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空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター教の野望

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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「あっけおめー。今年もくるるちゃんの召集に集まってくれて感謝するねっ」
 グリモアベースに集まった猟兵達を前に腕を広げ、鏡繰・くるる(属性過積載型バーチャル男の娘・f00144)は愛らしい笑顔と共に元気よく切り出した。
「今回向かってもらう世界は『スペースシップワールド』! 母星を失い、無数の大型宇宙船に住んでる、未来の宇宙世界だよ!」
 この世界を襲うオブリビオンは、銀河帝国。かつての宇宙戦争で滅びた悪の大帝国が、再び人類を滅ぼさんとしている。
「今回はその宇宙帝国からやってきた、空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター教の陰謀を阻止して欲しいんだ!」
 ……?
「あれ、聞こえなかったかな? 空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター教の陰謀を阻止して欲しいんだ」
 なにそれ。

「うん、まあ気持ちは分かる。ボクも予知した時なんだこれ、って思ったし」
 空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター教。それは、空飛ぶいちご味スパゲッティモンスターを信仰し、空飛ぶいちご味スパゲッティモンスターの素晴らしさを広める宗教である。
 その空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター教の教徒である帝国騎士が、とあるスペースシップに潜み、空飛ぶいちご味スパゲッティモンスターの素晴らしさを広めて船員を空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター教に入信させようと……ああもうしつこい。
「ほら、まあ、空飛ぶスパゲッティモンスター教は、割と真面目な目的で造られたパロディ宗教だからさ、空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター教にも、何かしら崇高な目的が……まあ、無いよね」
 無いだろう。

「とにかく、その帝国騎士は、空飛ぶイチゴ……ええと、モンスターをスペースシップ内に放って、パニックを起こそうと目論んでるみたいなんだ」
 正確に言うと、本人はパニックを起こす気はなく、あくまでモンスターの素晴らしさを広めるつもりのようだが……間違いなくパニックになるだろう。
「だから、モンスターがスペースシップに放たれる前に、まずは帝国騎士を発見して欲しい。スペースシップは結構広いけど、幸いと言うかなんと言うか……イチゴの甘酸っぱい匂いが空調から漏れててね。それを辿っていけば、帝国騎士の居場所を探す事が出来ると思う」
 匂いの元は、艦内の居住エリアである。大型船であり、およそ10フロア・数百の部屋が存在するので、まともに総当たりで探すのは厳しいだろう。匂いの場所を探す方法は、単純に鼻を生かすもよし、聞き込みなどで証言を探すもよし、その他頭を使うもよしと、様々な方法がある。各々にあった探し方をすると良いだろう。
「帝国騎士を見つけ出したら、モンスターを全滅させて、帝国騎士を倒してほしい。背後関係とか複雑なものは一切無いから、ぶん殴れば良いと思うよ」
 説明を終えると、くくるはにっこりと微笑んで……ややげんなりした様子で猟兵達を送り出した。
「それじゃあ、ばっちり解決してきてね。なんか滅茶苦茶だけど、でも倒さない訳にはいかないから、頑張って!」


一二三四五六
 あけましておめでとうございます。2019年、今年は第六猟兵の年にしていきましょう!

 ごきげんよう。だが新年一発こんなんだ。一二三四五六です。

 ネタ依頼です。まあ、真剣にやるだけ損だと思います。肩の力を抜いて、適度に頑張れ!
 なお、第一章のフラグメント『甘く漂う未知の香り』は桐崎・早苗(天然風味の狐娘・f10614)さん、第二章の宿敵『空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター』は リサ・ムーンリッド(知の探求者・エルフの錬金術師・f09977)の投稿です。
 ありがとうございます。奇跡的な噛み合いを見せていますが、別の人の投稿なんですこれ。

 補足。第一章は、行動を一つに絞ると良い結果が出やすいのではないかと思います。

 それでは、皆様のプレイングを、楽しみにお待ちしています。
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第1章 冒険 『甘く漂う未知の香り』

POW   :    通気口の中に直接入って探す。

SPD   :    五感を駆使して風の強さや臭いの強さで探す

WIZ   :    艦の図面を確認して普段利用されない部屋を特定して探す。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

黒玻璃・ミコ
◆心情
おや?竜種を探して彷徨っていたら不思議なご縁でこの様な所に
詳しい経緯は良く分かりませんが悪の帝国騎士を成敗すれば良いのですね
それにしてもなんだかお腹が空いてきたのですよ

◆行動
【POW】で判定です
匂いが漂ってくるのは当然のことながら通気口ですよね
それならば【暗視】で暗い所も侵入可能で
身体の骨格も多少無理が効きそうなブラックタールの私は
邪魔になりそうなフィルターやダクトも
この【怪力】で捻じ曲げながら辿って行きましょう
若干迷子になりそうではありますが
其処は【戦闘知識】や【第六感】に訴えるものがあったら其方へ

◆補足
通りすがりの他の猟兵の方々との絡みも大歓迎ですよー


タマ・ハンクス
『空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター』って長いよ。
略称を考えないとね。
『フライングストロベリーテイストパスタ怪物』でどうかな。

POW通気口の中に直接入って探す。
【猫の毛づくろい】で自分や仲間の摩擦係数を0にして、つるつる滑りながら、高速でダクトの中を移動
「これであなたも急いで移動できるよ、分かれて探そうか、お互いがんばろうね(むぎゅっと手を握って) ファイトー!」

「元々体も小さいし、ボク向けのミッションだね。でも、ちょっと速度が速すぎるよ?このダクト傾いてるのかな、と、とまらないっ」

止まる為に爪を立てると、ダクト内にすごい音が鳴り響いたりして。ギギギーッ


クリュウ・リヴィエ
空飛ぶ…?
あー、いや、前後関係とかはないんだね?
オーケー、気にしない。
気になるけど、気にしなくていい物は気にしないのが、物事を前に進めるコツだよね。

ふむふむ。
匂いを辿って敵の居場所迄行けるんだね。
だったら話は早い。
排気ダクトを直接辿っていこう。
…ああ、甘酸っぱいいい匂いが。
イチゴ食べたい。
終わったら絶対何か食べに行こう。

タマくん(f04771)のユーベルコードで早く進めそうだね。
幸い方向は判ることだし、こんな狭いところ、早く抜けよう。
ってタマくん、ずいぶんすいすい先に進んじゃったけど、大丈夫…?
ってうわー!つ、爪たてないでー!(悶絶)



「『空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター』……長いよね。略称を考えないと」
 甘酸っぱい匂いをたどりながら、通気ダクトの中を進むタマ。
「『フライングストロベリーテイストパスタ怪物』でどうかな」
「全然短くなってないよね」
 共に行動するクリュウが、素早く突っ込んだ。
 彼らは、ケットシーであるタマのユーベルコードで摩擦を極限まで減らし、通気口の中を滑るように進んでいた。
「う~ん、良いと思ったんだけどなぁ」
「むしろ長くなってる……と、ちょっと待って、タマくん」
 とはいえ、クリュウの方はやはり、摩擦とは無関係に通りにくい場所もある。
「大丈夫? ボクは元々体も小さいけど、クリュウは大きいから」
「ああ、大丈夫。でもこんな狭い所、早く抜けよう」
 会話を続けながら、前に進む2人だが、後ろを気にしていたタマは、その分前方への注意が少々おろそかになっていた。
「おや、こんにちは」
「うわっ!?」
 そのため、近づいて来た黒いモノに、挨拶されるまで気づかず、ぶつかりそうになってしまう。
 急停止しようとするが、摩擦が低い分咄嗟に止まれず、爪を出し……。
 ギギギィィィィィー!
「「「~~~~ッ!?」」」
 金属が引っかかれる不快な音に、その場にいる全員が悶絶する。
「タ、タマくん、爪、爪立てないで……!?」
「ご、ごめんっ……!」
 不快音から回復して前を確かめると、そこにいたのはブラックタール。不定形の生命体である彼も、やはり閉所を苦にしない。
「あなたも猟兵かな? ごめんね、いきなり音立てちゃって」
「いえいえ、こちらこそ、急に声をかけてしまって申し訳ありません。驚かせてしまいましたね」
 ぷるぷるした頭を下げる……ような仕草を見せる。何せ人型を崩すと、頭と言う概念がなくなる。
 ともあれ、出会ったからには自己紹介。ブラックタールの女性(らしい。見た目では判別しにくい)は、ミコと名乗った。
「竜種を探して彷徨っていたら、不思議なご縁でこの様な所に」
「竜を探してて、受けた依頼がフライングストロベリーテイストパスタ怪物? 不思議だね!」
 その略称(?)は定着させる気なのだろうか?
「フラ……? まあ、竜種の事となると、どうしても気が急いてしまって」
 迷子と言う訳ではないのですけど、と首(身体?)を傾げるミコ。
「ともあれ、悪の帝国騎士を成敗すれば良いのですね」
「ええ、前後関係が気になる所だけど、ないらしいんで」
 ない。断言していいが、そんなものはない。
「では、ご一緒して構わないですか?」
「うん。タマくんも構わないよね?」
「もちろんー♪」
 というわけで、改めてダクトの中で匂いを追う3人。
「それにしても、なんだかお腹が空いてきたのですよ」
「終わったら絶対、何か食べに行こう……」
 進むほどに甘酸っぱい匂いが強くなり、食欲を刺激されるミコとクリュウ。
「まあ、食べるならイチゴよりも竜の方が良いんですけどね……おっと」
 その進む先、格子が嵌められているのを見ると、その間ににゅるり、と入り込み、身体を突っ張らせる。
「これでクリュウさんも通れますかね?」
「あ、助かるよ、ありがとう」
 その柔らかそうな身体のどこにそんな力があるのやら。格子を押し広げ、道をグイグイと広げて、前に進んでいくミコ。
「後々空調に問題が出るかもしれませんが、緊急事態と言う事で許してもらいましょう」
「これで、もっと急いで探せるね。みんな頑張ろう、ファイトー!」
 ミコが加わった事で、探索スピードが増したことで、タマもテンションを上げてさらにガンガン進んでいく。
「タマくん、そんなにすいすい進んじゃって、大丈夫……?」
「うん、元々ボク向けのミッションだしね……あれ、あれあれ?」
 だが、通気口が下り坂に差し掛かると、その身体がツルツルと滑る。
 摩擦を減らしたため、簡単には止まれない。
「ちょっと速度が速すぎるよっ?」
 なんとか止まろうと、咄嗟に爪を立てて。
 ギギギィィィィィー!
「「「~~~~ッ!?」」」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

メルノ・ネッケル
チーム〈M&F〉。二人で頑張るで!

・心情
空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター教!?空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター教やて!?……初耳や!!面白い名前やけど、御神体?の押し付けはいただけへんな!

・行動
《SPD》で行くで!
うちも妖狐の端くれ、多少は鼻が利く。「いちごの甘酸っぱい香り」まで情報が出とるんなら、可能性は十分!いっちょ【勇気】出して辿ってみよか!
通気口から探索してくれとるフロースさんと通信機で連絡を取り合い、情報を融通しながら行くで。
居住フロアを回って、いちごの香りのする方へ移動。香りが分散してきたら、落ち着いて香りの流れる方向を【見切り】で確かめる。少しずつ目的地へ近づいて行こか。


フロース・ウェスペルティリオ
【M&F】で2名参加

ふふ、ウチは種族ブラックタール(液状生命体)だし、人型を解除すれば通気口の移動に苦は無いかなぁ
【目立たない】【忍び足】【早業】でなるべく静かに且つ素早く移動しつつ、【視力】【暗視】【情報収集】【見切り】等でそれらしい痕跡を探してみるね
まぁ、やっぱり匂いが一番の情報なのかもだけどねぇ
分かれ道とか、特に判断に気を付けるよ
廊下等の様子を確認しているメルノさんと、通信機等で連絡を取り合って、互いに位置や怪しい場所の情報もやりとりしていくね
メルノさんが何かみつけたら、そちらへ向かって確認するし、逆にウチが通気口内で何か感じたらメルノさんに知らせて……互いにフォローし合えるといいねぇ



『……また、今何かすごい音がしたねぇ』
「大丈夫かいな、フロースさん?」
 遠くで異音……猫の爪が鉄をひっかくような……を聞きつけたフロースの言葉に、メルノは心配そうに呼びかけた。
「あかんで、無茶したら。うちじゃそこには駆けつけられんのやから」
『大丈夫。なんともないよ……でも、気をつけるねぇ』
 彼女達の会話は、通信機越し。ブラックタールのフロースが通気口内部から探し、メルノが外で匂いを追って、連絡を取り合って探索している。
「ほんならええけど。ん~、やっぱり匂いは下の方からして来るなぁ」
『ウチの所からだと、上の方から匂うねぇ。となると、ウチとメルノさんの間にいるのかなぁ? さっきの音もそっちの方からして来たけど』
 通信機の向こうではフロースが、人型を崩した姿で、通気口内を素早く這い進んでいる。通信機を使う手だけは、人型を保っているが。
「ほんまに大丈夫かいな……相手は、御神体? の押し付けするような、危険な奴やで」
『美味しそうな名前なのにねぇ』
 心配を他所に、マイペースなフロース。もっとも、その言葉にはメルノも頷かざるを得ないが。
「まあなぁ。空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター教……空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター教て。初耳やけど、面白すぎる名前や」
 そんな名前の相手が凶悪なモンスターと言われても、確かにどうにも気が抜けるのは仕方の無い所だ。
「……お。匂いが相当強うなりおった。近いな、これは」
 階段を幾度か降りた所で、一気に匂いが強くなる。近いのは間違いない。
『うっ……こっちの匂いが強いみたいだよぉ、メルノさん』
 フロースも、嗅覚を働かせて匂いの元を探る。通気口の中の方が、遮るモノが少なく、匂いが強いため大まかな方向は探りやすい。
 だが、逆に匂いが強すぎて細かい位置は特定しにくい。むしろ、むせ返るようなキツく甘ったるい匂いに、若干の気持ち悪さすら覚えるほどである。
「これ以上は……私1人じゃ厳しいかなぁ」
 通風口の出口から、どろり、と高粘度の黒い液体がこぼれ出てきた。それはそのまま人の形を為し、黒髪の青年……フロースの姿へと変わる。
「おぅ、そんなら、こっからはうちに任せてぇな。妖狐の端くれ、嗅ぎ取ってみせるわ!」
「おお、頼もしいねぇ」
 フロースが探り当てた大まかな場所に近づくと、鼻をひくつかせ、少しずつ、匂いのより強い方を探っていくメルノ。
「くぅ、ほんっときっつい匂いやなぁ」
 徐々に、徐々に、その匂いの中心地へと近づいていき……。
「間違いない……この部屋や!」
 一つの扉を、思い切り開け放った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

四季乃・瑠璃
本体:瑠璃、分身:緋瑪

艦の図面で通気孔の風の経路及び部屋の使用状況を確認。帝国騎士の居場所を大体目星つけて、後は二人がかりで探索。
居住区に潜んでるなら、他の居住者から~の部屋から匂いが、とか苦情入ってないかな?

見つけたら【マヒ攻撃】【毒使い】を使用した痺れ煙玉を使用。動きを封じた後、持参したサドンデスソースたっぷりのサドンデスミートソーススパでサドンデスソース教に改宗して貰います。(緋瑪は目反らし)


「居そうな区画全てを問答無用で爆破したくなってきたよ、瑠璃…甘党だけど、甘ったるい匂いが辛い~…」
「それはダメだよ、緋瑪」
「だよねぇ…、瑠r「彼にはサドンデスソース教に入って貰わないと」…えっ?」


佐塚・陽霞
【SPD】「どちらかというとイチゴ味よりは宇治抹茶味のほうが好みですが。あとパスタです、スパゲッティじゃなくって。」ちいちゃな拘りを見せつつ、イチゴの香りを探しながら歩きます。空気の流れで風上を探し、より香りが強い場所を求めて移動します。

「イチゴオーレとか、イチゴトリュフとか、もっと色々あると思うんです。」「シンプルにイチゴ練乳も捨てがたいです。」「そうだ、イチゴ大福を忘れていました。これは不覚です。」思考が横道に逸れまくりますが、それはそれ。ちゃんと捜索もしていますから。



……と、まあそんな真面目な探索から、僅かに時を遡る。
「どちらかというとイチゴ味よりは宇治抹茶味のほうが好みです」
「へぇ、そんなのあるんだ。わたしは甘いの好きだけど、あんまり甘ったるすぎるのはなぁ~……」
 会話しながら探索を行う3人……正確に言えば、2人。
「そもそもパスタです、スパゲッティじゃなくって」
「拘りなんだね、陽霞さん」
 陽霞と瑠璃……そして瑠璃の別人格の分身である緋瑪。3人でもあり2人でもある一行は、すっかりグルメ談義に花を咲かせていた。
「私はそもそも甘いのが苦手かな。辛いのだったら平気なんだけど」
「辛いのもありますよ。辛いと言うより痛いですけど」
「あ、そういうの全然平気だよね、瑠璃」
 甘党である緋瑪の人格に対し、辛党である瑠璃の人格。むしろ絶望的な辛党と言うか、普通なら痛いぐらいの辛さでないと満足出来ない。
「……いや、まあ、そこの喫茶店の話は良いのです、今はイチゴの話なのです」
 流石に脱線しすぎたかと、話を戻す陽霞。
「イチゴオーレとか、イチゴトリュフとか、もっと色々あると思うんです」
 戻ってなかった。
「シンプルにイチゴ練乳も捨てがたいのです」
「イチゴショートも王道だよね~」
 すっかりイチゴで頭がいっぱいの陽霞と、甘党な人格の緋瑪は、すっかりイチゴスイーツ談義で盛り上がる。
「あと、イチゴ大福とか」
「そうだ、忘れていました。これは不覚です」
 うっかり、と言った様子で悔恨を示す陽霞。もう、何が何やらである。
「……さて。大分匂いが強くなって来ましたね」
「うん、いくら甘党なわたしでも、流石に甘ったるい匂いが辛い~……」
 だが、そんな馬鹿話の間に、ちゃんと探索も続けていた3人組。聞き込みしたり風上に向かったりして、ようやく甘い匂いの中心区画に辿り着く。
「居そうな区画全てを問答無用で爆破したくなってきたよ、瑠璃……」
「それはダメだよ、緋瑪」
 物騒な緋瑪の言葉を、慌てて制止する瑠璃。
「だよねぇ、瑠……」
「今回の黒幕には、デスソース教に入って貰わないと」
「……えっ!?」
 自分の主人格に対して若干の疑問を抱く殺人姫である。
「どうやら、先客がいるようですね」
 ともあれ、流石に他の組より少し遅かったようで、すでに扉は開け放たれていた。中では、ダクトから降りてきた猟兵や、扉から入ってきた猟兵と、帝国騎士が対峙している。
「ふ、あなた方も空飛ぶイチゴ味……」
「せいっ!」
「……スパゲッ、てぃっ!?」
 その帝国騎士の前口上を遮って、室内に乱入すると、思い切り痺れ煙玉を投げつける瑠璃。
「ちょ……ちょっと待て、ウェイト、ステイ! まだ前口上終わってない!」
「問答無用。このデスミートソーススパを食べて、改宗してもらうからね……!」
 真っ赤なスパゲティ片手に、すっかり目の据わっている瑠璃。緋瑪はそんな主人格から目を反らす。
「そ、そうはいきません、私はまだやられる訳には行かない!」
 具体的に言うと、第三章のボス戦クリアまでは、やられる訳にはいかない!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター』

POW   :    いちご味
【鼻腔をつく爽やかないちごの香り】が命中した対象を爆破し、更に互いを【味の固定概念への疑問】で繋ぐ。
SPD   :    できたてパスタぁ!
【汁気を出すことで】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
WIZ   :    空を飛ぶ
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「私はまだやられる訳には行かない! さあ、でませい!」
 いろいろ有って前口上カットの憂き目にあった帝国騎士。
 だが、彼が呼びかけると、部屋のあちこちに隠れていた、赤くて長くて不気味な物体が複数、猟兵達の前に立ちはだかる。
『キャ・ハッ☆』
『カハッ、カハッ』
『ケヘヘヘヘ』
 ものすごく不気味な姿で、笑い声と思しき音を発するモンスター達。
 超・怖い。スペースシップワールドよりUDCアースの方が似合うんじゃね、ってくらい怖い。
「さあ、空飛ぶイチゴ味スパゲティモンスター様、愚かな猟兵どもに裁きを!」
 モンスターを盾にし、壁を破壊して隣の部屋に逃げると、そこから逃走を図る帝国騎士。もっとも、その逃走速度は決して早くないので、今このモンスターを倒しても十分追いつけるだろう。
 彼を追撃する前に、まずはモンスター達を撃破し、後顧の憂いを断つのだ!
マディソン・マクナマス
毛があるって事は代謝はしてるのか……こんだけ目玉がありゃ視界は360度ありそうだが、逆に言えばどこから見ても急所が露出してるって訳だ。赤い身体は視神経の塊か? ……まぁいい、やるこたぁ変わらねぇやな。

真面目に分析しながら、敵の密集地帯に【フラッシュバン】【スモークグレネード】を投擲。違法改造ブラスターで【追加のフルオート射撃】を行いながら、あえて追いつかれるようにして後退。
【おびき寄せ】た敵集団に【二回攻撃】。【零距離射撃】で再びユーベルコードを放ち、対UDC軽機関銃で掃討する。
摩擦抵抗を減らすユーベルコードについては……対策必要か……? 
念のため、敵の残骸を調べて味も調査しておくか。


フロース・ウェスペルティリオ
◆【M&F】で2名参加

敵が多いのでメルノさんの範囲攻撃にて面で攻撃をお願いしつつ、
ウチはメルノさんが打ち漏らした敵を近づけないよう、ダガーで各個撃破し【かばう】よ
撃破優先順位は、ダメージの大きそうな敵>メルノさんの邪魔になりそうな敵

敵のSPDUCは砂糖をぶっ掛けて水分を奪うよ
一層甘くなったら、空飛ぶ以下略も嬉しいでしょ?
より水分を奪えた箇所を【見切り】、ダガーでしっかり【串刺し】にするね(ウナギの目打ちイメージ)
なお、摩擦抵抗低下は液状な身の上的にはむしろ動き易いかと
汁気が掛かった箇所を髪等の戦闘に支障のない場所に移動するでも可

敵のPOWUCの香りも、一応、鼻を無くすなり塞ぐなりしておくよ


メルノ・ネッケル
チーム〈M&F〉、まだまだ行くで!

・心情
ええ……想像の15倍、いや150倍位おぞましいんやけど!これのどこが素晴らしい言うねん、邪教や邪教!

・行動
おぞましさには挫けず【勇気】を持って対抗や!ついでに麦芽飴ちゃん口に入れて、素朴な甘さの良さみを再確認。

さて、集団戦ならこれの出番!『狐の嫁入り』行くで!

向こうの手口は匂いを通した爆破。さらに甘ったるい匂いは戦闘の妨げや。
ここは左手を防御……即ち、鼻つまみに回す!これぞ古来からの秘策や!

そして、最も敵を巻き込める場所を【見切り】、鼻つまみながら敵陣へ跳躍。そっから地上の敵に向けて右手のR&Bで熱線掃射や!
「甘さのお返しは熱さでするで!」



「ええ……想像の15倍、いや150倍位おぞましいんやけど!」
 モンスターの不気味な姿に、げんなりとした表情を浮かべるメルノ。
「あかんわ、こんなん直視してたら頭おかしく……」
「ふむ、毛があるって事は代謝はしてるって事か。こんだけ目玉がありゃ視界は360度ありそうだが……」
「真面目か!」
 平然と直視して分析するマディソンに、思わず突っ込みを入れる。
「いや、まあ戦うためには見なあかんけどな……」
「なら、見にくくしてみるか? ……全員、目を閉じろ!」
 言っておもむろにマディソンが投げつけるフラッシュバン。閃光が部屋へ広がる。
『ケキャキャキャキャー!』
「それだけ目が有れば、目が潰れた時の苦痛も相当だろう?」
 悲鳴……たぶん、悲鳴? を上げてのたうつモンスター。そこにさらに追い打ちで、スモークグレネードを投げつけ、煙幕で完全に視界を奪う。
「これで直視はせずに済むだろう。あとは……」
「おっしゃ、畳み掛けるで!」
 おぞましい姿が見えなくなればこちらのもの。地を蹴り、壁を蹴り、天井近くまで跳躍するメルノ。
 抜き放つはR&B、黒の銃身に赤いラインの映えるブラスター。
「引きでもん代わりに、取っときや!」
 陽の下で雨が降る事を、狐の嫁入りと言う。だがメルノの導くそれは、陽を雨と降らせる如き、一斉射撃だ。
「チャールズ・パーネルの魂よ、守り給え」
 故国の偉大な政治家の名と共にこちらもブラスターを抜き放つマディソン。既成品を手製で改造したそれは、少々不格好だが性能は十分、フルオート射撃が降り注ぐ。
 煙幕に包まれていようが、その範囲全てを撃ってしまえば関係ない。2人の熱線が空間を焼き尽くす。
『キシャアアッ!』
 だが、モンスターもその程度では止まらない。何体かが弾雨をすり抜け、煙幕から飛びかかる。
「おっと。これはウチの役目だねぇ」
 だがそれは、フロースの手にしたダガーに阻まれた。
「ナイスや、フロースさん!」
「こっちは任せてねぇ。近づけさせないよ?」
 早業がスパゲティの身体を、切り刻んでいく。
『ケキャア!』
「おっと?」
 モンスター達は、フロースの斬撃に対応すべく、汁気を出して対抗し始めた。ぬるり、とモンスターの肌の上をダガーが滑り、刃が阻まれる。
「む……思ったより厄介だな」
 床を高速で滑り、ブラスターをも回避し始めるモンスター。さらに汁気が広がる事で、足元も安定しなくなる。
「大丈夫。ウチには大したことはないよぉ」
 もっとも、フロースにはあまり関係のない事だ。足元の人型を崩してしまえば転ぶ事もなく、むしろ逆に素早さを増す。
「それに、対策も用意してあるから、ねぇ」
 言ってばらまくのは、大量の白い粉……砂糖だ。モンスターの身体や床に落ち、汁気を吸収する。
「一層甘くなって、嬉しいでしょ?」
 汁気を奪われ、動きの鈍ったスパゲティを、無造作に床に串刺しにする。さながら、鰻の目打ちのようだ。
『ケケケケケ!』
 だが、甘みを増したならばと、今度はモンスターが甘い匂いを放つ。
 ただでさえ強い匂いが増し、頭痛でも起こしそうなほどだ。
「ふふ~ん、甘いで、ウチの匂い対策は万全や!」
 そんな匂いを前にしても、自信満々に言い放つメルノは、おもむろに、その左手を顔へと持っていく。
『これぞ古来からの秘策……鼻つまみや!』
「……そんな大層なモノ、かなぁ。いや、メルノさんが満足なら良いんだけど」
 鼻声で勝ち誇るメルノを見ながらぽつりと漏らすフロース。彼の方は、単に身体の形を変え、鼻を消すだけで良いので、楽なものだ。
『ほな、甘さのお返しは熱さでするで!』
「それで足りないなら、バラバラにね」
 甘く味付けされ、焼かれ、食べやすいサイズに切り刻まれていくモンスター。
「ふむ、この身体は視神経ではないようだな……」
 その破片の一つを手にとったマディソン。
「一応、味も調査しておくか」
 砂糖のかかっていない部分を、おもむろに口に含む。
「……不味い」
 腐ったイチゴの味がした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

黒玻璃・ミコ
◆心情
数多の世界を巡って来ましたが
不思議な教義を広める信者が居るのですね
……それにしても香りだけは美味しそうなストロベリーですね、香りだけは

◆行動
【黒竜の恩寵】で防御力UPです
騙された感が半端無いので【気合い】を入れてギャフンと言わせましょう

他の方が万全に戦える様に仲間を【かばう】位置に動き
【毒使い】で私も苺っぽい香りを出して【おびき寄せ】て壁となりましょうか
ですが、ただではやられませんよ?
【第六感】で反撃の機会を図って【カウンター】をです
愛用の九振りの蛇腹剣で
溢れんばかりの【怪力】と【鎧砕き】【生命力吸収】する攻撃で
【串刺し】にしていきますよ、うふふふ

◆補足
他の方々との絡みも大歓迎です


佐塚・陽霞
「イチゴとパスタで出来るのがこれはひどいです。喋りますし。」UDCアースから来ているせいか微妙にずれた感想を持ちつつ、【春夏秋冬】で細切れにするように打ち込みます。「どんな見た目でもパスタならば切ったらバラバラになるはずです。離乳食にも良いかもです。」幼児虐待になるのではないかと思われますがそれはさておき。「それにしてもこれを心から信仰してるとかどうかと思います。そもそも信仰しているご神体を足止めに使っちゃだめだと思います。」



「数多の世界を巡って来ましたが、不思議な教義を広める信者が居るのですね」
「こんなのを心から信仰してるとか、数多の世界でもここにしかいないと思うのです」
 しみじみ漏らすミコに、陽霞も言葉を重ねる。なるほど、世界は広い。
「匂いはちゃんとイチゴなのですが……」
「イチゴとパスタで出来るのがこれはひどいです。喋りますし」
 そう、少し濃すぎるきらいはあるとはいえ、匂いだけはそれなりに美味しそうなのがなんとも言えない。
「なんだか騙された気分がするので、少し本気でいきます」
 別に食べたかった訳ではないが、だからってこれはないと思う。憤りと共に、前へ進み出るミコ。
「いあいあはすたあ……拘束制御術式解放」
 かつて糧とした竜の情報を、身体の底より蘇らせる。呼び起こすは黒竜。その爪を、その鱗を、その毒を。
「黒き混沌より目覚めなさい、第壱の竜よ!」
 竜を屠り、竜を喰らい、竜を纏う漆黒の魔女。その姿を見ると、モンスター達は次々に飛びかかる。
『ケヒャヒャ……ヒャ?』
「あなた方が何なのかは、知りませんが。竜の鱗が、スパゲッティに負ける訳はないでしょう」
 今は特に、鱗に強く魔力を割いている。モンスター達が締め付けようが引っ掻こうが殴りつけようが、ピクリとも揺らがない。
「なら、攻撃は私が担当するのです」
 ミコの守りに対し、陽霞は攻撃を。懐より取り出すは、四十八枚の花札。
「どんな見た目だろうと、パスタならば切ったらバラバラになるはずです」
 松、梅、桜、藤、菖蒲、牡丹、萩、芒、菊、紅葉、柳、桐。四季折々が、周囲の空間を切り裂き、断つ。
 無差別の攻撃は仲間を巻き込むため普段は使いにくいが、竜鱗を纏ったミコならばその心配はない。
「これで離乳食にちょうど良い大きさになったのです」
「……いや、それは止めましょう?」
 こんなものを離乳食にしたら、乳児虐待も良いところである。
「しかし……知能は低いようですね」
 無駄と知りながらミコに飛び掛かり、危険と知りながら、陽霞の花札に斬り裂かれる。
 モンスター達が無謀な突撃を繰り返す原因は、他ならぬミコだ。
「負けじと美味しそうな匂いですね」
「まあ、毒なのですが。……なので、食べては駄目ですよ?」
 黒竜の毒を調合し、イチゴの匂いを香らせて。モンスター達を、近しい匂いで引き寄せ続ける。
「さて、まあ私も攻撃されているだけ、と言うのは気に入らないので」
 取り出したるは蛇腹の黒剣。ミコの振るう九振りは、九頭の黒竜が如くスパゲッティを斬り裂いていく。
 そう長くかからず、2人の周囲のモンスターは全てバラバラになって崩れ落ちた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

四季乃・瑠璃
「これ崇める要素って何処にあるの…?見た目グロいし、美味しそうじゃないし…」
「緋瑪がツッコミなんて珍しいね」
「瑠璃、冷静過ぎない?」

【ダブル】で分身
緋瑪が本体、瑠璃が分身

二人でひたすら時限式のジェノサイドボム(以下ボム)【範囲攻撃】【2回攻撃】【鎧無視攻撃】の雨を降らせて範囲爆破。接触式だと「できたて~」で滑らされたり「空を飛ぶ」で回避されそうなので、敵との接触時間を計算して時限式ボムで爆破に巻き込む様に攻撃!
後は瑠璃がデスソースを(主に眼球部)掛けに行ったり…瑠璃!?

「デスソーススパに変えてあげるよ」
「そういう問題!?」

「そういえば、ここって艦の中だっけ」(ドカンドカン)

※アドリブ歓迎


クリュウ・リヴィエ
ある程度想像はしていたけど…食欲を萎えさせるなあ。
匂いは美味しそうなのが余計に腹立たしい。
イチゴの匂いがトラウマにでもなったらどうしてくれる。

いちご味の爆破は気合で乗り切ろう。
味の固定概念への疑問?
…ふむ。
食わず嫌いは確かによくない。
グールドライバーとしては、一度試してみるべきだろうか?
ブラッド・ガイストで武器を捕食態に変形させて、パクっと。
……僕にはまだまだ修行が足りなかったみたいだよ。
残念ながら君とは分かり合えないから、ザクザク切っていこう。


タマ・ハンクス
銀河帝国は、この空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター教を使って、宇宙を支配するつもりなんだね、なんて恐ろしい陰謀。
そんなことは、このボクがさせないよっ!
と夕日に向かって(たぶんあっちの方向)熱く誓う。

(略称は飽きた)

見るからに恐ろしげな怪物だね、でも、ボクに必殺の策があるんだよ。くらえ、猫魔法『粉チーズタイフーン』粉チーズ、どさ~っ
もう、イチゴ味とは名乗らせないよ、今日から、『空飛ぶチーズ味スパゲッティモンスター』だよっ!

いちごの香りなどチーズの匂いの前には無力!(味の固定概念への疑問はつきないけど)
汁気も粉チーズが全部吸っちゃうよ

クリュウ、それでも食べようとするの?
ストライクゾーン広いね…



「これ崇める要素って何処にあるの……? 見た目グロいし、美味しそうじゃないし……」
「食欲を萎えさせるなぁ……イチゴの匂いがトラウマになったらどうしてくれる」
 緋瑪が、クリュウが、げんなりした顔でモンスターを見つめる。
『クキャキャキャ』
 そんな気分を知ってか知らずか、モンスターは笑いながら、イチゴの匂いを強く漂わせて来る。
「匂いは美味しそうだね、ふむ……」
 味の固定概念を揺さぶる、爽やかなイチゴの香り。
「食わず嫌いは、確かに良くない、か?」
「ええっ、クリュウ、ストライクゾーン広いね……」
 自分は真似出来ない、と、友人に対して若干たじろぐタマ。いくら固定概念を揺さぶられようが、普通はやっぱり食べたくない。
「まあ、僕もグールドライバーだからね。直接口にするのは流石に躊躇われるけれど……」
 己の血液を刻印に注ぎ、飛んでくるスパゲッティに手を向けた。UDCを喰らうが如く、グールドライバーの技をもってスパゲッティを喰らい、それを通して味を感じ取る。
「……僕にはまだまだ修行が足りなかったみたいだよ」
「食べる前に分かるんじゃないかな」
 無謀な挑戦に対し、思わず突っ込みを入れる緋瑪。
「緋瑪がツッコミなんて珍しいね」
「そうだね、まあ……っていうか瑠璃、冷静過ぎない?」
 普段は、瑠璃が緋瑪をたしなめる役だが、今回の依頼はどうにも逆だ。
「そんな事無いよ。ほら、いくよ、緋瑪」
「う、うん、瑠璃……」
 積極的に爆弾を投げつけ、モンスターを爆破していく2人。戦闘時ゆえに今の主人格は緋瑪だが、明らかに分身である瑠璃が主導権を握っている。
 幸い、スペースシップの壁や床は頑丈で、簡単に壊れる事はないが……仮に壊れたとしても、気にしなそうな勢いである。
『キヒ、キヒヒヒ!』
 しかし、爆破されながらも、モンスターも動きを止めない。笑いながら地面を滑り、猟兵達に迫る。
「おっと、させないよっ! ボクの必勝の策、受けて貰うね!」
 それを阻止すべく、タマがフォースの力を発現した。大きな袋を操り浮かせ、モンスターめがけてぶん投げる。
「これぞ……猫魔法、『粉チーズタイフーン』!」
 袋が弾け、飛び散る中身は、その名の通りの粉チーズ。黄色い粉が飛び散った。
「さあ、これで今日から、『空飛ぶチーズ味スパゲッティモンスター』になってもらうよ!」
 モンスターの匂いを、汁気を奪う。こうなっては、確かにイチゴ味ではないし、地を滑る事も出来ない。
「『フライングチーズテイストパスタ怪物』じゃないのかい?」
「それはもう飽きた!」
 クリュウの疑問に、リプレイ冒頭を全否定するタマ。
「効果的なのかもしれないけど、チーズか……どうなのかな、瑠璃……瑠璃?」
 横にいた筈の自分の分身がいなくなった事に気づき、慌てて戦場を見回す緋瑪。
「味付け勝負なら負けない!」
「瑠璃ー!?」
 そこには、デスソースを執拗にモンスターの目に浴びせる瑠璃の姿があった。
「む、ボクだって負けないよっ」
 タマも、粉チーズを操り、さらにモンスターへ浴びせかける。何の勝負か分かっていないが、まあ、こういうのはノリだ。
「デスソーススパに変えてあげるよ」
「チーズスパゲッティにしてあげるから!」
『ギャギャギャギャ!』
 赤と黄色に染め上げられるモンスター。辛さで目潰しされ、チーズで匂いと水気を奪われ、一応無力化されていく。
「……これで良いの、かな?」
「うーん……多分良くない気がする」
 鋸刃の片刃黒剣、カミ砕きを振るい、クリュウは『空飛ぶ超激辛チーズ味スパゲッティモンスター』を倒していった。
 味は変わったが、流石に、食べる気にはならなかった。

 ともあれ、猟兵の活躍により、この場にいたモンスターは全滅した。
 だが、まだ黒幕である帝国騎士が残っている。
「こんなモンスターを使って宇宙を支配しようと言う銀河帝国の野望は……」
 阻止してみせる、と夕日に誓おうとしたタマは、ふと気づいてクリュウに尋ねる。
「……夕日はどっちだろう?」
「どっちって言うか、多分、無いんじゃないかな」
 生憎とこの船は恒星系の外にいるので、夕日どころか太陽すらないのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『帝国騎士』

POW   :    インペリアルブレイド
【念動力を宿した「飛ぶ斬撃」】が命中した対象を爆破し、更に互いを【念動力の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    ダークフォースバリア
自身に【鮮血の如きオーラ】をまとい、高速移動と【赤黒い電撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    インペリアルフラッグ
【念動力で形成した帝国の旗】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を『帝国の領土』であると見る者に認識させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「くっ……まさか空飛ぶイチゴ味スパゲッティモンスター様を倒すとは……」
 逃げた帝国騎士を追いかけると、割とすぐに追いついた。そんなに足が速くない上に、逃げ道にイチゴの匂いを強く残していたので、見つけるのはとても簡単だった。
「だがっ。私が生きている限り、第二、第三の空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター様を降臨させる事が出来る……その力で、帝国が世界を支配するのだ!」
 堂々と宣言し、イチゴ色のブレイドを抜き放つ騎士。スパゲッティの如き念動力の鎖を操り、鮮血の如く赤いイチゴのオーラを身に纏い、この場を空飛ぶイチゴ味スパゲッティモンスター教の聖域へと変える力を持つ、恐ろしい……恐ろしい? 黒幕を倒すのだ!
黒玻璃・ミコ
◆心情
遂に追い詰めた悪の帝国騎士
一見ふつーかと思いきや……ストロベリーですね
此が暗黒面に堕ちると言うことなのでしょうか?

◆行動
【黒竜の恩寵】で防御力UPですよ
私は早く帰り戸棚にあるワイバーンのやきとりを頂きたいのです

その為には仲間を【かばう】位置取りをし
いちご味スパゲッティモンスターをディスって【おびき寄せ】難攻不落の壁となりましょう
先程の蛇腹剣の動きは見てるでしょうから
【第六感】で反撃の機会を伺い
今度は【気合い】を入れた【カウンター】を
はい、敵を【串刺し】にすべく
【怪力】【鎧砕き】を乗せた竜槍でグサッとな

クリーンヒットしたら【生命力吸収】もですね

そう、貴方は生まれてくる世界を間違えたのですよ


四季乃・瑠璃
【ダブル】で分身。
緋瑪:本体、瑠璃:分身

斬撃と旗は【2回攻撃】【範囲攻撃】接触式ボムで迎撃。陣地は陣地の地面毎、旗を爆破して潰すよ。
バリアは高速移動を封じる為に周囲に【範囲攻撃】【鎧砕き】【鎧無視攻撃】感知式ボムを地雷の様にばら撒いて動きを封じ、同スキルの接触式で潰す。
後は敵を【クイックドロウ】【2回攻撃】K100で攻撃掛けつつ、二人掛かりの接触ボムで一気に叩くよ!!

そして、ズタボロになった騎士に待っている改宗と言う名の拷問…。
麻痺で動きを封じ、わんこデスソーススパ

「遂にこの時が来たね…」(両手にデスソーススパ)
「待って!趣旨変わってるよ、瑠璃!」
「さぁ、このスパでデスソース教になるんだよ…」


フロース・ウェスペルティリオ
【M&F】で2名参加。

……ん、帝国騎士ってあんな面白案件だっけ?
以前遭遇した騎士はもっと真面目な……いや、ショコラティエな宇宙船を襲っていたから、案外甘味好きの集まりなのかも?

さて、ウチは変わらずメルノさんの援護をしようかな。
ダガーはさっき使ってしまったから、今度は弓だよ。
【援護射撃】でメルノさんの強化を邪魔されないよう気をつけるけど、
メルノさんが攻撃体勢に入ったら、ウチも『千里眼射ち』で騎士を狙うよ。
ふふ、先に逃げておいて追いつかれるような相手に、スピードで遅れを取るわけにはいかないよねぇ。技能総動員で、射止めてみせようか。

……帰りに普通の苺パスタパフェが食べたいねぇ。船の食堂に無いかな?


メルノ・ネッケル
チーム〈M&F〉、仕上げ行くで!

・心情
あの怪物で侵略なんかしたら、もう銀河帝国言うより空飛ぶイチゴ味スパゲッティモンスター帝国やろ!!
あんたの野望、ここで終わりにするで!

・行動
《SPD》で行くで!
出し惜しみは無しや、真の姿を解放!そこに『狐の松明』を乗せて、狐火の旋風を纏う!
狐の本気、見せたるでっ!

したら攻撃に移ろか!
ここは『クイックドロウ』の出番!
オーラを貼る直前のタイミングを【見切り】、【クイックドロウ】も乗せた必殺の早撃ち!
こいつで怯ませたら、二丁銃の【2回攻撃】で畳み掛ける!
フロースさんの集中の時間、稼がせてもらうで……!

……あ、戦闘後、うちも苺パスタパフェあったら食べてみたいなー。



「一見ふつーかと思いきや……ストロベリーですね」
 イチゴ味の帝国騎士を前に、ぽつりと漏らすミコ。
「ストロベリーだね……帝国騎士って、あんな面白案件だっけ?」
 クロースも同意し、だが、ふと以前に受けた依頼を思い出す。
「まあ、前にショコラティエな宇宙船を襲っていた帝国騎士もいたし、案外甘味好きの集まりなのかも……」
「いや、甘味好きとか言うレベルやないやろ!?」
 思わず突っ込むメルノ。なんかもう今回、突っ込み過ぎて疲れた。
「もう銀河帝国言うより、空飛ぶイチゴ味スパゲッティモンスター帝国やん!?」
「なるほど、つまり……」
 その突っ込みに、なぜか目を輝かせる瑠璃。
「デスソース帝国として、征服し返してあげれば良いんだね!」
「待って! 趣旨変わってるよ、瑠璃!」
 己の分身の暴走を必死に嗜める緋瑪。
「……あの騎士よりに、こちらの方が暗黒面に落ちている気がしますが」
 最後にミコに戻って一巡。何はともあれ、ここに集まった猟兵達が帝国騎士に抱く感情は、様々である。
「ええい、ともかくっ。あんたの野望、ここで終わりにするで!」
 赤き炎と共に、尾が九つに分かたれる。メルノが露わにするは、炎の九尾たる真の姿。
「こんなアホな相手には勿体無いけど……出し惜しみはなしや!」
 狐が嫁入りの際に灯す『狐の松明』は、吉兆であると言う。
 されど、メルノが生み出さす狐の松明は青白く、それが導くは敵の凶兆。
「ふん、そのような虚仮威しなど、我がイチゴスパゲッティの力を持ってすれば……」
「遅いわっ!」
 オーラを纏ってそれを防ごうとする帝国騎士の機先を制する、ブラスターの早撃ち。二色の炎を纏った熱線が、騎士の肉体を焼く。
「ぐああっ!? き、貴様……」
「卑怯とは言わんよね。あんたが遅いのが悪いんやでっ!」
 さらに、左手にはリボルバー。二丁の銃が帝国騎士を執拗に撃ち、その身体を燃え上がらせていく。
「お、おのれぇ……だがこの程度では負けはせんぞっ!」
 それでもなんとか、バリアを張って見せた帝国騎士。イチゴの匂いを撒き散らしながら、その身体を加速させる。
「ふはは、どうだ、空飛ぶイチゴ味スパゲッティモンスター様の加護を受けた我がスピード、捕らえられまぶっ!?」
 その加速を捕らえる、一本の矢。
「いくら速くなろうと、先に逃げておいて追いつかれるような相手が、ウチから逃げられるとでも?」
 放ったのはフロースだ。メルノが稼いだ時間でしっかりと狙いを定めた必殺の一矢は、その高速動作をも逃さない。
「ぐ……だが、矢の一発や二発でこの私が止まるものか!」
「じゃあ、一発や二発じゃなきゃ良いんだよね?」
 再び加速しようとする帝国騎士の周囲に、大量の爆弾がばら撒かれた。投げたのはもちろん、緋瑪と瑠璃だ。
 取り囲むように繰り出した爆弾の爆風が、帝国騎士の動きを封じていく。
「ぬ、ぉぉっ!?」
「このまま大人しくしててよね!」
 さらに、UDC-K100カスタム……魔術で強化された自動拳銃を抜き放ち、連射を加えていく瑠璃。
「後であなたには、わんこデスソーススパを味わってもらうんだから!」
「だから趣旨が……聞いてないね瑠璃!?」
 もはや、緋瑪の言葉すら届かない。
 第三の人格『デスソース瑠璃』とかが生まれているのではないか、と言う疑念を捨てきれない緋瑪である。
「くっ、そのようなゲテモノを喰わされてなるものか!」
「いや、あなたが言いますか、あなたが。イチゴ味スパゲッティモンスターとか、ゲテモノの極みですよ、どう考えても」
 明らかに自分を棚上げした言葉を吐く帝国騎士に突っ込みを入れるミコ。黒竜の鱗を身に纏い、守りを固めて挑発、敵の攻撃を引きつけようとする。
「お、おのれ、イチゴ味スパゲッティモンスター様を愚弄するか!」
「いや愚弄って言うか。大量の目玉と髪の毛を生やして、汁気を飛び散らせるスパゲッティが、ゲテモノ以外の何かであっては堪らないのですが」
 挑発と言うか、まあ、本音だ。だが本音だけに、帝国騎士の怒りを煽る。
「き、貴様ぁ……喰らえぇっ!」
 逆上し、突進して来る帝国騎士……だが、そんなものは、いくら高速移動していようと良い餌食だ。
「はい、グサッとな、です」
「ぐばぁっ!?」
 暗黒の飛槍が、カウンターで帝国騎士の肩口に突き刺さる。
「私は早く帰って、戸棚にあるワイバーンのやきとりを頂きたいのです」
「待て、ワイバーンはゲテモノではないのか、っていうかやき『とり』なのかそれはっ!?」
 よろめき、後退しながらも、突っ込みを入れる帝国騎士。まあワイバーンはこの世界には(多分)いないので、彼に真偽を確かめる術はない。
「私も、ゲテモノじゃない普通の苺パスタパフェが食べたいなぁ」
「うちも一緒したい所やねぇ……そのためにも、このゲテモノ騎士をさっさと片付けるで!」
 そこへフロースとメルノも追撃を加え、帝国騎士を追い詰めていく。
「ならデスソースパフェも」
「それはいらないです」
 そんな混線はさておき。
「ぐ……ぐぐ……おのれ……空飛ぶイチゴ味スパゲッティモンスター様を理解せぬオロカモノどもめ……」
 血を流し、ふらつきながらも、帝国騎士は倒れない。
 その手を掲げると、帝国の紋章……の上からイチゴとスパゲッティをあしらった旗を生み出していく。
「それ、皇帝に怒られないのかな……?」
「空飛ぶイチゴ味スパゲッティモンスター様、我に力をぉぉ……!」
 フロースの正論を無視し、旗を地面に立てると、帝国騎士の身体からイチゴ味の強いオーラが迸り、猟兵達の攻撃を弾き飛ばす。
「我が真の力……とくと見るが良いぃぃ!」
 血走った目で、帝国騎士は再び動き出した……!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

佐塚・陽霞
「どうせだったら鎧もピンクにしたら良かったのでは?」それはさておきパワーアップした様なので【咎力封じ】で動きを封じに掛かります。少しでも効果があれば良し。思うように動けない事は大きな隙を呼ぶ事もありますから。その後はフック付きのワイヤーを使ってチェーンデスマッチです。騎士の腕や脚を狙ってワイヤーを絡め、好きにはさせないようにします。「徹底して邪魔させて貰いますから。」…これが終わったらイチゴスイーツ食べに行かないと。


黒玻璃・ミコ
◆心情
貴方の敗因はイチゴ味を謳ったにも関わらず
練乳や餡子と言ったスイーツと手を組まなかった事なのです(ドヤ顔)
UDCアースならその信仰が認められたかもしれませんが・・・

◆行動
【黒竜の災厄】で命中率を重視です
あらあら、良い感じに盛り上がって来ましたね
此処は【戦闘知識】と【第六感】で帝国騎士の動きを予想し
【気合い】を入れ【怪力】で【鎧砕き】【生命力吸収】してしまう様な
九振りの蛇腹剣でザクザクと【串刺し】にしてしまいましょう
たとえかすり傷であっても【毒使い】の毒が塗られてますので致命傷なのです
竜種でこそありませんでしたが、ご馳走様でした( 人 )

◆補足
他の猟兵の方々との絡みも歓迎です


クリュウ・リヴィエ
…ああ、さっきの苺スパ様だけじゃないんだっけ。
どう見てもあっちがメインだったから、終わった気になってたよ。

タマくんが敵の気を引くうちに、僕はこっそり接近。
タマくんの目潰しに合わせて、血統覚醒して【捨て身の一撃】を放つよ。
目が見えない内に、渾身の一撃を!
ついでに【生命力吸収】でインペリアルブレイドの反撃に備えよう。

『第2、第3の苺スパ様もいるかもしれないけど、どうせそれ以前に第2、第3の苺騎士もいるんだろ?安心して逝くといいよ』


タマ・ハンクス
「悪逆非道な銀河帝国の恐るべし陰謀、ボクは決して許さないよ、フォースナイトの名の元に!」
ちょっと自分に浸った感じで、ポーズをとる。
「さあ、最・終・決・戦だよ、イチゴ騎士!」

「赤黒い電撃って、イチゴ模様なのは、はじめてみたよ(びっくり」
「あ、クリュウもそう思った?インパクトからいって、あっちがラスボスだよね、やっぱり」
「クリュウ、コンビネーション攻撃に行こう!」
真正面から突撃し気を引く【おびき寄せ】、攻撃すると見せかけて、電撃をまとわせた掌で蚊を叩くように、パンッ!
「猫魔法・ねこだましっ【目潰し】」
「というかね、食べ物で遊んで無駄にしたらだめなんだよ。お百姓さんに悪いと思わないのっ」



「悪逆非道な銀河帝国の恐るべし陰謀、ボクは決して許さないよ、フォースナイトの名の元に!」
 パワーアップした帝国騎士を前に、タマはビシリ、とポーズを決めた。
「さあ、最・終・決・戦だよ、イチゴ騎士!」
「ふん、良かろう。空飛ぶイチゴ味スパゲッティモンスター様の加護を得た私に、貴様らの力など通用するものか!」
 スピードを飛躍的に増加させ、猟兵達へと飛びかかる帝国騎士。
「くっ、確かに速い……!」
 凄まじいスピードが、猟兵達を翻弄する。クリュウも反撃を繰り出そうとするが、その隙も見いだせず、身体を切り裂かれていく。
「ふむ、良い感じに、決戦らしく盛り上がって来ましたね」
 だが、そんなスピードにも、ミコは落ち着いた様子で、己の体内を探る。
「いあいあはすたあ……拘束制御術式解放」
 再び、糧とした黒竜を呼び起こし。今度は敢えて形とはせず、その残滓のまま解放する。
「黒き混沌より目覚めなさい、第弐の竜よ!」
「ぬぅぅぅぅ!?」
 吹き荒れる厄災の嵐。混沌が広範囲を薙ぎ払う。いかに速かろうと、周囲全てを攻撃すれば、捕らえられぬ道理はない。
「ふん、だが、一発程度で、このバリアは貫けぬぞ!」
「なら、一発でなければ?」
 そこへ飛んでいくのは、咎人を封じる拘束ロープ。帝国騎士が足を止めた隙を逃さず、陽霞がしっかりとその腕を拘束する。
「徹底して、邪魔させてもらいますよ!」
「お、おのれ……!」
 さらに重ねて、フック付きロープで腕を絡め取る。自由な動きを封じてしまえば、高速移動は無効化したも同然だ。
「ならば……これで、どうだっ……!!?」
 赤黒い電撃を、戦場へと放射する。
「……って言うかこれイチゴ模様!?」
 それに気づき、驚きを露わにするタマ。確かに赤黒いと言うか、赤に黒い種が混じっている。
「そんな所まで無駄に徹底してるなら、鎧もピンクにしたら良かったのでは?」
「……くっ!」
 陽霞の呟きに、めっちゃ痛い所突かれた感を露わにする帝国騎士。
「鎧の塗装は、剥げるのだ……最初からイチゴ味にするには予算がないし……」
「思った以上に世知辛い事情ですね」
 思わず同情の言葉を漏らす陽霞。シガーバーのオーナーとしていっぱいいっぱいな彼女にとっては、予算で苦しむ姿は他人事ではなかったのかもしれない。
「まあそれはそれとして倒すんですが」
「ぬぉっ!?」
 でも手枷は投げつけておいた。より動きを封じられる帝国騎士。
「き、貴様っ、なんと言う真似をっ……」
「戦いですしね、遠慮する理由もありませんよ」
 動きを止めた帝国騎士に、九頭の蛇腹剣を繰り出すミコ。だが騎士も意地を見せ、制限された動きで転がり避ける。
「おや、さすがですね、かすり傷ですか。……まあ、それで十分なのですが」
「何を……ぐっ!?」
 立ち上がろうとした騎士が、ガクン、とよろめいた。それを見つめ、微笑みかけるミコ。
「おや、まだ動けますか。竜を屠る毒なのですが、流石に頑強ですね」
「毒、だと……!?」
 遠慮の理由がない、と言う自身の言葉を体現する、容赦の無さ。悪びれもせず、魔女は典雅に微笑んで見せる。
「そろそろキツいんじゃないかな。降参したら?」
「ぐ……まだ、だ……!」
 タマの降伏勧告を突っぱね、ブレードを構える騎士。
「そっか、なら……トドメを刺してあげるよ!」
 ならば、とタマが勢いよく飛びかかる。その攻撃に騎士が身構えて。
「猫魔法・ねこだましっ!」
 パァンッ!
 弾けるような音と共に、タマの両手が打ち鳴らされた。本来、肉球なので叩いてもあまり音はしないのだが、そこを雷の魔法で火花を散らすあたりが『猫魔法』たる所以か。
「ぐ、あっ!?」
 まさかの攻撃に目を潰され、視力を奪われる騎士……の、胸元から。禍々しき黒剣がズブリと生える。
「タマくんに気を取られたね。隙だらけ、だったよ」
 剣の持ち手はもちろん、クリュウだ。真紅の瞳を鈍く光らせ、ヴァンパイアの力で心臓を抉る。
「連携大成功だね、クリュウ!」
「まあ、一応ボスにトドメを刺した、って事になるのかな?」
 黒剣をさらに深く押し込むと、帝国騎士の口から鮮血が漏れ……その血を黒剣が吸い上げる。まさしく禍々しき、吸血の剣だ。
「ただ……どう見てもさっきのモンスターがメインだからね、あまり達成感はないかな」
「あ、クリュウもそう思った? インパクトからいって、あっちがラスボスだよね」
 そんな言葉と共に嘆息を漏らし、剣を引き抜く。真紅の瞳が金に戻った時には、先程受けた傷はすでに完全に塞がっていた。
「す……好き勝手……言い……おって……」
「まあ、好き勝手言われる程度の相手って事だよ。どうせ、第二第三のイチゴスパ様だのイチゴ騎士だのと、負け惜しみを言うんだよね?」
 見下ろしたクリュウの言葉に、帝国騎士はそっと視線を反らす。
「……私、一人だ……」
「……そうか。正直だな」
 その悲しい言葉と共に、帝国騎士の身体は完全に消滅した。
「竜種でこそありませんでしたが、ご馳走様でした」
 その亡き痕に、手をあわせるミコ。
「貴方の敗因はイチゴ味を謳ったにも関わらず、練乳や餡子と言ったスイーツと手を組まなかった事なのです……」
「いや、そうじゃないよ!」
 敗因を語るミコに対し、タマがそれを否定する。
「食べ物で遊んで無駄にしたらだめなんだよ!」
 それは、ぐうの音も出ないほどに、正論であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月09日


挿絵イラスト