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笑ヒ喰ラウ者達

#UDCアース

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#UDCアース


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●暴食復活の儀式から逃れた少年
 UDCアース。
 現在の地球を思わせるその世界では、UDC(アンディファインド・クリーチャー)と呼ばれる、蘇った邪神とその眷属が人知れず活動している。
 UDCの存在はまだあまり知られてはいないが、最近になって様々な形でUDC怪物が頻出するようになってきている。
 これに対抗すべく、人類防衛組織「UDC(アンダーグラウンド・ディフェンス・コープ)」が秘密裏に戦っている。
 この世界における猟兵達の目的、それは、UDC組織の協力を得て、UDC怪物を討伐。そして、それらを束ねる「邪神」を撃破することにある。

 不気味な笑いが響く室内。
 そこでは、何やら奇妙な集団がぶつぶつと詠唱を行っていた。
 邪神の使いである翼を持つ怪物『翼怪』。
 子供を喰らうこの連中は、喰らった子供の言葉をオウムのように真似て言葉を発することができる。もっとも、人間の言葉は理解していないようだが……。
 翼怪どもは部屋のあちらこちらに立ち、儀式を行っている。
 描かれた魔法陣は、暴食の邪神を呼び出すものだ。
 もし、こいつが復活したならば、この街ごと喰らい尽くされてしまうだろう。
 その陣の中央には、体の所々に赤いものを塗られた小学校高学年くらいの少年の姿がある。
「…………!!」
 生贄にされかけた少年は激しく抵抗して手足の拘束を解き、その場から走り出す。
 翼怪どもが追いかけるが、少年は無我夢中になってその場から逃げて行く。
 相手は表立って姿を現そうとはしない。一般大衆が出歩く往来まで出ることで、少年は翼怪の追跡から逃げ延びることができた。
 ホッと安堵の息を漏らす少年は、緊張の糸が切れたのかその場に崩れ落ちてしまう。
 全身のあちこちに血のようなモノがついた異様な状態もあり、周囲の通行人が救急車を呼んでいたのだった。

●儀式上の場所は……
 世界『グリモアベース』。
 そこに集まる猟兵達に、グリモア猟兵であるセレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)が声をかける。
「少し、話を聞いて頂いてもいいかしら?」
 セレインが持ち掛けた話は、『UDCアース』での事件。
 そこで行われる邪神復活の儀式を止めてほしいと、彼女は依頼を持ちかける。

 とある街のどこかに、邪神の使いである怪物の『嘲笑う翼怪』が集まり、邪神復活の儀式を行う場があるらしい。
 ただ、その儀式場に向かいたくとも情報が乏しく、正確な場所が分からない。
 UDC怪物どもは表立って活動していないこともあり、簡単には尻尾を出さない。それ故に、儀式場の場所を知る者も少ないのだ。
「ただ、その儀式場から逃げ出したと思われる少年がいるのよ」
 11歳の少年、真野・理空(まの・りくう)。
 ごく普通の小学生である彼だが、ある日忽然と姿を消してしまった。
 翌日、理空は隣町の大通りにて、体のあちこちに血が付着した状態で発見されることになる。
 病院へと搬送された少年は体に異常がないことが確認されたが、大事をとって現在入院中だ。
「UDC組織は少年が邪神復活の儀式の為、さらわれたのだとみているわ」
 一晩のうちに隣町へと移動したこと、発見時に服や肌に血が付着していたことをUDC組織はその理由としている。
 だが、理空少年は一向に口を割らず、どこに行っていたかは両親にすら語ろうとはしない。
 元々、一人でいることが多く、人とあまり関わろうとはしない子らしい。
「両親が不仲だったり、人付き合いが苦手だったりして、1人でいることが多いからこそUDC怪物に狙われてしまったようね」
 できるなら、急いでこの少年から儀式場の場所を聞き出し、邪神復活の儀式を止めたいところだが……。
 様々な事件を解決している猟兵ならば、この少年の閉じた心を開くことができるかもしれない。UDC組織はそう期待している。
「どうか、彼らに力を貸してあげて」
 セレインはそうして、猟兵達に助力を求めるのだった。


なちゅい
 猟兵の皆様、なちゅいです。
 当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。

 今回は邪神復活の儀式を阻止すべく、行動することになります。
 どうやら、とある少年が情報を握っているようですが……。
 彼から情報を引き出して儀式場に向かい、邪神復活の儀式を阻止していただきますよう願います。

 それでは、よろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『閉じた心』

POW   :    根気よく話しかける、身の上話をする

SPD   :    個人情報を入手する、家族など関係者に近づく

WIZ   :    取引をする、嘘を話す、真実を話す

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

草野・千秋
最近よく聞きますね、邪神にUDCの話
何かよからぬ不安さがあります

ともあれ動きましょう
【POW】
僕の身の上話を
僕は両親が幼い頃離婚してから
母は僕と妹を捨てて若い男の元に走り
母方祖父母に育てられたんです
でももうその祖父母も妹いないんです
見知らぬ闇の組織のオブリビオンに
家族をみんな殺されて……(ぐっと耐えながら話す)
僕は命を取り留めましたが
何の因果か体をサイボーグへと改造されまして
こうして猟兵として、ヒーローとして戦っているんです
ヒーローらしいかはさておいて、ですよ
理空さん、何か力になれる、力になるような情報はありませんか?
僕は、僕達はここにいます


アリス・セカンドカラー
【WIZ】フェロモンで籠絡する
ラブフェロモン(医術、催眠術、誘惑、毒使い)を超能力で分泌して魅了を試みるわー。
ふふ、わたしのことはお姉さまって呼んでくれてもいいのよ♪
おねしょたおねしょた☆
まぁ“仲良く”成りすぎると巻き込むまいとして口を閉ざしそうだけど無問題☆
ヒプノセラピー(催眠術、医術)って技術があるのよね。
そういう遊びとして持ちかけて、さくっと当時の状況を語ってもらいましょ。

マインドジャックは最終手段。あんまり使いたくはないのよね。
まぁ、数回ぐらいじゃ問題ないけどパンピーの脳に超能力でハッキングとか怖いわー。
でも、魅了もヒプノセラピーも効果なかったらしゃーないわよね?


ビードット・ワイワイ
理空の住みし町の市役所に【ハッキング】し
真野理空の名が在りし住民票謄本を探し家族構成住所を知ろう

組織から警察手帳を借り【目立たない】よう警官に
【変装】し家族から【情報収集】しようぞ
【催眠術】【誘惑】にて判断能力を鈍らせ【コミュ力】にて
友好的に話し【言いくるめ】を行いて信頼させり

兄弟等がいるならばそちらに行くがいなければ父母に問おう
聞きたりけれど理空の最近の動向は把握せし?
態度の変化した日親しき友人、最近になって行き始めし場所が
分かれば動向の把握が容易し。どこで被害にあいしかの
予想をつけやすくなりけり。ところで部屋は何処に?
日記等があれば最近の動向が把握できよう


天星・暁音
…どこの世界でも本当に度し難い連中はいるものだよね
傍に行くとこの子の恐怖と痛みが強く伝わってくるや…
俺も心底では他人が怖くて、余り人付き合い得意とは言えないけど…
でもだから…力になってあげたいな。
俺は両親から嫌われてた身だから両親の不仲には力にはなれないけど聞くくらいは…

【共苦の痛み】により痛みに共鳴して彼の痛みをその身に感じている
他者の痛みに引き摺られ過ぎるのは良くないと知りつつも彼に寄り添った心情になっている

【コミュ力】で話しかけなるべく警戒を解き【鼓舞】で元気付けお医者様の許可がとれればコードで傷を治してあげたいです

彼の想いを根気強く聞いてあげてその上で儀式の行われた場所を聞きたいです。


日向・楓
(…弟がまだ生きていたら同い年か)

いきなり他国の齢の違う奴等が押しかけたら進む話も進まないだろう
ここは私の故郷に酷似している
近所のJK制服を調達して打ち解けられないか試すよ
会話する気にさえなれば、後は他のに任せるさ

男子ってのはね、動く物が気になって仕方ないんだ

移動ルートに先回り
一輪車の上で
刃を潰したおもちゃ刀・手裏剣・鎖鎌をジャグリング曲芸して気を引く

食いつき会話距離に入ったら
名前と身分を正義のニンジャだなんだと名乗り
少年の名前を自分から語らせ、変な名前だと茶化す

玩具に興味を持ったなら簡単な曲芸をやらせて
あとは流れで

ベース宛の連絡先を書いたカードを手渡し
困った事があったらいつでも呼ぶよう伝える


水貝・雁之助
子供を喰らう、ね
そんな奴等は義理とはいえ子供のいる身としては許す訳には行かないね

確実にぶっ倒す為にも理空君から話を聞いておきたいけど・・・僕だと
怖がらせちゃうかなあ?

とりあえず、モコ(相棒の柴犬)や動物の皆に協力して貰って少しでも怖がら
せないようにして、と

相棒の柴犬のモコや犬、雀たちに『楽器演奏』してきちんと餌も渡した上で
一緒に来てくれるようにお願いした上で理空君に会いに行く

先ずは挨拶
怪我とかは大丈夫か聞き、其の上で自分が悪い奴等と戦ってる事
思い出させてしまう事を謝り辛いようなら話さなくても良いと言った上で
悪い奴等に此れ以上被害を出させず理空君を狙わせない為に奴等の居場所を
教えてほしいと頼む



●心を閉ざした少年
 グリモアベースにて、情報を仕入れていた草野・千秋が唸る。
「最近よく聞きますね、邪神にUDCの話」
 ミルクティー色の髪にペリドットの瞳を持つ長身の青年は、この事件に良からぬ不安を抱く。
 事態の解決の為、猟兵達はUDC怪物どもが邪神復活の儀式を行う場所を知るべく、被害者である11歳の少年と接触を試みるのだが……。
 異邦の服を纏う緑色の髪を束ねた日向・楓は、被害に遭った真野・理空と自らの亡き弟を重ね、ふと思う。
(「……弟がまだ生きていたら、同い年か」)
 さらに、数多くある世界のうち、ここが自身の故郷に酷似していたことも要因として大きいのだろう。
「子供を喰らう、ね」
 大柄なシャーマンズゴースト、水貝・雁之助には義理の子供がいる。それだけに、この事件を許すわけにはいかないと考えていた。
「……どこの世界でも、本当に度し難い連中はいるものだよね」
 それは、黄色の髪に瞳を持つ大人びた少年、天星・暁音も同じようである。
 少年が持つ、恐怖、そして痛み。
 そういったものを、暁音は所持する『共苦の痛み』によって共感できるのだ。
 彼も心の奥底では他人を怖れる部分があり、あまり人付き合いが得意とは言えない。
「でも、だから……力になってあげたいな」
 確実に事件を解決する為にも、儀式場の場所を知っている件の少年理空から話を聞いておきたいが……。
「……僕だと、怖がらせちゃうかなあ?」
 果たして、理空は雁之助の姿を受け入れてくれるかどうか。
(「いきなり他国の齢の違う奴等が押しかけたら、進む話も進まないだろう」)
 そう考え、楓はUDC組織へと事件の近場にある高校の女子制服を手配してもらっていた。

 黒い巨躯の体のウォーマシン、ビードット・ワイワイは仲間達が直接少年と接触する前に、その町の市役所へとハッキングを行っていた。
 目的は、少年、真野・理空の住民票謄本。
 これを確認することで、彼は理空の家族構成と住所を把握する。
(「理空に、兄弟はあらず」)
 この為、ビードットは病院へと面会に訪れるも、顔も合わせすらしない理空の両親へと接触する。
 その際ビードットは組織から警察手帳を借り、目立たぬようにと警官に扮していた。
「聞きたりけれど、理空の最近の動向は把握せし?」
 できる限り目立たぬよう変装して、情報収集しようとするビードット。
 とはいえ、見上げるような体躯を持つ彼の姿には、真野夫婦もかなり面食らっていた様子だった。
 生憎と両親も息子の動向をほとんど把握はしていなかったが、理空は連絡用にと与えられていたスマートフォンを使い、SNSで己の主張は行っていたらしい。
 ――学校なう。つまらない。
 ――帰宅したけど、することないからその辺をぶらつこう。
 ビードットは彼の呟きを確認し、自宅近くの人の少ない場所で連れ去られたのではないかと予測を立てる。
 だが、少年が発見されたのは襲撃予測地点の隣町。
 UDC怪物の活動範囲の広さは分かったが、それだけで儀式場の場所を絞り込むのは難しそうだ。

●少年との接触
 理空は現在、病院に入院中とのこと。
 医者の了解を取り付けつつ、猟兵達は少人数ごとに理空へと聴取を行うことになる。
(「男子ってのはね、動く物が気になって仕方ないんだ」)
 近場の高校の制服であるブレザー姿となった楓。
 彼女はその場で、刃を潰したおもちゃ刀、手裏剣、鎖鎌でジャグリング曲芸をして見せる。
 これが個室だったのが幸いというべきか。他の病人がいたら、ナースコールを押されていたかもしれない。
 とはいえ、本当なら楓は一輪車乗ってやって見せたところだったが、室内、しかも病院内とあって彼女も自重せざるを得なかったようだ。
 それに、少し興味を示す理空へ、楓は名乗る。
「あたしは日向・楓。異世界を股にかける猟兵で、正義のニンジャなんだ」
 そんな彼女に疑いの視線を向ける理空に、楓は名前を尋ねた。
「……真野・理空」
「変な名前だな」
 茶化す彼女は先ほど自分が使った曲芸用の玩具を触らせ、少しでも彼との距離を縮めようとする。
 その最中、流れで楓はベース宛の連絡先の書いたカードを手渡して。
「困った事があったら、いつでも呼びなよ」
 まだ、他の仲間が待っていることもあり、楓はその場から身を引いていく。

 続いて入ってきたのは、相棒の柴犬モコや、小さな動物を引き付けた雁之助だ。
 予め楽器演奏で動物達の気を引いていた彼は餌も渡し、一緒に来てくれるようにとお願いする。
 ただ、病院に多数の動物を連れてくるのは難しい為、雁之助も連れてくる動物は厳選していた。
「怪我は大丈夫か?」
「う、うん……」
 動物を引き連れた人外とも思える容姿の雁之助の言葉に、理空も驚いていたようだった。
 近寄る柴犬モコや雀達と交流することで、若干だが理空の警戒心も薄らいでいたようだ。
「……僕達は、悪い奴等と戦ってる」
 先に、雁之助は彼に嫌なことを思い出させてしまうことを謝罪する。
 その上で、辛いようなら話さなくてもよいと告げてから、改めて頼む。
 ――悪い奴等に此れ以上被害を出させず、理空君を狙わせない為にも。
「奴等の居場所を教えてほしい」
「………………」
 しかしながら、閉ざした少年の心を開ききるまでには至らなかったようだ。

●荒事で聴取は好まぬものの……
 猟兵達は少しずつ理空の心を開いてはいるはずだが、なかなか彼が儀式場の場所を教えてくれるまでには至らない。
 そこで、先ほど理空の両親と話をしていたビードットが入り、催眠術、誘惑といった手段を使って判断を鈍らせつつ、信頼を取り付けようとしていた。
 コミュ力を使ってビードットは言いくるめようとするが、それでもなかなか理空は心を開かない。
 それもあり、ビードットが情報を確認し直すべく部屋を出ると、入れ替わりで、ふわふわとした綿菓子のような印象を抱かせる、アリス・セカンドカラーが入ってくる。
 まだ幼さも感じさせるアリスだが、ラブフェロモンを使って少年を魅了しようとして。
「ふふ、わたしのことはお姉さまって、呼んでくれてもいいのよ♪」
 理空にとって、アリスは年上の女性。
 異性を意識してやや頬を赤らめる少年に、アリスは「おねしょたおねしょた☆」と気を良くする。
(まぁ、『仲良く』成りすぎると、巻き込むまいとして口を閉ざしそうだけど)
 少年の優しさを感じながらも、アリスは無問題と聴取を続ける。
「ねぇ、ちょっとだけ遊ばない?」
 話を持ち掛けるアリスはヒプノセラピーを使い、当時の状況を本人から語ってもらうことにしていた。
「あの日、僕は家を出て、当てもなく近所を歩いていたら……」
 彼は突如、羽の生えた化け物と直面し、そのまま隣町まで連れ去られてしまったらしい。
 そこまで話した理空はハッとして、口をつぐむ。
(「あんまり、使いたくはないのよね」)
 マインドジャック……念動力を使い、直接彼の脳へとハッキングを試みることもできるが、アリスにとってそれは最終手段。
 仲間の説得状況を見てから彼女はそれを使うかどうか決めることにし、この場は離れることにしたのだった。

●少年の痛みに共感するからこそ……
 次にやってきた千秋は理空の口から直接、儀式場の場所を教えてくれるこをと期待し、接していく。
「僕は幼い頃、両親が離婚しまして」
 重い話から始まる千秋の身の上話。
 彼は妹と共に母に捨てられ、母方の祖父母に育てられたのだと言う。
 だが、その祖父母も、妹も、もういないのだと千秋は言葉を詰まらせて。
「見知らぬ闇の組織のオブリビオンに、家族をみんな殺されて……」
 UDCアースの一般人にとって、それは都市伝説や映画の世界のような話。理空もいつしか話に聞き入っていた。
 一命を取りとめた千秋はその後、何の因果かサイボーグに改造され、猟兵として、ヒーローとして戦っている。
 自身がヒーローらしいかはさておきと、千秋は身の上話を脇に置いて。
「理空さん、何か力になれる、力になるような情報はありませんか?」
 そばには、暁音の姿もある。
「俺は両親から嫌われてた身だから、両親の不仲には力にはなれないけど、聞くくらいは……」
 まだ自分よりも幼いのに、しっかりとした考えを持つ暁音。
 彼は理空の心の痛みを感じ、それに引きずられすぎるのは良くないと感じながらも、そっと寄り添う。
「大丈夫だよ。きっと元気になるから」
 自分と同じ、いや、それ以上に痛みを持つ2人。
 これまでに来た猟兵達も、いや、大人も、先生も、クラスメイトも、自分に優しい言葉をかけてくれてはいた。
 ただ、今ここにいる2人は上辺だけでなく、自分のことを心底心配していることが理空にも徐々に伝わっていたのだろう。
「僕は、僕達はここにいます」
 千秋の言葉に暁音も頷く。
 そして、彼らは……特に千秋はヒーローだと名乗った。彼ならば、追ってくるあの鳥の化け物を倒してくれるかもしれないと、理空は淡い期待を抱いて。
「ぎ、儀式場の場所は……」
 理空はようやく、重い口を開いてくれる。
 鳥のような怪物に連れ去られた時、空から見た地形を。
 そして、儀式場から必死に逃げた道を。
 できる限り思い出し、彼は猟兵達へとその場所を細かく伝えてくれたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『嘲笑う翼怪』

POW   :    組みつく怪腕
【羽毛に覆われた手足】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    邪神の加護
【邪神の呪い】【喰らった子供の怨念】【夜の闇】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ   :    断末魔模倣
【不気味に笑う口】から【最後に喰らった子供の悲鳴】を放ち、【恐怖と狂気】により対象の動きを一時的に封じる。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●不気味に笑う怪物達
 UDCアースのとある街、裏路地の奥のそのまた奥。
 そこは、日の光もほとんど入らぬ薄暗い場所。
 寂れた建物の中に入れば、鉄臭さと腐臭がかなり鼻につく。
 よく見れば、広い室内のあちらこちらには血がこびりついており、肉片や骨があちらこちらに散らばっている。
「ヒヒヒヒヒッ……」
「ヒヒッ、ヒヒヒヒヒ……」
 さらにその室内には、多数の不気味な怪物どもの声が響き渡っていた。
 口元を赤いもので濡らすそいつらは、『嘲笑う翼怪』。
 そいつらはこの場まで連れ去ってきた子供達を直接喰らうだけでなく、生贄にして儀式を行うこともあるのだ。
 儀式とは、彼らを束ねる暴食の邪神の復活。
 オブリビオンとして再度この世界に邪神を蘇らせるべく、翼怪どもはぶつぶつと怪しげな詠唱をして新たな儀式を進めていた。
 生贄が生きたままだとまた逃げられると翼怪どもは考えたのか、今度はすでに動かなくなった小さな体が魔法陣の真ん中へと設置されている。
 直に、儀式は完了する。もう止めることはできない。
「ヒヒヒヒヒッ……」
「ヒヒッ、ヒヒヒヒヒ……」
 翼怪達が崇拝する邪神の復活までは、もうすぐ……。
ビビ・クロンプトン
サンディさん(f03274)と一緒に、戦うよ……。
臭い、きつい……。さっさと終わらせて、帰ろう……。

POW
「ヴァリアブル・ウェポン」で命中率を重視して、翼怪達を容赦なく【2回攻撃】して【傷口をえぐる】よ……。まずは数を減らすことを、優先……。できるなら、次々倒していきたいね……。
後ろでサンディさんが援護してくれると考えると、心強い。より効率的に敵を倒せる、よね……。
敵の返り血とか浴びることになるだろうけど、私は気にしない……。拷問具は敵の返り血でも動くし……。
……サンディさんが、呼んでる?血が目に入りそう?それは困る……拭ってくれて、ありがとう。


サンディ・ノックス
ビビ(f06666)と同伴

ふーん
この散らかし方からして知能はそこまでなさそうなのに
一丁前に儀式なんてするんだね

戦闘になったらすぐ武具と一体化
黒の甲冑で全身を覆う姿

ビビが前に出るみたいだから俺は後方から【解放・夜陰】で援護
できる限り【2回攻撃】してビビの攻撃と同一相手を狙い数減らし
こちらに向かってくる野暮な奴は【見切】ったり【フェイント】して【カウンター】で叩き斬る

ビビは返り血を気にしていないみたいだけど
動きに支障が出るのはいただけないな

ちょっとこっちおいで?額にも血がついてる
目に入ったら視界が悪くなるよ
と顔についた血は拭ってあげる

彼女に礼を言われたら
どういたしまして、頑張ってね
とにっこり見送る


草野・千秋
(鉄臭さと腐臭に顔を歪め)
(一瞬だけ骨や肉片から目を逸らし)
子どもを食らって自らを超強化するとは……
(拳を握り)
許せない!
邪神も、お前のような化け物も
断罪してやる!
邪神の復活は阻止だ!

ヴァリアブル・ウェポンで
2回攻撃を意識して当てていく
敵の攻撃は盾受けで庇っていく
僕らは仲間だ、猟兵だ

断末魔模倣、痛々しい声がする
罪もない子どもの声だ
心が痛くて仕方がない
(きゅっと目を瞑り)
……痛かっただろうね、怖かっただろうね
駆けつけるのが遅くてごめんね
夜の闇に負けはしない!


日向・楓
まずサイバーアイで数と建築物の詳細、区画の広さや地形を確認、他の方々へ伝達
戦闘に入る前にフック付きロープとリストレインウェイブ、UCで翼怪の逃げ道を封鎖する

自分の指先を噛み切り、血を生贄に捧げUCを発動
足を止めず機動戦を行い
光の網で捕縛をメインに行動、執拗に翼を狙う
防御は考えない、自敵共に戦場に血が増えた方がUCの出力、拘束力が上がるからだ

他世界の行く末なんて知ったことじゃないが
これ以上、こいつらに子供の犠牲は増やさせない

今回の目的は逃げ道の封鎖と翼怪の飛行の封印



●群がる翼怪どもを蹴散らすべく
 被害者の少年から得た情報を元に、儀式場へと移動する猟兵達。
 異邦の服を纏う緑髪をポニーテールとした日向・楓はサイバーアイを使う。
 しばらく楓は目的の建物を外観から分析し、その広さ、地形などを仲間達へと伝達する。
 その上で、楓は中にいるはずのUDC怪物どもが外へと出ないように、フック付きワイヤーや雷光を放つ魔導網で相手が逃げぬよう封鎖していく。
 他の猟兵達は建物内へと踏み込んで。
「…………!」
 茶髪のサイボーグ、草野・千秋は中の鉄臭さと腐臭に顔を歪め、散らばる骨や肉片から思わず緑色の瞳を逸らす。
「ふーん」
 線が細く中性的な容姿のサンディ・ノックスは冷めた青い瞳で、一通り儀式場内を見渡す。
「この散らかし方からして知能はそこまでなさそうなのに、一丁前に儀式なんてするんだね」
「臭い、きつい……。さっさと終わらせて、帰ろう……」
 そのサンディに同行する無表情なサイボーグのビビ・クロンプトンが言葉で直接不快感を示す。
「そうだね」
 ビビに同意したサンディは武具と一体化し、全身を黒の甲冑で覆う。
「ヒヒヒヒヒッ……」
「ヒヒッ、ヒヒヒヒヒ……」
 儀式場へと立ち入ってきた猟兵達に気づき、儀式の手を止めた『嘲笑う翼怪』どもは一斉に振り返って不気味な笑いを浮かべる。
 その口回りに赤いモノを確認し、千秋は力強く拳を握りしめて。
「子どもを食らって自らを超強化するとは……許せない!」
 千秋は自身の体に内蔵された銃火器を展開し、連続放射を浴びせかけていく。
「邪神も、お前のような化け物も断罪してやる! 邪神の復活は阻止だ!」
 叫ぶ千秋の前へ、ビビが飛び出して。
「まずは数を減らすことを、優先……」
 ビビは熱線銃を展開して放射し、その上で拷問具を手にして容赦なく相手の傷口を抉る。
 敵の数が多いこともあり、できるなら次々倒していきたいとビビはさらに攻め立てていく。
 その後方からは、サンディが援護に回ってくれていた。
「残念、これが見えちゃったんだね? 気付かないほうが幸せだったろうに」
 漆黒の剣を構えたサンディは闇属性を持つ漆黒の水晶を放ち、ビビが狙う翼怪の体を撃ち抜いていく。
 そんなサンディに、ビビは心強さを覚える。
 しかしながら、群がってきた翼怪の数が多すぎた。
 群がる翼怪どもは子供達の怨念を宿し、または邪神の呪いを宿して殴りかかってくる。
 ビビはそれらを喰らいながらも反撃するが、敵は思った以上に素早い。
 サンディもまた複数の翼怪を相手にしていたが、そいつらの殴打に対してフェイントを織り交ぜ、カウンターをと黒水晶を撃ちこんで傷を与えていった。
 そこで、外の包囲網を整えた楓も参戦し、自らの指先を噛み切る。
「これは、最悪の犠牲を避ける為の……」
 そして、自身の血を贄とすることで、楓はユーベルコードを発動させていく。
 素早く儀式場を駆け回る彼女は翼怪どもを視認し、纏めて雷光の網で絡めとっていった。
 ただ、一部は激しく抵抗してその網を破ってしまう。
 攻撃を受けた翼怪達は不気味に笑う口から、次の瞬間大声を上げた。
「いやだ、いやだあああああああぁぁっ!!」
「お願い、助けて、助けてえええええ!!」
 それは、甲高い子供達の声。翼怪どもは食らった子供達の悲鳴、断末魔を真似たのだ。
 あまりに痛々しいその叫び声に、千秋はぎゅっと目を瞑ってしまう。
(「罪もない子どもの声だ」)
 ――心が痛む。
 目の前の怪物に命を奪われた子供達を思えば、心が痛んで仕方がない。
「……痛かっただろうね、怖かっただろうね。駆けつけるのが遅くてごめんね」
 夜の闇を宿す翼怪の攻撃などに負けるわけにはいかないと、千秋は弾幕を強めていく。
 楓も一瞬、子供達の叫び声に身を竦めてしまっていた。
 その上で、近場の翼怪が羽毛に覆われた手足で組み付いてくる。
 楓はそれらをなんとか振りほどきながらも、さらに光の網を発して。
(「これ以上、こいつらに子供の犠牲は増やさせない」)
 楓はとにかく、この場で翼怪どもが飛ばぬよう注力していたようだ。
 そんな中、ビビ、サンディペアは群がる翼怪が退避したタイミングで、立て直しをはかる。
「動きに支障が出るのは、いただけないな」
 サンディは相手の返り血を浴びるビビの様子が気になり、こっちにおいでと手招きした。
「私は気にしない……」
 拷問具は敵の返り血を受けても、問題なく稼働する。
 そう考えたものの、折角サンディが呼んだのだからと近づいて。
「額にも血がついてる。目に入ったら視界が悪くなるよ」
「血が目に入りそう? それは困る……」
 サンディはハンカチを取り出し、表情こそ変えぬもののやや困った口調をしたビビの額についた血を拭き取る。
 そして、顔についたものまで、彼は丁寧に拭っていく。
「……拭ってくれて、ありがとう」
「どういたしまして、頑張ってね」
 程なく顔をすっきりとさせたビビが礼を告げると、サンディが表情を緩めて彼女を鼓舞する。
 奥にはまだまだ、翼怪どもがいるようだ。
 そちらに向かうビビをサンディは後方から見送り、さらに後方支援に当たっていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

アリス・セカンドカラー
悪いけど、精神干渉系の超能力ならわたしも得意なの。
と、自分にマインドジャックをしかけ、脳を弄り思考を変性意識とダイレクトに繋ぎ表層意識のノイズをシャットダウン。コレで惑わされることはないわ。

コレが【喰らった子供の怨念】を人工未知霊体としてアリスのペット♪で召喚しましょ、さぁ、復讐の時は来た。わたしの念動力と生命力吸収の技能を貸してあげるから存分に暴れなさい。

子供達の魂に安らぎを、化け物共に終焉を。真なる夜の到来よ。範囲攻撃で出来るだけ多くの翼怪を呑み込んでエナジードレインするわ。何もかも怨念すらも奪い尽くして、最後に残る子供達の魂に幸いあれ。


天星・暁音
…絶対絶対許さない。
沢山の子供たちを傷つけて貪って、魂すら捧げようとするその行為を俺には到底許容なんて出来ない。
望んで得た力ではないけれど今も痛むこの身が子供たちの痛みと苦しみ、恐怖と悲しみを知らしめるから…だから邪魔させて貰う。
死者は戻らないけれど…その安息を祈る為にも…


容赦なく手加減なく【高速詠唱・範囲攻撃・全力魔法】で特大の一撃を撃ち込みます。
その後も続けてコードを撃ち込みつつ敵が近づいたら神楽鈴や鉾先舞鈴でもって舞うように、その鈴の音に【祈り・破魔】で破邪の力を乗せて【なぎ払い】ます。


仲佐・衣吹
悲惨な儀式の現場を見て顔をしかめる衣吹(人格ベスト)
ワシが代わろうと老人人格のコートが申し出るから
ごめん、と謝ってから人格交代させてもらうよ

トリニティ・エンハンスで状態異常力を強化
邪神の加護により呪縛、流血、毒の代償を受けた個体を狙い打ち据えていく
バッドステータスを増やし更に弱らせていこうぞ

組みつかれればこちらも冷静に相手を掴み返し
逃げられないようにして一太刀入れよう
死した子は戻らぬが大人しく化け物の食い扶持にやる気ほど優しくはないぞ


ビードット・ワイワイ
見たり見たり見たり、汝の破滅を見たり。子を拐いて儀式せりども傲慢さゆえに発見されり。汝の行い延命でなく。その行いにて命を絶やす。汝の破滅はここにあり。

こやつらの声は耳障りなり。その喉潰してしんぜよう。
【ガジェットショータイム】にて杭を発射せし【目立たない】よう【迷彩】を施されし小型車を複数作成。【早業】にて【武器改造】を施し杭の先を弾着時、炸裂せしものに改造。【属性攻撃】にて杭自体に酸を付与。これにて弾着時に炸裂し、外れようと炸裂するため辺りに酸を纏った鉄片が敵を襲おう。
縦横無尽に小型車を走らせ杭にて声帯を破壊しよう。汝には苦悶の声すら必要無き


水貝・雁之助
ああ、うん
本当に胸糞悪くなる奴等ばかり、だね

お前らの頭じゃ理解出来ないだろうけど、さ
子供達を喪った親の苦しみ、理不尽に未来を奪われた子供達の絶望、此れから
ずっと恐怖の記憶を引きずるかもしれない理空君の痛みを思い知らせてやるから
覚悟すると良いよ・・・!

建物の『地形を利用』し家具や壁の破片等の室内に散らばる物を盾にしたり
投擲した後直ぐに攻撃する等のフェイントに利用しながら戦闘
猟兵に不利な地形はグラフィティスプラッシュで塗り替えながら一体一体確実に
倒していく

又、他の猟兵が攻撃する際に敵の避けそうな所に攻撃して回避行動を牽制したり
羽の付け根や足の辺りを攻撃して動きの阻害を狙う

怒りは其の侭に冷徹に屠る



●翼怪に本当の痛みを
 さらに、儀式場へと駆け付けてくる猟兵達。
「……ああ、うん」
 放浪の画家系シャーマンズゴーストである水貝・雁之助は、儀式場内の惨状に本音を漏らす。
「本当に胸糞悪くなる奴等ばかり、だね」
 表情からは伺うのが難しいが、雁之助は並々ならぬ怒りを秘めている。
「……絶対絶対許さない」
 黄色の髪と瞳、まだ幼さも感じさせる天星・暁音も、憤りを隠さない。
「沢山の子供たちを傷つけて貪って、魂すら捧げようとするその行為を俺には到底許容なんて出来ない」
 彼はすぐさま先端が大きな三日月状をした『星杖シュテルシア』を両手に構え、高速詠唱を始めていた。
 ただ、儀式場の状況に、怒りを露わにする者ばかりではない。
「見たり見たり見たり、汝の破滅を見たり」
 黒い巨躯のウォーマシン、ビードット・ワイワイは引き笑いするUDC怪物どもを視界に捉えて。
「子を拐(さら)いて儀式せりども、傲慢さゆえに発見されり」
 だが、翼怪はビードットの言葉を全く理解していないのか、ただ笑うのみ。
「汝の行い延命でなく。その行いにて命を絶やす。汝の破滅はここにあり」
 一通り告げる間に彼はガジェットを変形させ、目立たぬようにと迷彩を施した小型車をいくつも作成していた。
「…………」
 スーツ姿にコートを羽織る仲佐・衣吹は多重人格者だ。好青年ベストの人格を前に出していたが為に、悲惨な儀式の有様に顔をしかめてしまっていた。
(「ワシが代わろう」)
(「ごめん」)
 一言謝ったベストが下がり、老人人格であるコートが前に出てくる。
 そうして、衣吹は炎、水、風の魔力を操り、状態異常力を高めていたようだ。
 すでに戦いを進める仲間達との交戦状況を見ながら、ミステリアスな少女、アリス・セカンドカラーは告げる。
「悪いけど、精神干渉系の超能力ならわたしも得意なの」
 彼女は先んじて、自らにマインドジャックを仕掛けてみせた。
 敢えて自らの脳をいじることで、アリスは自らの思考と意識を直接繋ぎ、表層意識からくるノイズをシャットアウトしようとしたのだ。
「コレで惑わされることはないわ」
 準備を整え、真なる夜(デモン)に姿を変えていくアリスの後ろから、雁之助がフリーになっている翼怪へと近づいて。
「お前らの頭じゃ理解出来ないだろうけど、さ」
 ペイントブキを手にした彼は、翼怪へと語り掛ける。
 ――子供達を喪った親の苦しみ。
 ――理不尽に未来を奪われた子供達の絶望。
 ――此れから、ずっと恐怖の記憶を引きずるかもしれない理空君の痛み。
「思い知らせてやるから、覚悟すると良いよ……!」
 声を凄ませた雁之助が相手に塗料をぶち撒けると、詠唱を終えた暁音が星杖を突き出して。
「走れ魔法陣。輝け! 裂光流星(シャイニング・エストレア)!」
 天に描いた魔法陣から、彼は手加減なしに特大の星の光の奔流を翼怪らへと浴びせかけていくのである。

 儀式場内へと猟兵達が集まってきたことで、翼怪への攻撃も加速していく。
 雁之助は共に戦う仲間の為に塗料で塗り替えつつ、儀式に使われる器具などを投げつけて盾とし、翼怪の攻撃を凌ぐ。
 器具の投擲は、敵に対するフェイントにもなる。
 雁之助は相手が羽毛に包まれた腕で払いのけるタイミングで、しっかりと塗料を塗りつけて敵を床へと張り倒していく。
 子供の悲鳴を上げようとする敵に不快感を示すビードットは、小型車を手早く武器改造する。
 元々、杭を発射できるよう彼は小型車に細工をしていたのだが、その先端が着弾時に炸裂するように改造した上で、杭に酸を付与していく。
 先端さえヒットすれば、炸裂して酸を纏った鉄片が翼怪へと浴びせかけるという仕組みだ。
「やだ、助けて、助け……!」
「こやつらの声は耳障りなり。その喉潰してしんぜよう」
 そいつらの喉目掛け、ビードットは小型車から杭を発射していく。
 衣吹も邪神の呪いを宿して強化した敵目掛け、呪い、流血、毒といった副作用を受けたものを強めて相手を苛み、弱らせていた。
(「望んで得た力ではないけれど……」)
 今も痛むこの身が子供達と痛みと悲しみ、恐怖と悲しみを知らしめる。……だから、暁音は再度魔法を詠唱し、星の光の奔流を翼怪らへと浴びせかける。
「死者は戻らないけれど……、その安息を祈る為にも……」
 暁音は相手が近づいてきたこともあって、『神楽鈴』や『鉾先舞鈴』を両手に持って鈴の音を鳴らす。
 祈る彼は破魔の力を持ってそれらの祭器で薙ぎ払い、翼怪どもを打ち据えていく。
「さぁ、復讐の時は来た」
 アリスが近場で自身の念動力と生命力吸収の技能をもって、喰らった子供の怨念を人工未知霊体として呼び出す。
 ――助けてって、言ったのに。
 ――いやだよ、もう痛いのは、いやだよ。
 そんな子供達の声を耳にし、アリスは口元を吊り上げていた。

 翼怪どもはただ、邪魔な猟兵達へと襲い掛かってくる。
 思慮深い老人人格のコートが前に出た衣吹は冷静に、組み付いてくる敵をつかみ返す。
「死した子は戻らぬが、大人しく化け物の食い扶持にやる気ほど優しくはないぞ」
 相手の力は非常に強く決してダメージがないわけでないが、彼は相手が逃れられぬ状態からダガーでその胸部を強く突き刺す。
 暴れていた敵ががっくりとうなだれる横で、ビードットが別の翼怪の喉を狙い続ける。
 素早い敵を捕捉するのにビードットも一苦労しつつも、周囲を走らせた小型車で相手の動きを狭めて。
「汝には苦悶の声すら必要無き」
 そして、彼は相手の喉元目掛けて杭を突き入れて炸裂させ、喉だけでなくそいつの体ごと破壊していった。
 杭を避けていた翼怪は雁之助が羽の付け根、足をペイントブキ攻撃することで、動きを鈍らせていく。
 彼は怒りを込め、持ち替えた獣奏器の刃で翼怪の首を掻ききって見せた。
「存分に暴れなさい」
 小悪魔のような微笑みを浮かべ、アリスが敵陣へと呼び出した霊体をけしかけていく。
 ――子供達の魂に安らぎを、化け物共に終焉を。真なる夜の到来よ。
 できる限り多くの翼怪を巻き込み、霊体は何もかもを奪いつくす。
 最後に残る子供達の魂に幸いあることを、アリスはただ願うのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『牙で喰らうもの』

POW   :    飽き止まぬ無限の暴食
戦闘中に食べた【生物の肉】の量と質に応じて【全身に更なる口が発生し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    貪欲なる顎の新生
自身の身体部位ひとつを【ほぼ巨大な口だけ】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    喰らい呑む悪食
対象のユーベルコードを防御すると、それを【咀嚼して】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●復活する暴食の邪神
 気づけば、翼怪はその全てが羽を散らし、儀式場の床へと倒れていた。
 だが、猟兵達がほのかに部屋の中央が光り輝いていることに気づく。
 贄として捧げられた子供の遺体をもって、蘇るは全長5mもある暴食の邪神。
 かろうじて人型ではあるが、大きく突き出た頭部は避け、数えきれない牙が突き出している。
 口は1か所だけではない。脳天や背中にある小さな頭、そして腹部にも裂け目があり、舌がだらりと垂れている。
 それらの口全てが生ある者を悉く貪り食うのだろう。
「「「ぐおおおぇぇええええやああああぁぁっ!!」」」
 生きる者がある限り、全てを喰らう暴食がこの世界へと解き放たれ、この場の猟兵達へと襲い掛かる……!
水貝・雁之助
・・・余りこの技は好きじゃなかったんだけどさ・・・お前らみたいな外道相手なら話は別さ

罪を償えなんて言わない
償える罪じゃないんだから

ただ、犠牲になった子供達の痛みの一部でも貴様等の主から受ける事だ!

倒した翼怪共をGリボーンで操る
地形を利用しその場にある物を盾にして味方を守らせたり味方の攻撃のタイミングに合わせて敵の回避する方に攻撃させて
回避行動を牽制
味方の攻撃が当たるよう援護

自身も同様に味方を援護し地形を利用したり、敵の攻撃の際に足などを攻撃してバランスを崩させて敵の腕等を噛みつき攻撃を防ぐのに利用
つまり『敵を盾にする』等して戦う


とっとと滅びろくそ野郎が
子供達の痛み思い知って地獄に堕ちやがれ!


天星・暁音
させない…ここから先へは絶対通さない。
子供達の弔いはまだ終わってないし理空くんの恐怖に立ち向かった勇気に応える為にも、絶対に君を通さない。
俺のやるべきことは皆を治すことだけど…皆を治し続ける。
それが君を止める力になると信じるから…


【勇気・覚悟】で立ち塞がり【優しさ・祈り】で仲間を癒やしつづけます。

戦闘後に余裕があればここで亡くなった子達の為に巫女として安息と鎮魂を祈り舞いを捧げます。



●暴食の邪神
 儀式場中心の魔法陣が放つ淡い光。
 そこから現れたのは、異形の姿をした大きな体躯を持つオブリビオンだ。
「ぐがおおおおおぉぉっ!!」
 翼怪どもが儀式によって、呼び出してしまった暴食の邪神。
 そいつはこの世界全てを喰らいつくすまで止まることはなく、手始めにこの場に倒れる翼怪からバリバリと食らい始める。
「させない……ここから先へは絶対通さない」
 まだ幼いながらも、年不相応の落ち着きも見せる天星・暁音。
 ――命を落とした子供達の弔いがまだできてはいない。
 ――そして、恐怖に立ち向かった理空の勇気に応えたい。
 彼はそんな強い想いを抱き、目の前の邪神と対する。
「絶対に君を通さない」
 暁音は自らのやるべきことは皆の癒しだけだと判断し、『星杖シュテルシア』を手に回復支援に当たる。
 その手前には、シャーマンズゴーストの水貝・雁之助が死神を見据えてすでに構えをとる。
「……余りこの技は好きじゃなかったんだけどさ……。お前らみたいな外道相手なら話は別さ」
 彼はまだ邪神に食われていない翼怪の体を操る。
「罪を償えなんて言わない。償える罪じゃないんだから」
 その姿はシャーマンズゴースト人間へと変わり、戦場を立ち回り始める。
「ただ、犠牲になった子供達の痛みの一部でも、貴様等の主から受ける事だ!」
 そして、雁之助はそいつを暴食の邪神へと向かわせ、噛みつかせていく。
 だが、邪神は逆にそいつへとつかみかかり、大口を開けて喰らいついた。
「があっ、ぐがああおおおおおぉぉっ!」
 それだけではない。邪神は腕を巨大な口へと変え、一直線に雁之助の体をも噛みつこうとしてくる。
 雁之助は翼怪が動く限り、シャーマンズゴースト人間として使役して盾とするが、それでも暴食の口は彼の体まで捉えて食らいつき、その体力を奪ってくる。
「……皆を治し続ける」
 暁音は勇気をもって暴食の死神の前に立ち塞がり、祈りをもって仲間を癒す。
「祈りを此処に、妙なる光よ。命の新星を持ちて、立ち向かう者達に闇祓う祝福の抱擁を……傷ついた翼に再び力を!」
 そうして、雁之助は更に翼怪をシャーマンズゴースト人間へと変えて。
「とっとと滅びろ、くそ野郎が……。子供達の痛みを思い知って地獄に堕ちやがれ!」
 だが、強靭な筋肉を持つ暴食の死神はただ向かい来る相手へと噛みつき、自らの血肉へと変えようとする。
「がおおっ、ぐがおおおええええああっ!!」
 喰えば食う程全身のあちこちに口を増やす敵は力を高め、猟兵達を喰らおうと無数の口を大きく開いてくるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ビードット・ワイワイ
見たり見たり見たり、汝の破滅を見たり。
全てを食らいて進みけれど汝の空腹いつ消えし?
消えることは無かろうて。元より壊れし入れ物が溢れることは無かろうて。
満ちぬ空腹いと虚し。ここが汝の破滅なり。

たとえ相手が移ろうて我がせしこと移ろわず。
【ガジェットショータイム】にてトラバサミを作成しよう。
【目立たない】ように【迷彩】を施し【物を隠す】
【罠使い】の見せどころ也。【挑発】にて【おびき寄せ】
汝の体を食しよう。食われる感触いかが也?
トラバサミにて汝の体を【鎧無視攻撃】にて【串刺し】にし
【時間稼ぎ】しようぞ。
【毒使い】にて生成せし神経毒、【属性攻撃】による酸、
今宵の犠牲者の【呪詛】。汝に安寧は無い。破滅せよ


アリス・セカンドカラー
世界の宝たるロリショタを!こんなもののために!

目には目を、暴食には暴食を。
アリスのペット♪にてアバドンの人工未知霊体を召喚。
神格化された飛蝗、あまねくを喰らい尽くす災害の化身よ。

わたし自身は逃げ足で距離を取りつつエナジードレインで攻撃よ。
まぁ、互いにリソースの奪い合いになるわよね。
イーフィルニエフィルフィンで強化出来るけど、こいつにも似た強化があるのよねー、似たような性能だと千日手になりやすくて嫌になるわ。
でも、わたしは、わたし達猟兵は一人で戦っているわけじゃない。
なら、天秤がどちらに傾くかは自明の理というものよね。



●仲間とトラバサミの罠
「がああええええ……!」
 意味不明な叫びを上げ、片っ端から何もかもを喰らおうとする暴食の邪神。
 そいつの姿を確認したアリス・セカンドカラーが嘆く。
「世界の宝たるロリショタを! こんなもののために!」
 全身ピンク色を基調とした髪に衣装を纏う彼女は、可愛らしい子供達がこんな邪神の贄とされたことに憤りを隠さない。
 ――目には目を、暴食には暴食を。
「さあ、かわいかわいいペット達♪ 出番よー☆」
 アリスはこの場へと人工未知霊体を呼び出す。
 胸元に1と刻印されたアバドンと呼ばれるそれは、神格化された飛蝗。
 あまねくを喰らいつくす災害の化身を向かわせ、彼女は邪神を押さえつけようとしていった。
 その間に、滅びた都市で発掘された古代兵器であるビードット・ワイワイが相手に呼びかける。
「見たり見たり見たり、汝の破滅を見たり」
 ビードットは全てを喰らわんとする邪神へ、いつ空腹が消えるのかと尋ねた。
「ぐおあああああうううう……!」
 だが、とても言葉が通じる相手には思えない。
 ビードット本人も、元より壊れた入れ物が溢れることは無いのだろうと結論付ける。
「満ちぬ空腹いと虚し。ここが汝の破滅なり」
 ビードットは先ほどの戦いと同様にガジェットを使い、周囲へとトラばさみを作り始める。
 ここは罠使いの本領発揮と、彼も張り切っていたようだ。

 己の呼び出した人工未知霊体が消えてしまったことで、荒ぶる邪神へとアリスは掌を突き出して。
「奪い尽くしてあげる♪ なにもかも☆」
 彼女は邪神に噛みつかれぬよう距離をとりつつ、相手のエナジーを奪い取ろうとする。
 だが、敵もすぐに距離を詰めてアリスへと噛みつき、その攻撃によるダメージを補填していく。
(「まぁ、互いにリソースの奪い合いになるわよね」)
 相手から得たエナジーで内なるデモンにリソースが蓄積するのをアリスも感じてはいる。
 ところが、相手は時にアリスのエナジードレインを防いでくることがあり、咀嚼してそのまま返してくることがあった。
「似たような性能だと、千日手になりやすくて嫌になるわ」
 奪い奪われといった戦いを続けるアリスだが、彼女は……彼女達は1人で戦っているわけではない。
 突如、暴食の邪神が足を止める。
 見れば、トラバサミがしっかりとその足へと噛みついていたのだ。
 ビードットは戦場となる儀式場の床のあちこちに迷彩を施したトラバサミを仕掛け、巧妙に隠していたのだ。
「汝の体を食しよう。食われる感触いかが也?」
「ぐううああああおおおおぉぉぅぅ!!」
 トラバサミは相手の筋肉をしっかりと串刺しにし、しばしではあるが動きを止めていた。
 他にも仕掛ける仲間達がおり、合わせて毒、酸、そして犠牲者の呪詛といった手段でビードットも攻め立てる。
「汝に安寧は無い。破滅せよ」
 そんな仲間達を目にしていたアリスは。
「天秤がどちらに傾くかは、自明の理というものよね」
 相手が力任せにトラバサミをはがそうとしている間に、アリスはまたも掌を広げ、邪神のエナジーを奪おうと動くのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ビビ・クロンプトン
サンディさん(f03274)と一緒に戦うよ…私が前に出るから、後衛はお願い…
これが邪神…?気持ち悪いだけだね…

(真の姿解放、パワードスーツを身に纏った、人型の兵器というべき外見。
 所持している拷問具は機械兵器。血液を吸収することで更に凶悪に蠢く)

SPD
最初に私が前に出て、相手を【おびき寄せ】るよ。
咎力封じで相手の動きをロープで封じながら、隙を見て拷問具で【2回攻撃】…
傷ができたら、積極的に【傷口をえぐる】よ…こうすれば動きも鈍るはず…
ぐうっ…!噛みつかないで…痛い…!痛い!
…でも、私に気を取られてる今が、サンディさんが攻撃する好機でもある、よ…
…どうしたの?サンディさん。落ち着いて…大丈夫だよ


サンディ・ノックス
ビビ(f06666)と同伴

敵は倒す、それだけだよ
翼怪を食って口が増えたらずっと食べてれば?って笑うけど

真の姿解放
(外見はイラスト参照)
黒剣は鎖鎌に変形させる

引き続きビビ前衛で俺が後衛
鎖鎌形態の黒剣で攻撃しつつ
他人に気を取られたときを狙い小刀を【投擲】して
ユーベルコード、招集・紫を発動
食べられる気分を味わわせてあげるよ

【先制攻撃】を狙い
可能な限り【2回攻撃】
自分が攻撃対象になったら【見切】ったり【フェイント】して【カウンター】

ビビへの噛みつきは引きはがす
攻撃中は動きが止まり隙が生まれる、そうだね
でも気にいらないんだ

そのまま前衛に留まり
強化されたであろう敵は黒剣を扱い慣れた剣形態に戻して
……潰すよ



●噛みついてくる邪神に憤りを
 翼怪戦に引き続き、ビビ・クロンプトンとサンディ・ノックスはコンビで邪神討伐へと当たる。
「これが邪神……? 気持ち悪いだけだね……」
 ほぼ感情を示さぬ銀髪の少女、ビビが前に出て、相方に後方支援を任せる。
 そこで、真の姿を解放するしたサイボーグである彼女はパワードスーツを纏い、人型の兵器へとしての姿をさらす。
 サンディもまた真の力を解き放ち、赤黒い鎧に翼を生やした姿となる。
「敵は倒す、それだけだよ」
 彼は先制攻撃を狙い、鎖鎌に変形させた黒剣でこれでもかと邪神へと切りかかっていた。
「うぐああああええああぁぁああぉぉぅぅ……!」
 その時、トラバサミから抜け出た敵がこちらへとやってくると、ビビが相手をおびき寄せた。
 すると、暴食の死神は手近な獲物と判断した彼女を襲う。
 ビビは手枷、猿轡、拘束ロープと放ち、相手を牽制して動きを止めようとしたが、邪神は構わず彼女へと食らいついてくる。
「ぐうっ……! 噛みつかないで……痛い……! 痛い!」
 相手に対し、ビビはしっかりと機械兵器による拷問具で切りかかる。凶悪に蠢くその武器を攻撃しつつ、サンディを振り返り、絶好の攻撃チャンスだと示す。
 ――気に入らない。
 そのサンディは、邪神が翼怪の死体を喰らっていたタイミングは笑いすら浮かべていたが、邪神がビビに食らいついたのには明らかに不快さを示し、小刀を投擲する。
「食べられる気分を味わわせてあげるよ」
 小刀が突き刺さった直後、サンディは黒い獣の幻影をけしかけ、邪神の身を侵す。
 食らった肉を咀嚼し、新たに口を増やす敵へ、サンディはさらに黒剣を扱い慣れた剣形態に戻して。
「……潰すよ」
 相手の発達した筋肉を切り裂き、その全身からどす黒い血を流す。
 続き、ビビもまた邪神の傷を拷問具で抉り、一度距離をとって。
「……どうしたの? サンディさん。落ち着いて……大丈夫だよ」
 食らいつかれた傷口から赤いものを流すビビが、相方へと問いかける。
 その姿にサンディは怒りを漲らせ、さらに剣形態の黒剣で邪神に切りかかっていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ネレム・クロックワーク
犠牲になってしまった子供の為に、わたしが出来ることなんてないけれど……
邪神は、必ずここで仕留める
……貴方、とても醜い、わね

【SPD】
向こうの攻撃は【見切り】できっちり避ける
今まで積み重ねたダメージの回復なんて、させてあげない、わよ?
【全力魔法】と氷属性の【属性攻撃】を【高速詠唱】で魔導銃に装填
回避不可能な氷の追尾魔法弾の超高速連続攻撃を魔導銃から放つ、わ
それらは当たるまで追って、貴方の時間に鍵をかける
次いで【全力魔法】と【マヒ攻撃】を【高速詠唱】で魔導銃に装填
マヒ攻撃付きの通常攻撃の魔法弾は【2回攻撃】で連射を
攻撃の手は緩めない
とどめの準備が整うまで、【時の鍵】と通常攻撃を交互に続ける、わ



●邪神の動きを止めるべく
 猟兵達の攻撃によって、徐々に弱ってきている暴食の邪神。
 だが、止めには今一歩及ばず、戦う猟兵達を苦しめる。
「犠牲になってしまった子供の為に、わたしが出来ることなんてないけれど……」
 駆け付けた古びた時計屋の主であるヤドリガミの少女、ネレム・クロックワークはチョコレート色の瞳で相手を見据えて。
「邪神は、必ずここで仕留める」
「「「あぐおおおおぉぉおおぇええぇぇぃぃぁぁ……!」」」
 戦いの最中に増えた複数の口が同時に叫び、邪神は狂ったようにネレムへと近づいてくる。
「……貴方、とても醜い、わね」
 腹を巨大な口へと変形させた邪神から、彼女は即座に身を引く。
「今まで積み重ねたダメージの回復なんて、させてあげない、わよ?」
 そして、ネレムは高速詠唱を始め、手にする魔導銃『romantica*』へと装填していく。
「決して逃がさないわ。貴方の時間に鍵をかける」
 次の瞬間、彼女は氷の追尾魔法弾を超高速で連射していく。
「あああぉおぉおぉおぁぁぁ……」
 その魔法の弾丸にすら、邪神は食らいつこうとしていた。
 だが、防御ができなかったのか、邪神はその体を凍り付かせてしまっていたようだ。
 ネレムは攻撃の手を緩めない。
 この場で戦っていた猟兵達の攻撃に続き、高速詠唱で別の弾丸を装填する。今度は、相手の体を痺れさせる為のものだ。
 ――これで、誰かがとどめを刺すことができたなら。
 ネレムは荒ぶる邪神へと魔法弾を撃ち込み、少しでもその体力を削いでいくのである。

成功 🔵​🔵​🔴​

輝夜・レナ
「アンタ、UDCのボスね?
アンタに恨みとか、そういうの全くないんだけど。
アタシの実績の為にアンタには死んでもらうわ。悪く思わないでね!」

【バトルデータ・インストール】で格闘ゲームのデータをインストールしてバトルモードに変換するわ。
「ファイトモード、起動!さぁ、ファイナルバトル開始よ!」

素早く近づいて、小パンチから623+Pで【アトミック・パンチ】!

敵の攻撃は適切にガードして処理して、決め技のチャンスを狙うわ。
隙があれば【ワールドエンド・マキシマム】よ!飛び蹴りからの乱舞技でフィニッシュよ!
「これでトドメよっ!」

倒したことを確認したら、ステータスの実績を確認するわ。
「まだ先は長いわね……」


仲佐・衣吹
ほぅ……まるで正月の羽根突きを思い出すの
負け続けて墨を塗るところが無くなって来たようじゃ
口だらけになった邪神を見やり、老人人格コートが呟く
目の前にあるそれは具現化した恐怖ではなくただの情報だ

どれ、不細工な小童よ、このジジイと遊んでくれるかの
邪神の周りを回りながら伸ばしてくる手足を剣で弾き斬り落としていく
口を開けて来ればその喉の奥に向かってダガーを放ち
むせた所を横から斬って厄介な口も削ぎ落としていこう

こちらの周回を読んで新たな口が発生する様子が見えたら
外装を脱ぎ捨て囮として食いつかせ逆方向に走る

流石に大事な部分に口は作れないようだの
胴体の中央、心臓に向かって加速したダガーを撃ち込もう



●暴食の邪神にトドメを
 儀式場での戦いも佳境に入っている。
 鳴り物入りで突入してきたのは、紫の髪をポニーテールとした輝夜・レナだ。
「アンタ、UDCのボスね?」
「「「あぐおおおおぉぉぉぇえええぃぃぃぁぁぁ……」」」
 猟兵達に取り囲まれる邪神は、複数の口から呻き声を上げるのみ。
 レナの問いかけの内容はおろか、こちらの言葉を理解できているのかすら疑わしい。
 レナにとって、暴食の邪神は初対面。これまでの経緯、怨みなどは全くといっていいほどにない。
 しかし、彼女にも彼女の事情がある。
「アタシの実績の為に、アンタには死んでもらうわ。悪く思わないでね!」
 実績を積むことで、かつての電脳世界に戻れるかもしれない。
 そんな期待を胸に、レナは格闘ゲームキャラクターの動作プログラムを自らにインストールしていく。
 猟兵達が戦う最中、コート姿の仲佐・衣吹が考える。
「ほぅ……、まるで正月の羽根つきを思い出すの」
 多重人格者の彼は老人口調のコートのままで、仲間達が戦う邪神を見据えて。
「負け続けて、墨を塗るところが無くなって来たようじゃ」
 正月の羽根つきといえば、負ければ顔に墨をつけるという罰ゲームが有名だが、増えようもないほど、邪神の体は口だらけになっている。
「目の前にあるそれは具現化した恐怖ではなく、ただの情報だ」
 衣吹は目の前の邪神に、畏怖するモノなど何もないと切り捨ててみせてから構えをとる。
「どれ、不細工な小童よ。このジジイと遊んでくれるかの」
「「「おぐいいいぇえぇぇぇああぃぃあぁぁあ……」」」
 何やら告げる衣吹を次のターゲットに決めた邪神は、口ばかりとなった両脚で走ってきた。
 向かってくるその敵の周囲を回り始めた衣吹は、食らいついてくる口つきの腕や足を剣で斬りかかって傷を増やす。
「ファイトモード、起動! さぁ、ファイナルバトル開始よ!」
 その間に、準備を整えたレナが素早く相手へと近づき、小パンチを繰り出してからの跳躍アッパーカットで相手の顎を殴り飛ばす。
「「「あぐおおおぉぉぉお……!!」」」
 ダメージも重なってのけぞりかけた邪神だが、すぐに足を踏みしめて最も大きな顔面の口を開いてきた。
 すると、衣吹がその喉の奥目掛けて、ダガーを投げつける。
「「「ぐ、ぐげええあぁあぁ……!」」」
 血を吐き、悶える邪神へと衣吹はさらにルーンソードで切りかかり、手足にできた口を削ぎ落していく。
 邪神もかなり弱ってきていたからか、暴食の本能のままに周囲の猟兵を喰らってくる。
 食らえば、邪神はまた新たな口を生み出してしまう。
 衣吹はそれを見て、自らのコートを脱ぎ捨てて囮として食いつかせていく。
 大きく口を開いたそのタイミング、防御メインの立ち回りをしていたレナもここぞと仕掛け、飛び蹴りで相手を大きく怯ませた。
「流石に、大事な部分に口は作れないようだの」
「これでトドメよっ!」
 胴体の中央、心臓に向けて、逆サイドへと移動した衣吹が加速したダガーを投げつけると、レナが相手の頭上から拳の連打を見舞う。
「ワールドエンドッ! マキシマムッ! ドラァイブッ!!」
 叫びの最後に、レナは邪神の巨体を強く蹴り飛ばした。
「ぐ、ぐあ、あぇ……ぇ……」
 儀式場の壁に激突して複数の口から舌を垂らし、果てていく邪神。
 猟兵達によって存在を拒絶されたそのオブリビオンは、この世界から姿を消していったのだった。

 邪神の討伐を確認した猟兵達。
 暁音が巫女として、せめて亡くなった子供達の供養をしたいと、この場で舞い踊る。
 それは、安息と鎮魂の祈り。
 幼くして命を落とした子供達の為、序盤から戦っていた猟兵達もまた冥福を祈る。
 そんな他の猟兵から背を向け、レナは1人、自身のステータスの実績を確認して。
「まだ先は長いわね……」
 先の見えぬ戦いを考え、彼女は人知れず溜息をついてしまうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月16日


挿絵イラスト