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異界の扉に封されるモノ

#アルダワ魔法学園 #災魔の扉

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#アルダワ魔法学園
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#災魔の扉


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●地下迷宮の閉ざされた扉
 地下迷宮「アルダワ」……踏破区域の最深部の一角。整然と作り上げられながらも封じた存在を地表に出さないように入り組むその場所に僅かな重低音が響き明かりが灯る。魔法学園の生徒達によって稼働を始めた古びた魔導機械が暗がりの迷宮に浮かび上がらせるのは厳重に封をされた扉。魔導機械の動作音に混じる旋律のような不思議な音色を発する扉に流れる旋律以外の異常がないことを確認した生徒達が頷き合い、周囲に災魔の脅威がないことを確認しその場を去ってゆく。

●開かずの扉
 多くの資料を拡げた茲乃摘・七曜(魔術人形の騙り部・f00724)が、グリモアベースの一室に訪れた貴方達を席から立ち出迎える。
「ご案内もせず、すみません。来ていただき感謝しております。この度の予知も、アルダワ魔法学園に関するものとなっております。不明な点が多いのですが現状は急を要する事態ではありませんのでご安心ください」
 そう話を切り出し、指し示すのは拡げられた資料の一つ。現在、踏破されている地下迷宮の最深部を記した地図の一部。
「皆さんに、赴いて頂いきたいのは地下迷宮の最深部……っと、踏破されている中での最深部ですね。迷宮自体はまだ深く続いていると思われるのですが、進み方が不明で足止めされている状態となっています」
 次に示した資料に描かれているのは不思議な文様の刻まれた扉。強行突破失敗、意味の取れない音が響く、反撃及び防衛機構なし……等、魔法学園の生徒達が行った試行錯誤の結果が刻まれたそれを貴方達に示しつつ、
「その障害が、封印された扉となります。材質は不明、鍵穴もなし。状況的に災魔が地下迷宮に手を加え作り上げたものと思われますが詳細は不明です。現在、突破方法も不明なのですが……響く音に規則性があるということが分かっており、異世界の言語なのではと予測が進んでおります」
 そうして、封された扉の資料に重ねるように置かれたのは全体は似通いつつも細部の違う装飾された扉。
「また、そのものではありませんが……、地下迷宮の別の場所にある知識を問う細工の施された扉となります。なので、予測交じりで申し訳ありませんが扉を通じてなにかを問いかけられているのだと思われます。魔法学園の生徒さん達には聞き取れなかったようですが、皆さんなら聞き取れる可能性も高いと思っております。不確定なことも多く申し訳ないのですが、ここを突破出来れば地下迷宮のさらに奥を調査できるようになりますのでよろしくお願いします」

●異世界の謎とき
 歌うように流れるように魔法学園で使われる言語とは違う言葉で問いが形作られる。
『容器に入れることが出来ても取り出すことが出来ないものは?』
『秘匿していないのに秘密を持つように思われる職業は?』
『朝は4脚,昼は2脚,夜は3脚で歩くものは?』
『……………………』


カタリツヅル
 カタリツヅルと申します。ご覧いただきありがとうございます。お初にお目にかかる皆様は初めまして、お会いしたことがある皆様はありがとうございます。ご縁を頂けましたら皆様の活躍を描かせていただければと思っております。

 舞台はアルダワ魔法学園。現状の最深部で探索を阻む封印された扉の開放とそれを管理する迷宮主……鍵の災魔と呼ばれる存在の討滅が目的となります。

 第一章に関しましては謎解き。謎を解くだけでは文字数に余裕が…!となる場合、謎解き完了後、鍵の災魔と会話できる機会を設けますので何かに使って頂ければと思います。

 第二章に関しましては鍵開け。宝箱に擬態した災魔を倒していただくこととなりますがちょっとしたギミックを用意いたします。

 第三章に関しましては純戦。鍵の災魔との直接戦闘を楽しんで頂ければと思います。

●連絡事項
 複数人での参加の際、プレイングの文字数圧縮のため使用ください。また、迷宮内での各猟兵間の連絡等、各種行動に不都合はないものと致します。
(【タグ名:人数:タグ以外のキャラクターとの協力有無】)

●補足事項
 近状をマスターページに記載させていただくことがあります。お手数ですが一読いただけると幸いです。
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第1章 冒険 『異世界知識の謎』

POW   :    総当たりなど力任せな方法で謎の答えを導く。

SPD   :    鋭い直感や閃きで謎の答えを導く。

WIZ   :    明晰な頭脳や豊富な知識で謎の答えを導く。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

スターリィ・ゲイジー
おっし、謎解きなら任せるのじゃ
異世界言語を積極的に使うという点は気になるが、まずは目の前の問題じゃ


ひとつめは亀裂じゃろ
容器を叩けばヒビは入るが、出すのは無理じゃからのう

ふたつめは…マスターってやつかの?
詳しくは知らぬが、依頼を受けて小説を『書く仕事(隠し事)』があるらしいのう

三つめは…確かアースでそんなおとぎ話を聞いたのう
答えは人じゃっけか。最初は四つんばいで次に二足、老後は杖で三点歩行とかなんとか


この扉を通して問いが来るなら、こっちからもアプローチしてみるかの
こういう時はとりあえず挑発して、反応を伺うのがベタじゃな
…問題の数だけ多くても、全部簡単に解けるのでは保護にならぬぞ。まだまだじゃな!


ニコリ・ニッコリ
[SPD 直感で答えを導いていきます]
うーん、難しいなぞなぞだね。
一つ目のは、んー……容器の中に入れるものなら、なんでも取り出せるよね。容器自体の変化ってことかな。あ、ひびかな?入れれるけど取り出せないもんね!
二つ目は、秘密な仕事?秘匿、秘密、隠す……かくしごと、で書く仕事?描く仕事?小説家とか絵描きさんかな。あんまり自信ないなー。
三つ目のは有名だから知ってるよ!人間!赤ちゃんは這い這いするから四つ足で、歩けるようになったら二つ足、年をとったら杖をつくから三つ足なんだっけ。
四つ目のは、なぞなぞ?黙ってられても、わかんないよー。沈黙が答えってことかなー?



●旋律の響く地下迷宮
 停滞した空気の中を灯りをともした魔導機械を辿り進む猟兵達が、周囲に響く動作音へと足音を重ねながら目的の場所へと進んでゆく。

●未踏地域を隔てる扉
 ゆったりとした淡い宵の空を思わせるようなフード付きのローブを纏ったスターリィ・ゲイジー(ほしをみあげるスターリィ・f06804)が、星とリボン飾った飾り紐を揺らしながら地下迷宮に蘇った災魔の行動に疑問を浮かべながら共に訪れた猟兵へと声を掛ける。
「はじめましてかのう? スターリィ・ゲイジー、レルプスの星見じゃ。よろしく頼むの。さて、異世界言語を積極的に使うという点は気になるところじゃが、まずは出される問題に答えることじゃな」
「うん、初めましてだね! ボクはニコリ・ニッコリ。どんな問題をだされるのは気になるね!」
(……、それと誰も入ったことのない場所なら珍しい古いものが残ってたりしないかなぁ?)
 遺跡荒らしは本業じゃないけど…、と泥棒の目利きで周囲を興味深げに見渡していたニコリ・ニッコリ(人間のシーフ・f21084)が、ツイード生地のキャスケット帽の位置を直しながら振り返り人懐っこい笑顔でそう答え、事前に聞いていたように旋律にも聞こえる微かな声に気が付き足取りを速め、異界の扉から響いてくる旋律へ向けて足音が進んでゆく。
「もうすぐ、着くみたいだよ! これが異世界の言葉かぁ、こう不思議な響きだね」
「ふむ、確かに初めて聞くのう。じゃが、謎解きなら任せるのじゃ」

●異界の旋律と封じられた扉
 柔らかな旋律を追うように迷宮を進んでゆく穏笑の泥棒が魔導具に照らされた通路を阻む両開きの大扉をその瞳に映し、特徴的な柔らかな兎耳で旋律を探っていた狼兎の星見が次第に意味を成してゆく音の重なりに瞳を興味深げに輝かせる。

●謎解き
 暗がりを押しのける灯りが揺らめき影がゆらゆらと踊る。

【先に進みたくは問いに答えよ。クリック? 先に進みたくば……】

 猟兵として持つ全ての世界で言葉が通じる能力で扉から響く旋律が繰り返される言葉だと理解したスターリィが、扉の意匠たる梟の彫刻の口元が動いていることに目を輝かせている二コリへと目配せし楽しそうに頷くの確認し、
「クラック!…じゃったかのぅ? 謎かけの作法とは違う気もするがのう。まぁ、違っても追い返されることはないじゃろ」
「へぇ、そうなんだ? ううん、扉自体も魔導機械だったりするのかな? 細部まできちんと作られててなかなか素敵だね」
(持って帰るにはちょっと重そうだよね。依頼が解決したらもらえないか聞いてみようかな? …っと!?)
 骨董品というより遺物に近い雰囲気の扉の目利きをしていたニコリがスターリィの言葉で周囲の気配が変わったことを悟り素早く身を翻し、身構えた二人へと大きく翼を広げた梟の彫刻から意思を持った声が響く。

【歓迎する客人よ。では、問おう。容器に入れることが出来ても取り出すことが出来ないものは?】

 その声にスターリィが空のように深い蒼い双眸をニコリへと向けて僅かに首を傾げ、応じたニコリが人差し指を口元に当て茶目っ気見せてウィンクを返し、微かに笑い合った二人がそれぞれ出された問いに向き合う。
(まぁ、これはアレじゃろ。容器を叩けば入るが、出すのは無理じゃからのう。確かに入れると表現されるのは面白いといえば面白いことじゃな)
(んー……容器の中に入れるものなら、なんでも取り出せるよね。容器自体の変化ってことかな。あ、ならアレかな? 入れれるけど取り出せないもんね!)
 ふむ、と頭を捻ったスターリィが擬似体験した一生の記憶を揺り起こすように正解にあたりを付け、むむむ、と唸ったニコリが頭の中に容器を思い浮かべ出したり入れたり回したりと思考を奔らせ答えへと辿りつく。

「亀裂じゃろ?」
「ヒビだよね!」

 タイミングを合わせ口を開いた二人が顔を見合わせ……表現の仕方があったの、とスターリィが目を泳がせ…言い方だけだから問題ないよね?とニコリが扉を伺い、

【是なり。次いで、問おう。秘匿していないのに秘密を持つように思われる職業は?】

 安堵の息をはいたスターリィとニコリに何事もなかったかのように二つ目の問いが投げかけられる。
(ふむ……、これは隠し事の言いかえというやつかのう? 詳しくは知らぬが、依頼を受けて小説を書く仕事があるらしいしそれでいいじゃろ。なにやら融通がきく雰囲気じゃし)
(んん…、ん~? 秘密な仕事? 秘匿、秘密、隠す……かくしごと、で書く仕事かな? 描く仕事…かな? 小説家とか絵描きさんかな。あんまり自信ないなー、スターリィちゃんは自信ありそうだなぁ)
 さて……これでいいじゃろ、と自信ありげに放浪しながら立ち寄った異世界で耳にした言葉を思い浮かべたスターリィが二コリへと視線を移し、その様子に金春色の瞳に悩みを浮かべていたニコリが自身の直感を信じることを決めてスターリィへとばっちりだよっ!と梟の彫刻へと向き直る。

「あれじゃ、マスターじゃろ?」
「小説家さんか絵描きさん!……だよね?」

【………。是なり。さらに、問おう。朝は4脚,昼は2脚,夜は3脚で歩くものは?】

 沈黙の中で聞こえる書物を捲るような音に息を済ませていたスターリィとニコリに正解を告げる声が掛かり、幾分と人間的な反応に顔を見合わせた二人に三つ目の問いが虚を突くように聞こえてくる。
(予想外の答えで確認でもしたのかのう? さておきじゃ……これは別世界でそんなおとぎ話を聞いたことがあるのう。最初は四つんばいで次に二足、老後は杖で三点歩行とかなんとか……)
(有名だから知ってるよ! 赤ちゃんは這い這いするから四つ足で、歩けるようになったら二つ足、年をとったら杖をつくから三つ足なんだっけ?)
 鍵の災魔の反応に試行を巡らせながら謎解きをしていたスターリィにキラキラとした自信に満ちた表情のニコリがどう?という雰囲気で首を傾げて問い、スターリィが歳に似合わぬ老成した雰囲気で微笑み頷き返す。

「人じゃな」
「人間!」

【是なり。……………………】

 順調な正解にニコリが楽し気にスターリィへと笑いかけ続く問題が聞こえないことに疑問符を浮かべ動きを止めた梟の彫刻にへと近づき問いかける。
「あれぇ? なぞなぞは? 黙ってられても、わかんないよー。沈黙が答えってことかなー? なんだっけ沈黙は金で、あとはなんとか! そーすると答えは金属とか?」

【否なり。沈黙は問いではない。先に進むといい。……蛇足となるが、雄弁は銀なりだ】

 予想外の鍵の災魔からの応答にニコリが問題じゃなかったかー、と僅か気恥ずかし気にくせっ毛を整えるように頭をかき、扉を通じて双方向に意思疎通が出来る事を確認したスターリィが挑発するように言葉を発する。
「封印の扉と聞いていたがのう…問題の数だけ多くても、全部簡単に解けるのでは保護にならぬぞ。まだまだじゃな!」
 梟の彫像を介し鍵の災魔がどのような反応を返すか耳を研ぎ澄ませたスターリィに聞こえてきたのは冷静な声。

【否なり。この扉は選別。異世界の知識を持つものを招くための封印なり。……だが、苦もなく解かれたことは口惜しくもある】

 そういう可能性もあったのう、とスターリィが頷きその目の前で封印されていた扉が開いてゆく。

●封を解かれた扉と封された装飾箱
 緩やかに開かれてゆく扉から彫刻の梟が飛び立ち迷宮の奥へと消えていくのを見送った狼兎の星見が暗がりへと足をようとし、部屋の中央に置かれた装飾箱と隣室に繋がる扉に危機感を刺激された隣を歩く穏笑の泥棒に動きを制される。

●宝探し
 隠し持っていたダガーを引き抜き真剣な目をしたニコリの様子に周囲を見渡したスターリィが壁に刻まれた文字を見つけ考えを纏めてゆく。
「最深部に進むには鍵がいるようじゃのう。謎解きの後は宝探しをいうことみたいじゃぞ?」
「なるほどね! 宝箱にモンスター……ここだと災魔だっけ?が混じってるのも王道ってことだよね?」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アマータ・プリムス
謎ときですか
ふむ、ちょっとやってみましょう

『容器に入れることが出来ても取り出すことが出来ないものは?』
これは罅ですかね? 容器に罅を入れることはできても取り出すことはできませんし

『秘匿していないのに秘密を持つように思われる職業は?』
秘密をもつ……つまり隠し事をしている
隠し事…書く仕事……漫画家などでしょうか? ちょっと自信がありませんね

『朝は4脚,昼は2脚,夜は3脚で歩くものは?』
これは恐らく人ですか
朝は赤ん坊で昼は成長して二足、夜は杖をついて3脚

当機のだした謎解きの答えはこの3つ
あっていればいいのですが……
(『外してたら赤っ恥だナ!』)

うるさいですよ、それはそれで向こうが上手だっただけです



●旋律の響く地下迷宮
 低く鈍く響く魔導機械の動作音に足音を重ねる猟兵が、僅かな灯りに照らされた迷宮の暗がりに違和感を覚え足を止める。

●未踏地域の隠し扉
 手にした銀色の旅鞄を足元に置いたアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)が、眼鏡型高度演算デバイス越しに変哲のない石壁を眺める。そうして、確信を持った声で銀色の旅鞄の留め金を外しながら語りかける。
「ネロ、サボっていないで早く出てきなさい。仕事の時間です」
(『ケケケッ、愚姉でもこのくらい問題なく出来るだろうがヨ!』)
 その声に仕方なしといった風情で旅鞄を内側から押し開け現れたのは南瓜頭の案山子人形。熾火のように不気味に輝く眼光で暗がりを見通しながらずるりと大鎌を旅鞄から引き抜き風切り音が二つ。
(『……、この先はどこに繋がってんだヨ?』)
「さぁ? ですが、後背に不安を抱えたままというのがよろしくないのは確かでしょう」
 十字に斬り裂かれた壁が崩れた余韻の中、アマータとネロが視線を交わしながら散らばる破片を躱して澱んだ空気の中をゆっくりと進んでゆく。

●封じられた扉と異界の旋律
 中空を滑り進む南瓜頭の案山子人形が封印された扉へと辿り着き、錆び付いたように緩やかに奏でられ始めた旋律がアンティークドールのメイドの耳を打つ。

●謎解き
 暗がりの中で軋む音と共に影が姿を変えて明かりが灯る。

【……さ、きに進みたくば……いに答えよ。クリッ…ク? 先に進みたくば……】

 旋律が滑らかさを取り戻すと古びた扉の彫刻された梟がぎこちなく動き始める。僅かもしないうちに明瞭に聞こえ始めた言葉に懐かしそうな表情をしたアマータが語り聞かせたことのある童話をいくつか思い出しながら辿り着いた場所が間違っていないことに頷く。
「クラック! いつもは聞く側でしたがこれはこれで感慨深くもありますね。さて、謎ときですか…ちょっとやってみましょう」
(『マァ、無駄足にならなくて良かったナ!』)
 ネロが大鎌を揺らしながら揶揄うように口元を歪め、アマータの声に反応した梟の彫刻が謎かけを始める。

【失礼した客人よ。問おう。容器に入れることが出来ても取り出すことが出来ないものは?】

 柔らかな音の連なりでありながら明確に意味を伝えてくる旋律にアマータがこれまで旅してきた世界に類似ずる言語があったか試行しかけ……目の前に嗤い顔の南瓜が現われる。
(『オイオイ、いきなりわかんねーのかヨ? 愚姉』)
「そんなわけないでしょう? 愚弟。答えは罅。容器に罅を入れることはできても取り出すことは出来ません。気になっていたのはこの言葉に関してです」
 ネロに促されるように答えを口にしたアマータが梟の彫刻を伺い旋律が返る。

【是なり。次いで、問おう。秘匿していないのに秘密を持つように思われる職業は?】

 ケケケッ…当たりだったナ、と僅かに残念そうな雰囲気を醸しだしたネロに被さるように二度目の問いが投げかけられる。
(まず、秘密をもつ……つまり隠し事をしている。それに職業という言葉を合わせれば……隠し事…書く仕事でしょうか? 秘匿していないのにというのは他人に知られていると考えれば……ちょっと自信がありませんがおそらくコレでしょうか)
「答えは漫画家など…、何かしらを書く仕事ですね?」
 問われた言葉を解きほぐすように思考を巡らせる答えを出したアマータに、謎かけには興味なさげにするネロが違う期待込めた眼光を揺らめかせ……。

【是なり。さらに、問おう。朝は4脚,昼は2脚,夜は3脚で歩くものは?】

 梟の彫刻の返答にネロが残念気に大鎌を揺らし、次いで問われた内容にアマータが僅かに首を傾げる。
「……、これは聞いたことがありますね。朝は赤ん坊で昼は成長して二足、夜は杖をついて3脚。たしか、人というのが回答だったはずですが」
(『ケケケッ、引っ掛け問題で外してたら赤っ恥だナ! って、なにしやがル……愚姉!』)
「うるさいですよ、それはそれで向こうが上手だっただけです。愚弟」
 足元で開かれたままだった銀色の旅鞄を傀儡鋼糸で器用に跳ね上げたアマータが旅鞄を被せるようにネロを中へと収納し……僅かに呆れたような声が響く。

【………、是なり。問いは終わりだ、進むといい】

●封を解かれた扉と封された装飾箱
 封印された扉から鍵の外れる音が響き、足を進めるアンティークドールのメイドの前で扉に刻まれた文様が意味のある形を成し姿を変える。

●宝探し
 抗議するように内側から暴れる銀色の旅鞄に厳重に封をしたアマータが古びた扉に浮かび上がった文言を読み込んでゆく。
「なるほど、次は宝探しというか鍵探しですか。……しかし、遊戯的と言うのか少し不思議な感覚ですね、これは」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ミミックスパイダー』

POW   :    擬態
全身を【周囲の壁や床に擬態した姿】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    飛び掛り
【岩のように硬質な牙と脚】による素早い一撃を放つ。また、【擬態を解き、宝箱や岩石化した肌を剥がす】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    第二の口
【宝箱に擬態した第二の口】から【粘着性の高い糸】を放ち、【周囲の地形ごと体を縛り付けること】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:墨柴

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ミミックスパイダー
 地下迷宮を潜る猟兵達に、地下迷宮に訪れた猟兵達に魔法学園の警備部の生徒の声が届く。封印の扉を突破された皆さんありがとうございます。新たに協力いただける皆さんにも感謝いたします。そう言って、ひと呼吸おいた生徒が封印の扉を突破した猟兵達から得られた情報を魔法学園で調査した結果を説明し始める。

 まず、次の階層に行くための手段ですが宝箱から鍵を探して頂くことになるのですが、この階層に配置されている宝箱の大半は災魔が擬態したもののようです。ただ、災魔も鍵を持っているようですので…、本物の宝箱を探さなければならないということはないようです。
 宝箱は一部屋に一個置いてあり、どういう制約が働いているのかはわかりませんが部屋から出てしまえばミミックスパイダー……宝箱に擬態している災魔は追ってこないようです。

 続いてになりますが宝箱に擬態しているミミックスパイダーという災魔に関しましてお伝えします。
 特徴の一つ目は、繰り返すことになりますが宝箱に擬態することです。擬態の最中はあらゆる攻撃を無効化するようで、この姿で潜み相手を油断させて襲うようです。
 二つ目は、強靭な牙と八脚です。擬態している状態から驚異的な瞬発力で不意打ちを仕掛けたり、壁や天井を使い襲い掛かってきたりなど地の利や状況を活用し襲い掛かってきます。
 三つ目は、擬態に使う宝箱のように見える第二の口です。蜘蛛というと腹部後端から糸を出すイメージがありますがミミックスパイダーに関しては第二の口から糸を吐き出し動きを封じて決ますので注意してください。

 説明としては以上となります。災魔を避けて普通の宝箱を探し鍵を入手するのか、災魔を倒し鍵を入手するのか、災魔を欺き背負った宝箱から鍵を入手するのか……方法はお任せしますが次の階層に進むために鍵の確保をお願い致します。

●地下迷宮の宝探し
 賽の目状に整えられた迷宮に規則正しく並んだ部屋の中央に鈍く輝く装飾された箱が置かれ、侵入者を静かに待ち続ける。
スターリィ・ゲイジー
偽物は災魔だし倒してしまっていいのじゃろうが、どんだけ戦うか分からんし
それに折角だからトレジャーハントしたいのう
規則的な部屋割りのようだから、マッピングしながら進んでくとするかの

部屋に入ったらまず『調査済。そいつはミミックだ!』と壁に貼り紙
逃げても目印として残る目論見じゃな

宝箱に触れる前には古典的に10フィートの棒でつついてみたり、周囲で跳ねまわったりして安全確認
開ける時も念のためUC起動じゃ
ミミックなら全力で逃げる!棒は引っかかったらもういらぬ!
普通の宝箱でハズレだったら、壁の貼り紙を『ハズレ』に書き換えて宝箱に貼り直しじゃな

制限時間無しならローラー作戦で誰かが見つけるじゃろ
気楽にやるかの



●未踏地域に挑む
 魔物と宝箱が混在する迷宮の入口付近で良い匂いを漂わせ休息をしている猟兵が、頼んだ荷物の到着を待ちながら宝探しへの期待と興味に瞳を輝かせる。

●トレジャーハンティング
 手慣れた様子で湯を沸かし休憩の準備を整え一息ついていたスターリィ・ゲイジー(ほしをみあげるスターリィ・f06804)が、食べてもなぜか減らないクッキーに手を伸ばし天井を見上げながら予定を組み上げてゆく。
「意外に野営の経験は役に立つのぅ……さておきじゃ。まぁ、偽物は災魔のようじゃし倒してしまっていいのじゃろうが、どんだけ戦うか分からんし……。それに折角の地下迷宮じゃ、やはりトレジャーハントが楽しそうよのう」
 連絡をくれた子は力技でもいいといっておったがの、と僅かに苦笑したスターリィの目の前に昏い燐光が舞い上がり、一瞬の後、宝探しの為にと依頼した荷物が転移されてくる。
「おぉ、来たようじゃ。流石は地下迷宮を管理する魔法学園というところかの? さて、片付けて行くとしようかの」
 周囲を丁寧に素早く片付けたスターリィが、準備された荷物を改めて迷宮の奥へと足を進めてゆく。

●擬態と鍵開けの地下迷宮
 荷物から取り出した白紙の紙に迷宮の概略を記してゆく狼兎の星見が幾つかの通路を潜り抜け鈍く輝く装飾箱を瞳に映す。

●古典的手法と擬態箱
 ゆらゆらと周囲を照らす灯りに動き回る影が石壁へと刻まれる。受けった荷物の中から丸められた紙を取り出したスターリィが他の猟兵が見落とさないようにと部屋へと繋がる通路全てをまわりそれを貼り付け出来栄えを確認する。
「……うむ。【調査済。そいつはミミックだ!】の張り紙で間違いなしじゃ。逃げることになったら調査した後には張る余裕がないかもしれんからのぅ」
 より悪い状況が発生した場合を想定した張り紙に頷いたスターリィが再び荷物をあさり出てきたのは1フィートほどの短い棒。
「ほう。こういうのが流行りなのじゃな。……ふむ、こうすればいいのか…の!?」
 興味深げにいじるスターリィの指が伸縮を操作するボタンへと触れ、カシャンと軽い音と共に10フィート程度に伸び上がり重い音共に硬い手応えが返る。まるで、巨石にでもぶつかったような不自然な手応えは部屋の中央に置かれた装飾箱と伸縮棒がぶつかった反動。
 レルプス族としての鋭敏な感覚にさざ波だつような警戒感が走り、反射的に身を引いたスターリィの視線の先で……

――ガァパリ

 宝箱に擬態していた第二の口が開き10フィート棒を噛み砕くと共に迷宮の床に罅がはいる。そのミミックスパイダーが踊りだそうする予兆に、迷いなく踵を返したスターリィが折れた棒を囮に脱兎の勢いで逃走する。
「思ったよりも生々しいの!? 棒はもういらぬ……選別にくれてやるのじゃ!」

●擬態と鍵開けの地下迷宮
 再び見つけた装飾箱が生々しく牙を剥き、淡く失われた遠き星を思わせる輝きを纏った狼兎の星見が機敏な動作で躱し鍵を求めて探索を続けてゆく。

●鍵開けと装飾箱
 迷宮の暗がりに淡い光が散り新たな輝きが辺りを照らしだす。幾分か減った荷物から張り紙を取り出し手慣れた様子で準備を整えてゆくスターリィが僅かに猜疑心が浮んだ瞳を部屋中央に置かれた装飾箱へと向ける。
「ひぃ、ふぅ、みぃ……これで、何個目じゃったかのぅ。流石に偽物だと悲しいものがあるのじゃが……」
 そう零しながらもわざと足音をたてながら装飾箱へと近づき、柔らかな星明りをその身体に纏いなおしながら跳躍。一際、大きな踏み込みの振動が迷宮の一室を揺らし……身軽に跳ね回るスターリィが装飾箱の周囲を確かめるように廻り、確信を持った表情で星の光を暗がりへと溶かし込みながら装飾箱へと手をかける。
「……鍵がかかっておるの。壊してもいいのじゃが……おぉ、開錠道具のセットも入れてくれておるようじゃ。ありがたいのぅ」
 閉じられた蓋の感覚にスターリィが装飾箱の破壊を思案しながら転送された袋を探り出てきたのは開錠用の道具と取扱説明書。確かに学生が扱うならこういう技術書もある訳じゃな、と腰を据えたスターリィが楽しそうに挑戦を始める。
「うむ、トレジャーハントらしくなってきたのぅ。鍵も見つかれば言うことなしなんじゃが……まぁ、気楽にやるかの」
 次第にスターリィの口数が少なくなり、カチャカチャと金属の触れ合う音が迷宮へと響いてゆく。

●鍵の災魔を封じる大扉
 迷宮を奥へ奥へと進んだスターリィが大扉が誂えられた一室に辿り着き周囲を見渡す。
「ふむ……、ここが目的地かの? となると、私の通った場所には鍵はなかったようじゃな。まぁ、他にも猟兵はきておるようじゃし制限時間無しならローラー作戦で誰かが見つけるじゃろ」

成功 🔵​🔵​🔴​

アマータ・プリムス
さて、宝探しならぬ鍵探しですか
ここは知恵を使ってサクッと片付けてしまいます

生憎どれが本物か当機に見分ける手段はありませんので開けて確かめるしかないですね
片っ端から開けてしまいましょう

もちろん飛んでくる糸は目には目をでこちらも糸で対抗して
ダンスの要領でステップを繰り返し糸を避け指先から放つ鋼糸で巻き取り粘着性の糸を利用して逆に相手の身体を地形に縛り付けます

これを繰り返せばきっと本物の宝箱にたどり着くはず
こういう単純作業は嫌いではないですし人形のこの身体には疲れもありません
見つかるまで続けるとしましょうか


謎解きに宝探し、たまにはこうやって童心に帰るのもいいものです
当機に子供時代はないんですけどね



●未踏地域に挑む
 静かになった銀色の旅鞄を見下ろしていた猟兵が僅かに溜息をつき、型取りしたかのように同一の造形を見せる周囲の様子へと視線をはしらせる。

●鍵探し
 愛用する銀色の旅鞄を携えなおしたアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)が、硬く閉じられた旅鞄の留め金に手を伸ばしかけ……不満げな愚弟の嗤い顔を脳裏へと思い浮かべてその手を止める。
「……まぁ、もう少し大人しくさせておきましょうか。しかし、宝探しならぬ鍵探しですか。妨害もあるようですが、ここは知恵を使ってサクッと片付けてしまいましょう」
 なにも倒す必要もないようですしね、と締めくくったアマータの指先から迷宮の暗がりに溶け込むような鈍い鋼の輝きを示す傀儡鋼糸が伸び、探索済みを表す目印が刻まれ、無機質に整えられた涼しい空気へと足音が溶けてゆく。

●擬態と鍵開けの地下迷宮
 地下迷宮の広がりを予測しながら進んでゆくアンティークドールのメイドが未踏地域の深部を目指し鍵の捜索を続けてゆく。

●Festina lente
 規則正しく刻まれる足音が古めかしい意匠に迎えられる。不自然なほどに堂々と部屋の中央に設置された装飾箱に複雑な表情を見せたアマータが、僅かな疑問を零しながら足音を隠すことなく部屋の中を進んでゆく。
「これは、見事なまでに宝箱ですね。それも、こう遊戯的な感じの。異世界の言葉といい疑問は付きませんが…、生憎どれが本物か当機に見分ける手段はありませんので開けて確かめるしかないですね」
 するりと言葉の合間を抜けるようにアマータが装飾箱に手をかけ、金属的な冷たさがアマータの手に伝わり豪奢な上蓋を押し開こうと力をかけた瞬間。

――バァカリ

 ばね仕掛けの玩具のように装飾箱……否、ミミックスパイダーの第二の口が開かれ、その中に守られるように蠢く出糸突起からアマータ目掛けて投網の如く粘着性の高い糸が吐き出される。
 周囲の地形ごと捕縛しようと迫りくる蜘蛛の網にアマータが動じることなくダンスのように軽く体をさばき、クルリとリードする相手はいなくとも完璧な挙動で踏まれたステップに付随するのは銀光。
 指先から放たれた傀儡鋼糸が災魔の放った粘着質な糸とは対照的に研ぎ澄まされた鋭利さを迷宮へと刻み、斬り裂かれ軌道をずらされた粘糸の投網が迷宮の床へと広がり……石床を割り顕れようとした災魔を抑えつけるように封じる。
「外れのようですね。糸が床を補強して災魔が出て来られないうちに次に行きましょうか」

●擬態と鍵開けの地下迷宮
 擬態した第二の口が開かれるたび吐き出される糸を身軽に躱し利用するアンテークドールのメイドが鍵を探して奥へと進んでゆく。

●遊戯的な迷宮
 迷宮の床が罅割れ軋む音を置き去りに足音が進んでゆく。ミミックスパイダーの糸を活用し災魔自身を拘束することで装飾箱を選別してゆくアマータが、新たに見つけた装飾箱の周囲に目を走らせ慣れた調子で上蓋へと手をかけ……静寂。
「……動きませんね? では、これは当りでしょうか? 油断を誘っている可能性も捨てきれませんがその時はその時で対処いたしましょう」
 それにそろそろ本物の宝箱に辿り着いてもおかしくない気はしますしね、とそう言ってアマータが装飾箱の鍵穴へと手を這わせ、するりと傀儡鋼糸が内部へと滑り込んでゆく。
 そうして、微かに響く金属同士が擦れ合い削れ合う音は鍵開けの副産物。鍵の構造を探るように操られる傀儡鋼糸が内部機構に組み込まれたピンを正常な位置へと固定してゆき……重い開錠音と共に装飾箱の封が解かれる。
「災魔の相手の単純作業も嫌いではないですし、人形のこの身体には疲れもありませんが……宝箱が偽物か本物かを確かめるより鍵開けの方がワクワクしますね」
 上蓋を押し上げる常の無表情でありながらも楽し気な雰囲気を纏わせたアマータが装飾箱を覗きこみ…、内部に何もないことを桃花色の瞳へと映し込んで確認し、
「……ふむ、外れですか。仕方ありません、見つかるまで続けるとしましょうか。しかし、謎解きに宝探し、たまにはこうやって童心に帰るのもいいものです。……まぁ、当機に子供時代はないんですけどね」

●鍵の災魔を封じる大扉
 手の中に鈍色の鍵を収めたアマータが豪奢な大扉が何かを封じる一室に辿り着き、楽し気な表情を引き締めながら手元に視線を落とし持ち手に刻まれた番号に疑問を零す。
「随分と中途半端な番号が書かれていますが……。ともあれ、見つかったのは運が良かったですね。そろそろ、愚弟も落ち着いている頃でしょうし、他の方の探索が終わるまで一度戻っていましょうか」

成功 🔵​🔵​🔴​

クララ・リンドヴァル
※アドリブ歓迎です
※今回は2章のみの参加予定です

アルダワ地下迷宮……久々に降りて来ました。
生徒さんの試行錯誤を無駄にしないよう、頑張りたいです(こくこく)

宝箱に擬態する蜘蛛ですね。厄介そうですし、なるべくハズレを引かないようにしたいですよね。

司書の心得で情報収集能力を引き上げ、
安全圏から宝箱や部屋の中をじーっと観察します。
一目ではわからないかも知れないので、
その時は眼鏡を取り出して……あら?眼鏡を忘れたみたい。
……。裸眼で頑張ります。はい。

怪しい点を見つけたら、地図に印を付け、回れ右。
諦めて他の部屋に行きます。

「……うわわっ!」
鑑定に失敗したら、地形を利用させないうちに急いで部屋の外に出ます。



●未踏地域に挑む
 幾多の魔法学園の生徒達を阻んでいた異界の知識を要求する扉をくぐり抜けた猟兵が、親しみを覚える乾燥した冷たい空気に僅かに目を瞬かせる。

●フィールドワーク
 大切に抱えていた古書を鞄の中へと収めたクララ・リンドヴァル(本の魔女・f17817)が、数刻前まで滞在していたアルダワ魔法学園の図書室に僅かに似た空気へと、紙とインクの匂いが溶けていくのを感じながら藤黄色の瞳を迷宮の奥へと向ける。
「アルダワ地下迷宮……久々に降りて来ました。生徒さんの試行錯誤を無駄にしないよう、頑張りたいです。……ただ、ここの空気は慣れた感じもして少し落ち着きます」
 図書館で警備部の生徒に取り寄せてもらい読んだ活動報告を思い出すクララが、周囲を見渡しながら探索への意気込みを込めてコクコクと小さく頷く。
 そうして、僅か後。迷宮の暗がりへと猟兵の足音が刻まれてゆく。

●擬態と鍵開けの地下迷宮
 他の猟兵の残した印を確認し進む本の魔女が規則だたしく連なる部屋を抜けてゆき、鈍く輝く装飾箱の置かれた部屋へと辿り着く。

●司書の心得
 暗がりへ反響する足音が溶けて消えてゆき僅かな静寂が訪れる。入ってきた通路を背に部屋の中央に置かれた装飾箱から安全な距離を置いたクララが、近づきすぎないように警戒しつつ、地下迷宮に入る際に警備部の生徒から受けた説明を口にのせながら目を凝らしてゆく。
「聞いた話ですと部屋にあるのは宝箱に擬態する蜘蛛か本物の宝箱といことですね。狭い部屋での戦闘は厄介そうですし、なるべくハズレを引かないようにしたいですよね」
 そう言ってクララが装飾箱を中心にミミックスパイダーに襲われたとしてもすぐに逃げられる距離を想定した安全圏を描き、幾つもの世界で利用している図書館で出会う同じ利用者によく間違えられる司書の心得……、蔵書の内容を理解し必要とする人に届ける事や知識を体系立てて纏め分かりやすく纏めてゆく能力や経験。
(……、シショジャナイデス)
 ふと、自身にツッコミを入れながらも冒険を題材にした娯楽小説や硬派な探索の手引き等、これまで読んできた本で得た知識から装飾箱が擬態されたものかを見極めようと白を貴重としたローブの内ポケットへと手を伸ばし……、
「……あら? ここに眼鏡が……ないです。眼鏡を忘れたみたい。……。裸眼で頑張ります。はい」
 それから暫しして、荷物を纏めたクララが警備部の生徒が他の猟兵からの情報を纏め予測した地下迷宮の地図にバツ印をつけて来た道へと戻り始める。
「宝箱の蓋を留める蝶番が不自然に綺麗でした。おそらく、宝箱は擬態ですね」

●擬態と鍵開けの地下迷宮
 裸眼を凝らして装飾箱を見定めてゆく本の魔女のもつ地図へとバツ印が幾つも刻まれ、地下迷宮の奥へと足音が進んでゆく。

●擬態蜘蛛と魔界蜘蛛
 暗がりの中を白い影がゆっくりと動き迷うような沈黙が支配する。怪しげな部分のない装飾箱を前にクララが開ける覚悟を決めて歩み寄ろうとし、ふと使い魔の魔界蜘蛛のことが脳裏に浮かぶ。
「生態は違いますが、頭胸部・腹部で構成され脚の数が八本なのは共通です。……そして、どちらも巣を張って狩りをする種類ではないです」
 たしか…擬態用の宝箱は腹部よりでした、とクララが使い魔の形状と警備部の生徒から受けたミミックスパイダーの特徴をすり合わせてゆき、宝箱が擬態であった場合に災魔がどのように隠れているかを予測して宝箱をどう開けるかを決めてゆく。
(……それではいきます)
 宝箱の正面から僅かにズレた場所に陣取ったクララが気合と覚悟を込めた瞳で装飾箱の蓋へと手を伸ばし金属めいた冷たさが肌を差し……、

――ガァパン

 ひとりでに……否、災魔の意思で開かれた擬態された宝箱の中で出糸突起が蠢きその様子を藤黄色の瞳を見開き迷わず逃走を開始する。
「……うわわっ!」
 びっくり箱のように口をあけた第二の口から放たれた粘着質の糸が正面を避けて逃げるクララの背後を空しく広がり、
部屋を割り砕きながら飛び出てくる災魔の脚部の間を驚きながらも走り抜けたクララが通路の中へと滑り込込んでゆく。その様子に姿を紅い瞳に映し込んだ災魔がクララを襲おうとせわしなく動かしていた八脚を止め元居た場所へと戻る。
「飛び出る時に砕いた地面まで綺麗になるんですね。……どういう仕組みなんでしょうか?」

●鍵の災魔を封じる大扉
 色黒の肌を僅かに上気させたクララが見上げるような大扉に呼吸を整え、幾度か災魔に追われながらも手に入れた手元の鍵へと視線を移す。
「思ったよりも身体を使いました。以前、お邪魔したカフェで甘いものでも食べて帰りましょう。……しかし、鍵は見つかりましたがこの扉の鍵穴はどこなんでしょうか?」

成功 🔵​🔵​🔴​

シュバルツ・ウルリヒ(サポート)
(サポート参加)
ダンピールの妖剣士 × フォースナイト

……普段はヒーローズアースでブラックソードと名乗りヒーロー活動をしている。
……あまり喋るのは得意ではない。ゆえに説得等の会話は向いていないと思う。

僕に出来るのは…追跡や探索、侵入等だ。まず地形等の情報を【地縛鎖】で集め、そしてUCで身体能力を上げて敵など追いかけたり発見する。

戦闘スタイルはUCで身体能力を上げて魔剣や魔斧での近接攻撃や衝撃波を放って敵を攻撃する。



●未踏地域に挑む
 僅かに空気の乱れた地下迷宮へと転送されてきた猟兵が、慎重に周囲の気配を探りつつ開け放たれた梟の大扉をくぐりへ足音が遠ざかってゆく。

●それなりによくある題材
 迷宮の暗がりよりも深い闇の呪詛が籠められた外套を纏ったシュバルツ・ウルリヒ(黒剣・f14572)が、堅牢に組み上げられた石壁をヒーローズアースでブラックソードと名乗り活動する際に着用している仮面越しに眺めて言葉を零す。
「……ここが地下迷宮か、初めて来る。災魔を封印するために造られたと聞いたが……なるほどな」
(しかし、強大な魔が封印された地下迷宮とは王道な題材だが実物を見られるというのはなかなか興味深い)
 そう思案しながら歩くシュバルツが思い出すのは邪神とその眷属がオブリビオンとして蘇る異世界のマニアックな文化の一部。
 空想や幻想として創作された物語にこういう状況を書いたものや描いたものがそれなりの数あることに奇妙な類似点を感じながら
目的の場所への入口へと辿り着き、カチャリと微かに金属の擦れる音と共に影へと気配が溶けてゆく。
「……さて、探索は僕の得意分野だ。……しっかりとこなそう」

●擬態と鍵開けの地下迷宮
 黒剣を名乗るヒーローが操る鈍銀の縛鎖が十字架を鳴らしながら周囲を探り迷宮を暴き、微かな金属音と足音が暗がりへと響いてゆく。

●魔剣解放
 赫光が暗がりをはしり残光が古めかしい装飾箱を捉える。鈍色の仮面に備え付けられた視野の補正機能を通して辿り着いた部屋に鎮座する装飾箱を見定めていたシュバルツが、魔法学園の警備部の生徒から聞いた災魔の特徴を思い出しながら迷宮を探索する時もそうであったように愛用の縛鎖を伸ばしてゆく。
「……擬態しているときに攻撃を仕掛けても効果はない。…だが、積極的に擬態を解いて襲い掛かる訳でもない…か」
(王道ならば盗賊の技能を持ったメンバーが……という場面だがあいにく一人だからな)
 零れる言葉の裏側で思案するシュバルツが、縛鎖で災魔を刺激しないように細心の注意を払いながら装飾箱の周囲と置かれた石床を探り……しばし、後。手元に返る反動に微かな違和感を覚えたシュバルツが、装飾箱から距離を取り部屋の壁際を通り、出口となる通路へと身を進め……鈍銀が石床を覆うように奔る。
 そうして、あたかも蜘蛛の巣のように石床を封じたシュバルツが、腕を僅かに動かし縛鎖へと加えられた力が波打つように伝わる。そうして、うねる様に跳ね上がった鈍銀が装飾箱へと衝突し……鈍い音と共に生々しい音が響き渡る。

――グァバリ

 ミミックスパイダーの第二の口が開き、内側に収められた出糸突起から網のように糸が吐き出され正面から装飾箱に手をかけていれば絡めとられる軌道を描き拡がり、それと同時にビシリと部屋の床に亀裂が入り……ギシリと縛鎖が鳴る。
「……っ!」
 地中から部屋の中へと躍り出ようとする災魔を引き留める縛鎖から伝わる衝撃に僅かに息をつめたシュバルツが、糸を吐き出した災魔の第二の口へと視線を向け仮面に宿る赫光が輝きを増す。
 指向性の強いその輝きは暗所を照らすためにつけられた仮面の追加機能。赤き光に照らされた闇をシュバルツの視線が細かく動き、ピタリと止まった視線の先には生物的な色合いの中に混じる金属質な輝き。
「……説明にあった鍵持ちの災魔か。……このまま、隙を突いて出口に向かうつもりだったが……回収するべきだな」
 自身に比べ巨大な災魔との力比べにシュバルツの腕に掛かる重みが痛みへと変化してゆき……しかし、その痛みなど感じていないかのような冷静なシュバルツの呟きが零れ、新たな赫光が放たれる。
「剣よ…僕に力を……貸せ」
 暗がりを引き裂くように輝きを得たのは赫刃を輝かせる双刃。対照的に暗がりに沈み込むように昏く暗く闇の呪詛を纏ったのはシュバルツ。
 ガシャリと災魔を封じていた縛鎖がシュバルツの元へと戻り、代わりにとばかりに飛び出したミミックスパイダーの身体を衝撃波を伴いながら駆けあがったシュバルツが身体の向きを変え糸を吐き出そうとする災魔を置き去りに第二の口の中に収められた鍵へと手を伸ばす。

●擬態と鍵開けの地下迷宮
 擬態蜘蛛がら鍵を奪取した黒剣を名乗るヒーローが暗がりへとその身を溶かし込みながら追いかける影なないことを確認し足を緩めてゆく。

●鍵の災魔を封じる大扉
 微かに擦れる金属音が暗がりに沈む回廊の終わりへと辿り着く。胸元に収めた鍵の重みと共に進むシュバルツが巨大な大扉の誂えられた深部の一室へと足を踏み入れる。
「……ここが、目的地のようだ。……鍵の災魔がいるらしいが、他の部分を探索しているものもいる。……一度、帰還すべきだな」

成功 🔵​🔵​🔴​

シシル・ロッツェル
「宝探し……鍵探し? と聞いて」
普通に鍵を探しつつも、ミミックは見つけ次第駆除するのが常識。1匹見つけたら、迷宮内にたくさんいるはず。
ミミックはトレジャーハンターの敵。ぬか喜びさせた罪は重い。……万死に値する。

宝箱を見つけたら、【わたしのテリトリー】にして周囲に罠をいっぱい仕掛けよう。もし、この段階で動き出しそうなら、距離があるうちに外に逃げる。
無事に設置が終わったら、宝箱の背後か側面から近づいて、罠が無いかの確認作業。
ミミックだったなら、地面から出てきてる間に距離を取って、罠のある場所に誘導して動きを封じたり爆破処理する。近づくのは危なそうだし、とどめは弓矢でさそうかなー。

※アドリブ歓迎



●未踏地域に挑む
 地下迷宮の未踏区域手前に転送されてきた猟兵が、散ってゆく昏い光の残滓をそのままに石壁に足音を反響させながら深部を目指して歩いてゆく。

●とれじゃーはんてぃんぐ
 動きやすさを重視した狩猟服に身を包んだシシル・ロッツェル(とれじゃーはんたぁ・f16367)が、踝までを覆うブーツで石床を踏みしめながら初めて立ち入る魔法学園の地下迷宮を焦茶色の双眸に映し込み言葉を零す。
「宝探し……鍵探し? と聞いてきたけど、なかなか雰囲気がある。鍵以外に奇麗なものが見つかったら……もらっても構わないか相談してみる」
 抑揚の少ない無愛想にも聞こえるシシルの声が埃を含んだ乾燥した空気へと溶けてゆき、興味深げな色が浮んでいた瞳に複雑に絡まった感情が浮かび上がる。
「……うん、鍵探しは普通にする。けど、ミミックは見つけ次第駆除するのが常識。それに、設置されている宝箱の大半は災魔の擬態と聞いた。……1匹見つけたら、その周囲にもたくさんいるはず」
 そう言ってシシルが思い浮かべるのは先の猟兵が確認し魔法学園の警備部の生徒から聞いた情報と遥か以前から続く浪漫に満ちた宝探しの……数多の罠を乗り越えてきた先達たちの歴史。
「……そう、ミミックはトレジャーハンターの敵。先達たちや同胞をぬか喜びさせた罪は重い。……万死に値する」
 迷宮に設置された罠の中でも悪質な罠として燦然と輝く希望を期待を絶望へと変える存在。許しておけない災魔の排除を胸に刻んだシシルが、改めて迷宮へと期待を寄せ、反響していた足音が次第に小さくなり消えてゆく。

●擬態と鍵開けの地下迷宮
 毛先の白い黄金色の尻尾を揺らしながら妖狐のとれじゃーはんたぁが狩猟で鍛え上げた注意深さで周囲を探りつつ進んでゆく。

●わたしのテリトリー
 迷宮の一角に置かれた豪奢な装飾箱が訪問者を出迎える。目の覚めるような赤色に金色の縁取り……そして丁寧に作り込まれた細部の装飾。まさに宝箱というその煌きにシシルが目を輝かせる。
「……家のたからものを収めるのによさそう。ミミックじゃなかったら、もらっていいか聞こう」
 そう言いながらシシルが装飾箱から距離を取りつつ部屋の出口へと向かい、自身の立つ位置と部屋の中央に置かれた装飾箱までを繋ぐ、複雑に枝分かれする道筋を思い浮かべる。
「落とし穴と……トラバサミと……クレイモアと……ビリビリと……タライと……」
 シシルから零れる言葉がそのまま猟兵としての世界の法則すら塗り替える超常の力と結びつき……、虚空が揺らぎ中空から引き抜かれるように石壁が生み出され、幾つものギミックが組み合わさり、地下迷宮に新たな迷宮が創造されてゆく。
 そうして、しばし後。シシルが自身の作り出した迷宮の罠の位置を確認しながら装飾箱の元へと辿り着き、装飾箱の正面に立たないように注意を払いつつ側面へと回り込む。
「……変化はなし。でも、油断はできない。ミミック相手に警戒しすぎることはない」
 焦茶色の瞳を細め、とれじゃーはんたぁとしてミミックに騙される訳にはいかないと慎重を期すシシルが感じ取ったのは僅かな臭気。
 森で感じるならば違和感のない生物が持つその匂いにシシルが装飾箱へと近づく足を止め……、シシルの反応に擬態を見破られたことに気が付いたミミックスパイダーが迷宮の石床を割り砕きながらその姿を現した瞬間…。何かが切れる音と共に銀色の巨大なタライが災魔の頭胸部へと落下し小気味のいい音を響かせる。
 その衝撃に災魔の動きが鈍り、僅かな隙を突いたシシルが創り出した迷宮へと駆け出し、真紅の八眼を輝かせた災魔がその後を追う。

●擬態と鍵開けの地下迷宮
 創り出された石壁に罅を入れながら擬態蜘蛛が駆け、妖狐のとれじゃーはんたぁが雷撃の罠を指向性地雷を駆使して逃げてゆく。

●激戦の果て
 振動と閃光が迷宮を彩り黄金色が暗がりを駆け抜けてゆく。硬い外殻に罅を入れながら強引に罠を踏破するミミックスパイダーに追われるシシルの背中を災魔が振り落とした剛脚が掠め、轟音と共に石床が砕け飛び散った石片に巻き込まれるように弾かれたシシルが床を滑ってゆく。
 その様子に追撃を掛けようとした災魔が突如として姿勢を崩し、頭胸部を石床へと打ち付け……ギリリッと弦が引き絞られる音が響く。
「トラバサミは、床と一体化してる……簡単には抜けれない。……宝箱を騙った罪は重い」
 災魔の振り下ろしを罠へと誘導し吹き飛ばされながらも愛用のやや小さい狩猟弓を構えたシシルが、言葉と共に災魔の眉間を撃ち抜き八眼から光が消えてゆく。
「……まずは一体。この調子で排除と鍵探しを続けてゆく」

成功 🔵​🔵​🔴​

ゲンジロウ・ヨハンソン(サポート)
エロ…NG
グロ…OK
やられ役・引き立て役…OK

○日常
日常系なら料理に関すること、可愛い動物関連に飛びいちまうな。
装備した宇宙バイクは調理場を有した屋台に変形させることも可能じゃ。

○調査
客を集めて情報集められるなら、上で言った屋台を使って料理と酒で人々から情報を集めることもできるな。
一応戦場傭兵でもあるからな、人並み位になら潜入もこなせるとは思うわ。

○戦闘
普段は武器そのものの威力よりも、並外れた身体能力で戦い抜いとるな。
といいつつ、決めてのUCは自分が繰り出す大技の方よりも、
実は人や物を呼び出して打ち出すUCのが威力が高いわ。
†蒼刻の騎士†と槍翼の揮士についちゃ、基本わしよか戦闘能力も高いぞ?


夜神・静流(サポート)
「夜神の剣は魔を討つ刃。悪しき魔物が出たならば、何時でもこの剣を振るいましょう」
破魔技能に特化した退魔剣士。あるいは悪い人外絶対殺す女。
妖怪や悪霊、魔物、邪神等を討つ事を得意としており、その手の依頼には積極的に参加する。
一般人や仲間、友好的な相手には礼儀正しく接するが、討つべき邪悪に対してはとことん冷徹非情で、一切の慈悲を持たない。

戦闘中は抜刀術と退魔の術を合わせた独自の剣術(ユーベルコード)を状況に合わせて使用。
逆に戦闘と退魔以外の事に関しては不得手で、機械や横文字が苦手。

シナリオ中の行動に関しては、魔を討ち、人々を護るという自分の使命を第一に考える点以外は全てお任せします。


エリカ・グランドール(サポート)
 サイボーグのシャーマン×電脳魔術士のエリカ・グランドールです。
 戦闘はあまり得意ではありませんが、周囲の状況を観察して違和感のある箇所を発見したり、敵の弱点を推測して隙を作り出すといった行動で皆さんをサポートしたいです。

※セリフ例
「今、何か光りました。ここに何かあるのでは……」
「あの敵の動きには規則性があるわ。うまく狙う事が出来れば……」

 冷静沈着と言う程ではありませんが、ビックリする事はあまりありません。
 あと、笑いのツボが良くわかっておらず「今の、どこがおもしろかったのでしょうか?」と、真面目に聞き返す事もあるようです。

 ユーベルコードは、エレクトロレギオンを好んで使います。



●未踏地域に挑む
 幾重にか重なる足音を響かせながら梟が刻まれた大扉を通り抜けた猟兵達が、次に至るための鍵を求め災魔の待ち受ける迷宮の暗がりへと進んでゆく。

●擬態災魔と装飾箱の迷宮
 独自に改造したフルフェイスの騎士兜から駆動音と共に赤い光を投射するゲンジロウ・ヨハンソン(腕白青二才・f06844)が、同道することとなった二人の猟兵へと振り返り魔法学園の警備部の生徒と話した内容を交え状況を確認してゆく。
「俺はゲンジロウ・ヨハンソン。それなりに実践経験もあるが調査や潜入に関しては人並みって所だ。まぁ、その代わり身体能力に関しては大抵の相手に後れを取らない自信はある。よろしく頼む」
 言葉に違わず先頭を真っ先に進むゲンジロウに、仕立ての良い黒い男物のスーツを着こなし二本の刀を佩いた夜神・静流(退魔剣士の末裔・f05903)が、数刻前までは誰も入ったことのなかった地下迷宮の未踏区域を見定めるように鋭くしていた双眸を瞬かせつつ、頼もしく愛刀の鯉口を切る動作をし。
「初めまして、夜神・静流と申します。私も妖怪や悪霊、魔物、邪神……ここでは災魔と呼ばれていますが、それらを討つ事を得意としております。擬態は斬りつければ解けるのですよね?」
「ヨハンソンさん、静流さん、よろしくお願いします。私はエリカ・グランドールです。戦闘はあまり得意ではありませんが、周囲の状況を観察して違和感のある箇所を発見したり等のサポートは得意ですのでお任せください」
 若苗色の薄い仮装端末へと地下迷宮を映し込んでいたエリカ・グランドール(サイボーグのシャーマン・f02103)が、同行者が正面から脅威を乗り越えようとしている様子を感じ取り、災魔の擬態を暴く支援を申し出てその様子にゲンジロウと静流が感謝の言葉を返し、エリカが少しでも多くの情報を得ようと周囲を観察してゆく。

●擬態と鍵開けの地下迷宮
 薄い暗がりからの不意打ちを警戒しながら二人の猟兵を先導し進む怨嗟の紫炎戦士が分岐路で一度足を止め周囲を伺い、迷宮に刻まれた新しい傷……先の猟兵の残した痕跡を確認した電霊の機甲化魔術士が未踏の進路を指し示してゆく。そうして僅か後、後続の為に石壁に目印を刻みながら歩いていた退魔の女剣士の瞳に通路の終わりと装飾箱が映し込まれる。

●忌わしき過去の盟約に喚ばれしモノ【斉藤・かける】
 暗がりをから足音が響き零れる光が僅かに装飾箱を照らし出し石床へと影を刻む。部屋の中央に置かれた装飾箱へと向けて迷わず歩みを進めたゲンジロウが鍵開けの手順を思い浮かべながら先陣を切ることを静流とエリカに伝え、身体の急所部分を守る軽装鎧からピッキングに流用できる道具を取り出してゆく。
「まずは俺が試しても構わないだろう? まぁ、昔取った杵柄じゃないがこういうこともやったことはあるしな。ところで、災魔の擬態だったとしたらどうする? 特に倒す必要はないみたいだが」
「魔は撃ち滅ぼさねばなりません。夜神の剣は魔を討つ刃。悪しき魔物が出たならば、見過ごすことはあり得ません。ですので、擬態した災魔であった場合は討伐したいのですが構わないでしょうか?」
 ゲンジロウを巻き込まないように装飾箱を間合いに収められる位置へと移動していた静流が愛刀に手を添え、戦闘に備えて呼吸を切り替えながら同道した二人へと同意を求め、
「私は大丈夫です。しっかり、サポートをさせてもらいます。……それと、ここまで迷宮を観察してきたけど、この部屋には少し違和感があるわ。比較対象が少ないから断定はできないけどその宝箱は災魔の可能性が高いと思う」
 静流へと僅かに頷いたエリカがこれまで移動してきた通路とは違い埃の体積している部屋の中で装飾箱の周囲だけ僅かに汚れが少ないことをゲンジロウと静流に伝えて警戒を促してゆく。
「静流の意見通り撃破でいくとしよう。エリカも助かる、災魔だと思って動けるように警戒しておこう。ひとまず、災魔だった場合は相手を俺が抑え込んでいる間に止めは頼む」
 ゲンジロウの言葉に静流とエリカから頷き、二人の準備が整ったことを確認したゲンジロウが警戒を強めながら装飾箱へと辿り着き開錠を始める。そうして、しばし後。錠前を解く金属のぶつかり合う音が途絶えゲンジロウが装飾箱の上蓋へと手をかけて力を込め。

――グバァン

 生々しい解放音はエリカの懸念通りに装飾箱が災魔の擬態であったことの証左。
 しかし、既に経過し準備を整えていた静流達の動きに淀みはなく不意を突かれることなく緊張感が迷宮の一室を満たし。
 自身の役割を果たすべく災魔の第二の口から覗く糸を吐き出そうとする出糸突起に向けゲンジロウが蒸気機関の稼働音と共に左腕を振りかぶり。

三┌(┌( 'ω')┐【ウヒョー!】
三┌(┌( 'ω')┐【ウヒョー!】
三┌(┌( 'ω')┐【ウヒョー!】

 突如としてゲンジロウから顕れたナニかが災魔へと衝突し爆発音を奏でる。
「また、勝手に出てきおって! しゃぁねえ、斉藤! 好きに暴れろ!! それと、二人はすまん! ここはあいつらに任せる!」
「わかりました。それでは、このまま奥に向かいます。……しかし、あれはいったいなんなの?」
 身体の周囲の空間を歪ませ召喚の準備を整えていたエリカが出口に向けて走りながら、不思議な存在へと疑問を零し。エリカと合流した静流が災魔と不思議な存在の戦いに仲間がが巻き込まれないよう周囲に気を配り。
「魔の気配は感じますが、今は先に進むこととしましょう」
 そして、災魔と邪神の一端が理不尽な熱い友情を育むなかを三人の猟兵達が駆け去ってゆく。

●擬態と鍵開けの地下迷宮
 独特の歩法で滑るように駆ける退魔の女剣士が通路の終わりを見据え次第に足を緩め反響する足音が迷宮へと溶けてゆく。その様子に殿を勤めていた怨嗟の紫炎戦士が背後から災魔が追って来ていないことを二人の猟兵へと伝え、駆けながらも周囲の状況を見定めていた電霊の機甲化魔術士が僅かに見える装飾箱へと視線を移しながら慎重に進んでゆく。

●二ノ秘剣・焔舞
 未踏の迷宮に不釣り合いな装飾箱が静かに侵入者を迎え乾燥した空気に緊張感が混じる。仲間を先導するままに部屋へと足を踏み入れた静流が、朱殷の瞳に先に見たのと変らない朱色を基調とした豪奢な箱を映し込み、魔法学園の警備部の生徒から聞いた特徴と注意事項を思い浮かべ振り返りながら提案を行う。
「何度も頼るのは申し訳ないですから、最初に言ったようにあれに軽く一撃加えて反応を確かめてみようかと思うのですがいいでしょうか? 擬態している間は攻撃されても損壊しないようですが攻撃されれば擬態は解けるでしょうし」
 鍵の材質は不明ですが壊さない程度の力加減はおそらく問題ないでしょう、とすでに愛刀の柄に手をかけている静流に、
「……すみません、少し待ってもらってもいいでしょうか? 先ほどの部屋と比較すればかなりの精度で災魔かどうかは判断できるかと思います」
部屋に入ってから黙々と周囲を観察していたエリカが危険をなるべく少なくできるようにと話を返し、僅か後。
「お待たせしました。十中八九、あの箱は災魔です。理由は不明ですが災魔が擬態する度に石床は完璧な状態に戻るようです。しかし、この部屋には壁と床の境目に不自然な空間や亀裂があります」
「そうなのか? だが、そうなら静流の言うように擬態を解くのに一撃お見舞いしてやるのはいいかもしれんな」
 二人の様子を見守っていたゲンジロウがナイトヘルムに内蔵された機構を動かし周囲を確かめながら俺の一撃で叩き起こした後にエリカの援護で静流が止めをさすのはどうだ?と締めくくり、
「矢面に立って囮をして頂くのは心苦しくありますが、よろしくお願いします」
「分かりました。それでは、援護はお任せください」
静流とエリカが同意を示し、お互いに頷き合った三人が配置についてゆく。そうして、僅か後。
 静かに集中する静流が愛刀を構え小さく頷き……肉厚で無骨な鉈を握りしめたゲンジロウがゆっくりと力を込めて、ギシリと筋肉の撓る音と共にその身体が大きく屈みこみ、並外れた身体能力遺憾なく発揮し跳躍したゲンジロウの一撃が擬態箱へと振り下ろされる。

――ガキリ

 重く鋭い一撃が災魔の世界法則すら塗り替える超常の能力に阻まれ、ゲンジロウの剛撃の隙を突くように擬態を解いた災魔が石床を砕きその姿を現わし……銃声。
 ミミックスパイダーの形状から頭胸部の出現位置を予測していたエリカが展開した内蔵火器が、不気味に輝く八眼を的確に射線へと捕えゲンジロウと災魔を引き離すように火線を描き……光と音を断ち切る様に影が走る。
 それは迷宮に潜み、訪れる者を陥れる……悪しき魔を捉えた退魔の剣士たる静流。先ほどまでの穏やかな表情を冷徹な処刑人のそれと変え、
怜悧な雰囲気が空気を斬り裂いたかのように鯉口の斬られる音が鋭く響く。
「我が剣は業火――魔を焼き祓う刃! 二ノ秘剣・焔舞!」
 ゲンジロウに気を取られ、エリカによって誘導された災魔の懐に潜り込んだ静流が、一片の容赦もなく抜き放った愛刀が八脚の内の一つを斬り飛ばし……描かれた剣閃をなぞるように幾つもの焔刃が生み出され舞うように猛った焔が災魔の残った七肢を焼き貫き八眼を穿ってゆく。

●擬態と鍵開けの地下迷宮
 頽れ一片の痕跡も残さず過去へと溶けてゆく擬態蜘蛛を冷徹な表情で退魔の女剣士が見送り表情が穏やかなものへと戻り、いつの間にか割り砕かれた石床が修復されている事を電霊の機甲化魔術士が興味深そうに観察して、僅かに後。擬態蜘蛛が探し物である鍵を落としていないことを確認した怨嗟の紫炎戦士が次の場所へ向かうことを促してゆく。

●エレクトロレギオン
 堂々と置かれた麗美な朱を基調とした三度目の輝きが猟兵達を出迎え冷たい空気が乱されてゆく。一言断りを入れて先頭に立ち部屋へと入ったエリカの若苗色の薄い仮装端末へ流れるように情報が刻まれ、せわしなく瞳が揺れる、そうして、自信を覗かせる静かな声が解析結果を仲間へと伝える。
「室内の埃の堆積具合や空気の温度に異常なし…、壁や床に不自然な罅割れや傷跡もなし……。先の災魔が擬態していた宝箱に比べこの部屋にあるあの宝箱は、周囲の状況が自然です。なので、あれは災魔ではなく普通の宝箱と思われます」
 問題なければ開錠もお任せください、と零すエリカの周囲の空間が揺らぎだしエリカの歩幅に合わせるようにゲンジロウが横に並ぶ。
「なら、俺は万が一と罠があった場合のために近くで控えることにするか。もしかすると、手伝えることもあるかもしれんしな。で、静流はどうするよ?」
 顕れた歪みが次第に幾つもの機械と変っていくのを見たゲンジロウがエリカと装飾箱の間にいつでも割り込めるように立ち位置を調整しながら静流へと声をかける。
「それでは、私は周囲の警戒をしておきます。蜘蛛の災魔以外が出るとは聞いていませんが、警戒することに越したことはないでしょうし……
申し訳ありませんが開錠の技術などはもっておりませんので」
 そう言って踵を返した静流が部屋の出口……入ってきたのとは別の通路に異常がないかを確認するために装飾箱から離れてゆく。
 そうして、僅かの後。仲間から離れすぎないように周囲を巡り、安全を確認した静流を小型の戦闘機械群の立てる駆動音が出迎える。
「遅くなりました、こちらは異常ありませんでしたが……、付近に部屋がなく僅かに廊下の意匠が変っていましたのでそろそろこの階層の終着点が近いのかもしれません。そちらはいかがですか?」
 静流のその言葉にゲンジロウが感謝を示すとともに装飾箱に仕掛けられた鍵が自身の解いたものより格段に難しそうなことを肩を竦めながら指し示し、エリカの邪魔にならないよう声を抑えながら言葉を返す。
「すまないな、助かる。こっちは見ての通りの状況だが、宝箱が本物のせいか鍵が想像以上に複雑らしい。ただ、着実に解けてはいるらしいから待つのみだな」
(……思ったよりも複雑ね。シリンダーがうまく回らない……? 古いタイプの鍵のように見えるし走査の結果もそう見えるけど何か特別な仕掛けでもあるの?)
 ゲンジロウと静流の会話も気にならない程に集中するエリカが戦闘機械群に搭載された様々なセンサー……戦闘時の光を音を振動を解析する高性能の感覚器を用い隠蔽された機構を暴いてゆき、
「なるほど、こちらの部分をあらかじめ抑え込んでおかなければならないみたいです。ですが、ここまでくればもう少しで開きます」
そう呟いたエリカの言葉に被さるようにガキリと歯車が噛み合ったような音が鳴り装飾箱を封じていた機構が役目を終える。
「……お待たせしました。内部にも罠はないようですのでこのまま開けさせていただきます」

――ガチャリ

 硬い音が部屋のなかに響き、戦闘機械群の一体が装飾箱の中を照らし輝きを返すのは一本の飾り気のない鍵。

●鍵の災魔を封じる大扉
 鍵を得た部屋からさらに潜った先。先頭を買って出た静流が擬態蜘蛛にも宝箱にも遭遇することなく次の階層の入口へと辿り着き、壁一面を占める大扉が三人の行く手を遮る。
「確か…、聞いた話だと扉に鍵穴はなかったとのことでしたが……」
 大扉を見つめ困惑を含む静流の言葉を同じく困惑の色を宿したゲンジロウが引き継ぎ、
「扉のど真ん中に鍵穴があるな。見落とすようなもんじゃないと思うがな。……目的は果たしているし戻るか?」
「それがいいと思います。鍵を一定数集めることで先の進めるようになる……等のギミックがあった場合、他の鍵も必要になりますから」
 鍵穴の出現した原因の可能性をエリカが示し、一度周囲を見渡した三人が帰還を準備を始めてゆく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『叡智の守護者』

POW   :    叡智の封印
【翼から放たれた羽】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD   :    叡智の斬撃
【鉈】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    叡智の風刃
レベル×5本の【風】属性の【羽】を放つ。

イラスト:鳥季

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠マユラ・エリアルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●叡智の守護者
 未踏区域の深部へと挑む猟兵達へ魔法学園の生徒の説明が届く。扉の開放と鍵の捜索お疲れ様でした。鍵に関しまして進展がありましたのでお伝えします。
 何が引き金になったかは不明ですが集めて頂いた鍵が一つに纏まり一本の鍵となっております。鍵穴も現れたとのことですのでこれで、鍵の災魔の元へと向かえると思われます。

 そして、鍵の災魔に関してですが集めていただいた鍵が合わさった時に判明しました。未踏区域に存在するのは叡智の守護者。知識の蒐集を好む片翼の鳥人で、特にこの個体は異世界の知識を好んで蒐集している個体となるようです。
 また、書として綴じられたものを好むようですが見たことのないものや知らないものであれば大概のものには興味を示すようです。戦闘中でも気を引けるようなものを示せれば隙を作ることが出来るかもしれません。

 次に、叡智の守護者の得手とする攻撃方法が判明しておりますのでそちらをお伝えいたします。
 一つ目はユーベルコードを封じる攻撃。翼から羽根を飛ばし、羽根が突き立った相手のユーベルコードの発動を阻害します。災魔自体にも負担のある攻撃方法のようですが羽根自体もそれなりの威力があるため注意してください。
 二つ目は高威力の近距離攻撃。大振りな鉈により斬撃となります。鉈自体は普通の攻撃にも使用してきますがこの至近距離で振りぬく攻撃に関しては特に警戒が要ります。
 三つ目は風で創造した羽根による範囲攻撃です。一つ一つの威力はそこまで高くありませんが面制圧出来るほどの数が脅威となりますので注意が必要です。

 判明している情報は以上となります、と生徒が一礼し、未踏区域ではありますが可能な限りの支援はいたしますので鍵の災魔の撃破をよろしくお願いしますと話しを締めくくる。

●異界の知識を求めるモノ
 広く簡素な……伽藍洞と感じられる迷宮主の間で叡智の希求者が上層で幾つもの鍵が持ち去られたのを見届け、それと同時に自身の知識にない道具、技術、秘技が振るわれた情景を思い出し瞳を閉じ僅かに身体を震わせる。
セシリア・サヴェージ(サポート)
「私の力が必要なら喜んで手を貸しましょう」
「人々を傷つけるというのであれば、私が斬る」
「護る為ならば、この命惜しくはありません」

◆性質
『暗黒』と呼ばれる闇の力を操る黒騎士。闇を纏った冷たい風貌から誤解されがちですが、人々を護り抜くという強い信念を持っている隠れ熱血漢。味方には礼儀正しく優しく接しますが、敵には一切手加減せず非情です。無茶な行動や自己犠牲も必要と判断すれば躊躇しません。

◆戦闘
『暗黒剣ダークスレイヤー』と共に力任せに暴れます。ダメージや怪我を恐れず、代償を伴うユーベルコードの使用を躊躇しません。非戦闘員が戦場にいる場合は護衛・救出を優先します。


シシル・ロッツェル
宝探しの次は狩猟依頼かぁ。
鳥さんみたいだから、気づかれない距離から狙撃したいなー。

と思ったんだけど、広くても隠れる場所……ない。困ったなー。
これは他の人が戦ってる間に目立たずにコソコソ背後に回るしかなさそう。
離れた距離の死角から【千里眼射ち】で狙うのが理想。羽狙いが妥当だけど、動いてるから当たればどこでもいいよね。なので真ん中を狙おう。逸れて羽に当たるかもしれないし。
こっちに突っ込んでくるようなことがあれば、テリトリーに逃げ込もうっと。

首尾よく倒せたら羽根とか毟れないかな?大きそうだから羽飾りとかにすると見栄えがよさそうなんだけどなー。この際落ちてるのとかでもいいから欲しい……。

※アドリブ歓迎



●大扉の先で待ち受けるもの
 未踏区域を隔てる大扉の封を解いた猟兵が興味深げに暗がりに消え、その後を追うように僅かな時間をおいて新たな猟兵が迷宮の奥へと進んでゆく。

●鍵の災魔の待ち受ける場所
 腰に巻いた様々な種類のポーションが収められたポーチを確認するシシル・ロッツェル(とれじゃーはんたぁ・f16367)が、僅かに困った顔で最奥の間――鍵の災魔が待つ一室――を隔てる大扉を見上げて声を零す。
「宝探しの次は狩猟依頼かぁ。……それはともかく、一番乗り。誰も入ったことのない場所はロマンがある。ただ、待ち構えてるのは鳥さんみたいだから、気づかれない距離から狙撃したいなー」
 そう言いながら思い出されるのは出発前に確認したこれから戦い場所の構造。正面から部屋に入り込み相手の不意を突くのは難しいだろうと困ったように首を傾げ……、綺麗に整えられた狐耳が細かく動き背後から微かに響く足音を捉える。
 そうして、僅か後。要所を補強し金色の縁取りがされた外套を纏ったセシリア・サヴェージ(狂飆の暗黒騎士・f11836)が、漆黒の装甲に金が映えるヒールで迷宮の石床を響かせながら先に訪れていたシシルの元へと辿り着く。
「……? 初めまして、私はセシリア・サヴェージと申します。どうかされましたか? 一つ前の扉が解放されているのは見ましたが、鍵の災魔の居る部屋の扉は別の鍵が必要なのでしょうか?」
 自身を待っていたように見えるシシルにセシリアが大扉を銀色の双眸に映し込みながらそう問いかけ、
「鍵は掛かってないと思う。あ、シシル。シシル・ロッツェル。よろしく。ここに居たのはこの先の部屋…、広くて隠れる場所のない場所。だから困ってる。協力してもらっても、いい?」
 シシルが鍵の災魔の死角……背後に回り込みたいことをセシリアへと伝え協力してもらえるかを聞き返し、禍々しい気配を漂わせる特大の闇色の大剣の柄へと手を置いたセシリアがはっきりとした声で答えを返す。
「問題ありません。私の力が必要なら喜んで手を貸しましょう。鍵の災魔の気を引き周囲を視認できにくい状況を作ります、それで大丈夫でしょうか?」
 セシリアが自身の言葉にシシルが感謝と共に頷いたのを確認し、押し開けられた大扉に二人の猟兵の姿が消えてゆく。

●鍵の災魔と伽藍洞
 呪鎧へ封された暗黒を練り上げるようにゆっくりと狂飆の暗黒騎士が隠すことなく足音を響かせてその身を進めてゆき、気配と足音を殺した妖狐のとれじゃーはんたぁが通路に凝る暗がりに身を沈めながら慎重に機会を伺ってゆく。

●呪縛の冷気
 冷たく古びた空気の匂いが響く足音に乱されてゆく。手にした書物を何処へともなく仕舞い視線をあげた叡智の守護者へと暗黒剣の切っ先を向けたセシリアが、自身の存在を主張するように……シシルの存在を隠すように声高に声を掛ける。
「貴方に魔法学園を侵略する気があるかは知りませんが……、今後の安寧の為にも骸の海へと還っていただきます」
 その言葉と共に零れるのは呪鎧より引き出された漆黒。両手で構えたダークスレイヤーを支える左手から静かに沸きあがる純黒の闇が剣身を覆い、溢れるように周囲に拡散してゆき、瞳へ緋色の輝きが混じるとともに気配が変わる。
『私個人としては侵略に興味はないが……、興味深いものが訪れる契機となるなら手段としては悪くない』
「ならば、動けぬ体に残された瞳で真の恐怖を味わうがいい!」
 爆発的に拡がる暗黒と共に訪れるのは冷気。軋むような急激な温度の低下が叡智の守護者の四肢を絡めとる様に氷を生み出し、自由を奪われた叡智の守護者へと暗黒剣を振り上げたセシリアが迫る。バヅンと鋼が断ち切られる如き音と共に断たれたのは風刃。圧縮された空気で作り上げられた羽根が暗黒剣を押し留め、氷縛が砕かれる澄んだ音と共に大振りな鉈が薙ぎ払われ……引き戻された暗黒剣と火花を散らす。
『……魔導とは別の理の冷気か興味深い』
「好きなだけその身に刻んでゆけっ!」

●ハンティング
 何処までも昏く冷徹な闇が巻き上がる様に拡がってゆく。打ち合わされる大振りな鉈と暗黒剣の響かせる衝突音を聞き取りながら駆けるシシルが、肌を刺す冷たさを纏った暗がりに紛れるように駆けてゆく。
(……助かる。予想以上。これのおかげで視界には収められていない。足音も……この戦闘音に紛れているから大丈夫。でも、これからが一番重要……)
 余計な音をたてないように口を閉ざしたまま行動するシシルが、部屋の入口付近を深く闇に落としている暗黒が薄まり始める地点で状況を確認するように振り返る。
(鍵の災魔は……セシリアに気を取られてる。でも、不意打ちのチャンスは一回…、慎重にタイミングを計る。……そう、梟は音に敏感。気取られないようにしないと)
 シシルが双眸に拘束する氷を力技で砕き、朱色を散らしながらも暴れまわる鍵の災魔と暗黒の大剣を縦横に振り回すセシリアの様子を映し込み、一度大きく息を吸い込むと共に静かな光が宿る。そうして、駆け出したシシルが狩猟で獲物を追うような、しなやかで滑らかな無駄のない身体の動きで音もなく鍵の災魔の死角を取るために駆け出してゆく。
(災魔は片翼……避けられてもセシリアに当たらないように射線を確保できる位置がベスト)

●鍵の災魔と伽藍洞
 武骨で巨大な鉈を振るう叡智の守護者へ狂飆の暗黒騎士が正面から暗黒剣を振り落とし眩い火花と轟音が周囲を彩る。その瞬光と振動に微かな足音を紛れ込ませ駆ける妖狐のとれじゃーはんたぁが愛用の狩猟弓へと静かに手を伸ばしてゆく。

●千里眼射ち
 闇と閃光に彩られる空気が鋭さをはらんでゆく。激しい戦いとは対照的に深く呼吸を落ち着けてゆくシシルが静かにやや小さめの狩猟弓を構え、呼吸のリズムに合わせるように音もなく張られた弦を引き絞ってゆく。
(攻撃に使われる羽根やバランスを取るために使われる翼狙いが妥当。……ただ、動きが大きい。外しにくい身体の中心を狙う。もしかすると羽根や翼にあたるかもしれないし)
 そうして、シシルが深く集中を始め僅か後。幾度目かの衝突音が響き、噛み合うように動きを止めた大振りの鉈と暗黒剣がお互いを削り合うような軋みを上げ至近で漆黒と浅緑の双眸が交わる。
『興味深い力だ……この世界の魔導とは理を違えている。その身に纏う鎧が力の源泉か?』
「問われて答えるはずもないだろう。そのまま呪氷に捕らわれろっ!」
 四肢を紅く染めながらも問いかけてきた叡智の守護者へセシリアが鍔迫り合いを押し切る様に全身に力を込め、セシリアの生命と精神を蝕むように喰らった禍々しい漆黒の呪鎧が更なる呪縛の冷気を生み出し……風切り音が響く。
 驚いた表情と共に鋭敏な聴覚でシシルが放った幾本もの矢の軌跡を把握した叡智の守護者が、迫る矢から身を躱そうと身を引こうとし……押さえつけるように暗黒剣への力の掛け方を変えたセシリアに動きを封じられ、身を守る様に広げられた翼が矢に穿たれ羽根を散らしてゆく。
(うまく当たった……この後は支援をしてゆく)
『……っ!? 二人いたのか』
 成果を見届けたシシルが位置を変えようと動き出した瞬間、痛みと驚き…そして感嘆に眼を見開いた叡智の守護者が血に塗れた翼をはためかせ生み出されたのは無数の風刃。
 渦巻くように放たれた無数の風で出来た羽根にセシリアが暗黒を猛らせ引くことなくその場で構え、視界を埋めるほどの物量に危機感を覚えたシシルが幾多の罠が仕掛けられた自身のテリトリーと言うべき場所を創造し逃げ込む。
 そうして吹き荒れるのは物理的な圧力を伴った風刃嵐。斬り裂くように創造迷宮の壁が喰い破られ、穿ちぬかれた指向性地雷が暴発し仕掛けられた罠が壊されるなか、破砕音から風刃の軌跡を聞き分けたシシルが朱を零しながらも致命傷を避けて風の羽根を凌ぐ。
 その風の暴力は猛る暗黒を引き裂くように削り、セシリアの纏う露出した呪鎧へと風刃が突き立つ。呪鎧を貫く衝撃に口元から紅を零したセシリアが、叡智の守護者へと向けて痛みに臆することなく踏み込み。
「もとより護る為ならば、この命惜しむつもりはありません」
 呪鎧へとセシリアの命と精神が新たに焚べられ、暗黒剣へと散らされた以上の暗黒がまとわりつき迷宮主の間を黒く染め上げるような一撃が振るわれる。

●終幕
 最奥の間から脱出したシシルが全身に負った傷を癒すために治療用のポーションを口にし、それでも塞がらなかった傷口の止血をしながらも残念そうに言葉を零す。
「首尾よく倒せたら羽根とか毟りたかったなー。大きそうだから羽飾りとかにすると見栄えがよさそうだったんだけどなぁ」
「手応えはありましたが、まだ健在でしょう。ですが、ひとまずお互いの無事を喜びましょう」
 暗黒の鎧へと捧げた代償を感じさせることなく大扉を見上げるセシリアが柔らかくそう返し魔法学園への帰還の準備を始めてゆく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​


●異界の知識を求めるモノ
 伽藍洞の空間に満ちていた暗黒が次第に晴れてゆく。そのなかで袈裟斬り裂かれた身体から朱を零していた叡智の希求者が晴れてゆく暗黒の残滓を惜しむように見やり……周囲に刻まれた闘いの痕跡をなぞるようにゆっくりと辺りを確認してゆく。
 
アマータ・プリムス
知識の蒐集をするためとはいえ人騒がせな方です
ですが倒すべき相手、油断はせずに相手をさせていただきましょう

とはいえあの鉈は脅威です
ならば射程に入らないように動きます
ネロも呼びだせば狙いも分散されますしこちらの手数も増えて戦いやすくなるはずです

「ネロ」
『わかってるゼ、ケケケ』

当機はスコパェをネロは大鎌を使ってヒットアンドウェイ
こちらの方が間合いは長いですが鉈の間合いには細心の注意を

2人の連撃で隙を作り当機が鉈を弾き飛ばした所をネロに首を狙わせます
羽根を飛ばす攻撃をかく乱するために周囲の風をスコパェで操り壁を作っておきましょう

「知識を集めるためとはいえ人を巻き込んでいい通りはありませんよ」



●大扉の先で待ち受けるもの
 迎え入れるように開かれた大扉をくぐり抜けた猟兵が、古い作りの迷宮へと足音と銀色の軌跡を残しながら深部へ受けて進んでゆく。

●鍵の災魔の待ち受ける場所
 銀色の旅鞄を足元に置き最奥の間を隔てる扉を見上げるアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)が、留め金の開放されていく音を聞きながら鍵の災魔への在り方に溜息を零す。
「……叡智ですか。知識の蒐集をするためとはいえ人騒がせな方です」
(『ケケケ、大概の災魔は人騒がせだけどナ!』)
 軽い身のこなしで旅鞄から飛び出した南瓜頭の案山子人形……ネロ・フラーテルが閉じなおした旅鞄と丁寧に使い込まれた雰囲気の竹箒を投げ渡しながら揶揄するように眼窩に灯る橙色の揺らめかせ、
「まぁ、そうかもしれませんね。さて、どちらにせよ倒すべき相手。油断せずに相手をしますよ、愚弟」
(「そっちこそ足引っ張んなヨ? 愚姉」)
 影に沈むように押し開いた扉の隙間へとネロが消え、その後をアマータが続き……閉じた大扉の軋む音が迷宮の空気へと溶けてゆく。

●鍵の災魔と伽藍洞
 漆黒のローブの裾を暗がりに溶かす南瓜頭の案山子人形と夜色の外套を纏ったアンティークドールのメイドが光を覗かせる通路の終わりへと歩いてゆく。

●Date et dabitur vobis
 静かな気配が新たな足音を出迎え空気が張りつめてゆく。何かの残骸を興味深そうに検分していた叡智の守護者が部屋へと足を踏み入れたアマータ達へと視線を向ける。
「残念ながら当機は、貴方の知識欲を満たすために訪れたのではありません。ご期待には沿えないでしょう。……それに、知識を集めるためとはいえ人を巻き込んでいい通りはありませんよ」
 向けられた視線に旅鞄から手を離し、箒……仕込み刀の柄へと手をかけたアマータの声に反応した鍵の災魔が腰のベルトに固定された大鉈へと手を伸ばしながら声を返し。
『……。その声は隠し扉の封を解いた侵入者か。もっともなことだと思うが、道理に従うならそもそも災魔になどならないだろうな』
 そのやり取りに構わず滑るように鍵の災魔の側面へとネロがその身を回り込ませてゆく。
 言葉の余韻が空気に溶けきる前に開戦を告げたのは羽ばたきの音。鍵の災魔が拡げた片翼が砂を巻き上げ、生み出された風が鋭利な羽根となり周囲へと放たれ、アマータに襲い掛かった風刃が竹箒が纏った風壁に受けながされ石壁を深く穿ち…、ネロの振るう大鎌に断たれ斬り裂かれた空気が悲鳴を奏で霧散する。
(ネロ、合わせなさい)
(『わかってるゼ、ケケケッ!』)
 砂塵を突き破り鍵の災魔へと距離を一息に詰めるアマータが桃花色の瞳を瞬刻ネロへと向け、橙色の眼光を瞬かせたネロが翔け……澄んだ音が響き渡る。

――キィン

 鍵の災魔が抜き打ちざまに振るった大鉈をアマータの抜刀した仕込み刀が火花を散らして受け止め威力に逆らわずその場を離脱し、災魔の隙を逃さず首を狙い刈り取るネロの大鎌の一撃を風切り音を響かせ……迫る大鎌の柄へと災魔の片翼が動きを阻害するように差し込まれ、押し留められた大鎌を支点にネロがその身を宙に躍らせる。
 剣閃と風刃が交わる幾度かの攻防の後。三角形を描くように互いに距離を取りあったアマータ達と鍵の災魔が静かに睨み合い……口火を切ったのはアマータ。ネロが漆黒のローブを揺らめかせ鍵の災魔の意識が僅かに散ったタイミングに合わせ、踏み込み抜刀した仕込み箒の一閃が遅れて振るわれた大鉈と噛み合い、軋む音と共に絡めるようにアマータが操った銀刃が大鉈を弾き飛ばす。
 そうして、無手になった鍵の災魔の首元目掛けてネロの振るう大鎌が奔り……幾ばくかの羽根と緋を散らしながら翼によって阻まれる。
(『……、オイオイ鳥の骨が硬いとかありえねぇダロ!?』)
「ネロ、無駄口叩いている場合ではないですよ。間合いは外したはずですが、大鉈の攻撃も予想よりも強力です」
 腕に残る重い手応えにアマータが軽く腕を振りながら距離を取り、形を作り始めた風の羽根の気配にネロがアマータの元へとその身を躍らせる。

●鍵の災魔と伽藍洞
 アンティークドールのメイドが整えた風壁が風刃と混ざり合い微風と変わり、南瓜頭の案山子人形が銀色の旅鞄を回収し退路を見定めてゆく。

●終幕
 勢いよく開かれた大扉からアマータとネロが姿を現し、鍵の災魔が追ってこないことが確かめられ張りつめていた空気が僅かに緩む。
(「ケケケ、無事かヨ? 帰りは任せたゼ」)
「しかたありませんね。武器の整備は任せましたよ」
 大鎌の刃を検分するように目を輝かせていたネロが銀色の旅鞄に消えながらアマータに目配せし、いつもと変わらぬ調子で返したアマータが旅鞄の留め金を確かめ、訪れた道を辿るように去ってゆく。

成功 🔵​🔵​🔴​


●異界の知識を求めるモノ
 再び静けさに満ちた伽藍洞の空間の中で叡智の希求者が武器を納め、傷ついた片翼を確かめるように動かしてゆく。そうして、僅か後。瞑想するように瞳を閉じた叡智の希求者が伽藍洞の中で次の変化を待ち続ける。
スターリィ・ゲイジー
難事にて珍しい術を誘い、観測するのが目的じゃったか
そういうの、分からんでもない

さて、異界の魔導書ならここに三冊ある。欲しいかの?
じゃが私の叡智の証はインドアの風では消せんぞ
…そんな挑発や、魔導書を出したり消したり、星のような炎を見せて目を釘付けじゃ
そこに催眠術で「倒せば書を奪える」と強く刷り込む

あとは撃ち合いじゃ
私は基礎魔法(炎の矢)で羽を落としながらUCを仕込む
これは対象物を異物にいつの間にか変える
【羽根】が【羽ペン】に変わっては、魔力が通りが悪くてちょっと痛い物理攻撃じゃろ
敵UCの掌握が済んだら、防ぎきれず倒された風を装い、虚をついて反撃じゃ

ヒト一番の叡智といったら、文字を記す道具じゃろう



●大扉の先で待ち受けるもの
 昏い光と共に転送されてきた猟兵が解放された大扉を興味深げに見上げ、先に訪れた猟兵達が進んだ痕跡の残る回廊を奥に向けてゆっくりと進んでゆく。

●鍵の災魔の待ち受ける場所
 星形の留め具の付いた肩吊りの革鞄を提げたスターリィ・ゲイジー(ほしをみあげるスターリィ・f06804)が、地下迷宮に戻る前にしまった魔導書が収まっていることを確認し、薄闇に沈む天井を見上げ夜のように沈む蒼い双眸へと映し込む。
「……星は当然じゃが見えんの。さておき、難事にて珍しい術を誘い、観測するのが目的じゃったか。まぁ、そういうの、分からんでもない。じゃが、災魔である以上に……人に迷惑をかける方法を認めるわけにはいかんの」
 さて…準備は万端じゃ、と一冊の魔導書を取り出したスターリィが被ったベレー帽の位置を整え、暗がりが拡がる回廊に夜空を模した外套が溶けてゆく。

●鍵の災魔と伽藍洞
 ゆったりとした歩みで部屋へと辿り着いた狼兎の星見が静かに待つ叡智の希求者を双眸に映し距離を開けて対峙する。

●対話
 足音が消え去り静まり返った部屋へと声が反響する。傷ついた片翼に戦闘の名残を思わせる雰囲気を纏った叡智の守護者が武器に手をかけることなく待つ姿に、三冊の異界の魔導書を取り出しながらスターリィが話しかける。
「面と向かうのは初めましてじゃの。さて、ここに異界の魔導書があるのじゃが、欲しいかの?」
『……その口調と声には覚えがある。否という理由はないな』
 鍵の災魔からの予想を裏切らない回答にスターリィが可愛らしい顔に挑発的な表情を刻み、見せつけるように二冊の魔導書を仕舞い、残った魔導書を開き内容を諳んじてゆく。
「これは星の並びが与える意味や天体の魔力の引き出し方を記したものじゃ。ここからは見えんものじゃが知っておるかの?」
『知識としてはな』
 その答えに頷いたスターリィが口調と言葉回しで鍵の災魔の思考を誘導してゆく。
「それなら、話は早いの。私はこの魔導書を含めた三冊を賭けよう。……お主はなにを差し出せるかの?」
『そちらにとって価値のあるものなど私の存在くらいだろう。猟兵とはそれを目的としていると思っている』
 そうして、徐々に空気が張りつめ始め魔導書に魔力を巡らせ始めたスターリィが戦いの始まりを告げる。
「然り、では勝負じゃな。じゃが、私の叡智の証はインドアの風では奪えんぞ」
『好きで封じられているわけではないが……奪わせてもらおう』

●鍵の災魔と伽藍洞
 仄かに輝く魔導書を掲げる狼兎の星見が練り上げた魔力が炎の矢を形作り、叡智の希求者の羽ばたきが風の羽根を生み出してゆく。

●Sword breaker
 空気の灼ける音が風の斬り裂かれる音が部屋に満ちてゆく。炎の矢を斬り裂き飛来した風の羽根を兎のような軽快なステップで避けたスターリィが、叡智の守護者へと迫った炎の矢が大鉈により斬り散らされるのを瞳に映し。
「さすがじゃのう。しかし、その武器、ちゃんと扱えておるかの?」
 言葉への返答は更なる羽ばたき。黙したままうち振るわれた片翼から溢れるように風の羽根が舞い落ち……再度、羽ばたいた片翼に押されるようにスターリィへと襲い掛かる。
「……っ! この量は反則じゃろうっ!」
 面の圧力を持って迫る風の羽根に炎の矢が飲み込まれ、火の粉の残滓を纏った勢いそのままにスターリィへと殺到し、小柄な身体が弾き飛ばされ石床を滑ってゆく。
(想像以上に…痛いのぅ。それに、幾本かコートを貫通して床に刺さってるんじゃが……)
 鍵の災魔の意表を突き、風の羽根を羽ペンへと世界法則をすら書き換える超常の力で変化させていたスターリィが、打撲の痛みを耐えながら重傷を装い弱々しくその身を動かし。
『約束通り、魔導書を頂こう』
 吹き飛ばされながらもスターリィが護るように抱えたままの魔導書に視線を移した叡智の守護者が、抑えられない興味と共に歩みを進め、突如跳ね起きたスターリィによって魔導書の頁が捲られる。
「かかったのっ!……異界の知識を直々に口伝してやろうぞ!」
 紡がれるのは星辰への祈り。模されるのは太陽の火。燃え盛る炎が色合いを変えて真朱の輝きを放ち、輝きに魅入られたように動きを止めた叡智の守護者へと焔が放たれる。

●終幕
 弾けた焔に飲まれた鍵の災魔の状況を確認することなく爆炎に身を隠し部屋から脱出し一息ついたスターリィが、ローブに刺さったままの羽ペンへと変った魔術の羽根に気が付き、僅かに冷や汗をかきながらもそれを手に取り言葉を零す。
「身体に刺さらんでよかったのぅ。しかし、知識も大切なものじゃが……やはりヒト一番の叡智といったら、文字を記す道具じゃろう」

成功 🔵​🔵​🔴​


●異界の知識を求めるモノ
 黒く濁る爆炎が次第に色を薄れさせてゆき、身を護るように大鉈を構えた叡智の希求者が姿を現す。表面が赤熱し熔解する大鉈と全身を焦がした熱気による痛みに構うことなく叡智の希求者は、身をもって体験した異世界の知識と技術をただ識るために思考を重ねてゆく。
イネス・オルティス(サポート)
『この鎧は一族伝統のもの、恥ずかしくなんて……』

アックス&ウィザーズ辺境のどこかにある隠れ里に住む一族の女戦士
〔一族伝統の鎧〕のビキニアーマーを愛用し主に〔巨獣槍〕という槍を使う
”ダッシュ”で近づき”なぎ払い”、”串刺し”等をよく行う

ボン・キュ・ボンのナイススタイルで、ビキニアーマーを普段使いしているため
無意識に周りを”誘惑”している事があるが本人は気づいていない
また”恥ずかしさ耐性”があるためか自分の格好より任務の達成を優先する傾向がある

アドリブ・絡み・可 ””内技能
描写はセクシーレベルまで



●大扉の先で待ち受けるもの
 幾人もの猟兵達が訪れた場所へと辿り着いた猟兵が昏い光の残滓を払い、解放されたままの大扉を迷うことなく潜り抜けて深部に向けて歩みを進める。

●鍵の災魔の待ち受ける場所
 グラディエーターブーツで床を鳴らしながら燃えるように豊かな赤紅の髪を波打たせるイネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)が、以前新入生と共に探索した浅い階層とは違う肌を刺すような古びた空気に警戒感を強めながら周囲を見渡す。
「……、故郷によくある天然窟とはだいぶ違うのね。どうやって、ここまで掘り進めたのかしら…? まぁ、ともかく鍵の災魔がいる部屋はだいぶ広いみたいだし、これを振るうのに邪魔になるものがないのはありがたいわね」
 そう言葉を零したイネスの眼前には鍵の災魔の待つ部屋を封じる大扉。愛用する巨獣槍――正体不明の巨大生物の牙か爪を穂先に取り付けた槍――を背負ったままでも問題なく潜れる大扉の幅と大きさにイネスが災魔との戦闘で愛槍を振るうのに支障がないことを感じながら、軋むように開いた大扉の中に満たされた暗がりに消えてゆく。

●鍵の災魔と伽藍洞
 幾度かの戦いの傷跡と名残を残す場所へと辿り着いた薄衣甲冑の女戦士が愛槍を構え、静かに佇む叡智の希求者の瞳へとその姿が映り込む。

●一族伝統の鎧
 幕間のように訪れた静寂へと僅かな呼気が溶けてゆく。自身へと視線を向ける鍵の災魔の挙動を警戒するイネスが、先の猟兵との戦いで鍵の災魔へと刻まれた傷を確かめてゆく。
(胴体を穿った一撃はすでに癒えているように見えるわね。あと、片翼なのは元々だったはずだけど……橈骨付近にダメージが残っているのか少々歪んでいるわ)
 藍色の双眸を鋭くしたイネスが巨獣槍を握る腕に力を込め……鍵の災魔から声が掛かる。
『……その鎧はどういう意図がある? 身体の要所は護られているが、私の知る鎧とは趣が異なっている。鎖帷子等を着込むべきものではないのか?』
 鍵の災魔の瞳に浮かぶのは純然たる興味。イネスの身体を覆うのは白銀の輝きを示す胸鎧と花のように拡がる草摺……そして、それを繋ぐ漆黒の帯。俗にビキニアーマーと呼称される露出過多なイネスの魅力を引き立てるその鎧へと鍵の災魔から疑問が投げかけられ……。その問いに恥ずかしさ等に顔を染めることもなく、異世界で自身が所属する冒険者ギルドの面々を思い浮かべながらイネスが言葉を返す。
「この姿は一族伝統のもの、この世界では馴染みのないものかもしれないけれど私達の世界ではそう珍しいものではないわ」
『ふむ。……ふむ? その世界はずいぶん気温が高いか……水辺が多いのか? 人間種は過度に肌を露出することを恥ずかしがると何かで読んが気がするが……』
 己の知識と現状を比べ思索へと鍵の災魔が沈みかけ…、それを断ち切るように声を上げたイネスが愛槍を振りかぶり鍵の災魔へと駆け出す。
「恥ずかしくなんて……ないわ!」

●鍵の災魔と伽藍洞
 かつての姿を思わせるように薄衣甲冑の女戦士の振るう巨獣の爪牙が風を斬り裂き、叡智の希求者が振るう大鉈と火花を散らす。

●巨獣撃
 風が斬り裂かれ悲鳴を上げ、震えるような轟音が部屋を満たす。狙いを絞らせないように駆けつづけるイネスの疾駆の勢いを載せた巨獣槍の一撃が鍵の災魔を捉え、重い一撃を大鉈を軋ませながら受け止めた鍵の災魔が羽ばたかせた片翼の動きをなぞるように無数の羽根が射出される。押し込むように迫る羽刃を巨獣槍の石突を床へと叩きつけ身体を捻りながら跳躍したイネスが躱し、間合いが開く。
『なるほど、脚部や腰部の可動域の確保。軽量化したことによる戦略性の拡大。軽装ゆえの防刃性や防御力の低下は個人の資質で補う。特化された特殊な鎧ということか』
「話にはきいていたけれど、本当に興味のあることを優先するのね。……まぁ、いいわ」
 飛び跳ね振るい脈動するイネスの魅力的な肢体に誘惑されることなく自身の興味に気を散らす鍵の災魔の様子にイネスが僅かに呆れたような雰囲気を見せ……、戦いに上気したイネスの身体が撓むように沈み力が籠る。
 それに応えるように巨獣槍から獣を思わせるオーラが立ち上がり、ついと獣の幻影に視線を移した鍵の災魔の虚を突くように跳躍したイネスの大上段からの一撃が地形を砕く勢いで振り落とされる。
「そんなに未知に興味があるのなら……獣の一撃、くらいなさいっ!」

●終幕
 轟音と共に巻き上がった砂塵に紛れ最奥の部屋から脱出したイネスが硬い手応えに僅かに痺れた腕の調子を確かめつつ愛槍を背負い直し、言葉を零す。
「……なんというか、冷静にこの鎧を評価・考察されるのは不思議な感じね」

成功 🔵​🔵​🔴​


●異界の知識を求めるモノ
 霧が晴れるように粉塵が濃度を薄くしてゆき……そうして、しばし後。伽藍洞の石床に放射状に奔る罅の中心に佇む叡智の希求者が身を護るように掲げた大鉈を鞘へと納め……身体の奥深くに残る痛みを確かめるように叩きつけられた一撃を脳裏で思い返してゆく。
フローリア・ヤマト(サポート)
『大丈夫よ、私達に任せて』
『うるさいわね……ちょっと黙らせるわ!』
呪いにより余命1年と少しの、クールな美少女です。
口調は上記のように少しツンとした感じですが、人間が嫌いなわけではなく、仲間や人々のことを心の底では大切に思っており、戦闘でもうまくサポートしようと立ち回ります。
また、敵に対しても怯むことはなく、時には挑発めいたセリフも交えながら、死角や弱点を突いて確実に仕留めることを狙って戦います。
フローリアのユーベルコードは、嵌めている「呪いの指輪」から黒い糸や影を放つ……みたいなビジュアルイメージなので、そのように描写していただけると嬉しいです。



●大扉の先で待ち受けるもの
 再び静けさを取り戻した地下迷宮へと転送されてきた猟兵が、微かな闘争の残滓とでも言うべき雰囲気に気を引き締めながら回廊を進んでゆく。

●鍵の災魔の待ち受ける場所
 滑らかに流れる銀髪の二房を細長い黒色のリボンで纏めたフローリア・ヤマト(呪いと共に戦う少女・f09692)が、通常のものとは趣の異なる母親から受け継いだ由緒ある黒染めの巫女装束の裾を揺らしながら歩みを進める。
「……知識を求める災魔、そういうのもいるのね。取り敢えず、魔法学園に悪い影響が出るのは阻止しないと。幸い私の扱う呪いの力は他の人とは違う印象を与えられるだろうしね」
 フローリアがそう言いながら自身の細く白い指に嵌められた黒く禍々しい指輪を撫で、応えるようにどろりと漆黒の影が形を持ったかのような深く昏い『黒』が指輪から溢れ、フローリアの手の甲を侵すように流れだし……腕を伝い零れた『黒』が石床を伝い両足へと纏わりついてゆく。
 そうして、僅か後。上腕と踝までを地下迷宮の暗がりよりも昏い黒色に沈めたフローリアが、ひとりでに開いた大扉に迎え入れられるように消えてゆく。

●鍵の災魔と伽藍洞
 呪いをその身に纏った呪輪の黒巫女が隠れることなく佇む叡智の希求者の元へと辿り着き、ゆっくりと空気が張りつめてゆく。

●黒腱
 反響する足音の余韻が僅かに空気を震わせながら消えてゆく。身体に纏った漆黒の呪いに対して理性的な瞳を向けてくる鍵の災魔に警戒心を強めながらもフローリアが口を開く。
「不意打ちをかけてこないのは及第点ね。だけど、人の顔もろくに見もしないで不躾に身体を眺めるのは非常識よ。まぁ、災魔と猟兵の関係で礼節なんて解くのは無駄かもしれないけれど」
 知識はあっても礼儀は実践できないのかしら?と皮肉が込められた挑発が綺麗な声色で静寂を破り、鍵の災魔が一礼と共に落ち着いた声でフローリアへと謝罪を示す。
『失礼した。書物に記された知識が世の中すべてを著しているとは思ってはいなかったが、こうも未知のものが眼前に出てくると興味を抑えられないものだ』
 とはいえ、私の都合に付き合ってもらうものでもないのだろう、と鍵の災魔が幾度の戦いを越えた大鉈へと手を伸ばし、天色の双眸を鋭くしたフローリアの両腕を覆う呪いの影が揺らめくように巨大な鉤爪を象ってゆく。
 そうして、空気が張りつめ……弾かれるように駆けたのはフローリア。両足を覆う漆黒の影がどろりと蠢き、石床を滑るようにフローリアの身体が鍵の災魔へと迫り…、すれ違いざまに呪いで象られた巨大な鉤爪が振るわれる。空気を斬り裂き三条の軌跡を中空に描き迫る漆黒は鍵の災魔が切り払った大鉈へと喰らいつき火花を散らし、衝突の衝撃で駆ける軌跡を変えたフローリアが大鉈を振るい動きを止めた鍵の災魔の死角へと滑り込んでゆく。
「反応できるなら、反応してみなさいよ。……さぁ、もっと早くなるわよっ!」
 鍵の災魔の気を引くように声を出し、その声すらも囮に両足の呪いを撓ませて跳躍したフローリアが中空で身体を捻り頭上から強襲を仕掛ける。フローリアの意識の隙間と死角を突く一撃を羽ばたきと共に揺らぐように身体の位置を変化させた鍵の災魔が踊るように躱し、身体の回転に合わせるように大鉈が一閃を刻む。
『……っ!』
 鋭い呼気と共に迫る鋭刃はフローリアを捉える軌跡を描き……、呪いの指輪からさらなる『黒』が溢れ、ずるりと呪いの浸食がフローリアを蝕み四肢すべてが漆黒に染まる。
「本当はコレ使いたくないんだけど…」
 その言葉を置き去りにするかのようにフローリアの身体が上から引かれた傀儡人形のような動きで跳ね上がり、鍵の災魔の大鉈が言葉だけを空しく斬り飛ばす。
『人体の構造的にあの状態から跳ね飛ぶのは不可能なはずだが……?』
「……ふん。原理が気になるなら、自慢の叡智が詰まったその頭で暴いてみればいいでしょう?」

●鍵の災魔と伽藍洞
 四肢を染める呪いを媒介に自身を傀儡のように自在に操る呪輪の黒巫女が縦横に駆け抜け、挑発を受けた叡智の希求者が真っ向から受け止める。

●終幕
 内側から吹き飛ばされるように大扉が弾かれ開かれる。鍵の災魔を警戒しながら部屋を飛び出してきたフローリアが、自身を追う影がないことに軽く安堵の籠った息を零し四肢を覆う呪いを指輪へと戻してゆく。
「……っ。やっぱりコレは反動がキツイわね。はぁ、仕方なかったんだけど今から憂鬱…ね」
 そうして、四肢が元の色を取り戻した後。フローリアが手足の筋肉が酷使され悲鳴を上げる感覚に明日の痛みを想像し溜息を吐き出す。

成功 🔵​🔵​🔴​


●異界の知識を求めるモノ
 跳ねるように退いた猟兵を見送った叡智の希求者が、漆黒の『何か』に刻まれた傷跡に纏わりつくように残る『黒』が自身の身体を蝕もうとするのを傷口ごと抉る。そうして、僅か後。自在に動き、災魔を蝕む『黒』へと叡智の希求者が考察を重ねてゆく。
アレクシア・アークライト
貴方達オブリビオンは過去が染み出してきたもの。
今の貴方が知ったことは全て消えてなくなり、骸の海に持ち帰ることはできない。
それなのに、自分の生死より知識を得ることを重視しているによう見えるわね。

この状況を打破できる何らかの策を持っているのかしら?

・3層の力場を情報収集用に展開し、敵の動きや攻撃を把握。残りの力場を防御用に展開。
・念動力で敵の動きを阻害しつつ、火焔や雷霆で遠隔攻撃を行う。
・といった戦いに慣れさせたところで一気に接近し、UCを叩き込む。

ひょっとして、この部屋から動けないのかしら。
だからせめて、消滅するまでに新たな知識を楽しもうとしているとか?

それなら、私の力、全部見せてあげるわ。



●大扉の先で待ち受けるもの
 未踏区域の深部を目指すため地下迷宮へと転送されてきた猟兵が、魔法学園の生徒から受けた説明と猟兵達が集めた情報を反芻しながら歩みを進める。

●鍵の災魔の待ち受ける場所
 袖なしのブラウスに唐紅のロングコートを纏ったアレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)が、鍵の災魔という言葉に既視感を感じながら大きな傷の刻まれた大扉の前へと辿り着き。
「……、この大扉は封印されていないのよね。まぁ、気になることは本人に聞けばいいだけかしら?」
 鍵の災魔の置かれた状況に疑問が浮びかけ……、先に相対した猟兵達の戦いを思い起こせば無下にされることはないだろうと、軽い調子で大扉を押し開け目的の場所に向けて足音を響かせてゆく。

●鍵の災魔と伽藍洞
 幾層にも重なる力場と念動力によって励起された電位差で光源を用意した積層力場の超能力者が叡智の希求者をその瞳に捉える。

●骸の海と第二の生
 激戦の痕跡を残す伽藍の空気が僅かに弛緩する。戦意のなさを示すように雷光を消し、軽く両腕を拡げたアレクシアが鍵の災魔の様子を窺いながらある程度の間合いを残し足を止め、それに応じた鍵の災魔が片翼を軽く閉じ話を聞く態勢へと姿勢を変える。
「……感謝するわ。さて、貴方達オブリビオンは過去が染み出してきたもの。今の貴方が知ったことは全て消えてなくなり、骸の海に持ち帰ることはできない」
『ふむ、私達を滅ぼしてきた猟兵がそういうのならそうかもしれないな。骸の海を幾度もわたるような特殊な災魔もいるかもしれないが……たしかに、私には何度も骸の海から蘇り続けた記憶はない』
「そう…、なら、自分の生死より知識を得ることを重視しているによう見えるのはなぜ? この状況を打破できる何らかの策を持っているのかしら?」
 幾度も戦い確実に存在を削られ、それでも変わらぬ様子を見せる鍵の災魔へとアレクシアが問いかけ。清々しいほど利己的でいて重く…、それなのにあっさりとした口調で鍵の災魔が答えを返す。
『知らないことを知りたい、ただそれ以外に理由はない。それに、死ねばそこで終わるのは定命のものも変わらないだろう? むしろ、歪んだものであろうと第二の生を得た私は幸運な部類なのだろう。不死に縋る同胞もいるかもしれないが……、私は消えようとも新しいことが知れるならそれで十分だ』
 さぁ、なにを見せてくれる?と問うように鍵の災魔の片翼が開かれ、巻き上がった風が穏やかな空気を吹き散らす。

●鍵の災魔と伽藍洞
 吹き飛ばされた砂礫が積層力場の超能力者に展開された力場に遮られ、叡智の希求者が大鉈を構えその双眸を輝かせる。

●全力の一撃
 紫電が奔り黒鉄へと吸い込まれ、火炎を引き裂き風刃が荒れる。激しく動き回るお互いの動きをなぞるように刻みあった傷跡から朱が零れ、過熱する闘争を彩り……加速する意識の中でアレクシアが鍵の災魔の問いに答えていないことに気が付き声を上げる。
「…えぇ、私の力、全部見せてあげるわ」
 ギシリと空間が軋み、アレクシアの超能力が幾重にも世界を塗り替えようとし、応じた鍵の災魔が幾重にも舞わせた羽刃が燃え盛る火炎を迸る紫雷を斬り裂き世界を改変を打ち消してゆく。
 そうして、僅か後。見えない念動力の束縛を引き千切るように鍵の災魔が踏み込み、戦闘が開始されてから幾度も振るわれてきた大鉈がこれまでにない轟音を立てる。その骨ごと立つような一撃を九層の力場を犠牲に僅かに鈍らせたアレクシアが残る三層の力場の補佐を受けながら念動力で極限まで圧縮した空気の鎧を纏った時間ごと加速する拳で迎撃し……、猟兵達と戦いを重ねた大鉈を撃ち砕き、爆発的に拡がった衝撃に二人が吹き飛ばされる。
 衝撃の余波で伽藍に幾多の亀裂が刻まれるなか、至近で受けた衝撃に揺らされ霞む視野のなか身を起こしたアレクシアの瞳に映ったのは姿を薄れさせていく鍵の災魔。
「……消滅するまでの間、新たな知識は楽しめたかしら?」
『存分に』
 アレクシアへと短く答え、胸に手を当て優雅に一礼した鍵の災魔が悪夢が覚めるように跡形もなく消失する。

●??????
 昏く沈むように、白く霞むように消失しようとする意識を繋ぎ止め……虚勢を張る。長くも空虚な停滞と短くも充足した刹那。刹那の充足をもたらした一人に残る最期が無様な姿ではないようにと知識以外の欲を抱いた自身に口元が決して不快ではない感情に僅かに歪み……。

●終幕
 主が消失した部屋に取り残されたアレクシアが部屋に入る前にふと脳裏をよぎった疑問を思い出し、鍵の災魔が最期に居た場所へと向けてポツリと零す。
「そういえば聞き忘れたけど……貴方ってこの部屋から出られなかったのかしら?」
 答える者のないその問いに苦笑と共に踵を返そうとしたアレクシアの耳にバキリと罅が拡がる音が聞こえ、寸刻の後。伽藍洞の一角が音を立てて崩れ、新たな扉が姿を見せる。
「……なるほど、ここに存在していることが『鍵』の役割を果たしてたなら、出られなかったみたいね」

●未踏区域の大扉
 魔法学園の関係者が新たに発見された大扉の周囲を封鎖し、扉の開け方を調べるとともに内部から災魔が溢れだしても対応できるように防衛線を構築してゆく。
 

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年11月27日


挿絵イラスト