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ましろの空に、花ひらく

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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 猟兵達の拠点「グリモアベース」。
 その片隅に、陰のある、青白い顔の男が立っていた。
 やってきた猟兵たちの気配を受け、男は厳かに向き直る。
「新しい年もまた、各世界の絶望をはらうため、おまえたちの力を借りることになるだろう」
 「よろしく頼む」と、灰髪の頭をさげ。
 てのひら上にグリモアを顕現させ、言った。
「さっそくになるが。新年の祭りでにぎわうサムライエンパイアの住人に、危機が迫っている。急ぎ、向かってくれ」

 ――グリモア猟兵にいざなわれ、任務に出発する時。グリモアベースは『これから向かう世界の風景』に変わる。
 眼前にあらわれたのは、サムライエンパイアの『武家屋敷』。
「この屋敷では、これから『祝言』――つまり、婚礼の儀が執り行われる予定だ」
 年若い男女の婚礼。
 たがいに想い通じあい、だれもが祝福するなか、祝言は行われるはずだった。
 しかし。
「夫となる若者が、評判の美丈夫だったことが災いした。数日前、噂を聞きつけた女妖狐が、若者を口説きにやって来たのだ」
 勇敢にも、男は女妖狐の誘いを突っぱねた。
 しかし、権力者や富豪を篭絡し、贅沢や悪逆の限りを尽くしてきた女妖狐のこと。
 誘いを断った若者を呪い、嗤った。
『妾の誘いを断るほどの妻なら、さぞやいとしい姫なのであろう。さすれば。――祝言の日。その姫の命、もらいに参ろうぞ』
 かくして。
 年明け。粉雪の舞う空の下。
 屋敷の者たちはものものしいいで立ちで、武器を手に、屋敷を護るよう取り囲む。
「姫は、屋敷の中で、若者と腕利きの武者たちに護られている。しかし、オブリビオンが迫ろうものなら、ただ人など簡単に斬り捨てられてしまうだろう」
 よって、この屋敷に向かい。
 迫りくる女妖狐の配下たちと、女妖狐を殲滅して欲しいという。

 向かう大名屋敷の構造は、以下の通り。
 敷地は、正方形。
 南側に『表門』、北側に『裏門』が設置されており、人間たちはそこからしか出入りできない。
 周囲は高い『塀』に囲まれているものの、女妖狐や配下の怨霊たちは、ものともせず乗り越えてくる可能性がある。
 『屋敷』は土地の真ん中に建てられており、土地と同じく正方形。
 周囲にはそこそこ広大な『庭』が広がっているので、仮に門や塀を突破されたとしても、なんとか庭内で食い止めたい。
「屋敷の外は、すでに怨霊であふれかえっている。よって、おまえたちを送りこむのは『敷地内』だ。屋敷の者たちには、『天下自在符(てんかじざいふ)』を持つ者たちが助太刀に行くと伝えてある。どうにか、力になってやってくれ」


 はらり、粉雪の舞うなか。
 ――シャン、シャン、シャラン。
 怪しげな鈴の音が鳴り響いたかと思えば、屋敷の影から数多の怨霊が姿を現した。
 女武者たちは薙刀を手に、『表門』と『裏門』の前に集合する。
 そして、双方の位置についた怨霊たちは、ヒトマネをするように、言った。
『もうし。もうし。開門ねがいまする』
 門は屋敷の者たちの手によって、かたく閉ざされている。
 人間であればそのまま諦めたかもしれないが、彼女たちは、主から厳命を受けた怨霊だ。
『姫さま、姫さま。白仙狐さまがお待ちにございます。どうぞ、門をおあけくださいませ』
『いつつ数えて門がひらかねば、我ら、力づくでお迎えにあがります』
 ――シャラララ、シャラン。
 屋敷のまわりでは。
 鈴鳴るごとに、怨霊の姿が増えていき。
 やがて、屋敷の周囲は怨霊たちで埋めつくされた――。


西東西
 こんにちは、西東西です。
 『サムライエンパイア世界』にて。
 婚礼を控えた姫を救うことができれば、任務達成です。

 第1章は、姫を狙い来る怨霊との集団戦。
 屋敷の外は、怨霊たちに取り囲まれつつあります。
 『どこ』を護るか。『どう』戦うか。
 防衛位置を具体的に記載し、行動すると、効果があがる可能性があります。
 屋敷内の姫を討たれぬよう、敵の殲滅にあたってください。

 第2章は、女妖狐とのボス戦。

 第3章は、2章までの結果を受けての戦後処理となります。

 うまくいけば、3章では姫と若者の祝言に参列できます。
 屋敷の安全が確保されていれば、NPCのヴォルフラムも行動可能です。
 彼はサムライエンパイアの文化についてよく知らないため、参列を遠慮するつもりでいます。
 お声がけがあれば、興味をもって一緒に参加するかもしれません。

 それでは、まいりましょう。
 魑魅魍魎の跋扈する、江戸の世界へ――。
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第1章 集団戦 『怨霊女武者』

POW   :    局流薙刀術
【薙刀】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    局流早射ち
レベル分の1秒で【矢】を発射できる。
WIZ   :    落武者呼び
【鎧武者】の霊を召喚する。これは【槍】や【弓】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

天之涯・夕凪
他の猟兵の方々と協力して、なるべく守備の穴が生じないように
敵は数で押してくるようですので、連携して取り組みましょう
塀も容易く飛び越えてくるのなら、『門』には拘らず『庭』を万全にカバーできる形の方が良いかもしれませんね
その分、絶対に通さない覚悟は必要かと思いますが…気を引き締めていきましょう
私はどちらでも構いませんが…門があるところはより人手がいるかも知れません
一先ず南側に
調整で何方に動いても構いません

【POW】
血統覚醒を使用
絶対にこの先は通させません
同時にブラッド・ガイストも併用してなるべく短時間で多くの敵を倒せるように

帰りなさい
そして、主人に伝えなさい
貴女の振る舞い程、醜いものはない、と


亜儀流野・珠
祝言に水を差すもんじゃないぞ?全く、同じ妖狐として恥ずかしい!
俺は人間が好きだからな。悪いが邪魔させて貰おう!

位置取りは『表門』と『屋敷』の中間地点に。
主に表門側から来ると思われる相手に対処しよう。
広く見渡せ、門と屋敷どちらにも近い。屋敷側が危なくなっても直ぐ駆け付けられるはずだ。
主にここで屋敷に近付く奴を叩く。東西から近付く奴にも警戒しつつな。
『表門』側の防衛が十分なら『裏門』側に回ろう!

戦いが始まったら13個の【フォックスファイア】を、敵一体につき2~3個ぶつけてみようか。
火力が足りなければもっと纏め、足りてたらばらけさせて調節だ!
かなりの数の気配がするからな。効率良く行かないとな!


アカネ・リアーブル
祝言……!
なんという素敵な響きなのでしょう。
想い合うお二人を守るために、アカネも微力ながらお手伝いさせてくださいませ!

アカネは表門を守ります
アカネの攻撃は、敵が密集していて広さがあった方が効果が高いのです。
他の方々と連携して、先陣を切ってくださる方がいらっしゃったらまずお任せ。
陣形が崩れたら、その隙を突いて躍り出ます。
ダンスから舞へ。カグラ舞を思わせる舞を舞って、詠唱と共に茜花乱舞で攻撃します。
今目の前にいる亡霊はただの妖狐の手下。
消し去ることに躊躇はしません!
とはいえ、無理はいたしません。茜花乱舞を割って亡霊に攻撃される前に一度後ろへ下がります。
そしてまた、機を見て攻撃。これを繰り返します。




 身勝手な来客とはいえ、婚礼の場。
 はじめのうちは、礼儀正しくヒトマネをするよう主から厳命されているのだろう。
 門前の怨霊たちは宣言どおり、ひとつ、ふたつと、かわるがわる数をかぞえる。

 ――南側。
 『表門』が見える位置に控えた天之涯・夕凪(夜空の端にて・f06065)は、怨霊がよっつをかぞえた時に、他の猟兵と頷きあった。
 玄関口、という意識もあるからだろう。
 『表門』の守備についた者は多く、他の守備につこうかと迷いはしたものの。
(「ひとまずは、人手がいると見込まれるこちらで。視野広く、気を引き締めていきましょう」)
 胸中でつぶやき、己の血統へと意識を向ける。
『いつつ』
 怨霊が声をあげ、しばし動きを止めた。
 しかし、いくら待てども、扉がひらく気配はない。
『あなかなしや』
『われら、お招きにはあずかれぬ様子』
 しんと静まりかえる屋敷から、返る声はなく。
 門前の怨霊たちはさして悲しんだ様子もなく、次々と木製の門に手をつきはじめた。
『それでは姫さま。我ら、お迎えにあがりまする』
 ひとの手によるものとはいえ、武家の顔を護るべくしつらえられた門。
 厚みのある木材を用いて建てられたそれを、怨霊たちは力任せに押しはじめる。
 門はミシミシと悲鳴をあげ、反り返るようにたわんだかと思うと、閉ざしていた閂(かんぬき)ごと、弾けるように真っ二つに折れた。

 飛び散る木片をものともせず、薙刀を携えた怨霊たちはぞろぞろと、無作法に敷地に足を踏み入れる。
 眼前には、真紅の瞳を向ける夕凪と、同胞の恥といきどおる亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)の姿。
「絶対に、この先は通させません」
「祝言に水を差すもんじゃないぞ? 俺は人間が好きだからな。悪いが邪魔させて貰おう!」
 しかし、怨霊たちは猟兵のいうことなど右から左。
『屋敷はそちらに』
『参りましょう』
『姫さまのもとへ』
 薙刀を手に駆け来る怨霊たちへ。
 珠は十五の狐火を招きよせると、先陣をきる一団めがけ、複数の火球をまとめて投げつけた。
 ひるんだ敵への間合いに飛びこみ、夕凪が拷問具で追撃を仕掛ければ、力尽きた怨霊が灰塵となって霧散していく。
 珠は狐耳をぴんと立て、得意げに叫んだ。
「どうだ! これでも足りなければ、もっとくれてやるぞ!!」
 夕凪も警戒を続けたまま、武器を構え直し、続ける。
「帰りなさい。そして、主人に伝えなさい。貴女の振る舞い程、醜いものはない、と」
 進めば飛びくる狐火に、牙を剥く拷問具。
 怨霊たちはすっかり出鼻をくじかれ、門前の庭でたたらを踏んだ。
『でませい、でませい』
 ならば数で圧そうと呼びかけた、その時だ。
「想いあうお二人を守るために、アカネも微力ながらお手伝いさせていただきます!」
 藍の瞳を煌めかせ、アカネ・リアーブル(とびはねうさぎ・f05355)が敵前に躍りでた。
(「並みいる亡霊は妖狐の手下。なれば、消し去ることに躊躇はしません!」)
 愛用の鎖舞扇を手に敵の攻撃を受け流し、軽やかに地を蹴って。
 銀の髪をなびかせ舞い踊れば、怨霊たちのまわりに、ふわり、花の香が満ちていく。
「――あかねさす 日の暮れゆけば すべをなみ 千(ち)たび嘆きて 恋ひつつぞ居(を)る」
 謡い終われば、吹雪のごとき花弁が、怨霊たちを一斉に斬りさいた。
 仕留めそこねた怨霊がいるとみれば、すかさず夕凪が追撃を仕掛け、珠も狐火で援護にまわる。
「このまま連携して対応できれば、表門はもちそうですね」
「とはいえ、まだうじゃうじゃいるからな! ここは効率良く行かないと!」
 頼もしい仲間たちを傍に、アカネもいったん門から距離をおくべく、後方へ。
 そうして敵を庭へと招き入れ、ふたたび一網打尽にする寸法だ。
「無理せず、機を見て攻撃。これを繰り返していきましょう」
 アカネの提案に、夕凪と珠も、頷いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

香神乃・饗
祝いの席の防衛戦っす!ここは一歩も通さないっす!

目立つように登場し囮に
手薄な場所を作っておくっす
一番最初に登ってくる奴を苦無や糸で弾き落とすっす!
砂利で目潰し、水を落として水攻めをしてフェイントをかけるっす!仲間が攻めやすくなるっす!

手薄な場所をとおり抜けようとするなら香神写しで苦無を複製して打ち落とすっす!
苦無切れにならないよう射程外になればすぐ消し複製し直すっす
塀の上全体に剛糸も張り巡らせておき飛び抜けようとする奴をひっかけるっす!
二重に地形を利用して絶対に抜かさないっす!

弓は苦無で打ち落とし
すり抜ける物は投網にした剛糸で吊り上げ敵を盾にするっす!

庭に入る奴は剛糸で絡めとり外に投げるっす


ロア・ネコンティ
婚礼の儀、人の縁が結ばれるところを僕は見てみたい。想いが通じあっているなら祝福されるべきです。人の恋路を邪魔する奴は猫に末代まで祟られる……でしたっけ。 無粋な客人はお引き取り願いましょう。

まず突破された表門の横から敵1体に【だまし討ち】を仕掛け、鋼糸を括り付けます。糸を括られた【敵を盾にする】で矢や薙刀を防いで同士討ちを誘いながらタガーで敵の首か足を斬りつけ、ヒットアンドアウェイで次の敵に糸を括ります。

他の猟兵がおり、詠唱時間を確保出来そうなら【全力魔法・高速詠唱・属性攻撃・範囲攻撃】の【エレメンタル・ファンタジア】で氷の洪水を起こし敵を外へ押し流すとともに門を凍らせて再封鎖します。




 表と裏の門が突破され、多数の猟兵が奮戦するなか。
 ケットシーのシーフであるロア・ネコンティ(泥棒ねこ・f05423)も、表門付近にて立ちまわっていた。
「想いが通じあっているなら、祝福されるべきです。人の恋路を邪魔する奴は、猫に末代まで祟られる……でしたっけ」
 ひらり、軽やかな身のこなしで敵の前に躍り出て、朝と夜の欠片――青と朱色の鉱石で仕立てられたダガーを一閃。
 ここでは、致命傷は与えない。
 次に繰りだされた薙刀を回避して、一体の敵に、目を凝らさねば見えぬほど細い、白銀の糸を括りつける。
(「――婚礼の儀。人の縁が結ばれるところを、僕は見てみたい」)
 もっとも、手にする鋼糸が結ぶのは、別のものだ。
『あやつじゃ』
『あやつを射とめよ』
 怨霊たちの声に飛来する矢を認め、瞬時に、括りつけた糸を引く。
 矢の雨はロアを射ることなく、体勢を崩した怨霊に降りそそいだ。
 灰塵と化した同胞を見送り、怨霊たちがさざめく。
 同士討ちを狙ったものの、そこまで愚かではなかったらしい。
『おのれ、謀ったか』
 同胞がいいように使われたということは理解できたとみえ、ロアを斬りすてようと、薙刀をくりだし迫った。
 素早さを生かして立ち回りはするものの、体力にも限界がある。
 ――破壊された門をなんとかしない限り、怨霊たちは次々とやってくる。
(「せめて、詠唱時間を確保できたなら」)
 そう、ロアが願った時だ。
「祝いの席の防衛戦っす! ここは一歩も通さないっす!」
 紅半纏に、梅鉢紋。
 歌舞伎役者もかくやという見得(みえ)をきり、香神乃・饗(東風・f00169)が怨霊たちの視線をかっさらった。
『曲者じゃ』
『あやつも仕留めよ』
 あちらこちらと曲者ぞろいで、怨霊たちも手が足りぬとみえる。
 次々と鎧武者の霊が召喚され、槍や弓をたずさえ、迫った。
 しかし。
「一つが二つ、二つが四つ、香神に写して数数の――」
 愛用の苦無を十八に複製し、降りそそぐ矢へ向け投げはなち。
 その間にも、饗は投網にした剛糸で鎧武者を吊りあげ、落とし損ねた矢の的とする。
 灰塵と化す敵には、目もくれない。
 屋敷へ前進しようとする敵を見つけては、砂利を投げ、目つぶしを狙って。
「どこ見てるっすか! 敵はこっちっす!!」
 声をはりあげ挑発すれば、怨霊たちは容易く饗へと迫った。
(「これは、想定外の助っ人」)
 目立つ囮は、ロアに多くの時間を与えた。
 ふわりふくらんだ尾をぴんと伸ばし、高速詠唱に集中すれば、制御の難しいユーベルコード『エレメンタル・ファンタジア』の強化呪文が完成する。
 青の瞳で見据えるは、門前の敵たち。
 ――全力魔法、属性強化、範囲拡大のとっておき。
 怨霊たちが回避を試みようとした時には、もう遅い。
「無粋な客人は、お引き取り願いましょう」
 空をふるわす轟音とともに氷の洪水が押しよせ、数多の怨霊と鎧武者を、一気に門の外へ押し流す。
 同時に、氷は破壊された門ごと凍りつき、入り口を再封鎖。
「表門からのお客は、これで食い止められそうっすね! 残った客人たちを、一網打尽にするっす!」
 饗はふたたび苦無を複製すると、敷地内に残った敵めがけ、投げはなった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クネウス・ウィギンシティ
「スナイパー足るもの、先ずは高台に陣取る必要がありますね」
「最終防衛ラインである『屋敷』を守るため、『高所からの狙撃』で数を減らしましょう」

以下、内容で戦闘します。
・【SPD】
・戦闘前準備:①UC『ブーストジャンプ(SPD)』で空中ジャンプを行い、『敷地内』→『屋敷』の最も高い部分に登る。
②偵察用ドローンを展開
・UC:ARTEMIS
・UC説明:【ドローン展開】で324mまで狙撃
・技能:視力・先制攻撃・スナイパー(UC)、メカニック(ドローン操作)

(戦闘前準備)
「狙撃準備完了、ドローンの偵察情報を連携します」

(狙撃開始)
「CODE:ARTEMIS。狩猟の神よ、怨霊を我に狩らせ給え」


フェル・サッカート
お屋敷を守るのもメイドの務め、お任せを。

私は、「裏門」に面した庭に侵入した敵を迎撃したいと思います。中央のお屋敷の近くで待機。離れすぎないようにします。
機銃を構えひたすら敵に向かって撃ち、味方を援護射撃で支援。マヒが決まればなお、よいのですね。
お屋敷に近い敵を優先。敵に動きを読まれないため、短時間で軌道を変え動きながら射撃します。敵がユーベルコードの射程範囲に入りましたら、自分の手の平を切りそこから血鎖を出し縛り上げ、可能ならその敵を盾にして遠距離攻撃などを防ぎたいと思います。


鷲生・嵯泉
祝い事の邪魔をしよう等とは
悪辣な狐らしい悪行かもしれんな
とはいえそんな真似を許す訳にはいかん

何処からでも侵入の可能性がある、か
ならば表門から裏門への壁沿いを移動しながら
塀を越えてくる輩を叩く
【残像】と【見切り】を併用しつつの剣刃一閃
膂力に物を言わせて叩き斬る
攻撃は受け流す事に重点を置いて躱す様に務めるが
多少の傷等はお構い無しで、攻める事を優先して動く
どれ程の数で来ようとも、奥へと進ませはせん

悪意の誘惑なんぞに乗らず、大事な者を護ろうとする勇敢さ
私の刃は、そうした者をこそ護る為に在る
この身にかけて、お前達の思う通りにはさせんぞ




 ――北側。
 多数の猟兵が南側で派手にたちまわる一方、『裏門』の戦いは粛々と行われていた。
「お屋敷を守るのもメイドの務め、お任せを」
 門に面した庭を一望できる位置につき、フェル・サッカート(さまようめいど・f03627)は血液変換式重機関銃をたずさえ、弾幕を展開。
 怨霊たちに、ひとの顔色をうかがうだけの知性があったかはさておき。
 無表情で淡々と銃撃をおこなうフェルの動きは読みにくく、さらに軌道を変えながらの射撃が、屋敷へ近づくことを難しくしていた。
 しかし、怨霊たちには、ヒトの作法など知らぬもの。
 ――門から近づけぬのであれば、別の場所から迫れば良い。
 東西の塀を乗り越えるべく行動を開始した怨霊たちの動きを、しかし猟兵たちも黙って見過ごしはしなかった。
「祝い事の邪魔をしよう等とは、悪辣な狐らしい悪行かもしれんな。――とはいえ、そんな真似を許す訳にはいかん」
 表門から裏門への壁沿いを移動し、塀を越える敵を警戒していた鷲生・嵯泉(烈志・f05845)が真っ先に駆けた。
 敵が敷地内に飛び降りたとみるや、剣刃一閃。
 災禍を絶ち斬る刃で、怨霊を叩き斬る。
 返す刀で、さらに一体。
 灰塵と帰す怨霊たちを、柘榴の瞳で見送っていく。
「どれ程の数で来ようとも、奥へと進ませはせん」
 そう啖呵をきるものの、多勢に無勢。
 塀を越える敵の数は、増える一方で。
 残像と見切りを駆使し、できうる限りの攻撃は受け流すも、すべてを防ぎきるのは難しい。
 フェルが裏門の正面。
 嵯泉が最寄りの塀の防衛にあたるなか、
「高台に陣取り、正解でした」
 屋敷の屋根の上。
 敷地内を一望できる位置にたたずんでいたクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)が、戦闘態勢に移る。
 己の眼となる自動哨戒型飛行ドローン「D6ID」は、すでに展開済み。
「狙撃準備完了、ドローンの偵察情報を連携します」
 サイバーアイ「ORACLE」――視覚情報を分析&解析するスマートグラス越しに得られた情報をもとに、青の瞳を裏門側へと見据える。
 361m先まで見通す眼にかかれば、フェルや嵯泉の戦闘行動を阻害せず、効果的に援護射撃できる軌道を見定めるのは、容易い。
 レーダーユニットを備えた兵器、狙撃特化のAnti DeusEx Cannon 「ゲオルギウス」を用いるならば、なおのこと。
「――CODE:ARTEMIS。狩猟の神よ、怨霊を我に狩らせ給え」
 唱え、発射した弾丸が、裏門側の塀を乗り越えようとした怨霊を正確に撃ち落としていく。
 声かけ合わずとも、高所からの援護があったことは、フェルと嵯泉の二人も気づいた。
 フェルは屋敷へ近づこうとした敵めがけ、血液弾でマヒを与えて。
「どうか楽にして下さい、すぐ済みますので」
 自分の手の平を切り裂くや否や、血の鎖をはなち、縛りあげる。
 降りそそぐ矢の盾として攻撃をしのげば、引き続き弾幕をはり、裏門の防衛を続ける。
 クネウスの射撃は、嵯泉の機動力をも引きあげた。
 攻撃を優先して動くことを指針としていた嵯泉にとって、背を預けられる仲間がいることは、何よりも得難いもの。
 ――女妖狐の誘惑をはねのけ、愛しき者を護ろうとする勇敢さ。
 嵯泉の刃は、そうした者をこそ護る為に在る。
「この身にかけて、お前達の思う通りにはさせんぞ」
 決意あらたに、塀を越え、敷地をまたいだ怨霊をたたき斬った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

石動・劒
新年早々に横恋慕の上に襲撃だなんて穏やかじゃねえな。しかも手段を選ばないときたもんだ。
祝いの席に招かれざる客はお呼びじゃねえさ。帰ってくんな。

屋敷の屋根の上から弓遠当臨で塀の向こう側を援護射撃するぜ。
庭に入り込んだ奴らが出たら一刀霊断で徒刃鳴を散らしてやるさ。2回攻撃できるから弓よか小回りが効く。
いずれもスナイパーで攻撃。相手から弓矢で打ち返されたら第六感で回避だ。

怨霊ってのは倒せど倒せどキリがねえ!つまりそれだけ戦い続けられるってことだ!怨霊相手もあってまさに天国みたいな地獄だな!

戦場を俯瞰できる位置だから遊撃希望がいりゃあそいつにどこが手薄か指示を出すとしよう。


鎹・たから
結婚式、とても幸せなことです
祝いの日を必ずまもりましょう
花嫁も花婿も、幸せでなくてはいけません

たからは『堀』の守りの少ない場所を防衛します
サイコキネシスで遠距離から敵を各個撃破
【暗殺、2回攻撃、先制攻撃、念動力、範囲攻撃】を活用
集団を素早く仕留めていきます
距離があれば薙刀も届きづらいでしょう?

猟兵同士の連携意識
互いに仕留めきれなかった敵が居れば補うよう
声を掛け合い突破を許しません

『堀』以外にも守りの薄い、突破されそうな場所があれば手助けに
柔軟に動かなければいけません
万が一姫や一般人の身の危険は【かばう】で逃がします

ここは通しません
あなた達は祝いの席には不釣り合いなのですから


犬飼・一茶
ふん。無粋な輩よな、嘉日ぐらい平穏に祝わせてやらぬか
そも、ひとつ躯で無数の男を馴らすというのが、儂はまったく気に食わぬ
人を妬けばいずれ己が身をも焼く
儂に言われねば判らぬ齢でもなかろうに、な

遊撃
屋敷の屋根より見回す。之の身を狼として駆け巡るでもよい
忍び込んだ霊や苦戦している者を探し、赴こう
単体であれば『グラウンドクラッシャー』
多数であれば中心に飛び込み『ジャスティス・ペイン』のうえ、
仲間は繁みなりに放ったのち『人狼失格』
屋敷の者を庇うように立ち回る

*古風で高尚な狐面頬「朱毬」、昼行燈な依代の人狼青年「一茶」
*行動のほかは例に過ぎぬ。之と共に、其方の意の随に儂を動かせ
*おれも朱毬も、絡みは歓迎だよ




 表門、裏門の守備は固く、怨霊たちは門の突破をあきらめ、次々と塀を越えるようになった。
 そんな怨霊たちの動きは、屋敷の屋根に陣どった猟兵たちにはお見通しで。
「新年早々に横恋慕の上に襲撃だなんて、穏やかじゃねえな。しかも、手段を選ばないときたもんだ」
「無粋な輩よな、嘉日ぐらい平穏に祝わせてやれば良いものを。そも、ひとつ躯で無数の男を馴らすというのが、儂はまったく気に食わぬ」
 愛用の短弓『弓遠当臨』で次々と敵を射抜く石動・劒(剣華上刀・f06408)の傍らで、戦場を見渡す犬飼・一茶(余生録・f01857)――もとい、人狼青年一茶が身につけている狐面頬『朱毬』が応える。
 聞けば、かの狐は千年を生きてきたという。
「人を妬けば、いずれ己が身をも焼く。儂に言われねば判らぬ齢でもなかろうに、な」
 もっとも、朱毬の言葉を承服するような狐であれば、今回のような過ちを犯しはしないのだろう。
 視線を移せば、東側の塀を越えようとする怨霊の一群がある。
 単身、駆けつけた羅刹の娘――鎹・たから(雪氣硝・f01148)が奮闘しているが。
「怨霊ってのは倒せど倒せどキリがねえ。つまり、それだけ戦い続けられるってことだ!」
 戦闘狂いの己には心躍る戦場ではあるが、かといってあのままでは、いずれ突破されてしまうだろう。
 今回に限っては、屋敷の姫を守りきれなければ意味がない。
 ――俺の足で、間にあうかどうか。
 否。
 かたわらに、泰然と佇む適任が居るではないか。
「怨霊相手もあって、まさに天国のごとき地獄。駄賃といやぁ、怨霊どもの怨嗟くらいしかねぇけどよ。――狐面頬の姐さん、ひとっ走り頼めるかい?」
 劒の頼みに、敵方より飛来した矢を、手にした巨大斧で振り払い。
「赴こう」
 狐面頬『朱毬』は、金の瞳で怨霊たちを一瞥し、頷きひとつ。
「どれ、ひとつ。之の身を狼として、駆け巡ってやろう」
 言うが早いか、戦巫女は屋根を駆けおり、瓦の端から中空へ身を躍らせている。
 ――こんな時ほど、依代である人狼の身を扱いやすいと思ったことはない。
 ぐんと身を逸らせば、風を受けてより遠くへと飛躍して。
 着地めざすは、東側の塀近く。
 眼下には、件の娘・たからの姿がある。
 銀の瞳を、ひたと怨霊たちへ向けるさまは凛として。
「ここは通しません。あなた達は、祝いの席には不釣りあいなのですから」
 サイコキネシスで迫る敵を撃退し、言いはなつも、塀を乗り越える敵の数は増すばかり。
 狐面頬の女は、飛び降りた勢いのまま怨霊の上半身に飛びかかり、巨大斧を叩きつけた。
 頭蓋を割られた怨霊が恨めし気に手を伸ばし、指先から塵芥となって消えていく。
 上空から飛来した人狼に、居合わせた怨霊は一斉に間合いをとった。
 だが、隙をみせたが最後。
 人狼は勢いを殺すことなく敷地内の庭を駆けめぐり、次々と巨大斧を振りかぶる。
 運よく回避できたとて、
「――咲いて、散れ」
 ヒュッと空を切る音に、劒の声。
 霊でさえ断ち斬るという日本刀『一刀霊断』の衝撃波が飛来すれば、何体もの怨霊が連撃になすすべもなく倒れていった。
「祝いの席に、招かれざる客はお呼びじゃねえさ。帰ってくんな」
 啖呵をきる少年にちらと視線を送り、その位置を確認。
 獣のごとく駆けるもうひとりの青年は、並み居る敵を寄せ付けぬとばかりに、大地を割る一撃を繰りだしている。
「お力添え、感謝いたします」
 言葉短く礼を告げ、繰りだされた怨霊の薙刀を、力強くはねのける。
 ――屋敷へは行かせない。
 ――近づけない。
 姫と若者、彼らを祝福する者たちを。
 結婚式という、幸いに満ちた日を。
「必ずまもりましょう。花嫁も花婿も、幸せでなくてはいけません」
 それが確かな未来であると語るような、力強い言葉。
 高所の少年に背を預け、たからは意識を集中させた。
 全身を覆うのは、いつかの雪の日を思わせるサイキックエナジー。
 ふわり琥珀の髪をなびかせ、迫りくる怨霊たちめがけ、意識を傾ける。
「これ以上の突破は、このたからが。決して許しません」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マリス・ステラ
屋敷の『庭』にて迎え撃ちましょう
屋敷を背に、独りで戦わず、他の猟兵を援護しながら戦います
「援護射撃」で隙を作り、負傷した猟兵を「祈り」で癒します

目視はもちろん「第六感」も働かせて怨霊が屋敷に入らないよう警戒
侵入を許したなら即時に追跡、足止め及び撃破を優先します

「祝いの席にこのような狼藉は無粋でしょう」

姫君を除いて自らの自尊心を満たそうとは、なんといと小さき者
祝える器量があればまた違う未来が視れたかもしれませんが…

必要に応じて【生まれながらの光】で高速治療も行う
響く弦音は破魔の力を宿し、射る矢と共に怨霊を浄化する

「白仙狐と申す者、怨霊を呼ぶだけが能ではないはず。姿をお見せなさい」


サイラス・レドモンド
【POW】
女の嫉妬っつーのは怖ぇよなぁ…
まぁ男の嫉妬も大概だからどっこいどっこいか。
とりあえずまぁ守ってやるぜ!

南と北か…オレァ偏って人数少ねぇ所に行こうか。
さぁて…親玉が来るまでひと暴れと行こうぜぇ!!
まずぁ『野生の勘』も加えて周囲に警戒しつつ
オレァいつも通り『串刺し』『なぎ払い』『槍投げ』『吹き飛ばし』
そして『誠の一突き』を駆使し
槍使いらしい戦い方で行くぜ!

行動する際の移動には『ダッシュ』『地形の利用』を駆使
怯ませられんなら『殺気』立てて『恐怖を与える』のも考えたい。
効かなそうなら時点で中止。

回復のこたァ他に任せる!オレァ戦い抜くしか脳がねぇからなァ!
その代わり仲間のピンチにゃ『かばう』!


銀座・みよし
仕えるお方の晴れの日と思えば、従者の皆様方の気合も入りましょうに…
馬に蹴飛ばされても文句が言えない所業にございます!
わたくしもメイド…もとい大切なお方に仕える従者でありますし
ここは手助けと参りましょう

・POW
隼の瞳は太陽と月で出来ているにて巨大隼のホルスさんを呼び
『塀』の上を飛びながら各種怨霊をふっ飛ばしましょう
【空中戦】ならばこちらに多少の分がありましょう?

あと弓を持っていますし、ホルスさん任せでなくわたくしも攻撃に参加です
ホルスさんと視界を同期し、攻撃力をあげて【スナイパー】をします
【第六感】を働かせながら弓を引けば、他の皆様の【援護射撃】にもなるかしら?




 南の表門、北の裏門。
 そして、東付近の塀を猟兵たちがおさえたことで、敵の多くは散り散りになっている。
 一方、西付近の塀を護っていた者たちは、まだその事を知らない。
「祝いの席に、このような狼藉は無粋でしょう」
 ヤドリガミの聖者、マリス・ステラ(星を宿す者・f03202)は、屋敷を背に、他の猟兵を援護するべく大型弓『星屑』を手に立ちまわる。
(「――優先すべきは、怨霊が屋敷に入らないよう、注意を払うこと」)
 響く弦音は破魔の力を宿し、射る矢とともに、怨霊を浄化していく。
 目視はもちろん、第六感を働かせれば、屋敷へ迫る怨霊を確実に仕留めた。
 しかし、怨霊たちの攻撃もある中、攻撃だけに専念することは難しく。
「オレァ戦い抜くしか脳がねぇんだ! 回復のこたァ任せるぜ、嬢ちゃん!」
 マリスめがけ放たれた矢をかばい受け、ケットシーの竜騎士サイラス・レドモンド(野生のままに・f09014)は全身の毛を逆立て、吠えた。
「言ったはずだぜ! オレァ、突く事しか脳がねぇからなァ!!」
 槍に変じた幻影竜『カーネリアン』をひるがえし、鎧武者へ渾身の一撃をはなつ。
 一体を串刺しにしたまま、さらに力をこめ、「オラよ!!」と周囲の敵をもなぎ倒せば、
「仕えるお方の晴れの日と思えば、従者の皆様方の気合も入りましょうに……。皆様、これは馬に蹴飛ばされても文句が言えない所業にございますよ!」
 空が陰ったかと、怨霊たちが天をあおぐ。
 そこには、巨大隼ホルスにつかまり、弓を構えたシャーマンズゴーストの銀座・みよし(おやしきのみならいメイド・f00360)の姿があった。
 ホルスと視界を同期し、第六感を働かせ弓引けば、サイラスに迫る怨霊を正確に射抜いていく。
「竜騎士のお方。ありがとうございます」
 マリスはすぐに『生まれながらの光』をはなち、サイラスの傷を高速治療しながら、礼を告げて。
「イイってことよ。ともあれ、ここへきて敵の数が減ってきたみてぇだな」
 サイラスは傷口のふさがった腕をぶんと振り、周囲を警戒しながら槍を構え直す。
 武家屋敷上空から迎撃を行っていたみよしも、その変化には気づいていた。
 マリスとサイラスに迫ろうとする怨霊を、塀すれすれまで滑空し、吹き飛ばす。
「わたくしもメイド――もとい大切なお方に仕える従者でありますし、最後まできっちり、手助けと参りましょう!」
 この場において、鳥の眼より優位にたてるものはない。
「空中戦ならば、こちらに分があります! 鳥の眼をもって、支援いたしましょう!」
 みよしの援護を受けながら、マリスとサイラスは残る怨霊を着実に屠っていった。
 敵の数もあとわずかと、武器持つ手に力をこめた、その時だ。
 ――シャン、シャン、シャラン。
 怪しげな鈴の音を耳にしたマリスが、すぐに音のした方へと青の瞳を向け、鋭い声をはなつ。
「白仙狐と申す者、怨霊を呼ぶだけが能ではないはず。姿をお見せなさい」
 ――シャン、シャラン。
 鈴の音とともに虚空から姿を現したのは、妖艶な肢体に白の髪がうつくしい『傾国の白仙狐』。
『なるほど。ぬしの六感は鋭いとみえる』
 女妖狐はそう言って戯れに聖者をたたえると、紅さした唇をくの字に曲げ、嗤った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『傾国の白仙狐』

POW   :    その精、喰ろうてやろうぞ
【全身】から【魅了の術】を放ち、【幻惑】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    出でよ我が僕、死ぬまで遊んでおやり
【自身に従属する妖狐】の霊を召喚する。これは【剣】や【電撃】で攻撃する能力を持つ。
WIZ   :    妾の炎に焼かれて死ぬがよい
レベル×1個の【狐火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は御狐・稲見之守です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 召喚した怨霊の多くは、猟兵たちの活躍により、その多くが灰塵と化し、消えた。
 あれだけの数がありながら、一体とて屋敷に近づけなかったのは、力をふるった猟兵たちの賜物だろう。
 しかし。
『さ。妾の戯れはここまでじゃ。今日は、ほんに良き嘉日。姫をさしだせ。さすれば、他の者の命までとりはせぬ』
 艶然と笑みを深める女狐を前に、マリスは毅然とした態度で、言った。
「姫君を除いて自らの自尊心を満たそうとは、なんと小さき者。祝える器量があれば、また違う未来が視れたかもしれませんが」
 マリスを背にかばい立ち、サイラスも槍を構えながら、言った。
「女の嫉妬っつーのは怖ぇよなぁ……。まぁ男の嫉妬も大概だから、どっこいどっこいか」
 女狐の出現を受け、四方位に散っていた猟兵たちが、一同に集まるのを受け、竜騎士は言った。
「さぁて! 親玉相手に、もうひと暴れと行こうぜぇ!!」
石動・劒
諦めが悪いのか、引くに引けなくなったか。
妖狐の。お前にゃどうも妖術の才しか天から授かってねえみたいだから、冥土の土産に教えといてやるよ。――勝負ってのは、冷静さを欠いたやつから負けるもんだ。戦さ場であれ、色恋であれ、な。
ま、受け売りなんだけどな。色恋の方はまったくの未経験だし。

妖術に対しちゃ特に魅了は対策がねえから、誰かと連携して正気に戻して貰いたいところだ。
相手が冷静さを欠いた状態で攻撃してきたら残像で回避。
忍び足で背後から火力重視の華剣終体で2回攻撃だ。
二撃必殺の華剣終体――見きれるか、ってな。

この祝いの日にゃ、お前の御首で飾っておくのがお似合いだろうさ。
え、いらん? そっかぁ……。


アカネ・リアーブル
あなたが、白仙狐……!

アカネの故郷のドドイツに、こういうのがあります。
「人の恋路を邪魔する方は 馬に蹴られてお亡くなりなさいませ」
ですが、あなたは妖狐。アカネは猟兵。
なので言い直しましょう。
「人の恋路を邪魔する方は、猟兵に狩られて消え去りなさいませ!」

その精、喰ろうてやろうぞが来たら、兄様の幻影を見てしまいそうです。
アカネはずっと、失踪された兄様をお探し申し上げておりました。
思わず攻撃の手を緩めてしまいますが、他の方の声援もしくは敵の攻撃で我に返ります。
アカネの兄様は、そのような不細工なお顔立ちではありません……!
自己嫌悪と少しの思慕を乗せて、真の姿を開放。巫覡載霊の舞で攻撃します。




『愚かよの。どうあっても生き急ぐと申すのかえ?』
 女狐の眼前に三十の火が円をえがいて浮かび、次の瞬間には、対峙する猟兵たちへ向けはなたれる。
「あなたが、白仙狐……!」
 アカネ・リアーブル(とびはねうさぎ・f05355)は迫りくる狐火を回避しながら、言いはなった。
「アカネの故郷に、こんな言葉があります。『人の恋路を邪魔する方は 馬に蹴られてお亡くなりなさいませ』。ですが、あなたは妖狐。アカネは猟兵――」
 鎖舞扇を構え、舞うように斬りかかり。
 旋回し、死角から狐の首筋を狙い、力強く踏みこむ。
「『人の恋路を邪魔する方は、猟兵に狩られて消え去りなさいませ』!!」
 しかし、女狐はふわり舞いあがり一撃を回避。
 お返しとばかりに背後から耳元に唇を寄せ、戯れのように囁いた。
『ならば教えておくれ。ぬしの恋路は、いかようなものか――』
 それは、なんの香りであろう。
 たとえるなら天上の華を思わせる、甘美な香り。
 意識を奪われた瞬間、アカネは眼前の狐に、『兄』を視ていた。
 その姿をつかまえるように、手を伸べて。
「――兄様。アカネはずっと、兄様をお探し申しあげておりました……!」
「意識を喰われたか!」
 声に正気を失ったとみてとり、敵の『魅了』を警戒していた石動・劒(剣華上刀・f06408)が、即座に駆けつけて。
 動きを止めた娘の背後から、刀の柄で峰打ちをはなつ。
「ッ!!」
 苦悶の声をあげ前のめりに倒れるも、アカネは意識をとり戻した。
 爪で土をかき抉るようにして拳を固め、嗤う女狐を睨みつける。
「兄様は……! そのような、不細工なお顔立ちではありません!」
 術にかかった己の未熟さ、あるいはそこに兄を視たことか。
 くやしさのにじむ声音に、自己嫌悪と少しの思慕を乗せ。
 真の姿を解放し、決意新たに立ちあがる。
『ほほほほほ! うぶな娘御の、なんと愛くるしいこと!』
 劒は飛び交う狐火を残像で回避し、機をはかっていた。
 ――傾国とうたわれ、千年を生きる妖狐。
(「諦めが悪いのか、引くに引けなくなったか」)
 白仙狐のまことの心を知ることはできないが。
 アカネが薙刀で衝撃波をはなったのに合わせ、死角へと飛びこむ。
「妖狐の。お前が天から授かったのは、どうも妖術の才だけみてえだから、冥土の土産に教えといてやるよ」
 衝撃波を避け、背を向けた瞬間。
 愛用の日本刀を構え、両の足先を踏みしめる。
「戦さ場であれ、色恋であれ。勝負ってのは、冷静さを欠いたやつから負けるもんだ!」
 ――ユーベルコード『華剣終体』。
 爆発的に力を増したその技は、女狐の脇腹を確かに薙いだ。
 しかし、
『色恋も知らぬ小童が、ようも吠えおる』
 二撃目は通らず、劒は妖術による衝撃波をくらい、屋敷側へ大きく吹き飛ばされた。
「くっ……そ!」
 衝撃に口を切ったらしい。
 血の味がにじむ唾を吐き毒づくも、女狐は艶然と嗤ったまま。
『さて、こたびの勝ち負けとはなんであろう? 門前にて戸を叩き、迎えをよこし。そうして妾は言うたはずじゃ。「戯れはここまで」「姫をさしだせ。さすれば、他の者の命までとりはせぬ」とな』
 真白の髪をなびかせて。
 白仙狐は広げた腕に三十の狐火を浮かべると、やさしげに微笑んだ。
『姫もろとも。――妾の炎に焼かれ、死ぬがよい』

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

クネウス・ウィギンシティ
アドリブ&絡み歓迎

「味方の数は十分。士気も悪くない。後は、勝利の布石だけですか」

・以下で攻撃
・【SPD】
・方針:屋根の上(動かず)からマシンガンで連続射撃、敵SPD UCの霊ごと足止め
・技能:視力・先制攻撃・スナイパー(UC)、援護射撃(誤射防止)
「CODE:FORTUNA。運命の女神よ、我らに勝利を」

(攻撃中、他猟兵に)
「足止めに徹します。古来より、妖狐の弱点は尻尾。そこに霊力が宿るそうです」

(敵SPD UC対抗)
「離れていれば『剣』は届きませんし、『雷撃』もサイボーグなので多少は耐性があります」


亜儀流野・珠
ふむ。形も含め中々の大物だな。
まあ中身は癇癪持ちのひよっ子のようだがな!
狐よ、振られて寂しいなら遊んでやるぞ?
あの怨霊を堰き止めた精鋭たちだ、遊び相手としては十分だろう。
それでも足りないと言うなら、「俺たち」も加わろうか?
俺たち、召喚だ!千珠魂!

狐火を集中されたら痛いからな。大勢の俺で広がり撹乱しつつ距離を詰める!
そして囲み、狐火斉射だ!
至近距離で大量の狐火を撃ち込まれれば流石に効くだろう!
足りなければ散って同じことを繰り返す!
これへの対処で他の者が攻める隙もできることだろう!

確かに狐には人を惑わし国をも傾ける奴もいる。
だがそういうイタズラ狐は俺みたいな大人が叱ってやらないとな!


銀座・みよし
攻撃は他の皆様方にお任せいたしまして…わたくしはメイドの本分を果たしたく思います
即ち他の皆様の補佐、ということです

・WIZ
敵がお姫様の方へ意識がいかないように【おびき寄せ】をいたします
わたくしには【時間稼ぎ】も【逃げ足】も多少の心得がございます
こちらである程度誘導が出来れば、他の方々も攻撃のタイミングが図れましょう

あと負傷した方々が居られればおいしい朝ごはんにて治療を致します
…あっ、ここサムライエンパイアだから洋食よりも和食メニューの方が分かりやすいかしら
鮭のおにぎりに沢庵とお茶とか、そういうの
どうしましょう、バスケットの中はサンドイッチとかしかございません…




 白仙狐のはなった狐火は屋敷と門、塀までもを燃やし、炎は次々と延焼していった。
 屋敷内からは悲鳴や怒声があがり、それまで身を隠していた武者たちが、次々と庭へと飛び出してくる。
 もちろん、若者と姫も。
「皆、わたしより姫を……!」
 腕を火傷したらしい。
 痛みに歯を食いしばる武者鎧の美丈夫が、若君であろう。
 その身を案じる姫の姿は、誰の目にもひとめでわかった。
 ――ましろき純潔の娘。
 ものものしい鎧姿のなか、白無垢を着た娘の姿はいっそう際だって見えて。
 女狐の姿をみとめ懐剣を抜き構えると、若者の前に立ち、唇を引き結ぶ。
『見つけた』
 鎧武者が幾人も若い夫婦を取り囲んだが、女狐には大した問題ではない。
『――出でよ我が僕、死ぬまで遊んでおやり』
 白仙狐は猟兵たちを捨ておき、召喚した妖狐の霊とともにすぐさま姫のもとへ向かおうとしたが。
「CODE:FORTUNA。運命の女神よ、我らに勝利を」
 声は頭上から。
 続いて超高速の連続射撃が、前進しようとしていた妖狐の霊を幾重にも撃ち貫く。
 見れば、クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)が燃えあがる炎を背に、毅然と佇んでいた。
「離れていれば『剣』は届きませんし、『雷撃』もサイボーグなので多少は耐性があります」
 延焼がひろがれば移動するよりほかになくなるが、もういくばくか、高みから支援する猶予はありそうだ。
 ――味方の数は十分。士気も悪くない。
 後は、勝利の布石だけ。
 サイボーグの鎧装騎兵は、その青の瞳に確かな未来を見据え、言った。
「足止めに徹します。古来より、妖狐の弱点は尻尾。そこに霊力が宿るそうです」
 同族である亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)は、それを聞いて「すべての妖狐の弱点がそうであるとは限らんがな!」と笑い。
「ふむ。形も含め中々の大物。まあ、中身は癇癪持ちのひよっ子のようだがな!」
『ぬかせ! そなたも長きを生きる同族であるなら、妾の想いがわかろうものを!』
 邪魔するでないと憤る白仙狐に、珠はぴんと耳と尻尾を立て、カラカラと笑った。
「狐よ、振られて寂しいなら遊んでやるぞ? 怨霊を堰き止めた精鋭たちでも足りないと言うのなら――俺たち、召喚だ!」
 千珠魂を掲げ現れたのは、珠自身の分身八十体。
 女狐が狐火を撃ちはなつも、数体が霧散するのみで。
 残る『俺たち』は、わらわらと戦場一帯を駆けまわり、霊と女狐をかく乱し続ける。
「確かに狐には人を惑わし国をも傾ける奴もいる。だが、そういうイタズラ狐は俺みたいな大人が叱ってやらないとな!」
 クネウスの射撃が集中的に霊を狙い、珠の分身が白仙狐にまとわりつく。
 この隙にと動いたのは、銀座・みよし(おやしきのみならいメイド・f00360)だ。
「さあさ、みな様は今のうちにこちらへ」
 メイドの本分を果たすべく、若者と姫、そして武者たちに少しでも戦場から遠ざかるよう呼びかける。
 万が一の際には己が敵を惹きつけ、時間を稼ぐ構えだ。
 見れば、猟兵たちほど丈夫ではない一般人たちは、先の火災で傷を負った者も多いようだ。
 こんな時こそ、ユーベルコード特製『おいしい朝ごはん(ブレックファスト・スペシャル)』の出番だ。
「かりっかりのベーコンに目玉焼き、焼き目のついたトーストに……紅茶をお出ししましょう」
 「これを食べれば力がわいてきます」と、手にしていたバスケットを広げ見せ。
 そこで、はたと気づく。
「……あっ、ここはサムライエンパイアだから、洋食よりも和食メニューの方が分かりやすいかしら」
 勢いを落としたメイドに、白無垢の娘は微笑みかけ、言った。
「どうぞこのままで。ありがたく、ちょうだいいたします」
 「さあ、みなさま」と声をかけ、娘はまず先に、武者や若者へと食べ物を配っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

鎹・たから
美しいひとです
ですがあなたは、彼に見てもらえなかったからと言って
祝いの日をこわそうとしている
そんなことは許しません
たからが、あなたをほろぼします

降魔化身法で【妖怪】を宿します
あなたと同じ、狐の力
ですがたからは、正しく使いましょう
どのような代償を払おうとも

小柄な体を活かし敵の懐へ入り込み攻撃を
【暗殺、2回攻撃、先制攻撃】活用
【かばう、オーラ防御】で味方が受ける攻撃も跳ね返します

猟兵同士連携意識
此方に隙を作らず、敵に隙があればいつでも大きな一撃を与えます
一般人達に決して手を出させません

愛されないのは悲しいでしょう
けれど、誰かを本当に愛しているなら
その人の幸福を願うことが
正しい愛なのではありませんか


サイラス・レドモンド
【POW】
おうおう、別嬪さんだってぇのに残念。
嫉妬に狂って姫を襲うなんざァ、オレでも願い下げだ
そう言う感情は人を変えるっつーが、てめぇらも然りってヤツだなァ!

まずは『野生の勘』『第六感』で敵の動きに警戒。
戦闘は『戦闘知識』を駆使しつつ
オレァいつも通り『串刺し』『なぎ払い』『槍投げ』『吹き飛ばし』
そして『誠の一突き』を駆使し
槍使いらしい戦い方で行くぜ!

回復のこたァ他に任せる!オレァ戦い抜くしか脳がねぇからなァ!
その代わり仲間のピンチにゃ『かばう』ぜ!
『激痛耐性』があんだ、多少なら耐えられる!
魅了の術諸々は『気合い』で何とかなんねぇか?
ならねぇならならねぇで仲間の援護を待つ!

トドメはさせれば指す。


天之涯・夕凪
ええ、良き嘉日でしょうとも。
悪い狐がキツい灸を据えられて、花嫁花婿が晴れて結ばれるのですから。

可能なら血統覚醒で自身を強化してから、咎力封じ。
難しいようなら咎力封じだけでも狙います。
うまくユーベルコードを封じれたら、他の方へのサポートになりますから。
剣も、電撃も厭いません。
攻撃は常に【捨て身の一撃】、本体狙い。
最終的に誰かが妖狐を倒せるのであれば、私は如何様にでも傷つきましょう。
けれど、彼女を倒し、彼らを救うまでは、絶対に地に膝はつかない。

オブリビオンを滅ぼし、理不尽に嘆く方を救うのが、私の責。
私の咎ですから…
ええ、死ぬまで遊びましょう。『“貴女”が死ぬまで』。

他の方との連携やアドリブ歓迎。


マリス・ステラ
「"傾国の"という形容に相応しい美貌ですね」
素直に賛辞を送るが、それでも戯れで姫君を亡くすわけにはいきません

ケットシーの竜騎士を始め、他の猟兵の支援に徹します
「援護射撃」で隙を作り、牽制して行動を阻害、祈りで味方を回復
【WIZ】を駆使して状況判断、冷静に対応して戦います

負傷の度合いの高い人には【生まれながらの光】で治療
複数人いても躊躇わすに使います
激しい疲労感にも毅然と前を向く

「それが困難だとしましょう。それでも私は試みます」

それは止める理由にはならないし、それが私の「覚悟」です

「汝の隣人を汝自身が如く愛せよ。そうできたら良かったのです」

弦音を鳴らして弓を射る
破魔の力で妖狐を撃ち抜きましょう




 屋敷は今なお激しく燃えさかり、猟兵たちは呼吸をするたび、むせかえるような熱風を浴びる。
 門や塀をも焼かれ、一般人の退路を断たれたことで、万が一にも先へ行かせるわけにはいかなくなった。
 仲間がなんとか距離をおき、守ってはいるものの。
 猟兵たちの一進一退が、一般人の命を左右するといっても過言ではない状況。
「美しいひとです。ですがあなたは、彼に見てもらえなかったからと言って、祝いの日をこわそうとしている」
 鎹・たから(雪氣硝・f01148)は『降魔化身法』でその身に妖怪を宿し、女狐の懐へ飛びこんだ。
 ふるうは、女と同じ『狐』の力。
 毒がまわるように、妖怪の意識が、己を蝕んでいく。
 麻痺していく感覚に歯を食いしばりながらも、少女は誓った。
「――どのような代償を払おうとも。たからは、正しく使いましょう」
 爪による連撃。
 まさに狐を思わせる身のこなしで、妖の脇腹を斬り裂く。
 しかし、
「ッ!!」
 横合いから剣撃をくりだした霊が、少女の背を斬り裂いた。
 間一髪、オーラで防御し深手を免れるも、やむなく距離をおく。
 それでも一般人達にだけは手を出させまいと、たからは声をあげ、挑発を続ける。
「愛されないのは悲しいでしょう。けれど、誰かを本当に愛しているなら。その人の幸福を願うことが、正しい愛なのではありませんか」
 少女のまっすぐな問いかけに、白仙狐は薄く嗤った。
『「正しい」? ぬしの語る愛の形は、万人に通ずるとでも思うておるのかえ? なんとまあ、幼い正義よの』
「おうおう、別嬪さんだってぇのに残念! 嫉妬に狂って姫を襲うなんざァ、オレでも願い下げだ!」
 声をあげ霊へ向け槍を繰りだしたのは、サイラス・レドモンド(野生のままに・f09014)だ。
 二度、三度。
 剣と槍を交え、攻防を繰りかえし、
「そう言う感情は人を変えるっつーが、てめぇらも然りってヤツだなァ!!」
 声とともに、渾身のひと突き。
 貫通した身をそのまま投げ飛ばせば、力尽きた霊が、黒い霧のように霧散していく。
 その合間にも、マリス・ステラ(星を宿す者・f03202)は仲間を援護すべく、弦音を鳴らし弓を射る。
「『傾国の』という形容に相応しい美貌ですね。しかし、戯れで姫君を亡くすわけにはいきません」
 攻撃を繰りだそうとする白仙狐を、破魔の力で牽制。
「羅刹の化身忍者。今のうちに、回復を」
 隙をみてたからのもとへ駆け寄り、『生まれながらの光』で傷を癒していく。
 ――女狐を行かせれば、一般人の命はない。
 まだ幼さののこる花嫁が懐刀を手に佇んでいた姿を思いだし、天之涯・夕凪(夜空の端にて・f06065)もまた、白仙狐へ迫った。
「ええ、良き嘉日でしょうとも。悪い狐がキツい灸を据えられて、花嫁花婿が晴れて結ばれるのですから」
 はなった拘束ロープと手枷がその身にかかり、わずかながらも咎となる。
 女狐はわずかに眉を動かしたものの、
『抗おうとも、同じことよ』
 三十の狐火を二つの巨大な炎へとまとめ、眼前の猟兵たちへと撃ちはなつ。
「させません……!」
 マリスへの炎は、回復を受けていたたからが。
 夕凪への炎は、サイラスが身をていして受け止めた。
 サイラスの自慢の毛並みが燃えあがり、全身に激痛がはしる。
(「――オレァ、戦い抜くしか脳がねぇからなァ!」)
 我ことながら単純明快。
 口の端をもたげ、仲間たちへ叫んだ。
「後のことは、任せたぜ!!」
 力を振りしぼり相棒の槍『カーネリアン』を投げれば、白仙狐は嘲笑うようにそれを妖力ではらいのける。
 その、わずかな隙を。
 夕凪は見逃さなかった。
 炎にのまれ倒れゆくサイラスの側に立ち、銀の瞳を見開く。
(「――彼女を倒し、彼らを救うまでは。絶対に、地に膝はつかない」)
 『紫黒』と呼ぶ聖痕を発動させた、捨て身の一撃。
 我が身を巣食い、蝕む呪いの楔が、白仙狐の身体を急速に侵していく。
『ギャアアアアアアアアア!!』
 その美貌からは想像もできないような、おぞましい悲鳴があがり。
 女狐は、ぐずぐずと醜く身の内にひろがる呪いに、怒りをもって夕凪を殴り飛ばした。
 倒れ、顔をあげれば、ぽたぽたと地面に血が落ちる。
 額に手をあてた手指が、つめたく濡れて。
 ああ、彼女の爪で額を切ったのだと、わかった。
「オブリビオンを滅ぼし、理不尽に嘆く方を救うのが、私の責。私の咎ですから――」
 だれにともなく、呟いて。
 深緋のリングピアスを揺らし、立ちあがる。
 夕凪の後ろには、倒れたたからとサイラスへ向け回復を続ける、マリスが居る。
 強力な狐火によって重傷を負った二人への高速治療は、激しい疲労を伴う。
 しかし、マリスはためらわなかった。
 毅然と、白仙狐を睨みつけて。
「抗うことが、どんなに困難なことだとしても。それでも、私は試みます」
 先の少女の言葉に続ける想いで、言いはなつ。
「汝の隣人を、汝自身が如く愛せよ。あなたも。そうできたら良かったのです」
『だまれ! だまれだまれだまれぇ!』
 白仙狐の激情を映すかのように猛る狐火を浮かべ、叫ぶ。
『このような戯れ、今度こそ死舞いにしてくれようぞ!』
「ええ、死ぬまで遊びましょう」
 応えたのは、額から流れる血に、白い顔と、泣き黒子を濡らした夕凪で。
 熱風に漆黒の髪をなびかせ、言った。
「『“貴女”が、死ぬまで』」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

鷲生・嵯泉
傾国などと形ばかりを整えようと
口を開けば性根の醜さが滲むぞ女狐

しかし流石に独りではどうにもならんな
図れるならば他と連携を以って当たる
自身の命を削る事に抵抗など無い
それを惜しむ事で成すべきを無し得ない事の方が余程不快だ
多少の傷など構わず攻撃優先の姿勢は変えず
怯む隙があれば前へ出る
烈戒怒涛を使用し
見切りからのフェイント、カウンターでの攻撃を狙うとしよう
単純な攻撃は武器受けにて躱すとして
通じるならば幻惑には破魔で抵抗してみるか

お前にくれてやるものなど何1つ無い
相手を心より愛し、思い遣る者達こそ祝福されて未来を歩み
お前の様にくだらん謀で他者を蔑ろにする者に先は無いという事だ


犬飼・一茶
――、ふ
若き士魂は、倩々眩しいものよな
しかし儂とて、後塵を拝す趣意もありはせぬ

屋敷への線を塞ぎ、家人の護りを最優先
術や飛び道具があれば打ち払う
余力があれば地形破壊で敵方を妨害しつつ、
儂に向く攻撃があれば、或いは隙を突きUCにて迎撃/強襲
……この札を切ると、後で之が煩いのだがな
まあ、この日ぐらいは赦せよ。孰れ先も短きこの畢生
若人のめでたき首途を照らせるのなら、この命を燃して悔いはない

――なあ、昔者よ
儂ら老骨は地に埋もり、若衆の路を均すが筋であろうよ

*古風で高尚な狐面頬「朱毬」、昼行燈な依代の人狼青年「一茶」
*行動のほかは例に過ぎぬ。之と共に、其方の意の随に儂を動かせ
*おれも朱毬も、絡みは歓迎だよ


香神乃・饗
人が作りだす乱戦という混雑の地形を利用し目立たない様に紛れ込み
香神写しで増やした苦無を視界を遮るようフェイントをかけ次々打ち込み
死角に回り込んで苦無で暗殺を狙うっす
近くで見れば結構イケてるじゃないっすか
横恋慕なんかしなくとも引く手あまたじゃないんっすか?
もしガードされたら距離を置くとみせかけて
先ごろ組み合った際に引っ掛けておいた剛糸でしめあげるっす!
そのまま両断できれば御の字
厳しいなら動きを止めるくらいはできるはずっす!
攻撃を受けても耐え抜く覚悟
隙を作れれば誰かが仕留めてくれるっす、信じて託すっす!




 屋敷の炎は勢いを増し、轟音をたてて一部が崩れ落ちた。
 舞い降る粉雪は炎にあおられ、中空であとかたもなくとけていく。
 今日が雪の降るような底冷えの日であったなど、もはや、誰も覚えてはいない。
「――、ふ。若き士魂は、倩々(つくづく)眩しいものよな」
 急ぎ戦線を退く猟兵と入れ替わり、薙刀を構えた犬飼・一茶(余生録・f01857)――もとい、その依代が身につけた狐面頬『朱毬』は短く笑んだ。
「儂とて、後塵を拝す趣意もありはせぬ」
 人狼の脚力を生かしぐんと地を蹴ると、一般人が身を寄せる方角へは断じて通さぬと、飛来する狐火へ迫り、次々と薙ぎはらっていく。
 手にした苦無を十八に増やし、香神乃・饗(東風・f00169)も戦場を駆け抜ける。
 白仙狐の視界をさえぎるよう、複数の苦無を四方位から打ちこんで。
 死角に潜りこんだ隙に、首筋を狙い、手にした苦無を閃かせた。
 勘のいい狐は振り返った。
 白い髪がうねるように流れ、炎を映し燃える瞳が、饗を恨めし気に睨めつける。
 女狐はかろうじて一撃を避けた。
 しかし、逸れた刃は肩をえぐり、髪の一部を切りおとしている。
「近くで見れば結構イケてるじゃないっすか。横恋慕なんかしなくとも、引く手あまたじゃないんっすか?」
 それは挑発でもあり、饗の抱いた、ごく素直な感想でもあったのだが。
『見えすいた戯言を……! その精、喰ろうてやろうぞ!!』
 白仙狐は饗の腕へ爪を立て、掴み、全身から魅了の術をはなとうとする。
 その時だ。
「――縛を解く。是を以って約を成せ」
 鷲生・嵯泉(烈志・f05845)の言葉に従い、刀剣に宿りし剣精が嵯泉へと力を与えた。
 それは、刻一刻と命を削る行為ではあったものの。
(「自身の命を削ることに、抵抗など無い。それを惜しむことで、成すべきを無し得ないことの方が、余程不快」)
 まるで、翼を得たかのように身が軽い。
 地を駆ければ、疾風のごとく距離を縮めて。
「傾国などと形ばかりを整えようと、口を開けば性根の醜さが滲むぞ女狐」
 呼び声に白仙狐が視線を向けた隙を狙い、饗は掴む手を振りはらい、叫んだ。
「俺にも……動きを止めるくらいは、できるっす!!」
 組みあった際に絡ませておいた、剛糸。
 爪の喰いこんだ腕が痛むが、行動を起こすのに支障はない。
 くいと手繰れば、狐の身体を締めあげるには十分で。
(「隙を作れれば誰かが仕留めてくれるっす、信じて託すっす!」)
 念じた声を聞くまでもない。
 すかさず薙刀を振りはらった狐面頬に続き、嵯泉は身動きを封じられた白仙狐めがけ、刃を振りおろす。
 ――一閃、露を掃い、鋭悉くを断つ。
 蠱惑的な肢体に、ずぶりと、刃が沈んで。
『アアアアアアア!!』
 狐は空を仰ぎ身を逸らし、悲鳴をあげた。
 豊かな双房には真一文字が刻まれ、その身体を真紅に染めあげていく。

『あああああああああ!!!!!』
 女狐の絶叫が耳につくや、猟兵たちとともに身を隠していた白無垢の娘は、一目散に戦場へ走った。
「姫! 一体なにを……!」
 落ちた綿帽子を捨て置き、己を呼ぶ若者の声を振りきってでも、娘には知りたいことがあった。
 炎にまかれぬよう息きらし戦場の端へ至れば、白仙狐は、すっかり血濡れた狐と成り果てていて。
 その姿は、災禍をこうむった娘の眼から見ても、あまりに哀れで。
「ああ……!」
 口元をおさえ、一度は目を背けるものの。
(「いいえ、わたくしはきっと。見届けねばなりませぬ」)
 意を決し、涙のにじむ眼で、『女』を見た。

 血だまりに沈む狐に、もはや当初の覇気はない。
 力ない腕の一撃を軽く受け流し、嵯泉は言った。
「お前にくれてやるものなど、何ひとつ無い。相手を心より愛し、思い遣る者達こそ祝福されて未来を歩み。お前の様に、くだらん謀で他者を蔑ろにする者に先は無いということだ」
 朱毬は狐の終わりを悟り、せめてもの手向けとばかりに、巫覡載霊の舞を供じた。
(「この札を切ると、後で之が煩いのだがな」)
 神霊体へと変じた手で、薙刀をしかと握り締めて。
「孰(いず)れ、先も短きこの畢生。若人のめでたき首途を照らせるのなら、命を燃して悔いはない」
 携えた薙刀を振るえば、睨みつけるばかりの白仙狐と眼があった。
「――なあ、昔者よ。儂ら老骨は地に埋もり、若衆の路を均すが筋であろうよ」
 言葉を受け。
 狐の口が歪んだのを、朱毬は見た。
 次の瞬間、血染めの狐は衝撃波を受け、地面を転がるように、吹き飛んだ。
 術者の命が尽きれば、施した術も消える。
 屋敷を包んでいた火は、幻であったかのように、一斉にかき消えて。
 そうしてすぐに、建物の影から、白無垢の娘が白仙狐めがけ駆け寄った。
 変身を解いた朱毬が腕を広げ、その身を留める。
 もはや死は明白とはいえ。
 狐の眼は、まだ開いている。
「お願いです、教えてくださいませ……! なぜ貴女は、あの方を連れて行かなかったのです。それだけの力がありながら、なぜ! なぜ……!」
 娘の問いかけに、朱毬は眼を見開いた。
 今の今まで、だれも、なんの疑問にも思わなかったけれど。
 確かに、そうなのだ。
 この狐が、若者を望むなら。
 はじめに口説きに来た際に、得意の術にでもかけ、奪い去れば良かったはずだ。
 こうまで手間をかける理由が、ほかにない限り――。
『ふ、ふふ……は!』
 その問いを、まさか人間の小娘に投げかけられるとは、思ってもいなかったのだろう。
 白仙狐は、灰塵と化していく己の身体が空へ昇っていくのを見やりながら、嗤い。
 一瞬の後。
 風に吹かれ、すべて塵となって、消えはてた。
 その場に。
 名も知らぬ花の香だけを、残して。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『戦の跡と続く道』

POW   :    損壊した建屋や残骸の片付け、資材の運搬などの力仕事を引き受けます

SPD   :    炊き出しや役立つ道具の作成、仮住居の設置など住人に今必要とされているものを手配します

WIZ   :    怪我人の治療、復興を効率的にする手段の提供などを行います

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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 焼け落ちた屋敷を前に、若者と姫、そして武者たちが並び、一斉に頭をさげた。
「本当に。なんとお礼を申しあげたら良いかわかりません」
 姫に続き、若者も火傷をした腕で握りこぶしをして見せて。
「先に受けた傷も、この通り。完治しております。我らみな、ご一同に救われました」
 しかし、屋敷も門も業火に焼け落ち、訪れた際の面影はなく。
 娘の白無垢も頬も、すっかり煤にまみれ、祝言をするような場ではなくなってしまった。
 それでも、「庭は残っております」と、娘は言った。
「もし許されるのなら。助けていただいたみな様に、祝言を見届けいただきとうございます」
 請うように若者を見やれば、「姫が望むなら、そのように」と、頷いて。
「ご覧のありさまで、なんのもてなしもできぬ身ではありますが。宜しければ、我ら二人の門出、見届けてはいただけませぬか」

 ならば場を整えねばと、ガレキの片づけや会場づくりに名乗りをあげる者。
 姫や若者の支度を手伝うと、己の特技を活かそうとする者。
 祝いの場を盛りあげるべく、出し物を用意すると声をあげる者。
 場が賑やかになる一方で、ヴォルフラムは己の役目は終わったとばかりに、ガレキの片づけにとりかかっていた。
 サムライエンパイアの文化に疎い身。
 祝いの席への同席は、他の猟兵たちが居れば良かろうと、背を向けて――。
鷲生・嵯泉
……祝いの席に似合う身でもない
残骸の片付けを手伝う位で済ませよう

一戦交えた後ではあるが、幸い力仕事をするのに支障はない
動くに辛そうな怪我人があれば、治療を行う者の所へ運ぶ
最後まで責は持つ。安心して任せると良い
未だ使えそうな資材と、それ以外を可燃物・不燃物に分け
大八車でもあれば乗せて運ぶ事としよう

ふと、姫が女狐に問うた事を思いだす
自分なら必ず男の心を捕らえられると自惚れたか
或いは……
本当に彼に魅かれ、術等に頼らず自らを愛して欲しいと願ったか
まあ、真の理由など本人でもなければ解る筈も無い、か……

祝宴そのものは参加せず
未来へ歩む者達の姿は、眩しい程に喜ばしい
この先が幸満ちた途である事を祈ろう


天之涯・夕凪
【SPD】
自分の治療は適当に。最低限に。
人の目を引かない程度に留めて、片付けと祝言の準備の手伝いを。
…とは言え、流石に力仕事は少なめにしたいですね、なんて、甘えごとを言ったり。
ははは、だめですかね?
ともあれ、とりあえずは庭の瓦礫を撤去するための荷車を探したり、祝言に使いそうな敷物を探したり。
手が少なければ、力仕事【POW】も手伝います。

…祝い事は、私も柄ではないですね。
ある程度片付いて、祝言ができる目途がついたら他の方にお任せして引き上げます。
近くで祝いの花など用意できれば、お二人にあげてくださいと屋敷の方にでもお預けして。
おめでとう。
どうぞ良き未来を得られますよう。
末永くおしあわせに。




「……祝いの席に似合う身でもない」
 残骸の片付けを手伝うくらいならと、鷲生・嵯泉(烈志・f05845)が呟いたそばで、
「奇遇ですね。祝い事は、私も柄ではないのです」
 先の戦いで傷を負った天之涯・夕凪(夜空の端にて・f06065)が、最低限の治療を施した身体を持て余していた。
 対する嵯泉はというと、戦闘後に癒しを施してまわる猟兵が多く居たおかげで、疲労はほとんど残っていない。
「治療は受けないのか?」
 気付いた嵯泉が、負傷者を癒してまわる猟兵たちへ視線を向けるも、夕凪は目を伏せ、静かに首を振る。
「私のは、適当で良いのです」
 自嘲するような、薄い笑みを浮かべる線の細い男を一瞥し。
 嵯泉は憮然ともとれる薄い表情を向け、言った。
「最も人手が必要なのは、焼け落ちた屋敷の残骸を片づける力仕事だろう」
「流石に、力仕事は少なめにしたいですが。ははは、だめですかね?」
「傷を治して、出直してくることだ」
 言い捨て、背を向けた嵯泉の背へ。
 夕凪は「荷車はあちらにありましたよ」と、声をかけ、続ける。
「先ほど、屋敷の方に聞きました」
 返事をせぬまま、示した方向へ向かう嵯泉を見やり。
 夕凪も、最後までともに作業をすることに決めたらしい。
 屋敷のほとんどは焼け落ちたとはいえ、幸いにして炎を免れた部分もある。
 嵯泉は、そば近くに佇む夕凪へ視線だけを向け、言った。
「未だ使えそうな資材と、それ以外に分けてくれ。祝言に使えそうな資材があれば、残す。不燃物は、私がしかるべき所へと運びだそう」

 あるていど、場が片付いたところで。
 夕凪は嵯泉に向かって一礼し、片づけの一団から離れた。
 ちょうど屋敷を野次馬しに来ていた花売りを呼びとめ、祝い花をいくつか見繕ってもらう。
「この花を、お二人にあげてください」
 買い取った花を屋敷の人間に託し、ますます賑やかになる場に背を向けた。
(「おめでとう。どうぞ良き未来を得られますよう。末永く、おしあわせに――」)

 多少の縁があったからとて、ひとの心模様はわからぬもの。
 去りゆく男の背を見送りながら、嵯泉はふと、姫が女狐に問うた言葉を思いだしていた。
『――なぜ貴女は、あの方を連れて行かなかったのです。それだけの力がありながら、なぜ!』
 己なら必ず、男の心を捕らえられると自惚れたのか。
 あるいは、本心から若者に魅かれ、術等に頼らず自らを愛して欲しいと願ったのか。
「まあ、真の理由など、本人でもなければ解る筈も無い、か……」
 呟き、赤眼の剣豪も、ひっそりと屋敷を後にする。
(「未来へ歩む者達の姿は、眩しい程に喜ばしい。この先が、幸満ちた途である事を祈ろう――」)

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

イルナハ・エイワズ
POWでガレキの片づけを行いましょう

建屋の片づけを行いつつ、燃え残ったものを探しましょう
祝言に使えるようなものが残っていればいいのですけど
梁や意匠彫りされたものなどで再建に使えそうなものがあれば仕分けを行っておきます

ヴォルフラムさんとお話をしましょう
祝言は見ていかないのですか?
世界を夜と闇から解放した先には
これから行われる祝いの席のようなことが
あの世界でも陽の光の下に行われることになるのでしょう
近くで参加しろとは言いませんが
遠くからでも見ておくといいと私は思いますよ
貴方が予知したことですし

私は遠くから観察させて頂く予定です
視力はいいので遠くからでも十分観察はできますので


マリス・ステラ
【WIZ】
怪我人を治療して一段落、ふと目を向ければ、ヴォルフラムの姿を認める

「祝言が始まりますよ」

片付けはその後でもよろしいのではありませんか?

参列しないのかと問いますが、私自身はこの場で構いません
参列しないなら、

「それでは少し私に付き合っていただけませんか?」

提案します
返答にかかわらずお酒を出します
お猪口は二つか三つ
一つはヴォルフラムに
一つは自分に、順にお酒を注いで、

「若者と姫君の前途に」

そう口にしてから、もう一つには白仙狐のために注ぐ

「そして彼女に」

白仙狐が何を考えていたか、私にはわかりません
でも、彼女を悼む者がひとりくらいいてもいいでしょう

祝言の宴の音を遠く感じながら、私は空を見上げた


亜儀流野・珠
お疲れ様だヴォルフラムよ!
突然だが本日二度目の奥義――『千珠魂』!俺たち召喚だ!

「俺たち」は小さいがしっかりと力持ちだ。
片付けを始めなんでもできるぞ!と言う訳でここはもう大丈夫だ!
でだ。無理にとは言わないが…俺の代わりに祝いの席に参列してはくれないか?
目出度い話は好みだが改まった席は少し、な。
酒も飲めんし……ああ15歳だなどと名乗らねば良かった……
…まあ、ともかくだ!任せたぞヴォルフラムよ!
そちらでも作業があるなら俺たちを何人か貸してもいいぞ。作業が終わったら撫でてやってくれ!

さて俺は作業を続けるか。

……狐よ、我が同族よ。
その想い、阻んだこと許せ。
全く。恋とは厄介なものだな、同族よ。


鎹・たから
POW

たからは瓦礫の撤去を手伝います
出し物や料理は作れませんから

サイコキネシスで瓦礫を撤去
動かせない物があればなんでも言って下さい
すぐ向かいます
皆さんと協力してなるべく早く会場を整えます

怪我人には薬箱を使用
【救助活動、医術、優しさ】が役立つでしょう

ヴォルフラム、一人より二人
二人より沢山ですよ
皆さんと一緒に
彼らの式を見届けませんか

式を見ながら思うのは狐の言葉

たからの正義は、幼いのでしょうか
いいえ、たとえ幼くても
たからはたからを曲げません
だって、花嫁をすくえたのですから

零れる涙の理由はわかりません
悲しくありません
うれしいのです

屋敷の復興が困難でも
門出を迎えた彼らの笑顔が
これからも続くと信じています


神埜・常盤
屋敷の復興に人手が必要かな?
出遅れてしまったが、僕で良ければ力を貸そう
戦いで皆疲れているだろうし、率先して力仕事を引き受けようか

力仕事を行う同胞が居れば
其方とも声を掛け合ったり
協力しながら効率よく瓦礫を片付けて仕舞おう

資材運びや会場の設営にも積極的に挑もうか
あんな騒ぎの後だ、縁起の悪さを引きずらぬよう
迷惑でなければ会場の設営前に軽くお祓いでもしよう
祝詞に破魔を潜ませて

勿論、祝言も隅の方から祝わせて貰おうかと……
ヴォルフラム君は参列しないのかね?
日陰者の僕もこの世界の式には何度か参列したが
祝いの気持ちさえ有れば、異邦人とて歓迎されるとも
夫婦となる2人も、君に祝われるの嬉しいと思うけどなァ


アカネ・リアーブル
思わずため息が出てしまいます
炊き出しのお手伝いは、あまりの料理の下手さにやんわりと断られ
けが人の治療は、技能を持っていないためお役に立てず
瓦礫の撤去は、ヴォルフラム様に止められてしまいました
……今まで、アカネはどれだけ兄様に頼ってきたか、改めて思い知らされました

……分かりました。アカネは、祝言の席で祝いの舞を舞おうと思います
お二人が末永く、幸せであるように。
最初はお二方のために。宴もたけなわになれば、皆で楽しく舞える舞を。
ヴォルフラム様も、共に舞いましょう!
大丈夫です。アカネがお教えしますから
お二人をお祝いする気持ちがあれば良いのです
母様が遺してくださった舞扇を手に、宴をめいっぱい盛り上げます


香神乃・饗
館まで残せなかったのは力不足っす、申し訳ないっす。

せめてものお詫びに手伝うっす。
掃除は得意っす。七つ道具で戦で荒れた地を整えるっす。
適当な木があるなら地形を利用して、もしないなら木を切り出してきて立て、剛糸を巡らせ、布を被せて簡単な館を作るっす。
婚礼は夜にやるものっすから、夜露をしのぎやすくしておくっす。
新婚さんたちが凍えないように焚き火と、焚き火を束ねてかがり火も作っておくっす。

ヴンダーさん、どこ行くんっすか?一緒に参列するっす。
婚礼は見たことあるっすか?
初めてだったら尚更見ていったほうが良いっす!さ!ここに座って見届けるっす!隣を示し
縁起の良いことは、見てるだけで幸せになれるっす!


石動・劒
まったくひでぇ目に遭った。腕も未熟な内に敵の首魁を侮るもんじゃあねえな。
さて、治療も終わったことだ。鈍った身体を動かして調子を整えるとするか。鍛錬代わりになってちょうど良い。

てことで俺は残骸を片付けるぜ。剣の腕にゃ自信はあるが、重量上げは門外漢なもんでな。デカくて重いもんは断ち斬って小さくしてから運ぶぜ。

あとはそう、そこのフケようとしているグリモア猟兵も呼び止めよう。
よう、ヴォルフラムの。事件解決の言い出しっぺがサボりか?
文化に疎くっても、こういうのは祝う気持ちが大事なもんだ。疎くたって良いじゃねえか。何なら俺が教えてやる。……あんま詳しくはねえけどさ。
ま、とにかく一緒に片付け手伝ってくれよ。


銀座・みよし
お二方の門出を祝うならば、やらねばならぬことが沢山ございます
こんな時こそメイドの出番にございます…ええ、腕が鳴りますね!

とはいえ…あれもこれもやるというのは、
流石に見習いの身であるわたくしには難しいわけでして

・SPD
炊き出しの手配、またそれに付随しての調理補佐をしたく思います
大変な状況だとは存じておりますが
おなかと心を満たさねば、やる気も力も湧きませんからね
…ですのでご飯を食べたら、また頑張りましょうね
お二方の素敵な祝言のために!

ヴォルフラム様を見かけたらお仕事お疲れ様です、と
労いつつ炊き出しのご飯を差し入れしますね

(アドリブや他の方々とのお話は、大好きですので大歓迎にございます!


ロア・ネコンティ
・片付け
表門の修復の手伝いをします。僕も壊してしまいましたし。現地の職人と協力しながら身軽さを生かして竹の足場上で物資の運搬。花嫁と花婿が通るに相応しい門に修復します。

・結婚式
花嫁と花婿から承諾が貰えたら、式の余興に【エレメンタル・ファンタジア】で花の精霊を呼び出し、桜の花びらを降らせます。超常の困難に見舞われたなら、超常の祝福があってもいいですよね。

姫や若者の相手を思う心は美しいと思いました。きっと二人なら末永く幸せに暮らしていけるでしょう。……おや、ヴォルフラムさんは結婚式に参加されないのですか?あなたが予知して我々猟兵が繋いだ結果です。最後まで二人の門出を見届けて下さい。


犬飼・一茶
朱毬
悪いけどおれは、おまえより長生きするつもりはないよ
だのに死出への駆け競べ、自分で縮めては反則じゃあないかな
……
ま、いいや。祝いの席、小言は後だ
そら、新郎新婦があなたに居るよ。直に寿いであげたらどうだい
……
はは、やれやれ。まったく素直じゃないなあ

だんまり面頬と決め込んだ朱鞠は首に提げて
凡夫なりに、狐の焦した瓦礫を片していよう

今や、彼人が裡にどんな心情を湛えていたか、知る由もないけれど
おれの「考察」を宣えば、彼の花婿は初めて狐を辞んだのではないだろうか
故、狐は真に惚れ込み
故、狐は――女は、
愛した男の幸せを、どこかで願っていたのではないかな

なんてね、浪漫思想に過ぎるかな
ヴンダー、きみはどう思う?


エリシャ・パルティエル
アドリブ、どなたとでも絡み大歓迎。

もしまだ怪我をしている人がいるなら、生まれながらの光で傷を癒すわ。せっかくの祝いの場だもの、みんなが痛みを忘れて笑顔でいてほしいもの。
料理の準備があるなら、それも手伝えるわ。こう見えても料理は得意なの。サムライエンパイアの料理ってどんなのかしらね。文化が違うからあまり役に立てないかもしれないけれど。異国の料理に興味津々。

祝いの場では、せっかくだもの、こちらの衣装を着てみたいわ。ヴォルフラムも誘って着物を着る。あたしもこちらの文化にはまだ詳しくないけれど、これも何かの縁、一緒にお祝いしましょう。
姫と若者の祝言に目を輝かせ、異文化を満喫する。




 薬箱を手にした鎹・たから(雪氣硝・f01148)は、石動・劒(剣華上刀・f06408)の手当てを行っていた。
 いかに猟兵とはいえ、戦闘ともなれば傷は負う。
「これで、手当は完了です」
 処置を終えたとたからが告げれば、
「まったくひでぇ目に遭った。腕も未熟な内に、敵の首魁を侮るもんじゃあねえな」
 劒は治療を終えた手を、握ったり開いたりして具合を確認しながら、羅刹の娘に礼を告げた。
 あたりを見渡せば、屋敷の残骸を片づける数多の有志の姿がある。
 眺めるだけというのは、どうにも性に合わない。
「俺も鈍った身体を動かして、調子を整えるとするか。鍛錬代わりになって、ちょうど良い」
 身の丈ほどの残骸を見つけては、愛刀を手に『剣刃一閃』!
 小さな端材にして、運びやすくしてから作業を進める。
 ふと見やれば、灰髪のグリモア猟兵が場を離れようとしていた。
「よう、ヴォルフラムの。事件解決の言い出しっぺがサボりか?」
 声をかければ、男は振り返って。
「手伝いはして行く。だが、俺の役目はここまでだ」
 この世界の文化については不案内なので、式への同席は遠慮すると真顔で告げる男に、劒は呆れたように言った。
「こういうのは、祝う気持ちが大事なもんだ。疎くたって良いじゃねえか。何なら俺が教えてやる。……あんま詳しくはねえけどさ」
 猟兵たちの治療を終えた後、サイコキネシスで瓦礫を撤去していたたからも、二人に気づき、口添えする。
「ヴォルフラム、一人より二人。二人より沢山ですよ。皆さんと一緒に、彼らの式を見届けませんか」
 若者二人の視線を受けて。
「……俺は、あちらの手伝いに向かう」
 二人を振りきり敷地内を歩いていくと、建屋の片づけを行っていたイルナハ・エイワズ(挟界図書館の司書・f02906)の姿を見つけた。
 燃え残ったものを集め、祝言に使えるものが無いか。
 梁や意匠彫りされたものなど、屋敷の再建に使えそうなものがあれば仕分けておこうと、仕分けを行っていたのだ。
 イルナハは、ヴォルフラムの足が門へと向かっているのを見抜き、すかさず問いかけた。
「祝言は見ていかないのですか?」
「それは、俺の役目ではない」
 そっけなく告げれば、魔導書のヤドリガミは眼鏡を押しあげつつ、返した。
「世界を夜と闇から解放した先には、これから行われる祝いの席のようなことが、あの世界でも陽の光の下に行われることになるのでしょう」
 その言葉に、ヴォルフラムの表情がわずかに、動く。
 『絶望』に沈みきった故郷の世界では、眼前にあるような賑やかな風景は、ほとんど見ることができなくなってしまった。
 ――その故郷をさしおいて。己が晴れの場に身を置くという、違和感。
「近くで参加しろとは言いませんが。遠くからでも見ておくといいと、私は思いますよ」
 「貴方が予知したことですし」と付け加える。
「お前は、どうするんだ」
 再び作業へと戻ったイルナハへ問えば、
「私は、遠くから観察させて頂く予定です。視力はいいので遠くからでも十分観察はできますので」
 その近くでは、香神乃・饗(東風・f00169)が己の特技を生かし、七つ道具で荒れた地を整えていた。
 造るは、祝言を行う二人のための晴れ舞台だ。
 ほかの猟兵たちが集めた、まだ活かせる木材をいくつか選んで、館づくりに取り掛かる。
 組んだ木に鋼糸を巡らせ、布を被せれば、それなりに整った館が完成する。
 長時間行われる婚礼の際、夜露をしのぎやすくしておこうという気遣いでもあり。
 新婚の二人が凍えぬようにと、焚き火や、焚き火を束ねたかがり火も、次々と作りあげていく。

 イルナハから向けられた言葉を反芻しながら敷地内を見渡していると、
「ヴォルフラム君は参列しないのかね?」
 戦闘後から手伝いに訪れていた神埜・常盤(宵色ガイヤルド・f04783)が、声をかける。
 ヴォルフラムはそれには答えず、
「手伝おう」
 とだけ、告げて。
 戦いで疲労した仲間たちの役に立とうと、手の必要そうな者を見つけては、率先して力仕事を引き受けていく常盤とともに、しばし、作業にいそしんだ。
 ひと段落したところで、改めて、常盤がヴォルフラムへと言った。
 視線の先には、別所で作業が進める饗の晴れ舞台がある。
「日陰者の僕も、この世界の式には何度か参列したが。祝いの気持ちさえ有れば、異邦人とて歓迎されるとも」
 ヴォルフラムも、それはよく理解していた。
 出席をするとなれば、彼らは快く受け入れ、歓迎してくれるのだろう。
「夫婦となる二人も、君に祝われるの嬉しいと思うけどなァ」
 それでも、どこか祝いごとから距離を置くような男を、常盤は不思議そうに見つめて。
 設営された館へ駆け寄り、饗へと言った。
「あんな騒ぎの後だ。もし迷惑でなければ、縁起の悪さを引きずらぬよう、軽くお祓いをさせてくれないかな?」
「もちろん、大歓迎っす!」
 饗の快諾を受け、祝詞を唱える常盤の姿を見守っていると、
「お疲れ様だヴォルフラムよ! 突然だが本日二度目の奥義――『千珠魂』! 俺たち召喚だ!」
 現れた亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)が、一斉に数を増し、敷地内をあちらこちらへと、駆けまわる。
 小さくても力持ちな『俺たち』は、数を活かして次々と瓦礫を片づけていった。
「ほら、ここはもう大丈夫だ!」
 両腕をひろげ、男を見あげて。
 そうして、すっかり整った祝言の舞台を示し、上目づかいに、言った。
「でだ。無理にとは言わないが…俺の代わりに祝いの席に参列してはくれないか?」
「なぜ、俺に頼む」
 適任は他にもいるだろうと、ヴォルフラムは表情ひとつ変えずに返して。
「目出度い話は好みだが、改まった席は少し、な。酒も飲めんし……ああ十五歳だなどと、名乗らねば良かった……」
 しばし頭を抱えた後、数秒後には、再び顔をあげて。
「……まあ、ともかくだ! 任せたぞヴォルフラムよ! そちらでも作業があるなら『俺たち』を何人か貸してもいいぞ。作業が終わったら撫でてやってくれ!」
 数名の分身とともに、舞台へと追いやられてしまった。

 ――猟兵たちが口々に式への出席を勧める気持ちは、わからないでもない。
 しかし、兵士として、終わりのない戦いに身を投じたヴォルフラムにとっては、眼前の晴れやかな光景は、もっとも縁遠い情景として映る。
「お仕事、お疲れさまです!
 考え込むように立ち尽くしていたヴォルフラムを見やり、声をかけたのは銀座・みよし(おやしきのみならいメイド・f00360)だった。
 料理は得意というエリシャ・パルティエル(暁の星・f03249)も手伝い、一角にはサムライエンパイアの料理を始め、多種多様な料理がならんでいる。
 作業を行う一同が力を振るえるようにと、精力的に炊き出しを行っていたのだ。
「こちらのご飯をどうぞお召し上がりください! そちらの、小さい方々も!」
 炊き出しのひとつである握り飯をさしだされ、ヴォルフラムはしばし、逡巡した後。
 先ほどから己の周りであれこれと仕事をしていた、珠の分身である数人の『俺たち』に手渡してやった。
「主のもとへ戻れ」
 短く告げ、ぽんと頭に手を置けば、分身はぴょこぴょこと跳ね飛びながら、去っていく。
 ヴォルフラムはその姿を見送り、改めて、みよしへ向き直って。
「ずっと、飯を配っているのか」
「お二方の門出を祝うならば、やらねばならぬことが沢山ございます。こんな時こそメイドの出番にございます……ええ、腕が鳴りますね!」
 猟兵も、屋敷の一般人も。
 みよしの食事を手にしては、ひとときの休息を楽しみ、作業場へ戻っていく。
 式をあげる二人だけでなく、その周囲にも笑顔があふれていることは、姫や若者にとっても、嬉しい光景であることだろう。
「大変な状況だとは存じておりますが、おなかと心を満たさねば、やる気も力も湧きませんからね。……ですのでご飯を食べたら、また頑張りましょうね。お二方の素敵な祝言のために!」

 その頃。
 ヴォルフラムの元からもどった分身の帰還を受け、珠は小さく笑んでいた。
 男はどうやら、まだ敷地内にとどまっているらしい。
 ――彼の者の心の内は、知れぬけれど。
「さて、俺は作業を続けるか」
 祝言を見届けるために、ほとんどの者が去った焼け跡の作業場に立ち。
 茜と紺に染まりゆく空を見上げ、珠は呟いた。
「……狐よ、我が同族よ。その想い、阻んだこと許せ」
 風が吹いて。
 あの時の『女』の言葉を、想い出す。
「全く。恋とは厄介なものだな、同族よ――」


 敷地内の片づけが終わり、夕暮れがせまるころ。
 ヴォルフラムは場を去ることをやめ、自らの意思で敷地内にとどまっていた。
 とはいえ、正面から祝言を祝うには、まだどこか、気が引ける。
 舞台に集まりつつある人々を遠巻きに見やっていると、
「祝言が始まりますよ」
 声をかけたマリス・ステラ(星を宿す者・f03202)が、己と同じように、舞台の見える場所に佇んでる。
「お前こそ。行かなくて良いのか」
「私は、この場で構いません」
 並び立って動こうとしない男を見やり、マリスは言った。
「参列しないのであれば。少し、私に付き合っていただけませんか?」
 先ほど、屋敷の人間が渡してまわっていたのだと、三つのお猪口に、順に酒を注いでいく。
 ひとつめは、ヴォルフラムに渡し。
「若者と、姫君の前途に」
 そう口にしてから、
「そして彼女に」
 最後の一つは、白仙狐のために注ぐ。
 マリスは夕焼けを映す杯を見やりながら、呟いた。
「白仙狐が何を考えていたか、私にはわかりません。でも、彼女を悼む者がひとりくらいいてもいいでしょう」
 ヴォルフラムはただ静かに、その言葉を受けとめて。
 杯を掲げると、一気に酒をあおり。
 マリスとともにしばし、陽の落ちるのを見守った。

 宴のための楽が鳴り響くころ、マリスに促され、ヴォルフラムは舞台へと向かった。
 その途上に、薄闇にしずむ少女の姿がある。
 くすんだ髪に、スノーフレークオブシディアンの角を戴く少女――たからだ。
 ヴォルフラムの気配に気づきながらも、姫と若者を囲み、粛々と幕あけた式を見続けて。
 銀の瞳を舞台へと向けたまま、呟く。
「たからの正義は、幼いのでしょうか。いいえ、たとえ幼くても、たからはたからを曲げません。だって、花嫁をすくえたのですから」
 ――あの時の決意が、行動があったからこそ、今がある。
 そうと信じているのに、双眸からは、涙がこぼれ落ちていく。
 少女の感情の起伏を察するには、男はあまりにも不器用で。
「なぜ、泣く」
「わかりません。悲しくありません。うれしいのです」
 率直な問いかけにも、少女はまっすぐに応え。
 そして、言った。
「屋敷の復興が困難でも。門出を迎えた彼らの笑顔が、これからも続くと信じています――」

 あたりが闇に沈み、晴れ舞台を中心に篝火が灯る。
 饗はようやく、灯りの届く範囲にヴォルフラムの姿を見つけた。
「ヴンダーさん、どこ行ってたんっすか? 一緒に参列するっす!」
 不健康なほどに青白い男とは正反対に、饗はこの場を迎えられるのが嬉しくて仕方がないというように、ヴォルフラムを手招き、案内する。
 その勢いを、無下に断ることもできず、男は言われるまま歩いた。
「婚礼は見たことあるっすか? 初めてだったら尚更見ていったほうが良いっす! さ! ここから見届けるっす!」
 予知を行った、幼い娘と若者の婚礼。
 真正面から受けとめるには、まだ、まぶしすぎて。
「縁起の良いことは、見てるだけで幸せになれるっす!」
 陽気な声を聞きながら、そっと、眼をそばめる。
 進行する式を見守っていると、先ほどまで、現地の職人と表門の修復の手伝いを行っていたロア・ネコンティ(泥棒ねこ・f05423)が、舞台そでに立ち、一礼。
 【エレメンタル・ファンタジア】を発動させ、花の精霊を召喚し、あたりに桜の花びらを舞い降らせて。
 夜闇にうかぶ花吹雪を前に、居合わせた者たちから一斉に拍手がわき起こった。
(「超常の困難に見舞われたなら、超常の祝福があってもいいですよね」)
 姫や若者の相手を思う心は、美しい。
 きっと二人なら、末永く幸せに暮らしていけるだろう。
 役目を終え、舞台から降りたロアは、そこにヴォルフラムの姿を認め、声をかけた。
 式まで留まったことは、みなまで言わず。
「ヴォルフラムさん。あなたが予知して、我々猟兵が繋いだ結果です。ぜひ最後まで、二人の門出を見届けて下さい」
 猟兵たちへ向け、「力になってやってくれ」と告げたのは、確かに己で。
 この場に集まった者の多くは、己が召喚した猟兵たちだ――。

「朱毬。悪いけどおれは、おまえより長生きするつもりはないよ。だのに死出への駆け競べ、自分で縮めては反則じゃあないかな」
 犬飼・一茶(余生録・f01857)は、まるでひとりごとのように、面頬へ向かって話しかけていた。
 当の朱毬からは、返事がない。
「ま、いいや。祝いの席、小言は後だ。そら、新郎新婦があなたに居るよ。直に寿いであげたらどうだい」
 幸福に満ちた場に居合わせ、一茶自身も、わずかばかり頬をゆるめる中。
 それでも、朱毬はひとことも、話さなかった。
「はは、やれやれ。まったく素直じゃないなあ」
 一茶はだんまりを決めこんだ面頬を首に提げ。
 そこに、グリモア猟兵の背を見た。
 舞台を見つめたままの男のとなりに立ち。
 誰に語るでなく、口を開く。
「今や、彼人が裡にどんな心情を湛えていたか、知る由もないけれど。おれの「考察」を宣えば、彼の花婿は初めて狐を辞んだのではないだろうか」
 故、狐は真に惚れ込み。
 故、狐は――女は、愛した男の幸せを、どこかで願っていたのではないか――。
「なんてね、浪漫思想に過ぎるかな。ヴンダー、きみはどう思う?」
 問われ、ヴォルフラムは眼を閉ざした。
「さて、な」
 色恋に縁遠い男には、『女』がなにを考えていたかなど、知る由もない。
 舞台の上。
 ちかしいものたちに見守られ、誓いの杯を交わす男女を。
 ヴォルフラムは、ただ、静かな眼差しで、見守り続けた。

 婚礼の儀が終わった後は、無礼講。
 場を満たしていた曲が一変。
 アカネ・リアーブル(とびはねうさぎ・f05355)が、母親が遺した舞扇を手に、華やかな舞いを披露する。
 先ほどまで、散々だったのだ。
 料理の手伝いをしようにも、あまりの下手さに断られ。
 けが人の治療は、技能を持っていないため役に立つことができず。
(「……今まで、アカネはどれだけ兄様に頼ってきたか、改めて思い知らされました」)
 ――しかし、己が魅力を発揮するとしたら、この場をおいて他にない。
 二人が末永く、幸せであるように。
 最初は、姫と若者のために。
 宴もたけなわになれば、皆で楽しく舞える舞を、惜しみなく。
 場が盛り上がる中、エリシャは今にも闇にまぎれそうな男に声をかけ、屋敷の者に借りてきたという異国の装束姿を披露する。
 そうして、男物の装束を広げ見せて。
「ヴォルフラム。せっかくだもの、あなたも異国の衣装を着てみない? あたしもこちらの文化にはまだ詳しくないけれど、これも何かの縁、一緒にお祝いしましょう」
 その誘いをみてとり、舞っていたアカネが舞台を飛び降り、男を手招いた。
「ヴォルフラム様も、共に舞いましょう! 大丈夫です。アカネがお教えしますから。お二人をお祝いする気持ちがあれば良いのです」
 異国の流儀は、今なおわからないまま。
 それでも、そこに暮らす人々の喜怒哀楽、そして心は、己の故郷と変わることはない。
「……良いだろう」
 己に言い聞かせるように、小さく応え。
 ヴォルフラムはエリシャの手にしていた異国の装束を受け取ると、漆黒の甲冑の上に羽織った。
 そして、背に携えていた剣を抜きはなち、新たに夫婦となった男女の前に、膝をつく。
「お前たちに。末永く、幸いがあるように」
 装束をひるがえし、アカネの舞に合わせて剣舞を供じる。
 それは、不器用な彼なりの。
 精いっぱいの、祝いの形だった。

 あたたかくも賑やかな宴は、夜明けまで行われ。
 その日は一晩中、晴れ舞台から笑い声の絶えることがなかったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月10日


挿絵イラスト