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食欲は、狂気と共に

#ダークセイヴァー #同族殺し #ハートフル

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#ダークセイヴァー
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#同族殺し
#ハートフル


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 ここはダークセイヴァーのとある領地。
 ファンシーな豚に乗った少女は、目の前の光景に唖然としていた。
「なんで……。」
 そこには、この世界ではあまり見かけることのない食べ物の畑が広がっていた。
 大根、里芋、人参、小松菜、葱……しかも、それを世話しているのは、どう見てもサムライエンパイアの農民のようで。
「なんで……こんなに、いっぱい……。」
「んあ? なんだべ、嬢ちゃん。」
「そーたとこ突っ立ってねーで、おらたちの野菜食え?」
「うん……食べる……。」
 そう言って、少女は受け取った人参をガリガリとかじり始めたのだった。

 ところ変わってグリモアベース。
 予知で見たことを話す影山を、冷めた目で見る猟兵達の姿があった。
「……いや、あの……ほ、本当なんです……信じてください。
 とあるダークセイヴァーの領地に、その女の子の姿のオブリビオンが、攻め込んで? いるんです。
 あの……そうは、見えないかもしれない……ですけど。」
 必死に話す影山。
 彼女が冗談を言って騙すような人物ではないことを知っている猟兵達がその場に残り、話の続きを促していた。
「す、すいません。
 えーと……それでですね、この女の子は『三欲天使』スター・ピッグって言われているらしい、です。
 元々は、食欲を司る異端の神、だったみたいです。
 だから、なんですけど……その農民? のような人たちが出す野菜を、すごい勢いで食べつくしてるんです。
 ……うまくやれば、その農民たちも、簡単に成仏させられそうなんです。
 食べ物を、全部食べきれば……死者である農民たちも、成仏するみたいです。
 でも、その量がすごく多いから……皆さんだけだと、厳しそうで。」
 そう言って掌に乗ったグリモアを輝かせると、猟兵達の前に広い畑が見えてきた。
 ダークセイヴァーの地に似つかわしくないそれの横で、手にした大根をかじる少女の姿が見える。
「それで、ですね……あの農民たちを成仏させると、彼らを呼んだ領主が現れると思います。
 領主もついでに倒してください、放っておくと厄介なオブリビオンには違いないんです。
 皆さん、よろしくお願いします。」
 そうして頭を下げて送り出そうとした時、影山は一つ気が付いたように付け加えた。
「あの、生で食べるのが厳しければ、料理しても大丈夫ですよ?
 火を使ったり、調理器具を持ち込んだりしても、邪魔してくる人はいない、から。
 もちろん、女の子に食べさせても大丈夫です、皆さんが攻撃しなければ反撃してこないんです。
 なんとかして、農民たちが出す野菜を、食べきってください。」


ヨグ
 ヨグです、今回もよろしくお願いします。
 ダークセイヴァー……にしてはのんびりしたお話になると思います。
103




第1章 集団戦 『ずんび百姓と名を棄てられた村』

POW   :    良く来た。これでも食らえ。
【採れたて畑の野菜】【獲れたて山の獣】【獲れたて山の獣】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD   :    遠慮はいらん、たくさんお食べ。
【山の様な新鮮なお野菜】【豊かな香りの瑞々しい果物】【この世界で養殖に成功した茸】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    まだまだありますぞ。お客人。
【大地を覆う野菜の群れ】【蔵を埋める燻製、漬物、発酵食品】【この世界ならではの葡萄の飲料(酒含む)】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。

イラスト:まっくろくろな

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夷洞・みさき
やぁ良い天気…ではないね
また君達に出会えたわけだけど、覚えてはいないんだろうね

咎人であるか判定するため
オブリビオンの少女が来た理由やここの領主の話を聞く

【WIZ】
僕はそんなに大食らいじゃないけど、同胞達も一緒にいいかい?

同胞達と共に食べ物に挑む

酔わない程度に葡萄酒を嗜みつつ、主な消費は同胞達に任せる
発酵食品にあった味噌を見つけて、あふれる食材を用いて味噌汁を作る
何者の区別せずに薦める

こっちの世界じゃなじみは無いだろうけど、悪くはないんじゃないかな
そっちの藁の中の豆はさすがに人気はなさそうだね
僕は嫌いじゃないんだけど


消える村人は気安く見送る
悪さをするならそうはいかないけどね

アドリブアレンジ歓迎


備傘・剱
えーっと、ここ、ダークセイヴァー、だよな?
(もう一度、辺りを見渡して)ダークセイヴァー、だよな?

てな訳で、作ってくれた農民と、食材に感謝して、いただきます!
大食い全開で食す

…あ、お前も出てこい、一足りない
人手(?)は多い方がいい

ただ、生で食すというのも、ちょっと味気ないっていうかな
てな訳て、店から持ち込んだ調味料や、簡単な料理道具で煮物にしたり、焼いたり、煮込んでみて…

皿に入れて、スター・ピッグの近くにそっと置いてみよう
えーっと、口に合えばいいんだが?
っていうか、こんな感じのオブリビオンって初めてなんだが、なんか、調子狂うな
ま、無駄に殺り合うよりはいいか
いいのか?

アドリブ、絡み、好きにしてくれ



「えーっと、ここ……ダークセイヴァー、だよな?」
 そう呟いた、備傘・剱(絶路・f01759)の目に見えるのは、青々とした野菜の育った畑、働くのはどう見てもサムライエンパイアの農民。
 あえて言うなら、太陽が顔をのぞかせない陰鬱な空だけが、ダークセイヴァーらしいか。
「ダークセイヴァー、だよな?」
「ああ、それで間違いないさ。」
 笑みを浮かべながらそう答えたのは、夷洞・みさき(海に沈んだ六つと一人・f04147)。
 楽観的な様子でそのまま農民たちの前に行き、
「やぁ良い天気……ではないね。」
「はは、確かにな。ねーちゃんも食ってくかい?」
 差し出された里芋を見ながら、少し寂し気に呟く。
「また君達に出会えたわけだけど……覚えてはいないんだろうね。」
「何言ってるだ?」
「そーたこと言うより、食ってけ?」
 農民たちは能天気に畑から野菜を引き抜き、差し出してくる。
 夷洞に思うところはあるが、その野菜を受け取りつつ、元の笑みを浮かべて言葉を返した。
「……ああ、そうさせてもらうよ。」

「さて、じゃあいただきます! ……といきたいところだが。」
 備傘の手にあるのは、生の葱……そのままでも食べられないことはないが、
「やっぱり火は入れたいよな。」
「そうだね。」
 夷洞と共に早速火を熾し、簡単にかまどを作り出していた。
 それに伴い、備傘は妖怪一足りないを、夷洞も同胞の咎人殺しの霊を呼び出していた。
「ところで、彼らにも食べさせたいんだが、いいかね?」
「ああ、もちろん!」
「おらたちの野菜を食ってくれるなら、どんな人でも歓迎だで。」
「ふふ、そうかい。ありがとう。」
 野菜を持ってきた農民も、笑顔で同意をしてくれた。
 ならばと夷洞は、火にかけた大鍋に野菜を刻んで入れ、味噌汁を作り出す。
「俺はそうだな……。」
 備傘も、持ってきた鍋に里芋を入れて煮っころがしに、その間に長ネギを串に刺して焼き葱に……と、居酒屋で鍛えられた調理の腕を振るっていた。

「なんで……食べ物がこんなに……。」
 ブツブツと呟きながら、がりりと里芋を生のまま齧るオブリビオンの少女。
 備傘はそこに恐る恐る近づき、
「えーっと、口に合えばいいんだが?」
 皿に入れた、里芋の煮っころがしを少女に差し出す。
 その言葉に生気のない目を向けて、素直に皿を受け取って一口。
「……美味しい……。」
 そのままがつがつと、食べきってしまった。
「お、おお……それならよかったぜ。ほかのも食べるかい?」
「……うん。」
 甘辛い筑前煮、ふろふき大根、小松菜のお浸しなどなどを一足りないとともに運び、横で一緒に食べ始める。
「なんか、調子狂うな……ま、無駄に殺り合うよりはいいか。」
「ははは、たまにはこういうのもいいだろう?」
 首をかしげていた備傘だったが、気が付けば味噌汁を持ってきた夷洞がすぐ隣にいた。
 農民たちの相手を同胞たちに任せた夷洞は、味噌汁のお椀を少女に差し出し、
「戦うだけが能じゃないって事さ、ところで……」
「……あ。」
 味噌汁に手を伸ばした少女だったが、夷洞はお預けさせるようにその手のお椀を胸元に持っていった。
「どうしてここで、食べているんだい?」
「……どうして……?」
 少女の濁った目に、少しだけ正気の光が差した……気がした。
「私を崇めた人達……食べられなくて……みんな、死んじゃった。」
「……それはそれは。」
「だから……みんなの分、食べるの。」
 答えを聞いた夷洞はそのままお椀を差し出し、濁った目に戻った少女に手渡した。
「君なりの弔い、ということか。」
「……俺もそれなりに猟兵やってるが、こういうオブリビオンは初めて見たな。」
 大人しく、ただ貪欲に、食べ物を食べるだけの少女。
 その様子を見ながら、備傘と夷洞もお互いの作った料理に手を伸ばしていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

霧島・絶奈
◆心情
きっと食べられないからこそ、「食欲を司る異端の神」に祈ったのでしょうね
三大欲求はそのどれかが欠けても人の営みは滅びへと向かいます
ですから、生きている我々は食べる喜びを噛み締めましょう

◆行動
料理は普通にこなせる程度ですが…まあ頑張りましょう
目先が変われば案外食は進むものです

何かで目にしましたが「大根と浅蜊の鍋」を作りましょう
材料を一部持ち込む事になりますが…
まず浅蜊と昆布で出汁を取り…
浅蜊はむき身に、大根は千六本に切り…
其らを鍋で煮たら山椒を掛けて頂くのだとか…
直ぐに煮えるそうですから次々大根を食べられますね

…さて、スター・ピッグ
貴女も如何ですか?
食事は皆で食べるのが一番美味しいですからね


鈴木・志乃
こ こ は て ん ご く か
アド連歓迎
わーい、いただきまーすっ!!
みんな一緒にたべよーよっ
UC発動

お腹一杯ご飯が食べられるなんてなんてここはいいところなんだ……(ぐすん)
私の出身の街、たまにひもじい想いしてたからさぁ
こういうの嬉しくてさぁ……

さてパフォーマンスしながらかるーく調理していきましょうか
調理器具は持ち込んだし
天ぷら、スムージー、野菜餡掛け、肉じゃが、豚汁、煮ひたし煮っ転がし、シチューも作ろう
無理やり野菜チップスもやってみるか
自前のブランド米も鍋で炊いて~炊き込みご飯~
馬鈴薯の茶巾炙り、野菜サラダトマトドレッシング、酢の物もいいね!

女の子も、一緒にたべよーよ
幸せだね、食べられるって!


テト・ポー
わーいごはんだー!
……え? ごはんなの? なんで? なんででもいっかごはんだー!

とにかくとにかく【大食い】もUC「空腹の充足」も使って食べて食べて食べまくるぞう!
あ、でも、肉を生は無理だな。
焼くだけなら僕でもできるし……やってみようかな。
じゅわじゅわ焼いて~、食料カバンからお塩とか出してぱらぱらっとかけて~。
素材の味をそのまま楽しむ感じで……

ん? オブリビオンさん、君も食べる?
おいしいものは分け合うともっとおいしいよね。
なんだかあなたとは仲良くなれそうな予感がしてるよ……
次は塩? 焼肉のたれもあるよ? 醤油もいいよね。コショウも捨てがたい。
なにもつけずに食べるのもまたおいしい!
いっぱい食べよ!



「お腹一杯ご飯が食べられるなんて……なんてここはいいところなんだ……。」
 目の前に広がる畑と収穫された野菜を見て、鈴木・志乃(ブラック・f12101)は目に涙を浮かべていた。
「私の出身の街、たまにひもじい想いしてたからさぁ……。こういうの嬉しくてさぁ……。」
「きっと、そのように食べられないからこそ、『食欲を司る異端の神』に祈ったのでしょうね。」
 その横で、火の通った料理をもぐもぐと食べている少女を見ながら呟く、霧島・絶奈(暗き獣・f20096)。
「三大欲求は、そのどれかが欠けても、人の営みは滅びへと向かいます。ですから、生きている我々は食べる喜びを噛み締めましょう。」
「うん、そうだね……よーし、いっぱい作っちゃうよ!」
 腕まくりをして調理場へ向かう鈴木を、霧島は見送りつつ、
「得意な方に任せて、といきたいところですが……少し変わった物を作れば、食も進むでしょう。」
 普通には作れますしね……という言葉と共に、霧島もかまどへと向かった。

「わーいごはんだー!」
「おう、兄ちゃんも遠慮せずに食え!」
 一方、農夫からそのままおむすびをもらった、テト・ポー(腹ペコ野郎・f21150)。
 が、一瞬我に返り、
「……え? ごはんなの? なんで? なんででもいっかごはんだー!」
 口に運べば、素朴な味が広がる。
 塩味でこれはこれで美味しい……のだが、少し物足りない。
「おかずはー……。」
 見渡せば、野菜に混じって捌かれた獣の肉が見える。
「うーん、生肉はちょっと……でも、これなら僕でもできるかな。」
 焼くだけなら、とテトがかまどの近くに行くと……そこは戦場と化していた。
「肉じゃが、豚汁、煮ひたし煮っ転がし、シチュー……と!」
 大鍋で途中まで煮込み、具材を料理ごとに小鍋に分けて味付けをしていく鈴木。
 てきぱきと手際よく、様々な料理が目の前で出来上がっていく。
「そーだ、油もあるから、天ぷらに野菜チップスも!」
「……本当に、すごいですね。」
 少し離れたところでは、霧島が持ち込んだ浅蜊と昆布で出汁を取っていた。
 その間に、大根を千六本に切ってゆき……。
「さて、後は浅蜊のむき身と一緒に炊いて……あぁそうそう、山椒で味をつけるのでしたね。」
 以前に霧島が何かで見た、大根と浅蜊の鍋……その香りからは、あったかく優しいもので。
「あの、火……使って大丈夫?」
「ええ、もちろん。」
 テトは火にかけたフライパンに油をしき、獣の肉をのせると……ジュー、といい音を立てる。
「ふんふん~、味付けはそうだなぁ……。」
 調味料入れをごそごそ……と漁るが、手に取ったのは塩のみ。
「うん、素材の味をそのまま楽しむ感じで。」
 パラパラと塩をかけ、ひっくり返すと……ちょうどいい焼き目。
 それと同時に、香ばしい匂いが漂い始めた。
「できたー。」
「ふふ、美味しそうですね。」
 煮上がった鍋を手にした霧島と共に、テトも皿に焼いた肉をのせて、
「私のももう少しだから、先に食べててー!」
 炊き込みご飯を混ぜてる鈴木を残し、できた料理を持って少女の元へ向かった。

 その香りに、濁った目を向ける少女。
 テトは焼いた肉の乗った皿を差し出して、
「君も食べる?」
「……いいの?」
「もちろん!」
 箸をのばし、一切れ口に入れた少女は、
「美味しい……。」
 心なしか、笑顔になったような気がした。
「次は塩? 焼肉のたれもあるよ? 醤油もいいよね。コショウも捨てがたい。」
「え……あ……?」
「ふふ、そんなに急かしてはいけませんよ。」
 様々な調味料で味を追加するテトの焼肉は、飽きがこないで食べられる食べ方。
 一通り食べたその横で、霧島も煮あがった大根と浅蜊を器によそい、
「……さて、スター・ピッグ。貴女も如何ですか?」
「うん……いい匂い……。」
 少し前まで少女は大根を生のままガリガリとかじっていたが、出汁で味をつけてしっかりと火の通った大根は、ほくほくとすぐに少女の喉を通っていく。
「食事は、皆で食べるのが一番美味しいですからね。」
「本当、そうだよね!」
 と、元気な鈴木の声に振り返れば……たくさんの料理を手にして立っていた。
 煮っころがしなどの煮物、豚汁やシチュー、揚げ物の山……ほかにも、サラダや酢の物などもある。
 他にも持ってきたと思えば、炊き込みご飯がお握りになり、山のように積まれていた。
「どんどん食べてよ!」
「あ……うん……。」
「おー……よし、がんばる!」
 お握りの山に少女とテトも手をのばし、口に運べばいい味加減。
「えっへへ……幸せだね、食べられるって!」
「……うん。」
 その声に鈴木がふと見ると、少女の目に涙が浮かんでいた。
「……食べさせて……あげたかった……。」
 ぽつりと呟いたかと思えば、涙が流れるままに貪り始める。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

アルカ・ルカルト(サポート)
「自称音楽神、アルカ・ルカルト登場なのじゃ~!
世のため子らのため、頑張るぞい!」

基本的に子供っぽくちゃらんぽらんな、のじゃショタジジイです。
善神なので基本的に割と友好的で良い子な行動をとります。
また、物音や音楽等、音系に敏感に反応します。
特別に超ドシリアスなシーンではステータスシート口調『時々』の方の普通口調になったりもします。

戦闘では主にユベコ『音楽の力』で浮遊したり、ゴッドリングスラッシャーを飛ばしたり、双剣シエラ、シエロを使って戦います。



「おめえさんも、食うかい?」
「ほう、これを食べきればよいのじゃな、任せるのじゃ!」
 ドンと胸を叩いたのは、アルカ・ルカルト(音楽系ショタジジイ・f16458)。
 手渡された掘りたての里芋を眺め……、
「で……どう食べるのじゃ?」
「……。」
 がりり……という音に振り向くと、オブリビオンの少女が里芋をそのまま齧っている。
「美味しい……。」
「いや……いやいや、待つのじゃ。やっぱり、火を入れるべきなのじゃ。」
 というわけで、アルカはかまどの前に立つのだった。

 グラグラと茹った鍋を覗き込んだアルカ。
「……そろそろじゃろうか?」
 鍋の中の里芋を長い箸で突き刺すと、すっと通った。
「よさそうじゃな!」
 そうしてひき上げられた里芋は、白い湯気をあげて大皿に盛られていた。
「後は塩でもいいじゃろうが……何か欲しいのう。」
「だったらこれはどうだべ?」
 と、農民が取り出したのは、大豆の発酵食品……簡単に言えば味噌だった。
「おお、それじゃ! ……よし、できたぞ!」
 そのままアルカは、大皿と味噌を盛った皿を少女の前に置く。
 少女は濁った目でそれを眺め、手を伸ばし……。
「……うん……美味しい。」
 一つを齧って噛んでいると思えば……バクバクと食べ始めた。

「ほれ、お主らも来るのじゃ!」
「なんだべ?」
 ちょうど畑の野菜もほとんどなくなり、手持無沙汰な農民たちを引っ張ってきたアルカ。
 大皿に乗っていた里芋も、半分は少女の胃に収まっている。
「ふふん、わしは音楽の神じゃからな。」
 アルカが手を横に伸ばすと、その手にはレコードのような光輪が生み出され、
「最後は楽しくやろうと思ってな!」
 手の振りに合わせ、音楽が鳴り始める。
 それは太鼓と笛の組み合わせで……。
「おお、盆踊りだべ!」
「そうじゃ、派手に踊っていくとよいぞ!」
 曲に合わせ、少女の周りを農民たちが踊り始める。
 明るく楽しく、一部をテクノアレンジしたアルカの曲に、農民たちも笑顔で踊り……。
「……みん、な……?」
 少女が最後の里芋を食べ、その顔を上げた時……。
 農民たちは、光の粒となって天へ昇っていった。
「ほれ、おぬしが食べてくれたおかげじゃ!」
「……そう……なんだ……。」
 笑いかけたアルカに、少女もまた歪ながら笑みを浮かべたように見えた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『ロックハーツ辺境伯』

POW   :    デモニック・イマジネイション
無敵の【願望器:異端の神『夜(デモン)』 】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD   :    自重?なにそれおいしいの?
自身の【自重 】を代償に、【異端の神『夜(デモン)』】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【欲望具現化魔法】で戦う。
WIZ   :    欲望迷宮『終わり無き愚者の宴』
戦場全体に、【願望器:異端の神『夜(デモン)』 】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。

イラスト:葛飾ぱち

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アリス・セカンドカラーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「あー! あんた達、何てことしてくれたのよ!」
 と、少女の怒りの声が響く。
 猟兵達が振り返ると、そこに浮かんでいるのはフェアリーの少女だった。
「もう、あいつらにご飯作らせて、その上で寝てみたかったのに!」
「……食べるんじゃ……ないの……?」
 濁った目をしたオブリビオンの少女が、フェアリーに問いかける。
「あったり前じゃない! この体でどれくらい食べれると思ってるのよ!? あたしはね、飢えた奴らの前でそうやって見せつけて、楽しみたかっただけなの!」
「…………。」
 それが当然と言わんばかりのフェアリーに、少女は顔を伏せたかと思えば、
「ゆるさ……ない!」
「うわ! ちょ、ちょっと!?」
 飛び掛かってきた少女に対し、フェアリーはデモン呼び出して応戦していた。
テト・ポー
いいぞやれやれ~! ごはんを粗末にするようなやつはすべからく人類の敵だ~!
……ちょっと想像以上に仲良くなれそうだな。う~んまあ後のことはあとで考えればいいや!

UC「食欲の主張」で体を強化しつつ、なるべく腹ペコ女の子の補助に回ろうかな。
隙を作ったり攻撃をかばったり、まあできることはあるでしょ。あとの攻撃はみんながどうにかしてくれるだろうし。

いいかい妖精さん、これは報いってやつさ。
ごはんを粗末にするものは神や世界や誰もが許したってこのテト・ポーが許さないんだな~これが!
僕の前に現れたのが運のつきだったね。おとなしく骸の海に帰ってくれよな!


備傘・剱
…そんな下らない事の為に、準備してたって事か?
生き物最大の苦しみ、飢えをそんな風に嘲る奴に情けはいらないな

おい、スター・ピッグ!
同じ釜の飯を食った仲だ
力貸すぜ、白虎吼、発動

ちょろちょろ動き回られても面倒だ
衝撃波と誘導弾で狙い撃ちにして、集中力を乱してやる
召喚されたデモンには鎧無視攻撃と、鎧砕き
ロックハートには頭の上の一足りないのサイコロ攻撃をかましてやる

オーラ防御全開で思いっきり殴り合ってやるよ
迷宮は全力で破壊してやる

貴様がやった事は、到底許される事じゃねぇ
オブリビオンだなんだなんて事、抜きにしてもだ
お前は、この場にいる全員の怒りを買った
その代償は、払ってもらうぞ

アドリブ、絡み、好きにしてくれ



「いいぞやれやれ~! ごはんを粗末にするようなやつは、すべからく人類の敵だ~!」
 襲いかかる少女を応援するテトの横を、歩いて近づく備傘。
「……そんな下らない事の為に、準備してたって事か?」
「そ、そうよ! ここは私の領地なのよ、私が何をしようと自由じゃない!」
 デモンを制御しながら、フェアリーは答える。
 その言葉に、嘘はない……ただ、そうしたいからという理由。
「生き物最大の苦しみ、飢えをそんな風に嘲る奴に情けはいらないな。……おい、スター・ピッグ!」
 言葉とともにオーラを纏い、備傘は大きく息を吸う。
「同じ釜の飯を食った仲だ、力貸すぜ。」
 その喉から迸る、虎の如き咆哮。
 戦場に響き渡るそれを背に、勢いづいた少女の拳がデモンにめり込んだ。

「なんなのよ、あんたたち!」
 明らかに少女に押されているデモンの姿に、癇癪を起こすフェアリー。
 猟兵達や少女との間を遮るように、新たなデモンが壁として立ち塞がる。
「一生そこで迷ってなさいよ!」
「う~ん、そういうわけにはいかないんだよなぁ。」
 いつのまにか、少女と合流していたテト。
 フェアリーの声を頼りに壁を殴る少女に、飢えを力とするテトも同じように殴りつけていく。
「ゆるさない……ぜったいに……。」
「あいつが、食べ物で遊んでいたから?」
 問い掛けとともに振るわれた拳が、壁を打ち破る。
 少女が頷くのを見たのはテトと、別の壁を破って表れた備傘。
「……ちょっと想像以上に仲良くなれそうだな。」
「ああ、まったくだ。」
 そんな3人の拳が壁に突き刺さると、デモンも堪らず打ち破られた。
「うそ、もう!?」
「ああ、来てやったぜ!」
 そのまま殴りかかる少女へ、新たなデモンを呼びだしぶつけようとするフェアリーだったが、備傘の放つ気弾を避けて一手遅れ……。
「きゃあああ! ……もう、ゆるさない!」
 殴り飛ばされるが、その間に立ち塞がるようにデモンが地面から起き上がる。
 そのまま少女へ体当たりをするデモンを受け止めたのは、横から近づいたテトだった。
「……いいかい妖精さん、これは報いってやつさ。」
 ぼーっとした外見ながら力持ちのテトに掴まれ、動けないデモン。
 それを少女が殴りつけた時、
「貴様がやった事は、到底許される事じゃねぇ。」
「……っ!?」
 フェアリーの後ろに現れた備傘に殴り飛ばされた。
「ぐ、は……!」
「オブリビオンだなんだなんて事、抜きにしてもだ。」
 殴り飛ばされた先にいたのは、濁った目を向け拳を固めた少女。
 そして、邪魔になるデモンを怪力で投げ飛ばしたテト。
「ごはんを粗末にするものは神や世界や誰もが許したって、このテト・ポーが許さないんだな~これが!」
「ぐべ……!」
 少女の拳がフェアリーの腹に突き刺さる。
「……お前は、この場にいる全員の怒りを買った。その代償は、払ってもらうぞ。」
「僕の前に現れたのが運のつきだったね。おとなしく骸の海に帰ってくれよな!」
 フェアリーが吹き飛び、地面に落ちる……。
 が、少女はまだ拳を解かなかった。
「ふ、ふふふ……。」
「……まだ……!」
 フェアリーの笑みが響くと共に、飛びかかる少女。
 それをふわりと避け、さらに周囲へデモンを呼び出してゆくフェアリー。
「あんたたちを絶対に……ぜーったいに許さないんだから!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鈴木・志乃
敵はあのフェアリー
そして異端の神デモン
欲望叶える願望機

へえ
自分を壊すUCなんて役に立たないと思ってたけど、今この場には好都合かもね

一応、言葉で揺さぶりをかけておきますか
能力に疑念を持たせること、が一番大事だしね
ねーそこの妖精さん、私ね、人の感情を奪っちゃえるんだあ
今すぐ貴方から心という心を消し飛ばしても良いんだけど、いかがいたします?

UC発動
フェアリーとデモンの感情を根こそぎ奪い、また自らの人格(欲望の半分)を破壊
オーラ防御常時発動
危険攻撃は第六感で見切り全力魔法の衝撃波で全部なぎ払う

……ある意味一か八かの攻撃だから、一言一撃慎重に追い詰めるよ
全力魔法だけ畳み掛けるように
タイミングは第六感で


霧島・絶奈
◆心情
ある意味では究極の贅沢だと言えるのでしょう
ですが、不愉快な遊びですね
命を無為にする其の行為のツケを、自らの命で存分に贖うと良いでしょう

◆行動
<真の姿を開放>し『暗キ獣』を使用
屍者は槍衾を構え行軍
屍獣は先行と遊撃を担当
軍勢による【範囲攻撃】で敵を燻り出し殲滅します

私は【目立たない】事を利用し行動
迷宮内部に【罠使い】として持ち込んだ「熱や振動を探知して起爆するサーメート」を複数設置
此処は最早貴女の領域ではありません
自らの庭が牙をむく【恐怖を与える】としましょう

設置を進めつつ探索し、接敵時には【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復



「ある意味では究極の贅沢だと言えるのでしょう。ですが……、」
 少女へ襲い掛かるデモン、その間に立ちふさがったのは屍者の軍勢たち。
 霧島の呼び出したそれは槍を構え、槍衾と化してデモンを迎え撃つ。
「不愉快な遊びですね。命を無為にする其の行為のツケを、自らの命で存分に贖うと良いでしょう。」
「敵はあのフェアリー、そして異端の神デモン……それと、欲望叶える願望機か。」
 デモンを槍が貫く中、少女はフェアリーへと近づこうと拳を固める。
 その様を見ながら、鈴木は自身の力を……普段は使うことのない力を思い出す。
「……自分を壊すUCなんて役に立たないと思ってたけど、今この場には好都合かもね。」
 決意を固めた鈴木に対し、振り返った霧島は楽しそうに問いかけていた。
「ふむ……手伝いは、いりますか?」
「動きを、止めてくれれば。」
「お安い御用。」
 周囲へ屍獣を呼び出し、その影へ姿を消した霧島と共に、鈴木はフェアリーへと近づいていった。

「まったく! あんたもいい加減あきらめなさいよ!」
「……ゆるさない……!」
 デモンに阻まれ、近づけない少女にフェアリーが言葉をかけるが、その拳を降ろす気はないようだ。
 その横から、鈴木が声をかけていく。
「ねー、そこの妖精さん?」
「なによ!? 今忙しい」
「私ね、人の感情を奪っちゃえるんだあ。」
 言葉に振り向いたフェアリーだったが、
「ふ、ふん! ただの人間ごときにそんなこと、できるわけないでしょ!?」
「……今すぐ、貴方から心という心を消し飛ばしても良いんだけど、いかがいたします?」
「やってみなさいよ! やれるなら、ね!」
 間を遮るようにデモンを呼び出し、鈴木へけしかけるフェアリー。
 しかし、その足へまとわりつくのは屍獣たち。
「この、さっきから!」
「……注意散漫ですね。」
 すぐ後ろから聞こえた霧島の声に振り向くフェアリー。
 そこにいるのは、襲い来る屍獣の群れ……。
「なんなのよ! 邪魔しないで!」
「おや、それは……。」
「え、きゃあああ!」
 フェアリーは間を遮るようにデモンの壁を呼び出した……が、地面からデモンが伸びあがると、仕掛けられた地雷が炸裂していく。
「な、なんで。」
「……此処は最早、貴女の領域ではありません。」
「ひっ!?」
 そして、フェアリーの翼を屍兵の槍が貫き……目の前には、鈴木の姿。
「ありがとう、そして……。」
 その姿が溶け、光の玉と化し……。
「……さようなら。」
「あああああああ!」
 瞬間、目を刺すような強い光が周囲を照らす。
 鈴木自身の人格の半分を代償に、渾身の力で放たれる光が晴れた時……デモンは地面に座り込み、ただの置物と化していた。
 フェアリーも、ふわふわとただ飛ぶだけ……。
「……この……!」
「く……あ……。」
 そして……少女の渾身の拳に殴り飛ばされ、黒い塵となって溶けていく。
「さて後は……と、彼らも後を追いましたか。」
 姿を現した霧島が当たりを見渡せば、デモンも石の塊と化していたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『三欲天使』スター・ピッグ』

POW   :    【常時発動型UC】ブラックハングリー
【敵対者が攻撃行動を行う度に、敵対者の】【栄養、エネルギーに類する物を強制的に吸収】【し、自身の栄養とする事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    ホワイトリバース
【今まで喰らった様々な物を吐き出す事】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    コピーピッグ
対象のユーベルコードを防御すると、それを【戦闘用の子豚として排出、対象のUCを】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。

イラスト:綾智

👑8
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアララギ・イチイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「はぁ……はぁ……。」
 フェアリーを殴り飛ばし、少女は荒い息をついていた。
 ……その姿は、すでに薄くぼやけている。
「……ちからが、ぬけて……。」
 猟兵達を見る目は、前と変わらず濁っていて。
「わたし……もう……いらないの、かな?」
 乾いた笑顔に、敵意はない……が、困惑しているようだ。

 彼女を倒すこともできるだろう、猟兵達にはその力がある。
 しかし……彼女は放っておいても、その姿を保つことはできないだろう。
 彼女が自身の役目を終えたこと、それを伝えることができれば……。
テト・ポー
「いただきます」があったなら、必ずいつかは「ごちそうさま」するものだよね。
このオブリビオンさんは、それがちょっと長かっただけ……
ちゃんと「ごちそうさま」して、味の感想のひとつでも言えばぜ~んぶおっけーだよ。

ん~、オブリビオンを骸の海に帰すのが猟兵の仕事なら、このまま放っておけば仕事は終わるんでしょ?
終わりまではちゃんと見届けるよ。できることなら、美味しかった料理の話でもしながらね。

信者さんがどこに行ったかは知らないけどさ、土産話のひとつやふたつは持って帰ってあげなよね。
美味しいごはんは美味しいってだけで全てを解決するものだし、それは僕たち堪能したでしょ? なら、万事いい感じに回るよ。たぶん。


備傘・剱
…消える、のか?
もしかしたらよ、オブリビオンとも、仲良くなれると思ったんだが…

…よし、食に始まった縁だ
食で終わらせて、やるよ

デザート、まだだろ?
食後のデザートも食わずに、この場から去るつもりか?
飯をあれだけ食ったんだ、最後の最後、甘い物を食べなきゃ…、お前が守りたかった人達に食べる幸せを全部、教えてあげなきゃ、ダメだろ

薩摩芋や、南瓜で、スィートポテトや、大学芋、南瓜餡を使った饅頭を沢山、作るぜ
たらふく食え!
お前が食べ切れなくても、お前が食べさせたい奴の分も持っていけ!

…ピッグが消えても、作り続ける
もしかしたら、食い意地に負けて、すぐに帰ってくるかもしれないから、な

アドリブ、絡み、好きにしてくれ


鈴木・志乃
やー食べた食べた、ごちそーさまでしたっ!(手を合わせる)

【祈り】

どこにおわすか分からん神様、今日は美味しいご飯を一緒に食べて下さってありがとーございました!
やあ、やっぱ誰かと食べるご飯は美味しいねえ、もー私ついつい炊き込みご飯三杯も食べちゃったよお(お腹ぽんぽん)
はは、食べ過ぎですねー(にしし)

私はご飯たらふく食べられて幸せでしたよー
こんなかわいい神様にもお会いできたしね!
……きっと貴女の領民も、貴女に会えて幸せだったと思う

こんなじゃ慰めにもならんかもだけど
もし貴女の領民に会ったら、ご飯たらふく作ったげるよ
それからそっち(骸の海)まで案内する

約束する
私はそういう存在だ

ありがとう、ごちそうさま


霧島・絶奈
◆心情
役目を終えた…そう言う意味でなら肯定しましょう
人々の願いを、無念を晴らした貴女を、誰が「いらない」等と言えましょうか?

◆行動
気高き「神」の最後を見送りたいと思います
オブリビオンであるかどうかは些事です

貴女は自身に向けられた祈りの為に行動し、そしてその為に己の全てを捧げた…
その誇り高き在り方に敬意を表します
食べる事は生きる事だと、私はそう考えます
其れを司る神である貴女の生き様を、私は生涯忘れないでしょう
だから今はおやすみなさい
また何れ、お会いしましょう

…異国には「死水を取る」という文化があります
貴女に祈った者達だけでなく、貴女自身の「憩い」も安らかである事を【祈り】ます
さあ、この水をどうぞ



「……消える、のか? もしかしたらよ、オブリビオンとも、仲良くなれると思ったんだが……。」
「……『いただきます』があったなら、必ずいつかは『ごちそうさま』するものだよね。」
 消えてゆく少女を見ながら呟く備傘に、テトは優しく言葉をかける。
「このオブリビオンさんは、それがちょっと長かっただけ……。ちゃんと『ごちそうさま』して、味の感想のひとつでも言えばぜ~んぶおっけーだよ。」
「そう、か……。」
 備傘にも、テトの言いたいことは解る。
 確かに少女は……、
「ええ、役目を終えた……そう言う意味でなら、肯定しましょう。」
 消えゆこうとする少女へ近づく霧島。
 顔を覗き込む目は、皮肉のこもらぬ優しい異端の神の目だった。
「人々の願いを、無念を晴らした貴女を、誰が『いらない』等と言えましょうか?」
「そうだよ! 私はご飯たらふく食べられて幸せでしたよー。」
 しんみりとした空気を晴らすように、笑顔で語り掛ける鈴木。
「それに、こんなかわいい神様にもお会いできたしね! ……きっと貴女の領民も、貴女に会えて幸せだったと思う。」
「……そう……かな……。」
 つられて、少女も笑顔に変わる。
 その様を見た備傘は皆に背を向け、歩き出す。
「え、どこへ?」
「……これは、食に始まった縁だ。だから、食で終わらせてやるよ。」
 問いかけたテトへ、かまどに火を入れながら言葉を返す。
 特に、少女へ聞かせるように。
「デザート、まだだろ? 食後のデザートも食わずに、この場から去るつもりか?」
「あ……。」
 その言葉に、少女の腹の虫がくぅと鳴る。
「……うん……たべる。」
「よし、作ってやる。飯をあれだけ食ったんだ、最後の最後、甘い物を食べなきゃ……。」
 そう言いながら、まだ少し残っていた南瓜や薩摩芋を洗い、蒸かす。
「お前が守りたかった人達に食べる幸せを全部、教えてあげなきゃ、ダメだろ。」
 備傘は少し言葉に詰まり……その黒い瞳から、頬を輝くものが伝う。
「……うん。」
「覚悟、しろよ。」
 怒涛の勢いで、様々なデザートを作り上げてゆく。
 ……食べ終わるのがいつになるか、解らなくなるほどに。

 前菜と言わんばかりに置かれた、薩摩芋の角切りの入る蒸しパンを一つとったテト。
「あむ……おお、いい味。」
「……おいしい。」
 少女も一緒に口に運ぶと、自然な甘みが口に広がっていく。
 心なしか表情の緩んだ少女の様子を見ながら、テトは語り掛けていった。
「結構何でもおいしそうに食べるけど、あなたの好きな食べ物ってあるのかな?」
「……ん……。」
 質問に、少し考えるように手元を見て、
「たべもの……なんでも……。」
「あー、うん、そっか。」
「どれか一つって絞るのは難しいかもね!」
 大皿に乗った山盛りの大学芋を手に、鈴木もその輪に加わる。
 一つとって齧れば、香ばしく揚がった芋の香りと蜜の甘味。
「ここではあまり見ない食べ物も多かったかも?」
「……うん。」
「そっか……言われてみれば、この芋も初めて食べたかもしれないのか。」
 しみじみと手に取った大学芋を見ながら呟くテト。
 もぐもぐと食べる音に視線を移すと……少女の姿が、少しずつ薄くなっていくのが見て取れた。
「……信者の人達に話す、いい思い出話になるといいな。」
「あはは、美味しいものはみんなを幸せにするからねー。」
 と、周囲に漂い始めた甘い匂いにかまどの側を見れば、白い饅頭と茶色に焼かれたスイートポテトの山。
 大量のそれを置き、備傘はまたかまどへ向かう。
「え……まだ作るの?」
「……ああ。」
 返事だけを残して背を向けた備傘に、テトはそれ以上何も言わなかった。
「これも……甘い……。」
 声に振り向けば、饅頭を齧った少女の姿。
 その口元に、黄色い南瓜の餡がついている。
 よほど気に入ったのか、ばくばくと食べ始めた少女。
「ふふ……急いで食べなくとも、食べ物は逃げませんよ。」
 そんな少女の姿を見ながら、霧島も饅頭を一つ手に取り、
「貴女は自身に向けられた祈りの為に行動し、そしてその為に己の全てを捧げた……その誇り高き在り方に、敬意を表します。」
「……たべてるだけ……だった、よ……?」
 少し手を止め、首をかしげながら呟く少女に、手にした饅頭を向けて、
「だからこそ、ですよ。食べる事は生きる事だと、私はそう考えます。……其れを司る神である貴女の生き様を、私は生涯忘れないでしょう。」
「美味しいごはんは美味しい、ってだけで全てを解決するものだし、それは僕たちも堪能したでしょ?」
 テトもスイートポテトを手に、想いをぶつけていた。
「それなら、万事いい感じに回るよ。たぶん。」
「……そっか……なら、よかった。」
 はっきりと、笑みを浮かべた少女の姿は……後ろの物が見えるほど。
 そんな彼女に、霧島は手にしたコップを勧め、
「喉も乾いたでしょう……さあ、この水をどうぞ。」
「……ありがとう。」
 こくこくと、水を飲み……その姿は、水のように透明に溶けていった。

「……異国には『死水を取る』という文化があります。」
 コップを拾い上げ、目を伏せた霧島の呟きが響く。
「貴女に祈った者達だけでなく、貴女自身の憩いも安らかである事を、祈ります。」
「いっちゃったんだね……。」
「ええ、だから今はおやすみなさい。また何れ、お会いしましょう。」
 テトも目を伏せて祈りをささげる……と、そこへ響く、大きく手を合わせる音。
「どこにおわすか分からん神様! 今日は美味しいご飯を一緒に食べて下さって、ありがとーございました!」
 鈴木の大きな声が響く。
 きょとんと見上げた二人に対し、少し恥ずかしそうにお腹をさすりながら、
「やあ、やっぱ誰かと食べるご飯は美味しくてねえ、もー私ついついスイートポテト半分くらい食べちゃったよお。」
「ふふ、確かにいっぱい食べてましたね。」
「……はは、食べ過ぎですねー。その前も、炊き込みご飯三杯は食べてたし。」
「意外と大食いなんだね。」
 そんな鈴木と、クスリと笑いながら話す霧島とテト……そこへ、シンプルに焼いた薩摩芋の乗った皿を持ってきた備傘。
「……そうか、逝ったか。」
「そうだね……これ、どうする?」
「俺も食うさ。残したら、それこそあいつ……スター・ピッグに申し訳ねえ。」
 一口齧り……その甘さをかみしめつつ、
「もう材料もないな……。」
「まだ作るつもりだったの?」
 目を丸くしたテトに焼き芋を渡し、備傘はもう一口焼き芋を齧って呟く。
「ああ……もしかしたら、食い意地に負けて、すぐに帰ってくるかもしれないから、な。」

 そして、大体食べ終え……誰からともなく、帰ろうと話が出て。
 皆が歩き始める中、鈴木は一人残って手を合わせる。
「こんなんじゃ慰めにもならんかもだけど……もし貴女の領民に会ったら、ご飯たらふく作ったげるよ。それから、そっち(骸の海)まで案内する。」
 動くものはいない……ここにあるのは、畑だった場所。
「約束する……私は、そういう存在だ。」
 鈴木の背で、純白の翼が広がる。
 ばさりと一度羽ばたき、目を開いて言葉を残す。
「ありがとう、ごちそうさま。」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年10月04日


挿絵イラスト