沖追はその言葉にびくりと体を震わせた。未だ外に出ることまでは躊躇っているのか、困惑し、頼みを断ろうとぱくぱく口を動かす。しかし、彼女が声を絞り出すより早く七篠は話を続けた。
「だって事件を解決しない限りはネムさんのように誰かが怯えて毎日を過ごす事になる。そうでしょう?」
すると、沖追が何か思い出したように目を見開いた。彼女とて、何も自分の利益を求めて仕事だから仕方なくやっていたわけではない。この随分と汚れた部屋も、調査に没頭したが故の結果だろう。
自分がしたかったこと。それを思い出させた七篠に、拳をぎゅっと握りながら沖追がか細く声を捻りだす。
「私も、解決したいです。皆を助けたい」
「そのためには調査のプロである探偵の力が必要です」
力強く真っ直ぐな七篠の視線に、沖追が安堵したように頷く。
「そんで僕は鎧装騎兵! ディフェンスのプロです! 任せて欲しい代わりに、僕等も貴女に任したいんですよ」
機械の鎧を見せるように胸を張る七篠。天井に軽く手が届きそうな程の大きな体も相まって、その姿には説得力があった。しかし、彼はだんだんヒートアップしたのか、気迫を増して思わずドズン、と床を踏みつける。
「第一、自分の手も汚さずコソコソしてる奴に負ける訳ないでしょう?」
大きな音に、沖追は思わず上半身の揺れ物を揺らした。
「あ、えっと、そ……そうですね……」
沖追が驚いていると、七篠ははっと我に返ってすっと姿勢を正す。
「……ごめんなさいです」
ぺこりと頭を下げる七篠に、沖追はいえいえと首を振りながら小さく笑みを零した。
七篠に勇気づけられ、自身の目的を思い出した沖追は部屋の隅へと足を伸ばす。そこに立っていたのは、いかにも探偵らしい外套や帽子が掛けられた高いポールハンガー。しかし、立派なそれも、部屋と同じように埃を被ってくすんでいた。ぱんぱんとそれを払い、彼女は久しぶりにそれに触れる。
目に勇ましい光を戻した彼女は、猟兵と共にならばもう外に出ることも躊躇わないだろう。
成功
🔵🔵🔴
星川・杏梨(サポート)
『この剣に、私の誓いを込めて』
人間のスーパーヒーロー×剣豪、15歳の女です。
普段の口調は「聖なる剣士(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、時々「落ち着いた感じ(私、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格はクールで凛とした雰囲気です。
常に冷静さを念頭に置く様に努めており、
取り乱さない様に気を付けています。
戦闘は、剣・銃・魔法と一通りこなせます。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
クトゥルティア・ドラグノフ(サポート)
「OK、私に任せてよ!」
「力を……もっと力を!」
「(詠唱後ユーベルコード名を叫ぶ)!!」
戦闘では怪力を活かした、技術よりパワー重視の重い剣術を主体として使う。
ユーベルコードは基本敵が隙を見せたときにしか使わない。
トドメには必ず月腕滅崩撃を使う。
また鏡花水月・絶は余程追い詰められないと使わない。
日常冒険では、頭は一般人の範疇に収まってるので、そこまで知的な行動はしない。
勇気と優しさに溢れ、困ってる人は放っておけない性格。
誰かを助けるためなら、死なない程度に無茶をする。
武器は真の姿にならない限り、月明かりに咲く華の剣しか使わない。
一人称は一貫して私です。
後はおまかせします!
よろしくお願いします!
調査への意欲を取り戻した沖追は、意気込んで外套を羽織る。収まりきらない胸が尚更強調される格好ではあるが、最早彼女はそれも気になっていないらしい。
「うんうん、その意気だよ!」
笑顔でうんうんと頷き、クトゥルティア・ドラグノフは事務所の外に目を向けた。やはり、犯人に辿り着くには外に出ないと始まらない。沖追を外へ誘うようにとことこと彼女の元へと駆け寄り、その手を握った。
そして、事務所の入り口では星川・杏梨が戸を開けて待っている。
「さあ、外へ出るわよ」
クトゥルティアと杏梨が沖追と共に外へ出ると、他の猟兵もソファから立ち上がってその後ろをついていった。
事務所から少し離れ、甘味や装飾品溢れる繁華街。沖追と猟兵達は、今までで最も襲撃が多いという賑やかな街へと繰り出した。
勿論、巨乳が標的にされる可能性の高いこの状況の中だ。猟兵の目は常に周囲を警戒する。しかし、沖追は安心して外に出られることが久しいようで、最近できた店や以前まで通っていたというスイーツ店に目を輝かせていた。
「あっ、あそこのタピオカ美味しいんですよ。ちょっと寄りません?」
「ちゃんと事件の犯人を捕まえたらね。目的を忘れてはダメよ」
冷静にタピオカ屋を通り過ぎる杏梨に、沖追はあはは、と眉を下げて笑った。少し残念そうだが、彼女も外に出た目的を再確認してスイーツを諦める。
「それで、犯人の居場所とか検討はついてるのかな?」
クトゥルティアが沖追に問いかける。はっとして沖追が懐から取り出したのは小さなメモ帳だった。はっきりした地図でも書かれているのかと覗きこむが、街の全体図に幾つも赤い印が付けられているばかりでどうも一か所に絞れていないらしい。
「居場所はこの辺り、とまでしか。こうやって街中を歩いていると突然下っ端の集団が現れるそうなんです。それを捕まえて吐かせるのが確実だと思います。私一人では実行できないことでしたが……」
沖追はそこで言葉を切る。少しの沈黙を破り、杏梨はその続きを補った。
「私達猟兵が協力するなら、それも可能。……よね?」
はい、沖追は頷いた。猟兵達も力強く頷き返し、彼女を安堵させる。
「でもどうやって敵の目を惹けばいいかしらね。目立つことでもしないと……」
杏梨と沖追がそう言ってうーんと首を傾げていると、突如クトゥルティアがはっと何か思いついたように手を叩いた。
「今……わりとここに集まってない?」
クトゥルティアはこの場にいる猟兵と沖追、そして自分の上半身に視線を移す。巨乳が標的だと言うのなら、この状況は――
そして、沖追の背後に案の定それは現れた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 集団戦
『ブルマニオン・ソルジャー』
|
POW : ソルジャー一斉格闘
【周囲の味方との連携による格闘戦】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 目標確保
【周囲の味方との連携によって】【素早く目標を取り囲み】【ソルジャー達による抑え込みによる拘束】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ : エマージェンシーコール
自身が戦闘で瀕死になると【新たなるブルマニオン・ソルジャーの増援】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
イラスト:mozuku.
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
バタバタバタと沢山の足音。沖追の背後に現れたのは、皆一様にブルマを着用した集団だった。数にして三十は居そうな彼女らは、見事に統率のとれた動きでびしっとその場に並ぶ。ボディラインを強調した女学生のようなその服装は、何だか一部の性的趣向をそそりそうな雰囲気を醸し出していた。
「あ……あれです! あれが例の襲撃犯ですよ!」
そう言って沖追はブルマ集団を指差す。すると、先頭にいた女性の掛け声で彼女らは沖追と猟兵を囲んだ。
「大人しくその女を渡せ!」
ブルマの女性たちは沖追を指差して声を張る。危機的な状況ではあるが、沖追を守りつつこの集団を倒し、首謀者の居場所を吐かせることができれば、事件の解決に繋がるはずだ。
「皆さん、手助けできなくて申し訳ありませんが……お願いします!」
アレク・アドレーヌ
…オブリビオンだから潰すし護衛が仕事だから相手はするが傍から見ればまるで意味の分からんことにはなるな
こんなんに狙われてるともなればそりゃ調査やめて引きこもるわ、と同情の眼差し(仮面の都合目が無いが)を向けつつ
オブリビオンなので潰します。ええ、もう何というか事務処理的に…
まー相手が数は多いので一気にあらかた吹っ飛ばした方がいいだろうから護衛対象の彼女にはとりまさっさと自分の後ろに隠れてもらうとして
敵の襲ってくる方向を一か所になるように場所を誘導した後に【衝撃波】【吹き飛ばし】でいったん吹っ飛ばしてから残りを【怪力】にて千切っては投げていこう
…しかし何でそんな格好なんかねこいつら?部隊の制服か?
危機的な状況ではあるものの、アレク・アドレーヌはこの場の状況を冷静に分析する。ヒーローズアースの繁華街の一角にて、巨乳探偵を引き渡せと凄むブルマの集団。護衛することが仕事であるとは分かっているが、この光景を無関係の者が見ればだいぶカオスなものであることは明らかだろう。
キビキビと無駄のない、無駄に統率のとれた大量のブルマ姿。アレクは戦闘態勢をとりながら、こんなんに狙われてるともなればそりゃ調査やめて引きこもるわ、と心の中でぼやき、沖追の方へ顔を向ける。目と呼べるパーツのないアレクだが、その姿は同情の眼差し、といった雰囲気を醸し出していた。
「さて、仕事だからな……」
沖追を自らの傍に寄せ、背に隠れるよう指示する。不思議な格好をしていようと、目の前のブルマニオン・ソルジャーは人に害をなす存在。つまり間違いなく猟兵の敵、オブリビオンだ。
アレクは淡々とユーベルコードを発動する。そこに気持ちや熱が籠っているかといえばそうでもないようで、『仕方ない』という感情が否めない様子だった。――しかし、だからといって手を抜く様子もない。
「この虫の特性は非常に獰猛、と表現してもいいだろう。」
アビリティシフト・モデル:ホーネット。アレクの発する殺気が増し、ブルマ集団は一瞬たじろぐ。しかし彼女らも沖追を捕らえるべく、見事に揃った足音を響かせた。
「目標確保!」
追い込み漁のように隙間を開けず、素早く互い違いに入れ替わりながら、ブルマニオン・ソルジャーと沖追、アレクの距離が詰められていく。しかし、アレクも少しずつその輪を乱すように移動した。
「沖追、俺の後ろを離れるなよ」
「は、はい!」
時折横を掠めるブルマ達に目を瞑り悲鳴を上げながらも、沖追はアレクの背にぴったりとついて同じく移動する。――もしかしてこれ世の女性がキュンとするやつでは、などと勝手に目を輝かせながら。
「総員、突撃――、……ッ!?」
高く張り上げた声と共に、沖追目がけて飛び掛かろうとしたその時。ブルマの輪はいつの間にか途切れ、タピオカの屋台を挟んでCの字になっていることに気づく。
「吹き飛べ!」
アレクがズドン、と衝撃波を放てば、一斉にブルマ姿が宙に舞う。空中で受け身を取ろうと手足を動かす彼女等を掴み、アレクは力一杯放り投げた。空中に投げ出されたブルマニオン・ソルジャーが、なす術もなく地面に叩きつけられていったのは言うまでもない。
「こんなものか」
一通り彼女らを投げたアレクは沖追の近くに戻ると、腕を組んで首を傾げる。
「……しかし何でそんな格好なんかねこいつら?部隊の制服か?」
「趣味……ですかね……」
怪訝そうなアレクに沖追もうーんと首を傾げていると、バタバタと地に伏すブルマ集団がその白い体操服を汚しながらも何とか互いに体を起こし、元の体勢へ戻ろうとしていた。
成功
🔵🔵🔴
七篠・コガネ
なんか…変な格好の人達がいっぱい
まあ上着だけ着て前が丸出しよりマシですね!
どうやらネムさんを狙ってるみたいですし
…ネムさん。貴女を護衛すると言ったでしょう?
ネムさんを抱えて空飛びます
僕に掴まってて下さいな!
あ、背中にしがみ付く形でコートの中に隠れてて下さい
ここでは被害が大きすぎる
ネムさんを狙ってる以上敵も追いかけて来るでしょう
ならば…人のいない、狭い場所を探します
敵が一箇所に集まったら上空からUCを【一斉発射】
さて…事の元凶の居場所吐かせましょうか
敵一体を着地がてら【踏みつけ】て鉤爪の爪先でグリグリします
ウォーマシンは重いでしょう?首謀者は何処にいやがるです?
吐かないと…僕、優シク出来マセン
ミルケン・ピーチ
SPDで行きます
前回提案した通り、沖追さんから敵の目をそらさせるために囮になります
「ミルケンピーチ参上!」と名乗りをあげて敵の前へ
その際には胸を強調するセクシーポーズを取ります
さらに敵の前で「倒せるものならやってみなさい!」と見栄をきって【挑発】
敵の目を自分に集中させます
戦闘では大勢の敵を体術で捌いていきます
敵の技が連携、取り囲みまで来たところで、【アナザーミルクプリーズ】を発動、幼女ボディのぺしぇを呼び出します
囲みの外に呼び出せたらそこから、そうでなくても現れた瞬間に奇襲的に攻撃をさせ、さらに私自身も攻撃に転じて敵の足並みを乱します
また二人で胸をアピールし、その点でも敵の狙いを惑わせます
クトゥルティア・ドラグノフ
※アドリブ共闘大歓迎
襲撃犯の登場と言うわけだね!
よし、私たちの出番だ!
元気に行くよー!
彼女を渡すわけにはいかないんでね、沖追さん服が濡れてもいいか聞いて、OKが出たら少しの間息を止めて貰う。
息を止めたのが確認できたら水色月光を発動!
生み出した水塊でブルマたちの動きを鈍くするよ!
そして私は水性キマイラ、水中の方が速く動ける、つまり戦闘能力が増加するって訳!
【水泳】でさらに機動性をあげつつ、【怪力】の乗った剣を【戦闘知識】から導き出される最効率な場所に叩き込み続けるよ!
これなら逃げれないし、体術中心の君たちには辛いでしょ!
さあ、水中円舞曲を私と一緒に踊って貰うよ!
ゆらりと立ち上がり、ブルマニオン・ソルジャー達は整列する。未だ沖追に標的を定め、彼女を狙うブルマ集団。囮になることを提案していたミルケン・ピーチは、目立つよう沖追とブルマ集団の間に割って入るように飛び込んだ。
「ミルケンピーチ参上!」
口上と共に、胸をきゅっと寄せるミルケンピーチ。依代である桃姫の豊満なバストは日光に照らされ、熟れた果実の如く視線を集める。
「お、大きい……アレでも、代替できるか……!?」
先頭のブルマニオン・ソルジャーが呟くも、もう一人がいや、と首を振る。
「我々のターゲットはあの探偵女だ。勝手に標的を変えるな」
「そうだな……奴らは邪魔者、排除するだけだ!」
しかし、そんな会話をしている間にミルケンピーチは少しポーズを変え、さらに胸を強調していた。
「倒せるものならやってみなさい!」
ふふん、と見栄を切るミルケンピーチ。ブルマニオン・ソルジャーはそれに応えるように一斉に駆けだす。
「目標確保! 奴らを取り囲め!」
一定の間隔を保ち、隙を作らぬよう連携しながら場を駆け巡るブルマ集団。沖追を護るように立つ猟兵を、さらに大きく囲んでいく。
しかしそんな中で、ミルケンピーチはユーベルコードを発動させた。
「特盛おかわりいっぱいぱい! アナザーミルクプリーズ!」
沖追はミルケンピーチを見る。一体どんな技が、と期待したものの、彼女の身体から光線や魔法が出る様子はない。沖追が首を傾げたその瞬間、ブルマ集団の輪は突然その足並みを乱した。
ガスッ、とブルマニオン・ソルジャーの一人を蹴り倒したのは、もう一人のミルケンピーチの依代。花園・ぺしぇである。
異変に気づき体制を整えようとするブルマニオン・ソルジャー目がけ、桃姫の方もそのボディを突進させた。
●
「なんか……変な格好の人達がいっぱい」
完全に連携を崩したブルマニオン・ソルジャーを見て、沖追の護衛に集中していた七篠・コガネとクトゥルティア・ドラグノフは同時に好機を察する。
「襲撃犯の登場と言うわけだね! よし、私たちの出番だ! 元気に行くよー!」
クトゥルティアが表情を明るくし、沖追の方を振り向く。
「沖追さん、服濡れても大丈夫?」
その問いかけに、沖追はえっ、と戸惑った顔を見せる。どうやら羽織っている外套がお気に入りらしく、それを握っておろおろと目を泳がせていた。
しかし、その場にいた七篠が沖追の肩をぽんと叩く。
「……ネムさん。貴女を護衛すると言ったでしょう?」
そう言って七篠は沖追に手を差し出した。
「僕がネムさんを抱えて空飛びます。クトゥルティアさん……策があるのでしたら、敵を狭い場所へ」
「了解!」
クトゥルティアが頷くと同時、七篠は沖追を抱え上空へと飛び上がる。
「僕に掴まってて下さいな! ……あ、背中にしがみ付く形でコートの中に隠れてて下さい」
「わ、わかりました!」
沖追は言われた通り七篠のコートの中へ潜り込みながら、これもだいぶ女子が心揺らぐやつでは、などと顔を赤らめていた。
七篠は空中から繁華街を見下ろしながら、周囲に無関係の人間が残っていないことを確認する。他の猟兵にも離れるよう指示しながら、七篠は袋小路になっている場所を探して飛行を始めた。
飛行する七篠と沖追を追うことが出来ないブルマニオン・ソルジャーがそれを見つめている中、クトゥルティアはその集団の中心へと飛び込んで声を張り上げる。
「蒼き彗星にその涙あり。廻る星たちにその涙あり。冥暗に流れる白の流星に、母なる海の祝福を!」
ユーベルコードの発動。『水色月光』でその場は"地上"から"水中"へと環境を変える。
水で満ちた繁華街の中、突然の水没にブルマニオン・ソルジャー達は連携を取る間もなくばたばたと手足を振り回していた。
「これなら逃げれないし、体術中心の君たちには辛いでしょ!」
水生のキマイラであるクトゥルティアにとって、この状況は最も適した戦場である。地上で走るよりも格段に速度を上げ、魚雷の如く水中を駆ける。
大剣を携えたクトゥルティアはブルマニオン・ソルジャーの胴へ一直線、怪力を込めた一撃を放った。
「――が、ッ!!」
衝撃にブルマニオン・ソルジャーが大きな泡を吐き出す。そのままクトゥルティアは大剣を押し込み、水中を前進した。
「さあ、水中円舞曲を私と一緒に踊って貰うよ!」
漂うブルマ集団を正確に捉えるクトゥルティア。大剣の斬撃と共に水中に流れを作り、ブルマニオン・ソルジャーの身体はその渦へと巻き込まれていく。
ブラックホールのようにブルマ達を呑み込んだ渦潮は、水塊の外一か所へと彼女等を吐き出した。
そしてその上空で、浮かぶ人影。
それは、クトゥルティアが泳いでいく方向の最終地点で待ち構えていた七篠の姿。彼は積み上がったブルマニオン・ソルジャーの山へと全力の一撃――ユーベルコードを放った。
「昔の人はこう言いました。”鷹は飢えても穂を摘まず”!」
空気の灼ける音。圧縮された熱がブルマ集団を直撃する。
クトゥルティアは纏っていた水塊でそれを防ぎながら、ブルマ集団をひとりだけ庇うように水中へ戻した。
ジュッ、と水が蒸発し、ひとり残ったブルマニオン・ソルジャーが地面へ投げ出される。
「さて……事の元凶の居場所吐かせましょうか」
地上へと降りた七篠は、その鉤爪でぐりぐりとブルマニオン・ソルジャーを踏みつけた。
「ウォーマシンは重いでしょう? 首謀者は何処にいやがるです?」
口を開かないブルマニオン・ソルジャーに、七篠がぐっと体重をかける。クトゥルティアもとことこ近づき、覗き込むように顔を近づけ微笑んだ。
「早く言ったほうがいいよー。さっきの光線、マトモに浴びたらどうなるかな?」
クトゥルティアの言葉と共に、七篠は先程の光線『フルバースト・マキシマムⅡ』を放った部位を徐にさする。それでもなかなか言葉を発しないブルマニオン・ソルジャーへ、七篠はすっと顔に影を落として呟いた。
「吐かないと……僕、優シク出来マセン」
「ああああ! 吐きます吐きます! もう許して!」
ブルマニオン・ソルジャーは懇願するようにそう叫んで、額を地面に密着させた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『『豚房流拳闘士』子豚・ブレンダ』
|
POW : 豚房流拳闘術・コズミックオッパイインパクト
【乳】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 豚房流拳闘術・ダイナミックボインボインラッシュ
敵を【両手両乳によるワンツースリーフォーパンチ】で攻撃する。その強さは、自分や仲間が取得した🔴の総数に比例する。
WIZ : 豚房流拳闘術・アメイジングバクニュウクリンチ
【爆乳で挟み込んでのクリンチ】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:すねいる
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠子豚・オーロラ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ブルマニオン・ソルジャーがひぃひぃと命乞いしながら話したのは、この事件の首謀者とその目的だった。
首謀者の名は『豚房流拳闘士』子豚・ブレンダ。巨乳女性を自らの仲間に改造していた彼女は、"究極の存在"を求めていたという。巨乳こそが最強と考えていたブレンダだったが、巨乳以外の要素も合わせることで最高の戦闘員が作れるのではないか、と。
――そしてこの事件は起きた。
そう、首謀者ブレンダは巨乳を含めたあらゆる"最強要素"を兼ね備えた女性戦闘員を創り出そうとしていたのだ!
●
猟兵と沖追の一行は、ブレンダのアジトへと辿り着く。
「ハッハッハー! よくぞミーのアジトまでたどり着きまシタネ!」
ばいん、と巨大な胸を揺らし、高らかにブレンダは宣う。そして、その背後には大きなガラス容器の中で眠る何かの姿があった。
人のようだが、随分と歪な塊。角、尻尾、獣耳。背には何枚も羽を生やし、ところどころ触手のようなものも覗いている。顔は年端もいかない少女のようだが、全体的にむっちりと弾力のありそうな肉付きだ。
容器の隣には、少女に着せるためか可愛らしい服が置かれている。だいぶ露出が多い割には、長めの二―ハイソックスも一緒に掛けられていた。
「そのステキなお胸を頂戴シテ、この子は完成するのデース!」
そう言ってブレンダがびしっと沖追――の胸を指さすと、沖追はひぃと悲鳴を漏らした。しかし、ここまで自分を守ってくれた猟兵を信じ、彼女は逃げ出さない。
「皆さん、解決まであと少しです……! お願いします!」
アレク・アドレーヌ
…いやもうどっから突っ込めばいいのかという問題もあるんだがそもそもその戦闘員それ望んでんの?っていうかつぎはぎだらけでバランス悪いだろそれだと…何でもかんでもいい部品だからくっつけりゃいいってもんじゃねーだろ。作るならバランス考えて作れや
っと明後日の方向にツッコミを入れつつ、先の戦闘で思いっきりやらかした(UC選択間違えた)分の補填もかねて暴れる…んだが
その作品の容器先にぶっ壊せばそもそもの目論見は爆散するか。それに見た感じ相手に遠距離攻撃手段がなさげってのもある。
【衝撃波】【怪力】【吹き飛ばし】の最大出力でそもそも近づけさせずに破壊を狙うことにしよう
目の前に広がるのは、先のブルマ集団よりも更に混沌とした光景。アレクはもうどこから突っ込んで良いやら、呆れながら頭を抱えた。
「そもそもその戦闘員それ望んでんの? っていうかつぎはぎだらけでバランス悪いだろそれだと……」
しかし、誇らしげにブレンダは言い返す。
「この子が望んでいるかどうかは関係ないのデース! ミーが美しく強いと思う姿に作り替えるだけ、なのデスヨ!」
「何でもかんでもいい部品だからくっつけりゃいいってもんじゃねーだろ。作るならバランス考えて作れや」
淡々と突っ込むアレクに、ブレンダはちっちっ、と人差し指を振った。分かってないデスネ、などとため息をつくブレンダ。最早こちらの話を聞く気もなさそうな彼女に、アレクはそのマスクに無い眉を心で顰めた。
「さて……倒すか」
徐にブレンダの方へ一歩近づき、アレクがユーベルコードを発動した。
「あの大海原の生物の性質の再現というのも難しいものだが……あの巨体をこのサイズに凝縮した上でであるならばその脅威、その身で知るがいい」
アレクの身体が強靭な気を纏い、ブレンダがぴくりと反応する。背後に眠る戦闘員候補を壊させまいと、彼女は『豚房流拳闘術』でアレクへと襲い掛かった。
「豚房流拳闘術・ダイナミックボインボインラッシュ!」
拳を繰り出すとともに、胸に付けられたグローブがブンと大きく振り回される。効率が良いのか悪いのか、両手の拳に加え両乳の二撃が加わった四つの攻撃。
「だから……どこから突っ込んでいいんだ!?」
突進してくるブレンダに向かってアレクが腕を大きく振り風を起こすと、ブレンダの身体はその豊満なバストを揺らしながら後方へと飛ばされる。
「まだまだいきマスヨー!」
ばっ、と飛び起きて駆けるブレンダ。アレクは微妙な罪悪感と呆れを滲ませながら、再び衝撃波を放った。
「まだま……だッ!」
勢いよく飛び起き、豚房流拳闘術を繰り出しながら突進する。その度にアレクが反撃を繰り返し、何度も飛ばされたブレンダの身体はついにガラス容器へ衝突した。
高く澄んだ音を響かせて容器が割れると、中にいた歪な少女はぐったりと崩れ落ちる。
その瞬間、けたたましくブザーが響き渡った。
「破損シマシタ。しすてむヲ中止シマス。繰リ返シマス……」
機械的な音声が淡々と鳴り続け、ブレンダは顔を青ざめさせた。キョトンとするアレクをよそに、ブレンダは後ろの少女を見て目を丸くする。
「な、な……ッ!? 何をするデスカー!!」
どうやら、"最強の戦闘員"を作りだすという彼女の目的は早くも散ったらしい。ブレンダはわなわなと拳を震わせ、怒りを露わにしていた。
大成功
🔵🔵🔵
クトゥルティア・ドラグノフ
※アドリブ共闘大歓迎
顔が少女のようと言うことは少女の顔を剥いだ可能性もあるわけで……こんなモノのために体を奪われた人のことを考えると怒りが抑えられない!
あなたは絶対に倒す!
真の姿解放。
同時に月影剣を発動させて、剣での攻撃に合わせて様々な方向から攻撃する。
【怪力】の乗った重たい剣と、【戦闘知識】から導き出された様々な方角からの攻撃を一辺に処理することはできないはず、必ず隙が生まれる!
そこを突いて月腕滅崩撃を発動!
片足を捕まえて二、三回引きずり回したあと空中に投げ捨て、そのまま追撃、空中で身動きが取れないうちに腹部に月影剣と私の剣を突き立て地面に張り付けたあと、切り捨てるように吹き飛ばしてあげる!
クトゥルティアはブレンダの背後で倒れる少女の顔を見て息を呑む。体の大きさやパーツの多さに反して、貼り付けられたような幼い少女の顔。つまりこの事件に巻き込まれた人々の中に、あの顔を奪われた人物がいたのだ。
最強の戦闘員、美しく強い姿……そんな自分勝手で歪なモノを作るために沢山の人々が犠牲になった。クトゥルティアは抑えきれない感情をぶつけるように、ブレンダを真っ直ぐ指差した。
「あなたは絶対に倒す!」
しかしブレンダも自らの作品を台無しにされ黙っていられないようで、眉間をピクピクと震わせながら戦闘の構えを見せる。
「フン、壊れたらまた作るだけデース!」
そう言ってブレンダが視線を移したのは沖追の方向。再びあんなキメラを生み出そうとしている敵の思想に、クトゥルティアは遂に怒りを露わにする。
「……もう許さないよ!」
青い髪が強く逆立ち、竜のようなオーラを背に纏う。クトゥルティアはその身の本来の力――真の姿を解放した。
一層鋭い眼差しでブレンダを捉え、剣を携えたクトゥルティアは一瞬にして敵との間合いを詰めた。
――一撃を喰らわせようと腕を振る、その直前。
「自ら近づくとは愚かデース! 喰らえッ、豚房流拳闘術・コズミックオッパイインパクト!」
至近距離にあったブレンダの双丘。先端にグローブを装着した二つの肉塊が、クトゥルティアの顔へと突進する。
しかし、クトゥルティアの反応速度はそれを上回った。
様々な戦闘知識から軌道を予測した彼女は、ブレンダの鳩尾に潜り込むようにして身を屈める。一撃、二撃とブレンダの拳を避けながら大剣を打ち込み続ければ、その衝撃と痛みに大きな隙が生まれていく。
「これでノックダウンだ!!」
よろけたブレンダに向かってクトゥルティアはユーベルコードを発動した。『月腕滅崩撃』によって瞬時に現れた大腕はブレンダの脚を掴み、その身を地に叩きつける。
「がッ……!!」
瓦礫だらけの床を引き摺り回せが、防御の薄い肌が赤く滲む。クトゥルティアはさらにその大腕を振り上げ、ブレンダを宙へと放った。そこへ受け身を取る間もなくクトゥルティアが接近し、二本の剣を腹部へ叩き込む。
「あなたが巻き込んだ人たちの苦しみ、痛み……味わって!」
ブレンダの身体ごと地面に剣を突き立てるや否や、クトゥルティアは敵の身を切り捨てるようにそれを吹き飛ばした。
大成功
🔵🔵🔵
七篠・コガネ
巨乳…って言われても僕にはよく分からないですし
僕の大きな脚みたいなものなんですかね?
いえ、それよりも…
許し難い事をしようとしてたのですね
処刑してやりますゲロクソがァ
ネムさんには隠れててもらって僕はUC発動させながら上空へ飛翔
放電を交えて遠方から『Endless Right』で【マヒ攻撃】
狙うは厄介そうな上半身
揺れ一つ許さない程痺れればいいですよ!
さあ…どうしてくれましょうか…
豚風情が下らん目的のために…
ああ、駄目だぁ…なんもかんも抑えられない…
急下降!飛行速度を加えて『Heartless Left』を穿ちましょう
込めるは怒りと電撃
屠殺されちまえメスブタァァ!!
激しく傷を負い、ブレンダはよろよろと立ち上がった。
「……オッパイは美しく最強……ミーは諦めないデース!」
曝け出した肌に血を滲ませながらも、ブレンダはすっと拳を構える。その先に対峙する猟兵、七篠・コガネはその姿に少し困惑したように首を傾げた。
「巨乳……って言われても僕にはよく分からないですし……僕の大きな脚みたいなものなんですかね? いえ、それよりも……」
ちら、と七篠が見たのは、崩れ落ちる歪な少女。あれを完成させようとしたばかりでなく、更に沖追を利用してでも作り直そうとするその姿勢に、彼の怒りは沸々と熱を上げていた。
「許し難い事をしようとしてたのですね……処刑してやりますゲロクソがァ!」
突如感情を露わにした七篠は、自らの身に内蔵されたコアマシンへ力を籠める。同時に彼が沖追に隠れるよう合図すると、沖追は近くの大きな機械の後ろへと身を潜めた。
「昔の人はこう言いました。”怒髪冠を衝く”!」
ユーベルコード、『ライトニングフュリオス』。全身に電流を纏い、七篠は上空へと飛び上がった。
ブレンダはそれを見上げながらも、余裕そうに胸を張って笑みを浮かべる。
「近づけばミーのコズミックオッパイインパクトが火を吹きマース! 近づけるもんならやってミロデース!」
「なら、近づかなければいいだけの話です!」
上空を飛行する七篠は、ブレンダに右手を向けた。装着されたブラスター『Endless Right』から飛び出る光線は、一直線に敵の上半身へ放たれる。
「ウワッ!?」
ブレンダはその身を捻るが、巨大な胸はその動きに追い付かない。光線が掠めた乳が痺れ、ブレンダはその顔をくしゃりと歪ませた。
「さあ……どうしてくれましょうか……」
七篠はブラスターを引っ込めながら小さく呟く。
「豚風情が下らん目的のために……ああ、駄目だぁ……なんもかんも抑えられない……」
目の前の悪に対し、膨れ上がる感情。上半身を攻撃が掠めた程度では決して晴れないその怒りに身を任せるように、彼は上空から一気に下降していく。今度は左の腕『Heartless Left』をブレンダへ向けると、七篠は声を荒げてそれを発射した。
「屠殺されちまえメスブタァァ!!」
痺れながらも拳を振ろうとするブレンダの目の前に、金属槍が煌めく。
間一髪身を傾けたブレンダの右胸。彼女の最高の武器であるその巨乳へ、鋭利な鉄が深く突き刺さった。
成功
🔵🔵🔴
ミルケン・ピーチ
POWで行きます
これは想像以上に酷い……
追われた人、奪われた人の苦しみ、あなたに教えてあげます
戦闘中はしばらくは相手の攻撃、とりわけ私の胸に向けたものは致命傷にならない範囲で防御しません
「奪われた人たちはこんなにも苦しかったのですね……」
その苦しみを理解出来たところで【ジャスティス・ペイン】発動
パワーアップして反撃開始です
あなたに苦しみを理解しろとはいいません。ただ味わってください
あちらも胸を武器にしてくるようですし、そこを思い切り攻撃して痛めつけてやりましょう
作られた彼女はパーツを被害者に返すか、それが無理なら全うな一人の存在として生きていくことはできるのでしょうか。それとも……
アレクシア・アークライト
まったく、あそこまで改造するのにどれだけの人を犠牲にしたのかしらね。
ネルウェザに正確な人数と部位を訊いてくればよかったわ。
取り合えず、目についたものから同じように貰っていくわよ。
あ、貴方は目を瞑っていた方がいいかもね。(ネム)
・敵は近接戦がメインであるように見えるため、距離を取っての対処を基本とする。
・3層の力場を情報収集用に展開し、敵の行動を把握。残りの力場で敵の身体を掴み取り、動きを制限する。
・手足、耳、舌、目等の部位を氷の刃で切り落とし、又は念動力で捻じ切り、UCで分解、吸収していく。
・敵を倒せたならば、吸収した力を転換し、【心霊治療】や【時間操作】で素体となった女性の治癒を試みる。
ブレンダは脂汗を噴出させながら右胸を強く押さえる。無理に抜いてしまえばそこから出血し致命傷になることは明白だ。
「よくも……ッ!」
ぎろりとブレンダは猟兵を睨みつけ、明らかな殺意をその顔に表していた。
ぐったりとした歪な少女を見て、ミルケンピーチも怒りがこみ上げる。
「これは想像以上に酷い……」
敵が人々の体のパーツを奪いそれを組み合わせたモノを作ろうとしている、という事前情報があっても、目の前の惨状を受け入れるのは難しい。
「追われた人、奪われた人の苦しみ、あなたに教えてあげます」
ミルケンピーチはブレンダの方へと駆ける。全速力を出すわけでもなく、攻撃する素振りを見せず、敵が拳を振るのをただ待つかのように。
「自分から近づくなんておバカさんデース!」
無防備に向かってくるミルケンピーチへ、ブレンダは豚房流拳闘術を放った。
「コズミックオッパイインパクトーッ!!」
ドゴッ、という鈍い音と共に、ミルケンピーチの身体が後方へと吹き飛ぶ。
「ぐ、ぅッ……!」
隙だらけのその身にブレンダは二発目を叩き込む。三発、四発と両拳両乳がミルケンピーチを襲うが、彼女はそれを防御せずただ喰らい続けた。
「まだまだイキマスヨー!!」
完全に優位を確信したブレンダは口元を緩ませる。鳩尾にクリーンヒットした衝撃で肺の空気を残らず吐き出しながらも、ミルケンピーチはその痛みを強く意識し、考えていた。――この事件に巻き込まれた人達の、体を奪われた痛みや苦しみを。
「奪われた人たちはこんなにも苦しかったのですね……」
ミルケンピーチがそれを"理解"した瞬間、彼女は満を持してユーベルコードを発動した。
「あなたに苦しみを理解しろとはいいません。ただ味わってください」
攻撃を受け続けるのみだったミルケンピーチの右手が、突然ブレンダの右ストレートを掴み捉える。
「ナ、ナニッ!?」
ブレンダは慌てて拳を引き戻そうとするが、その右拳は石化したかのように全く動かない。ミルケンピーチはそれを握り潰すように力を込めながらもう片手を突き出した。
猟兵の左手はブレンダの右胸――深く突き刺さったままの鉄槍へと伸びる。ブレンダがマズイと顔を青ざめさせた瞬間、ずるりと抜かれたそれは赤い飛沫と共に高く放り投げられた。
●
鼓膜を劈くような悲鳴を上げ、ブレンダは脂汗と涙で塗れた顔をびくびくと痙攣させながら後退る。戦場に駆けつけていた猟兵アレクシア・アークライトは手で耳を塞ぎながら、グチャグチャに色々なパーツが組み合わさった少女を見ていた。
「まったく、あそこまで改造するのにどれだけの人を犠牲にしたのかしらね。ネルウェザに正確な人数と部位を訊いてくればよかったわ」
混ぜられたパーツの数々――角、尻尾、獣耳、そして翼や触手。そのバリエーションを見るに、決して被害者は少数ではないことが伺える。
決して許されない事件を起こしながらも未だその目的を諦めないブレンダに、もはや同情の余地はない。
「同じ痛みを思い知るといいわ」
「痛みを知るのハ……ユーの方デース!!」
ブレンダは乳の拳を振りかぶり、アレクシアへ突進する。しかしアレクシアはその攻撃が届かない距離を保ちつつ、戦場へ力場を展開した。敵の動きを把握したアレクシアは、同時に残っていた力場でブレンダの身を囲み掴む。
「……あ、貴方は貴方は目を瞑っていた方がいいかもね」
くるりとアレクシアが振り向いた先には、身を潜め戦場を見つめていた沖追の姿。えっ、と戸惑う沖追だったが、彼女がアレクシアの言葉の意味を理解するのにそう時間はかからなかった。
「最後の切り札よ、受けてみなさい」
満身創痍のブレンダにアレクシアが手を翳せば、無防備な肌が紙粘土のように容易く千切れ離れる。
「あぁぁぁぁあああッ!!!」
肉付きの良い四肢、金色に靡く髪、更には舌や耳まで。ブチリ、ブチリと惨い音を響かせ、その体は解けるように裂け散った。ブレンダの身体を離れた肉塊はアレクシアのユーベルコードに吸収されていく。
血肉の舞う惨たらしい光景だが、この事件に巻き込まれ、襲われた人々の苦痛を集めればこんな程度ではないだろう。ブレンダが痛みに叫ぶのを自業自得だと睨みながら、アレクシアは敵の断末魔が途切れるまでその念動力を向け続けていた。
●
戦場が静まり返った頃、沖追は鉄臭いその広間を一目散に駆け抜ける。
あらゆるパーツを埋め込まれ、植え付けられた少女。彼女がまだ息をしているか確かめようと、沖追はその体を抱き起こした。
「大丈夫ですか!」
返事はなく、ただ沖追の腕の中で目を閉じる少女。ミルケンピーチとアレクシアもそれに近づいて少女の顔を覗き込む。
すると、アレクシアが微かに上下する腹部に気づいた。
「……治療してみるわ。一度離れて頂戴」
沖追が素直に少女を引き渡すと、アレクシアは先程ユーベルコードで吸収したブレンダの生命力を転換し少女へ流し込む。気を集中させそれを続ければ、段々と少女の肌は赤みを帯び始めた。
すう、すう、と細くも確かな息。その場にいた全員がほっと胸を撫で下ろし、事件の終結を感じ始めていた。
●
事件は解決したものの、ミルケンピーチは未だ考えていた。あの少女はどうなるのだろう、被害者にパーツを返すことになったのなら、少女は生きていられるのだろうか。
あの姿で一人の人間としてこれから生きて行くにしても、不便さは感じないのだろうか、と。
――しかし、その心配は要らなかった。
事件の後、沖追はすぐに被害者たちの元へ少女の写真を持って行ったらしい。すると、少女自身も顔を付け替えられたりパーツを埋め込まれたことを知った被害者達は、あまりにもごちゃまぜに作られてしまった彼女を哀れみ、一つの提案をしたそうだ。
「さて、今日のおはヨーンTVのゲストはこの方!」
ヒーローズアースの繁華街、大きなモニターで流れる朝のニュース番組。いつもならそう混雑しない交差点には、沢山の人々が集まっていた。
「はーい! みんなの大好きを集めたアイドル、メイラちゃんだよっ!」
現れたのはあの事件でブレンダに捕らえられていたキメラ少女だった。歪に付けられていたパーツは少し整えられ、傷を上手く隠しながら華やかな衣装を纏って笑っている。
交差点の人々はその少女がモニターに映った瞬間、わっと歓声を上げた。
「今日もあの触手が可愛いよ……」
「何言ってるんだ、あのロリ顔とむちむちの太ももが最高なんだろ!」
「いーや、あの羽が堪らんのよ。角も魅力的」
好きなものは人それぞれである。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
最終結果:成功
完成日:2019年10月10日
宿敵
『『豚房流拳闘士』子豚・ブレンダ』
を撃破!
|