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▼ゴーレムの中にいる

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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「皆さま、お集まりいただきありがとうございます」
 人首・椿(傷と記憶は刻むモノ・f06124)はコロリと電子巻物を広げると、アルダワ魔法学園を示す。
「地下に災魔が潜むこの地ですが、此度は地上にゴーレムが噴き出してくるようなのです」
 湧き出す、ではなく噴き出す、な辺り、どれだけ大量に出てくるのかと思いきや。
「学園のいたる所から泥が噴き出し、それがゴーレムとなる事で生徒達は不意をつかれ、現場は混乱の渦中にあります。まずは事態の収拾を目指し、ゴーレムを叩かなくてはなりません」
 噴き出す(物理)だった。
「恐らく、ゴーレムの泥を送り出すパイプのような物があるはずです。まずはその出所を探らなくてはならないのですが……」
 混乱した学生達が右往左往する現場では、捜索どころではない。まずは目先のゴーレムを撃破して、少しでも学生達を落ち着かせて調査できる環境を整える必要があるだろう。
「あぁ、それから……彼等はあくまでも、本来ならありえない事態に冷静さを失っているだけですから、指揮を執れる方がいらっしゃれば、戦力として皆様に協力してくれる事でしょう」
 とはいえ、だ。初対面の、それも冷静さを欠いた烏合の衆を纏め上げるのは並大抵の事ではない。圧倒的カリスマと、明確にして的確な指示がなければ何の役にも立たない為、学生をアテにするのは避けた方が無難だろうか。
「それでは皆さま、ご武運を。ゴーレムの群れに飲み込まれて、新たなゴーレムになんてなっていたら……ふふふふ」
 スッと、椿の指先が刀の柄をなぞると猟兵達はサッと目を逸らすのだった。


久澄零太
つーわけでゴーレムの群れをぶん殴りにいく依頼だよ!!

※この依頼はネタ依頼です。何が起こっても構わないという覚悟と器とネタキャラ適性のある方向けです。シリアスキャラは色々覚悟して参加をご検討ください
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第1章 集団戦 『クレイゴーレム』

POW   :    上官を呼ぶ
自身の身長の2倍の【クレイゴーレム】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    仲間を呼ぶ
レベル×1体の、【額】に1と刻印された戦闘用【クレイゴーレム】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    配下を呼ぶ
レベル×5体の、小型の戦闘用【クレイゴーレム】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。

イラスト:はと銘菓

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アリス・セカンドカラー
ネタ依頼にはお任せがジャスティス☆

エロでもネタでもフルスロットルで遊んでOK♡負けロール(実はわざと喰らっている)もありありです。
キャラコンセプトは『もはやどちらが悪役かわからない』『無邪気な子供は時にどんな悪魔よりも残酷』
エロい(えげつない・ろくでもない・いやらしい)
欲望のままにユーベルコードで自分に都合よく世界を改変し、獲物を自分好みの姿に変え洗脳し、念動力/大食い/盗み攻撃でリソースを喰らい簒奪し己の糧にする。

念動力を基点にしたオールラウンダーサイキック、怪力で近接パワーファイターから、属性攻撃/範囲攻撃で広域超能力遠距離戦、毒使いや罠使いや催眠術でのデバッファーとマルチに動けます。


アルファ・ユニ
これだけ学生がいればあれくらいユニの指揮で簡単に…
ねぇ!言う通りに動いてってば…!!(混乱の渦に飲まれる)
あぁそう。いい。要らない。ユニだけでやる。

離れた距離からUCを放って1匹ずつ仕留める
巨体だろうがなんだろうがどこかに1発命中すればそれで充分、音の超振動はゴーレムを蝕み歪ませ罅が入って身体を崩してゆくだろう。

音が命中したゴーレムが無事なゴーレムに少しでも触れたら振動が伝染しちゃうかもね?
増えるなら増えていいよ。但し密度に気をつけて
攻撃はトンファーで受け流して硬いゴーレム同士が衝突するように

いいよね君達は統率なんて取らなくても思った通りに集団で動けるなんて

すごく目障りだから土に還っていいよ


テティス・ウルカヌス
「今回は学園のイベントでのコンサートのお仕事ですね!
それなら、この天才美少女アイドル、テティスちゃんが満員御礼にしてあげましょう!」

おや、学園に何やら騒ぐ学生さんたちが。
きっとイベントで興奮して天才美少女アイドルの到着が待てなくなっているんですね!
颯爽とイベント会場入りして、ファンサービスしちゃいますよー!

「まずは自己紹介代わりに一曲いきますねっ!」

【天使の歌】で学生さんたちのハートを鷲掴み(物理)ですっ!

「って、なんか泥まみれの芸人さんたちがたくさんっ!?
ならばこっちはテティスちゃんファンクラブで対抗です!」

私の魅力にメロメロになった学生さんたちに指示して
芸人さんたちを撃破しましょう!


大総・統
フハハハ!我が名は世界征服を企む秘密結社オリュンポスが大総統!!
最も偉大なる神である私を呼んだな?
よかろう、お前たちの救いに応えてやろうではないか!
全て私に任せよ!!

【混沌ト魅惑ノ咆哮】で学生達を落ち着かせて強化、扇動します。

先ずは、全員で粛々と整列し陣形を整えよ!
さぁ、並び終えたならば、全員で敵に向かって進軍開始!!
倒れた者は構わず、兎に角前に出よ!!
これぞ、オリュンポス戦列歩兵!!
敵とのチキンレースに勝った側が勝者というわけだ!

さぁ、オリュンポス戦闘員である諸君ならばこの程度の苦難乗り越えられるだろう!!


鳴子・このは
「あはは、まっさかー。そんなヘマしないって!」
だってゴーレムでしょ? そんな動きの遅そうなヤツに捕まるわけないじゃない。
”たまたま”魔法の羽扇を落としたり、”急に泥が降ってきた”ので翼が泥だらけで飛べません、とかならない限り大丈夫だって!
え、フラグ?
そんな事そうそう起こらないって。ファンタジーやメルヘンじゃないんだから!
……保険は掛けておこうかな? バッサリ切られたくないしね。

ゴーレムを見つけ次第吶喊! 全速で突っ込んで苦無を突き立ててやるわ。
「速さを一点に集中させれば、どんな硬そうなゴーレムでも砕け散る!」よね、多分。

あぁ、そうそう。切られた時のために【自己流・空蝉の術】の準備しとかないと。



「今回は学園のイベントでのコンサートのお仕事ですね!それなら、この天才美少女アイドル、テティスちゃんが満員御礼にしてあげましょう!」
 総員退避!退避ー!!奴だ!テティス・ウルカヌス(天然系自称アイドル・f12406)だ!!このままでは戦場もろとも滅ぶことになるぞ!!学園の被害?知るかッ!!
「おや、学園に何やら騒ぐ学生さんたちが。きっとイベントで興奮して天才美少女アイドルの到着が待てなくなっているんですね!」
 よく見ろバカ!興奮してんじゃねぇよゴーレムに襲われて混乱してるんだよ!!
「今回はあんな着ぐるみまでたくさん……さすがは学校のイベントですね!ところで、どこのゆるキャラさんですか?」
 ド ア ホ ウ !
 あんな動き回る泥の塊のゆるキャラがいてたまるか!!
「ですよねー」
 ようやく分かってくれ……。
「さっきあちこちから噴き出してましたもんね。ドローン内蔵の風船ですよね!!」
 てねぇえええええ!?
「任せなさい」
 貴様は……アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)!?
「アレを放置するとネタどころの騒ぎじゃないでしょう?」
 それはそうなんだけど……お前も割とロクなことしない気がするんだが?
「大丈夫、さすがに学生に被害を出すほど私も馬鹿じゃないわ」
 本当でござるかぁ?
「まぁ、見てなさい」
「まずは自己紹介代わりに一曲いきますねっ!」
 音響機器をセットして、あわやテティスによるライブ(という名の皆殺し)が始まってしまうかと思いきや、時が急激に進み太陽が引きずり降ろされるかの如く、周囲が光を失っていく……待て待て待て!アリス、お前まさか……!?
「アレが出た時点で選択肢なんてなかったわ!」
 キリッ!キメ顔のアリスを中心にして学園が闇に閉ざされる。されどその内部は暗黒にあらず。光が無いにも関わらず、人の目に周囲の光景を映すそれは、まるで夢と現の狭間の如く……。
「はい、というわけでギャグ補正かけといたわよ!これでみんなアレの歌声を聞いても、内臓を雑巾絞りされる程度の苦痛を受けるだけで誰も死なないわ!!」
 被害者を出さない手段はなかったの!?
「あったらあなたもここまで騒がないんじゃない?」
 ……それもそーね!!
「え、そこ諦めるところ……?」
 アルファ・ユニ(愛染のレコーディングエンジニア・f07535)よ、お前は何も知らないからそんな半眼ジト目で「うわ何こいつ仕事放棄したよまじでー?」みたいなツラをこっちに向けられるんだよ。
「だって、猟兵だよ?さすがに仲間はおろか、一般人を巻き込むとかさすがに……」
 よし、アルファ。お前耳塞ぐなよ。UCで防音も無しな。
「え?」
「それでは一曲目、聞いてください……!」

 ※ただいまゴーレムと学生とユニが荒ぶっております、しばらくお待ちください。

「なに……あれ……」
 こひゅー……こひゅー……虚ろな目で地面に転がるアルファの視線の先には歌い切って上機嫌な音響災魔【テティス】。奴の歌声がどれほど危険なものか、よく身に染みた事だろう。
「続けて二曲目いっちゃいますよー!!」
「まずい……」
 このまま奴に二曲目を歌わせてしまえば、今度こそ周囲に被害がっていうか、音を武器として扱う関係で自分が死ぬ。まさかの味方にコロコロされる事態は避けるべく、ここは物量作戦に出る為に学生達の指揮を執ろうとするのだが。
「これだけ学生がいればあれくらいユニの指揮で簡単に……」
「くそっ、ゴーレムの数が多すぎる!応援はまだか!?」
「駄目だ、この一帯に黒い暗幕みたいな結界が張られてて出入りできない!」
「閉じこめられた!?そんな……!」
「なぁ、この壁なんか生々し……ウプッ!?」
「おいこの壁、人を食うぞ!?」
「で、出られた?何がおこ……男の娘にされてりゅぅううう!?」
「お前らそんな事よりあの災魔を潰せ!このまま歌わせたら全滅するぞ!?」
「ゴーレムが多すぎて近づけないし狙えないんだよ!!」
「ねぇ!言う通りに動いてってば……!!」
 元々、ダウナータイプのアルファはあまり声が大きい方ではない。そこに加えてこの大混乱である。どれほど声を張り上げようと、ちょっとらしくないなと思いつつ両手を振って存在をアピールしてみても、学生たちは見向きもしない。
「……あぁそう。いい。要らない。ユニだけでやる」
 不貞腐れて、むくれたアルファはぷいっとソッポを向いてしまった。
「あっ」
「フハハハ!我が名は世界征服を企む秘密結社オリュンポスが大総統!!」
 ソッポを向いた先には、明らかに関わっちゃいけないタイプの大人が立っていた。
「最も偉大なる神である私を呼んだな?よかろう、お前たちの救いに応えてやろうではないか!全て私に任せよ!!」
 取りあえず大総・統(秘密結社オリュンポス大総統・f16446)も大分頭がおかしい……もとい、思考回路が痛々しい人なんだなって事を察したアルファは、なるべく関わらないように距離を取っておくことにする。うん、触らぬ神に祟りなしだからね、大総統がヤバい人のレッテル貼られるのも仕方ないね。実際やべーもん。
「全軍に告げる!!」
 別に学生は軍人ではないし、そもそも大総統の部下でもない。だが、どういうわけか一斉に振り返ってしまった。妙に通る声で胡散臭い声がしたら誰だって振り向く?細かい事は気にすんな!!
「総員陣形を整えよ!敵は音響災魔ただ一人!ゴーレムなぞ所詮は数を頼りにした泥人形……諸君の敵ではない。全員で敵に向かって進軍開始!!泥人形共を踏み砕け!!」
『イェス、オリュンポス!!』
「……」
 目の前で統率され、一糸乱れぬ集団行動にアルファはポカンとするが、恐る恐る学生を指さして。
「あの、誰も彼も目が死んでるんだけど……」
 仕方ないよ、大総統のUCって、共感(今回の場合は倒すべき敵の認識を同一に)した相手を洗脳して配下に変えるUCだから。
「倒れた者は構わず、兎に角前に出よ!!これぞ、オリュンポス戦列歩兵!!」
 突如動きの変わった学生を前にして、ゴーレムもまた小型ゴーレムを生成し、学生部隊を越える大規模部隊を編制。真正面からぶつかり合おうとするのだが。
「雑魚に構うな!蹂躙せよ、全軍突撃!!」
『うぉおおおお!!』
 士気が違い過ぎる。泥に魔力を込めただけの人形など、意思を統率した軍勢の前に敵ではない。突撃した最前列の学生が小さな泥人形を弾き飛ばし、活路を開くなり後続諸共泥人形本体へと迫る。
「さて、敵が尽きるのが先か、我がオリュンポス軍の全滅が先か、チキンレースに勝った側が勝者というわけだ!」
 ぶつかり合う二つの勢力は互いを削り合い、泥が爆ぜ、学生が吹き飛ばされる。消耗し続ける戦力のせめぎ合いを前に、大総統は笑う。
「さぁ、オリュンポス戦闘員である諸君ならばこの程度の苦難乗り越えられるだろう!!その命ある限り戦い続けるがいい、生き残った者が君たちの勇姿を語り継いでくれるはずだ!!」
「おぉー、派手にやってるねぇ……」
 もはやただの乱戦から、戦争へと様相を変えた戦場を見下ろすのは鳴子・このは(隼血統の忍者もどき・f21783)。ゴーレムの残骸に足を取られ、泥に沈む学生を見ていて脳裏を過るのは、椿の警告。
「あはは、まっさかー。そんなヘマしないって!」
 自分の思考を笑い飛ばして、このははクナイを取り出し握り込む。
「『たまたま』魔法の羽扇を落としたり、『急に泥が降ってきた』ので翼が泥だらけで飛べません、とかならない限り大丈夫だって!」
 死亡フラグにしか聞こえないんだが……?
「そんな事そうそう起こらないって。ファンタジーやメルヘンじゃないんだから!」
 俺ら人間にしてみれば、お前らキマイラってファンタジーの塊なんだけど?
「……保険は掛けておこうかな?バッサリ切られたくないしね」
 バッサリはないと思うよ、ねっちょりするだけで。
「何が!?何がねっちょりするの?ねぇ!?」
 アワアワしながら、もしもの時に備えて身代わり人形を用意しておくこのは。しかし、彼女の末路は……。
「結果が出てもいないのに不吉な事言わないで!?」
 半分涙目でツッコミを入れるや否や、このはは一瞬にしてトップスピードに到達。羽ばたきや踏み込みと言った、加速動作を必要としない事から、彼女の速さの根源は物理的なものではなく、手にした羽扇の魔力によるモノだと推察できる。大きく広げた翼に風を受け、飛ばされるように滑空するこのははクナイを突きだし、ゴーレムに向けて突貫。
「速さを一点に集中させれば、どんな硬そうなゴーレムでも砕け散る!」
 ……ん?このはストップ!そんな速度で突っ込んだりしたら……。
「さぁ、粉々になる覚悟はいいかしら!?」
 ねっちょぉお……。
「いやぁああああ!?」
 確かにゴーレムは弾け飛んで無力化された。しかし、このゴーレムは泥に魔力を込めた簡易魔術のような代物であり、泥と魔力さえあればいくらでも作れる数の暴力を目的に作られたもの。早い話、そんなに硬くない。
「翼が……私の翼がぁあああ!?」
 翼っていうか全身泥まみれになったこのはは、ゴーレムだったモノの中でジタバタネチョネチョ。
「く、翼がこんな状態じゃ、飛べないじゃない……!」
 見事にフラグを回収してしまったこのはだが、お前確か装備の魔力で飛んでるから別に関係ないん……。

 ――ストッ。

「それ以上言ったら、当てるよ?」
 口止めの為にクナイ投げるんじゃねぇ!?つーか掠ったんだけど!?
「むむ、あれはもしやくノ一系バラエティタイプの新手のアイドルでしょうか……テティスちゃんも負けていられませんね!」
 って、このはの惨事を眺めてる間にテティスがまた暴走を!?
「惨事って言わないで!ちゃんと敵を倒したでしょう!?」
 いやそうなんだけどね!?
「こうなっては仕方ありません、発表前の新曲を……」
「いけない」
 予想される大惨事を前にして、動いたのはアルファ。
「歌わせるわけにはいかない……でも、せっかくだから使わせてもらおうかな」
 テティスの音響兵器【歌声】を吸収、圧縮。実体を持たない弾丸に変えて、蒼銀の銃に装填。
「いいよね、君達は統率なんて取らなくても思った通りに集団で動けるなんて」
 銃口をゴーレムに向けて、まだ微妙にむくれているアルファは引金を引いた。
「すごく目障りだから土に還っていいよ」
 撃ち出された弾丸はゴーレムの泥でできた体を貫通。弾丸一発分の小さな穴など、周りの泥がすぐに塞いでしまう。何事もなかったかのように動きだそうとしたゴーレムだったが……ふと、体を抱え込むようにして倒れ込むと、小刻みに痙攣し始めた。
「ユニの弾丸は、ただの弾じゃない。どんなに硬くても、大きくても、一発当たればそれで十分」
 ボコッ。突如、ゴーレムの体が不自然に隆起する。
「音の超振動は触れた物体の分子運動を起こして、バラバラにしちゃうから」
 瞬く間に膨れ上がっていくゴーレムは、周囲のゴーレムに触れ、癒着し、同化し、更なる膨張を続けて、爆ぜてしまった。
「さぁて、そろそろいいかしら?」
 降り注ぐ泥の中、アリスの声が響くと夜に似た空間から無数の触手が蠢きだし、ゴーレムを取り込んでいく。そのまま食い殺すのかと思いきや、吐き出されたゴーレム……ただし、何故かショタ。
 ……何を言ってるか分からないだろう?俺も何を見せられているのか分からないんだ。
「この戦場に踏み込んだが最期……全ては男の娘になるのよ」
 アリス、お前マジで何を言ってんの!?
「あぁ、次から次へと男の娘が……」
 恍惚としたアリスの前で新たなゴーレムが生成される。敵もこいつが一番(色んな意味で)ヤバいと察したのか戦力を集中して叩きに来るのだが、アリスの一定範囲に踏み込んだ途端、触手に食われて男の娘にトランス☆
「フフフ……さぁ、スーパーアリスターイム♪」
 ハァハァ……頬を染めて息を荒げるアリスに、心を持たないはずのゴーレムが恐怖に表情を歪めるも、無情。あまりにも無情。逃げ出す前にアリスの魔の手がその身を……。
 ※ここから先はあまりにもアレなえげつなさを誇るろくでもないいやらしいシーンが続くため削除されました。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『スチームゴーレム』

POW   :    対猟兵捕獲ネット弾
【対象の回避行動を予測した後、両腕】から【ユーベルコードを封じる捕獲用ネット弾】を放ち、【対象をネットで捕獲する事】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    掘削用誘導弾ランチャー
レベル×5本の【先端が削岩用のドリルになっている、機械】属性の【、迷宮の壁や床を掘削して襲来する、誘導弾】を放つ。
WIZ   :    ニューバイパス
【迷宮を掘削して構築していた別通路を利用】【して、対象を包囲する様に別部隊が攻撃】【を行い、部隊間で連携して攻撃する事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。

イラスト:猫家式ぱな子

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「さぁゴーレムたん、あなたのおうちへ案内するのよ☆」
 うっとりした表情の少女を乗せて、四つん這いで進むゴーレム(ショタ)が向かった先は学園内部。その道中、物陰に隠すように細いパイプのような物が敷かれていたのだが……どういうわけか、それはところどころ壁の向こうに繋がっているにもかかわらず、その隣の部屋には何もない。
「フハハハ!壁の中に隠し部屋でもありそうな気配ではないか!!」
 高笑いする猟兵もいるが、どう見ても壁の厚さ的にここにそんなものはない。と言う事は、自ずと壁の中にパイプが走らせてある事になるのだが……。
「なんか、蒸気機関の音がする……」
 面倒な気配を感じ取った猟兵が視線を向けた先には……今まさにパイプを繋いでいる別のゴーレムが。どう見ても泥のゴーレムを学園中にばら撒いてた犯人、もしくはその手先ですね。つーわけでやっちまってくだせぇ!!あ、現場は学園内の階段、及び廊下だからね、広範囲攻撃は避けた方がいいんじゃないかな、学園設備の破損とか、威力が逃げずに返って来る的な意味で。
アリス・セカンドカラー
くずみんにおまかせ☆ぱーとつー

エロでもネタでもフルスロットルで遊んでOK♡負けロール(実はわざと喰らっている)もありありです。
キャラコンセプトは『もはやどちらが悪役かわからない』『無邪気な子供は時にどんな悪魔よりも残酷』
エロい(えげつない・ろくでもない・いやらしい)
欲望のままにユーベルコードで自分に都合よく世界を改変し、獲物を自分好みの姿に変え洗脳し、念動力/大食い/盗み攻撃でリソースを喰らい簒奪し己の糧にする。

念動力を基点にしたオールラウンダーサイキック、怪力で近接パワーファイターから、属性攻撃/範囲攻撃で広域超能力遠距離戦、毒使いや罠使いや催眠術でのデバッファーとマルチに動けます。



「あれが黒幕かしら?」
「!?」
 アリスが戦場に姿を見せた瞬間、蒸気機械製のゴーレムは察した。こいつはヤベェ、と。
「あらま?」
 だからこそだろう、アリスが反応する前に壁をぶち破り、別部隊と思しきゴーレムが出現。前後から挟撃し、退路を断ちながらその拳を振るう。
「ガハッ!?」
 腹を抉り込むブロウ、その拳に向き合う形で背中からもう一発の鉄拳。金属製の拳に前後から圧迫され、内蔵が破裂したのかアリスは口から吐血し、その体は拳圧に押されて歪に膨れ上がり……パァン!
「「!?」」
 これには蒸気ゴーレムさんもビックリである。ていうかさすがにおかしいやろ!?何で人体が風船みたいに爆ぜるねん!?
「な、何が……へ!?」
「お前言葉が……って僕も!?」
 何という事でしょう。アリスの返り血を浴びた蒸気ゴーレムさんは歯車リュックを背負って、スケスケタンクトップに布面積の少ない短パン姿に……って、またショタった!?
「あなた達がいけないのよ?だって私に抱き着いて来たんだから……」
「「いやいやいやいや!?」」
 声しかしないアリスにビクッ!派手にビビった蒸気ゴーレム二体はどこか、どこから来るのかと周りをきょろきょろ見回すのだが。
「残念、上でしたー♪」
「うわぁああああ!?」
 ゴーレムの一体が空中から再登場したアリスの餌食に!!
「ところでぇ……」
 喉元を指先でなぞり、ぞわりと泡立つ肌にウットリを瞳を蕩けさせ、アリスは耳元で囁く。
「突然大変身したお友達の姿って、なんだか興奮しないかしら……?」
「うん……なんだか……ドキドキする……」
 おめめぐるぐる。どう見てもゴーレムたんは洗脳されてますね、コレ。
「え?え?え?」
 訳が分からず後退るゴーレムたん、しかし生憎、ここは階段の踊り場。後退した背中はすぐさま壁に押し返されて。
「それじゃ、二人で早速……」
「いただき……ます……?」
「え、ちょ、待って落ち着いてお前絶対どうかして……ぴゃぁあああああ!?」
 沸騰したヤカンにも似た、甲高い悲鳴が学園に響き渡る……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

土斬・戎兵衛
・口調
プライベートは一人称「俺ちゃん」で軟派な口調
仕事時は一人称「拙者」で侍風の振る舞いをする

・性格
拝金主義者、よく稼ぎ、よく使うことを好む
軽薄で何かに心を痛めるようなことは滅多にない
あまり深く物事を考えないタイプ
やや学がない

・好き
甘いもの、眼鏡(っ娘)、分かりやすいもの

・嫌い
生野菜、タダ働き、机の前に長時間いること

・戦闘
【見切り】や【早業】を得意とし、素早く的確な角度からの斬撃で敵を仕留める
大抵のモノは斬れると豪語する
型や流儀は持たず殺すためにその場その場で剣を振るうスタイル
正面勝負ではなく辻斬りをコンセプトに作られた人形なので、強くない敵を狩るのは得意だが、強者との真っ向勝負は経験が浅い



「うっわなぁにあれぇ?」
 土斬・戎兵衛("刃筋"の十・f12308)、現場到着早々の一言がこれである。いやまぁ、気持ちは分かるけども。
「敵を支配するみたいのは聞いた事あるよ?でもさ、敵が男の娘になるとかどんな呪いよ?俺ちゃん厄介事に巻き込まれるのはやーよ?」
 安心しろ、手遅れだから。
「うそぉん!?」
 こうしちゃいられねぇ、俺ちゃんは帰らせてもらう!と百八十度回転する戎兵衛。しかし時既に遅し。いつの間にやら後ろにはゴーレム、まさかの高速移動かと思ってさっきまで前にいたゴーレムへと振り返ると普通にいる。つまり?
「ゴーレム増えてるんですけどぉおおお!?」
 仕方ないよ、そういう戦場だもの。転移してしまった時点で手遅れですしおすしお察し。
「くっ、こうなれば仕方あるまい……」
 口調を変えて、佇まいを変えて、戎兵衛は腹を括ると刀の柄に手を添える。
「こうしてまみえたのも何かの縁。いざ、いざ、尋常に……」
 ギィン……。
「……などと、馬鹿正直に死合うと思った時点で、貴殿の負けでござるよ」
 ひっでぇ!?自分から振っておいて、台詞言い終わる前に不意打ちで斬り捨てやがった!?袈裟斬りの斬痕から蒸気を噴き出し、崩れ落ちるゴーレムを見た別の個体が腕を振るえば、天井から新手のゴーレムが出現。その奇襲を見切り、斬り払った直後の隙に迫るゴーレムの鉄拳を、刀を逆手に持ち替え峰で受けた瞬間、背後の壁が爆ぜて三体目のゴーレムが!
「なるほど、仲間を呼び寄せたでござるか……!」
 競り合っていた拳をいなし、翻した刃の峰に手を添えて、拳を刀身の腹で受ける。怪力に吹き飛ばされそうになりつつも、ギリギリ踏み止まり、震える刀が金属の拳と打ち合ってカチカチと小刻みに音を立てる中、戎兵衛は不敵に笑う。
「なれば拙者も得物を増やすのみ!」
 受け流して蹴り飛ばし、怯んだ顔面に鞘を投げつけて牽制。跳ね返って舞い上がる鞘の下を掻い潜り、まずは一体。袈裟懸けに叩きこんだ斬撃の下に斬り伏せるなり、回り込んできた個体に斬り抜いた慣性のままに振り向いて、刀身の根元に拳を当てて打ち上げ、がら空きになった胴体を横一閃。しかし、二体を斬る間に三体目は既に戎兵衛の目の前に……。
「言ったでござるよ、拙者も得物を増やすと」
 ゴーレムの視界が、ブラックアウトする。そのセンサーを封じたのは先ほど打ち上げられ、落ちてきた鞘だと認識するより速く、白刃は蒸気機械兵を斬り捨ててしまった。
「全く、拙者の鞘に傷でもついたら弁償してもらうでござるよ……」
 ブツブツと愚痴をこぼし、戎兵衛は拾った鞘を確認しながら得物を納めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳴子・このは
「うぅ~、泥だらけで気持ち悪い……。早く終わらせて温泉入りたーい!」
まさかゴーレムがあんなにドロドロしてるなんて……。ゴーレムって硬いものじゃないのー!?
もっとイメージとか、それらしさを大事にしなさいよ!

「あなたがあのゴーレムもどきをばら撒いてる実行犯ね! 泥まみれにされた恨み、晴らしてやるー!」
今度は反省を生かして無闇に突っ込まないようにしないと。
【自己流・分身の術】で3人になってから、魔法の羽扇の【衝撃波】でバラバラにしてやるんだから!
設備が壊れる?
私は世界を守ってるのであって、設備を守ってるわけじゃないもの。威力が逃げずに返ってくるなら【2回攻撃】になって丁度いいじゃない?

※アレンジ歓迎



「うぅ~、泥だらけで気持ち悪い……早く終わらせて温泉入りたーい!」
 駄々っ子染みた叫びをあげるこのはは、体についた泥を落とし切れないままにこの戦場に来てしまっていた。まぁ、連戦だから風呂入る余裕何かねぇからな!
「まさかゴーレムがあんなにドロドロしてるなんて……ゴーレムって硬いものじゃないのー!?もっとイメージとか、それらしさを大事にしなさいよ!」
 それは偏見というモノやで……ていうか敵の姿をよく見なさいよ、どう見たってドロドロでしょうよ?
「ゴーレムだったら泥が塗り固められたのかなって思うじゃない!」
 それはお前の中のイメージやろ!?
「むー!」
 ふくれっ面のこのはは、蒸気で動くゴーレムがパイプを設置しているのを見るや否や、羽扇を構えて。
「あなたがあのゴーレムもどきをばら撒いてる実行犯ね!泥まみれにされた恨み、晴らしてやるー!」
 いや私怨じゃなくて正義の為に戦ってよ!?もしかしたら学園の生徒が見ているかもしれんのよ!?
「目には目を、歯には歯を、数には数よね!!」
 話聞いてねぇ!?
 派手に柏手を打つなり、ドロン!小爆発と共に白煙をまき散らすこのは。一旦見えなくなった彼女だが、すぐさま白煙の中から飛び出してくるなり、ゴーレムを無視して手すりを蹴り、階段の上方へ。
「どこ見てるの!?」
 かと思ったら煙の中からもう一人のこのはが翼を広げて舞い上がり、天井に背を預ける形で滞空。増えた!?
「実はもう一人いたりしちゃう☆」
 煙が晴れると、ドヤッとしたこのはが!……忍そのものと言うより、忍者に憧れてしまった系女子だから、忍術を使うのを楽しみにしてたんだろうな……普通は隠すべきところだろうに、見せつけるかのように三人が同時にポーズを決めてビシィ!!
 ねぇ知ってる?忍って隠れて生きる者なんだよ?正体見られたら抹殺する系のハイディングジョブなんだよ?何ホクホク顔で浸っちゃってるの!?
「今必殺の……」
 忍は静かに戦うもんだって言ってんだろ!?何立派に口上述べてんだよ!?
「忍法!トライアングルタイフーンの術!!」
 それ絶対忍術じゃねぇえええ!!
 しかし、巻き起こされる突風が凄まじいのは事実である。このはという人(キマイラを人って言っていいのかどうかは怪しいが、人類的な意味で人って事でよろしく)一人を吹き飛ばすのではなく、正確に『飛行』させるだけの風である。それだけの精度と風速を持った突風が、三方向から、大気の逃げ道がない狭い屋内に吹き荒れる。それだけでどれほどの猛威になるか想像に難くない。
 ただね、さっきも言ったけどね、ここ学園内なのよ?壊れたら困るのよ!?
「私は世界を守ってるのであって、設備を守ってるわけじゃないもの」
 フッ……意味深な微笑みでカッコつけて、風の煽りを受けてたなびく髪をかき上げるこのは……彼女はまだ知らない。この行動が今後どういった影響を及ぼすことになるのかを……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルファ・ユニ
またそうやって大勢でかかってきて
壊されたいの?今不機嫌なんだよね

UCを発動して敵の行動を予測、把握しつつトンファーで攻撃。敵の予測外の行動を心がけて
連携してこようものならそこから崩そうか
作戦を見透かし上手くいなして敵の攻撃同士を衝突させたり(心の隅まで視えるから、黒歴史とかがあるなら公開処刑して笑わせてもいいね、ゴーレムだからどうか知らないけど)して内部崩壊を誘発する
欠伸しながらでも見守って数が減ったらまた手を出そうかな

…仲間内ですら個性的で大変だから。君達に構ってる余裕はないの

連携アド何でも〇


大総・統
壁の中には隠し部屋はつきものだ!
私にはわかる!わかるぞ!!
この巧妙に隠された壁の中の浪漫が!!

新手のゴーレムだと……?
ええい! 我がオリュンポス軍の戦闘員たちはどうしている!?
労働時間内早退など認めんぞ!!

やはり、別動隊による陽動か!!
敵が大軍ならば、不本意ではあるが我が力の一端にて、塵も残さず(学園の備品諸共)まとめて吸い尽くしてくれるわ!
フハハハ!このパイプ口に我が【永遠なる始原の混沌】の力を乗せて、即席掃除機の出来上がりだ!
因みに、吸引力は新妻も脅威の全方位360度!組織に1つは欲しい優れものだ!!

フハハハ!!(やりきったドヤ顔)


テティス・ウルカヌス
「いやー、いいライブでしたねー。
これでこの天才美少女アイドルテティスちゃんの人気が鰻の滝登りですね!」

さて、次のステージは……
パイプを作ってるということはドライアイスによるスチームの演出ですね!
配管工さんたち、ご苦労様です!

「では、スチームの演出を背景に私のダンスを披露しちゃいますよー!」

【妖精の輪舞】でまるで妖精のような私のダンスを披露します。
ドライアイスの煙の上を舞う妖精のイメージです!

って、あれ?
煙で何も見えませんね?

「あれ?
なんか何かを蹴ったような気がしますけど、スチームの演出のせいでよく見えませんねー?」

きっと、私の熱心なファンがバックダンスをしてくれてたんですかね?



「またそうやって大勢でかかってきて……壊されたいの?今不機嫌なんだよね」
 などとご機嫌斜めなアルファは、いかにも近寄って欲しくなさそうだが、寄らば打つと言わんばかりに短棍を構えて臨戦態勢。白兵戦に備えるアルファだが、その半身は赤い瞳を持つ無数の目玉に変質。その視線を一斉にゴーレムに向ければ、同時にゴーレムもまたその目玉が何かを見る為のものではなく、感知に特化した見せかけの眼球であることを見抜く。
「……あれ、一発でバレた?」
 まさかの、敵の動きを読むUC同士のぶつかり合い。ゴーレムがアルファのUCの正体を見抜いたように、アルファもまたゴーレムのUCがアルファの動きを先読みして動きを潰しにくるモノだと見抜き、腕に仕込まれたネット弾を警戒。お互いに手の内を見せていないのに、カードの裏を覗き見し合う結果となり、膠着状態に。しかしまー、こういう状態って長続きしないのよね、良くも悪くも。
「壁の中には隠し部屋はつきものだ!私にはわかる!わかるぞ!!この巧妙に隠された壁の中の浪漫が!!」
「……うわぁ」
 大総統の馬鹿デカい声を聞いて、げんなりしたアルファが頭を抱える。しかしどういうわけか、ゴーレムは隙を晒してしまったアルファではなく、大総統に向かって動き始めたではないか。
「新手のゴーレムだと……?」
 敵の接近に身の危険を感じた大総統だが、振り向いた所でそこに先ほどの軍勢はない。
「ええい!我がオリュンポス軍の戦闘員たちはどうしている!?労働時間内早退など認めんぞ!!」
 おめーが倒れた者は構わず前に出よとか言うから、最前線で無理してぶっ倒れて、後続の学生に踏み潰された学生を皆で介抱することになったから校庭に置いて来たんだろうが。
「フハハハ!傷病兵は使い物にならんから捨て置いてきたまでよ……」
 そのことを忘れて戦闘員はどうしているとか言い出したのはどこのどいつだ?
「……やはり、別動隊による陽動か!!」
 タイミングゥ!?
 大総統が黙った瞬間に足元から削岩機構えたゴーレムが出現。死角からの一撃に大総統が倒れる……と、思うやん?

 ペゴン!!

「あれ?何かを蹴ったような気がしますけど、スチームの演出のせいでよく見えませんねー?」
 何という事でしょう、床から飛び出した瞬間にテティスの回し蹴りが直撃したゴーレムは、その装甲をテティスの脚型にヘコませて、一撃で吹き飛ばされてしまいました。
「いやー、先ほどはいいライブでしたねー。これでこの天才美少女アイドルテティスちゃんの人気が鰻の滝登りですね!ウォームアップも終わった事ですし、そろそろこのステージでも一曲踊っちゃいますよー!!」
 お察し頂けただろうか?回し蹴りの正体はテティスの下手過ぎる踊りによる、振り付けの一部。つまり本来はこんなひっでぇ足技じゃないんだよ……!
「パイプを作ってるということはドライアイスによるスチームの演出ですね!配管工さんたち、ご苦労様です!」
「ねぇ、なんでユニはこんなのと組まされてるの?」
 アルファの事すら施工スタッフと勘違いして敬礼してくるテティスに、当のアルファは半眼ジト目である。今回は運が悪かったと思って諦めろ。
「えぇ……?」
 怪訝な顔をしつつ、短棍を床に突き刺し……ちょっとアルファ!?校舎傷つけんなって言ったでしょ!?修理費高いのよ?
「こうしないと、『巻き込まれる』」
 アルファが何を感知したかっていうと、大総統の思考と周辺状況から起こり得る悲劇。まぁ、うん、もう大体察しはつくやろ?
「敵が大軍ならば、不本意ではあるが我が力の一端にて、塵も残さずまとめて吸い尽くしてくれるわ!」
 大総統は言うや否や、先ほどの忍者擬きの小娘によって巻き起こされた、ハリケーン被害によりぶち壊された壁の中から金属パイプを引っこ抜く。折れた先端から泥が出ている辺り、恐らくはオブリビオン絡みのブツだから壊してもいいっちゃいいんだけど……嫌な予感しかしない。
「フハハハ!このパイプ口に我が力を乗せて、即席掃除機の出来上がりだ!因みに、吸引力は新妻も脅威の全方位三百六十度!組織に一つは欲しい優れものだ!!」
 あっ(察し)。
「きゃぁああああスカートがぁあああ!?」
 思いっきりテティスが巻き込まれるんですけど!?いや、確かに現状はスカート押さえて微動だにしてないけども……って、あいつはあいつで脚力おかしくない!?
「ほらー、酷い事になったー」
 これだからこの部隊は嫌なんだって顔するアルファも吸い込まれてしまいそうになるが、先ほど床に刺した短棍がアンカーの役割を果たし、めっちゃ吸い込まれて浮遊するだけに留まる。見た目は完全に鯉のぼりだな……。
「フハハハ!見よ!敵がゴミのようだ!!」
 これは酷い……パイプの先端に小規模なブラックホールを具現化し、圧倒的吸引力(ていうか重力)をもってゴーレムを吸い込んではスクラップに変えていく大総統。しかしね、さっき見たやろ?テティスとアルファが巻き込まれてるのを。全方位から吸引するから、校舎の方にも吸引力が働き、普段ならいざ知らず、ハリケーンの後の傷だらけの状態では……バキッ!
「フハハハ!ゴフッ!?」
 壊れた壁の建材が大総統の頭にクリーンヒット!!その衝撃で掃除機?を落っことしてしまうが、その吸引力を持って床の表面を削り取る様に吸い込みながら前進を始める……早い話、大総統の手を離れて暴走を始めてしまった。
『!?』
 これにはゴーレムさん達もビックリである。縦横無尽に動き回りながら次々とゴーレムをスクラップ処理する掃除機とか、もはや学園七不思議か何かの類ではなかろうか。
「これが全自動掃除機というものか……」
 大総統が呑気な事言いながら頭をさすっていると、彼の制御範囲を超えたのか、パタリと動かなくなるパイプ。後には虫食いの如く荒されまくった学園の校舎……ねぇアルファ、お前こうなるの分かってたんだよね?そのUC敵味方の神経の電気信号感知して動きを読んで、何が起こるかを予測するアレだよね?お前なら止められたよね!?
「……仲間内ですら個性的で大変だから。君に構ってる余裕はないの」
 あ、はい。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『建築家・スバル』

POW   :    トラップルームメーカー
【シャベルの一撃】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を一瞬で無数の穴と罠で埋め尽くし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    ゴートリック・チャンバー
いま戦っている対象に有効な【条件を満たさないと出られない密室】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    ダンジョンコンダクター 38
【地下迷宮アルダワの比較的安全なフロア】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【罠と暗号の詰まった死の危険のあるフロア】に変化させ、殺傷力を増す。

イラスト:いぬひろ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はリダン・ムグルエギです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 某猟兵達によってぶち壊された壁(修繕費はきっちり請求させて頂きます)の向こうに、奇妙な空間がある。そこには謎の扉があり、開いた先には校舎の構造を無視した広い空間が広がっていた。
「よくぞここまでたどり着いた!」
 シャベルを携えたオブリビオンは満面の笑みで猟兵達を出迎えるなり、武器ことシャベルを構える。
「しかし一旦帰ってくれないか?まだこの部屋は未完成なんだ。できた暁には君たちに最初の挑戦権を与えよう!!」
 まるでゲームの製作者みたいな事を言いだすオブリビオンだが、もちろんそんな戯言に付き合う必要性はない。やーっちまぇーい!
 あ、コイツはこの部屋そのものが武器になるから、空間系のUCとか範囲攻撃系のUCは注意な!!
アリス・セカンドカラー
最後もおまかせ☆ぱーとすりー

エロでもネタでもフルスロットルで遊んでOK♡負けロール(実はわざと喰らっている)もありありです。
キャラコンセプトは『もはやどちらが悪役かわからない』『無邪気な子供は時にどんな悪魔よりも残酷』
エロい(えげつない・ろくでもない・いやらしい)
欲望のままにユーベルコードで自分に都合よく世界を改変し、獲物を自分好みの姿に変え洗脳し、念動力/大食い/盗み攻撃でリソースを喰らい簒奪し己の糧にする。

念動力を基点にしたオールラウンダーサイキック、怪力で近接パワーファイターから、属性攻撃/範囲攻撃で広域超能力遠距離戦、毒使いや罠使いや催眠術でのデバッファーとマルチに動けます。


鳴子・このは
「えー、なんでー!? こういうのはコラーゲン・ダメージ(※1)ってヤツじゃないのー!?」
け、経費! 経費を申請する!
って、すごい! 本当に隠し部屋があったんだ。適当に勘だけで言ってたんじゃなかったんだね……。

「おっそーいー! はやさを信条とする私としてはそんなに待てないわ! 作るなら今すぐ作りなさい、よっ!」
すぐさま飛行(【空中浮遊】)しながら接近して、邪魔が入らなければ【瞬間投擲術】で大量の苦無を全身に【投擲】してやるわ。

※1:コラテラル・ダメージ

《アドリブ歓迎》

参考資料
有効罠:かすみ網、センサー系
無効罠:落とし穴、アロートラップ、床設置系
有効な事:暗闇、水攻め、狭い空間、一定以上のデバフ等


土斬・戎兵衛
・口調
プライベートは一人称「俺ちゃん」で軟派な口調
仕事時は一人称「拙者」で侍風の振る舞いをする

・性格
拝金主義者、よく稼ぎ、よく使うことを好む
軽薄で何かに心を痛めるようなことは滅多にない
あまり深く物事を考えないタイプ
あまり学はない

・好き
甘いもの、眼鏡(っ娘)、分かりやすいもの

・嫌い
生野菜、タダ働き、机の前に長時間いること

・戦闘
【見切り】や【早業】を得意とし、素早く的確な角度からの斬撃で敵を仕留める
大抵のモノは斬れると豪語する
型や流儀は持たず殺すためにその場その場で剣を振るうスタイル
正面勝負ではなく辻斬りをコンセプトに作られた人形なので、強くない敵を狩るのは得意だが、強者との戦いは経験が浅い



「えー、なんでー!?こういうのはコラーゲン・ダメージ(正しくはコラテラルダメージ)ってヤツじゃないのー!?け、経費!経費を申請する!」
 始末書を握りしめて不服を申し立ててるけど、その経費ってどこからでるんですかね?
「え、そりゃあ……」
 急にぎこちなくなって顔を背けるこのは。そう、ここはアルダワ魔法学園。学園側は猟兵を支援してはくれるが、あくまでも転校生として。やらかした事については自己責任である。
「って、すごい!本当に隠し部屋があったんだ。適当に勘だけで言ってたんじゃなかったんだね……」
 このはは誰も助けてくれない事に気づいたのか、話題を逸らすようにオブリビオンに向かう。
「元気のいい娘だな!完成した時には是非ともまた来てほしいものだ!!」
「完成って……あとどれくらいかかるの?」
「そうだな……」
 顎を揉み、オブリビオン曰く。
「今日はもう遅いだろ?今夜一気に仕上げるとして……明日の昼頃かな?ランチを終えてからまた来てくれたまえ!」
「おっそーいー!はやさを信条とする私としてはそんなに待てないわ!」
 プンスコするこのはにオブリビオンはガハハ!豪快に笑って。
「確かに、ゴーレムに時間を稼いでもらって完成させるはずだったのに、予想以上に君たちの到着は速かったな!動きが速いのは結構だが、気が早いのは時々痛い目を見るぞ?」
 本当に、その時を楽しみにして微笑みを浮かべるオブリビオンだが、このはは翼を広げて滞空。
「作るなら今すぐ作りなさい……」
 フワリ、羽ばたきと共に一旦高く飛びあがると翼を畳んで、虚空を蹴り。
「よっ!」
「おぉう!?」
 風を纏い、滑空。一瞬にして距離を詰め、クナイを投擲しようとして……。
「はうっ!?」
 ビターン!!
「え、ちょ、何これ!?」
 透明な壁にぶち当たり、ぺたぺたと触って小さな密室に閉じ込められた事を確かめるこのは。敵はその様子にニヤリと笑い。
「床から一定以上の高さに壁がある部屋……速い話、有翼種殺しの部屋だよ」
「うぐっ……」
 この部屋において、飛行状態は許されない。まぁ、このはの場合は……。
「じゃあ低空飛行するしかないか」
「えっ」
 羽ばたいて飛んでるんじゃなくて、風に乗ってるだけだから関係ないんだよね……。
「そんなのありか!?」
 地面から数センチで浮遊して移動してくるこのはにオブリビオンもショーック!
「えぇい!こうなったら、コレだ!」
 シャベルを床に突き刺せば、このはの前にあからさまなトラップが現れる。
「落とし穴?」
 浮遊するこのはは落下系の罠を無効にする。故に、自信満々に素通りしようとした、その時。
「そこから先は進まない事をお勧めするわ」
「ひゃん!?」
 おぉっと、アリスがこのはに後ろから襲いかかった!
「襲いかかったんじゃないわ、ちょっと抱きしめてるだけよ」
 目を爛々と輝かせ、ハートマークを逆さにし、非道を表す刻印を瞳に浮かべたアリスがこのはの体をモニモニ。どこを、とは言わないけど、モニモニ。
「ちょ、やめ……どこ触ってるのよー!?」
「最近の子どもは進んでるんだな……」
 感慨深そうに呟くオブリビオンを前に、戎兵衛は顎を揉む。
「さて、いかにして踏み込んだものでござろうか」
 敵は猟兵の動きを正確に潰す部屋を作るか、即席の罠を用意するUCを見せた。なれば、考えなしに踏み込んだところで、刀を振るうより先に出鼻をくじかれるのは明白。今現れた落とし穴とて、飛行する獲物を撃墜するためのものだろう。
「女子二人に先陣を切らせるのはどうかと思うが、ここは一つ、辻斬りらしく機を覗わせてもらおうか……」
 で、そのお二人ってーのが。
「うふふ柔らかいじゃない……」
「ひぃいいい!」
 めっちゃモニモニしてるアリスと、既に涙目のこのはである。
「ていうかなんで私が襲われてるの!?」
 仕方ないじゃない、アリスのUC、味方を襲わないと自分に被害が出るんだもん……。
「だとしても!」
「あら?」
 ガッ!このはがアリスの頭を掴んだ!
「もう少し!」
 グイッと引き剥がして。
「やり方ってものが……」
 ピッチャー、振りかぶって……。
「あるでしょうがぁああああ!!」
 投げたーッ!!
 風の妖力で押し出され更に加速するアリス!まさかの接近方法にオブリビオンも驚きが隠せない!今!正に!!着弾ーッ!!
「ぐ、おぉ……!?」
 眉間にアリスの頭突きが直撃し、よろめくオブリビオン。続けてこのはが飛びかかると背中から蹴り飛ばして、先ほど作り出された密室の壁に叩き付けると。
「ぜーんぶ持っていきなさい!!」
 隠し持っていたクナイの一斉掃射。しかし、投擲先はオブリビオンそのものではなく、その服の方。見事に縁取る様に突き刺さり、文字通りその場に縫い付けてしまった。
「フッ、計算通り……なわけはないけど、結果オーライ、かしら?」
 おでこにデッカイたんこぶを生やしたアリスが計八本の触手を生やし、拳のように先端を丸めて。
「さぁ、覚悟はいいかしら?」
 ドゴドゴドゴドゴ!これは酷い……ノーガードの敵を触手の拳で八連打ァ!!フィニッシュブローでクナイごと吹き飛ばし、頭から落ちて鈍い音を立てたオブリビオンがチカチカと明滅する視界の中、見たものは。
「これは……サムライエンパイアの町?」
 木製の家屋が立ち並ぶ、人通りの無い路地裏のど真ん中。
「人目届かぬ隘路は人斬りの領域……ところで、ここは学園内の隠し部屋だが、お主の目には何が見えている?」
 姿を見せず、戎兵衛の声だけが響く夜の路地。少し遠くからチャリ……チャリ……金属の音がする。
「ははぁん、そこだな?」
 音の聞こえた曲がり角、バッと飛び出し、出会い頭の一撃に備えたオブリビオンを出迎えたのは。
「あっ」
 クナイを拾って、全部回収できたか数えてたこのは。
「えっ」
 オブリビオンが呆気にとられる。だとしたら、戎兵衛はどこに……。
「辻斬りが己の姿を見せるわけなかろうに」
「しまっ……」
 気づけば背後にあった気配に振り向こうとするが、体が動かない。視線を落とせば、腹を刀の切先が貫いて固定されていて。
「お主に恨みはない。しかし、これが拙者の仕事の仕方でござる」
 敵の胴体を引き裂くように、戎兵衛の刀は地面と水平に駆け抜けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

テティス・ウルカヌス
「わー、ここが今回のメインステージ、天才美少女アイドルテティスちゃんのライブ会場ですねっ!
工事監督の人、お疲れさまですー!」

いやー、それにしても校舎内にこんな広いライブ会場を作るなんてさすがです!
さすが、名門、私立あるだわ学園。お金持ちですね!

「ライブ会場が完成するのは明日ということですから、今日のうちにライブのリハーサルをさせてもらいましょう!」

明日は私立あるだわ学園の全校生徒が集まるんですから、アイドルとして気合を入れないと!
全力で【天使の歌】を歌いますよー!

「あとは振り付けも確認ですねっ!」

【妖精の輪舞】による振り付けも練習しますね。

「あれ、なんかいま壁を破ったような……?」


アルファ・ユニ
折角だから最後はおまかせで
スタンスは今までと同じ

『へぇ、面白いね。壊していい?』
『前線に出るのは得意じゃないな、ユニ文化系女子だから』
サトリの力を持つ右眼や精霊による情報収集、洗脳音波による潜入調査を得意とする。
戦闘では主に後方支援。アイテムクローネで仲間の思考を繋ぎ戦術指示をしたり周囲の音を圧縮してクラハライツによる援護射撃を行うことが多い。

面白いもの(分析とは予想外の動きをしたり仲間が苦戦したりする相手)や面倒と感じたものに対してはトンファーや時魔法を駆使し前線で戦うこともある。
文化系女子は自称。

絡み・アドリブ・ネタ等自由にどうぞ。



「ユニ……もう疲れたよ……」
 アルファが開幕早々ダウンしてるー!?
「変なゴーレムに襲われるし、わけわかんない猟兵と組まされ……」
「わー、ここが今回のメインステージ、天才美少女アイドルテティスちゃんのライブ会場ですねっ!工事監督の人、お疲れさまですー!」
「……」
 アルファの目が死んだー!?そんな「うっわ出たよ……」みたいな顔してどうした!?
「ユニの苦労は大体あの人のせい……」
 もはや全てに失望し、何もかもを投げ出して流れに身を委ねてしまっているアルファ。彼女はまだ知らない、この手の依頼において、自ら行動する事を放棄してしまう事の恐ろしさを……!
「いやー、それにしても校舎内にこんな広いライブ会場を作るなんてさすがです!さすが、名門、私立あるだわ学園。お金持ちですね!」
「ねぇ、あの人なに言ってるの?」
 しっ!見ちゃいけません!テティスの思考回路を理解できるわけないでしょ!?
「そんなに酷いの……?」
 アルファは右目を隠す前髪をそっと起こして……っておいばかやめろ!お前の目は見たものの思考を覗き込む魔眼だから……。
「……ゴフッ」
 言わんこっちゃねぇええええ!!
「なんていうか……この世の深淵……いや、あれはむしろ極楽……?そんな、表現し難いモノを見た気がする……」
 要するに、頭の中が救いようのないお花畑って事ですね、分かります。
「ライブ会場が完成するのは明日ということですから、今日のうちにライブのリハーサルをさせてもらいましょう!明日は私立あるだわ学園の全校生徒が集まるんですから、アイドルとして気合を入れないと!」
 一人でふんす、と気合を入れるテティスを遠目に見て、アルファがこっち向いた。
「いつから全校生徒が集まるなんて話になったの?」
 お前、さっき奴の心を見たんだろ?つまりはそういう事だよ。
「……あっ」
 それまで虚無に沈んでいたアルファの目に、憐れみの光がほんのり灯った……まさか自分がそんな評価をされているとはつゆ知らぬテティスの方は、小さく、ゆっくりステップを踏み調子を確かめると、息を大きく吸って。
「それでは一曲目、いきますよー!」
「来る……!」
 アルファ、その速度で銃を構えるのは、もはや敵を前にした時の反応やで……!

 ※ただいま記録が大変乱れております。しばしアルファの制服パーカーコレクションをお楽しみください。

「……ねぇ、今なんか余計な映像流さなかった?」
 ハハハナンノコトカナー?
「き、君らどうして平気なんだ……?」
 半眼ジト目(元からそんな目してた気もするけど、気にしてはいけない)になるアルファへ、目を回して泡を吹いたオブリビオンが殺虫剤をかけた虫の如くビクンビクンしながら問うと、返答代わりに銃口を向けて。
「どんなに耳のおかしくなる歌声でも、それが音である以上、ユニにとっては使い慣れた道具でしかないから」
 引き金を引けば、撃ち出されるのは実体を持たぬ音響弾。テティスの歌声という文字通り身も心も粉砕する音色を圧縮し、拡散する空気の振動に指向性を持たせたそれは、オブリビオンに着弾すると同時にその全身を駆け巡る。
「おっと、煩い予感」
 スッとアルファが両手を耳に当て、背を向けた。背中に声ならぬ悲鳴を残し、肉体が音響弾に共振して膨れ上がって無惨に爆ぜた衝撃をわずかに感じ、小さくため息を溢す。
「やっと終わった……」
 早く帰って横になろう。アルファが踵を返したその時。
「ふっふっふ、テティスちゃんのあまりの歌声に感動して気絶してしまったようですね」
 何をどう解釈したのか分からないが、爆ぜた敵を前にドヤ顔のアホ面が目に入った。
「テティスちゃんてば大物ですからね!新曲もサービスしちゃいますよー!!」
「え、まだ歌うの……!?」
 アルファの音波遮断が間に合ったか否かは、彼女本人のみぞ知る……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年09月23日


挿絵イラスト