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人売りの鳥籠

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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「仕事だよ、アンタ達」
 やおら言い放ったパラス・アテナ(サトラレ・f10709)は、集まった猟兵達の前に地図を広げた。
 ダークセイヴァー世界の片隅にある、貴族の館。
 ここでは月に一度オークションが開かれ、多額の金が動いているのだ。
 商品は、各地から集められた選りすぐりの美少年や美少女達。
 親に金で売られたり誘拐されたり、飽きたオブリビオンが転売したりして集められた十代の子どもたちが監禁されている。
 子供たちは一人に一つずつ大きな鳥籠に入れられていることから、鳥籠王子や鳥籠姫と呼ばれている。
 主催者はオブリビオン。売り主や買い手はオブリビオンや、オブリビオンと癒着した腐った領主や貴族達。
「アンタ達の目的は、主催者のオブリビオンを殺すこと。潜入してガキ共を始末して主催者を炙り出すんだよ」
(「こういう商売は信用で成り立ってるからね。売り物がなくなりゃ、主催者は出てくる。救出するのは勝手だが失敗して奪い返されたら、ガキ共は死ぬより酷い目に遭わされる。そうなる前に殺してやるのも、慈悲ってモンだ」)
 なんとなくパラスの真意を悟った猟兵達は、頷き次の説明を待った。

 子供たちを入れた籠は、主催者が管理している。
 籠の鍵は、それぞれの売り主が持っている。
 この鍵と代金を交換することで、売買成立となるのだ。
 鳥籠は堅牢で、鍵無しで破るには相応の準備がいる。
 分かっているのはここまでで、2階建ての貴族の館のどこに子供たちがいるのか、どこに売り主達がいるのかは分からない。
 この日売られる子供は5人。皆怯え絶望し、自分の意思で館から逃げることは困難だ。
「ガキ共の生死は問わないよ。アンタ達は主催者を殺すことだけを考えな」
(「ガキ共も助けられたら最高だが、主催者に逃げられることだけは避けなければ。そのために苦渋の決断をすることになっても、責めはしないよ」)
 頷く猟兵達を一瞥したパラスは、グリモアを発現させると貴族の館へと転送した。


三ノ木咲紀
 新年あけましておめでとうございます。
 今年もよろしくおねがいします。

 三ノ木咲紀です。
 一本目がこれってどうよとは思いますが、ダークセイヴァー世界の人身売買組織の壊滅をお願いします。
 概要はオープニングの通りです。

 プレイングによっては、記述がなくても連携が発生することがあります。
 連携NGの場合、プレイングの最初に「連携X」とお書きください。
 期日までに書くようにしますが、3日を過ぎて返却された場合は、ほとんどスケジュールの都合によるものです。
 再度投げてくれたらとても嬉しいです。

 それでは、よろしくおねがいします。
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第1章 冒険 『籠の中の小鳥達は』

POW   :    正面突破で救出を試みる

SPD   :    潜入して救出を試みる

WIZ   :    捕虜の手当などをする

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

宇冠・由
お母様(f00173)と共に救助活動しますわ

(私の同い年の方々が囚われの身、誰一人欠けることなく助けなくては)

館で開かれているのはオークションで大金が集まっております
であればそれを守る方々もいる筈
(――私が行うべきは、陽動と選別)

「がおー、がおー」
屋敷の外で「七草仏ノ座」を使用、10M(3階建て相当)の姿で挑発し、警備の方々をおびき寄せます

多くの買い手は館から逃げるでしょうが、鳥籠は高額商品――売る前の売り手や既に取引した買い手は、必然、それと共に逃げようと自ら所有する鳥籠に向かうでしょう

そうすれば、事前に客として潜入していた方や、館に突入する方が動きやすくなりますもの


宇冠・龍
由(f01211)と共に救助活動を行います

聞けば売買される子供は皆、年齢は由と同じくらいだとか
(子供たちを売り買いするなんて酷いこと、見過ごす訳にはいきません)

由が騒ぎを起こしてくれますので、私はそれに乗じて館に潜入後、子供達の居場所の探知を担いましょう

(見た目は2階建て、地下にいる、という線もありますが)
「枯木竜吟」を使用
館全体の記憶を持つ霊を召喚、協力・案内してもらいます
子供たちはずっと囚われの身、霊なら全員の居場所を知る筈です
他の猟兵の方々と情報共有を行い、人手の少ないところに向かいます

由の騒ぎで鍵を持つ方が来てくれるなら重畳、来ないとしても籠に「枯木竜吟」を使用して開けて貰います



月明かりさえ雲に隠れるダークセイヴァーの夜。
 煌々と明かりが灯る貴族の館の正門前でマスクの身体を地に伏せ、息をひそめて様子を伺っていた宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)は、館の中に囚われている子供たちを思った。
 あの館の中には、鳥籠に囚われた5人の子供たちが、絶望と諦観の中で泣いているのだ。
(「私の同い年の方々が囚われの身、誰一人欠けることなく助けなくては」)
 決意を新たにした由は、七草仏ノ座を発動させた。
 全身から炎が吹き出し、体長10メートルの鬼の姿になった由の出現に、館は騒然となった。
 屋根まで美麗な館を見下ろす由は、己の役割を再認識する。
(「――私が行うべきは、陽動と選別」)
 館で開かれているのはオークション。大金を手にした特権階級の人々やオブリビオンが集まっている。
 ならば、それを守るオブリビオンもいるはず。
 案の定、門から出てきた篝火を持つ亡者達が由を取り囲む。
「がおー、がおー」
 威嚇する由に、ユーベルコードが放たれた。連続して放たれる攻撃は、容赦なく由にダメージを与えていく。
 このままではいずれ倒されてしまう。衛兵達を引きつけた由は、ダメージを負いながらも一際大きく炎を吹き出した。
(「後はお願いします、お母様」)
 目くらましと共にマスクの姿に戻った由は、亡者たちの追手を撒きながら森の中へ姿を隠した。
 篝火を持つ亡者たちが、炎の鬼を追う。
 木の葉の陰に身を潜めながらも、由は次のチャンスを待った。

 一方。
 大鬼騒ぎに浮足立った館内に潜入した宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)は、注意深く周囲を伺いながら館の奥へと足を運んだ。
 遠く近く、大鬼に対処するオブリビオンの声が聞こえる。
 聞けば売買される子供は皆、年齢は由と同じくらいだとか。
(「子供たちを売り買いするなんて酷いこと、見過ごす訳にはいきません」)
 決意に頷いた龍は、人気のない場所に出ると柱に触れて子供たちの居場所を探知するべく詠唱を開始した。
「眠りし記憶に宿りし霊よ、今こそ蘇り我が前に現れいでよ」
 低い声と共に、枯木竜吟を発動。館全体の記憶を持つ霊の召喚を試みた。だが。
 「館全体の記憶」は多すぎて、各所の思念や記憶を読み取った霊もまた膨大な数に上る。
 龍の召喚に応じて現れた霊は、口々に様々な情報を伝えるが、整理がされず場所もはっきりしない。
 指定が曖昧すぎたことを悟った龍は、ユーベルコードを解除すると得られた情報を整理しながら探索を再開した。
 大鬼の挑発による騒ぎは、由のやむを得ない早期撤退により収束しかけている。
 息を潜めた龍は、得た情報を元に慎重に歩みを進めた。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

アンバー・ホワイト
‪ねえ、知ってる
昔、籠の中に白い竜の子がいたんだ
黒く染った竜の子は、美しくないって捨てられたんだ
その子がね
捉えていた籠そのものを、ぶち壊しに来たんだよ


こんなにも早く、機会が巡ってくるなんて
わたしを捕えていた人もここに居るのだろうか
ワルイヤツ、許しはしないよ、絶対に
自身を捉えていた闇を倒したい想いと、過去へ対峙する恐怖が合わさって足取りは重いが意思は強く

ヘンリエッタ(f07026)と共に行動
館に入ってまず子どもを助けることを考える。作戦はヘンリエッタに従う
もしも敵が逃げそうな場合は敵の追跡撃破優先に切り替える
子供に手を下すことは絶対にせず
不器用であっても、我儘であっても、すべてを救いたいと願って


ヘンリエッタ・モリアーティ
【WIZ】
アンバー(f08886)と共に行動
――この子には、酷な話かもしれない。アンバー、大丈夫よ。
助けたいなら、手堅く動きましょう。まずは、捕虜の方々を【医術】で手当てします。警戒がとけるよう、勇気づけるよう、アンバーは【手をつないで】あげて。
大丈夫、味方です。助けに来ました。
かける言葉は端的でいい、――子供たちの場所を知りませんか。できるだけ多く救いたいんです。
目星がついたら【親愛なる右腕】でモランにこの屋敷の探索をさせます。飛ぶのではなく這うこの子なら、恐らく見つかりにくいし、私に忠実に教えてくれるわ。
大丈夫、きっと大丈夫よ。いいえ、大丈夫に――しなくちゃ!



大鬼騒ぎに乗じて潜入したヘンリエッタ・モリアーティ(獣の夢・f07026)は、俯きながら一歩遅れてついてくるアンバー・ホワイト(Snow・f08886)をちらりと振り返った。
(「――この子には、酷な話かもしれない」)
 アンバーはかつて、「滅んだ筈の一族の最後の裔で、神話に記された白い竜」というだけで、生まれてすぐに鳥籠に入れられて競売に掛けられた。
 この館に囚われているのも、同じく鳥籠の子供たち。その心情を思うと、自然と眉根が寄った。
「アンバー、大丈夫よ。助けたいなら、手堅く動きましょう」
 ヘンリエッタの声に、アンバーは小さく頷く。
 美麗な館は美麗なほど、闇は深い。この館に囚われているのも、鳥籠の子供たちだけではないはずだ。
 当たりをつけたヘンリエッタは、昏い方へと足を進める。
 装飾がなくなり明かりも乏しくなった一角に、使用人達の居室があった。
 案の定、そこには奴隷労働させられている少年がいた。
 みすぼらしい服に、痛々しい刻印。やせ細った腕で懸命に水を運んでいる少年にそっと近寄ったヘンリエッタは、やおら少年の腕を掴むと物陰へと引っ張り込む。
 少年の口を塞ぎ、まずは落ち着かせる。
「大丈夫、味方です。助けに来ました」
 目を白黒させる少年の体中に残る痛々しい鞭の跡を治療し、事情を端的に説明する。
 同い年くらいのアンバーは、警戒がとけるよう、勇気づけるよう、手をつないであげている。
 混乱するばかりでうまく頭が働かない少年の手を、アンバーは更にぎゅっと握った。
「ーーねえ、知ってる? 昔、籠の中に白い竜の子がいたんだ。黒く染った竜の子は、美しくないって捨てられたんだ」
「鳥籠……」
 目を見開く少年に、アンバーは頷く。
「その子がね、捉えていた籠そのものを、ぶち壊しに来たんだよ」
「――子供たちの場所を知りませんか。できるだけ多く救いたいんです」
「救う……。僕も、僕たちも助けてよ!」
 泣きそうな少年を、ヘンリエッタは抱きしめた。
「もちろんです。あなた達も必ず救います」
「ワルイヤツ、許しはしないよ、絶対に」
 力強く頷く二人に、少年は知っている限りの情報を伝える。
 少年と別れたアンバーは、こみ上げる興奮を抑えるように小さく笑った。
「こんなにも早く、機会が巡ってくるなんて。なあヘンリエッタ。わたしを捕えていた人もここに居るのだろうか?」
 その言葉に首を横に振ったヘンリエッタは、親愛なる右腕を発動させた。
「それは、分からないわ。でも……。『いい子だわ、モラン。――私に、すべて教えなさい』」
 召喚に応じて現れた飼い竜、モランに、目星をつけた場所の探索を命じる。
「ここの子供たちは大丈夫、きっと大丈夫よ。いいえ、大丈夫に――しなくちゃ!」
「そうだな」
 不器用であっても、我儘であっても、すべてを救いたいと願いながら、アンバーは周囲を警戒した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

コーディリア・アレキサンダ
恨まれることには慣れている。ボク向きの仕事だ――けれど
救える命を見捨てられるほど、ボクは悪魔になり切れていないんだ


騒ぎに乗じれば中に入るのは難しくない……のかな
屋敷の中でこちらに同調してくれそうな人間に接触しつつ、情報を集めよう

一番手堅いのは売りに出される以外の子供
きっかけがあれば手を貸してくれる使用人もいればいいけれど

負傷者は《諭し、癒すもの》で治療。特に動けない人を優先
手当されればある程度安心もされるだろうけれど、少し怖がらせてしまうかも
ボクの扱うのは悪魔の力、だから

でも逃げる力があれば、ここから生きて離れられる可能性も上がる
ならそれでいいよね。怖がられること、恨まれることには慣れているよ




 大鬼騒ぎに乗じて潜入したのは、アンバーやヘンリエッタだけではなかった。
 一人潜入したコーディリア・アレキサンダ(亡国の魔女・f00037)は、華やかなエリアを離れ裏へ裏へと回った。
 情報を得るには、情報を知っていそうな人物と接触すること。
 一番手堅いのは、売りに出される以外の子供だ。こういう館には、必ず奴隷みたいな使用人がいるものだ。
 彼らなら、いろいろな所に出入りしているし、信頼が得られれば情報も得られるはずだ。
 探索してしばし。角を曲がったコーディリアは、ふいに感じる衝撃に後ずさった。
「ひぃっ! こ、殺さないでくれ! もう脱走なんてしません! だからお願いです殺さないで!」
 コーディリアにぶつかったのは、粗末な服を着たやせ細った男だった。
 頬は痩せこけ、奴隷を示す刻印が入れられた男は、ボロ布で辛うじて止血している腕を押さえながらコーディリアに平伏した。
 男の腕を取ったコーディリアは、諭し、癒すものを発動させた。
「権能選択、限定状態での顕現――承諾確認。我身に宿る悪魔、歪なる星――治しなさい」
 詠唱と同時に、手に禍々しい悪魔のオーラが溢れた。
 どす黒いオーラの奥から溢れ出す光が、男の傷を癒やしていく。
 顔を上げた男は、ユーベルコードを発動させたコーディリアの手に恐怖の目を向けた。
「そ、それはご主人様方が使う力……!」
「大丈夫? 少し聞きたいことがあるのだけれど……」
「へ、へへー! ご主人様、何をお聞きになりたいので? なんでも喋りますから殺さないで!」
 悪魔の気配とユーベルコードに、コーディリアを主人の一人だと思ったのだろう。恐怖に駆られた男は、少しでもコーディリアから距離を置こうと後ずさる。
 その態度に少し傷つきながらも、コーディリアは男に鳥籠の在り処を質問した。
 子供たちの居場所を聞き出したコーディリアは、礼も言わずに転ぶように逃げ出す男の背中を見送った。
 あの男は、おそらくこのまま脱走するだろう。
 それもいい。逃げる力があれば、ここから生きて離れられる可能性も上がる。
 あの男がこのダークセイヴァー世界で、どこまで生き延びられるのかは分からない。だが。
(「救える命を見捨てられるほど、ボクは悪魔になり切れていないんだ」)
 怖がられること、感謝を得られないことには慣れている。無意識に胸を押さえたコーディリアは、男に背を向け駆け出した。
 今は一刻も早く、子供たちの元へ行かなければ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴェルベット・ガーディアナ
【WIZ】
鳥籠の鳥か…その響きだけで儚いような気がするよね。でも彼らは人間でそれでも籠の中は窮屈で…売られたり勾引かされたり…これからもっと怖いわ目に合うんじゃないかって怯えてる。
出来るなら助けてあげたいし。
そんな人がでないように元締めもきちんと片付けないとね。

ボクにできるのは捕虜の人達の治療かな…【生まれながらの光】で傷を癒すよ。


三原・凛花
こういうのって、昔の自分を見てるみたいでほっとけないんだよね。

折角だし、私も鳥籠姫になってみようかな。
【恥ずかしさ耐性】【誘惑】を使って、門番にでも交渉してみるよ。
「貴族様に買われて優雅に暮らしたいんです」とか言ってさ。

潜入出来たら【『聖霊』召喚】で、館内の適当な売り主に『聖霊』を取り憑かせるよ。

可哀そうだね、その人。
例えば「偶然」階段から落ちて大怪我したり、その上に「偶然」老朽化したシャンデリアが降ってきて潰されたり…
それでも死ねず長~く苦しむんだから。
五感を共有する私も苦しむけど、【激痛耐性】で我慢するよ。

これで騒ぎになれば主催者も現れる筈。
鳥籠姫の私は、成り行きを伺うしかないね。


シホ・エーデルワイス
※猟兵商業組合で連携希望

商品の奴隷として監禁場所へ潜入

身なりは綺麗に、頭には目印用の花を挿し、
自力で外せる手枷足枷首輪を付けている

抱いている罪悪感を想う事で絶望感を漂わせます
でも絶望に染まりすぎない様に仲間の事も想います

基本命の危険が無ければ何をされてもされるがまま
有れば【無敵城塞】

屋敷内移動中は花弁をこっそり床へ落として目印

子供達が酷い目に合いそうなら【誘惑と誘き寄せでかばう】

監禁場所に見張りがいなければ
【生れながらの光】や隠し持って来た菓子で子供達を【鼓舞】

助かるチャンスは必ず来ます
その時は私について来て

他、気配に注意して脱出の準備

脱出時は【鈴蘭の嵐】で籠の鍵を破壊

子供達を守って脱出します


有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

鳥籠とは悪趣味な……。
罪のない者たちはできるだけ助けたいと思います。
……とはいえ、これは仕事。主催者を逃がす、その最悪の事態を避けるため、その時は…この手で……。

まずは子どもたちの位置、売り主が誰なのか、を特定しなければいけませんね。
虱潰しに探るよりも、派手に動いたほうが効果的でしょうか?
陽動も兼ねて正面突破でいきます。
「鳥籠はどこですか…?」
私が派手に動いている間に、他の猟兵たちが何か掴んでくれるかもしれません。
攻撃をされたら【絶望の福音】で回避。


原・ハウスィ
※猟兵商業組合での連携を希望
技能【変装】を用いて、シホさんを商品として連れてきた商人に徹する
「ちょっとギリギリになっちゃったけど、追加の商品だよ」
訝しがられることがあれば「良い商品を仕入れるのに時間が掛かったんだ、しかたないね」などと言って誤魔化す
潜入後は【目立たない】【忍び足】を駆使して、シホさんの残した花びらの位置と出口を逆算しつつ脱出経路を事前に探索しておく
シホさんが脱出のために事を起こしたら、そちらに向かい、脱出を手助けする。動かない子供がいるようなら担いでいく


石上・道順
猟兵商業組合で連携希望
奴隷商人の1人として【変装】しシホ殿やハウスィ殿の潜入を助ける。演技する参考としては強きに媚び、弱きを虐げる山賊を。
時期が遅いことを聞かれたら、安全に持ってこれるようにするのに時間がかかった
という。
金を取引する段階では値上げするようゴネ、注目を引き付けハウスィ殿から注目をそらす。

事前に錬成カミヤドリで複製した注連縄を、中に連絡用の式を仕込みつつ魔封じの縄として成形、無力化する拘束具としてシホ殿を縛り時が来れば自壊させる。2人の潜入後は金を手にして満足したように離脱、外部より2人の連絡を仲介、及び自身も式を使い警備の【情報収集】し脱出に有用な情報を提供する。


アルジェロ・ブルート
【SPD】

正面突破がいんならそっちと別んとこから、いなきゃ適当に手薄そーなとこから
館内の事は【聞き耳】立てつつ【忍び足】で探ってくとして…ま、あとは【第六感】だな
さーてどこにいんのかね

鳥籠見っけたら【鍵開け】るわ
あー、生きたいか死にたいかは聞いとかねぇとな
彼奴ら釣り出す為にいちおー掻っ攫って【逃げ足】【ダッシュ】はするけどよ
赤の他人の命まで背負う気ねーし、いよいよとなったら俺は殺すぜ
どうせ無理とかンな事はどうでもいいわ。死にたいの、どうなの
生きてぇなら、ま、鍵開けちまった以上最初だけは手ェ貸してやるよ

しっかし鳥籠とはまた……ひひ。懐かしぃねェ
泥水啜ってでも生き延びる気は、こいつにはあんのかね


アッシュ・ランベルト
【心境】
この世界で。見た目で選ばれて。鳥カゴ。
…俺と一緒。だけど。俺は、自分で出てこれたから。
…ここから出して、それからどうするか。選択肢くらい、あげる。

【目的】
囚われた子供達の説得、可能なら情報収集

【SPD】
得た情報から鳥籠のところまで潜入。
…確かにキレイな顔が揃ってる。……俺の方が可愛いけど。
…目的は、ここの悪い連中で。本当はキミ達はほっといてもいいんだけど。
もし、出たいって言うなら、出してあげる。
…こんなところで飼い殺されるコトが、キミ達の望みだっていうなら、それでもいいけど。どうする?

それから。首謀者の連中のコトで、知ってるコトがあれば、教えて。
部屋の方角とか、ここから見てどっち?


スバル・ペンドリーノ
始末……だなんて、できるわけがないじゃない。
ううん、分かるわ。言いたいことも、なぜ厳しい言葉を使ったのかも……私の今使おうとしてる魔法が、100点満点じゃないことも。
けど……助けて、みせる……!

肩に羽織ったケープを広げて、(一旦連れ出された、を想定)子どもに語りかける
「大丈夫。お姉ちゃんが、絶対家まで送り届けてあげる」
「これに触ったらね、不思議なところに行けるの」
「中は、少し怖いかもしれないけど……ほんの何時間かだけ、我慢して。大丈夫。出ようと思ったらすぐに出られるけど、安全だと分かるまでは、頑張って。私が呼ぶまでちゃんと我慢できたら、もうお家よ」
「……いい子ね」

※アレンジ、絡み歓迎




 時は少し遡る。
 大鬼騒ぎで混乱する館の正門に、一台の馬車が止まった。
 呼び止める門番に、奴隷商人の1人として【変装】した石上・道順(彷徨える禁足地・f08728)は卑下た笑みを浮かべた。腰を低くし手を揉んで、人攫いの山賊の演技で槍を突きつける門番に話しかけた。
「やぁやぁこれはこれは旦那様方。いいお話があるんですがネ」
「いい話?」
「ちょっとギリギリになっちゃったけど、追加の商品だよ」
 道順の隣に立った原・ハウスィ(元は小売店の店主・f01358)は、手にした縄を引っ張った。
 腕を縄で縛られた少女が二人、よろけながら歩み出る。
 絶望の目で周囲を見渡すシホ・エーデルワイス(オラトリオの聖者・f03442)は、小領主の娘にありそうな綺麗な服を着て、髪に花を挿している。
 一方の三原・凛花(『聖霊』に憑かれた少女・f10247)は、質素な町娘の格好をしていた。
 凜花は門番に駆け寄ると、恥ずかしさ耐性を駆使しながら門番を誘惑した。
「私を買ってくれる人は、ここにいるの? 貴族様に買われて優雅に暮らしたいんです。貧乏なのはもう沢山!」
「な? 二人とも上玉だろう? ここまで安全に持って来るのに時間がかかっちまったんだ。なぁ、高く買ってくれよ」
 凜花の誘惑に鼻の下を伸ばした門番は、頭を掻きながらも手を差し出した。
「し、紹介状は持ってるのか? ここは限られたお方のみが参加することを許されるオークションだ。身元が確かじゃない人間は入れる訳にはいかないなぁ」
 紹介状、の一言に猟兵達に緊張が走る。
 ここは貴族や領主達が参加する、高級オークションの会場。それなりに身元がはっきりしていなければ商品を売ることはできないのだ。
 凜花が口を開きかけた時、意外な所から助け舟が出された。
「道を空け給え、愚民どもが」
 猟兵達を乗せた馬車の隣に、いつの間にか豪奢な馬車が止まっていた。
 そこから降りてきたのは、ぶくぶく太ったボールのような小男だった。
 絹の服を着て全身を高価な宝石で飾った男は、尊大に胸を張りながら館の中へと入ろうとする。
 館へ近寄る小男の姿に、門番は直立不動の姿勢を取った。
「こ、これは伯爵様。逃げ……もといお戻りになられたので?」
「あぁ。聞けば大鬼はいなくなったそうじゃないか。それなら今日のオークション、楽しませてもらわないとな」
 にたぁ、と笑った伯爵は、ふと顔を上げるとシホと凜花の姿に目を見開いた。
 囚われの二人にずかずかと歩み寄る。いやらしい目で順番に見つめた伯爵は、門番を振り返った。
「おい、こいつらは?」
「そこの奴隷商人が連れて来まして……」
「ほう?」
 伯爵の視線を受けて、道順は頭を掻いた。
「いやぁでも、あっしはしがない奴隷商人。御大層な紹介状なんて持ってないすよ。でもね、これだけの上玉、そこらで売るんじゃ足元見られて終いっすからねぇ」
「ほう?」
 伯爵はシホに歩み寄ると、やおら頬ずりを始めた。肌のなめらかさを確かめるように密着する髭と肌と舌のおぞましい感触に、シホは怯えた目で耐える。
 シホを突き放した伯爵は、次は凜花に歩み寄る。同様に頬ずりをする伯爵には聞こえないように、ユーベルコードの詠唱を始める。
 聖霊に憑かれたことに気づかない伯爵は、満足したように指輪を外した。
「いいだろう。この二人は私が買おう」
「伯爵様、ヴァンドゥル様の館でそのような……」
 止める執事に、伯爵は舌打ちする。
「では、この娘たちは私が売り主になろう。そして私が競り落とす。それでいいな?」
「伯爵様、お代は……」
 揉み手の道順に、伯爵は指輪を投げて寄越す。一つだけの指輪に、道順はいきり立った。
「伯爵様ぁ! あっしが売ったのは二人ですぜ? もう一つ……」
「うるさい」
 殴りつけてくる伯爵の拳に、道順は派手に転んでみせる。その姿を嗤った伯爵は、二人を繋ぐ縄を執事に持たせた。
「行くぞ。ーー二人共、我が家に着いたらたっぷり躾けてやるからな」
 好色な目で二人を見た伯爵は、館の奥へと進んでいく。
 二人を手放した道順は一人、門の外に立っていた。奴隷商人の表情を解き、美麗な館を見上げる。
 危なかったが、これで子供たちの場所へ案内してくれるだろう。道順が派手に動いている間に、ハスウィ達は無事に内部へ潜入できた。
 これからの道順の役目は、外部からの連絡役と情報収集。
「皆……気をつけて」
 怪しまれないように馬車を移動させた道順は、式を展開させた。


 執事の先導で廊下を歩く凜花は、突然襲った全身を強く打つ痛みに思わず立ち止まった。
「早く来い」
 尊大な執事に頷き、凜花は再び歩き出す。
 伯爵に憑かせた聖霊は、永遠の命と不幸を与えるモノ。永い間凜花に取り憑き、苦しませる聖霊は伯爵にも等しく不幸を齎す。
 この痛みには、覚えがある。「偶然」階段から落ちて、全身を強く打った時の痛み。
 続いて感じるのは、足を貫く槍のような痛み。「不幸にも」老朽化したシャンデリアが落ちて、クリスタルが足を潰したのだろう。
 でも残念。聖霊は殺さない。あの伯爵は死ぬこともできず長~く苦しむのだろう。
 襲う激痛に耐えながらも、凜花は口元に笑みを刷いた。


 時は少し遡る。
 館内へ潜入したアルジェロ・ブルート( ・f10217)は、ざわつく館内を忍び足でそっと探った。
 聞き耳を立て、子供たちの居場所を探す。少し時間が掛かったが得られた情報は、大鬼が撤退したことや手下が追いかけていること、新しい『鳥籠』が増えたこと。
「さーて、どこにいんのかね」
 第六感を働かせながら探索を進めるアルジェロは、やがて噂で得た新しい鳥籠を見つけ出した。
 あれの後をつければ、子供たちの居場所まで案内してくれるだろう。アルジェロは慎重に足を進めた。
 尾行を開始してしばし。アルジェロと同様に忍び足と目立たないで探索していたハスウィは、退路を確保しながら館内を素早く探索する。
 同じ部屋へ向かっていた猟兵達と合流しながら、ハスウィは鳥籠の間へ急いだ。


 鳥籠に入れられたシホは、五人の子供たちと同じ部屋に入れられた。
 部屋の中に見張りは二人。外にも二人。共に篝火を持つ亡者だ。
 静な室内に、子供たちのすすり泣く声が聞こえてくる。腕を縛る縄を自壊させたシホは、ばれないように縄を手に持ちながら時を待った。
 部屋に入れられてしばらく。ドアの向こうで小さな音がした。小さく開いたドアから滑り込んだハスウィは、篝火を持つ亡者に斬りかかる。
 屋敷の中で合流した猟兵たちも加勢し、見張りを全員倒す。
「ハスウィさん!」
「花の目印、役に立ったよ。退路も確保してある」
 微笑むハスウィに頷いたシホの鳥籠の鍵を、アルジェロは道具を使い鍵開けを試みる。
 鳥籠の鍵は特別製で少し手間取ったが、なんとかシホの籠の扉を開ける。
 自由になったシホは、顔を上げる子供たちに隠し持った菓子を配った。
「助かるチャンスは必ず来ます。その時は私について来て」
 シホの説得に、子供たちは反応を示さない。動かない子供たちに、ヴェルベット・ガーディアナ(人間の人形遣い・f02386)は静かに語りかけながら、生まれながらの光を子どもたちにかけた。
「鳥籠の鳥……。その響きだけで儚いような気がするよね。でも君たちは人間だよ」
 ヴェルベットの声に、子供たちは少しだけ反応を返す。
「籠の中は窮屈で……売られたり勾引かされたり……これからもっと怖い目に合うんじゃないかって怯えちゃうよね」
「……」
 顔を上げる鳥籠王子に、アッシュ・ランベルト(虚・f00578)は過去の自分の姿を見た。
 この世界で。見た目で選ばれて。鳥カゴ。
(「……俺と一緒。だけど。俺は、自分で出てこれたから」)
「……ここから出して、それからどうするか。選択肢くらい、あげる」
 顔を上げた鳥籠王子に歩み寄ったアッシュは、青い目の少年を見つめた。
「……目的は、ここの悪い連中で。本当はキミ達はほっといてもいいんだけど。もし、出たいって言うなら、出してあげる」
「ここを……出る……」
「……こんなところで飼い殺されるコトが、キミ達の望みだっていうなら、それでもいいけど。どうする?」
「……ここを出て、どうするの? どこにも生き場所なんてないのに」
 呟いた鳥籠王子は、アッシュの目を見ながら訴えた。
 ダークセイヴァー世界の根本の問題。それは、逃げ出しても逃げ場がないこと。
 オブリビオンに支配されたこの世界では、生き抜くことさえ易しいことではない。
 猟兵ではない彼らは、この世界で生き抜くしか無いのだ。
 答えに詰まった猟兵達に、アルジェロは嗤った。
「あーじゃあ、死ぬかここで?」
 驚きの視線を感じながら一歩前へ出たアルジェロは、やはり驚く子供たちを順番に見た。
「俺は赤の他人の命まで背負う気ねーし、いよいよとなったら殺すぜ。あのババアは殺しちまっても構わねぇって言ってたしよ」
 アルジェロの言葉に、有栖川・夏介(寡黙な青年アリス・f06470)もまた頷く。
 罪のない者たちはできるだけ助けたいと思う。とはいえ、これは仕事。主催者を逃がす、その最悪の事態を避けるためならば、夏介はその手を汚す覚悟はできていた。
 真剣な目の二人に、鳥籠王子は声を上げた。
「でも……。無理だよ。逃げられっこない」
「無理とかンな事はどうでもいいわ。死にたいの、どうなの」
 目を見開く子どもたちに、アルジェロは続けた。
「泥水啜ってでも生き延びる気は、あんのかって聞いてんだ。もしあんなら、最初だけは手ェ貸してやるよ」
 アルジェロの説得に、鳥籠王子は俯く。やがて顔を上げた鳥籠王子は口を開いた。
「……僕は……生きたい。お願いです、助けてください!」
「僕も!」
「私も!」
 堰を切ったように助けを求める子どもたちに、心から安堵の息を吐いた夏介は、シホを振り返った。
「一つ一つ籠を開けていたら、時間が足りません。僕が囮になって、警備の注意を引きつけます。そうしたらシホさん。鈴蘭の嵐で鳥籠を壊してください」
「そんなことをしたら、夏介さんが!」
「有栖川って呼んでください」
 苦笑いをこぼした夏介は、猟兵達を見渡した。
「元々、陽動を兼ねて正面突破するつもりでした。攻撃は絶望の福音で回避します。……こんな所で死ぬつもりはありませんから、子どもたちのこと、くれぐれもお願いします」
 頭を下げる夏介に、猟兵達は頷くしかなかった。
「有栖川さん。子供たちのことは私に任せてください」
 決意を胸に請け負ったスバル・ペンドリーノ(星見る影の六連星・f00127)に頷き返した夏介が部屋を出てしばし。
「伏せて!」
 派手な破壊音と同時にシホが放った鈴蘭の嵐で、鳥籠が一斉に破壊される。
 館内に警報が鳴り響き、亡者たちの気配が激しく行き交う。ここが戦場になるのも時間の問題だ。
 案の定、警備はこの部屋にすぐやってきた。
 部屋のドアが開かれようとするのを、一斉に押し止める。仲間たちが時間を稼ぐ間に、スバルは子供たちを集めた。
「皆、こっちへ!」
 しゃがんで視線を合わせたスバルは、肩に羽織ったケープを広げると笑顔で子どもたちに語りかけた。
「大丈夫。お姉ちゃんが、絶対家まで送り届けてあげる。……これに触ったらね、不思議なところに行けるの」
 拐かされたと思われる少女が、無意識に一歩後ずさる。少女の手を握ったスバルは、少女の目を覗き込んだ。
「中は、少し怖いかもしれないけど……ほんの何時間かだけ、我慢して。大丈夫。出ようと思ったらすぐに出られるけど、安全だと分かるまでは、頑張って。私が呼ぶまでちゃんと我慢できたら、もうお家よ」
「……うん」
 頷く少女に頷き返したスバルは、そっと少女を抱きしめる。
「……いい子ね」
 星辰の扉を発動させたスバルは、ユーベルコード製の異空間へと少女を誘う。
 子供たちを全員避難させた時、ドアが勢いよく開かれた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『篝火を持つ亡者』

POW   :    篝火からの炎
【篝火から放たれる炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤々と燃える】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    篝火の影
【篝火が造る影に触れた】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    新たなる亡者
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自分と同じ姿の篝火を持つ亡者】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


子供たちを避難させた猟兵達は、雪崩のように襲い来る篝火を持つ亡者達の攻撃に晒された。
 部屋の出入り口は二つ。
 一つは、亡者たちが殺到する廊下へ続くドア。
 もう一つは、オークション会場の舞台へ続くドア。
 一階にあるその部屋は、窓一つ無い。

 ここに留まり戦うか。
 オークション会場へと退避するか。
 連携し、何らかの作戦を立て実行に移すか。
 一つだけ言えるのは、猟兵達が倒れた時、子供たちに待っているのは絶望の未来のみ。
 館中から殺到する亡者たちを相手に、猟兵達の戦いは始まった。
有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

後々のことを考えると、なるべく広いほうへと退避したほうが動きやすくなるかとは思いますが……。
しかし、今この場にいる篝火の数はできるだけ減らしておきたいですね。
私はここに留まり、戦うことにします。

敵の攻撃は引き続き【絶望の福音】で回避。
私の他にここに留まって戦う人がいるなら、彼、あるいは彼らの攻撃が当たりやすくなるよう、こちらの動きで亡者を引きつけます。
いなければ、回避の際に隙をみて処刑人の剣で攻撃。

亡者は亡者らしく、永遠の眠りについてもらおうか。
「二度と覚めない夢を……。サヨナラの時間です」


ヘンリエッタ・モリアーティ
【POW】アンバー(f08886)と行動
亡者が蠢く廊下は敵の数が多い!!立ち向かわなきゃ!
あなたの方がきっとうまくやれる――【トリガーピース】を噛み砕いて、『ヘイゼル』!!
『ぎひ、ひ、ひははは!!アンバーもいンのか!
よォしパパがんばっちゃお。【怪力】で【なぎ払い】、なんなら【衝撃波】でぶっ飛ばしてもいいぜェ!
【ブラッドガイスト】でぶっ潰すうちは俺ァ夢中になっちまうからなァ、アンバーにサポートは任せる。パパの言いつけは守れる娘だ。――今のお前なら出来るだろォ?
アーアー、娘持っちまうと分かるなァ親の気持ちがよ。親は子供のヒーローになりたいんでね――お呼びじゃねェ、失せろや外道どもォ!!』


アンバー・ホワイト
‪ヘンリエッタ(f07026)と共に‬
‪真の姿を解放して、全身が雪のように白く煌めいて‬
‪金の瞳で敵を見遣り‬
‪亡者の蠢く廊下へ
‪警戒しながらも、心は怒りに満ちて
‪さあ、鳥籠をぶち壊しにいこう‬

‪雪の焔を使って集団に攻撃を‬
‪美しくないものを、全て、覆い隠してしまうように‬
‪雪の焔は逃げることさえ許しはしないよ。さよならだ‬

‪子供を狙う輩がいた場合星屑の鎖で捕縛を試みる‬
‪あなたの相手はわたし。逃がしはしないよ‬

‪負傷者には陽だまりの欠片で回復を行う‬
‪自身が倒れてしまわないように注意しながら‬
‪わたし達、強いから。倒れはしないよ‬

‪ひとりでは僅かな光かもしれない‬
‪けれど皆で、彼らに希望を‬



 時は少しだけ遡る。
 鳥籠の間から一人抜け出した有栖川・夏介(寡黙な青年アリス・f06470)は、囮としての役割を果たすべくわざと目立つように廊下を駆けた。
「鳥籠はどこですか……?」
 派手に動きながら亡者たちの注意を引きつける夏介は、迫る篝火からの炎に一瞬振り返った。
 直後に【絶望の福音】で回避。壁を焼く篝火に気を取られた瞬間、炎が夏介の背中を焼いた。
 一人で派手に動く夏介に、亡者の群れが迫る。いくらユーベルコードを使っても、その回避能力は万能ではない。
 だが、ここでなるべく多くの亡者を引きつけておかなければ子供たちの救出に影響が出てしまう。
 ここで戦うことを決めた夏介が、再び迫る炎を転がるように回避する、
 その先に、一際大きな篝火が迫った。
 態勢が悪い。これは回避できないだろう。
 痛みを覚悟した夏介はしかし、炎を感じることはなかった。
「……っ!」
 夏介に迫る炎を腕で受け止めたヘンリエッタ・モリアーティ(獣の夢・f07026)は、亡者の群れに意を決した。
「敵の数が多い!! 立ち向かわなきゃ!」
 息を大きく吸い込んだヘンリエッタは、自分の中にいるもうひとりの「俺様」に語りかける。
「あなたの方がきっとうまくやれる――『ヘイゼル』!!」
『ぎひ、ひ、ひははは!!』
 ヘンリエッタが【トリガーピース】を噛み砕いた直後、声が変わった。
 美しい女性の声から、荒々しい俺様の声へ。鮮やかに人格を変化させたヘンリエッターーヘイゼルは、夏介に駆け寄り傷を癒やすアンバー・ホワイト(Snow・f08886)を振り返った。
「アンバーもいンのか! よォしパパがんばっちゃお」
 ロックブレイクを構えたヘイゼルは、迫り来る亡者へ向けて猛烈な勢いをつけながら黒剣で薙ぎ払った。
 怪力から繰り出される衝撃波が、亡者たちを切り裂く。消え去る亡者達には目もくれず、ヘイゼルはアンバーにロックブレイクを掲げた。
 ヘイゼルのユーベルコード【ブラッドガイスト】を使うと、夢中になってしまう癖がある。その間に集中攻撃されたら最悪撤退もあり得る。だから。
「アンバーにサポートは任せる。パパの言いつけは守れる娘だ。――今のお前なら出来るだろォ?」
「もちろんだ」
 【陽だまりの欠片】で夏介を癒やしたアンバーは、真の姿を解放するとヘイゼルの隣に立った。
 全身が雪のように白く煌めき、金の瞳が敵を見遣る。
 亡者の蠢く廊下の奥には、鳥籠を閉じ込めた部屋。亡者たちを警戒しながらも、心に満ちた怒りが声を震わせる。
「さあ、鳥籠をぶち壊しにいこう?」
 竜の牙を構えたアンバーは、静かに詠唱を開始した。
「冷たいはなびらが、あなたを包むよ。さあ──雪の焔に焼かれてしまえ」
 迫りくる亡者たちの黒いボロ布が、無数の煌めく雪に覆い尽くされる。
 美しくないものを全て、覆い隠してしまうように放たれる【雪の焔】に巻かれた亡者が、黒い塵となって消える。
「逃げることさえ許しはしないよ。さよならだ」
 敵陣を薙ぎ払うアンバーのユーベルコードに、ヘイゼルは楽しそうに口元を歪ませた。
「アーアー、娘持っちまうと分かるなァ親の気持ちがよ。親は子供のヒーローになりたいんでね――お呼びじゃねェ、失せろや外道どもォ!!」
 叫ぶと同時に、亡者たちへ突貫を仕掛ける。
 自身の血を代償に捧げたロックブレイクが、殺戮捕食態に変化する。
 禍々しい姿に変化した愛剣を振りかざしたヘイゼルの攻撃が、篝火の影で回避した亡者たちを次々に塵へと帰す。
 前方から迫る敵に対処する二人の背中を見ながら立ち上がった夏介は、後ろから迫る亡者たちの姿に駆け出した。
 ヘイゼルに向けて炎を放とうとする亡者の前に躍り出て、注意を引きつける。
「させません!」
 攻撃を自分に向けさせ、【絶望の福音】で回避。隙を見て放った処刑人の剣が、亡者を塵へと返す。
「二度と覚めない夢を……。サヨナラの時間です」
 剣を振るう夏介に向けて放たれる炎が、不意に凍った。
「あなたの相手はわたし。逃がしはしないよ」
 挟撃に気付いたアンバーが前方をヘイゼルへ任せ、背中合わせで戦いを開始する。
 殺到する亡者たちを倒しながら、三人は鳥籠の間へと向かった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

三原・凛花
大分ざわついてきたね。
侵入者に気付かれたとなると、主催者に逃げられる可能性がある。
それだけは何としても阻止しないと。

鳥籠に入れられなかったのが、不幸中の幸いだったかな。
どさまぎで執事から逃げて、そのまま他の猟兵達のいる部屋へと合流するよ。
まず、この亡者達を何とかしないことには主催者を探すどころじゃないからね。

【愛し子召喚】で呼んだ息子と娘を【生き人形】に取り憑かせて、二人に亡者達と戦わせるよ。
で、亡者達をあしらいながら、オークション会場へ、主催者を探しに行くね。
主催者がいるかどうかは分からないけど、可能性はある筈。

わたしも内心怒ってるんだよ。
人間を物のように扱う奴は絶対に許せない。


アルトリウス・セレスタイト
せめて群れる価値くらい持ってから来い

部屋に留まり押し寄せる警備を掃討
廊下へのドアに適当なオブジェクトを怪力で投げ付けて一時稼ぎ真理で攻撃力を強化
直ぐに越えてくるであろう敵勢に破天の弾幕を
高速詠唱、全力魔法、範囲攻撃、二回攻撃など駆使しての面制圧飽和攻撃
細かに狙わず物量に物を言わせて絶え間なく叩き付けて回避の余地も潰す
近接されても方針継続
味方がいれば当てない程度には狙いを絞り、押されてきたら孤立しないよう声を掛け、徐々に下がりつつ削り続ける
単独であれば囲まれるくらいに近付かれた際は断絶で纏めて叩き、預言で回避するスタイルに切り替える


シホ・エーデルワイス
猟兵商業組合で連携希望

原さんに預けていた武器を受け取り
【聖剣の加護:オーラ防御、武器受け、火炎耐性、激痛耐性、勇気、覚悟】と【ジャンプかスライディング】で
廊下側のドア前へ割込んだ後
ドア枠を掴んで立塞がりつつ無敵城塞を使用

上手く位置を取って敵が一度に入ってくる数を抑えます

皆さん私は大丈夫ですから私ごと攻撃して下さい!

鳥籠姫が他の王子と姫を隠して逃げちゃいますよ
と言って敵を【おびき寄せて挑発】

後は道順さんから預かった式に話しかけて現状と部屋の場所を連絡

移動する際は
子ども達を匿っている方を【かばうと聖剣の加護】で優先して守りつつ
生まれながらの光で回復

子ども達を頼みます

攻撃の機会があれば鈴蘭の嵐で攻撃


原・ハウスィ
猟兵商業組合で連携希望
預かっていたシホさんの武器を渡し、自分自身も携帯端末を操作してUC【Sales Abandonment Attack】を発動し、戦闘に入る。
「正面戦闘はあまり得意じゃないからね、しかたないね」
ドアから入ってくると思われる敵一体一体を【目立たない】【忍び足】【暗殺】で死角から攻撃し、確実に仕留めるように立ち回る。
基本的にシホさんに合わせて行動し、移動する際には、敵を警戒をしながら進み、戦闘になった場合は率先して攻撃を行う。
子供達に関してはシホさんや他味方猟兵に任せる。


アッシュ・ランベルト
…出してあげるって、言ったから。こいつらは、倒さないと。
…それにしても。随分出てくる。…ここ、狭いから。あっちの方がいいと思う。
オークション会場への移動を提案。

■SPD
攻撃は他の猟兵に任せ、回避とサポートを優先。

…炎もだけど。あの影、特に嫌な感じ。触りたくない。
【篝火の影】に特に注意して、【見切り】【第六感】で回避を優先
【追跡】で敵を見失わないようにしながら、【咎力封じ】で相手の行動を阻害していく。
成功したら別の敵に同じように行動して、相手の行動阻害を継続。

……次。まだ、続ける?



● 鳥籠の間
 抑えていたドアが破られ、雪崩を打って侵入してくる亡者は、直後に襲う物理攻撃に足を止めた。
「せめて群れる価値くらい持ってから来い」
 怪力で次々に亡者へ鳥籠の残骸を投げつけるアルトリウス・セレスタイト(原理の刻印・f01410)は、亡者たちの足止めをしながら【真理】を発動し攻撃力を強化する。
 案の定すぐに残骸を超えてくる亡者たちへ、【破天】を放った。
 張られる100本の青く輝く魔弾の弾幕が、亡者たちの存在根源を直に砕いていく。
 第一波を凌いでできた隙に、シホ・エーデルワイス(オラトリオの聖者・f03442)が躍り出た。
 原・ハウスィ(元は小売店の店主・f01358)から武器を受け取り各種耐性を強化し、スライディングで廊下側のドア前へ割込む。
 ドア枠を掴んで亡者たちの前に立ち塞がったシホは、そのまま【無敵城塞】を使用した。
 全身を超防御モードに変えて立ちふさがるシホに、篝火がいくつも突き刺さる。だが、シホにはかすり傷一つ与えることはできない。
 その代り一歩も動けないシホは、物量で押してくる亡者たちを極力足止めするべく力を込める。
 シホの存在に攻撃の手を緩める仲間たちへ、シホは叫んだ。
「皆さん、私は大丈夫ですから私ごと攻撃して下さい!」
 シホの不退転の決意に、猟兵達は応えた。
「自業自得というやつだ」
 味方がいれば当てない程度には狙いを絞っていたアルトリウスは、遠慮は無用とばかりに【華嵐】を炸裂させた。
 高速詠唱されたユーベルコードが、身に纏う絶理を自壊の原理で存在根源を砕く淡青色の幻想の花びらに変え、数体の亡者たちをまとめて塵へと返す。
 高速詠唱だけではない。全力魔法、範囲攻撃、二回攻撃などを駆使しての面制圧飽和攻撃が、侵入する亡者たちを次々に消し去っていく。
 このまま制圧されるかと思われたが、そうはならなかった。
 細かに狙わず物量に物を言わせて絶え間なく叩くような攻撃を、【篝火の影】で回避した亡者たちがアルトリウスに向けて炎を放つ。
 アルトリウスに向けて集中攻撃してくる亡者が、音もなく消えた。
「S.A.A、発動!」
 携帯端末を操作してユーベルコード【Sales Abandonment Attack】を発動たハスウィは、一体一体確実に死角から攻撃し、確実に仕留めるように立ち回る。
 目立たない上に忍び足を駆使し、暗殺術で倒していく。
 するりと敵の間をすり抜けては急所を的確に攻撃するハスウィに、アルトリウスは感心したように呟いた。
「さすがだな」
「正面戦闘はあまり得意じゃないからね。店の売上高を代償にするけど……しかたないね」
 苦笑いするハスウィの攻撃は相当な命中率を誇ったが、【篝火の影】は暗殺術さえ回避していく。
 その様子に、アッシュ・ランベルト(虚・f00578)は眉を顰めた。
「……炎もだけど。あの影、特に嫌な感じ。触りたくない」
 【篝火の影】を見切りと第六感で回避したアッシュは、【咎力封じ】を放った。
 手枷と猿轡、拘束ロープを次々に投げて【篝火の影】を封じていく。
 それでも次々に湧き出る亡者たちに、アッシュは知らずため息をつく。
「……それにしても。随分出てくる。……ここ、狭いから。あっちの方がいいと思う」
 言いながら、アッシュはドアを振り返る。そのドアから敵があふれ出くるようなことはないのが幸いだが、ここが破られたらあちらにも被害が出る。
「……出してあげるって、言ったから。こいつらは、倒さないと」
 気を取り直したアッシュは、襲い来る亡者に【咎力封じ】を放った。
 回避しながら次々に敵のユーベルコードを封じるアッシュのサポートに、三原・凛花(『聖霊』に憑かれた少女・f10247)がつい、と指を上げた。
「まず、この亡者達を何とかしないことには主催者を探すどころじゃないわね」
 人間を物のように扱う主催者への怒りに若干発音を震わせながらも詠唱を続ける。
 同時に発動する【愛し子召喚】により召喚された愛息子と愛娘が、それぞれの生き人形に取り憑いた瞬間。
 目を開き、生きている人間のように滑らかに動き出した少女が、隣の少年を呪詛の念で強化した。
 敵の前に音もなく躍り出た少年は、亡者たちに取り憑き次々に消滅させる。
 仲間が欲しいとささやく少年に消滅させられた亡者たちは、少年のお友達になってくれたのだろうか。
 そんなことを思った凜花に、篝火が突き刺さる。解除され消えた二人を見送った凜花は、再びユーベルコードの詠唱を開始する。
 猟兵達の連携に、亡者たちは徐々に数を減らしていった。

 無限に続くかと思われた波状攻撃も、ようやく終わりを見た。
 無敵城塞を解いたシホは、大きく息を吐き出すと式で館の外にいる道順と連絡を取った。
 現状を報告したシホは、怪我をした仲間に【生まれながらの光】で回復を施す。
 一息ついた凜花は、ざわめきの聞こえるオークション会場へ続くドアを見た。
「大分ざわついてきたね」
 開け放たれたドアの向こうは、闇が燻っている。仲間が先行してオークション会場へ向かったが、何かあったのだろうか。
「侵入者に気付かれたとなると、主催者に逃げられる可能性がある。それだけは何としても阻止しないと……」
 言いかけた直後、激しい破壊音が響いた。
 地震のように館全体が揺れ、ざわめきが大きくなる。
「……オークション会場へ、行こう」
 アッシュの提案に頷いた猟兵達は、オークション会場へ急いだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

コーディリア・アレキサンダ
【スバル・ペンドリーノと一緒に行動】

部屋から退いて来たスバルと、オークション会場で合流
スバルは壇上に出て来るんじゃないかな。商品がいた部屋から出てくるのだし

……彼女も商品扱いされそうかな
友達を商品扱いは、あまり気分良くないね
とはいえ会場まで下がったということは敵もここまで来る、ということ
会場の客を逃がすために、ボクも悪魔らしく派手に壇上へ上がろう

「悪いけど、この子はボクのだ」

〈全力〉の《壊し、破るもの》で飛び出してくる亡者を迎撃
この弾丸の雨なら、多少の数も纏めて吹き飛ばすよ
ついでに壁か扉を破って客の逃げ場を確保しよう
……どんな人間でも人は人だ。死んでいいわけじゃない

「――御帰りはあちらだよ」


スバル・ペンドリーノ
【リア(コーディリア・アレキサンダ)と行動】
宿の主人で、友人

子供を匿ってる以上、私に万が一があっちゃいけない……
と逃げ道を探すように会場へ

新しい商品か、という下世話な目線に嫌そうな顔をしながら見渡して、その顔に気付き
「リア! ごめん、私のこと守って!」
敵に悟られないよう、事情は言わない
けど、普段なら私が前に出ることが多いし、察してくれるはず

「……って、誰が貴女のよ! 私はお姉さまの……!」
言い返しながら、敵と距離を取るように慎重に立ち回り
主に自分を狙う敵を優先して、動きを束縛するわ
「灯りをどうも、亡者さん。お陰で狙いやすいわ」

来場客は……私も、見逃す
気に入らないけど、裁く権利もないものね


宇冠・龍
他の方の行動や作戦に従います

子供たちが無事でよかった
留まるにしても退避するにしても、足止め囮役が多いに越したことはないでしょう
私を含め、誰も倒れることのないようサポートに全力を尽くします

この館に充満する呪詛も利用し【画竜点睛】を使用、亡者たちを拘束し移動や攻撃を封じます
特に最前列の亡者を足止め動きを封じれば、後衛がなだれ込んでくる可能性が低くなるかと

篝火からの炎は、この拳や【雲竜風虎】で捌きつつ
隙があれば【竜逢比干】で夫の霊を召喚
味方を攻撃しようとする亡者を風を纏う槍で貫き、炎を相手側に送り返します

館が崩れない前提ですが、もしもオークション会場の壁が内から壊せるのならその手伝いを


アルジェロ・ブルート
ガキ共は大丈夫そうか。
さってっとー
ここで抑えんのもガラじゃねぇし、会場の方に移動すっか。
あっちも客やら何やらいそうなんだが、混乱状態なら多少は紛れやすいかね。
つか俺、ガキん時も盗みやら何やらしてたけどさァ、総じて気ィ抜きすぎなんだよなぁ。
ふ、は、
「ほら来いよ無能共!警備がザルだからこーやって侵入されんだよ!

【逃げ足】【ダッシュ】で合間縫って距離取るわ。あとは【絶望の福音】あたりか。
これで炎は出せねぇだろ。うっかり客に当たっちまったらゴシュジンサマに怒られちまうもんなァ?
混んでンなら影の位置も分かり辛ェし一々また距離詰めたくねェし、ま、今回は【ネクロオーブ】の【呪詛】でいくか。



● オークション会場にて
 時は再び遡る。
 押し寄せる亡者の群れに、猟兵達の防衛ラインが少し押される。
 一歩下がったスバル・ペンドリーノ(星見る影の六連星・f00127)は、子供たちを匿ったケープの裾をぎゅっと握った。
 この中には今、子供たちがいる。スバルが敵の手にかかれば、間違いなく子供たちを奪い返されてしまう。
 子供を匿ってる以上、スバルに万が一があってはいけない。
「私はオークション会場へ退避します」
「いいんじゃねぇの? ここで抑えんのもガラじゃねぇし、俺も会場の方に移動すっか。あっちも客やら何やらいそうなんだが、混乱状態なら多少は紛れやすいかね」
 飄々と言うアルジェロ・ブルート( ・f10217)に、宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)も頷いた。
「留まるにしても退避するにしても、足止め囮役が多いに越したことはないでしょう。私も参ります。誰も倒れることのないよう、サポートに全力を尽くします」
 護衛を買って出てくれる二人に、スバルは心強そうに頷いた。
 ドアの先にある通路を抜けると、控室のような部屋に出た。
 そこにいる人間を気絶させて気配を伺うと、オークション会場のざわめきが聞こえてきた。
 全員でそっと会場を覗く。
 すり鉢状に設えられた買い手用の座席はどれも豪奢な作りをしていて、余裕を持った配置からあまり大人数が参加するのではないことが伺い知れた。
 会場には、客を守るために配置された亡者たちが多数警備についている。この分だと、会場の外も守りは堅いだろう。
 その最奥部。一際大きな椅子には、一体のオブリビオンがいた。
 あれがこのオークションの主催者。あのオブリビオンを逃がせば、似たような事件は必ずどこかで起きてしまう。ここで必ず倒す必要があった。
 会場の客を宥めるように、オークショニアが声を張った。
「皆様、間もなくオークションを始めさせていただきますので、もうしばらくお待ち下さい」
「私達の安全は保証されるんでしょうね?」
「伯爵が大怪我をなさったそうだが、この館の整備はどうなっているのかね?」
 口々に不安をぶつける客を安心させるように、朗々とした声が響いた。
「皆様、ご安心ください。大鬼は無事、私の手下が駆逐しました。皆様の身の安全は、我が配下が総力を持ってお守りしております。大慌てで逃げ出さずとも、安全と安心は保証いたします」
 自信に満ちた声に、会場のざわめきが静まっていく。
 会場を伺う猟兵達に、炎が迫った。
 控室に現れた亡者達が、問答無用で猟兵達に攻撃を仕掛ける。炎を避けたスバルは、舞台上へ駆け出した。
 眩しい光に、一瞬目を閉じる。目の前に広がっているのは、豪奢な会場だった。
 突然現れたスバルの姿に、客たちの視線が突き刺さる。
 新しい商品か。いや鳥籠には入っていない。新しい趣向か。あの子は観賞用にぴったりだ。
 集まる下世話な目線に嫌そうな顔をしながら見渡したスバルは、会場にいた見知った顔に声を上げた。
「リア! ごめん、私のこと守って!」
 敵に悟られないよう、事情は言わずに助けを求める。普段ならスバルが前に出ることが多いし、察してくれるだろう。
 その期待に、コーディリア・アレキサンダ(亡国の魔女・f00037)は応えた。
 商品扱いされるスバルの姿を見るのは、正直あまり良い気はしない。
 会場を警備している亡者たちも、一斉にスバルに警戒を向ける。いざとなったら亡者たちは、この会場の客の命など頓着しないだろう。
 会場の客を逃がすためにも、コーディリアは悪魔らしく派手に壇上へ上がった。
「悪いけど、この子はボクのだ」
「……って、誰が貴女のよ! 私はお姉さまの……!」
「商品は全て鳥籠で保管している! そいつは侵入者だ! 殺せ!」
 主催者の声が、会場に響く。
 同時に戦闘態勢に入った亡者たちが、一斉に二人へ向けて篝火を向けた。
 炎が放たれる寸前、詠唱の声が響いた。
「咲けよ徒花、一つ二つと首垂らせ」
 亡者の追撃を受けて壇上に躍り出た龍の背後から、ユーベルコードにより生まれた怨霊の腕が伸びる。
龍の怨霊に腕を掴まれた亡者たちの手から、炎が消える。
 その隙きを突いたコーディリアは、スバルを背中で守りながらユーベルコードを詠唱した。
「権能選択、限定状態での顕現――承諾確認。我身に宿る悪魔、破壊の黒鳥――撃ち落としなさい!」
 同時に放たれる呪詛の弾丸が、亡者たちを追尾し突き刺さる。
 大混乱に陥り、浮足立つ客達を見たコーディリアは、【壊し、破るもの】を奥のドアへ放った。
 大きな音を立てて、ドアが破壊され開け放たれる。嬉々として子供たちを売り買いするような連中でも人は人だ。死んでいいわけじゃない。
 一瞬呆然とする客たちに、コーディリアは言い放った。
「――御帰りはあちらだよ」
 コーディリアの声に、客たちが出口へと殺到する。
 混乱する様子に笑みを刷いたアルジェロは、客席中央へと躍り出た。
「つか俺、ガキん時も盗みやら何やらしてたけどさァ、総じて気ィ抜きすぎなんだよなぁ」
 嘲るように肩を揺らしたアルジェロは、主催者へ向けて指を立てる。
「ほら来いよ無能共! 警備がザルだからこーやって侵入されんだよ!」
 一斉に放たれる炎を【絶望の福音】で回避。逃げ足とダッシュを駆使しながら亡者の群れを抜けたアルジェロは、わざと浮足立つ客達への方へ向かった。
 アルジェロに向けて炎を放とうとする亡者は、「客の警備」という命令に行動を一瞬躊躇する。
「これで炎は出せねぇだろ。うっかり客に当たっちまったらゴシュジンサマに怒られちまうもんなァ?」
「構わん! 殺せ!」
 主催者の叫びに、亡者たちが一斉に篝火を構える。
 攻撃しようとする亡者達に、スバルの影が潜り込んだ。
「あなた、自分の足元が見えていて?」
 スバルが放つ無数の蝙蝠が、亡者たちの行動を阻害する。同時に龍の【画竜点睛】が、客ごと攻撃しようとする亡者の動きを阻害する。
 身動きできない亡者の群れに対して、コーディリアの【壊し、破るもの】が容赦なく突き刺さる。
 敵を引きつけたアルジェロが手にしたネクロオーブから放たれる呪詛が亡者たちを取り巻き、消し去っていく。
 着実な連携で数を減らしていく亡者たちの群れに【竜逢比干】で召喚された龍の夫が放つ氷のブレスが直撃し、消し去っていく。
 顔を上げた龍は、空の座席に目を見開いた。
「主催者が逃げたわ!」
 龍の声に、猟兵達に緊張が走る。追撃を掛けようとした時、館を揺るがす大きな音が響いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

宇冠・由
(完全に悪手の作戦で皆様に申し訳ありませんの……)
館中の亡者が集まっているということは、理想的には挟み撃ちをできるチャンスなのでは、と思いました

「逃げたのではありません! 戦略的撤退なのです!」
【七草仏ノ座】の大鬼は、時間経過と共にその力を増しますわ
そして皆様をこれ以上傷つけさせたくないこの思いから【七草芹】で更に肉体強化し大立ち回りを演じます
この姿を目撃している亡者たちは無視できないはず、少しでもおびき寄せできれば館内の皆様も動きやすくなるはずですわ

(窓一つないのであれば、逃走経路つくれないのでしょうか)
もし建物を崩すことなく熱で穴を壁に開けられるなら、中からの声や音を頼りに実行してみますの


石上・道順
猟兵商業組合で連携希望
中は乱戦になってしまっているようだが、信頼できる仲間達がいる。外に出ている私が今しなければならないことは、何よりも目標であるオブビリオンを逃がさないことだ。
ユーベルコードを起動、注連縄による結界を作り館内からオブビリオンを逃さないようにする。即席かつ範囲が広いゆえ強力なオブビリオンには容易く破られる可能性が高い。そのため、探知主体で作り上げ足止めを狙うべきだろう。

外から中に入る猟兵がいるならば、組合の2人からの連絡式で場所は分かっているため、式を飛ばして先導しよう。
中の乱戦はシホ殿とハウスィ殿を信じよう。万が一の時でも連絡式がオーラ防御で身代わりとなってくれる筈だ。



● 館の外にて
 時は三度遡る。
 大鬼の追手に差し向けられた亡者の群れを避けながら、宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)は唇を噛んだ。
(「完全に悪手の作戦で皆様に申し訳ありませんの……」)
 短時間の撤退に追い込まれた作戦に、由は俯く。だが由の陽動は伯爵を吊り出し、館の警備を混乱させ、亡者の一部を追手として差し向けさせている。
 マスクの姿で夜陰に紛れた由は、仲間の馬車が去った方へ慎重に歩みを進めた。
 森に入ってほどなく。仲間を潜入させた石上・道順(彷徨える禁足地・f08728)の姿を見つけた由は、そっと声を掛けた。
「道順様! そちらの様子はいかがですか?」
「由殿。ご無事でしたか」
 由の姿に胸を撫で下ろした道順は、仲間からの式の連絡で得た情報を由へ伝えた。
 中へ潜入した仲間は、無事に鳥籠と接触。子供たちの救出に成功したが、中は乱戦になってしまっている。
 信頼できる仲間達がいるから大丈夫だ、という連絡の後通信が途絶えたから、現在は交戦中なのだろう。
 中の乱戦は、シホとハウスィを信じている。万が一の時でも連絡式がオーラ防御で身代わりとなってくれる筈だ。
「……外に出ている私が今しなければならないことは、何よりも目標であるオブビリオンを逃がさないこと」
「私も手伝います!」
 頷く由は、渡された連絡用の式を手に厩舎側へと回る。
 由が監視を開始してしばし。慌てたような馬車が、次々に厩舎から吐き出されるのが見えた。
「道順様! 貴族が逃げ始めました!」
 慌てて逃げる貴族たちを見送った由は、奥から出て来ようとする豪奢な馬車に目を見開いた。
 あれは、おそらく主催者の馬車。ここで逃がすわけにはいかない。
「主催者が逃げます! 足を止めるので、応援お願いします!」
 連絡と同時に【七草仏ノ座】を使用した由は、再び大鬼の姿に変身すると厩舎へと駆け寄った。
 外を警戒していた亡者たちの群れが、大鬼へと向かって集まる。敢えて不利な行動を取った由は、厩舎の入り口へ向けて拳を振り下ろした。
「逃しません!」
 轟音を立てて、厩舎の入り口が崩壊する。瓦礫の山で物理的に足止めされた主催者の馬車が、厩舎の中で急停止する気配がする。
 大鬼の姿でなければできない荒業だが、これで主催者の逃走経路を一つ潰せた。
 この音を他の猟兵達が聞きつければ、主催者を追い詰めることができるだろう。
 由がすべきことは一つ。集まってくる亡者たちを引きつけ倒し、中の戦いを有利に運ばせること。
「先程は逃げたのではありません! 戦略的撤退なのです!」
 以前は陽動が主目的だったため戦闘を継続することができなかったが、今は道順もいる。
 探していた大鬼の出現に躍起になる亡者たちに、由は炎の拳を振り下ろした。
 由から連絡を受けると同時に駆け出した道順は、連絡用の式を起動させた。
 中にいるシホに主催者の居場所を連絡する。亡者たちを視認した道順は、【荒神・布都御魂】を起動。亡者に神刀の斬撃を向けた。
「祓い給い、浄め給え」
 詠唱と同時に刀身から飛ばした神気の刃が、由に攻撃を仕掛けようとする亡者を切り裂く。
 徐々に力を強くする由に、敵の攻撃が集中する。道順は由を回復しながら、的確に敵を削っていく。
 襲い来る全ての亡者を倒した二人は、顔を見合わせ頷き合うと館の中へと向かった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『不服従の賢王』

POW   :    贄の叫び
自身が戦闘で瀕死になると【墓場の亡者 】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    闇の嘆き
自身の装備武器を無数の【黒百合 】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    葬られる孤独
【死の恐怖 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【有象無象の蛇のかたまり】から、高命中力の【恐れを喰らう蛇】を飛ばす。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠揺歌語・なびきです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 どうしてこうなった。
 オークションの主催者である不服従の賢王・ヴァンドゥルは、馬車の中でしゃれこうべを馬車の壁に叩きつけた。
 オークションは毎月、何のトラブルもなく行われていた。
 警備に当たっている篝火を持つ亡者どもは、並の人間どもなど造作もなく制圧できる力を持っている。
 例えどんな盗賊共が襲ってきても、返り討ちにする自信はあった。
 今までだって、何度か返り討ちにしてきた。あの程度の賊ならば、会場の客達の安心を買うために会場周辺に警備を集中させるのは当然の話だ。
 それがどうだろう。侵入した賊は、ただの盗賊ではなかった。
 差し向けた亡者どもは全滅させられ、会場の客は逃げ出し、ヴァンドゥルの信用は地に堕ちた。
 だが、まだだ。生きてさえいれば、いくらでも立て直せる。
 今はこの場を撤退し、再起のために力を蓄えるのだ。
 馬車が厩舎を出ようとしたその時。轟音と共に馬車が横転した。
 何が起こったのか理解できないまま、ヴァンドゥルは厩舎に投げ出される。
 身体を起こして周囲を確認する。厩舎の出口は完全に瓦礫で塞がれていて、ここから出ることはできない。
 ヴァンドゥルは羽根を広げると、まだ無事な使用人用のドアへと向かった。
 賢王が使用人用のドアから外へ出るなど、屈辱の極みだ。
 だが、この試練を乗り越えた暁には、もっと素晴らしいオークションを開催するのだ。
 一つ嗤ったヴァンドゥルは、矢のようにドアへと向けて飛び立った。
宇冠・龍
可能であれば由(f01211)と主催者を挟み撃ちします

恐らく相手は逃亡が主目的、それを封じるのが重要でしょうね
【画竜点睛】による百の腕で相手を拘束
亡者の腕は地面や建物から際限なく出現し、どこまででも伸びて追い詰めていきます、飛び立つことは許しません

(ヴァンドゥル……「売る」という名前ですか)
「今まで沢山の方を捕まえてきたのですもの。今度は囚われの身になるのも一興ではないですか? ――なんでしたら、このまま売られて飼われるのもいいかもしれませんね」
相手を挑発し、他の方の攻撃や接近が死角、気付かれないよう、注意をこちらに向けましょう
相手は気位か高い様子、挑発にのる可能性は高いはずです


宇冠・由
お母様(f00173)と一緒に主催者の足止めを行いますの

「お待ちしておりましたわ」
出口の外で10Mの大鬼がお出迎え
あらかじめ、逃亡防止用のネット代わりに網目状に炎のオーラが出口周囲を覆うように展開しておきます
拠点防衛は得意ですもの、先に行かせないようにしますわ
突破し飛び立とうものなら、この巨躯で逆に捕まえます
「私、鬼ごっこは得意ですの」

大鬼の身体は私の炎そのもの、この身体から【熾天使の群れ】を放ち、主催者を捕えます
たとえ闇の嘆きで迎撃されても、【七草繁縷】で相手に飛び散った炎は、移動を妨害するでしょう


有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

この期に及んで主催者を逃すことはできません。
【第六感】で怪しい場所を感じとったらそこへ駆けつけます。
主催者を見つけたらすぐさま戦闘態勢に。
「……刑を執行します」

他の方のサポートをしつつ、【第六感】で敵の動きを読んで先回り。
退路を断ち、敵が攻撃してくるのをできるだけ防ぎたいと思います。
敵の攻撃で死の恐怖などは感じません。【覚悟】が違います。
「恐怖するのはお前のほうだ」

敵の動きを封じることで【恐怖を与える】ことができたら、【黄泉へと誘う紅の乙女】を発動。
「……貴方はここで終わりです」




 使用人用のドアへと向かうヴァンドゥルが、突然床に叩きつけられた。
 壁から、床から、天井から。
 伸びる百本の腕が、逃げようとするヴァンドゥルを掴み、拘束する。
 今までヴァンドゥルに酷使され、命を奪われた奴隷たちの怨霊が、この館で売買され、絶望の中死んでいった鳥籠の子供たちの怨嗟の声が、宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)の【画竜点睛】に力を与えているようだった。
「(ヴァンドゥル……「売る」という名前ですか)」
 名前の由来に頷いた龍は、亡者の腕から逃れようとするヴァンドゥルを冷酷に見下ろした。
「今まで沢山の方を捕まえてきたのですもの。今度は囚われの身になるのも一興ではないですか? ――なんでしたら、このまま売られて飼われるのもいいかもしれませんね」
「この私が、こんな所で賊ごときに囚われてたまるかぁっ!」
 ヴァンドゥルが叫んだ直後、手にしたしゃれこうべが無数の黒百合の花びらへと変化する。
 怨霊の腕には目もくれず。ヴァンドゥルが放った【闇の嘆き】は槍のように一点突破し、龍の心臓めがけて一直線に放たれた。
 急所は避けようと回避を試みる。腕を掠めた黒百合の槍が、龍の腕を引き裂いて消える。
 痛みと集中力の中断に、怨霊の手が一瞬緩む。隙きを突いて羽ばたいたヴァンドゥルは、体当たりするようにドアを破った。
 外へ飛び出したヴァンドゥルは、全身を襲う痛みに宙返りした。
「お待ちしておりましたわ」
 地に降り立ったヴァンドゥルを見下ろした宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)は、十メートルの大鬼の姿のままヴァンドゥルに微笑んだ。
 予め展開しておいた炎のオーラに焼かれたヴァンドゥルは、現れた大鬼を睨みつけた。
「大鬼が……。貴様を見くびったのが、私の過ちの始まりだ」
 憎々しげに睨んだヴァンドゥルは、防衛ラインを突破しようと飛び立った。
「ここで貴様らなど相手にしておれぬ! 私は撤退させてもらおう!」
 羽ばたくヴァンドゥルに、【熾天使の群れ】が放たれた。
「この技を見切ることができまして?」
 詠唱と共に放たれる、自動追尾する、自身の炎でできた不死鳥の大群がヴァンドゥルに群がる。
 不死鳥の大群を撒こうと、ヴァンドゥルは思ったよりも素早い動きで周囲を飛ぶ。
 大鬼の姿になっている間は、動きが見破られやすくなるため当てにくいというデメリットを持つ。
 何とか不死鳥を撒いたヴァンドゥルに、由は巨躯の腕を伸ばした。
「私、鬼ごっこは得意ですの」
「ならば私は、鬼を倒す英雄となろう!」
 羽根を震わせたヴァンドゥルは、再びしゃれこうべを黒百合の花びらへ変えると由へ向けて放った。
 大鬼を取り巻くように放たれた花びらに、傷を受けた鬼の炎が飛び散る。
 火の粉を浴びたヴァンドゥルの羽根が燃える。
 風切羽に引火した炎を消そうと、地を転げる。そこへ、天からの裁きの雷が下った。
「……刑を執行します」
 龍の挑発に気が削がれたところへ直撃した雷は、ヴァンドゥルの意識を一瞬飛ばす。
第六感でこの場へ最短距離で駆けつけた有栖川・夏介(寡黙な青年アリス・f06470)が突きつけた指をヴァンドゥルが再び認識した時。
 龍の【画竜点睛】が再びヴァンドゥルを捕らえた。
 今度は絶対に逃さない。そんな意思を乗せた怨霊の腕が、絡めるようにヴァンドゥルを拘束する。
「鳥が鳥籠から出ては、いけませんよ」
「ぬかせ! この不埒者がぁっ!」
 龍の挑発に、ヴァンドゥルが気炎を上げる。
 怨霊の腕を引き抜くように飛んだヴァンドゥルは、駆け寄る夏介にしゃれこうべを突きつけた。
「お前の記憶を見せてみろ。そこに眠る恐怖、今ここに再現されるのだ」
 しゃれこうべの中に、夏介の記憶が浮かぶ。今まで感じた中で最も強い死の恐怖が、夏介の脳裏に再現される。
 一度は感じた死の恐怖。その再現はヴァンドゥルのユーベルコードに力を与える。はずだった。
 頭を振って何とか幻影を追い払った夏介は、しゃれこうべを手の甲で押しのけると驚愕するヴァンドゥルを掴んだ。
「恐怖するのはお前のほうだ」
 死の恐怖を覚悟一つで振り切る夏介に、ヴァンドゥルに未知の生き物に対する恐怖が芽生える。
 それを逃す夏介ではなかった。
「……首をはねよ、と女王が言った」
 詠唱と同時に、赤いドレスの少女が現れる。美しいドレスは突如切り裂かれ、大鎌が姿を表した。
 現れた大鎌は、ヴァンドゥルの身体を袈裟懸けに切り裂く。
 悲鳴を上げることもできずに地に落ちるヴァンドゥルを見下ろした夏介は、冷徹に言い放った。
「……貴方はここで終わりです」
「……私は終わらぬ。こんなところで、終わって、たまるか!」
 よろりと起き上がったヴァンドゥルは、空を見上げると大きく吠えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

三原・凛花
【死の恐怖 】に反応する、【恐れを喰らう蛇】ね。
ならあなたには更なる恐怖を与えてあげる。

ありったけの【呪詛】を乗せた【衝撃波】を放って、ヴァンドゥルに【恐怖を与える】よ。
その隙に【『聖霊』召喚】で出した『聖霊』を、ヴァンドゥルに取り憑かせる。

そうなったら、あなたもうおしまいだよ。
死ななくなる代わりに、あなたにあらゆる不幸が襲い掛かる。

例えば【恐れを喰らう蛇】達が、「何故か」制御を失って「あなたの恐怖」に反応するとか。
そして例えば蛇達に体中を食いちぎられても、あなたはまだ生きてる。
まあ五感を共有するわたしも痛いけど。

【死の恐怖】より余程怖い「死ねない恐怖」。
たっぷり味わうといいよ。


シホ・エーデルワイス
※猟兵商業組合で連携希望

道順さんの式から聞いた主催者の事を皆さんへ伝えながら移動

!主催者の正体が人でなく鳥だなんて…
鳥が人を鳥籠に入れて売り物にしていた…

内心怒っていたが
別世界のペットショップで売られている小鳥達を思い出して動揺

人も普通に行う営みで視点が違うだけ?
これは警鐘?皮肉?復讐?罰?

ハウスィさんと道順さんの呼びかけ
龍さん達が呼んだ怨霊を見て気が付き

そうですね…ここで私達が止めないと!

敵が飛んで逃げないように、私は翼で滞空し退路を塞ぐ

皆さんを生まれながらの光で回復

攻撃されたら【オーラ防御、武器受け、激痛耐性、勇気】

戦後死者の冥福を祈る

助けた子ども達は私達が今迄助けてきた村へ預ける事を提案


原・ハウスィ
※猟兵商業組合での連携を希望
「主催者が非人型だったなんて驚きだけど、ここの世界では珍しくないのかな? まぁ、やる事は変わらないけど」
動揺しているシホさんに「皮肉が効いてるけど、そのを皮肉を打ち破るのも猟兵の仕事だよ」と声をかける。
相手が逃走しようとしている、あるいは味方との戦闘に集中している隙に【目立たない】【忍び足】【暗殺】で背後から近づき、一気に仕留めるつもりで攻撃を仕掛ける。
仕留め損ねた場合は【残像】を活用して相手を翻弄するような動きにシフトする。
戦闘後、助けた子供を村へ預ける案には賛同する。


石上・道順
※猟兵商業組合で連携希望
「む?長年生きたモノが神変を得て化生となる。よくあることではないのか?」
鳥と聞いて驚く人達に不思議そうにしながら
「悪行を為すなら討伐するまでだろう」
と発破をかける。

味方も亡者を使うならば大掛かりに神気を使えば味方の動きを阻害しそうだ。ここは【破魔】を込めた霊符を多数操り、敵を攻撃する。館内から人が合流した後はユーベルコードにより、そのまま動きを封じ強力な一撃を狙う人の援護を行う。

戦闘後はこれだけ亡者を使役されるならば、一度清めた方がいいだろう。これでも神に仕えるモノ、神に【祈り】【破魔】でもって場の浄化を行おう。

子供達を助けてきた村に預ける案には賛成する。


アルジェロ・ブルート
……あのさぁ、弓も持ってきてねぇし、飛ぶ鳥射貫く手段って、俺には無いわけね。

だから呪う事にしたんだわ。
【ネクロオーブ】の【呪詛】使い。
射貫けねぇが、当てきれねぇとは言ってねぇ。
堕ちてくんなら【Sangue】かね。
【2回攻撃】して翼を貰おう。自由はお前に必要ねぇ。

叫びも嘆きも鬱陶しいよなぁ。耳障りでしょうがねぇ。
【逆時計の置き香炉】
ちっとそこで黙ってろ。

そうだ、両翼もぎ取ったら飼ってやろうか?
屈辱の中でも生きたいのなら、お前が用意させたあの鳥籠を持ってきてやるよ。
さぁ是か非か。
――ま、どっちにしたって殺すけど。




 道順の式から主催者の居場所を聞いたシホ・エーデルワイス(オラトリオの聖者・f03442)は、そのことを他の猟兵へ伝えると駆け出した。
 今は仲間たちが足止めをしているが、相手はオブリビオン。
 一刻も早く応援へ駆けつけなければ。そう思いながらも、シホはオブリビオンがフクロウの姿をしていると聞いた時、思わず動揺する自分に戸惑った。
「主催者の正体が人でなく鳥だなんて……。鳥が人を鳥籠に入れて売り物にしていた……」
「そうだね。主催者が非人型だったなんて驚きだけど、ここの世界では珍しくないのかな? まぁ、やる事は変わらないけど」
 廊下を駆けながら淡々と語る原・ハウスィ(元は小売店の店主・f01358)に、シホは首を横に振った。
 主催者が非人型だった。それだけならば、こんなに動揺はしない。シホを動揺させたのは、別のことだ。
「別世界のペットショップでは、人が鳥を籠に入れて売っているわ。人も普通に行う営みで視点が違うだけ? これは警鐘? 皮肉? 復讐? 罰?」
 動揺を隠せないシホに、連絡用の式から石上・道順(彷徨える禁足地・f08728)の不思議そうな声が流れた。
『む? 長年生きたモノが神変を得て化生となる。よくあることではないのか?』
「そ、そういうものでしょうか」
『それが人であれオブリビオンであれ、悪行を為すなら討伐するまでだろう』
 道順の冷静な発破に、ハウスィも頷いた。
「皮肉が効いてるけど、そのを皮肉を打ち破るのも猟兵の仕事だよ」
 力づけるようにハウスィが声を掛け、廊下の角を曲がった時。猛烈な怨念にシホは一瞬足を止めた。
 この館に囚われた、数多の奴隷たちの怨念。鳥籠の子供たちの悲哀。そういった負の感情が、痛いくらいに伝わってくる。
 あれほどの負の感情を、あのオブリビオンは生み出していたのだ。例えヴァンドゥルの行動が皮肉でも警鐘でも、許されることではない。
「そうですね……ここで私達が止めないと!」
 シホが意を決した時、一瞬の隙きを突いたヴァンドゥルが館の外へと飛び出す。
 その姿を追ったシホは、龍へ駆け寄り【生まれながらの光】で傷を癒やした。
 戦場へ駆けつけたシホとハスウィの姿に、道順は破魔の力を込めた霊符を再び繰り出した。
 味方も亡霊を使役するのならば、大掛かりな神気は味方の行動まで阻害してしまう恐れがある。
 多数の霊符に込めた破魔の力はヴァンドゥルの行く手を阻み、あくまでも逃走しようとする動きを封じていた。
 頼もしい味方が応援に駆けつけた。ならば、短期決戦に持ち込むべきだ。
 道順は一つ頷くと、霊符をヴァンドゥルへ向けて一斉に突撃させた。
「ユーベルコードを封じます! 総攻撃を!」
 ヴァンドゥルに命中した霊符は、清浄な光を帯びてヴァンドゥルを捕縛する。
 【七星七縛符】により毎秒命を削りながら【闇の嘆き】を封じた道順の声に応え、猟兵達は総攻撃を開始した。
「くっ……! この、雑魚どもが!」
 霊符から逃れようとするヴァンドゥルは、ユーベルコードを詠唱する三原・凛花(『聖霊』に憑かれた少女・f10247)にしゃれこうべを突きつけた。
 しゃれこうべに映し出されるのは、死の恐怖。今までで最も辛かった死の恐怖が再現され、召喚された恐れを食らう蛇が凜花を締め付ける。
 その痛みと再現される恐怖に、凜花はむしろ楽しそうな笑みを浮かべた。
「【死の恐怖 】に反応する、【恐れを喰らう蛇】、ね。ならあなたには更なる恐怖を与えてあげる」
 死の恐怖を何でもないことのように乗り越えた凜花は、ありったけの呪詛を乗せた衝撃波を放った。
「お前たちは、死の恐怖は感じないのか!」
 叫ぶヴァンドゥルが、再び【葬られる孤独】を凜花へ放つ。二度目の恐怖にも、表情を歪めるだけで乗り越える凜花の姿に、ヴァンドゥルは未知への恐怖を覚えた。
 今まで、この術で折れなかった心などない。それがこうも無効化されるとは、どういうことだろうか。
 ヴァンドゥルが動揺した隙に、ユーベルコードが発動される。【『聖霊』召喚】で出した『聖霊』は真っ直ぐヴァンドゥルにまとわり付き、ヴァンドゥルに溶け込むように消える。
「あなたもうおしまいだよ。死ななくなる代わりに、あなたにあらゆる不幸が襲い掛かる」
「小娘がぁっ!」
 三度死の恐怖を与えようと、ヴァンドゥルがユーベルコードを発動させた直後。召喚された蛇は主の死の恐怖に反応した。
 「何故か」制御を失った恐れを食らう蛇達は、一斉にヴァンドゥルへ向けて食らいつく。
 同時に、凜花の全身が激痛に悲鳴を上げた。ヴァンドゥルの体中に食らいつく蛇たちが与えている痛みを共有する凜花は、それでもなお口元に刷いた笑みを崩さない。
「【死の恐怖】より余程怖い「死ねない恐怖」。たっぷり味わうといいよ」
「ぬかせ……。これしきの痛み、乗り越えてみせる!」
 激痛に耐えながらもなお空を飛び続けるヴァンドゥルを見上げたアルジェロ・ブルート( ・f10217)は、手にしたネクロオーブを高々と掲げた。
「……あのさぁ、弓も持ってきてねぇし、飛ぶ鳥射貫く手段って、俺には無いわけね」
 アルジェロの声に反応し、ネクロオーブに呪詛が渦巻く。その様子に、知らず口角が上がる。
「だから呪う事にしたんだわ」
 声と同時にネクロオーブより放たれた無数の腕が、ヴァンドゥルを地上へと誘う。
 自由を許さないどす黒い呪いが、ヴァンドゥルの翼に絡みつき高度を落とす。
 何とか逃れようともがくヴァンドゥルに、二撃が同時に放たれた。
 全員が戦闘に集中している間に目立たず、忍び足で暗殺を狙い潜伏していたハウスィのカッターナイフがヴァンドゥルの背中を大きく切り裂く。
 Sales Abandonment Attackを乗せた強烈な攻撃にのけぞったヴァンドゥルに、アルジェロのSangueが羽根を切り裂く。
「自由はお前に必要ねぇ」
「ぬかせ、小童がぁっ!」
 渾身の力で羽ばたいたヴァンドゥルは、手にしたしゃれこうべをアルジェロへと突きつける。
 しゃれこうべに映し出されるのは、アルジェロの記憶。
 今までで最も死の恐怖を感じた瞬間を再現させられ、心の傷口をえぐられたアルジェロは、目に恐怖を浮かべ胸を掴んで一歩下がる。
 ヴァンドゥルによって召喚された有象無象の蛇のかたまりから、恐れを喰らう蛇が放たれる。
 蛇に食らいつかれ、激痛をいなしながらもアルジェロは嗤った。
「叫びも嘆きも鬱陶しいよなぁ。耳障りでしょうがねぇ」
 アルジェロは手にした【逆時計の置き香炉】から湧き出る意識を奪う白の煙と理性を奪う甘い香りをヴァンドゥルへ放つ。
 どこからか伸びる力を奪う、頬へと伸びる誰かの手がヴァンドゥルに触れた時、【葬られる孤独】が封じられた。
 地面をのたうち回るヴァンドゥルに、アルジェロは楽しそうにしゃがみこんだ。
「そうだ、両翼もぎ取ったら飼ってやろうか? 屈辱の中でも生きたいのなら、お前が用意させたあの鳥籠を持ってきてやるよ」
「ーー再起のない屈辱など、受け入れられるかぁっ!」
 ヴァンドゥルが大きく吠えた時、最後に残されたユーベルコードが戦場を揺るがせた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​


 最後の力を振り絞ったヴァンドゥルは、残された切り札を切った。
 瀕死の状態になると発動可能となる【贄の叫び】に、ヴァンドゥル自身の叫びも加味され巨大な墓場の亡者が召喚された。
 この館で死んだ、無数の奴隷たちの霊が地の底より召喚される。
 どす黒い霊達は集い、融合し、目鼻のない巨大な子供の姿を形作る。
「殺せ! 殺せ殺せ殺してしまえ!」
 ヴァンドゥルの叫びに使役された霊は、大きく身体を震わせると無数の黒百合の花びらへと変化した。
コーディリア・アレキサンダ
【スバル・ペンドリーノと一緒に行動】

いいじゃないか、ボクのって言っておいた方が雰囲気あるだろう?
――ともかく。

ここで終わりにしよう
自分の足元に魔方陣――拘束制御術式を展開
《九王顕現・剣の王》を使用
真正面からその巨腕で対抗しよう
花びらは燃やせばいい、亡者もその腕で退かせてしまえ
逃がしはしないよ。今ここが滅びの時だ……キミのね

ボクは、ボク自身よりも助けを求める誰かに手が届かなかった時のほうが、怖い
〈捨て身の一撃〉その覚悟で前に出るよ
ここで終わりにするために


ほら――夜明けが来たよ


スバル・ペンドリーノ
【リア(コーディリア・アレキサンダ)と行動】
宿の主人で、友人
「雰囲気で言うことじゃないでしょ!」

引き続き、前に出るわけにはいかないから……
「お願い、可愛い夜の子供たち。あのオブリビオンを、空に逃がさないよう牽制して」
90匹もの影絵の蝙蝠の群れ。一匹一匹はそう強力でなくとも、そうそう無視はできないでしょう?
夜の王が誰なのか、教えてあげなさい

で、私自身はリアの背中に隠れ
内心少し悪魔の勢いには怯んで服の裾を掴むけど……敵は、怖くないわね。ここは
「わ、私の蝙蝠たちまで巻き込まないでよね……」
「……ちょっと! リアも無茶しちゃダメよ!」

一つだけ教えてあげる
たとえこの世界でも……明けない夜はないのよ、賢王


ヘンリエッタ・モリアーティ
【WIZ】(真の姿:マダム・ヘンリエッタ・モリアーティ)(アンバー:f08886と行動)
……ああいう手合には、貴女のほうが『相応しい』行動ができるわ、そうでしょう――『教授』
出てこれたと思ったら、何とも悲しい世界じゃないか。ねえ、アンバー。
可哀想に、可愛い私の娘。立派だ、強くなったものだね。アンバー、君はもう『狩る側』になった。だが、手伝いはまだ必要だろう。
愚かな王だ。ここには――君の欲で死んだ者が大勢眠っているだろう。亡者も、子供たちも、君に『仕返し』を私がさせてあげよう。
【最後の事件】を発動し、アンバーの補助をする。子供たちの希望の槍となるのは――娘の役割だろうからね。


アンバー・ホワイト
‪ヘンリエッタ(f07026)と共に‬
‪解放した白い姿のまま‬
‪その姿は昔とおなじ‬、捕えられてたあの頃と
‪鳥籠の竜が帰ってきたよ‬
でもね、あの頃とはもう違うんだ
わたしは狩るもの
‪鳥籠が、もう何も捉えることの無いように‬
‪もう誰も、傷つくことの無いように‬
‪怒りも、悲しみも、ぜんぶこの槍に乗せておまえを穿いてやる!‬

‪古竜の息吹を使いヴァンドゥルを攻撃‬
‪神聖なる竜に食われてしまえ‬
‪わたしは合わせるように星屑の鎖で敵と繋がり、鎖を引き寄せる反動で前に出て心臓を穿つ‬
捉えられるのは、こんどはあなた
死ぬまで離しはしないから

さよなら、悲しい王様
美しい子供たちを捕らえるなんてほんとうに我儘で、孤独



 吹き荒れる嵐のような黒百合の花びらが、猟兵達を容赦なく切り裂き抉る。
 とっさにスバル・ペンドリーノ(星見る影の六連星・f00127)を庇ったコーディリア・アレキサンダ(亡国の魔女・f00037)は、無事なスバルの姿に微笑んだ。
「ーー大丈夫かい?」
「私は平気。それよりもひどい怪我! リアも無茶しちゃダメよ! でもーー」
 コーディリアの腕の中で、スバルは心配そうにコーディリアを回復した。
 スバルを庇わなければ、ここまで大きなダメージではなかったはずだ。
 だが、今のスバルは子供たちを匿っている。ダメージと同時にユーベルコードが解除されてしまったりしたら、戦局がひっくり返る恐れすらある。だから。
「お願いリア。私を守って」
 服の裾を掴むスバルの手を、コーディリアはそっと握った。
「もちろんさ。ボクのスバルのためだもの」
「あなたのじゃないって何度も……」
「いいじゃないか、ボクのって言っておいた方が雰囲気あるだろう?」
 微笑み、ウインクするコーディリアの腕を、照れ隠し半分のスバルの手が叩いた。
「雰囲気で言うことじゃないでしょ!」
「雰囲気は大切だよ。――ともかく」
 止んだ嵐に、コーディリアは立ち上がった。あのユーベルコードを放ったということは、ヴァンドゥルも瀕死だということだ。今まで以上になりふり構わないに違いない。
 案の定。黒百合の花びらに紛れて逃走を試みるヴァンドゥルに、コーディリアは自分の足元に魔方陣――拘束制御術式を展開した。
「ここで終わりにしよう。拘束制御術式展開、目標の完全制圧まで能力行使を許可。限定状態での顕現を承諾。我が怒り、剣の王よ。――――滅ぼしなさい」
 【九王顕現・剣の王】を使用したコーディリアは、悪魔“アスモダイ”の霊を召喚した。
 巨大な両腕がヴァンドゥルを追い、口から吐く火球が追撃を掛ける。
 アスモダイはヴァンドゥルを抑え込もうと、幾度も攻撃を仕掛ける。その度に回避し、炎に羽根を焼かれながらもヴァンドゥルは諦めなかった。
 これが最後の逃走のチャンスだと、分かっているのだろう。よろよろしながらも必死に逃げるヴァンドゥルの行く手に、蝙蝠が群れを成した。
「お願い、可愛い夜の子供たち。あのオブリビオンを、空に逃がさないよう牽制して」
 スバルの手の中から放たれる九十匹の影絵の蝙蝠は、ヴァンドゥルの視界を塞ぎ動きを阻害する。
 ヴァンドゥルはうるさそうに身を捩るが、次々に襲いかかる蝙蝠の全てをいなしきることができない。
「夜の王が誰なのか、教えてあげる」
「くそ、邪魔だどけ!」
「逃がしはしないよ。今ここが滅びの時だ……キミのね」
 再び集結を始める黒百合の花びらを見ながら、コーディリアは追跡の手を休めない。
 花びらは燃やせばいい、亡者もその腕で退かせてしまえ。
(「ボクは、ボク自身よりも助けを求める誰かに手が届かなかった時のほうが、怖い」)
 捨て身の一撃の覚悟で前に出るコーディリアの手を握ったスバルは、猛然と襲う悪魔の勢いに怯んで服の裾を掴む。
(「けど……敵は、怖くないわね。ここは」)
 スバルの視線に、コーディリアは少し振り返る。心を見透かされるような気がしたスバルは、慌てて視線をそらした。
「わ、私の蝙蝠たちまで巻き込まないでよね……」
「大丈夫。ここで終わりにするよ」
 微笑むコーディリアの視界に、白い竜の姿が映った。


 猛烈な黒百合の花びらを前に防御姿勢を取ったヘンリエッタ・モリアーティ(獣の夢・f07026)は、花びらの奥で逃走しようと試みるヴァンドゥルの姿に唇を噛んだ。
「……ああいう手合には、貴女のほうが『相応しい』行動ができるわ、そうでしょう――『教授』」
 ヘンリエッタは呟くと同時に、トリガーピースを噛む。
 目を閉じてしばし。ヘンリエッタに代わって現れたのは、マダム・ヘンリエッタ・モリアーティ。ヘンリエッタの真人格にして真の姿だった。
「……出てこれたと思ったら、何とも悲しい世界じゃないか。ねえ、アンバー」
 振り返るマダムに呼ばれたアンバー・ホワイト(Snow・f08886)は、真の姿を解放していた。
 現れたその姿は、昔とおなじ。捕えられてたあの頃と。
「鳥籠の竜が帰ってきたよ。……でもね、あの頃とはもう違うんだ」
 アンバーは狩るもの。鳥籠が、もう何も捉えることの無いように。
「もう誰も、傷つくことの無いように。怒りも、悲しみも、ぜんぶこの槍に乗せておまえを穿いてやる!」
 蝙蝠に巻かれ、悪魔の腕に掴まれながらも振り払い逃げるヴァンドゥルの姿に、アンバーは【古竜の息吹】を詠唱した。
 神話に記された白い竜の霊が召喚され、神々しいまでに白い巨体に聖なる光が集う。
 召喚される古竜の姿に、マダムは目を細めた。古竜は強力だ。だがそれだけに、発動に少し時間が必要だろう。
「可哀想に、可愛い私の娘。立派だ、強くなったものだね。アンバー、君はもう『狩る側』になった。だが、手伝いはまだ必要だろう」
 同時にユーベルコードを詠唱する。まだ逃走を諦めていないのだろう。ヴァンドゥルは再び怨霊でできた黒百合の花びらを大量に収束させ始める。
 その時だ。アルジェロが再び発動させた香炉に、最後のユーベルコードも封じられる。
 集められながらも収束地点を見失った墓場の亡霊達の姿に、くつくつと笑う。
「愚かな王だ。君が召喚したその霊は――君の欲で死んだ者達のものだろう。亡者も、子供たちも、君に『仕返し』を私がさせてあげよう」
 その時、【最後の事件】が発動した。
 浮遊する黒百合の花びらが、【最後の事件】に応えて収束する。
 目鼻のない子供の姿になった黒百合の花びらは、ヴァンドゥルを掴むと抱きしめた。
 窒息死させるほどの圧で抱かれて、ヴァンドゥルは声も出ない。
 そこに、【古竜の息吹】が完成した。
「神聖なる竜に食われてしまえ」
 古竜が纏う光が収束し、ヴァンドゥルを穿つ。
 同時にアンバーが放った星屑の鎖がヴァンドゥルを絡め取り、鎖を引き寄せる。
 反動で飛翔したアンバーの槍と、古竜が放つ光の槍と。
 二本の槍に貫かれたヴァンドゥルの耳元で、アンバーは囁いた。
「……捉えられるのは、こんどはあなた。死ぬまで離しはしないから」
 アンバーの声に、ヴァンドゥルは高らかに笑う。
 爆発的な光が収束した時、そこに不服従の賢王・ヴァンドゥルの姿はなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月14日
宿敵 『不服従の賢王』 を撃破!


挿絵イラスト