4
影と狂気と同族殺し

#ダークセイヴァー #同族殺し

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ダークセイヴァー
🔒
#同族殺し


0




『同族殺し』
 それはダークセイヴァー内でまことしやかに語られる、ひとつの都市伝説だ。
 彼は吸血鬼でありながら、同じく吸血鬼を殺す。しかしそれは猟兵とは違い、言葉を交わすことは出来ず、またその素顔を見ることもない。
 ただ、手に握る剣を、同族であるはずの彼らに突き刺し続けるだけの殺戮人形。
 話の出処は分からないが、しかしそういう存在がいるのだ。
 これは、グリモアベースに繋がる世界の一つ、『ダークセイヴァー』で語られる噂話。

「そんな凶暴で理性の欠片もない『同族殺し』が、ダークセイヴァー内のとある領内に出現したそうよ」
 龍崎・紫苑(人間の剣豪・f03982)は、ひとつの噂話を解説すると、そう話題を切り出した。
「そして、今回の任務はこの『同族殺し』を倒せ……って訳ではなくて、むしろその騒動を利用して、領主の首を討ち取れ、というもの。オブリビオンと協力する、っていうのは、少し違和感があるかもしれないけど」
 オブリビオンとは、消え去るべき過去が実体を持ち、現実世界を脅かす驚異となった存在。
 本来ならば人間を虐げ、蔑み、軽んじるものであるのに、なぜ同族殺しなどが出現したのだろうか。
 そんな疑問が胸中に浮かぶが、しかし思考を振り払う。
 オブリビオンを退治することが自分たち猟兵の役割であり、敵同士で仲間割れが起きているのなら、それを利用しない手は無い。
「それじゃあ、転移を始めるから。覚悟、決めておきなさい」
 そして、グリモア猟兵である紫苑の合図とともに、その場に集った猟兵たちは、ダークセイヴァーへと赴くのだった。
 場所は領主館の敷地内、群生する妖花と、それに向け剣を振るう影のある、暗闇に閉ざされた世界へと。、


篠崎涼牙
 そんなこんなで二作目です。
 こんにちは、篠崎涼牙です。
 今回はダークセイヴァーにて圧政をしく領主のヴァンパイアを、同族殺し出現による騒動に乗じて討ち取ろう、という話です。そのまんまですね(笑)

 一戦目は集団戦、二戦目、三戦目はボス戦。
 全ての戦いに同族殺しが出現します。
 ただ、猟兵達だけで相手取るのではなく、同族殺しを上手く利用することが勝利への近道です。

 それでは、参加お待ちしています!
8




第1章 集団戦 『喰われた神々』

POW   :    この世のものでない植物
見えない【無数の蔦】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
SPD   :    名称不明の毒花
自身の装備武器を無数の【金属を錆びつかせる異形】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    異端の一柱
【一瞬だけ能力が全盛期のもの】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。

イラスト:夏屋

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ソフィア・テレンティア(サポート)
『拝承、任務を開始します』
ミレナリィドールのシンフォニア × ガジェッティア
年齢 17歳 女
外見 153.2cm 紫の瞳 青髪 普通の肌
特徴 胸が大きい 特徴的な声 ウェーブヘア クール 家族を失った
口調 女性的(私、~様、ございます、ございましょう、ございますか?)
真剣な時は 女性的(私、~様、ございます、ございましょう、ございますか?)


アレクシア・アークライト(サポート)
オブリビオンの始末を専門とするUDCエージェントです。
冒険時の情報収集は、念動力、超感覚的知覚、電磁操作(ハッキング)等を用いて行います。
戦闘時は、12層ある力場を情報収集用と防御用に展開し、集団戦は念動力と属性攻撃(火焔、氷結、雷霆)による遠隔攻撃で、ボス戦(強敵)では格闘を織り交ぜて戦うのが基本となります。
切り裂き魔には【空間操作】による切断、薬物使いには【念動力】を用いた薬物の使用など、敵が今まで行ってきたことと同じ目に遭わせたり、敵の武器を逆に利用したりして倒すことを好みます。
「貴方が今までやってきたことよ。詫びるなら、骸の海で詫びなさい」


夷洞・みさき
オブリビオンを殺すオブリビオンね
どことなく親近感が沸くけどそう甘くは言っていられないのかな

【POW】
対多数として砲撃と鎖による拘束をねらう
必要に応じて同族殺しの攻撃のフォローと能力把握に努める
船を狙われた場合は蔦に絡み付かれたことを逆手にとってまとめた敵に船を直接叩き込む
最終的には奴隷船宜しく船倉に閉じ込めて船ごと骸の海に還す

君達に意思があるのかわからないけど
向こうについたら解放されるだろうし安心するといいよ


君は現世の人には興味はないのかい?
それなら僕達はこの場は仲良くできるような気もするけれど

対オブリビオンのスタンス:
現世の人に迷惑を掛けないなら咎人対象外
混ざりものだっている世の中なんだしね



 転移が完了し、夜の帳が落ちた世界へと降り立った猟兵たちが感じるのは、無遠慮に振りまかれる鮮血の金属臭、空気を喰い破るように断続的に響く炸裂音、そして言葉とならない奇怪な、しかし痛々しいほどに悲痛な叫び声だった。
「……ふうん? あれがオブリビオンを殺すオブリビオンね……」
 まず最初に口を開いたのは、夷洞・みさき(海に沈んだ六つと一人・f04147)だった。
 蒼白とも言える生気の感じられない表情に、どこか似合わない笑みを貼り付けて、骸の海から生まれながらも、同胞を手に掛ける黒衣のオブリビオン、『同族殺し』へとその視線を向けた。
 『同族殺し』は、身に纏う外套と同色である、漆黒の刀身を持つ大剣を振るい、それとは対照的に病的なまでの白さを持ち、背中には一対の翼を生やし、しかしその首から上は存在しない、悍ましい姿をしたオブリビオンを一刀にて断殺していた。
「…………『同族殺し』。話には聞いておりましたが、こうして目の当たりにすると異端、の一言に尽きます」
「そうだねぇ……オブリビオンなのに倒せない、っていうのはなんか変な感じがする……」
 ソフィア・テレンティア(歌唱魔導蒸気機関搭載機・壱式・f02643)とアレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)が続けて口を開くが、その内容はやはり、異端のオブリビオン、『同族殺し』についての内容であった。
 闇に紛れるような黒い外套、同色の大剣を振るう『同族殺し』は、猟兵が辿り着く以前から戦っていたらしく、敷地内には既に大量の骸が転がっており、暗闇のせいで見えにくくなってはいるが、外套にはべっとりと返り血がこびり付いていた。
「――――■■■■■!!」
 絶叫。
 二度目の一閃を放ち、辺りの白色の怪物を血煙へと変貌させ、新たな獲物を求めて、別の集団の元へと疾駆する。
「完全に堕ちてる…………少し親近感湧くな……人間襲ってないし……まぁ、会話出来そうにはないし、仲良くはなれなさそうかな……」
「そうでしょう、同族殺しもオブリビオンであることに違いはありませんから。敵の敵は味方、ということにはなりません」
「…………混ざりものだっていっぱいいるのに、なんだか寂しいよ、僕は」
「まあ、仕方ない。でもそれより、私たち今任務中だよ? いくらあの同族殺しでも、全滅は無理だったみたいだし、そろそろお仕事の時間じゃない?」
 アレクシアの言葉で、ようやく自分たちが置かれている状況に気づいたのだろう、みさきとソフィアは辺りを一瞥した。
 首のない、白色の怪物が自分たちを包囲するような形で、迫ってきていたのだ。
「…………少し、お喋りがすぎたみたいだね。ちゃんとお仕事、始めようか」
「私としたことが、お掃除を忘れてしまうとは、メイド失格です……汚名返上と行きましょう」
「やぁっと、ぶっ飛ばせるんだね。お預けくらってるみたいだったよ、行こうか」
 包囲しているオブリビオン視線を向けると、三人で背中合わせの形になると、各々が自らの武装を展開する。
「君たちは、人間に害をなす咎人だ。咎人殺しの名において、君らのことを排除させてもらうよ。おいで同胞『七咎潰しの大車輪』」
 かざした手から、零れ落ちるように出てくるのは巨大な車輪。みさきの同胞を内包した、敵を轢殺することに特化した個人兵装。
「……そうですね、ええ。メイドの仕事を果たしましょう。今は、この散らかったお庭を、綺麗にお掃除しましょうか」
 取り出したロッドを振り払い、延長させると先端から弧を描くようにして、魔力による刃が生成され、淡い緑の軌跡を描く。
「じゃあ、早速始めようか! これからが猟兵のお仕事だよ!」
 途端に、アレクシアの周囲の空間が歪み、雷光がその体から発される。超能力、そのうちの一つである『電磁操作(エレクトロキネシス)』
 互いに武装を展開し、アイコンタクトを交わすと、ほぼ同時に、全員が地を蹴った。

 みさきは、眼前に迫るオブリビオンを車輪で弾き飛ばし、道を拓くとそのまま『同族殺し』の援護へと回る。
 しかし、一人だけで飛び出しているのと同義であり、すぐにオブリビオンの目標はそちらに移る。
「「させません!(させないよ!!)」」
 直後、みさきの元へ向かおうとしたオブリビオン達の体に電流が走り、両断される。
「あなた方の相手は私たちです」
「そう簡単には、行かせないよ」
 雷撃が空を翔け、緑の魔力刃が白を切り裂く。
 蔦が伸び、攻撃を仕掛けてくるがそれはアレクシアの力場により阻止され、金属を錆つかせる異形の花びらは魔力刃には意味をなさず、切り裂かれていく。
「……みさき様の方は無事でしょうか」
「大丈夫だよ、多分。同族殺しに関心ありそうだったし」



「――――■■■■!!」
 狂乱に叫ぶ黒衣の剣士は、眼前に映る白を切り伏せるべく、その大剣を振るい続ける。
 しかし、所詮は多勢に無勢。大剣という隙の大きい武器を振り回していては、その隙を突かれるのも時間の問題。
 事実、大剣を振り終えた硬直からその背後をオブリビオンに取られ、蔦が振るわれる。
「させないよ、まだ彼には死なれちゃ困るんだ」
 が、それが同族殺しに届くことはなく、突然出現したガレオン船と、そこから伸びる鎖が蔦を絡めとり、その本体である首無しに至るまで、周囲のオブリビオンの動きを固定する。
 すると、黒の大剣が鎖ごと巻きついたオブリビオンを斬り伏せる。連携、と言うにはあまりにも単純なものだが。
「……互いに利用し合える……ってことか。一体どういう仕組みなんだろう……僕らに近い存在なのかな…………ん?」
 オブリビオンを認識し、それだけを打ち倒すオブリビオン。一体何が彼をここまでにしたのか、それを知ることは出来ない。
 ふと、視線を向けると、同族殺しもまた、みさきの方へと視線を向けていた。
 それは、本来オブリビオンが猟兵に、人間に向けるものとは違っていた。
 憎悪や悪意ではなく、どこか慈しみすら感じるその視線は、オブリビオンとして、確かに異端であった。
「…………君に言葉が通じるかは知らないけど、僕らは利害が一致してる。互いに利用し合おうじゃないか。ほら、来てるよ」
 指をさして、新たな敵の訪れを知らせると、同族殺しは駆け出す。
「……まるでおもちゃを見つけた子供みたいだね」
 場違いな感想を抱きながらも、そのあとを追い、オブリビオン駆除のサポートを続行していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

山理・多貫
【吸血猟兵】『もし他PCから同ネームがあるプレイングが送信されましたら合わせて頂けると幸いです。(ない可能性が9割です)』

噂には聞いていました、が…。
運がよけれ、ばまた同族の血にありつけそうです、ね。

自身の満たされる事の無い吸血欲を満たすため、当依頼に参加します。
狙いはもちろんヴァンパイアの血、そして同族殺しの血。


●通常戦闘

貴方も美味しそうです、けど……ごめんなさ、い?

食べたくなるのを我慢して、接近戦。
俊敏な動きで愛用の致死毒が塗られたダガーを突き立てることに専念します

だって空腹は最大の味付けですか、ら。
今はがまん、がま、ん。


●同族殺し戦

み、つけました。

共闘するフリをして
吸血をする隙を伺います



 メイド服を翻し鎌を振るう魔導人形(ミレナリィドール)と、景色を歪ませるほどの力場から生じる雷撃を操る半人半機(サイボーグ)が、首を失った神だった者を駆逐していく場所とは、少し離れた、ちょうど建物を挟んで向かい側。
 一人の少女、山理・多貫(吸血猟兵・f02329)は、館をぐるりと囲う塀の上に静かに降り立つと、群がる白色の首なしへと、冷えた視線を向けていた。
 感情の一切が読み取れないその瞳は、自我のあるものが見れば畏怖を感じさせるのだろうが、首なしはそれを意に介すことはなく、多貫を敵なのか味方なのか、図りかねた様子で体を向ける。
 恐らく、自らをこの館周辺に配置した主と気配が似ていたのだろう。少女はヴァンパイアとの混血である『ダンピール』であったが故に。
「…………ここが……今日のご飯がいる場所です……か」
 くんと、鼻で空気を吸う。
 感じるのは血の匂い、その中でもひときわ甘い香りを感じさせるものがあった。
 同族……ヴァンパイアの血の匂い。
「…………運が良けれ……ば、同族の血に、ありつけそうです……ね。でも…………その前にあなた達を殺さないと……」
 館の方を一瞥すると、腰からダガーを抜き出し、再び視線を首なしに戻す。
 武装を取りだしたことで、首なしは目の前に存在する少女を、ようやく敵と認識したらしい。奇怪な雄叫びをあげると、腕を振るい、幾数本もの不可視の蔦が多貫目掛けて、その体を貫かんばかりに放たれる。
「貴女達も、美味しそうです……けど、ごめんなさ……い?」
 しかしそこに多貫の姿はなかった。
 聞こえてきた声は上空、血の匂いが不自然に乱れたことで、攻撃を察知し、いち早く跳躍し、回避したようだった。
 それに首なしが気づくよりも早く、少女のダガーは落下速度も乗せ、先頭にいた首なしの腕を切り落とす。
 それに留まらず、なにか悶えるように声を漏らしながら、その個体は痙攣した後に、二度と動くことは無かった。
「…………神様……みたいな見た目だけど、毒は効くんです……ね」
 ダガーを振り払い、付着した血を弾き飛ばすと、その刀身が血とは別の液体が付着しているようだった。
 それは、多貫の言う通り毒。体内を巡れば対象を『死』に『至らしめる』、その名の通り致死毒。
 ふと、ヴァンパイアとはまた別の、一際強い匂いが鼻を突くが、その正体にまだ気づくことはなく、周囲の首なしに対して、ダガーを構えた。

 同族殺しとの邂逅は、まだ訪れない。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴィリヤ・カヤラ
私の父様も吸血鬼だし同族殺しでも何でも共闘出来るなら歓迎かな。

共闘出来るなら近接はお任せしちゃって私は遠距離からいってみよう。
とりあえず敵の数が多そうだから範囲で一気に減らしたいところかな。
敵の多そうな辺りを【氷晶】を使って攻撃していくね。

倒せなかったのは鋼糸の刻旋で刻んだり
捕まえて盾にしたりして倒していくね。
連携して動いてる人が敵の攻撃を受けそうになってるのに気付けて、
間に割り込むか敵の後ろに回れればフォローに入るね。

アドリブ・連携歓迎



 鎖が絡みつき、首なしの動きを止めると、漆黒の大剣が薙ぎ払われる。
 みさきが捕縛し、同族殺しが斬り裂く。連携とも言えないような、偶然噛み合った歯車と言うだけであるが、その連携とも呼べないほどの協力関係だが、他所ではメイドと超能力者に、同族の血を狙うダンピールなども戦いに参加していると言うのもあって、オブリビオンはその数を着実に減らしていた。
 しかし、サポートに回るみさきだが、同族殺しについて思うところもあったのだろう。背後に迫る影に気づくのが、一瞬遅れた。
 翼をはためかせてそこに現れたのは、みさきらが相手していたのとは別グループの個体であり、同族殺しの移動に合わせて跳躍を繰り返しその後を追っていたのを目撃されてしまったのだろう。
 今までとは比にならない速度でその狂爪を振り上げ、かつて神として力を振るっていた時代の全力を発揮した首なしの一体は、みさきの首筋目掛けて振り下ろす。
「――――氷よ、射抜け」
 刹那、割り込むようにして聞こえてきた声と共に、飛来する無数の氷礫が迫るオブリビオンの体を穿ち、抉りとった。
 身体中に穿たれた穴は、たとえ神であっても絶命に至らしめる程に空けられ、いわゆる蜂の巣状態。
 その氷礫の出処へと目を向けると、一人の女猟兵が抜き身の剣を向けていた。
「少し出遅れた……と思ったけど、そうでも無いみたいだね。どんな時でも背後に注意、だよ」
 苦笑を浮かべながらその猟兵、ヴィリヤ・カヤラ(甘味日和・f02681)は、忠告を口にした。
「まぁ、戦況は大体把握してる。君が同族殺しをサポートしてるってこともね。だから、私はまたそのサポートをすることにする。いつまでも動きを止めて斬らせて、の繰り返しじゃあジリ貧だし面倒だからね。遠距離からの支援射撃で、遅刻の汚名を返上することにする、いいよね?」
 出遅れてしまったことの謝罪も兼ねてサポートすると口にしたヴィリヤ。それを断る理由はみさきにはなく、同族殺しはそもそもそんなことなど気にせずに近づいてくるオブリビオン目掛けて大剣を振り回していた。
「……それじゃあ、本腰を入れて仕事をしようか」
 今度は、同族殺しの元へと向かっていくオブリビオンたちの元へと剣を向けると、先程と同じく詠唱と共に、無数の氷礫が放たれていく。
 対地上射撃、無数の氷が近づくオブリビオンたちを一掃し、撃ち漏らした敵を同族殺しが仕留める。
 この一人の増援が、功を奏したのだろう。
 そう時間はたたずして、屋敷周辺に配置されていた首なしのオブリビオンは殲滅されたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『鮮血鬼アルバ』

POW   :    斬殺剣鬼
【本来の力】に覚醒して【斬殺剣鬼】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    億戦錬磨
【数多の戦闘経験から】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    斬天
レベル×5本の【斬】属性の【斬撃波】を放つ。

イラスト:純志

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は死之宮・謡です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 攻撃と断末魔の飛び交っていた庭は、打って変わって静謐に包まれていた。
 濃密な血臭が漂う中、同族殺しはその動きを止めて、新たな獲物を探すように周囲を見渡す。
 大量の首なしを斬り伏せてなお、彼の憎悪は収まることはない。
 しかし、少なくとも周囲に敵影はなく、探すべきは屋敷の中であることは明白。
 それを理解した同族殺しは、屋敷の扉をその剣で叩き破り、中へと侵入する。
「……けっ、扉の開け方も分からねぇケダモノにでもなっちまったかぁ?」
 そして、一階のエントランスに、男はいた
。ギャハハハと、笑いの声を上げるそれは侵入してきた同族殺しにそんな言葉を放つ。
「その様子じゃあ、一端にぶっ壊れちまってるみてえだなぁ? かつてのお前さんが見りゃあどう思うかねぇ?」
 神経を逆撫でするような煽動の言葉を立て続けに述べるそれは、四本の腕を開き、また笑う。
 その様子に同族殺しは、剣を上段に構えると接近すると共に振り下ろした。
「…………どうした? そんな芸のない剣術に頼るようにでもなったか? 復讐鬼」
 周囲を震わせるほどの衝撃が、二人を中心に発生するが、同族殺しの大剣は、まるで瞬間移動でもしてきたように握られていた、四本の剣を持って受け止められていた。
 ぎりぎりと剣を押し込もうとする同族殺しの胸元を蹴りつけて、自身の目の前から弾き飛ばすと、改めてその腕に握る四本の剣を構えた。
「……まぁ、たかだか『同族殺し』だとか、猟兵如きに遅れをとる俺じゃあねぇ。億戦錬磨の鮮血鬼、アルバが相手だ有象無象。この屋敷を攻略したけりゃ、俺を超えて行くんだなぁ!」
 数々の戦場を超えてきた1人の剣士が、猟兵たちの前に立ちはだかっていた。
夷洞・みさき
オブリビオン同士の決闘ならそのまま見守るのも良いかもしれないけれど
咎人は殺さないといけないからね

同胞殺し君、今はまだ、力を貸してあげるよ

さぁ、同胞達。ここに咎人が現れた。

【SPD】
君が今までどんな相手を戦ったかは知らないけれど
斬り捨てられた後そこから反撃というのは経験から予想できるかな
回避を無視したカウンター狙いで不意をつき、主攻撃は同族殺しに任せる

【真の姿】
腹部手足程度の切り捨ては許容範囲
そのまま真の姿を晒して襲い掛かる

ところで君達はお互い知り合い同士だったりするのかい?
多少は君達の生前とやらにも興味が湧くものでね

ほら、何時か至るものかもしれないし、ね

アドリブアレンジ絡み歓迎



 熾烈な剣戟を交わす同族殺しと鮮血鬼。
 風切り音を鳴らしながら振るわれる漆黒の剛剣を、紅の刃が小気味よい音を鳴らし、紙一重でその軌道を自身から遠ざける。
「力任せに剣振ってよォ、おままごとがそんなに楽しいかい? 昔のお前にゃあ、俺も苦戦したもんだが……今のお前じゃあ相手にもならねぇなぁ!!」
 やがて、アルバが踏み込むと四本の腕による四刀流が猛威を振るう。幾度の戦場を駆け抜け、数多の死線をくぐり抜けたその剣術は、理性なき獣である同族殺しを追い詰めていく。
 その光景を眺める、夷洞・みさき(海に沈んだ六つと一人・f04147)は、どこか興味深そうに二人の戦いを眺めていた。
「……オブリビオン同士、なにか因縁もあるみたいだけど、僕も仕事だからね」
 しかし、ただ眺めているだけ、というのは、『咎人殺し』として、許されない。
 やむを得まいと、ため息混じりに走り出す。

「おいおいどうしたどうした!? この程度で復讐を望むか同族殺し!! そんなヘタレた剣で良くもまぁ、俺に挑もうと思えたなぁ!?」
 意気揚々と、立て続けに振るわれる剣が同族殺しの体を浅く、だが確実に斬り裂いていく。
 このまま続けは、消耗戦。理性のない剣技はアルバにとっては児戯に等しく、腕の数のアドバンテージも含めれば、勝ちは容易に掴み取れる射程範囲内。全剣の纏めての叩きつけは、オブリビオンの中でも高い水準の膂力を持つ同族殺しも受け止めきれず、後ろに下がる。
 そして、その陰からみさきは飛び出した。大技の後の不意打ち、対処は難しいはず。
「…………悪ぃが見えてるぜ、猟兵さんよォ!!」
 だが、その不意打ちはアルバに『視えていた』
 無数の戦闘経験を誇り、その中で似たような不意打ちを受けたこともある。一度受けた攻撃は二度も受けない。という訳では無いが、ただの不意打ちであるならば、対処は容易であると言えた。
 床に切っ先の触れた剣の一振が、即座にみさき目掛けて向けられる。
 そのままみさきの肩を穿ち、貫く。
「うん、でも貫いた相手がそれを予想していたことは、少ないんじゃないかな」
 しかしみさきは不敵に笑う。何しろ、それこそが彼女の真の狙い。
「……まぁ、業でも術でもないんだけどね」
 剣に貫かれながらも、彼女の体はぐいと、前進する。そして、変化は突然現れた。
 下半身の消失、そしてその代わりに現れる巨大な車輪、そしてそこから姿を現す巨大な怪魚。そのうち一匹は、アルバ目掛けてその大口を開き迫る。
「――――ッ! チィッ!!」
 突然の変貌、不意打ちすら囮にした、二段階の不意打ち。隙を生じぬなんとやら、とはこの事か。
 咄嗟に飛び退こうにも、突き刺した剣がそれを邪魔し、怪魚がその肩へと喰らいつき、噛みちぎる。
 そこでようやく剣を引き抜くと、後方へと跳躍、距離をとった。
「……ご馳走様、肩は貰ったよ」
 同族殺しの脇で、揺らりと浮遊するみさきは、肩から出血するアルバに、微かにほほ笑みかける。そして、その肩の貫かれた傷は治癒していった。
「……ケッ、端から腕狙いかよ……しかも食って傷治すたァ……こっち側か? 猟兵……」
「残念ながら、僕は君たちとは違うよ。咎人を殺すことを生業ってだけさ。今回は、同族殺し……彼の側についているだけでね。さぁ、形勢逆転……かな?」
 腕を一本もぎ取れば、未だ戦力差こそあるだろうが、その差は少なくなる。
 やがて、同族殺しは再び剣を構えて、走り出すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィリヤ・カヤラ
山理・多貫(f02329)と一緒に。

私は仕事だけど、多貫さんは吸血かな?
我慢できるならギリギリまで待った方が美味しいと思うよ?

多貫さんが遠距離なら私は近付いてみよう。
敵の意識を私に向けられたら良いかな。
もしもの為に『オーラ防御』は使っておいて、
武器は宵闇を使っていくね。
敵の動きは良く見て敵からの攻撃は
『第六感』も使って避けるように頑張るよ。
もしもの場合は武器で受けるけど、
相手は腕2本じゃないから武器で受けたら距離を空けるね。

隙があれば【ジャッジメント・クルセイド】を
当てて目眩ましを狙いつつ、
月輪で足元の影を使って敵の足を一瞬でも縛って
動きの阻害を狙ってみるね。

アドリブ歓迎


山理・多貫
ヴィリヤ・カヤラ(f02681)と参加


アルバをじっと見据えて眉間にしわを寄せ悩んでいます。
限界が近づく飢餓感、未練が残る同族殺しの血。

それなりに美味しそうですけ、ど……うー、ん


あ、ら?ヴィリヤこんな所で奇遇です、ね
おしご、と?それとも貴方もアレの血を狙って……?

まぁいいわ。せっかくです、し共闘といきましょ、う?


●戦闘

近づくと厄介そうです、ね。

愛用の銃を取り出し遠距離から仕留めにかかります。
ヴィリヤと呼吸を合わせて即興とは思えないコンビネーション。

▼ユベコを使用
生前射撃の名手だった高橋さんの技を借り、命中率の底上げをします。

高木さんでした、っけ……?

(アレンジ大歓迎です!)



「…………なんだか、新しくオブリビオンが増えたみたいに見える……」
 少し遅れて、大穴の空いた屋敷の壁から中へと侵入したヴィリヤ・カヤラ(甘味日和・f02681)は、室内の光景に思わず言葉を漏らした。
 何せ、多腕の剣士アルバと漆黒の剣士『同族殺し』が剣を交わしているのかと思いきや、突如背後から躍り出たみさきの姿が、人の姿から禍々しい怪物の姿へと変化し、アルバの腕を肩口から噛みちぎり、自らの傷を癒していたのだ。
 同族殺しのサポートをしていた場面を見ており、なおかつ猟兵であるヴィリヤは、それが彼女のユーベルコードなのだろうと理解出来たが、この光景を何も知らない市民が見れば、オブリビオンが三体内輪もめをしている、と見えなくもない。
「…………羨まし、い。私もお腹、減ってるの、に」
 ふと背後から聞こえてきた、聞きなれた声にヴィリヤが振り向くと、そこにはちょうどアルバを喰らうみさきを見ていたのだろう、山理・多貫(吸血猟兵・f02329)が少し羨ましそうに、姿を現した。
「あら多貫さん、今日は吸血?」
「……ん? ヴィリヤ、こんな所で奇遇です、ね。はい、そろそろ限界……なので。ヴィリヤ、は?」
「うん、私は仕事。……お腹が空くのも分かるけど、もう少しだけ我慢した方が、美味しいと思うよ?」
 目の前では同族殺しとそれをサポートするみさき、それと相対するアルバが熾烈な戦いを繰り広げる中、まるで世間話をするように会話をする二人。
「…………そう、します。あれもそれなりに美味しそう……ですけど」
「そっか。とりあえずあれ、どう攻めよう」
 腕を一本失ったとはいえ、それで大きく差が埋まる訳でもない。となれば、物量で攻めるのも手ではあるが、それでは対処される可能性も大きい。
「…………私は、これで遠距離から攻めま、す。ヴィリヤは……?」
「……それなら、私は突っ込むよ。援護お願いね」
「任せてくださ、い」
 こくりと、多貫が頷くのを確認すると、ヴィリヤは走り出す。

「――――■■■■■■!!」
 言葉にならない咆哮を上げながら、同族殺しは剣を振るう。
 万全の状態であればその対処も容易だったが、腕を一本失うと、感じたことの無い重心のズレに苦戦し、剣をいなすのがやっと、という状況になっていた。
「……チッ、腕さえあればお前如きどうとでも……っとぉ!!」
 二本の剣で大剣を受け止めると、視界の端に捉えた閃光へ向けて、剣を振るう。
 金属音が響き、剣に触れたそれ……弾丸が弾かれる。
「……むぅ、あれを弾きます……か」
「…………まだいやがるのか猟兵、だが有象無象がいくら集まろうが意味は無……っ」
 剣の対処に気を取られていれば、当たると半ば確信して発砲したのだが、それを弾かれたことに、不服ながら驚愕を禁じ得ない。
 億戦練磨は伊達ではない、ということか。
 しかし、何も考え無しに発砲した訳では無い、もちろん当てるつもりで撃ったが、当たれば儲け程度のもの。
 真の目的は、こちらに気を向かせる事なのだから。
 銃の発砲音に隠れていた、もうひとつの足音に気づいたのは、既に眼前に刃が迫ってきた時だった。
「ぬぉっ……!!」
 腕に力を込め、大剣を上へと押し戻し、その隙を突きバク転。
 しなるように振るわれた刃を、回避する。
 しかし、そこを突くように連続で響く発砲音。
 不意打ちに次ぐ不意打ち、隙を生じぬなんとやら。
 先程みさきの二段構えで痛い目を見たにもかかわらず、まだ対応できるレベルには至っていないようだった。
「……小賢しい真似しやがって……猟兵ってのは随分と狡っ辛い手ぇ使ってくんだなぁ?」
 明らかに苛立ちを含む言葉が口から溢れ出るアルバ。
「まぁ、生憎とこれが私たちの仕事だからね。どんな手だろうと、勝つためなら使うよ。不意打ち上等。それに、まだ終わりだと思う?」
 冗談交じりに指を指すヴィリヤを不審そうに睨むアルバだが、その真意に気づくのに一手遅れた。
 直後降り注ぐ閃光がアルバに襲い掛かり、視界を焼かんばかりの光の中、多貫もかつての銃の名手の魂を纏い、視界が不十分な中、正確無比な射撃を行う。
 響いたのは、装甲を穿つ金属音と肉の焼けるような音だけだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


 光は収束し、猟兵たちの視界が元の機能を取り戻すと、アルバは正しく、満身創痍の体となっていた。
 鎧の各所は弾丸に穿たれ、全身は見るのもはばかられる程に醜く焼け焦げていて、所々炭化しているようにも見える。
「……億戦錬磨をここまで追い詰めるとは、まだオブリビオン(俺たち)以外にも骨のある奴らがいるみてぇだな」
 くつくつと、笑う声。
 片腕を奪い、銃弾を撃ち込み、光でその体を焼却してもなお、絶命していなかった。
「いいねぇ、『何をしてでも目的に到達しようとする』その意志、欲望を剥き出しにして足掻いて食らいついていく執着、気に入った」
 猟兵たちは、その言葉とともに感じ、気づくだろうか。
 全身が粟立つような、突き刺すような覇気、殺意が、アルバから放たれていることに。
「鈍ってた体も、温まってきた頃合だ。全力で行かせてもらおうか」

 息を吸う、息を吐く。

 剣を構える、足を動かす。

 地を蹴る、肉薄する。

 轟音が鳴り響き、同族殺しの体が大きく弾き飛ばされる。
 その間の動きは洗練された、という域を逸脱していた。
 もはや日常の一動作を、さも当然に行うように。
 極めて自然に、不自然な程な滑らかさで。
 あらゆる無駄を一切除去した、剣の鬼がそこにあった。
 傷からどんどん血が流れ、失われていくが、しかし気丈に笑ってみせた。
 獰猛な、命のやり取りを心の底から楽しむ、鬼のような笑みで。
「長くは持ちやしねぇが、これで何人か、道連れぐらいにゃ出来るかねぇ。楽しませろよ? 猟兵さんよ」
アレクシア・アークライト
彼女の言う通りね。
貴方達を倒すためなら手段を選んだりしない。
あの“同族殺し”とかいうオブリビオンだって利用させてもらうわ。

あ、それと、“億戦”だなんて大きい言葉は遣わない方がいいわよ。
馬鹿に見えるから。

・3層の力場を情報収集用に展開し、敵の動きや斬撃波を把握。残りの力場で攻撃を防御。
・念動力で敵の行動を阻害して同族殺しをサポートし、自分は距離を取って雷霆で攻撃。
・といった戦い方に意識を向けさせたところで、敵の喰われた腕が持っていた武器を念動力で操り、背後から突き刺す。

貴方言ったわよね。“この屋敷を攻略したけりゃ、俺を超えて行け”って。
そう、貴方は前座。ゆっくり構ってなんかいられないわ。



「…………今まで全力じゃなかった……とか、勘弁して欲しいわ」
 アレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)は、アルバのその笑みに思わず言葉をこぼす。
 傲慢にも猟兵を侮り、満身創痍になってようやく本気を出してきた。かと思ったら、拮抗していた同族殺しを易々と弾き飛ばすほどの剣技を扱い始めた。
 その弾き飛ばされた同族殺しといえば、壁に叩きつけられたにも関わらず、立ち上がり再びアルバに向かい剣を構え走っている。
 ここらのオブリビオンはこんなヤツらばかりなのかと、思わず呆れ果ててしまいそうだ。
「……でも、同族殺しを上手く扱えれば、勝てないわけじゃない。どんな手段を使ってもオブリビオンを殺す、そのために利用させてもらうわ」
 意識を超能力へと集中させ、力場を周囲に張り巡らせていく。
 いくら滑らかな動きとはいえ、それがどんな結果をもたらすのかさえ、読み切ることさえ出来れば、対処は可能だ。
「おいおい、目、瞑ってるってのはいい度胸じゃねえか」
 同族殺しの剣技を軽くいなしながら、アレクシアに視線を向けるアルバ。
 気がつけば、振るわれていた剣から斬撃波が襲いかかる。
「ぐぅっ……!」
 力場を収束させ、斬撃波の威力を分散、分解していくが、剣を振るった風圧だけで体が吹き飛ばされそうになる。
「…………解析完了、かな」
「はん、防ぎ切るか、ならこいつならどうだァ!?」
 同族殺しを蹴りで突き放すと、三本の腕を操り、無数の斬撃波が放たれていく。
 先程の比ではない量の斬撃波が迫るが、アレクシアの体を切り裂くことはなかった。
「念動力(サイコキネシス)……っ」
 指を動かし、力場を操作すると、アルバとアレクシアの中間地点で斬撃波が消滅する。
「…………あん?」
 その現象は立て続けに発生し、放っていた斬撃波は全て消滅、振るわれた剣の風圧だけが周囲を襲った。
「…………斬撃波っていっても、言ってしまえば衝撃波。全く同じものをぶつければ相殺出来る…………億戦なんて使う、頭の悪そうなあなたでも分かるでしょ?」
「けっ、あの一瞬で模倣たってか? 笑わせてくれるねぇ」
「これも、念動力のちょっとした応用よ? それに、余所見しててもいいの?」
「……同族殺し……こいつの事なら見えてんだよ」
 横薙ぎに振り回された剣を、いとも容易く受け止めるアルバ。
 だが、違った。
「…………さすがに、死角から自分自身の武器に突き刺されるって経験は、億戦錬磨でもないみたいね」
「…………ぐふっ、やっ……てくれたなぁ、念動力者……」
 アレクシアの言葉が指していたのは、予期出来ないであろう背後のこと。
 そして、アルバに突き刺されたその剣を握るものは、今はいない。
 腕を噛みちぎられた際に落とした剣を、アレクシアが操作し、突き刺した。
 言ってしまえばそれだけなのだから。
「自分で言ったでしょう? 俺を超えていけって。あなたは前座、こんな所でのんびりとなんてしていられないのよ……」
 膝をついたアルバの元へと、同族殺しが近づき、その大剣を振り下ろした。
 立ち塞がる障害はなくなり、屋敷の奥へと進むことが出来るようになると、同族殺しはそちらに足を向ける。
 この屋敷の主にして、町を牛耳るオブリビオンの元へと。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『穢血のエルンスト』

POW   :    降りかかる火の粉は払わなければいけないね
【高い殺傷能力を持つ黒い霧】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    私の可愛い娘達よ、か弱き父を助けておくれ
戦闘用の、自身と同じ強さの【配下の少女ダンピール】と【配下の成人女性のダンピール】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ   :    さあおいで、君は私の籠の鳥
【魅了攻撃を仕掛け、自分に対する好意】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【殺傷力のない黒い霧】から、高命中力の【自動的に対象を捕らえる巨大な鳥籠】を飛ばす。

イラスト:瓜うりた

👑8
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はマヒル・シルバームーンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 乾いた音が部屋に響く。断続的に聞こえてくるそれは、どうも拍手のようだった。
「いや、お見事。猟兵ならばアルバで十分だと思っていましたが、いやはや、まさか打ち倒すとは」
 猟兵たちは、声の方向……部屋の天井、真上へと視線を向ける。
 そこには、軽薄な笑みを浮かべた一人の男が、逆さ向きに立ち尽くしていた。
「いえね、一応彼は私の配下の中でも古参でして。億千錬磨、なんて吹聴して回っていましたが、それに見合った腕前は持ち合わせていたのですよ。ですからあなた方の迎撃に向かわせたのですが……力不足だったようで」
 残念です、そう呟くと、身を翻し、猟兵たちの前へと立ち塞がる。
「……あまり表に出たくはないのですがね。目前まで来てしまった虫を駆除するのに、いちいち道具を使ってなどいられないわけなので。……あぁ、ご安心を。アルバよりは上手く戦えますとも。それなりに長生きしているのでね」
 パチンッ、指を鳴らす。 
 すると、男の周囲に正気を失った、既に理性などないであろう少女や女性の姿が現れる。
「それでは僭越ながら、『穢血のエルンスト』が御相手致します」
 恭しく礼をすると、周囲にいた少女達が一斉に猟兵たちへと向かって、地を蹴り接近を始めた。
夷洞・みさき
同族殺し君、あの領主や女性達は知り合いだったりするのかい?
まぁ、僕としては特に問題はないけれどね。

…君に聞くより向こうに聞いた方が良いのかな。
まぁ、あと少しの辛抱だ。お互い頑張ろうか。

【WIZ】
魅了攻撃に対して【呪詛耐性】【催眠術】の知識から防衛軽減
主攻撃は実体のない同胞達
自身は【呪詛】【恐怖】【傷をえぐる】事により、敵攻撃力減衰

咎人は殺す事を優先する思考のため魅了されても殺す判定をする

同族殺し:
良ければ還りの船を用意するけど、どうかな。
一緒に乗りたい誰かがいたら、一緒に乗っていっても構わないしね。

いつか僕達も逝く海なんだ。今日じゃないけど。

アドアレ絡み歓迎



「ふむ、同族殺しくん。あの領主、それと周りの女性たちは知り合いだったりするのかい?」
 夷洞・みさき(海に沈んだ六つと一人・f04147)は、今まさに自分たちに向かってくる敵を一瞥すると、近くの同族殺しへと声をかける。
 もちろん、返答はない。同族殺しはただ咆哮し、近づいてくるだけの女たちをその大剣で切り伏せ、弾き飛ばし、薙ぎ払う。
「……まぁ、僕としては問題ないけどね。どうしても気になったら、向こうの領主様にでも聞くよ」
 心なしか、少し不服そうに口を尖らせながら、みさきは領主――穢血のエルンストへと視線を向ける。
 ただ直立し、指を振るう姿はさながら指揮者のようで。それに合わせて、少女らは動いているようにも見える。
「……見ていてあまり気持ちのいいものでは無いな。やっぱり咎人は殺すべきだ」
 狂ったように、ただ盲目的に敵である猟兵たちの元へと迫る少女らの姿は、見るに堪えない。
 既に人格など崩壊しているのだろう。修復のしようも無いそれは、殺してやるのが救いのようにも思える。
 そして、自分たちに歯向かう彼女らは、敵である。咎人である。
 だから、どの道倒さねばなるまい。
「……淀んだ海の底より来たれ。身を裂け、魅よ咲け」
「我ら七人の聲を、呪いを、恨みを、羨望を示そう。」
 詠唱。
 紡がれる言の葉に従って、みさきの周囲に六つの火の玉が出現し、浮遊する。
 それは彼女の同胞、六人の咎人殺し。
「忘却した者達に懇願の祈りを込めて……出番だよ、同胞たち」
 いつの間にか、火の玉は宙を泳ぐ大怪魚へと変貌し、獰猛な牙をのぞかせて、目の前の集団に視線を向けていた。
 そして、動き出す。
 あるものは体当たりで少女の体を粉砕し、あるものは噛み砕き、あるものは振り回し、ある者は瘴気のように口から溢れ出る呪詛で死に至らしめる。
 所詮使役された人形に変わりない少女らは、咎人殺しの敵ではなく、たった六体の怪魚の出現で、少女らの集団は処刑台へ向かう行列へと変貌していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アレクシア・アークライト
・パチパチパチとこちらも思わず拍手。

この世界には結構来ているけど、天井からぶら下がっている古典的吸血鬼なんて、初めて見たわ。
あいにく白木の杭は持ち合わせていないけど、きちんと滅ぼしてあげるから安心して頂戴。

・3層の力場を情報収集用に展開し、敵、同族殺し、仲間の動きを把握。残りの力場を防御用に展開。
・同族殺しを活用できるように、念動力で敵を地面に引きずり落とす。
・同族殺しの攻撃に合わせて、死角から属性攻撃を放つ。

火焔に雷霆に氷結。
吸血鬼の弱点って作品ごとに違うのよね。
だから――全部試してあげるわ。


正直、さっきの彼の方が強かったわね。(必要🔵的に)
前座だなんて言ったこと、謝らなくちゃいけないわ。



「……こんな模範的で古典的な吸血鬼、初めて見たわ。今どきこんなのまだいるのね 」
 嘲笑、とまでは行かないが、珍しいものを見世物を見たような笑みを浮かべて、アレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)は真似るように手拍子を二三度。
「……確か、吸血鬼って弱点色々あったわよね。ニンニクとか、十字架とか、殺すためには白木の杭だっけ。残念ながら持ち合わせはないのよね」
 吸血鬼を殺す! と言ってまさかニンニクや十字架を常日頃から持ち歩くのは、せいぜい迷信を信じるような間抜けか、その存在を信じる子供くらいのものだろう。
 アレクシアはいつもの様に、念じる。
 無数に展開される力場、その一部が紅蓮の炎、純白の氷雪、紫光の雷電へと姿を変える。
「だから、新しい弱点がないか、探してあげるわ」
 嗜虐的にも見える獰猛な笑みを浮かべると、力場は周囲へと拡散する。
 それ自体は、操るアレクシア自身にしか見ることは出来ないが、各所で交錯し、死角を作らないように張り巡らされていき……

「…………ふむ、咎人殺しの亡霊使い。私の可愛い下僕(かのじょ)達をこうも容易く食べられてしまうと、少々悲しく感じてしまいますね……」
 それはもう白々しく、流れる涙を拭う仕草をするエルンスト。
 彼にとって、彼女らは所詮都合のいい捨て駒。
 目を向ければ容易にあやつり人形に成る程度の存在。
 悲しみなど浮かぶわけもない。
 そんな仕草をするのは余裕の表れからなのか、それとも猟兵を大したものでは無いと考えているのか。
 隙だらけのエルンストに、同族殺しは亡霊の働きで数の減った下僕の間を縫うように接近し、その大剣を振り下ろす。
「……他人の感傷の邪魔をするとは無粋ですね。でも、獣同然に堕ちた貴方ではその程度ですか」
 狂気のままに振るう大剣は、知性あるものに対しては単調な、高威力高速度の攻撃。回避がままならないという訳ではなく、軽く身を逸らすだけで、刃はエルンストに届くことは無い。
「……敵は一人だって、勘違いしてない?」
 直後、同族殺しの大剣の軌道に隠れるように、放たれていた灼熱の炎がその身を焼かんと迫っていた。
 慌てた様子で飛び退くエルンスト、しかし着地箇所には既に空気を凍てつかせるような氷柱が放たれている。
 付近にいた少女を肉盾に防ぐが、次は雷霆から放たれる紫電が放たれる。
 絶え間なく続く自然現象の猛威は、あの手この手で躱されるが、しかしエルンストの行動を制限するには十分で。
「…………厄介な羽虫もいたものです」
 苛立ちを感じているのか、微かに怒気を孕んだ声音で吐き捨てるように呟かれた言葉。
 効果的な攻撃方法、という訳ではなかったが、しかしエルンストに対しての妨害という点においては、この上ない成果を力場は発生させていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

山理・多貫
ヴィリヤ・カヤラ(f02681)と参加。


どっち…どっちにしよ、う。
ヴィリヤはどっちがいいで、す?
等と同族殺しと領主を眺め、お昼休みの優柔不断なOLのように迷いきゃぴきゃぴします。



あぁ……もう限、界…。

●戦闘

【POW】

迷っているうちに空腹が限界に達し、ユベコ:理性の限界を発動。
豹変し本能のまま襲い掛かります。
戦闘スタイルは獣のような動きで武器等は使うことなく素手(怪力)
頭の中は食べる事でいっぱい。理性をなくした暴走状態です

同族殺しと領主。どちらか先に倒れた方に狙いをつけ食おうとします。
詳細お任せです
(アレンジ・アドリブ歓迎)


ヴィリヤ・カヤラ
山理・多貫(f02329)と一緒に。

同族殺しとは出来るだけ協力する方向で、
でも、倒れても気にしないで敵を倒しに行くよ。

うーん、美味しそうって思った方とか?
私はヴァンパイアは吸血しないって決めてるから要らないけど。

配下がまだいるなら【氷晶】を着弾点で爆発させて使うね、
エルンストも巻き込めたら良いけど、
とりあえずは意識をこっちに向けられたら良いかな。
敵に隙が少しでも見えたら、
媒介道具の月輪で影の網を作って敵を捕まえてみるね。
捕まえた後は多貫さんにお任せして、
私は敵を逃がさないように頑張るね。

魅了に対しては私が好意を向けられるヴァンパイアは父様だけ、
私の感情に勝手に入り込むなら殺すよ?

アドリブ歓迎



「…………どっち、どっちにしよ……う?」
「美味しそうだって思う方でいいんじゃない? 領主だし、いい物食べてそうだからエルンストの方がいいとは思うけど」
 剛腕に振るわれる大剣、死角をつくように放たれていく超能力、操られる少女を喰らい続ける亡霊。
 パッと見地獄にも等しい光景が広がるにも関わらず、山理・多貫(吸血猟兵・f02329)とヴィリヤ・カヤラ(甘味日和・f02681)は呑気な会話を繰り広げていた。
 まさか、戦場で「ご飯をどちらにしようか」なんて会話が成されるとは、誰も想定しようがないだろう。
 しかし、そんな会話の片手間ではあるが、山理はリボルバーで、ヴィリヤは氷の弾丸を用いて、虚ろな少女達の殲滅へと力を貸してはいる。
 吸血が食事という種族なのだから、仕方ないのかもしれないが、しかしその時間はそう長く続かなかった。
 どんな事象にも限界も言うものは存在する。形あるものであれば言うまでもなく、感覚に置いてもそれは変わらない。
 例えば、『空腹』とか。
「…………うぅ……もう……限、界……ッ!」
 脱兎のごとく、動き出したのは山理だった。
 まるで時間が圧縮されたような、ブレるような高速移動。
 瞬きする間にその姿は掻き消えて、エルンストや同族殺し、火炎や氷雪、亡霊の跋扈する最前線へとその身を投じていた。
「…………あちゃあ、我慢の限界かぁ。あぁなったら話も聞いて貰えないし……横槍だけ入れさせないようにしようかな」
 猛然と突っ込む山理を見て、呆れ顔を浮かべるとヴィリヤは会話に割いていた集中力も動員し、数こそ減ってはいるが、未だ出現し続ける少女達へと氷弾を放ち続ける。
 着弾すれば、周囲へとその破片が弾け飛び、連鎖的に周囲の少女にもダメージを与えていく。
「……こっちは二人で十分そうかな、あっちはどうかな……」
 事前に、亡霊が少女の殲滅を開始していたのもあって、人手不足に陥ることは無く、特攻した山理はどうしたかと、エルンストたちの方面へと視線を向ける。

「……獣が二匹に増えるだなんて、猟兵たちをまとめあげる組織は、動物園かなにかなのですか」
 同族殺しという狂剣士と、ほぼ全ての属性を操る超能力者を同時に相手取るエルンスト。
 しかしそこに、飢餓感によってリミッターの外れてしまったもう1人の吸血鬼の出現。
 二人相手取るので回避がやっとの状態。そこで増援を受け入れる余裕はない。
「……ならば、貴女は私の籠の中で大人しくしてもらいましょうか!」
 一瞬だけ生まれた攻撃の間隙を突いて、エルンストは山理を視認し、魅了を行う。
 成功すれば、籠の中に入れ、文字通りの籠の鳥状態にすることが可能。しかしその思惑は外れる。
「…………あなたの方が、美味し……そう、ね?」
 ニコリと、笑みを浮かべる。
 それは好意の対象が現れたから、ではない。『空腹を癒す為の食事』が見つかったからだった。
 籠が現れることはなく、数メートルの間を一瞬にして詰める山理。その手をエルンストへと真っ直ぐ、伸ばす。
「捕まるわけには……ッ」
 かわそうと飛びずさるべく、地面を蹴ろうとするが、それは致命的なミスだった。
 その方向から、無慈悲にも放たれる剛剣の一閃と、灼熱の奔流。
 それはエルンストの体を半ばから引き裂き、焦がし、そして山理の伸ばした手を届かせる隙を生じさせた。
 頭を鷲掴みにするようにエルンストを捕らえた山理は、そのまま頭を地面に叩きつけるように固定する。
「…………ご飯、頂き……ます」
 苦痛に表情を歪ませるエルンストの事など気にする様子もなく、その首筋に自らの牙を突き刺した。
 静寂。
 吸血が開始したからか、操られていた少女らは全て事切れ、エルンストも声を漏らすことなく、猟兵たちも周囲の警戒をするだけで、言葉を発そうとはしない。
 数十秒ののちに、山理は満足したように首筋から自らの牙を離した。
「ごちそうさま……でした」
 上半身のみの亡骸から離れると、両手を合わせて一言。
 領主館の主は、戦士によって打ち倒されるでもなく、自らが誰かにしてきたように、食事とされることで討伐されたのだった。
 エルンストの死を確信したのか、同族殺しは咆哮し、その場から離れるように歩き始めた。
 恐らく、また同族を殺しに行くのだろう。
 猟兵たちに感謝を述べることも、それ以前に言葉を発することもなく、同族殺しは姿を消していく。
 そして猟兵たちは、領主館の制圧という任務を成功させたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年10月22日


挿絵イラスト