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文句言ってオブリビオンに囲まれてみた

#ヒーローズアース

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#ヒーローズアース


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●とある小悪党の一日
 ヴィクトル・カランは阿呆である。
 幼少の頃に通りすがりのヴィランに助けられた――という経験をした彼はそれきり、
『俺もヴィランになる!』
『名前もヴィランっぽいし!』
 とか思うようになり、その阿呆っぷりを遺憾なく発揮して青春を棒に振り、すくすくと小悪党に成長していった。
 油断しまくりの観光客から荷物をかっぱらったり、セールスマンを装って上がりこんだ家から金品をくすねたり、小さな賭場でイカサマをして小金を稼いだり、それらが地元のギャングにバレて銃撃パーリナイしたり……。
 とにかく考えなしの生き方である。
 しかし彼は今日まで割と平穏無事に生きてきた。彼は阿呆だったがそれなりに荒事が得意だったし、何よりユーベルコードを使うことができたからだ。
 だからヴィクトルは気ままに日々を過ごし、美術館から所蔵品を頂こうという盗み話にもホイホイと乗っかったりしてしまったのだった。

 陽が落ち、街が眠りについた頃。
「ういー、いらっしゃいませー」
 美術館の扉をひらいたヴィクトルが、外で待っていた仲間たちを招きこんだ。
 盗みに関しては一家言ある彼にとっては侵入もお手の物。ぐるりと館外を歩いたヴィクトルは一瞬でセキュリティの隙を見つけ、鮮やかな侵入を果たしていた。
「ご苦労、ヴィクトルくん」
 シルクハットを被る黒ずくめの男が、ステッキをカツンと鳴らして美術館に踏み入る。
 それに続いて何人もの手下の女たちが侵入し、四方に散った。
 ヴィクトルも動く。壁に掛けられた汚い絵画を外し、何やら地味にしか見えない壺を慎重に運び、古ぼけて錆びついた剣とかを袋にまとめて放りこんだ。
 取り分は3割。
 そう言われていたヴィクトルは盗品の総額がいくらになるかと心躍らせて働いた。
 ――が、手下の女の一人の動きを見て、顔色を変えた。
「お、おい……! おまえ何やってやがる!!?」
「何とは何でしょう?」
「そのセットしてるモンだよ!!」
「カメラですが?」
 きょとんと首を傾げる女が、手を止めてヴィクトルを見返す。
 彼女は美術館の大理石の床に、三脚を置いていた。当然その先にはカメラがあり、高そうなゴツいカメラが厚いレンズをきらりと光らせている。
 しかも気づけば、同じ光景がそこかしこにあった。
「どうして皆カメラなんて置いてやがる!!」
「それが良いからに決まってるじゃないか」
 声を荒らげるヴィクトルに、シルクハットは平然と答える。
「犯罪とはショーなんだ! だから生配信は当然、むしろ犯罪のマナーだよ。ヒーローが来てくれないと盛り上がらないしね」
「ヒーロー……?」
「そう、邪魔するヒーローを倒してこそのヴィランさ!」
 あっけらかんと、シルクハットは言い放った。
 彼にとってはそれが最も大事なものらしい。美術品を盗むのは二の次で、むしろ捕まえにきたヒーローを倒すところを配信するのが彼の企みだったのだ。
 ヴィクトルは、吠えた。
「配信って……馬鹿野郎! 違うだろうが! ヒーローと戦うところを配信とか……その、そーゆーの違うだろうがァ!!」
 ふんわりしていた。
 阿呆なせいでとてもふんわりしていた。
「何言ってるのかわかんないよ……あれかな? もしかして、ヴィランなら日陰を歩けとか、誰にも気づかれず仕事をするのが真の泥棒とか、そういうことを言いたいのかな?」
「あーそうそう! それ!」
「みんなー運び出すよーカメラ回してー」
「聞けぇぇぇぇ!!!」
 さらりと無視して配信を始めようとしたシルクハットの肩を、がしっと掴むヴィクトル。
 その手には携帯電話があった。
「配信なんてさせるか……配信したら俺は警察を呼ぶ!」
「そしたら君、捕まるけど……」
「……」
 沈黙するヴィクトル。
 彼は携帯電話をぽいっと捨てた。
「なら力尽くでカメラを壊してやるぜぇぇ!!!」
「あー待て待て待て待てー!?」
 うおおお、と猛ダッシュしたヴィクトルが設置されたカメラを壊して回る。
 慌てたシルクハットが手下たちに指示を告げた。

「殺せー! 邪魔するんならもう用はない! 殺せーー!」

●グリモアベースにて
「阿呆にも阿呆なりの流儀があるようだな」
 暇潰しに読んでいた書物をパタンと閉じると、プルート・アイスマインドは猟兵たちにそのマスク顔を向けた。
「ヒーローズアースで、一人のヴィランがオブリビオンに襲われる事件を予知した。どうやら手先として働いていたそのヴィランが、オブリビオンに反抗して起こるものらしい」
 大した度胸だ、と付け加えるプルート。
 しかし『悪には悪の~』とかいうノリで離反したヴィランだが、言うまでもなく絶体絶命である。なにせオブリビオンとの仕事の真っ最中に反抗したことにより、がっつり敵に包囲された状態にあるのだ。
「とりあえずノーチャンスだ」
 それはまあ確かに、と頷く猟兵たち。
「が、おまえたちが向かえば奴が命を拾う可能性も十分にあるだろう。というかオブリビオンが現れるのだから、ヴィランがいようがいなかろうが、おまえたちには現場に行ってもらいたいのだ」
 それはまあ確かに、と頷く猟兵たち。
 とりあえずの了承を得たプルートは、続けてオブリビオンの情報を明かす。
「今回の親玉は『ミスターショータイム』と呼ばれるオブリビオンだ。生きていた頃から自分の犯行を生配信していたらしいが、その手口は今も変わっていない」
 本人いわく『世界最高のエンターティナー』であるミスターショータイムは、配信中にヒーローをねじ伏せることである種、名を上げたヴィランだったらしい。
 で、そんな彼が目をつけたのが美術館。
 そこでの盗みを生配信しようとしていたところでの、今回の事件である。
 つまり今回の現場は美術館、ということになる。
「美術館には奴が飼い慣らす手下――強化人間の少女たちもいる。というか実際にヴィランを殺しにかかっているのはその少女たちだ。強化の一環としてオブリビオンの因子を刻み込まれている彼女たちはもはや人間という枠から外れつつある……しかし撃破すれば因子が骸の海に還り、おそらくは元に戻るだろう」
 少女兵たちを蹴散らし、そしてミスターショータイムの犯行を止めてくれ。
 そこまで言うと、プルートはグリモアを持ち出した。
 光が皆を包みこんでゆく――と、その段になって、ハッと思い出すプルート。
「ちなみに現場にいるヴィランについては基本的に一任するぞ。たぶんほっといてもおまえたちに害はないから……うん、自由に!」
 ジユウニー、ニー、ニー…………。
 投げやりなエコーを聞きながら、猟兵たちの体はヒーローズアースへと旅立っていた。


星垣えん
 悪党にこそ処世術が必要なんや……。
 というわけで、ヴィランが死にそうです。
 シナリオフローは以下!

 1章:集団戦!
 やっちまったヴィラン『ヴィクトル』が強化少女兵たちに囲まれています。
 ほっとくとボッコです。死にはしません。
 彼と協力して敵を倒してもいいですし、放置して戦ってもいいと思います。
 ちなみにヴィクトルのユーベルコードは、
『【盗み攻撃】の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する』
 です。

 2章:ボス戦!
 生配信に情熱を傾ける『ミスターショータイム』との戦闘です。
 彼を撃破し、犯罪を阻止しましょう。
 ヴィクトルはその辺で邪魔にならないムーヴ(ガヤ等)をしています。

 3章:日常!
 戦いが終わって外に出たら、なんか眩しい朝でした。
 ヴィランの美学があるならヒーローの美学もある、そんなシーンです。

 てな感じの構成となっとります。
 ところでヴィクトルはヴィランに助けられてヴィランを志した阿呆です。
 ならばヒーローが助ければヒーローを志すのでは……。
 それでは、皆様からのプレイングお待ちしております!
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第1章 集団戦 『強化人間奴隷少女兵』

POW   :    ディーモニック・パワー
全身を【オブリビオン因子由来の禍々しきオーラ】で覆い、自身の【総身を襲う、想像を絶する激痛】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    ディーモニック・アクセレレイション
【オブリビオン因子から力を引出す】事で【高速戦闘モード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    ディーモニック・サイキック
見えない【オブリビオン因子由来のサイキックパワー】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。

イラスト:すねいる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アトシュ・スカーレット
ヴィランさんや、あんた馬鹿だろ?
オブリビオンに喧嘩売る度胸は買うけど

ヴィランさんとは協定を結びたいなー
え、この事件が終わったら?…今後の彼次第かなー?

戦闘開始と同時に【付与術・天災式】を発動させて、Joyeuseと村雨を炎の魔剣に変化させるね
あ、序でに腐敗の【呪詛】もセットにしてあげよっと

雷の武装で強化された脚力で【残像】が見える速度で行動するよ

【2回攻撃】で手数を稼いで攻撃していくよ
気絶してくれるとありがたいんだけど…してくれるかな?

防御は【オーラ防御】と【武器受け】で行うね
【見切り】が可能なら、そっちを優先するね


戸川・春
了解。やっつける。
でも初仕事の相手がこれって、キツい。
結構、って言うかめっちゃ速い……。
とりあえず重武装モード。
狙えないくらいスピードがあるなら狙わないし、こっちから動かなくていい。
サブマシンガンで【範囲攻撃】する。
数撃ちゃ当たる……といいんだけど。
敵の攻撃に反応できれば回避もするけど、無理なら……【気合】かな。



「対象を排除」
「のおぉぉぉ!!?」
 強化少女兵の数に押され、もはや逃げ場を失ったヴィクトルに無慈悲な一撃が迫る。
 突き出される拳――しかしそれはヴィクトルに届く前に止まった。
 止めたのは、アトシュ・スカーレットの剣だった。
「ヴィランさんや、あんた馬鹿だろ? オブリビオンに喧嘩売る度胸は買うけど」
「たたた、助かったぜカワイコちゃんンン!!」
「ありがと。オレ男だけど」
「マジかよ」
 真顔になるヴィクトル。
 気まずい空気――が流れる暇はなかった。
「脅威を確認。殲滅に移行します」
 うわ言のように呟いた少女兵が、オブリビオン因子を励起してオーラを纏う。激痛と引き換えに強化された肉体が、目にも止まらぬ拳を打ちこんでくる。
「おっと危ない」
「うおお!?」
 アトシュは拳を魔力の刀身でいなすと、ヴィクトルを抱えて跳躍。
 後方に着地して、ツインテールの銀髪少女――戸川・春と並び立った。
「やれやれ。骨が折れそうだね」
「初仕事の相手がこれって、キツい。結構、って言うかめっちゃ速い……」
 軽口を叩くアトシュとは違い、春の表情には不安が見て取れる。UDC職員として仕事を果たし、訓練を受けてきた春ではあるが、猟兵として戦うのはこれが初めてだった。
 アトシュはそんな彼女に言葉をかけた。
「大丈夫だよ春さん。オレもいるしね」
「そうだぜ。気負うことはねえ」(サムズアップbyヴィクトル)
「……うん、ありがと」
 2人を一瞥した春が、前を向く。
 少女兵たちは、まるで機械のような無表情で猟兵に迫ってきていた。
 オーラで強化されたその速度はもはや肉眼で判然と捉えることも難しい。試すまでもなく捕捉は不可能と判断した春は、隠し持った火器をすべて中空にぶちまけた。
「正直狙えない。なら……」
 ユーベルコードを発動。
 重武装モードへと変形した全身に、射撃武装が展開される。ビームキャノンにショットガン、サブマシンガンにハンドガンというありったけの火器が、強力な動力付きのクロスボウ『アーバレスト』の矢が、前方に差し向けられる。
 狙いは――全域!
「数撃ちゃ当たる……といいんだけど」
 言下、すべての砲口が轟音を放ち、マズルフラッシュを閃かせた。
 少女兵たちは横へ跳んで避けようとしたが間に合わない。視界一面にひろがる銃火から逃れる術もなく、脚と肩を撃たれた少女らは大理石の床を転がって壁に激突した。
「当たった? よかった……」
「やったな嬢ちゃん!」
「心配なさそうだねー。それじゃあオレも」
 拳を突き上げて喜ぶヴィクトルの横をすり抜けて、アトシュが『村雨』を抜く。抜き身の刃に灼熱の業火が宿り、すでに抜いていた『Joyeuse』ともども雄々しく炎を噴き上げた。
「斬らせてもらおうかな」
「――脅威度の上昇を観測。複数でかかるべきと判断します」
『同意します』
 少女兵たちが、四方から逃げ場のない蹴撃をアトシュに浴びせた。
 ――が、床は砕けどもアトシュの体は砕けない。
 砕けるどころか、その姿はぐにゃりと歪んで消え去った。
「対象が消失しました」
「どこに――」
「悪いね。こっちだよ」
 一瞬で、アトシュは彼女らの背後に回っていた。
 脚に装着されたグリーブがバチッと紫電を弾かせる。剣の業火とともに顕現した魔装は、残像すら生み出す速力をその脚に与えていたのだ。
「これで気絶してくれるとありがたいんだけど……」
 灼熱の二刀が空を切り、熱波でもって少女兵たちを包みこむ。
 耐えがたき炎熱を受けた少女たちは、その場にぱたりと倒れこんだ。動きを止めた彼女らを見て、アトシュは安堵して小さな息をつくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
エロが助けると?えんえんにおまかせ☆

エロでもネタでもフルスロットルで遊んでOK♡負けロール(実はわざと喰らっている)もありありです。
キャラコンセプトは『もはやどちらが悪役かわからない』『無邪気な子供は時にどんな悪魔よりも残酷』
エロい(えげつない・ろくでもない・いやらしい)
欲望のままにユーベルコードで自分に都合よく世界を改変し、獲物を自分好みの姿に変え洗脳し、念動力/大食い/盗み攻撃でリソースを喰らい簒奪し己の糧にする。

念動力を基点にしたオールラウンダーサイキック、怪力で近接パワーファイターから、属性攻撃/範囲攻撃で広域超能力遠距離戦、毒使いや罠使いや催眠術でのデバッファーとマルチに動けます。



 周りの猟兵たちがヴィクトルを守り、次々と少女兵たちを倒してゆく。
 その一方。
「ふむふむ、可愛い女の子たちね♡」
「舐めるような視線を受けています」
「脅威度が上昇」
 アリス・セカンドカラーは彼女たちに引かれていた。
 ぺろりと舌なめずりとかしてますからね、仕方なかろうですね。
「先手必勝」
「攻撃を受ける前に攻撃します」
 身の危険を覚えた少女兵が一斉に掌をかざし、念動力をアリスに集める。鋼鉄をも捻じ曲げるサイキックパワーで眼前の不審人物を引きちぎるつもりで。
 だが、しかし。
「女の子に本気で攻撃されるのも昂っていいわね☆」
「対象の状態に変化なし」
「攻撃が効いていません」
 アリスは押し寄せる念動力の中で平然としていた。むしろ女の子に責められていることに恍惚としている様子なので、少女たちは引きました。
「んー。でも責められてばかりもアレよね。そろそろこっちからヤっちゃいましょう」
「……これは?」
 少女たちが、周囲に巻き起こる変質に身じろぐ。
 明かりの消えた美術館――それが彼女たちが今まで立っていた場所だ。しかし意識の及ばぬ一瞬で、少女兵は未知の空間に囚われてしまっていた。
 まず何となくピンクである。いかがわしい雰囲気である。
 そして床やら壁やらに、不穏な触手がうねっている。
 しかもなんか近づいてくる。
「恐怖を覚えます」
「逃走すべきと判断」
「もちろん逃がさないわよ☆」
 穏やかな羊に襲いかかる群狼のように、触手が少女兵たちに絡みつく。湿った触手は少女の柔肌の上で踊り、侵入したり、怪しい注射針みたいなものを――。
 はい。いつものパターンでした。
「ふふふ、これで女の子たちを洗脳上書きして美味しくゲットよ♡」
「うう、ああ……」
「あうう……おああ……」
 見るからにアカン反応を見せる少女兵たち。
 その彼女らを廊下の奥に連れていったアリスが何をしたのかは、知る由もありません。

成功 🔵​🔵​🔴​

カイ・シュリック
アドリブ連携歓迎

オブリビオンが悪事を働くなら放っておけない
早速退治しなければ
……ヴィクトルはその、なんかこう敵が武器等で攻撃してくるならさりげなく盗むとかして欲しいが、相手は素手のようだし……えっと……余裕があるなら相手の気を引いたりはして欲しいかな

強化人間の少女達は救う余地があるのか
ならばなるべく傷付けず、自身のUCでも自傷はさせずに無力化したい

俺が使うのは【咎力封じ】
【暗殺】の技術を活かしてなるべく相手に察知されないように道具をしかけ、こちらに【おびき寄せ】た上で一気に縛る
おびき寄せのためにこちらが攻撃を受けても構わない
【オーラ防御】で身を守りつつチャンスを待とう



「オブリビオンが悪事を働くなら放ってはおけないな」
 美術館の床に降り立ったカイ・シュリックは、アンダーリムの眼鏡を整え、立ち並ぶ少女兵たちへと冷静な眼差しをぶつける。
 あと、ちょうど中間らへんにいるヴィクトルにもぶつける。
「ん?」
 見返してくるヴィクトル。
「……えっと……余裕があるなら彼女たちの気を引いたりしてくれると、助かるかな」
「わかった。任せろ!」
 ドンと胸を叩いたヴィクトルが疾走した。少女兵の周囲をぐるぐると駆け回ると、それにつられて彼女たちの視線も逸れてゆく。
「結構やるな……さて」
 カイが気配を殺し、館内の闇に溶けこむ。
 処刑人および復讐代行を生業とする彼は、いわゆる『暗殺』なんて仕事もこれまで数えきれぬほどこなしている。敵の意識から消えるには一瞬の隙があれば十分だ。
 だが今回、カイに殺気はない。
 少女兵たちが救える存在であると知っているからだ。
 ならば、なるべく彼女らに傷を負わせたくはない。
「こんなところか」
「う、うおお……やべぇやべぇ!?」
 闇の中を徘徊して『下準備』を終えたカイが視線を上げると、ヴィクトルが少女兵に追い詰められていた。
 カイが陰の中から躍り出る。
「そんな男に夢中になっていないで、俺の相手もしてくれないか?」
「――別の脅威を発見」
「ただちに排除します」
 声に反応した少女兵たちが振り返り、強烈に床を蹴る。
 疾風――そう感じるほどの速力だった。オブリビオン因子から力を引き出した彼女らのスピードは、もはや捕捉も満足にできやしない。
 だが、カイの表情は微動だにしなかった。
「悪いな」
「!?」
「脚が……」
 駆けていた少女たちの姿勢が、一斉に傾ぐ。
 闇の中から伸び、足元に張り巡らされたカイのロープが、彼女らの脚を絡めとっていた。
「少しばかり眠ってくれ」
 その手に隠し持っていた手枷と猿轡が、少女兵たちに命中する。動きを封じられた少女兵たちは無力にその場に倒れこむのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バルドヴィーノ・バティスタ
(アドリブ・連携歓迎)

あん?ヴィランがやられそうだァ?
縛られねェが守られもしねェのが無法者ってヤツだろ?手前の身くらい手前でなんとかしてみせろ、
館内の椅子だの設備奪えば盾くらいにゃなるし
ここまで上手く侵入できる腕あるなら巻き込まれねェ位置探して隠れるくらい余裕だろ
…つかソコだよオレがムカついてンのはよォ!?腹立つくれェに才能あるくせにこのザマってんだから余計腹立つわ!!

…とにかく、悪党の流儀貫くつもりなら意地見せて防ぐか避けるか耐えろ、
囲んでる連中まとめて蹴散らすが狙いつけられねェんだからなコレ。
んじゃ…いくぜ、【人狼咆哮】!反応する隙すら与えず屠ってやらァ!!


黒木・摩那
んー、厳しい言い方をすれば。ヴィラン同士の仲違いだから、
好きにして、と言いたいところではありますが。
でも、死体まで出てしまうのも困るし、
オブリビオンに闊歩されるのも面白くはないですし。

ここはひとまず、ヴィクトルに手を貸しましょう。

と言っても、反応速度が高い強化人間は強敵です。

ルーンソードにUC【偃月招雷】で帯電して攻撃力を高めます【属性攻撃】。
ルーンソードの【衝撃波】で【なぎ払い】をすることで、
攻撃できる範囲を広げ、反応速度に対応します。
スマートグラスのAIも活用して相手位置を推測します【情報収集】。

防御は【第六感】で対応。飛び道具は【念動力】で軌道を逸らします。



「この怖え嬢ちゃんたちを手玉に取るとか、すっげえなあ……って、おっとォ!?」
 猟兵の活躍に目を奪われていたヴィクトルが、横合いから放たれた少女兵の蹴りに上体を反らす。掠めた鼻先に一筋、赤い傷が走った。
「っぶねえ……! まともにくらっちゃ首が飛ぶぜ!?」
「殺害対象は未だ生存」
「攻撃を続行します」
「しかもまだ殺る気満々かよ!」
 ヴィクトルが少女兵に背を向け、逃げる。
 迫りくる追手たちの攻撃を、展示品の陰から陰へ移動して凌ぐ小悪党は――不意に自分へ険のある視線を送る男と目が合った。
 2階層の吹き抜けの手すりに立つその人狼は、バルドヴィーノ・バティスタである。
「助かったぜ、ちっと手ぇ貸してくれぇ!」
「あん? 別にヴィランを守る義理は、ねェな」
「んなっ!?」
 ヴィクトルが唖然とするが、バルドヴィーノはさも当然というように鼻を鳴らす。
「縛られねェが守られもしねェのが無法者ってヤツだろ? 手前の身くらい手前でなんとかしてみせろ、そこらの椅子だって盾くらいにゃなるし、ここまで上手く侵入できる腕あるなら隠れるくらい余裕だろ」
 バルドヴィーノの視線が、ヴィクトルの後ろの少女兵に向く。
 ――が、やっぱりヴィクトルに戻る。
「……つかソコだよオレがムカついてンのはよォ!? 腹立つくれェに才能あるくせにこのザマってんだから余計腹立つわ!!」
「て、てめぇ! 勝手にキレてんじゃねえぞォ!!」
「キレるに決まってんだろがこのボケェ!!」
 怒りだすヴィクトルに、逆にぶちかますバルドヴィーノ。
 幾多の脱獄で名を馳せてしまった彼にとっては、ヴィクトルの生き方に思うところがあったのだろう。こすっからい悪党に甘んじる目の前の男に、苛立ちを隠せない。
 しかし口に出せば思いのほかスッキリした。
 バルドヴィーノは乱暴に頭を掻くと、ヴィクトルと少女兵の間に降り立った。
「……とにかく、悪党の流儀貫くつもりなら意地見せて防ぐか避けるか耐えろ。狙いつけられねェんだからな」
「狙い……? よ、よくわかんねぇけど、わかったぜ!」
「対象殺害への障害が発生」
「障害排除を優先します」
 ヴィクトルが急いで離れ、同時に少女兵たちがバルドヴィーノに殺到する。
 ――その刹那、バルドヴィーノの灰色の瞳に、獣の眼光が宿った。
 そして響いたのは、咆哮だ。
 ビリビリと空気が震え、床に転がる小さな瓦礫が跳ね上がる。無警戒の体を打たれた少女兵たちは、その音圧に抗することもできず次々に倒れた。
 その威力たるや、ヴィクトルがくらえばひとたまりもないだろう。事前に警告を受けていたとはいえ、彼が逃げおおせるだけの時間的余裕があったかは怪しい。
 だが彼は無事だった。
 五体無事で、少女兵が倒れてゆくのを2階から見つめていた。
「……助かったぜ眼鏡っ娘」
「別に助けたいとか思ってはないんですけどね」
 自分を小脇に抱える少女――黒木・摩那の顔を見上げるヴィクトル。咆哮が届く寸前で彼は摩那に抱えられ、2階に跳躍することで免れていたのだ。
「厳しい言い方をすれば、ヴィラン同士の仲違いですし好きにしてという感じです」
「ふげっ!?」
 ぽいっと離されて床に落ちるヴィクトル。
「でも色々困ることもあるので、ひとまずは手を貸してあげます」
「そりゃサンクス……っと、後ろ後ろ!」
「わかってます」
 やかましく声をあげるヴィクトルに背を向け、魔法剣『緋月絢爛』を抜き放つ摩那。
 当然、その視線の先にいたのは少女兵たちだ。
「対象もろともこの場から排除します」
 不可視のサイキックパワーが、氾濫する水流のように摩那たちへ押し寄せる。壁面を走る亀裂はあっという間に2人の眼前に伸びてきた。
 が、力の奔流はその地点で角度を変え、あらぬ方向へ抜けてゆく。
「攻撃……失敗……?」
「念動力に関しては私も専門家ですからね。軌道を逸らすぐらいは簡単ですよ」
 くすりと笑ってみせた摩那が、握った柄から細剣にサイキックエナジーを纏わせる。
 偃月招雷(エペ・ド・エクラ)――計り知れぬエナジーに満ちた魔法剣は、溢れ出る力を雷光に変えて中空に迸らせた。
「今、目を覚まさせてあげます」
 一振り、摩那の腕が柔らかな曲線を描いた。
 その流麗な動きと裏腹、刀身から放たれる雷撃はさながら暴れ狂う龍だ。床を穿ち壁を抉る雷龍は、一気に少女兵たちを呑みこみ、軽々と薙ぎ倒してゆくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

雛月・朔
SPD

フィクション等で、たとえ劣勢でも悪の美学や様式美を重んじる方にはたびたび好感を持てますが…実際に目の当たりにするとあんまり共感出来ないですね。やってることは犯罪ですし、迷惑この上ないのは変わりないです。

まぁヴィクトルさんは後回しにしても問題なさそうなので先にオブリビオンの方を…。

美術館での乱戦となると展示品を壊さないように気をつけなければなりませんね、オブリビオン側も故意に傷つけるとは思えませんが念のため慎重に。

まずは動きを止めるために【呪詛】【範囲攻撃】【マヒ攻撃】による、金縛りの呪詛を私の周囲に放ち敵の拘束を狙います。
その後、UCを唱え新たに【生命力吸収】を得たのちに片っ端から吸収。



「フィクション等で、たとえ劣勢でも悪の美学や様式美を重んじる方にはたびたび好感を持てますが……」
 美術館内をやかましく駆けまわるヴィクトルの姿をじぃっと見ていた雛月・朔の表情は、少しばかり厳しい。いつも笑っているその顔に平時の明るさはなかった。
 フィクションを楽しむときほどは、悪党に共感することはできなかったのだ。
 やっていること犯罪だし迷惑には変わりない。
 それが朔の冷静なる第一感である。
 ……とはいえ、今の状況でとるべき行動も彼はわかっているわけで。
「まぁヴィクトルさんは後回しにしても問題なさそうなので先にオブリビオンの方を……」
 2階層で騒いでいるヴィクトルの声を聞きながら、自らの立つ1階へ目を配る朔。
 猟兵らの活躍により、すでに少女兵たちの姿は少ない。しかしまだ残存する少女たちも確かにいて、その眼に戦意を覗かせていた。
「まだ元気ですね……暴れられたら美術品が大変でしょうか?」
 朔がちらり、と展示品群を見やる。もし少女兵たちが乱暴に動き回ったりなどすれば、価値ある品々も一瞬で台無しになる可能性がある。本来が盗み目的であることを考えると無用な心配かもしれないが、それでも考慮するに越したことはない。
「なら……」
「脅威反応を感知」
「高速機動での対処を開始します」
 1階フロアの中央に出てきた朔を視認した少女兵たちが、因子の力で高速戦闘モードに変身する。渾身の力で床を蹴れば、たちまち朔の周囲には彼女らの見えない包囲網ができあがった。
 が、何てことはない。
 朔はゆっくりと両手を周囲へとひろげる。
「ちょっとだけ大人しくしててくださいね」
「!?」
「体が……動かな……!」
 まるで電池が切れたように、少女兵たちが動きを止め、床に蹲りはじめる。
 彼女らを縛るのは金縛りの呪詛だ。その力でひとまずは美術品の安全を確保した朔は、それからユーベルコード――桐箪笥の数え唄・五段目を唱えた。
 朔を中心として、巻きこむような力の奔流が生まれる。
 その奔流は少女兵たちを抱きこみ、その体から生命力を収奪してゆく。
「う……あ……」
「少しだけ、眠っていてくださいね」
 彼女らに笑いかけると、朔は微笑むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ミスターショータイム』

POW   :    さぁ、犯行開始だよ!
戦闘力のない【自身の動画配信用の撮影機材】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【視聴者の数の増減】によって武器や防具がパワーアップする。
SPD   :    積み上げられた研鑽の証
技能名「【盗み 暗殺 逃げ足 早業 怪力 毒使い】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ   :    盗みの真価
対象のユーベルコードを防御すると、それを【使用不可能にしつつ自分の技として】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。

イラスト:いぬひろ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアレク・アドレーヌです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 美術館の磨かれた床に倒れる少女たち。
 介入した猟兵たちの活躍によって、強化少女兵はオブリビオンの軛から解き放たれた。今は気を失ったままだが、目覚めれば皆は元の人格を取り戻しているだろう。
 しかし、それは彼女らの飼い主たるミスターショータイムにしてみれば、実に面白くないことである。
 カツン、とステッキを甲高く鳴らして、オブリビオンは猟兵の前に姿を見せた。
「まったくやってくれたね。彼女らは良く働いてくれる子たちだったのにさ。また調達するにもお金が要るし、これはますます美術品をいただかないといけなくなったね」
 そう言うミスターショータイムは、その手にカメラを回している。
 あくまで犯行は配信に乗せる。
 それは、ヴィクトルが犯行を見せびらかすことを良しとしないのと同様に、ミスターショータイムの譲れぬ信条だ。
 そしてその信条は、彼のユーベルコードにも表れる。
「ちょっと予定は狂ったけど、ヒーローを倒すより面白い映像になるかもね!」
 マントを勢いよく翻した一ツ目の怪盗が、指を鳴らす音を響かせた。
 すると瞬く間に無数のカメラが召喚され、フロア内のあらゆる角度に位置取りして撮影を始める。自分のどんな活躍をも逃さないために。
「げえっ! なんつー執念だよこの野郎……いや自己顕示欲ってやつかァ?」
 もはや止めようもなくなったっぽい配信の流れに、舌さえ出してしまうヴィクトル。
 だが彼の声を聞きながら、ミスターショータイムはそちらに目線すら向けない。もう彼の関心はヴィクトルの殺害よりも猟兵を倒すシーンを配信することに注がれているのだ。
 再びステッキでカツンと床を打ち、怪盗は高笑いする。
「さあ、ショータイムの始まりだ!!!」
アリス・セカンドカラー
此の世は我が意のままに♡
迂闊に近づくと念動力由来の怪力で組み付いて快楽を貪り、距離を取って遠距離攻撃されても『我々の業界ではご褒美よ☆』と快楽を貪り、かといって放っておいても妄想ではぁはぁしながら快楽を貪ります。どのパターンでも念動力の盗み攻撃で精力吸収し続けてパワーアップしていくエロい仕様。
でサイキックヴァンパイアでの狭い隙間に入り込む特性でミスターとヴィクトルの穴という穴から寄生(ハッキング、盗み攻撃)して愉しい愉しいサキュバスタイム♡を提供してあげる☆あ、自意識は残しておくわ。
次の新刊はミスターとヴィクトルの掘レーニングに決まりね♪

後はえんえんにおまかせ♡



 ショータイムの開始が告げられて数秒。
 ミスターショータイムは数多ある撮影機材の前で、四つん這いになって項垂れていた。
「くっ、くそ……! 何なんだきみは……!!」
「精力ごちそうさま♡ おかげでこっちは絶好調よ」
 ぜぇぜぇと息を切らすミスターショータイムを見下ろして、アリスはぺろりと舌なめずりをする。肌艶もいやに良いカンジです。
 なぜ彼女がそれほどつやつやなのか。
 それは目の前の敵から諸々吸いまくったからにほかならない!
「なんて奴だ……こんな相手をどう倒せば……!」
 だむっ、と床を叩くミスターショータイム。
 いきなり追い詰められすぎだったが、しかしそれも無理からぬことである。
 なにせ接近してアリスを打ち据えようとすれば、
『ふふ、簡単には放さないわよ♡』
「わぁぁーー!?」
 と怪力でしがみつく彼女の腕の中で身悶えする羽目になり、それを警戒して遠距離からピシピシと攻撃をすれば、
『我々の業界ではご褒美よ☆』
「わぁぁーー!?」
 と昂る少女の姿に戦慄する羽目になり、かといって静かにお茶でも飲みながら窓から外を眺めてみたりすれば、
『放置プレイおいしいです☆』
「わぁぁーー!?」
 と結局アリスがどんどん充実するだけだった。
 そう、詰みです!
「こんな恐ろしい敵がいるなんて――」
「あ、そろそろ時間だからわたしからも仕掛けてあげるわね♪」
「え?」
 不穏な声にミスターショータイムが顔を上げるが、時すでに遅し。
 にゅるんと紐状(!)になってしまったアリスは抵抗も許さず、彼とついでにその辺に隠れていたヴィクトルの体内に潜りこんだのだ!
「ぐああぁぁぁーー!?」
「なんで俺までーー!?」
「ふふ、怖がらないで。ちょっと気持ちよくなるだけよ☆ 次の新刊はミスターとヴィクトルの掘レーニングに決まりね♪」
「「ギャアアア!! ……アァァァ……♡」
 体内に侵入される快楽により、顔がアカンことになるミスターショータイム&ヴィクトル。
 果たしてここからシリアスな戦闘に持ちこめるのか!
 頑張れ猟兵! 負けるな猟兵!

大成功 🔵​🔵​🔵​

アトシュ・スカーレット
んーと、相手に活躍も苦戦もさせなければいいんだよね…?

それじゃ、わざと互角の戦い演じようかな
ダメージが蓄積されたら【戦場の亡霊】で結構大きめな【カウンター】を決めようかな

それまではルルディと協力して戦うね
【ランスチャージ】と身体強化で引き出した【怪力】を生かして【串刺し】と【鎧砕き】を狙っていくよ!

防御は氷の魔力をオーラ代わりに【オーラ防御】、ルルディで【武器受け】、更に痛いのには慣れてるから【激痛耐性】で迎え撃つよー



「さっきは一本取られてしまったけど……もうそうはいかないよ!」
 ぶぁさぁ、と外套を翻すミスターショータイム。
 1分ぐらい前までオブリビオンとしてアカン醜態を晒してしまった怪盗は、しかしそのわずか1分できっちり精神を立て直していた。
 アトシュはそれを見て、着込んだ服のフードを揺する。
「やっぱり簡単には倒されないみたいだね。よし、それじゃ頼むねルルディ!」
「――!」
 主の声に反応して、ミニサイズの竜『ルルディ』がフードから飛び出してひと鳴き。その体をランスへと変えて、アトシュのひらいた手にすっぽりと収まった。
「ショータイムになんかさせないよ!」
「面白いね! 越えるべき敵があってこそ燃えるってものだよ!」
 互いに一歩、蹴りだす。
 それだけで弾かれたように飛び出した二人の体は、もうお互いを間合いの内に収めていた。
「それっ!」
「おっと! ならお返しだ!」
「ぐっ……!」
 突き出したランスがミスターショータイムの腹を貫くが、向こうのステッキも逆にアトシュの肩に深くめりこむ。全身に氷のオーラを纏って防御はしていたが、敵の攻撃はその防御の上からしっかりとダメージを与えてくる。
「でも、負けるか!」
「こっちだって、きみに負けはしない!」
 繰りひろげられるランスとステッキの応酬。
 辺りに浮遊する撮影機材は、そんな一進一退の戦いを余さず全世界に配信する。
 ――が、しかしここでミスターショータイムが気づく。
「はっ!? 視聴者数が!」
 手元の配信画面に目を落とした怪盗が、慌てた声をあげる。
 互いに着実にダメージを与えあう戦いは当人同士にとっては気の抜けないものだった。しかし配信を見る視聴者にしてみれば退屈……ゆえに視聴者数は横ばいだったのだ!
「これでは……!」
 視聴者の増減がなければミスターショータイムの力は引きだされない。
 アトシュはそれを狙っていた。
「困ってるみたいだね……でもオレのほうは互角の戦いでも問題ない!」
「ぐっ……ああああああっ!?」
 幾多打ちあい、その身に傷を作ったアトシュがユーベルコードを発動する。彼が突き上げたランスに呼応して亡霊たちが現れ、槍衾を形成して一斉に怪盗の体を串刺しにしてゆく。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒木・摩那
見られることで元気になる人っていますよね。
よく春先の夕やみにコート羽織ってる人とか。
同じ性癖なんですかね……

もう溜息しか出ませんが。
ここで倒しておかないとさらに拗らせて面倒なことになりますからね。

見られて元気になるならば、誰も見ることができないようにするのが一番でしょう。
UC【胡蝶天翔】で周囲の壁などを黒蝶に変換して、空間を蝶で満たします。

攻撃はヨーヨー『コメット』を使います【先制攻撃】【衝撃波】。

相手の位置はこちらも分かりませんが、
スマートグラスのAI予測や【第六感】を駆使して、探り出します。
ヨーヨーの軌道を【念動力】で曲げて、回避しにくくするとともに、
微調整します。


雛月・朔
【WIZ】

(独特の様式美をお持ちのようですが…案外厄介そうな手合いですね)
ではこちらも精一杯かっこいい映像が流れるように、頑張るとしまししょうか。

UC『魂火の祈り』を唱えます。これは敵を攻撃するものではなく、味方の身体能力を向上させるUCなので自身やヴィクトルさん、他の猟兵の皆さんを対象に炎を飛ばし強化します。
さすがにこれだけではヴィクトルさんも戦えないと思うので保険程度ですが、他の猟兵の方々ならこれでお相手のいうショータイムに相応しいアクションシーンが取れるでしょう。

UCを唱えたあとは【念動力】と【グラップル】で見えない拳で殴るイメージを飛ばして後方から援護します。



 猟兵たちの攻撃が確実に、ミスターショータイムを削ってゆく。
 しかし同時に未だ健在であることも確かだ。その身に何本もの槍で孔を開けられようと、彼が周囲に設置した配信機材は変わらず稼働を続けている。
(「独特の様式美をお持ちのようですが……案外厄介そうな手合いですね」)
 朔は周りを確認して、その心を引き締める。
 そして隣では摩那が神妙な顔つきで考えこんでいた。
「見られることで元気になる人っていますよね。よく春先の夕やみにコート羽織ってる人とか。同じ性癖なんですかね……」
「……」
 心を締めた紐がゆるゆる解けるのを感じる朔。
 それでも両頬をポンポン撫でたりして何とか気合を取り戻すと、朔は無数の灯火を生み出した。炎でありつつ不思議と温かなそれは、その場にいる猟兵やヴィクトルの体に吸いこまれてゆく。
「うおお!? 何だこいつは……?」
「これは……力が強まるようです」
 炎を取りこんだヴィクトルが怪訝そうに自身の体をまさぐり、摩那が感覚を確かめるように幾度も手を握る。肉体に活力がみなぎるのを感じていた。
「私のユーベルコードなんですよ♪ これで、あちらの言うショータイムに相応しいアクションシーンを見せてあげましょう」
「なるほど。そういうノリは嫌いじゃないです」
 くすっと悪戯な笑みを浮かべて、摩那がミスターショータイムへと向き直る。
「ですが、いくら華麗なアクションを披露しても、あちらにはもう見えませんけどね」
「見えない?」
「ええ」
 首を傾げて覗きこんでくる朔の目の前で、摩那のユーベルコードが発動する。
 途端、美術館のあらゆる場所から、黒々とした闇が噴出した。まるでガス管でも破れたかと見紛うほどの勢いで黒い靄が充満し、ミスターショータイムも動揺を見せる。
「な、何だこの黒いのは……!!」
 ぶんぶん、とステッキを振って闇を払うミスターショータイム。
 だがそこで彼は気づいた。黒の正体は、黒蝶の群れであると。飛び回る蝶の群れは引き裂いてもすぐに元の形を取り戻し、払えども払えども場を満たす暗黒は晴れやしない。
 ミスターショータイムは苛立ち、強く床を踏みつけた。
「ええい、これじゃ何も配信に映らないじゃないかぁ!!」
「見られるのが好きなようですから、誰も見ることができないようにしてあげましたよ」
 闇の向こうから聞こえる怒声に微笑んで、摩那が超電導ヨーヨー『コメット』を取り出す。
 黒蝶が満ちたおかげでミスターショータイムには何も見えず、彼の機材も何も映さない。だがそれは摩那も同じで、彼女の視界もまた暗黒に覆われている。
 けれど構わず、摩那は『コメット』を射出した。カーボンワイヤーが疾走し、超合金製のボディが闇を切り裂く。
 そして、ミスターショータイムの体に見事に命中した。硬いボディに腹を穿たれた怪盗は、そのまま衝撃波で壁にまで吹っ飛ばされ、強かに背を打つ。
「が、はっ……!? ど……どうやって……!?」
「私の眼鏡には優秀なAIが搭載されているんですよ。それと勘です」
「勘!?」
 何か言いたげな反応が聞こえたが、摩那はそれをスルーして、隣の朔に目を向けた。距離が近い分、辺りが黒くても互いに顔を見ることぐらいはできた。
「朔さんの火のおかげで、だいぶ勘も冴えていましたね」
「それはよかったです♪ でもまだまだ気は抜けませんよ」
「そうですね」
 摩那が再び『コメット』を構え、朔も着物の袖に隠れた拳を握る。
 ミスターショータイムはまだ倒れてはいない。戦いは続くのだと、二人は表情を引き締めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

バルドヴィーノ・バティスタ
(アドリブ・連携歓迎)

へーえ?オブリビオンでも手下の調達だの下準備にゃカネは要るンだな?
そりゃブッ飛ばして奪いがいがありそうだ、俄然やる気が湧いてきたぜ!

そんじゃ手始めに<破壊工作>、もとい嫌がらせといくか!音と光の力をこめた『エキストラジョーカー』の<属性攻撃>をバラまいて視覚と聴覚をダメにしてやらぁ!
台無しにするのはテメーの目と耳だけじゃねーぜ、いくらカメラを置いたってこの閃光と爆音じゃ満足に配信出来っかなァ?
さァて!こっちは『ブラッディヴァルチャー』で光を遮りながら攻撃だ!

…ってのは囮なんだよなァ。
外套を<投擲>して敵の動きを止めるついでに身軽になったらUCのダガー攻撃、コイツが本命だ!



「へーえ? オブリビオンでも手下の調達だの下準備にゃカネは要るってワケか……」
 骸の海から限りなく生まれる存在にしては、嫌に現実的な話である。
 バルドヴィーノはそんな事情に少しばかり関心を覚えながら、しかしニヤリと笑みをこぼすとトランプデックを取り出した。
「そりゃブッ飛ばして奪いがいがありそうだ、俄然やる気が湧いてきたぜ!」
 指で封を弾くと同時、デックから54枚のカードが滑りだす。
 それを片手で器用にまとめて収めると、バルドヴィーノは猟兵と戦う最中のミスターショータイムへとその脚を駆けさせた。
「まずは嫌がらせ! 視覚と聴覚をダメにしてやらぁ!」
 威勢の良い声とともに、バルドヴィーノがトランプを放つ。カードはさながら投げナイフのように空間を切り裂いて進み、床や天井、壁に楔のように突き刺さった。
 そして――目を焼くような閃光。頭を打つような轟音。
 バルドヴィーノがカードに込めた音と光の力だ。炸裂したそれはミスターショータイムの感覚を奪い、酔ったように体を傾がせる。
「……こっちを驚かそうって言うのかな? やってくれるね……!」
「カメラのほうも、この閃光と爆音じゃ満足に配信出来ねェだろうなァ!」
 身に纏う外套『ブラッディヴァルチャー』の隙間から、大笑いを響かせるバルドヴィーノ。音と光をその厚くさせた生地で防いだ彼は、そのままミスターショータイムの懐まで突っ走った。
「向かってくる……でも、そんな単純な動きで捉えられると思わないでよね!」
 ミスターショータイムが脚に力を溜める。
 幾多の修羅場を乗り越えてきたその速力でもって、怪盗は迫りくるバルドヴィーノをかわすつもりだった――が。
「……ってのは囮なんだよなァ」
 敵が動き出すよりも速く、バルドヴィーノは外套を脱ぎ捨て、それを放る。
「!?」
 ものの見事に外套を被せられたミスターショータイムが、瞬間に陥った暗闇に動転する。
 その隙を逃すことなく、バルドヴィーノは懐からダガーを抜いた。
「悪いが、コイツが本命だ!」
「ぐがっ……!?」
 加速したバルドヴィーノの刺突が、ミスターショータイムの胴を深く、貫いていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

カイ・シュリック
アドリブ連携歓迎

録画……実は未だによく分かっていないが、一生記録が残るとかそういうヤツだろうか
正直恥ずかしいから辞めて欲しいが……始まった以上は仕方がない
せめて情けない記録が残らないように頑張ろう

まずは焼鏝を起動して、これで攻撃していこう
【フェイント】や【だまし討ち】の技術を活かして敵を攻撃していくぞ
だが相手の技術も本物
逃げ足に追いつけるかまでは分からないな

だからこそ本命は別に用意する
攻撃の最中に【物を隠す】技術でこっそりと鋼糸を仕掛けていく
カメラの脚やパーツ等に引っ掛けたりも出来ればいいな
そして相手をそちらに追い込んで、引っかかったタイミングでUCだ
逃げ足を封じてから一気に縛り込んでやろう


戸川・春
やっぱり相手は速いな……
アーバレストは盗まれたら困るからケースの中にでも入れて【物を隠す】で目立たない様にしておく。
毒や怪力も食らうと対処し辛いからサブマシンガンの【制圧射撃】で【時間稼ぎ】しながら距離を取ろう。
ケースも頑丈だし、少しくらいなら【盾受け】でしのげるかな?
敵を見失ったら【野生の勘】を働かせて、何とか暗殺されるのは避けたい。
後は【地形の利用】で隠れて、アーバレストの弦を引き絞って特別製の矢を射掛ける。
【スナイパー】としては距離を取れれば有利だし、なるべく落ち着ける所から攻撃したい……そんな感じ。



 どこへ動こうとも、カメラが自分の姿を捉えている。
 館内に設置された大量の配信機材を見て、カイはじっと固まっていた。
「録画……もしかして一生記録が残るとかそういうヤツだろうか。正直恥ずかしいから辞めて欲しいが……」
 ぽつり、とこぼすカイ。
 何を隠そう、彼は今ひとつ配信というものがよくわかっていなかった。
 だがそれで仕事を忘れる男ではない。
「……せめて情けない記録が残らないように頑張ろう」
 思考を割り切り、カイが長物の焼鏝を握る。手に馴染んだ柄から自身の血液を送りこみ、先端の円形に煌々と熱を灯らせた。
「いくぞ」
 棒術のように焼鏝を構え、飛び出すカイ。
 床を思いきり蹴りつければ一息に間が詰まり、ミスターショータイムの頭に叩き下ろすべく振りかぶる。
「そんな攻撃、受けると思うかい?」
 胴に孔を開けたままの怪盗が、手負いとは思えぬ体捌きで焼鏝の軌道をかわす。
 が、実際には焼鏝はそこを通りもしなかった。振りかぶる殺気だけで相手を惑わしたカイは、そのまま流れるように横薙ぎにミスターショータイムを殴りつける。
「痛ッ……というか熱ッ!? 熱ーッ!!?」
 ジリッ、と音さえ聞こえそうな灼熱感に騒ぎ立てるミスターショータイム。
 そこへカイは声もなく焼鏝を振り下ろした。日々こなす『仕事』のように淡々と――しかし焼鏝は空を切り、ミスターショータイムは遥か後方に移動していた。
「危ない危ない。またくらっちゃたまったモンじゃないよ」
「さすがは怪盗だな」
 焼鏝を持ち上げ、わざとらしく胸をなでおろす相手を見据えるカイ。
 一方、気づけば位置を変えていたミスターショータイムの恐ろしい逃げ足に、様子をうかがっていた春は感嘆した。
「やっぱり相手は速いな……」
 呟くなり、クロスボウ『アーバレスト』を専用ケースに仕舞いこむ春。
 逃げ足がああならば盗みの腕も尋常ではないはず。盗まれて困る物は盗めぬようにしておいたほうが良い、という判断である。
 代わりに、春の手には『スペシャルフォースサブマシンガン』が収まっていた。
「制圧射撃ならこっちのほうがベター……」
 引き金を引き、弾丸をばらまく春。
 けたたましい銃声とともに、無数の弾がミスターショータイムに集まってゆく。
「おぉっと、物騒だな!」
 跳躍し、展示品のケースに飛び乗って銃撃を避けるミスターショータイム。標的を失った弾丸は床を抉り、巻き上げた破片がそこかしこへ暴れまわる。
 だが春の顔に落胆の色はない。
 むしろ、状況は彼女の狙いどおりになっている。
「距離を確保できたね……じゃあ接近戦はよろしく」
「ああ。任されよう」
 焼鏝を手に駆けゆくカイが、ひらひら手を振る春を一瞥して言った。
 春の本分は射手、ひいてはスナイパーだ。敵との距離は離しておくに越したことはなく、サブマシンガンをぶっ放したのもその距離を作るためだった。
「あらら……いい形にしちゃった?」
「そういうことになる」
 おどけてみせるミスターショータイムへ、カイが再び焼鏝を振るう。
 触れれば問答無用で溶かし落としそうな焼鏝は敵の体を掠めた。服の焦げる匂いが立ち、逃げ回る怪盗の様子にもいくらか狼狽が見て取れる。
「まったく、しつっこいなあ!」
 床を砕く焼鏝を避け、ミスターショータイムが大きく後退する。
 そのときだ。何か細い物が脚に引っかかった。
「なっ!?」
「悪いな。俺も闇雲に攻撃していたわけじゃない」
 冷静な表情を崩さぬまま、カイはよろめく怪盗に告げる。
 ミスターショータイムの脚に絡みついているのは鋼糸だった。焼鏝を振り回しつつ、カイは密かに鋼糸を張り巡らせていたのだ。砕けた床の突起や展示ケース、敵が配したカメラの脚などに引っかけて、綿密な罠を張っていた。
「さて、縄についてもらおうか」
「くそっ! こんな罠に気づかなかったなんて……!」
 手枷に猿轡、ロープを放って瞬く間に泥棒を縛り上げると、カイは遠く待機していた春に目を向ける。
「あとは任せる」
「うん。こっちも準備万端……」
 目を眇めて狙いを定める春が構えているのは――ケースから取り出したアーバレスト。
 弦を冷徹に引き絞っていた手がひらかれると、跳ねだした矢は一直線に飛んでいき、拘束されたミスターショータイムの胸のど真ん中に突き刺さった。
「ぐああっ……!!?」
「命中……それじゃ、さようなら」
 告げる挨拶が空気に溶けて消える間もなく、刺さった矢が盛大に炸裂する。
 内部から爆ぜたミスターショータイムはそのまま、自らが回していたカメラに見届けられながら、塵のように消滅してゆくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 日常 『名乗り文句を決めろ!』

POW   :    勢い良くインパクトのある名乗り

SPD   :    冷徹でクールな雰囲気を漂わせる名乗り

WIZ   :    賢さと思慮深さを見せつける名乗り

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 眩しい眩しい朝日が、待ち受けていた。
 事件を収束させた猟兵たちは美術館から外へ出るなり、降りそそぐ陽光に目を細める。気絶していた少女兵たちの介抱や館内の片づけなんかをしていたら、いつの間にやら朝である。
「長い夜だったな……」
 青々とした空を見上げるヴィクトル。
 ちなみに後ろ手で手錠である。
 阿呆とはいえ犯罪者であることには変わりない彼は、やはり罪を償う必要がある。というわけで猟兵たちはとりあえず逃げられないように手錠だけはしといたわけである。
 が、ムショ行き確定コースの割にヴィクトルは平然としていた。
「あんな非常識な奴と組んじまうとは俺もヤキが回ったもんだぜ……そろそろ潮時だったのかもしれねぇな……」
 とか言って遠い目を見せやがるヴィクトルくん。
 さして老いてもいないどころか、むしろ前途有望な若者のくせして彼は早くもヴィラン引退を考えていた。
「やっぱ俺が憧れていたほど、ヴィランってのはキラキラしてねぇしな。格好良い奴もいれば格好悪い奴もいるし……そのくせ危険だけはありやがるしぃ……」
 朝の路上を歩きながら、ヴィクトルはぶつぶつと呟いた。
 おそらくは子供の頃に抱いた憧れと、今の自分の現実とのギャップに思うところがあったのだろう。それが命を落としかけたことで顕在化しているのだ。
 ――であれば今はひょっとして、更生させるチャンスなのではないか?
 ヴィクトルを見ていた猟兵たちはそう思った。
 幸い彼はヴィランに助けられてヴィランを志すほど単純明快な男だ。ならばついさっき助けられた自分たちの言葉なら聞き入れるかもしれない。
 己の罪を償った後、もしかしたら今度は悪と戦う側に立っているかもしれない。
 呑気に鼻歌なぞ奏でているヴィクトルを、じぃっと見つめる猟兵たち。

 よし、ヒーローズアースのためにヒーローを増やしてやろう!
 一同は、阿呆で単純なヴィクトルくんを改心させることを決めたのである!


※※※※※
 ヒーローの格好良さを説き、ヴィクトルを改心させましょう。
 行動例には名乗り文句とありますが、別に名乗りである必要はありません。
 偉い人に褒められるとか、モテるとか、有名人になれるとか、そんな甘い言葉で単純思考のヴィクトルを光の道に引きずりこむのです!
 もちろん、名乗りを披露しても構いません。
 それが格好良かったら、むしろヴィクトルの阿呆の心に突き刺さること請け合いです。
※※※※※
アトシュ・スカーレット
【WIZ】

……ええと、その、普通に危ないならやめよう…?と思ったけど口にはしないどこう

「えっと、オレ、そんなに活躍したいとか、そんな願望ないけど…。
誰かに憧れるような人になりたいなら、ヴィランやるよりいい人になったらどう?
ヴィクトルさんだって、誰からか憎まれるより、褒められる方が嬉しいんじゃないの?」

アドリブ、連携大歓迎


雛月・朔
うん…ミスターショータイムは敵ながら哀れでしたね。猟兵相手に勝算が有ったようにも見えませんが…。

さておき、ヴィクトルさんの説得ですか…。
ヒーローになったときのメリット…。
その活躍ぶりから有名人になることはもちろん、後世にも名前が伝わるとか、新生児の名前に引用されたりドキュメンタリー映画が作られたりとにかく多くの人々にその存在と名を憶えられるようになるとか、あるんじゃないでしょうか?



(「危ないと思ってるなら普通にやめればいいのに……」)
「? どうした? 何か言いたそうな顔してねぇ?」
「いやいや別に」
 心を読んだみたいにクルッと振り返ったヴィクトルに、アトシュは顔の前で手を振りつつ笑って誤魔化した。
 変なことを言えば意固地になって「ヴィラン続ける!」とか言いだすこともあるかもしれないのだ。無用な発言は避けるに限る。
「なぁんか気になるんだよなぁ……」
「え? 何言ってるの。そんなこと気にしてないでさ、これからのこと考えたら?」
「そりゃあそうだけどよ……」
 目を細めて怪しんでくるヴィクトルの肩をぽふぽふと叩いて、アトシュは強引に話題を切り替える。ヴィクトルもそう言われては追及はできず、大人しく引き下がった。
「えっと、オレは活躍したいとかそういう願望はないんだけど……誰かに憧れられるような人になりたいなら、ヴィランやるよりいい人になったらどう?」
「いい人……つまりヒーローみてぇに人助けってことだよな? うぅん人助けねぇ……」
 ヴィクトルのひとまずの反応は渋い顔だった。
 今の彼からはまるっきり逆方向に舵を切るわけなのだから、無理もなかった。
 しかし人が更生できるかもしれない折角の好機をふいにするわけにはいかない。
 朔は着物の裾を揺らし、袖を揺らし、ちょこちょこと小走りしてヴィクトルの隣に顔を出してみた。
「ヒーローでもいいじゃないですか。あのミスターショータイムの哀れな最期をヴィクトルさんも見たでしょう?」
「そう言われると反論はできねぇ……」
 朔が肘でつんつんすると、ヴィクトルは顔を青くして苦笑する。
 当たり前だがミスターショータイムのやられっぷりは鮮明に頭に残っていた。割と弄ばれた末に矢を撃ちこまれて『ボーン!』ってなった彼の二の舞になりたい者がいるわけがない。
「爆死は洒落にならんよな……」
「そうでしょうそうでしょう。だから今のうちにヒーローに転身しませんか? ヒーローになれば有名人になれますよ」
「詳しく」
 キリッ、と鋭い目つきで朔を見返してくるヴィクトル。
 功名心をビンビンに揺り起こされた小悪党の瞳はギンギンだった。
「例えばヒーローになったヴィクトルさんは、その名前を後世に残すでしょう。世間では新生児の命名ランキングで『ヴィクトル』が1位になり、人気は留まるところを知らずドキュメンタリー映画まで作られるかもしれません。もちろんそれも大ヒット」
「映画スターもびっくりだな!!」
「それがヒーローです」
「ヒーロー、パねぇ……!」
 朔の口から語られた輝かしい未来予想に、じわりと汗すら滲ませるヴィクトル。結構盛ったけど1ミリも疑ってないっぽいので朔は胸中でぐっと拳を作った。
 そこへさらにアトシュも加わって、二人は揺らぐヴィクトルを両サイドから挟む。
「ヴィクトルさんだって、誰からか憎まれるより、褒められる方が嬉しいんじゃないの?」
「確かに褒められるほうが嬉しい……」
「ヒーローになって、褒められて、多くの人々の心にその存在と名を刻んでみては?」
「俺の名前が歴史に……」
 まんまとアトシュ&朔に言いくるめられ、悶々とヒーロー生活を夢想するヴィクトル。
 まだ首を縦に振ってはいないけれど、これは陥落も早そうだ。
 そう悟ったアトシュと朔は、ヴィクトルの背後に回した拳を軽くぶつけるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

戸川・春
説得とか、私向きじゃない気がするけど……仕方ない。
猟兵の仕事は、大変……。

えぇと、足を洗うならいっそヒーローになって欲しい。
ヒーローもヴィランと同じかも知れない。
かっこよかったり、悪かったり。危険もある。
でも多分、みんなキラキラはしてる……さっきの見たいなのの片棒担ぐ事も無いと思うし。
戦う事になったら、猟兵も駆けつける……今回と違う面子かも知れないけど、強いのが。
だからヒーローになって、昔の私みたいな、ただの一般人を守って欲しい……。

色々言ったけど私は知ってる。
単純な男に言う事を効かせるなら、説得より効く方法があるって。
そんな考えは顔に出さず、私はヴィクトルの腕をぎゅっと抱きしめるのだった。


カイ・シュリック
アドリブ連携歓迎

ヴィクトル……確かにオブリビオンと手を組んでしまったのは災難だったな
だけれど、戦闘中の身のこなしは悪くなかった
お前には才能がある。それをここで終わらせてしまうのは勿体ないと思うぞ

例えば今回のように戦えば、巻き込まれた人達……あの戦闘兵にされた女の子達すら助ける事が出来る
それは凄く大切な事だと思うし、なかなか出来る事ではないと思う
お前の能力、そちらの方面で活かせばいいんじゃないか?

それとヒーローなら世間が色々保証してくれるだろうし……
生活も安定するだろうし……
コソコソしなくていいし……
良いこといっぱいだな、やったな
罪を償ってからにはなるが、ヒーローを目指してみたらどうだ?



「足を洗うならヒーローになったほうがいい、と思う」
 薔薇色の未来を考えはじめたヴィクトルの前にひょっこり顔を出すと、春はその青い瞳でまじまじと彼の顔を見つめた。
 実のところ喋ることは得意ではない春である。
 しかしこれも猟兵の仕事と割り切って、拙いながらも言葉を継ぐ。
「言ってしまえば、ヒーローもヴィランと同じかも知れない。かっこよかったり、悪かったり、危険もあると思う。でも多分、みんなキラキラはしてる……さっきみたいなのの片棒担ぐ事も無いと思うし」
「キラキラか……いやそりゃ重要だと思うぜ。なんとなくだけどよォ」
 春がぽつりぽつりと紡いだ言葉を拾って、ヴィクトルは神妙な顔で何度も頷く。
 基本的に頭の悪い男である。
 キラキラ、という抽象的な表現がスットーンと胸に落ちたのだろう。猟兵たちは彼の心の天秤がまたひとつ更生に傾く音を聞いた。気がした。
 カイはヴィクトルの隣に移動してくると、きらりと光る眼鏡をくいっとやる。
「ヴィクトル。さっきの戦いで見せた身のこなしはわるくなかった。お前には才能がある。それをヴィランとして腐らせてしまうのは勿体ないと、俺は思うぞ」
「才能……モッタイナイ……」
 ぴくりとミミを動かすヴィクトル。
 褒められた彼の表情は明らかにゆるゆるだった。これまでの素行ゆえに褒められる機会などなかった小悪党は、目に見えて嬉しがっている。チョロい。
「例えば今回のように戦えば、巻き込まれた人達……あの戦闘兵にされた女の子達すら助ける事が出来る。それは凄く大切な事だと思うし、なかなか出来る事ではないと思う。お前の能力、そちらの方面で活かせばいいんじゃないか?」
「そうか……あんたらみたいな奴が言うんだし、もしかして本当に俺に向いてるのかもしれねぇな……人助けって」
 さらに称賛を重ねてきたカイにより、ヴィクトルの顔がいっそうニヤける。後ろに回された手の指がパッパッと忙しなく開閉しているのは面映ゆさの表れかもしれない。
 そんな落ち着きないヴィクトルの腕を、春は自分の腕を絡めてぎゅっと抱いた。
「のおう!?」
 びくん、と情けなくも上ずった声を出すヴィクトル。
 春の年齢不相応な胸部がむにゅっと腕に当たっているのだ。むにゅっと。
「もし戦う事になっても今度もまた猟兵が駆けつける……だからヒーローになって、昔の私みたいな、ただの一般人を守って欲しい……」
「お、おうおうおう……」
 ヴィクトルが顔を春から逸らしながら、ぱくぱくと口を動かす。意外とウブな反応を見せてしまっている彼は、春がすべて計算ずくでやっていると知ったならきっと泣いてもいい。
 カイは余裕のなくなった男へ、そっと耳打ちをした。
「ヒーローなら世間が色々保証してくれるだろうし……生活も安定するだろうし……コソコソしなくていいし……今みたいな幸運も訪れるかもしれない。良いこといっぱいだな、やったな」
「マジか。ヒーローって美味しすぎない??」
 真顔でカイのほうへ振り向くヴィクトル。
 ヒーローになれば有名になれるだけでなく様々な恩恵までついてくる。
 その事実に、ヴィクトルくんの心は徐々にそっちの方向で固まりだすのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
【WIZ】
ヴィランの現実が分かったならば、早めの改心をお勧めしますよ。
今のままだったら、いつまでも裏街道まっしぐら。
今回は救援が来て、命が助かったけど、
普通はあの場面、死ぬところですからね。

ヒーローのいいところは堂々と名乗りがあげられるところですし、
人々のキラキラした尊敬の眼差しを受けることもできます。

それになによりかっこいいからモテますヨ【言いくるめ】。


バルドヴィーノ・バティスタ
【SPD】
(アドリブ・連携歓迎)

ま、個人的にゃヴィランでいたいならそれでいんじゃね?たァ思うが、ちょいとヒーローのメリット的なのも説いておくか。いちおう。

なァ、ヴィランってのは大変だろ?危ねェ橋渡ったってのに成果は無し…どころか危うく死ぬとこでした、とか。
だがヒーローなら組織の援助も受けられる、ヒヤヒヤせずに儲けられるンだぜ?
…特別におまけで教えてやろうか。ヒーローはな、信念を持つ奴が持て囃される。
…つまりな。己の流儀に従ってオブリビオンに反逆したお前みてーなのはな…モテるンだよ。

さぁ後はお前が決めることだぜヴィクトル!
ぶっちゃけ詭弁も詭弁だ、ノッたらノッたで筋金入りのアホだと思うがな!



「ヴィランの現実が分かったならば、早めの改心をお勧めしますよ」
 段々と顔が阿呆になっていたヴィクトルへ軽い調子で言ったのは、摩那だ。
 さながら保険の勧誘員っぽいムーヴでススッと近寄った摩那は、そのまま語らいだす。
「今のままだったら、いつまでも裏街道まっしぐら。今回は私たちが来て何とか命は助かりましたけど、普通はもうあなた死んでたところですからね」
「それはもう本当に何も言い返せねぇ……感謝してるぜマジで」
 苦笑いの顔を摩那に向けるヴィクトル。
 彼とて己の命が助かったのは猟兵たちのおかげだと理解している。もし誰の助けもなかったならば、今こうして朝日を浴びることもできなかっただろうと。
 バルドヴィーノは、今日まさに九死に一生を得た男の肩に腕を回した。
「ヴィランってのは大変だな? 危ねェ橋を渡ったってのに成果は無し……どころか危うく死にかけるなんてよ」
「まったくお前の言うとおり、割に合わねぇ稼業だぜ……でもヒーローに転身すりゃそんな生活とはオサラバなんだよな?」
 自嘲気味に鼻を鳴らしたヴィクトルが、間近にあるバルドヴィーノの横顔を見る。
 その視線を受けて、バルドヴィーノはニヤリと含みのある笑みを浮かべた。
「ああ。ヒーローなら組織の援助も受けられるから、ヒヤヒヤせずに儲けられるぜ」
「……そう聞くとますますヒーロー生活に憧れずにはいられねぇな」
「いいですよ、ヒーロー。堂々と名乗りがあげられますし、人々のキラキラした尊敬の眼差しを受けることもできますからね」
「有名になれて安全で尊敬される……メリットしかねぇな!」
 くはは、と笑い飛ばしさえするヴィクトル。
 現在の生活とあまりにかけ離れすぎて笑うことしかできない彼の心は、いよいよ九割方は固まっているだろう。放っておいても刑期を終えたら再スタートを切りそうである。
 が、何事もきっちりと仕上げることが大切だ。
 そう思えばこそ、摩那は手の甲を口元に添えて、そっと囁いた。
「それになによりかっこいいからモテますヨ」
「詳しく」
 キリッ、と本日二度目となる獣の眼光を見せるヴィクトル。
 なんという単純思考。その食いつきの良さからしてどう考えても有効なので、バルドヴィーノも続いて彼に囁いてみる。
「特別に教えてやろう。ヒーローはな、信念を持つ奴が持て囃される。つまり何が言いたいかというと……己の流儀に従ってオブリビオンに反逆したお前みてーなのはな、モテるンだよ」
「ということは……モテ期!!」
 ヴィクトルの目がくわっ、と凄まじい迫力をもって見開かれた。
 そして一瞬後には、ぴたっと閉じられる。
 瞼の裏に投影されるのは――何十人という女性たちに囲まれ、爽やかに往来を闊歩する自分の姿である。
「すごくイイ!!」
「さぁ後はお前が決めることだぜヴィクトル! モテるヒーローになるのか、日陰者としてこの先も生きていくのかはなァ!」
 ぺかーっと目を輝かせるヴィクトルへ、バルドヴィーノは豪快に言い放った。
 ぶっちゃけ詭弁も詭弁、ノッたらむしろすごい、バルドヴィーノが自分でそう思ってしまうほど、基本的に何の根拠もない主張だった。
 だがしかし、それは確かに、小悪党の心をぐっと一押ししたようで。
「どうやら俺の時代が来るようだな……!」
 今日イチの綺麗な笑顔で、ヴィクトルは眩しい朝日を見上げていた。
 良かった。阿呆な男で良かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
人は誰も呼ばないが
自称して愛とせいぎの小悪魔(リトルデビル)♡
アリス・セカンドカラー推参☆
あ、覚えなくてもいいわよ?直にそんなのどうでもよくなるから♡
因みに推参って招かれてもいないのに『きちゃった☆』することらしいわぁ。

用意はしてあったけどまったく使ってない名乗りを初御披露目☆
まぁ、それはそれとしてヴィクトルを洗脳もとい改心、いえ洗脳すればいいのよね♪
というわけで、ラブフェロモンバーストに念動力由来の催眠術を載せてー、はい、あなたは正義の味方になーる♡
おっとDT君には刺激が強かったかしら?ちょっと物陰にいって賢者タイムにはいりましょうか。ふふ、ヴィランでは体験できない御奉仕を教えてあげる♡



「何だかヴィランをやめると思うと、世界が色づいたな!」
 そう言って、ヴィクトルは笑声を響かせる。
 どうやら彼も更生したようで、これでめでたく一件落着――。
 と、誰もが思ったときだった。

「人は誰も呼ばないが

 自称して愛とせいぎの小悪魔(リトルデビル)♡

 アリス・セカンドカラー推参☆」

 さっと流れゆく朝の風に髪を弄ばれながら、アリスが路上のど真ん中でドヤァとポーズを作っていた。なんかこう後ろ向いた状態から上体だけ振り返らせて横ピースとかしてた。
 ちなみに『せいぎ』が平仮名なのは、お察し頂きたいと思います。
 猟兵とヴィクトルの間に微妙な沈黙が流れる……。
「きゅ、急に何をしてんだ? お前は……」
「因みに推参って招かれてもいないのに『きちゃった☆』することらしいわぁ」
「訊いてもいないのに雑学が!」
 平然とウインクさえしてきやがるアリスに、ついツッコんでしまうヴィクトル。
 どうやらアリス嬢による渾身の名乗りは今ひとつ効いていないようだ。前から用意していたはいいものの今回がほぼ初披露だからかもしれない。
 が、そんなことはアリス自身、想定済みである。
 なので彼女はぽいっと指先から妖しい炎を放った。
「はい、あなたは正義の味方になーる♡」
「んはああっ!?」
 炎がクリーンヒットしたヴィクトルが間抜けな声を出し、ついでに瞳から光を失う。
「う、うおおおおん……!!」
 そして何だか血走った眼でそわそわしだす。何かが彼の中で燃え上がっているのだろう。
 だいたいアリスが炎に仕込んだ催眠術のせい。
「おっとDT君には刺激が強かったかしら? じゃあ、ちょっと物陰にいって賢者タイムにはいりましょうか。ヴィランでは体験できない御奉仕を教えてあ・げ・る♡」
「ご、御奉仕……!?」
 アリスに手を引かれたヴィクトルが、どきどきした面持ちで薄暗い路地裏に消えてゆく。
 もちろん、猟兵たちが追わなかったのは言うまでもない。

 なお、ヴィクトルはその後、無事に(?)警察に引き渡された。
 それなりの刑に服することになるだろうが、そんなことはもう、彼にとっては何の問題でもないだろう。
「出所したら俺、最高にモテてやるとするぜ!」
 と、ヴィクトルは晴れやかな笑顔で、猟兵たちに親指を立ててきたのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年10月12日
宿敵 『ミスターショータイム』 を撃破!


挿絵イラスト