5
例えば無限にスイカ割りができるとしてだね?

#キマイラフューチャー #戦後

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー
🔒
#戦後


0




●グリモアベースにて
「問おう。スイカを割りたいか?」
 猟兵たちが通りかかったら、グリモア猟兵であるところプルート・アイスマインドが木刀をぶんぶん振り回していた。
 近寄りがたい雰囲気だった。
 猟兵の無言の視線からその思いを感じ取ったプルートが、そっと木刀を置く。
「……いや、すまん。キマイラフューチャーでスイカ割り大会が開かれるらしいので、それに参加してみるかという誘いだったのだ……」
 みるみる縮こまってゆくプルートが言うには、キマフュ―のとあるビーチ風リゾートにて誰かが適当にコンコンコンしたら、大量のスイカがポップしたらしい。
 温泉の源泉でも掘り当てたかのように、ドバドバと。
 普通であればそのまま食べてしまうところだろう。
 しかしそこは愉快なキマフュ―住人たちである。
 せっかくなのでスイカ割り大会をやろう、と満場一致で決定したらしい。
「青い海、白い砂浜……そして足の踏み場もないスイカ。どうだ、心が躍るだろう?」
 躍るだろうか。
 前半のふたつはともかく後半に躍る心があるだろうか。
「優勝者にはスイカ一年分が贈られるらしいぞ」
 いやそれ余ったスイカ押し付けられてるだけじゃねえか!
 生モノを大量に贈るんじゃねえよ!
「ちなみにルールは至極単純。より多くのスイカを割った者が勝者だ」
 参加する流れで説明されている!?
 問答無用で現地に派遣される形になってるの!?
「というわけでサマーリゾートにハイ転移!」
 プルートのグリモアが真夏の太陽のようにギラギラと輝きだす!
 ちょま、とか言う暇もなく、猟兵たちは一瞬でキマフューに送られたのだった。

●スイカが終わらないよぉ
 蒼い空。
 碧い海。
 白い砂浜は際限なくひろがっている。
 ただし砂は、夜店の水ヨーヨーばりにひしめくスイカで見えやしなかった。
「スイカだー!」
「スイカ割りだー!」
「割るぜ! とにかく割るぜ! 目の前にスイカがあるならば、割ってしまうようにキマイラはできているんだー!!」
 水着姿で木刀を装備しているというアバンギャルドをキメているのは、言うまでもなく現地のキマイラたちである。手あたり次第にスイカを割った彼らは赤い汁でベトベトになっているが、それでも木刀を振り下ろす手を止めない。
 だって楽しいから!
「よおし、俺も割ってやるぜ!」
「おっ、きみも参加するんだな。それじゃあぐるぐる回ってくれ! 十回な!」
 今もまた新たなチャレンジャーがエントリーを申し入れ、審判員から指示を受ける。
 スイカを割るための道具は自由。素手でもいい。
 ただし割りはじめる前に審判員の前で十回ぐーるぐるすること。
 それが本スイカ割り大会におけるただひとつの鉄の掟である!
「さあ、まだまだ参加は受付中だぞ! 挑戦者求むーー!!」
 がらんがらんとハンドベルを鳴らした審判員が、砂浜を見渡して声をあげた。
 賑やかに楽しんでいるなあ。
 と、転移してきた猟兵たちは思いました。


星垣えん
 カタストロフを回避できたしスイカ割りしようぜ!
 という感じでスイカ割り大会inキマフュ―ですよ!
 シナリオの流れは以下!

 1章:スイカ割り大会。
 禁止事項などありません。スイカを多く割った者が正義です。
 各人が何個割れたかはプレイングからなんとなーく判定します。
 優勝者にはなんと! 一年分のスイカが贈呈されるぞヤッタネ!

 2章:乱入してきたプレシャスな怪人たちとの集団戦です。
 特に何の脈絡もなく、ボスオブリビオンに派遣された怪人たちがやってきます。
 とりあえず倒しましょう。

 3章:姿を現したOP絵のアルパカとのボス戦です。
 個人的な理由でスイカ割り大会を中止にしたいボス怪人が波に乗って現れます。
 現れちゃったら仕方ないので倒しましょう。

 まあとにかくスイカを割るんだ!
 ちなみにスイカは無限にポップするので、数が尽きるとかの心配は無用です。
 それでは、皆様からのプレイングお待ちしております!
95




第1章 日常 『コンコン西瓜割り大会!』

POW   :    目を回しても気合で叩き割る

SPD   :    目が回る前に素早く叩き割る

WIZ   :    目が回るのが落ち着いてから叩き割る

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎

■行動
成程、大量の西瓜ですかぁ。
楽しみですねぇ。

『FRS』『FSS』の弾頭を『オプション兵装』で『ゴム弾』に換装しておきますぅ。
両手にも『ゴム銃』を御用意して、参加させていただきますねぇ。

開始しましたら、最初にくるくる回った後、少し歩いて【指定UC】を使用、[一斉発射]による[範囲攻撃]で一気に狙いますぅ。
多少目が回っていても、周囲を纏めて撃払ってしまえば、何とか?

ところで、割れた西瓜はいただいて宜しいのでしょうかぁ?
その場合、[大食い]でいただくとした上で、『氷』を御用意して『スムージー』等如何でしょう?
冷凍すれば比較的保ちますし、宜しければお作りしますぅ。



「成程、大量の西瓜ですかぁ」
「お姉さん参加? ならハイ、十回ぐるぐる!」
「わかりましたぁ」
 駆け寄ってきた審判員に敬礼し、夢ヶ枝・るこるはくるくる十回転。
 OKサインを貰うと、ふらつきながらスイカの多いほうへと歩いてゆく。
「スイカ割りを始めますねぇ」
 間延びした声で宣言したるこるが武装を展開する。8台の浮遊砲台に、砲門付きのビームシールド、両手に持った2挺の小銃が全方位に向けられる。
 高火力すぎる。
「まとめて撃ってしまえば何とかなるはずですぅ」
 一斉砲火。
 海辺を埋め尽くすスイカを銃弾が蹂躙した。
 さすがに実弾ではなくゴム弾だが、しかしスイカを割れる弾速ではあるわけで、当たれば悶絶モノである。
「いたたたっ!?」
「ちょっ、危ない! ほんとガチで!」
 周りでスイカ割りに勤しんでいたキマイラたちは阿鼻叫喚であった。
 ゴム弾の雨が顔面を撃ち、腹を撃ち、逃げようと背を向けたら尻を撃つのだ。
 文句が出ないわけがなかった。
「やめろォ! 無差別に撃つんじゃねえよォ!」
「止めてー! 射撃止めてー!」
「わかりましたぁ」
 キマイラたちの哀願を受けたるこるが、火を噴きつづける銃口砲口を収める。
 しかしどうにも彼らからの視線が痛い。恨めしそうにこちらを見てくる。
 一考したるこるは、足元に散らばる割れたスイカを集めた。
「スムージー等、如何でしょう?」
「「「わーーい!!」」」
 氷を掲げてにっこりしたるこるに、キマイラたちの歓喜の声が集まった。

 記録――285個!

大成功 🔵​🔵​🔵​

神羅・アマミ
ほほー、スイカ割りとはまた風流な!
妾も故郷では家族と共に興じたものよ!
こんなにエクストリームでハードコアな行事ではなかった気もするが…

しかし郷に入っては郷に従えという言葉もある。
なれば四股立ちにてつかまつろう!

目隠しからのバット大回転十回さえすれば後は何やってもええんじゃろ?
ならばコード『特機』によるソードビットで一網打尽じゃよ!
ただ、問題点は妾、これ元々何がどういう仕組みで動いてるのか自分でもわかっとらん上に、最近は数が増えてきて制御がマジあやふやなんじゃよな!
事前に人払いはしておいた方がいいかもしれん。
何せ別のスイカらしきものを破砕してしまいスイカっぽい汁を浴びたら大惨事じゃからな!



「スイカ割りか! 妾も故郷では家族と共に興じたものよ!」
 一面にひろがるスイカパノラマを前に、神羅・アマミは天に届かんばかりに笑う。
「こんなにエクストリームでハードコアな行事ではなかった気もするが……ま、郷に入っては郷に従えじゃな!」
 口角を吊り上げるアマミが、審判員を見つけて声を飛ばした。
「これ審判よ! 妾が回ってやるぞ!」
「あ、はいはい」
「それと周りの者も離れておくがよい! 死ぬかもしれんから!」
「死ぬかも!!?」
「スイカ割りで死者が!?」
「いや向こうでは銃がぶっ放されたらしい。ありえるぞ!」
『ひぃぃーー!?』
 恐怖したキマイラたちが逃走し、アマミの周辺が面白いように空洞化する。
 それを見て、十回転したアマミは心置きなくユーベルコードを発動。53機にも及ぶ苦無のような飛び道具――ソードビットが中空に舞った。
「とくと見るがよい! 妾の華麗なる剣舞をな!」
 アマミの一声を合図として、ソードビットがスイカを次々に切り裂いてゆく。
「すげー! すげーよロリっ娘!」
「まー妾にかかればこの通りじゃ!」
 キマイラの歓声に気をよくしたアマミが、後ろに倒れんばかりに胸を張る。
「ただ妾、これが動いてる仕組みもわかっとらんし、最近は数が増えてきて制御がマジあやふやなんじゃよな!」
「え……」
「おまえ今何て……」
「お、おいやべえぞ! こっちに――」
 ふはははとうるさいアマミの笑いをBGMに、キマイラたちの悲鳴が響いた。
 誰も頭をかち割られたりしなかったのが、幸いでした。

 記録――268個!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
SPDで判定

「ようし!優勝目指して頑張るぞー!」
スク水に着替えてさっそくスイカ割りにチャレンジだよ♪

ぐるぐると回った後、ふらふらした状態で背中の翅で羽ばたいて木の棒を構えてスイカに突撃だよ!
ちょうどいい感じの場所を突くことでスイカも奇麗に真っ二つに割れるよ!
そのまま勢いに任せて連続でどんどんスイカに突撃&真っ二つ!このまま優勝まで一直線だよ♪

けど、連続で割ってて勢いが落ちたせいか大玉のスイカを奇麗に割れずに顔面からスイカの中に飛び込んじゃった!!?
(ティエルちゃんが飛び込んだスイカは妖精味のスイカとしてスタッフがおいしく頂きました))



「ようし! 優勝目指して頑張るぞー!」
 スク水姿をひらりと中空に翻らせて、ティエル・ティエリエル(20cm弱)は木の棒(10cm)を掲げた。
 で、そのまま近くの審判員の頭に着地する。
「審判さん! ここで回ればいい?」
「人の頭の上で回るなんてクールだね☆ いいよ!」
「ありがとー!」
 ノリの良いキマイラの頭でくるくると回るティエル。
 周りのキマイラたちが撮影してアップしたのは言うまでもない。
「いっくぞー!」
 十回転を終えたティエルがスイカの海へ飛び立つ。
 しかし、その軌道は飲みすぎて終電をなくしたサラリーマンのようにブレブレだった。
「め、目が回る~……! で、でもこれぐらい!」
 背中の翅を力強く羽ばたかせ、ティエルが勇躍。
 使い慣れたレイピアのごとく木の棒でスイカを突き、パカッと真っ二つに割ってみせた。
「やるな! ちっちゃいお嬢ちゃん!」
「秘孔的なところを突いたんだな!」
「このまま優勝まで一直線だー♪」
 キマイラたちの称賛、解説的な何かを背に、スピードアップするティエル。
 右へ左へ。ひらひらと舞う軌道に沿って続々とスイカがパカパカする。
 だが、勢いというものは長く続かない。
「大物だってボクの手にかかれば……あぁーっ」
『お、お嬢ちゃーーーん!!!?』
 大玉のスイカに挑んだティエルが、スイカを割り損ねて内部に突っこんだ。驚愕したキマイラたちが「えらいこっちゃ」とばかりに殺到する。
 なおレスキューを終えたあと、妖精味となったスイカは皆で賑やかに食べておきました。

 記録――66個!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノイ・グランガイオス
連携・アドリブ歓迎 ※大阪弁 三度の飯よりスイカ大好き

いちねんぶんのスイカ、やて……!? え、マヂで? ええの?
どうやらウチの本気を見せる時が来たようやね……!

とりあえず規定通りぐーるぐーる10回回ってー
「いきなりグラン・アイィィー!!」

本当なら『キラッ☆』て感じのウィンク式速射ビーム弾を猛烈な勢いで乱射して、当たるを幸い薙ぎ払う!
「キラキラキラキラキラキラァ!」
楽しく? パフォーマンス? そんなん、目的のためには無・力!
今のウチさしずめ人間原子力発電所や! ウォーマシンやけどな!



 右を見てもスイカ。
 左を見てもスイカ。
 上を見れば青空。
 しかし下を見ればやはりスイカ。
 はるばるキマフュ―のスイカ割り大会にやってきたノイ・グランガイオスは、ひとまず目を閉じて少考した。
 で。
「どうやらウチの本気を見せる時が来たようやね……!」
 くわっ、と開眼するウォーマシン。
 説明しよう!
 ノイさんは三度の飯よりスイカが大好きなのである!
「いちねんぶんのスイカは、このノイちゃんのモンや! カモン審判!」
 審判員を呼びつけたノイが、2m半の巨体でぐーるぐーると回る。
 そして規定回数を回るや否や、ウォーマシンは大きく脚をひろげて大樹のごとく立った。
「いきなりグラン・アイィィー!!」
 キラッ☆
 ――と星の代わりに目からぶっ放したビーム弾が、スイカの山を吹き飛ばした。
 というか砂浜ごと薙ぎ払った。
「うわぁーーっ!?」
「な、何だ!? いったい何が起きたんだ!?」
 ついでに参加者のキマイラたちも薙ぎ払っていた。
「キラキラキラキラキラキラァ!」
『ギャアアアアアーーー!!?』
 昂る食欲のままに、お目目をぱちくりさせてビームを乱射するノイ。
 そのテンションに比例するように、宙を舞うキマイラの数が増える。
「や、やめてー!?」
「大会が! お祭りが無茶苦茶にー!」
「祭り? 楽しく? 知らんなァ! 今のウチは人間原子力発電所やー!」
 悪魔のような高笑いとともに、キマイラたちの断末魔が響き渡る。
 あ、でもいちおう死人は出なかったようです。

 記録――380個!

大成功 🔵​🔵​🔵​

月・影勝
経緯はようわからぬが、すんごい数のスイカじゃのう
それじゃあ…これは利用せぬては無いな!鰐鮫殿らよカモン!
…あっそんな怖い顔せんでもええじゃない?今日は別に戦うためにぬしらを呼んだわけではないしー
この砂浜で今日はスイカ割り放題、食べ放題だそうじゃ!皆で楽しくはしゃごうぞ!
…と、息抜きを入れんと本当に殺されかねんからな
戦争じゃあコキ使ったからのう…

勿論儂もスイカ割りを愉しませて貰おうぞ!
このウサギ脚力の跳躍を生かした!大ジャンプからの!櫂を用いた真っ向唐竹割りっ!
目隠ししておってもな、見よこの見事に割れた…割れ…
……ふ、あまりの斬れ味故…スイカの斬り口が癒着してしまったようじゃな…(汗を拭う)



 足の踏み場もないほど、スイカが大量に敷かれている。
 くるくると十回転を終えた月・影勝は、ひゅう、と口笛を吹いた。
「すんごい数のスイカじゃのう。これは利用せぬ手は無いな!」
 カモン、と唱えた影勝が指を鳴らす。
 すると遠く海のほうから――鰐鮫の群れが押し寄せてきた!
 が、揃って上陸した鰐鮫たちは無言で影勝を睨んだ。
「……あっ。そんな怖い顔せんでもええじゃない? 今日は別に戦うためにぬしらを呼んだわけではないしー」
『……』
 直近の戦争でこき使われた鮫たちは、目が据わるほど機嫌が悪かった。
 しかしそれは影勝とて把握している。
「今日はスイカ割り放題、食べ放題だそうじゃ! 皆で楽しくはしゃごうぞ!」
『!!!』
 食べ放題、と聞かされた瞬間、鰐鮫たちが棹立ちになって踊りまわった。
 そしてそのまま分散してスイカを食い荒らすさまを見て、ひとまず自分が食われることはなさそうだと影勝が胸をなでおろす。
 で、おもむろに櫂を取り出した。
「さて、では儂も!」
 とうっ、と地面を蹴った影勝の体がはるか上へと跳躍する。
「せぇい!」
 降下する力も加え、影勝が長剣のように立派な櫂を叩き下ろした。
 豪快な唐竹割りに、白砂が立ち昇る。
「ふふ、どうじゃ。見よこの見事に割れた――」
 自信満々に独り言ちた影勝の足元で、砂煙が晴れる。
 そこには、丸まるとしたスイカが傷ひとつなく鎮座していた。
 ゆっくりと天を仰いだ影勝が、額の汗を拭う。
「……ふ、あまりの斬れ味ゆえ……スイカの斬り口が癒着してしまったようじゃな……」

 記録――151個!

大成功 🔵​🔵​🔵​

蒼汁権現・ごずなり様
にょんわー!まつゾナまつゾナまつゾナ!これ髪飾り!スイカデザインの髪飾りゾナー!
い、いかん、こやつら既にスイカの形したモノ絶対に割るマンになっておるゾヨw我の頭がチョーピンチwwウケルーwww
だが、我には眷族がおる、かもん、小玉山田ビット☆
……ほっ?髪飾り外す暇もなく一瞬で壊滅トナ?あ、まってまって、いくら神が不老不死とはいえ頭かち割られたら痛いゾナ!
ノー!割られてたーまーるーかー!(全力逃走、だが、スタミナが足りない!)


*かち割られた頭から飛びちった体液=蒼汁(アジュール)は一滴でも触れれば悶絶しのたうち回る程に凄まじい宇宙的狂気な味を魂に刻みます。気絶や発狂や自死での逃走は許さない(呪詛)



 盛況を極める、無限スイカ割り大会。
 しかしその中にあって、蒼汁権現・ごずなり様は砂浜をダッシュしていた。
「にょんわー! まつゾナまつゾナまつゾナ! これ髪飾り! スイカデザインの髪飾りゾナー!」
「スイカだー! スイカが逃げるぞー!」
 ごずなり様を血走った眼で追いかけるのは、木刀を振りかぶったキマイラたちである。
 なぜそんなことになっとるかと言うと、彼女のシニヨンヘアにスイカ柄のカバーが装着されていたからである。
 ……いやこれ理由になってなくね?
「い、いかん、こやつら既にスイカの形したモノ絶対に割るマンになっておるゾヨw我の頭がチョーピンチwwウケルーwww」
 全力逃走しながらキマイラたちを見て笑うごずなり様。
 おかげでスタミナが5減った。
「笑ってる場合じゃないゾナ! かもん、小玉山田ビット☆」
 振り返ったごずなり様が、夥しい数のスイカの霊を召喚する。山田としか読めない模様のスイカは迫りくるキマイラたちの迎撃に飛んだ。
 でも2秒ぐらいで漏れなく叩き割られた。
「……ほっ? 髪飾り外す暇もなく一瞬で壊滅トナ?」
「これしきで俺たちは止まらないぞ!」
「その頭のスイカを割らせろー!」
「あ、まってまって、いくら神が不老不死とはいえ頭かち割られたら痛いゾナ! 割られてたーまーるーかー!」
 追跡者から逃走すべく全力ダッシュを再開するごずなり様。
 しかしスタミナが尽きた10秒後ぐらいにはもう捕まってた。

 記録――0個!!!

 なお、ごずなり様が頭からぶちまけた体液はなんかヤベェ成分だったため、うつ伏せで死んでる彼女の周りには運営により封鎖線が張られました。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『マニーギャザラーズ』

POW   :    金庫怪人・ウェポン
【金庫兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    おサイフ怪人・ジェノサイド
【おサイフ攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    ジュエリー怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ジュエリー】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「さぁー! 現在の最高記録は380個だー! これは抜けないかー!?」
 大会の経過報告を叫んだ進行役が、挑戦的に参加者たちを煽る。
 無限スイカ割り大会。
 その盛り上がりは最高潮に達しようとしていた。

 だがそんなとき事件は起こった。
 どこからともなく現れた怪人たちが、キマイラたちを相手に暴れ出したのだ!
「スイカ割り大会などするんじゃない! NO! 夏ボケ!」
「ああ。個人的にはやってもいいと思うが上司の命令なので邪魔をさせてもらうぜ!」
「あわよくば美味しいスイカも持ち帰らせてもらおう!」
 楽しく遊ぶキマイラたちを乱暴に押しのける大勢の怪人軍団。
 がま口財布、金庫、そして宝石を被ったそのビジュアルはどう見ても弱そうだった。
 しかしそんなナリでもさすがにキマイラよりは強いわけで――。
「そんな横暴許せるかー!」
「帰れー! かーえーれー!」
『帰れるものなら帰りたいパンチ!』
『上司にこき使われるのしんどいキック!』
「ぐああーー!?」
 文句をぶつけたキマイラが、怪人たちのつらい本音がこもった攻撃で吹っ飛ばされた。
 これは看過しておけない! 出動だ猟兵よ!
 少し同情の余地がないわけでもないが、スイカ割り大会は守らねばならない!
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
理由はどうあれ、この様なことをされるのでしたら、御仕置が必要ですねぇ。
それでは、怪人の皆さんには西瓜の代わりになっていただきましょう。

『FRS』『FSS』の弾頭を通常のものに戻し、キマイラさん達の方へ向かわない様『射撃』で牽制しますねぇ。
或る程度の範囲に集まりましたら、[範囲攻撃][2回攻撃]を使用した【指定UC】で、纏めて『刀』で斬らせていただきますぅ。
固い『金庫』でも、【指定UC】でしたら問題なく斬れますぅ。

何やら、少々可哀想なことを仰っておりましたが、後程上司の方がいらっしゃいましたら、その方にも皆さんの分まで御仕置をして差し上げますので、それで御寛恕下さいませ?


ノイ・グランガイオス
何や自分ら!
ウチは今この夏最後のスイカの収穫で忙しいねん! 暴れるなら他所でやりや!
……まさかあんたら、ウチのスイカ(断定)を横取りに来おったんちゃうやろなァ?(ギロリ)
財布と金庫が泥棒とか、シャレが効きすぎとちゃうか?
横入りでスイカを狙う不届き物にはウィンクなんか生温い。
ガツンと一発いわしたる。

手近な怪人に襲い掛かり、肉体言語(物理)でごあいさつ。
(財布や金庫ならツマミの所は持ち易そうかも)
さらにスイカを巻き込みつつなるべく怪人を相手に大暴れ。
「ダイヤモンドがなんぼのもんじゃい!
ウチのスイカ愛はロンズデーライト級やからな!」



「うおおお!」
「日頃のストレス、貴様らで晴らしてやる!」
「わあああ!? こっち来るなー!?」
 悪役の高笑いを放ちつつ、怪人たちがキマイラたちに迫る。
 伸ばした腕が今まさに逃げる者の頭に。
 というところで、無数の砲弾が怪人たちのほうを吹っ飛ばした。
「ぬあーっ!?」
 盛大に地面をバウンドする怪人。
 何とか体勢を立て直して顔を上げると、8門の浮遊砲台から硝煙をあげるるこるがいた。
「キマイラさん達に手出しはさせませんよぉ」
「貴様ぁ……人様に砲撃をぶっかますとは!」
「よほど俺たちをげきおこさせたいらしいな!」
 言動に怒りを滲ませた怪人たちが、ずんずん大股で歩いてくる。
 その足取りだけ見ても、彼らが相当げきおこであることは察することができた。
 だが、その怒りを当のるこるに向けることはできなかった。
「くぉらあああぁぁぁーーーーーーーーー!!!」
「「「ひいいっ!!?」」」
 天地を揺るがすほどの大音声が、ビーチに響き渡る。
 怪人たちが恐る恐る振り向くと……そこには猛然とダッシュしてくるノイの姿が!
「何や自分ら! 何しに来てん!」
「え、いやあの……」
「上司に行ってこいと言われまして……」
「アホか! 何でそんなんで人様を妨害できるんや! ウチは今この夏最後のスイカの収穫で忙しいねん! 暴れるなら他所でやりや!」
 マシンガン説教で怪人たちに言い訳の隙を与えないノイ。
「はっ……まさかあんたら、ウチのスイカを横取りに来おったんちゃうやろなァ? 財布と金庫が泥棒とか、シャレが効きすぎとちゃうか?」
「いえ横取りとかそんな!」
「怖い目で睨まないで下さいよぉう!」
 カタカタと震えた怪人たちが泣きそうな声でノイに縋りつく。
 しかし彼らに待っていたのは温情ではなかった。
「理由はどうあれ、この様なことをされるのでしたら、御仕置が必要ですねぇ。怪人の皆さんには西瓜の代わりになっていただきましょうか」
「ふぇっ!?」
 横合いからるこるが、にっこり笑顔で残酷な提案をしてきた。
 するとノイもにやり。
「なるほど。そいつはええなぁ」
「ふぇええっ!?」
 びくん、と跳ねあがる怪人たち。
 このままではなし崩しに脳天割られてしまう――そう悟ったとき、金庫怪人の足は砂浜を蹴り、その超硬いボディで体当たりを敢行していた。
「おおお大人しく割られてなるものか! そうなる前にこっちが貴様らを割ってやる!」
 肩を前に突き出し、勇ましく「うおおお!」と突っこんでくる金庫マン。
 それを、ノイは横綱の風格でかるーく受け止めた。
「せいっ!」
「な、何ぃ!? 俺の体当たりを容易く!?」
「ダイヤモンドがなんぼのもんじゃい! ウチのスイカ愛はロンズデーライト級やからな!」
「アアアァァーーッ!?」
 金庫の取っ手を掴んだノイが、ぐるんぐるんと金庫怪人を振り回す。上にあげてはハンマーパンチで金庫怪人を地面に叩きつけ、周囲のスイカを破砕しまくってゆく。
 まさに暴れ牛。
 他の怪人たちはそろーりと、腰を上げた。
「こ、ここから離れよう……」
「ああ、気づかれないうちに……」
 忍び足でバックしてゆく怪人たち。
 が、その行く手を阻んだのは、やはりるこるの浮遊砲台。
「逃がしませんよぉ」
「ぎゃああーー!?」
 砲撃の嵐を怪人たちにぶつけると、その軌道を徐々に収縮。多くの怪人たちを一所に固めることに成功したるこるは、静かに霊刀『純夢天』を抜いた。
「ま、まずい!?」
「金庫怪人! お前の硬度で防ぐんだ!」
「硬度ならお前が上だろジュエリー怪人!」
 互いが互いを盾にすべく、わちゃわちゃしはじめる怪人たち。
 だが、すべてまとめて一刀両断。
 るこるが抜き放った斬撃は金庫もジュエリーも分断して、彼らをまとめて葬っていた。
「「「ぐああああーーーー!!?」」」
「何やら、少々可哀想なことを仰っておりましたが、後程上司の方がいらっしゃいましたら、その方にも皆さんの分まで御仕置をして差し上げますので、それで御寛恕下さいませ?」
 キン、と刀を納めるるこる。
 彼女の提案を最期に聴いた怪人たちは、心なしか嬉しそうだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

蒼汁権現・ごずなり様
酷い目にあったゾナ。
ふむ、お主らも大変ゾナ、どれ、神たる我が労ってやろうゾ。
なに、遠慮するでない、我特製の蒼汁(アジュール)ゾナ。神の杯(ネクタール)の一種故に栄養価も癒し効果も高いゾナ。そして、この蒼汁をふんだんに使ったスターゲイザーパイとゼリードイード(鰻のゼリー寄せ)も提供するゾナ。
なに?いらぬトナ?ふむふむ、遠慮しておるのだな!ならば、ゴッド・クリエイションで自動給仕ゾナ☆
元気に転がり回る程に喜んでもらえてなによりゾヨw

(気絶や発狂に逃走を許さない呪詛。いっそ殺してくれと懇願する阿鼻叫喚が広がることでしょう)

*地獄への道は善意で舗装されている


神羅・アマミ
オブリビオンも十把一絡げ、下っ端の星の下に生まれついてしまうと世知辛いのー。
しかし、なればこそ大人しく躯の海へ還ればいくらでも泥のように眠れるぜ?
どうじゃ?魅力的な提案じゃろ?

そんな甘言に落ちるとも思えぬので素直に交戦。
コード『操演』により蜘蛛型ドローン・オクタビアスくんを召喚し、バックパックとして装着!
八本脚のオプションにて敵の攻撃を捌きつつ、妾自身は隙あらば金庫やらがま口やらにひたすらスイカを詰めるよう狙っていくぞ!
時にはスイカ割りにもなる風流を楽しみつつスイカをご賞味いただき、なおかつ敵の口を塞ぐことで攻撃を防ぐという見事な頭脳プレイ!
いくらでも湧くんじゃから100個単位で食っていけ!


ティエル・ティエリエル
SPDで判定

「参加賞でスイカもらっていくんだから、お前たちの分なんてないぞー!」
勝手に参加賞をもらえるつもりになって、怪人達の分なんて用意してないぞと文句をぶつけるよ!

背中の翅を羽ばたいて「空中浮遊」、空中から襲い掛かる「空中戦」で戦うよ!
敵の【おサイフ攻撃】を「見切り」で避けたら流れ弾でスイカがぱこーんて割れたよ?
スイカ割りに文句をつけてたのに割るなんてひどーい!!
お宅の怪人がお仕事中にスイカ割りを楽しんでいたって通報しなきゃだね!

相手が慌てだしたら隙だらけだよって【妖精の一刺し】で反撃しちゃうぞ☆

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



 ところ変わって別の場所では。
「参加賞でスイカもらっていくんだから、お前たちの分なんてないぞー!」
「のわーっ!?」
「くっ、ちょこまかとー!」
 なぜか参加賞があると勘違いをしなさったティエルが怪人たちの間を飛び回り、てんてこ舞いさせていた。速い上に小さい妖精はなかなかに捉えられない。
「俺たちも加勢するぞ!」
「数で押すんだ!」
 仲間のもとへ駆けだそうとする周りの怪人。
 だが、その前に2人の猟兵が立ちはだかる。
「まったく酷い目にあったゾナ」
「娘一人に寄ってたかっては感心せんぞ?」
 ごずなり様とアマミである。
 アマミは悪戯っぽい笑みを浮かべると、怪人たちに呼びかけた。
「下っ端の星の下に生まれついてしまっては生きるのもつらいじゃろ? しかし、なればこそ大人しく骸の海へ還ればいくらでも泥のように眠れるぜ? どうじゃ? 魅力的な提案じゃろ?」
「どこがだァァーー!!」
 一分の隙もなくツッコまれた。
「うちの上司よりもひどいよ! とんだ暴君のお言葉だよソレ!」
 皆で拳を突き上げ、ブーイングする怪人たち。
 なんかむしろ団結して強まってる感すらあります。
 やはり箱入り羅刹娘に説得は無理だったんや。というか真面目に言い聞かす気があったかすら怪しい。
 であらばここは、まがりなりにもGODたるごずなり様にこそ期待しよう。
「どれ、神たる我が労ってやろうゾ」
「神だって!?」
「労いってどんな!?」
 俄かにざわっとする怪人たち。
 さすが神! 傷ついた者たちに寄り添う姿勢はまさに慈愛の――。
「ほれ、我特製の蒼汁(アジュール)ゾナ」
 女神かと思ったがそんなことはなかったぜ。
 差し出した杯に入った液体は、飲料とは思えないビビッドピンクだった。
「なんぞこれ……」
 怪人たちは言葉もない。
 だがごずなり様はお節介なおばさんムーヴを繰り出す。
「遠慮するでない。神の杯(ネクタール)の一種故に栄養価も癒し効果も高いゾナ。そして、この蒼汁をふんだんに使ったスターゲイザーパイとゼリードイードも提供するゾナ」
 怪しい健康食品まで付いてきた。
 パイはともかくゼリーのほうは鰻が丸ごと封じこめられていてもう恐怖しかない。
 怪人たちは、丁重に頭を下げた。
「謹んで辞退します」
「ならば自動給仕ゾナ」
「アアァァーーッ!!?」
 ゴッド・クリエイションで生命体と化した蒼汁に口に滑りこまれ、怪人たちがのたうち回る。
「元気に転がり回る程に喜んでもらえてなによりゾヨ」
「に、逃げろぉぉ!」
 満面の笑顔であらせられるごずなり様から逃げようとする怪人だが、ここで異変に気付く。
 自分の動きが遅くなっていたのだ。
 ごずなり様のユーベルコードによって、蒼汁を拒んだ彼らは5分の1の速度にまで制限されてしまっていた。飲んでも飲まなくても地獄って詰んでね?
「こ、これは!?」
「よくわからんが動きづらいんじゃな? チャンスじゃ!」
 怪人たちの動揺を見て取ったアマミが、ユーベルコードを発動。
 自分の背に蜘蛛型ドローン・オクタビアスくんを装着すると、その八本脚をわきわき動かしながら怪人の群れに突っこんだ。
「妾が手ずから骸の海に還してやろう!」
「しまった……!」
「お、応戦するしかない!」
 おサイフ怪人が自らの速度を高め、迫りくるアマミを迎撃しようとする。
 ――だが遅い。
 制限され、本来の速度に達さない攻撃など、到底アマミに届くものではなかった。バックパックの八本脚でそれらを見事にさばききると、アマミは地面に落ちてるスイカを拾う。
「ほれ!」
「んがっ!?」
 むにっ、とサイフのがま口に詰められるスイカ。
「さ、財布にあんな大きい球体を!?」
「いくらでも湧くんじゃから100個単位で食っていけ!」
『ぐあああーーー!?』
 すぽすぽとアマミにスイカを詰められ、悶絶する怪人たち。
 手を振って何とかアマミに反撃しようとするが、頭部にスイカを詰められた彼らがまともに戦えるはずもない。腕は空を切るばかりだ。
「くっ! 当たらん!」
「どこだ!?」
「それー! ボクもいるぞー!」
 混乱を深める怪人たちのところへ、舞いこんできたのはティエル。
 背中の翅を羽ばたかせて自在に空を飛ぶ少女は、怪人たちの周りを飛び回って「こっちだー!」とか「えーい!」だのとわざと声をあげてゆく。
 するとその声につられて振られたおサイフ怪人の拳が――金庫怪人の頭を捉えてしまう。
「ぎゃあーー!?」
「あ、す、すまん!」
 慌てて頭を下げるおサイフ怪人。
 しかし、彼はまだ自分の罪の大きさに気づいていなかった。
「あーーっ!」
 ティエルの叫びが響く。
 見れば、金庫怪人の顔に入っていたスイカがパカンと割れている!
「スイカ割りに文句をつけてたのに割るなんてひどーい!! お宅の怪人がお仕事中にスイカ割りを楽しんでいたって通報しなきゃだね!」
「な、なななな何ぃぃ!?」
 おサイフ怪人の声が震える。
 当然だ。スイカ割り大会を中止させるために来たのに、逆にスイカ割りを楽しんでいたなどと告げ口されてはどうなるかわからない。古き良きがま口から既製品のやっすいファスナーに変えられてしまうかもしれない。
「ど、ど、どうすればば!」
 おサイフ怪人の頭の中はもはや真っ白になっていた。
 つまりどういうことかというと――。
「隙だらけだよ☆」
「ぎゃーーす!?」
 レイピアを構えたティエルの体当たりで、さくっとやられました。
 しかしその顔にはやはり安堵が覗いていた。
「これでどやされずに済む……」
「おサイフさん……!」
 しょわーっと消えてゆくおサイフ怪人の手を取るティエル。
 なんかいい感じの終わり方だった。
 なおしんみりするのはその一角だけであり、ほかのとこではごずなり様の蒼汁により怪人たちが断末魔をあげ、アマミによって口にスイカを突っこまれた怪人たちがシカバネマウンテンになっていることは忘れてはいけない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月・影勝
どうして悪い上司のもとで働いておるの!?やめようぞそんなこと!(心無い言葉)

どのような事情であれオブリビオンであれば容赦はせぬ
火産霊燧石より放たれた炎がぬしらを焼き尽くそうぞ!
…おや、貴様は金庫じゃから炎には耐えれる…とでも言いたげじゃのう
しかししまってあるのじゃろう?その金庫の中に印鑑とか金品とかが!
金庫は開放せねば一定時間は紙が発火せぬ温度に保たれるよう設計されておる
じゃが、武器を放つためにオープンにしたらそれらがどうなるか…!

…と、ゆさぶりをかけてみるのじゃ。
上手く行けば武器攻撃を封じれるかもしれぬ
成功したら耐火試験に続き、櫂を振るうてがつんと衝撃試験も実施してみようかのう!



 遠く悲鳴が聞こえる中、影勝は怪人たちと対峙していた。
「どうして悪い上司のもとで働いておるの!? やめようぞそんなこと!」
「いややめられるならやめてぇわ!」
「のびのび過ごしてみてぇよ!!」
 影勝に言い返した怪人たちが、涙ぐんだように声を震わす。
 あまりに物悲しい光景だった。
「なるほど……ぬしらにも事情があるんじゃな」
「そうだ……」
「でもオブリビオンは見過ごせぬから焼き尽くしてくれようぞ!」
「この鬼畜野郎!」
「悪魔! 冷血漢!」
 くるりと手のひらを返した影勝に、怒りの抗議をする怪人たち。
 影勝は火打石『火産霊燧石』をかちかちと打った。
 ぼうっ、と放たれた炎が問答無用で怪人たちを包む。
「ぬおおおおお!?」
「ぐあああああ!!」
「暖かいのう」
「夏ですが!?」
 キャンプファイヤーと化した怪人たちが、両手をかざす影勝にツッコむ。ツッコみながら焼けてゆく。
 しかし、金庫怪人はなぜか平然と佇んでいた。
「ふっ。金庫には当然、耐火機能も備わっているのさ!」
 ドヤる金庫怪人。
 だが対する影勝もまたドヤ顔であった。
「しかししまってあるのじゃろう? その中に印鑑とか金品とかが!」
「……ハッ!?」
「金庫は開放せねば一定時間は紙が発火せぬ温度に保たれるよう設計されておる。じゃが、武器を放つためにオープンしたらそれらがどうなるか……!」
「き、貴様ァ!!」
 握り拳を震わせる怪人だが、その怒気が影勝に向くことはない。
 なぜなら影勝の言うとおり、攻撃のために金庫を開いたら中身が燃えることは必至だ。
 ……果たしてそれがどんだけヤバいのかはわからんかったが、金庫として保管物を失うリスクを冒すことはできなかった。
 金庫怪人が膝をついたところで、影勝は櫂を取り出す。
「では耐火試験が終わったところで衝撃試験に突入じゃ」
「ちょ、ちょま――」
 ゴイン!
 とぶっ叩かれた金庫怪人が、燃えている怪人たちもろとも飛んでいったー!

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『怪人アルパカスプラッシュ』

POW   :    シンクロナイズドポージング
【量産怪人アルパカマッスルブラザーズ】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    水も滴るいい体
全身を【力ませて筋肉を鋼の如き硬度】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
WIZ   :    アルパカウォータースライダー
戦場全体に、【ウォータースライダー】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。

イラスト:ヤマトイヌル

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はニィ・ハンブルビーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 倒れている怪人たちが一人またひとり、光の粒子となって消えてゆく。
 下っ端怪人たちの襲撃は、なんかもう基本的に平和に終わった。
 多少スイカが割れたりキマイラたちが吹っ飛ばされた程度で、猟兵たちの活躍によって結果的にだいたい被害ゼロだった。
「よ、よーしそれじゃ大会を再開しようか!」
「そうだね! 途中だったし!」
 キマイラの誰かがそう言えば、周りのキマイラたちも秒でノってくる。
 スイカ割り大会を完遂しよう。その一念でキマイラたちはせっせと会場ビーチの掃除を始めた。猟兵と怪人によってところどころ陥没した砂浜も均されてゆく。
 しかし、ビーチが元の姿を取り戻し始めた頃だった。

「FOOOOOOOOOOOOOOOO!!!」

 やたらテンション高めの声が、聞こえてきた。
 声が飛んでくるのは海のほうだ。
 猟犬およびキマイラたちは一斉にそちらを向く。
 遠くに波が見えた。
 そしてその波にアルパカが乗っていた。
 正確にはアルパカっぽい頭部の怪人が、黒地に緑のラインが入ったサーフスーツを着てクネクネと波乗りしていた。ボードなしで。

「どうやらミーの部下たちは全滅したようだNA! だがしかし奴らは所詮下っ端……最初から特に期待はしていなかったZE! とうッ!!」

 波の面から大跳躍したアルパカ怪人が、空中でくるくるしながらビーチに降り立つ。
 そしてそのムチムチのマッスルボディを見せつけるようにポージング!

「スイカ割り大会などミーがいる限りはやらせない! どうせ大会をひらくならボディビル大会にしろ! あるいは真のアルパカを決めるアルパカ大会だ! それ以外の大会など、開催する価値もないWA!」

 そう叫ぶと、アルパカ怪人の筋肉が躍動し、弾かれた体表の水滴は周りの全員の顔にぴちぴちと打ちつけられたのだった。
神羅・アマミ
何故じゃ…?
それほどまでスイカ割りを憎み、妨害工作へ走る理由が妾にはわからぬ…
一つ聞かせてはもらえぬか?

と会話パートで長い話が始まりそうな敵の開口一番で「今だー!!」とコード『板付』を発動しつつ奴の口にスイカをねじ込もうとする!
どうせまたくだらぬ理由で逆恨みなんじゃろ!?
遺言は死ぬ時にとっておけ!

分身を生み出すらしいがシンクロってことはほぼ同じ動きをするのか?
しかも量産怪人。
負けフラグ立ててるようにしか見えぬ…
我慢できず二匹同時にポージングする瞬間があるはず(本当に?)!
そこを狙う!

ところで、奴のボディスーツは緑と黒。
これは実質スイカであり、奴を破壊することもまたスイカ割りとは言えんじゃろか。


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
成程、この方が上司さんですかぁ。
それでは、怪人さん達との約束通り、しっかりと御仕置しましょう。

【指定UC】で飛行、上から『FRS』『FSS』を使用して[一斉発射][2回攻撃]による連射の雨を降らせますぅ。
配下を召喚する能力も有るみたいですから、その際は[範囲攻撃]を追加して纏めて狙いますねぇ。
アルパカの毛は油分を含む分撥水性が高く、着火すると簡単に炭化すると言われているらしいですので、『FRS』『FSS』の攻撃は『ビーム』等『着火の可能性』のあるものに設定、可能なら『オプション兵装』から『焼夷弾』を使いますぅ。
必要なら『刀』も使い、御仕置に全ての毛を剥いであげましょう。


ティエル・ティエリエル
「もーー!せっかくスイカ割り大会再開できそうだったのに!」
ここから華麗な逆転劇が始まるはずだったのに!さらには水滴をぴちぴちと掛けられて激おこぷんぷんである!

背中の翅で飛び回って、蝶のように舞い蜂のように刺す「空中戦」でサーフスーツの上からちくちく刺して回るよ!
スイカ割り大会の代わりにアルパカ大会?どうせやっても最下位でしょ?もふもふできそうにないし!とか言って煽っちゃうよ♪

鬱陶しがって【アルパカウォータースライダー】で逃げようとしたら「カウンター」で【妖精姫の括り罠】を発動だよ♪
罠でびたーんて砂浜に倒れたら大チャンス!アルパカの頭をスイカに見立ててスイカ割り再開だよ☆

※アドリブ/連携も大歓迎



 空気を読まず登場したアルパカ怪人。
 しかし当然ながら、その場に歓迎の空気はなかった。
「成程、この方が上司さんですかぁ」
「もーー! せっかくスイカ割り大会再開できそうだったのに!」
 舐めるようにアルパカを観察するるこるの頭上で、ティエルはぷくーっと頬を膨らませて飛び回っている。
 記録66個からの奇跡の大逆転を狙っていたティエルとしては、熱を削がれた気分で面白くはなかったのだ。おまけに水滴をかけられては推して知るべし。
「NO! スイカ割りなど必要ない! それよりもボディビルにしなSAI!」
 腕を曲げ、立派な上腕筋を見せつけるアルパカ。
 対してアマミは怪訝そうな表情を浮かべた。
「何故じゃ……?」
「ん?」
「それほどまでスイカ割りを憎み、妨害工作へ走る理由が妾にはわからぬ……一つ聞かせてはもらえぬか?」
「理由か、いいだろう」
 アルパカが遠い目で青空を見上げる。
「あれは二週間ほど前のこと……」
「今だー!!」
「ぐあああああっ!!?」
 語りだすや否や、アルパカの口にアマミがスイカをぶっこんだ。
 顎が外れんばかりにスイカをぶっこんだ。
「どうせまたくだらぬ理由で逆恨みなんじゃろ!?」
「ふがががっ!?」
 じたばたと悶絶するアルパカ。それでもあくまでスイカをねじ込もうとするアマミちゃんはマジモンの鬼畜だと思う。
 が、アルパカ怪人とて単なる愛され動物ではない。
「くおおぉぉーー!」
「ぬっ!? 小癪な真似を!」
 見事な背筋を活かし、ブリッジでアマミを跳ねのけるアルパカ。そのポージングのままユーベルコードを発動し、隣にアルパカ顔の筋肉質な怪人を召喚した。
「ミーたち2人のコンビネーションで、病院送りにしてやるZE!」
「この妾を病院送りじゃと?」
「そうDA!」
 フンッ、と揃って腹筋を見せつけるアルパカブラザーズ。
「……病院送りなんじゃよな?」
「そうDA!」
 ヘンッ、と揃って背筋を見せつけるアルパカブラザーズ。
 アマミ、数秒の沈黙。
 そして――。
「せいっ」
「「ヘブシッ!?」」
 顔パンされたブラザーズが地べたを転がる。
 シンクロしてしまうせいで、増えた意味がほぼなかった。
「わわっ、アマミのパンチがクリーンヒットだよ!」
「良い的じゃったのう」
 ティエルがぱたぱた飛んでくると、アマミは拳をハンカチで拭きながらにやりと笑う。
「そういえばこいつのボディスーツは緑と黒。スイカっぽいのう。ならば奴を破壊することもまたスイカ割りになるのではないか?」
「はっ!?」
 大発見、とばかりに口に手を添えるティエル。
 目の前の1ポイントに――妖精は秒でレイピアを構えた。
「それー! ここからボクの華麗な逆転劇だよっ☆」
「ぎゃああああ!?」
 チクチクチクチク、とティエルに空中から刺されまくるアルパカ怪人。
 振り払おうにもやはりティエルの機動が素早く、手は空振りするばかりだ。
「スイカ割り大会の代わりにアルパカ大会? どうせやっても最下位でしょ? それならボクの1ポイントになったほうがいいよね!」
「ア、アルパカをポイント扱いするんじゃありまSEN!?」
 非情にもほどがある物言いに抗議したいアルパカだが、依然としてティエルが上からレイピアを振り回すので顔を上げることも難しい。
「こうなったら……出でよ! ウォータースライダー!」
 ずももも、と地上にせりあがる巨大ウォータースライダー。迷路と化したその水流に乗り、レイピア地獄から脱出する算段だった。
「ふはは! さらばだチビっ娘!」
「そうはさせるかー!」
「ふおんっ!?」
 水流に乗ろうとしたアルパカが、何かに足をとられて盛大にずっこけた。
 足に繋がっているのは縄。ティエルのユーベルコードによって設置された原始的な括り罠が、アルパカの足首に絡まっていたのだ。
「さ、アルパカの頭でスイカ割り再開だよ☆」
「危なっ!?」
 ぶんっ、と振り下ろされた棒をアルパカが身をよじって避ける。当然のように追撃が繰り返されたら、それも何とか左右に転がって避けまくった。
「もー! しぶといなあ!」
「ふっ! そう簡単に割られはせんYO!」
 息を切らすティエルに勝ち誇るアルパカ。ほぼマウントされてるとは思えない自信だった。
 しかし、その余裕も、上空に浮くものを見てスッと引いてゆく。
「あれは……?」
 目を凝らすアルパカ。
 逆光でよく見えないが、はるか上空にいるそれは――るこるだった。
 正確に言うならば、8台の浮遊砲台と4枚のビームシールドを展開しているるこるだった。
 合計12門の砲口が地上に向けてコンニチハしている。
 さすがにアルパカさんも察した。
「いやあの、ちょっと待っ――」
「怪人さん達との約束通り、しっかりと御仕置しましょう。ティエルさん、少し離れてもらえますかぁ?」
「えっ? わわっ!?」
 空を見上げたティエルが、慌ててアルパカさんの上から退避する。
 それを見て、るこるは心置きなく、一斉砲撃を敢行した。
 視界を埋め尽くすほどの砲火の煌めきが、アルパカに無情に降りそそぐ。
「い、いかん!? 兄弟よ! ミーのことを守るのDA!」
「ああ、任せろ!」
「俺たちの筋肉の鎧が!」
「兄貴を守ってみせるぜ!」
 るこるの爆撃から身を防ぐべく、アルパカがマッスルブラザーズを召喚。3体もの暑苦しいサーフスーツマッスルが兄貴に覆いかぶさってポージングを決める。
 己の身を挺して守る、それは熱き気概だった。
 だが気概だけで人を守れたら苦労はないのである。
「まとめて殲滅しますねぇ」
「「「ぎゃああーーーー!?」」」
「きょ、兄弟ーー!!」
 12発のビームがあっさりとブラザーズを貫通した。
 初撃でもう息も絶え絶えだった。
「くっ、なんて強い敵だ!」
「だが兄貴は俺たちが――」
「そういえば、アルパカの毛は油分を含む分撥水性が高く、着火すると簡単に炭化すると言われているらしいですぅ。だから焼夷弾も撃ってみましょうかぁ」
「「「ぎゃああああーーーー!!?」」」
 るこるがぶっ放した焼夷弾が、アルパカブラザーズを火の海に呑みこむ。
 もちろん下にいる兄貴も無事で済むはずはなく、ブラザーズが消滅した頃には、こんがり黒くなった焼きアルパカの力なき背中が見えました。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

蛇塚・レモン
<WIZ>
なるほどっ!
大体判ったよっ!

夏の太陽にも負けない輝きを放つ黄金の霊波動を纏って天から降臨
念動力で空中浮遊して、敵のアルパカよりも目立っちゃうよっ!
世界知識と戦闘知識や学習力や第六感で瞬時に今までの状況を察知・把握!
つまり、あたいは水着着用で駆け付けて泳ぐ気満々っ!

ウォータースライダー迷路で閉じ込められる瞬間、咄嗟の一撃とカウンターでアルパカをUCで閉じ込めちゃうよっ!
どっちが早く脱出できるか勝負だ~っ!
迷路とはいえウォータースライダー、水は出口へ流れるから流れに逆らわず楽しんじゃおっと!
一方、蛇神様の迷路は生きてるから、常に内部構造が変わって脱出困難!
三重苦の試練に耐えられるかなっ?



「死ぬかと思った……」
 体毛がボンバーした状態で這いずるアルパカ。
 と、そのとき、彼は周りのキマイラがざわついていることに気づいた。
「み、みんな上を見ろ!」
「何かが降りてくるぞ!」
「ん? 上?」
 キマイラたちが指差す上方を見上げるアルパカ。
 するとそこには、目も眩むような黄金の光を纏った蛇塚・レモンの姿があった。
「なるほどっ! 大体判ったよっ!」
 腕組みして頷くレモンの風体はまさに神。
 ビキニ水着にパレオを着用して肩に浮き輪までかけてたけど、キマイラ目線ではマジ神。
「わーいGODだー!」
「これはバズるー!」
「好きなだけ撮っていいよっ!」
『やったーー!』
 カメラを構えたキマイラたちの前で、空を華麗に浮遊するGOD。
 賑やかな撮影会を輪の外から寂しく見つめるアルパカ……。
「ええい許せん! 注目を浴びるのはミーの筋肉であるべき!」
「わわっ!? 地面が盛り上がってくる!」
 嫉妬に狂うアルパカが指を鳴らすと、途端に砂浜がせりあがって立派なウォータースライダーが出現。そのまま空に浮くレモンに覆いかぶさろうとする。
 が、レモンは動じない。
「ならこっちは蛇神様の迷宮だ!」
「なんとっ!?」
 迷宮に取りこまれる刹那、レモンも巨大な白蛇を召喚してアルパカ怪人を収容。
 数秒後、両者はそれぞれ出口の見えぬ迷宮の真ん中に突っ立っていた。
「どっちが早く脱出できるか勝負だ~っ!」
「勝負? フッ、いいだろう!」
 レモンの提案から、急遽脱出ゲームを始める二人。
 だが同じ迷宮とはいえ、その間には歴然たる差があった。
「よーし出口に一直線っ!」
「ミーも急がなくては……って壁が動くんですけどォ!?」
 レモンが水流に乗って迷宮をするする進むのに対し、アルパカ怪人はぐねぐね動く蛇神様の迷宮によってスタート地点に釘付けにされていたのだ。
 水の流れで自然と出口に向かうウォータースライダー迷宮。
 生きているがゆえに刻一刻とルートが変形する蛇神迷宮。
 難易度が段違いでした。
「やったクリアー! ってあれ? アルパカ怪人は?」
 大差をつけて迷宮を踏破したレモンが、アルパカの帰還を待つ羽目になったのは言うまでもないことである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月・影勝
貴様が楽しいスイカ割りを邪魔するやつらの元締めじゃな!
他者の楽しみを押しのけようなぞ言語道断、大人しく倒されるがよい!
…ぬ…!仲間を呼んで一体何を始め…
えっ、ここでボディビル大会を始めてまうのか!?
あっでも、さっき呼んだ鰐鮫らもバカンスを邪魔されて怒ると思いきや
\仕上がってる!/\マッチョの満員電車だな!/
\肩にちっちゃいトラック乗せてんのかい!/
などと掛け声をかけてながら盛り上がっておるな。
実際スイカ割りの余興として開けば皆も楽しめそうなものなのじゃがなあ
悪いことをせずに居られぬのもオブリビオンの哀しき性なのじゃろう。

……あっ、攻撃するのを忘れておった
ほい。(超巨大竪杵を召喚して落とす)



 あれから小一時間。
「すでに死にそうじゃのう」
「こんなつらい戦場とか聞いてへん」
 うつ伏せに倒れたアルパカが、影勝に櫂の先端でツンツンされている。
 頑張って迷宮を脱出したはいいものの、スタミナが死んでいた。
 だが彼とてオブリビオンの端くれ。
「くっ……うおおおおおお!!!!!」
 疲れた体に鞭打って立ち上がり、咆哮するアルパカ怪人。
 すると、空から海から砂から、総勢十名もの量産怪人が参集した。
「ぬ……! 一体何を始めるつもりじゃ!」
「ふふふ、しかと刮目せYO!」
 身構える影勝の前でゆらりと両腕を上げるマッスルブラザーズ。
 片方の手首を掴んだ彼らは……体を斜めにしてゆっくりと腕を下ろす!
『フンッ!』
 ハイ! キメ顔!
 ……重い沈黙の中、立派な大胸筋だけがぴくぴくする。
「ボディビルではないか……」
『フンッ!』
「筋肉で答えるでない」
 後ろを向いて隆起する背中を見せつけるマッスルたちに、ビシッとツッコむ影勝。
 そのとき、ドドドと地響きが聞こえた。
「あっ、鰐鮫たち」
 そういえばと思い出す影勝。スイカ割りのときに召喚されたきりフリーダムにスイカ食ってた鮫たちが、ものすごい勢いで集まってきていた。
「ふむ、バカンスを邪魔されて怒っておるのじゃな!」
 うんうんと首を縦に振る影勝。
 しかし鰐たちはマッスルブラザーズを取り囲むや――。
「仕上がってる!」
「マッチョの満員電車だな!」
「肩にちっちゃいトラック乗せてんのかい!」
 底の抜けた靴のように口をパカパカさせて盛り上げはじめた。
 それを受けてアルパカたちも『フンッ!』と筋肉を躍動させた。
 平和な世界だった。
「……スイカ割りの余興として奴が皆に受け入れられる可能性もあったのかのう。悪いことをせずに居られぬのもオブリビオンの哀しき性なのかもしれんな……」
 座りこんでスイカ食べながら、思案に耽る影勝。
 何かひとつ歯車が違えば。
 そんなことを思いながら影勝は――。
「ほい」
『アァーッ!!?』
 即席ボディビル会場に超巨大竪杵を落としました。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノイ・グランガイオス
なんか、また変なんがうちのスイカ祭りの邪魔しに来おったんか?
こっちはスイカがかかっとんのやで!
アルパカもボディビルも知らんわボケェ!
度重なる妨害に若干ヤカラになりつつ渾身の怒りを叩きつけたる!
量産怪人をダッシュで掻い潜り、アルパカ本人を狙ってグラップル。
そのまま抱え上げて上空へ。
「お前をスイカの付け合わせにしたらァ!」
そのまま反転、アルパカ男を脳天からスイカの山に叩きつける!
「往生しいや! アステロイド落としィ!」
ついでにスイカ撃破数もマシマシや!



 巨塔のごとく屹立する竪杵。
 その下からアルパカ怪人は虫のように這い出てきた。
「せっかくノっていたというのに……!」
 恨みがましく、アルパカはその呑気な顔で竪杵を見上げる。
 しかし彼を襲う悲劇はこれで終わりではなかった。
 むしろ始まりだった。
「まぁぁた邪魔しに来たんかコラァァーーーー!!!」
「ひぃっ!?」
 恐ろしい怒声に振り返るアルパカ怪人が見たものは、猪だった。
 いや、猪とすら見紛うほど猛々しくダッシュしてくるノイ(体長2m半)だった。
「こっちはスイカがかかっとんのやで! アルパカもボディビルも知らんわボケェ!」
「はわわわっ!? い、出でよブラザーズ! ミーを守るのです!?」
「わかったぜ兄貴!」
「俺たちに任せてくれ!」
 砂煙をあげ、スイカを蹴散らして猛進してくるウォーマシンに震えあがるアルパカ。たまらず量産怪人を召喚して防衛線を敷くものの――相手はスイカ狂いである。
「邪魔や!!!」
「は、速い!?」
「くっ! 俺たちの筋肉の合間をすり抜けてゆくぅ!?」
 さながらアメフトやラグビーの選手のように、マッスルブラザーズの腕を掻い潜るノイ。
 むしろ弾き飛ばす勢いで進み、進み、その向こうにいる兄貴のサーフスーツを掴む。
「とったでェ!」
「ギャーーッ!? 放せ放せぇぇ!?」
「放すかァ! お前をスイカの付け合わせにしたらァ!」
 組み付いた瞬間に背後に回りこんだノイが、アルパカを抱えて天高く跳躍する。
 そして地上の猟兵やキマイラたちからは黒点ほどにしか見えなくなったところで、反転。
「往生しいや! アステロイド落としィ!」
「ちょっ、高い高い高い高いィィ!!?」
 高高度から、アルパカをホールドしたまま落下するノイ。
 そのまま脳天から叩き落として一面に砂を巻き上げてから――ノイは首から上が埋もれたアルパカ(直立)の隣で清々しく額を拭いた。
「ふぅースッキリ! ついでにスイカ撃破数もマシマシや!」
 満足げに太陽へ両腕をひろげるウォーマシンの横で、アルパカは光に紛れて消滅した。

 かくして猟兵たちの大活躍(?)により、スイカ割り大会は守られた。
 その後みんなでワイワイ楽しくスイカを割りまくった結果、ついぞノイは首位を走りつづけた。大好きなスイカを山と抱えた彼女はホクホク顔でキマフュ―から引き上げたという。
 なお、スイカが大量に余ったので結局みんな抱えきれぬほど持って帰りました。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年09月15日


挿絵イラスト