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はーい、二人組つくってー

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●其れは悪魔の言葉
「では、二人組を作ってもらおう。」
 猟兵の数人が膝から崩れ落ちた。
 絶望に満ちた表情の者、膝が笑って震えている者、いまいちピンと来ていない者、グリモア猟兵であるリリィ・オディビエント(パラディンナイト・f03512)も最後の一人だった。彼女は深く気にせず猟兵達へ説明を続ける。
「……その理由だが、アルダワ魔法学園にて二人一組でないと進めない迷宮が発見された。最奥にある宝を狙って入る者が後を絶たない。猟兵のみなには迷宮を突破して、それを解決してほしい。」
 二人一組。そのあまりに凶悪かつ残忍な仕掛けに、帰ろうとする者すら現れた。
「あぁ、待て待て。何も絶対二人組になる必要はない。」
 リリィは猟兵達に回り込んで止める。コンビであればスムーズに攻略できるが、必須ではない、と語る。怪訝そうな顔で渋々話を聞いてくれる。かなり怖い。
「猟兵ならば一人で行くことも不可能ではない。だがその場合は一人で二人分の動きを見せる必要がある。例えば分身体や召喚、筋肉で解決もできるやもしれん。」
 筋肉。……手段は限られるが、多彩なユーベルコードならば、不可能ではないだろう。
「自信のない者も聞いてくれ、これは猟兵としての仕事だ。他の依頼でも時には臨時のタッグを組むこともあるだろう。その時の為に備えておこう。」
 組む相手や手段がないからと絶望する必要はない、見知らぬ相手も苦楽を共にする仲間達でもあるからだ。
「事前に組む相手が決まっている者達は、スムーズに進めるだろうが油断はしないように。罠自体に危険はないが、奥地に何があるかはわからないからな。それに迷宮内は暗く、恐怖を煽る仕掛けもあるという。そういったものに弱い相棒を守ってあげるのも大事だぞ。」
 二人組らしき男女が仲睦まじく、怖い…、守ってあげるよ、と言葉を交わしている。凄い形相の笑顔でそれを見ている者もいた。こわい。守ってあげたくないこの笑顔。
「予知で全てを把握はできない。だが、予知越しにも奥地では危険な気配を感じ取った。そう、この迷宮を突破できる者だからこそ……注意が必要かもしれんな。」
 迷宮の先にある危機、浮かれていた猟兵たちの表情も自然と険しいものになる。なぜ二人組を前提とした迷宮なのか、その答えが眠っているはずだ。
「君達ならば必ず攻略できるはずだ。健闘を祈る。」
 膝から崩れ落ちた猟兵達もその顔には希望が……達観した顔だった。孤独を生きる者達の強い決意がそこにはあった。


汚い忍者
 ドーモ。猟兵=サン。汚い忍者です。
 今回は比較的ほのぼのとシリアス、両極端なものを書いていくと思います。
 暗くお化け屋敷のような場所なので、きゃっきゃうふふしたり、協力して謎を解いたり、充実した者達を妬みながら怒りの形相で憎き迷宮を突き進んだりするでしょう。
 むしろソロの方こそ、この依頼では輝けるのもかもしれません。心は暗いかもしれません。

 事前に決めた組み合わせの方々は、相方の名前を明記をお願いします。ソロの方もその旨を明記してください。
 書いていない場合は、同様の方々とランダムでの組み合わせになることもあります。

 コンビを組んだ方には相方と仲良く攻略していき、ソロの方には高難度になったダンジョン突破を目指してもらいます。
 知り合いと来られる方は、互いの関係性を書いてもらえると誤解がなくなると思います。

 また、「こういった罠があるのでは?」という予想をたててもらっても構いません。必ず採用されるわけではないですが、対策の参考になると思います。
 二章、三章から参加される方々もソロかコンビかで変わることもあるので同様の処理を行います。
 皆さんの参加お待ちしております。
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第1章 冒険 『真っ暗仲良しドッキリ探検隊』

POW   :    手当たり次第問答無用、本能に任せ進む

SPD   :    周囲の状況を確認しながら、慎重に進む

WIZ   :    何か隠された物がないか、調査しながら進む

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シエラ・アルバスティ
※ペア禁止

「何となく一人で行きたい、そんな日もある」

考えるのも面倒、一気に走り抜ける
鍛え抜いた【ダッシュ】で迷宮を走り抜ける
【クレイジー・アトモスフィア】を使い速度を強化、緊急時に羽消費
障害物は【穿孔滅牙】で、二人必要な時があるなら適当に【勇者召喚】で一番役立ってくれそうな知性体を召喚
『ザ・クロノス』で動きの緊急停止も使用

とにかく一番を目指す。迷いを捨てて突き進む

「そもそも私は根は明るく無いしね、さぁ、楽しんで行こう」



●最速は常に一人
 真っ先に依頼へ駆け込み、突入だって最速。自慢の足と決断力は誰よりも速かった。だが、告げられた内容は二人一組という壁。
 別に友人がいないわけでもないし何ならパートナーと呼べる存在だっている。だが、あまりに早く依頼へ参加したものだから気づけば突っ走っていた。速さとは時に孤独を産んでしまうものだ。
「なんとなく一人で行きたい、そんな日もある。それに進むだけなら好都合、だよね。」
 そう真剣な目で頷いたのはシエラ・アルバスティ(自由に生きる疾風の白き人狼・f10505)、誰よりも早く迷宮へ到達し、今も尚風のように走りながらグリモア猟兵の言葉を思い出す。一人でも突破できるのならば。
「私より早い人はいないはず。」
 淡々と喋りながら進む姿は、彼女を知る友人達からすれば意外でもあるだろう。ただ駆けているように見えて、罠には警戒し、ひたすら真面目に迷いなく突き進んでいく。人前で見せる明るさが、今だけは鳴りを潜めていた。
「このブーツを履いてきてよかった。足元を気にしなくて済むしね。」
 迷宮は暗く、足元がおぼつかない。慎重に進む定石を捨てた少女だが、空気の壁をつくる装備など、充実した補助のかいもあってか驚くほど順調だった。
「このタイプのは……よし。勇者よ、召されよ!」
 行き止まりの壁、解除するスイッチを同時に踏む、といった二つの手が必要なトラップに対しては知性体の召喚の手を借りて潜り抜ける。その場に残ってもらう姿は少し忍びない。
「ごめんね!よっろしくー!――――ん、またかな?」
 声をかけてしばらく、再びの行き止まり。スイッチの存在に気づき、それを踏み抜く。ガコン。目の前の壁が下がると同時に、突如、地面の異変を察する。気を付けてはいたが、速度を気にするあまり警戒が緩んでいた。
 スイッチ式の罠は、足元から小さな檻がすっぽりと覆うように這い上がってくる。チラリと視界に移る、レバーの存在。なるほど、二人ならば片方があれを使って助けるのだろう。
「問題、ないよ…っ!【クレイジー・アトモスフィア】!」
 飛ぶ。跳躍ではなく、飛翔。背中から翼を生やして加速する。罠への警戒から足を緩める者達とは、真逆の発想へと加速する。
「世界が──私に追いついて来ない。」
 トン。瞬時のうちに檻の外へと足を着き、檻の閉じる音が遅れて聞こえる。視界が、フワリと舞い落ちる一枚の羽に惹かれる。ふと、博物館に訪れてくれる友人達の顔が頭に浮かぶ。―――凄い、と今のを見たら褒めてくれただろうか。首を振り、想像をかき消す。
「…そもそも私は根が明るくないからね。さぁ、楽しんでいこう。」
 今はこのひりつくような状態を、思う存分に満喫していたい。その想いと共に彼女は再びその足で駆けだした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ソフィア・リューカン
「………………」(周りを見渡してしょんぼりしている)
【SPD】希望です。
・サイキッカーの超感覚を駆使しつつ、人形のジェファーソンを盾に使って罠を探りながら慎重に行くわ!もし誰かと一緒に行動できた時は、できるだけ攻撃は人形に庇わせながらやってみるわ!……やれると、いいのにね……
・もし何か察知した時に、危険がないか人形による確認をしておくわ。そこで罠を見つけた時は解除をやってみるけど……難しそうなら、いっそ罠を起動してどうやって動くのかを確認してから対策しておくわね。一度見ておけば、どう動けばいいか分かりやすいからね!

※アドリブ・他者との協力歓迎です。他者との!協力!歓迎です!


ラン・ムラノミヤ
なんやけったいな迷宮やなあ……こほん。二人一組、ですか。都会には本当に変なものが多いですね。
まあ、ランちゃんくらいになるとちょうどいい「はんで」です。
修行ついでと参りましょう。
別に友人がいないわけではないです、ええ。

しかし、手数が多い方が有利なのも事実。
ランちゃんの術で補うとしましょうかね。この世の裏より、出でよ土蜘蛛。
影で出来た蜘蛛に乗って進みます。悪路難路もへっちゃらです。足の数と高さが違いますよ。
ランちゃんは悠々と偵察でもしておきます。灯りで照らしながら進みましょうか。歩かなくていいですからね、こっちに集中できます。

一人でも、組んででも。どちらでも構いませんよ。



●価値観
 しょぼん…。ソフィア・リューカン(ダメダメ見習い人形遣い・f09410)は、それはそれは悲しい顔をしながら一人歩いていた。
 ――だって、真っ先に飛び出した人を追って、ドンドン組み合わせが決まっちゃって……私も急がなくちゃって…!
「わ、私にはみんながいるわ!」
 持ち前のポジティブさを発揮しながら、大好きな人形を抱えて暗い迷宮を進んでいく。
「暗くて怖いけど、慎重にいかないと…お願いジェファーソン!」
 青髪の人形が勇猛果敢に突き進んでいく。後ろではソフィアと共に、レイニーの名を授かった人形が武器を構えていた。
「あ、でも敵は出てくるのかしら?忘れちゃったわ…。」
 きょとんとしながらも、友達の人形二人と歩いていく。

 暗い迷宮の一角。ここにもまた、一人で冒険をする少女の姿があった。
 ラン・ムラノミヤ(未知多き道の渡り人・f08127)、自信満々に乗り込んだ彼女だったが。
「"とらっぷ"が思ったよりも厄介ですね」
 既に道中では、いくつかの仕掛けに道を阻まれていた。二人ならばとかく、一人での突破はなかなかに難しい。彼女は知らないが、中でも比較的罠の多い道へと潜り込んでいたのだ。
「まあ、ランちゃんくらいになるとちょうどいい"はんで"です。」
 それらを乗り越えたのは、彼女のUCを用いた妖怪の召喚によるもの。影の蜘蛛を乗りこなした上で、悠々と進んでいた。
「まぁ?実質召喚者のランちゃんが有能といっても過言ではないですね。それにしても変な仕掛けばかりです。」
 意外だと呟く表情。今までに道を阻んだ仕掛けといえば【暗闇の中、ボールを投げ合う】、【ツイスターゲームの要領で特定のボタンを押すしかけ】など、なかなかにユーモアなものばかり。前者は蜘蛛が足で投げて、後者に至っては想像以上に器用で一人クリアしてた。凄いなこいつ。
「さすがランちゃんの土蜘蛛です! …灯りの符、数には注意しないといけねーのが面倒ですね。」
 偵察に伴い、灯りを焚いて進んでいく。高所、灯り、負担のない移動により偵察は完璧なものだと思っていた。
 ―――部屋自体がまるごと罠という状況でさえなければ。
「はぁ嘘やろ!?」
 牢屋のような部屋に閉じ込められたランは、素っ頓狂な声をあげた。
「……ふぅ、猿も木から落ちるともいいますし、誰か来てくれることを祈りましょうか。」
 灯りを消し、そんな彼女の呟きから数刻、二人の猟兵は会合を果たす。

「えぇ!私に任せてほしいわ!」
 先陣を切っていたソフィアの人形が、牢屋に居たランを見つけ、事情を聴いた後に開口一番で胸を張った。
「お願いします。この魔法の檻相手では、ランちゃんの召喚は効果がないですから。」
 隙間から通ることすら許さない魔法の檻、手をこまねいていた所にようやく救世主が現れたのだ。少し弱きになっていたランの表情も明るい。
「……それで、これはどうやったら解除できるのかしら?」
 救世主、頼りない。ランの顔は少し暗くなった。
「えぇ……。えっと、ですね。多分近くに解除できるスイッチ的なあれこれがあるはずですから。」
 助言を聞き、ソフィアは頷いて探し始める。人形を用いれば発見は容易だ。
 ぽちっとな。――魔法の檻の形がギザギザになった。
「いやなんで形変わるんや!?いらんやろそれ!!?」
「ギザギザ版って書いてあったわ!」
「書いてあるんかい!」
 ひととおりの漫才を終え、何とか檻から脱出ができたランは律儀にぺこり、と礼をしながら提案を投げかける。
「助けてもらった恩も返したいですので、しばらく行動を共にしませんか?想像よりとらっぷがひっでーですし。」
「い、いいの?」
「賑やかなのはよいことだと思いますので。ランちゃんは、ランちゃんですよ。」
 その返事に、もちろん!とソフィアも嬉しそうに返す。
「では、私が先行しますので、
 先行しようとランが前に行く。そこでソフィアがあることに気づいた。
「あら、あなたもお友達と一緒なのかしら?」
 それなら、とソフィアは二体の人形を持ち上げて紹介しようとする。
「私はソフィア、この子たちはジェファーソンとレイニーよ。……って、見えないわよね…。」
「ご挨拶ありがとうございますよ。"ふれんど"さんにも挨拶しますから、灯りをつけるまでちょーっとお待ちくださいね。」
 互いに見て挨拶を交わそうというランの気遣いが光る。灯りも光る。カサカサと動く巨大な蜘蛛。あがる悲鳴。……ランは後日こう語った。
 ―――いや。かわいいやん……?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

麗明・月乃
【ソロ参加】
さて、みぃと行くかの。
【鶏の頂点に立つ少女】を使ってまずは鶏を地面にぶつける。にわとり増える。上に乗る。にわとり運ぶ。
これぞ鶏神輿…え?あれ?ちょっと待ってみぃがまだ来ておら…ま、待たんかーー!?(鶏に連れ去られる)

・洞窟in
…ま、まあ良い。
心細くはないのじゃよ!本当じゃ!
【薄明を告げる者】で召喚した鶏とひよこを先行させる。
これで落とし穴とかがあった時の対策もばっちりじゃな。
…数を増やして紛らわしたいとかそういうのではない。

野生の勘を駆使して隠し扉とか通路がないか、壁をこんこんとかしながら進む。
何か怪しい所があれば「封印を解く」事ができないか試すかの。
二人組な奴等には負けんのじゃ!



●それは黄色くて小さな煌めき
 ついにこの迷宮にも、待望のコンビが現れた。友人同士で依頼へと赴いた少女達は、暗い迷宮でも和気藹々と進んでいく。
「さて、いくかの。」
「お師匠さまー。がんばれなのー。」
 師と仰がれているのは麗明・月乃(夜明けを告げる金狐・f10306)、カールの髪をふわっとかきあげながらドヤ顔で威厳を見せようとしていた。
「うむ!私に任せろ、なのじゃ!」
 そういって月乃は懐から鶏を取り出した。鶏。トサカが猛々しいあいつだ。
 おもむろにそれを地面にぽてんと投げつける。コケー!
 一連の奇行は彼女のUC【鶏の頂点に立つ少女】を発動するための儀式であった。一手間が良い鶏を産むとは、彼女の至言かも知れないしそうでないかもしれない。
「見るがよい。私の高貴なオーラと、鶏神輿の力なのじゃ!」
 分裂する鶏、地面を埋め尽くす羽毛の絨毯。まさしく数の暴力、否、鶏の暴力だった。
「これぞ鶏神輿…え?あれ?ちょっと待ってみぃがまだ来ておら…ま、待たんかーー!?」
 神輿となって担がれている月乃だったが、その言葉は鶏たちのけたたましい声によって届くことはない。悲しくも鶏は鶏、鳥頭の彼らは月乃だけを連れ、地響きと共に迷宮の奥へと進んでいった。

 暗闇の中、鶏に運ばれながら月乃は考えるのをやめた…ということはなく。
「みぃが心細くしてないかのう…いや、私は心配しておるだけじゃからの!本当じゃ!」
 鶏がコケ、と返事する。手慣れた感じだ。
「どこかで合流できるように明かりを付けておこうかの!そう、見つけやすいように、なのじゃ。」
 そう言いながら指輪の一つかざす。紅の宝石がはめられた指輪に僅かな力を込めると、灯火の明かりが周囲を照らす。
「うむ、これで一安心じゃの」
 満足げに頷く月乃だが、大量の鶏を引きつけながら、ぼやっと明かりが灯っている姿はかなり恐怖の絵面だった。
 不幸か否か、誰とも出会わずに行き止まりの小部屋へと辿り着くことができた。
「さて、ここからは数より質、じゃな。薄明を告げる者(サモン・テルズトワイライト)!」
 ………シーン。
「―――あれ!?はっ!な、ない…!」
 だが、ここにきてハプニングが発生する。もう既にハプニングまみれとは言いはしない。
 使おうとしてたUCを発動するための触媒――恐らく法具のようなものか、それが見当たらない。服をゴソゴソ、あれじゃないこれじゃない。
「むっ!」
 目的の物が手に触れ、奥底から取り出す。こんな時のために仕舞っておいたのだろう――さすが私じゃのぅ、と失敗を棚において自画自賛する。
「改めて、【薄明を告げる者】!」
 現れたのは戦闘力を有するニワトリとそしてヒヨコ。戦闘力のあるヒヨコとはよくわからない、が。月乃にとっても予想外のことが起きた。
 ――ピヨォ…ッ。
 めちゃくちゃ渋い声で、眼光がキリッと鋭く、威風堂々としたヒヨコがそこにはいた。心なしか眉毛が太そうな作画――もとい雰囲気を出していた。
「なんじゃお主ぃ!?」
 どうやら変な触媒だったようだ。ちなみにニワトリは普段通りだった。
 ヒヨコは颯爽と部屋へと突入し、安全を確保。どうやら何もない小部屋のようだ。
「ふむ…私の勘が怪しいと言っておる!」
月乃達は隈なく部屋を調べる、コンコン。
「むっ、見つけたのかえ?」
 部屋の隅、隠されていたボタンを見つけたのは、例のヒヨコだった。ふぁさっと小さな主翼でかきあげる、主従で似たもの同士だ。
「お主そんな凄かったんじゃな…。よし、出でよ秘密の扉!」
 てーん、気の抜ける音と共に部屋に僅かな明かりと、文字の書かれたプレートが現れる。
『この部屋に10分間いれば奥への道が開かれるよ。狭い空間に二人っきり、急接近のチャンス!』
「……。」
 …………。ピヨォ……。
「いや私一人なんじゃけどぉーーーー!?」
 崩れ落ちる月乃。二人組に勝ちたかった…ただそれだけだったんじゃ…。
 孤独を感じるその背中を優しく撫でる二つの影。
 ピヨォ…ッ! コケー!
「お、お主ら…!」
 暗闇の中、鳥達の優しい囀りと共に月乃は孤独を耐え抜くことができた。
 普段は主従のような関係に、少しだけ暖かさを感じる日だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

神月・瑞姫
【ソロ参加】
妖狐のお師匠さま
月乃おねーちゃんと参加なの
(関係:ポンコツ師匠と優秀な弟子

おぉ
お師匠さまお得意の鶏召喚なの
相変わらずすごいの…ってお師匠さまーー!?
どこいくのーー

はっ、なるほどなの
これはお師匠さまの試練なの
みぃは1人でも【勇気】を出して迷宮を越え
お師匠さまに追いつくの(2章で合流予定
【月影分身の術】

この術で2人になればきっと大丈夫なの×2
分身に先行させ
みぃはフォックスファイアの狐火で明かりをつけて進むの
…怖くない…怖くない…(罠に気を付け【忍び足】でおそるおそる進む
不安な時は分身と【てをつなぐ】したり仮面の神様にお【祈り】
あれ?ここ床の色違うの
…薙刀で【鎧無視攻撃】
崩れるか試す



●キセキ
 時は少し遡り。
「見るがよい。私の高貴なオーラと、鶏神輿の力なのじゃ!」
 瑞姫はおぉ、と感嘆の声をあげる。師の得意な鶏の召喚、視覚的にも変わらぬ凄さを見せつけられたまま――
「ってお師匠さまーー!?どこいくのーー…」
 師は連れ去られた。瑞姫の声も鶏たちの嘶きにかき消される。
 …。
「はっ、なるほどなの。」
 一人納得する瑞姫。敬愛する師のことだ、これは瑞姫への試練なのだと行き着いた。……真実は時に残酷である。
「一人でもできるってこと、見せなきゃ、なの。」
 そうと決まれば即座に狐火を生み出し、滞空させて明かりを確保。既に師よりできてるところを見せつけながらも更に術を紡ぐ。
 【月影分身の術】UCを用いた分身の術、これならば一人でも安心だろう。
「「頑張って追いつくの。」」
 通路内に二重の声を響かせ、師を追いかけ始めた。

 先行させた分身体は。簡単なトラップ――ころばせるものや驚かす仕掛けを難なく乗り越えて進んでいく。自身と瓜二つながら、恐れず進む姿はなんだかいつもより頼もしく見えた。
「みぃも負けてられないの…。」
 勇気を胸に、でも慎重に忍び足で進んでいく。
 ――月神様、みぃに勇気を…。暗闇の中、祈りをささげると、仮面が僅かに光を帯びたように感じた。
 その光のおかげか否か、瑞姫は床の異変に気付く。
「これは…えいっ…!」
 薙刀をふりおろす。破壊音と共に脆い地面の一部が砕けて全貌が露わになる。それは地下へと進む秘密の道だった。
「もしかしたら、大発見…かも?」
 階段を、手を引いてくれる分身体と共に下っていく、その手は暖かった。
 恐怖を乗り越え、たどり着いた先には門があった。門は固く閉ざされている……だが、門には張り紙があり、そこにはこう記されている。
 『汝ら。親愛なる者へ、本心からの賛美の言葉を送り合うべし。さすれば扉は開かれる。』
 要約すると、互いに褒め合え、という事だ。希有な試練だが、こと此処に至ってはタイミングが悪い。
「どうしよう…。」
 喋ることはできるが、本心となると難しく、分身はあくまで術の範疇だ。そもそも自分で褒め合うなんて、気恥ずかしくてとてもとても。
「いったん戻るしかないよね…。」
 そう呟いた瑞姫の正面に、分身体が回り込んでくる。何故、と疑問に思いながら見つめていると。
 分身体はおもむろに瑞姫の持つ仮面へと手を伸ばす、分身体にはなかったそれを顔に当てはめた。分身体は笑みを受けべる、瑞姫が見せないような表情を。
「……そうじゃのう。やはりひたむきな努力家という所は捨てがたい所じゃな。」
 ―――え?
「根は気弱な癖に、決して歩を止めぬ姿は、幼くとも神月の巫女に相応しかろう。」
 仮面をかぶった"なにか"がそう言葉を紡ぐ。瑞姫は混乱と焦りでわたわたしながらも、今この瞬間が貴重であることだけは理解できた。
「み、みぃも……いつも頼りにしてて、かっこよくて、大好きで――――。」
 ――わかっておるよ。
 顔を真っ赤にさせながら、その一言を振りしぼった後、瑞姫の意識が暗転する。

 ぱち。
「はわっ、夢…なの?」
 白昼夢か否か、目を覚まし、その場に倒れていた体を起こす。顔をきょろきょろさせても目的のものは見当たらないが、少女の前にあった門は、既に開かれていた。
「…ありがとう、なの。」
 頭にのせられていた仮面に触れながら歩き進む、口元に微笑みを浮かべながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

白那・真瑚
東雲・夢音(f02351)と一緒
ゆね、と呼ぶ
関係性:お互い意識し始めたばかり

ゆね。怖くないよ
ほら、手、つなご。これなら、大丈夫…
ひゃう!?(脇を掠める振り子刃にびくぅ、尻尾ピーン)
…大丈夫、だいじょうぶ。このくらい…
ひぃ!?(足元の冷たい冷気にびくぅ、また尻尾ピーン)
……怖くない、こわくない、うん(尻尾の毛が逆立ってる)

あ……(ぎゅっとされて
…ゆねは、あったかいんだね
うん…落ち着いたけど…(尻尾の毛が元に戻ってる)
…もう少し、こうしてたい(ぎゅっとお返し


東雲・夢音
白那・真瑚(f01712)と一緒 呼び方:まこ 関係性:意識し始め?

ん、一緒に頑張ろう。て、つなぐの?うん、いいよ、仲良くなの

大丈夫、距離あるし、そうそう、切れない…まこちゃんどうしたの?大丈夫、そう…

今度は冷気、私の氷のほうが冷たいの(くちゅん

…まこちゃん、しっぽ、たってるの、こわい?(もふり
落ち着いた、です?…うん、いいの、まこちゃんも、あったかいの(もふもふ



●絆の架け橋
 二人の女の子が 手をつなぎながら迷宮をてくてくと歩いていく。まるでおとぎ話のように、仲睦まじく歩いていた。
「これなら、大丈夫…。」
「ん、一緒に頑張ろう。仲良く、なの。」
 言葉は少なく、それでも掌から伝わるぬくもりが、ぽかぽかと心をあたたかくする。
 白那・真瑚(ティルナノーグ・f01712)は左手を、東雲・夢音(氷炎術師・f02351)は右手を、それぞれつないでいた。
 道中、ゆっくりと進んでいると、足元にあるスイッチをふんでしまう。
 ――わっ…! あぶない!
 どちらの声か、振り子のように迫ってくるサンドバックのような何か。
 ヤマネの尻尾をピンッと立て、真瑚が受け止める。びっくりして当たってしまったのだけれど。
「あぅ…!」
 ぽふん。
 足のもつれた真瑚の体を、夢音が受け止め、髪をなでる。安心させるようにやさしくゆっくりと。
「ありがとう、まこちゃん。でも、気をつけてね。」
 真瑚はえへへ、と照れながらギュッと抱き着き、ありがとうの言葉を返してから離れる。
 あらためて、足元を気を付けて進む二人。だが、まっくらでよく見えない。
 ――明かり欲しいね。…うん。そんなやりとり応えるように、辿り着いた部屋には一つの灯り。火がメラメラとマッチを燃やし、ランタンが7つ並んでいる。その奥にある扉は固く閉ざされていた。
「ヒントがあるよ、『始まりは赤?』……なんだと思う?まこちゃん。」
 んー…と頭をかしげる姿はかわいらしいけど、謎は謎のままだ。二人でうんうん考えながらいろいろと試す。
「それぞれ違う色、だね。」
 ランタンは火を点けると、別々に七色の炎が灯る。七色……。
「もしかして…虹?虹の色…、赤色から始めて七つ―――くちゅん」
「ひゃう!?」
 気づきと同時に、二人に足元を冷気がなでる。時間が経つごとに、部屋が冷えていく異変にも気づいたのだ。
 ぷるると震える真瑚へ小さな手が伸びる。
「大丈夫、こうすればあったかいよ……。」
 ぎゅっと、夢音が真瑚を抱き寄せる。手のなかの小さな震え、それは寒さか否か。震える尻尾をもふりとなでなで。
「…まこちゃん、しっぽ、たってるの、こわい?」
「こわい、けど…ゆねがあったかいから平気。」
 びっくりした顔のあと、照れたように笑う姿を見て安心する。のんびりしているわけにはいかない。夢音は気遣いの裏で焦りを感じていた。
 それを吹き飛ばすように、真瑚がその手を力強く握る。
「マコとゆねなら、絶対大丈夫だよ。」
 手をぎゅっと強く握りながら、真瑚はかつてないほど真剣な眼差しで頷いた。その瞳に勇気をもらった夢音の心があたたかくなる。
 虹の色をふたりでいっしょに、順序を照らし合わせていく。寒さも恐怖も、二人なら乗り越えられる。そんな信頼が築き上げられていった。
 ――赤、橙、黄色、緑、水色、青、紫。

 パァァァァ―――。

 ランタンから光りが伸びる。橋を架けるように七色の光りが部屋の中を駆けまわっていった。
「キレイ、だね。」
「……うん。」
 扉が開くまで、身を寄せ合いながら部屋にかかる虹のアーチを眺めていた。
 この景色は、二人だけの想い出だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シュトフテア・ラルカ
二人組、ですか。
確かに猟兵として即興のパートナーと組むことは何回かあったですね。
私は基本支援に回るですし、もっと慣れておくのはいい考えなのです。

何があるかわからないですし、ドローンをまず飛ばしますです。
届けられる情報を適宜確認しつつパートナーに共有し、【第六感】で違和感がある場所などを探すです。
罠などは解除する技術はないですし【スナイパー】技術で打ち抜いて破壊していくですかね。

パートナーになった方が攻撃をしかけるようでしたら【援護射撃】で援護するのです。
足りない部分は補いつつ、確実に攻略していくのです。
私では難しそうなところは…あなたの力が必要なのです。お願いしますですよ。
※誰と組むでも歓迎


キャナリニア・カルコメラン
自分ほどの人形遣いでありましたら人形は一人と同義、まさに一心同体、デフォルトで実質二人組でありますからなー!ねー、ケイニス!(騎士人形の名前。今付けたであります)

ダンジョン攻略の基本は情報収集、マッピングと罠位置、隠し通路や隠し部屋の確認忘れてはならないであります。でありますが、灯りはケイニスに持って貰って、自分が探索を行う。時にはケイニスの盾でかばって貰いつつ、一歩一歩確実に。完璧なプランでありますな!ふふん、ケイニスもそう思うでありますか!


や、やっぱりもう一人、相方が欲しくなってきたであります!誰かー!誰か氏ー!
(他者との協力有無、お任せであります)



●万全を崩すは万が一の発想
「シュトフテアというです。よろしくお願いするのです。」
「キャナリニアであります!任せてほしいのであります!」
 特徴的な口調という共通点と、ミレナリィドール同士ということで、臨時のコンビを組んだ二人。シュトフテア・ラルカ(伽藍洞の機械人形・f02512)と、キャナリニア・カルコメラン(スクラップドール・f07077)は順調に道を進んでいた。 
「人形を先行させるという発想は凄いのですよ。私ではできないのです。」
 キャナリニアの人形は灯りと盾を手に、先行している。その間に探索を行うことで安全を確保しているのだ。
「そうでありましょう!頼れる相棒なのであります。……ねー、ケイニス!
 それにそれに、そちらのドローンも凄いでありますね!」
 ケイニスとは今つけた名前だが、そんなこととはつゆも知らず、感心した表情でシュトフテアは頷く。キャナリニアの人形が地上を、シュトフテアのドローンが空中を偵察することでかつてないほどの安定感のあるコンビが誕生していた。
「んん、ここ怪しいと思いますです。」
 万全の態勢は更に加速する。シュトフテの第六感は、死角から迫りくるこんにゃくすらもよけることができる。同じ要領で、罠の早期発見も可能とした。
「罠は自分に任せるでありますよ!」
 機械人形としての性能か、簡単なトラップしかないこの迷宮においてはその技術が遺憾なく発揮されていた。
 急造のコンビでありながら、この迷宮の中で最も危機のない探索が行えている。
「いやぁ、一人では不安でありましたけど、シュトフテアが来てくれて助かったでありますよ!」
 マッピングしながら、怪しそうな場所のチェックも忘れない。もう一人で十分なのでは?とツッコミを入れるものはこの場にいない。
「『誰かー!誰か氏―!』と叫んでいて思わず声をかけたのですが、いいパートナーを見つけましたのです。」
 シュトフテアもまた、一人で潜れるほどのポテンシャルがあるうえで、協力を選んだ。もはや一分の隙すらないコンビだった。
 だが、到着した部屋の仕掛けは、万全の盤上を崩しかねないものだった。
「箸でご飯を食べろ……ですか。」
「どういったスタンスでありますかー!?」
 食卓に置かれていたのは異常に長い箸と、掴みにくそうな食材達だった。どういうことだ、ただ一つわかるのは、一人で食べるのは大変そうだなというぐらいだ。
「食べさせ合え、という事なのですね。」
 せっかく一歩一歩確実にコンビとしての仲を深めていたのに、唐突な全力幅跳びである。どちらが箸をとるか、食べる方、食べさせる方、どちらもが地獄、もはや安泰の地なし。
「――私では難しそうなところを任せられる、あなたの力が必要なのです。」
 すごい決め顔で任せた、それを言われては腹をくくるしかない。キャナリニアは人形を操るときのような繊細な箸使いで、一粒の豆をつかみ取る。箸先はプルプルと震える、今にも落ちそうだ。
 ぱくっ。
 慌てて食べにいくシュトフテア。女の子二人という状況なのに不思議な緊張感が走る。
「くっ……い、いまの箸捌きで集中力をつかってしまったであります…!このままでは落としてしまうかもしれないでありますなー!」
 まさかのカウンター。チラ見戦法にツッコミを入れるにはまだ交流が足りない…。腹をくくったシュトフテアは、スナイパー技術を用いたのかもしれない箸裁きを見せつける。
 そんな風に、それとなく押し付け合いながらも仲良く食卓を囲むことになるのだった。恐ろしいトラップだったと二人は後に語る。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ペパシア・ドロキペ
ソロですわ。でも待って、カラスさんがいたらカラスさんと組みますわ。…いないんですの?ならソロですわ…。
迷宮は暗いということですのできっと落とし穴とかあると思いますの。木の棒で前方を探り探り進みますわ。これも広義での【フェイント】と言えるんじゃないかしら
暗いのは怖いので鼻歌を歌って自身を【鼓舞】しながら進むのですわ…。頑張れわたくし!



●ペッパーちゃんの大冒険
「ソロですわ!」
 そう一人叫んだのはペパシア・ドロキペ(お嬢様はカラスと戯れたい・f00817)。カラスよけの案山子に命が吹き込まれた、少し変わった、けれどとても愛らしい、ミレナリィドールの一人だ。彼女は"冒険"を求めて依頼へと現れた、不思議な迷宮に興味津々!
 そんな彼女がなぜ一人なのか?そう、カラスさんと組もうとしたがダメだったのだ。とても残念。
 そんなこんなで、ペパシアの冒険が始まる!

「フェイントですわ!フェイントですわ!!」
 こん、こん、と木の棒で探り探り地面を叩いていく。傍から見ると奇妙な行動。なんだろうか。
「―――落とし穴ですわ!」
 木の棒がメリッと地面にめり込む。するとスッポリとはまってしまいそうな落とし穴がそこにあったのだ。なんたる幸運。否、ペパシアは地面を警戒してコンコンしていたのである。見事、ペパシアは暗闇の落とし穴を潜り抜けたのだった!
 ペパシアの冒険は続く。

「ふふふーん♪こわくないですわー、こわくないですわー↑↑」
 ちょっと声が上ずりながらも、鼻歌を奏でて自信を奮い立たせるペパシア。
「あら、これはなんでしょう?」
 足元からガゴンという音と、なにかを踏み込んだ音が。下を見ると、何かが落ちている。ペパシアがしゃがみこんでそれを拾っていると、その上空をサンドバックのような物体が飛来していった。幸運にも彼女は、罠を回避したのである! 
「誰かが落としたのかしら?届けてさしあげないと!」
 そんなことも露知らず、ペパシアは拾い上げたものをじーっと見る。ペパシアの知識では笛のようなものに見えるそれを大切に仕舞いながら、止めていた足を動かす。
 ペパシアの冒険はまだまだ続く。

「あらら?」
 木の棒でコンコンしていると、なにかが作動した。すぽん、檻のような大きな鳥かごが上から落ちてきた。見事にはまってしまい、困った顔で首をかしげている。
「あら、でもこれって、見たことあるやつですわね!
 何かに気づいたペパシアは、籠の下の方をガサゴソと探っている。本来これはレバーを使って解除する仕掛けなのだが―――ペパシアは似たようなものを知っていた。
「鳥さんを捕まえるときに使うやつですわ、畑にありますの。」
 仕組みを知っていればあら簡単、体から提げている袋やバックからなぜか入っている農具などを取り出し、見事に解除することに成功した。
「これなら大きなカラスさんを捕まえられるかしら?でも、大きすぎて持ち運べないですわ……」
 ペパシアの冒険はもうちょっとだけ続くのじゃよ。

「あら、着きましたわね!」
 そんな風に幸運や知識、様々なものを味方に順調に進んでいったペパシアはついに大きな広場へとたどり着いた。そこではグリモアベースにもいた猟兵達が立ち往生していた。どうやら、ひとまずは一人旅が終わったようだ。幾人かの猟兵は、一人残っていたペパシアを心配していたのか、その姿を見て安心したような表情を見せている。
「みなさん。ご無事でなによりですわ!わたくし、これを拾ったのですけれど、どなたかの落とし物かしら!」
 とてもゆっくりな進行だったが、ペパシアにとっては一つの冒険を終えたかのような満足感に笑顔で、ムフーと息をついた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ネバメーバ』

POW   :    はじける
【攻撃された際、飛散した肉体の一部 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    からみつく
【ネバネバ 】【ドロドロ】【ベチャベチャ】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    ふきつける
レベル×5本の【酸 】属性の【自身の肉体の一部】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●服以外も溶かします。
 様々な罠の仕掛けられた通路、多方に行き渡っていた道は、最終的に同じ場所へとたどり着いていた。その部屋は今までとは違い、ある程度の視界は確保ができ、只ひたすら広いが何もない大部屋だった。
 一番最後にたどり着いた案山子の少女、ペパシアは疑問を投げかける。
「どうしてみなさんここで待っているのかしら?」
 それに答えたのは、最も早く辿り着いたにも関わらず立ち往生するはめになっていた最速の少女、シエラが答えた。
「ここが最奥なんだけど、ほらあそこにある数字を見てみて。」
 そう指をさした先には、この部屋に唯一あるパネル。そのパネルには、丁度この部屋にいる人数と同じ数字が書かれていた。なるほどですわ、とペパシアは頷く。人数を数えているということはすなわち、人数が必要ということだ。
「あなたが来るまではあの数字が一つ足りなかったから、多分何かが起こるはずだよ。」
 警戒しているのか真剣な表情でそう忠告した少女。そしてその言葉の通り、それは起きた。

 パンパカッパーン!!

 軽快なファンファーレが鳴り響く。あっけにとられる猟兵達。

 パンパパカカカカ、ガガガ―――バァアアア……。

 音が、まるで壊れたラジオのように不快な羅列へと変わっていく。なにかの器械音声が流れているが、もはや言葉としての体制を保ってはいない。眉を顰める猟兵たちに更なる試練が降り注ぐ。部屋全体が揺らぐような地響きと共に、天井から何かがはい出てくる。"それ"は不快感を与えるマゼンタ色のネバネバとした液体。だが、何より恐ろしいのはそれが意思を持っているかのようにうごめいている事だ。
 べちゃっという音と共に、大量のスライム状の化物、『ネバメーバ』は猟兵達の間に降り注ぐ。
 混乱しながらも対処する猟兵達は、まるで図られたかのように二人か、あるいは一人に分断され、対処を余儀なくされた。
ヴィクティム・ウィンターミュート
ちっ、どうやら出遅れちまったか?しゃーねえ、スライム共の殲滅に取り掛かるとすっか。まぁ、任せてくれよ。集団を一気に片付ける術なんざ、星の数ほどあるさ。

ユーベルコードを使って、スライムどもに爆撃戦術を仕掛ける。密集したタイミングなんかでぶつけりゃ効果的だろうし、余裕があれば他を助けることもできるかもな。飛んでくる酸やら攻撃は【見切り】と【ダッシュ】で出来る限り避けて、走り回る。【早業】もあるんだ。動作の一つ一つから隙を排除して、効率的に立ち回っていくぜ。

アドリブ等は歓迎だ。好きに料理してくれ。



●ホット・エルズィ
「ったく、スタティックまみれの迷宮だなぁおい。」
 天井から続々と降り注ぐネバメーバの登場は、ヴィクティム・ウィンターミュート(ストリートランナー・f01172)にとっても想定外だった。だが、彼にとってトラブルで思考や足を止めることは愚行にすぎない。
 思考と体を加速させながら、ネバメーバと、猟兵達の間をすり抜けるように駆けていく。すれ違い際に、魔法の短剣で斬り付ける。狙い通り、その手の攻撃が効きそうな見た目のネバメーバは大きく体が抉れる―――だが、
「…!? 不用意に攻撃するな!はじけるぞ!!」
 パァン!と、ネバメーバの本体から切り離された部分が爆散する。ヴィクティムは【ダッシュ】による急加速で離れながら猟兵達へ向けて叫ぶ。
 その声や光景を見聞きした猟兵達の手が止まる。ネバメーバの多くは猟兵達の間に存在し、安易な攻撃が許されない状況へと陥った。
「…なぁに、集団を一気に片付ける術なんざ、星の数ほどあるさ。」
 そんな状況でも尚、ヴィクティムは不適に笑みを浮かべた。

 一人で尚も疾走し続けるヴィクティム、意外なことに一度も捕まらずに走り続けていた。
 それは二人組が多い中、一人だからこその機動力、そして何より、動き続ける脳と体がそれを可能としていた。
「猟兵の位置は全部覚えてる、スライム共もそろそろ"視えて"きた。」
 ソロなのは以前変わらずだが、この大部屋には猟兵達がいる―――なら問題ない。
「こっからはアドリブだが、問題ないな!」
 ネバメーバ達もただ翻弄されるだけでなく、体の一部を液体として飛ばしてくる。全方位から襲いかかる攻撃を、【見切り】によって避けきる。床にぶちまけられた液体は、地面をジュゥと溶かす酸だった。
 こいつは服が溶けるだけじゃ済まなさそうだな―――。そんな感想を抱きながらも、ヴィクティムは時々叫ぶように他の猟兵達へ言葉を投げる。
「そのスライム共は、誰かが引っ張れば簡単に取れるぞ!二人一組でくっついて動け!」
 情報の重要性をよく知るヴィクティムは、どこかで誰かが得た情報を伝達しながらも、作戦の段階を進めていく。
「なるべく各個撃破していけよ!集団に囲まれるとさすがに不味いからな!」
 猟兵達は各々で陣形をつくりながら動く。誘導は少しずつでいい、猟兵はネバメーバ達より移動が早く、自然と猟兵達の塊が部屋の一方へと集中していく。
 それを囲みながら、ネバメーバ達はじりじりと追い込んでいるように見えた。
「追い込んだ……スライムでもそんな風に思うのかね?
 まっ、スクイッシィーの発想はそこが限界だ。」
 猟兵達の間にいることで、ダメージを受けても被害をまき散らせる、最初の状態が敵にとってのピークだった。ヴィクティムは最も恐れた状態を崩し、敵の密集したゾーンを作り上げたのだ。
 ――食い散らかせ、蠅の軍勢
「『 Saturation Suicid 』」
 八十機もの小型ドローンが展開され、空を伝ってスライムたちの上空へと集まる。
「はじけてーんなら手伝ってやるよ。ただし、行き着く先はあの世だ。」
 
 爆撃、爆音、爆炎。

 すべてのドローンが自爆する爆発物として飛来し、密集したネバメーバ達を飲み込んでいく。弾けた瞬間には爆発がそれを飲み込み、細分化されていき果てには燃え尽きる運命だ。
「これが知恵ってやつだ。冥土の土産に持っていきな。」
 一人の力で全てを殲滅することはできないが、問題ない。あとは味方の戦力で十分だろう。
 負担をかけた体と脳を休ませながら、一仕事を終えた顔で戦況を見守る。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シエラ・アルバスティ
うわーん、やばいBGM鳴った後にやばいの出て来た
走ってリフレッシュした後なのにぃ……許すまじ!
『雷刃』でスライムたちを狙い穿つ!

「この勇者シエラの経験値になるがいい! ふはははは!!」(悪ノリ)

『魔糸』を伝う放電で焼いてトドメ!
そして精霊槍『シルフィード』の突風を起こす力で換気!

でもこれじゃキリがない……
そう、他にもっとスマートかつ現代的な方法が──そうだ!

「奇跡は自分で作り上げる物……イッツァショーターイム!! 何が出るかな♪(×2)」

【ガジェットショータイム】発動
そう! 私って実はガジェッティア(魔導蒸気機械技師)だったんだよ!!(今思い出した)
……えっ。コレ説明書とか無いの?



●ただ一つの。
 シエラは迷宮までの真剣な表情を崩し、にへらと笑みを浮かべていた。
 一杯走って気分もリフレッシュ、友達と合流できたことでテンションが上がってきた!
「可愛い二人に、こんなやつらを近づけさせないよ~!」
 ネバメーバの集団を、針の隙間を縫うように駆け抜けていく。
「文字通り、糸を通して、ね♪」
 地を這う様に走り抜けたシエラは、手甲から伸ばした魔力の糸を縦横無尽に張り巡らせていた。だが、ネバメーバに糸は効かず、ゆっくりと糸を飲み込み進行していく。シエラは焦ることなく、魔糸の更なる性能を解放していく。
 バチィッ!と糸を伝う雷撃と刃、【雷刃】と名付けた武装と魔力糸に通した電撃の力が、糸を飲み込んだネバメーバ達へと感電させていく。
「この勇者シエラの経験値になるがいい! ふはははーははっはー↑↑!!」
 気分に乗った彼女は一味違う。愚鈍な動きの攻撃はシエラに届かず、まるで無双ゲームのようだ。
 迷宮ではその冷静さと圧倒的な速度ばかり見せつけていたが、今のテンションも含めてこれもまた彼女の一面。
「うーーん、でもこれじゃキリがないよね。」
 既に十分すぎる成果だが、対峙するネバメーバの数も尋常ではない。爽快感を求めてやまない彼女は更なる一手を紡ぎ出す。今まで忘r――隠していた魔導技師としての力、UCをも惜しみなく発揮する。
「奇跡は自分で作り上げる物……イッツァショーターイム!! 何が出るかな♪何が出るかな♪」
 テレレレッテン、テレレレン―――ガジェットショータイムゥ~!と、何か青い狸のようなキャラの声真似をしながら生み出したるは魔導の蒸気機械。
「……どう使うんだろう、これ?」
 まぁいいか、と取り合えずで付いていたスイッチを押す、今の彼女に躊躇いとブレーキはない。
 ゴォォォという吸引音と共に、ガジェットは起動する。それはすべてを飲み込み、粉砕し、永久たる封印へと追いやる悪魔の機械。

 掃除機。

 しかもダイ●ンだ。
「……よくわかんないけど、スライム共、許すまじ!」
 キュポポポポポポ!!! 変わらない吸引力が、凄まじい勢いでネバメーバ達を吸い込んでいく。まるでブラックホール。酸の抵抗ごと飲み込まれる悲しい運命。
「さらにドン!こいつでどーだぁー!」
 取り出したるは精霊槍『シルフィード』。風の精霊が秘められた選ばれし者の槍。突風すらも巻き起こす神秘の力だ。
 それをダイ●ンの掃除機にくっつけた。

 ギュオオオオオオオオオオッ!!

 風の精霊もまさか掃除機とセットにされるとは夢にも思わなかっただろう。夢の共演である。吸引力が更に倍増し、ネバメーバ達は絶望に叩き落される事となった。
「ふぅ……すっきりだね♪」
 気持ちも周囲もすっきりとしたシエラは、満足そうな表情で一息ついた。新年があけての見事な大掃除だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ペパシア・ドロキペ
いやー!近寄るなですわー!
これでも味わいなさい!
ぽいぽいぽい!ぽいぽいぽい!
ユーベルコード【ポーション投擲】で上にからし味噌を投擲しますわ!からいですわ!
そして足元にもポーション投擲、畑エリアをつくってわたくし自身を強化ですわ!
ご存知ですわよね?ここから上はわたくし(かかし)の間合い。あなたたちの侵入は決して叶いませんわ…!



●絶体絶命ペパシアちゃん!
「いやー!近寄るなですわー!」
 華奢な足でぱたぱたと、ペパシアはネバメーバから逃げ回っていた。あっちへぱたぱた、こっちへぱたぱた。
 必死に逃げ回るうちに、気づけば周りに猟兵の姿はなく、ネバメーバ達に囲まれてしまう。
「し、しまったのですわー!?」
 視線をきょろきょろ、と動かすも状況は四面楚歌。腹をくくったペパシアは、懐から何かを取り出す。【ポーション投擲】、UCによって作り出されたそれは調味料の詰まった瓶だ。だが、ただの瓶ではない。
「仕方ありませんのね……これでも味わいなさい!」

 ぽいぽいぽい!ぽぽいのぽい!

 からしの入った瓶が降り注ぐ。何にでもへばり付くネバメーバ達はそれを取り込んでしまい、紫がかった液体が赤色に変色してぷるぷると震えだす。味覚があるのかこいつら。
「もういっちょ、ですわ!」
 そしてペパシアはその瓶を自身の足元にも降りかける。からしがぶちまけられる―――のではなく、地面にあたるのが条件でこのUCは効果を発揮する。
「お味噌、コショウに、からし!美味しくなーれ、ですわ!」
 地面がみるみる間に、豊かな野菜畑の防壁へと変化する。ペパシアはその頂点で、ドヤ顔案山子ポーズを見せていた。
 これにより、ネバメーバたちのネバネーバなドロドーロは効かないって寸法ですわ!
「ご存知ですわよね?ここから上は案山子(わたくし)の間合い。あなたたちの侵入は決して叶いまs」
 ピュッ! 酸だー!
「あいたー!ですわー!?」
 迂闊!咄嗟に身を捻ったが、ネバメーバの吐き出した酸が掠ってしまう。遠距離攻撃持ちだった!
 さらに、まるで籠城を攻め立てるかのように、ネバメーバ達は野菜畑へと侵入していく。
「あー!?わたくしの畑がー!?」
 ネバメーバが侵攻するたびに、野菜はその中に飲みこまれていき、ジュゥと溶けていく。畑は飲まれもはや絶体絶命―――だが!
 美味い!なんておいしさだ…。間一髪、野菜畑の味に舌鼓をうつネバメーバは、貪るように野菜畑に拡散していく。
「―――二人一組でくっついて動け!」
 しかしこの集まってきたネバメーバ達、どうしたものかと悩んでいると、どこかから猟兵の声が聞こえる。
「そうですわ、今のうちにみなさんと合流しましょ!」
 ぴょん、ぴょんとネバメーバの山を乗り越えて、ペパシアはようやく孤立無援の状況から脱出することができた。。
 数刻後、畑ごと薙ぎ払われてしまう光景に一人涙したという。

成功 🔵​🔵​🔴​

神月・瑞姫
同行【月乃お師匠さま】

あ、お師匠さまなの
お師匠さまー(抱き付き
みぃは、試練を乗り越えたの
いっぱいほめて欲しいの

み?
なるほど
みぃ分かったの
このドロドロ妖魔を
お師匠さまの秘伝たる炎花の術で調伏するのが
最終試練というわけなの(見様見真似で会得した弟子

お師匠さまの美しさに負けないくらいがんばるの
【月下彼岸花】
(薙刀を地に刺し、霊符を周囲に撒き詠唱
【祈り】念じる
すると霊符が炎【属性攻撃】の彼岸花と化す
目を開き薙刀を引き抜き【薙ぎ払い】
それが炎舞開幕の合図となる
金銀師弟が演じるは炎花の舞
片や扇に片や薙刀
見惚れれば
たちまち魂まで焼き尽くされよう

ってお師匠さまー!?
みぃの術弱かったかも
ごめんなさいなのー!?


麗明・月乃
神月・瑞姫と一緒。

ふ……ふふ。
ちと精神的にきたがたどり着いたのじゃ。
よしよし、一人で突破するとはみぃはすごいのう。
次はスライムかえ。
しかしみぃがいれば…違った、偉大なる私がいれば物の数ではない。

「行くぞみぃ。合わせるから――舞え」
『全力魔法』で炎『属性攻撃』の【妖花演舞】で『範囲攻撃』じゃ。
武器の扇を二枚上に放り、焔に変え、扇子を取り出す。
みぃの薙刀に合わせ、花びらが浮かぶ中で舞うのじゃ。
「妖花演舞重奏「狐花」。ま、そなたらには過ぎた技じゃったな」

ふっ。決まった。
…ん?何か変な音が…。
ぎゃー!?着物がねばねばで溶けておるー!?
「み、みぃ!はよう!はよう取ってたもれ!」
私のお気に入りがああ!



●月下乱舞
「お師匠さまー。」
 瑞姫は念願の師との再会に、喜びを表すように抱き着いた。師である月乃の方が後続だったことを気にする様子もない。精神的にげんなりしていた月乃はそんな可愛い弟子に癒されていた。
「みぃは、試練を乗り越えたの。いっぱいほめて欲しいの。」
「よしよし、一人で突破するとはみぃはすごいのう。ま、まぁ私もかなりの凶悪なトラップを跳ねのけてたどり着いたわけじゃがの!」
 さすがお師匠様!と褒める純粋な眼差しから眼を逸らして頭をなでなで。視線の先には例のヒヨコ、哀愁を漂わせる目線を向けて鳴いている。ピヨォ…。
「……お師匠さま、その不思議なヒヨコはなんなの?」
 ほんとになんじゃろな…。そんな会話をしていると、部屋のなかで騒ぎが起こり始める。集団から少し離れたところにいた二人の周囲には、大量のネバメーバ達が降り注いだ。
「次はスライムかえ。」
 内心めちゃくちゃびびったが、そこは弟子の前、尻尾を逆立てるだけに済ませながらも力強く頷く。その様子に瑞姫は、さすがお師匠さま!と尊敬を覚え、なるほど…っと察する。
「みぃ分かったの、このドロドロ妖魔を、お師匠さまの秘伝たる炎花の術で調伏するのが、最終試練というわけなの。」
 一人頷く瑞姫、いつものパターンである。しかし、その案自体は非常に効果的、月乃は頷くとさも予定していたかのように扇を構える。
「ふっ、よくわかったのじゃ。行くぞみぃ。合わせるから――舞え。」
 月乃は両手にもった扇を上空に舞わせる、それは焔へと形を変え、扇子を手にユルリと焔の中へ身を投じる。
「見様見真似で覚えたけど、がんばるの。」
 瑞姫は霊符を周囲に展開、祈り、詠唱――符は炎の花弁と化す。目をゆっくりと開くと、背の薙刀を手に薙ぎ払う。花弁が舞い踊り、焔の舞いへと昇華させた。

 二人はまるで一つの形だったかのように、花の如く舞い散る。

「其は何処にもない花」
「月下に燃ゆる狐花」

 師弟が演じるは炎花の舞。焔の中で踊る炎舞。

「舞え踊れ」
「咲き誇れ」

 金が踊れば焔が舞い、銀が舞えば炎花が踊る。

「熱き魂は偉大なる我が御身の下に顕現する!」
「神月の名の下に天理を正さん!」

 魅入りし者の魂をも焦がす浄化の炎。

「「【妖花演舞重奏「狐花」】」」

 其れは咲き誇る彼岸花のように、炎の渦が異形の妖魔達を飲み込んだ。周囲一帯を焼き野原にしながらも、中心の二人は服すら焦げず、炎と一体化している。
「ふっ。決まった。ま、そなたらには過ぎた技じゃったな……こら、みぃよ、私の妙技が見事だからと興奮してそう引っ張るでは……」
 うじゅるじゅる。
「ぎゃーーー!?着物がねばねばで溶けておるー!?」
「お師匠さまー!?」
 炎舞の衝撃で、天井から落ちてきたネバメーバが着物にへばりついていた。月乃がいくら引っ張っても取ることはできず、焦る気持ちが高まる。何より、今にも薙刀を振り下ろしそうな瑞姫も怖かった。
「み、みぃ!はよう!はよう取ってたもれ!でも斬るのはやめるのじゃ!え、えぇーっと――あぁぁぁ、私のお気に入りがぁー!」
「――――そのスライム共は、誰かが引っ張れば簡単に取れるぞ!」
 丁度そのとき、どこかで叫んだ猟兵の声が届く。師の言葉に混乱していた瑞姫だったが、耳をぴこっと動かし、いち早く反応する。効率的な動きで間合いを詰めて一気に引っ剥がす。
「ふんぎゃっ!」
 ベリリッ!と剥がれる音と共に、ネバメーバが綺麗にはがれる。不思議な仕組みだ、と関心する暇もなく、霊符を貼り付け、浄化の炎でネバメーバを焼き尽くした。
「よかったの、取れなかったら、そのままお札貼るしかなかったから。」
「!?」
 瑞姫…恐ろしい子…っ!
 月乃は震えながら、気を付けようと心に誓い、残るネバメーバ達から全力で遠ざかった。もう十分過ぎるほど仕事は果たしただろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ソフィア・リューカン
「なにあれ……あれって酸なの!?あんなの受けたら、ジェファーソンが溶けちゃう!」
【WIS】
・他の方の動きを見て酸らしき攻撃に慄き、人形を溶かされることに恐怖を抱きます。なのでスチームエンジンを人形たちに設置し、高速で動けるようにしてから操ります。
・人形たちの高速機動で陽動メインで行動し、味方の攻撃に備えます。味方の攻撃と同時に、人形に仕込んでおいた機構を作動させ、援護するような形で動きます。
・敵が密集しているあたりでは、設置したスチームエンジンを外し、念動力で遠投かつ強力な衝撃を加えさせ、爆発で敵の群れを一掃しようとします。敵の飛散した肉体は念動力で防ぎます。

※アドリブ・他者との協力歓迎です。


キャナリニア・カルコメラン
またわかりやすいイベント開始の合図でありますなー。サービス精神旺盛なのは有難いことでありますが、ネバネバドロドロはご勘弁であります!

こういう不定形で粘性のある敵なら……これでどうでありますか?纏う属性は氷、【属性攻撃】冷気でカッチカチに固めてやるであります!
飛んできたネバネバは騎士人形ケイニスの【盾受け】【かばう】でしっかりガード。酸耐性はないでありますが、溶けても召喚したスクラップで【武器改造】修理ができるのはいいことであります。

分裂して増えるのなら、UCで武器を大きく、接地面を極限まで広く。飛び散る隙も与えぬまま、地面にズドンでありますよ!
(他者との協力有無、引き続きお任せであります)



●人形使いは共に踊る夢を見る。
 ソフィアは一人焦りながら、人形――ジェファーソンを抱きかかえていた。
 突如でてきたネバメーバに驚いた彼女は、迷宮で組んでいた相手とも離れ離れになり、一人戦況を眺めていた。
「なにあれ……あれって酸なの!?あんなの受けたら、ジェファーソンが溶けちゃう!」
 あわあわとしながら、ぎゅっと抱きしめる。ただの打撃ならば受け止めることもできるが――戦闘に出せども大事な人形、無残に溶ける姿など絶対に見たくない。
「そ、そうだ。」
 ごそごそと取り出したるはUCによる生み出した蒸気装備。【スチームエンジン】を人形に装着させ、高速移動を可能とさせる。
「なんとか避けて、ふたりとも…!」
 人形たちの回避を優先する、そんなソフィアの目の前に偶然いた猟兵が、驚く光景を見せていた。

「ケイニス、しっかり受け止めるのであります!」
 同じように、人形を操る女性、キャナリニアは人形に盾を持たせて前面に押し出していた。へばりつこうと跳んでくるネバメーバを盾で受けて叩き落す。そこまではいい、だが酸の攻撃が降り注ぐと、盾で防ぐには面積が足りない。
「危ないわ!」
 咄嗟に叫ぶソフィア、だが無情にも酸はケイニスと呼ばれる人形へと命中する。悲惨な光景に眼を瞑ろうとするソフィアに、キャナリニアは言葉を返す。
「大丈夫であります!なぜなら自分の人形たちは、スクラップで出来ているのであります!」
 体の一部が崩れてしまったが、キャナリニアは瞬時にパーツの部品を召喚、【改造修理】を用いて瞬く間に破損部分を治す。
「……!」
 それはより強い衝撃だった。同じように人形を戦わせているが、それでも大好きな人形達、なるべくなら傷つかずに居てほしい。
 そんな自分とは真逆の考え方にも関わらず、人形を想う心は一緒なのだと、キャナリニアのその技師としての腕が何よりも証明していた。
「反撃でありますよ!冷気でカッチカチに固めてやるであります!」」
 人形の槍に冷気を纏わせる。騎士の人形が槍を振るえば、ネバメーバは凍てつき破損することなく砕け散る。
「凄い……! でも。」
 数が―――多すぎる。修理に手を使えば、その分だけネバメーバ達は進行し、騎士人形・ケイニスを取り囲むように接近している。
「不味い…であります!!」
 焦りが生まれる。数さえ妥当なら押されることもなかっただろう。ついにはケイネスの背後にネバメーバが取り付き、身動きが取れなくなってしまう。
「……私が頑張らないと!」
 技師としての腕前は比べるまでもない、だが人形使いとしてならば、人形を想う力なら。
「負けたく…ない!」
 動き出した人形は、守りを固めるジェファーソンではなく、今までの沈黙を破り、武器を手に走り出すレイニーだった。前に進む心に呼応するように進むレイニーは、ネバメーバの間を縫うように駆け抜けていく。スチームエンジンが蒸気を震わせ加速させる。
「やぁーーっ!!」
 ケイネスの元にたどり着いたレイニーを中心に、何か見えない力が攻撃をはじき、攻撃から身を守る。そのままレイニーはへばり付いたネバメーバを引っ張る。
「やや、簡単に取れたであります…!外からなら簡単に引っぺがせるのでありますか!?」
 キャナリニアは歓喜の声をあげる。急な大声に、ひぁっ!とびっくりした声をあげながら、ソフィアは頷く。
「そ、そうみたい……あの、人形使いのお姉さん。あのスライム達を、なんとかして一気に倒す方法、ないかしら?」
「えっ?そーでありますね……あるにはありますが、飛び散るあれが厄介で……」
 考えていた技がある、が広範囲攻撃をすれば必然と、ネバメーバ達の特性が厄介だ。
 同じように考えのあるソフィアもまた、一人では手が足りなかった。
「任せて!私なら…なんとかできるかもしれないから…!」
「…ふふ、そこは自信をもって言うのであります!任せて、と!!」
 ソフィアの不安げな顔に、強い眼差しで頷くキャナリニア。その表情を見て、ソフィアにもいつもの陽気な笑みが蘇る。
「……任せて!」
「任せた、であります!!!」
 二人は人形たちを自らの足元に戻しながら、大技の準備へと入っていく。
 召喚するはスクラップ、だがただのナマクラと侮るなかれ。世にて、無駄、無用と棄てられる物とて、塵も積もれば山とならん。
「――――【廃品改修重撃斬】!!!!」
 キャナリニアが召喚した膨大な量のスクラップは、そのものが質量兵器だ。ソレが振り下ろされることで、部屋全体を揺らすほどの衝撃が、ネバメーバ達を襲う。
「えっーーい!」
 大半が爆散し、飛散する液体達が、空中でピタリと止まる。ソフィアの念動力によって封じ込まれたのだ。体の大半を失った液状生物はゆるやかにその活動を停止する。
 人形たちの舞う様は、まるで二人の活躍を祝福するかのようだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

白那・真瑚
東雲・夢音(f02351)と一緒

うっ…見るからにやばそう…
ゆねをネバネバ濡れにはさせないよ
マコが引き付ける、ゆねは詠唱に集中して

オカリナで小さな氷のつぶてを召喚し、ゆねのいない方向にスライムを引き付ける
飛んできたスライムの塊は氷の塊をぶつけ攻撃をブロック
でも、これじゃキリがない…あっ、ゆね、あぶない!

ゆねに飛んできたスライムの塊を身を挺してガード
…大丈夫、こんなの平気

マコたちも反撃しよう
スライムの塊を拭い、ゆねの詠唱に合わせてオカリナを吹く
イメージは、スライムごと蒸発するような激しい業火

召喚したのは、炎の竜巻
ゆねは、水の矢
水と火が合わさったらどうなるか…想像できる?

…ゆね、伏せて!


東雲・夢音
白那・真瑚(f01712)と一緒

…すらいむ、お約束といえばお約束だけど、とかされるのはいや
まこちゃん、無理はしないでね、隠すときは隠すから(タオル用意)

まこちゃんが防げなさそうな攻撃は、ハイドロブラストでそらしつつ、自分に来る攻撃も撃ち落として
、特に同時に来て、まこちゃんが防げなさそうな攻撃は優先して落としておくの。見てるとたまに、こっちが不安になってくるの。

…無理はだめ、私も少しなら受け止められるから。

そろそろ、反撃しないと。ベタベタはまだしてるけど、動けないほどではないの。
まこのオカリナに合わせてコードを詠唱。
炎と水、同時に対処はできないの



●燃ゆる水
「うっ…見るからにやばそう。」
「……すらいむ、お約束といえばお約束だけど、とかされるのはいや、だね。」
 醜悪な敵を前に、気持ちと表情を引き締める。真っ先に飛び出したのは真瑚だ。夢音にあれが取り付く様は見たくない、敵を引き付けながら走っていく。
「マコが引き付ける、ゆねは詠唱に集中して。」
 真瑚は、懐からオカリナを取り出し口にあてる。突如、演奏を始めるが、このオカリナは術の触媒である。短い旋律と共に氷のつぶてが放たれた。ネバメーバを倒すほどの威力ではなかったが、魔力を察知してわらわらと群れていく。
「マコちゃんを傷つけさせない…【水流破】」
 その群れの一部が真瑚へ狙いを定め、酸の雨が降り注ぐ。夢音は詠唱していた術を完成させ、生み出した水の矢で酸を弾き飛ばす。
「ありがとうゆね…あっ、あぶない!」
 だが、術の隙をついて、夢音の近くにいたネバメーバが跳び込む。真瑚は、その身を挺して、小さな体でかばった。
 ついに、ネバネバとした液体が少女の体にまとわりつく。動きが取れなくなった真瑚へ更にドロドロとしたベチャベチャが迫り、完全に身動きを封じようとしていた。急いで剥がさないと―ー夢音が焦った表情で駆け寄ろうとするが。
「ゆねは次の術を、おねがい…。大丈夫、こんなの平気だから……えいっっ。」
 ガジガジガジ、奇妙な音が聞こえる。その時、真瑚にへばりついていたネバメーバの中心に大きな穴が空く。
「【ささやかな抵抗】…だよ。」
 内側からの突破はできないと思われていたネバメーバだったが、腕を【ヤマネの頭部】へと変化させるキマイラの術が、内側からそれを食い破ったのだ。だがその代償は0ではない。
「……うぅ…きもちわるい。」
「…大丈夫?やっぱり、無理はだめ。距離をはなそう。」
 ネバメーバを術でけちらしながら、なんとか真瑚を連れて距離を離す。当の真瑚は顔色を悪くしながら……ヤマネの口からペッペッと舌を出す、幸い体に害はなさそううだが、気分はよくないだろう。
 思考の欠片もなさそうなネバメーバ達もまた、今の光景を見て、距離を詰めるのにためらいを感じているようだ。
「これなら…反撃できるの。ベタベタは平気?」
「うん。動けないほどじゃないよ。一緒に、合わせよう。」
 真瑚はオカリナを口に、夢音は杖を構えて詠唱を始める。ネバメーバ達も慌てて酸を吹きかけようとするが、遅い。
「マコを助けて…。奏でるは炎、自然の厄災を味方に。」
「―――水と炎の合わせ技!」」

 【エレメンタル・ファンタジア】
 【水流破―ハイドロブラスト―】

 小さな火の粉が舞い上がり、それは炎の竜巻へと大きくなっていき、ネバメーバ達を飲み込んでいく。そして、その渦へ何十もの水の矢が突き刺さる。その矢はただの水ではなく、炎の竜巻は更に勢いを増した。
「この術に出会えたことは、きっと運命だから。」
 夢音は、趣味である様々な術を収集する中で、とある術を見つけた。通常ではただの水であり、それを矢にした事で何かが変わることはない―――だが、その術の水は、炎と混ざることで爆発的にその勢いを増すことがわかった。炎の水とも呼ばれるそれは、純度の高い【自然の炎】でより効果を表す、すなわち。
「私とマコちゃんだからできる、合わせ技なの。」
 誇らしげな表情で、夢音は呟く。炎が燃え尽きる頃には、ネバメーバの姿は欠片も残ってはいなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シュトフテア・ラルカ
な、なんですかこのファンファーレは…相変わらず変な迷宮多いのです…。
あのねばねばに捕らわれるのは避けた方がよさそうなのです。
幸い一人ではなさそう…早いところ片付けるです、援護するのですよ!

ユーベルコードを発動、各々ねばねばを囲むように動かしつつ
【援護射撃】【スナイパー】で伸ばした触手を叩き落とすように動くです。
普通の弾丸なら受け止められてしまいそうですが…熱線銃と精霊銃での射撃ならいけるはずなのです。
こちらに伸びてきた触手は【ジャンプ】で躱して【空中戦】で姿勢制御しつつでそのまま撃ち落とすです。
※誰と組むでも構いません。アドリブOK



●戦場にて修羅場る
 シュトフテア・ラルカ、彼女はとっっても焦っていた。迷宮で見事な相性を見せた相方とハグれてしまい、戦場で完全に孤立していたのだ。
「どうして一人なのですか!?」
 気づけばまわりには複数人で戦う猟兵の姿のみ、よりによってサポートタイプの自分が孤立してしまうとは。
「一人しかいないのに、あのねばねばに捕らわれたらどうするのですか…!」
 そんな風に嘆きながら、その体を伸ばして迫るネバメーバを銃弾で叩き落とす。
 構えるは二丁の銃――熱戦銃と精霊銃、強力な長物の銃を二つ扱っているにも関わらず、その狙いは精密で、撃っては即座に別の対象へ狙いを定め、撃つ。移動も忘れない。着実に、確実に一体一体仕留めていった。
「一人じゃ……なにもできないのです!」
 近距離のネバメーバたちをせん滅し終え、UCを発動。【殲滅コードNo.8『数撃ちゃ当たる』】
 銃型の武器が、18丁、召喚したそれらを念動力で周囲に展開させる。手のものを含めて20丁もの銃をシュトフテアは巧みに扱いながら、殲滅範囲を広げていった。
「……なのです!」
 ―――完全に一人で大丈夫だった。なんなら銃を乱射できるし、自由に暴れていた。全方位への殲滅力ならば、依頼随一だ。
「でも一人は寂しいのです!!」
 手数の多さが噛み合った結果だろう。ネバメーバは単体ならば歯牙にもかけない強さで、その数だけが厄介であったが、シュトフテアの戦闘スタイルは、そういった敵に驚くほど相性がよかった。周りの猟兵にも、あの調子なら大丈夫だろうと判断されてしまうぐらいには。
 周囲で起こる爆撃や魔法によって、ネバメーバはどんどんその数を減らしていった。シュトフテアは撃ち漏らしたはぐれネバメーバを、熱戦銃の遠距離スナイプで撃ち抜いていく。単独の戦いにも関わらず、周囲のサポートまでしている有様だ。
「こんなことならヌイグルミの一つでも持ってこればよかったのですー!」」
 寂しさで涙目になりながら叫ぶ、そしてジャンプからの空中制御で飛び掛かるネバメーバを撃ち抜く。周囲の猟兵達は、後にこう語る。―――泣きながら跳んで戦うやべーやつ、と。
「うぅ……誰か私と組んで……はっ!!」
 そして見つけてしまう。あまりの殲滅力ゆえに、どんどんと進んでしまうがゆえに。迷宮にて共に組んだ相方が、別の猟兵と仲良く戦っている姿を。
「ぁ……ぁあ…!」
 悲しいわけではない、むしろはぐれた以上、臨時で組むことが必要だ。シュトフテア自身もそうしようとしていた。だが、人形遣い同士なのだろうか、息の合ったコンビプレイを見せつけている姿に、ソロの自分を比べてしまう。
 ただ……そう、なんか少しだけ、寂しかった。記憶のない自分と息の合う相手だったから…。センチメンタルドール。
「蜂の巣にしてやるのです。」
 そこからの勢いは凄まじかった。周囲の大技で討ち漏らしたネバメーバは瞬く間に弾丸で貫かれ、天井に残っていたのは落下途中にはじけ飛び、周囲は彼女に感謝の念を送った。だが念は届かない、彼女は今スライムスレイヤーと化していたからだ。
 戦果は120%だったが、彼女の心境的には、大苦戦の戦いだった…。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『騎士の怨鎧』

POW   :    戦鎧の妙技
【縦横無尽の剣閃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    闘鎧の秘技
【自身に刻まれた戦闘経験から的確に】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    魔鎧の禁忌
【魔核の稼働制限を解除。超過駆動状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠茲乃摘・七曜です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●孤独の騎士

「終わった…か?」
 誰かの声が響く。周囲を見渡し、天井を見上げるも、ネバメーバの姿はもうない。一息つける、そう思った時。
「―――とくにハプニングもなし、か。つまらん。」
 呟くような声にも関わらず、その威圧感が猟兵達の背筋をゾワリと粟立たせる。
 猟兵達の視線が、一か所に集まる。そこにそれは立っていた。
「貴様らは無事『ドキドキ迷宮💛ハプニングで二人の距離は急接近✨✨』を超えた。存分に仲が深まったのであろう。」

 ………。

「そんな愚かな貴様らに教えてやろう。」
 黒い騎士、はなんというか、実に格好いい声と見た目で言葉を発する。
「貴様らのような腹立たしいやつらを最後の最後でぶち殺すべく、私はこのダンジョンを支配下に置いたのだ!絶望と共に死ねえええええ!!!!」
 めちゃくちゃ陰湿で寂しいやつだった。その寂しさは怨念となり、パートナーのいる君達の前に強敵として現れてしまった。なんてことだ。

「……ちなみにこんな場所でまで単独でいる者よ。」
 パートナーのいない猟兵へ視線を送る。それは憐憫と、仲間を見つめるような瞳だった。
「我が配下となり、リア充共を爆殺しようではないか!!」
 独り身には優しいオブリビオンが君の前に立ちふさがった!!! 
ラン・ムラノミヤ
さて、休憩していたら少し遅れてしまいました……
……あの騎士の方は何を言っているのでしょうか。
やり方が冗長というか……どうせなら仲を壊すような仕掛けでも設置しておいた方がいいと思いますが。
まあいいです。ランちゃんにはどのみち関係ないですし。

しかしまあ、運がいいのか悪いのか。
これでも副業で巫女をやっていますからね。作法とかうろ覚えですけど。
貴方が怨念であるならば、その恨み辛み、晴らして差し上げましょう。
我が流派は、この世の魔を切る刃也!
【破魔2】

ランちゃん、足だけは自信がありますから。
柄に手を添えたまま、歩法で掻き乱しましょう。
隙を探すのです。鞘から抜くのは、その一瞬で十分ですから。


ペパシア・ドロキペ
ちょっと、いくら寂しいからってカップルを虐めるなんてつまらないことしてはいけませんわ!
ユーベルコードを使ってみなさまをお守りしますわよ。どうぞ、無敵になったわたくしを好きなだけ殴って、気分を発散させてくださいな!
落ち着いたら握手して仲直りですわ。一緒にお野菜を食べましょうね!
え?仲直りできるか不安ですの?…大丈夫ですわよ、あなたカラスさんみたいに真っ黒ですし、きっと人気者になれますわ!



●第二の顔
「わたくしが引き付けますわ、任せてくださいまし!」
 今までは孤独の戦いを続けていたが、この相手にまで無理はできない、とたまたま近くにいた猟兵――、ランへと声をかける。だが、その思惑とは異なりオブリビオンはまっすぐにそのランへと襲いかかる。
「あれー!?」
「おやおや…」
 迫るオブリビオンは怨念をまき散らしながら剣を握りしめ、凄まじい勢いで飛び込んでいく。
「貴様ぁ!さらっと組んでませんでしたよ感を出そうが、迷宮で組んでいたことを我は知っているからなぁ!!」
「うわっ、超陰湿ですね。やり方の冗長さといい性格悪いでしょあなた。」
 ランはその接近に対して、距離を取るように動く。その動きは独特な歩法で、必殺の位置までは決して近づけさせない。
「えぇいちょこまかと、足も軽ければ尻も軽いというのか!!」
 かっちーん。ランの表情が冷たい目に変わる。激情に駆られた隙を突くように、その刀を鞘から抜き放つ。
「我が流派は、この世の魔を斬る刃也―――、破魔の一閃!」
 刹那の斬撃。鎧に刀のあたる鈍い音に続き、何かが蒸発するような激しい音が炸裂する。
「――――怨!怨!怨!」
 破魔の一撃は鎧を貫通し、体の一部が浄化されて煙と化す、その煙は股間の第二の顔からプシューと放出された。
「うわー、ふざけてるわりに無駄に強いのなんなんですか。」
 ドン引きするラン。ダメージはあるものの掠り傷では止められないようだ。
「なんで無視するのですわー!?」
 ペパシアが巨大なかぼちゃを騎士に投げつけて進行を阻むが、児戯を受けているかのように動じることもない。本当に無駄に強い。
「貴様は……そのずっと一人だったからな……我的には対象外みたいな。」
「誰がボッチですのよー!?」
 カラスさんさえいれば…!ぐぬぬ、とした顔をするがオブリビオンは申し訳なさそうな顔でしか返さない。
「―――そうですよ。ペパシアさんは周りには人が集まっていますから、人徳というやつですね。」
 自慢気に語りはじめるラン、彼女らは共に同じ旅団に所属するもの。まだ満足に喋ったことはないのだが、傍目から見てもペパシアという少女は人徳に恵まれていると言えた。
「……つまり友達に囲まれている、と。」
 オブリビオンの下の顔がアァン?といいたげな表情になる。
「そうですわ、みなさん素敵な方ですのよ。わたくしの畑に顔をだしてくださったり、お話に付き合っていただいたり。だからあなたも一緒に畑を耕しましょう!」
「貴様もブチコロォォオス!!!!」
 楽し気に語るペパシアへ、下の顔から怨念の炎をまき散らしながら迫る。
「あなたカラスさんみたいに真っ黒ですし、きっと人気者になれますわー!」
「嫌われものではないか!この鎧のせいで我は……うぉおおおおおーーーーん!!!」」
 絶叫しながら斬りかかる、股間の顔もむせび泣く。ランはなんとなく、この部分が悪いんだろうなという事を察した。
 ――オブリビオンの容赦ない斬撃が降り注ぐ、対抗するようにペパシアはUCを発動させた。【雨ニモマケズ】、自身を大きなメタルかかしへと変異させ、あらゆる攻撃に対して無敵状態になったのだ。いかなオブリビオンとて、今のペパシアにダメージを与えるのは難しい。冷静さを欠いた状態でそれに気づくこともない。
「落ち着くまで好きなだけ、わたくしを殴って気分を発散させてくださいな!」
 それは慈愛の心だった。見てるものに寂しささえ感じさせるオブリビオン。ペパシアは自身がただの案山子だったころの、寂しげな景色を思い出す。
 夕方、農作業をする人たちがいなくなり夜の寂しさを迎えようとしていた頃―――そう、そんな時にきてくれたのがカラスさんだった。不思議と案山子に怯えることもなく、腕に乗ってくれたのだ。例え敵対するような存在だって、その寂しさを埋める事はできるんだ。ペパシアの心が、オブリビオンにも通じる。
「……貴様。」
「てい。」
 ランが隙だらけのオブリビオンに大量の符をくっ付ける。そそくさと離れるラン、気づかないオブリビオン、想い出にふけるペパシア。そして符は爆発した。一杯爆発した。ランは敬礼する、見事囮となってくれた仲間へ、そして悲しき亡霊へ。
「けほっけほっ!なにするんですのー!?」
 無事だった。
「いやぁついつい、ランちゃん隙だらけなとこ見るとやっちゃう、みたいな。」
「おのれぇ、図ったな貴様らぁ!これだから裏で陰口をたたくようなやつらはぁ!!」
「誤解ですわー!?」
 乱痴気騒ぎ―――もとい戦いはまだ始まったばかりだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ソフィア・リューカン
「なにか、私へのあたり強くないの!?」
【SPD】
・大量に呼び出した人形たちによる攻撃に合わせて、自身も【念動力】による【援護射撃】を仕掛けていきます。が、先ほどまでずっとペアで行動していたので、恨み骨髄で襲ってくると思います。なので、自身は【念動力】による【衝撃波】で近寄らせないようにしつつ、行動します。
・その背後で操作していた人形たちによる【盗み攻撃】の一斉攻撃で、剣や兜、鎧の一部でも盗めないか試みてみます。
・たぶん反撃できなかった場合、人形たちの【かばう】を発動しつつ逃げ回ってたりしてます。

※アドリブ・他者との協力は大歓迎です。


シュトフテア・ラルカ
今たまたま単独なだけで組んだパートナーはいたのです間違えるでないのです。
でもなんだかいらっと来たのでぶっ飛ばすのです。
覚悟するがよいのです。

UCを発動、ガジェットを分離変形させて巨大な具足として装着するです。
高速ホバー移動に空中制御が可能な優れものなのですよ!
勢いに任せて【ジャンプ】して【空中戦】をしかけるです。
上から【スナイパー】で武器を狙って攻撃の出がかりをとことん邪魔してやるのです。
皆に【援護射撃】【二回攻撃】で援護するのも忘れずにです。
※アドリブ、誰と組むでも歓迎、なのです!


キャナリニア・カルコメラン
その鎧の下でどんな顔をしながらそのふざけた迷宮名を考えていたのかは聞かないでありますが、誰が二人組になれないボッチでありますか。自分にはこの仲間が、種族性別が違えども志を同じくする傭兵の皆様がいるのであります。
絶望と仲を深めるのはそちらでありますよ!

『屑鉄の傭兵部隊』召還、18機の力を一つに…合体!であります!
敵は強大なれど一騎、数の理を生かし、他の傭兵様と共に手数で攻めるのであります。操縦技術によるフェイントを織り交ぜ、ケイニスと傭兵人形との三位一体攻撃。無差別攻撃は厄介でありますな…盾で受け止め、一瞬動きが止まった瞬間にカウンターを狙ってみるであります!
(他者との協力任せ、アドリブ歓迎)



●いけ、三位一体の超合体!
「それ以上は、させないであります!!!」
 キャナリニアは、無垢な案山子の少女を狙うオブリビオンへと、人形との連携攻撃を仕掛ける。
「無理しちゃダメよ、キャナリニアさん!」
「むっ!!」
 突如飛び出したキャナリニアを心配するように、先ほどまでコンビを組んでいたソフィアが心配の言葉をかける。オブリビオンは攻撃を受け止めながらも、目の前の光景に下の顔が憤慨の表情を浮かべる。
「き、きき、貴様らだけは絶対に許さぁぁぁあああん!!」
「えぇ!?私たちへのあたり強くないの!?」
 恐ろしいほどの怒気に怯みながらも、ソフィアはUCを発動。【楽園人形劇】、自身の人形である『ジェファーソン』『レイニー』の分身体、姉妹機とも呼べる人形たちをそれぞれ9体ずつを召喚する。本体合わせて合計20体もの人形は、それぞれが散らばったり、ソフィアを守ろうと動き出す。
「おぉ、すごいのでありますソフィア様!」
 数の暴力に対して、個の武力が剣を振るうと、人形達は盾を手に力を合わせて何とかして防ぐ。
 ―――いける!対抗できるのだと、ソフィアが思った次の瞬間。
「……ばかめ、数だけの有象無象こそ我が獲物としれ!!!」
 騎士の全身から、まるでエンジンを吹かしたかのように、力の波動が沸き上がるのを感じる。全身に粟立つ寒気、二人組に対して本気を出したオブリビオンの本当の強さをここから垣間見る。
「【戦鎧の妙技】」
「―――危ないであります!」
 人形と共に盾を構えたキャナリニアが前に出る――――だが。
 瞬間。剣閃の煌めきと共に、立ちふさがる全てに無尽蔵の斬撃が放たれた。盾の隙間を斬り抜け、人形たちを吹き飛ばしながら、ソフィアへと迫る。
「―――っ!」
 ソフィアは必死に念動力の衝撃波を放つ。だが、一閃の元に斬り伏せられる。
(もうダメ…)
 目を瞑る。衝撃はなく、不思議な浮遊感だけがあった。天国か何かかと思い目を開ける。
「……えーっと…無事、なのです?」
 ソフィアは、見知らぬ女性の腕の中に居た。

 ―――シュトフテアは、やってしまったぁという僅かな後悔を胸に抱きながら。しかし、間に合ったことにも安堵する。
「……その、とりあえず降ろすのです。」
「あ、ありがとう。」
 脚部に装着した巨大なガジェットのホバーを一時停止させ、オブリビオンから離れた位置に着地。一仕事し終えた充実感の反面、この後はどうするかと迷っていると。
「シュトフテア様!助かったのであります!」
「いえ、キャナリニアさんも無事でよかったのです。……それと、様付けはいいと言ったじゃないですか。」
 キャナリニアが、傷ついた自身の体やケイネス…人形を修繕しながらも駆けつけてくる。
 二人の親し気な様子に、ソフィアも知り合いと察し安堵の表情を浮かべる。
「私も手伝うのです。お邪魔かもしれないのですが、あの強敵、二人だけでは手に余るのです。」
「助かるであります…というか、今がチャンスでありますか?」
 キャナリニアの台詞に続いて、三人がオブリビオンを見つめる
「さささささ三人組だと…三人で一体を何を、ナニをしようというのだだだだだ。」
 オブリビオンはキャパオーバーしていた。全身から煙も出ている。よし、今がチャンスだ、と作戦を考えて編制を整えていると。
「―――はっ!おのれええええ!よもや二人組では飽き足らず三人でだとぉ!絶対に、絶対に許さねぇ!!!!」
 オブリビオンは正気に戻った!
「今であります!」
「いっくよー!」
「援護は任せてほしいのです!」
 だが、臨戦態勢に入る前に、三人が息を合わせて襲いかかった。
 キャナリニアは前衛で、槍を持たせた人形と自身もまた光を纏わせた剣で斬りかかる。ソフィアは全方位から攻撃や防御が出来るようにと展開した人形たちと共に、念動力によって足りない力を補い。シュトフテア二人の連携の僅かな隙間を埋めるように立ち回る、空中に浮かびながら遠距離射撃を用いて攻撃の妨害等でカバーする。
「な、ぐぐぐ!」
 武力で圧倒していたオブリビオンを、逆に圧倒するように三人の連携が止まらない、まるで元からスリーマンセルのチームだったかのように。
「二人ともナイスであります!シュトフテアは見事な援護でありますし、ソフィア様は凄くて可愛いであります!」
「か、かわいい関係あるの!?」
 何より、初対面のソフィアとシュトフテアの連携を埋めていたのは、キャナリニアの存在だった。その陽気さが二人の力を引きあげていた。何十もの人形を操る糸は決して絡まず、互いに邪魔をすることない見事なチームプレイだ。
「おのれぇぇぇぇぇ、仲良くしているがなぁぁぁ、そこの二人!迷宮でこっそりあーん、していたではないかぁぁ!!!」
 仲睦まじい様子に血涙を流しながら、オブリビオンは亀裂を生みかねない呪詛の言葉を投げかける。
 そんなことをしていたのかという顔をソフィアが向ける。シュトフテアは咄嗟に眼をそらした。
「それが何でありますか!強いていうなら、ソフィア様にもしてあげたいであります!!!」
(えぇぇぇー!)
 うそー、とソフィアは照れながら手で口を抑える。
「でも私の方がお邪魔だったのかしら…。」
 実はなんだかんだ同年代なので気恥ずかしさを感じてしまったソフィアが邪推をしていると、その糸捌きが緩んでしまう。
「ばかめ、隙を見せたな!!その仲ごと引き裂いてくれるわぁぁ!」
 オブリビオンの力が高まっていく。恨めしい怨めしい羨ましい…!
「な、なんて卑怯なのですか!さっきのが来るのですよ!」
「バカなのはそちらであります!予定通り、いくでありますよ、二人とも!」
 【屑鉄の傭兵部隊】
 発動したUCにより、18体のスクラップ製自立小型人形を召喚。即座にそれらは変形し、積みあがるように合体していく。敵が多勢に強いのならば、一つの強い個となればいい、完成したその姿は巨大、まさにゴーレム。スクラップゴーレムだ。

 だが、これだけでは終わらない!!

「ふん!所詮は巨大な屑鉄ではないか、そんな程度で止められると思うな!」
 ゴーレムを操ろうとするキャナリニアの動きは鈍い、その全身を操ろうとすれば、糸が引きちぎれそうなほどの力と負担を強いるだろう。
「――――みんな!このまま作戦βへいくであります!」
「えっ!?」
 シュトフテアが驚きの顔を浮かべる。短い時間で聞いた作戦は、強い個体で勝負するという話だけだった。
「わかったわ!」
 えっ!シュトフテアは更に驚く。なぜかソフィアには通じていた。どういうことなのです…。
 ソフィアは召喚していた人形たちを集める。人形たちは屑鉄の関節部へとそれぞれくっつくことで、巨大な機械を操るワイヤーのような役目を担った。オブリビオンもまた驚きの顔を浮かべる…が、それは異なる事情があった。
「貴様ぁあああああ!!!それは我が鎧の予備ではないかーーー!!?」
 人形たちの中には、戦わずに部屋を探索している部隊があった。オブリビオンの隠し部屋を見事に発見して、装備を盗んできたのだ。
 こうして、巨大なゴーレムの関節部に動きやすさと丈夫さを兼ね備えた、人形装甲が張り付けられた!
「こんなおっきなの扱ったことないけど、私がんばるわ!」
 ソフィアとキャナリニアの糸捌きがゴーレムの動きを柔軟なものへと変化させ、オブリビオンが放った剣閃をその腕が防ぐ。
「ぐっ、力量は互角……だが、所詮は木偶の坊よぉ!!!」
 斬撃は止まらない。ゴーレムをすり抜けるような動きで、オブリビオンは加速する。
「シュトフテア!頼むであります!!」
「―――なるほどなのです!」
 ようやく真理に至ったシュトフテアは、その脚部に着けていた分離変形装着機構付きガジェット【高機動コード『Patte de lapin』】を分離させ。その圧倒的機動力を誇る魔導蒸気機械が、ゴーレムへと装着された!
 
「これが、超合体―――【人形機兵・ガジェットゴーレム】であります!!

((そんな名前だったんだ…))
 ソフィアとシュトフテアの心が一つになった。キャナリニアはノリノリだった。
「うおーー!!格好いいー!!やっぱりスクラップは最高でありますなー!!」
 巨体が加速を得て追いつくと、その剛腕が剣を防ぎ、更に吹き飛ばす。ブーストしながら追撃のラッシュ。壁にめり込んだオブリビオンを滅多打ちにした。

 オブリビオンは絶望的な心境にいた。二人組ですら憎くてたまらないのに、三人組とかわけがわからなかった。しかも仲がいいし中心人物は鈍感っぽいしでもう駄目。まさしく孤独の絶望だった。やけっぱちになりそうな心境の中、ガジェットゴーレムとオブリビオンの間に、一人の猟兵が入り込んだ。
「もうやめて!」
 悲痛な叫びが響き渡る―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シエラ・アルバスティ
──孤独 それは闇
──孤独 それは絶望

「私は一人寂しく頑張ってました! 私を……私を部下にして下さい隊長!」

マイナス×マイナスはプラス

誘いに乗って部下になるよ!
そしてそこからはめくるめく愛の物語
隊長を攻撃からかばっては傷ついたり
隊長と励まし合ったりする
そこから生まれる信頼と絆……

そしてついに告白
自分は猟兵であり隊長を殺す事からは逃れられない宿命だと言う事を告げる
嗚呼──なんたる運命の罪深き事か!

「隊長…私は私は──!」

悲しみの【穿孔滅牙】が隊長に放たれる
幸せに眠らせて上げるしかない!

「三人推奨ダンジョンにしてくれればこんな愛は生まれなかった…」

終わったら愛する二人に挨拶しにいこっか☆



●黒い白と白の黒
「もうやめて!」
 超合体―人形機兵・ガジェットゴーレム(以下ゴーレム)とオブリビオンの間に立ったのは一人の少女。その少女はこの迷宮で今まで一人で駆け抜け続けた猟兵、シエラだった。
「ど、どういうことでありますか!」
「このまま倒すなんて、あまりにも可哀想だよ!」
 ゴーレムを操る猟兵、キャナリニアはシエナの行動に驚きの声をあげる。それに対して強い眼差しと言葉を返す。
「き、貴様は……。」
 オブリビオンは知っている。今自身を守っている少女は、こんなダンジョンでも常にソロで攻略していた。時に寂しそうに、時に強がるような笑顔を見せていた。彼女もまた、マイナス(こちら)側。少女がオブリビオンの方を見て頭を下げる。
「私は一人寂しく頑張ってました! 私を……私を部下にして下さい隊長!」
 ドキン、胸が高鳴る。なんだ、この気持ちは…。
「い、いいのか…?」
 ゴクリと喉が鳴る。下の顔も緊張に震えている。
「あんな、あんな三人組だなんてズルイ人たちより、私は隊長を手助けをします!」
 えぇぇ…。ゴーレム側の猟兵達から困惑の声があがる。
「我に、我に任せろ!!!援護を頼むぞ、少女よ!」
 オブリビオンは人生で初めての感覚に包まれていた。体が軽い、もう何も怖くない。そこからの戦いは壮絶だった。一方的に押し込んでいたゴーレムとの戦いが均衡する。否、押し返されている。猟兵がいることで全力を出せないこともそうだが、戦力とやる気に満ちたオブリビオンを止められない。
「隊長、あぶなーい!」
「少女よ!?くっ、なんたる非道!!」
「―――隊長、頑張って!」
「……なに、いまの我は最強無敵!負けるわけがない!! 」
 今までの所業をめちゃくちゃ棚にあげながら、何故か主人公面をしている。オブリビオンの心は晴れやかだった、長年の恨みなど忘れ、目の前の試練を仲間と乗り越える事だけを考えている。
 なにより――――少女が好みだった。自身の醜い黒い姿とは反する純白の女神、狼の耳とポニーテールは好みドストライクだし、元気溌剌な笑顔や言動は心をドキマギさせてくれた。結構きわどいスカートには、攻撃を食らって倒れながら覗こうとする始末。
「隊長……私達に倒せるかな…?」
「なに、我がすべて倒してしまっても構わないんだろう?」
 【闘鎧の秘技】。ゴーレムの攻撃はもうかすりもしない、冷静な今だからこそ使える絶技。もう今のオブリビオンに当たる攻撃はない!
 ごーれむくんふきとんだ!
「…やったか!?」
「凄いよ隊長…!……ずっと伝えたかったことがあるんだ。」
 (え…?)
 トゥンク…。胸が、高鳴る。
「私は猟兵……隊長と敵対する宿命……。」
「そんなの関係ないさ。すべての困難は我が薙ぎ払ってみせよう…!」
「あぁ、隊長…私は、私は隊長のことが―――!」
 【穿孔滅牙】
 槍がオブリビオンを貫いた。
「……なん…だと…?」
 シエラは悲しみにくれた顔をしながらオブリビオンを貫いていた。
「ダンジョンを、三人推奨にしてくれればこんな愛は生まれなかった…!」
(えぇぇぇぇ…)
 猟兵達とオブリビオンの心まで一体化した。そして思い出す、少女がふつーに、大部屋で友達二人と話していた姿を。いるじゃん…友達。
「あっ、あとはやっちゃっていいよ☆」
 友達のところに向かうシエラ、申し訳なさそうに殴るゴーレム、壁まで吹き飛ぶオブリビオン。
「うぉおおおおおおおおおおおおん!!」
 泣いた、咽び泣いた。精神までズタボロにされ尽くしてオブリビオンは地に伏した。さすがにちょっと憐れだった。
「てへ♪」

成功 🔵​🔵​🔴​

神威・くるる
独り身も悪ぅないえ?
色んなお兄さん(の血が)美味しゅういただけるし
なぁに?お兄さん独りは寂しいん?
ほな、うちと遊びまひょ?
爆破される立場も、刺激的かもしれへんえ?
なぁんて【誘導】しながら
猫じゃらしふりふり近寄って

油断したとこでマタタビをぽーい
ふふ、これなら戦闘経験豊富でも予測は出来んやろ?
お腹すかせた猫ちゃんは強力どすえ

傷ついたならいいこいいこして慰めてあげよなぁ
お話かて聞いたげるし、なんやったら抱っこしたげてもええよ?
……でもうっかり【傷をえぐったり】してもーたらかんにんえ?

なぁんて、再び油断させといて
【吸血】いただきまーす
カッコええ騎士はん、どないなお味するんやろ……?



●孤独の原点
「ほんまかわいそうになぁ…。」
 神威・くるる(神の威を狩る黒猫・f01129)は同情的な視線を向けながら、咽び泣くオブリビオンを抱きしめた。
「うぐぅ…。どういうつもりだぁ貴様ぁ…。」
 オブリビオンは孤独だった、もはや誰も信じれないと殻に籠っていた。
「ほぉれ、強いんやから、そない落ち込んでたら格好よさも台無しどすえ。」
 撫でながら、反対の手にマタタビを持つ。UCによりどこからか呼び出された猫達もオブリビオンを囲んで癒そうと頑張っている。にゃんにゃん。
「どうせ我は孤独……。誰も共に歩んでなどくれぬのだ。」
 いじけるオブリビオン、くるるは膝を明け渡しながら優しい声で言葉を続ける。
「独り身も悪ぅないえ?いろんなお兄さん(の血を)美味しゅういただけるし。」
 ドキドキ―――蠱惑的なくるるに対し、オブリビオンは無防備だった。まるで思春期の子供のように。というか懲りていなかった。
「お兄さん独りは寂しいん?ほな、うちと遊びまひょ。良い事いろいろ教えてあげるやさかい。」
 耳元で誘惑するように囁くくるる、オブリビオンはもう大分元気だった。
「そそそそそうやって、また我を騙すんだるぉ!?」
「えろう傷ついとるねぇ。いいこいいこ…。」
「はぁん。」
 オブリビオンは平伏した。圧倒的に女性に弱かった。身をゆだねて頭を撫でてもらう。
「お兄さん、なんでそないに恨んどるん?お話、聞かせてくれはるやろか?」
「……あれはそう、我が幼き頃――」
 そして、オブリビオンは語り出す。かつてあった苦々しい日常、積年の恨み、ボッチとしての苦痛、カップルへの苛立ち、リア充共への怒り。膿を吐き出すかのように、その悲しみをくるるへとぶつけていた。
 ちなみにだが。
(ん~、なかなかの御味どす。)
 癒しながら、くるるがちゃっかり【吸血】をし続けていることをオブリビオンは知らない。そのための話術と時間稼ぎだ。
 彼女が吸うのは血でもあり、そして精魂でもある。鎧をまとったオブビオンとて、その吸血の前では丸裸も同然。癒されているように見えて、その魂は半ば浄化しかけていた。思春期丸出しの魂は中々の味だったという。

「ほんに辛かったんやね……もうボロボロやろ?この辺にしときぃ、勝ち目もあらへんやろ?」
「……そう、だな。」
 オブリビオンがその膝から立ち上がる。
「だが、我にはやらねば成らんことが出来た。否、思い出したのだ。」
「……そう。ほな…仕方あらへんな。」
 立ち上がろうとするくるるを手で制するオブリビオン。
「貴様とは戦いたくはない。我が人生、最後の我儘だ。聞いてくれ。」
「…うち、気ままやさかい、聞いてあげるとは限らへんよ?」
 そう言いながらも、壁の方へと歩いていく。
「……相応しくない、いい思い出が出来てしまったな。
 猟兵どもよ刮目せよ、孤独に生きた我が最後の光を――――」
 何故自分がこうしていたかを思い出した。この執念、怨念の原点を。
「【魔鎧の禁忌】」
 股間の顔の眼が、強く光り輝いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

斬崎・霞架
「変わったオブリビオンもいるのですね。面白い方です。…とは言え、見逃す理由にはなり得ませんが。」

偶然出会ったレディ(マリアドール・シュシュ)のお供をする
「マリア」を自称していたので「マリアさん」と呼ぶ事に

【御し難い暴虐】を発動し高速戦闘
連携を意識、【見切り】も併用し後衛に攻撃が行かないように
雷の放射はここぞと言う時に

マリアが攻撃に対処出来ないようなら、抱き上げ(【手を繋ぐ】)て回避

マリアの演奏に耳を傾ける
「…とても良い音色です。まるで音そのものが輝いているような。ふふ、これは益々、負ける訳にはいきませんね。」


マリアドール・シュシュ
アドリブ歓迎

「誰しもひとりぼっちは寂しいのだわ。マリアもそう。でもおいたがすぎるのよ?
霞架、どうか最後まで力を貸して頂戴」

偶然会った紳士様(斬崎・霞架)と同行
途中、自分が罠に嵌まり網にかかった所をお姫様抱っこで救ってもらう

敵を見て小首傾げて微笑
【高速詠唱】で【透白色の奏】使用

連携意識
後衛
霞架の背を護る
竪琴を奏でて攻撃
【マヒ攻撃】付の演奏で敵の行動を狂わす
霞架の攻撃を通りやすくする
敵の攻撃は回避不可なら演奏攻撃で相殺狙い

「今度はちゃんと見れたのよ。
とっても綺麗な灯火の赤…力強さに反してどこか儚いの。見惚れてしまうのだわ」

霞架の攻撃を瞳に焼きつける
戦闘中の二人のやり取りは傍から見ると少し甘い?



●劇場の赤き水晶
 【魔鎧の禁忌】オブリビオンが発動したUCにより、股間の眼が光ると同時に、その力が爆発的に増加するのがわかる。
「まずは貴様らだ。」
 目に見える形で、唯一の男女ペアへ標準を定め、殺意をむき出しにオブリビオンが迫って剣を振るう。
 男性、斬崎・霞架(ブラックウィドー・f08226)は咄嗟に手を引いて、踊るように回避する。
「急に手ごわくなりましたね。マリアさん、大丈夫ですか?」
 マリアドール・シュシュ(クリスタリアンのサウンドソルジャー・f03102)は手を引かれながらも頷く。
「えぇ。……ひとりぼっちは寂しいのだわ、マリアだってそう。でもおいたがすぎるのよ? 霞架、どうか最後まで力を貸して頂戴。」
「御心のままに。」

 二人はこの迷宮で偶然出会った。単身で挑み、縄の罠に嵌ってしまっていたマリアを助けたのが、紳士様――こと霧架だった。
 短い冒険の中でも信頼感を築き上げた二人は、巧みな連携で攻撃を回避していく。
「僕が前に出ますよ。向こうが力をあげたというのなら、こちらも本気出すまでです。【クリムゾン・レイジ】」
 【御し難い暴虐】を発動した霞架は、全身に赤い雷を纏い、瞬間的な高速戦闘を可能とする。オブリビオンの剣に対し、その手甲や小太刀を扱い打ち合う。決してマリアの元へ行かせない強い意志で対抗する。
「えぇ、見せて頂戴、霞架の胸の灯火を。」
 マリアは動きに合わせながらハーブを手に旋律を奏でる。ただの音楽ではない、猟兵としての力が音に乗り、霞架に力が漲り、オブリビオンはその体に衝撃と痺れを感じる。
「…とても良い音色です。まるで音そのものが輝いているような。」
「小賢しい音楽程度で我を止めれると思うなよぉ!!」
 斬―――。鈍い音と共に、霞架が受け止めた手甲ごと吹き飛ばされる。速度は互角なれど、膂力の違いが顕著に出る。妨害を入れても尚の力の差に冷や汗が流れる。
「まずは女、貴様からだ!」
 恨みの籠った叫びと共に後衛のマリアに迫る。
「マリアさんには触れさせません―ーよ!!」
 雷撃、それも赤い雷。まるで体を流れる血液のような赤い本流が、オブリビオンの体を貫く。ギリギリまで隠していたここぞの一撃。避けることもできずに連発し、焼き焦がす。
「一旦引きますよ。」
「あらら。」
 霞架はマリアを抱き抱えるとそのまま稲妻のような勢いで距離を離す。攻撃は通ったが致命傷にはまだ遠い、荒い息を吐く霞架が止め続けるのは難しい。ならば、退避を優先させるのは当然の判断だった。
「時間は稼げましたが、格好はつけれませんでしたね…。」
「そんなことないわ。力強いけれどどこか儚い、綺麗な灯火の赤…見惚れてしまったもの。」
 まるで劇場を彩る主役たちのように、華やかで甘酸っぱさを感じさせる光景。オブリビオンは怒りに震えながらも追撃の手を緩めざるを得なかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

東雲・夢音
白那・真瑚(f01712)と一緒。

………暗いような悲しいパワーを感じるの。なんだか、オブリビオンでも猟兵でも、変わらない気がするけど、まこちゃんと一緒にいるから、頑張らないと。

前は、まこちゃんに任せて、後方から魔法で攻撃、攻撃しようとするところ、当てて、少しでも隙を作るの。

まこちゃん、後ろ向いたら危ないの。
……うん、私も、まこちゃんと一緒が、良い。

まこちゃんのオカリナ演奏に合わせて詠唱開始、同時に叩き込んで、畳み掛けるの。

一人より、二人。この強さ、絶対勝てる、の。


白那・真瑚
東雲・夢音(f02351)と一緒


ぐっ...底知れないパワーを感じる...
生き物は独り身になると、こんなにも強くなれるのか
でも、負けるものか
マコには、ゆねがいる!

己のSPDを信じて、縦横無尽に飛び回り敵を撹乱
大降りな攻撃を誘い、武器が降り下ろされる寸前でぱっと横に飛ぶ
敵に大きな隙を与えたら、オカリナを構え、ゆねに向き直り、叫ぶ

あんな奴なんかに、負けたりしない
だって、ゆねを守りたい気持ちは、本物だから
ゆね、聞いて
マコは、ゆねが、大好きだ...!

ゆねから告白OKが出たら、愛の力でオカリナを奏でる
奏でるのは、地を穿つような大地の讃歌
起こすのは、地割れ

受けてみろ!マコの愛は、こんなにも強い!



●愛奏でるメロディー
「むっ!?」
 オブリビオンは呆然と立ち尽くしながらも降り注ぐ魔法を察知して横に跳ぶ。
「あの二人は追いかけさせない!」
「私とまこちゃんで、止めるの。」」
 夢音は更に詠唱を紡ぎながら、真瑚はオカリナを手に猛スピードで敵へ迫る。
 二人から見ても、先の猟兵達、マリアと霞架はとても魅力的なコンビだった。大人の魅力というべきか―ー邪魔者は馬に蹴られると主張するべく二人が立ちふさがったのだ。
「まこちゃん気を付けて…とても暗くて悲しいパワーなの。」
 夢音はオブリビオンの纏う力の源を察しながら、隙を作ろうと時に炎の矢を時に水の矢を放って動きを止める。だが、その妨害があって尚、オブリビオンの動きは苛烈で過剰だ。
「ぐっ……生き物は独り身になると、こんなにも強くなれるのか…!?」
 真瑚の表情からは余裕が失われる。一撃一撃が致命的な重さ、身のこなしの軽さと野生の勘を駆使して避けるが、全力で避けて尚ギリギリ。速さを主軸に置くオブリビオン相手では、致命傷を避けるので精一杯だ。
「まこちゃん…!」
「あんな奴なんかに、負けたりしない!」
 ふぅぅ!という威嚇の声を発しながら毛や尻尾は逆立つ。傷を負って尚、速度が更にあがる、夢音の声を聴いて力が沸き上がる。孤独では決して纏えぬ力。
「ゆねは、私が絶対に守るんだ…!!!」
 体を酷使しても尚、逆境の追い込まれてからが本番だと言わんばかりに縦横無尽に動く。
「ちぃ、ちょこまかと…!!」
「―――!そこだ、隙を見せたな!」
 焦れたオブリビオンの剣撃がついに大振りのものへと変わる。一度だけの機会を真瑚は見逃さなかった。大きな縦振りの一撃を、蹴りつけながら横に跳ぶと同時に、オカリナを構える。作った隙を二人で突く。
「ゆね、聞いて……マコは、ゆねが、大好きだ…!」
「……うん、私もまこちゃんと一緒が、良い!」
 オカリナが奏でる旋律が、地響きと共にオブリビオンを地割れへと飲み込み、それが閉じる。万力で絞められたかのような地面で挟みこまれたオブリビオンへと、今までの魔法を凌駕する巨大な魔法の矢が降り注ぐ、真瑚の旋律が夢音にも力を分け与えた。
「受けて見ろ…マコ愛は、こんなにも、強い…!」
 すべての力を使い切り、真瑚は膝をつく。夢音は慌ててそれを抱きとめる。
 これで―――そう思った矢先、地面が叩き割れる音が響いた。
「見事だ。幼き体に見合わぬ巨大な愛……だが。」
 数多の傷を負いながらも、オブリビオンは健在。絆や愛になど負けぬと、その力を誇示するかのように濁った瞳の光で残る僅かな猟兵達を見渡した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

神月・瑞姫
同行【月乃】

はいなの
みぃは神さまもお師匠さまも
もっと好きになったの
だから
こんな所で死ねないの
巨獣になったお師匠さまは無敵なの!

お師匠さまー!?
狭くて動けないの?
よくもこんな酷い罠を…

神さまも力使ったせいかな
反応ないの…
うぅ…怖い…

でも
みぃが逃げたらお師匠さまが…
っ守るの
絶対に(勇気を奮い立たせ

みぃはみぃの力でも戦えるの
薙刀を構え【フォックスファイア】
19の狐火と共に戦いを挑む

魔鎧の禁忌に対し
狐火を囮にし
その隙に
薙刀の【鎧無視攻撃】
【薙ぎ払い】でダメージの蓄積を狙う

敵がお師匠さまを動けない役立たずと判断
攻撃の手を緩めたら大技の好機
【秘術月落とし】
隕石を召喚し地形破壊
囚われのお師匠さまの封印を解く


麗明・月乃
【瑞姫と同行】
よし、お色直し完了じゃ(引っ込んで着替えた)
で…何か残念な奴がおる。
みぃは純真じゃなあ。期待に応えねばならぬの。

私と指輪の『封印を解く』真の姿、同時に『全力魔法』で【九破天狐の舞】を使用。
目一杯巨大な九尾となる。
「さあここからが本番じゃ、偉大なる私の姿を(ごつん!)~~~っ!!?」
て、てんじょ、頭がっ…!張り切りすぎた…!
み、みぃ前に出るのじゃ。援護は任せろ!(伏せてる)

『野生の勘』で敵の攻撃、回避の動きを邪魔するように風の刃などの『属性攻撃』をちまちま放つ…撃ちにくいが仕方ない。
…へ?ちょっと待てみぃ!ここでその術はまず――!?
死ぬかと思ったのじゃ…。
…敵、まだ生きてるかのう。



●天より高きその背中
「ふむ。なにやらお色直しをしておる間に厄介なことになっておるのう。」
 月乃はスライムで汚れた衣装をこっそり着替えているうちに、見るからに力の増してるオブリビオンの姿を見て表情がひきつるのを、なんとか抑える。疲労や傷は見られるが、勢いに飲まれればこのまま蹂躙されかねないだろう。
「お師匠さまが満を持して登場なの。絶対に負けられないの…!」
 瑞姫は尊敬し大好きな師匠のためにも、死ぬわけにはいかないと勇気を奮い立たせる。その姿を見て、怖気づきそうな心を叱咤した。
「出し惜しみはせんぞ!みぃの期待にも応えねばならぬからな。」
 オブリビオンが月乃達へ狙いを定める。それに応じるように、月乃はその【真の姿】を解放した。
「さあここからが本番じゃ。」
 月乃の姿が四色の淡い光に包まれる。光が一瞬眩しく輝く、光が収まると共に巨大な四肢が、ふっさふさの尻尾が、そして天井が現れた。

 天 井 が 現 れ た 。

「~~~~~!!(さぁ、偉大なる私の姿を……なんじゃこりゃぁー!?)」
「お師匠さまー!?」
 あまりに巨大すぎて頭部が天井にめり込む月乃。驚く瑞姫。オブリビオンはどうしようって顔で別の標的を探し出す。 
「よくもこんなひどい罠を…!」
「いや我は知らん…。」
 首を振られた。瑞姫を師匠を見る、埋まっている。念のためもう一度見る、埋まっている。
「みぃが逃げるわけにはいかないの…みぃが守るの!」
「迷宮から見ていたが、貴様らの関係は特殊すぎて反応に困るぞ。」
 瑞姫は狐火のユーベルコードを発動。十九もの炎を展開させ、オブリビオンへそれぞれ独自に高速で迫る。強化状態によって理性が半ば飛んでいるオブリビオンは本能的に炎を優先して全て一瞬で斬り払う。そのほんの僅かな時間を瑞姫は狙っていた。
「やぁっ!!」」
「甘いわ!」
 迫る瑞姫の薙刀を身を捻り回避しようとする。あんまりな光景を見て冷静になった思考がその動きを読んでいたのだ。
「~~~っ!(甘いのは貴様の方じゃ!)」
 巨獣――月乃の尾から氷結の力が放たれる。視界が確保できていないにも関わらず、勘かあるいは術の一環にて的確にオブリビオンの動きを把握し、その脚部を冷気にて固定する。薙ぎ払いが動けぬオブリビオンの横っ腹に突き刺さる。巫女としての力が込められた薙刀は、強固な鎧から内部まで浸透し破魔の力で穿つ。
「かはぁっ!」
 覚醒状態に成って初めて膝をつくオブリビオン。好機と見た二人が攻撃を畳みかける。風の刃が、狐火が、岩の槍が、破魔の霊札がオブリビオンへと殺到する。片方は視界がないにも関わらず、的確な判断とコンビネーションだった。
「……。」
 シュゥゥ、と浄化の音が響く。膝をつくオブリビオンはそのまま倒れ込む―――そう確信したにも関わらずオブリビオンは立ち上がった。
「そんな…!どうして、倒れないの…?」
「…貴様らが絆など愛など、持たぬ者へ理不尽な力を発揮するように」
 剣を構える。ボロボロの鎧に反して、上下の体についた四の瞳は強い輝きを放っていた。
「我とて譲れぬものがある。」
 瑞姫はその姿に恐怖を感じていた。決して倒れぬ不死の敵、師は敵の術中に囚われ、頼りである月神様も応えてはくれない。目をつぶって逃げ出したくなる気持ちを振り払う。瞼の裏に思い浮かべるは師の姿、陽気で優しく、時に厳しく時に年相応の可愛さを見せる、誰よりも頼りになる存在。
「みぃが、お師匠様の十の尾になるの…!!」
 瑞姫は術を紡ぐ。当然それを見逃すオブリビオンではないが。
「~~~(みぃよ、何かするつもりかの……邪魔だてはさせんぞ。)」
 月乃は溜めておいた力を解放し、四属性の術を連続で放ち続ける。オブリビオンは力の代償にて、飛来する術を優先せざるを得なかった。
「少しだけでいいの、力を貸して神さま―――【秘術月落とし】!」
 カッ!天から音が響く、地が揺れる。オブリビオンを中心に、天井を突き破って巨大な塊、隕石が飛来する。
「貴様、師ごと巻き込む気か…!」
 回避を捨て、剣を構えて全力で耐える姿勢を取るオブリビオン。
「巨獣になったお師匠さまは無敵なの!」
「(なにぃぃぃ、ここでその術じゃとーー!?)」
 それぞれの想いが交差しながら、衝突音と共にエネルギーの塊である隕石が爆発する。ぽっかりと空いた天井、光が部屋の中を満たす。誰かが、思ったより地上に近かったんだな、と現実逃避気味な考えを浮かべた。
「まったく……無理をしおって。」
 力を強引に引き出してぐったりする瑞姫を、巨大な獣が手で優しく持ち上げ、壁へともたれ掛けさせる。晴れた光を浴びながら、金色に輝く美しき九尾がその全貌を露わにした。怒りも悲しみも恐れも全てを掌握し、ただ自然体で巨獣――月乃はオブリビオンへと向き合う。
「我は偉大なる守護者。」
 それは詠唱だが、今この場では誓いの宣言。尾に、爪に、全身に四色の光が漂う様に纏っている。
「怒りは猛き焔に。悲しみは白き凍気に。嘆きは轟く嵐に。痛みは震える大地に。我が全霊を持って愛し子の敵を滅ぼさん!」
 巨獣が咆哮の如き叫びをあげる。迫るオブリビオン。炎を宿した爪が剣を抑え、反撃とばかりに風の刃を送り返す。それを食らいながらも強引に接近する、巨獣になろうとその本質は術者。オブリビオンにとって接近戦を行うことが正攻法だ。
「カァーッッ!!」
 オブリビオンが鈍重な獣に対して攪乱しようと速度をあげれば、氷の息で凍てつかせ、岩の槍が貫く。オブリビオンもまた貫かれながら剣をその腕に突き刺す。
(みぃには…見せれぬな。)
 泥臭く、美しさとは程遠い戦いがそこにはあった。だが決して退けはしない、後ろにいる愛すべき存在のために。そして、決着の時が訪れた。オブリビオンが最後の力を振り絞って跳び掛かる。月乃は賭けにでる、ここで決めるしかない、と。手に紋様が強く浮かび上がり、全ての属性を束ねた術がオブリビオンの全身を貫いた。四色の光の本流は螺旋を描きながらそのまま天まで届く。――――貫かれたオブリビオンが再び地へと伏す、もう立ち上がる気配はなかった。
「我はやはり勝てぬのか……。」
「孤独の力など、所詮限界があるのじゃ。執念や恨みは力になれど、未来には繋がりはせん。」
 弟子と呼ぶにはあまりに優秀で、なのに崇拝するかのように慕ってくれている。時には自惚れたり自身過剰になることもあるが、そんな彼女がいるからこそ、月乃は頑張れるのだ。少しでも理想となれるように。
「目標は高いぐらいがよかろう、私ってば凄いからの……おぉっと。」
 短い時間といえど、有り余る力を酷使したことで月乃もまた姿を戻し膝をつく。痛み分けか、と最後まで締まらないところに嘆息しつつも満足感で笑みを浮かべる。
 もはや虫の息のオブリビオン、手を下すまでもない状況で、最後に一人の男が現れた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィクティム・ウィンターミュート
何を言ってんだこの馬鹿は。そんなくだらねー理由でロークな真似をしやがったと?あーあ、救えねえなぁ。んなことばっか考えるから独り身なんだ。

さて、そんじゃまあ…囮として大立ち回りするか。挑発でターゲットを俺に向けてやる。致命的な攻撃はユーベルコードで回避すりゃいい。【時間稼ぎ】でとにかく味方の攻撃チャンスを増やし、攻撃は【ダッシュ】【早業】【見切り】で捌き切る。挑発の内容は…

「ハッ!陰気な奴は考えることも陰気だな!独り身で毎日枕を濡らしたか?こいつぁ傑作!写真に撮って晒上げにしたい無様さだ!仲間だとでも思ったか?願い下げ!陰気が移るから寄るなよ!ハーッ!終わったら誰かと飯行くかなーっかーっ」



●孤独の果て
 ここからは蛇足の物語だ、と彼は後に語った。
 満身創痍の敵、手を下すまでもない、やりがいのない仕事だ。そんなことを思いながら男はオブリビオンの元へと近寄る。
「くだらねー理由でこんなロークな真似をしやがったってのがまじ馬鹿野郎って感じだな。」
 見下ろす男へ、オブリビオンは問いかける。それは自問のようでもあった。
「なぜ……我は勝てないのだ…?」
「いや、そりゃ独りだからだろ。くだらねぇことばっか考えるから独り身なんだよ。」
 ヴィクティム・ウィンターミュートはばっさりと切り捨てた。オブリビオンはもう流す涙もないとばかりに沈む。
「我だって…好きで一人でいたわけではない…!なのに世界が我を…!」
「世の中のせいで独りで毎日枕を濡らしたってか?こいつぁ傑作!写真に撮って晒し上げたい無様さだ。」
 煽るヴィクティムだが、オブリビオンは悔しさで立ち上がろうにも既に体は消滅しかかっていた。抵抗する力さえ失ったオブリビオンを見て、ヴィクティムはやや不機嫌そうにため息を吐く。
「……てめぇはそのまま消えちまっていいのかぁ?」
 目線を交わせる。先に逸らしたのはオブリビオンの方だ。
「もう十分だ。日陰者は所詮、こうして孤独に散るのみ。」
「陰気な奴だなぁ。そんなんじゃ誰も寄り付きゃしねーよ。……つーか俺が言いたいのはそうじゃねぇ。」
 ボロボロの鎧に足を付けてガンを飛ばす。
「なに諦めてんだよてめぇ。消えるなら最後まで貫きやがれよスクイッシィ野郎がよ!」
 何を苛立っているのだろうか。ヴィクティムは自問する。手を出すまでもなく終わったからか?人数は多くヴィクティムの予想では手を出すまでもなく終わりそうだなとは思っていた。だが、そうではない。
「自分の境遇に苛ついて人にあたんのも、人恋しくてブレんのも、勝てず諦めてふさぎ込むのも、結局何もかもがダセェ!」
 同じ男として―――まぁ多分男だろう。なんとも情けないやつだと腹が立ったのだ。
「孤独なら孤独を貫け、孤高なら孤高に生きろ。憎むなら最後まで憎め、改心するならきちんと改心しろ。」
 このオブリビオンはただ孤独を悲しみ、人を妬み、偶然に縋り、全てを諦めた。なんと、なんと格好悪くて報われない生き方か。
「き、貴様とてここまで独りで来たではないか……。」
「いやそこは全然違うだろ!俺は必要なら手を借りるし貸すわ!話を逸らすな…お前、もう消えちまうんだぞ?」
 オブリビオンの眼が、初めてヴィクティムの視線を受け止めた。
「……今更あまりに遅すぎるだろう。」
「どんだけホースにしちまっても、人生は死ぬ間際まで続く。てめぇは最後にどう思って終わりたい。」
 短い葛藤と共に、絞り出すかのように言葉を吐き出す。
「孤独は…嫌だ……。」
 弱弱しい言葉だが、それはオブリビオンが出した最初で最後の本心だった。
「なら、俺達がいる。お前を倒しに来た猟兵で、敵だ。だが、それでも俺達がいるのは」
 気づけばオブリビオンの周りには猟兵達がいた。決して悲しみもしないし憐れんですら居る。例えそれが最後の抵抗を警戒してのことでも、そこに居るのだ。
「お前がこんなくだらないことをしながらも、人との繋がりを求めたからだ。」
 怨念の過去はわからない。孤独死をしたのか、ただ恨みだけを残して死んだのか、そもそも過去があるかもわからない。だが、人間くさい怨念にはとても強く堪えたようだ。
「貴様の言ってること、時々意味がわからんし……聞き飽きた説教だ。だが不思議だ、最後だからか、胸に響くものがある。」
 胸に渦巻くは後悔か懺悔か。それでも、想いを振り切って最後の言葉を吐き出した。
「リア充は…やはり許せんな。」
 恐らく体を持たぬ怨念だが、鎧の中で笑みを浮かべた気がした。
「バズ・オフ―――来世で精々がんばりな。」
 怨念は、傷だらけの鎧ごと消え去っていった。

●猟兵
「おう、大丈夫か?」
 ヴィクティムは、師匠と共に壁にもたれていた瑞姫に声をかけた。
「はい、大丈夫なの。お師匠さまはまだ寝てるみたいだけど。」
 二人は僅かだが面識があった。以前同じ依頼にいた…という程度だが。だが、几帳面という点では共通している二人は互いに顔や名程度は覚えていた。
「ヴィクティムさんは、よかったの?」
「ん、どういう意味だ?」
「あぅ…えぇっと……ああいう説得って、性分じゃねぇーとか言いそうなイメージだったの。ご、ごめんなさいなの勝手な想像で。」
「ははっ、素直なやつだなぁ。……まっ、らしくねーことはしたかもな。」
 なぜだろう、という瑞姫の表情に苦笑いを浮かべながら答える。
「まっ、たまには俺も主役ってもんをやりたくなったのさ。でも、端役のがやっぱ似合ってるわ。思い出して、後から恥ずかしいぜ。」
 そんなことはない、と言いたかったが、追及を避けたいのかヴィクティムはそそくさと離れていった。そこへ話を聞いていたのか数人の猟兵が話に混ざってくる。
「彼もまた猟兵だったということでありますな!」
「なのです。猟兵は、独りではやっていけないのです。」
「うちはぁ、一人気ままなんも、好きやけどねぇ?」
 猟兵の集まりは次第に大きくなり、グリモア猟兵が来るまでの間、二人組なんか関係なく、話に花が咲いた。
「隊長…!幸せに眠ってね…!!」
「それ…まだ続いてたのかしら?」
「おやレディ、とても愛らしい人形ですね。そう扱う君のように…。」
「霞架……そういう人だったの…?」「いえ、ナンパなどではなく敬意の―――」
「凄い大きな狐…だったの……凄かったけど、大丈夫?」
「楽しそうに眠ってるから大丈夫だよ。心配ならマコのオカリナで癒してあげるの!」
「わたくしの野菜畑が残ってましたの!これを食べて元気出してくださいわ!」
「人多くてランちゃんはちょっと人酔いしそうです……」
 猟兵たちは一人ではない。顔も名も知らぬ同士達が出会い力を合わせる。種族や見た目、何もかもが違くてもどこかでつながっているのだ。それがオブリビオン達との違いであり、猟兵達の武器なのだ。
 悲しきオブリビオンが、次は絆の輪に入れることを願うものもいたかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月13日


挿絵イラスト