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人食い森の、静かな音色

#アリスラビリンス


 暗い暗い、森の中。
 二人のアリスは進んでいく。
 腹を空かせ、共に歩む二人の耳に、いつしか響く静かな笛の音。
 あれはなに? と進んでみれば……足元に転がる、人の死体。
 ここはまずい……と元の道へ戻る彼らに、笛の音は一人の女性の姿をとる。
 ──おやおや、急いでどこへ行くのです?
 女性の問いに、二人は答えました。
 ──この森には、人を食べるモノがいます。
 その言葉に女性は笑いながら、三日月のような口を開いて言いました。
 ──そんなものはいませんよ……でもね。
 黒い薔薇が一人のアリスの胸に刺さり、
 ──あなた、お腹が空いているのではなくって?
 ──倒れた一人はただの肉……そうでしょう?
 そう笑う女性の声が、暗い森に響き渡っていた。

「……本当、この世界は嫌い。」
 一通り説明をしていた編堵は、ぬいぐるみを抱きながら吐き捨てるように呟いていた。
「そんなわけで、アリスラビリンスの一つの世界で、オウガがアリスを殺そうとしてる。
 暗い森に2人組のアリスを誘い込んで、片方を殺して……食べさせるの。
 人が、人を食べるなんて、普通は嫌でしょ?
 でも、他に食べ物もないし、オウガの迷宮に閉じ込められて……。
 最後は、オウガが自ら殺す、みたい。
 ……最初に殺される方が良かった、と思うような方法で、ね。」
 内容はともかく、意外と淡々と話す編堵。
「それで、今回守ってほしいアリスは、男の子と女の子の2人。
 両方とも15歳くらい兄妹……なのかな?
 しっかりしてるけど怖がりな兄がコウ、びくびくしてるけど意外と肝がすわってる妹がアキ、そんな名前で呼んでた。
 そんな感じの2人が、真っ暗な森で迷ってるから、一緒に歩いて行ってほしい。
 扉も森の外だから、大変だけどよろしく。
 それと……この森では、敵が出ない場所で明かりはつけない方がいいよ。
 夜目がきかない鳥たちが、木の上にいっぱいいる……こいつらが、光を目印に襲ってくるから。
 他の敵がいるところにはいないから、それまで気を付けて。
 じゃあ、お願いします。」
 そうして頭を下げた編堵が首輪に手を当てると、真っ暗な森へのゲートが開いた。


ヨグ
 ヨグです、アリスラビリンス初シナリオとなります。
 暗い森に響くフルートの音色、そのオウガの討伐となります。

 第1章では主に、暗い中で不安と空腹を感じているアリスたちを勇気づけてあげてください。
 頭上にいる鳥たちは光には敏感ですが、多少の音や匂いでは襲いかかってくることはないので、ご安心を。

 なお、コウは持っている小さなナイフによる剣刃一閃、アキは地面に落ちている石による千里眼射ちのユーベルコードが扱えます。
 ボス戦では無力ですが、集団戦では指示があればそれなりに戦えます。
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第1章 冒険 『よるのもり』

POW   :    聴覚や触感頼りに踏破する

SPD   :    暗視装置や忍びの技術を駆使する

WIZ   :    心の目や魔力を見る目で周囲を感じ取る

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レン・デイドリーム
アドリブ連携歓迎
判定:WIZ

森に着いたら、まずはコウ君とアキ君に合流しようか
二人に会えたなら出来るだけフレンドリーに名乗ろう
はじめまして、僕はレンでこっちはシュエ
一緒に出口を探そうか

森の中では適宜【情報収集】
僕も夜目はきかないから、魔力の流れを辿ってみようか
【学習力】も働かせて上手く道を探っていこう
必要ならば【第六感】にも頼っていくよ

鳥達に気付かれない程度に雑談でもして二人の気分を紛らわせてもあげたいな
何か覚えている事とか、気になる事とかがあるなら聞いてみよう
僕と話しにくいならシュエにも相手してもらおうかな
シュエは喋れないけど、人懐っこいから手くらいは繋いであげられる
一緒に森を進んでいこう



「……まだ、先なの?」
「うん……そうみたいだね。」
 二人のアリスが歩いている。
 ふと、前を歩いているコウの目に、ぼんやりと白いものが見えてきた。
「なんだろう?」
「ね、ねえ、あれ……近づいてきて、ない?」
 コウの背中に捕まりながら、その肩から覗くアキ。
 ゆらゆらと揺れながら歩いてくるそれは、よく見れば白い服を着た男性で……。
「やぁ、はじめまして。君たちを助けに来たよ。」
 レン・デイドリーム(白昼夢の影法師・f13030)は手を上げながら、気さくに話しかけていったのだった。

「よかった……こんな場所でどうしたらいいか、と思ってたところです。」
 そんなレンの様子に、コウは素直に近づいていこうとしたが、
「ま、まってよ……味方だって決まったわけじゃない、でしょ?」
 後ろからアキに肩を掴まれ、困ったような顔でその場にとどまっていた。
「ははは。まぁこんなところでいきなり仲間だって言われれば、そうなるのもわかるよ。」
 その様子に、安心させるように笑いかけるレン。
「じゃあ、まずは自己紹介といこう。僕はレンだ、よろしく。」
「あ、僕はコウっていいます。」
「……アキ、です。」
 素直に答えるコウと、まだ少し疑っているのが見えるアキ。
 そんな二人の目の前で、レンの背中から白い触手が伸びるのが見えた。
「そして、この子がシュエさ。よろしくね。」
「ひっ!」
 その触手へ軽く手を添えるように紹介するレン。
 が、悲鳴と共に一気に後退るコウに、シュエが心なしか気落ちしたように垂れ下がる。
「……この子が、シュエなの?」
 レンの横から聞こえた声に視線を向けると、近づいてシュエに触っているアキ。
「そうだよ。この子は喋ることはできないけれど、人懐っこいから手を繋いだりはできる。」
「そうなんだ……ふふ、よろしくね。」
 アキがそっと握ると、握り返すかのように絡み付くシュエ。
 それを恐る恐る見ていたコウも、バツが悪そうな顔で近づいてきた。
「す、すいません……。」
「いや、いいんだ。こんなところで怖かったのだろう?」
 言葉を交わしながら、レンは魔力の流れを見ながら道を探る。
「君たちの目指す扉は、おそらくあちらか……良ければ、一緒に進もうか。」
「はい、お願いします。」
 こうして猟兵達は、コウとアキの二人と森を進んでいくことになった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリア・モーント
ファンお兄さん(f19692)と

迷子なのね?迷子なのだわ!
扉はどこ?お菓子の扉よ、きっとそう!
お兄さん、お菓子はビスケットがいいわ
だってどんどん増えるのよ?

森で合流するまではお兄さんと
楽しく明るくお散歩するのよ

こんにちは、こんばんは!
こんなに真っ暗じゃ今がいつかもわからないわ?
あなたたち、迷子なのでしょう?
よければご一緒させてくださらない?
お腹がすいているのでしょう?
大丈夫、お兄さんがお菓子を持っているの
一緒に食べましょう?

森の中でこんなに暗いのに鳥の声なんて
不思議だわ?不思議なのよ
だから…決して光はつけないで
鳥さんと遊ぶのは森を抜けてからでも遅くないのだもの
え?あ、きゃあ!(すてんっと転ぶ)


ファン・ダッシュウッド
アリアさん(f19358)と
SPDで、兎の聴覚を駆使しましょうか

ええ、彼らは迷子になってしまった様ですね
お菓子の扉……嗚呼、成程
残念ながら、扉は御用意出来かねますが……
紅茶に合うビスケットならば幾らでも

その前に、御兄妹に御挨拶を
初めま……ふふっ、アリアさんは何ともアクティブな方ですね
歩き続けて、疲れた事でしょう?
もし宜しければ、少々休憩に……菓子と紅茶はいかがですか?
ええ、アリアさんの分のビスケットもありますから

真っ暗だからこそ、獲物を待ち構える
とても怖い鳥さんがいるのでしょうね……
暗闇の散歩というのも新鮮ですが、その前に
アリアさん、お二方も足下には御注意を……転んでしまいますよ?



「迷子なのね? 迷子なのだわ!」
「ええ、彼らは迷子になってしまった様ですね。」
 迷子になったアリス達とは少し離れた所、アリア・モーント(四片の歌姫・f19358)とファン・ダッシュウッド(狂獣飢餓・f19692)の二人が歩いていた。
「お二人の扉はどこ? お菓子の扉よ、きっとそう!」
「お菓子の扉……嗚呼、成程。とびっきり甘い物でしょうね。」
 明るく話すアリアに対し、ファンも丁寧に返している。
 まるで、思い付きを口に出すお嬢様に、付き従う執事のように。
「残念ながら、扉は御用意出来かねますが……。」
「お兄さん、お菓子はビスケットがいいわ! だってどんどん増えるのよ?」
「紅茶に合うビスケットならば、幾らでも。」
 そんな話をしていると、暗い道の先に二人の人影が見えてきた。

「初めま」
「こんにちは、こんばんは! あなたたち、迷子なのでしょう?」
 ファンがにこやかに挨拶をしようとした時、アリアが元気に飛び出してコウとアキの前に駆け寄り、話しかける。
「あ、はい……そうです。えっと、こんばんは?」
「そう、こんばんはね。こんなに真っ暗じゃ、今がいつかもわからないわ? だからどっちでもいいようにしてたの!」
「……ふふっ、アリアさんは何ともアクティブな方ですね。さて、お二方。歩き続けて、疲れた事でしょう?」
「……うん。」
 アキの返事にファンが取り出すのは、泡沫と名付けられたティーセット。
「もし宜しければ、少々休憩に……菓子と紅茶はいかがですか?」
「大丈夫、お兄さんのお菓子はとてもおいしいのよ!」
「え、えっと。」
 ジャムの乗ったクッキーやビスケットから漂う、甘い匂い。
 ぐぅ……と誰かのお腹が鳴る。
「ええ、アリアさんの分のビスケットもありますから。」
「あら、さっきのはわたしじゃないわ?」
 アリアの言葉に、恥ずかしそうに顔を伏せながら手を出すアキ。
「……あの、もらっても、いいんですか?」
「ふふっ、もちろん。暖かい紅茶もどうぞ。」
 手早く用意されたお茶の時間。
「美味しい。」
「お粗末様です。」

 そんな楽しい時間も過ぎ、再び歩き始めた一行。
 頭上から時折、ギャア……と鳥の鳴き声が響く。
「ひっ……!」
「森の中でこんなに暗いのに鳥の声なんて、不思議だわ? 不思議なのよ。」
 怯えるアキに対し、アリアは全く気にせず明るく呟く。
「真っ暗だからこそ、そこで獲物を待ち構える、とても怖い鳥さんがいるのでしょうね……。」
「そうね、だから……決して光はつけないで。鳥さんと遊ぶのは森を抜けてからでも遅くないのだもの。」
「暗闇の散歩というのも新鮮ですが、その前に……」
 横を歩き、人差し指を立てたファンの言葉が響く。
「アリアさん、お二方も足下には御注意を……転んでしまいますよ?」
「え?……あ、きゃあ!」
 バキ、ころん……と足元の枯れ枝に足をとられ、アリアは派手に転んでいた。
「おや、言わんことではありませんね。」
「だって、こんなところに枝があるとは思わなかったのだもの!」
 ぴょんと飛び起き、ぱっぱと服を叩いて元気に歩き出す。
 その様子を見たファンは、口元に笑みを浮かべながら言葉を漏らす。
「本当に……元気なお方だ。」
 そうして暗い森を進んでいく……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ナギ・ヌドゥー
君達も迷子かい?ぼくも迷っちゃってね、良かったら協力して森を抜けようよ~。
って感じで話しかけたらいいんですかね?子供と仲良くして勇気付けるとかぼくにとっては超ハード任務な気がします。。。

夜の森は【野生の勘】が冴えますから任せて下さい。【第六感】も集中して警戒しながら歩んでいきましょう。

コウくんは刃物使えるのか、じゃあナイフの振るい方教えながら勇気付けます。
刃物は良いよね~抉る時の快感が……じゃなくて、いざという時はそのナイフでアキくんを守らないとね!
人を殺せる様になったら……じゃなくて、大事な人を守れる様になったら立派な大人だ。無事帰れた時にはきっと2人とも一回り大きくなってるよ。


英・明夜
コウとアキ、猟兵たちと出会ったら、にっこり笑ってみせるね。
えへへ、明夜と、(バディペットを抱き上げて)たんぽぽも、ここに居る皆の仲間だよ。宜しくね!

良かったら、って、チョコや飴玉を差し出すね。不安そうなら、明夜が先に一つ、先に舐めてみる。
たんぽぽに興味が在りそうなら抱っこしたり撫でて貰ったり。
仲良くなれたら、手を繋いでも良い?っておねだり。
(コミュ力・誘惑・手を繋ぐ)
皆で夜のお散歩、してるみたいだねって、言おう。
少しでも、二人の心をあったかく出来るかなあ。

明夜は夜目は利かないけど、第六感と視力で補って、転ばないようにするのは勿論だけど、
良いもの・良くないものに早く気付けるようにしたいな。



「えへへ……明夜と、たんぽぽも、ここに居る皆の仲間だよ。宜しくね!」
「あ、うん。よろしく。」
 英・明夜(啓明・f03393)が子狐のようなたんぽぽを抱いて微笑みかけると、アキもつられて笑顔になった。
「僕らも君達のように扉を探さないといけなくてね。良かったら協力して森を抜けようよ~。」
「ええ、もちろん。ありがとうございます。」
 温和な雰囲気を漂わせながら話しかける、ナギ・ヌドゥー(殺戮の狂刃・f21507)。
 それが信頼できそうな大人に見えたであろうコウの態度に、内心胸をなでおろしていた。
(英さんはあれが素だからいいでしょうが、ぼくの本性は見せられませんからね……。)
 そんなことを考えつつ、皆に合わせて和やかに歩き続けていた。

「ねぇ、よかったらどうぞ!」
「うん、ありがとう。」
 英の差し出した飴玉に、素直に手を出すアキ。
 今も暗い森の中、自分より年下なのに明るく振る舞う英に、すっかり心を許したようだった。
 ころりと口に入れた飴からは、さわやかな果物の香り。
「へへ……あ、たんぽぽに興味ある?」
「あ……うん。」
 アキの手が、自然と英の腕の中のたんぽぽへ伸びていた。
 そのまま気持ちよさそうに、たんぽぽが撫でられているのを見て、
「抱いてみる?」
「……いいの?」
「もっちろん! ね、たんぽぽ?」
 英の声に頷いたたんぽぽが、ぴょんとアキの方へ飛び移る。
「うわっと……ふふ、ありがとう、たんぽぽちゃん。」
 腕の中にいるたんぽぽの背を撫でると、気持ちよさそうに体を預け……やがて、寝息が聞こえてきた。
「ふふ、アキちゃんの方がいいみたい!」
「そ、そうなのかな?」
「うん! こんなに気持ちよさそうに寝てるんだもん!」
 静かな森で囁くように、でも楽しそうに話す二人の声が響いていた。

 一方、前を歩いていたナギとコウ。
「お、コウくんは刃物使えるのか。」
「あ、はい、一応……。」
 コウがポケットから取り出したのは、小さな折り畳み式の果物ナイフ。
「小さいものですけどね。」
「十分さ、コウくんが使うにも……人を殺すにも。」
「……え?」
 ナギの最後の言葉を、聞き間違いかと思ったコウ。
 おおっと、と取り繕うように話を続けるナギ。
「大事な人を守るのに、そのナイフが力になるって事さ。」
「そう、ですよね。」
「そのサイズだから、斬るというより刺し込む感じに意識して使うと良いよ。手はこんな感じで添えてね……。」
 と、ナギは自身の持つナイフで使い方を教えていく。
「こうですか?」
「そうそう、いいねぇ~。これで抉る時の快感が解る……いやいや、いざという時はそのナイフでアキくんを守らないとね!」
「はい、ありがとうございます!」
 滑らせた口は聞かなかったことに……そうして二人が後ろを振り向くと、
「ねぇ、手を繋いでもいい?」
「うん、いいよ、英ちゃん。」
 仲良く手をつないで歩く、英とアキの姿。
「えへへ。皆で夜のお散歩、してるみたいだね!」
「……な、あの子達の笑顔を守れるようになりたいだろう?」
 英の無邪気な言葉に、ナギのささやきが続く。
「はい、もちろん!」
「よし、いい返事だ。」

 ……と、ここで英とナギの二人は気が付いた。
「居ない……よね?」
「そうだね。」
 頭上の鳥たちの気配が、消えたことを。
「っていう事は。」
「敵が出た……って事さ。」
 辺りの樹がざわめき……そして、動き出した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『迷わせの森』

POW   :    絡まった枝の迷路
戦場全体に、【互いの枝を絡ませて作った壁】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD   :    絡まった枝の迷路
戦場全体に、【互いの枝を絡ませて作った壁】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ   :    絡まった枝の迷路
戦場全体に、【互いの枝を絡ませて作った壁】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
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 ぼう……と明かりが浮かぶ。
 木の枝にかけられたそれを見た瞬間、周囲の木々の並びが変わる。
「な、なに?」
 ……困惑するアキの声に気が付けば、木の枝が絡み付きながら一つの迷路を作り上げる。
「この木が……全部敵って事かな。」
 コウがナイフで斬りつける。
 かなりの強度があるようだが、何度もやれば斬り払うこともできるだろう。

 ……フルートの音色が響く。
 進む道を指し示すかのように、一方向から聞こえてくる。
アリア・モーント
ファンお兄さん(f19692)と
アドリブetc歓迎

鳥さんが静かになったら木の迷宮なんて
とっても不思議…でもね?
このフルートは、不愉快なのよ?
だからかき消しましょう

ねぇ、迷宮の一番早い脱出の仕方ってご存知かしら?
きっとファンお兄さんはご存知なのよ!
でも、わたしが見せた方が早いのだわ

「Lobelia」
【歌唱・部位破壊・傷口をえぐる】
傷は治して差し上げるのよ
代わりにちょっとだけお兄さんも攻撃するのだわ
本当に少しだけ
髪の毛を一筋、たったそれだけ
…わたしはまだ、死ねないもの

答え合わせのお時間よ?お時間なのだわ!
答えは簡単!
まっすぐに壊して進めばいいだけなのよ!

可愛いアリスのエスコートはお任せしたのよ?


ファン・ダッシュウッド
アリアさん(f19358)と
アドリブ歓迎

おやおや、今度は森の中の迷路とは
フルートの音色の発生源は……
まあ、此の迷路を攻略してしまえば自ずと判るでしょうか

お望みならば、説明する事も……
ああ、其の前にアリアさんが行動で示してくれそうですね
お二人は後に続いて下さい、逸れない事を優先に行動願えればと

えぇ、アリアさんは存分に
お気になさらず、僕はいつ死んでも構いませんから
損傷が激しい部分に接近して、槍で追撃を仕掛けた後に『ドラゴニック・エンド』を
黒炎纏う邪龍でも召喚して、焼き尽くしてもらいましょうか

そうですね、真っ直ぐ進めば最短ルートでしょうから
エスコートはお任せ下さい
これでも……僕は一応、騎士ですからね



「おやおや、今度は森の中の迷路とは。」
「鳥さんが静かになったら木の迷宮なんて、とっても不思議……。」
 周囲を見渡すファンとアリア。
 そして、アリアの顔は楽し気に歪む。
「…でもね? このフルートは、不愉快なのよ?」
「ええ、そうでしょうとも。」
「だから、かき消しましょう。」
 まるで、壊してもいいおもちゃを見つけたように。

「ねぇ、迷宮の一番早い脱出の仕方ってご存知かしら? きっとファンお兄さんはご存知なのよ!」
「え? えっと……。」
 急にコウとアキの側へ振りむき、アリアが問いかける。
「左手で壁を触りながら、とか?」
「あぁ、通常であれば悪くない答えです。ですが……アリアさんの望む答えではないようですね。」
 ファンの言葉に、二人の視線がアリアへ向く。
 その手には、少し小型のグルカナイフが握られていた。
「……お二人は、私の後に続いて下さい、逸れない事を優先に行動願えればと。」
「は、はい!」
 アリアと二人の間に入るファン……それはまるで、二人の身を護るかのようで。
「ふふ、わたしが見せた方が早いのだわ!」
 そのままアリアは壁に向かい、味方を癒す歌を歌う。
 それはフルートの音に逆らい、呑み込み、かき消していく。
 ……注目されるべきは、歌姫のアリアだと。
「では、存分に。」
 かけられたファンの言葉に、一度だけ振り返り……その瞳が輝く。
 そのまま壁へと向き、振るわれるアリア愛用の刃物。
 ……一振りごとに、木の枝が切り裂かれていく。
 コウが何度も斬りつけてやっと切り離したそれを、まるでバターを切るかのように。
「……え?」
「う、そ……。」
 ……突然、ファンの身体を一閃するアリア。
 先ほどまで見た切れ味に、それを向けられたファンに、コウとアキの呟きが漏れる。
「……ふふ、お気になさらず。」
 その声と共に舞うのは、ファンの一筋の髪。
「僕はいつ死んでも構いません。ですが、」
 ファンがそれを掴むと、黒炎を纏う槍となった。
 そのまま構え、アリアの切り裂いた壁を貫いて道を作る。
「アリアさんは本当に、お優しい。」
「……わたしはまだ、死ねないけれど。お兄さんがいなくなるのも嫌なのだわ。」
 静かに……その言葉は、森に飲み込まれていった。

「さて、答え合わせのお時間よ? お時間なのだわ!」
 先ほどまでの破壊はどこへやら……楽し気に振り返るアリアの顔は、無邪気に楽し気だった。
「答えは簡単! まっすぐに壊して進めばいいだけなのよ!」
「そうですね、真っ直ぐ進めば最短ルートでしょうから。」
 微笑みながらファンも同意している。
 コウとアキの二人は顔を見合わせていた。
 その顔に、少し……ほんの少しの、怯えが見える。
「では、可愛いアリスのエスコートはお任せしたのよ?」
「ええ、お任せください。」
 だが、振り返ったファンの顔を見た二人から、怯えはなくなっていた。
 いつも通りの、頼れる執事としての顔だったから。
「これでも……僕は一応、騎士ですからね。」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

レン・デイドリーム
アドリブ連携歓迎

森自体が敵か……
コウ君とアキ君にはなるべく僕達から離れないでいてもらうね

まずはUCで古代の戦士の霊を呼び出そう
そして僕は【衝撃波】、霊は武器で次々に木を切り払っていこう
進行方向は……誘われている感じはするけれど、フルートの音がする方に行ってみよう
木を切っていくのは【破壊工作】にあたるかな?
脆そうな部分や切りやすそうな部分を見極めて進んでいこう
迷路なら【第六感】も役立つかもしれないね

周囲に危険がなさそうな時はコウ君とアキ君にも木を追い払うのを手伝ってもらおうかな
こういう時は身体を動かしている方が落ち着くかもしれないし
何かあれば【オーラ防御】で二人を庇う事が出来るようにはしておこう


英・明夜
今のところ、木が襲って来る感じはしないけど…
もしただの迷路だとしても、この森で逸れたら大変だもん、慎重に進まなきゃね!

コウとアキには、先頭や殿を進ませないようにするね。

迷路だから、地図を作りながら進むことになるよね。
目印が多すぎても判り辛くなっちゃうから、皆で相談しながら。
明夜も、糸や紐なら幾らか持ってるから、提供するね。
刃で木に印を刻むなら、ちょっとの間だけ観察して、枝や木が傷を修復させないか、確認。

全部の道を巡っても出口がないとか、木々の隙間から出口が見えてるのに壁が邪魔、とか、
そういう時には木を切って進みたいな。

もし木や他の敵が襲って来たり、迷路の壁を壊すのに必要な時は、神桜爛漫。


ナギ・ヌドゥー
この木は直接攻撃してこないのかな?フルートの音色が聞こえてくる方向に向かうしかないが……罠かもしれません。
UC「グレイトフル・イリュージョン」を使用、実体化したぼくの幻影を前衛として先行させ安全度を確認しながら進みます。中衛はぼくとコウくん、後衛にアキくん置いて二人に何か危険があったら【かばう】で守ります。

ショートカットできそうな路は斬り払って進みましょう。まず【生命力吸収】で強度を落とす。コウくん「剣刃一閃」だ!一緒に斬り込もう。【部位破壊】【傷口をえぐる】で木を破壊します。

似合わない仕事かもと思ってたけど、案外悪い気分じゃないな……。二人を必ず故郷に帰してみせます。



「森自体が敵か……。」
 周囲を見渡しながら呟いたレン。
 辺りは暗いままだが、時折木の枝に明かりが下がっているいる分明るくなっている。
「コウ君、アキ君。なるべく僕達から離れないでね。」
「は、はい。」
 アキがレンの背から伸びる白い触手のシュエをぎゅっと握る。
「この木は直接攻撃してこないのかな?」
「今のところ、木が襲って来る感じはしないけど……。」
 ナギの疑問に英が応えた通り、周囲を見る限りでは木々に動きは見えない。
「もしただの迷路だとしても、この森で逸れたら大変だもん、慎重に進まなきゃね!」
 そう言って前を進む英。
「進むとしても、フルートの音色が聞こえてくる方向に向かうしかないが……罠かもしれません。」
「そうだね! だから、私たちで道を切り開くんだよ。」
 ナギの心配に対し、胸を叩いて英が応えた。
「ふふ、そうでした。じゃあ、殿はぼくに任せてください。前も手伝いますよ。」
 そういうと、ナギが生み出した幻影が英の横に並び、前を歩いていく。
 並んだ幻影に向かって、英は笑顔で言った
「うん、よろしくね!」

 フルートの音に向かうようにして、分かれ道では木に目印をつけながら歩いていた一行。
「……あれ? これって。」
 と、前を歩いていた英と幻影が指さした木には、少し前に付けた印があった。
「ど、どうして……?」
「あぁ、さっき付けた形に間違いなさそうだね。同じ場所を通らされているか、木が移動しているか……ってところかな?」
 アキの疑問に答えるレン。
 話を引き継ぐように、英が言葉を続ける。
「うん、多分そう。迷宮で私たちを疲れさせて、丁度いいところでボスのところに繋がるようにしてると思う。」
「え、じゃあ……しばらく歩き回るしかないんですか?」
 コウの言葉に、笑顔を返したのはナギだった。
「いいや、大丈夫。その時のための武器を、君は持ってるからさ。」
「あ……そっか。」
「まぁ、まずは僕が試してみよう。」
 そして、レンは古代の戦士の霊を呼び出す。
 フルートの音が聞こえる方向の壁へ霊が斬りかかり、炎をあげた後には、人が通れるほどの道ができていた。
「よし、問題なく通れそうだね。」
「うん! すぐに枝を伸ばしてくるかなと思ったけど、大丈夫みたい!」
 枝の間を見ていた英の言葉に従い、一行は木の間を抜けてフルートの音へ向かっていった。
 ……その後ろでは、木々が枝を揺らして蠢いている。

「また、ですね。」
 これまで何度かの木の枝でできた壁を破壊して進んできたが、また立ちふさがる壁の前でコウが呟いていた。
「そうだ、せっかくだから一緒に斬りかからないかな?」
「あ、はい!」
 ナイフを取り出したナギにつられて、コウも自身の持つナイフを取り出す。
「いいね。せっかくだからアキ君もどうかな?」
「え……私ですか?」
「うん、確か小石を投げるの得意だよね?」
 レンの言葉に自身の力に気が付き、小石を拾い上げるアキ。
「いつでも、いけます。」
「よしじゃあ、合図でいくよ。3、2、1……今だ!」
 ナギの合図に二つのナイフが煌めき、小石が正確に枝を捉え……道を塞いでいた枝が斬り払われた。
「や、やった……!」
「そうだよ、君の力でやったんだ。」
 沈んだ表情が多かったアキが喜んでいるのを見て、レンも労いの言葉をかける。
 そしてナギは、一緒に斬りかかることで生まれた感情のままに呟いていた。
「……似合わない仕事かもと思ってたけど、案外悪い気分じゃないな……。」
「……ただ、急がないといけないみたい。」
 真剣な英の声に、周囲を見渡すと……頭上の枝が蠢き、振り下ろそうとしていた。
 英が薙刀を頭上に構えると、それは山桜の花弁の嵐となり、枝を受け止める。
「みんな先に行って! 何とかするから!」
「わかった!」
 他の4人が開けられた壁から抜けるのを見つつ、英の口から祝詞が木霊する。
「御神木の裔よ、霞の如く嵐の如く、桜花咲かせませ!」
 ぐおおおおぉぉぉぉ!
 神の力を受けた山桜の花弁は枝を切り裂き……叫び声をあげた周囲の木の動きが止まる。
「初めて抵抗してきたけど……これが最後だから、かな?」
 ……気が付くと、フルートの音色が止んでいた。
 それに気が付いた英が壁を抜けると、そこにはコウとアキと猟兵達……そして、フルートを持った女性が、道を塞いでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『憎悪の人喰い薔薇姫』

POW   :    貴方の悪夢を教えて?
【自らの瞳を開くこと】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【具現した対象の悪夢】で攻撃する。
SPD   :    私の想いはただ一つ
自身の装備武器を無数の【黒い薔薇】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    悪夢迷宮
戦場全体に、【悪夢を再現する透明なガラス】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
👑11
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 森を抜けた先には、少し開けた場所。
 そこに立つ青いドレスの女性は、フルートから口を離した。
「あら、皆さん……早いですね。」
 ほんの少しの驚きと共に、紡がれる言葉。
 しかし、それもつかの間、
「皆さん、お腹が空いているのでは?」
 女性の手の中にあったフルートは、黒い薔薇の花弁へと変わり、コウとアキへ向けて襲いかかってきた。
レン・デイドリーム
アドリブ連携歓迎

残念だけど僕は空腹じゃないよ
コウ君とアキ君はお腹が空いているだろうけど……オウガが出すようなものは口に合わないだろうね
だからそこをどいてくれないかな
二人にはちゃんとしたものを食べさせてあげたいんだ

まずはUCで古代の戦士の霊を再召喚しよう
今度は【呪詛】も乗せてより攻撃的に
コウ君とアキ君は僕が【オーラ防御】で守るから、戦士の霊にはとにかくオウガを攻撃させるよ
黒い薔薇ごと燃やしてしまえ

相手は悪夢を見せてくるような力があるのかな
夢ってあまり見た記憶がないから、興味深くはあるけれど
でも迷宮に囚われてしまうのは避けたい
悪夢迷宮が出来てしまったのなら【第六感】も働かせて早々に脱出してしまおう


ナギ・ヌドゥー
二人を【かばう】と同時にUC「無驍」発動。このUCは全ての攻撃を敵にそのまま返す、この二人を攻撃するなら延々と反射しますよ。殺したいなら、まずぼくを倒すことです。
と煽りつつ、二人を攻撃が届かない場所まで避難させます。

奴のUCは視認した対象が標的か、ならば常に死角に回り込み攻撃を行う。生憎と元から夢は悪夢しか見ないのでね、間に合ってるよ。
遠距離から【誘導弾】で攻撃しつつ隙あらば【部位破壊】で目を攻撃。瞳が開かねばこのUCも使えまい。

飢えてはいるがアンタに恵んで貰うつもりはない。アンタを斬り刻んだら少しはこの飢えも収まるだろうしな。


英・明夜
薔薇の花弁からコウとアキを庇えるように駈けつつ、花弁と、出来ればオウガを狙って、
霊符を投げ付ける。(ダッシュ・早業)

コウ達には隠れて貰うのが良いかなと思うけど、皆の意見に合わせるね。
どうあれ、敵を2人の側に近付けないように、猟兵の皆で、取り囲めると良いな。
コウ達が恐慌しちゃわないように、大丈夫だよ、って笑うね。(鼓舞)
2人が応援してくれたら、明夜達、きっと負けないよ!

基本的には、薙刀と霊符を間合いで使い分けて戦う(なぎ払い)。
敵がUCを使いそうだと思ったら、七星七縛符で封じて、隙や動揺を誘ってみる。

戦闘中、バディペットのたんぽぽは胸元に。
コウ達とお別れが来たら、元気でね!って、手を振るね。



「ひっ!」
「させないよ!」
 頭を抱えてうずくまるアキへ飛んでくる、黒薔薇の花弁。
 その間に入った英が投げる霊符に、花弁がからめとられるが……全ては落とせない。
「この!」
 さらに手にした薙刀で全て斬り払いコウへ目を向けると、ナギがそちらへ向かう花弁の嵐へ身を飛びこませていた。
 無防備に曝された身に当たった花弁は向きを変え、女性の側へ飛んでいく。
「いい技だ、返すぜ!」
「……ふふ、変わったことをしますね。」
 だが、その花弁が女性に当たることはなく……阻んだのは、透明なガラスの壁。
「では、皆さんには悪夢を楽しんでもらいましょう。」
 囲むように現れるガラスの壁は、各々のトラウマを写しだしてゆく……。

「残念だけど、夢というものはあまり見たことがなくてね。」
 ……が、即座に動いたのはレンだった。
 再度呼び出された古代の戦士の霊が、その槍でガラスを突き破り、炎で悪夢をかき消してゆく。
「興味深くはあるけれど、迷宮に囚われるのは避けたいな。」
「そういう方もいるのですね……ですが、」
「う、うう……もう、やだぁ……!」
 女性が後ろを指し示すとともに、レンの後ろからアキの声が聞こえてきた。

「ど、どうしたアキ!?」
 コウが心配そうにアキを抱き寄せるが、
「お願い許して、次はちゃんとやるから……!」
「あっ、たんぽぽ!」
 跪いて頭を抱えているアキの懐に、英の懐にいたペットドロイドのたんぽぽが飛び乗る。
「きゅい……?」
「あ……。」
 心配そうに顔を覗き込むたんぽぽを見て、アキの目に映っていた悪夢が晴れてゆく。
「たんぽぽ、ちゃん……。」
「……何があったのか、明夜はわからないけど。」
 英の声に顔を上げたアキに、にこっと笑顔を向けて、
「大丈夫だよ。」
「……うん。」
 頷いたアキの顔からは、悪夢の欠片は見えなかった。
 その様子にコウも安心し、
「ありがとう、明夜さん。」
「えへへ、どういたしまして!」
 英はたんぽぽを預けたまま、霊符と薙刀を手に女性の方へ向く。
「これからあいつを倒すから……2人が応援してくれたら、明夜達、きっと負けないよ!」
「うん、頑張って。」
「お願いします。」
 そうして、英は女性へ向けて駆け出した。

「君からの食事を、コウ君とアキ君に食べさせるわけにはいかなくてね。」
 その頃、レンは周囲に転がる骸骨を一瞥しつつ、古代の戦士の霊をけしかけていた。
「人を食べるのは、君たちくらいなものだからね。」
「ふふ、そんなことは解っているわ。」
 女性はガラスの壁を生み出し、戦士の持つ槍がそれを砕く音が響く。
「でもね、愛する人を食べる様って……美しいと思わない?」
「……そんなアンタの施しを、恵んで貰うつもりはない。」
 その声に応えたのは、気配を消して背後に忍び寄ったナギだった。
「アンタを斬り刻んだら、少しはこの飢えも収まるだろうしな。」
「できるかしら?」
 精神力を掌から光線として放ち、女性を狙う。
 フルートで受ける……と、光線が直前で曲がり、女性の頬を焼く。
「ぐ……あなた、」
「次は外さない。」
 閉じていた女性の目が開かれ、視線がナギへ向く……。
 しかし、その視界は顔に張り付く1枚の霊符に阻まれた。
「く、この!」
「邪魔させてもらうよ!」
 英の投げた七星七縛符に憑りつかれ、その視線が力を持つことはなかった。
「二人には、元の世界でちゃんとしたものを食べさせてあげたいんだ。」
「だから、アンタの悪夢につきあわせる訳にいかなくてね!」
「ぐあああああ!」
 戦士の槍が女性を貫き、その炎に焼かれ……さらにナギのナイフが背中を抉る。
 刃物を抜かれた女性は、その場に倒れた。

「さぁ、道を開けてもらおうか。」
「ふ、ふっふふふふ……。」
 女性の体が、笑い声と共に震える。
 その体が影となり、元の女性の姿となって立ちあがった。
「刃物で貫かれたのは、いつぶりかしら。」
「……アンタの生い立ちには興味はないが、恨みは相当かったんだろうな。」
「ええ、そうでしょうね。」
 だが、その体は半透明で……。
「もう少しで倒せるからね!」
 二人を勇気付けるように、英の声が響く。
「ふふ……。」
 女性は笑みを浮かべ……悪夢の迷宮をさらに生みだしていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ファン・ダッシュウッド
アリアさん(f19358)と
アドリブ歓迎

どうやら見目麗しくても、目は大層衰えている様で
おや、違いますか?……ですが、僕達は空腹ではありませんので

お二人は敵の攻撃の回避だけに集中を
此処からは、アリアさんの言う様に
――僕達の狩りの時間ですので、ね?

アリアさんの前に出て、盾にでもなりましょうか
淑女の素敵な歌を止めるなど、無粋な真似はさせませんよ

フルートが気に食わない、ならば壊してしまいましょう?
殺戮刃物による『九死殺戮刃』で
【部位破壊】を狙います、アリアさんに刃は向けません
エスコートすると、お約束しましたからね

戦闘を終えたら、アリアさんの言葉に目を瞬かせて
……喜んで、いつでもお待ちしております


アリア・モーント
ファンお兄さん(f19692)と
アドリブetc歓迎

お腹は空いていないのだわ?いないのよ!
だってファンお兄さんがお茶の時間にしてくださったもの

さ、お二人は下がっていらして?
…ここからは、猟兵の狩場なの

【歌唱】する
それはわたしの、歌姫(シンフォニア)の本領なのよ?
音魔法【属性攻撃】の【風謳】で【先制攻撃】
風の音の刃で切り裂いてさしあげる
出来たら傷はschalkhaftで【傷口をえぐる】のよ?
貴女のフルート
独りよがりで、聞くにたえなかったのよ?
だから、せめて
悲鳴くらいは素敵なものを聞かせてくださる?

…ファンお兄さん
おなかが空いたわ?空いたのよ!
だから、ね?

また今度、お茶会しましょ?



「どうやら……見目麗しくても、目は大層衰えている様で。」
 ガラスの壁を隔て、女性にむけて微笑みかけながら呟くファン。
「……どういう意味かしら?」
「いえ、私たちが空腹である、と言っていたものですから。ですが……」
「お腹は空いていないのだわ? いないのよ!」
 怒気をはらんだ女性の声もどこ吹く風、というファンの言葉を、さらにアリアが引き継ぐ。
「だって、ファンお兄さんがお茶の時間にしてくださったもの!」
「……本当に、忌ま忌ましい者達だこと。」
 その言葉とともに、女性は手にしたフルートを黒い薔薇の花弁へと変え、解き放ってきた。
「お前達さえ来なければ!」

「さ、お二人は下がっていらして?」
「お二人は、敵の攻撃の回避だけに集中を。」
「は、はい!」
 コウとアキに向けたアリアの言葉に、ファンが前に立つ。
 アリス二人は、大人しく猟兵二人の後ろに立っている。
「……ここからは、猟兵の狩場なの。」
 すぐにアリアの歌が戦場に響く。
 その声に音の魔力を乗せ、周囲を飛び交う黒薔薇の花弁を引き裂いてゆく。
「そう、アリアさんの言う様に……僕達の狩りの時間ですので、ね?」
 花弁が散る中、駆け出したファンのナイフがガラスの壁を切り裂き、さらに女性へ肉薄する。
「……やるわね。」
「そうそう……貴女のフルートだけれども。」
 歌を止めたアリアの言葉が響く。
「独りよがりで、聞くにたえなかったのよ?」
「ですが、これで……聞くこともないでしょう。」
「く、この!」
 引き千切られた花弁が、女性の手に集まる。
 しかし、ファンのナイフが腕を切り裂き……女性の手からフルートが落ちた。
「だから、せめて……。」
「ぐ、あああああ!」
 さらに、ファンのナイフが女性を切り裂いていく。
 足、腕、首……どこも致命となるべき場所を。 
「悲鳴くらいは、素敵なものを聞かせてくださる?」
「……残念ながら。」
「ぐぶっ……!」
 最後に、女性の心臓への一突きを入れたファンの呟きが響く。
「アリアさんのお気に召さないかもしれませんね。」
 言葉とともに、女性は黒い塵となって消えていった。

 女性を倒したあとには、一枚の扉が浮かび上がる。
「これが、お二人の探している扉ね! そうなのよ!」
「ええ、おそらく。」
 アリアとファンが促し、コウとアキが近づくと……ひとりでに開いた扉から、明るい光が漏れ出した。
「これが、僕らの世界に繋がっているんですね。」
「じゃあ……ここを通れば。」
「ええ、帰れるのよ!」
 にっこりと答えるアリアに頷き、二人は扉へ近づいていく。
「あの、ありがとう……ございました。」
「いえいえ、こちらこそ。良いお茶会が開けました。」
 扉を前に礼を言う二人に、ファンも笑顔で応じる。
 そして……二人が通った扉が消えていった。

「さて、行ってしまいましたね。」
「……ファンお兄さん。おなかが空いたわ? 空いたのよ!」
 アリアの言葉に、少しきょとんとファンが見返していた。
「だから、ね? また今度、お茶会しましょ?」
「……喜んで、いつでもお待ちしております。」
 少女の可愛いお願いに、ファンは目を輝かせながら応えていた。

 こうして、アリスたちは元の世界ヘと帰ることが出来た。
 猟兵達がいなければ、間違いなく彼らは辿り着けなかった扉……その先へいった彼らがどうなったかは、誰にもわからない。
 だが、あの二人なら大丈夫だろう……そんな予感を胸に、猟兵達はグリモアベースヘ帰還していったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年09月23日
宿敵 『憎悪の人喰い薔薇姫』 を撃破!


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#アリスラビリンス


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は満月・双葉です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト