踏みしめろアクセル! 速さの向こう側へ――!
●キマイラフューチャー ガレージ。
キマイラフューチャー、人類は技術を残し地上から姿を消し、代わりにキマイラ達が台頭し、日々エンジョイし暮らす惑星。
発達した科学技術と豊富な食糧で豊かな都市を構成する、その内の一区画。慌ただしくキマイラ達が荷物を運び、飾り付けをするその場所は、マシンの性能と速度、そして操縦者の度胸が試される場所――サーキット場だった。
年に数度開催されるレースの大会、その中でもとりわけ大規模に執り行われる『フルスロットルフェスティバル』
その開催日が、ついに明日まで迫っていた。
「いよいよ明日っすね……うぅ、なんだか緊張してきたぁ……」
フォーミュラカー(に酷似した、所々超科学的最新技術が使用されているマシン)を格納するガレージで一人、マシンのボディをなぞりながら、少年は呟いた。
現在、マシンへの破壊工作が行われないよう厳重な警備がされている中、こうして触れることが許されているのは、彼がこのマシンの搭乗者であるからだ。
日が昇り、夜が明ければ、彼は相棒のマシンと共に、高速の戦場へと赴くこととなる。敵は歴戦の猛者たちも多く、その緊張は不自然ではなかった。
しかし、少年が懸念するのはまた別のことである。
「…………あの『お姉さん』が言ってたこと、本当なんすかね……『フェスには猟兵たちも参加するから、楽しみにしててね!』だなんて……」
●グリモアベースにて。
「――――もっと先に、加速したくはない? みんな」
グリモアベースの内、会議室ひとつを貸切、部屋に集う猟兵たちへと、この場へと呼び出した張本人、龍崎・紫苑(人間の剣豪・f03982)はドヤ顔で告げる。
キョトンと、何を言っているのか理解できないといった視線の集中放射を受け、顔を赤くすると、コホンと、咳払いをした。
「……き、気を取り直して。今回集まってもらったのは他でもない、キマイラフューチャーでオブリビオンの出現を予知したからよ」
先程の失態をなかったことにしようと、真面目な表情を取り繕い話し始めた。
「キマイラフューチャーの時間で、今から数時間後。年に一度のビッグイベント、『フルスロットルフェスティバル』が開催される。いわゆるレースね、マシンに乗る搭乗者達がアクセルを踏み込んで、フルスロットルで高速の戦いを繰り広げる。あと、屋台も出て飲めや歌えやの大騒ぎで、資源の消費もフルスロットルなのが、名前の由来らしいわ……」
資源の消費がフルスロットル、フェスの名前の由来をこれにした人は相当な変わり者よね、と一言零す。
閑話休題。
「そして、そのレースの最中にオブリビオンが現れて、レースの妨害、ないしは出店を破壊して回るらしいわ。その阻止を、あなたたちにお願いしたい。と言っても、そこまで大層なオブリビオンが出るって予知は見てないから、正直言ってあなた達にとっては簡単すぎるかもしれない」
だから、と紫苑は真面目だった表情を解き、柔和な笑みを浮かべる。
「今回の任務は、どちらかと言えばバカンス気分で参加してもらうわ。今まで数々の戦いに身を投じてきたあなた達へのささやかなプレゼント、羽休めってところかしらね」
今回出現の予知をしているオブリビオンは、強大なものでは無い。猟兵がきちんと対処に当たれば、倒すことなど造作もない小物たちだ。
「レースに参加してストレス発散したり、出店を回って仲間と楽しんだり、出てきたオブリビオンぶん殴って鬱憤を晴らしたりね。ちなみに、キマイラフューチャーの住人からチヤホヤされるっていうオプションもついてくるから、みんなよろしくね」
ここまで言いきって、集まった猟兵たちから否定的な意見がないことに、紫苑はこっそりと、安堵の表情を浮かべていた。
(あの子に猟兵が来るっていった手前、予知なかったら危なかったァ……これで嘘はつかなくて済みそうだ……)
そして、そんなことを知る由もない猟兵一行は、紫苑の展開したゲートからキマイラフューチャーへと向かうのだった。
篠崎涼牙
どこまでも貪欲に速さを求めていきたい、タキオン粒子に憧れてます、執筆スピードは並、篠崎涼牙です。
今回はキマイラフューチャー、どちらかと言えばエンジョイ系のシナリオです。
第一章【日常】キマイラレース。
第二章【集団戦】懐かしおもちゃ三兄弟。
第三章【ボス戦】リア充どもは爆発しろ怪人。
を順にプレイングしていただきます。
第一章【日常】フェイズです。
プレイングとしてはレースがメインとなっていますが、今回は楽しんでいただくために、レース組と出店組の両方を募集します。
レース組は、通常通りマシンに乗り込み、キマイラたちと速さを競い合ってください。マシンでどんなドライブをするのか、それをプレイングで送ってください。
出店組ですが、こちらはレースとは別に、フェス会場内にある出店を一人で、また仲間と回りショッピングやグルメを楽しんでもらう組です。どんな出店に行くのか、グルメを食べるのか射的などのゲームをするのか、それらをプレイングで送ってください。
どちらも、成功度が超過した場合でもなるべく全員書かせて頂こうと思います。
第二章は【集団戦】
サーキットに侵入してくるもの、また出店が並ぶエリアに出現するもの、両方が現れるので、各々のエリアで対処してください。途中参加も大いに受け付けております。
第三章は【ボス戦】
リアルを充実させている輩を爆発させにくる怪人が現れます。レース組は二章終了時点でゴールしているとみなし、出店組と協力してこの対処に当たってください。
執筆開始は、オープニング開始時点から2日です。オープニングが受諾された時点で、MSからのお知らせで掲示させていただきます。
それではご参加、お待ちしております。
第1章 日常
『激走!キマイラレース!』
|
POW : エンジン全開!ひたすらアクセルを踏んでゴールを目指す!
SPD : アイテムを使って相手を蹴散らしたり妨害したりしてゴールを目指す!
WIZ : 抜け道やショートカットを利用して最短でゴールを目指す!
👑5
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
――――――――――――――――――
⚫MSメッセージ
オープニングが承認されましたので、プレイング募集を開始します。
締切は『9/29 16:00』までとさせていただきます。
締切を過ぎてもプレイングが集まらなかった場合は、その時点でのプレイングだけ執筆し、章が変わればそのまま進めます。
しかし、別に二章から「実は俺もレースに参加して(出店を回って)いたんだぜ!」と途中参加していただいても一向に構いません。
プレイング、お待ちしております。
――――――――――――――――――
⚫大熱狂、フルスロットルフェス開催!
「皆さん……とうとう今日という日がやってきてしまいました……」
キマイラフューチャー、サーキット場のステージに立つ派手な衣装を着た男は、マイクを手に、静かに言葉を紡ぎ始める。
男はステージから周囲を見渡すと、まるでキマイラフューチャーの住人が全員この場所に集っているのではないかと、錯覚するほどの人でごった返していた。
「昨年……盗んだバイクで走り出したひったくり犯と、それを追いかける警察までもが参加し、熾烈な争いを極め、最終的にお偉い様方からお叱りを受けてしまいました」
シンと静かに言葉を聞く大衆達。
「しかし、我々運営は必死の土下座(説得)をし、『まぁ盛り上がったしいいんじゃない?』と、お偉い様方から開催の許可を頂きました……。
第26回『フルスロットルフェスティバル』今年もまた――――開催致します!!!!」
うぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!!!!
開催の宣言とともに、大音量の叫びがサーキット場を震わせる。
「待ってたぜぇぇぇぇえ!!!!」
「俺だァァァあ!! 去年途中参加したバイク野郎はこの俺だァァァあ!!!!」
「ヒャッハァァァァァア!!」
千差万別な叫びだが、その全てが開催されたフェスティバルへの、またレースへの期待によるものだった。
「しかし、皆さん。私達も考えました……去年のような騒動を起こしてはならないと……しかし更なる興奮を皆様にお届けしようと……」
その言葉に、再びサーキットは静まりかえる。
一体なにをやらかしてくれたのかと、期待と興奮による、嵐の前の静けさのような静寂。
「…………なんと……なんとぉ!! 今回のフルスロットルフェス、メインレースには……」
ゴクリッ
「我らがヒーロー、我らが英雄、猟兵の方々が参加して下さることになりましたぁぁぁあ!!!!」
直後、ステージ後方に空間の裂け目が発生する。
なんだあれは、と誰かが口にする間もなく、その中から現れたのは、超人の集団。
キマイラフューチャーでは大人子供問わず大人気、猟兵たちの姿が現れた。
きゃぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁあ!!
老若男女問わず、黄色い歓声が上がる。
ドヤ顔で手を振るものや、突然のことに困惑し、ステージ上でオドオドするもの。
そんな猟兵達に、キマイラたちは歓声を送り続ける。
それはもはや狂喜乱舞としか形容できない有様だった、一種の大災害のようにも思えた。
本物のヒーローたちを前にしたキマイラに自重はなく、もはやマイクを持ち叫ぶMCの言葉は、歓声にかき消されてしまうほどの熱気に包まれたサーキット場。
また今年も、レースとキマイラ、そして猟兵を迎えた熱気による嵐、フェスティバルが幕を開けた。
フクス・クルーガー
ふむふむ、これは車のヤドリガミとしては参加するかないお祭りだね!
お祭り当日はお届け物もないみたいだし。オフで参加するよ!
え? アタシの器物はトラックだからレースには向かないのでないかって? そこはアタシのカスタマイズの見せ所だよ。
いつもは荷物を搭載している荷台には特別に更に高出力で大型のジェットエンジンと大量の燃料を山盛り搭載するんだよ。 後、曲がるためのサイドジェットとか機体剛性を高めるなどとかの細かな調整を施しってっと。
…………ってこれもうトラックと言う名のロケットだこれ!? でもいっか! パワーイズスピードを体現するのいいじゃない。 たまには王道を外れるのもいいかな。
紅葉・智華
レース……心が躍らない訳がない! 愛車と共に参戦! 行くよ、ナイン!
(素の口調)
方針:POW
※連携、アドリブ歓迎
所有している愛車【RX-9】でレースに参加。私のドラテク(【運転】技術)と、私の改造した愛車で正々堂々勝負!
高馬力軽量のスポーツカーに仕上げたから、ストレートだって負けるつもりはさらさらないけど、4ローターNAエンジンの利点はレスポンスの良さ!
ストレートで出遅れた場合は食らいついて【追跡】して、直感(第六感、見切り、【選択UC】)と経験から勝負所を見極めて、コーナーでぶち抜く!
「ストレートフルスロットルからのレイトブレーキング――なら、此方の勝ちだ――!」
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【SPD】(共闘・アドリブ可)
弟と一緒にレースに参加。レース中はインカムで通信・情報共有
どちらがファステストラップをとるか勝負
■準備
[情報収集]や[ハッキング]を駆使し、マシンスペック、コースの路面状況、
気象条件を収集し、所有する人工衛星に蓄積した膨大なレースデータより最適なセッティングを施す
■作戦
「どちらが早いか勝負よ、フォルセティ」
レース開始と同時に前に出て最短コースを進む
コーナリングは[操縦&運転]を駆使し減速を抑え直線に入ったら[ダッシュ]で加速しファステストラップを狙う
「私について来れるかしら?」
前走車がいる時はスリップストリームに入りオーバーテイクを果敢に狙う
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【SPD】(共闘・アドリブ可)
「いろんなレースに参加するの楽しいね!」
フィオ姉ちゃんと参加。どっちがファステストラップを叩き出すか勝負だね
【行動】()内は技能
レース前にボクと同じ位?の子がいたから挨拶しておくよ
「今日は負けないからね。お互い良いレースしよう」
フィオ姉ちゃんから教えてもらった情報でチューニング。タイヤもばっちりだよ
レースでは共有したコース情報を基に(操縦&運転)を使って走行。
ショートカットも見逃さないよ
「アクセル全開、フルスロットル!」
直線では(ダッシュ)で区間最速で走り抜けるよ。
フィオ姉ちゃんのマシンが前にいたら、後ろにぴったりつけてテイクオーバーを狙うよ
⚫猟兵、レースに参加する
フルスロットルフェス開会式が何とか終わりを告げると、レース参加組の猟兵たちは個人にあてがわれたガレージへと向かっていた。
区画はそれぞれ5台ずつ、各エリアに分けられており、そのうちの一区画に向かう道中。
「いやぁ、オブリビオンが出るみたいだけど、あの様子じゃあオブリビオンの方が気後れしちゃいそうだね!」
藍色の髪をたなびかせ、フクス・クルーガー(何処でもお届け! 安心のクルーガー運送!・f22299)が口を開いた。
開会式でのあの大熱狂、あそこに飛び込めるオブリビオンは、余程胆力のあるものだろう、そう思わせるほどの勢いを感じたようだった。
「そうですね……転移したらすぐさまあの歓迎とは……さすがに驚いたよ」
紅葉・智華(紅眼の射手/自称・全サ連風紀委員・f07893)も、その言葉に同意する。普段は軍人を真似た口調だが、先程の熱気にあてられてか、今は素の口調に戻っていた。
今回のレースには、車(トラック)のヤドリガミであるフクスやサイボーグである智華に関わらず、多くの猟兵とキマイラたちがレースへと参加する予定だ。
「……よし、サーキットの情報はこんな感じね。ほら、フォルセティもちゃんと見ておきなさい」
「わかったよフィオ姉ちゃん、でもいいの? 一応ボク達、敵同士になるのに情報教えちゃって……」
「べ、別にあなたのためじゃないわよ。どうせお互いにファステストラップを競うなら、同条件がいいだけ!」
中には、フィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)とフォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)のように、姉弟で参加をする猟兵もいる。
この2人はファステストラップ……サーキット一周までのラップで参加者最速を目指しているようで、公平な条件でのレースを望んでいるようだった。
もちろん、参加者は二人だけではない。他の参加者という不確定要素こそあるが、それでも条件はなるべく同じにしたいのだろう。仲のいい姉弟のようだ。
姉であるフィオリナの方が、言い訳がましくブツブツと情報共有の理由を言っている中、弟であるフォルセティの方は、ふと後ろの方にいた少年の方へとその視線を向けた。
「…………」
そんな猟兵メンバーが多いこの区画、キマイラの少年は少し離れたところを歩きながらガチガチに緊張していた。
(ま、まさか本当に猟兵が来るなんて……あのお姉さん何者なんすか……!? というか、なんで自分の区画はこんなに猟兵の皆さんが多いんすかねぇ……うぅ、緊張するっす!)
その緊張だが、皆の憧れであり英雄である猟兵たちがすぐ近くにいるという状況だ、無理もない。
「ねぇ」
(まぁ、自分とあの人たちは今回は敵……というかライバルっすから、あまり馴れ合うのも良くないっすよね……うん)
「おーい」
(……でも、お話したいっすねぇ……出来ればみんなのヒーローになれるっすよ、皆に自慢出来るし)
「おーいってば〜」
「なんすか……ってうわぁ!?」
ずっと、緊張から言葉も発さず、一人で考え事をしていたせいか、気づかなかったようで。
真横に突然現れていた猟兵の少年……フォルセティの声に我に返ると、慌てて飛び退いた。
「な、ななななっ、猟兵さんがななな、なんの用っすか……?」
憧れの猟兵に声をかけられたという、現実離れした状況に驚き、キョドっているようで。
「いや、なんだか難しい顔してたから大丈夫かなぁって、驚かせちゃった?」
そんな反応に、フォルセティも少し驚いたようだったが、すぐに柔和な笑みを浮かべた。
「えっと……その……まさか声をかけて貰えるとは思わなくて……」
「あはは、そう? ボクらだって人間……というか君たちと一緒なんだし、声くらいかけるよ。それに、今日は同じサーキットで走るライバル、なんだしね!」
「ら、ライバル……」
「そっ、ライバル。せっかくのお祭りなんだし、楽しまなきゃ損だよ」
「楽しまなきゃ……損……」
「うん、今日は負けないからね、お互いいいレースをしよう!」
じゃあね! と元の場所へと戻っていくフォルセティ。
「…………そっすね、負けないっすよ」
そんなフォルセティとの邂逅で、荒療治的に緊張も解れたのだろう。去っていくフォルセティの方へと視線を向けて、真剣な眼差しで笑みを浮かべた。
しばらくして、各々が自らのマシンをチューニングし、準備をを整え終えると、続々とスタート地点へと集う参加者たち。
魔改造が施されたトラックや、高馬力軽量のマシン、流線型のフォルムが美しいバイク。
各々が自らの、しかし唯一の目的へと目指しエンジンを噴かせる。
「パワーイズスピードを体現するためだけど、たまには王道からズレた改造もいいわよね!」
「レース……心が躍らないわけない。行くよ、ナイン!」
「どちらが早いか勝負よ、フォルセティ」
「もちろんだよ、フィオ姉ちゃん」
「…………猟兵の皆さんが敵でも……自分なりのレースをするだけっす!!」
やがて、スタートまでのカウントダウンが始まる。
――――3
転倒した赤色灯に、真剣な表情をドライバーたちがうかべる。
――――2
アクセルに足をかけて、エンジンを轟かせる。
――――1
一瞬の静寂。
――――0
轟音が、風切り音が、エンジンたちの咆哮が、無数にサーキット場に響く。
数十ものマシンが、一斉にスタートを切り、サーキット場に再び歓声をもたらした。
⚫恐怖、迫る轟速ロケットトラック
「エンジンフルブースト、ぶっ飛ばしていくよ!!」
フクスの乗るトラックの荷台、その後部扉が弾け飛び、中から赤い炎が現れる。ジェットエンジン、そして加えて自らのユーベルコードの効果も混じえて、圧倒的加速力を誇る。
「けっ、馬鹿め」
しかしその光景を見て、一人のドライバーは呟く。
「あんなに加速してちゃあ、コーナリングでスリップして、エンジンに引火、そのままドカンだ。猟兵の力にうつつを抜かして、そんなことも抜けてるたァ……これなら俺でも勝てそうだァ!」
フォーミュラのハンドルを切り、コーナリングへと入っていくドライバー。ここで差をつけてオーバーテイクを狙うようだ。
「……ふっふっふ、そうは――――――いかないよ!!」
しかし、ドライバーの目論見は外れた。
それというのも、コーナリングに差し掛かった時は、横転もかくやという程の勢いで突っ込んでいたが、荷台の側面に取り付けられたエンジンが火を噴き、横転しかけの車体を持ち直し、さらにコーナリングを完璧にこなしていく。
「な、なにぃ!? そんな馬鹿な……ぐぁぁ!!」
相手を素人と、侮っていたつけか、進行方向を荷台にさえぎられたそのドライバーは慌ててハンドルをきり、リタイアとなった。
「……あれ? なにか当てちゃったかな……まぁいいか!」
後方で響いた悲鳴に少し気を取られたようだったフクスだが、すぐにトップを目指すために視線を前へともどした。
⚫事実は虚構よりも奇なり
「ほらほら〜私とナインのお通りだァ!」
サーキットを無数の虫がひしめくように、合間がないようにも思えるその集団の中を、まるで針の穴を通すような精密さで、智華の駆るマシンが通り抜けていく。
「くっそ、なんだあのマシンは!! ぶつかれば壊れちまいそうな見た目してやがるのに!!」
「あんな精密な運転するだなんて……一体誰がのってやがんだ!?」
抜かされていくドライバーたちは、そのドライビングテクニックに驚愕と畏敬の念を感じているようだった。
「……なぁに、どうせ囲んでぶつかりゃ避けらんねぇぜ! いくぞ!!」
そう叫んだドライバーは、その取り巻きと智華のマシンへと接近していき、いざ接触するというタイミング。
「――見えた」
智華は、アクセルを踏み込む。急加速するマシンが、一瞬でマシンの間をすりぬけ、衝突しようと囲んでいたマシンたちが同士討ちになる、という悲惨な結果が訪れた。
「…………レースで相手の妨害するのは構わないけど、そういうのは良くないでありますよ! なんてね。私と『虚構の神脳(イミテーション・ラプラス)』相手に、そんな見え透いた妨害は、通用しないよ!」
この精密なドライビングは、彼女のテクニックもさることながら、このユーベルコードもそれを手助けし、磐石なものへとしていた。
⚫邪魔立て無用! 姉弟レース!!
ロケットトラックの大爆走、未来予知による精密なテクニック。
繰り広げられるド派手なレースに観客が目を奪われる中、しかしそれとは別に、注目されていた二人のドライバーの姿があった。
「…………私についてこられるかしら?」
「舐めないでよ、フィオ姉ちゃん!」
その二人は、お世辞にも派手なレースをしてる訳ではなかった。
しかし、多くの観客の目を奪っている。
「なんなんだあの二人……他の奴らみたいじゃねえが……綺麗な運転しやがる」
「コーナリングにショートカット、アクセルの加減……何をとっても高レベルだぞ……」
マシンの空気抵抗を減らすフォルムもあるのだが、しかし高速で移り変わる景色のなか、冷静な判断を下している二人に追随するドライバーは、数少ない。
「くそっ……距離が縮まらない!」
「なんなんだあいつら……スリップストリームなしでなんであんな速度を……」
猟兵といえば、派手、もしくは高性能なユーベルコードを使用して、どんどん抜き去っていく爽快なレース展開が王道であった。
しかし二人は、純粋なドライビングテクニックだけで勝負する二人の姉弟は、少々異質に感じられた。いい意味で。
「……なんだか照れくさいなぁ、なんか褒められてるみたいだよボクら」
「……まぁ、私たちのドライブがすごいって言うのは当たり前として……きちんとレースに集中してちょうだい?」
「そりゃあもちろん! フィオ姉ちゃんには負けないからね、アクセル全開フルスロットル!」
ぐんと、加速するフォルセティと、それに追随するフィオリナ。
速度を競う、仲のいい姉弟喧嘩の姿がそこにはあった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
黒影・兵庫
いいですねぇ!賑やかで活気があって、こういう場所、俺大好きですよ!
(少し離れた場所にあるフォーミュラーカーを指さして)
あ、せんせー!あれがレースのマシンですね!
(脳の中の教導虫に語り掛けながら)
かっこいいなぁ...機会があればぜひ一度乗ってみたいです
まぁ、免許持ってないので今は駄目ですが、っと
(出店を見回しながら、一つの店をロックオンする)
あ、ありました!キマフュでも有名なクレープ屋さんの出店です!
噂を信じて正解でした!
すみません!クリームインフィニティください!
(クリームが物理法則を無視した高さまで伸びているクレープを受け取る)
ん~♪やっぱりおいしいです!今日の依頼はサイコーですね!
⚫少年、無限の甘味を食す
「うわぁ……いいですね! 賑やかで活気があって……こういう場所俺大好きですよ!!」
爆炎と、未来予知と、技術がぶつかり合うレースサーキットとは別の場所。
レースを見せるための巨大ディスプレイの前に少年、黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)はその賑やかさに興奮気味に笑っていた。
「……あっ! あれがレースのマシンですね!! かっこいいなぁ……俺もああいうの、機会があれば乗ってみたいですね……今は免許がないんですけど」
やはり少年も男の子。かっこいい物には目がないようだ。
けれど乗ることが出来ないなら仕方ないと、少年は出店の立ち並ぶエリアの方へと向かう。知り合いから、とある噂を耳にしていたから、その確認に。
レーザービームでの射的に、浮き上がるほど軽いわたあめなどの異次元じみた出し物や、たこ焼きに金魚すくいなどの王道の出店。
そんな中で兵庫は、目当てのものを見つけた。
「あ、ありました!! 噂を信じて正解でしたね、この出店の数ならあると思っていましたよ!!」
そこは、キマイラフューチャーの中でも有名なクレープ店、今では猟兵にまでその噂が伝わるほどの知名度を誇っていた。
やはり、猟兵も気にかけているクレープ店、その出店ならば、行列もできるというもので。
長蛇の列に並び、周りの景色などをせんせーへと話して時間を潰しながら、自分の番が来るのを待ち、念願の時が訪れた。
「すいません!! クリームインフィニティください!!」
瞬間、周囲がざわついた。
なんて誇張に満ちたネーミングだろうと侮るなかれ、それはインフィニティというなに相応しい、まさに永遠にも等しい高さまで積み上げられたクリームが特徴的なそのクレープ。
その量の多さと、高すぎるクレープのバランスを維持する難易度から、滅多に注文されないメニューなのだ。
「おいおい、見ろよあの小僧。インフィニティを頼んでやがるぜ」
不意に、その光景を目にしていた一人の男が言葉を漏らす。
「あれはこのスイーツ王者、カンミ様が唯一完食できなかったクレープだ。あんな子供が一人で食べるなんて、無謀だな」
「本当にゃよ、だめだめにゃ」
そこに加わるように、猫耳が特徴的な少女が現れる。
「あれはこのスイーツクイーン、アマタビが倒してしまって食べることすら出来にゃかった代物にゃ、食べるなんて無理にゃよ」
二人のスイーツ王者とクイーンが、各々の見解で、しかし同じ結論を導き出す。
――――しかし、そのあてははずれた。
「んー! やっぱり美味しいです! 今日の依頼は最高ですね!!」
クリームは高さのせいで揺れながらも、しかし倒れることはなく、少年はクリームをだるま落としのようにクリームをすくい、すくわれたところから落下し、それを器用にキャッチして食べ進めていく。
それから十数分後。
「んー、美味しかったです! ご馳走様でした!!」
にこやかに、兵庫は完食を宣言した。
周囲は驚愕に包まれていた。スイーツ王者とクイーンに至っては、立つ瀬がないとばかりに、もはや無の境地に至っていた。
うぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!!!!
レース会場に匹敵するような歓声が響く。
「えっ!? え、な、なんですか!?」
困惑する兵庫のことなど気にすることなく、周りにいたキマイラたち全員が兵庫を担ぎあげて、胴上げを始める。
しばらくしてから、正気を取り戻した王者とクイーンも参加して、出店側にて、新たな伝説が刻まれることになった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『懐かしおもちゃ三人衆』
|
POW : コマ回し怪人・ウェポン
【コマ回し兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : けん玉怪人・ジェノサイド
【けん玉攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : トランプ怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【トランプ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:まめのきなこ
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
『さぁ、レースも中盤に差し掛かってまいりました! さて、解説のレッサーさん、現状目をつけるべきはどのマシンでしょうか?』
『やはり、並走しながらも他の追随を許さない姉弟猟兵でしょうかね……いやぁ、私もあの美人お姉様の弟になりたい』
『誰ですかこの人解説に連れてきたの』
白熱する実況解説席。
レースはその通り中盤に差し掛かり、マシンに乗るレーサーたちもそろそれ疲れが見え始めてくる頃合い。
「……な、なんだぁ!? うわぁぁぁぁぁぁあ!!!!」
序盤でアドバンテージをとり、姉弟たちより前にいた一人のレーサーが悲鳴とともにクラッシュした。
カメラは何が起こったのかと、その原因へと焦点を当てる。
「レースなんて許さない!」
「ハイテクなマシんだなんてうらやmけしからん!!」
「昔懐かしのおもちゃであそべぇ!!」
現れたのは無数の、頭が古風な玩具で作られたオブリビオン。
しかも、その数は優に百を超えているだろう。マシンの進行方向を遮るように立ちはだかっていた。
そして、その怪人たちはレース会場だけではなく、出店の並ぶ場所でも出現した。
「こんな洒落た射的などいらない!!」
「コルクの弾を使った、昔懐かしの射的をやれぇ!」
「お面は!? お面どこに売ってるの!?」
こちらも、昔懐かしのおもちゃであそべという、内容の主張とともに、人々に襲いかかろうと、無数に現れていた。
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(アドリブ・共闘可)
「えー、レース場に変な怪人が現れたよ?」
とりあえず一般参加の人には退避してもらわないとね
【行動】()内は技能
「最近おもちゃ売り場でもみないよね。可哀そうだからボク達が相手になるよ」
怪人達を(挑発)して注意をこちらに向け、その隙に猟兵じゃない人は退避してもらうよ。あの少年も大丈夫かな?
それで、怪人達が動き出す前に(先制攻撃)でバーラ・スーペルノーバだね!
重力磁場で怪人の動きを止めちゃって、畳みかけるように攻撃だよ。
「それじゃあトランプ怪人覚悟だよー!」
(高速詠唱)でカラミダド・メテオーロを叩きつけるんだ
相殺する前にやっつけちゃえば安心だね。
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【SPD】(アドリブ/連携可)
「このまま轢いても問題なさそうだけど」
仕方なく車から降りて懐かしおもちゃ三人衆と対峙する
■作戦
トランプ怪人は弟に任せて、主にけん玉怪人を相手にする
■行動
弟のUCが発動している隙に、オートフォーカスでけん玉怪人をロックオン
「貴方の相手はこちらよ。そんな動きでは大した技も出来なさそうだけど」
けん玉攻撃を繰り出す前に[高速詠唱]から【トールの雷鎚】を放つ
「糸が絡まってるわよ」
魔法の網で糸を雁字搦めにして雷撃の鎚を叩きつける
けん玉攻撃は[見切り]と[ジャンプ]で華麗に躱していく
「世界一周みたいな技を見たかったけど期待外れね」
「……オブリビオン……怪人が出たみたいだよ? レースの邪魔しないで欲しいなぁ」
「…………このままノンストップで轢いても問題なさそうだけど……仕方ない……」
白熱してきた所に、水を刺すように現れたオブリビオン達。
無論、レースは中断、全マシンが1度その動きを止め、そして姉弟猟兵であるフォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)とフィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)はバイクから降りると、無数のオブリビオンたちの前へと出ていく。
「……じゃあフィオ姉ちゃん、いくよ」
「もちろん、ヘマしないでよね」
二人はそれぞれに、魔力を編み魔法の構成を始める。
そして、フォルセティは呟いた。
「……遊べって言うけど、君たちおもちゃ売り場でも見ないよね」
グサッ。
幼さゆえの正直さ、とでも言おうか。その何気ない一言が怪人たちを傷つけ、胸を抑えて蹲る怪人たち。
魔法を用いない、純粋な言葉の刃だった。
「……敵の前でうずくまるって、どういう教育受けてきたのかしら……いや、オブリビオンだから受けてないんだろうけど……」
少し困惑気味に、フィオは呟いた。
目的を果たそうと思って出てきたはいいが、非情な現実を突きつけられたそのツラさは分かる。いくらオブリビオンとはいえ同情の余地はある。
だが、レースの邪魔をされて、少しだけ気が立っているこちらとしては、それを無視して慈悲を与える、なんて選択肢は生まれなかった。
「しばらくそうやって俯いていなさい」
気づけば、怪人たちは体を起こすことが出来なくなっていた。
まるで自分たちの上から網を被せられて、動きを封じられているように感じる。
「悠久に揺蕩う無限の星屑よ。星柩満ちて此へ集うは漆黒の紅炎」
「七界へ轟け、雷神の鎚よ!」
しかし、無慈悲にも詠唱は紡がれ、術式は完成する。
空には暗雲が立ち込め、周囲は夜にでもなったかのように暗くなる。
そして、底から顔をのぞかせたのは灼熱の巨大隕石と紫電に輝く雷撃の槌の姿。
「先手必勝、相殺される前に攻撃しちゃえばいいよね!」
「世界一周くらい見てみたかったけど……レースの方が大切だから、仕方ないわね」
紅蓮と紫電が交わり、群がる怪人たちへと降り注いだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
紅葉・智華
※アドリブ・連携歓迎
(レースの最中、昂ぶってる為、素の口調で統一)
本当なら避難誘導もやらなきゃだけど、レースはまだ終わっちゃいない。レースに勝ちつつ、安全に、オブリビオンを倒さなくっちゃあならない。……大変だけど、やってやろうじゃんか!
引き続き【RX-9】を【運転】しつつ、【第六感】や【戦闘知識】を活かして攻撃を【見切り】、回避する。
反撃手段がないように装いながら、敵を【おびき寄せ】て、ここぞという場面で【選択UC】で【属性攻撃】(高圧電流)の【カウンター】。【だまし討ち】と言われればそうだけど、オブリビオン相手に容赦はしない。
「レース続行! このまま飛ばすよナイン!」
紅葉・智華(紅眼の射手/自称・全サ連風紀委員・f07893)はバイクを駆りながら、前方の集団を見据えて歯噛みをする。
その集団は前方を走る一位集団、という訳では無い。突然現れ妨害を開始した、オブリビオンたち。
出現事態は予知されていたから、いつかは出るのだろうと理解していたけど、だからといって邪魔をされて気分のいいものでは無い。
真剣勝負に横槍を入れられたのだから、それも当然の反応だが。
「…………本当なら避難誘導もやらないといけないんだけどね……」
観客、及びほかのドライバーの安全確保のために、バイクを止め、避難を促すのが猟兵としては正解なのだろう。
けれど、今はレース中、まだ戦いは終わっていないのだ。レーサーとして、足を止めるわけにはいかない。
「大変だけど、やってやろうじゃんか!!」
エンジンをふかし、加速する。
向かう先は、サーキットに立ちオブリビオンと応戦する二人組の猟兵。その合間を縫うようにバイクで抜き去り突き進む。
敵陣の真っ只中に飛び込んだせいか、一斉に智華へと狙いが向かう。
「バイクをおりろー!」
「危ないだろー! こんな危ないものより、昔懐かしの安全なおもちゃで遊ぶべきだー!」
「うわぁぁ! 轢かれる轢かれるぅ!」
様々な声の飛び交う中、猛進するバイクを止めるべくけん玉を放ち、コマをまわし、カードが射出されていく。
「……悪いけどそこ、壁があるよ?」
その呟きの直後、バイク周辺で放たれた攻撃は動きを止め、それをはなったオブリビオンの元へと雷撃のカウンターが放たれ、そこから伝播するように周囲を感電させていく。
雷撃に動きをとめたオブリビオンをバイクではじき飛ばしながら、その集団を駆け抜ける。
「レース続行! このまま飛ばすよナイン!!」
オブリビオンを蹴散らし、止まることなく駆け抜けた智華は、サーキットの先頭、一位へと躍り出た。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『リア充どもは爆発しろ怪人』
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POW : リア充は爆破する!
予め【リア充への爆破予告を行う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : リア充は爆破する!!
【リア充爆破大作戦】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : リア充は爆破する!!!
単純で重い【嫉妬の感情を込めて】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
イラスト:くずもちルー
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「アルル・アークライト」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
小さな乱入者の集団を蹴散らし、レースは続行。猟兵達のマシンが前へと先行している。
熾烈なトップ争いに、観客たちも声を張り上げ、実況も白熱していく。
いよいよゴールがドライバーの視界に写り、盛り上がりはピークに到達する。
あと100メートルを切り、いよいよゴールは目前。
その時、ゴールが『爆ぜた』。
「…………“リア充”の気配……」
急ブレーキを掛け、爆発に巻き込まれないようマシンを止め、爆煙の中から現れた巨体に視線を向ける。
それは、頭部が爆弾を象り、筋骨隆々の肉体をしたオブリビオン。
サーキットに大きなクレーターを作り出したオブリビオンは、ゆっくりと観客席の方へと視線を向け……
「リア充は…………」
手を観客席に向けて伸ばし……
「爆破するぅ!!」
轟音と共に、観客席に向けて爆発が放たれる。
先程と変わって、白熱した雰囲気から恐怖に支配された絶叫が響く。
リア充に対しての嫉妬に狂った爆弾魔は、サーキットから観客たちを睨みつけると、そこに向けて走り出そうと足を動かした。
田中・香織
ユーベルコードで呼び出したアーミーメンに地雷を設置してもらい、相手を挑発して地雷原に誘い込むわ。
『ねぇ、あたしこの後、彼氏とデートなんだから、サクッとやられてくれない?』
(本当は彼氏なんていないんだけどね)
といった感じで、リア充をアピールして相手の怒りに油を注いでやれば顔面レッドゾーンで向かってくるはずだから。
『ところで、自分が爆破される気分ってどう?』
「随分と短気ね! あなた!!」
その声に、怪人はピタリと足を止める。
それは短気と言われたことに対してか、それともいつの間にか真正面の地面に現れていたからか。
なんにせよ、観客席へ向かう足はそこで止まった。
立ち塞がった少女、田中・香織(ヒーローに憧れた人形・f14804)は、兵隊人形へとテキパキと指示をしながら、怪人を見つめる。
「…………邪魔をするなぁ……リア充は爆破するぅ……」
嫉妬に狂う爆弾魔は、軽く田中を一瞥するのみで、無視をしようと歩き出す、が。
「……あたし、この後彼氏とデートなのよ。だから、サクッと倒れてくれない?」
再びピタリと足を止める。
頭の導火線の炎がひときわ強くなり、その表情は憤怒を称える。
「貴様ァ……リア充かぁ……ならばァ…………」
クラウチングスタートにも似た体制を取ると、キッと田中を睨みつけ。
「爆破するぅ!!」
足元を爆破させ、一気に加速。
地面を蹴る度にクレーターを起こし、段階的な加速を繰り返していき、数歩のうちにトップスピードへと到達する。
自らの感じる、全世界に存在するリア充たちに対しての嫉妬を、拳に握りしめ、不気味な爆炎を纏わせて振りかぶる。
「……短期な男は、嫌われちゃうわよ?」
それを受けても平然と、田中は微笑を称えたまま。
あと数メートル、まもなく拳の間合いに入ると言ったところで、怪人の足元が爆ぜた。
怪人の意思ではない、完全に不意打ちの一撃、真上に向けての爆発だった。
「怒ったりすると、視野が狭くなるの知らないの? あんなに堂々と『地雷』仕掛けたんだから、避けたりすればよかったのに」
してやったり、とばかりに口を開く田中。
自身の生みだした兵隊たちに指示していたのは地雷の設置。
爆発には爆発を、という訳では無いが、挑発すればこうなるのだろうという予想を立てていたのだろう。
見事にその予想は的中し、怪人の体を大きく宙に浮かせることに成功したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
紅葉・智華
※アドリブ・連携歓迎
※全編素の口調
そもそも「リア充」の定義は「リアルが充実してる」だし、怪人も「リア充」なんじゃないの?
【選択UC】(第六感)で敵の攻撃を【見切り】、回避する。
ただ、正直レースでの勝利が第一目標なので、相手にしない。結果的に【おびき寄せ】、陽動になるのなら、いい【援護射撃】になるとは思うけど。
「私は今、レースを楽しんでいる! 充実している! 貴方はどうなのかな!? 今、あなたは自分がリア充だと思うものを爆発して楽しんでいる! つまり、充実している――そう、貴方こそリア充だ!!」
とりあえず、愛車【ナイン】で優勝を目指すよ!(大事)
「4ローターNAエンジン舐めんな!」
「ぐうううっ!!」
地雷の爆風に持ち上げられた体が、受身を取ることもできず、地面に叩きつけられる。
爆発と落下のダブルパンチに、苦悶の声を漏らした。
リア充を爆発させるべく生まれてきたというのに、自分が爆発させられてしまうとは、間抜けにも程がある。
ただ、その体は爆発を受けても死ぬことは無い。爆発を操る怪人が、自分の爆発で死ぬ事はなかった。
ゆらりと立ち上がり、正面を見すえる。彼氏とのデートがあると言った少女の姿はない。デートに向かったのだろうか。
ならば、壊さねばなるまい。リア充を爆発させることこそが、自らの使命なのだから。
実際は少女は姿を隠しただけなのだが、それすら分からない怪人はゆらりゆらりとサーキットから出ていこうとする。
エンジン音が響いた。
視線を向け、向かってくる車を視認すると掌をかざし、爆発を連発させ、その行く手を阻む――――
「4ローターNAエンジン、舐めんなよ!」
サーキットを爆走する愛車【ナイン】の中で、紅葉・智華(紅眼の射手/自称・全サ連風紀委員・f07893)は笑みを浮かべた。
向かってくる爆発、それは速度も相まって、車に着弾でもすれば爆発に巻き込まれ、重症は免れない。
しかし、恐れることなく、アクセルを踏み込んだ。
レースの最中、車体に体当たりをしてくるライバルたちの、あの真剣な攻撃。それに比べれば、嫉妬に狂っただけの爆発など、恐るるに足らない。
「見えた――――ゴール!!」
ユーベルコードで見据えたのは、爆発の軌道、そして自分がゴールをする未来。
ハンドルを切り、車体を蛇行させ、爆発を躱していく。
「当たらないぃ……なぜだなぜだなぜだぁ!!」
自らの爆発が、まるで勝手に標的から外れるような光景に、怒りを口にする怪人。いかに嫉妬に狂っていようと、未来を読まれてしまえば当たらないのは当然、しかしそれを知るよしはなく。
「私は今! レースを楽しんでる!! 充実している!!!!」
邪気なく、智華はそう叫んだ。
狙いはリア充、であれば自分がリア充であることを示せば標的にすることは容易い。
しかし、言葉はそれだけにとどまらない。
「貴方はどうなのかな!?」
「…………俺が……だとぉ?」
「そうだよ!! 貴方は自分がリア充だと思うものを爆破させて楽しんでる……充実してる。
つまり――――貴方こそリア充だ!!」
その時、爆撃が止んだ。
怪人の爆弾にも似た顔が、困惑に強ばる。
速度を増したマシンがその横を通り過ぎても、動かない。
「俺が…………リア充……だとぉ?」
智華は攻撃をすることは無かった。
しかし、怪人の心に会心の一撃を叩き込み、その動きを止めて見せたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アララギ・イチイ
よし、飛び入り参加よぉ
リア充ねぇ……まぁ、他人に嫉妬している暇があるなら自分をリア充にする為に努力した方が効率的じゃないかしらねぇ
とりあえずリア充アピールして挑発しましょうかぁ
私には可愛いこの子達(戦闘人形、疑似的だが人格あり)が居るから、人形だとバレない様に服装を整えて「醜い男?の嫉妬は怖いわねぇ、私達はあっちに行ってデートの続きでもしましょうぉ(両方の頬に口付け」なんて、発言してみるわぁ
挑発に成功したら、【選択UC】発動ぉ
戦闘人形(機関砲・バルカン砲・ミサイル)私(チェーンガン・榴弾砲・迫撃砲・ミサイル)を【早業】で展開して【乱れ撃ち】で【制圧射撃・範囲攻撃】の【一斉発射】で攻撃するわぁ
カタリナ・エスペランサ
出店の気配を感じて遊びに来たけど、うん
義を見てせざるは勇無きなりってね
レースの邪魔して皆に迷惑掛けて――許さないよ。吹っ飛ばす
UCは【天災輪舞】を発動、高速移動の勢いも乗せた《怪力+早業+吹き飛ばし》の蹴りを叩き込んで観客から引き離すよ
アタシ恋愛とか経験無いし敵の眼中に無いだろうから《先制攻撃》できるんじゃないかな?
一応《第六感+戦闘知識》で《見切り》も万全にしとくけどね
後は翼で上空に舞い上がって《空中戦》を展開、雷羽の雨を降り注がせて《属性攻撃+マヒ攻撃+誘導弾+乱れ撃ち》。
その身を貫く電撃で痺れさせて動きを封じつつ焼いていこう
そうやって他人に当たるからモテないんだよ
骸の海で反省するといい
「…………俺が……リア充……?」
先程走り去った少女の声に、怪人は未だ困惑していた。
最初はリア充が憎かった、自分を差し置いて幸せになっていた奴らが許せなかった。
だから嫉妬を拳に宿し、その関係性を爆発させることで楽しんでいた。
そう、楽しんでいたのだ。
楽しむことが充実していたというのであれば、自分はもしかして……
「…………それはない」
考えること数分、結論は否、となった。
嫉妬するということは自分がリア充では無いということ。
そんな単純な理屈、しかし怪人にとってはアイデンティティのかかった重要な議題である。
よし、これからはもっと真剣にリア充を爆破しよう。
そう決意を新たにした。
「……やれやれ、醜い男の嫉妬は怖いわねぇ」
一つ、呆れた声がサーキットに響いた。
カツカツと足音が響き、その方向から傍らに男をはべらせた少女が歩いている。
「あんなの放っておいて、私たちはデートの続きでもしましょうか」
背伸びをして、男の頬にキスをする少女。
それは、決意を新たにした怪人にとっては格好の的だった。
「リア充は――――爆発しろぉ!!!!」
掌を向け、その2人を爆発させようと手に力を込める。
「――――やれやれ、出店に遊びに来たというのに、レースの邪魔なんて野暮な真似をしてるなんて……許さないよ」
気づけば、雷電を纏った少女、カタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)が懐に潜り込み、足を振り上げていた。
完全に不意をつかれたその高速の蹴りに、本日二度目、怪人の体がはねあげられた。
「これでいいのかな、アララギ」
そう呼ばれた少女、アララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)はにこやかな笑みを浮かべて頷いた。
「完璧よォ、カタリナ。それじゃあ、二人で攻撃しちゃいましょうかぁ?」
「怖いなぁ……キミを敵には回したくないね……でも、了解だよ」
カタリナは苦笑をこぼすと、翼を展開して蹴りあげられた怪人を追い越し、アララギと対になる位置に、飛び上がった。
「さぁて、狙い撃つぜぇー♪」
指を鳴らすと、彼氏役を担わされていた人形とアララギ自身が無数の重火器を展開し、それを怪人へと向ける。
「さぁ、最高のパフォーマンスで魅せてあげよう!!」
カタリナは空中に留まり、展開した翼に雷撃を纏わせる。
そして放たれたのは、互いの弾幕を使用した逃げ場のない蹂躙だった。
およそ、怪人一人に使うには過剰火力にも思えるような、無数の羽と弾丸。
逃げようにも体が痺れ、自由が効かず逃げることは出来ない。
下からの榴弾の爆風で落下することも許されない。
空中での監獄が完成していた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵