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スレットゥ・フロム・スペース

#ヒーローズアース #ディテクティブ・ザ・ハンド #キャロル #フィジックス #マニトゥ

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 ――もし宇宙に意志を交わせるものが居るのなら、それはどんな姿をしているだろう?

●ネバダ州南部、第51工場
「参ったな、畑違いも良いところだ」
 トレンチコートのヴィジランテ、ディテクティブ・ザ・ハンドは頭を抱える。
「プルトン人が生存しているなんて……こういうのは宇宙まで行けるヒーローの担当だと思うんだが」
 軽口か本気か分からない独り言の間にプルトン人と呼ばれた機械生命体がにじり寄る。
「良いではないか、ハンド君」
 囲まれていくヴィジランテを見下ろしながら、修道服の男が高らかと語る。
「世界は広い、遠き星より同胞が来ることがある」
「そう言うのは工場を襲撃しながら言わないでくれ、クラン」
 クランと呼ばれた男はハンドの言葉に対して背を向け、その場を去る。
「参ったね」
 ボーラのようなチープウェポンが飛び、プルトン人の一体を拘束するがオブリビオンたる機械生命体はそれを引きちぎる。
「ジャマモノハハイジョ」
「スベテハオーバーロードの為に」
「これはやるしかなさそうだ」
 愛用の六尺棒を構えれば、トレンチコートのヴィジランテは覚悟を決めた。
 多分、死ぬにはいい日なんだろうと。

●グリモアベース
「大変だよ! ヒーローズアースに宇宙人がライトニングに襲来した!」
 若きグリモア猟兵、雷陣・通(ライトニングキッド・f03680)は興奮冷めやらぬ表情で皆に伝える。
「今回、狙われたのはネバダ州の工場。そこで精製されているレアメタルをヴィランが目を付けたのが始まりなんだ。それを止めようとディ……てくてぃぶ・ハンド? っていうトレンチコートのヴィジランテが駆け付けたんだけど、そこにオブリビオンが襲来して、大混乱!」
 少年が頭を掻きながらタブレットを弄ろうとして、すぐにそれを放り投げると、資料をホワイトボードに叩きつける。
「まずはプルトン人というオブリビオンに囲まれているハンドを助けてくれ! 勿論だけど、多分黒幕はいる! そいつを突き止めて倒すんだ!」
 次々と張り付ける資料にはトレンチコートのヒーローと修道服のヴィラン、そして機械生命体の姿が下手な絵で書き込まれている。
「資料は持った? じゃあ、ゲートを開くから後はヒーローに聞いてほしい。そして終わったら俺に話を聞かせてくれよ!」
 時計に手を触れれば、ゲートが開く。それは未知の世界への扉であった。


みなさわ
 多分、掲載誌があれば『ディテクティブ・ハンド#384 ビジター・フロム・スペース」とかつくストーリーだと思います。

 どうも、みなさわです。
 今回はヒーローズアースにて宇宙から来た存在と戦ってもらうお話となります。
 集団戦、日常パートでヒーローと交流しつつ、ボス戦へと迫って行きましょう。

●ヒーロー
『ディテクティブ・ハンド』
 トレンチコートの探偵、カラテやジュードーの達人です。

●ヴィラン
『クラン』
 修道服が特徴のヴィランです、外宇宙との交信の為に犯罪を引き起こす科学者という特特徴を持っています。

●オブリビオン
 雑魚(それなりに)
 ボス(強い)

 なお、みなさわのマスターページにアドリブ度などの便利な記号がございます。よろしければご参考下さい。

 では、宇宙からの脅威と戦う皆様の活躍をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『プルトン人』

POW   :    フルメタル・スキン
全身を【地球には存在しない未知の金属でできた装甲】で覆い、自身が敵から受けた【攻撃を学習し、味方全体で共有。その蓄積】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD   :    ブラックアイド・ヒューマンズ
【眼以外は完璧に地球人に擬態した潜入工作員】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
WIZ   :    アンノウン・ウェポン
【未知の科学技術で作られた光線銃やその銃剣】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●コミュニケーション・トゥ・プルトン
 ――BIFF!!
 トレンチコートの鋭い蹴りがプルトン人の腹にめり込み、数体巻き込んで吹き飛ばす。
「マーシャンかステイツ、ジャスティス・ワンが居れば、こんな苦労はなかったんだけどなあ」
 オブリビオンが光線銃を構えれば、ハンドの左手から何かが飛び、工場の骨組みに絡む。
「悪いが、マン・ターゲットになる趣味は無くてね」
 手首に仕込んだワイヤを掴めば、光線飛び交う中、プルトン人の頭を超えてベルトコンベアの上に着地する。
「どう考えても、相手はオブリビオン。私が勝てる相手ではないが……」
 コンベアが動く中、時計を睨む。
「8時30分までは持たせてみるか」
 迫りくるオブリビオンに向かって微笑むトレンチコートのヴィジランテ。
「君達、英語は分かるかな? Can you go home now? OK?」
 返ってきたのは光線の雨あられ。
「全く、お勉強なこって……」
 工場の機械を背にハンドは時間を稼ぐのであった。
東山・歩


とぅっ、東山さん参上!……なーんて!
よーしハムさん、頑張ってでぃ……でぃてぃく…………ハンドさん助けようね!!

まずは『ハムさん召喚!』
……私普通の女の子だからね!戦いはハムさんに任せたっ!やっちゃえ、ハムさん!
よーし、ハムさんが暴れてる間に……おーい!ハンドさーん?どこー!?

って!うわわ、こっち来た!ど、どうしよう……きゃー!誰か助けてー!?



●アニマル・フレンド

「とぅっ、東山さん参上!」
 コンテナの上に立つのは東山・歩(普通of普通・f21515)。
「……なーんてね!」
 と、愛嬌を振りまく姿は一見、普通の女子高生に見える。
 だが、その隣にいる存在がそれを否定してしまうだろう。

 ――Hamster.

 哺乳綱齧歯目キヌゲネズミ科
 体長――3メートル超!

「やっちゃえ、ハムさん!」
 歩の言葉に従い、ハムスター(3メートル超)がプルトン人に襲い掛かる。
「よーし、ハムさんが暴れてる間に……おーい! ハンドさーん? どこー!?」
 混乱を誘い、その間にトレンチコートのヴィジランテを探す少女。
 そこに現れるは一人の男。
「ハンドさん……じゃないですよね?」
 歩の緑色の瞳に移る男の姿は確かに地球人の様であった。しかし、その双眸は黒曜石のように黒く、白目というものが無かった。

 ――ブラックアイド・ヒューマンズ

 プルトン人が使う潜入工作員が光線銃を構えれば、ターゲットを捕えまいと距離を詰める。
「って! うわわ、こっち来た! ど、どうしよう……きゃー! 誰か助けてー!?」
「はい、お呼びに預かり騎兵隊の登場」
 少女を抱え込む腕、歩が浮き上がったと思えば、それは自身を抱えてワイヤーで工場の上層階へと移動するハンドの姿。
「すまないが今度から電話で呼んでくれるとありがたい」
 倒れ行く潜入工作員の額に刺さるのはナイフ一本。
「電話……ですか?」
 吹き抜けの天井から二階に着地した二人。軽口に着いていけず、少女が首を傾げる。
「ところで君の相棒は――」
 トレンチコートのヴィジランテが階下へ視線を向けると……。
「……私達の間には有名な言葉があってね」
「はい」
 何か、言葉を選ぶかのように慎重にかつ重々しく話すハンド。そして何も分からずに頷く歩。
「――リスとネズミには近づくな」
「なんで!?」
 あくまで真剣に話すトレンチコートのヴィジランテと疑問の声を上げる少女の眼下ではハムスターによってKOされたプルトン人の山が築かれていた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ミハエラ・ジェシンスカ

ホームシティから離れるとは珍しいな、ディテクティブ?
お前はもっと「down to earth(現実的な、地に足を付けた)」な犯罪者どもの相手が領分だと思っていたが

いつも通りフォースレーダーで【情報収集】を行いつつ
【武器受け】【見切り】で攻撃を捌き【2回攻撃】で戦う

通常の立ち回りで敵の数を減らしつつ
それで対処が難しい程増強された敵には【催眠術】【殺気】を乗せたサイキックエナジーを照射
これ以上の学習を避ける為にも一度で可能な限り多数の敵を対象に取り【鏖殺領域】を使用する
成る程、確かに堅牢な装甲だ
だが、どれだけの装甲を纏おうとも貴様ら自身が一度「斬られた」と認識してしまえばそんなものは関係ない


エル・クーゴー

●POW


>友軍データをアーカイブより参照
>一件ヒットしました
_Long time no see.“ディテクティブ”


・戦闘
【空中戦】用バーニアを用いた空中機動にて屋内を立ち回り、敵攻勢に対しマニューバを

L95式アームドフォート及び追随武装、各射撃兵装を適宜展開
【ファイアワークス・ドライブ(攻撃回数重視)】、射撃開始します(誘導弾)

敵性は回避よりも防御を経由した情報収集行動を主体としているものと想定されます

その傾向を逆手に取ります
使用弾を【武器改造】、弾頭に電脳魔術による【ハッキング】用のアンテナ素子を搭載し発砲
着弾した敵性が敵軍間で共有するデータに、連携を寸断するウイルスを混入・便乗させます



●ハルーシネイション・ドールズ
 破裂音が鳴り、天井が破壊されれば飛び込むのは影二つ。
 背部より空中戦用バーニアを噴射し、工場に飛び込むのはエル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)。
 まるで人と変わらない丸みを帯びた肢体が抱えるのは骨組みも同然の四肢が特徴のミハエラ・ジェシンスカ(邪道の剣・f13828)。
「友軍データをアーカイブより参照――一件ヒットしました」
「こちらも対象を確認した、相違は無い」
 エルのデータ検索に同期したミハエラが応えれば、ミレナリィドールの手が開きウォーマシンを大地へと開放する。
「Long time no see.“ディテクティブ”」
「“L”How have you been?」
 目の前を通り過ぎるように飛ぶエルが上層階に上がってきたプルトン人と立ち向かうハンドへと話しかければ、機械生命体を棒で叩き落しつつトレンチコートのヴィジランテが返す。
「ホームシティから離れるとは珍しいな、ディテクティブ?」
 着地と同時に転落したプルトン人へフォールンセイバーを突き刺したミハエラが声をかける。
「仕事でね、ベガスで発生した事件に駆り出されたのさ」

        down to earth
「お前はもっと地面を這いつくばる犯罪者どもの相手が領分だと思っていたが」

 機械生命体の光線を理力剣で弾けば、金属質なフレームが大地を蹴り、両腕の刃がプルトン人の胴を薙ぐ。
「私も畑違いだと思うんだが、この手を担当しているマーシャンは冷蔵庫を買いにショッピングモールだ!」
ウォーマシンの言葉に軽口で切り返せば、ハンドはもう一体のオブリビオンを投げ飛ばす。
「L95式アームドフォート及び追随武装、各射撃兵装を展開」
 宙に浮いたプルトン人へ迫るエルの各部ハードポイントから兵装が展開されれば。

     Fireworks.drive――Active. 
「ファイアワークス・ドライブ、射撃開始します」

 アームドフォートに懸架された機関砲がモーター音を鳴らしバレルを回転させれば、吐き出される銃弾がオブリビオンの身体に孔を穿つ。
 倒れ行く同胞を見たプルトン人の身体が未知の金属に覆われれば、エルがガンラックから分隊支援火器を引き抜く。
 炎が噴き、金属が跳ねる音が鳴った。
「――想定」
 ミハエラの隣でホバリングしたエルの電脳ゴーグルが緑色に明滅し、ARディスプレイが損害を分析する。
「敵性は回避よりも防御を経由した情報収集行動を主体」
「どうやら、そのようだな」
 フォールンセイバーが弾かれたウォーマシンが軽く舌打ちをしつつ、距離を取る。
「ならば搦め手と行こうか?」
 ミハエラの口角が上がり理力剣の刀身を消せば、ミレナリィドールのバーニアが炎を吐き、大きく回り込むように飛んでいく。
 二種二様の戦争人形が二人、戦場へと飛び込んでいった。

 金属質の脚が床を蹴る音が響く。
 無手の戦場人形の動きに対し、機械生命体の集団は光線銃を構え、ミハエラの退路を断つ。
「良いのか?」
 ウォーマシンが問えばプルトン人の首が刎ねられ、その場に崩れる。
 突然のことに戸惑うオブリビオン。
「お前らの事だ、感じ取れまい」
 また一体、プルトン人が唐竹に両断される中、ミハエラが歩く。
「確かに堅牢な装甲だ」
 次は二体。
「だが、どれだけの装甲を纏おうとも貴様ら自身が一度『斬られた』と認識してしまえばそんなものは関係ない」
 それは殺意、それは殺気。
 濃密に高めた『それ』はオブリビオンに斬られたと誤認させ、そしてそれを顕在化させる。
「そうだろう?」
 もはや鏖殺の領域と化したミハエラの周りには誰一人立つ者は居なかった。

「電脳魔術プロトコル実行、弾頭精製完了」
 エルがガンラックから抜いた二丁のPDWを構えれば、セレクターレバーを指で弾く。
「敵性傾向把握、データ同期遮断プログラム――インポートします」
 引鉄を絞れば、貫通力のある弾丸がプルトン人の装甲を貫き、撃ち込まれた弾丸に仕込まれたアンテナ素子が強制的に機械生命体のシステムに侵入する。
 敵軍が受けた攻撃を情報として同期、共有するのなら。そこへ連携を寸断するウイルスを混入すれば、それは意味をなさなくなる。
 電子が作る欺瞞情報が同期を遮断し、特性である共有と蓄積を無へと返す。
 ミレナリィドールが飛翔すれば熱の帯びた真鍮の筒が床を跳ねまわる。
「――システム、オールグリーン」
 エルがバーニアを制御して着地すれば、オブリビオンは物言わぬ金属の塊へと化していた。
「状況を終了します」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アヴァロマリア・イーシュヴァリエ
※アドリブ、他との絡み歓迎

こっちの世界の宇宙は、こんな人達も居るんだね? 住める星、あるのかな……

UCで、ハムスターや他の猟兵さんにやられちゃったプルトン人達を適当な場所にどかせて、武器を借りちゃうね。スペースシップワールドのとは違う感じだけど、マリアのUCなら使い方も全部、『借りる』ことができるから。
念動力で一度にたくさんでも、きっと大丈夫。
オーラ防御で身を守りながら、攻撃回数重視で、残ったプルトン人もやっつけちゃうよ。

ヒーローのおじさんも、光線銃使う?
なら、使い方教えてあげるね


グレイス・リリィ

全く……あっちもこっちも大騒ぎね
(深々と襤褸切れの様な者を纏い、その姿形はよく見えない)
大丈夫よ、猟兵はどんな言葉も大体分かるし

って、ああ。私じゃないのね。まあいいわ
術式起動――纏めて消し飛ばす
未知でも既知でも無機質だったら、それは私の刃となるわ
竜巻で群がる敵を吹き飛ばし、連携を遮断する

これで囲みは外れたかしら。ハロー色男、ご機嫌いかが?
体勢を立て直した敵に睨みを利かせ、手にした鈍器を構える

存在感を消して一体ずつ背後からブン殴るわ
頭を叩けば倒れるでしょ、どんなに図体デカくても

もしハンドが狙われる様ならば敢えて目立って、
こちらに注意を引き付ける

後ろからカラテでやっつけちゃってよ、ヒーロー


フィーナ・ステラガーデン
とりあえずこの猪みたいなやつらを倒せばいいのね!
ヴィジランテを別に見捨てるわけじゃないけど
助けるのは他の人に任せて私はオブリビオン殲滅をメインにやるわ!
敵がいなくなれば全部OK!そんな精神よ!

場所は工場よね?じゃあ高い場所を陣取ろうとおもうわ!
【地形を利用】して高台からUCでなぎ払っていくわよ!
(UCはレーザーで焼き払っても良いし
地面をなぞって連鎖爆発を起こしても良い)

その跡もUC連打しても良いし
敵の攻撃を【ジャンプ】で高台から高台に乗り移りつつ【空中戦、属性魔法】で火球を飛ばして援護してもいいわね!

(アレンジ、アドリブ、連携大歓迎!)



●デトネーション

「とりあえずこの猪みたいなやつらを倒せばいいのね!」
 フィーナ・ステラガーデン(月をも焦がす・f03500)がストレートのブロンドをかき上げると、眼下に居るのはプルトン人の集団。
「ヴィジランテを別に見捨てるわけじゃないけど」
 工場の上層区画、一番階下が見渡せる場所で花のような杖を構えるその姿は。
「敵がいなくなれば全部OK! そんな精神よ!」
 ハンドに対しての救助は仲間に委ね、自らは敵の殲滅に力を注ぐ決意。
「焔よ。その変幻自在な姿を一閃の光に変え!」
 差し向けた杖の先端に嵌め込まれた宝石が光れば。

 FLASH! ――閃光が大地を走り。
 KABOOM!! ――階下が炎に包まれた!

「良い感じに燃えてるじゃない!」
 こちらの攻撃に対して情報共有してくるのなら、まとめて焼き払えばいい。
 照り返す熱気に自らも火照る様に叫べば、そこへ飛ぶ複数の光線。
「おっと!」
 その場を跳び、横回転で宙返りをしつつ火球を叩き込む。
 フィーナが別の足場に着地した時には攻撃はまばらになりつつあった。

「全く……あっちもこっちも大騒ぎね」
「そうだな、でもパーティーっていうのはそんなものだろう?」
 コンテナの陰で襤褸切れを纏った猟兵とトレンチコートのヴィジランテが言葉を交わす。
「……」
「えーと、もうちょっと堅い英語の方がよかったかな? どう思う?」
 ハンドがコンテナの向こうを見ながら、口を開く。
「大丈夫よ、猟兵はどんな言葉も大体分かるし」
 声のトーンから女性と分かる襤褸を纏った者が答えを返せば、直後にコンテナに打ち込まれる光線の嵐。
「って、ああ。私じゃないのね。まあいいわ」
「どっちもなんだが、まあいいだろう――じゃあ、仕事をしようか?」
 トレンチコートのヴィジランテの言葉に
「ええ」
 襤褸切れの――グレイス・リリィ(墜ちた星・f21749)は一言、そう答えてコンテナの上に飛び乗った。
「術式起動――纏めて消し飛ばす」
 スピリットを操るユーベルコードがプルトン人に干渉すれば、装甲が剥離し、竜巻へと姿を変えてオブリビオンを呑み込む。
 機械生命体故の弱点、未知の装甲と言えど無機物ならばそれはグレイスの刃へと変わる。
「ハロー色男、ご機嫌いかが?」
 片手に持った杖で足元のコンテナを叩くのは強化人間のヒーロー。
「そうだな、悪くない」
 態勢を立て直そうするプルトン人の背後で声がすれば、オブリビオンの首にワイヤーが絡む。
「じゃあ、カラテでやっつけちゃってよ、ヒーロー」
 グレイスが呼びかけた直後、プルトン人を拘束したワイヤーを握ったハンドがハンマー投げの要領でオブリビオンを振り回し、敵軍へと投げ込んだ。
「試してみたかったんだ、同じ装甲を持つ同士、ぶつけたらどうなるか」
「ひどいカラテね」
 トレンチコートのヴィジランテが呟けば、襤褸を纏った女がクスリと笑った。

「こっちの世界の宇宙は、こんな人達も居るんだね? 住める星、あるのかな……」
 アヴァロマリア・イーシュヴァリエ(救世の極光・f13378)が小さな体でプルトン人の巨体を引きずる。
 決して、彼女が怪力な訳ではなく念動力が成せる技。
「それじゃ、借りるね」
 物陰にオブリビオンを隠していけば、彼らが持っていた光線銃を手に取り、戦場へと走った。

 複数の光条がハンドを包囲したプルトン人を貫き、トレンチコートのヴィジランテを銃を持った少女の元へと走らせる。
「大丈夫? ヒーローのおじさん」
「助けてくれてありがとう、レディ。でもおじさんと呼ぶのは君が大人になってからにしてくれ」
 マリアが問いかけながら光線銃を放つ中、軽口を叩きつつハンドが敵へと向きなおる。
「色々と妨害が効いているようだな、攻撃に対して情報が共有が遅れている」
 光線を喰らっても装甲が変化しないのを認めれば、好機と睨んだトレンチコートのヴィジランテがナイフを投擲。刃はオブリビオンの額に突き刺さり、爆発する。
「とはいえ、こっちもそろそろ品切れだな」
「光線銃使う?」
 マリアがもう一丁確保していた銃を差し出せば、ありがとうとハンドはそれを受け取る。
「使い方、教えてあげるね」
「――大丈夫」
 少女の申し出を断り、ヴィジランテが走れば光線銃に取り付けられた銃剣でプルトン人の頭を叩き割る。
「……実は銃は苦手なんだ」
 振り向いて肩を竦めるハンド。
「大丈夫! 練習すれば使えるから!」
 マリアの言葉にトレンチコートのヴィジランテは困った顔を浮かべるしか出来なかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

アポロダスト・ディラマティウス


オーイエッ!宇宙からの侵略者!つまりはエイリアンってわけデスネ!
なんともワクワクする存在デース!!
しかーし!コスモパワーならワタシも負けまセーン!!
エイリアンは宇宙へゲットアウトしてもらいマース!!
ミュージックスタート!!

【WIZ】

宇宙から来た存在でしかも敵ならばワタシの存在は注目の的のはずデース!
だったらこのダンスを踊るしかありまセーン!

ダンスナンバー『大宇宙舞踊(アポロナイトフィーバー)』カモーン!

ワタシの溢れ出る《ダンス》の力はエイリアンの視線すらも奪いマース!!
エイリアンの攻撃もいい感じに《ダンス》で避けマース。

後は高まったパワーとワタシのダンス神拳でエイリアンをフルボッコデース!!


矢来・夕立
◎SPD
…。だからね、ハンドさん?
あんまりクライムキッチンを留守にしてるとオレが襲撃しますよ。
ウソですけど。

牛星人が呼んだ曲者がいるようです。
《忍び足》でこのオレに勝ったつもりですか?
隠れんぼって、hide-and-seekでしたっけ。
日本では探す役のコトを鬼って言うんですよ。デーモン。
鬼に捕まると生きたまま目を抉られます。
ウソです。
ウソですが今からやります。
潜入工作員の方、感覚を共有してるみたいなので。痛くれば牛星人全体の動きが鈍らないかな、と。
たくさんいるみたいだし。

効果があろうがなかろうが、殺すのは変わりません。
【紙技・冬幸守】。
未知の金属が何ですか。こちとらオリガミファイターですよ。



●ダンサー・アンド・ザ・ダーク

「忍び足でこのオレに勝ったつもりですか?」
 混乱の中、一人逃げるクラン。
「隠れんぼって、hide-and-seekでしたっけ」
 修道服の男が立ち止まり、辺りを見回せば、人気のない工場区画の四方から声が響く。
            Demon
「日本では探す役のコトを鬼って言うんですよ」

 いや、響きはしない。
「鬼に捕まると生きたまま目を抉られます」
 その声は反響せずにクランの耳を打ち、そして。
「ウソです……が今からやります」
 ブラウンの瞳へと矢来・夕立(影・f14904)の刃が迫る。
「サセハシナイ」
 黒で塗りつぶした金属を眼窩に埋め込んだ男がそれを阻み、刃が黒に銀を刻む。
「牛星人の潜入工作員ですか?」
 距離を取った夕立が千代紙を投げれば、牙道とナイフ、二つの武器が工作員の頭を貫いた。
「やぁ、オリガミファイター。スーツを誂えたのかい?」
「あのですね、ハンドさん?」
 ナイフを投げたハンドが影の傍らに立ち、お互いの瞳が交錯する。
 直後、前後から挟み撃ちを狙った二体のブラックアイズヒューマンへ脇差と六尺棒が叩き込まれた。
「あんまりクライムキッチンを留守にしてるとオレが襲撃しますよ」
「それは困るな、やるならベースボールが終わった後にしてくれ」
「ウソですよ」
「知ってるさ」
 ウソとジョークのキャッチボールが終われば、ヴィジランテが何かを投げ、二つの影が区画から抜け出す。
「やりました?」
 夕立が問えば。
「もう済んだ」
 彼らが居た場所が爆炎に包まれる。
「とはいえ、プルトン人を倒さないと新手が来るわけで……クランには逃げられたな」
 ハンドの顔を向けた先にはオブリビオンと新たに召喚された工作員の集団がいた。

 ――DAMP!
 TWANG!
 TWANG!
 TWANG!

 そこへ流れるミュージック。顔を見合わせるのは猟兵とヴィジランテ。
「ハンドさん、神が来ましたよ」
「私はゼンの学び手だよ。なんにしても――」
 夕立の言葉にハンドが苦笑し。
「オーイエッ! 宇宙からの侵略者! つまりはエイリアンってわけデスネ! なんともワクワクする存在デース!!」
 ベルトコンベアの向こうからアポロダスト・ディラマティウス(踊り踊らば踊りまSHOW!・f17392)の姿を認めると
「救いの神はありがたい」
 本心から呟いた。

「スペースから来た存在、つまりコスモ!」
「あ、コンベアの上でムーンウォークすると、その場で静止したように見えるんですね?」
「私も初めて見たよ」
 三者三様の言葉が交わされる中、アポロがコンベアを降りる。
「しかーし! コスモパワーならワタシも負けまセーン!!」
 ステップを踏むダンスの神へプルトン人とその眷属が視線を向ける中、二つの影が視線を交わし、そして消える。
「エイリアンは宇宙へゲットアウトしてもらいマース!!」
 アポロがオブリビオンへと指させば、彼らは光線銃で応える。
 そこへ煙幕が巻かれた。
「Oh……」
「ダンス前の準備さ」
 呟くダンスの神を誘うようにハンドが手を引く。
「さあ、こっちだ。君のパワーならもうちょっと良い舞台を作ろう」

 煙幕で目標を失ったプルトン人達。
 彼らが視線を動かし、倒すべき相手を求めれば、さっきまで響いていた曲が終わり、新たなナンバーが流れる。
「宇宙から来た存在でしかも敵ならばワタシの存在は注目の的のはずデース!」
 そこへ進んでいくフォークリフト。
「だったらこのダンスを踊るしかありまセーン!」
 ヴィジランテが操縦する車体の爪に差し込まれたパレットの上で踊るのは神。
「No.206――アポロナイトフィーバー!!」
 大宇宙を股にかけるユーベルコードのダンスナンバーが始まった。
 オブリビオンが光線銃のトリガーを引き、工作員が飛び掛かる。
 ステップ! ターン!! ジャンピング!!!
 狭い舞台を縦横に使い踊るアポロを光線はとらえ切れず、工作員はターンからの指差しで額を貫かれ、床に落下する。
 フォークリフトが疾走する中、オブリビオンは正確に狙おうと神が踊る動きの一挙一動を注視する。
「パワフール! 120%マキシマムデース!」
「心得た」
 アポロの言葉にハンドがハンドルを切れば、片輪を浮かしてフォークリフトが180°のターンを決める。
「イエーイ!!」
 漲るアフロにパワーを溜めて神が飛べば。
「――鏖だ」
 蝙蝠の式紙が群れとなって後背よりプルトン人達を襲った。

 ――紙技・冬幸守

 黒の奔流が潜入工作員を呑み込み、感覚を共有するオブリビオンの動きを止める。
 耐えがたき苦痛から逃れるために感覚を遮断すれば、そこへ舞うのはアポロ。
 ダンスの神たる彼女が敵であれ、踊りへと注目されれば、その力は信仰も同然となり、そして力となる。
 アフロヘアーをクッションにヘッドスピンで回転すれば、それは暴風も同然!
 巻き込まれたプルトン人はなす術もなく吹き飛ばされていった。

「未知の金属が何ですか。こちとらオリガミファイターですよ」
 骸となったオブリビオンをクッションに着地すれば、夕立が呟く。
「その名前、気に入っているようだね。さて……」
 ハンドが棒を片手に笑って視線を向けた先では――
「Oh……ギャラリー消えて、パワーもエンプティデース」
 アポロが燃え尽きていた……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鬼子母神・月子
宇宙人さんなんですか?もしも地球征服が目的だったら一大事です!ヒーロー参上!……です!

でぃてくてぃぶ……ハンドさん!お待たせしました、応援に駆けつけました!
オブリビオン相手にも通用するなんてハンドさんのキックはすごいですね!カラテのおかげかな?私も負けていません!【ロボ格闘!】でプルトン人さんを【吹き飛ばし】ちゃいますよ!私のロボットさんは【怪力】だからどんな装甲でも問題ありません!……たぶん!


ザフェル・エジェデルハ
◎ 樒(f10234)と共闘

敵は宇宙人ってヤツか?
色んな世界があって色んなオブリビオンがいるもんだな

敵と距離を取り、【範囲攻撃】を駆使してユーベルコード(UC)で
一斉に仕留める。敵の数に応じて何度でもUCを放つ
なお場合によっては敵と距離を詰め、【力溜め】から戦斧で
【鎧砕き】や【部位破壊】攻撃を行い確実に敵を仕留める

敵攻撃からの防御は樒のUCに頼ると共に
【武器受け】や回避行動で対応する

宇宙との交信とかレアメタルとか俺にはなんだかさっぱりだが
猟兵としての仕事はきっちり勤めさせてもらう
こいつら全部片付けたら話を聞かせてくれよな、ハンド!!


織部・樒
ザフェルさん(f10233)と行動

他者連携OK

皮膚が金属とは……しかも見たことのない素材のようですね
興味は尽きませんが、今は駆逐することだけを考えましょう

ザフェルさんからなるべく離れないよう注意
敵行動を見て攻撃されるタイミングでザフェルさんと自分の前面に
【高速詠唱】併用し九字真言にて障壁を展開
防ぎ損ねた攻撃は光線銃なら【オーラ防御】に期待、
銃剣は【武器受け】など錫杖を使い凌ぎます
敵が多数の場合、余裕があれば武器にて攻撃も行います
出来ることならヒーローの、でぃ……てくてぃぶ・はんど?
さん付近にて彼の守護も兼ねたいところです
ところでこの戦闘の間クランさんは何をしているのでしょうか?



●デストロイヤー・フロム・イエーガー

「宇宙人さんなんですか? もしも地球征服が目的だったら一大事です!」
 鬼子母神・月子(未来のスーパーヒーロー!・f21704)がプルトン人の集団を見て呟いた。
「色んな世界があって色んなオブリビオンがいるもんだな」
 ザフェル・エジェデルハ(流離う竜・f10233)も地球外生命体という名のオブリビオンに少々興味を惹かれる。
「皮膚が金属とは……しかも見たことのない素材のようですね」
 織部・樒(九鼎大呂・f10234)も同様であった。
「興味は尽きませんが、今は駆逐することだけを考えましょう」
 けれど、今すべきことを忘れている訳ではない。
 それは他の二人も同じ。
 互いが頷けば、各々の持ち場へと動き始めた。

「ヒーロー参上! ……です!」
 月子が名乗りを上げれば、最後に残ったプルトン人達とそれを引き付けているハンドの間に割り込むようにジャンプ。
 ロボットアームが唸りを上げれば、その怪力を持って装甲はひしゃげ、オブリビオンが壁に叩きつけられる。
「でぃてくてぃぶ……ハンドさん! お待たせしました、応援に駆けつけました!」
「助かるよ」
 別のプルトン人の膝を蹴りぬいたヴィジランテが世間話をするように応え、その頭へと六尺棒を叩き込めば、木が折れる音が鳴り、棒がへし折れる。
「ありゃ……適応されたな」
「でも、キックの威力はすごいですね! カラテのおかげかな?」
 すぐに続くように少女のロボットアームが唸りを上げてオブリビオンを吹き飛ばす。
「けど、私も負けていません!」
 自信満々に叫ぶ月子。
「私のロボットさんは怪力だからどんな装甲でも問題ありません! ……あれ?」
 だが吹き飛ばされたはずのプルトン人はまるで聞いていないかのように身を起こし、光線銃を持って迫ってくる。
「どうやら対応されたようだね……ところで君のロボットアームは物を握ったりは出来るかな?」
 トレンチコートのヴィジランテがオブリビオンの様子を見ながら、少女へと尋ねる。
「え……はい!」
 意図を察した月子が距離を詰め、プルトン人の頭へアームを伸ばす。
 ただし、拳は握らない。
 掌でオブリビオンの頭を掴めば、そのまま力に任せて握りつぶす。
「OK、正解だ。今度は紙を破くようにやってみようか?」
「はい! ……やってみます!」
 ハンドが出すヒントを解きながら、月子の自慢のロボ格闘がバリエーションを増やし、データとして蓄積していくのであった。

 次に動くのはザフェル。
 黒い幻影竜の集団を召喚すれば、幻の鉤爪がプルトン人の頭を薙いだと認識させ、機能を停止させる。
 攻撃に対応しようと装甲を変化させるが、幻影の竜の攻撃は学習するには困難であり、それ以上に数が多く、情報共有が間に合わない。
 幻影竜が暴れる中、竜の使い手はヴィジランテの傍らに立つ。
「宇宙との交信とかレアメタルとか俺にはなんだかさっぱりだが猟兵としての仕事はきっちり勤めさせてもらう」
「助かるよ、後でコーラでもおごろう」
 ハンドが軽口で返せば
「エールが良いな」
 同じように切り返す
「ラガーじゃダメかな?」
「手を打とう。その代わり、こいつら全部片付けたら話を聞かせてくれよな、ハンド!!」
 叫ぶなり、戦斧に持ち替えたザフェルが走り出せば、その膂力を活かして装甲を叩き割り、また一体オブリビオンを倒すのであった。

 混乱の中、物陰に隠れていたプルトン人が光線銃を構える。
 猟兵が攻撃に集中しているのを好機と見た機械生命体はトリガーに指をかける。
 殺意が光条がハンドを仕留めるべく迫りくる。
「青龍、白虎、朱雀、玄武、勾陳、帝台、文王、三台、玉女」
 けれどオブリビオンの攻撃はヴィジランテの傍らに降り立った樒が紡ぐ破邪の結界によって、それは阻まれる。
 直後、プルトン人の眼の前に手榴弾が転がった。
「ありがとう、君もコーラでいいかい?」
 安全ピンを指で弄びながらハンドが礼を述べれば
「いえ、お構いなく」
 爆発音が響く中、白天目のヤドリガミが軽口を受け流し
「お茶以外は嫌いですので」
 乳白色の髪が炎に照らされ、朱が差す中、言葉を継いだ。
「なら……仕事の続きをしようか」
 ヴィジランテが爆発で転がった鉄パイプを片手に提案すれば。
「そうしましょう」
 樒も錫杖を構え、視線をオブリビオンへと向けた。

「で、あの宇宙人さんは何なんですか?」
 戦いが終わり、機械生命体だった物が転がる中、月子が口を開く。
 他の猟兵達は周囲を警戒し、光線銃を構えたり、踊ったりと思い思いの行動を取っていた。
「アレはプルトン人。かつてオーバーロード・エクスマキナに侵略された星の民で、尖兵みたいなものだ」
「オーバーロード・エクスマキナ?」
 瓦礫に座って答えるハンドの言葉にザフェルが問い返す。
「俗に言う、宇宙からの侵略者って奴だよ。何度かやってきて私も一回は戦いに巻き込まれた」
「では、クランというのは?」
 樒がすでに居なくなったヴィランの事を質問する。
「クランは外宇宙との交信が専門の元科学者。今では地球外生命体を神聖視して、その司祭を自称し、こうやって犯罪を起こす。ここはレアメタル精製工場だから、目的の者が来ると踏んだんだろう。だが……」
 背後で猟兵の一人が懐紙で刃を拭う中、ヴィジランテが言葉を続ける。
「プルトン人もエクスマキナも、もう倒されている存在だ」
「つまりは?」
 誰かが呟けば、ハンドが言葉を継いだ。
「――オブリビオン。ここから先は君達の仕事だ」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 日常 『ヒーローの活躍』

POW   :    ヴィラン退治に参加します。戦闘自体は楽勝ですが、丁々発止のやり取り等、参考になることもあるでしょう。

SPD   :    ヴィラン退治でない、交通事故や遭難者の救助など、ヒーローの日常の事件解決に協力します。

WIZ   :    市民が主催するイベントに参加したり、ジャーナリストのインタビューを受けるヒーローに同行します。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ナイト・オブ・ラスベガス

「さて、これから私達はクランを探して何をするか聞かないとならないのだが……」
 夜の街。
 カジノで賑わう都市に立つビルを屋上でハンドは皆を見る。
「実はここで時空の歪みが発生して、他のヒーローがそれに掛かりっきりだ。私もそれに駆り出されていたんだが、工場の事を知って君達と遭遇した次第だ」
 ビルから見下ろす街はまるで不夜城。
 けれど、その影には闇が蠢く。
「そんなわけで、君達にはヴィラン退治をしつつ情報を聞き出してくれるとありがたい。マフィアの用心棒、暗殺集団、自分の研究のために金を奪いに来る悪党に事欠かない」
 ビル風か吹き、ヴィジランテのコートがはためいた。
「勿論、交通事故や遭難者の救助も私達の仕事だ。ポリスや消防が来る前に事態の悪化を食い止めるよう。それと……」
 悪戯っぽくハンドが笑う。
「うっかりメディアに捕まったらインタビューされるから気を付けるんだよ」
 最後に警告した後、ヴィジランテが屋上を歩くが何かに気づき、振り向く。
「ああ、それと、マスクはした方がいい。ストッキングとかパンツで代用するのはおすすめしない。ここはアメリカだ、ポリスに撃たれる」
 誰かが笑った気がした。
 それを見たハンドが再び街を見下ろせば。
「それじゃ、時間は8時30分……ちょっとしたアルバイトの始まりだ」
 不夜の街へとその身を躍らせた。
白斑・物九郎
●POW



マスクしろだァ?
持ってねっスよ

ま、イイですわ
要はツラが割れなきゃイイんでしょうわ?

(でっかい化け猫に化ける)

『この世界』で狩りをすんのは初めてでしてよ
慣れるまで、ちょいとばかしおたくに付いて回らせて貰いまさ

獣の惑星からやって来た、百鬼夜行の先頭を張る黒猫――
差し詰め『ワイルドハント・ブラックキャット』とでも名乗っときましょっかや


・化猫に変化、ハンドに随伴し摩天楼を飛び回ったりビル壁面を駆け降りたりする
・当座ハンドの指示に従って輩を【怪力】を叩き出す前脚・後脚・尾で【なぎ払い】ボコったり、ほじくり返した道路に埋めて拘束したりする

・なんか知ってそうな奴に【野生の勘】でアタリを付けて【恫喝】


グレイス・リリィ
◎POW
ヒーローって、随分やる事あるのね

ヴィラン退治(不殺)を手伝う
存在感で引き寄せて挑発
沢山いれば衝撃波で吹き飛ばし
数が減ったら電撃の属性攻撃で痺れさせる
囲まれたら空を飛んで上空から迎撃よ

多少は気を張って防げるし……そうこうしていれば
逃げ出そうとする奴とか出てくるでしょ
地形を使ってこっそり後をつけるわ
暗殺――まではしないけど、背後から捕まえて脅す

クランって奴がどこで何を企んでるか知らない?
知らないなら知ってそうな奴はお友達にいる?
必要な情報を聞き出したら電撃で痺れさせるわ
で、こいつら引き渡せばいいんでしょ

……もう少し気の利いた事は言えないかって?
生憎お喋りするほど余裕が無いのよ
私、か弱いから



●クライム・イン・ザ・ラスベガス

「ヒーローって、随分やる事あるのね」
「おかげでボーイスカウトと呼ばれる始末さ」
 ドミノマスクを受け取ったグレイス・リリィが気だるげに呟けば、トレンチコートのヴィジランテは肩を竦める。
「君も要るかい?」
「イイですわ」
 白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)が固辞すれば、その姿は巨大な猫を思わせる獣へ。
「要はツラが割れなきゃイイんでしょうわ?」
「ふむ、シェイプシフター」
「『この世界』で狩りをすんのは初めてでしてよ」
 物九郎の言葉にふむりと頷きつつ耳を傾けるハンド。
「慣れるまで、ちょいとばかしおたくに付いて回らせて貰いまさ」
「OK、私はベーデン・パウエルと言ったところだな。で……何と呼べばいい?」
 ヴィジランテが問いかければ
「獣の惑星からやって来た、百鬼夜行の先頭を張る黒猫――差し詰め『ワイルドハント・ブラックキャット』とでも名乗っときましょっかや」
 ワイルドハントはやや芝居ががった口調で名乗れば
「……グレイスでいいわ」
 強化人間の女は相変わらず気だるげな口調で続く。
「生憎お喋りするほど余裕が無いのよ。私、か弱いから」
 二人の様子を見たハンドは不夜の街へと振り返り。
「これから、カジノに物理的に突入して腕力でチップを稼ごうとする集団がトラックに乗って押し寄せてくる。私達は二キロ先でそいつを抑える。二人ともアクロバットは……いや、大丈夫だな」
 笑いながら左手首からワイヤーを射出すれば、建造物へと絡めると街へと飛んでいき、二つの影もそれに続いた。

『プロヴィジョン・オブ・スキル(通称スキル社)』は世界有数の人材派遣会社である。
 彼らの仕事はハッキング、誘拐、強奪、新技術の実験、暗殺など実に様々だ。
 そして技術は実戦によって磨かれなければならない。
 今回、ヒーロー達が動けないと聞いた彼らはすぐさま『実地訓練及び新兵器の稼働試験』に移るべく行動を開始した。
「……?」
 最初に気づいたのは先頭を走るトラックの運転手。
 ネオンの反射で明るい空を飛ぶ三つの影が視界に移ったのだ。
 一人はワイヤーを駆使して空を舞い、もう一人は黄金を纏い翼を広げて空を飛ぶ。
 そしてもう一人……いや、一体はアフリカの肉食獣が如くコンクリートのジャングルを跳び、ホテルの壁面を駆け下りてこちらに迫ってくる――!

「――誰だ!」

 ――Call me the Wild Hunt.
「俺めのコトは猟団長と呼べ」

 獣人の重さの乗った前肢の一撃がトラックを叩き潰し、周辺の道路を陥没させる。
「適応が速いな」
 走行不能となったトラックから出てくる武装した社員へボーラを投げつけながらハンドが声をかける。
「当たり前でさ」
 ワイルドハントが鞭のように尾をしならせ、敵を薙ぎ払い言葉を返す。
「別の世界じゃこれでブイブイいわせてるんスよ」
「成程、そりゃ頼りになる……それにしても数が多いな」
 ヴィジランテが空を見上げれば、グレイスは状況を把握すると集団を囲むように弧を描き、逃げ道を塞ぐように衝撃波を叩き込む。
「いい仕事だ、レッドウィング!」
「レッド……ウィング?」
 強化人間の女が問い返す。
「君の名前だ……もし、君が猟兵を続け、その上でこの仕事をするのなら――力を誇れ、姿を誇れ、埃を名にしろ。そのプライドが人々を守り、悪党を恐怖に叩き込む」
「ディテクティブ・ザ・ハンドォ!!」
 恐怖と怒りが混ざった叫び声が響けばスキル社のエージェント達が銃火器を一斉に射撃する。
 ハンドが持っていた六尺棒を弾丸を弾き、同時に物九郎が闇を跳ぶ。
 直後、グレイスが大地に着地し両手を叩きつければ電撃が地を走る。
 疾走する雷は銃を構えたヴィラン達に絡みつき、その動きを止める。
 そこへ……
「狩りの」
「仕事の」
「「時間だ!!」」
 ワイルドハントとヴィジランテの一撃が悪党どもを薙ぎ払った。
「こんな風にね」
 物九郎とハンドが笑う、それを見たグレイスの腰には赤い翼が雄々しく広がっていた。

「ねえ……」
 下半身を物九郎が掘った地面に埋められたスキル社の社員の前にグレイスが前かがみになって問いかける。
「クランって奴がどこで何を企んでるか知らない?」
「……社外秘に関しては教えられない」
 ヴィランが首を振ると化け猫が顔を近づけ
「知らないって吐きゃいいのに、社外秘っていいましたわ。つまり関わってるってことっスね。こいつ自分でゲロしましたわ」
 耳元で唸り声を上げる。
「もし知らないなら知ってそうな奴はお仲間にいる?」
 獣の咆哮に身を縮こませた社員へ強化人間の女が再び問いかければ。
「……知ってるのはこっちの別セクションが担当している。それだけだ」
 先程より饒舌な口調で口を開く。
「……そう」
 グレイスが一言呟き、指先を伸ばせば、触れた指先から流れる電撃がヴィランを気絶させる。
「で、こいつら引き渡せばいいんでしょ」
 振り向いてトレンチコートのヴィジランテへ問えば
「ああ、そうしてくれ」
 ハンドはただ一言、そう答えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鬼子母神・月子
【SPD】
マスクですか……ランドセルロボットさんの中に戦隊ヒーローのマスクがあったはずですので、それを着けてヒーロー出動!……です!

む!私の【第六感】が向こうで事件が発生したと感じとりました!急行します!……複数の車輌が絡んだ交通事故みたいです。急いで救助しなくちゃ!
【ロボ変形!】で人型になったランドセルロボットさんにも手伝ってもらいます。ロボットさんの【怪力】で車を持ち上げたり障害物を排除して【救助活動】をお願いします!
私も【念動力】を活用して同じく救助活動をします!ヒーロープリティムーン(今考えた)にお任せです!

うーん。この事故、ヴィランさんの仕業だったり?考えすぎでしょうか。


東山・歩
よーし、戦いであんまり良い所見せられない分、こういう時に頑張らないとねっ!

……まぁ、結局ハムさん頼りなんだけど……
さ、『ハムハム大行進』!頑張って何か見つけてきてね、ハムさん!……ほら、倒した奴らの親玉とか!

……待ってる間私はどうしようかなぁ。
出来る事と言ったら……はっ、学校で培ったこの【コミュ力】!今こそ活かすときなんじゃないかな!?

よーし、聞き込み開始だー!



●エクスキューズ・ミー・イエーガー

 悪党退治だけがヒーローの仕事ではない。
 例えば多重衝突事故があり、被害者が閉じ込められた時。
 パワーを人を助ける力に変わる。

 自らの感覚に従い、街を走るはヘルメット姿の少女。
「複数の車輌が絡んだ交通事故!? 急いで救助しなくちゃ!」
 駆けつけた先にあったのは高速バスとタンクローリーを巻き込んだ玉突き事故。路面にはガソリンが漏れ出し、バスは前後を挟まれて乗客が脱出できない。
「お願い……手伝って!」
 事態の深刻さに手が余ると感じたヘルメット姿の少女――鬼子母神・月子が巨大なランドセルの端末へ素早くユーベルコードを打ち込む。
 ランドセルに内蔵された超AIがそれを認識すれば収納している四肢を展開し、直方体のボディが特徴的なロボットとなり、アスファルトの大地へ金属の足を踏みしめた。
「ロボットさんはタンクローリーを! 私はバス何とかします!」
 父親が作った寡黙な相棒が頷き、その怪力を持ってタンクローリーを持ち上げて安全な場所へと移動させれば、次には漏れたガソリンへ消火剤を散布する。
 薬剤が舞う中、月子がバスへ近づき衝突で歪んだドアに触れる。窓越しに心配そうに見つめる子供の姿が見えた。
「ヒーロー……プリティムーンにお任せです!」
 即興で名前を決めたプリティムーンが子供達へ笑みを浮かべれば、バスは見えない力が働き、歪んだフレームが元に戻り子供達が解放される。
「父さん!」
 一人の少年が飛び出し、事故の様子を見守っていた男の胸に飛び込んだ。
 父親らしき彼は子供を抱き上げなら、猟兵へ礼を述べる。
「ありがとう、プリティムーン。こいつったら、俺がクレーンを動かすのを見たいって、一人で来て……助かったよ」
「いえ、ご無事で何よりです」
 月子は礼に応えながらも視線は遠く、車の方へ。
 まだ救助すべき人が居る。
 少女とロボットは助けを求める人の元へと走り、親子はそれを見守った。

 ヒーローというものはあまり目立つものではない。
 けれど、時には姿を見せる事が必要だ。
 そうすることで人々は安心するのだから。

「よーし、戦いであんまり良い所見せられない分、こういう時に頑張らないとねっ!」
 東山・歩が気合を入れる。
「……まぁ、結局ハムさん頼りなんだけど」
 そして嘆息する。
 けれど、自分の相棒が頼りになるのは分かっている。
 だからこそ――
「頑張って何か見つけてきてね、ハムさん! ……ほら、倒した奴らの親玉とか!」
 相棒に仕事を託す。
 ハムさんは素早く街の雑踏へ消えると、逐一情報を歩へと送っていく。

「でも……待ってる間私はどうしようかなぁ」
 手持ち無沙汰に街を歩く少女。
「出来る事と言ったら……はっ、学校で培ったこのコミュ力! 今こそ活かすときなんじゃないかな!?」
 ふと歩が自分の能力に気づき
「よーし、聞き込み開始だー!」
 アトラクションに夢中になっているギャラリーを中心に情報収集を開始しようとしたところで――
「エクスキューズ・ミー!」
 声をかけられた。
「はい!?」
 振り向いた先にはカメラマンを伴った女性リポーター。
「私、デイリータイムスのローラ・レインと言います。近頃、活躍中の猟兵の方々にお話を聞きたいと思いまして……よろしいでしょうか」
「は、はいぃ?」
 突然の取材申し込みにハムスターの使い手は自分でも出ない声を上げ、取材に応じるのであった。

「――ありがとうございます! 最後に皆さんに何か伝えたいことはありますか!」
 最後に求められた言葉、ふと歩の心に何かが浮かぶ。
「私……こんな普通の学生に見えて頼りないかもしれません」
 それは自分が普通の一般人故のコンプレックス。
「でも、この街にはヒーローが居ます、そして私達猟兵が居ます!」
 だが、それ故に人々の不安も痛いほど分かる。
「だから安心してください! どんな敵が相手でも協力して、必ず倒します!」
 だからこそ、取り除こう。自分は猟兵だから。
「ありがとうございます」
 リポーターは一言礼を述べ。
「貴女の言葉、きっと皆さんに届くと信じます」
 歩の言葉に満面の笑みで答えを返した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アポロダスト・ディラマティウス

オーノー!情報収集はワタシちょっぴり苦手デース!
でもやらなきゃならないならやってみせマース!
どんな時でもダンシングデース!!

【POW】

オブリビオンのことデス。こういうのは裏の人間に聞いたほうが早いのはもちろん知ってマース。
なので手っ取り早く叩きのめして話を聞き出しマース。

ダンスナンバー『我常在舞踊(パッシブダンス)』カモーン!

叩きのめすのも話を聞くのもダンスがあれば無問題デス!
ダンス神拳でヴィラン共を叩きのめし
リラックスダンスで相手を落ち着かせながら話を聞き出しマース。


ミハエラ・ジェシンスカ

時空の歪みだと?
このタイミング、クランとは因果関係があると考えるべきか

【念動加速】ないし【念動力】で移動しつつ
フォースレーダーによる【情報収集】で私も時空の歪みとやらを捜索
恐らく、歪みの近くにそれを引き起こしている装置の類いがある筈だ
それを破壊して回る
なければ【念動力】で干渉して正常化を試みる

そして歪みが意図的なものなら遠からずヴィランの妨害があるだろう
現れた連中を【制圧用電撃杖】で制圧し
意識の残っているヤツから【催眠術】で話を聞き出すとしよう
無論、端役が直接的な情報を知ってはいないだろうが
「誰の命令で動いているか」さえわかればそれで良い
次はそいつのところへ直接乗り込んで「話を聞く」までだ



●ネバダ・テスト・サイト
 ラスベガスの北西約105km、『国家安全保障施設』と名付けられたその土地は広大な砂漠と山岳、そしていくつものクレーターで形作られた。
 かつての実験の名残を残す死の大地は、今、法則が歪んでいた。

「フィジックス! データは取れた?」
 時空が歪む中心域を遠巻きに見つめている墨染めの上着を纏ったスピリットヒーローのキャロルがアーマーに身を包んだ同胞へ振り向く。
「無茶を言うな、僕の専門は物理学だ。分かるのは運動エネルギーの収束が確認されているってことだ。そっちはどうだ?」
 フィジックスが問いかければ、キャロルの眼光は鋭く空間の歪みへ注がれた。
「アタシはゼンの使い手で魔術師でも超能力者でもないのよ。でも過去へのアクセスが感知したわ」
「過去……まさか!」
 アーマーごしに伝わる声からは焦りが感じられた。
 スピリットヒーローは汗を拭い
「何者かがそういうユーベルコードを作ったってことは確かね、何とかアレに干渉できればいいけれど――やはり、サイオニックやマジックが必要ね」
「――話は聞かせてもらった」
 二人を影が覆った。

 ミハエラ・ジェシンスカが念動加速でヒーロー達を飛び越えれば一気に中心域へと疾走する。
「よせ、危険だ!」
「問題はない、ご希望のサイオニクスの登場だからな」
 フィジックスが止める声を背中に聞きながら、ミハエラがフォースレーダーで時空の歪みを探査する。
「予想通りか……歪みの近くにそれを引き起こしている装置が複数ある」
 ウォーマシンが元凶を探り当て、そしてそれが物理法則から外れた力だと言う事も認識した。
 だが、ミハエラ・ジェシンスカは星無き宇宙の中で生まれし、帝国が作った悪の騎士人形。
 念動力を持って抑え込めば、常人であろうならへし折れるであろう力の奔流と周囲に蔓延する放射能の渦へと足を踏み入れた。
「過去からのアクセスと言っていたが、なるほど……こういう事か」
 ミハエラの口角が上がる。
 人の性というものを改めて実感すれば、元凶である装置を蹴飛ばした。

「さて……と」
 ウォーマシンが振り向きざまに杖を振るえば、何かがぶつかる音が響く。
「お前が元凶か」
「いかにも」
 フードで頭を覆った魔術師然とした女が笑みを浮かべれば、傍らに従うのはダガーを持ち、同じくフードを被った暗殺者の集団。
「アサシンズ?」
 ミハエラが問えば
「あんな東洋かぶれと一緒にするな」
 フードの女は否定する。
「我ら『クラン』の目的、邪魔をさせた報いをここで受けろ!」
「ワァーオ! つまり貴方達を倒せばクランとつながるのデスカ!」
 フードの集団が振り向けば、月を歩くように神が来た。

「オブリビオンのことデス。こういうのは裏の人間に聞いたほうが早いのはもちろん知ってマース」
 アポロダスト・ディラマティウスが歩を進めたと思えば、フードの集団との距離が空く。
「……なっ!? 魔法か何かか?」
「知らないのか?」
 驚愕するフードの女に向かってウォーマシンが笑みを浮かべる。
「アレはムーンウォーク。月を歩く様を形にしたダンスだ」
 その笑みは嘲りのスパイス。そこへアポロが一言。
「なので手っ取り早く叩きのめして話を聞き出しマース」
「だったら、前に進めよ!!」
 馬鹿にされたのもありフードの女が声を上げれば、ダンスの神は肩を竦め、大仰に手足を振って桃色の豹が如く、ゆっくりと近づいていく。
 しびれを切らしたフードの集団がナイフを持って襲い掛かれば
「オーレ!」
 アポロの掲げた手が手刀となって暗殺者を気絶させる。
「なっ……」
「貴様の相手は私だ」
 フードの女が振り向けば2mを超えるウォーマシンが紫電を纏わせた棒を構える。

            La Danse Macabre.
「お前にも付き合ってもらうぞ死の舞踏に」
 フードから覗く表情が凍り付いたのをミハエラのセンサーは見逃さなかった。

「ユビクーゥ。さあ、話すのデース。もうバトルはジ・エンド。ワタシのダンスで心をリラックスさせるのデース」
                           Bon Dance 
 いつもとは違うしっとりとしたリズム、それは夏の風物詩、盆踊り。

「出来るか!!」
 拘束されたフードの女が叫ぶ!
 その隙を逃さないかの様に女の眼前へミハエラが掌をかざせば、その眼から光が消えた。
「何をしたのデスカ?」
 アポロが問えば
「催眠術だ」
 ウォーマシンが一言返し、そして尋問が始まる。
「お前達が直接的なことを知っているとは思わない。だから二つ聞かせてもらおう」
「…………」
「一つ、誰の命令で動いている? 二つ、お前達は『クラン』と名乗った。それは私達の追っているクランと関係があるのか」
 長い沈黙が場を支配した。
「『クラン』とは……知恵有るものの集まり。そしてその頂きに立つ者がクランを名乗る」
「ホワット、つまりは貴方達のボスはクラン?」
 アポロが問いかければフードの女は頷いた。
「分かった」
 ミハエラが踵を返し、その場から去っていく。
「もういいのデスカ?」
 会話しやすいようにムーンウォークで隣を歩きながらアポロが問えば
「ああ、後はそいつのところへ直接乗り込んで――」
 ウォーマシンはダンスの神を抱えて、前に向かせつつ
「『話を聞く』までだ」
 暴力的なスパイスにあふれた言葉を口にした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

織部・樒

ザフェルさん(f10233)と行動
他者連携OK

【SPD】
戦闘中はつい断ってしまいましたが、
今更「こーら」なる飲み物が気になってきました(苦笑)

ますく……仮面ですね
一応張子の狐面を用意しておきます
私たちは山脈の方で遭難者を確認しましょうか
この世界の山装備を事前に用意
山に入ったら【動物と話す】【情報収集】を駆使して
付近の鳥獣に遭難者の存在を確認
見かけているなら【失せ物探し】にて大まかでも方向を探知し
慎重に登って探します
特に沢、クレバス、雪庇に注意
遭難者を発見したら保護
水や飴等で体力を回復してもらい
念の為大神招来を使用、乗せて山を下ります

成程、ヒーローとは口入屋ようなものなのですね(違)


ザフェル・エジェデルハ

樒(f10234)と行動

マスクした方がいいって、顔がバレるとそんなに大変なのか?
ヒーローってのは難儀だな(笑いつつ近くで買った目元を隠すマスク着用)

SPD選択
遭難者の救助に参加。ヒーロー達の指示に従う
こういう地道な活動の方が人手が足りなかったりするしな
近くには山脈や砂漠もありそうだが、その辺りになるのかね

【地形の利用】を活かし、遭難者が辿りそうな道や
一時避難に利用しそうな場所を探す。暗所では【暗視】を活かす
何か目印があるかもしれないので、捜索は注意深く行う

遭難者を見つけたら【コミュ力】で安心するよう語りかけ
励ましながら街まで連れて行く

意外とこういう事故にも思わぬ悪事が潜んでたりするんだよな…



●イエーガー・カム・イン・ザ・ブリザード

 シエラネバダ山脈。
 スペイン語で雪の山脈を意味する美しい山々は西部開拓史において数々の悲劇を生み出した。
 そして、今、新たな悲劇が起きようとしている……。

「いいか、イエーガー。航空無線と精霊によると、この周辺で空軍の戦闘機が墜落した。パイロットは二名、死亡者はいない」
 マニトゥと名乗ったネイティブのヒーローが大型輸送機を操縦しながら背後で準備する猟兵へ振りかえる。
「だが付近が吹雪に覆われて救助のヘリは近寄れないし、登っていくのも困難な山地だ。そこでお前達には空中から降下してもらいパイロットを救助、下山してもらいたい」
「なかなか困難な仕事だな。この飛行機は着陸できないのか?」
 ザフェル・エジェデルハが装備を整えつつ、操縦席のヒーローへと質問する。
「精霊が言っている、飛行機は斜面に着陸できない」
「つまりは着陸できる場所が無いということですね?」
 織部・樒が確認すれば、ネイティブのヒーローは笑みを浮かべて頷いた。
「さあ、ゲートを開いた。精霊と防寒着の加護を祈っている」
 機内後方でガゴンっと大きな音が鳴れば、吹雪の空が見えた。

「……こういう仕事もあるということはヒーローとは口入屋のようなものなのですね」
 白銀がその身を叩きつける嵐の中、張子の狐面を被った樒が呟く。
「いや、それは違うと思うぞ」
 傍らを歩くザフェルがそれを訂正する。
「それにしてもマスクしたほうが良いと言われて難儀に感じたが、こういう時は効果あるようだな、雪目にならなくていい」
 目元を隠すマスクに触れながら竜の使い手が呟けば、白天目のヤドリガミもそうですねと頷く。
「ところで、見当はついたのか?」
 改めてザフェルが問えば
「ええ」
 樒が頷いた。
「ここより、3kmの岸壁の陰に居ると鳥達が」
「吹雪の中でも飛ぶ鳥が居るんだな……って、おわっ!」
 ヤドリガミが先に進もうとした同胞の背を押せば、進もうとした先の雪面が崩れた。
「……雪庇か」
「気を付けていきましょう」
 樒の言葉に竜の使い手は冷や汗を拭うと、雪の中を進んでいった。

「……誰だ?」
 岩を背に吹雪をしのいでいた二人のパイロットの内、一人が銃を構えて立ち上がる。
「落ち着いてくれ、俺達は猟兵。君達を助けに来た」
 ザフェルが掌を見せて、敵意が無いことを示せば男も銃を下す。
「すまない、緊急事態だったもので」
「気にしないでください、お二人の状況は?」
 狐面のヤドリガミの姿に少し驚きつつもパイロットが応える。
「俺は大丈夫だが。もう一人が足をやられて自力では歩けない。このままだとビバークも考えなきゃならん、フォックス」
「でしたら――」
 傍らに現れるのは3mを超える白金色の狼。
 その姿は神の使いを思わせる美しさがあった。
「……良いのか?」
 戸惑うパイロットに対し、竜の使い手はその肩を叩いた。
「遠慮するなって、困ったときはお互い様だ。さあ、お仲間を背に乗せよう、案内してくれ」
「……ありがとう、助かったよ。なんとお礼をすればいいか」
「お礼、そうですね――」
 白天目のヤドリガミが口元に手を添えて考えれば。
「実はこーらなるものが気になりまして」
 その言葉に男は破顔した。
「任せてくれ、冷たいとびっきりのコーラを奢ってやるよ!」


●フォーリン
 猟兵とパイロットが山を下りた時だった。
 夜が明けたはずの空を暗雲が多い、そして何かが降り立った。
「なんだ、ありゃ!?」
「――急ぎましょう!」
 ザフェルの言葉に対し樒が行動を促す。
「おい!」
 今にも駆けだそうとした猟兵へと投げられる缶。
「とりあえずは前金だ! 借りは後でしっかり返しにいくからな」
 それはキンキンに冷えたコーラの缶だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

矢来・夕立

←猟兵と思われるよりは在野のダークヒーローと思われる方がいいと思うんです。
目立たないし。《忍び足》での諜報と《暗殺》が主体ですし。
あ、加減のできるアサシンなので殺しませんよ。勿論。

殺したらあなたから“お話”聞けないじゃないですか。

ウソですよ。殺さない決まりです。
まあそれはそれとしてインタビューはしますよ。

・近辺にいる他のヴィランについて(所在・情報)
・クランさんについて(同上)
この情報をもとに次のカモ……ンン。悪を探しに行きます。

あと個人的に調査したいのは
・レアメタル工場の立地・構造
コレを把握しておくと奇襲に有効でしたり、
他の情報と照合してあちらの手の内や考えを読めるかもしれませんね。



●コーヒーブレイク

 ネバダ州南部、第51工場。
 昼間に大立ち回りの舞台となった工場も今は警察が非常線を張り、現場検証に立ちまわっている。

「コーヒーブレイクかい、オリガミファイター」
 露天の建築物になった工場の屋根から人々が動く様子を見つめていた矢来・夕立へ、ディテクティブ・ザ・ハンドが声をかける。
「ええ、ホームシックに駆られまして……勿論、ウソですけど」
 視線を動かさず答えた夕立の隣に立てば、ハンドは相変わらずだなと笑う。
「シシリアン相手に派手にやったそうだな」
 ヴィジランテが問えば
「スーツのポケットを叩いただけですよ」
 オリガミファイターが応える。
「おかげで埃が一杯だ、動けるようになったヒーローとポリスは大忙しだ」
 ハンドが肩を竦め
「ところで、ここに戻ったのはアレが気になったのかい?」
 改めて問う。
「ええ、色々と気になったので」
「サイニウム――精神感応金属。ここで作られていたのはそれだよ」
「良いんですか? そんな大事そうな事話しちゃって」
 夕立が問う。
「隠したら、君は躊躇しないだろう?」
「どうですかね? で、どんな金属なんですか?」
 ヴィジランテの言葉をかわしながら、オリガミファイターは続きを促す。
「製錬と合金次第と色々と効果を発揮するが……基本的には人間の思考伝達における電気信号をエネルギーとして増幅する」
「つまり念じたらビームが出るんですか、ゲームじゃあるまいし」
「私から言わせてもらうなら、君達の方がゲームの登場人物だよ」
「セーブデータはちゃんと取っておいてくださいよ……ウソですけど」
 二人が笑う。
「さて、本題に移ろう。あの工場からサイニウムが20g持っていかれた」
「……オーバーロード何とかは何グラムで呼び出せました?」
 何かを理解した夕立が質問すれば。
「10g」
 返ってきたのは簡潔な回答。
「つまりは迎えに来たんですね」
「そう言う事だ」
 トレンチコートのヴィジランテが振り向けば、明けるはずの空が未だ闇に包まれている。
「時空の歪みもクランの部下の仕業だった、おかげでヒーロー達は動けず私達はハメられたようなもんだ」
「なら、殺しましょう」
 空から降りてくる巨大な何かを見つめ、猟兵の何かが垣間見える。
「奴がオブリビオンで、オレは猟兵。だとしたら、やることは一つですから」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『オーバーロード・エクスマキナ』

POW   :    オーバーロード・プライム
自身が戦闘で瀕死になると【3m程の身長の対ヒーロー用人型決戦ボディ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    インヴェイシヴ・シンギュラリティ
【本体から高速で伸びる長大な機械触手】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【や周囲の生物を機械に改造して支配下に置き】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ   :    アーセナル・オートマトン
【自身の体内で製造した超兵器群で構成される】【航空部隊による制空権の確保】【上陸部隊による地上施設の制圧】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はミハエラ・ジェシンスカです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●スレットゥ・フロム・スペース

 クランは歓喜に打ち震えていた。
 実験は評価されず、資金は打ち切られ、研究者としての道を閉ざされた時の絶望から眩しい舞台に這い上がったことに。
 犯罪者の汚名を被ってでも『クラン』に集い、テクノウィザードとしての知識を以ってクランを襲名し、資金と配下を得ても、ヒーローと名乗る何も知らない者どもの邪魔が幾度もあった。
 だが『彼』の声を聴き、従い、計画を練って手に入れたサイニウム。
 たった20gの精神感応金属があれば『彼』は意に従うだろう。
 かつて、これを求めてこの地へ来たのだから。

 それは星の海より来た。
 周囲を自らが発する電磁波で乱れさせ、黒雲を纏ったそれは鋼鉄で出来た臓物を思わせる。
 それは山より大きく、真下にそびえたつコンクリートすら本体から出ている金属の触手の半分に満たない。
 それは自らの呼び寄せる触媒の役目を果たしたやかましい男が叫ぶビルへ触腕を落とせば、プログラムを実行し。建造物を脚へと変える。
 サイニウムは瓦礫の中に消え、黒い小さな何かが動いたが気にはしなかった。
 何故なら過去より帰還した自らが行うことに比べれば些細なことなのだから。
「「時は我に、智は我に、天こそが我」」
 言葉は無かった、ただエコーのかかったメッセージが脳へ直接送り込まれる。
「「汝らはかくも長きに渡り、病魔に苦しみ、戦に苦しみ、貧困に苦しんだ」」
 神の恩寵を思わせる言葉であった。
 だが響くのは重厚なオルガンではなく、粗末なシンセサイザーが奏でるような無機質な声。
「「我が名はオーバーロード・エクスマキナ。汝らの忠誠と引き換えに英知をもたらし、そして更なる知識を身に着けん」」
 日の光を阻み、闇の空に浮かぶオブリビオンの言葉が脳へと刻みこまれた。


●ピープルズ・ローズ・トゥ・ヒズ・フィート・トゥ・ザ・シティ

「大君主というよりは過積載も良いところだな」
 気絶したクランを抱えて、ディテクティブ・ザ・ハンドが亀裂の入ったアスファルトへ着地する。
「猟兵に期待するにしても……やはり大きい、足場をどれだけ張れるかだな」
 触手とビルを融合し、自らの土台を作りつつあるエクスマキナを見上げながら、ハンドは左手のワイヤーを引き出す。
「――?」
 ふと、彼は疑問に思った。
 人々が恐慌状態にも、陥らず、まるで静かなことに。
「デイリータイムスよりローラ・レインがお伝えします。只今、ラスベガス上空に巨大な機械らしきものが襲来しました」
 時計型のコンピューターからテレビでよく聞く名が聞こえた。

「繰り返します、只今、ラスベガス上空に巨大な機械らしきものが襲来しました」
 リポーターは恐怖に押し潰れそうになるのを抑えて言葉を続ける。
「ですが、ご安心ください。街にはヒーローが居ます、猟兵が居ます。我々は自らが出来ることを速やかな避難を行いましょう。恐怖におびえる必要はありません、心にマスクを被り、貴方だけのヒーローとなって、彼らが全力で戦えるように――力を貸してください」
 空より爆音が響き、何かが飛来した。
「エイリアンリーダーより猟兵諸君へ」
 全周波数を通して空軍からの通信が入った。

「現時点より空軍は猟兵の援護に入る。VTOLとヘリを持ってきた、足にでも使ってくれ――それと友人からのメッセージだ『借りを返しに来た』」
 エクスマキナの周囲を牽制するように垂直離着陸が飛び交い、ヘリは幹線道路へと降りていく。
 次に動いたのは高層ビルを建てているクレーンや重機を中心とした工事車両だった。
 次々と機械が動き出せば、足場代わりのアームが伸び、照明車がオブリビオンを照らす。
「子供を助けてもらった礼をしに来た」
 無線から男の声がした。
「俺達の街だ、やれることはさせてもらう……足場とスポットライト代わりが精一杯だけどな!」
 その足場代わりのクレーンに捕縛縄が飛び、ロープが張られる。
「力は守るもの、託すもの、伝えるもの――ゼンの心得よ!」
 墨染めの衣を羽織ったスピリットヒーローが叫べば
「精霊も言っている、今こそ戦う時だと」
 ネイティブのヒーローが弓を射ち、さらに高層へとワイヤーを張る。
 そこへアーマーを纏ったヒーローが飛来し、巨大なオブリビオンの周囲に煙幕を張る。
「時間稼ぎだ、スタートのタイムを教えてくれ! いつでも支援する!」
 人々とヒーローが動いていく様子にトレンチコートのヴィジランテが苦笑し、振り向いた。
「とんだセッションだな。どうする? もうちょっとでパーティーは始まるぜ」

 ――全ては猟兵に託された。
東山・歩
ふわぁ……ど、どうしようハムさん。私達、場違いってやつじゃないかな……!
これあれだよ!ハリウッド的なやつだよ!

…………よし、悩んでても仕方ないよね!勇気を出して戦うのみだ!
ハムさん、背中乗せてね……よいしょ。

やっちゃえ、ハムさん!突撃だー!

……私を落とさないでね!絶対だからね!死……なないけど、怖いから!


鬼子母神・月子
プリティムーンはやっぱりナシ、かな。自分でプリティって……ちょっと恥ずかしいよね。
あ、今はそれどころじゃありません!ヒーローと市民のみなさんが頑張ってくれてるんだから、私も頑張らなきゃ!……です!

では、ヘリに乗せてもらいます。えっと、ランドセルロボットさんはとっても重いので地上でお留守番しててね。
おっきなロボットさんから次々と兵器が出現しています……街を襲う気でしょうか。【混沌幻想!】……雷のエネルギーを操って落雷で攻撃します。街に被害は出させません!
本体であるおっきなロボットさんには私の力の全てを込めた【全力魔法】の落雷で攻撃!……です!



●ファーストストライク

 ローターが大気を叩きつける中、少女は巨大なランドセルを地面に置く。
「ここでお留守番しててね」
 鬼子母神・月子が自らの相棒へ囁けば、ヘリコプターへと駆け込んだ。
「お待たせしました!」
 息を弾ませてヘリの後部座席に乗れば
「準備はいいぜ、プリティムーン!」
 パイロットがスロットルを開放しローターの回転数を上げていく。
「あ、プリティムーンは無しで!?」
 怪訝な顔をするパイロット。
 自分で名乗っておいて、やはり恥ずかしいところはあったらしい。
「と、とりあえず行きましょう!」
「OK、捕まってろよお嬢さん!」
 誤魔化し急かす月子に対し、男はヘリを大地から離した。

『フィジックスより、各位へ! 奴め、数で攻める気だ!!』
 アーマーを纏ったヒーローの声が無線から聞こえれば、オーバーロード・エクスマキナの身体から異形の飛行兵器が飛来し、人型の機械兵士が大地へと降り立つ。
「「武勇を以って我を制する事叶わず、我がオートマトン共の前に屈せよ」」
 今度は脳でなく、直接耳へと響いた。
 思考へのダイレクトさより、耳を通す事での恐怖を選んだのだろう。
 オーバーロードの声にはそれをさせるだけの力があった。
「させるかよぉ!」
 同乗していた兵士がヘリのサイドドアを開き、備え付けのドアガンの引鉄を引く。
 硝煙が回転翼に打ち消され、空薬莢がはるか下へと落ちていくが、街を襲う超兵器軍には火花一つ上げることが叶わない。
「私に任せてください!」
 月子が兵士の横になら並ぶ。
 風圧で身体が持っていかれそうになるが、誰かの腕が支えてくれた。
「そうだったな……頼りにしてるぜ、猟兵!」
 先程までドアガンを撃っていた男だった。
「――はい!」
 少女の瞳孔が開き、赤い瞳に兵器群とオーバーロードを映り込む。
 ヘリより上空、宇宙からの脅威を包む黒雲より空が割れるような音が鳴る。
「これが私の力……」
 雲に稲光が走れば
「――来て!」
 それは月子の意志に従い、超兵器群を呑み込んだ。
『第一波、消えた!』
 無線を通して伝わるアームドヒーローの声に力が入る。
「まだ!」
 少女が叫び、視線はオーバーロードへ

 Chaos Fantasia!!
「混 沌 幻 想!!」

 全ての力を言葉に込めれば、ユーベルコードは巨大な雷の柱となり宇宙からの脅威を包み込んだ!


●セカンドインパクト

「ふわぁ……ど、どうしようハムさん。私達、場違いってやつじゃないかな……!」
 轟く雷光の中、東山・歩の声には動揺が見える。
「これあれだよ! ハリウッド的なやつだよ!」
「そうだな、ハリウッド最新作のようなものと精霊も言っている」
 穏やかな声に振り向けば、やってくるのはネイティブアメリカンの風体をした男。
「私はマニトゥ。精霊の声を聴き、コーラとピザを愛する者」
 マニトゥの名乗った男は姿と矛盾した言葉をちりばめながら、歩の隣へ立てば
「……怖いか?」
 一言問う。
 その言葉は咎めるものもからかいもなく、ただ真剣に一人の女性へと向き合うもの。
「怖くて当然だ。そしてそれは君の知性の表れでもある」
 ネイティブのヒーローは微笑み、左手に斧を持つ。
「聡い者が恐怖を知り、賢きものが恐怖を超える力を持つ。君は動物の声を聴き、共に戦うからこそ、自らに不安になる。だが、それも自らの一部であることも知っている」
「…………」
 マニトゥの導きを聞き入る女子校生。
 その間にオーバーロード・エクスマキナの足元が変化し、土台だった建物が足の形へと変化していく。
「どうやら、相手は建物を侵食してきたようだ。食い止めよう……もう一度聞く、怖いか?」
「――はい」
 歩の緑色の瞳がネイティブを見れば、強く答える。
「でも悩んでても仕方がありません! 勇気を出して戦います!」
「分かった――ならば、このマニトゥ。共に歩まん」
 ヒーローは微笑み、そして二人と一匹が走り出した。

 オーバーロードの触手が猟兵達を襲う。
 すかさずマニトゥが左手の斧を投げれば、リボルバーを右手に抜き連射。
 巨大な機械触手が拳銃弾によって破壊される。
「精霊は言っている、時には便利なものを使えと――プルトン人の装甲を弾丸にした。相手が対策を取るまで時間を稼ぐだろう――行け、猟兵」
「はい! やっちゃえ、ハムさん! 突撃だー!」
 ネイティブの言葉に頷いた歩が身長の2倍の大きさを持つハムスターの騎乗すれば、さらに迫る触手を躱し、機械の腕を駆けあがる。
「……私を落とさないでね! 絶対だからね! 死……なないけど、怖いから!」
 恐怖を我慢しつつ、ハムスターにしがみつく女子校生。
 狙うはビルに繋がり土台となっている機械触手。
「いけっハムさん、のしかかりだー!」
 タイミングを図れば、意に従い跳躍するハムスターと歩。
「「下賤な企みよ、ここで潰えよ」」
 オーバーロードが意図に気づき触手を鞭のように振り落そうと掲げる。
「精霊は言っている――そこでやられるのがハリウッドの流儀だ」
 マニトゥがプルトン人の装甲を鏃にした矢を射れば、仕込んでいた爆弾が爆発。機械触手が吹き飛び、オブリビオンの身体が揺らぐ。
「いっけええええええええっ!!」
 そこへ――スピードと体重を乗せたハムスターの体当たりがオーバーロードの脚となっている触手をへし折り、宇宙からの脅威に片膝を着かせた。

 歓声が街を支配した。

「やった……やったよ、ハムさん!」
「当然だ」
 興奮する歩を見てマニトゥが呟く。
「恐怖を知る者こそ、真の勇者なのだから」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エル・クーゴー

●POW


友軍ヘリに同乗しての【空中戦】にシフトします
搭載機銃をL95式機関砲に換装(メカニック)、射程限界付近でエクスマキナの周囲を弧を描き飛ぶよう依頼します

敵コードの発動条件は『瀕死』がトリガー
即ち、与ダメージを重点としない攻撃を敢行する限り、敵のユーベルコード級の火力展開の封殺が当座可能であると判断します

よって――【狩猟の魔眼(状態異常力重視)】、起動

プルトン人をハックした際と同様……否、ブラッシュアップ済(学習力)
【武器改造】により精製した【ハッキング】用アンテナ素子搭載弾頭を「与ダメージの低い・状態異常を注ぎ込むことだけを目的とした弱装」にて断続発砲
敵の機械管制能力の減退を狙います



●デア・フライシュッツ

 ヘリに乗り込んだエル・クーゴーがまず行ったのはドアガンの取り外しだった。
「そんな装備で大丈夫か?」
 操縦席のパイロットが問う。
 機関砲を取り付けようとしたエルは操縦席へ首を向ければ
「大丈夫、問題ありません――準備完了しました、ヘリの飛行を要請します」
「なんにしても、頼りにしてるぜ猟兵――テイクオフだ、捕まってろ」
 回転翼の速度が増し、空気が切り裂かれるような音が鳴った。

「ターゲット視認。これより作戦行動を開始」
「結構遠くだな、届くのか?」
 パイロットが怪訝な顔で問う。
 エルが目標を確認した位置はオーバーロード・エクスマキナから10kmは超える距離。それでもオブリビオンの巨大さは変わらず、本体と同じ高さに到達するためにローターが悲鳴を上げる。
「距離測定、問題なし、当兵器射程内及び安全圏と推定――」
「「我に距離という概念は無きに等しい」」
 オーバーロードの思念波が二人の脳へ宣告する。
「「消え去るがいい」」
 直後、機体が居た高度を光線が走った。
 だがヘリはすでに機首を上げ急上昇、光線を回避。
 次に襲うのは機械触腕。
 パイロットも負けじと機首を上げた状態で機体を反転、今度は頭を上げた状態で急降下。
「大丈夫か!」
「訂正――尚も敵勢力圏に有り。搭乗機体とのジャイロセンター同期及びL95式アームドフォートによる固定に異常なし――こちらは問題ありません」
 パイロットが気遣う中、風で乱れる銀髪を左手で直しミレナリィドールの右手は機関砲の発射桿へ。
「要請、X-5、Y-12」
 エルが機体角度の修正を求めれば。
「合わせた!」
 即座にヘリのパイロットが応えた。
「攻撃開始」
 ドールのゴーグルが緑に発光し、リップの塗られていない形の良い唇が動いた。
 同時に機関砲の外部動力が作動し、大口径の弾丸が吐き出された。

「「異なる次元の武器とて、所詮は人形の玩具。我の身に傷は無し」」
「効かねえって言われてるぞ!?」
 オーバーロードの言葉を聞き、パイロットが声を上げる。
「想定内です。当攻撃の目的に外的損傷を与えることは含まれていません」
 エルが応えた直後だった。
 オブリビオンの巨体に七つの光が灯れば、それを繋げるように電光が地球外の金属を走る。
「こちらの攻撃が過剰な場合、敵がユーベルコード級の火力を用いることが予想されました」
 ミレナリィドールが発射桿を両手に持ち、射撃を継続する。
「よって、今回は弱装弾による敵の機械管制能力の減退を計画」
 電光が全ての光を繋げ、星を形作る。
「そして実行します」
 エルが詠唱するのはコマンドワード、それこそが狙うべきユーベルコード。

  Zamielsystem active――『Caspar is dead』
「ザミエルシステム起動――『カスパールよ魔弾に胸を貫かれろ』」

「「ぬ……我に何をした!? 小賢しい真似――システム障害発生、障害発生!」」
 オーバーロードの声は怨嗟から機械的に変化し、その巨体は小刻みに振戦を開始する。
「えーと、何がどうなったんだ?」
 オブリビオンの苦しむ様子を見た操縦席からの問いにミレナリィドールは目線を上に上げて考えると
「アーカイブより適正言語を検索……『わかりやすく言やあ、あのデカブツをハッキングしてやったんでさあ』」
 とりあえず検索で一番上に出てきた口調で回答する。
「なんだ、オカタイ人形サンだと思ったらそんな風に喋れるのか!?」
 パイロットが操縦席で笑い声をあげる中、エルは次々と弾丸を叩き込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​


●トランぺッター

「「システム自動修復開始――我に傷を負わせ、惑わせるか猟兵」」
 苦しんでいたオーバーロード・エクスマキナの口調が先程の超越者を思わせるものへと戻れば。
「「汝らの目論見通り、機械管制能力の回復は時間がかかろう――だが、我には幾千幾万ものオートマトンが控えている」」
 オブリビオンの身体より再び超兵器群が出動する。
 それはこの地の三分の一を焼き尽くすだろう。
 それはこの空の三分の一を覆い尽くすだろう。
 それはこの街の全てを血に染め尽くすだろう。

「……やっこさん本気を出し始めたな」
 ディテクティブ・ザ・ハンドは冷や汗を拭い、ビルの屋上からその光景を見下ろす。
「……勝てるの?」
 傍に居たキャロルが不安げに問う。
「勝てない」
 ハンドは一言、そう答えると言葉を続けた。
「猟兵もヒーローも人手が足りない。英雄は常に群衆に負けるものだ」
「ヒーロー――こっちにステイツやUM・エージェント、ジャスティス・ワンが居れば……」
 墨染めの衣を纏ったヒーローが呟けば。
「一人は国中を駆け巡り、もう一人は南極。あと一人は墓の中だ……故に」
 ハンドが答えを返してから、一歩、足を踏み出す。
「猟兵の援軍が来るまで、抗うだけだ」
「勝てないと言う割に諦めてはいないのね」
 キャロルがため息交じりに彼の隣に立つ。
「私の仕事はそんなものだ。常に危機が迫る中、耐え抜き戦い抜き、勝利の道を繋ぎとめるその為の――」
 ハンドがコンクリートを蹴り、空を舞う。

 今ある危機に差し伸べる手
「――Detective・The・Hand」

 その背中を若きスピリットヒーローが追った。
グレイス・リリィ

随分とスケールの大きい……まあいいわ
そんなの関係無いし

クライシスゾーン、半径26mに侵入した無機物は全て
超次元の竜巻に変えてやるわ。所で超次元って何なの?
他にも無機物を無効化するUCを使う人がいれば
援護して敵の兵器群を無力化してやるわ
可能な限り敵本体に近付いてね――空中で展開すれば
三次元的に影響を及ぼせるでしょ
だから私には近づかない事ね、エイリアンリーダー

恐怖を与えながら挑発、一つでも多く敵の攻撃をこちらへ向けて
一つでも多く無力化してみせる
竜巻に隠れて少しでも近付いて
より多くの兵器群を道連れに……
ああ何か、昔もあったわね
こう見えても対ロボ戦は得意なのよ私
こんな災厄、全部巻き込み砕いてやるわよ



●ゾゥズ・フー・レジスト・ザ・アポカリプス

 空と大地を覆い尽くさんばかりの超兵器群に対し、空軍の火力は通用しない。
 彼らは自分が生き残るので精一杯だった。
 一方、地上には数名のヒーローが居るのみ。
 数が――数が圧倒的に足りなかった。
「随分とスケールの大きい……」
 その兵器群を目の前に一人、グレイス・リリィは気だるげに呟き前に進む。
「まあいいわ、そんなの関係無いし」
「エイリアンリーダーより、猟兵へ。危険だ、一人で飛び出すな!」
 無線を通して空軍のパイロットから警告が聞こえた。
「そちらこそ……」
 返す言葉はいつものように気だるげで
「私には近づかない事ね、エイリアンリーダー」
 強い何かが伝わったが、オーバーロード・エクスマキナの尖兵はそれをかき消すかのようにグレイスを呑み込んだ。

 生温い風が頬を打ったのは気のせいだろうか。
 いや、違う。
 それは竜巻の予兆。
 無機物を超次元の竜巻へと変換するユーベルコード。
 その名は――

  Crisis zone.
『難局へ至る領域』

「所で超次元って何なの?」
 呟きつつも強化人間たる女が、地を歩く上陸部隊を、空を覆う航空部隊を、竜巻へと変えれば、それは巨大な螺旋流へと成長していき、さらに小型の竜巻を従え、街を進む。
 マルチプルヴォルテックス――多重渦竜巻とも呼ばれるその渦の中心に赤い瞳の女は一つ、また一つ、と兵器群を視界に捕えて自らの餌と変え、螺旋の軍勢を作り上げる。
「「たかが旋風一つ、恐れる事無し。我が尖兵よ役目を果たせ、蹂躙せよ!」」
 オーバーロードが軍勢を鼓舞し、審判を下す。
 だがオブリビオンの尖兵は動く事なく、竜巻に呑まれていく。
「「これは如何様か――そうか、汝が恐怖を与えているのか、我の尖兵に対し。ただの木偶に対し」」
「木偶人形にしては高性能だったわね」
 グレイスの足が大地より離れる。
 竜巻の中を舞いながら浮かぶその視界は、オーバーロードの高さへと。
「ねえ……」
 猟兵が問いかければ
「こちらエイリアンリーダー! もういい、離れろ!!」
 一機のVTOLが急接近しミサイルを放つ。
 だが、竜巻をパイロットの言葉を拒絶するかのようにそれすら呑み込み。
「私と踊ってくれない」
 オーバーロード・エクスマキナもその渦へと巻きこんだ。

「「我すらも竜巻の一部へと変えるか、猟兵。不敬也!」」
 ユーベルコードに抗うかの様に機械触手が伸び、グレイスを捕える。
 人がネズミを握るかのようにオーバーロードが猟兵を握りしめれば骨が折れる感触が伝わった。
「ああ……何か、昔もあったわね」
 激痛の中、グレイスの瞳が何かを垣間見る。
「こう見えても対ロボ戦は得意なのよアタシ」
 それは実験体になる前の記憶だったかもしれない。
 それとも糧となった実験材料の記憶か、猟兵として戦う前の記憶か。
 それを我々が知ることは出来ない。
 彼女だけのmemoryなのだから。
 猟兵を握りしめる触手が崩壊し、烈風へと変わる。
「こんな災厄、全部巻き込み砕いてやるわよ!」
 竜巻の周囲を伺っている空軍の無線機から女の声がした時、竜巻は天へ伸びる柱へと変わる。
 柱が消えた時、本来の姿を取り戻した超兵器群は次々と空中で激突、落下していく。
 その中を人影が落ちていった。
「エイリアンリーダーより、エイリアンワンへ。以後の指揮を任せる」
 一機のVTOLが兵器群の雨に突入すれば、空中は炎の花が咲いた。

「……生きてる?」
 意識を取り戻したグレイスが呟き、顔を上げると眼下には見慣れた街。そして地上の人々が豆粒の様に見えた。
「天国にも地獄にもカジノのある街は無いぜ」
 声が聞こえた時、初めて誰かに抱えられていることに気づき、女は赤い瞳を動かした。
 パラシュートを開いた空軍のパイロットだった。
「さあ、帰るぜ。街のみんなが待っている」
 落下傘が街の外れへと降りれば、大地よりシュプレヒコールが鳴り響いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

矢来・夕立

OverlordじゃなくてOverloadだって?
しかしまた…いよいよ映画めいてきちゃいましたね。
ま、イイでしょう。
オレの信条とは逸れますが、この世界の忍びは忍ばずとも良さそうですし。

こほん。

ダークヒーロー、オリガミファイター。見参。…と。

さて。上空を取るのが定石ですね。
ご提供いただいた足場を使わせてもらいます。
目立つ?忍者の《忍び足》をナメないで頂きたい。
相手に知覚されないうちによく観察、脆そうな部分を探して壊す。
他の猟兵の攻撃に追撃して部位を破壊するのもアリですね。
いずれにしろ、一発入れて下がって隠れるヒットアンドアウェイ戦法です。
《だまし討ち》の真骨頂、ご覧…になる前に死にますかね。



●オリガミバトル

 竜巻が止み、超兵器群が大地に叩きつけられた直後、オブリビオンの触手が一本切り落とされ、大地へと叩きつけられた。
「「伏兵とは小癪。だが只人の選択としては妥当か」」
 オーバーロードが周囲をセンサーで探査する。

 Overlord    Overload
「大君主じゃなくて過負荷だって?」

 だが声は聞こえど、姿は見えず。
 オーバーロードの周辺を張り巡らしたワイヤーが揺れ、千代紙風船が周りへ浮けば
「しかしまた……いよいよ映画めいてきちゃいましたね」
 爆炎となりて、オブリビオンを包む。
 炎の渦が消えた直後、オーバーロードは自らの天頂部に荷重を感知した。
「では、オレの信条とは逸れますが」
 矢来・夕立が足元に千代紙風船を置けば、その上から円錐型の千代紙を被せる。
 モンロー・ノイマン効果によって指向性を持った爆発が天頂部の装甲を貫きオブリビオンの内部を焼き尽くす。
「こほん――ダークヒーロー、オリガミファイター。見参……と」
 言い残し、影は消えた。
「「姿を見せず、見参とは笑止」」
「目が悪いんですか? 眼鏡なんてどうです?」
「「我がレンズは水晶より澄み、我がセンサーは何者も捕える。人が作りし硝子など無用」」
 夕立の挑発に応えるオーバーロード。
「なら、ドイツ製レンズに交換するのをお勧めしよう」
 もう一人、挑発に参加するものがいた。

「ディテクティブ・ザ・ハンドか」
「いかにも」
 ワイヤーの上をトレンチコートのヴィジランテが走る。
「汝、猟兵にあらず。ヒーローなど蚊にも及ばず」
「電子マラリヤに感染して退散したのはいつの話だったかな?」
「無用。オブリビオンとなった我は不死」
 機械触手を伸ばせばハンドは張られたワイヤーからVTOLへと飛び移る。
「超越者を気取っているから、足元をすくわれることになる……オリガミ」
「人使い荒いって言われたことありません?」
 直後、もう一つの土台となっていた触手が切断され、オーバーロードが両膝を突く形に崩れた。
「「囮か!?」」
「正解だ、オブリビオン」
 呻くオーバーロードを見下ろすように、ハンドが答えた。

  I'm white collar.
「ワイシャツは白いからね、よく言われるよオリガミ」

 VTOLより飛び降りるトレンチコートのヴィジランテ。
 すれ違うように影が飛び。
「じゃあバイト代下さい……ウソですけど。では過積載の機械野郎」

 夕立が脇差を構えて、オブリビオンの頭を取る。
「――死ね」
 先程破壊したオーバーロードの内部へと一撃を叩き込もうとすれば――
「「不埒にもほどがある!!」」
 オブリビオンが怒りの声と共にアスファルトを自らの足と変え立ち上がる。
 不意の行動にバランスを崩すオリガミファイター。
 転落したところへ機械触手が鞭のように振るわれ、夕立の身体へと叩き込まれた。

 ――あ、これ、死にますかね?

 咄嗟に構えた斬魔の刃が直撃を防いでくれたが、衝撃を全ては殺せない。
 間近に迫るビルを視界に捕えつつ思考した時。
 影が一つ、視界に入った直後、ビルが一つ崩壊した。

「誠に残念だが――」
 聞きなれた声がした。
 身を起こせば、視界に入るのは半分失ったビル。ぶつかってそのまま貫通したらしい。
「私は匕首をサイドキックにする予定はないよ」
 その反対側では車のハンドルらしきものを持ったハンドが壁にもたれかかっていた。
「ユーベルコードでエアバッグ付きハンドルを出したが……さすがに割れたな」
 吐血し、その場に尻もちをつくトレンチコートのヴィジランテ。
「何かバリアとかそういうのは無かったんですか?」
 応えつつ立ち上がる夕立。
 だが身体に激痛が走り、一歩進むのが精一杯。
「生憎と手に持てるものしか出せないんだ……というわけで戦線離脱だ。後は頼む」
 そんな彼にヒーローは託し。
「頼まれました」
 猟兵は託される。
 そして痛みに耐えながら影が姿を消せば、ヴィジランテも意識を手放した。

成功 🔵​🔵​🔴​

パル・オールドシェル
■PW

マザー・クワイアよりオール・エイリアンズ。
こちらは解放軍軌道防衛艦隊δ-61、コールサインは星歌隊。
これより合衆国空軍ならびに有志連合への艦砲支援および陸戦部隊投入を開始します。

艦載機動部隊は一斉降下。敵陸戦部隊に対し遅滞迎撃戦闘を開始。
艦隊全艦は対空レーザーで防空迎撃網を形成しつつ、艦砲射撃で目標本体のを粉砕せしめましょう。

たとえ何機が斃れ何隻が沈もうと。
どれだけの損害を被ったとしても集った人々には手を触れさせません。
猟兵戦友諸君の道を阻ませはしません。

さあ、我が同胞、星の海より来るオーバーロードよ。
私は祈ります。黄金時代が地球人自らの手で訪れますよう。
この惑星に貴君の介入は不要です!


フィーナ・ステラガーデン
■PW
って気付いたらえらく盛り上がってるわね!
私も混ぜなさいよ!
そうねえ!うっとうしい雑魚を焼き払おうかしら!
航空部隊、触手、もしくはもし暴れているなら人型決戦ボディをどうにかするわ!
ビルなどの高台から【高速詠唱】でがっつり魔力を溜めて
【全力魔法】でのUCで敵陣に向けて巨大な火炎旋風を発生させるわ!

邪魔者をどかせば本体は仲間がやってくれるはずよ!
本体への道が出来たことを確認したら「今よ!ぶちかましてやりなさいっ!」
って合図をするわ!

(アレンジ、アドリブ、連携大歓迎!)


アヴァロマリア・イーシュヴァリエ
すごく、大きい……けど、こんなにたくさんの人達が応援してくれるなら、怖くない、ね。

UCで、超兵器達が壊した瓦礫とかの無機物を「海」に変えて、地上制圧部隊を押し流しちゃうね。
それで兵器が壊れたら、それも同じく「海」にして、繰り返し。
念動力で周りに被害が行かないように流れを操りながらどんどん「海」を増やして、航空部隊や本体にもぶつけてみるね。
水って、集まるとすごく重いし、思い切りぶつけたらすごく硬いの。
だから、これはすっっごく痛いんだから。

忠誠なんてあげないし、あなたのくれる叡智なんて要らない。
たくさんの苦しみは、あなたなんかに頼らなくても良いように、頑張ってきたってことだもん……!



●フェア・ゼアーズ・ア・ウィル・ゼアーズ・ア・ウェイ
 
 本体に一矢届かず、軍勢の進行は止まない。
 猟兵とヒーロー、そして人々の戦いも虚しく、脅威に押しつぶされようとした時。
 天より光が降り注いだ。

「マザー・クワイアよりオール・エイリアンズ」
 パル・オールドシェル(古き戦友・f10995)が40隻を超える無人迎撃母艦と共に舞い降りる。
「こちらは解放軍軌道防衛艦隊δ-61、コールサインは星歌隊。これより合衆国空軍ならびに有志連合への艦砲支援および陸戦部隊投入を開始します。」
「エイリアンワンよりマザー・クワイア。IFFコードを認証した……貴軍の到着を歓迎する。野郎ども! 星歌隊の到着だ!」
「タリホー! こちらエイリアンツー了解した。エイリアンワンへ作戦コード『MKMarch』の発動を要請する」
「エイリアンワンより各機へ、空軍ドクトリンに基づき『MKMarch』を発動。各機、解放軍との連携の為、各艦の直衛へまわれ」
「「「了解!!」」」
 先程まで足場と牽制に終始していた空軍の戦闘機が散開、空を支配しつつある艦船を守る剣となれば
「艦載機動部隊は一斉降下。敵陸戦部隊に対し遅滞迎撃戦闘を開始」
「了解、ヘリ各機は銃砲及びビール瓶まで全ての武器を以ってこれを支援する」
 パルの指揮に従い降下する小型の戦闘用人型自律兵器を支援するべく、ヘリは弾幕を放つ砲台となる。
「「我が知らぬ宇宙の者か、星を知らない者が星を守るのも道理か」
「我が同胞よ、それは違います」
 オーバーロード・エクスマキナの言葉を同胞と呼んだウォーマシンが否定する。
 空が対空レーザーによる防空迎撃網に覆い、人型自立兵器が人々の盾となる中、パルの言葉は続く。
「ここは地球。ここで生まれ、そして死んでいく者たちの家。我々の物ではありません」
「「猟兵の分際で我を同胞と呼ぶのか、不敬也、戦争人形」」
「不敬なのは貴方です!!」
 ウォーマシンが叫ぶ、その間にも彼女が連れてきた艦は沈み、兵器は粉砕される。
 だが、猟兵達が進む道は徐々に……徐々に開かれていく。
「さあ、我が同胞、星の海より来るオーバーロードよ」
 差し違えるように戦い、残った艦は三隻。
「私は祈ります。黄金時代が地球人自らの手で訪れますよう」
 それを守るべく地球人の戦闘機は一斉に近づき、全てのミサイルと機関砲弾を叩き込み離脱すれば。

 ――Overload Exmakina go home!
「この惑星に貴君の介入は不要です!」

 三つの主砲がオブリビオンへと砲火を開いた。


「って気付いたらえらく盛り上がってるわね!」
 フィーナ・ステラガーデンがビルの屋上から飛び出し、空を舞う。
「私も混ぜなさいよ!」
「良いわよ、歓迎するわ」
 少女の隣へ飛んで来たのは墨染めの衣を着た同年代の少女。
「私はキャロル、ゼンの使い手よ。貴女は?」
「フィーナ。フィーナ・ステラガーデン」
「良い名前ね、プランはある?」
 二人同時に一段高いビルへ着地すれば、視界に入るのは頭を防空警戒網に封じられ、低空飛行を強いられている航空部隊。
「そうねえ! うっとうしい雑魚を焼き払おうかしら!」
「良いわね、バーベキューグリルはお持ち?」
 フィーナの言葉をキャロルが軽口交じりに返せば。
「勿論、とびっきりのをね!」
 ウィンク一つ、素早い詠唱が始まりユーベルコードが紡がれる。
 同時に錫杖が鳴り、複数の独鈷杵がキャロルの目の前で浮遊した。
「行くわよ――捻じ切れなさい!!」
 フィーナの全力を込めた魔法が炎の竜巻となって航空部隊を呑み込む。
「良いわね! じゃあ換気も必要かしら」
 ゼンのスピリットヒーローが炎の竜巻を指させば、独鈷が呼応して飛翔し、竜巻へと変化。
 炎の竜巻がそれを力とすれば、辺りを喰らい尽くす炎の竜が生まれる。
「……なんかすごくない!?」
 驚愕する少女へヒーローが数珠を持った手を合わせて
「全てはゼンよ。心を学べば、貴女の力となる……習う?」
 勧誘する。
「遠慮しとく! シャキョウは苦手なの!」
 フィーナが固辞すればキャロルが笑い
「さて、道が空いたわね?」
 言葉を促した。
「ええ――」
 金髪の少女は一言応えてから頷けば、オーバーロードを指さし
「今よ!ぶちかましてやりなさいっ!」
 仲間へと託した。


「デイリータイムスよりローラ・レインがお伝えします」
 人々が避難した街、瓦礫の中ラジオはレポーターの声を届けていた。
「空軍が、ヒーローが、そして猟兵が、オーバーロード・エクスマキナと戦っています」
 その声は届いていた――アヴァロマリア・イーシュヴァリエにも。

「すごく、大きい……けど、こんなにたくさんの人達が応援してくれるなら、怖くない、ね」
 マリアの足元に水が滲む。
 彼女が歩けば、滲んだ水は瓦礫を吸い込み流れるせせらぎと変わり、戦い朽ちた自立戦闘兵器呑み込み川となる。
 川は地上に残るオーバーロードの尖兵を呑み込めば海へと変わり、それは戦いの風と少女の念動力により波濤となる。
 波濤はさらに尖兵を呑み込み、高さを増せば、空へ届き航空部隊すら呑み込む。
 その波に人々は恐怖するかもしれない、それは只の波ではないのだから。
 ――津波。
 英語でもTunamiと称されるその海の暴力は敵の勢力を残らず呑み込めば、大地に立つオーバーロードへと迫る。
「「その波で我を呑み込もうとするか、小さきものよ!」」
「貴方ならこの力、分かるよね!」
 叫ぶオブリビオンへ海の猛威が襲い掛かる。
 その海は水だけでなく、無数の生命すら存在する世界。質量が武器となり津波を受けとめるオーバーロードを駆逐せんと襲い掛かる。
「「何故拒む、人類。何故抗う猟兵。英雄は必ずしも称賛されない世界、人々は都合の良い時だけ助けを呼び、強すぎる力を疎む。我に従えばその苦しみから逃れられるものを」」
「忠誠なんてあげないし、あなたのくれる叡智なんて要らない!」
 マリアが叫ぶ。
 津波は勢いを増し、オーバーロードの巨体を呑み込まんとする。
「たくさんの苦しみは、あなたなんかに頼らなくても良いように、頑張ってきたってことだもん……!」
「「それでも人類は汝を疎むだろう」」
「疎みません」
 否定する声はラジオから聞こえた。
「少なくとも、我々は。彼らが戦っている姿を見ているから」
 ローラ・レインの声は神を信じる声ではなかった。

                My friend.
「……だから、勝ってください。猟兵の皆さん」

 マリア達、戦友――いや隣人への言葉だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

アポロダスト・ディラマティウス


フーム…これはこれはとてもビッグなモンスター…いや、ロボットデース。
あれだけビッグだとワタシのダンスも目に入ったところで意味はなさそうデスネ。
ワタシもそろそろビッグになることも視野に入れておきまショウ。
とりあえず今は目の前のビッグロボットに集中デース!

ミュージックスタートデース!!

【SPD】

空中も勿論闊歩出来ますが足場があると安定感が違いマース!
ヘリコプターなどの足場を飛び回り相手の攻撃を避けながらダンスしマース!

ダンスナンバーは『流星群舞踊(メテオダンス)』!
レッ~ツダンシ~ング!!

相手が巨大だとしてもこれだけの数の流星群に耐えられるものなら耐えてみなサーイ!!


ユナ・アンダーソン
スペースワールドのアレで感覚マヒしてるけどこれでも十分大きいのよね
途中参戦の身だし露払いくらいはしなくちゃ
……どうせ改造されちゃったものはどうしようもないし
周りが更地になっちゃってもコラテラルダメージよね!

戦闘
UCを発動して
オーラ防御、激痛耐性を用いてフォトンベルトで攻撃を受け防ぐ
そして範囲攻撃、なぎ払いを用いて
その巨体と周囲の軍勢に満遍なく召喚した流星群を降らせて攻撃
流星群の質量と物量で殲滅
周りの被害は見なかったことにします

無限に墜ちる「宙」(ソラ)を、貴方は支えきれるかしら―――――?



●スタリー・スタリー・ナイト

 波が引けば、残ったのはオブリビオンただ一体。
 装甲が剥離し、内部機構が露出した機体を引きずるようにオーバーロード・エクスマキナが一歩足を踏み出せば、再び周囲の瓦礫を侵食、自らの一部と成さんとする。
「させない!」
 アームドヒーローのフィジックスが一人飛び込もうとすれば、それを阻むはオートマトンの木偶人形。
 数に押されてヒーローは前に進めず、オーバーロードは自らの再生に力を注ぐ。

「スペースワールドのアレで感覚マヒしてるけどこれでも十分大きいのよね」
 ユナ・アンダーソン(星骸のスティグマテイカ―・f02647)がオブリビオンを見上げて呟く。
「途中参戦の身だし露払いくらいはしなくちゃ」
「騎兵隊の登場というわけだな、頼もしい」
 ネイティブのヒーローであるマニトゥが傍に近づき呟けば、ユナが不思議そうな目でゲストを見つめた。
「猟兵の作戦を聞いておきたくてね、君達のユーベルコードは派手だと精霊も言っている」
「どうかしら?」
 少女が笑い
「……どうせ改造されちゃったものはどうしようもないし、周りが更地になっちゃってもコラテラルダメージよね!」
 その身に光子の帯を纏う。
「精霊も言っている、農場を手に入れるには重機で慣らさないといけないと」
「何それ!? それじゃ、そろそろ行ってくるね!」
 ユナの足元が地より離れれば、光を纏った聖者が流星の様にオブリビオンへ向かっていった。
「マニトゥより、フィジックスへ。猟兵が一人行った、派手に行くらしいが君は傘をお持ちかな」
「防水加工済みだよ!」
 無線機より返ってくる若いヒーローの声にネイティブの戦士は笑みを浮かべた。

「ハァイ! お元気かしらヒーロー?」
「この大群を片付けられたらね! お姉さんは猟兵?」
 超兵器の軍勢に立ち向かうアームドヒーローにユナが声をかければ、逆に問われる。
「ええ! だから露払いに来たの――この『宙』で!」
 黒雲立ち込める空が更に暗くなれば、無限の星空で塗りつぶされる。

        ソラ
「無限に墜ちる『宙』を、貴方は支えきれるかしら―――――?」

「「人の分際で星を操るか」」
「機械の分際で人を支配する奴には言われたくないかしら」
 オーバーロードの呻きを一蹴すれば、宙より流星が降り注ぎ、大質量の雨となって超兵器群を破壊した――だが。
「「我を倒すには星の備え、不足也」」
 自らの尖兵を傘として使いつぶし、その身を守ったオブリビオンの声が響き、その身の再生を果たしたとき。
「イエース、追加注文のご希望承りマシタ!」
 二機のVTOLの翼端に両足を乗せたアポロダスト・ディラマティウスが空より飛来した。


「それにしてもフーム……これはこれはとてもビッグなモンスター……いや、ロボットデース」
 並列に飛行する二機の航空機が間隔を開ければ、それに合わせてアポロの長い脚が開かれる。
「「不敬也。我こそはオーバーロード・エクスマキナ。汝らの頂点たるもの。ロボットに非ず」」
 アポロの言葉にオーバーロードが反論すれば、ダンスの神がサングラスをずらし。
「遠い宙より生まれし子が、我に並び超える。汝はそう申すのだな」
 深く響く声がオブリビオンの、人の、猟兵の、耳を打つ。
 瞬間、航空機から跳躍しヘリのローターに着地したアポロがローター軸の回転に合わせてその身を回せば。
「それだけビッグだとワタシのダンスも目に入ったところで意味はなさそうデスネ」
「待って! さっきの言葉からの落差すごくない?」
 ユナが思わず声を上げる。
 しかし、ダンスの神はそれを意に介さずヘリコプターヘッドスピンを決めながら口を開く。
「ワタシもそろそろビッグになることも視野に入れておきまショウ。とりあえず今は目の前のビッグロボットに集中デース!」
「もう充分、そのムーブがビッグだよ!」
 その姿にアームドヒーローは突っ込まざるを得なかった。

           Meteor Dance.
「ダンスナンバー113!『流星群舞踊!』レッ~ツダンシ~ング!!」

「「聞けよ!!」」
 猟兵とヒーロー、二人の声が重なった。

「「また星屑か、かくも非力、かくも無力、オーバーロードの前には粉雪も同然!」」
 超然と叫び、アスファルトを改造して作り上げた自らの足で立ち上がるオブリビオン。
 機械触手が動き、その巨体が流星を受けとめる様は、両腕を広げ小雨の冷たさを楽しむ姿にも見えた。
「確かにワタシだけでは足りないかもしれマセーン……バァーット!」
 ヘリからヘッドスピンで跳び上がり、張り巡らされたワイヤーの上を着地したアポロが一人の少女を指さす。
「二人ならドウデス?」
「――良い案ね!」
 ユナが意図に気づいてダンスの神の方へと飛び、その周辺を螺旋を描くように飛べば
「ナラバ、セッションスタート!」
 少女のフォトンベルトに触れたアポロも空へ飛ぶ。
「ダンスナンバー113+!」
「無限に墜ちる『宙』の歌――ついてこれるかしら?」

  Meteor Dance Garden!
「「舞曲・流星の花吹雪!」」
 流星が――流星の嵐がオーバーロードへと叩き込まれ爆発し、華と咲く。
 それは美しくもあり、そしてこの地に何も残さないほどの苛烈さを持っていた。

 この世界はそうではなかった
 誰かのためのものではなかった
 オブリビオンのような過去にとっては

「Starry……Starry night……か」
 その光景を遠くから見つめ、呟くネイティブのヒーロー。
 口ずさんだ歌がどんなものか知っている。
 そう、これは過去への――レクイエム。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アリシア・マクリントック
忌むべき来訪者……というわけですか。この地には我ら猟兵あり、ということを教えて差し上げます。……変身!

とは言ったものの、こうも大きな相手では取れる手段も限られてしまいますね。ならばこちらも大きくなるまでです。ティターニアアーマー!
巨体を生かして他の方の足場や盾になったり、私自身もパワーを活かした攻撃で戦います。

特に敵が召喚した対ヒーロー用人型決戦ボディの相手はお任せください!おそらくですが自身より大きい相手との戦いはあまり重視していないはず。文字通り上から叩き潰してあげましょう!

ティターニアアーマーが損傷して十分な性能を発揮できなくなったら降りて剣を使った戦闘を行います。最後まで諦めません!


織部・樒

引き続きザフェルさん(f10233)と行動
他者連携もOK

何と、これだけ巨大とは驚きました(見上げ)
でも足場や煙幕の援護、大変助かります
何処までお役に立てるか分かりませんが、最善を尽くしましょう

煙幕と足場を利用しなるべく近付き
敵の行動を観察して動きを予測し周りに注意喚起
敵UCが放たれるタイミングを見て超兵器群の放たれる部位を狙い
七星七縛符を【高速詠唱】併用し使用します
1枚では足りなければ複数枚使用、超兵器などという迷惑なものは
可能な限り封じます
少しくらいの寿命はヤドリガミですから気にしていません

あ、ヒーローネームは相棒が「エンシェント・椀」推薦だそうです
版権等都合があるならお任せします(笑)


ザフェル・エジェデルハ

樒(f10234)と共闘
しっかしでけぇな。これなら攻撃を外すことはなさそうだぜ!

【地形の利用】で友人達が作ってくれた足場を使い
【力溜め】をしつつ敵との距離を詰める
ありがたく活用させて貰うぜ!!

敵が樒の符の影響を受けた隙などを突いてユーベルコードを撃ち込む
特に【鎧砕き】【部位破壊】で足を狙い、バランスを崩させる
建物と一体なら、その地形ごとぶっ壊すまでよ!!

敵の攻撃は回避行動の他【武器受け】で防御
防御成功後は【カウンター】も試みる

瀕死時は何か召還するみたいだが
3mサイズなら今のコイツより断然小せぇよな
倒せる気しかしねぇ!

まだ美味いラガーを飲ませて貰ってねぇからな
全部片付けたら頼むぜハンド!!



●ジャイアント・キリング

「「まだだ! 我は……オーバーロードは不滅也」」
 流星雨の中、生き残るオーバーロード・エクスマキナ。
「「我が手にあるのは貴様らが作りし、恐怖の体現。人よ汝らは自らの創造物で死ぬ」」
 空より何かが飛来した。
 全長は3mを超え全身は各種の武装に覆われている。
 その姿に人々がどよめき、ヒーローの顔が凍り付く。
「アレは……」
 遠くから戦況を見ていたキャロルが言葉を失う。
「パテントはちゃんと守ってくれないとな」
 彼女の肩を借りたトレンチコートのヴィジランテが荒い息を整え軽口を叩く。
 あるものはこれをヒーローに変わる守護者と称えた。
 あるものは圧制の象徴と罵った。
 兵器の名はガバメント・オブ・ガーディアン、その意味は『政府』の守護者。

 人類が作りしヒーローを狩るであろう殺戮兵器が、今、宇宙からの脅威の尖兵となりはてて人々へ立ちふさがった。

「忌むべき来訪者……というわけですか」
 そこへシルクのワンピースを纏った女がゆっくりと近づいていく。
「「汝らにとってはそうだろう。だが我にとっては彼の機械は尖兵であり、我は超越者として君臨すべしもの」」
 オーバーロードの言葉を聞き、蒼い瞳をガーディアンに向ければバックルを腰に当て、展開するベルトをその腰に巻く。
「結構です! この地には我ら猟兵あり、ということを教えて差し上げます」
 ベルトから作動音が鳴る中、ゆっくりと片手を伸ばすアリシア・マクリントック(旅するお嬢様・f01607)。
「……変身!」
『Change――Saviour』
 ベルトが声紋を認識すれば量産型戦闘用特殊強化装甲――セイバークロスがアリシアの身を包む。
「「その小さな鎧で守護者を倒すか。諸行無常とは今の姿を言う」」
「ならばこちらも大きくなるまでです。ティターニアアーマー!」
 オブリビオンの言葉に対し少女は自らの背中を守るかのように鋼鉄の巨人を呼ぶ、それこそがティターニアアーマー。
 巨人の前面が展開すれば、機内にある搭乗席へアリシアが乗り込みアーマーの操縦系を掌握する。
 妖精の女王と脅威の守護者はお互いの守るものの為にアスファルトを砕きながら距離を詰め、雌雄を決するべくその腕を振るう。

「おそらくですが自身より大きい相手との戦いはあまり重視していないはず」
 ティターニアの両手が握られ
「文字通り上から叩き潰してあげましょう!」
 ガーディアンへと振り落とされようとすれば
「「大きさなど、畏怖の衣。尖兵よ真の力を見せよ!」」
 オーバーロードの意に従い守護者が砲門を開き、無数の砲火で女王を吹き飛ばす。
「けれど!」
 操縦桿を握りしめ、ティターニアの制動をコントロールするアリシアがガーディアンをオブリビオンを見る。
「最後まで諦めません!」
 女王が突進し守護者へ体当たり、バランスを崩したところにさらに拳を叩きこむ。

 鋼鉄がぶつかり合う音が響き渡った。
 二体の巨人は互いが傷つき、オイルという黒い血を流し、火花という傷を露わとする。
「「諦めろ、猟兵。汝達に勝ちは無い」」
「諦めません!!」
 オーバーロードの言葉をアリシアが跳ねのける。
「過去が持つ質量はインクの重さだけで充分です! 受けよ、巨人の一撃!」
 大きく弓引かれたティターニアの拳が火花を散らし、唸りを上げて繰り出される。
 同じように拳を繰り出したガーディアンとパンチとパンチがぶつかり合えば衝撃波が辺りに広がり、そしてお互いが膝を着き、煙を吹いた。


 二体の巨人を飛び越えるように二人の猟兵がオーバーロードへと走っていく。
「何と、これだけ巨大とは驚きました」
 織部・樒がオブリビオンを見上げ呟けば。
「だが、これなら攻撃を外すことはなさそうだぜ!」
 ザフェル・エジェデルハが笑う。
「そう言えば、私のヒーローネームを考えてくれたそうですね」
 ふと思い出したように樒がザフェルを見れば。
「ああ――『エンシェント・椀』っていうのはどうだ!」

「エンシェント・椀!!」
 アームドヒーローが煙幕を巻きながら声を上げ
「精霊によると古い椀と古き者ということをかけているのだろうと」
 ネイティブのヒーローは冷静に解説する
「ゼンの使い手としてはハンドのネーミングに勝るとも思わないわね」
 墨染めの衣を着たスピリットヒーローが皮肉交じりに呟き。
「…………!」
 トレンチコートのヴィジランテは傷の痛みのせいか、声を出さずに笑っていた。

「「エンシェント・椀。古き白天目よ、どのような名で在れ、我には無意味」」
 オーバーロードの身体が展開し、超兵器群が再び姿を現す。
「「土塊に戻るがいい」」
「無用です」
 拒絶の言葉は煙幕を突き破って飛び込んだヤドリガミの声。
 高速で紡ぎだされたユーベルコードが符に力を与え
「超兵器などという迷惑なものは封じます」
 オブリビオンの格納庫へと飛べば見えない壁となりて、その軍勢を封じる。
「「我が尖兵は一つだけにあらず」」
「ならば、全て封じるのみです!」
 自由落下の最中、紡ぎだされるユーベルコード、そして舞う七星七縛符。
 その最中、自らの本体にヒビが入るのを樒が感じた。
 ――ユーベルコードの代償としての寿命減少。
「けれど!」
 だがヤドリガミたる彼にとっては些細なもの、今ある危機の為、樒のその手は動き続ける。
「最善を尽くすのみ!!」
 彼に珍しく咆哮のような叫び。
 複数の護符が網となってオブリビオンを縛れば、ひび割れたようにボロボロの腕をだらりと下げ、落下するその身を風に任せた。
 ――後は託したのだから。

「こちらフィジックス。友人は回収した」
「サンキュー、助かったぜ」
 視界にヒーローが飛ぶのを認めれば、足場を蹴って跳ぶザフェルの眼はオーバーロードへ。
「「我が生の為なら、汝らの死止む無し――我、生くるべし!」」
 かろうじて動かしたオブリビオンの機械触手が竜の使い手を襲う。
「いいや、お前は死ぬべきだ」
 長柄の戦斧で触腕を叩き落し
「イルディリム!!」
 ザフェルはもう一人の相方である竜を呼ぶ。
 飛来する小型竜がロケットの如く飛翔する竜槍へと変化すれば、その上に飛び乗り。
「まだ美味いラガーを飲ませて貰ってねぇからな」
 オーバーロードの足へと距離を詰める。
「全部片付けたら頼むぜハンド!!」
 竜の使い手がオブリビオンとすれ違う。
「……ああ」
 ディテクティブ・ザ・ハンドは傷ついた身を立たせ。
「とびっきりの冷たいラガーを飲ませてやろう」
 両膝を断たれ、大地に沈むオーバーロードの姿を見つめていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ミハエラ・ジェシンスカ

悪いがサイニウムとやらを利用させて貰うとしよう
精神感応金属というなら我が思念、我がサイキック
そして我が悪心すらエネルギーとして増幅できる筈だ

フォースレーダーで瓦礫の中を【情報収集】
見つけ次第【念動力】で掘り返す
まともに組み込んでいる暇はない
手荒だが呑み込むなりして体内に取り入れる

その後【念動加速】で戦闘へ
悪いな、遅くなった
速度任せの【2回攻撃】で本体を切り崩し
決戦ボディとやらを引きずり出してやる

異なる宇宙より来たりしもの、機械仕掛けの大君主よ
我が悪心、我が反逆をくれてやる

悪心回路(アイテム)起動
隠し腕、ドローンで敵の物量に対抗しつつ一瞬の隙を【見切り】
【カウンター】【捨て身の一撃】を叩き込む



●Mihaela

 アスファルトが砕け、瓦礫は竜巻となり、海が押し流した。
 流星が降り注ぎ、何もない大地に明滅する金属の欠片が一つ。

  Psy-nium
 精神感応金属

 全ての事件の発端で在り、オーバーロード・エクスマキナの呼び水となった20gの欠片をミハエラ・ジェシンスカが手に取った。
「悪いが利用させて貰うとしよう」
 口を開き、その欠片を呑み込む。
 精神感応金属というなら自らが思念、自らがサイキック、そして自らの悪心すらエネルギーとして増幅できる筈……そう踏んでのことだった。
「ぐっ……ぬおおおおおおおおお!!」
 身体の中で熱が疼いた、疑似神経に過剰な電撃が走り、電子ヒューズが破裂した。
 オブリビオンを呼び水とする力を持った金属を猟兵一人の身で受けとめるには過剰すぎる力であった。
 だが……。
「邪剣には邪剣の矜持がある……のでな」
 誰かに向かって笑ったように口角を上げれば、鮮血の如き赤いオーラを纏いミハエラが飛んだ。

「「我は死なぬ、我はオブリビオン、オーバーロード・エクスマキナは不滅也!」」
「ならば、今が死ぬ時だ……悪いな、遅くなった」
 マッハ3.6を上回る速度で飛翔するミハエラがオーバーロードへと肉薄を図る。
「「ガーディアン!!」」
 オブリビオンが再び尖兵を呼ぶが音速の理力剣が巨体を両断。守護者は只の鉄屑へと変わる。
「邪魔をするな」
 さらに迫りくる触手を両手のフォールンセイバーで切り払えば、その速度の代償として両腕を吹き飛ばし、残骸が大地に転がっていく。
「まだだ……その本体を――引きずり出してやる」
 隠し腕が展開し、セイバードローンが展開される四本の刃がオーバーロードの巨体に激突すれば、そのまま急上昇。
「異なる宇宙より来たりしもの、機械仕掛けの大君主よ」
 堕ちたフォースナイトを再現する悪心回路が起動し、強化されたサイキックエナジーが一人と一体を天へ運び、黒雲を突き破る。
「我が悪心、我が反逆をくれてやる」
「「摩擦で焼くか、それとも真空に放り出すか、どちらにしても我には効かぬ!」」
 太陽の下、急上昇する中、オブリビオンが叫べば
「宙より飛来した貴様なら、地球に降下した時の高温を理解しているだろう」
「「断熱……圧縮!?」」

 気体は急激に圧縮すると熱を発生させる。
 それは空気中の分子同士が、激しくぶつかり合うことで産生される熱であり。
 宇宙船が大気圏に突入時に高温となるのも、隕石が燃え尽き崩壊するのもそれが原因である。

「さっきまでの口調はどうした」
 ミハエラが笑う。
「「貴様、死ぬ気か!?」」
「何度も破壊され、再生を繰り返し、ウィルスの侵食すら受けたその機体ではもはや耐えられまい」
 速度は徐々に増し、高度は成層圏へと迫ろうとしていた。
「「理解不能――リカイフノウ、当該ノ機体ノ行動意図不明」」
「そうだな……」
 ミハエラが適当な言葉を過去のアーカイブから探し出し口角を上げた。

 ――Man with a mission.
「――それが我が使命だからだ」

 成層圏の空。
 何もない大気だけの空間に爆炎が舞った。


 黒雲が晴れた地上、青空に見える爆煙に人々は歓喜した。
「あのウォーマシンは嫌がるかもしれないが……」
 猟兵達の傍で座り込んだハンドが呟く。
「ミハエラと言う名は――ミカエルの変化形なんだ」
「つまりは?」
 誰かが問う。
「彼女は天使だってことさ……この街の人々にとっては」
 トレンチコートのヴィジランテが苦笑した時、無線から声が入る。
「こちらフィジックス、空より落下体確認!」
「空軍も確認した」
 青空に見えた点はやがて形を見せ、四肢を失ったウォーマシンとなって墜ちていく。
 ミレナリィドールとウォーマシンが飛び、その機体を受けとめるが勢いに耐え切れず落下していく。
 人々から悲鳴が上がる。
「大丈夫だよ」
 小さな猟兵が口を開くと。
 無数の千代紙がクッションとなって三体を受けとめ、華の様に散った。
「ディテクティブ」
 大地へと着地し、仲間に抱えられたミハエラがハンドへ視線を向け。
「聞こえていたぞ」
 渋面を見せる。
「……ラガーが冷えてるけど飲むかい?」
 ヴィジランテが肩を竦め軽口を叩けば、誰かが笑った。
 皆が笑った。
 宇宙からの脅威は人々とヒーローと猟兵の手によって消え去り。
「OK、それじゃエンディングのダンスを」
「「待って」」
 神の行いは抑えられた。

 これはネバダでの一日。
 宇宙からの脅威に立ち向かった者の物語である。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年09月18日
宿敵 『オーバーロード・エクスマキナ』 を撃破!


挿絵イラスト