兎の宿でまったりと
●そうだ、兎の宿に泊まろう
暑さもだいぶ緩んで過ごしやすくなったこの頃、戦争もあったし、疲れも出ているだろう。
せっかくだから旅行はどうだろうか。
そういえば、UDCアースのとある温泉郷のお宿には、山の中の兎の神社から兎達が泊まりに来るという。
「そこにお泊まりに行きましょー……というのが、今回のお話ですー……」
寧宮・澪(澪標・f04690)が宿のパンフをタブレットに映しながら、そういった。
今回は戦ったり騒いだりするのではなく、山の中の温泉宿に泊まるのはどうだろうか、という話だ。
総畳張りで裸足でも過ごせるお宿は、とある県の温泉郷にある。
その宿には温泉に兎が訪れる、という話から兎の置物や民芸品、飾りがたくさん飾られているのだ。
貸し出される浴衣にも兎の模様入りである。
そこでまったりしようというのが澪の提案である。
「今回は、温泉入って、ひたすらまったりするプランですー……」
檜風呂のお風呂も畳張り。かけ流しで24時間入ることができる。
湯上がり所には冷たい山の清水が用意されているし、ジュースやアイスも購入できる。
本もたくさんあるので読みながらまったりすることも可能だ。
宿内の兎の置物や民芸品を見て、温泉入って、ご飯食べて、温泉入って、まったりして。
本読んだり、部屋で畳の上でごろごろしたり、まったりカードゲームやボードゲームしたり。
という人向けのプランである。
一応カラオケルームもあるので、カラオケもできる。
旅費は現地のUDC組織が出してくれるので問題ない。
「よろしければ、行きましょー……?」
既に手ぬぐいを握りしめ、澪は温泉行く気満々であった。
霧野
温泉宿に大量の本を持ち込むタイプです。
よろしくお願いします。霧野です。
●シナリオについて
このシナリオは【日常】の章のみでオブリビオンとの戦闘が発生しないため、獲得EXP・WPが少なめとなります。
まったりと、とある温泉街のお宿に泊まりに行きましょう。
宿内で過ごすのがメインです。
館内は総畳張りで、スリッパなしで過ごせます。
兎の置物や小物がいっぱいあり、宿内のあちこちに飾られています。
おみやげにうさぎグッズもたくさんあります。
温泉を楽しむこともできます。
とにかくゆったり過ごしたい人向けです。
そんなシナリオです。
一章:兎のお宿に泊まりに行きます。
宿内でまったりだらだらします。
あまりわあわあ騒いだり、羽目をはずしすぎないくらいに楽しんでください。
今回は外に観光に行く、などの宿以外の描写はないです。
温泉は女湯男湯別れてます。
澪も宿内で兎を見て回ったり、温泉入ったり、畳のお部屋で寝たりしています。
日常です。
●複数人で参加される方へ
どなたかとご一緒に参加される場合、プレイングに「お相手の呼び名(ID)」を。
グループ参加を希望の場合は【グループ名】を最初に参加した章にご記入いただけると、助かります。
●アドリブ・絡みの有無について
割とアドリブ入れることがあります。
以下の記号を文頭に入れていただければ、絡まなかったり、アドリブ入れなかったりさせていただきます。
△ アドリブ歓迎・絡みNG。
× アドリブNG・絡みNG
第1章 日常
『【Q】旅行とかどうでしょう』
|
POW : とにかく気力体力の続く限り、旅行先を満喫する
SPD : 旅行先で目ざとく面白いものを見つけて楽しむ
WIZ : 事前に下調べを行い、綿密に計画を立てて楽しむ
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
リュカ・エンキアンサス
綾お兄さん(f02586)と
着物の着付けはお兄さんに任せた
だって上手そうだから
着せてもらったら愛銃だけいつものように肩に引っ掛けて
(使わないけど、気分
…さて
こういうところに来たら、戦いは武器じゃなくこれでしなければならないって聞いた
勿論、卓球だよ
勝ったほうが負けたほうの言うことを聞く
俺は珈琲牛乳ってのを飲んでみたい
から、まけないよ
…って、なにそれ
卓球した事ない…?
……わかった。そっちがそのつもりなら
卓球の玉だって弾には違いないから
殺すつもりで、俺も行くよ
(冗談です
後は、長湯は得意じゃないなぁ。とかいいながらのんびりお湯に浸かって
勝ったら珈琲牛乳負けたなら山葵和えをいただく
※勝敗はお任せします
都槻・綾
f02586/リュカさん
信に足るやと見込まれたのでは
気合いを入れませんとね
浴衣を受け取り
笑んで身形を整える
緑の遊具台を前に渡されたのは
杓子のような板
矯めつ眇めつ「らけっと」を眺め
勝負と聞けば煌めく瞳
えぇ
受けて立ちますとも
私が勝ったら――
夕飯の山葵和え、私の分も食べて頂けます?
こっそり内緒話
そうと決まれば負けていられない
然れど
卓球を知らないもの故に
構え方も不明な訳で
居合抜きの要領で
球を逆袈裟に切(カット)したり
第六感が知らせる反射で
全力勝負
卓球って
殺るか殺られるかの命懸けだったのですね…
汗は温泉で流すとして、
次はどちらが長く浸かって居られるか勝負、でしょうか
なんて
悪戯な笑みを咲かせる
※勝敗お任せ
●
リュカ・エンキアンサス(蒼炎の・f02586)と都槻・綾(夜宵の森・f01786)は入綾が淹れたお茶とお着きお菓子を食べて一服してから着替え始める。
和装はお手のもの、と素早く浴衣に着替えた綾へとリュカは自身の浴衣を差し出した。
「綾お兄さん、着せてくれる? そういうの、上手そうだから」
「ええ、任せてください」
綾は信に足るやと見込まれたのならば、と気合を入れて浴衣を受け取り、リュカへと着せかけた。
ぴったり体に合わせ、腰骨のあたりで帯を巻いて結んだ。
「いいですよ」
「ありがとう、お兄さん」
ぴしっと決めた浴衣姿は背筋が伸びるようで、新鮮な気持ちでリュカは愛銃・灯り木を肩に引っ掛ける。
「銃、持っていくんですか?」
「うん。使わないけど、気分」
二人で宿内を散策すると、少し広い場所に置かれた緑の遊技台を見つけた。
リュカは壁際に置かれたカゴから杓子のような板を取り出し綾へと渡す。
「……さて、こういうところに来たら、戦いは武器じゃなくこれでしなければならないって聞いた」
そう、緑の板は卓球台、杓子のような板は卓球のラケットだ。
「勝負しよう。勝ったほうが負けたほうの言うことを聞く。俺は珈琲牛乳ってのを飲んでみたい。だから、負けないよ」
「ほう」
矯めつ眇めつラケットを眺めていた綾の瞳が煌めく。
「えぇ、受けて立ちますとも。私が勝ったら──夕飯の山葵和え、私の分も食べて頂けます?」
「いいよ」
最後の方はこっそり内緒話をするようにささやいて。
ここにお互い負けられない戦いの火蓋が切って落とされたのだった。
「いくよ」
まずはリュカがこん、と軽く玉を叩いて綾の側へ。
綾はラケットの柄を剣のように握り、気合一閃、玉へと当てる。
ラケットが当たった瞬間、すぱんと軽い音を立てて玉を袈裟懸けに切り抜いた。
「……なにそれ」
「いえ、たっきゅう、と言うものをやったことがなく」
「卓球した事ない……そう」
ラケットの持ち方も覚束ない故、つい切ってしまったという。
「……わかった。そっちがそのつもりなら、卓球の玉だって弾には違いないから」
新たな玉を狙いを定めるよう見つめるリュカ。
「殺すつもりで、俺も行くよ」
「こちらも全力で参ります」
無論、冗談である。卓球は戦いではあるが、玉を切ったり殺意を飛ばす必要はないスポーツである。
綾にはラケットを使って玉を相手の陣地に打ち返せばいい、と簡単にルールを説明し、再度仕切り直し。
最初は軽くラリーをしていたが、慣れればすぐに熱くなっていく。
「ふっ!」
「はっ!」
かんかんかんかん、と二人は息つく間もない攻防を繰り広げる。
殺気を飛ばしてフェイントをかけ、見えぬほどの速さで打ち、袈裟斬りにするように玉を返し、射抜くように真っ直ぐ返す。
接戦を繰り広げ、最後にリュカがスマッシュを決めて勝利した。
「卓球って、殺るか殺られるかの命懸けだったのですね……」
「いや、そんなことないけど……まあいいか」
後片付けしてから温泉に浸かって汗を流す二人。
熱すぎないやわらかなお湯が心地よい。
「次はどちらが長く浸かって居られるか勝負、でしょうか」
「長湯は得意じゃないなぁ」
悪戯な笑みを咲かせた綾に、リュカはそう答える。
けれど二人並んでのんびりと湯に浸かり、風呂上がりには珈琲牛乳を、夕食時には山葵和えの小鉢を食べれる方に融通して、のんびりした旅行を味わうのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ハーバニー・キーテセラ
兎の訪れる宿ですか
それはまた、随分と興味のそそられる話ですね
お宿のお話に興味津々。楽しむ気満々で、いざ参加
宿中に飾られた兎の置物に目を輝かせ、浴衣の兎模様に目を輝かせ
ここは天国なのでは?
と、ご満悦
兎の様々に興味を示しますが、特に、民芸品や置物、飾りに強くと
折角のお休みですから、走る駆けるもお休みで、のんびりトテトテと歩いてお宿の散策と洒落込みましょうか
その中でお土産屋さんなどあればご当地キーホルダー的な、兎関連の小物を買わせてもらいます
旅先の思い出、というやつですね
※
バニーガール衣装を脱いで、宿の浴衣姿
1人なら完全オフモード
誰かと絡む時だけ、スチャリと兎耳だけ装着し、間延びした喋り方を
●
「兎の訪れる宿ですか」
ハーバニー・キーテセラ(時渡りの兎・f00548)は温泉に兎がやってくる、という宿の話に興味津々である。
「それはまた、随分と興味のそそられる話ですね」
兎の飾りや置物がたくさんあるという宿内を楽しむ気満々で、現地に意気揚々と送られてきた。
外観は落ち着いた佇まいの宿だが、玄関の置物はもちろん兎。
玄関入ってすぐのロビーにも兎の置物や人形、飾り物、民芸品がたっぷり飾られている。
受付のカウンターにも兎のキーホルダーや兎の小物。部屋の鍵のキーホルダーにも兎の図柄。
ハーバニーはそれら全てに目を輝かせ、
(ここは天国なのでは?)
と、大変ご満悦だ。
部屋に入れば落ち着いた和室の床の間にも兎の置物がある。
ほんわか眺めながら一服すれば、お着きのお菓子も兎模様の煎餅だ。
お茶と美味しくいただき、早速兎の浴衣へと着替えて、宿内の散策へと繰り出す。
お休みだから、と走るも駆けるもお休みにして、宿内をのんびりとてとて練り歩くことにした。
さて廊下を歩けばちりめん細工の兎の行列が棚の上で並び歩く。
階段の壁にかけられた暖簾には、様々な兎が染め抜かれ。
壁に飾られた竹細工の器の中には折り紙の兎。
着物をつけた兎の人形、跳ねる兎の置物、あちこちに隠れる兎達。
宿のあちこちに兎達がたくさん飾られている。
兎ながらも跳ねることなく、ハーバニーは楽しみながらゆるりお宿の散策と洒落込んだ。
さて、受付の側には土産物コーナーが併設されている。
兎のぬいぐるみやちりめん細工に置物、兎型の石鹸、入浴グッズ、地場物の漬物なども置いてあった。
「旅先の思い出に」
ハーバニーはそこから一つ、月と稲穂を抱えた兎のキーホルダーを買って、今回の旅の思い出の縁にするのだった。
大成功
🔵🔵🔵
シビラ・レーヴェンス
●露(f19223)を誘う。
…戦争中に露には少々無茶なことをさせたからな。礼だ。
兎の浴衣に着替えて。お風呂場へ。今日はそこから出ん。
「露、君の方の準備はできたか? そろそろいくぞ」
相部屋の露をしばらく待つが待てずに一人で向かう。
温泉は久々だな。身体を清…ん?背後からどうした露?
「洗いっこしよう? …やれやれ、子供か君は…」
「髪も? …好きにしろ」
まあいい。背中を預け露に身体を洗ってもらおう。
清めて貰ったら交代し私も露の身体を清めよう。
「……v(心底気持ちよさそうな声」
ん。身体が解れていくのがわかる。素晴らしい。
客が少ない時間帯は手足を十分に伸ばしリラックスする。
逆上せに注意し心行くまで過ごす。
神坂・露
珍しくレーちゃん(f14377)に誘われたわ。労いって♪
えへへ♪レーちゃんの為に戦争頑張った甲斐があったわv
「相部屋相部屋、レーちゃんと~♪ あ、待ってー」
可愛い浴衣を小脇に小走りで一緒に温泉へ。
湯船に入る前に身体洗わないと。石鹸で泡たてて。
…レーちゃんの身体、凄く高価な壺みたいに綺麗よね。
「レーちゃん。身体の洗いっこしよー? いーい?」
顰めて肩ごしにあたしの方をみたけど許してくれたわ。
「ありがとー♪ シャチョウさん。キレーな、は…ぷぁ!」
思いついたことしたら泡を顔に投げられちゃったわv
冗談じゃなくて本当のことなんだけどなぁ~。綺麗なの。
洗いっこの交代してから湯船に。
「…ふゅく~♪ 幸せぇー」
●
「……戦争中に露には少々無茶なことをさせたからな。礼だ」
「えへへ♪レーちゃんの為に戦争頑張った甲斐があったわ」
シビラ・レーヴェンス(ダンピールの電脳魔術士・f14377)と神坂・露(ヤドリガミの精霊術士・f19223)の目当ては天然温泉かけ流しの檜風呂だ。
珍しくもシビラからの発案である。
ゆっくりと戦争で溜まった疲れを解こうと、今日一日温泉から出ない気持ちでやってきたのだ。
「相部屋相部屋、レーちゃんと~♪」
部屋について荷物を置いたら、シビラは早速子供用の浴衣に着替え、お風呂セットを抱える。
「露、君の方の準備はできたか? そろそろいくぞ」
しかし露はおっとりのんびりと部屋に飾られた兎の置物を眺めたり、お風呂セットを並べたりと、部屋から出る気配がない。
シビラも最初は露が準備を終えるのを待っていたが、焦れてきた。
温泉が呼んでいるのだ。待っていられない。
「先にいくぞ」
「あ、待ってー」
声掛け出ていくシビラに露は慌てて浴衣を小脇に抱え、小走りで追いかけて一緒に浴場へ向かうのだった。
湯船に入る前に身を清めようと洗い場に椅子を並べる二人。
「温泉は久々だな」
「レーちゃん、レーちゃん」
露は一声かけてからふわふわに泡立てた泡を、いそいそと石鹸を泡立てているシビラの滑らかな背中にくっつける。
「……ん?どうした露?」
「身体の洗いっこしよー? いーい?」
「洗いっこしよう? ……やれやれ、子供か君は……」
顔を顰めて肩越しに露を見るシビラ。見た目だけなら、お互い割と幼い見た目である。
一つため息をついて、シビラは露に背中を預けた。
結局シビラは露には甘いのかもしれない。
「まあいい。洗ってくれ」
「ありがとー♪」
露はもこもこの泡をシビラの背に滑らせて、丁寧に汚れを落としていく。
洗っていく中、ふと露は思う。シビラの体は凄く高価な壺みたいに綺麗だと。
「シャチョウさん。キレーな、は……ぷぁ!」
ふと思いついたこと実行した途端、シビラから泡を顔に投げられる露。
真っ白いもこもこが突然襲ってきてびっくりだ。
「何を言っているんだ、君は。冗談も大概にしろ」
「え〜、冗談じゃなくて本当のことなんだけどなぁ~。綺麗なの」
ひとまず背を流し終え、露はシビラの銀の髪にも触れる。
「髪も洗わせてー♪」
「髪も? ……好きにしろ」
しゃかしゃか泡立てたシャンプーで洗い、リンスもして、シャワーで流して。
それから前後を交代して、シビラも露の体を清めたのだった。
ぴかぴかになった体にかけ湯をしてから湯船に浸かれば、二人の口から心底気持ちよさそうな声。
「……v」
「……ふゅく~♪ 幸せぇー」
湯船の檜の香りがやわらかく漂う湯船で、やわらかな湯質の温泉が体を温めてくれる。
手足を十分に伸ばして香りも楽しんでリラックスし、のんびりとお湯を楽しむ。
体がほこほこと温まっていくにつれて、溜まっていた疲れが解れていくのがわかった。
「素晴らしい」
「気持ちいいね〜」
逆上せぬよう、時折洗い場に上がったり、湯船の縁で足湯のように座ったり。
騒がしくならないように控えめにおしゃべりながら、一日中温泉を堪能する二人であった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
エルディー・ポラリス
おんせんおんせーん!
話に聞いて入ってはみたかった温泉!
ほら、普通に入ると、身体中の聖痕で驚かせちゃいますからね。良い機会です!
というわけで入浴……くぁー……!(伸び)
いーですねーこれ。良い文明ですねーこれは。
個人的にまた来てもいいかも、今度は妹とか連れて……ふさふさ尻尾の人狼を皆で使う風呂に入れてもいいものか。
ま、その時考えましょ。
さて、のんびりした後はうさぎグッズのお土産を探しましょう。何も無いと弟妹が拗ねます。
ただまあ、ダークセイヴァー人にこんな旅の経験なんて当然ないわけで……。
宿の人にそんな事情は説明できないし、何を買うべきやら。
……助けて寧宮様! 迷える子羊にベスト兎をご教授ください!
●
「おんせんおんせーん!」
ふんふん鼻歌歌いながら、エルディー・ポラリス(Au delà de les larmes・f11010)は早速浴場へと向かっていく。
(話に聞く度、入ってはみたかった温泉!)
普通に入ると身体中に走る聖痕で周囲を驚かせてしまうから、と遠慮していた温泉に入れるのだ。
(これは良い機会です!)
堪能すべく足取り軽く浴場へ入り、身を清めてから風呂へと身を沈めた。
「……くぁー……!」
ゆっくり半身を沈めれば、気持ちよさそうな声が思わず口から漏れた。
「いーですねーこれ。良い文明ですねーこれは」
やわらかなお湯を腕や肩にかけ、熱さに慣れたら肩まで浸かってお湯を堪能する。
(個人的にまた来てもいいかも、今度は妹とか連れて……ふさふさ尻尾の人狼を皆で使う風呂に入れてもいいものか)
妹も宿の装飾は楽しんでくれるかもしれないが。
(ま、その時考えましょ)
今は疑問を横に避けて、ひたすら温泉を堪能するのだった。
さて、ほこほこになってから土産物売り場に向かう。
(何も無いと弟妹が拗ねますからね)
だがしかしここでエルディーは躓いた。 ダークセイヴァー出身であるエルディーには、こんなただ楽しんで骨休めするような旅の経験なんて当然なかったのだ。
宿の人にそんな事情は説明できないし、何を買うべきやら浴衣姿でうんうん唸るが案は浮かばず。
「……助けて寧宮様! 迷える子羊にベスト兎をご教授ください!」
「はいー……?」
結果、宿をうろうろしていた澪を捕まえ、説明を求めたのだった。
なお、お土産は弟妹にはシンプルな兎のキーホルダー、家族皆には兎柄の温泉まんじゅうになった。
大成功
🔵🔵🔵
逢坂・理彦
煙ちゃんと(f10765)
UDCだけど畳が敷いてあるからちょっと安心というか…(UDC世界やや苦手)
わぁ、まさしく兎の宿だね。
ふふ、浴衣の兎もとっても可愛いらしい。
民芸品を見るだけでも楽しそうね。
煙ちゃんは何か気になるのある?
あぁ、なるほど庵に置く置物か後で見てみようか。
それとも先に食事か温泉にする?
料理はどんなのが出るかなー山の中だし山の幸が中心にかな?
温泉…前に何度か旅団の子達と行ったよね。
うん、でも今回は煙ちゃんと二人だし首の傷は気にしなくていいかな?
あっ、でも煙ちゃんが嫌なら隠すから言ってね。
何にしても戦争も終わったしゆっくりしよっか。
吉瀬・煙之助
理彦くん(f01492)と
UDCアースは絶対1人じゃ来ないけど
理彦くんと一緒なら安心かな……
外じゃないし(車が苦手)
それに畳の建物ならほっとするしね…♪
わぁ…ほんとだ、どこもかしこも兎がいっぱいだね
この兎の置物とか可愛いよ…♪
うちの庵に置いたらどうかな?
うーん…せっかくだし大きいお風呂入ってみたいね
温泉に行ってみよう…?
え?えっと、嫌じゃないよ…!
寧ろ理彦くんの気が抜けてる感じがして
嬉しいっていうか…
うん、2人でのんびりゆっくりしようね…♪
※アドリブOK
●
逢坂・理彦(守護者たる狐・f01492)と吉瀬・煙之助(煙管忍者・f10765)も、兎の宿へと訪れていた。
宿に入れば、あちらこちらに兎の置物や絵に民芸品が飾られている。
「わぁ、まさしく兎の宿だね」
「わぁ……ほんとだ、どこもかしこも兎がいっぱいだね」
ゆっくり見ながら部屋へと向かう途中にも兎の雑貨や置物が見え隠れ。
それに宿内すべての床が畳敷きで裸足で過ごせる。
「UDCアースは絶対1人じゃ来ないけど
理彦くんと一緒なら安心かな……」
「UDCだけど畳が敷いてあるからちょっと安心というか……」
「うんうん、ほっとするよね……♪」
車が走っていたり自然が少なかったりとUDCアースに苦手意識を持つ二人だが、木や畳がメインの内装にはなんとなく落ち着く気持ちになる。
部屋に入れば仕切りは障子、床は畳にお布団の和室だ。
床の間には掛け軸と兎のちりめん細工が飾られている。
テレビや冷蔵庫はあるが、勝手に動くわけでもないから気にするほどではない。
「この兎の置物とか可愛いよ……♪」
「ふふ、浴衣の兎もとっても可愛いらしい」
月を背後に餅つきするちりめん細工に煙之助は顔を緩ませ、理彦は用意されていた浴衣に時折交じる可愛らしい兎の柄に微笑んでいる。
早速浴衣に着替えながら、このあとの予定を考える二人。
「民芸品を見るだけでも楽しそうだね。煙ちゃんは何か気になるのある?」
「うん、色々置物とか売ってるみたい……うちの庵に置いたらどうかな?」
「あぁ、なるほど庵に置く置物か。後で見てみようか」
慣れ親しんだ和装であるから手間取ることなく二人とも着替え終わる。
理彦は襟巻を仕上げに首に巻いた。
「それとも先に食事か温泉にする? 料理はどんなのが出るかなー山の中だし山の幸が中心にかな?」
「山菜とか川魚とか?」
部屋備え付けのファイルに挟まれたメニューを見れば、近辺の山の幸や、すぐそばの海から運ばれる海の幸が振る舞われるらしい。米どころでもあるからご飯も美味しい、日本酒も美味しい。
夕食は指定の時間に大広間に席ができるので、時間までは他のことをすることにした。
「うーん……せっかくだし大きいお風呂入ってみたいね。温泉に行ってみよう……?」
「温泉……前に何度か旅団の子達と行ったよね」
「あの時も楽しかったね〜」
あの時は夜空の映るお湯を皆で楽しんだものだ。帽子を外した煙之助は珍しがられ、理彦は狐姿になって入浴も楽しんだ。
ここの温泉は源泉かけ流しで、湯船は檜だという。
「うん、でも今回は煙ちゃんと二人だし、他の人がいなければ首の傷は気にしなくていいかな? あっ、でも煙ちゃんが嫌なら隠すから言ってね」
理彦はこういうのを気にするひともいるからねぇ、と首に巻いたマフラーにふれて苦笑する。
それも理彦の優しさからくる気遣いなのだろう。
「え? えっと、嫌じゃないよ……! 寧ろ理彦くんの気が抜けてる感じがして、嬉しいっていうか……」
そんな風に自分にだけ気が緩んだ姿を見せてくれるのは嬉しいと、煙之助は言う。
「何にしても戦争も終わったしゆっくりしよっか」
「うん、2人でのんびりゆっくりしようね……♪」
二人でのんびり温泉に入って、夕飯も楽しみ、もう一回温泉に行ってふかふかのお布団で眠る。翌朝は朝ごはん食べて、お土産を選んで帰る。
そんなのんびり旅行を楽しんだのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
落浜・語
△
無事に戦争も終わったし、たまにはのんびりしても、罰は当たらないよな。
温泉入って、部屋でゴロゴロうだうだしよ。うさぎ柄の浴衣ってのもありだな。
あーついでに、噺の書き起こしもやろうかな。いつもと違う環境の方が進みそうだし、疲れたときはまた温泉入りに行けばいいし。
お土産物とか見るのもいいかもな。大概それで、キーホルダーとか買ってしまうけれど、それも記念ってことで。うさぎのキーホルダーを色違いで二つ。邪魔にはならないだろうし、お土産に。
…動物とか部屋の中だけだったら平気かな。平気なら、カラスと仔龍もつれてこうか。物壊したり、荒らさないようにだけは、ちゃんと言い含めておく。カラス、仔龍の監視は頼んだ。
●
(無事に戦争も終わったし、たまにはのんびりしても、罰は当たらないよな)
落浜・語(ヤドリガミのアマチュア噺家・f03558)は温泉に入って部屋でゴロゴロうだうだすべく、こっそりカラスと仔龍とやってきた。
「いいか、部屋を荒らすなよ。カラス、仔龍の監視は頼んだ」
来る前にも口を酸っぱくして言い聞かせていたが、ここでももう一度。
移動中は見えないようキャリーケースにいれて部屋内だけ、布団を汚さない、食事や用具等必要なものは自分で用意するなら今回はOKらしい。
普通の動物でもないので、言い聞かせておけばいいだろう。抜け羽などで汚さぬよう帰る前にはチェックする。
今はカラスも仔龍も大人しくまったりしているようだ。
語は早速浴衣に着替える。
「うさぎ柄の浴衣ってのもありだな」
普段着ている着物もいいが、シックにワンポイントのうさぎ柄というのも悪くはない。
部屋に備え付けのお茶を入れてほっと一服。
その後は湯船が檜造りの温泉に浸かって日頃の疲れをほぐし、部屋に戻って寝っ転がる。
襟元に仔龍を入れてしばしそのままぼんやりしていたが、起き上がって座卓に向かい、噺の書き起こしを始めた。
(いつもと違う環境の方で進みが早いなー……疲れたときはまた温泉入りに行けばいいし)
しばし書き起こしをして、集中力が切れた頃に仔龍をまったりしたカラスに預け、また温泉に入って。
部屋に戻る前に土産物屋によっていく。
(お土産物とか見るのもいいよな。大概それで、キーホルダーとか買ってしまうけれど、それも記念ってことで)
お菓子もいいが、せっかくなら記念になりそうなものを。
シンプルなうさぎのキーホルダーを色違いで二つ購入する。
月を抱えて跳ねる姿は、大切な人と自分でお揃いなのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ペイン・フィン
◎【カラオケ大会】
(カラオケルールは、ファンのもの準拠)
【点数:91・苦手・ジャンル:童謡】
温泉で、ゆったりした後、皆に誘われて、カラオケ
……正直、カラオケ、というか、歌うの、苦手だけど
でも、皆で楽しむのが、大事。だよね
と、澪だ
今回は、送ってくれて有り難う
もしよければ、カラオケ、来ない?
きっと皆、歓迎してくれる
自分の、手番が来るまで、のんびり、皆の歌を聴くよ
うまい下手よりも、楽しく歌っているかどうか
……感情に、惹かれて、こっちもなんだか、楽しくなってくる
自分が歌うのは、童謡
なるべく、単調で、歌いやすそうなのを
……歌うの、苦手だから、ね
歌い終わったら、すぐに席に戻るよ
……練習、頑張ろう
ファン・ティンタン
◎
【WIZ】オラトリオが謹製たる我が身にて
【カラオケ大会】4名
温泉は、良いモノ
けれど今、私は温泉と同じくらい、心が奮い立っているよ
カラオケ、歌の祭典
普段喉を鍛えているのはこんな機会に備え…ん゛ん゛っ、災魔との戦いのためだよ
でも、歌う機会があるなら、楽しんでいいよね?
今こそ、オラt(ry
カラオケルール
【カラオケ大会】タグ使用
採点は機械判定【ダイス目大が好評】が全て
歌の【得意・普通・苦手】はあってもトラブルや奇跡があれば採点まで結果は分からない
歌う前に【ジャンル】宣言してね
【07・得意・バラード系アニソン】
ペインの歌を聞いて、心に懐かしさを
そっと、自分の番で集音機器の配線を半挿しに
でも、歌は本気で
桜雨・カイ
【カラオケ大会】
【点数:25/普通/ジャンル:特になし】
ウサギがいっぱい…と珍しそうに施設やお土産を眺めます
浴衣の柄も…かわいいですが私に似合うでしょうか?(とい言いつつちゃっかり人形にも着せてる)
カラオケ…?なるほど災魔との戦いの為に、喉の鍛錬も兼ねてるんですね(ふむふむ)。では私も参加しますね。
あまり曲を知らないので何を歌えば…あ、先日UDアースに行った時にドラッグストアでずっと流れていた曲なら耳にに残ってるのでそれ歌います!(お店のテーマ曲を頑張って歌う)
他の人が歌う時は手拍子をパチパチ
依頼以外でこんな風に過ごす機会はあまりなかったので、こういうのって楽しいですね
三上・チモシー
【カラオケ大会】
【61・普通・J-POP 最近の女性アイドルグループ曲】
ウサギ柄の浴衣を着て、ウサギの民芸品や置物をいろいろ見てまわるよ
かわいいー♪
おみやげとかもあるのかなぁ
んー、カラオケ大会?
楽しそう!参加するするー
自分の番になるまでは、ときどき手拍子入れたりしながらのんびり聴いてようかな
よーし、自分のは盛り上がる曲にしよう
ついでに踊っちゃうよ(振り付けうろ覚え)
盛り上がればそれでOK!
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「ウサギがいっぱい……」
桜雨・カイ(人形を操る人形・f05712)は宿に入ってからあちらこちらに見える兎の数々に、きょろきょろと首を巡らせる。
部屋に行くまでも兎の置物や飾りが出迎えてくれた。
部屋にも床の間に兎の飾りが置かれ、浴衣には兎が見え隠れする柄。
「……かわいいですが私に似合うでしょうか?」
と言いつつも、すすっと着替え、紳士物の浴衣をちゃっかり人形のカイにも着付けている。
三上・チモシー(カラフル鉄瓶・f07057)も、兎の浴衣に喜んで着替えていた。
くるくるっと帯を巻いて完成だ。
「早速、ウサギを探しに行こう!」
うきうきと部屋を出て、宿中を見て回ることにした。
廊下に出れば壁に飾られた、兎の吊り飾り。
「かわいいー♪」
少し歩けば棚の上や中にも小さな兎の人形達。
木彫りの像や着物をつけた兎の人形、ちりめん細工に兎の染め物や絵画もあった。
「おみやげとかもあるのかなぁ」
入り口そばの土産物屋に行ってみれば、カイもいた。
ちょうどいい、と二人で土産物を覗いてみる。
子供向けのうさぎのぬいぐるみやご当地物のうさぎのキーホルダー、木彫りやちりめん細工、うさぎ柄のポーチや財布、兎の石鹸やお風呂セットもある。
漬物や米も置いてあった。
「色々あるねー」
「ですねぇ」
狐面をつけた人形も頷きながら、三人でのんびり眺めたのだった。
さて、のんびりとお風呂に行っていたペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)はファン・ティンタン(天津華・f07547)に誘われてある場所に向かっていた。
「温泉、良かったね」
「温泉は、良いモノ」
ファンもほかほかのも浴衣姿で頷く。
「けれど今、私は温泉と同じくらい、心が奮い立っているよ。そう、カラオケ、歌の祭典」
「カラオケ……?」
「せっかくだし、皆でカラオケ大会を行うよ」
「んー、カラオケ大会?」
カイやチモシーも誘って、4人で向かうのは予約しておいたカラオケルーム。
思いっきり歌を歌うための遊興施設だ。
「普段喉を鍛えているのはこんな機会に備え……ん゛ん゛っ、災魔との戦いのためだよ」
「なるほど災魔との戦いの為に、喉の鍛錬も兼ねてるんですね。では私も参加しますね」
「楽しそう!参加するするー」
ふむふむと感心するカイの純粋な視線が少々ファンに突き刺さった。
楽しそうなチモシーはそのままでいい。
(でも、歌う機会があるなら、楽しんでいいよね?)
今こそ、オラトリオが謹製たる我が身にて、至上の歌声を披露すべき。
やる気満々のファンの隣のペインは本当に少々足取りが重そうだった。
(……正直、カラオケ、というか、歌うの、苦手だけど。でも、皆で楽しむのが、大事。だよね)
そんなことを考えながら向かえば、途中でうろつく宿内をうろつく澪に出会う。
「と、澪だ」
「楽しまれて、ますかー……?」
「うん、今回は、送ってくれて有り難う。もしよければ、カラオケ、来ない? きっと皆、歓迎してくれる」
「はい、どういたしましてー……なら、お邪魔しましょー……」
ちょうど暇だったのか、頭を下げつつ着いてくる澪であった。
カラオケルームは5人が入っても余裕があるくらいの広さだ。
澪がタッチパネルのリモコンにコードレスのマイク2本、コード付きのマイク2本を渡し、機材をセッティングしていく。
「どなたから、歌われますー……?」
「あまり曲を知らないので何を歌えば……」
カイは少し悩んでいる。
歌が苦手なペインも同様の様子。ファンと澪は得意な方だからか、様子見している。
「はいはーい。じゃあ、自分から歌うよー」
チモシーが元気よく手を上げた。
「よーし、自分は盛り上がる曲にするよ」
ぴっぴっと最近の女性アイドルグループの曲を登録し、コードレスマイクを手に立ち上がる。
アップテンポで流れるポップミュージックにあわせてくるくる腕を振り、ステップ踏んで楽しく踊る。
流れるメロディーにあわせて笑顔で楽しげに歌って、踊って。
周りも手拍子やタンバリンで盛り上げていく。
多少振り付けがうろ覚えでも盛り上がればそれでいい。
「いぇい!」
ぴしっと最後のポーズは決めて、チモシーは歌いきった。
送られる拍手にいい笑顔である。点数も良い感じだ。
「すごいですね、チモシーさん」
「ん、楽しそうで良かった」
「うん、踊りも上手」
「おー……これは、良い歌ー……」
ぱちぱちと聞いていた仲間も口々に感想を言いながら拍手してくれる。
「えへへ。次は誰が歌うー?」
「あ、先日UDCアースに行った時にドラッグストアでずっと流れていた曲なら耳にに残ってるのでそれ歌います!」
ちょん、ちょんとタッチパネルを教えられつつ操作してカイは目当ての店のテーマソングを登録する。
マイクを持って楽しげに、耳に残る特徴的な歌を楽しげに歌い上げる。
カイが歌にあわせて揺れるのに合わせて人形のカイも体を揺らし、短いながらもテンションの上がる曲を歌っていく。
周りも手拍子したり、一緒にコーラス入れたりして楽しそうだ。
最後まで歌いきれば一斉に拍手が送られた。
「良く、覚えてたね」
「うん、すごい。歌も上手だったよ」
「かっこよかったよー」
「うんうん、楽しげで良い感じー……」
皆の感情に惹かれ、楽しくなってきたペインが歌うのは童謡。
マイクを握って直立不動で淡々と、単調に、でも楽しい気持ちを乗せて歌っていく。
(……歌うの、苦手だから、ね)
でも、ゆっくりと拍子にあわせて仲間達が手拍子してくれているのは、少しうれしい。
ペインは最後まで歌い終わって、そそくさと席に戻る。
「ペイン、良かった。ちょっと懐かしい気持ちになった」
「とっても上手でしたよ」
「うんうん、良かったよ!」
「お上手でしたー……いいですねー」
そうやって、皆が褒めてくれる。機械に表示された点数もかなりの高得点。
(……練習、頑張ろう)
ちょっとだけ、歌を頑張ってもいいかもしれない。
そうペインは思った。
さて続いてファンが歌うのはバラード系のアニソン。
コードの繋がったマイクをちょっと引っ張るように持って、張り切って歌う。
ゆっくりと心に降り積もった想いを伝えるように、しっとり歌い上げる。
聞いているものも歌われる曲にうっとりした顔を見せている。
それに、ファンはペインの歌を聞いて、心に懐かしさを感じた。
どこか昔に聞いたことのあるような、郷愁を覚えるような、優しい歌。
あの歌に負けないくらい、素敵な歌を──。
最後まで悠々と、余韻を残して歌い上げた。
けれど振り向いて見た点数はあまりにも意外すぎた。
「……何故」
本気で渾身の力を込めたのに、何故、「07」などという表示が出ているのだろうか。
ファンは左目を見開いて機械を凝視する。機械のことはわからないが、これが低い点数だとはわかるから。
これは一体どういうことだ、まさか喉に異常が出ているのだろうか。
グリモア猟兵が予知しないほど隠すのに優れた敵の攻撃だろうか。
ならばこの身がおかしくなる前に、仲間に伝えて──。
「ファンさん、マイクー……半分抜けかかってるから、点数低かったんでしょねー」
澪がファンが歌っている最中感じた違和感に、マイクを見に来ていた。
指差したところを見ると、確かに半分抜けかけていた。
「抜けかけ……」
「うん、点数低いのは、機械の不調ですよー……」
「なるほど……」
「うん、ファンすごく綺麗だった」
「そうですよ、ファンさんお上手ですね。さすがです」
「ねー、いい声だったよ」
口々に褒められれば満更でもない。
オラトリオ謹製の誇りも十二分に保たれるというものだ。
「じゃ、次、ねむねむの人ね」
そう言われて澪が歌ったのは、ミュージカルのナンバー。
顔の表情を変えないまま、得意というだけあって歌だけは明るかったり囁いてみたりと、やたら表情豊かに歌ってみせた。
カイもチモシーも、手拍子を叩いてにこにこ楽しんでいる。
「こういうのって楽しいですね」
「うん、いいねー」
依頼以外でなかなかこんな風に歌って過ごすことがなかったカイや、お寺や箱庭での交流以外はあまりなかったチモシーにはとても新鮮だ。
緊張していたペインも、張り切っているファンも、着いてきた澪も楽しそうで。
皆で童謡を合唱したり、カイと人形のカイが一緒に踊ってみたり、ファンと澪とチモシーで三人アイドルの歌を歌ってみたり。
5人は予約時間いっぱい、歌ったり踊ったりと楽しんだのだった。
大成功
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