【旅団】業と愛と、神様と。
【これは旅団シナリオです。旅団「K.i.L」の団員だけが採用される、EXPとWPが貰えない超ショートシナリオです】
●とあるヒーローズアースのラボに貼られたポスター
『夏だ!プールだ!社員旅行だ!!我々の夏はこれからだ!』
・8月〇×日▲時、K.I.L第一ホール集合。
・全員でまとめての移動になる為、遅れない様注意されたし。
・チケットが欲しい者は、事前に班長へ申請を。
●というのを見たんだ。
神は裸足のまま、長い廊下をてっちてっちと歩いている。
ポスター下に有ったパンフレットを、その手に広げながら歩いている。
「なるほど、プールとはこういう物なのか。」
ちなみに物を読みながら歩くという行為、大変危険なので普通の人間は真似をしない様にしてほしい。
「大変だ!!研究対象が脱走したぞーー!!」
「ん?なにやら騒がし……」
ドンッ!
この様に、曲がり角で凶暴化した化物と鉢合わせする可能性だってあるのだ。
(~不適切な表現がある為、綺麗なお花畑の映像をお楽しみください~)
「よし!!捕獲成功!!神以外に死傷者はいません!」
神、もとい肉塊はずりずりと再生していく。死なないって便利。
「また脱走か。お前たちは脆いのだから、気を付けなくてはいけないぞ?今偶然、ぶつかったのが神だからよかったものの。」
神ぷんすこ。
ここでの神の扱いは、安全弁だ。あるいは贄だ。
もしくは、簡単に言えばそう、決して捨てずに済む、肉の壁だ。
「すみません、助かりました神様。もう少し、捕縛アイテムの強度を上げようと思います。」
「うむ。神は赦そう。」
「よかった!ありがとうございます!」
頷いて、立ち去ろうとする職員に、ああそうだ。と声をかける。
「神も、プール行きたい。」
手に入れたチケットは三枚。
パンフレットを片手に、神はぺたぺたと移動する。
子供達と、遊びに行くのだ。
KS
これは業・愛・無二の三人の関係性や性格・口調が余りにも分かりにくい為、いっそ参考になるリプレイを書こう。という目的で生成された旅団シナリオです。どうかご容赦下さい。
夏、きらきらの思い出。それはきっと、幸福と呼んでいい。
第1章 冒険
『ライブ!ライブ!ライブ!』
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POW : 肉体美、パワフルさを駆使したパフォーマンス!
SPD : 器用さ、テクニカルさを駆使したパフォーマンス!
WIZ : 知的さ、インテリジェンスを駆使したパフォーマンス!
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●愛よ、業を呼んで来ておくれ。
愛はしょんぼりしていた。
せっかく皆で海に遊びに行こうと思っていたのに、おかあさんは寝ているし、おにいちゃんはどこかにお出かけしていて見つからない。
そんな事をしていたら、いつの間にか何時の間にやら、元気だったセミさんも、綺麗だったひまわりさんも、だんだんどんどんしおしおと、静かに静かになっていく。
夏が、楽しい夏が、終わっていく。
「……みんな理由があるから、ね。仕方がないねぇ。」
そんな風に窓辺に座ってしおしおしていたら、下から声が聞こえて来た。
「愛、我が愛。おいで。プールに行こう。」
小さくはない。聞こえていて当たり前だと思っている大きさで、ゆるり、呼びかけられる。
「プール!おかあさん、プールいくの?」
窓からぴょんっと跳び下りる、大きさ凡そ3m。けれども着地は穏やかに。おかあさんのくれた羽は、今日もお空を庭にする。
「ああ、プールだ。業も一緒だ。」
「ほんと!みんなでプールなの?」
「ああ。温水プールとやらのチケットを、研究員から貰ったからな。皆で行こう。」
パタパタと、可愛らしい羽が震える。
「あのねぇ、みんなでね。おっきなお水の滑り台にね!乗りたいの!あるかなぁ、あるかなぁ?」
どたどたとしたスキップで、周囲を巡る。
「ああ。あるとも。パンフレットと言う物に載っていた。」
「やったぁ~!お水流れてる?沢山流れてる?」
「ああ。流れるプールだそうだ。」
きゃーっ!嬉しそうな悲鳴の後に、3mの高さからむぎゅぅと神を抱え込んだ子供の笑い声が、広い研究所の中庭に木霊する。
そんなこんなで、Kale id Laboratory 通称 K.i.Lの研究者含む面々は、、そろいもそろってプールへと来ていた。
本日貸し切り。多少騒ごうとも問題は無い。
ただし備品は壊さない様、気を付けて。
五逆・業
(ーー元気な声にぱっと振り返る)
え、プールとか行くのあの神様!行く行く、愛の水着兄ちゃんめっちゃ見たぁい!
あ?いやキミらは帰っていいよボク用事できたから。よーし帰ろっか愛ー!♡
愛かっわい、抱き締めていい!?(触手ずばっ)
来たいと思ってたけど来るのははじめてだな、良いねみんな浮かれてる
やっぱウォータースライダーからだよね賛成!お母さん面白いポーズして映って。
飛び込み台もあるー気になるー。ねー愛ーお母さーん、後ろから職員突き落とすのと下から飛び出して捕まえるのどっちの方がいいー?
んっひひ、よっしゃきた、それでいこ!兄ちゃんもダイブしたら真ん中潰れちゃうかな〜でも潰れる役はお母さんだよねどうせ!
六間・愛
(街、男の人達とお話中なお兄ちゃん発見
手ぶんぶこ!)
ねえねえ業お兄ちゃーん!
お母さんがプール連れてってくれるって~!
わああ見てみてプール!(ぱしゃぱしゃ)
嬉しいなぁお兄ちゃんもお洒落さんだねえ
遊びに来たの初めて
お母さんとお兄ちゃんは来たことある?
えへへ浮かれちゃうのわかるなあ、ラボの皆も楽しそう
二人ともどれで遊ぶ?わたし滑り台!
嬉しくて大きくなっちゃっても詰まったりしないねえ
でね、お母さんが真ん中!
お写真撮ってもらお?
あの高いとこ?ふふ~どきどきしちゃう!
わあ悪戯するの?
お兄ちゃんが上でどーんってして
わたしとお母さんでキャッチはどうかな
えへへお兄ちゃんが飛び込んでも二人でハグならだいじょーぶ!
●業は、愛と共に。
「お姉ちゃん一人でしょ?友達に置いてかれちゃったなら、いいじゃん、俺達と遊ぼうよ」
「で、でもボク……」
150cm程の黒髪の少女が、押せば行ける雰囲気でおどおどと自分の前に立つ三人の男を見上げている。
置いて行った友達などいない。
躊躇をしている理由もない。
可愛らしい少女の顔も、別に生来な訳では無い。
都合が良いから、そうしているだけ。と、彼に詳しい研究員か、生みの親であればそう解ったかもしれない。
けれど、彼を囲む男達にそんな事は分かる筈が無い。
そもそも彼らは、弱者を食らう事しか考えていない。自分達が喰われる想定を、していないのだから当たり前だ。
業が嗤う。連れ込んだお前らが悪いのだと、嗤いながら食ってやろう。
悪い子になら何しても良い。
どんな事をしようか。とりあえず泣いて喚いてくれるのがいい。
虫みたいになんとか逃げようと、こいつらが足掻いたらきっと楽しい。
「ね、悪い事はしないからさ。足とか痛いでしょ?休める所知ってるから、案内してあげるよ」
にこにこと人の良さそうな顔で笑う詐欺師の喉に、触手を詰め込んだらどうなるだろう。
業は少し考える様に周囲をきょろ、きょろ、と数度見て、頷いた。
「……うん。じゃあ、少しだけ……」
「お兄ちゃ~~ん!」
ミルクチョコレートみたいな、甘い甘い声が響く。
「業お兄ちゃーん!あのねぇー、お母さんがプールつれてってくれるって~!」
ぶんぶんと手を振り、ついでにばるんばるんと愛を揺らしながら駆けて来る、愛しい可愛い妹の声に、業はすぐさま振り返って走り出す。
「えっ、うっそプールとか行くのあの神様!行く行く、愛の水着でしょ!兄ちゃんめっちゃ見たぁい!」
「はっ!?ちょっと待て!」
業の小さな肩を掴もうと男が伸ばした手は、何かに勢いよく叩き落とされる。
「あ?ああ、そういやいたね君ら。もういいよ帰って?ボク用事できたから」
手首が壊れる程の力の出処が、業の身体から出ている紫の何かだと、気付いた男はひっと息を溢して動けない。
退治されないヴィラン。
ヒーロー面が許された悪人。
自分達が手を出そうとした者が、自分達の手ではどうにも出来ない化物だと、気付けた彼らは幸運だろう。
明日の朝日を、まともな精神で見られるのだから。
「愛ー!帰ろー!兄ちゃん愛に連れてって欲しいなー!💛」
虫けらに興味を失った子供は、自分の味方にそれはそれは愛し気に両手を伸ばすのだ。
●そんなこんなでプールに着きました。
普段とあまり変わらぬ姿の神に舌打ちしながら更衣室から出て来た業は、愛のフリルたっぷりの水着を全力で喜んだ。なにせかわいい。
「愛~~~かっわい~~!抱きしめていい!?抱きしめるね!」
両の腕ではまだ足りないと、パンツ(ズボンの意)から出て来た触手がぐわばと広がり、ごっつり掴んだハグをする。
精神が壊れる様なハグ。
それを3mの巨体は、てれてれ嬉しそうに笑って受け入れる。
「やった~~あのねぇ、あのねぇ、業お兄ちゃんもねえ、すっごくお洒落さんだねえ!だいすき!わたしもぎゅーってしたーい!」
「いいよ!でも兄ちゃん苦しいの嫌いだから、フワーッとして♡」
「わかったーー♡」
きゃぁ~と嬉しそうに声を上げながら、愛は業を抱きしめる。
兎を持つよりずっとやさしく。綿毛を乗せるぐらい繊細に。
人の身体は大体みんな、卵と同じぐらい脆くて、お饅頭ぐらい柔らかいから。
愛情いっぱいのハグをしあう姉っぽい姿の兄と可愛い妹。
足を滑らせた職員を庇って死んでた神が復活した頃、愛が言い出した。
「あのね、滑り台に行ってみたいなあ!」
彼女が指す方を見れば、大きな筒を半分にした様な滑り台らしきものがぐにゃんぐにゃんとおおはしゃぎしている。
「愛わかってるじゃん!やっぱプールと言えばウォータースライダーからだよね!」
「うぉーたーすらいだーって言うの?業お兄ちゃんは物知りねえ!」
「ほら神様行くよ、可愛いボクと愛を待たせないでよね!」
復活したての神も気にせず、すったたすったた走っていく業と愛。
プールサイドは走ってはいけないのだが、彼等はそれを律儀に守る程、良い子じゃなければ弱くもないのだ。
辿り着いたウォータースライダーの前には、沢山の写真がモニターに表示されている。
「へー、ここ滑ってる写真撮られるんだ。悪く無いじゃん。うはは!みてみて、こいつ!青い顔してやんの!外に放り出したいくらいびびりじゃん!」
「あ、こっちの人は両手上げてるう、これ楽しそうでいいねえ」
「じゃあ愛とボクはそのポーズにしよっか!あ、お母さんはなんか面白いポーズで写ってね。」
二人の横で話を聞いていた神は、はて、と首を傾げた。
「面白いポーズ」
「そ。面白いポーズ!」
「……我が業、面白さの基準はどこに据えればいいのだろうか?」
「は?そのくらい自分で考えてよ。神様でしょ。」
「ふむ」
神は情緒が分からない。だからこそ二人を造ったのだが。
ここに来て普通の人間でさえ難しい無茶振りを、情を学ぶ為に造った者からされるとは。
神は創世並みに困りながら、ウォータースライダーのスタート地点へとやって来た。
「さて、じゃあボクが先頭ね!」
「でね、お母さんが真ん中!」
「わかった。そうしよう。」
神はよっこいせと業の後ろに座り、最後に愛がずんっと座る。
こうして、高速スライダーが始まり、そして途中テンションが上がりすぎた愛が巨大化し、見事着水地点で神を圧し潰して殺し、無事に水の滑り台が終了した。
ちなみに業は着水と同時にすいっと避けたので、当たり前に危険は無かった。
「あーーんお母さんごめんねーーー!!」
ゲラゲラ嗤う業とは反対に、愛はえぇんと泣きながらぐっしゃりした神の周囲を腕で囲う。肉片や血が広がり過ぎない方が、神は復活が早いのだ。
やがて水の赤が収まって、三人はモニターの前へとやって来た。
「さーて、お母さんどんな滑稽な姿で写ってるかなー♪」
業が覗き込んだそこには、楽しそうに手を上げ触手を上げしている二人に挟まり
穏やかに目を閉じ、仏像でよく見るポーズをした神が、写っていた。
「えっ、母さんなにこれ?ボク面白いポーズしてって言ったよね?」
「それか。仏と呼ばれる者の、ポーズだ。面白いぞ。」
実際、通り掛かった職員の何人かは、スクリーンに映るその姿のインパクトにぶっぼふぉと飲み物を吹き出している。
「えっ、これ面白いの?なんで?」
「何故、と問われると難しいが……面白さとは、チグハグの中に在る物だと、言われた事があったから、だな。」
「チグハグなのこれ?なんで?」
「うむ。神が神で、これは印相と呼ばれる仏の」
「はぁーー?もういいやつまんない」
心底どうでも良い顔で、業は愛へ向かう。
「ふむ、神は面白いと思ったんだがなぁ。難しいものだ。」
その後を、特に反省した様子も傷ついた様子もなく、神はついて行く。
「ねー愛ーお母さーん、ボクあの飛び込み台気になるんだよね」
行きたいと甘える声で木の様な高さを誇る台を差し、業が言う。
「あれさぁ、後ろから職員突き落とすのと、下から捕まえるのと、どっちの方がいいー?」
えげつない提案だが、愛は嬉しそうに手を叩く。
「わあ、悪戯するのー?んーっとね、それならね、お兄ちゃんがどーんってして、わたしとお母さんがキャッチするのはどうかなあ!」
楽しそう!と乗り気だが、そこに職員の安全への考慮は無い。
犠牲になった職員5名
後ろから唐突に現れた業に突き落とされ、着水したと同時に水中から現れた愛にむっぎゅりハグされ出られない。
パニックで心臓を止めなかった職員やぶつかって怪我をする者が居なかったのは、流石怪物達を研究する為の職員達、といった所か。
「あきた」
突然上から業が降る。
さてこの業、150cm程の少女体をしているが、実は質量そのものは愛以上に有る。
つまりだ
「あー!お兄ちゃん落ちて来たーー!」
「あ、まて、我があ」
きゃーと飛びつく様に水の外へと出た愛の胸元にいた神は、業と愛に挟まれ死んだ。
そりゃそうだ。トラック追突事故だもの。
赤く染まったプールはしかし、化け物がはしゃいだわりに神以外は被害が無い。
つまり実質被害無く、楽しいバカンスはその後も続く。
帰り際、職員が神に訊ねた。
「神様、今日沢山死んでますけど……辛くないんですか?確か痛みは在りましたよね。」
神は不死の肉体を持つ。
けれど普通に行動が出来る様、痛みはそこに在るのだ。
「……そうだなぁ。だが、人間は脆いから、我が業も、我が愛も、止められないだろう?」
「……ええ、残念ながら」
「だから、良い。安心すると良い。」
神は穏やかに笑う。
「神は業を、愛を、人間の脆弱を、赦しているよ。」
職員は思った。
いやあんたがちゃんと躾ればもっとどうにかなるのでは?
だがしかし、神の肉盾で何度か命を救われている職員は
「そう、ですね……」
と言って黙るしか無い。
明日は休みだ。しっかり休んで、明後日からまた頑張ろう。
職員の静かな諦めを、神は首を傾げて眺めるのだった。
大成功
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