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狂気の標の先に

#UDCアース

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#UDCアース


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「明けましておめでとうございます! 今年も頑張っていきましょう!」
 新年早々のグリモアベース――笑顔で猟兵達を迎えたプルミエール・ラヴィンス(はじまりは・f04513)だが、すぐにちょっと困った表情になった。
「年明けたばかりで申し訳ありませんが……皆さんは『解読』とか、得意でしょうか?」
 今回の舞台は「UDCアース」。「UDC(アンディファインド・クリーチャー)」と呼ばれる太古から蘇った邪神とその眷属に立ち向かう為、人類防衛組織「UDC(アンダーグラウンド・ディフェンス・コープ)」が戦っている世界だ。
「実は、『邪神復活の予兆』を予知出来たんです」
 何らかの要因に因り、大規模な儀式無くして邪神の復活が成されようとしているようだ。
「完全復活なんて洒落になりません。そうなる前に、どうにかして頂けませんか?」
 その手掛かりは、『1冊のノート』だ。
「実は最近、失踪した女子高生が、どうも『そっち』に逝ってしまっていたようなんです」
 現状、UDCの存在は民間人にまだ知られていない。だが、近年になってUDC怪物が凶暴化・頻出化しており、正気と狂気の境界が危うくなってきている。
「その失踪した女子高生が残した『ノート』には、邪神復活についての情報が書いてあります。でも……一般の人はすぐ狂気に侵蝕されてしまって、到底解読出来ない代物なのです」
 それで、猟兵の出番となったが、流石に猟兵でも無事では済まないだろう。複数で協力・交代しながら解読を進める事になる。
「ノート自体は、失踪した女子高生の部屋に手付かずであります。ご両親は一般の方ですが、皆さんは『失踪者を捜索中の警察関係者』で話が通っていますので、解読はその部屋で進めて下さい」
 謂わば狂気のノートなので、部屋からは出さない方が良いだろう。
「まずはノートから情報を得て、邪神復活の場所を特定。復活を阻止して、なり損ない邪神を倒すまでが、今回のお仕事です……準備が出来た方から順に転移させていきますので、どうぞ宜しくお願いします!」


柊透胡
 明けましておめでとうございます、柊透胡です。2019年も宜しくお願い致します。

 今回の舞台は「UDCアース」。復活しようとしている邪神を何とかして下さい。
 第1章はまず「手掛かり探し」。失踪した女子高生が残した「狂気のノートの解読」です。
 ノートは女子高生の自宅、彼女の部屋にあります。両親は一般人ですが、皆さんは『失踪者を捜索中の警察関係者』としてノートを解読出来ます。猟兵ですので、どんな種族でも年齢でも、問題はありません。
 第2章で得られた手掛かりから邪神復活の場所を特定、第3章では邪神との決戦となります。復活した邪神の状態は、皆さんの行動次第になるでしょう。

 それでは、正気と狂気の狭間より、皆さんの熱いプレイングをお待ちしています。
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第1章 冒険 『狂気の解読』

POW   :    狂気は精神力で克服する

SPD   :    狂気に触れないよう器用にやる

WIZ   :    狂気を思考で受け流す

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

楠瀬・亜夜
狂気のノートですか、こういった事件には大抵魔術書と
呼ばれる代物が絡んでいるものですが……
このノートもその類なのでしょうか?

このノートそのものが狂気に侵されているのか
記述された内容が狂気そのものなのかは分かりませんが
少なくともこのノートに長い事触れているのは危険そうですね

【SPD】で、できるだけ早くノートの文章の文字を
別のノートに耐えられる範囲で書き写していきます。
書き写す作業中はノートの内容を気に止めないよう心掛け
文字を書き写していく事だけに集中するようにします。

限界を感じたら作業を止め、狂気のノートを閉じそこから距離を取り
書き写した方のノートで内容を確認していきましょう。



「狂気のノートですか……」
 楠瀬・亜夜(追憶の断片・f03907)の目の前に在るのは、グリモア猟兵曰く『狂気のノート』。学習ノートの類ではなく、魔術書めいた紋様が表紙にある。これを残した女子高生は最近、失踪したという。
(「こういった事件には、大抵魔術書と呼ばれる代物が絡んでいるものですが……」)
 とはいえ、仔細に観察しなくとも紋様はカラー印刷だ。クラシカルな見た目でも、物自体は現代の量産品と知れる。
「……日記帳?」
 意を決して手を伸ばす。順当に1頁目から――几帳面な筆跡が綴るのは、志望校に進学出来た歓びだ。入学式の日を迎えた高揚。新生活を契機に日記を始めようという心持ちは、よくある話だろう。
(「このノートそのものが狂気に侵されているのか、記述された内容が狂気そのものなのかはまだ判りませんが」)
 探索者である亜夜は、直感していた。これに長く触れているのは、危険だ。
 部屋の主が失踪して以降手付かずという部屋は、女子らしい可愛らしい内装。学習机とは別に、クッションに囲まれた白い座卓があった。その座卓に『狂気のノート』を広げ、隣に新品のノートを並べる。
 速度を意識して、文字を書き写し始める。ノートの内容を気に止めないよう心掛け、『文字』の書写のみに集中した。
 几帳面な筆跡というのもあり、その作業は比較的順調だった。5分、10分、15分――次第に腕が疲労を覚え、文字という認識が曖昧になり、奇妙な紋様の模写している気分になってきた頃。
「……っ」
 亜夜は思わずペンを取り落とす。

死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい――。

 見開き一面の呪詛を、亜夜の本能が書き写すのを拒む。
 そして、意識してしまったが最後、脳を直截蝕む不快感が吐き気のように襲った。
「……ふぅ」
 書き写すのはここまで。『狂気のノート』を閉じ、距離を置く。窓際で、写したノートを検分した。
 ――内容自体は、如何にも女子高生らしい日記。勉学や部活に励み、クラスメイト達との距離感に悩む。心躍る新生活から、平凡な日常へ移っていく情景。
 そんな平穏に影が差したのは、2学期。部活の先輩に憧れて、恋をして、文化祭の後夜祭で告白。そして、手酷く振られた。
(「この先輩、下衆ですね」)
 彼女のラブレターは部活仲間で回し読され、告白の様子は事細かに触れ回られ、笑いものにされた。不幸だったのは、その光景を彼女が目の当たりにしてしまった事だ。
「それで、死にたい、ですか……」
 まず、彼女が狂気に触れるようになった原因は察せられたが、これ以上、ノートの内容を追うのは限界だ。次の猟兵に託す事にしよう。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

麗明・月乃
うーむ。狂気に満ちたノートのう。
狂気に身を投じるのは初めてじゃな。
ま、偉大なる私の手にかかれば余裕じゃろう。


……やっべ。なんじゃあの見るからにヤバいオーラ。
あんなもの一人で読むとか正気じゃないのじゃ。あ、あれが狂気の塊なのじゃった。
おもむろに【鶏の頂点に立つ少女】を使用。鶏を床に投げる。分裂する。上に乗る。読む。
…いや、こけーとうるさかったらあまり内容に集中できないから狂気に侵食されにくいかなーと。
私の様子がおかしかったら耳元で叫ぶようお願いしよう。頼むぞ?絶対じゃぞ!!

狂気の内に封じられた正気の「封印を解く」ように解読していく。
そう、こんな狂気はただの封印と思うのじゃ。
…とはいえ頭が痛いのう



「うーむ。狂気に満ちたノートのう」
 かつて「籠の鳥」であった麗明・月乃(夜明けを告げる金狐・f10306)。寧ろ大切に崇められた箱入りだったから、「狂気に身を投じる」のは初めてだ。
「ま、偉大なる私の手にかかれば余裕じゃろう」
 箱入り故の自信を呟き、部屋のドアを開ける月乃。例のノートは白の座卓の上に――。
「……やっべ。なんじゃ、あの見るからにヤバいオーラ」
 野生の勘か、何とはなしに察する所があった模様。
 あんなもの、1人で読むとか正気の沙汰ではない、というか、そもそもこのノート自体が狂気の塊な訳で。
「……よし」
 今、部屋にいるのは月乃1人。だから、遠慮なく「にわとり」を召喚した。
 コココッ!
「うむうむ、でゃっ!」
 鶏を床に投げる。分裂する。上に乗る。読む。
「私の様子がおかしくなったら耳元で叫ぶのじゃ。頼むぞ? 絶対じゃぞ!!」
 コケーココッ!
 部屋を埋め尽くする鶏に気が逸れて、解読に没入出来なければ狂気に侵食されにくいかなーと……月乃なりの工夫だ、一応。
「えーっと、確か『死にたい』の次からで……あれ?」
 栞が挟まれた『呪詛』の続きは、白紙だった。次も、その次の頁も……冒頭に日付だけが連綿と記され、几帳面さが却って不気味だ。
「……ひっ!?」
 だから、思わず悲鳴を上げそうになった。

死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね――。

 突然現れる見開き一面の呪詛。そして、再び続く白紙の日記の後にも。

殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す――。

「頭が痛いのう……」
 自己を顧みる事を拒み、発作的に呪詛を連ねる狂気と、一字一画、几帳面に漢字で記す理性――狂気の内に封じられた正気に触れた、そんな感覚だ。
(「そうじゃ、こんな狂気はただの封印と思うのじゃ」)
 でなければ、次に何が書かれているか、不穏に心臓が跳ねて仕方がない。
 コーココッ!
「うむ、もう少し頑張る……うぐっ!」
 流石に絶句した。『殺す』の次は――緋色の文面。それも、ミミズがのたくったような綴りがぎっしりと。
 呪詛の不意打ちに深淵の入り口と、担当した箇所が悪かったかもしれない。
 麗明・月乃――黒と緋の境界で、ギブアップ。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

闇之雲・夜太狼
SPDで行動、絡みも歓迎!

狂気のノートかぁ。見ただけで頭がおかしくなるだなんて、面白そうだよね!

いきなり他人様の秘密のノートを覗くだなんて、そんな不埒なマネは俺にはとてもできないよ。
だからまずはさ、JKちゃんの部屋で解読のためのヒント。
これを「シャドウ・パック」と『情報収集』!
だって狂気のノートを手に入れた所で、意味分かんなきゃダメでしょ?
きっとJKちゃん本人も見落としていた、邪神ゆかりの何かがあると思うんだよね。

公然と他人様の部屋を漁れるなんて、猟兵サマサマだよね~。

解読時はノートをI-Ballで『撮影』して、画像データから間接的に中身を読もうか。
『呪詛耐性』あるし、何とか堪えられるかな?


ワン・シャウレン
邪神復活の予兆、そしてノート
こう言ってはなんじゃが、興を惹かれる話よな

早速関係者として他の者と共に解読に勤しもう
ノート以外の手がかりは弱そうじゃからこれ一つに専念じゃな
中身の方で仕掛けや、暗号がないかは注意する

人と同じに読み進める必要もないでの
読む際は情動はあえて排し、書かれた情報だけを追う
そちらが狂気を移そうと狙うのは恐らく人相手の入り口じゃろうが
ドールのわしに生理的なものもありはせん
油断はせんし、侵されぬよう常気を付けるが、欲しいものだけ貰っていく方針じゃの
そこから考えるのは後で良い。

…まぁ、人のそれと違うだろうことが、わしの悩みではあるんじゃが。

【情報収集】も活用、積極的に進めようぞ


雲雀・浅葱
解読か…ゲームとしてはよくやるけど、現実でもうまくいくもんかね
ま、実力試すにはもってこいだ

WIZ
問題のノートを読み解きますか
内容をざっくり把握するように読み流しながら
文章や、ノート自体に違和感がないか
色々な方向から考えながら進めるぜ

縦読み横読み隠された文字などがないか
邪神復活のヒントを洩らさないように…って考えすぎか?
つーか、何かしら考えながら進めないとくらくらしてきそうだぜ

復活に関わりそうな情報があれば、メモに書き出しておこう
ゲームの解読ものは1人でやり遂げた時の達成感が面白いけど
こうやって協力して手掛かりを集めてくってのもいいもんだな
…失踪した女子高生、無事に見つけないとな



「解読か……ゲームとしてはよくやるけど、現実でもうまくいくもんかね」
「邪神復活の予兆、そしてノート。こう言ってはなんじゃが、興を惹かれる話よな」
「ま、実力試すにはもってこいだ」
 携帯端末をポケットに突っ込み、クールに肩を竦める雲雀・浅葱(ASG・f10901)。対するワン・シャウレン(潰夢遺夢・f00710)は、少女の顔にそぐわぬ老成した微笑を浮かべる。
「じゃ、問題のノートを読み解きますか」
「ノート以外の手がかりは弱そうじゃから、これ1つに専念じゃな」
 同席の誼で、揃ってノートを覗き込む2人。
「うわ……」
「うむぅ」
 緋色が連なる頁は、それまで、シャーペンで綴られた黒文字の頁と様相が一変。何を書いているか、全く判らない。
「斜め読みしなくても、違和感しかないな」
「暗号かのう……それとも、何か仕掛けがあるのか」
 縦読み横読み、或いは隠された文字などないか……浅葱はノートを矯めつ眇めつ。
(「これはやっぱり、邪神復活のヒントを洩らさないように……って考えすぎか?」)
 何かしら考え続けていないと、くらくらしてきそうだ。
(「狂気は伝染すると聞くが……このノートには、そんな狙いもあるのかのう?」)
 とは言え、ワンは魔導蒸気文明の生み出した、知性有する人型機械人形だ。
(「ミレナリィドールのわしに生理的なものもありはせん。油断はせんし、侵されぬよう常気を付けるが……欲しいものを貰っていくだけじゃの」)
 そんな人との違いこそが、悩みであるのはさて置いて――問題は、情報を読み取る取っ掛かりが見付からない事だ。
 額を突き合わせ眉根を寄せる浅葱とワンを見やり、闇之雲・夜太狼(クライウルフ・f07230)はニンマリと。
(「狂気のノートかぁ。見ただけで頭がおかしくなるだなんて、面白そうだよね!」)
 でも、いきなり他人様の秘密のノートを覗くだなんて不埒なマネ、夜太狼にはとても出来ないから。
(「まずはさ、JKちゃんの部屋でヒント探しだよね」)
「さあさあみんな起きた起きたっ」
 夜太狼の影より、7体もの分身が現れる。8人掛りで情報収集だ。きっと彼女自身も見落としていた、邪神所縁の何かがあるに違いない!
(「だって、狂気のノートを手に入れた所で、意味分かんなきゃダメでしょ?」)
「公然と他人様の部屋を漁れるなんて、猟兵サマサマだよね~」
「建前と本音が逆になっておるのではないか?」
 ワンの冷ややかな突込みも頓着せず、夜太狼自身は本棚に合ったアルバムをパラパラと。
「ふぅん……JKちゃんの名前、優里ちゃんかぁ。可愛いね♪」
「畔木・優里(くろき・ゆり)、家の表札に書いておったじゃろう」
「へぇ、テニス部だったんだ……左利きかぁ」
 同室の2人には我関せずで、気ままに部屋を見て回る夜太狼。その内、家探しも飽きたのか、2人の肩越しにノートを覗き込む。自前のボール型偵察機『I-Ball』で、パシャリと撮影した。
「ほらほら、2人共。直截じっと見てると気持ち悪くならない? 画像データから間接的に読んだ方が良いと思うよ」
 何処か胡散臭い親切心に、浅葱は何か言い返そうと顔を上げた――その緑の双眸がハッと見開かれる。
「そのまま動くな!」
「え、何?」
「じっとしてろ!」
 浅葱が引っ掴んだのは、顔を上げた時目に入ったサイドテーブルの鏡。夜太狼の画像データにもっと近付けて、鏡越しに凝視する。
(「畔木・優里さんは、左利きだ……あの万能の天才と同じ」)
「おお、これは……」
 同じく鏡越しを確認して、ワンも驚いたように目を瞠る。
「これは鏡文字、それも多分、ローマ字表記だ」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

フェルト・ユメノアール
狂気のノートに邪神なんて何だか気になる話だね
っていうかこんなノートを書ける女子高生って一体?

まあ、とにかくノートを解読しないとね!
ボクは手札から【<スペルカード>熱狂の遊戯舞台】を発動!
精神を保つためにもいつもみたいにショーを意識して作業していくよ

レディースエーンジェントルメーン!
これから皆様にお見せするのは多くの人々を狂気に蝕んできたと言われる呪われた一冊のノート!
今宵はその狂気のノートの解読に挑戦していきたいと思います
どうか最後までご照覧ください!

テンションを保ちつつ、狂気に侵されないように意味を理解しようとはせず
センテンス、単語をひたすら抜き出して後で翻訳する方法で解読を試みるよ!



「……鏡文字?」
 狂気のノートに邪神とか、元より何だか気になる話ではあったけれど。
「そもそも、こんなノートを書ける女子高生って一体?」
 緋文字の頁を一瞥し、フェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)は苦笑い。
「まあ、とにかくノートを解読しないとね!」
 ノートの読み方を発見した猟兵達は、解法に至るまでに気力を削られてしまったようだ。となれば、読解はフェルトのターンだ。
「レディースエーンジェントルメーン! これから皆様にお見せするのは多くの人々を狂気に蝕んできたと言われる呪われた1冊のノート!」
 声高な口上に、部屋は忽ち煌びやかな舞台と化し、幻の観客が一斉に拍手する。
「今宵はその狂気のノートの解読に挑戦していきたいと思います! どうか最後までご照覧ください!」
 シャッフルした魔法のカードから1枚、「<スペルカード>熱狂の遊戯舞台」を掲げ、フェルトはいよいよノートを開く。
「えっと……まず、鏡に頁を映して」
 ノートを翳し、部屋に在ったスタンドミラーを覗き込む。筆記体故に読み難くはあったが、四苦八苦の度に幻の観客の声援がフェルトを力付けた。
(「いつもみたいに、ショーの方を意識して」)
 のめり込んで狂気に侵されない事に何より気を付けて、フェルトは重要と思えるセンテンスや単語を、只管抜き出していった。

成功 🔵​🔵​🔴​

火奈本・火花
「狂気物品の解読……確かに我々でなければ出来ませんね。UDCとの直接戦闘も多かったですし、こちらの腕も鈍っていないか、良い機会です」

■行動
解読中の狂気は、他の思考で受け流しながら読み進めましょう(WIZ)
私自身の「呪詛耐性」「激痛耐性」「覚悟」も試されそうです

解読中は好きな物として、動物やスイーツ、映画、今まで助けた人達の事を思い出します
それらの思考が狂気に侵されそうになったら、すかさず思考を切り替えましょう
今度は上司や同僚との日常、気になっている人を思い浮かべるなど、正気を保てるような思考を繰り返して続ける事で狂気に対抗していきます

エージェントとしての経験もありますし、限界まで挑戦します



「狂気物品の解読……確かに我々でなければ出来ませんね」
 火奈本・火花(エージェント・f00795)は、猟兵でありUDCエージェント。ここの所、UDCと直接戦闘が多かったが、探索も仕事の内。
(「解読の腕も鈍っていないか、良い機会です」)
 ちらつくUDCの影に、血が騒ぐ。意気込んでノートを手に取る火花。
「……く」
 流石にノートを間近で見ると、腹の底から冷えてくる感触。急ぎ目を逸らし、鏡の前でノートを開く。
 例えば、好きな物――動物やスイーツ、映画、今まで助けた人達の事を思い出す火花。別の思考でノートの狂気を受け流さんと。
 だが、ノートの解読は、まず鏡越しに綴られた内容を読み取り、更にローマ字表記を意味の通った文章に置き換える二段構え。有用そうなセンテンスを斜め読みから拾い上げるならまだしも、丹念に読み進めば読み進む程、精神はどんどん摩耗する。
(「……そう言えば、同僚達が昨日――」)
 今度は上司や同僚との日常、気になっている人を思い浮かべようとした。平穏な日常を正気の標に、花火は神経をザリザリとヤスリに掛けられるような『痛み』を堪える。ともすれば炎のようにチラチラと歪む緋文字を、歯を食い縛って辿り続けた。
 大切な人達の光の為に、闇に立ち向かう――そんな覚悟を噛み締めながら。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

アインス・ツヴェルフ
【WIZ】
【IBIS<アイビス>】の皆と一緒に調査に来てみたよ
UDCアースは俺のホームだからね、本領発揮と行きますよ
邪神復活なんてさせないよ
って…レインもフィリアもこの世界初めてだっけ
調査する前にいろいろこの世界の事教えておかないとなーって…え、何そのノリ…
ま、いっか…(汗)

両親には娘さんは必ず見つけてみせますので少しでもわかった事があれば教えてくださいと言い
部屋の入ってからは情報収集と第六感で何か掴めないか調査する

ノートは呪詛耐性で耐えつつ解読を試みる
途中苦しくても人類防衛組織「UDC」で教わった対抗の術を思い出し
これは奴らの思惑だ…!精神を強く持つ


フィリア・セイアッド
IBIS<アイビス>の皆と
アインスさん とってもやる気だわ
わたしも負けないようにがんばろう
レインとふたりで こうこうせいたんてい?をするわ
ところでたんていって?
見たこともない物がいっぱい あ、アインスさんあれなあに?

WIZ 新しい世界への好奇心や早く女の子を見つけないと、という気持ちで狂気を受け流す
ご両親の手を取って 必ず手がかりを見つけます
お心を強くもってくださいね?
成功しますように 皆が狂気に飲み込まれませんようにと指を組んで【祈り】を
ノートは表紙もちゃんと調べる
何か特別な書き込みとか 挟んであるものとかはないかしら?
【第六感】も使いながら 丁寧に読んでいく
わかったことは皆に共有


レイン・フォレスト
【POW】
【IBIS<アイビス>】の仲間と
この世界初めてなんだよな…旅団ある場所なのに
確かこう言う時って…旅団にあって読んだ本を思い出しながらご両親に挨拶

僕は高校生探偵のレインと言います
娘さんの事件を必ず解決してみせますから安心して下さい
ね、フィリア?

ん?アインスが変な顔してる…何か間違ったかな?
まあいいや

とりあえず【闇の冥加】を使い状態異常力を強化
あとは、ダンピールの僕に狂気なんて通じると思ってるのかい?馬鹿だなあよし、ヴァンパイアの狂気とどっちが強いか勝負だね

狂気に負けるなんてあり得ないと思い込みのままノートを読み進める


木目・一葉
では仕事に取り掛かる
できるだけ狂気と向き合うのは避けたい
従って、

【SPD】狂気に触れないよう器用にやる

少女の意思や思想は狂気に染まってるだろうから、そこを避けて下記1~3に関わるワードを拾う
1.少女が邪神復活のため過去に向かった場所
2.少女をこの件に導いた存在の呼称
3.この件で使用した道具

1の情報は、地図と照合すれば邪神復活の場所を明らかにできるかもしれない
小規模で簡単な儀式を繰返すことが考えられるから、その場所を記してるかもしれない
2は、何も知らぬ少女にこの知識を吹き込んだ者や媒体があるかもしれないから
3は使用した道具から逆に情報を辿る手掛かりとして

狂気に侵されそうなら仲間と速やかに交代する



「それにしても、レインとフィリアの名乗りにはびっくりしたよ」
「高校生探偵、そんなに変だった? 旅団にあった本を思い出したんだけど」
「ごめんなさい。『けいさつかんけいしゃ』って触れ込みだったのよね」
 アインス・ツヴェルフ(サイキッカー・f00671)の困惑の表情に、きょとんと小首を傾げるレイン・フォレスト(新月のような・f04730)。フィリア・セイアッド(白花の翼・f05316)は、神妙な面持ちでペコリと頭を下げる。
 旅団「IBIS<アイビス>」の3人は、ホームグラウンドの事件を解決すべく、逸早く畔木家を訪れていた。
(「邪神復活なんてさせないよ」)
 アインスのやる気に、UDCアースの事件は初めてのレインとフィリアも、頑張ろうと意気込んでいた。そうして、最初に失踪者の両親に挨拶したのだが。
「必ず手がかりを見つけます。お心を強くもってくださいね?」
 娘と歳も近いフィリアに優しく手を握られて励まされた母親が、感極まって泣き出してしまい、父親も堰を切ったように号泣。それを慰めている間に、すっかり時間が経ってしまったのだ。
「よし! 本領発揮と行きますよ」
「闇の眷属の力、我が手に……ダンピールの僕に狂気とか。ヴァンパイアの狂気とどっちが強いか勝負だね」
 漸く落ち着いた両親を1階に残し、2階まで上がってきた3人。アインスが改めて気合を入れれば、レインは早速「闇の冥加」を発動。状態異常力を強化する。
「皆が狂気に飲み込まれませんように」
 レインと対照的に、フィリアは指を組んで無垢な祈りを捧げる。
「おや。あなた達も猟兵だろうか」
 部屋には先客がいた。屋内でもロングコートを羽織ったまま。フードの下から、赤茶の視線が3人を見詰める。小柄ながらボーイッシュな雰囲気で、フィリアと歳も近そうだ。
「どうやら、ノートの解読に沢山の猟兵が挑戦したようでね」
 木目・一葉(生真面目すぎる平凡な戦士・f04853)と名乗った少女は、小さく肩を竦める。
「解読自体は、大凡成功したらしい」
「ええっ!?」
 あからさまにがっかりしたレインに、「だが、仕事が全部終わった訳じゃない」と続ける一葉。
「このノートの狂気は本物だ……挑戦した彼らは解読に精一杯で、情報の精査がまだなんだ」
 情報の精査も人数が多い方が良い――一葉の言葉に否やはなく、「IBIS<アイビス>」の3人も白い座卓を囲む。広げられたノートには猟兵達の奮闘の記録、狂気のノートから拾い集めた情報の断片が書かれてあった。因みに、狂気のノートは学習机に鎮座している。
「えっと……失踪した女子高生、畔木・優里さんは『啓示』を得たんだね」
 ――『白百合様』の啓示が降りた。私は選ばれたのだ。この苦しみは、私が巫女となる為に必要だったのだ。
 『啓示』を受けた畔木・優里は、『白百合様』の降臨が自身を、ひいてはこの世界を救うと妄信してしまった。そして、『白百合様』降臨の『儀式』の術式を綴っていく――徒に露見せぬよう、鏡文字を使って。
「まあ、左利きだと書き易いようだしね、鏡文字」
 ――この世は苦しみに充ちているが、そのベクトルは様々。『標』となるには弱過ぎる。苦しみの方向性を定め、捩り合わせ、強大な『標』とするのが、巫女の役目。
「あの、優里さんのくるしみって……」
「男に弄ばれた事だろう。死にたいという嘆きは、恨む相手の死を願い、やがて自ら手を下したいという攻撃性が加わった。そのタイミングでの『啓示』だ。ロクでもないな」
 ――嗚呼、白百合様、白百合様。あなた様のご威光が男という穢れを一掃して下さる日が待ち遠しい。
「『標』という事は……邪神復活の場所があるって事だよね」
「うん……あ、この記述」
 ――私は『白百合様』降臨の標。『百合の苑』で、私は『黒百合』となる。
「百合の苑?」
「……もしかして、これかな?」
 素早くスマホでネット検索したアインスは、猟兵達にとある学園のHPを見せる。
「しりつゆりえんじょがくいん?」
 私立百合苑女学院――畔木家のある街の郊外に在る、由緒正しい女子学校だ。中高一貫校で、この辺りでは「お嬢様学校」として有名らしい。
「当たってみる価値はあるだろう」
 頷いた一葉の視線は、学習机に向けられている。今風の学習机にそぐわぬ羽根ペンが飾られていた。
(「日記を認めた道具も、気になっていたんだがな」)
 あのおどろおどろしい緋文字を――羽根ペンの先は赤黒く汚れており、セットのガラス製のインク壺の底で干からびていたそれは、鉄臭さが鼻を突く。そして、刃毀れしたペーパーナイフにこびり付いているのは、何かの脂だ。
「……本当に、ロクでもない」
 畔木・優里が染まってしまった狂気の深さを肌で感じ、一葉は重く嘆息した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 冒険 『潜入!白百合の園!』

POW   :    性別を偽る事なく強引に学園に侵入。力任せで調査を行う。

SPD   :    学園の生徒に扮する。男性は女装。そうして学園内を行う。

WIZ   :    学園の周囲や生徒に聞き込みをして調査を行う。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


私立百合苑女学院――中高一貫の女子学校で、近隣では「お嬢様学校」として有名だ。
 しかし、一見は清らかな乙女の学び舎も、生身の人間が集まる限り、無垢ではいられない。学院の後ろ暗い闇を集めたような、私立百合苑女学院の裏サイトでは、この頃『黒百合の君』が専らの噂。
 曰く、女性こそ光であり至高であり、穢らわしい男など一掃されるべきである――よくありがちの潔癖な主張を過激にした程度であるが、ここは箱入りの令嬢が集う学び舎だ。『黒百合の君』に面と向かって説かれた者は、例外なく崇拝者となってしまうらしい。そして、崇拝者となった女生徒は『百合の苑』という楽園で永久の幸福に充たされる、とも。
 この『黒百合の君』の正体が不明であれば、『百合の苑』が何処に在るか、何たるかも不明。だが、ここの所、行方不明の女生徒が複数いるとか。尤も、それだって学院側から特に公式発表などはなく、単なる病欠なのかもしれない。
 しかし――狂気を読み解いた猟兵達は確信する。この女学院には、何かがいる。邪なるものが復活してしまう前に、何としても、その場所を探し当てなければならない。
木目・一葉
これが、お嬢様学校の風格……!
いや、気圧されてる場合ではない
それに表向きは立派でも、裏では――
「品位とは形だけで決まらぬものだ」

【SPD】学園の生徒に扮し、調査を行う

制服を着て学園へ潜入する
この学院は信用できぬから、口調などは注意しよう
特に先生など大人達に見られぬよう行動する
まず畔木さんのクラスメイトと接触
持前のコミュ力で彼女の最近の様子を聞き、そこから黒百合の君と百合の苑の情報を得る
場合によっては男に弄ばれた女生徒を演じる
また、今でも黒百合の君と繋がっている人がいる筈
だから畔木さんと最近になり親しくなった人物、尚且つそれらの情報も所有する者がいたら、影の追跡者で尾行する
情報は他猟兵と共有する


闇之雲・夜太狼
WIZで行動
絡みも歓迎!

あ、そうそう
情報通りなら、優里ちゃんは「女子高で」「部活の先輩に憧れて」ってことらしいから……
大丈夫、愛の形は人それぞれだもんね!
さ!秘密の花園の秘密、暴いちゃうよ~

俺は登校時か放課後に、ラケット袋持ってるいかにもテニス部な人に聞き込みしよう
優里ちゃんの弟を装い、猫被ってしおらしく話しかけるよ!

最近、様子がおかしかった姉が「しらゆりさま?」の話をしきりにしてて……
心当たりがあればどんなことでも!
え、弟なんて聞いたことない?そんな……
あ、お姉ちゃん俺のこと独り占めにしたかったのかも……?

と、目をしっかり見ながら曇りなき眼(まなこ)で【言いくるめ】【催眠術】【誘惑】を試すよ



(「これが、お嬢様学校の風格……!」)
 西洋風の優美な正門を前に、木目・一葉は息を呑む。流石は嬢様学校、門構えから堂々としている。
(「いや、気圧されてる場合ではないな」)
 それに表向きは立派でも、裏では――品位は形だけで決まらぬものだと、一葉は表情を引き締める。
「確か、優里ちゃんは『部活の先輩に憧れて』って事だったよね……大丈夫、愛の形は人それぞれだもんね! 秘密の花園、暴いちゃうよ~」
 タイミング同じくして、正門の前で出くわした2人の猟兵――対照的に、闇之雲・夜太狼はワクワクした面持ちだ。
 いっそ不謹慎な夜太狼の態度に、思わず溜息を吐く一葉だが……ふと、違和感を覚える。
「……そうだ」
「どうかしたー?」
「彼女が……畔木さんが、狂気に染まった原因だ」
 憧れの部活の先輩に手酷く振られ、笑いものにされた――簡単に言えば、「男に恋心を弄ばれた」のだ。
「……あ」
「百合苑女学院が、畔木さんの母校である筈がない」
 携帯で両親に確認すれば案の定、畔木・優里は男女共学の高校に通っていた。百合苑女学院からさして離れていない場所に在るという。
「うーん……俺、テニス部の人間に当たるつもりだったんだよね」
「僕も、彼女のクラスメイトに接触しようと考えていた」
 女学院の正門を横目に、2人して考え込む事暫し。揃って踵を返す。彼女が通っていた学校も「百合苑女学院の周囲」の範疇だろう。
「え? クロキ……? そんな奴、うちの部にいたっけ?」
 だが、ラケットバッグを担ぐ男子生徒に見当を付け、畔木・優里の弟を装い話し掛けてみた夜太狼は思わぬ反応に唖然とする。
「散々笑いものにしてシカトとか、あんまりじゃない?」
「は? 何言いがかり付けてんだよ」
「もういい、行こう」
 険悪な空気になりそうなやり取りを遮り、夜太狼の肘を掴んでその場を離れる一葉。
「ちょっと! 何で……」
「生憎と、悪い予感はよく当たるんだ」
 今度は、一葉が女生徒に話し掛けてみるも。
「くろき・ゆり……? ごめん、知らない。そんな子」
 名札にあるクラスは、確かに彼女のクラスメイトであるにも拘わらず。
「わぁ、これが噂の集団シカト?」
「それなら、まだ可愛げがあるが」
 事態はもっと深刻だ――眉根を寄せ、一葉は重々しく呟く。
「肉親にまではまだ至ってないようだが……『畔木・優里』という存在の認識が、彼らから消えつつあるとしたら?」
 ――邪神復活のタイムリミットは、近いかもしれない。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

雲雀・浅葱
解読できて一安心だけどよ
男の排除に女学院とはな…(溜息)
まぁ、調査しない選択肢はないけどな

WIZ
内部で調査するのが一番な気はするけどよ
崇拝者ってのにバレた時を考えるだけで恐ろしいよな
学園内は女子によろしく頼む

「突然すみません。少し、お話し聞かせてもらえませんか

学園周辺で聞き込み
できるだけ丁寧に、笑顔で学園の生徒に声をかけるぜ
生徒が行方不明になった件について
『白百合様』『黒百合の君』『百合の苑』について
噂でもなんでも情報を教えてもらえないか、と

ここも警察関係者で通せるのかね
ダメなら実は妹が…とでも沈痛な表情で言って
同情を引いて情報入手を狙うぜ

俺への態度で、学生たちの男に対する印象もわかるかもな



(「まあ、解読出来て一安心、だけどよ」)
 雲雀・浅葱は浮かぬ表情で溜息を吐く。
(「男を排除する信仰に、場所が女学院ときてはな……」)
 何せ『お嬢様学校』だ。けして外に開かれた環境ではないし、内部調査が1番だろう。だが、お嬢様の学び舎に身長177.5cmの18歳男子が潜入するのは……流石に厳しいと思う。
(「学院内は、女子によろしく頼もう」)
 尤も、ノートの解読を携わった身で、調査を続行しない選択肢はない訳で。
「突然すみません。少し、お話聞かせてもらえませんか」
 下校の時刻。出来るだけ丁寧に、そして笑顔で、学院から出てきた生徒に声を掛ける浅葱。
(「ここも、警察関係者で通せるのかね?」)
 自身のラフな服装を一瞥して、素早く説得力との天秤に掛ける。
「……実は、妹が」
 一転、沈痛な面持ちで声を落とした。
「『白百合様』と書置きを残して、行方知れずになってしまったんです……」
 同情を引いて、情報を聞き出す算段だった。
「噂でも何でも構いません。『白百合様』、『黒百合の君』、『百合の苑』について知っている事があれば――」
「我が学院の生徒に、何の用かしら?」
 だが、女生徒達が口を開く前に、鋭い口調が割り込む。
「あなた達はもうお帰りなさい……ご機嫌よう」
 恐らくは上級生。凛とした美少女ながら、浅葱を見る表情は険しい。彼女の言葉にペコリと会釈して、女生徒達は足早に去っていく。
「俺……僕は怪しい者じゃありません。実は――」
「学年とクラス、それから、名前は?」
「え……?」
「行方不明になった『妹』さんの所属ですわ」
「……」
 畳掛けられた言葉に、二の句を告げられない浅葱。彼女は冷たく唇を歪める。
「言える訳ありませんわね。行方不明になった生徒なんて、『いません』もの」
 断言してのけた彼女は、浅葱を見下すように目を細める。「これだから、男なんて」という呟きが、辛うじて聞こえた。
「どうぞ、お引き取りを。これでまだ我が学院の生徒に付き纏うようでしたら、不審者がいるとシスターと警備、警察にも通報しますわよ」

苦戦 🔵​🔴​🔴​

レイン・フォレスト
【IBIS<アイビス】の仲間と
【SPD】潜入は得意分野……って、制服?
ああ、まあその方が目立たないか……女性の服装……(眉間にしわ寄せ
え、リボン?女装した上にリボン!?

思わず聞き返したら帰ってきた言葉に唸る

まあそうなんだけど、生物学的には女なんだけど
仕方ない…開き直るしかないな

「目立たない」を使って堂々と校内を歩く
「第六感」で怪しげな場所を探りつつ、出会った生徒に「この学園には幸福になれる場所があると聞いて転校してきたんだ。知らないかな?」と聞いてみる

目星を付けた場所に鍵が掛かってるようなら「鍵開け」を使って忍び込んでみる
情報はみんなで共有


フィリア・セイアッド
【IBIS<アイビス】の皆と
【SPD】を選択 転校生を装って学園内の調査
優里さん ここにいるのかしら
ご両親も心配していたし 早く見つけてあげたいわ
女の子だけの学校なのね?
じゃあ アインスさんも女の子の恰好しなくっちゃ
ふふ レインは女の子だから女装じゃないでしょう?
笑顔でピンクと赤のリボンを取り出し 二人の髪に

転校生という設定で制服で校内に
ごきげんよう 学校のこと教えてくださいな
おっとりにっこり微笑んで 積極的に話しかける
学校の様子や不審なことが起こっていないか怪しまれない範囲で聞き取り
学校って広いのね 迷っちゃいそう(フラグ)
「第六感」も使いながら散策
入っちゃいけない場所とかあるのかしら?


アインス・ツヴェルフ
【SPD】【IBIS<アイビス>】で行動

騒ぎを立てずに情報を探るにはやはり怪しまれない方法で学園に潜入する事だよね。
潜入先は女子校。俺は生物学的に男だから
(アインスはそういう認識に疎い)
ここはその学園の生徒に成り済ます為に学園の制服を着るべきなのだろう
女装の細かい所はフィリアにお任せしよう
フィリアなんだか楽しそうだね
レインもそういう恰好すると女の子みたいじゃないか
ん?もともとレインは生物学的に女だったか

前の学校で男に酷い事された為転校して来た、男は敵だと周囲に吹聴
そうしてあちらからアプローチして来るのを待つ
レイン、フィリアとは定期的に連絡を取り合う

怪しい生徒が居たら影の追跡者の召喚で追跡



「情報を探るなら、やはり怪しまれないように潜入しないとね」
 ――翌日。旅団【IBIS<アイビス>】の3人は、早朝から変装に勤しむ。
「潜入は得意分野……って、制服?」
 彼らの年齢からして「転校生」に扮するのが自然だろう。ちなみに、私立百合苑女学院の制服は人類防衛組織の方のUDCの提供だ。
「女の子だけの学校なのね? じゃあ、アインスさんも女の子の恰好しなくっちゃ」
「細かい所はお任せするけど……フィリア、なんだか楽しそうだね」
 神妙な面持ちのアインス・ツヴェルフを、フィリア・セイアッドは嬉々として着付けていく。仕上げにピンクと赤のリボンを白い髪に飾って、出来上がり。
「まあ、確かに制服の方が目立たないけど……え、リボン? 女装した上にリボン!?」
「ふふ、レインは女の子だから女装じゃないでしょう?」
 レイン・フォレストの眉間の皺も構わず、その漆黒の髪にもアインスとお揃いのリボンを結わえるフィリア。
「……ん? レインって、生物学的に女だったのか」
 思わぬ初耳のアインスに、レインはげんなりと肩を竦める。
「そうだけど……聞かれないのに、わざわざ性別とか言わないだろ、普通」
 ここまで来れば、開き直るしかないだろう。

 旅団として調査に臨む3人だが、固まって行動していては目立ってしまう。それで、堂々と登校した後は、各自別れて調査を開始した。頃合いを見て、情報交換する予定。
 休み時間中に、別々のグループに話し掛けていく。
「ごきげんよう。学校のこと教えてくださいな」
 おっとりにっこり微笑みを絶やさず、積極的に生徒達の輪に加わるフィリア。
「この学校って広いのね……迷っちゃいそう」
 授業時間中に第六感の信ずるままに探索して、迷子になり掛けたのは乙女の秘密だ。
「入っちゃいけない場所とかあるのかしら?」
「旧校舎のエリアは、老朽化が進んでいて危ないから、立入禁止になっているわ」
「まあ……結構広いエリアなのに」
 旧校舎のエリアは学校の敷地の3分の1にも及ぶが、開校当時の建築物の保存工事が近々始まるという。
「この学院には、幸福になれる場所があると聞いたんだけど。知らないかな?」
 レインの質問に、キョトンと首を傾げる女生徒達。
「なぁに、それ? 何だかオカルトぽいわね」
「あ、そう言えば……『百合の苑』とか、ほら」
「駄目よ。噂に惑わされるのはいけない事だって、シスターが仰っていたでしょう」
(「その『百合の苑』について、詳しく!」)
 友達に窘められた生徒は、恥じ入ったように黙ってしまった。思わせぶりの単語の詳細を聞けず、レインはやきもき。どうやって探りを入れるか、思案のしどころか。
「ここは、女性ばかりで……ホッとします」
 自身の性別は明後日の方向にぶん投げて、陰のある微笑みを浮かべるアインス。
「私……男の人が、怖くて」
 言葉を濁して、怯えた風さえ装ってみせる。これで『あちらから』アプローチがあれば上々だろうが。
「だったら、シスター・ユリアにご相談されては如何かしら?」
 流石に生徒同士のお喋りでのアピールで、即応を期待するには学院は広過ぎよう。代わりに、カウンセリングを勧められてしまった。
「シスター・ユリア? 私も知らないわ」
「最近、学院に来られたシスターよ。お歳も近くてお話しし易いって人気なの」
 いつもは、礼拝堂の懺悔室にいるらしい。
「シスター・ユリア……」
 何故か不穏な胸騒ぎを感じるアインス。第六感が、警鐘を鳴らしたのかもしれない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ワン・シャウレン
SPD行動

学院のう、魔法学園とは別物よな?
まぁ生徒に扮し、愛想良く淑やかにしておれば
多少目立っても極端に怪しまれはすまい
転校生と言えば良いかの
制服あればUDC組織に頼んで着る
喋りも今回は周囲と合わせた丁寧語を使用



調査をするなら生徒に聞くべきですね。
まずは挨拶や道を尋ねる等から話しやすく警戒心を薄めて貰えるように進め、
来る前に学園の事は調べてみましたが変わった噂も聞いていて気になる、という流れで

『黒百合の君』
行方不明の女生徒
学園で古くから又は最近おかしいといった場所

について情報収集を行います。

それらの情報を纏めて分かる事があれば活用し、
学園の見取図と実際を見比べつつ怪しい場所も調査します。



(「行方不明者は『いない』、か……」)
 学院の調査結果は、随時調査中の猟兵達に周知される。やはり学院を探っていたワン・シャウレンは、教室に散見する空席の不自然さに気付いていた。
 机はある。名簿にも名前はある。だが、誰1人、教師も生徒も、そこにいた筈の『生徒』を認識していない。
(「だから、学校から何の発表もない、のか」)
 行方不明者の肉親が騒ぎ立てないのも不思議だが、或いは、そこまで「何か」が及んでいるとしたら。状況はきっと切迫している。
 故に、ワンも調査を急ぐ。多少目立ったとして、愛想良く淑やかに徹すれば極端に怪しまれはすまい。実際、大体の生徒は箱入りらしく純粋というか、疑う事を知らない。不慣れな『転校生』にも優しく、打ち解けるのも早かった。
「来る前に学園の事は調べてみたのですが……変わった噂を聞いて。何でも『黒百合の君』という扇動者がいるとか?」
「あら、嫌だ。例のサイトをご覧になったの?」
 困ったように、顔を顰める女生徒。
「あのサイトは誹謗中傷ばかり。『黒百合の君』は、お優しい方よ」
「本当にいる方なのですか?」
「シスター・ユリアの事よ。黒いシスター服がとてもお似合いだから、慕っている方達がそう呼び始めたのですって」
 確かに、シスター・ユリアのファンには男嫌いも多いけれど。
「嫌う理由も色々ですもの。その1つ1つに耳を傾ける方だから、ファンも多いのね」
「わ……たし、もお話してみたいです。どちらに行けばお会い出来るでしょう?」
「礼拝堂の懺悔室、だけど……この頃はお忙しいみたい。あ、でも。彼女なら空き時間とか、御存知かも?」
 1人の3年生の名前を教えられた。1番熱心なファンらしく、放課後は懺悔室に入り浸っているという。
「あ、あの方よ」
「ありがとうございます、伺ってみますね」
 女生徒が指さした先――渡り廊下を往くのは、先日、学院周辺で聞き込みしていた猟兵を追い返した上級生だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

麗明・月乃
あーか…あーか…はっ!
いかん、まだ当てられとる。
学校じゃな…どんなものかちょっと興味あったのじゃ。

というわけで潜入。
…私明らかにちっこいの。まあ堂々としとくかえ。
あまり人がおらぬ所で生徒を呼び止める。なるべく年上が良いのう。

『全力魔法』で魅了『属性攻撃』の【妖誘恋慕】を『高速詠唱』して『範囲攻撃』で放つ。
で、『誘惑』する要領で潤んだ瞳で上目遣い。
「姉上を探しに来たのじゃ。百合の苑だか黒百合の君に会うとか言っておったが、詳しい者は知らぬか?心当たりでも良いぞ」
あ、この話は姉上を驚かせたいから他言無用で頼むのじゃ。

もし全く心当たりがなければ…生徒会とやらか校長に同じ要領で当たってみるかのう。



「あなた、部外者ね」
 声を掛ける前に、掛けられた。流石にドキリとして振り返れば、凛とした風情の美少女。その唇は、濡れたように赤い。
(「あーか、あーか……はっ! いかん、まだ当てられとる」)
 フルフルと頭を振り、麗明・月乃は潤んだ瞳で上目遣い。
「姉上を探しに来たのじゃ。百合の苑だか黒百合の君に会うとか言っておった」
「……っ」
 息を呑む音が聞こえる。月乃は確信した――これは当たり、だ。
「お姉様? じゃあ、放送で呼び出して貰いましょう。学年とクラス、名前を教えて頂戴」
 相手が愛らしい少女の所為か、彼女の対応も柔らかい。幸いにして、周囲には誰も……遠目にミレナリィドールの影が見えたが、学院関係者はいない。
 咲くは偽りの愛の花――。
 幼げであっても妖狐。月乃の視線は同性をも魅了する。
「なぁ、百合の苑だか黒百合の君、詳しい者は知らぬか? 心当たりでも良いぞ」
「……」
 夢の中にいるような表情で、彼女はフラフラと歩き出す。
「……ついてらっしゃい」
「うむ、感謝するのじゃ」
 チラと肩越しに合図して、月乃は覚束ない足取りを追った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フェルト・ユメノアール
永遠の幸福かぁ……なんかめちゃくちゃ胡散臭いよねー

潜入用にいつもの道化服と装飾を脱いで学生服+鞄のお淑やかモード!
言葉使いもボクから私+ですますの丁寧口調に!
誰かとすれ違ったらごきげんよう、と微笑んだりお嬢様みたいに振る舞うつもり……
なんだけど、ううっ、こういう演技は慣れてないから顔が引きつる……

もし、行方不明になっている人が学園内にいるなら人目につかない場所にいるはずだよね
学園内の見取り図と睨めっこして怪しい場所、旧校舎とか、地下室とか、普段は使われてない空き部屋とかを調査するよ!
行方不明者や不審な人物を発見したら【SPウィングウィッチ】を召喚!
尾行をして百合の苑と黒百合の君の正体を確かめる



(「永遠の幸福かぁ……なんかめちゃくちゃ胡散臭いよねー」)
 裏サイトの噂だ。誇張はあるだろうが、それでも、空々しさを感じるフェルト・ユメノアール。
「ご、ご機嫌よう」
 すれ違ったシスターに、何食わぬ顔でご挨拶。怪しまれないよう、お嬢様らしく振舞っているが……慣れない演技で、顔が引きつるのは仕方ない。
 リンゴーン――。
 授業が始まったのを見計らい、忍び込んだのは図書室。お目当ては学院の見取り図だ。
(「もし、行方不明になっている人が校内にいるなら、人目につかない場所にいるはずだよね」
 判り易い所では旧校舎とか。地下室や普段は使われてない空き部屋などないだろうか。
「……え」
 だが、フェルトの目を引いたのは、古い校報紙――見出しは正に「百合の苑の伝説」。
 曰く、この学院の創設者は成人する前日、生家が所有する百合の花園にマドンナリリーを手にした聖母の降臨を見た。
 この地を乙女の楽園とせよ――元より信心深かった創設者は、聖母の啓示に従いこの地に女学院を設立し、百合の花園には聖母を祀る教会を建てた。校内の最奥にある教会こそが「百合苑の中の百合の苑」、聖域であると。
「ここって、旧校舎のエリアだよね」
 老朽化で危険だからと立入禁止されている旧校舎区域、更に信心に根差した聖域が重なれば。おいそれと、此処に立ち入る者はいまい。
「皆に報せた方が良いよね、これ」
 フェルトは大急ぎで携帯端末を取り出す。『百合の苑』の所在を報せる為に。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『黄昏色の啓蒙』祈谷・希』

POW   :    苦痛を受けよ、精神を死へと返せ。救済の日は近い
自身が装備する【『黄昏の救済』への信仰を喚起させる肉輪 】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
SPD   :    黄昏を讃えよ、救済を待ち侘びよ
【紡ぐ言葉全てが、聴衆に狂気を齎す状態 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    痛みと苦しみが、やがて来る救済の贄となる
【瞳から物体を切断する夕日色の怪光線 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は火奈本・火花です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 それは、瀟洒な教会だった。ステンドグラスにはマドンナリリーと聖母が描かれ、周辺の花壇も今は殺風景だが、温かい頃には百合の花が咲き乱れるのだろう。
 正に、百合の苑――だが、教会の中は、既に狂気に侵されてしまっている。
「黒百合様、何処にいらっしゃいますか?」
 フラフラと覚束ない足取りで教会にやって来た女生徒を、黒衣のシスターは慈愛の笑みを浮かべて迎える。
「……お前」
 だが、すぐ瞠目すると、おどろおどろしい金切り声を上げた。
「何を連れてきたのだ!」
「……え……え?」
「そんな見苦しくも醜悪な気を纏って! どんな男に篭絡されたのだ!」
「そんな! 私は! ……!!」
 狼狽える女生徒を平手打ちし、突き飛ばし、黒衣のシスターは教会の外へ飛び出す。
「く……」
 ギリと歯噛みし、射殺さんばかりの視線の先に――猟兵達は既に臨戦態勢。
「……おのれ、後もう少し。もう少しで、『白百合様』が全き姿で降臨されたものを」
 黒衣のシスター『黒百合の君』――或いは、写真を見て気付いた者もいたかもしれない――畔木・優里は両手を固く組み合わせ、悲鳴じみた祈りを捧げる。
「白百合様、白百合様!! 今こそご降臨を! この地に集めし『苦しみ』を! 足りなければ、私の総てを贄として捧げます!」
 ――――。
 それは、嗤い声だ。高く低く、含み嗤う耳障りな声音が、百合の苑の寒気を震わせた時。
 肉輪に戒められた白き尼僧の巨大な首が、正に畔木・優里がいた場所に顕現する――。
雲雀・浅葱
あーあ、ついに現れちまったか、白百合様
こんな奴に自分自身を捧げちまうなんてもったいねぇよ
優里さんも他の子も、正気を取り戻して、ちゃんと帰してやりたいよな

さっさと倒すためには攻撃力強化…いや
憎しみの元を考えると、囮として動いた方が効果あるかもな
トリニティ・エンハンスを使用して自身の防御力をメインに強化
邪神の視界に入るように行動して、避け・受けなど防御に集中
俺を目障りに思って気を散らせられれば、他の奴らの攻撃もしやすいだろ
っと、チャンスがあれば属性攻撃を上乗せして攻撃するぜ

「お前の目論見は失敗したんだ、諦めて失せろ
こんなものに救済されるより
自分自身で未来を見つけた方が幸せに決まってんだろ



「あーあ、ついに現れちまったか、白百合様」
 猟兵の連絡を受け、校外より駆け付けたばかりの雲雀・浅葱は、肩で軽く息をしながら顔を顰める。
(「こんな奴に自分自身を捧げちまうなんて、もったいねぇよ」)
 恐らく、行方不明になった学院の生徒達は邪神の背後、教会の中にいるのだろう。
(「皆、正気を取り戻して、ちゃんと帰してやりたいよな」)
 学院の生徒達も、自らを贄に捧げてしまった彼女も。
「こんなものに救済されるより、自分自身で未来を見つけた方が幸せに決まってんだろ」
 ルーンソードを構える浅葱。マジックナイトとしての力、トリニティ・エンハンスを発動させんと。
(「さっさと倒す為には、攻撃力強化……いや」)
 纏ったのは水の魔力――敢えて、防御を厚くする浅葱。
「お前の目論見は失敗したんだ、諦めて失せろ!」
 挑発を叫び、前へ飛び出す。『黒百合の君』が集めた『苦しみ』――彼女の憎しみの原因を考えれば。
 ――苦痛を受けよ、精神を死へと返せ。救済の日は近い
 それは、思念。或いは、呪詛。耳障りな音が殷殷と響くや、邪神の周りに顕れる肉輪。優に二桁を数えるそれは、唸りを上げて高速回転するや、次々と浅葱に襲い掛かる!
「……っ!」
 正面から迫る肉輪をルーンソードで打ち払い、上空から急転直下の攻撃はバックステップで回避。足を捕らえんとした肉輪は、高々と跳躍してかわす。
「ぐ、う……っ!」
 だが、弧を描いて追尾してきた一輪が、輪投げの要領で浅葱に填るや、一気に締め上げる。圧搾に込み上げるものを呑み下し、刃を一閃。辛うじて逃れた。
「……はぁっ」
 ほんの少し、肉輪に捕われただけで、首が胴からもげそうな激痛。それでも、浅葱は邪神の前から退こうとしない。
「ほら、お前が憎む、『男』はまだここにいるぜ!」
 不敵な笑みさえ浮かべて見せる。邪神が目障りに気を散らせている、今の内に!

成功 🔵​🔵​🔴​

アインス・ツヴェルフ
【IBSI<アイビス>】で行動
降臨してしまったか!
オブリビオンを倒せばまだ彼女を救えるはず…!

サイコソード二刀起動し戦闘態勢

男が混じってるってバレてしまったのか
ともかくバレて戦闘に入ったのなら女装解いてもいいよね!

って事でスカート脱ぎ捨て(中半ズボン)

てか絶対俺狙われるよね!?
まぁいいや俺を弾避けにするといいよ(ニヤリ)

レインとフィリアの前の位置の立ち敵の攻撃の射線を遮る
【サイキックブラスト】で敵の動きを封じつつ【サイコランス】を作成し【POW】に対抗。敵の攻撃を相殺する

倒れ消えるオブリビオンを目にしながら畔木さんを介抱

嫌な過去もこうして消えてくれるといいのにね…
と独り言のように呟く


レイン・フォレスト
【SPD】【IBSI<アイビス>】の仲間と
彼女が黒百合様?贄にでもされてないかと危惧してたけどシスターになってるとはね
こいつを倒せば優里さんが正気に戻ってくれる事を祈ろう

アインスを見て
スカート脱いだ方が動きやすいよね、中は短パンだし
と思ったらフィリアにダメだと言われた…あー女って面倒だ
ま、フィリアに悲しい顔はさせたくないから我慢するよ

スカートを翻して銃を構え「先制攻撃」で【ブレイジング】を
仲間達の「援護射撃」になるように撃ちまくって
敵の攻撃は「見切り」で回避
僕を攻撃してくるがいいさ、その分アインスが攻撃しやすい

傷ついた乙女を利用した罪、身をもって贖って貰おうか


フィリア・セイアッド
IBSI<アイビス>の皆と
【WIZ】を選択

傷ついた女の子を利用するなんて許せない
生贄になんてさせないわ
優里さん お父さんもお母さんも心配している
貴女を待っている人がちゃんといるの
ね、一緒にお家に帰りましょう

アインスさんがスカートを脱ぎ捨てるのを悲しそうに見つめる
レインは駄目よ?お仕事が終わるまで我慢してね
釘を刺しながら 指を組み「雪雫の円舞曲」を歌う
仲間の「鼓舞」し能力を上げるよう
優里さんが無事に戻ってくるよう 「祈り」をこめて
祈ることに対価なんて必要ないの
大切な想いのために 大事な人のために 
ただ願いをこめればいい
傷ついた仲間は「シンフォニック・キュア」で回復を
敵の攻撃は「オーラ防御」で対応



「オブリビオンを倒せば、まだ彼女を救えるはず……!」
 柄を握り締め、サイコソード二刀を起動するアインス・ツヴェルフ。邪神の注意は先陣を切った猟兵に向いているが、囮1人ではきっと保たない。
「もう、女装解いてもいいよね!」
 既に男がいるのだから――ニヤリとして、スカートを脱ぎ捨てた。冬空の下で、半ズボンは寒かったが、これから運動の時間だ。すぐ温まるだろう。
「俺も弾避けにするといいよ」
「もう……レインは駄目よ? お仕事が終わるまで我慢してね」
 勇ましく前線へ駆け出すアインスを、何だか悲しそうに見送るフィリア・セイアッド。すぐに釘を刺されてしまい、レイン・フォレストは小さく溜息を吐く。
(「あー、女って面倒だ」)
 短パンの方が絶対動き易いけど、フィリアの手前、我慢する。友達に悲しい顔はさせたくないし。
「それにしても、彼女が黒百合様だったんだ。贄にでもされてないか、危惧してたけど……シスターの方だったとはね」
 スカートを翻し、仕込まれた射撃術を駆使するレイン。超高速の連射で弾幕を張り、アインスを援護せんと。
「傷ついた女の子を利用するなんて、許せない。優里さんだって、生贄になんてさせないわ」
 彼女の事を、心配している両親がいる。待っている人がちゃんといるのだ。
(「ね、一緒にお家に帰りましょう」)
 内心で呼び掛け、フィリアは指を組み合わせる。
 ――世界は光に満ち、陽は輝きて鳥は歌う。
 邪神の呪詛に抗うように、歌い出したのは「雪雫の円舞曲」。仲間を鼓舞し、彼女が無事に戻ってくるよう「祈り」を込めて。
「そうだな。こいつを倒せば、優里さんが正気に戻ってくれる事を祈ろう」
 銃撃の手は休めず、レインも肯く――畔木・優里は、己を対価に『白百合様』の降臨を祈った。だが、本来、祈る事に対価なんて必要ない。
(「大切な想いのために、大事な人のために……ただ願いをこめればいい」)
 フィリアの切なる想いに背中を押されるように、アインスはサイキックブラストを放つ。
「穿て」
 迸った高圧電流が白き邪神に爆ぜ、ビクリとその身を震わせる。刹那、動きを止めた肉輪を、すかさずサイキックエナジーで形成した無数の槍で叩き落した。
(「嫌な過去も、こうして消えてくれるといいのに……」)
 ボタボタと溶け崩れる肉輪を一瞥し、アインスが気遣うのも彼女の事だ。
「傷ついた乙女を利用した罪、身をもって贖って貰おうか……邪魔だと思うなら、僕を攻撃してくるがいいさ」
 その間にも、レインは銃弾を巨大な首に浴びせ続ける。フィリアは時に歌を変え、仲間を力付け、癒し続けた。
 ――愚かな。
 最初から出し惜しみせず、猛攻を畳み掛ける猟兵達。だが、邪神はまだ弱った素振りもない。
 ――痛みと苦しみが、やがて来る救済の贄となる。
 邪神の双眸がゆっくりと見開かれるや、迸る夕日色の怪光線。
「……!? 散って!!」
 触れるや瞬断する光刃が、百合の苑を縦横無尽に荒れ狂った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

フェルト・ユメノアール
こんなの神様じゃない!
ただの化け物だよ!

この悪夢を終わらせるためにもボクたちは絶対負けられない!
ショウマストゴーオン!
ボクは手札からスペルカード、【無人造の機兵】を発動!
自分のレベルと同数の機兵トークンをバトルエリアに召喚する!
さらに、機兵トークンの効果発動!自身をリリースして、エリアにいる他の機兵トークン1体の能力をアップする事ができる!
この効果で素のトークン2体を残し、他のトークン全てを合体
速く動く物を優先して攻撃するなら囮が有効なはず
2体の素トークンを囮にして、それを攻撃する敵の隙をつく形で『カウンター』強化トークンとの連携攻撃を仕掛けるよ
『トリックスターの投擲』で目などの弱点を狙う



「こんなの神様じゃない! ただの化け物だよ!」
 裂傷の痛みを堪え、フェルト・ユメノアールは憤りの声を上げる。この悪夢を終わらせる為にも、絶対負けられない!
「ショウマストゴーオン! ボクは手札からスペルカード、【無人造の機兵】を発動!」
 腕のソリッドディスクを繰るフェルト。
「自分のレベルと同数の機兵トークンを、バトルエリアに召喚する!」
 忽ち、フェルトの周囲に20体もの機兵トークンが出現する。
「さらに、機兵トークンの効果発……!」
 だが、再び荒れ狂う怪光線に、機兵は真価を発揮する前に破壊されてしまう。
「だったら!」
 愛用のダガー「トリックスター」を構えるフェルト。狙い澄まし、邪神の双眸目掛けて投擲する!
 ――――!!
 流石に1度で当らずとも、邪神の視線が他に逸れた瞬間に乾坤一擲!
 アァァァッ!!
 突き刺さる刃、噴き出す血の涙。程なく、もう一方も斬り裂かれては――邪神の眼はもう開くまい。
 ――讃えよ、讃えよ。
 だが、邪神の叫びは止まらない。
 ――黄昏を讃えよ、救済を待ち侘びよ。
「……うっ、く……」
 ゾクリと走る悪寒。耳を塞ごうとも脳を直截冒す――この言葉、いけない!
「【無人造の機兵】を発動!」
 再び機兵トークンを召喚するフェルト。ビクリビクリと身を震わせ呪詛を垂れ流す首を睨み、今度こそ騎兵トークンの効果を発動する。
「機兵トークンは……自身をリリースして、エリアにいる他の機兵トークン1体の能力をアップする事ができる!」
 そうして、トークン2体を残し、18体を合体させた。
 理性を失った邪神は、速く動く物を無差別に攻撃するようになる。
「頑張って逃げ回るんだよ!」
 2体の素トークンを囮として駆け回らせ、フェルトは合体トークンとの連携攻撃を邪神に叩き付けた。

成功 🔵​🔵​🔴​

木目・一葉
なんと深い苦しみだ
黒百合の花言葉は確か恋と呪いで、白百合は純潔だったか
「そして出てきたのは邪神か」
皮肉ではないか

真の姿を解放し、中衛で戦う
注意したいのは、聴衆に狂気を齎して自身を強化する能力だ
敵のこれを封じる手段は二つ
①何らかの方法で聴く者をなくす、聞かせなくする
②言葉を紡ぐ敵自身の能力を封印すること
僕にこの①は不可能だが、もしできる仲間がいたら援護する
そして②は、僕には可能だ
なるべく早く敵の隙を見つけて影人の縫い針を使用し、ユーベルコードを封印する
それ以外は、妖剣解放の衝撃波で肉輪の妨害をして仲間を援護
「これが貴方の望んだ未来か
苦しみに囚われ、自身を更に追い込むことが、望みだったのか?」



 ――足りなければ、私の総てを贄として捧げます!
 何と深い苦しみだ、と木目・一葉は思う。
 黒百合の花言葉が「恋と呪い」ならば、白百合のそれは「純潔」。
「そして出てきたのは邪神か」
 皮肉としか言いようがない。邪神は、過去の逆襲。少女の苦しみを利用し、その未来を食い潰さんとしている。
「……さて、彼奴もいよいよ奥の手を出してきた訳だが」
 ――黄昏を讃えよ、救済を待ち侘びよ。
 繰り返される呪言は、魂を削るよう。今は、荒れ果てた百合の苑を駆け回る囮に注意が逸れているようだが、それも長くはあるまい。
(「敵を封じる手段は2つ」)
 1つは、何らかの方法で呪言を聴く者をなくす、聞かせなくする。だが、一葉にこれを叶える策はない。
 そして、もう1つは――。
「これが貴方の望んだ未来か?」
 痛みを堪える表情で瞑目した一葉の姿が、一変する。変わりゆく姿は刻まれた傷をも上書きし、猟兵が生命体の埒外にある存在であると宣言するよう。
「苦しみに囚われ、自身を更に追い込むことが、望みだったのか?」
 一葉の一挙に応じ、彼女の影より分離する人型。
「影よ、仇なす業を縫いつけよ」
 ――黄昏を讃えよ、救済を待……。
 影人が音もなく走り、唐突に途切れる呪言。
 …………。
 ビクビクと体を揺らしながら、邪神の唇がパクパク動くも、一音とて零れない。
 言葉を紡ぐ敵自身の能力の封印――それが、一葉の成し得た策。だが、真の姿を解放して尚、邪神のユーベルコードを封じる間、一葉は己の寿命を削り続ける。
「今の、内に……!」
 噛み締めた一葉の唇の端から、血潮が一筋、零れ落ちた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

麗明・月乃
この可憐な私の術を醜悪な気じゃと!
しかも言い逃げしおった…むぅ。
しかし…それより先にやる事がある。

女生徒に声をかけ、敵がいない方向の出口に指を差す。
「すまぬ、酷なことをさせた。早くあっちから逃げるのじゃ」
逃げ切るより先に『野生の勘』で奴の攻撃がこちらに来ると判断したら『高速詠唱』で【鶏源卿】を女生徒に使用。
それも間に合わないならかばう。

ひとまず無事を確保できれば外に出て、自身と指輪の『封印を解く』真の姿へ。同時に【九破天狐の舞】を使って九尾に変身。
「何が救済じゃ。人を堕とし破滅へ誘う邪の化身め」
『全力魔法』で各『属性攻撃』を放って攻撃。
敵の肉輪が複製されたら優先的に叩き落とすのじゃ。


ワン・シャウレン
目当ての相手に魅了を仕掛ける、見事じゃの。
手間が省けて助かったわい。

漸く得手に入れるというもの。
これで終いにさせて貰おう。

他の猟兵とも協力し、
肉輪や光線はフェイントや見切り、回避に集中して、懐目指し。
敵の暴走状態が起きたら隙をつくか、自身が受け持ち隙を作るかへ。
見事潜り抜けられたら、連ね流星にて仕留めに行く。
ここまで来ればわしの勝ちよ!

連ね流星は残像残す多重連撃、締めの蹴りまで残さず叩き込むつもりで。

これで無事仕留めたら、この仕事も完了かの。
中々やり甲斐はあったわい。



「ふむ、見事な手前」
 感心を零すワン・シャウレン。暴走状態を封じられた邪神は、猟兵達の攻撃をこれでもかと浴びせられている。
「どうじゃ、戦況は?」
 ワンも攻撃に加わろうとした時、教会の扉が開き、小柄な少女が飛び出してくる。麗明・月乃だ。
「御覧の通り、いよいよ大詰めか……して、行方不明の生徒達は?」
「危うく怪光線の巻き添えになる所じゃったわ」
 教会には月乃が魅了した女生徒のみならず、行方不明の生徒達が忘我状態でいた。彼女達を逃がそうとした月乃だが、その前に戦闘が激化。今は月乃のユーベルコード『鶏源郷』で匿っている。
「皆して夢の中じゃったからの。避難に手間取ってすまなんだ」
「いやいや、わしこそ手間が省けて助かったわい。目当ての相手に魅了を仕掛ける、見事じゃったの」
「うむうむ!」
 ワンの称賛に大いに胸を張る月乃。
(「じゃが、彼奴はこの可憐な私の術を醜悪な気じゃと! しかも言い逃げしおった……むぅ」)
 白き大首を睨み付け、月乃は自らと指輪の封印を解く――見る間にその姿は、炎と氷を纏う巨大な九尾の狐に変じる。
 ――何が救済じゃ。人を堕とし破滅へ誘う邪の化身め!
 怒りは猛き焔に。悲しみは白き凍気に。嘆きは轟く嵐に。痛みは震える大地に――全身全霊、月乃は渾身の魔術を次々と放つ。これもやはり自らの命を削る大技。余さず叩き付けられれば、邪神とて苦しげに身を捩らせる。
「漸く得手に入れるというもの。これで終いにさせて貰おう」
 猟兵達の猛攻をすり抜け、ワンは邪神の懐に迫る。
「ふ……ここまで来ればわしの勝ちよ!」
 それは、友たる老拳士の秘奥の準え――銘を連ね流星。残像残す多重の連撃を、ワンは華奢に違う重さで叩き込む。
「さあ! 行こうぞ!」
 終の一撃は蹴打。速度に捻りを加え、邪神の眉間を抉り貫く。
(「はてさて、これでこの仕事も完了かの。中々やり甲斐はあったわい」)
 軽やかに着地した彼女の眼前で、尼僧の大首はビキビキと罅割れ崩壊した。

 ――残されたのは、少女が1人。その姿も憑き物が取れたように、年相応に戻っていく。
 不運にも、邪神との相性が良かったのか。周囲の認識を狂わせる術を授かり、単身で邪神降臨を成そうとした――『黒百合の君』は、もういない。
 オブリビオンに抉られた彼女の傷は、そう簡単に癒えないかもしれない。それでも、彼女の胸は静かに上下している。
 まずは『命』を救えた事に、猟兵達は笑みを浮かべ、互いの健闘を称え合った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月13日


挿絵イラスト