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零下60℃の調査隊

#UDCアース #南極遺跡

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 とある研究室の一角、そこで様々な道具をまとめている白衣の女性がいた。
 胸元に着けている職員用IDカードには『火野本玲華』と顔写真と共に書かれている。

「……よしっと、今度の調査用の機材はこれで全部ね」

 目の前には専用の撮影機材やドローン、PC等の様々な物がまとめられたスチールケースがいくつか並んでいた。
 普段の調査であれば、ここで準備は終わりなのだが今回は違う。
 UDC組織からの特務依頼……南極でのUDCの連中が建てた遺跡調査なのだ。
 何か進展する発見があるかもしれないと、そう胸に秘めて荷物の調査地域への輸送依頼と一緒に極地装備の申請をする為に所属部署へと向かうのだった。

●アンディファインド・ルイナス
 UDCアースより届いた依頼書を片手に、フェン・ラフカ(射貫き、切り拓く、魔弾使い・f03329)はそれとなく集まった猟兵達へと声をかけた。

「皆さん、まずはお集まりいただきありがとうございます……早速ですが今回の依頼ですが南極大陸でUDCアースの南極にて発見された遺跡調査の協力依頼です」

 説明をしているその場にレプリカクラフトで簡素なホワイトボードを作りあげて、いくつかの資料を張り付ける。
 南極大陸で発見された遺跡周辺の地図や何やら武装した人物の写真の貼られた資料だ。

「見つかった遺跡に関してですが現在入り口に関しては未発見なので、まずは調査の為に今回派遣される研究者と共に入り口探しとなります」

 そう言って地図に描かれた遺跡の様な物の周囲をぐるりと赤線で囲んで最後に矢印を足す。
 そしてどこから出したのか指揮棒で隣の武装した人物らが映る写真を指す。

「中へ侵入出来ましたら同行者が遺跡の調査及び、情報収集を行う事になっていますが……恐らくオブリビオンらの妨害が入る事が予想されます」

 というのも事前調査の段階で邪教集団が活用している傭兵団の一部が南極へと派兵されているのが確認されている。
 邪教集団所縁の傭兵団と派兵地で見つかった遺跡……何もないとは言えないだろう。

「調査の段階に入った時点で皆さんには戦闘を伴った護衛をしていただく事になります」

 さらに言ってしまえば調査さえ出来れば良いとの事、ともかく邪魔をされないように足止めや被害が出ない様に護衛するのが目的である。
 調査とそれに伴う内容に話した時点でフェンはホワイトボードをひっくり返して裏側を集まった猟兵達に見せる。
 そちらには1人の女性の写真とUnknownと一言だけ書かれていた。

「こちらの女性が今回の護衛対象の研究員の方です、元々遺跡調査で壁画や粘土板等の復元などをしていた方だそうです」

 今回の南極調査という事で極地装備、そして対UDC用に支給された耐冷耐狂装甲服『ヒートアーマー』を着用しているとの事。

「……とはいえ彼女自身はただの一般人で、我々の様に戦える人物でなければ恐怖への耐性も人並みです……ヒートアーマー自体がそれなりに頑丈ではありますが、重鈍で恰好の的です。 銃弾の雨に曝されれば調査どころか死の恐怖に負けて発狂すらあり得るでしょうし、そもそもアーマーとは名付けられてますがグリーンチップやアーマーピアッシング弾なんか使われたひとたまりも無いでしょう」

 多少の被弾は良いだろうがそれが続けば中の人が精神的にも物理的にも持たない。
 故に猟兵達にこの依頼が来たのだろう。

「最後に未確認情報ですがボスクラスのオブリビオンが徘徊している可能性があります、こちらはUDC組織からではなく、私の予知によるものなのですが……恐らく撤退戦に食い込んでくると思われます」

 断片的に確認できたのは鉄の棒が襲ってくるシーンのみ……故に断言が出来なかったのだ。
 必要な説明を終わらせると手にしていた指揮棒とホワイトボードを崩す。

「……これは最終的にはという話なのですが、どんな形であれ調査データさえ手に入れば問題はありません」

 言外に調査員の生死は問わないと、そう集まった猟兵達に告げる。
 ランタンを手にして火を点けると道を照らすようにゲートが開く。

「しかし、意味もなく無辜の市民を手放さない様にお願いします」

 そうゲートへ向かう猟兵にお願いをして送り出すのだった。


ダムナティリウス
 はじめましてこんばんは、ダムナティリウスです。
 今の時期の南極は-60度前後らしいですね。
 ちなみにルイナスとはラテン語で遺跡だそうです。

 今回の依頼は南極で見つかったUDC由来の遺跡調査になります。
 内容をおさらいしますとこんな感じです。

●1章 遺跡調査
 南極で見つかった遺跡への侵入経路探しです。
 持ち込んだ機材設置協力や入り口探しなど協力しましょう。

●2章 調査と防衛戦
 侵入した遺跡の情報収集をする研究者の護衛任務となります。
 戦闘している後方で彼女は頑張って遺跡の情報集めをしてます。
 OPで言った通り非戦闘人員なので戦えませんし、直接死の恐怖と対面すれば手が止まるかもしれません。

●3章 撤退戦
 調査終了した研究員とデータと共に遺跡から逃げます。
 傭兵団やそれ以上の敵が追ってきますので撃退、または足止め逃走しましょう。

●NPCについて
 火野本 玲華(ひのもと れいか)UDC組織に所属している遺跡調査等をしている研究員。
 後方要員であるが、今回の遺跡調査で研究者魂に火がついて志願。
 組織に所属している為、ある程度の訓練は受けているものの能力としては一般人と大差はない。

 護衛対象を蔑ろにしなければ、或いはダイスの女神様が乱心しなければ問題無く帰ってこれると思います。
 それではよろしくお願いします。
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第1章 冒険 『南極遺跡調査』

POW   :    荷運びやUDC職員の護衛を行い、調査の安全を確保する

SPD   :    先行偵察や後方の警戒を行い、危険に備える

WIZ   :    UDC職員と共に遺跡周辺を調査し、入口となる場所を探す

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ツヅリ・デルタドロップ
「データさえあれば研究員の人の安否は問わないみたいだけど、できれば怪我なく無事に帰ってもらいたいね。……できればじゃなくて、それをするのが私の仕事だね。」
19式突撃銃を構えて先行偵察を実施。周囲に擬態できるよう白迷彩のジャケットを着用する。
足跡や物音など僅かな異変に気づけるように周囲に目を凝らし、耳を傾ける。
「周囲に怪しい物はないし、とりあえず大丈夫そうだね。」
先行偵察で問題がなければ研究員のすぐ近くで護衛しながら遺跡の入り口探しに協力。
護衛メインで研究員の指示があればそれに協力して入り口を探す。
「火野本さん、何かあったら声をかけてね。貴女に危険が及ばない範囲で協力させてもらうよ。」



 雲と地平線の境目が判らなくなるほどに真っ白な光景が続く南極の地に、ツヅリ・デルタドロップ(支部長代理・f21539)は転移ゲートから移動してくる。
 周囲は雪化粧でただただ白く空の青さが目立つ光景だったが、その景色の1ヶ所に色がぽつんと置かれているのを確認した。
 そこへと近づいていけばパルカを着用して何やら機材を配置している一団が居た。
 目の前を通りかかった人へと声をかければ、こちらが今回の調査に協力してくれる猟兵だと気付いてすぐにと火野本研究員の元へと案内される。

「初めまして、今回の現地調査をする火野本・玲華です」

「私はツヅリ・デルタドロップだよ、今回の調査はよろしくね」

 笑顔で挨拶を交わして現在の状況を確認する。
 ソナーを使った調査によって遺跡はこの周辺にある事が判明しており、後は入り口となる箇所を探して氷を削り、場合によっては遺跡ごと穴をあけるという事だ。

「……とは言っても、可能であれば遺跡は傷つけたくはないのよね」

 UDCらが造ったとはいえ遺跡である為、無駄に破壊するのは気が引ける様だ。
 それに一部とはいえ遺跡を破壊した事による弊害があるかもしれない……と玲華は話す。
 そして現状の話を聞けばキャンプ自体の設置がまだ済んでいないので、行動するのはもうちょっとだけ後だと聞かされた。

「それなら私はちょっと先行偵察する事にしようかな? 火野本さん、何かあったら声をかけてね」

 彼女自身に危険が及ばないように協力する事を伝えて、雪上迷彩のジャケットのフロントジッパーを閉じると19式突撃銃を手に外へと向かった。
 そのままキャンプを出て辺りを歩き回る。
 周囲の地形は小高い山がいくつか見えており、その内の1つに調査隊が張り付き準備をしている。
 その小さな雪山を登って辺りへと目を凝らしてしばらく見回しながらある事を思い出していた。

『これは最終的にはという話なのですが、どんな形であれ調査データさえ手に入れば問題はありません』

 こちらへ来る前に最後に聞いた一言を頭の中で反芻してどことなく渋い顔をする。

「調査データさえあればあの人の安否は問わないみたいだけど、できれば怪我なく無事に帰ってもらいたいね……できればじゃなくて、それをするのが私の仕事だね」

 そう決意して入り口探しの手伝いの為に小山から降りようと振り返った時、その視界に何かを捉えた気がした。
 視線の先には風で舞った雪が、空と地上の境界をさらに曖昧にしていた。
 その宙へと舞う雪の壁の先になにかが通ったようなと思ったのだが、いくら目を凝らしてもなにかが動く気配は無かった。
 勘違いなのか見逃してしまったのかは分からないが、こちらへと向かってくる様子がないので頭の片隅にとどめて玲華の元へと向かった。

成功 🔵​🔵​🔴​

佐藤・非正規雇用(サポート)
「へぇ……どうやら、俺の助けが必要みたいだな」

トナカイの着ぐるみに身を包み、参加者を助けるべく
颯爽と現れる。

圧倒的な自信とマウンティングで
戦況を好転させるが、詰めが甘い。
(トドメを刺し損なったり、罠が不発だったり)

名前を聞いても、「俺は通りすがりのトナカイさ」と
正体を明かさない。

■スペック
戦闘は主に剣を使うが、負けそうな時は
卑怯にもツノやキバを使う。

女の子に弱い。
味方だろうが敵だろうが、口説かずにいられないが
センスは壊滅的。

言うまでもないが、口説いて成功したことはない。


アウル・トールフォレスト
「今日はどんなところに行けるのかな?」

楽観的で感情豊か、夢見る乙女な性格の少女
年相応に無邪気で好奇心旺盛。そして根本が人でない故に残酷で凄惨

猟兵の役割も理解してるが、基本的に楽しそう、面白そうで物事を判断する
神出鬼没に出現し、気まぐれにアチコチ歩き回り、笑顔で敵と戦う
そんな子

基本的に巨体を活かした力任せな戦闘スタイル
鋭い爪で引き裂いたり、踏みつけたり
体表で自生する植物を操り、防御や隠密、罠等、サポートも行わせる
本人の身体自体も植物の性質を持つ


エンキドゥについて
身長140程度
無口、無表情。
空中等、アウルの手では届かない相手に使用される
大事にしているので頻度は少ない



 続いてキャンプへとやって来たのはアウル・トールフォレスト(高き森の怪物・f16860)と佐藤・非正規雇用(ハイランダー・f04277)の2人だった。
 新たにやって来た猟兵を確認すると作業員は2人を火野本・玲華の元へと案内をして、挨拶もほどほどに現状の確認をする。

「……どうやら、俺の助けが必要みたいだな」

「遺跡の発掘かぁ、なんだか楽しそうだね!」

 キャンプ地の目の前にある小高い氷の山を見据えていた。
 既に遺跡に関しての場所は大まかに確認はされているのだが入り口は未確認であり、現在は比較的氷の層が薄かった場所の氷を処理する準備をしていた。
 近くへ行って聞いてみれば、氷にそこそこの長さの穴をドリルで4ヵ所ほど空けてそこへ薬剤を投入して着火。
 それで発生する高温と化学反応による爆発で氷をある程度のブロック状にくり貫くそうだ。
 それならばと佐藤は自身のおおよそ2倍の鎧姿の巨人を召喚する。
 その巨人は自身の動きをトレースするので作業予定の氷の上部にドリルを当てて、佐藤自身は下側の穴あけを手伝う。
 そうして目標の深さまで穴をあけたなら、その後ろからアウルが薬剤が入った筒を穴の開いた氷の中へと投げ入れる。
 2人の手伝いもあってそれほど時間を経たずに作業が終わる。

「それじゃあ猟兵さん、点火をするので下がってください」

 そう言われて作業をしていた場所から離れて物陰へと隠れる。
 小さなアタッシュケースにスイッチがいくつか並んでおり、既に何個かのスイッチがONになっている。
 そのケースの中身にアウルはそわそわとした目線を送る。

「……スイッチ入れてみますか?」

 ともに作業をしていたUDC組織員の男性の質問に喜んで頷いて操作盤を借りる。
 横から簡単な説明をもらい、最後のスイッチを押すだけなので好きなタイミングで良いと言われて操作盤を構える。

「よし、いくよ!」

 周りに合図を送ってスイッチを倒す。
 すると先程穴をあけた氷から火花の様な炎が噴き出し、まるで滝の様にカーテンを作る。
 それが数秒ほど続いたと思ったら急に穴から出てくる炎の量が一気に増えて、そして穴の数だけの爆発が起きた。
 物陰に隠れていたので直接の被害は無かったが、突然の爆発に驚いて確認すれば作業をしていた氷の壁は崩れていた。

「テルミット反応を利用した、破砕方法です……まぁ氷限定となりますがね」

 共に作業をしていた1人がそう説明する。
 そうして崩れた氷の山を掻き出して、周囲の崩れそうな氷を砕いて慣らし、次なる作業へと移った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヴァシリッサ・フロレスク
アドリブ歓迎!

なんだい?南の島、ってのは暑いモンじゃないのかい?クッソ寒ぃンだけど?
……え?ブリーフィングで説明済み、だって?

――ったく、こんなトコのシゴトなんざさっさと片付けちまって、ホントの南のシマで優雅にヴァカンスと洒落こもうじゃないか。
……なぁ?レイカちゃん?

お固そうだケド、タマにはそういうのもイイんじゃないかい?

閑話休題。ちゃんと仕事もするさ?
他の猟兵や調査隊と協力して、世界知識や第六感で情報収集、なんなら怪力や野生の勘も駆使して調査を支援する。

発破に梃子摺るようなモノがあれば、任しときな?「爆砕鎗」でキレイにブッ飛ばしてやるよ。

なぁに、加減は出来るから安心しなよ?

……多少は、ね?



そんな爆砕作業が進められている一方で、新たにキャンプへとやって来た人物が居た。

「なんだい? 南の島、ってのは暑いモンじゃないのかい? クッソ寒ぃンだけど?」

 ヴァシリッサ・フロレスク(浄火の血胤(自称)・f09894)は早々にキャンプの中でコーヒーをもらっていた。
 依頼を出したUDC組織からの資料には南極大陸という記載があり、移動前のブリーフィングでも説明はあったのだが、どうやら『南』と聞いて勘違いをしていたようだ。

「――ったく、こんなトコのシゴトなんざさっさと片付けちまって、ホントの南のシマで優雅にヴァカンスと洒落こもうじゃないか、なぁ? レイカちゃん?」

「……そうですね、この調査が終わったらそれも良いですね」

 座っていた椅子の背もたれに体重を預けてぐらりと傾けて絶妙なバランスで維持して問いかけたヴァシリッサにそう答える。
 その時、キャンプ内に置かれていた無線機から連絡が入る、どうやら長年の圧縮で硬度が上がった氷層に当たったようだ。

「……はい、分かりました、新たに応援に来ていただいた猟兵の方を送ります。 それでは……それじゃあヴァシリッサさん、作業に……ってあら?」

 無線を切り、振り返ると既にヴァシリッサの姿は無かった。

「ちゃんと仕事はするさ」

 誰に言うでもなくそう呟き、聞こえていた音の方向へと向かう。
 既にベースキャンプから外に出て、周囲の地形を確認しながら進む。

(周囲でおかしな部分は無し……それだけ長い間埋まってたって事かねぇ)

 小さな山と言って良いほどの作業をしている氷山を見て率直にそう思った。
 その下にはUDCらが建てた遺跡が眠ってるとは思えないが、ざわざわと嫌な予感がする。
 まるで敵にじわじわと包囲されるような嫌な感じだ。

「さて、そんなに梃子摺るっていうなら任しときな」

 そんな予感を振り払い、問題の場所へと着いた。
 周囲の作業員に下がる様に言い放ち、掩蔽壕破壊用射突杭に換装したスヴァローグを装備する。
 爆砕作業でスロープ状に掘り進めれらた氷の道を下り、透明な氷層の向こう側に気色の悪い色をした人工物が見えていた。
 ゴッと杭の先端を氷の壁に押し付けて構えて深呼吸をする。

「……消し飛べ」

 構えていた腕が反動で跳ね上がり、目の前の障害物に大きなひびが全面に走る。
 掩蔽壕すらぶち抜き破壊する杭が射出され、氷の壁は程なくして崩れ始めた。
 自重で崩れ始める氷に満足そうにうなずく。

 こうして、作業を困らせていた障害物は取り払われて遺跡の入り口候補へと届いたのだった。
 ……ただし思っていたほど氷が厚くなかったのか、ヴァシリッサの用意した杭の威力が高かったのか、遺跡の壁が崩れるという少々の誤算があった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アルディンツ・セバロス
探検隊か。何だかわくわくするね。僕も子供の頃は、近所で色んな探検ごっこで遊んだものだけど、これは本物の探検だから、迷惑かけないようにしないとね。
とはいっても、僕は口先だけが得意のムードメーカーみたいなものだから、お連れの方々と楽しく雑談しながら、来た道を忘れないようマーキングしていくことにしようか。他に役立ちそうなことなんて、何も出来ないしね。
あ、そういえば、こんな寒いところじゃあ温かい飲み物が欲しいよね。
じゃあお湯沸かすよ。お湯沸かして、お茶の準備でもしておくから、皆さん楽しく探検してらっしゃい。
あ、面倒だとか怖いとか、そういうのじゃないから。ははは。



 氷層を抜けて崩れた遺跡の中に猟兵を含む探検隊は侵入していた。
 やや高い位置に突入口が出来上がったものの、崩した氷の山を落とし即席の足場にした後に鉄板などの資材を利用して足場として活用する。

「探検隊か……何だかわくわくするね。 僕も子供の頃は近所で色んな探検ごっこで遊んだものだけど、これは本物の探検だから迷惑かけないようにしないとね」

 アルディンツ・セバロス(ダンピールの死霊術士・f21934)は中継地点となるテントで機材の配置の手伝いをしていた。
 UDC職員らと雑談をしながら持ち込まれた機材を目的の場所へと移動させる作業の中で、玲華とも話す機会があった。

「……とすると、君はこの調査は元々参加の予定は無かったと?」

「お恥ずかしながら……それに私の恩師からのお願い事でしたから無下に断る訳にもいきませんし」

「中々と難儀な話だね……」

「とはいえ私もUDC組織の一員ですから、遅かれ早かれ何かしらの事件を担当したと思いますよ……そう考えれば今回のは猟兵の皆さんに助けていただける案件だった、と考えましたらそうでない依頼より精神的に楽ですね」

 あはは、と苦笑い気味に返しながらその手は止めずにサーバーの様な機械にケーブルを繋いでいる。

「……もしもの話なのですが、私がここへ戻って来れなかった時には、この端末を回収してください」

 スイッチを入れて無事に稼働した機械に目をやってお願いしてきた。
 視線の先にはアタッシュケースほどの大きさのフレームに囲まれたデータドライブだった。
 どうやら奥で調べた情報を、調査機材の記憶領域とは別に保存する物のようだ。
 取っ手を掴んでそのまま引っこ抜く事ができ、少々乱雑に扱っても問題無いとの事。
 説明をしている間、どことなく強ばった雰囲気をしている玲華を見ててふっと微笑み、セバロスは彼女の肩へと手を伸ばしてポンポンと優しく叩く。

「君は君の出来る事をすれば良い、それ以外の面倒事は僕ら猟兵に任せてね」

 そう強ばる事は無い、面倒事は僕らに任せろとそう言い聞かせるように答えた。

「もっとも、僕は腕っぷしは余り良くないけどね」

 はははと笑い飛ばした事でどことなく気張っていた空気は霧散し、彼女の強ばった雰囲気も何処かへといったようだ。

「さあ、こんな寒いんじゃあ暖かい飲み物が欲しいよね、お湯を沸かしてお茶の準備をしてくるよ」

 そう言って中継地点のテントを後にして、準備を始めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『邪教の戦場傭兵』

POW   :    サーチ・アンド・デストロイ
【アサルトライフルによる精密な銃撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    ブービートラップ
【予め設置しておいたトラバサミやくくり罠】が命中した対象に対し、高威力高命中の【グレネードランチャー】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    フルファイア・アタック
【アサルトライフル】【ハンドガン】【銃剣】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。

イラスト:ボーアゲラ

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達の協力でやや予定外の事はあったものの、無事遺跡の中へと侵入して調査の準備が整った。
 耐冷耐狂装甲服『ヒートアーマー』を着用した玲華を先頭に、遺跡の奥へと進んでいく。
 途中枝分かれしている道はあったものの、下層へと向かう事を優先して進んでいった結果、大きな広さを持つ部屋へと辿り着いた。
 他に道は無く敵の気配も無い、しかし短冊状に区切られた行き止まりの部屋であった。
 区切られた壁には不可解な記号と絵が描かれており、どうやら壁画回廊の様な場所と判断されて玲華は機材を並べてそれらのスキャニングを始める。

 それと同時に先程通ってきた通路からガチャガチャと金属がぶつかり合う音と、何者かが近づいてくる音が響いてくる。
 敵の傭兵団との戦いは目の前に迫っていた。
ツヅリ・デルタドロップ
「後ろから何か……火野本さん、下がってて」

後ろから聞こえる金属がぶつかり合う後に気づき戦闘態勢
物陰に身体を隠す様にしながら突撃銃を構えていつでも撃てる用意をしておく
敵影が確認できたら狙撃技術を使い先制射撃
手前の敵を優先的に攻撃、弾薬の消費を気にせず弾幕を張り敵の足を止める
「弾の消費がちょっと厳しい……火野本さんに怪我がない様に早めになんとかしなくちゃ」
足止めができたら姿を確認出来ている手前の敵から順番に狙撃をして一人ずつ処理をしていく

アドリブ歓迎


プリシラ・マーセナス(サポート)
『記憶はなくても、物事の善し悪しはわかるよ』
『援護は任せて!君には当てないから!』
 キマイラですが、記憶を喪失した状態でダークセイヴァーで暮らしています。
ユーベルコードはどれでも使いますが、移動手段として「黒虎」を、緊急の近接手段として「ガチキマイラ」を使い、基本的にはマスケット銃での中・遠距離戦を好みます。
 依頼内容には拘らず、手当たり次第に選ぶ傾向があります。また、一人で戦うよりも前衛の隙を補う戦法を選びます。
 相手の年齢、性別を問わず少年的に振舞います(素を出すと侮られると思っている為)。但し、咄嗟に女性的になる場合があります(驚いた時の叫び声など)
後はお任せ、よろしくお願いします!



 壁画回廊で作業が始まり、猟兵らを含めた調査団が動き回っている中、それに最初に気付いたのはツヅリ・デルタドロップ(WH支部長代理・f21539)だ。

「後ろから何か……火野本さん、下がってて」

 自分たちが通ってきた通路の方から、微かにだが金属がこすれる音が複数聞こえた。
 来た道を戻ろうとした時、1人の猟兵がついてきた。

「援護は任せて、君には当てないから!」

 プリシラ・マーセナス(迷い子猫(21)・f21808)がマスケット銃を片手にそう声をかける。
 ありがとうと返して2人は螺旋通路を少し戻った所で止まった。
 先程の金属音は空耳などではなく、確かなものであると通路の向こう側から聞こえてくる音が答えていた。
 ツヅリは通路左側の柱に身を隠し、アサルトライフルを構える。
 その少し後ろに、同様に身を隠してマスケット銃を構えるプリシラ。
 やがて音のする方からやって来た人物の姿が見えてくる。
 5人1組で先頭を歩く人物がカスタマイズされた銃を進行方向へ構えながら歩いていた。
 後に続く4人は周囲を警戒しながらもいつでも撃てるように銃を携えている。
 装備こそ東西問わずこれといって統一された規格は無いようだが、彼らが話にあった邪教集団御用達の傭兵なのだろう。

 相手はまだこちらには気付いていない、このチャンスは逃せないと狙いを定めて引き金を絞った。
 軽快な銃声と共に薬莢がいくつも宙に舞い、小気味良い音を通路に響かせる。
 先頭を歩いていた相手は突然の銃撃に反応できる筈もなく、被弾の衝撃と共に後ろへと力なく倒れた。

「エンゲージ! エンゲージ!」

 それとほぼ同時に残ったチームが警告を発しながら壁際に移動しつつツヅリが居た場所に銃弾を浴びせる。
 身体を引っ込めて被弾しない様に隠れるが、どでかい銃声と共に2番目にいた傭兵が吹っ飛ぶ。

「逃がさないよ!」

 さらに背後に居たプリシラが援護射撃をする。
 手には既に薬包が握られており、次弾を準備していた。
 そこをフォローするように今度はツヅリが柱から銃口を覗かせて、数発ずつ指切りで弾をばら撒いて相手の顔を出させないようにする。

(ここで可能な限り足止めをして、火野本さんに怪我が無いように何とかしなくちゃ……!)

 弾の消費は激しくなってしまうが、敵を進ませない為にばら撒いてとにかく時間を稼ぐ。
 きっと敵もあの5人で終わる訳ではない、何とか初動を遅らせなければとツヅリは新たなマガジンを叩き込んでその中身をばら撒いた。
 不意に相手からの銃撃が散発的になり、下がっていく様子が見て取れた。
 前線を上げるチャンスだと隠れていた場所から飛び出し、連中の後を追いかける。

「……あっ! 待つんだ!」

 後ろからプリシラの声が聞こえたが既に相手が隠れていた所まで進んでおり、その時点で下がる残りの3人が見えていた。
 1人でも多く削るといきんで踏み込んだ瞬間、不意に足元で小枝が折れるような音がした。

「……っきゃあ!」

 氷の下にあった遺跡の中に小枝が? そう思った瞬間、足元から天井へ引っ張られる様に体が攫われた。
 見ればいつの間にかくくり罠が仕掛けられており、壁側とはいえ遮蔽物の無い所にぶら下がっている状態になってしまった。
 しまったと思った時にはすでに遅く、気付けば先程逃げていた1人がグレネードランチャーを構えている。
 まずいと思って慌てて手にしたライフルを撃つが一瞬遅く、ポンっと気の抜けた音が響いた。
 
(間に合わなかった……!)

 被弾を覚悟して身構えた瞬間、足にかかってた負荷が突然無くなり落下する。
 その瞬間、足元をグレネード弾が通り過ぎてその先の壁で爆発した。

「……ふぅ、瞬きしてたら手遅れだったね」

 落ちてきた体を抱きとめたのは、戦線を上げようとしたツヅリを追いかけたプリシラだった。
 すぐに追いついた彼女の目に入ったのは罠にかかり、通路に逆さ吊りになっていたツヅリとグレネードの射出音。
 その瞬間、ユーベルコード『我流・須臾』を発動させて天井にあったトラップの支点を撃ち抜いたのだった。

「ありがとう、助かったよ」

「どういたしまして……でもこれ以上追いかけるのは危険だね」

 逃げていった通路の先を見ながらプリシラの言った。
 あの短い間に即席とはいえあのようなトラップを仕掛ける集団だ、下手に追いかけたらどうなるか分かったものではない。
 とはいえ先陣を切ってきたチームは追い払った、となればこの後に再び小出しにチームは送らずに集団での戦いとなるだろう。
 そう考えて2人は壁画回廊へと戻るのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヴァシリッサ・フロレスク
壁画回廊で迎撃。

ったく、漸くお出ましか。いい加減寒くて敵わなくってね?

カラダもガッチガチだ、確りウォーミングアップさせて貰うよ。
……レイカちゃん、よーくアタマ下げてな?

ノインテーターで応戦。
地形の利用、フェイント、早業、見切りを活用し、奥に進ませない様、足止めする。

見た所相手も手練れ、そう簡単にゃ撃ち取らせちゃくれないか。

ひとしきり奴さんが集まったら、銃撃戦の合間に数・位置を情報収集する。

――さて、これだけ立派なブツだ、レイカちゃん程の腕なら、多少欠けてたって構やしないだろ?

――さ、隠れん坊は終わりだよ。

“ヴァルプルギス・ヴァッハフォイア”発動。

ま、イイ具合に暖まったンじゃないのかい?



 1度事が動き出せば、後は全てが終わるまで坂道を転がる石の様に止まる事は無い。
 異変に気付いて動いた2人が戻ってくれば、すぐに動ける猟兵達はそれぞれの装備を確認して準備を始める。

「ったく、漸くお出ましか。 いい加減寒くて敵わなくってね? カラダもガッチガチだ、確りウォーミングアップさせて貰うよ」

 そうして最初に動いたのはヴァシリッサ・フロレスク(浄火の血胤(自称)・f09894)だ。
 寒さで固まった体をほぐしながらノインテーターを取り出して通路へと向かう。
 その途中で壁画をスキャンしながら、周囲の騒がしくなる気配に不安そうな顔を浮べていた玲華を見つける。

「……レイカちゃん、よーくアタマ下げてな?」

 他へと気を回していた所に声をかけられて体が一瞬びくりと跳ねるが、強ばった様子で頷いて回廊の奥へと向かう。
 幸いと言うべきか、この場所にある壁画はある程度通路に対して通せんぼするように建てられている。
 ヴァシリッサの言葉に応える様に玲華は手作業でスキャンしていた壁を、オートモードで稼働させると新たなスキャナーと共に回廊の奥へと進んだ。
 対人線を想定して持ち込んだ強装弾を給弾して改めて通路へと向かう。

 通路を進み、飾り柱の陰から通路の奥を見やると、先遣隊がほぼ壊滅した事を受けてなのか防衛陣を立てている様で簡素な鉄板や資材やらが積み上がっていた。
 その背後には突入の最終確認をしているグループが見える。

(……こっちも準備は整いつつあるとはいえ、これを見逃すワケにはいかないねぇ)

 手近にあった小さな氷塊を拾い上げると、手首のスナップを聞かせて反対側へと放つ。
 カツンと小気味良い音が響くと共に、傭兵団の大半が音の方向へと銃を向ける。
 当然ながらそこには何もなく反応した全員が警戒を解くと同時に柱から歩きながら出て、ノインテーターの引き金を絞った。
 軽快な銃声と共に連続して吐き出される強化された9mm弾──強装弾と、会敵と攻撃開始の怒声が入り混じる。
 通路を横切る僅かな時間だったが、中身を出し切ったノインテーターに新たに弾を込める。

「見た所相手も手練れ、そう簡単にゃ撃ち取らせちゃくれないか」

 スライドを引いて初弾を送り込み、柱の陰からちらりと覗くがいくら強装弾とはいえ、命を預ける防具をケチっている様子はないようだ。
 すぐに復帰できる者が多いが、あの一瞬で数人戦線復帰出来なくなっただけ良しと考える。
 外套を一瞬だけ伸ばし、まるで柱から飛び出したように見せかけて意識を逸らした後に自身が飛び出して敵の集中砲火を避ける。
 そしてところどころで仕込みをしながら回廊側へと下がっていく。
 壁画回廊まで戻り、最後の仕上げと言わんばかりに通路の真ん中に射突杭を打ち込む。
 通路の向こうからは3部隊──銃撃戦をしながら確認した15人が既に迫っていた。

「さて、これだけ立派なブツだ、レイカちゃん程の腕なら、多少欠けてたって構やしないだろ? ……さ、隠れん坊は終わりだよ」

 ヴァルプルギス・ヴァッハフォイア発動、そう呟くと地面へと刺した射突杭から爆炎が走る。
 追い詰めたつもりで来た部隊は、地脈を辿り走る炎に飲み込まれてのたうち回りやがてその全てが静かになった。
 そして道中で同様に刺してきた射突杭から同様に爆炎が噴き出し、通路をあっという間に紅く染め上げる。

「ま、イイ具合に暖まったンじゃないのかい?」

 いつものにやけ顔で炎で封鎖された通路を見ていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

虚偽・うつろぎ
アドリブ連携等ご自由にどぞー

南極調査からの傭兵達とのドンパチ
実にマンガ的で良いね
スプリなガンみたいだよ
では僕がやることはただ1つ
自爆だね
露払いやゴミ掃除くりは出来るかな

登場即自爆
速攻で自爆
自爆が台詞代わりさ

技能:捨て身の一撃を用いてのオウサツモードによる広範囲自爆
対象は範囲内の敵全て
強化は攻撃力重視

あくまでも対象は敵のみ
柱やら通路やら仲間やら敵以外は対象にしないよ
そういうところ指定できるからユーベルコード便利ね

射程範囲内に敵が1体でも入っていれば速攻で自爆
近づきすらせず即自爆
自爆までのスピードが大事だね

捨て身の一撃なので自爆は1回のみ
自爆後は消し炭になって退場さ
一度きりだからこその自爆の美学



 通路と壁画回廊が炎で分断された後、猟兵たちと敵傭兵団との行動はほとんど変わらなった。
 互いに炎の前に使える物でバリケードを作り上げて武器や弾薬を用意し、炎の壁が消えるのを待っている。

 そんな中、虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)は人知れず分断された炎の目の前におり、これから行う事に胸を高らせながらユーベルコード──オウサツモード──の強化をしていた。
 依頼の内容を聞いた時には、古代文明の遺産を巡ってそれぞれの組織が対立してぶつかり合う、とある漫画を思い浮かべていた。
 いま、目の前でまさにそんなシチュエーションが繰り広げれている。
 そしてこれからする事を考えると只々興奮が募るのだ。
 だが興奮ですべき事を見失ってはいけない、オウサツモードになるが対象はあくまで敵傭兵団のみ、近くにいる猟兵や建造物に被害が出ない様にターゲット外にする。
 そして通路の中央に陣取って今か今かとその瞬間を待っていた。

 そうこうしている内に互いを分けていた炎の勢いが弱まっていき、その火力が半分ほどになった所でそれは始まった。
 向こう側から突撃を合図する大きな怒声が響き渡り、駆けてくる気配と同時に炎の壁を飛び越えて来て並ぶ。
 ざっと見ても20人弱、まさに物量と視界が開ける瞬間を活かした一斉攻勢であった……対峙した相手がうつろぎでさえなければ。

 決めていたその範囲に入ってきたその瞬間、彼は爆発した。
 それははち切れる直前まで張られた糸の様に一瞬で、まるで指向性爆薬のごとく一方向に向かって、突撃してきた傭兵がうつろぎを確認して攻撃するよりも早く自爆したのだ。
 溜まりに貯まった興奮を吐き出すように爆発し、突っ込んできた20人余りの傭兵達を消し飛ばし、そこに残ったのは焼け焦げた地面と消し炭となったうつろぎだけであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

火土金水・明
「遺跡の情報集めを完了するためには、目の前にいるオブリビオン達を倒していくしかなさそうですね。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【先制攻撃】で【高速詠唱】し【破魔】を付けて【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にし、『邪教の戦場傭兵』達をを纏めて【2回攻撃】をします。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「オブリビオン達は『骸の海』へ帰りなさい。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。



 炎が消えた後、敵ごと吹き飛ばした攻撃のお陰で猟兵達は敵集団を入り口前で抑える事が出来ていた。
 しかし最後の調査個所が残っていたのだが、それは戦場に面した壁画だった。
 オートモードで走らせていた機械は流れ弾により故障、銃弾が飛び交う最中にそれらを修理する事は厳しいものがあった。

「……遺跡の情報集めを完了するためには、目の前にいるオブリビオン達を倒していくしかなさそうですね」

 壊れて止まっていた機械を見つめて、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)はそう呟いて戦場へと足を向けた。
 敵は既に壊走寸前であり、大声で罵声を上げながら猟兵達へと攻撃を仕掛けている。

「範囲攻撃で敵をまとめて攻撃します! 巻き込まれない様に注意してください!」

 そう声をかけて前線で戦っていた猟兵達へと注意を促す。
 当然その声は敵にも届いており、残った戦力を集中させて明を狙い撃ちにする。
 狙いすましたアサルトライフルの弾丸は綺麗に呪文を唱えるようなポーズをしていた明の胴体へと当たり、そしてまるで何事も無かったかのようにすり抜けていった。

「……残念、それは残像です」

 消えた残像のやや斜め後ろから現れたのは、数え切れないほどの大量の氷の矢を浮かべた本人の姿であった。
 わざと攻撃する事を宣言し、まるで魔法を唱えるような体勢を残像として残して自身に攻撃を集中させる。
 そうしている間にユーベルコード『コキュートス・ブリザード』を高速詠唱して、大量の魔法の氷の矢をありったけの魔力を使い作り上げていた。

「オブリビオン達は『骸の海』へ帰りなさい!」

 その一言と共に放たれた大量の矢は、密集隊形となっていた傭兵達を全て貫いた。
 後に残ったのは霜が降りた後の様な白く輝く一帯と、瓦礫の山だけであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『五八一『デビルズナンバーてつごうし』』

POW   :    悪魔の収監(デビルインプリズン)
【鋭く尖った鋼鉄の手足による突き刺し攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【巨大な檻による一撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    悪魔の鉄格子(デビルアイアンラティス)
【ボディ】から【高速で組み上げられていく鉄の棒】を放ち、【鉄格子の檻に閉じ込めること】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    悪魔の肉盾(デビルヒューマンシールド)
対象のユーベルコードに対し【体内に閉じ込めている一般人】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:FMI

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は六六六・たかしです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 傭兵団を退け、最後の壁画のスキャンが終わった。
 壊れてしまった機械は仕方がないと諦めて、必要なデータドライブといくつかのパーツを回収して廃棄する事となった。

「……データの回収・中継地点への一時保存は終了しました、後は撤収時に全て回収して無事に帰還すれば任務終了となります」

 そう言って小さく震えながらもどこか安堵した表情を浮かべる玲華。
 だが、その背後からカツン、カツンと金属で叩くような音が響いた。
 回廊側に居たのは漏れが無いかチェックをしていた私が最後の筈、後は誰も居なかったはずだ。
 まるで錆びて固まった扉の様に、ぎこちなくゆっくりと振り向く。

 そこに居たのは、虫の様な手足がついたような奇妙な鉄の檻だった。
 檻の部分は空であり、何かを探すようにカツカツカツと音を立てて先程までいた回廊の中を見回している。
 そしてこちらに気づいたのか、耳に付く嫌な金属音と共に檻が開いて飛びかかってきた。
 一瞬の出来事で、一体何が起きたのか全く理解できず固まってしまい、そして……

 気がついたら地面へと倒れていた。
 檻の中には突き飛ばしたと思われるスーツ姿のUDC組織の職員。
 それにまだ納め足らないと言いたげに、それは『581』と書かれた番号札をこちらへと向けている。
 情報を持ち帰る為の撤退戦が始まったのだ。
ヴァシリッサ・フロレスク

あらあら?こんな寒いトコで可哀想に?
待ってなよ、DID(オヒメサマ)?
なぁに、“マスターキー”はこっちの手の内さ?

スコルにスラッグ弾を装填。

まずは適当に援護射撃して挑発。ギリギリまでおびき寄せ、ヤツの突き刺し攻撃を見切り、避け切らなけりゃスヴァローグの武器受けでいなす。
そこからカウンター。手脚の関節を狙い零距離射撃で部位破壊を狙う。

バランスを崩せたら、後は本命の救助活動さ。
一気に懐に飛び込み、扉が有ればヒンジや格子の部分へUCで捨身の一撃を叩き込む。
フフッ、破壊工作は十八番だよ。

おっと、オヒメサマへの優しさと礼儀作法も忘れちゃいけないね?

Hello♪your majesty.
ゴキゲンいかが?



 突然の襲来に真っ先に動き出したのは、ヴァシリッサ・フロレスク(浄火の血胤(自称)・f09894)だった。
 スコルを手早く抜き出し、装填されていた弾のままに振り上げられた鉄棒へと撃ち放つ。
 最初の2発で突き刺すつもりで引かれた部分を弾いてずらし、次の2発で床ごと穿ちバランスを崩させる。
 最後に残った弾を囚われたエージェントを避けつつ檻の部分へと放つが、まるでバネの様に横へと跳ね飛んで回避された。

 そうして距離を取らせた所で玲華との間に滑り込み、スコルのシリンダーから撃ち終わったシェルを落とす。
 突然現れた『てつごうし』のオブリビオンはこちらを敵として認識したのか、はたまた奇襲が終わったので獲物を選ぶかの様にカツンカツンと耳に残る金属音を響かせながら周囲を歩いている。

「Hello♪ your majesty. ゴキゲンいかが?」

 いまだ尻餅をついていた玲華へと手を伸ばし立ち上がる様にと促す。
 ヒートアーマーのヘルメットの向こう側で、どこか非現実的な状況が掴めない様子の表情のまま差し出された手を取り立ち上がる。
 そうして立ち上がれば段々と落ち着いてきたのか、状況が呑み込めて不安そうな顔が浮かび上がっている。

「……待ってなよDID? ”マスターキー”はこっちの手の内さ?」

 空になったシリンダーに1発づつ弾を落としていたそのシェルには大きく『AP-20』と刻印がされたいた。
 それを見ながらどこか不安そうな玲華をみてニヤリと笑う。

「なぁに、ここはアタシに任せて玲華チャンは先に行ってなって」

 シリンダーを元の位置に戻してオブリビオンと対面するように振り返る。
 その背中にか細く、後悔と願いを乗せたように『お願いします』とただ一言だけ置いていった。
 遠くなる足音と願いを聞いてクツクツを笑う。
 お願いされたからにはキッチリと期待に応えなければと、攻撃態勢を取っているオブリビオンを見る。

 カマキリの様に上段に構えられた鉄棒に向かって銃口を向けて引き金を絞る。
 轟音と共に吐き出されたのは散弾ではなく、ひと粒弾。
 装填していたのは高い貫通力を持ったスチールスラッグ、薄い鉄板程度なら易々と貫通するその弾丸で構えていた鉄棒を削り、穿ち、断ち切る。
 着弾の衝撃でやや後ろへと引っ張られ、引きちぎられた先の部分は後ろへと飛んでいってカランカランと金属音を通路に響かせていた。

「おや、どうしたのかな? アンタの檻はそんなモンなのかい?」

 挑発された事を理解したのか、急加速で飛びかかってくると鋭く尖った鋼鉄の手足を突き出す。
 それを見極め、引き寄せて躱す。 続けさまに2度、3度と繰り返されるが鍛えられた眼で観察し、次の攻撃を予想して躱す。
 そしてお返しと言わんばかりにスラッグ弾を撃ち込んで鋼鉄の手足を穿ち飛ばす。
 2発・3発と檻を支えている足を折り砕き、4発目にはついに体勢を崩す事に成功。
 そしてそのチャンスを逃すほどヴァシリッサは甘くはない。

「『――穿け』」

 バランスを崩して傾き、まるで壊してくださいと言わんばかりに差し出されたエージェントを捕らえていた首輪部分に、ユーベルコードの『弑逆の矢』が放たれた。
 鋼鉄を削る嫌な音が響き、首輪の側面部が削ぎ落ちた。
 捕らえられたばかりで拘束が十分でなかった、首輪の一部を壊しただけで中に居た人はぽろりと檻の中からこぼれ落ちる。
 素早く抱きとめて距離を取り、体勢を整えられる前にその場を離脱したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィロメーラ・アステール
「うおー、ここはあたしに任せて先に行けー!」
などと【パフォーマンス】気味に突入!
【存在感】を放ち、敵の前に立ちふさがる!

あ、立ちふさがるといっても【空中浮遊】してるけど!
んで主に攻撃は華麗な空中【ダンス】で回避!

さらに【蒼天まわしむ千変の星冠】を発動!
水と冷気を操り周囲をツルツルにする!
その上で【念動力】を放って押し戻すぞー!
ふふふ、ツルツルだから踏ん張れないだろう!
この技は敵が檻を組み上げる時にも、棒同士がツルツルして組み上がらないようにしたりできる!

強引に突破する気なら出力を高め【属性攻撃】として活用!
凍結や水刃で威嚇して足止めだ!
時間が稼げたら【ダッシュ】で撤収ー!(ツルツルさせながら)


リリスフィア・スターライト(サポート)
強気で接近戦が得意な人格のリリスで挑むわ。

アドリブOK、NG行動はなし。
他の猟兵達との連携も可。

全翼天開で飛翔して一気に相手に懐に飛び込んで
剣で斬りつけるわ。倒しきれない場合は接近戦が
得意な相手なら高速で一旦退き、再度攻撃の隙を伺うわ。
逆に離れたな危険な相手なら、そのまま張り付いて
撃破するまで剣を振るい続けるわ。

多少のダメージを受けても怯まずに近くに
仲間がいるなら鼓舞しながら強気な態度は崩さないわよ。

「一気に勝負を付けてやるわ!」
「やるじゃない!でもこれぐらいで負けたりなんかしないわ!」



 支えていた手足を撃ち砕かれてバランスを崩していた『てつごうし』は、落ちていた鋼鉄に短い部分を近づけてつなぎ直す。
 そして逃げた通路の先を苛立たしい様子でガツンガツンとその鋼鉄を踏み鳴らし、通路を駆けだした。

 フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は通路の奥から聞こえてくる音を聞きながら不敵に佇んでいた。
 先程すれ違った玲華たちに向かって「ここはあたしに任せて先に行けー!」と言い放った反動か、どこか楽しげな様子だ。
 先程の事を思い出していると通路の先から『てつごうし』の姿が現れて、こちらに気づいた様でがなり立てていた音がピタリと止まる。

「さあ、次の相手はこのあたしだぜ!」

 目の前を飛び回って注意を引く。
 その際に、ユーベルコード【蒼天まわしむ千変の星冠】を発動させて周囲の水分と冷気を操って、通路の外側から少しずつツルツルに凍らせていく。
 周囲を飛び回る彼女を鬱陶しく思ったのか、はたまた同じ猟兵という事で狙いを変えたのか、『てつごうし』は胴体部分から素早く鉄の棒を組み立ててフィロメーラへと放つ。

「おっと、あぶない」

 ひらりと踊る様に放たれた鉄の棒を躱して踊る様に再び周囲を飛び回る。
 その姿を追いかけて再び放たれるが、それもくるりと回る様に躱した。
 その様が不愉快なのか、飛び出す棒の数が2本・3本と増えていく。
 それでもふわりゆらりと躱されてイライラが増しているのか、攻撃が段々と荒く力任せになっていく。

 そうして攻撃が激しくなっていくと不意にフィロメーラは距離を取る。
 その姿を追いかけようとした『てつごうし』は、追いつく事なくその場に倒れた。
 何が起きたのか分からず、その場で立ち上がろうとするが地面がこれでもかと滑って立ち上がる事すらままならない。

「……ふふふ、ツルツルだから踏ん張れないだろう!」

 自慢げな顔をして『てつごうし』を見つめる。
 発動させたユーベルコードで周囲から徐々に摩擦抵抗を減らしていき、準備が整った時点で離れて追いかけさせてオブリビオンの体勢を崩したのだった。
 更に念動力を使って通路の奥へと押し戻す。
 これ以上離されては堪らないと攻撃する為に鉄の棒を組み上げようとするが組み上がらない。
 接合面に操った水分と冷気で覆い、その部分の摩擦抵抗を極端に落としていた。

 後は相手を念動力で通路の奥へと送り返して撤収すればおしまいだと考えて相手を見ると、滑りながらも倒れた状態から体を起こしてこちらを見ている。
 正面を捉える様に向きを整えているようにも見えるが、鉄の棒は組み上がらない様に対策もしている。
 この距離では檻の一部を伸ばした所で届かないし、延長すれば先に気づいて躱せる。
 押し返す為に狙いを定めた瞬間にそれは起こった。

 地面を叩きつける強烈な音と共に『てつごうし』が飛んできたのだ。
 突然の事で動きが止まり、飛んできたソレの背後には注射器の先の様な棒が2本飛び出している。
 先の尖った鉄の棒をピック代わりにして地面に力一杯に叩きつけて飛び出したのだ。
 いくらフェアリーとはいえ、飛んできたて『てつごうし』自体を避ける事も、その隙間を縫って躱すにも時間が足りなかった。
 捕まる……脳裏に最悪の事態がよぎった瞬間、何かが高速で眼前へと飛び出す。

「吹き飛べ!」

 金属同士がぶつかり合う激しい音が通路に響き渡り、空中に居た『てつごうし』が吹き飛ばされる。
 目の前にはポニーテールをはためかせて正眼に剣を構えた少女が立っていた。
 そこに居たのはリリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)であった。
 吹き飛ばした『てつごうし』を警戒しながら、背後に居たフィロメーラへと声をかける。

「危ない所だったわね、妖精さん。 私はリリス、助けは必要かな?」

「助かったぜ、あたしはフィロメーラ、あいつにもう一発よろしくな!」

 意識を完全に正面へと戻せば転がっていた状態から立ち上がり、こちらへと駆け寄ってくる直前のようだ。

「……ここから先の通路はあたしの力でツルツルの状態になってるんだ、だからこっちに来るにはアイスピックの様に鋭くした足を刺しながらゆっくりとこっちへとくるか、さっきみたいに飛んでくるしかないんだぜ」

「了解、さっきのをもう一発決めてやるわ!」

 魔法剣を握り直して全身を光り輝く翼で覆う。
 ユーベルコード【全翼天開】を発動させていつでも踏み込める状態に自身を強化していく。
 走り出した『てつごうし』はフィロメーラが作り出したツルツルにしたエリアの直前で高く跳ねた。
 天井近くまで飛びあがり、自由落下しながら鋭く尖った手足を上からリリスへと向けて突き放つ。
 その攻撃を見切り、躱して弾いて『てつごうし』が剣の射程に入った時には上段に構えていた。

「もう一度吹き飛びなさい!」

 袈裟斬りに放たれた斬撃は『てつごうし』の真芯を捉えてその身体を吹き飛ばす。
 通路をがりがりと音を立てながら滑っていき、そしてその姿は見えなくなった。
 吹き飛ばす距離が変に長いと思い、ふと後ろを見ればフィロメーラが良い笑顔でピースサインを出していた。
 どうやら吹き飛ばすタイミングに合わせて彼女のユーベルコードを『てつごうし』自身に掛けたようだ。
 やるべき事が終わったとお互いに確認しあい、地上を目指してその場を離れたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シフォン・メルヴェイユ(サポート)
『楽しい世界が待っていたらいいなぁ。』
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 怒った時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

のんびりとして、無邪気な性格をしています。
基本的に常に笑顔で人に接して、
敵以外なら誰に対しても友好的な性格です。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


宇良潟・伝助(サポート)
わたくしは裏方メインの黒子ですから前線に立っての戦闘は致しません。
戦闘になると【目立たない】技能を使って存在感を消し、罠にも使えるアイテム【戦闘用舞台装置】と【罠使い】技能を使って敵の行動の妨害し、罠を使って攻撃をします。
あとは舞台演出のユーベルコードを使って猟兵達を強化して気持ちよく戦って貰います。
日常、冒険ではユーベルコード【黒子の団体】を使っての情報収集、探し物、救助などをします。
口調 は裏方作業中の時は(わたくし、~様、ございます、ございましょう、ございますか?)でございます。


田中・香織
◎アーミーメンを呼び出して多方向から援護射撃してもらい、的を絞らせないようにするわ。
一発目が当たって追い打ちの二発目にでかいのが来るのなら、一発目の狙いを付けさせなければ良いだけだから。
あたしもアーミーメンたちと一緒に動き回りながら攻撃するわ。
アームズフォートの大砲の砲撃、重機関銃の射撃など、使える物はフルに使って戦うつもりよ。



 地上へと戻る中継地点に置かれたテントが吹き飛ばされて、捨て置かれた機材が押し倒される。
 吹き飛ばされた『てつごうし』がようやくこの拠点へと着いた時には既に研究員たちや必要な機材は持ち出された後だった。
 がらんとした雰囲気に苛立たしい様子でテントや機材を踏み砕き、それでも収まらぬ気配で地上への道へと足を向ける。

 その進行を阻むように立ち塞がり、明かりに照らされた所に二人の姿があった。
 一人は赤いフィルムスーツをまとったピンク色の縦ロール少女──田中・香織(ヒーローに憧れた人形・f14804)──と、長い桃色の髪を簡単にまとめたエルフの少女──シフォン・メルヴェイユ(夢見る少女・f19704)──の姿だった。

「あたしたちの目標はこのオブリビオンを地上に出さない事、そして出来るのなら倒す事……問題無いよね、シフォン?」

「はい、幸いな事に巻き込まれた人は既に救助されたようですし、遠慮はいりませんね」

 そう言うとシフォンの前に一体の全身鎧が片手にロングソードを構えて前に出る。
 それと同時にどこからか小さな兵隊人形、アーミーメンがぞろぞろと隊列を組んで現れた。

「それじゃあ始めましょうか、オブリビオン退治を!」

 香織がそう飛び出すと同時にアーミーメン達が散開した。
 素早く立ち回りながら重機関銃の引き金をしぼって弾丸の雨を浴びせる。
 金属がぶつかり合う音と、するどく空を切る音が洞窟の中に響き渡る。
 そんな銃撃に怯みながらも自身の鋼鉄の手足で突き刺そうと振るうが、香織や周囲を移動しながら援護射撃を繰り返すアーミーメンに翻弄されて狙った通りの攻撃が出来ない。

「……私を忘れてしまっては困りますよ?」

 そして気がつけばいつの間にか銃撃は止まっており、剣を上段に構えた鎧に後ろを取られていた。
 声がした方へ慌てて向き直りながら尖らせた手足を突き出すが、振り抜かれた剣に断ち切られる。
 重く高い金属音が部屋中に響き渡り、地面に落ちた鋼鉄の断面が鈍い光を放っていた。
 慌てて突き出した所を引くが、それに合わせて鎧からの後ろ回し蹴りをまともに食らって壁際まで吹き飛ばされる。

「さぁ、これでおしまいよ!」

 シフォンの戦闘鎧に合わせて引いていた香織とアーミーメン達が、アームドフォートやランチャーの準備をして構えていた。
 逃げなければと体を動かそうとするが、やはり思ったように動かない。
 戦いが始まった時からそうだ……まるで自分の体に余計な重りを付けられたような、そんな感覚だった。
 そして分かってしまえばそれに気付くのは早かった。

 彼女達から離れた、視界の端に黒子が一人、照明を操作するように紐を引いていた。
 立ち塞がっていた時に妙に目立っていたのも、斬られた鋼鉄に変に気が惹かれたのも彼──宇良潟・伝助(裏方大好きな黒子猟兵・f21501)──の仕業だった。
 彼の使ったユーベルコード『伝助の舞台演出』によって仕掛けられた照明によって目立つように。
 そして見られているのに気付いた伝助は自分の事を見なかったようにといった具合に、顔の前に指を立てて再び気配が曖昧になる。
 怒りのままに『てつごうし』がまるで叫ぶ様に立ち上がると同時に声が響く。

「一斉掃射!」

 香織の掛け声と共に砲弾とロケット弾が一斉に飛来し、オブリビオンを中心に大爆発した。
 黒煙が晴れるとそこにはひしゃげた檻の残骸が残っているだけだった。

 こうして南極での遺跡調査は、多少の怪我人は出たもののUDCに関する情報を持ち帰る事に成功したのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年06月18日


挿絵イラスト