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偽りの愛華であっても

#ダークセイヴァー #同族殺し

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#ダークセイヴァー
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#同族殺し


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●狂える同族殺し
「……殺す……殺す……殺す、殺す――――」
 その外套は血に濡れていた。
 それは人の血でもない、猟兵の血でもない。
 それは、オブリビオンの血だ。
 されど、うわ言のように殺意を呟き続けるこの男とて、またオブリビオンであった。
 その手に握られた剣は切っ先を持たぬ斬首のための慈悲ある剣。
 幾人ものオブリビオンの首を断った斬首剣。
 それは次なる者を犠牲とする為に。
 男は館に向かって歩き続ける。
 ちりん、と首から澄んだ音を立てたペンダントには、一人の美しい少女が描かれていた。

●同族殺し
「ダークセイヴァーにて最も忌み嫌われているものがあります」
 アリシエル・フィフスガーディ(五天の守護機・f09139)は語る。
 その存在は『同族殺し』、オブリビオンでありながらオブリビオンを殺すもの。
 その理由は定かではない、ただ分かる事は『同族殺し』が狂っている事。
 そして、『同族殺し』はオブリビオンを殺す事に執念を燃やしている事。
 『同族殺し』は決してまともな会話が出来る存在ではないこと。
「その『同族殺し』が領主館を強襲する予知がなされました」
 展開された電子マップに映し出されるのは厳重に警備のされた館。
 そこに展開される警備のオブリビオンの数もかなりのものである。
「正直に言えば、ここを襲撃するのは無謀と言ってもいいでしょう」
 それ故に、『同族殺し』の強襲に"便乗させてもらう"のが今回の作戦である。
 『同族殺し』はどういう理由か猟兵よりも同族を殺すことを優先する。
「『同族殺し』を利用し、警備のオブリビオンを排除、その後館の主であるオブリビオンを撃破します」
 館の主を殺すことに執着している『同族殺し』もこの段階ではまだ味方足り得るだろう。
 彼を利用して戦闘を有利にすすめる事もまた作戦の一つに出来よう。
「……それが終われば、散々利用してきた所悪いのですが、『同族殺し』の排除となります」
 例えオブリビオンを殺して回る『同族殺し』であっても、それはオブリビオン。
 決して猟兵とはわかり合えない存在である。
 その背後にどのような事情が存在していようとも。
 どれほどの悲劇が潜んでいようとも。
 オブリビオンと猟兵、それは決して交わらない平行線。
「その排除をもってしてこの依頼の完了とします」
 紫紺の瞳は淡々としたまま、猟兵たちを一瞥する。
「イェーガーたちならば問題なくこの予知の打破を完遂出来ると信じています。健闘と武運を祈ります」


虎河豚天
 虎河豚の天ぷら、略して虎河豚天でございます。食べないで。
 ドーモ、オブリビオンスレイヤー=サン。
 狂った同族殺しを利用してヴァンパイアを倒すシナリオです。
 敵の敵は味方、ただし敵がいなくなれば敵でしかない。
 そんなわけで最終的には両方殲滅してしまいましょう。
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第1章 集団戦 『レッサーヴァンパイア』

POW   :    血統暴走
【血に飢えて狂乱した姿】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    ブラッドサッカー
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【レッサーヴァンパイア】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
WIZ   :    サモンブラッドバッド
レベル×5体の、小型の戦闘用【吸血蝙蝠】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。

イラスト:慧那

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

カタリナ・エスペランサ
「要するに面倒な相手を楽に倒すチャンスってワケだね」
例外なく撃破対象であるオブリビオンの事情に斟酌する事など無いのだと、自身に言い聞かせるように呟いて。

使用UCは【失楽の呪姫】。
《目立たない》よう《存在感》を消して《空中浮遊》で上空へ舞い上がり、黒雷の《属性攻撃》《スナイパー》で同族殺しへの《支援射撃》を基本として立ち回ります。

敵のUCは黒炎の《破魔》《先制攻撃》で戦闘不能の対象を焼き払う事で阻止。
自分への攻撃は適宜《第六感》で《見切り》、《残像》を囮に回避します。

「……どんな事情持ちかは知らないけど。精々利用させてもらうよ」
最後は戦う事になる同族殺しを観察しての《情報収集》も欠かさずに。



●事情を汲んでも仕方がない
「……要するに面倒な相手を楽に倒すチャンスってワケだね」
 警護に猛攻を加える『同族殺し』を横目にカタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)は切り込む。
 彼の事情を顧みても仕方ない。斟酌しても仕方がない。
 意味などないのだから。最早それは通過した過去なのだから。
 カタリナはその身の気配を殺す。
 虚空に舞い上がれば、黒雷を携え戦場を睥睨する。
 黒雷で『同族殺し』の支援射撃を放つ。
 それはレッサーヴァンパイアたちを焼き焦がしていく。
 悲鳴をあげるレッサーヴァンパイア、その首に斬首剣が迸る。
 ちりん、と胸元のペンダントが揺れる。
 吹き出した血が彼の身を染める。
 されど、そのペンダントのみは血に染まらぬように、と胸元への血だけは回避していく『同族殺し』。
 黒雷を放ち、燃え盛る黒き炎、それが倒れたレッサーヴァンパイアを焼き払う。
 決して起き上がらぬよう、決して蘇らぬよう。
 念入りに死したはずのそれを雷で穿ち、炎で灰にする。
「……どんな事情持ちかは知らないけど。せいぜい利用させてもらうよ」
 多分、胸元に下げたそのペンダント。 
 そこに映る可愛らしい少女の肖像。
 それが関わっているのは間違いないのだろうな、とカタリナは思った。

成功 🔵​🔵​🔴​

尾守・夜野
「…何故お前さんがここを狙うのかわからねぇが…

そのペンダントが関係してるって事はわかる

…その影で俺らに何も出来なかった事があっただろうという事もな
儘ならんな…本当に」

返事は期待してない
独り言の類いだ
帰ってくるものがあったとて
ここの敵を倒せばこいつを倒さねばならん事にはかわりねぇだろう

本当に儘ならない世の中だ


元より足は早くない
普段は速度補うためスレイに騎乗してるが
普通に歩けば同族殺しよりも遅くなるだろうな
【存在感を殺し、目立たない】よう確実に同族殺しに群がる奴等を背後から始末していこう

…これだけ密集してると同士討ちも発生しそうだな
スキットルの中身(血)をばら蒔き、理性を更に捨てさせようか



●本当に儘ならぬは暗雲の世界
「……殺す……!! 殺すッ!!」
 うわごとのように、けれど、その憎悪を隠さぬまま。
 『同族殺し』は、その斬首の剣を振るい、レッサーヴァンパイアの首を刎ねる。
「……何故お前さんがここを狙うのかわからねえが……」
 尾守・夜野(墓守・f05352)は呟いた。
 レッサーヴァンパイアの返り血に濡れることも構わず。
 むしろ、自らの身すら省みることなくただ、殺戮の為に剣を振るい続ける男。
 けれど、その胸元に下げたペンダント、そこに描かれた美しい少女。
 それだけは決して血に濡れることはなく、そして、それだけは決して汚さぬように、と配慮している男。
 それを見れば、誰しもがそのペンダントが関わっているのだろう、と理解出来よう。
「……その影で俺らに何も出来なかった事があったんだろうな……」
 儘ならない世界に、儘ならない世の中に、酷く感傷的に夜野は呟いた。
 最早完全に狂って堕ちたこの男にはその言葉は届くまい。
 返答も期待していない、これはあくまで独り言の類い。
 仮に、この男に未だに理性があり、会話が出来たとしても。
 この男もまたオブリビオン、倒すべき存在であることには何ら代わりはない。
「……本当に儘ならない世の中だ、本当に」
 吐き捨てるように感傷をつぶやく。
 夜野は元より足は早くない、それ故に己の身を省みぬ進軍を続ける『同族殺し』と比べればその進軍速度は遅くなるのは必然。
 むしろ一騎駆けと言わんばかりに荒れ狂う暴風と化している『同族殺し』に標的が集まるのも好都合。
 存在感を殺し、目立たないように気配を殺す。
 群がるレッサーヴァンパイアを背後から闇討つ。
 一人、一人、確実に屠りながら。
「……同士討ちもさせるか」
 今の状態でも十二分に同士討ちといえるが、と思いながら。
 スキットルの中身、血液をばらまけば血に飢えたヴァンパイアたちはさらに理性を捨てて暴れだす。
 周囲に何がいるか、そんなこともわからぬ程に。
 爪が同族に食い込み、そこをまた『同族殺し』の刃が薙いでいく。
 最早狂乱の宴と化した所をまた、存在感を、気配を殺し。
 背後から貫いてまた一人と屠った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リズ・ルシーズ
アドリブ、連携歓迎だよ!

【SPD】

同族殺しが居るなら、あんまり前に出る必要はないよね

【地形を利用】し光学【迷彩】で姿を隠しながら、【先制攻撃】で敵を【スナイパー】として狙撃するよ。武器は【指定UC】で召喚した大型の狙撃銃。敵にも【同族殺し】にもその場にいる猟兵にも極力位置がばれないように【援護射撃】するよ。


敵の数が増えるのは厄介だからね

自身や同族殺しが倒して、死亡、気絶した敵を念の為もう一発狙撃して、操作されても禄に動けないようにしておこうかな。

念の為、【罠使い】でワイヤーを使ってトラップを仕掛け、近くに来た敵が居たら【零距離射撃】とネイルによる電気【属性攻撃】での【気絶攻撃】で迎撃かな



●鋼は闇に潜む
「『同族殺し』がいるなら、あんまり前に出る必要はないよね」
 その斬首剣を振るい、斬首の刃で次々と首を刎ね、血に染まる『同族殺し』。
 それを横目に、リズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)は闇に潜む。
 地形を利用し、その身を当たる光を捻じ曲げ、その身は闇そのもの。
 この場に最適な形に組み上げた大型のスナイパーライフル。
 『同族殺し』はおろか、味方の猟兵にすらばれぬように、とその姿を潜める。
 スコープに捉えるは首をもがれ倒れ伏したレッサーヴァンパイア。
 その急所となるべき部位に三点射撃を行い、とどめと言う名の追撃。
 心の臓が完全に破壊されたレッサーヴァンパイアはぴくりとも動かなくなる。
 ついでその手足がもげるような追撃の射撃。
 例え蘇っても、例え死体操作されてもろくに動けぬように執拗かつ念入りな攻撃。
「次」
 淡々と次の敵をスコープに捉え、また放つ。
 闇と完全に同化したリズの狙撃をろくに捉えられるものはおらず。
 次々と闇からの放たれる弾丸にて倒れ伏し、完全に機能と言うものを破壊される。
 淡々と、淡々と、仕事を処理するは鋼の冷たさか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ケイオース・テネブラエ
「便利な存在がいるものだ、ならば存分に利用してやろう…この地を混沌に落としてやるのだ!」
●作戦
わざわざ私が相手をするまでもない、同族殺しとやらに地獄を巻き起こしてもらえばよいのだからな。
【エレメンタル・ファンタジア】で水と風を用い、この地の濃い霧を更に濃く深くして視界を悪化させるのだ。
「くく、計画通り…さぁ苦しめ、もがけ!」
私は高みの見物といこう、危険域から離れて雑兵どもが殲滅されるまで待てば良い。
私の望みは混沌と闇、この地を闇の領域とするのだ…。

●アドリブOK



●この世を混沌と堕とす為に
「ハハハッ!! 便利な存在がいるものだ!!」
 ケイオース・テネブラエ(混沌より生まれし無限の闇・f21797)は大仰に腕を広げ高笑う。
 この世を混沌と堕とすことを目的とする混沌神ケイオースにとって、『同族殺し』は便利な存在であり、道具である。
 何故ならば、自らの手で地獄の災禍を巻き起こす必要はない。
 なれば、その助力として後押しをすればいいだけなのだから。
「ならば存分に利用してやろう……この地を混沌に堕としてやるのだ!!」
 水と風の魔力が複合し、渦巻き、暗雲の世界にさらなる闇が立ち込める。
 深く、深く、闇のように、深く、深く、底なし沼のように。
 深淵の深い霧が立ち込める。
 それは視界を奪い去り、ろくに前すら見えぬ有様。
「くく、計画通り……さぁ、苦しめ、もがけッ!!」
 深い霧より遠く、高みより、笑い続ける。
 『同族殺し』以外のレッサーヴァンパイアですらその視界の悪さ故に互いに互いを攻撃しあう有様。
 『同族殺し』には味方はいない、それ故に刃を振るえば敵に突き立つその状況はむしろ好都合。
 オブリビオンがオブリビオンで殺し合う地獄の如き混沌。
「ハハハハッ!! この地を闇の領域とするがいいッ!!」
 ケイオースは笑い続ける。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シン・ドレッドノート
アドリブ連携OK
【SPD】

何を思って殺しあうのか。
分かり合えずとも、その理由は聞き届けましょう。
狂うほどに思いつめた、その想いを。
その身が骸の海へ還る前に。

「さて、まずは援護射撃といきますか」
館が見える高所に潜み、ライフルビットを10m間隔に配置、【異次元の狙撃手】で狙撃を行います。
仲間の猟兵及び同族殺しの侵攻に合わせて、敵の注意を逸らすように狙撃開始。
ビットからの狙撃はタイミングをずらして行い、複数の伏兵がいるように見せかけつつ、ビット側のフェイント攻撃に気を取られた相手を『破魔』の力を込めた精霊石の銃で撃ち抜きます。

「せめて安らかなる眠りを…Dona eis requiem.Amen.」



●せめて安らかなる眠りを
「……何を思って殺し合うのか……」
 シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)は『同族殺し』を見つめ思う。
 狂う程に思いつめたその想いとは。
 狂う程の殺意、それこそオブリビオンが狂う程のソレ。
 決してわかり合える事はない。
 オブリビオンと猟兵は互いに天敵であり、交わらないものだから。
 それでも、そのオブリビオンが仲間であるはずのソレを殺し続ける程に狂わせた『ナニカ』。
 それほどまでに思いつめた『ナニカ』。
 それを知る為に、それを聞き届ける為に。
「その身が骸の海に還る前に」
 ライフル・ビットが展開される。
 高みより、放たれるは縦横無尽の狙撃攻撃。
 仲間の猟兵たちが、『同族殺し』たちが足を進める度に、それを助けるように放たれる。
 互い互いのビットの発射間隔はわざとずらす。
 これにより、複数の狙撃手が潜んでいると錯覚させるためだ。
 ライフル・ビットの狙撃がレッサーヴァンパイアたちを惑わせる。
 混乱が起こった所に、破魔の力を込めた精霊石の銃がそれを撃ち貫く。
 どう、と言う音が響き、レッサーヴァンパイアが地に伏す。
「……せめて安らかなる眠りを…Dona eis requiem.Amen.」
 それは鎮魂の呟き、堕ちたヴァンパイアたちとてそれもまた命。
 祈るように、けれど、静謐なまでに、シンは次の標的へと取り掛かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

宇冠・龍
由(f01211)と参加

「……斬首、ですか」
昔、目前で夫の頭を食べられた時のことを思い出してしまいますね

オブリビオンとしてもですが、首を執拗に狙う者は許してはおけません
何故同族を狙うのかの理由も気になりますが、退治しましょう
私の、いいえ、由の目の前でこれ以上誰かの首を落としてなるものですか

【談天雕竜】にて、梟の動物霊を百羽召喚。一羽一羽が私と同じ強さを持ちます
足に武器たるスタングレネードを装備させ周囲に放流
順次武器を投降しながら、蝙蝠と吸血鬼を駆逐していきます

蝙蝠の数は多いですが、相手は天敵となる猛禽類の梟
そしてスタングレネードによる音の索敵を封じることで一網打尽にしてしまいましょう


宇冠・由
お母様(f00173)と参加

(あ、お母様がお怒りモードになってますわ)
こうなったら止められません。巻き添えになりたくはないですが、私もお母様を守りたいので、つかず離れずの距離感を保ちましょうか

私は空飛ぶヒーローマスク
地獄の炎の身体で敵を引きつけながらの時間稼ぎ

二振りの火炎剣を投擲し、百火繚乱の技にて百へと増やします
傷つくとお母様の術は解除されてしまいますので、梟が殲滅するまでの間、私達へ近寄る蝙蝠やヴァンパイアたちを炎で牽制し燃やします

そして攻勢に出たら一転、火炎剣をそのまま降らせて炎の雨をしましょう

(首切りに関しては確かに嫌な思い出ではありますけど、怒ってるお母様を見るのも複雑ですわ)



●過去を薪にくべるように
「……斬首、ですか」
 宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)はそれを見て思う。
 夫が目前で頭を食われた時の事、お腹の子をその時失った事。
 オブリビオンである限り、和解の道はありえない。
 ましてや、それが斬首人なればより許せない。
 何故同族を狙うのか? そこはさておく。
 これ以上、自身の、しいては娘の前で首を落とし刎ねられる様を見せるわけにはいかない。
 燃え盛る怒りの炎、激情を宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)は感じ取っていた。
(……あ、お母様がお怒りモードになってますわ)
 こうなっては止められない。
 巻き添えになりたくはない。
 彼女も母である龍を守りたい、されど巻き込まれたくはない。
 故に付かず離れずの距離感を保ち、支援に徹する。
「悪鬼百鬼と数えれば、七転八倒列を成す――――」
 無数のフクロウの霊が解き放たれる。
 一羽一羽足にくくられたスタングレネード。
 それが足より落とされ、爆音と閃光が場を満たす。
 コウモリたちは超音波によって位置を特定し行動を行う。
 それをかき乱す激しい音、ばたばた、とコウモリが地に墜ちる。
 そうして地に墜ちたコウモリなぞ、最早ただの猛禽の餌。
 群がるフクロウがそれを駆逐していく。
 爆音と閃光でくらんだレッサーヴァンパイアたちは由の燃える焔の刃が撃ち貫く。
 燃え盛る紅蓮の炎、その数100。
 それが驟雨の如く降り注ぎ、打ち付けて、焼き払う。
(首切りに関しては……確かに嫌な思い出ではありますけど……)
 怒り、猛る母を見る。それもまた複雑な気持ちでもあり。
 怒り猛る龍は、まさに怒り狂うドラゴンの如く、レッサーヴァンパイアを駆逐していく。
 これ以上、首を刈らせるものか、と言わんばかりに。
「……殺す……ッ!!」
 けれど、されども。
 『同族殺し』はその刃を振るう事はやめない。
 同族の血に濡れても。自らの血に濡れても。
 胸元のペンダントは悲しく揺れる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

九重・灯
戦闘だから人格は「オレ」の出番だな。

それにしても、同族殺し……ねぇ。
オブリビオンってのは、世界を支配するとイカレちまうモノなのか?
その世界の未来を閉ざし、自分たち過去さえも消し去って。
最後には「無」に還ろうとしている? なんてな。

ま、オレらにとっては好都合だ。
先導頼むぜ、処刑人さんよ。

同族殺しに付かず離れずの位置を維持する。
UC【偽神符・天狗】。顔を呪符で隠した、背に翼のある「天狗」を喚ぶ。
数字は10程度で4体。2体は槍を装備してオレと一緒に前衛。残り2体は弓で後衛から援護。

こちらに来たヤツらを剣、アザレアで『なぎ払い5』。
同族殺しへのダメージが大きくなりすぎないように「天狗」に援護させる。



●好都合の狂気
「戦闘だから……そうだな、『オレ』の出番だ」
 九重・灯(多重人格者の探索者・f17073)は剣を肩に担ぐ。
 呪符を取り出し、呼び出すは天狗の如き魔人。
 槍で武装した天狗魔人、弓で武装した天狗魔人。
 双方共に2人の合計4人。
「それにしても、『同族殺し』……ねぇ……」
 ただ、殺意をむき出しに、己の身も省みず。
 血に濡れる事も厭わず、ただその刃を振るい続ける男。
 その狂気は理解などは出来なかった。
 世界を支配したから狂ったのか。
 その世界の未来を閉ざしたから狂ったのか。
 過去のものとなったが故に狂ったのか。
 それとも、無に還りたいが故に狂ったのか。
「……ま、オレらにとっては好都合か。先導頼むぜ、処刑人さんよ」
 されど、そんなものを考慮する必要も考える必要もない。
 敵を倒し、駆逐する。
 それが猟兵の仕事である。
「やるぞ、テメェら!!」
 天狗の魔人が矢を番え放つと同時。
 槍の魔人と共に灯は疾駆する。
 その槍がレッサーヴァンパイアに突きこまれると同時。
 灯が払うように剣をふるって薙ぎ払う。
 倒れ伏したレッサーヴァンパイアの心の臓に刃を突き立てる。
 『同族殺し』が倒したそれも念入りにとどめを刺す。
 決して蘇らぬように、決して利用されぬように。
「次だ、行くぞテメェら」
 敵を倒せばまた駆逐するために疾駆する。
 闇の世界に羽音は響く。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。正気を失くした相手を利用する…か。
放置すれば更に大きな災厄になる以上、
このまま捨て置く事はできない。

同族殺しを目立たない程度に警戒し、
【吸血鬼狩りの業】で吸血鬼の動作を暗視して見切り、
生命力を吸収する呪詛を纏う大鎌のカウンターで迎撃する

…お前達の動きは読めている。抵抗は無意味よ。

第六感を頼りに周囲の殺気や気合いを読んで好機を待ち、
怪力の踏み込みから空中戦を行う“血の翼”の加速を加え、
大鎌を双剣に変化させて突撃しつつ【乱舞の型】を発動
魔力を溜めた双剣の連撃(2回攻撃)で敵の傷口を抉り、
存在感を持った無数の魔刃の残像で敵陣をなぎ払い仕留める

…安らかに眠れとは言わない。消えなさい、永遠に…。



●その命脈を断つ
「……ん。正気を失くした相手を利用する……か」
 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は大鎌を携える。
 それを放置すればさらなる大きな災厄と化してまた大きな戦禍を巻き起こすは必至。
 故にそれをそのまま捨て置くことは出来ない。
 吸血鬼狩りの業、積み重ねた業がリーヴァルディに未来予知じみた見切りを与える。
 レッサーヴァンパイアの攻撃を大鎌の柄で受け流し、切り返す。
 その刃には生命を食らう呪詛を纏わせて。
 食い込んだ刃がレッサーヴァンパイアの身から命を貪りすする。
「……お前たちの動きは読めている。抵抗は無意味よ」
 強い踏み込み、大地にひびが入り、その身が虚空に跳躍する。
 血の翼が彼女の背から生え、その大鎌が双つの剣へと別たれる。
「……その命脈を断つ」
 膨大な魔力をこめられた双剣から無数の魔刃が放たれる。
 その魔刃がレッサーヴァンパイアの傷口を抉り、失血を強いる。
 血を失い続ければその生命力も失われ続ける。
 それは生命の理の道理である。
「安らかに眠れ、とは言わない。……消えなさい、永遠に……」
 無数の魔刃の残像、その数は最早空を覆う程。
 それが薙ぎ払うように放たれ、その数に匹敵する、あるいは凌駕する量の吸血鬼が散り散りに四散した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クリスティアーネ・アステローペ
…あら、同じ得物。同業ねえ
吸った血はあちらの方が多そうですけれど
嘗て同業であり、今のみ同道するというのも悪いことではないでしょう
断つべき罪が有るのならばそちらを優先しましょうか

《高速詠唱》からの【ウィザード・ミサイル】で《串刺し》にして吸血蝙蝠を宙に縫い止める矢と
《衝撃波》を伴う矢を《一斉発射》し蝙蝠を《吹き飛ばし》

粗方の蝙蝠が片付いたところで、折角ですものね?
魔杖斬首剣"慈悲深きエヴェリーナ"による《祈り》を込めた《鎧無視攻撃》でレッサーヴァンパイアの首を刎ねに行きましょう
何か同族殺しのから反応があれば面白いのですけれど
…あまり期待はできないかしらね?

(諸々歓迎



●斬首処刑人
「……あら、同じ得物。同業ねえ」
 クリスティアーネ・アステローペ(朧月の魔・f04288)はその切っ先なき剣を振るう。
 吸った血の量では多分、ではあるが『同族殺し』の方が多いかもしれない。
 嘗ての同業であり、今のみ同道すると言うのも悪い事ではないだろう。
 断つべき罪があるのならば、それを断つのが咎を罰する者の役目であるのだから。
「いきなさい」
 高速で紡がれた呪文より、無数の魔法陣が展開され、焔の矢が放たれる。
 吸血コウモリの群れが宙で縫い留められ、その炎によって散らされていく。
 そして、炎の爆風がその縫い留められた吸血コウモリの群れを吹き飛ばし散らす。
「折角ですものね?」
 踏み込む、肉薄。
 振るう刃は魔杖にして斬首のための切っ先なき剣。
 慈悲深きを賜るエヴェリーナ、その刃にこめられるは静謐なる祈り。
 振るう刃がレッサーヴァンパイアの首を飛ばす。
 祈りと言う静謐なる破邪の力が、邪悪を払い、再生する力を奪い去る。
 同業であるならば、何か反応があるかもしれない、と思ったが。
「……殺す……!!」
 狂気に身を浸し、殺意を身にまとった『同族殺し』。
 彼の目の前にあるのはただ強い、強い殺意、そして復讐の念。
 血にまみれ、臓物に濡れながら、けれど胸元のペンダントには一滴たりともそれを許さず。
 それが彼の強い執着であることを示しているのは間違いなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『吸血皇女サタナキア』

POW   :    君の心は僕のもの
【甘く、甘い堕落の香りを持つ薔薇の花びら】から【自身に対する偽りの恋心の感情】を放ち、【植え付けられたその感情への戸惑いと苦しみ】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    僕のために戦っておくれ
自身に【本物の恋を奪われ、死んでいった者達の亡霊】をまとい、高速移動と【自身を傷つける者に襲いかかる亡霊】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    僕をそんな目で見つめてくれるなんてね
【自身に対する怒り、あるいは憐憫】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【絡みつく銀の鎖】から、高命中力の【苦しみと戸惑いを与える偽りの恋心の感情】を飛ばす。

イラスト:影昊

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ステア・ウェインライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●偽りの愛華であっても
「……あら。突破してきたのね」
 この館の主であるオブリビオンが玉座に腰掛け足を組んだまま睥睨する。
 『同族殺し』の強い殺意はより膨れ上がる。
 それを面白そうに吸血皇女はみやった。
「なんだ……君……何? 復讐に来たのかい?」
 くすくす、と優雅に、嫋やかに彼女は笑った。
 その笑みに『同族殺し』の殺意はさらに燃え上がる。
「戯れに村娘と貴方に恋心を植え付けて遊んでみたけど……途中で飽きちゃったんだよね」
 だから、戯れに娘の首を刎ねたのだと。
 けれど、あまり面白くもなかった。
 植え付けた偽りの愛の華、あまりにつまらない茶番劇。
「……例え……例え、それが貴様の所業であっても……!!」
 強い殺意と殺す、と言ううわ言しか呟かなかった男が初めて、理性在る言葉を紡ぐ。
 けれど、その目に宿したのは強い殺意、復讐の念。
「過ごしたあの日々は……本物だったッ!!」
 だからこそ、殺す。確実に、絶対に。
 かろうじて灯っていた理性の火も今ここに消えた。
 最早殺意と復讐の炎に飲まれた男は、今ここに殺すためだけの刃と化す。
「そういう事もあるかもしれないね。でも僕は偽物の恋心しかあげられないんだよねぇ」
 けれど、吸血皇女は揺らがず迷わず。
 そのさまをおかしそうに笑い続けたまま。
「まとめて相手してあげるよ、どうせ茶番だろうけれどね!!」
 大仰に腕を広げ、それは猟兵たちと『同族殺し』に向けた宣戦布告。
 吸血皇女は戦いの場に躍り出る。
カタリナ・エスペランサ
「別にオブリビオンの事情に興味は無いけれど――それはそれとして気分が悪い」
同族殺しの姿とは対照的に……或いは彼を補うように、努めて理性的に感情を制御して。

速度差の不利を補う為《念動力》の感知と《第六感》《戦闘知識》を併用して敵の動きを《見切り》、雷炎を宿した羽の《属性攻撃》《誘導弾》で《援護射撃》。同族殺しの刃を敵に届かせる為、《恐怖を与える》《存在感》を放ち注意を引きつつその動きを制限するように立ち回ります。

自分へ放射された亡霊は《オーラ防御》と共に《破魔》の《祈り》による《カウンター》で敵の使役から解放したいところ。
敵が隙を見せれば《ダッシュ》で肉薄しUC【閃紅散華】の連撃を叩き込みます。



●閃光のように
「別にオブリビオンの事情に興味はないけれど……」
 どうせそれは倒すべき敵、倒すべきもの、その事情を省みても仕方がない。
 その事情を憂慮しても仕方がない。
 ただ、それでも。
「……それはそれとして、気分が悪い」
「そうかい? むしろボクの為になれてるんだから光栄じゃないかい?」
 大仰に手を広げ笑う吸血皇女。
 言葉を交わす意味などはない。
 踏み込み、疾駆。
 雷炎の翼が散り、放たれる。
 それを阻むように無数の亡霊が現れ、それを受け止めた。
 問題はない。
 元よりそれは届かせるつもりはない。
「……殺す――――!!」
 『同族殺し』の殺意の刃が吸血皇女目掛け振るわれる。
 その切っ先なき刃が吸血皇女をかすめ鮮血を散らせる。
「随分と激しい求愛だね、でもそれもまたいいよ!!」
 笑いながら、吸血皇女が細剣を振るい、斬首剣と打ち合う。
 剣戟の音が響く。
 されど、ここにいるのは一人ではない。
「お背中注意ッ!!」
 神速の紅雷九撃。
 迸る雷が皇女の身を焼き、切り裂く。
 熱で血は瞬時に燃え尽きる。
「不敬ではないかな?」
「敬意を払う必要、あった?」
 紅雷刃を構えたまま、カタリナは吐き捨てるように言い捨てた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ケイオース・テネブラエ
「なるほど、それがこの混沌の理由か…仕掛け人であるあのオブリビオンは有能だな」
私の配下に欲しいくらいだが…世界そのものを壊すオブリビオンには残念だが消えてもらわねばならん。

●作戦
私は【全力魔法】により展開したデスシールドの【盾受け】を頼りに高みの見物だが、戦況は頭に血が上っている同族殺しが不利、ゆえに一度だけ手を貸そう。
「戯れも過ぎれば痛い目を見る…混沌を招く手腕は見事だが詰めが甘かったようだな」
同族殺しへ放たれた敵UCの銀の鎖へUC【デスペア】を放ち消失させ、同族殺しを援護するのだ。
「恋心…人間にとっては命と同じくらい大切なものだ、容易く玩べば火傷では済まぬのだよ」

●アドリブ歓迎



●混沌の絶望
「なるほど……それがこの混沌の理由か……」
 全力の魔力で展開された死を覆う盾が、ケイオース・テネブラエ(混沌より生まれし無限の闇・f21797)への攻撃を阻む。
 納得したように呟きながら、戦況を見る。
「仕掛け人は有能だが……世界そのものを破壊するオブリビオン、残念だが消えてもらわねばならん」
 世界を混沌に落とすことを目的とするケイオース。
 世界を停滞させ、世界の時を止め、世界のエントロピーを崩壊させ消滅させるオブリビオン。
 彼の目的と彼女たちの目的は一切合致しない。
「戯れも過ぎ去れば痛い目を見る……混沌を招く手腕、見事であった」
「随分と偉そうに語るね?」
 『同族殺し』に銀の鎖が放たれる。
 それは身を縛り上げ拘束をし、敵を苦しめる鎖。
 聖なる銀とは思えぬほど、歪で、禍々しい性質のソレ。
「詰めが甘かったな……恋心とは、人にとっては命とほぼ同質、同等。容易く玩べば火傷では済まぬのだ」
 全てを無意味に堕とす闇が訪れる。
 世界の理を書き換えるユーベルコード、その一つ。
 絶望の闇が銀の鎖を飲み込み、喰らい、消失させる。
 その一瞬の隙、斬首剣が閃き吸血皇女を切り裂く。
 鮮血が舞った。
「くっ……!?」
「私を気にしてる余裕、今の君にはあるまい」

大成功 🔵​🔵​🔵​

尾守・夜野
「あらあらまぁまぁ
此度の恋のお相手は貴女なのかしら?」

「あの子」はオブビリオンに恋心とか抱きたくないって私と変わってしまったわ

私は「あの子」の中でも性自認がちょっと違うのよね
これで恋心を植え付けられても…相手は女なのに…という戸惑いだけね

でも…誰であれ私は愛するわ
愛してアイして逢いして哀するわ
骨の髄までとろかして…
私のキャパ(毒耐性2)以上に溢れた愛(毒)(LV×10=490)で満たして上げましょう

「私が抱く愛情は歪んでる自覚はあるわよ?
でも愛してるのだから仕方ないわよね?
…同じだけの愛を下さいな
偽物だろうとも
この身滅びるほどの業火にも似た愛を!」

アドリブ連携歓迎よ
口調もお任せでいいわ



●多重影(オルタナティヴ・ミリオン)
「あらあらまぁまぁ、此度の恋のお相手は貴女なのかしら?」
 多重影、尾守・夜野(墓守・f05352)の中に眠る幾つもの人格の一つが現れる。
 『あの子』はオブリビオンに恋心を抱きたくない、と『彼女』ないし『彼』と変わってしまった。
 性自認の異なる、と認識している。
 故に『彼』なのではあろう、だが同時に『彼女』なのであろう。
「誰であれ私は愛するわ……愛して、アイして、逢いして、哀する」
「憐れむつもりかい? このボクを」
「いいえ、骨の髄までとろかして満たしてあげる」
 広域に撒き散らされるは恐るべき呪詛と毒素。
 触れればそれだけで死に至る程の禍々しきとろける毒。
「私が抱く愛情が歪んでいる自覚はあるわよ?」
 ――――でも愛してるのだから仕方がない。
 同じだけの愛を求めよう、同じだけの愛を欲しよう。
 例えそれが偽りの虚偽であれど、この身を滅ぼす程の焔であっても。
「さあ、私にくださいな、あなたの愛を!!」
 恐るべき毒が撒き散らされ、恐るべき愛が撒き散らされる。
 取り込み、溶かし、とろかして。
 吸血皇女の恋心も何もかもを溶かし尽くして。
「ああ、いいね……こういう恋もあるのだろうね」
 その毒素に、呪詛にまかれながら、吸血皇女は微笑んだ。
 その微笑みに返すように夜野も、否、『夜野の中にいる彼』は笑う。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リズ・ルシーズ
アドリブ、連携歓迎だよ!

【SPD】

この吸血鬼のお遊びに巻き込まれたのが同族殺しって訳かな

光学【迷彩】で【地形を利用】しながら同族殺しにも見つからないように、ついていくよ。【スナイパー】として、遠距離から擬似刻印の光【属性攻撃】で、同族殺しの【援護射撃】をしながら、【鏡面体】をこっそり射出するよ。

茶番に真面目に付き合う気はないからね

鏡面体が十分に敵に近づいたら【指定UC】を使って、敵の背後からを含む全方位攻撃で一気に攻撃だね

同族殺しも巻き込まれちゃったかな、ま、次は同族殺しを殺す番だからちょうどいいよね?



●鏡面の光乱
「お遊びに巻き込まれたのが『同族殺し』って訳かな……」
 光学迷彩を身にまとい、吸血皇女にも『同族殺し』にも気づかれぬよう、気取られぬようにリズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)は進んでいた。
 同族殺しはひたすら殺意をむき出しに吸血皇女に斬りかかる。
 細剣と斬首剣が打ち合う。
 本来ならば打ち合う事も烏滸がましい武器が、斬首の刃を打ち払う。
「……ま、茶番に付き合う気はないしね」
 鏡面体が解き放たれる。
 それは気づかぬように、放たれていた。
 気づけば無数の鏡面体が館の部屋を舞っていた。
「これは……?!」
「遅いよ、気づくの」
 疑似刻印から光が放たれる。
 出力制限の解除された光粒子が疑似刻印より放たれ鏡面体に反射される。
 光の牢獄が作り上げられる。
 それが吸血皇女を撃ち貫く。
 ジュッ、と言う音が響き、ドレスが、皮膚が焼けただれる。
 剣を用いてそれを打ち払っても四方八方から襲いかかる。
「くっ……?!」
 吸血皇女は光粒子を打ち払うのに必死で。
 『同族殺し』のひらめく刃に気づけずまた一閃される。
 その光の牢獄に巻き込まれているはずなのに。
 『同族殺し』はそんなものを気にもとめず。
 否、気にはしているのだろう。
 決して胸元に揺れるペンダントにだけは一切の被弾を許してはいない。
「そこまで……?!」
「――――貴様だけは……!!」
 その戦いを光の牢獄ごしに見ながら、リズはさして気にも止めず。
 光粒子をさらに放ち続ける。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シン・ドレッドノート
アドリブ連携OK
【SPD】

人の恋心をもてあそぶとは…まぁ、分かりやすい悪役ですね。
見た目は可愛らしいですが、遠慮なく撃ち抜けると云うものです。

「ターゲット・ロック、魔を撃ち祓います!」
【乱舞する弾丸の嵐】を発動し手持ちの全ての銃器を複製。オリジナルを含めて5丁ずつの対とし、それぞれが五芒星を描くように展開。
同族殺しや味方猟兵の動きに合わせて援護射撃しつつ、フェイントも織り交ぜて、『破魔』の力を込めた銃弾の嵐を浴びせます。
敵の攻撃に対しては閃光の魔盾で受け流しつつ、カウンターの零距離射撃をお見舞いしましょう。

「永劫の闇へと還れ、偽りのキューピッド!」
まぁ、とどめは同族殺しに譲ってさしあげますか。



●百の銃弾
「人の恋心をもてあそぶとは……。まぁ、わかりやすい悪役ですね」
「ふふ、ボクが悪かい?」
「ええ、悪です――――ですから遠慮なく撃ち抜けるというもの」
 シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)の持つ全ての銃が浮かび上がり、増える。
 魔を打ち払う破邪の力がこもった聖なる銀弾。
 それが装填された銃が幾重にも幾重にも。
「ターゲットロック、魔を撃ち祓いますッ!!」
 五芒星を描く銃軍が幾つも完成し、銀弾の雨を撃ち放つ。
 敵の細剣の刺突、それは光り輝く閃光の盾で打ち払う。
 同時、トリガー。
 ゼロ距離から放たれる銀の弾丸、破邪の力が吸血皇女の身を抉る。
 銀の弾丸の嵐の最中、『同族殺し』もその剣で斬りかかる。
 無数の銀嵐、斬首の刃。
 双方を相手にせねばならぬ吸血皇女に浮かぶは苦悶の表情。
「調子にのって……!!」
「永劫の闇へと還れ、偽りのキューピッドッ!!」
 さらなる銀の嵐が吹き荒れる、白刃の嵐も吹き荒れる。
 シンの放つ銃撃も、『同族殺し』の剣戟も。
 全てが嵐撃のような激しさで吸血皇女を打ち据えていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

宇冠・龍
由(f01211)と連携

……ああ、誰が邪悪なのか、私でも分かります
「一言だけ言わせてください。恋心に、偽りというものはありませんっ」
例え切欠が歪でも、偽りの種だとしても、恋慕の芽を育んだのは二人
他人が悪戯に刈り取るなんてことしてはならないんです
ましてや、首を刎ねるなど……!

『同族殺し』の援護をします。オブリビオンだとしても、その想いは私たちと変わらないと思うから
たとえ過去の亡霊なのだとしても、せめて今この時だけでも
【驪竜之珠】で『同族殺し』含めて能力を大幅強化
味方には守護霊を、『同族殺し』には村娘の霊を憑依させます

死霊術士相手に亡霊を使うのは無謀
相手の呪詛を読み解き、動きを先読みし伝えます


宇冠・由
お母様(f00173)と連携

(あ、あの皇女様、お母様の虎の尾を踏みましたわ)
オブリビオンと一時共闘ですか……
いいえ、狂ったのは愛ゆえに。その炎を私は責めることはできません
私もお母様も大事な人を失ったから分かりますわ。どうしようもない心の炎というものが
私の地獄の炎が少しでもお役に立つのなら、復讐の中に炎をくべましょう

『同族殺し』は一目散に敵へと切りかかっていくはず
お母様の援護もあるとはいえ、敵は強敵、一筋縄ではいかないはず

百火繚乱の技にて、オーラ防御を纏った百の火炎剣を盾とし操り、『同族殺し』へ向かう攻撃をかばいます
亡霊や攻撃を代わりに防御し、『同族殺し』の一撃を相手へ届かせます



●燃え盛る焔は愛ゆえに
 愛を知り、愛を失ったが故に。
 宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)は邪悪を悟る。
 目の前にいる吸血皇女は紛れもない悪であり、邪なるものであると。
「一言だけ言わせてください」
「ふふ、良いよ、その無礼も許そう」
 その身がぼろぼろになっても、吸血皇女はなおも不遜に。
 大仰に手を広げて、龍の言葉を受け入れる。
「恋心に、偽りと言うものは、ありません……ッ!!」
 例え、その切っ掛けが歪であっても。
 それが植え付けられた偽りの心であっても。
 恋慕の芽を育み、同じ時を生きて、その心を本物とした。
 それは真の恋であり、愛である。
 それを悪戯に他人が刈り取るなんて言うことを。
 ましてや首を刎ねるなどと言う行い。
 ――――宇冠・龍と言う女にとっての逆鱗である。
(……あ、あの皇女、お母様の虎の尾を踏みましたわ)
 宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)は逆鱗を、虎の尾を踏んだ吸血皇女を見やる。
 狂ったのは愛故に、その狂気の炎を誰が責める事ができようか。
 龍も由もまた、愛しく、大切で、大事なものを失ったからこそ。
 そのどうしようもなく燃え盛る愛の、悲しき心の焔を肯定する。
 復讐の炎に薪を焚べよう。
 それで何が救われるかはわからない、けれど、今の『同族殺し』にとってはそれしか救いがないのだ。
「逆巻け逆巻け珠の霊……燻し晦まし機を満たせ……!!」
 過去を停滞させ、世界を静止させ、滅びに導くオブリビオンであっても。
 『同族殺し』が抱いたその想いは、彼女たちと何も変わらぬ。
 呼び出した守護霊が、猟兵たちの力を高める。
 『同族殺し』に取り憑いたのは……ペンダントの中で穏やかに微笑んでいた彼女だった。
 一瞬、『同族殺し』の動きが止まる。
 その狂気に満ちた殺意が一瞬薄れた。
「敵の前で止まるなど、油断にも程があるよ」
 吸血皇女が細剣を突き出した。
 甲高い音が響く。
 その刃は燃え盛る紅蓮に阻まれた。
「ごめんあそばせ?」
 百本の燃え盛る紅蓮の刃がその一撃を阻む。
 舌打ちをして間合いを取り直そうとするは吸血皇女。
 されど、それよりも早く踏み込んだ者がいた。
「……雄々ぉッ!!」
 愛しい人の、愛おしかった人の、ただ、ただ愛していた。
 その娘の後押しを受けた『同族殺し』、その一歩は何よりも早かった。
 斬撃一閃、深々とした傷が吸血皇女に刻まれる。
「……ちぃッ!!」
 忌々しげな声が漏れ、鮮血が館の空に舞う。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。偽りの恋心…か。
昔の私なら、特に感じ入る事も無かったけど…。

今は少しだけ、あの嘆きが理解できるから…。
…倒すべき敵だけど、今は手を貸してあげる。

他の猟兵と連携して闘い、同族殺しの援護を行う
敵の存在感や殺気を暗視して攻撃を見切り、
怪力任せに大鎌をなぎ払うカウンターで迎撃

…私の心を操ろうとした。
それだけで、お前の罪は万死に値する。

第六感が敵が精神攻撃の予兆を捉えたら、
“偽りの感情を浄化したい”と祈りを捧げ、
自身の生命力を吸収して魔力を溜め【変成の輝き】を発動
宝石剣を召喚して敵の能力を浄化する光属性攻撃を放つ

…無駄よ。下衆の能力なんて私には通じない。

…さぁ、報いを受けなさい。心を弄んだ報いを。



●報いの時
「……ん。偽りの恋心……か」
 それによって育まれた恋慕の情。
 共に過ごした時、例え始まりの切っ掛けが植え付けられた偽りのそれであっても。
「昔の私なら、特に感じ入る事も無かったけど……」
 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)には、今共に時を過ごすものがいた。
 だから、今は少しだけ、その嘆きを理解できた。
「……倒すべき敵だけど、今は手を貸してあげる」
 『同族殺し』の斬撃に合わせ、大鎌が薙ぎ払う。
 同時の二種斬撃。
 吸血皇女に襲いかかるその強烈なソレ、受け太刀は叶わぬ。
「くっ……!!」
 鮮血が散り、斬痕が残る。
 幾人もの猟兵たちの攻撃を凌ぎながらそれを成す事は吸血皇女にとっては困難。
 故に、その瞳が妖しく輝く。
 されど。
「……私の心を操ろうとした。それだけでお前の罪は万死に値する」
 それは小さな、小さな、最小の輝き。
 されど、遍く世界を照らし、輝く浄化の光。
 宝石の剣が、その心を操ろうと言う光を叩き斬る。
「何……?!」
「……無駄よ、下衆の能力なんて私には通じない」
 宝石の煌めきと輝きが、ことごとくその妖しい光を叩き切る。
 光の斬撃がついに吸血皇女を捉え、その身体に斬撃痕を奔らせる。
「……さあ、報いを受けなさい。心を弄んだ報いを」
「報い、だって……そんなものを受ける……」
 謂れはない、と口走ろうとした刹那。
 斬首の刃が空を走り、吸血皇女に鮮血を散らす。
「どこまでも忌々しい……!!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

九重・灯
吸血鬼ってのは、性根がねじくれたヤツしかいないのかよ?

UC【朱の王】。剣、アザレアの刃で腕を切り裂く。血を代償に魔の炎を喚び、四肢と武器に纏う。
「茶番は飽き飽きか? ハッ、茶番はオマエ自身だろうが。過去のバケモノが」

同族殺しの剣に巻き込まれないよう気を付けながら、挟み込むような形で仕掛ける。

熱い抱擁がお望なら、やってやるよ。
足下の影から黒縄、カゲツムギを伸ばして絡ませる。『罠使い3』『だまし討ち2』。
体ごとぶつかるように燃える剣を突き立ててやる。『串刺し3』『鎧砕き6』『部位破壊3』『属性攻撃7』。
敵の血を取り込み贄にして、さらに炎を燃え上がらせて内側から焼き尽くす。『生命力吸収2』



●茶番を焼き尽くす朱の王
「……吸血鬼ってのは、性根が捻じくれた奴しかいないのかよ?」
「無礼だね、ボクはそこまで捻じくれてないよ」
 その返事を鼻で笑う九重・灯(多重人格者の探索者・f17073)。
 灯の身が紅蓮の炎に包まれた。
 それは魂をも焼き尽くし、滅ぼす魔炎。
 狂気を以て狂気を焼き尽くす滅びの劫火。
「茶番は飽き飽きか? ……ハッ、茶番はオマエ自身だろうが」
「……ふふ、強気だね」
「今の状態でそこまで強がれるオマエがおかしいだろうが」
 最早その身はぼろぼろで朽ち果てる前。
 それでもなお、その不遜さを隠しもしない。
 傲慢で、不遜で、揺らがない。
「熱い抱擁がお望みか? ならやってやるよ……!!」
 紅蓮の炎をまといながら踏み込む。
 『同族殺し』と同時の挟撃。
 斬首剣が吸血皇女を切り裂き、魔炎の刃がその傷を焼き払う。
 吸血鬼としての再生能力を殺しながらの同時攻撃。
 カゲツムギが影より紡がれ、吸血皇女の身を縛る。
「……な……ッ!?」
「熱い熱い抱擁だぁッ!! 内側から焼いてやるよッ!!」
 動きの止まった吸血皇女にアザレアの刃が突き立つ。
 そして、魂すら焼き尽くす魔炎が吹き上がり、吸血皇女の身を内側から焼いていく。
「ぁあああああッ!!」
 吸血皇女の身が焦げる。
 燃えていく、されどその身は決して止まらない。未だに止まらない。
 されど、その命の火は短く、燃え尽きる刹那であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クリスティアーネ・アステローペ
それじゃあ飽きるのも仕方ないわねえ
彼みたいなのを楽しむ性質で無いのならもう少し面白そうなのを番わせればよかったんじゃないかしら

まあ、次はないのですけれど
だって物語では下手な呪いをかけて、下手な手出しをした魔女は滅ぼされるモノでしょう?

高速移動に対しては動きを《見切り》、《衝撃波》による《範囲攻撃》で《薙ぎ払い》《吹き飛ばし》て
壁にでも叩きつけて動きを止めてやりたいわね
ああ。余裕があれば『同族殺し』に向かって吹き飛ばすわ
動きを止めたら動き出すよりも早く(《先制攻撃》)【咎力殺し】の拘束具で飾ってあげましょう
放射される亡霊は《祈り》を込めたエヴェリーナの《破魔》の刃で首を落としましょうか

(諸々歓迎



●斬首の刻
「それじゃあ飽きるのも仕方ないわねえ」
 斬首剣・エヴェリーナの切っ先を下げたままクリスティアーネ・アステローペ(朧月の魔・f04288)は語る。
 『同族殺し』のようなものを楽しみ、愉しむ性質でなければ。
 早々に飽きるのも必然、もう少し面白そうなものを番にさせればよかったのだ。
 それこそ飽きないような、そう言うものを。
「そうだね、次は上手くやるとするよ」
「……あら? 次があると思っていて?」
 その言葉に怪訝そうにクリスティアーネは首をかしげる。
 何故次があると思っているのだろうか、心底疑問そうな声音で。
「まさか、このボクがここで終わるとでも?」
「ええ、そうよ。だって……」
 ――――物語では下手な呪いをかけて、下手な手出しをした魔女は滅ぼされるモノでしょう?
 刹那の踏み込み、見切る事すら叶わぬ速度。
 すでに背後に立っていたクリスティアーネ。
 吸血皇女が反応する前にその剣は振るわれていた。
 恐るべき膂力と衝撃によって、吸血皇女の身が弾き飛ばされる。
 その先にあるは切っ先なき剣を構えた『同族殺し』。
「おおおぉぉぉぉおぉッ!!」
 乾坤一擲の叫び、切っ先の無い剣でそれを為すことは難しい。
 されど、膂力による無理が道理を押し殺す。
 その切っ先なき剣が吸血皇女の身を貫いた。
「か……はッ……?!」
 動きが止まったと同時、その身がさらに咎を拘束する咎力殺しによって縛られる。
 切っ先なき刃が引き抜かれた。
「さあ……斬首の刻よ」
「やめ……ろ、ボクは、ボクはま、だぁッ!!」
 吸血皇女の瞳に映るは『同族殺し』、その切っ先なき刃。
 それが自らの首に迫る光景、そして。
 斬、と言う音が響き、吸血皇女の首が飛ぶ。
 今、ここに復讐は"成った"のである。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『狂気に飲まれた復讐者』

POW   :    闇夜に濡れ血を断つ
技能名「【不意打ち、早業、暗視、暗殺、二回攻撃】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
SPD   :    狩場
【罠】が命中した対象に対し、高威力高命中の【弾丸】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    飛来する銀の雨
【歴戦の感覚】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【無数の銃弾と跳弾】で攻撃する。

イラスト:善知鳥アスカ

👑8
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はフィーナ・ステラガーデンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●『同族殺し』
 斬首はされ、咎は払われ、復讐は為された。
 漸く『彼』の戦いは終わった。
 だが、最早それは『手遅れ』であった。
「……嗚呼、やはり」
 終わっても、彼の狂気は拭えない。
 最早彼は堕ちた身であり、そして、最早戻れぬ身なのである。
 だから、切っ先の無い剣を『同族殺し』は構える。
「最早この狂気は拭えない、最早この狂気は燃え尽きない」
 復讐は成った。されど、最早狂って壊れた彼はもう止まらない。止められない。
 だからこそ、そう、だからこそ。
「私のような復讐の鬼を作る前に――――どうかお前たちの手で」
 この私をここで滅ぼして欲しい。
 そう、わずかに残った理性と正気が猟兵たちに告げる。
 彼が現世にこだわる理由はもう、失われている。
 だから、ここで終わらせて欲しいと。
 新たなる災禍となる前に。
 そして、再び『彼』は狂気に飲まれ狂う。
 最早、回りだした歯車は止められない。
 無理やりに壊してでしか。
シン・ドレッドノート
アドリブ連携OK
【SPD】

狂おしいほどの愛のために戦い続けたその身。
その狂気、これで終わりにしましょう。

「ビット展開、魔を祓う!」
【紺青の剣劇】でビットを召喚。『彼』を中心に、戦場全体に幾重にも五芒星を描くようにソードビットを突き立て、内部に魔(オブリビオン)を祓う結界を形成。
周囲に展開したライフルビットからタイミングをずらしてフェイントの射撃を行い、ペンダントに当てないよう注意しつつ真紅銃で胴体を狙撃します。

罠使いの知識で彼の放つ罠を見切りつつ、弾丸は閃光の魔盾で受け流し。
剣による攻撃は真紅銃が形成する粒子剣で受け止めます。

動きが弱まったら一斉射撃で一息にトドメを。
…せめて、安らかな眠りに。



●祓魔の眠り
「狂おしいほどの愛のために戦い続けたその身……」
 その狂気は今も彼を苛む。
 正気を保てぬほどの狂気。
 憎悪、あるいは愛情。
 愛で誰かを殺せるのならば、憎しみで誰かを救えるのだろうか?
「その狂気、これで終わりにしましょう」
 シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)の周りに剣と銃が舞い踊る。
 幾重にも重ねられる五芒の星、魔を払う祓魔の結界。
 堕ちた彼の身を拘束する結界が世の理を書き換えていく。
 ライフル・ビットたちが舞い踊るように、彼に光粒子の閃光を浴びせかける。
 狂気に身をやつしたその身は拘束され、その光に翻弄される。
 シンの真紅の銃がその胴体を穿つ。
 けれど、彼の身は決して止まらない、なおもその狂気が突き動かす。
 斬首の剣戟が真紅の光粒子で構成された剣が受け止めた。
「……せめて安らかな眠りにつけるように」
 シンは、その剣を弾き上げ、光の弾幕を叩き込む。
 嗚呼、その身はそれでも突き動かし続ける。
 愛に狂って復讐に堕ちた人と言う獣は、なおもその身を動かし続ける。

大成功 🔵​🔵​🔵​

尾守・夜野
未だ私は私のままよ
偽りとはいえ、恋を解さない彼よりはまだ私の方がいいって事じゃないかしら

「…復讐は果たせたようね
ならその首抱えて彼女さんの元に帰りなさいな
…貴方が誰かにとっての悪になる前に
ここの吸血鬼の彼女になる前に
可能な限り綺麗に送ってあげるわ」
理性があるかは知らないわ
それでも声はかけるし
…ポリシーは曲げないわ
【存在感を殺し目立たぬよう】姿を隠しながら【早業】をもってして首を狙いましょう
多少の怪我は無視するわ(激痛耐性)
ただでさえ悪い足を酷使するのだ物
他に気を回す余裕はないわ

終われば
直ぐに消える泡沫のような物とはいえ
黄泉で彼女に笑われないように綺麗にしてあげましょう
(変装、優しさ、早着替え)



●恋を解さぬ彼よりも
「……復讐は果たせたようね」
 その首を刎ね、けれど、なおその身の狂気は彼を突き動かし続ける。
 彼の理性はそれを最早ねじ伏せる事は叶わない。
 だからこそ、末期の言葉として『同族殺し』は彼らに告げた。
 この身を滅ぼしてくれ、と。
 他力本願な願いではあった。
「……だから、その首を抱えて彼女さんの元に帰りなさいな」
 その理性は最早ないだろう。
 けれど、声は上げ続ける。
 尾守・夜野(墓守・f05352)、その中にいるもうひとりの『誰か』はポリシーを決して曲げない。
 狂気に身をやつし暴れ回る『同族殺し』、その背後に。
 気配を押し殺していた夜野が現れる。
 雷霆、神速、その身は決して捉える事ができなかった。
 首を目掛けて刃が薙ぎ払われる。
 獣じみた本能か、あるいは直感か。
 それは首を薙ぐ事はなく、けれどその首に一筋の紅を残す。
 ただでさえ悪い足を酷使するその一撃。
 他に気を回す余裕はなけれど、その速度。
 目で捉える事は叶わぬ一撃。
「……さあ、綺麗に葬(おく)ってあげるわ」
 鎌を構え直して、『同族殺し』と対峙する。
 彼女に笑われぬような装いで葬ってやるのがせめてもの情けだと思うから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ケイオース・テネブラエ
「よかろう、その願い…混沌より生まれし闇の神ケイオースが叶えてやる」

●終わりの闇
「愛と憎しみは裏表の業…誰かを愛しただけ、それを失わせた誰かが憎くなる」
【全力魔法】により展開したデスシールドの【盾受け】で攻撃を防ぎながら【高速詠唱・鎧無視攻撃・全力魔法】によるシャドウランスを放ち牽制。
「だがその喜怒哀楽こそが混沌の源、貴様のような愚かで、哀しく、救われない絶望こそ……何より美しいのだ」
そしてUC【ダークネス】を行使、奴の放つ無数の弾丸ごと全てを闇の瘴気に包み、滅ぼす。
「全ては混沌の中へ…さすればいつかは愛しき者の魂と貴様の魂も溶け合い、無限の闇の中で一つになるだろう。」

●アドリブ歓迎



●全ては混沌の中へ
「よかろう……その願い、混沌より生まれし闇の神、このケイオースが叶えてやる」
 尊大に、そして冷徹に。
 ケイオース・テネブラエ(混沌より生まれし無限の闇・f21797)は告げる。
「愛と憎しみは表裏の業……誰かを愛しただけ、それを失わせた誰かが憎くなる」
 死の盾が『同族殺し』の狂気の猛攻を受け止め、受け流す。
 漆黒の如き闇の槍が、『同族殺し』の手足を縫い止めた。
「だが……その喜怒哀楽こそが混沌の源……」
 ケイオースは手を掲げた。
 そこに収束するは万物万象その全てを腐食させ消滅させる闇の瘴気。
 決着と言う幕引きを呼び覚ます万象是全てを抹殺する闇の結晶。
「貴様のような、愚かで、哀しく、救われない絶望……」
 放たれた無数の弾丸は、その闇の前ではあまりにも無力で。
 その全てが溶けて消える霞の夢の如く。
「だが、それこそが……何よりも美しいのだ」
 放たれた闇は空間諸共、『同族殺し』を飲み込む。
 かろうじて脱していたか、されど、その右腕は最早闇に飲まれて霞んで消えた。
 いずこに消えたか、それは永久に遠く彼方にある場所。
「全ては混沌の中へ……さすればいつかは愛しき者の魂、貴様の魂も一つとなり、無限の闇、混沌の中で再び見えよう」
 故に、今はここで眠るが良い。
 ケイオースの寛容なる慈悲の闇が再び、場に満ちる。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カタリナ・エスペランサ
「お疲れ様。次は貴方が愛した人の元へ還る番ね」
せめてもの誠意とばかり、常の軽薄は取り去って同族殺しへと語りかけ。
「介錯が必要なら……これも縁、最後まで付き合うとしましょう」

UCは最初に彼を支援した時と同じく【失楽の呪姫】を使用、ただし今度は自己強化による《早業》《怪力》を主軸に接近戦を展開。
《念動力》の力場展開と翼で起こす風の《吹き飛ばし》を《第六感》で使い分け罠を回避、相手の攻撃は《オーラ防御》《武器受け》で捌いていきます。此方の攻撃は黒雷を纏ったダガーと蹴技の《属性攻撃》《鎧無視攻撃》。

「“彼女”を巻き込む訳にはいかないものね」
感傷と理解しつつも、同族殺しのペンダントには傷をつけぬように。



●失楽園(パラダイス・ロスト)
「お疲れ様――――次は、貴方が愛した人の元へ還る番よ」
 自らの身に宿る魔神の魂、その一片が活性化する。
 あらゆる守りを撃ち穿つ漆黒の稲妻を右手に。
 遍くすべてに終わりをもたらす劫火を左手に。
 カタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)は自らの身の権能を解き放つ。
 剣の一撃を黒雷が打ち払う。
 無数の弾丸を翼によって巻き起こされた旋風によって巻き上げられどこかに消える。
 魔神の魂によって増幅された蹴りの一撃が『同族殺し』を吹き飛ばし、壁に叩きつける。
 その瞳に最早理性はない。
 見えるのは狂気ばかり。
 ここまで堕ちて、それでもなお、彼はそのペンダントに一撃を与えられていない。
「……彼女を巻き込むわけには、いかないものね」
 それが感傷だとは理解している。
 そして、『同族殺し』がそれに執着していると言うことも。
 だから、その黒雷は決してペンダントを狙わない。
 彼の命だけを奪い去るように、放った黒雷。
 それは彼の右足を射抜き、焼き払う。
 最早その機能は失われたであろうことは明白。
「これも縁、最後まで付き合うわ」
 黒雷と剣が、また剣戟の音を響かせる。

大成功 🔵​🔵​🔵​

宇冠・龍
由(f01211)と参加
※止めは他の方希望

憎き相手と同じ斬首の道を選びましたか……
人生はその人のもの。二度目とはいえ、死に様を自ら選ぶのなら、猟兵としても、そして死霊術士としても尊重したいものです

罠や迎撃が待っていると分かっても、捨て身覚悟で接近
(私ができるのは、これくらい)
同族殺しの魂が終わる前に、理性が尽きる前に、復讐者の持つペンダントに触れてみます

【枯木竜吟】で思い出に宿る少女の霊を今一度蘇らせ、彼と合わせます
無意味かもしれません。ただの自己満足です。しかし愛した者同士なら、病める時も潰える時だって共にいたいと思うから

愛に苦しんだ人生、最後は愛に救われてもいいと思うから


宇冠・由
お母様(f00173)と参加
※止めは他の方希望

お母様ががむしゃらに突貫するのを援護します
「流石に無茶が過ぎますっ」

私は空飛ぶヒーローマスク
地面に設置された罠は私には無意味でしてよ
お母様が罠にかかりそうなら抱えて飛んで
【智天使の抱擁】のテレポートと、得意の空中戦を駆使して立体的な軌道で戦場を移動します

空中に地獄の炎を散布しオーラ防御を複数展開
弾丸をかばい防御する盾として、時にお母様が空を駆ける足場として利用します

(あのペンダントが狙い……。きっと想い出の品)
もう運命は止まりません。止められません
お母様の成そうとしていることは、賭けですらない

でも気持ちは分かります
夫婦や親子は一緒がいいですものね



●愛に救われてもいいと思うから
 宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)は我が身も省みず踏み込む。
 狂気によって理性を失ったその身に幾重もの血線が浮かび上がる。
「流石に無茶が過ぎますッ!!」
 宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)が母を援護する。
 地獄の炎が空にばらまかれ、降り注ぎ、ときに盾として、ときには足場として龍を援護する。
(あのペンダントがお母様の狙い……。それは、きっと想い出の品)
 運命は止まらない、走り出した車輪は止められない。
 そもそも、彼の愛したソレその人も最早過去のもの。
 如何なる奇跡を用いたところで、それが現在(いま)に帰る事はない。
 過去は、過去のまま静止し、停止し続ける。
 だからこそ、オブリビオンは世界の敵なのだ。
 過去より生まれ出て、世界を止め、エントロピーの破綻を招き、世界を滅ぼすもの。
 進まない時間に意味がないように、進まない世界に意味はない。
 それ故に世界を静止させることは世界の意味を無意味に変え、破綻させるもの。
 龍の成そうとしていることは最早、賭けですらない。
(けれど……)
 その気持ちは痛いほどにわかる。
 その想いは痛いほどに分かってしまう。
 愛を誓った夫婦、番、そして、親子。
 愛によって生まれ、愛によって育まれる家族と言う絆。
 それは、一緒であるのがいい。
(私ができるのは、これくらい……!!)
 頑ななまでに、ペンダントを死守する『同族殺し』。
 けれど、龍に出来る事は、そのぐらい。
 それぐらいでしかない。
 その手がペンダントに届く。
 かすかに触れただけ。
 だけど、それだけで十分。
 世界の理(ことわり)を破壊し、無視し、書き換える。
 ユーベルコードと言う超常の理(ことわり)が、一時の間だけ、この世界を書き換える。
 浮かび上がったのは微かに、そして、弱々しく、消えそうな程に、まるで薄氷の幻。
 けれど、確かに"それ"はそこにある。
(……久しぶり)
「……あ……ああ……」
 その言葉は聞こえない。けれど、『同族殺し』にだけは分かったのか。
 理性なき狂気の復讐者、その身が動きを止めた。
 美しい金糸の、可愛らしい村娘の少女。
 それはペンダントに記された少女とよく似ていた。
 ――――否、それは、正真正銘の"彼女"だった。
「……アメリア……」
 『同族殺し』の口からこぼれ落ちた少女の名。
 その名を呼びかけられて、少女の霊は悲しそうに、微笑んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

九重・灯
言われなくても、ハナッからそのつもりだ。始末付けてやる。

同族殺しがペンダントを大事にしている理由は、わかった。
だが、ペンダントをわざわざ狙ったりはしないが、遠慮して格上相手に攻撃をひかえるつもりもない。
この体を守るのも「オレ」という人格の役割だから、油断なく全力でやるだけだ。

UC【剣劇】。剣、アザレアを構える。
命中率重視。間合いを詰めて打ち掛かる『なぎ払い5』『串刺し3』『鎧砕き6』『部位破壊3』。

相手の攻撃は『武器受け3』で弾く。

不意を突いて、影からの黒縄による行動妨害『罠使い3』『だまし討ち2』。
その隙にUCを攻撃力重視に切り替えて一撃入れてやる。



●儚き恋の喜び(アザレア)
「言われなくても分かってる。始末はつけてやる――――」
 少女の霊が九重・灯(多重人格者の探索者・f17073)に頷いて応えた。
 遠慮はしない、躊躇もしない。
 そもそも相手は格上の存在、全力でかつ本気で無ければ狩られる。
 『九重・灯』と言う体を守る事、それが今、戦いの場で出ている『オレ』の役割だから。
 アザレアと名付けられた剣を構える。
 少女の霊を見上げたまま呆然としているその身に斬りかかる。
 刹那、それでもその戦闘本能、闘争本能が反応して剣を掲げる。
 しかし、一刹那、そう、本当に一刹那と呼ぶにふさわしい時間。
 『同族殺し』の反応が遅れた。
 斬撃が奔り、その身に深い傷をつける。
 それでも、その身は止まらない、止まれない。
 叫びすらあげず、剣を構えようとする。
 その腕を影より襲いかかる黒縄が縛り上げた。
「ペンダントは狙わねぇ……だけど、ここで片はつけるッ!!」
 強烈な斬撃がその胴体に放たれ、深々とした傷をつける。
 鮮血がびしゃり、と地に滴り落ちて血溜まりを作る。
 それでも、その身は、なおも止まらない。止められない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リズ・ルシーズ
アドリブ、連携歓迎だよ!

【SPD】

愛、愛、愛、うん、ボクにはわからないね

光学【迷彩】をとき【先制攻撃】を仕掛けるよ。重力制御装置と【空中戦】によって一気に近づきながら、【指定UC】で無数の重火器を展開し、銃【属性攻撃】で【一斉発射】だね

何を植え付けられて、何を想って、その結果狂ったからってボクは同情なんてしないよ

射撃しつつ近づいて、【ロープワーク】を用いたワイヤー射出で【時間稼ぎ】しつつ、左右3門ずつの巨大なショットガンを召喚するよ

だって、一番の被害者って巻き込まれた村娘じゃないかな

最後に放つのはショットガンの【零距離射撃】、ボクには容赦する理由なんてないからね?



●愛の分からぬ鋼の機構
「愛、愛、愛……うん、ボクにはわからないね」
 先程までいなかった景色が歪む。
 母体として生み出された鋼、リズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)には分からない。
 その鋼には愛はいらなかったから、愛を理解出来ない。
 何を植え付けられたのか、それは分からない。
 何を想ったのか、それは分からない。
 それで狂ったからと言って何なのか。
 巻き込まれた少女が一番の被害者だから。
 彼女には同情する機構は備わっていない。
 無数の重火器が生成され、鋼の雨を叩きつける。
 その身に無数の弾痕が刻まれ、激しい驟雨の如く鋼が撃ちつける。
 無数のトラップは鋼の嵐の前に砕け散り、塵と消える。
 それでも『同族殺し』は止まらない。
 狂った彼に止まると言う機構は持ち合わせていない。
 三門一対の巨大な散弾砲が展開され、射出されたワイヤーが彼を縛り上げる。
 突きつけられた砲口。
「ボクに容赦する理由は欠片もない」
 砲口を突きつけたゼロ距離からの接射。
 無数の弾痕、散弾の雨がその身に風穴を開けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。分かってはいたけれど、やはりもう元には戻れないのね。

…ならば、望み通り引導を渡してあげる。

左目の聖痕に生命力を吸収させて【黒炎覚醒】を使用
心の傷口を抉る精神攻撃を呪詛耐性と気合いで耐え、
時を停滞させる黒炎の魔力を溜め“写し身の呪詛”を多重発動(2回攻撃)

自身は目立たないよう殺気や気配を消して、
無数の存在感のある残像を突撃
囮の動きを暗視させて見切らせカウンターを誘発し、
黒炎による時属性攻撃で動きを封じる

…理性が残っていれば、こんな小細工は通用しなかったはず。

第六感が好機を捉えたら怪力の踏み込みから、
黒炎を纏う大鎌をなぎ払い仕留め、祈りを捧げる

…もう苦しむ必要はない。眠りなさい。安らかに…。


クリスティアーネ・アステローペ
ペンダントの娘が先の吸血鬼に
吸血鬼が復讐者たる貴方に首を刎ねられたわけですし
その娘が彼の首を落として止める
とするのが綺麗に収まるんじゃないかしら?

銃弾は《見切り》《オーラ防御》で対処
多少の傷は仕方ないわね

折角ですし会わせてあげましょう
彼女の言葉で、彼女の手で
永遠の眠りに戻りなさい

【月の鍵】で同族殺しに見せるのは
同じ剣を持った少女の姿
声も仕草も彼の記憶そのままで
望む言葉を告げ、共に眠ろうと誘う幻
首を落とさせるという私の意志と、彼の記憶が綴った夢の像

最後に首を落としたのはさて、誰でしょうね?

遺品は埋葬してあげましょう
同じ世界を歩む者より名も知らぬ復讐者とその伴侶へ。その魂に永き安寧のあらんことを



●斬首の刻
「……ん。……分かってはいたけれど……」
 もう、元には戻れないのね。
 小さく、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は呟いた。
 ならば、出来る事は、望み通り引導を渡す事のみ。
 左目に刻まれた聖痕、その封印を開放する。
 時間を焼却停滞させる黒き炎をリーヴァルディは纏う。
 最早死に体であるその身、されど戦う事を決して止めないその姿。
 無数の残像、『同族殺し』が斬りかかる。
 されど、それは所詮、残像、本体であるリーヴァルディはそこにはいない。
「……理性が残っていれば、こんな小細工は通用しなかったはず」
 黒き炎がその身を焼き、その身を縛る。
「力は此処に 私の瞳は悪夢を綴る」
 クリスティアーネ・アステローペ(朧月の魔・f04288)がつぶやくように唱える。
 浮かび上がっていた少女の霊、その手に握られたは斬首の剣。
 声も、仕草も、彼の記憶のそのままで。
(……ねえ、あの時の約束)
「……嗚呼……覚えている……」
 それは、共に生きて、共に過ごして、共に眠ると言う約束。
 他愛もない、けれど、大切な、大切な約束。
 彼の記憶と、少女の魂が刻んだ夢の像。
 その理性なき狂気に奔らせていた身が止まる。
「……もう苦しむ必要はない。眠りなさい、安らかに……」
 その止まった身を黒き炎の大鎌が薙いだ。
 祈りの刃がその命を奪い、燃やす。
 少女の刃が同時、その斬首の剣を払う。
 『同族殺し』の首は墜ち、そしてここに静寂は訪れる。
 ――――嗚呼、けれど、最後に首を墜としたのは誰なのか?
 それを知る者はいない、けれど、復讐を志した狂気の命はここに断たれた。
 少女の霊はもういない。
 倒れ伏した『同族殺し』、落ちた首は、嗚呼。けれど。
 どこまでも穏やかに、安らかに、満足そうに。
 言うならば、幸せそうな寝顔であった。


 ――――暗雲の満ちるこの世界、そのどこかで。
 偽りから生まれ、真の愛を育み、復讐に狂い、最後にまた添い遂げた二人。
 それはどこかで眠っていると言う。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年09月27日


挿絵イラスト