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エンパイアウォー㊳~不敵なる第六天魔王~

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #オブリビオン・フォーミュラ #織田信長 #魔軍転生

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●魔空安土城
 人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢まぼろしのごとくなり――。

 幸若舞『敦盛』の一節の声明が響く。
 織田信長が桶狭間に打って出る際に謡ったのはあまりにも有名であろう。
 壮大な天主にこもり、自軍の本体を見下ろす。
 すでに織田の軍勢をことごとく撃破し、万全の状態でやってきた幕府軍と本体の戦いは始まっている。
 この魔空安土城に攻め入ってくるのは、各地の魔将軍をも撃破した猟兵たちだ。

「おもしろい、儂もこのままむざむざ負けはせんわ」

 天に浮かぶ魔空安土城も、今は大地に降りた。
 とはいえ、その天主からは十万余の幕府軍を睥睨することができる。

「弥助アレキサンダーよ! 魔軍転生によって儂の憑装となるがいい――」

 信長の声が響くとともに、その背後に魔将軍が一人、弥助アレキサンダーの姿が浮かび上がった。
 これぞ秘術、魔軍転生――。

「さあて、最期の戦舞。存分に舞おうではないか」

 第六天魔王織田信長、魔空安土城天主にて猟兵たちを待ち受ける。

●織田信長との決戦
「……こういうわけだ、向こうさんも相当なやる気で待ち受けているぜ」

 堂崎・獣明(整備係・f15021)はグリモワからの予兆を投影して猟兵たちに語る。
 ついに魔空安土城に待ち受ける織田信長との決戦である。
 しかし、一筋縄ではいかないはず。
 信長は、秘術“魔軍転生”によって弥助アレキサンダーを憑装して戦いに挑む。
 憑装となった魔将軍が、渡来人の至宝メガリスを駆使してこよう。

「敵は魔空安土城にありってな。さあ、勝ってきてくれよ」

 獣明は言うと、猟兵たちの転送準備を整えるのであった。


丹藤武敏
 どうも丹藤です。エンパイアウォーもいよいよ魔空安土城に迫りました。
 敵は、第六天魔王織田信長です。
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 第六天魔王『織田信長』は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
 それでは、どーんといらっしゃってください。
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第1章 ボス戦 『第六天魔王『織田信長』弥助装』

POW   :    闘神の独鈷杵による決闘状態
【炎の闘気】が命中した対象を爆破し、更に互いを【炎の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    逆賊の十字架による肉体変異
自身の身体部位ひとつを【おぞましく肥大化した不気味な鳥】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    大帝の剣の粉砕によるメガリス破壊効果
自身の装備武器を無数の【大帝の剣型】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。

イラスト:UMEn人

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

モイ・トリー
アドリブ・共闘歓迎

<心情>
厄介な技を使ってくれるね!

ただ、相手が先制してくるのなら、それを利用するまで

<行動>
相手の「おぞましく肥大化した不気味な鳥の頭部」に対してUC【咎力封じ】使用。猿轡だけ頭部の口を狙い、噛みついてくる前に塞ぎたい。手枷と拘束ロープは術者である弥助装の信長を目標として、本体の行動阻害を狙う。

噛みつき攻撃は【逃げ足】で回避。噛みつかれた際は技能【オーラ防御】で可能な限り軽減。

逃げ切れたときはそのままの勢いで本体を目指し、一撃離脱の【傷口をえぐる】攻撃。
オーラ防御で耐えた場合、【力溜め】の一撃を変形してる身体部位に与える。


ガイ・レックウ
【POW】で判定
炎の闘気に合わせて多重に纏った【オーラ防御】と【武器受け】のスキルを発動して防御力を上げ保険の防御策をかけたうえで、【戦闘知識】によって見極めた【見切り】で相手の攻撃を【残像】と【フェイント】を織り交ぜ、避ける
そしてアサルトウェポンとコンバットマグナムの射撃の【2回攻撃】で牽制し、ユーベルコード【双竜闘技『プリズムキャノン』】をたたきこんでやるぜ!! 


花月・椿
【POW】
武器:右手の赤手『燎原の火』

頼もーーーっ!こんにちは、ぶん殴りに来ました。お相手願いますっ!

正々堂々の決闘ですねっ!とりあえず小癪な先手は【火炎耐性】【気合】【武器受け】【覚悟】で右手の赤手で真正面から受けとめますっ!
こっちは普段から炎を扱っているんです、その手の攻撃くらいは来るとわかっているなら耐えきってみせますっ!

鎖で繋がれても問題ありませんねー、逆に引っ張って逃げられなくしてあげますっ!距離があるなら【ダッシュ】で懐に入って全力の『灰燼拳』をその顔面に食らわせてやりますっ!
『覚悟はいいですか?もう一度あの世に行ってください、信長さんっ!』



「頼も―――っ! こんにちは、ぶん殴りに来ました。お相手願いますっ!」

 魔空安土城天主に乗り込んできた花月・椿(百鬼粉砕・f12960)が堂々と乗り込んで声を上げた。

「ほう、儂を恐れもせんとは見上げたものよ」

 眼光鋭く睨み返す第六天魔王にも、身じろぎしない。
 その態度に、愉悦の表情を湛える信長である。
 正々堂々の決闘とばかりに、椿はその右手に装着した“燎原の火”を構える。
 凶悪な外見と発火能力を有した彼女の武器だ。

「弥助よ、そなたの力を貸せい。まずはひと当りしてくれる」

 信長が言うと、闘神の独鈷杵から炎の闘気が吹き上がった。
 天主に乗り込んできた猟兵たちに向かい、炎をまとった刀を向けた。
 実休光忠、本能寺とともに焼失したと言われるものだ。
 それが、炎をまとって振るわれる。

「あなたに焼かれたお坊さんも言いましたよね? 心頭滅却すれば火もまた涼しって!」

 “燎原の火”を構え、その火炎に耐える姿勢を見せた。

「面白い、ならば叡山の坊主のごとく焼き殺してくれよう」

 さらに炎が燃え上がり、周囲を焼き払った。
 絢爛豪華なる魔空安土城天主もあっという間に炎に巻かれる。
 ともに第六天魔王信長に挑むガイ・レックウ(相克の戦士・f01997)も、妖刀ヴァジュラを抜いて炎の斬撃と衝撃に備えた。
 灼熱の炎に備え、幾重にもオーラを張り巡らせたのだ。

「耐えたか? 耐えてばかりでは勝てんぞ」

 まるで見世物見物でもするような物言いであった。
 それほどの実力があり、余裕があるということでもある。

「なら、反撃してやろううじゃないか」
「そうです。こっちは普段から炎を扱っているんです、その手の攻撃くらいは来るとわかってるなら耐えきってみせます!」

 ガイと椿が反撃に移ろうとすると、爆散した炎がまるで鎖のようにまとわりつこうとする。

「……見切っていたぜ!」

 その炎の鎖を、残像を引いてかわすガイ。
 一方、椿は受け止めて、炎の鎖を引き寄せる。
 反撃に転じるガイは、ヴァジュラからアサルトウェポンとコンバットマグナムに切り替え、ユーベルコード【双竜闘技『プリズムキャノン』(ツインドラグアーツ・プリズムキャノン)】を放つ。

「覚悟はいいですか? もう一度あの世に行ってください、信長さんっ!」

 鎖を引き寄せてダッシュで距離を詰めた椿は、大振りの一撃を信長に見舞った。ユーベルコード【灰燼拳】である。

「……つくづくこの世は面白い、まだこれほどの強者が残っておるか」

 まともに猟兵のユーベルコードを食らった信長であるが、今度はその食らった部位の肉体を変異させる。
 逆賊の十字架の力によって、鳥の頭部のような形へと肥大化していく。

「ケエエエエエエエッ!!」

 その鳥が猛々しく鳴くと、猟兵たちをついばもうと嘴を向けた。

 しかしであった――。

「厄介な技を使ってくれるね!」
「む――!」

 これを止めたのは、モイ・トリー(人間のシーフ・f15633)のユーベルコード【咎人封じ】であった。
 嘴が猟兵たちに命中する寸前で、その嘴を結んでやったのだ。
 信長に対しても、拘束を試みる。
 そのまま、ダガーを構えて刺突に移る。
 おぞましい鳥の頭部に刃を突き立てると、耳をつんざくような絶叫が響いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

願祈・廻璃
WIZ

この激しい攻撃を抜けなければ戦争を止める事は出来ません。
無数の剣の中へ一歩踏み出すには《勇気》と《覚悟》が必要です!

巡瑠の大筆に乗り、巡瑠に掴まって一緒に魔王へ突撃します。
勿論、素直に攻撃を受ける訳にはいきません。
無数に分かれている攻撃なら一点集約の攻撃に比べて威力は一つ一つに分散していて、
願いの力で張った《オーラ防御》で多少は耐えられる筈です!

無傷で抜けるのは厳しいですが、ここで倒れる訳にはいきません。
戦争を終わらせたいと願う皆さんを【願いの奇跡】で癒します!
味方を癒しつつ、私も『願いの筆』で《破魔》の力を揮って魔王の力を抑え込みましょう。

(巡瑠と同行します。アレンジも大丈夫です。)


願祈・巡瑠
WIZ

魔王と呼ばれる敵の範囲攻撃だけあって近づく隙が無いわね。
流石にこれだけの数の攻撃を全て躱すのは無理そうかしら。
でも、諦めずにしっかりと躱していけば被弾自体は減らせるはずよ!

魔法の箒の様に『祈りの筆』へ跨り、廻璃をその後ろに横乗りさせて一緒に突撃するわよ!
私の《操縦》技術で出来るだけ攻撃を躱しながら《ダッシュ》して敵の懐へ飛び込むわ!
私は回避と突撃に専念するから、躱し逃がした攻撃の対処は廻璃に任せるわよ!

戦争を終わらせるという皆の祈りを【祈りの奇跡】で実現させるわよ!
味方を強化しつつ、私も《ランスチャージ》で槍の如くそのまま突撃して《吹き飛ばし》てあげるわ!

(廻璃と同行、アドリブOK!)



 炎上し、燃え盛る魔空安土城天主。
 けたたましい怪鳥の鳴き声が響き渡る。
 白翼の願祈・廻璃(願い廻る神秘・f04941)と黒翼の願祈・巡瑠(祈り巡る神殺・f04944)の姉妹もまた、この城に舞い降り、第六天魔王と対峙していた。

「そちらは姉妹か。二翼ともども葬るのは気が引けるが、やむなしよ」

 肉塊となった怪鳥の頭を切り落とし、信長は大帝の剣を抜いた。
 刀身が砕けたかと思うと、まるで花が散ったようにその破片が舞う。
 逆巻く炎に巻かれ、花吹雪のように舞う様はさながら刃吹雪――。
 触れればずたずたに切り裂かれるであろう。

「魔王と呼ばれる敵の範囲攻撃だけあって、近づく隙が無いわね……」
「でも、この激しい攻撃を抜けなければ、戦争を止める事はできません」
「わかってる、諦めずにしっかりと躱していけば被弾自体は減らせるはずよ!」

 二人は、信長の存在力に気圧されかけるが、姉妹で挑む心強さがさらに勇気を与えてくれた。

 まずは巡瑠が祈りの筆にまたがり、その背に廻璃を横乗りさせる。
 ふっと浮き上がると、刃の破片舞う中を突入していった。

「みずから切り裂かれるか」
「いいえ、そのつもりはありません。戦争を終わらせるために、私たちはあなたに勝ちます――」

 廻璃は言った、そして願った。
 微塵となって巻き上がる刃をかわすのは至難の業である。
 しかし、そのひとつひとつには大きな威力はない、それが道理である。
 ただし、傷つくことを恐れなければ、だ。
 姉妹を包むオーラの力を信じ、廻璃は願うことで耐える。
 砕け散った無数の破片が、彼女たちを斬りつけ、切り裂いていく。
 その廻璃を信じ、巡瑠は祈りの筆での突入に専念した。
 姉妹が願い、祈ること。
 それは戦争を終わらせるという皆の望み。
 その望みをひとつとし、信長に挑む。
 巡瑠の【祈りの筆】が刃塵を吹き飛ばし、廻璃の【願いの筆】が同じく払う。
 魔王の力を前に、翼の姉妹は怯まなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

大崎・玉恵
【尾沙木神社】
この国にて悠久の生を生きようとも、弥助とやらの力は馴染みなきものじゃった。
……お主、いかにして異世界をここに繋いだ?生前から出来たのかのう?

【御社・出雲八重垣】で社の結界を現出、奴の切っ先を制す。
花吹雪の如き微細なものの量産攻撃ならば仲間を領域ごと覆ってしまった方が効率が良いじゃろう。炎の鎖も繋がせぬ。
そのまま多重結界を差し向け反撃に転ずる。わしの仲間は足自慢でのう、素早い攻撃が売りじゃ。わしの結界の捕縛と締め上げ、さらに二人の連携攻撃。できるならばその力で捌ききってみよ!


藤原・祐菜
【尾沙木神社】
メガリス……どこかで聞いたことあるアイテムやな。セイメイ他、奴らにもこちらと同じ世界を渡る力がある……?

初手は残像、盾受け、オーラ防御、武器受けと飫肥守とフォースカトラスの二刀流、スペルカードシールドで質量のある残像を作って防御や!この残像と二刀流防御と物理結界、抜けると思うな!!
さらには風水観測!連続使用で10秒ずつ先の未来を見通すで。未来予知は巫女の役目や!!
回避できないとわかったらわざと重症にならない程度の攻撃は受ける。あとサカガミに来た避けられない攻撃は庇って彼に繋げるで!!

届け!その刃で奴を切り裂くんや!!

一人じゃダメでも三人ならどうやっ!!


無銘・サカガミ
【尾沙木神社】
第六天の魔王、ね…確か、仏教の世界だったか?
仏とは無縁の身だが…そこまで名乗るぐらいなら、「神」の一人や二人、越えてもらわねばなあ!

攻撃を受け止めることは苦手なものでな。故に、彼女に攻撃を防いでもらおう。その間、精神を統一させ、この身に宿る【呪詛】を可能な限り増幅させる。
攻撃を防ぎきってからが本番だ。
狙うは奴の首…【複呪混成】の呪いで自らを強化し、避けられることを考えぬ一撃を放つ。
捕縛されてる身でこの一撃…耐えられるものなら耐えてみせろ!



「第六天の魔王、ね……。確か、仏教の世界だったか?」

 信長が第六天魔王波旬と名乗ったのは、武田信玄が天台座主沙門の書状を送った際の返信としてのことだと伝わっている。
 宣教師ルイス・フロイスの『日本史』で確認できるのみと言われており、確かな裏づけはないという。
 しかし、渡来人の聖職者がその内に眠る魔王信長の気配を読み取って世に警鐘を鳴らしたと解釈もできよう。
 第六天の魔王とは、欲界の最高位にありて修行者に楽しみを与え、仏法より遠ざけるという存在である。
 「神」に故郷を滅ぼされた無銘・サカガミ(「神」に抗うもの・f02636)にとって、天魔と名乗る信長もまた抗うにふさわしいものであった。

「坊主、メガリスのひとつ、反逆の十字架に抗ってみるか?」

 言うと、信長から流れた血から、おぞましい肉塊がブクブクと肥大していく。
 やがて先程のように鳥の頭のような形へと変じる。

「メガリス……どこかで聞いたことあるアイテムやな。セイメイ他、奴らにもこちらと同じ世界を渡る力がある……?」

 肉体を変容させるという至宝メガリスの力。
 その力を見極めようとする猟兵があった。藤原・祐菜(黒狐修業中・f18628)だ。
 山陰道で戦った魔将軍の一人、安倍晴明は水晶屍人を喚び出した。
 あれはこの世界のものではないと祐菜は見ている。
 かくにも、その凶悪な嘴をしのがねばならない。
 魂をついばむ恐るべきものであるのだ。
 ともに戦うサカガミを守ろうと、飫肥守堀川国広とフォースカトラスを二刀に構え、質量を持った残像で幻惑する。

「小癪な小娘よ」

 信長は、さらに刃でみずからの腕を切った。
 流れ出た血が、同じように鳥の頭を一つ、二つと増殖していていく。

「待っとったで、未来予知は巫女の役目や!!」

 祐菜のユーベルコードは【風水観測(フューチャーサイト)】、一〇秒先の未来を見通す力がある。
 敵の攻撃を存分に引き付け、回避していく。

『信長様、俺の大帝の剣の力がある――』

 憑装となった弥助アレキサンダーの声が響く。

「そうか、まとめて葬るにはおぬしの大剣が持ってこいよな」

 砕けた大帝の剣の刃が、今も砂嵐のように信長を中心に散っている。
 一歩踏み込めば、微塵に切り裂かれるのは間違いない。

「弥助と言ったか。……お主、いかにして異世界をここに繋いだ? 生前から出来たのかのう?」

 大崎・玉恵(白面金毛・艶美空狐・f18343)は、信長の憑装に注視していた。
 まず、信長に踏み込むためには花吹雪のごとく微細に舞う刃に対策せねばならない。
 舞扇をともに戦う猟兵たちに向けた。
 ユーベルコード【御社・出雲八重垣】によって、その領域に覆っていく。

「ほう、考えたな。だが、守ってばかりでは勝てぬぞ」
「攻めるのは、わしの役目ではないのでな」
「なに?」
「わしの仲間は足自慢でのう、素早い攻撃が売りじゃ」

 玉恵は信長に笑みを返した。
 祐菜とサカガミの反撃を信じてのことだ。

「仏とは無縁の身だが……そこまで名乗るぐらいなら、『神』の一人や二人、越えてもらわねばなあ!」

 その身に宿る呪詛を増幅させ、サカガミが放つのは、ユーベルコード【八百万の呪い・複呪混成】である。
 あえてその身に呪いを受けることで、そこから繰り出す一撃で相手の生命力を枯らす呪いをかけるという恐るべきものだ。

「おのれ――」

 今度は、玉恵の舞扇が信長を指す。
 すると、今度は多重結界が信長を拘束して締め付ける。
 動きを封じられたところに、祐菜とサカガミの一撃が交差するように決まった。

「届け!その刃で奴を切り裂くんや!! 一人じゃダメでも三人ならどうやっ!!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

北条・優希斗
連携・アレンジOK
――魔軍転生、か
…そうだな、折角の最期の戦舞だ
是非、死合おうか
【SPD】
さて、先ずはどの部位がこの不気味な鳥へと変貌するのか、それを情報収集と見切りで見極めるとしよう
その間もダッシュ+残像+地形の利用+見切り+早業で、絶え間なく相手の標的をずらして攻撃を躱す
躱しきれなければオーラ防御で被害を最小限に
攻撃を躱しながらダッシュ+早業+地形の利用+情報収集で信長に肉薄し、接近したら月桂樹で騙し討ちフェイント後、蒼月、月下美人を抜刀、UC発動
串刺し+範囲攻撃+傷口を抉る+鎧破壊+二回攻撃+薙ぎ払い+早業+見切りで確実に負傷を蓄積させる
「俺の斬撃、少しは楽しめたかい、信長様?」


ユーフィ・バウム
※アドリブ・連携歓迎

織田信長、いざ勝負ですっ!
【覚悟】と【勇気】をもって臨みますよ!

初撃の炎の闘気を【見切り】、致命を避けたうえで
【火炎耐性】のある体に【オーラ防御】をフル動員し耐える。
口から悲鳴が漏れてもけして心は折れず、
必ず耐えきって見せます。

そして決闘状態となったなら―……蛮人の戦いをお見せします!

天性の【野生の勘】に培った【戦闘知識】をフル動員、
信長の一撃を【カウンター】に取り拳を叩き込みます
避けて殴ることができないなら、【捨て身の一撃】、
オーラを片側に盾のように集め
片腕を犠牲にしてでも、拳を入れます!

揺るがせることができたなら、【力溜め】【怪力】を生かした
《トランスクラッシュ》です!



「猪口才な……!」

 憤怒の形相となった信長が、猟兵たちを睨めつける。
 与えられた傷口からは、反逆の十字架によって無数の嘴が命をついばんで勝てに変えようと出現した。

「織田信長、いざ勝負ですっ!」

 そんなおぞましい相手にも、ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)は、覚悟と勇気をもって臨む。

「ならば、貴様から燃やしてくれる」

 信長が握った闘神の独鈷杵から、猛然と炎が噴き上がった。

「くうううううっ!」

 その炎熱にも、ユーフィは歯を食いしばって耐えた。
 炸裂する炎が、鎖となってユーフィと信長の周囲を取り囲んだ。

「さあ、もう逃げられんぞ」
「逃げたりなんかしません!」

 炎の鎖が、真四角に張り巡らされる。
 信長は、ユーフィに掴みかかると囲んだ鎖めがけて投げ飛ばした。
 にもかかわらず、ユーフィは炎の鎖で反動つけて矢のような拳を叩き込んだ。
 渾身のナックルパートである。

「むお、貴様……!?」
「鍛えられた肉体を、めいっぱい叩き込みますっ!」

 怯んだ信長相手に、その場で跳ね上がってユーベルコード【トランスクラッシュ】をぶちかました。
 腰部の骨盤が直撃するため、見た目以上に危険な技だ。

「――魔軍転生、か。……そうだな、折角の最期の戦舞だ。是非、死合おうか」

 この戦いの中で、無数に現れた鳥のような肉塊を観察していた北条・優希斗(人間の妖剣士・f02283)も動いた。
 流れた血、肉片からもたちまちに増殖する。
 しかし、優希斗はその瞳によってすべての配置を見切っていた。
 戦況を把握し、魔空安土城天守の構造をも即座に把握し、地の利とする。
 嘴の死角を縫うように走り、信長へと迫った。
 走りながら、蒼月、月下美人の二刀を抜いて、優希斗はユーベルコード【夢月蒼覇斬】を発動させる。
 無心の境地での高速乱舞によって、変異した肉体を斬り飛ばし、懐に飛び込んで連続攻撃を放った。素早い突き、薙ぎ払いが、次々と繰り出された。

「俺の斬撃、少しは楽しめたかい、信長様?」 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

緋月・透乃
流石はあの信長だね。みんなで結構倒してるはずなのに、まだまだ現れるとはね。でも、それなら存分に戦いを楽しみ、倒しきれるまで倒すのみだね!

まずは、戦斧を長めに持って、飛んでくる炎の闘気へ向かって突きを当てるよ。体に直撃を受けるのは流石にまずそうだけれど、爆風くらいなら気合いで耐えるよ!体勢も崩さないようにしたいね。
上手くいけば戦斧の先端が炎の鎖で信長と繋がれるはずだから、すぐに怪力と【ひょいっと】で戦斧を振るって鎖の先にいる信長を持ち上げ地面に叩きつけるよ!
鎖は腕の延長みたいなものだしいけるはず!
敵の技を利用して、自信のある怪力で勝負だよ!


館野・敬輔
【SPD】
アドリブ連携可

第六天魔王、織田信長
かつて為政者一歩手前まで上り詰めた男も、今は世界の破壊者か

…ここで討つ!

不気味な鳥の頭部は何としてでも避けなければ
「地形の利用、ダッシュ」で部屋の外周を回るように走り的を絞らせない
噛みつかれそうになったら「先制攻撃、見切り、残像」で瞬間的に速度を上げ残像を生み出し囮に
それでも無理なら黒剣を抜き「オーラ防御、怪力、武器受け」でがっちりと受け止める

受け止めたらその勢いで「カウンター、咄嗟の一撃」で反撃
至近距離からの「2回攻撃、怪力」+【憎悪と闘争のダンス・マカブル】で一気に斬り刻む(※味方攻撃なし)

お前の存在自体この世界の害悪だ
ここで黙って消し飛べよ!!



「さすがはあの信長だね。みんなで結構倒してるはずなのに、まだまだ現れるとはね」

 重戦斧の柄を長く持ち、緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)はなおも反撃せんんとする信長の前に立つ。

「当たり前よ、この程度でくたばるものか」

 対峙する信長は、その闘神の独鈷杵から燃え盛る炎を掴み上げると、透乃に向かって投げつけてきた。

「なんのなんの!」

 投げつけられた火球に対し、透乃は戦斧を突き出した。
 爆風が直撃するも、これに耐える。
 しかし、戦斧は炎の鎖で信長と繋がれてしまった。

「逃さんぞ、この炎の鎖からはな」
「逃げるつもりなんてないんだよ」

 透乃は、斧に繋がれた鎖を思いっきり引き寄せた。

「ぐっ、おのれ……!」

 その怪力は、信長も信じられぬほどであった。

「かつて為政者一歩手前まで上り詰めた男も、今は世界の破壊者か……」

 透乃ら猟兵たちを向こうに回し、奮戦する第六天魔王織田信長。
 天下を統べる寸前になって本能寺の変で横死した戦国の雄に対し、館野・敬輔(人間の黒騎士・f14505)も思うところがないわけでもない。
 彼の駆け抜けた生き様は、やはり何かしらの感銘を与えるものだ。
 だとしても――。

「……ここで討つ!」

 今、ここに出現した骸の海から這い出したオブリビオンである。
 葬られた過去が、未来を駆逐しようとしているのだ。
 部屋の外周を回るようにして、無数に分裂した肉塊からの嘴を躱していく。
 命中するか見えた嘴は、その残像におびき寄せられたに過ぎなかったのだ。
 信長を見据える右の青の瞳が光を放つ。
 ユーベルコード【憎悪と闘争のダンス・マカブル】の発動開始であった。
 黒剣が閃き、瞬時に九つの斬撃が繰り出される。

「お前の存在自体この世界の害悪だ。ここで黙って消し飛べよ!!」
「簡単に消えはせんわ!」

 一方を鎖に繋がれながらも、一合二合と超高速斬撃に追いつきながら剣戟の音を響かせる。
 だが、五つ目からはそのスピードに追いつけない。

「こっちの怪力とも勝負だよ! ひょいっと」

 透乃もユーベルコード【ひょいっと】で斬撃を受けた信長を鎖ごと振り回し、天守の床に叩きつけた。
 各階層の床をぶち破り、真っ逆さまに落とされていく。

「し、死のうは、一定よ……」

 最後の階層まで落ちても、なおも立ち上がろうとする信長であった
 しかし、そこまでであった。信長の首は、そのままがくりと力を失ったのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月28日


挿絵イラスト