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この鎧は率いる災魔に疑問はないんだろうかとふと思う

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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「くそっ、もう少しだったのに」
 学生服に身を包んだ少年が悔しげに顔を歪める。
「どうする、追うの?」
「いや」
 二の腕を押さえた少女が問うと少年は無念そうに首を横に振った。
「この怪我で追撃は危険だ」
 引き返そうと少年はパーティーメンバーに言い、少年達は来た道を引き返し始めたのだった。

「そう言う訳で、その少年達のパーティーは今一歩のところで災魔を取り逃す事になるようなんです」
 そう説明したのは、白銀の軽鎧に身を包んだフェリクス・フォルクエイン(人間のパラディン・f00171)。アルダワ魔法学園の世界、幾つも存在する学園迷宮の一つで、フロアボスとして迷宮内部を変化させていたオブビリオンが魔法学園の生徒達に敗北するもトドメを刺される前に逃亡。
「問題のオブビリオンは追いつかれれば周囲に湧いた雑魚の魔物を配下とし、その魔物を足止めに残して深部へ後退、体勢を立て直すつもりです」
 指揮能力の高いオブビリオンである為、体勢を整えて配下を率いさせてしまうと厄介なことになる。
「逆に言うと、今なら配下と本命を分断して各個撃破出来るんですよね」
 だから皆さんにはオブビリオンの追撃と撃破をお願いしたいんですとフェリクスは言う。
「あ、そうそう。討伐をお願いしたいのは動く騎士鎧の災魔。足止めに残すのはフグの様な容姿の自律駆動型魔導蒸気ロボみたいです」
 騎士鎧が率いる数多のふぐ、想像すると絵面はシュールだが、それが成立する前にオブビリオンを倒すのが今回の依頼である。
「よろしくお願いしますね」
 説明を終えたフェリクスは、そう言って君達に頭を下げたのだった。


聖山 葵
 追われていた鎧にとってはえり好み出来なかったからだと思いたい。

 と言う訳で、今回はフロアボスの魔物を追いかけて足止めの魔物を蹴散らして追いついて決着をつける風味なお話となります。

 尚、追いつめた学生パーティーは既に迷宮から脱出しており、接触することはかないません。

 鎧に体制を整える余裕を与えなければラストバトルは些少難易度が下がるかも知れませぬ。

 では、ご参加お待ちしておりますね。
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第1章 冒険 『迷宮の追撃』

POW   :    とにかく距離を稼いで追いかける

SPD   :    痕跡をたどって追いかける

WIZ   :    行動を予測して追いかける

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フルーネ・フローライト
逃げる相手で鎧というならば鎧のかけらや足跡といった痕跡は残っているはず。些細なことかもしれないけど僅かな手掛かりがあれば相手を追いつめれるのは理に適っているので距離をとりつつ追跡します。

…とはいえ相手もおってくるであろうことは予測済みだと思われるから何かしら想定外の対策をとってくる可能性もあるから早急ではあるけど慎重に追跡しないと


ミアス・ティンダロス
動く騎士鎧……ですか?なんだか強そうな敵さんですね……
僕がどこまでやれるのか僕自身も分かりませんが、みんなの力になるように精一杯頑張ります。

【姿の見えないゼリー生物】を召喚します。
【追跡】技能と併用して、敵が残した痕跡をたどってその行方を捜します。


二條・心春
ふぐを率いる騎士、かぁ…戦いでは騎士がふぐに騎乗して敵を翻弄するんでしょうか。…いや、無いですね。

私は行動を予測して追いかけてみます。「影の追跡者の召喚」を使って魔物を先行して追いかけてもらって、敵が選んだルートの様子を見て、行動パターンを分析しましょう。ここでは相手の方が地の利がありますから、私達を撒くように動くのかな。敵が次に行く場所がわかれば、私達はショートカットして距離を詰めたりできるかもしれません。

上手く予測出来たら皆さんと情報共有しておきましょうか。できれば協力して追いかけたいですからね。


セルマ・エンフィールド
【SPD】
追撃戦ですね。学生たちの働きを無駄にしないためにも確実に仕留めましょう。

索敵および援護用のドローン【ペレグリーネ】を起動し追跡します。
大まかな痕跡はペレグリーネの行動半径を活かして、細かな痕跡は私自身の『視力』、ときには『第六感』を頼りに捜索します。

ペレグリーネでは主に雑魚の災魔が活性化している場所や目立つ足跡を見つけ、そこを起点に私の目でより微かな足跡を探して辿っていきたいところです。
フロアボスは騎士鎧姿の災魔とのことですし、逃走中に足跡を気にして忍び足で……なんて気遣っていられないでしょう。必ず痕跡はあります。


ベアトリーチェ・アデレイド
まぁ…ふぐのロボットだなんて、とても可愛らしい

でも、これはお仕事ですから可哀想ですけど壊させていただきますわ

足止めとしてふぐを使うとなると、己の逃げ道を一番多く配下を配置するかもしれませんわね

そのふぐをまずは探してみましょうか
ふぐをみつけたら、自身の人形であるダンテにブラッド・ガイストを付与して破壊する

仲間が壊されたら集まって来るかもしれませんしね
出来るだけ派手に暴れましようか
ふふ、わたくしのダンテは闘う姿が最も美しいのですもの

新しいふぐが来た道を辿れば鎧にたどり着けるかもしれませんわね



「動く騎士鎧……ですか? なんだか強そうな敵さんですね……」
 学園迷宮に降り立ったミアス・ティンダロス(夢を見る仔犬・f00675)はポツリと呟くと周囲を見回した。丁度学生達が件のオブビリオンを追いつめた戦場となったからだろうか、戦いの傷痕があちこちに残っており。激戦だったことを物語る。学生達が追いつめたとは言え、楽に勝てる相手ではなかったのだろう。
「ふぐを率いる騎士、かぁ……戦いでは騎士がふぐに騎乗して敵を翻弄するんでしょうか。……いや、無いですね」
 自分で造り出した想像図を頭を振ることで二條・心春(人間のシャーマン・f11004)は打ち消し、影の追跡者を喚び出した。自身に先んじて災魔を追っ手貰う為であるが、これで終わりではない。
「さてと、次は……あ」
 災魔の行動を予想すべく奥へと視線をやると、ひょっこりと現れたのはフグの様なモノ。水っけの全くない迷宮の通路を跳ねる姿には違和感を感じざるを得ないが。
「まぁ……ふぐのロボットだなんて、とても可愛らしい」
 どことなく愛嬌のある姿にベアトリーチェ・アデレイド(永遠の淑女・f10669)が歓声を上げるが、それも迷宮に棲息する魔物の一種であり。
「でも、これはお仕事ですから可哀想ですけど壊させていただきますわ」
 そこはきっちり分かっているのか、自身の人形に血液を与えると殺戮捕食態に変化させて嗾ける。
「いきなり出てくるとは思いませんでした」
 とは姿の見えないゼリー生物を召喚し、心春の様に自分の代わりに災魔の追跡を任せようとしていたミアスの言。仲間とはぐれたのか元々一匹だったのか、機械仕掛けのフグはあっさり砕け散り。
「小さなハプニングはありましたが、ここからは追撃戦ですね。学生たちの働きを無駄にしないためにも確実に仕留めましょう」
「そうね」
 索敵および援護用のドローンを起動させるセルマ・エンフィールド(氷の狙撃手・f06556)に頷いたフルーネ・フローライト(ウォーマシンの人形遣い・f05947)は視線を床に落とす。
「逃げる相手で鎧というならば鎧のかけらや足跡といった痕跡は残っているはずよ。些細なことかもしれないけど――」
 探して辿るつもりなのだろう、時折足を止めてはしゃがみ込み。
「見つけた」
 唇がそう言っているかのように動いた。
「足止めとしてふぐを使うとなると、己の逃げ道に一番多く配下を配置するかもしれませんわね。先程はたまたま一匹見かけましたけれど」
 その一方でベアトリーチェも持論を元にフグを探してみましょうかと行動指針を決めて追跡を開始する。
「確かに、雑魚の災魔が活性化している場所は注意しておいた方が良さそうですね」
 同意したセルマもドローンのペレグリーネにフグ災魔や目立つ痕跡を探させ。
「フロアボスは騎士鎧姿の災魔とのことですし、逃走中に足跡を気にして忍び足で……なんて気遣っていられないでしょう。必ず痕跡はあります」
 自身もドローンとは別に視力と第六感を頼りに手がかりを見つけようと周囲を見回す。
「これは」
 奥へと続く通路の床を視線で撫で、目に留めたのは不自然な足跡。いや足跡というよりかは何かを引き摺った痕と見るべきか。その近くにフルーネの姿も認め。
「同じ痕跡を辿ることになりそうですね」
 それが正解なら複数が同じ手がかりに行き着いても不思議はない。
「凄いです……けど、僕も」
 早くも有力そうな手がかりを見つけた味方を賞賛しつつも、仲間達の力になるように精一頑張ろうとミアスも自分を奮い立たせる。
「成る程、あちらのルートを……ここでは相手の方が地の利がありますから、私達を撒くように動くのかな?」
 心春は心春で先行する形になった仲間の向かう方向から逃走経路を予測し。
「上手く予測出来たら皆さんと情報共有しておくべきですよね。できれば協力して追いかけたいですから。あ」
 先を行く二人が足を止めたのを好機と追いつくべく駆け足でそちらに向かい。
「相手も追ってくるであろうことは予測済みだと思っていたけど、案の定ね」
 何かしら想定外の対策をとってくる可能性を加味し、慎重に追跡を行っていたフルーネの視線が向く先に有るのは、フグ、フグ、フグ。傾斜し下り坂になった通路の先、広がる部屋にひしめくのは、グリモア猟兵の少年が言及し、一匹はたまたまの遭遇戦でしとめたフグを模した自律駆動型魔導蒸気ロボであった。もし透明なモノも見ることが出来たなら、そのフグがひしめく場所を何とか通り抜けたゼリー生物の姿も知覚することが出来ただろう。
「己の逃げ道に一番多く配下を配置するかもとは予測しましたけれど、これは……道理であれから見かけなかった筈ですわ」
 仲間を破壊されたら寄ってくるかもと見かければ他のフグも破壊しそのフグがやって来た方向を辿るつもりだったベアトリーチェは若干呆れながらフグの団体を眺めやる。
「ともあれ、あちらが正解の道のようですし、出来るだけ派手に暴れましようか」
 言うが早いか、自身の人形を向かわせ。
「ふふ、わたくしのダンテは闘う姿が最も美しいのですもの」
 ベアトリーチェが笑みをこぼす中、侵入者の接近に気づいたフグたちの一部も機械の駆動音を立てながら動き出し。こうして猟兵達はフグロボ達との戦闘へと突入することとなるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『メカふくちゃん』

POW   :    超振動ギアヒレカッター
【高速振動する鋼鉄のヒレ】が命中した対象を切断する。
SPD   :    ふくちゃんサーチライトビーム
【目】から【ビーム】を放ち、【突然の驚き】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    どくバリミサイル
レベル×5本の【毒】属性の【鋼鉄のトゲ】を放つ。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

セルマ・エンフィールド
……コメントしづらい姿です。ひとまず壊しておきましょう。
もう一働きしてもらいますよ、ペレグリーネ。

ペレグリーネを索敵モードから機銃による『援護射撃』モードへ。私の銃もあわせて後方から他の猟兵の援護に努めます。

どくばりミサイルは『視力』、『見切り』で最小の動きで避け、超振動ギアヒレカッターのために前衛を抜けて私の方へ向かってくる敵はデリンジャーの『クイックドロウ』で破壊します。
サーチライトビーム? あれは……とりあえず、サーチライトを出したら目を狙って銃撃しましょう。眩しいので。

姿はさておき、近距離遠距離ともにやっかいな攻撃を持つ敵です。油断せずにいきましょう。


フルーネ・フローライト
しかしまぁ…見た目以上に結構高性能だぞこれ。作った者の顔が見て見たいものだ。

とりあえず多勢にはこっちも多勢で応戦しましょうって事で距離をとりつつ確固撃破を狙います。
こういう多数相手の数減らしはなれてるからいかに時間を短く終わらせてけるかが鍵かな…最悪状況次第では味方に先に行かせた方がいいかも


ベアトリーチェ・アデレイド
やっぱり可愛らしいですわねぇ
わたくしのコレクションに加えたいところですが…
出来る女は公私混同しないもの!
涙をのんで全て壊しますわ!

ダンテを操り、自分の身を護りながら
グランギニョールを使用し、攻撃していく
「あぁ、薔薇の花弁と共に舞うわたくしのダンテ!!!
なんて美しい…」
どくばりミサイルを使用してきたら、ご一緒に闘う皆様を含めダンテで庇う
猟兵としては、まだまだ駆け出し
一人で突っ走らず、他の方のサポートをしながら戦いますわ


ピリカ・コルテット
ぴこーん♪動くメカふくちゃんが見れると聞いてっ!
訳あって設計図を見た事があるんですよう!
確か余り近付き過ぎず、毒針範囲の正面以外を攻めるのが正攻法だったはず!

まずは属性攻撃で、愛刀プリムに雷属性を付与します!
雷が弱点だった様な気がするんですっ!多分!

【妖剣開放】を発動して高速移動し、ヒレと毒針の範囲外から斬り伏せます!
可愛いけど、沢山いるから倒し放題ですねっ♪
距離がある場合は斬撃衝撃波を飛ばしてまとめ狩りを狙ったりも!

ここまで整えて、サーチビームに怯んだりはしません!
突然目が光ったら凄いインパクトでしょうが、絶対に驚いたりするものですかっ!
雷の剣を振るって暴れ回りますよー!びりびりずどーんっ☆


二條・心春
か、かわいい…けど、見た目に騙されてはいけませんね。かわいいですが敵ですからね、油断は禁物です。

敵の数が多くてうまく戦えるか不安ですが、私も一人ではありません。サモニング・ガイストを使って霊さんにも槍で戦ってもらいましょう。二人で囲まれないように動きながら、敵を一体ずつ倒していく感じでいきましょう。霊さん、援護をお願いね。ふぐでロボみたいですから、私は槍に雷属性を付与して攻撃しましょうか。敵の攻撃は衝撃波で相殺できないかな?

敵の数が多そうですから、余裕があれば攻撃されそうになった人を助けるとか、皆さんと助け合って戦えると良いかもですね。


カミリア・オリヴィオン
「あら、愛らしいオブビリオンですわね。でも、害をなすのでしたら、人工悪魔としてただ標的を葬るだけですわ」
『金糸雀』を操り、後方から攻撃をしますわ。
「金糸雀よ、奏でて下さいませ」
『フェイント』で相手を翻弄してから『毒使い』の『毒』で徐々に体を蝕んでもらいましょう。
それから、ユーベルコード『リザレクト・オブリビオン』を発動させて、わたくしは更に後方へ下がりましょう。
無防備になって、狙われやすくなるのは当たり前でしょうから。
「さようなら、人工悪魔に葬られてはきっと幸せではない事だけが虚しい事でしょう」
ただ、わたくしは戦うのですわ。



「やっぱり可愛らしいですわねぇ」
 一言で言うなら、反応は様々だった。
「か、かわいい……けど、見た目に騙されてはいけませんね。かわいいですが敵ですからね、油断は禁物です」
 ベアトリーチェはその容姿を好意的に捉えたようだが、心春は可愛いと二度も言う辺り見解はベアトリーチェよりではあるものの、警戒は忘れず。
「……コメントしづらい姿です。ひとまず壊しておきましょう。もう一働きしてもらいますよ、ペレグリーネ」
 暫くフグたちを見つめてそう結論づけたセルマは自身のドローンに声をかけると援護射撃へと移行させる。フグを模した自律駆動型魔導蒸気ロボたちも猟兵たちに気づいて動き始めているのだ。迎撃を考えてもおかしくはなく。
「しかしまぁ……見た目以上に結構高性能だぞこれ。作った者の顔が見て見たいものだ」
「ぴこーん♪動くメカふくちゃんが見れると聞いてっ!」
 ボソッともらしたフルーネの発言を待っていたかのようにピリカ・コルテット(Crazy*Sunshine・f04804)は現れた。
「訳あって設計図を見た事があるんですよう! 確か余り近付き過ぎず、毒針範囲の正面以外を攻めるのが正攻法だったはず!」
「なるほど」
 制作者ではないものの、一定以上の知識があるからこそのアドバイスは有用であるようにも思える。短く呟いて無口に戻ったフルーネが前方に視線を戻すと、ダンテを操りふぐロボに攻撃を仕掛けているベアトリーチェが居た。
「わたくしのコレクションに加えたいところですが……出来る女は公私混同しないもの! 涙をのんで全て壊しますわ! さぁさぁ! ご覧遊ばせ!」
 高速振動するヒレで斬りかかったフグロボたちは無数に舞う深紅の薔薇に撃墜され。
「あぁ、薔薇の花弁と共に舞うわたくしのダンテ!!! なんて美しい……」
 うっとりとベアトリーチェが戦う人形を眺めれば、薔薇の舞う範囲外から回り込もうとたフグが心春の喚び出した古代の戦士の霊が繰り出した槍に貫かれ、動きを止めた。
「やはり数が多いですが――」
 心春は一人ではない。召喚した霊が居て、フォローする仲間だって居るのだ。なら、心春を援護してくれる仲間が居ても不思議はない。
「霊さ」
 仲間の仇とばかりに古代の戦士の霊へ襲い来るフグロボを迎え撃ったのは、フルーネの喚んだ戦乙女を模したからくり人形の一体。
「さぁ人形劇の始まりだよ」
 次々に現れる人形は十七体にまで増え。
「突出するつもりは有りませんでしたけれど、流石にこの数だと回り込んでも来ますわね。ダンテ!!」
 多勢には多勢で抗するフルーネへ歩調を合わせるべく、ベアトリーチェが人形を伴い今度は援護に回る。
「霊さん、援護をお願いね。囲まれないように」
 呼び出した霊に声をかけながら心春はドラゴンランスに雷を帯びさせる。ロボ、つまり機械には雷属性が有効と見たのだろう。
「そうそう、それが有効だと思いますよう! 雷が弱点だった様な気がするんですっ! 多分!」
 その判断を肯定しつつ、ピリカ自身も愛刀プリムへと雷を帯びさせる。ついてきた多分の部分が微妙に不安ではあるが、設計図を見たことのある人物の言葉だ。若干おどろおどろしいのは妖刀の怨念を纏ったからだろう。
「いきます!」
 口にした直後、居た場所からピリカの姿が消えた。敵を見失い、周囲を見回し狼狽え始めたフグロボの一体が、身体の真ん中辺りから斜めにずれ、真っ二つになって崩れ落ちる。高速移動からの斬撃はフグに自身が斬られたことすら気づかせなかったらしい。
「可愛いけど、沢山いるから倒し放題ですねっ♪」
 流れるようにピリカはもう一体を切斬り伏せ。 
「こう数が多いと抜けてくる敵も居ますね」
 スカートの中から取りだした小型の銃の抜き撃ちで、損傷を負いつつも跳ね寄ってきた自律駆動型魔導蒸気ロボを破壊するとセルマは身を屈めた。直前まで頭のあった場所を通過し、横殴りの雨のようにどくバリミサイルが迷宮の壁を叩いた。
「姿はさておき、近距離遠距離ともにやっかいな攻撃を持っていますね」
 毒針を放って動きが止まったところをドローンの機銃に破壊されるフグロボを視界に入れながら呟くと、セルマの背後に気配が生じた。
「あら、愛らしいオブビリオンですわね。でも、害をなすのでしたら、人工悪魔としてただ標的を葬るだけですわ」
 金糸雀を模したからくり人形と共に現れたカミリア・オリヴィオン(人工の悪魔・f01650)は、己の人形へ向けて言う。
「金糸雀よ、奏でて下さいませ」
 フグロボたちからすれば、突然現れた敵の増援がフェイントを織り込みつつ攻撃してきたのだ。今まで相手にしていた猟兵達と戦うか、新手と戦うかで混乱が生じ、感情もない機械の筈が再びあたふたと右往左往する。当然の様にフェイントにも引っかかり、翻弄された自律駆動型魔導蒸気ロボたちの前に突然現れたのは、カミリアの召喚した死霊騎士と死霊蛇竜。
「さようなら、人工悪魔に葬られてはきっと幸せではない事だけが虚しい事でしょう」
 ぐしゃりと死霊蛇竜に顔面を粉砕されて機能を停止したフグにカミリアは別れを告げ。その視界の内で武器を振り上げた死霊騎士が飛び跳ねて逃げようとする別の個体を屠る。
「あれは……」
 毒針とヒレでは効果が薄いと認識したのかヒレの動きを止め、猟兵達を目で追う動きを見せたフグの個体を見つけ、その目を目掛けセルマが引き金を引く。
「ここまで整えて、サーチビームに怯んだりはしません! 突然目が光ったら凄いインパクトでしょうが、絶対に驚いたりするものですかっ!」
 その光るはずの目が銃撃で破壊された事にも気づかず、ピリカは眼部を破損したフグロボに雷の剣を振るう、
「びりびりずどーんっ☆」
 口にした擬音そのままの一撃を叩き込まれた自律駆動型魔導蒸気ロボが火花と部品を散らしながら放物線を描き迷宮の床に激突、大破する。
「ふぅ」
 からくり人形の戦乙女たちが眼前の敵をあらかた片付けたことを確認してフルーネは一息ついた。当人曰く、こういう多数相手の数減らしはなれてるとのことだが、味方もそれなりに人数が居たこと、追加で駆けつけてくれた猟兵が居たことも幸いしたのだろう。フグロボたちの殆どが戦闘もしくは活動不能に追い込まれており。
「そこに敵が居るというなら、ただ戦うだけですわ」
「そう」
 敵の全滅はもはや時間の問題だろう。自律駆動型魔導蒸気ロボたちに猟兵達の行く手を塞ぐことはもはや能わず、掃討する者を残して猟兵達は先へと進むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『騎士の怨鎧』

POW   :    戦鎧の妙技
【縦横無尽の剣閃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    闘鎧の秘技
【自身に刻まれた戦闘経験から的確に】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    魔鎧の禁忌
【魔核の稼働制限を解除。超過駆動状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠茲乃摘・七曜です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●手負いの災魔は
 それは両手剣を杖代わりにゆっくりと立ち上がった。ギシギシと嫌な音を立てた右足から、鎧の欠片がこぼれる。兜の角は片方が折れ、鎧にはヒビが入ったままではあったが、座していられぬ理由があったのだ。侵入者の接近である。修復も充分でなく、手足となるべき災魔も殆ど居ない。かといって逃げおおせることも不可能と判断したのであろう鎧の災魔は、武器を構え兜の内から発す赤い光を前方へと向け佇む。戦いが、始まろうとしていた。
アウグスタ・ヴァイマール
手負いとはいえ、学園を脅かす災魔を見過ごす道理はありませんわね

相手は単独、鎧のヒビも付け入る隙にはなりそうですわね
とはいえ接近されては危険ですわ
なら…
「フィリップ、ベルンハルト。出番ですわよ」
青と緑の光る人工精霊の魔力補助を受け、紡ぐ魔法は氷点下の自然現象
キラキラと輝くダイヤモンドダストを敵の周囲に顕現しますわ
そしてそこから氷柱を絶え間なく撃ち出し敵に浴びせかけましょう

射線にさえ注意していれば、氷柱の狙いは正確でなくとも構いませんわ
大事なのは高速移動する氷柱に敵を引き付け
超稼動状態の過負荷で敵の自爆を誘発する事

まあ、このまま氷像にするというのも悪くないですわね



「手負いとはいえ、学園を脅かす災魔を見過ごす道理はありませんわね」
 此方の接近に気づいた様子の災魔を前に足を止めたアウグスタ・ヴァイマール(魔法学園のエリートお嬢様・f02614)は周辺に小者の災魔居ないことを確認すると災魔の身体に入ったヒビに目を留める。
「あれも付け入る隙にはなりそうですけれど――」
 とは言え接近を許せば危険にも思え、アウグスタの出した結論は、人工精霊達の力を借りることだった。
「フィリップ、ベルンハルト。出番ですわよ」
 呼びかけに応え、アクアオーラとプラシオライトを核とした人工精霊達がアウグスタを魔力面で助け、青と緑の光が織りなすコントラストの中、紡ぐ魔法は完成に至る。
「エレメンタル・ファンタジア」
 それがユーベルコードの名であり、迷宮の気温は一気に下がったようであった。キラキラと輝くダイヤモンドダストの舞う中、宙へ徐々に生成され始めた氷柱は、唐突に放たれた。精密に狙って撃ち出されたわけではない。ただ、ひたすら絶え間なく放てればそれで良いとでも言わんがばかりに氷柱の豪雨が傷ついた災魔へ殺到する。
「どうかしら、気に入っていただけて?」
 アウグスタの問いかけに鎧の災魔からの答えはない。喋る気がないのか、喋れないのか。ただ、その攻撃を予測していたかのように回避行動に移り、床を蹴った足から鎧の欠片がこぼれ落ちた。
(「やはり、動くだけでも損傷を負うようですわね」)
 元々アウグスタに全ての氷柱を命中させるつもりはなかった。ただ狙ったのは、氷柱に敵を引き付けることと過負荷で敵の自爆を誘発する事だ。回避行動だけでダメージとなるならそれはまさに狙い通りだった。
「まあ、このまま氷像にするというのも悪くないですわね。ですけど……」
 次の瞬間、縦横無尽の剣閃が氷柱とダイヤモンドダストを斬り払う。
「手負いであろうとフロアボスはフロアボスと言うことかしら?」
 こぼれ落ちる欠片を気にも留めず、鎧の災魔は振るった両手剣を再び構えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

イヴ・ハルゼンヌ
☆魔法学園のモンスター退治か!?ドキドキするな。

今回は、趣向を変えて。
白兵戦で勝負するぜ。

相手は手負いとはいえ
騎士だからな…

近付くに相手の死角を狙い。
【ダッシュ】【スライディング】で間合いを詰め。

恥ずかしいけど衣服を一部脱ぎながら身軽さを利用し。
UIのシーブス・ギャンビット
で隠密武器の2回攻撃をするぜ。

攻め終わったら
「逃げるが勝ち!こんな姿見せれるか」と離脱するぞ。


マリア・ハルゼンヌ
アルダワ学園…初めて来るところですね。

⚫敵の災魔鎧は
能力的にかなりの使い手…それだけ隙もない。

私の出来る事は
攻撃の初手はメイスでの打撃攻撃で敵の体勢を崩し追撃をイヴに渡します。

その後は後方に下がり。
傷付いた仲間の応急措置や
UIの精霊の賛歌で回復の
支援をさせて頂きます。

「流石、元騎士様…全く隙がありません。皆様慎重にいきましょう」


有馬・ナオ
ボス戦です。
鎧の騎士様
カッコいいでしゅね。

けど、倒さないと依頼は達成出来ないっす。

桜さん、頑張って
皆を守りましゅよ。

⬛戦闘は、UIを使用する前に。アームドフォードの一斉射撃で弾幕を張りますの。

手数の多さで攻めながら。
敵の妙技を使われる前に懐に飛び込みUIのアルティメットボディで防御を堅めましゅ。


華上・ユーディ
さぁ、皆頑張ろう!

鎧騎士との一騎討ち…ロマンね。この勝負是非とも頂く!

敵さんは妙技で
全体攻撃を仕掛けてくるから。

【野生の勘】【残像】で
回避を行い。

一気に距離を詰めます。

鎧騎士に相対したら
「どこぞの武人かは分かりませぬがいざ勝負!」

UIの爆砕拳を発動し
【鎧砕き】【2回攻撃】の
スキルで一気に大ダメージを狙いまする☆ミ

相手が相手だけに
相討ち覚悟で望みまする。



「アルダワ学園……初めて来るところですね」
 ポツリと漏らしたマリア・ハルゼンヌ(エルフのクレリック・f06545)の呟きにイヴ・ハルゼンヌ(エルフのアーチャー・f06540)が反応したのは、転送直後のこと。
「魔法学園のモンスター退治か!? ドキドキするな」
 と豊かな胸を期待に膨らませて言及したモンスター退治はすぐさま始まったのだ。視界の内には、二人も敵として認識したであろう鎧の災魔が武器を構えたまま立っており。
「能力的にかなりの使い手……それだけ隙もない」
「ボス戦です。鎧の騎士様、カッコいいでしゅね」
 対峙する中で隙を探そうとしていたのであろうマリアの言葉に敵の容姿への賞賛を口にしたのは、有馬・ナオ(チョコファイター・f10768)。少女のつけたリボンを本体とするヒーローマスクである。もちろん、そのナオも理解していた、その騎士鎧が倒さないといけない相手であることは。
「鎧騎士との一騎討ち……ロマンね。この勝負是非とも頂く!」
 さぁ、皆頑張ろうと自分と仲間にエールを送った華上・ユーディ(冥土贈り・f02310)は拳を握ると身構える。災魔は猟兵達を侵入者、そして敵として認識していたのだから。
「桜さん、頑張って皆を守りましゅよ」
「どこぞの武人かは分かりませぬがいざ勝負」
 猟兵達が動けば、もまた動いた。ナオが宿主の少女に呼び掛け、ユーディが鎧の災魔へ挑みかかった直後、無言でオブビリオンは剣閃を放った。呼応するようにナオのロングバーストライフルが火を噴き、一斉射撃が弾幕を作り出す。
「もっちィッ」
 頼りにしたのは野生の勘。ユーディの残像が弾幕に相殺されてなお残った剣閃に断ち斬られ、かわりに災魔の懐に飛び込んだユーディが叩きつけるのは左拳。
「この一撃も重いですよ!?」
 間髪入れず叩き込まれる右の拳。相打ちさえ覚悟して放った超高速の連撃の二つ目へ鎧の災魔は両手剣の刀身を差し込んで盾とし、一撃目の衝撃で崩れた体勢で衝撃に抗いきれず吹っ飛ぶ。
「攻撃は予測できても絶対に防ぎ切れるって訳じゃないってことか」
「ただし、攻撃に反応はされています」
「相手は手負いとはいえ騎士だからな……」
 鎧の欠片をばら撒き床に叩きつけられながらもすぐさま身を起こすオブビリオンを視界に入れ、言葉を交わし合うイヴとマリア。先に動いたのは、マリアの方だ。メイスを振りかぶり、吹っ飛ぶ鎧の災魔を追いかけるように距離を詰めていたマリアは身を起こす災魔へ手にした武器で殴り掛かる。
「っ」
 体勢を崩すのが狙いのその一撃も災魔は予測し、敢て床を転がって避けた。ただ、転がって避けたということは体勢は崩れたままの様なモノであり。
「貰ったぜ!」
 再び立ち上がることより横たわったまま両手剣を振るうことを選んだオブビリオンの一撃をイヴは助走をつけて滑り込むことでかいくぐる。刃はむなしく空を切り、イヴの脱ぎ捨てた衣服が宙を舞う。けん制の斬撃から身をかわすため身に着けていたモノさえ脱ぎ捨てたのだ。羞恥心を代償にイヴのダガーが胸甲を切り裂き、隠密武器のブラックジャックが両手剣を持った手甲をしたたかに打ち据える。鎧の災魔も二人がかりの連携は防ぎえなかったらしい。
「逃げるが勝ち! こんな姿見せれるか」
 もっとも、服を脱ぎ捨てた姿で居ることを良しとせずイヴは即座に戦線を離脱するのだったが。
「何とか痛手は負わせましたが、流石、元騎士様の鎧……皆様慎重にいきましょう」
 呼び掛けるマリアの目の前で、オブビリオンは立ち上がる。再びとった構えに隙はない。先の攻撃が通用したのは連携した上、何かを犠牲にしたからでもある。
「でしゅが、何とかしないといけまちぇん!」
 先の剣閃が放たれたおり、飛び込みつつも全身を超防御型に変えたことで無傷だったナオたちの前には鎧のあちこちを欠けさせながらも動き続けるオブビリオンが居るのだから。
「なら、もうちょっと削っておくもっちぃ」
 一人離脱してもまだ三人。もう一当てぐらいは可能だ。
「そうでちゅね、隙がなくても……手数で」
 災魔との距離の近さから先にナオ、いや宿主の桜が仕掛けた。ハート形のかわいらしい盾で殴り掛かり。
「ここ、もっちぃ!」
 即座に反応してみせたオブビリオンが体を傾け殴打を回避したところで今度はユーディが襲い掛かる。
「全ての者に加護を……」
 響き渡るマリアの歌声は、相打ちすら覚悟したユーディが傷を負ったとき癒すためのもの。
「手ごたえ、あり」
 声は何かが砕けた音に続いた。見れば鎧の災魔の肩当てが片方砕け散り、損傷を受けた側の腕が力なくぶら下がる。かなりの痛手を与えたことは疑いようがなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フルーネ・フローライト
まぁ奴さんも満身創痍、そろそろ引導を渡すとしよう。

『これで幕引きだよ』
戦闘面では主にからくり人形による数の暴力と動きの緩慢差を付けたフェイントで相手の予測を阻害しつつ立ちまわります。

相手が最後の手段に出た場合はこちらもベルセルクトリガーで応戦します



「まぁ奴さんも満身創痍、そろそろ引導を渡すとしよう」
 それでも動きを止めないオブビリオンへを前にフルーネはちらりと自分の従えたからくり人形に視線をやり。
「これで幕引きだよ」
 視線を戻し、宣告した時にはもうからくり人形達が動き出していた。鎧の災魔もこれを予測し、身体を傾け回避行動をとろうとする。いや、最初の人形が繰り出した一撃は回避した。ただ、フルーネの召喚した戦乙女を模したからくり人形は十七体に及ぶ。
 数の有利を活かしたうえで緩急差をつけたフェイントを織り込んで来た場合、既に片腕が動かないオブビリオンに防ぎきることもかわしきることも不可能であった。それどころか、避けようともしくは受け止めようと身体を動かすだけで鎧の損傷個所から金属片が零れ落ちたりするのだ。迅速に猟兵たちが追跡を成功させた結果であり、追い付いたところで幾人かの猟兵が何かを犠牲にする覚悟で挑んだ結果、鎧の災魔は絶体絶命の危機に陥った。
 からくり人形によって破損した鎧のパーツが一つ、また一つと欠落してゆく。それでも尚、可能な限りの動きで損傷を避け、薙ぎ払う様な両手剣の一撃で人形を数体纏めて弾き飛ばし、突如災魔の動きが変化する。
「まぁ、そうなるか」
 無口ながらも表情を言語化するとそんなところだろうか。けん制と思しき一撃の重さがまし、自分の身体から零れた鎧の欠片すら両断しだしたことで最後の手段に出たのだとフルーネは察した。
「じゃあ」
 そこから先は、壊し合いだった。床に溝と言って過言でない規模の傷が生じ、砕けた天井の欠片が両断されてから床にはねて乾いた音を立てる。ただ、大きな損傷を負ってから無理に動いた代償は大きく。稼働に耐え切れず片腕が千切れとんだまま振るっていた両手剣が半ばから折れ飛び、たたらを踏もうとした鎧の足首部分が自重を支え切れず圧潰し。
 倒れこむオブビリオンへとトドメは容赦なく振るわれた。鎧の残骸でしかなくなった災魔はもう動くこともなく。フロアボス騎士の怨鎧はこうして性能を十全に活かすこともできず滅んだのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月13日


挿絵イラスト