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めざせ五重の塔(おせち)

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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「ぬっはっは! しょーーーりっ!!」
 それはとある列車の中の事。大量に積み上げられたおせち料理の空き箱を前に、怪人が勝利宣言。それを横目に、お腹がまん丸になるほど食べたキマイラがばたんきぅ……。
「さぁ、フードバトル・イン・トレイン!! 俺に勝てる奴はいないのか!? いないよな!!」

「というわけで、皆様には大食いに挑戦して頂きたいのです」
 人首・椿(傷と記憶は刻むモノ・f06124)はコロリと電子巻物を広げると、キマイラフューチャーのとある地域を示した。
「ここを走る列車の中で、フードバトルを執り行う怪人がいるようですが、今のところ負けなしで有名になりかけています。早急な討伐が求められますね」
 さっさと倒せって言ってるけど、その前にフードバトルが求められる……それはキマイラフューチャーの特徴で、敵を仕留めてはいおしまい、とはいかないのである。
「気力で食べきるか、出てくるのはおせちの駅弁ばかりですから、さりげなく、かつ素早く敵の空き箱と自分の新しい箱を入れ替えるのも手かもしれません。それから、駅弁とあって箱は簡単に手に入ります。事前に『仕込み』をして、敵の駅弁の山に混ぜておくのもいいかもしれませんね」
 対処法の一例を示して、それから、と椿は続ける。
「どう見ても駅弁ですが、敵は重箱と言い張ります。駅弁を連呼して刺激しないようにしてくださいね?」
 割とどうでもいい情報だった。
「それでは皆様、ご武運を……あ、大怪我なんかしたら、介錯しますからね? 無事の帰還をお待ちしております」


久澄零太
ヒャッハー!

新年早々ネタ依頼だァ!!

……えぇ、第六の残念枠こと久澄ですよ?

いうまでもなく『ネタ依頼』です

皆様のグルメなプレイングをお待ちしております
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第1章 冒険 『食べて食べて食べまくれ!』

POW   :    ひたすら詰め込む。限界?知った事か!気合いだ気合いだ気合いだぁー!!!

SPD   :    見えないスピードでお皿の上を減らそう!え、自分の分が増えてる気がする?気のせいだよ

WIZ   :    馬鹿正直に食べるなんてしたくない。他が食べなきゃいいんだから激マズな物をこっそり混ぜよう!

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

佐久間・嶺滋
【サイキックブラスト】の電光で【目潰し】もとい目眩ましした隙に怪人の駅弁をすり替える。
中身?なんだろうな。絶望的な辛党位じゃないと食べれない『やばいの』。


仮に見られても…………
……お前は何も見なかった。いいな?(【恐怖を与える】)


霧島・クロト
えー。取り敢えず【ガジェットショータイム】すんぜ。
なんか使えそうな高速取り替えガジェットとか出たら使うなァ。

基本適当なタイミングで自分のお重(駅弁)を怪人の方に混入させる方向で。
【騎乗】と【地形の利用】持ってるし、列車の中ならやりたい放題出来る………よなァ、たぶん。



ガタンゴトン、揺れる列車の中で今、新たな戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。
「ぬっふっふ、新たな挑戦者か……」
 怪人に並んで座った猟兵達の中、開幕早々動いたのは霧島・クロト(機巧魔術の凍滅機人・f02330)。
「さぁ、ショータイムだ!!」
 パチン、指を鳴らせば列車のど真ん中に千手観音が降臨。
「ちょっと!? 物凄く邪魔なんだけど!? これ動画撮ってるんだよ!?」
「……なァにこれェ?」
「お前も分かってねぇのかよ!?」
 まさかの呼び出したクロト本人も理解不能というえげつない代物が召喚されてしまった。こうなると、ただでさえ広くはない列車の中ではただの障害物である。
「まぁ落ち着こうぜ」
 佐久間・嶺滋(想葬の黒影・f00774)は両手を左右に向けて、怪人を宥める。
「邪魔ならどかせばいいだろう? よっと……」
 持ち上げようと触れた瞬間、バチィ! 凄まじいスパークが起こり会場に居た全員の視界がブラックアウトしてしまった。
「目が! 目がァ!?」
「お前ら本当に何しに来たんだ!?」
 クロトがのたうち回り、怪人が顔を覆ってフルフル……当の嶺滋本人はまさかここまで酷い事になると思わなかったらしく、一瞬呆ける。まぁ、そうね。観音様だからただの銅像かと思ったら、どうやら『動く』機械だったみたいだもんね。そりゃー高圧電流をどのタイミングで流そうかなーなんて帯電させてた両手じゃ、ショートするよね。
「あ、悪い。静電気かな?」
「こんなぶっ飛んだ静電気があってたまるか!!」
 怒り狂う怪人だが、目が見えていないらしくあらぬ方向を向いている。今の内に、と持ち込んだ『地雷』を怪人の弁当……もとい、おせちに仕込もうとする嶺滋。しかし、その弁当箱はこの戦いを見下ろしていた者に奪われてしまう。
「あ、てめ何しやが……」
 見上げた先は、観音様の慈悲深い微笑みでした。分かっていますよ、と言わんばかりのアルカイックスマイルを浮かべた観音様はそっと怪人側の弁当の一番上を入れ替えて、おせち弁当を嶺滋に渡してくれる。
「これ、もしかして初っ端から切札呼んじゃった……?」
 口の端を引きつらせて、嶺滋が席に着く。謎の観音様の使い方が分かった所で皆の視界が回復、改めて試合開始。
「始まる前から余計な事しやがって……しかし! 勝負が始まってしまえばこちらのも……ブフォオ!?」
 最初の一箱を開けた瞬間、怪人が咳込んだ。
「ちょっと何これ!? 直視できないんだけど!?」
 もはやただそこにあるだけで対峙した者の目を潰す激辛弁当が、そこに鎮座していた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

草野・千秋
【POW】
気合いだ気合いー!
フードファイターではありませんが気合いだ!
ふむ、おせちのお重ですか
新年早々豪華ですね
こっちはサイボーグで鉄の胃袋持ちなんですよ
少しくらいの暴飲暴食はいいでしょう
お正月に多少ハメを外しても怒られない
(もぐもぐ)
(駅弁っぽいなー、とは思いつつも言わない)
煮物がまたいい色と味になってて
おとそが欲しくなりますね?
育ててくれた祖母が煮物得意だったんですよね……(ほろり)
今は天涯孤独で一人のお正月ですが
いいもの食べましたよ、食材に感謝
ごちそうさまでした

念の為ユーベルコードで防御力アップさせておく



「ふむ、おせちのお重ですか。新年早々豪華ですね」
 草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)は弁当を前にしてまずは観察。
「煮物がまたいい色と味になってて、おとそが欲しくなりますね?」
 そうね。取りあえず早く食べよう?
「育ててくれた祖母が煮物得意だったんですよね……」
 ホロリ、涙する千秋は目元を拭う……うん、分かったから食べて? もう怪人さん、さすがにこれはおかしいって弁当交換して食べ始めてるよ?
「今は天涯孤独で一人のお正月ですが、いいもの食べられるみたいでよかったです。食材に感謝」
 両手を合わせて深々と会釈……ええからはよ食えや!?
「気合いだ気合いー! フードファイターではありませんが気合いだ!」
 食 え と い っ と ろ う が !
「では、いただきます」
 実際に食べ始めてからは、速かった。ていうか飲んでた。
「なにそれ!?」
 怪人もビックリの飲みっぷりは水の魔力の恩恵によるもの。のど越しを滑らかにして噛む回数を最小限に抑え、ほとんど飲みこむようにして体内に流し込んでいく。前半ゆっくりしてた分、追い上げてくる千秋のプレッシャーは怪人の喉に重くのしかかる。しかし、こんな事をしていては、むしろ千秋の内臓の方が消化が追い付かず悲惨な末路を辿りそうなものだが……?
「こっちはサイボーグで鉄の胃袋持ちなんですよ。少しくらいの暴飲暴食はいいでしょう」
 まさかの鉄の胃袋(物理)! 柔らかくなった煮物程度で音を上げる程柔ではなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

白鳥・深菜
そうそう、獲物への確実な止めは大事な事ですね?
ってバカ(呆れ顔)

それで、今回の相手は大食いを仕掛けてくると。
まあ、荒事ばかりに尖っている自覚はあるけど……
こういう事なら多少は上手くできるかしら。

作戦?そうね、【気合い】(POW)でひたすらに無心で喰らうわ。
え?普段のようにトリッキーな戦法や賢しい手は使わないのかって?
うるさいわね。

出された獲物はしっかり誠意を持って頂くのが
狩る者として礼儀でしょうがっっ!(机バンッ)
さあ、貴方達も黙って喰いなさい!命を喰らうのよ!

あ、このシューマイのべ……おせちおいしい(あむあむ)



「まあ、荒事ばかりに尖っている自覚はあるけど……こういう事なら多少は上手くできるかしら」
白鳥・深菜(空を彷徨う翼・f04881)はおせちの蓋を開けると、一心不乱にもくもくもくもく……普通に食ってる、だと? どうした深菜!? 初仕事では飛竜の翼を狙う的確な策を練った上に、味方を敵の懐に送り届ける囮を買って出たり、割と策士キャラだったじゃないか! そんな脳筋行動だなんてらしくないぞ!?
「うるさいわね」
 あ、やべこっち向いた。聞こえちゃった?
「出された獲物はしっかり誠意を持って頂くのが狩る者として礼儀でしょうがっ!」
 机をバンッ! その瞬間、積み上げられていた弁当が崩れて怪人の弁当箱と混ざってしまう。
「ぎゃー!? 何してくれてんの!?」
 怒鳴りつける怪人だが、むしろ深菜はその胸倉を掴んで弁当を構える。その目は正に狩る者の眼差し。
「さあ、貴方も黙って喰いなさい! 命を喰らうのよ!」
「ちょ、ちょっと待っ……」
「つべこべ言わない! 食材の命に感謝しなさい!!」
「もぎゅー!?」
 問答無用でお弁当が怪人の顔面にシューッ!! 叩きつけられた勢いのままに怪人がぶっ飛びまたしても箱が入り乱れ、それを謎の観音様がシュババッと整理。どう見ても箱の配分がおかしいけど、気にしたら負けだ。
「あ、このシューマイのべ……おせちおいしい」
 あむあむ……あのさ、可愛らしく食べてるとこ悪いんだけど、一ついい?
「何?」
 お前、無心で食ってるだけで食うスピード自体は遅くない?
「命をただ流し込むなんて外道のすることよ!?」

成功 🔵​🔵​🔴​

破魔・案山子
【SPD】
おせち食うのは、やっぱ様式美だよなっ男爵(相棒のカラス
実は食えないのがいっぱいあるけどさっ
わー嘘デス!好き嫌いアリマセン!(あるよ

この怪人がズルしてるって事ない? 怪しいっ

挑戦者が他にも居たらさ
自分の順番が来るまでフードバトルの様子を出来るだけ近くで要観察
俺チビだし、こっそり座席の陰に潜んで、怪人の重箱に印付けておいたりさ
もしくはズルの証拠見つけたり?
途中で箱を入れ替えたりしないか、とか
んー。何にもないかなーっ(頭ガシガシ

何も出なかったら、真っ当に勝負やるぜー
腹半分まで食う
俺好きなのだし巻きと数の子とかまぼこ
黒豆とか煮干とか……煮物…(テンション下がる
俺の方が箱入れ替えしてもいいかな



「おせち食うのは、やっぱ様式美だよなっ男爵」
 鳥籠に収まった鴉に向けて、破魔・案山子(今日も男爵に怒られた・f05592)が語りかけるが、男爵は不満気。そうね、いくら猟兵パワーでも、鴉が列車内飛び回ってるのはどうかと思うもん。
「……実は食えないのがいっぱいあるけどさっ」
 お前、何しに来たんだ?(じとー)
「わー嘘デス! 好き嫌いアリマセン! それより、この怪人がズルしてるって事ない? 怪しいっ」
 慌てふためき話題を逸らそうとする案山子は怪人を示すが……開幕早々爆弾が直撃して、ついさっき顔面で弁当をダイレクトイーティングした被害者にそういう事言う?
「それは今の話だろ? いままで本当に勝ってたのかって話」
 あぁ、なるほど。小柄な体を活かし、座席の陰に潜んでじっと怪人を観察。トリックがあるのでは? と箱に印をつけてみたりもするが、何もない。むしろ、空箱が消えている事が判明する。
「これ、猟兵の方がズルしてない……?」
 案山子、覚えておきなさい。大人になるって言うのはね、汚れるって事なんだよ……。
「んー、俺まだ子どもだから分かんない」
 ヤドリガミに大人と子どもってあるの……? それはさておき、案山子はこの様子だが男爵の方は哀愁漂う様子で遠くを見ている。分かるのか、男爵……?
「何もなさそうだし、俺も挑もうかな」
 パカッ、蓋を開けた瞬間、案山子の顔がシュンとする。
「黒豆とか煮干とか……」
 出汁巻きもぐもぐ。
「煮物……」
 数の子もぐもぐ。
「俺の方が箱入れ替えしてもいいかな」
 かまぼこもぐもぐ……めっちゃ好き嫌いしてんじゃねーか!!
「それはいけないぞ少年!」
 怪人がこっち来ちゃった!?
「いいか? この列車には今、食べ物を無駄にすると襲いかかってくる恐い魔女が乗っていてだな……そいつは山羊の角に梟の羽を持ち、尻から蛇が生えていて……!」
「そんなオバケがいるのか……!?」
 完全にトラウマになってる怪人さんに当てられて、案山子も怯え始めるが、そんな余計な話してるからタイムアップですよ?
「ファッ!?」

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『暴走列車をから救い出せ!』

POW   :    その肉体で列車の動きを止めて見せる。

SPD   :    列車と並走して、人を外へと運んでいく。

WIZ   :    実は列車の中にいました。避難誘導を手伝う。

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
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「この俺が、負けるだなんて……」
 様々な妨害、猟兵の大食い作戦、某キマイラによるトラウマ……様々な要因が重なって、敗北した怪人が崩れ落ちる。
「やはり駅弁早食い対決なんて無理があったんだな……つぎはちゃんとおせちでやろーっと!」
 自覚あったんかい!
「と、いうわけで……」
 ポチッ。謎のスイッチを押した瞬間、列車は急激に加速し、慣性で猟兵も無関係な乗客も、ついでに弁当箱も吹っ飛んでしまった。
「この列車はこのまま盛大に事故って、中の目撃者諸共消えてもらおうかな。そして俺は新たなフードファイトに挑む」
 くるりと背を向ける怪人だが、肩越しににやり。
「あ、ちなみにこの列車にはこういう場合に備えて、俺だけが知ってる安全区画がある。死ぬのはお前らだけだから安心してね♪」
 列車の後方に吹っ飛んでいた猟兵達を嘲笑い、怪人はどこかへ消えていった……。
 もはや一刻の猶予もない。今すぐ列車を飛び降りて並走しながら救助に当たるか、列車を掴んで強引にブレーキをかけるか、はたまた車内からそれを援護するか……いかにして迅速に事態を収束するかが問われている。
ヘルメス・トリスメギストス
「乗客のご主人様、お嬢様たちの安全を守るのも執事の勤めです。
皆様、まずは落ち着いてくださいませ」

実は偶然、列車に乗り合わせていた私は
【執事給仕術】でどこからともなく紅茶を取り出し
乗客の皆様に振る舞って落ち着いていただきます。

大勢のお客様にお仕えするのは疲労を伴いますが、
それを顔に出さないのが執事というものです。

皆様が落ち着いたら、避難誘導をしていきましょう。

「列車と並行して走っているヒーロー、猟兵の皆さんがいますので、
皆様、落ち着いて列車から運び出してもらってくださいませ」

執事としては全ての主が避難するまで
暴走列車の中で待機します。

最後、残った主がいたら、抱えて列車から飛び降りましょう。


佐久間・嶺滋
怪人の方向に一応【影の追跡者の召喚】は投げといてから行動開始。

ふっつーに【コミュ力】使いつつの避難誘導。必要ならば列車現況を【情報収集】するってとこで。
…………いや、俺が言うことじゃないけど、
怪人も怪人でやること頭可笑しくないか?(今さら)



「御主人様、お嬢様、どうぞおくつろぎください」
 ヘルメス・トリスメギストス(最強魔術師にして天才軍師な万能執事(自称)・f09488)はテーブルに真っ白なクロスを敷き、数多の茶葉を使い分け、人々の顔色から好みを割り出すと一人一人、違う茶を淹れていく。
「こちら、疲労に効くハーブティーでございます。こちらは肌荒れを押さえるフルーツティー、貴女様にはハーフカップのコーヒーとココア。一度目を覚まし、速やかに業務を終えてお休みくださいませ」
 列車には多くの人が乗っていた。それこそ、仕事上りの会社員、食生活が乱れ始めた独り暮らしの学生、優秀故に仕事を背負い込むOL……だが、それらは一斉に怒鳴る。
「あんた馬鹿か!?」
「どうなってるのこれ!?」
「まだ恋人も作ったことなかったのに……ここで終わるんだ……」
 そらそうよ、暴走列車の中に紅茶淹れ始めたらそういう顔されるよ。しかし、荒ぶる列車の中であるにもかかわらず、雫一滴溢さず淹れて見せたヘルメスはくすりと微笑む。
「皆さま、落ち着いてください」
「落ち着けるか! このままじゃ……」
「では、貴方方に何ができるのですか?」
 的確な言葉は、混乱した乗客たちを一瞬で黙らせる。
「乗客のご主人様、お嬢様たちの安全を守るのも執事の勤めです。皆様、まずは落ち着いてくださいませ」
「……あんたは何かできるのかよ」
 もはや諦観した様子で吐き捨てる男性に、ヘルメスは恭しく一礼。
「私にできる事は、皆さまの救助に向けて、まずは落ち着いて頂くことです。冷静に考えてみてください。止まらぬ列車からどうやって逃げ出せましょうか? ここで焦った所で、互いにぶつかりお怪我をなさるだけです」
 至極当然だが、パニックになると忘れてしまう事実を語り、ヘルメスはそっと外を示す。
「列車と並行して走っているヒーロー、猟兵の皆さんがいますので、皆様、落ち着いて列車から運び出してもらってくださいませ」
「この速度で!?」
「そこはご安心ください」
 呆れかえった様子の乗客にヘルメスが微笑むと、けたたましくドアを開けて嶺滋が飛び込んできた。
「列車にブレーキをかけてきた! 後は少し待てば減速するはずだ!」
 人々に安堵の表情が浮かぶ中、嶺滋は率先して乗客を後部車両へと誘導していく。誰もいなくなった列車の中、ヘルメスが問う。
「して、実際はいかがなのですか?」
「ブレーキなんか使えるわけねぇだろ。システムがぶっ壊れちまって、どうあがいても止まらねぇようにできてる」
 車内を動き回り、情報をかき集めてきた嶺滋は苛立つように頭を掻き毟った。
「俺が言うことじゃないけど、怪人も怪人でやること頭可笑しくないか? ご丁寧に線路も選んでありやがる。このまま突っ込めばカーブを曲がり切れず、線路からビルに向かって大ジャンプだ!」
「なるほど……その怪人さんはどちらに?」
「先頭車両だよ。後をつけさせたんだが、普通に運転してやがった。多分、あそこだけ強固に作ってあるんだろう。シートベルトして事故るのを楽しみに鼻歌歌ってやがった」
「なるほど」
 嶺滋によって、現状の危機と敵の居場所は割り出した。このまま突撃することもできなくはないが……。
「まずはご主人様とお嬢様にお帰り頂かなくては、ですね」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

白鳥・深菜
えっ。私はただ、普通に食べていただけなのに……
ねえ、そんなにトラウマになるようなこと?

まあいいわ、今度は列車を止めればいいのね?
我が魔力にて目覚めよ得物!【白銀の剣の魔神】!
宇宙バイクを中心に武装と合体して、
その機動力と質量を生かして力技で止めるわ!

方法論としては、列車の上に飛び乗って、列車の上を走る。
そしてそこから列車の正面に回り込んで、と め る!
どう考えても悪路すぎる道中の対抗策としては
【白き空に舞う翼】も活用して無理矢理突っ切るわよ!

出来ればもっと質量がありそうなものがあれば
素材に利用したいけど……
あ、そういえばあの観音像って今は……?


霧島・クロト
この怪人最初っから傍迷惑なことしか考えてねーじゃねーか!!

完ッ全に用法違うけど、
【氷戒装法『貪狼の狩人』】をバイクに乗りながら自分に掛けて外から並走だァ。
【騎乗】と【地形の利用】使って無理矢理でも追い付く。
【氷の波動】に関してはただの自衛用、としてみる。

………もしかしたら無い足場をつくんのに凍らせる必要はあるかも、だかなァ


草野・千秋
暴走列車!?
そんなことが現実になったら
あまりにも多くの一般人の犠牲者が出る
危ないどころではない!
【POW】で列車の動きを止めてみせる!
うおおお!(がっしと怪力で列車をつかみ押し留めるように動きを抑える)
もう誰かが犠牲になるだなんて
懲り懲りですからね?
そのためにこのサイボーグの力があるんだ
列車を安全な場所まで移動させる
一般人が乗っていた場合は速やかに避難させる
救助組のサポートとなれるように速やかに動く



「我が魔力にて目覚めよ得物! 白銀の剣の魔神【ヴァイス・デーゲン】!」
 列車から飛び出した深菜を受け止めたのは、彼女の声に応えて線路の後方から走って来たバイク。彼女が飛び乗ると、車輪が中心から二つに割れて四輪へ。車体はそれに合わせて前後が左右に開き、装甲を畳むようにして内部でジョイントを連結、新たな関節を作り、可動域を作ると内部でショックアブソーバーが起動。タンクだった部位は下へ、その装甲は上へ稼働。シートは跳ね上がるようにして彼女を背から支え、装甲と接続。深菜を飲みこむようにして鎧となる。
 緋色の魔導書をカートリッジに、蒼き魔導を込めた銃に黒檀の杖がロングバレル代わりに接続。周囲に二色の魔力を迸らせて銃口に魔法陣を展開。一種の砲塔に姿を変えて腕に固定された。
 魔術用の短剣、その柄に備えられた水晶を媒体にルーンを刻んだ刺突剣と連結。それぞれの刃に魔力を走らせ光の刃を生成。巨大な両剣に変えて握り込めば、そこには下半身を機体に変えた騎士が一人。
「まずは正面に回り込まないと……!」
 容易く列車に舞い戻る深菜は列車の上に登り、咄嗟に『避けた』。
「……危ないわね」
 列車の上は配電用の線が繋がっており、高圧電流が流れている。そこは予想していたが、その電線を支える電柱が一定距離ごとに並んで線路の上に枝を伸ばしており、さながらハードルの如く行く手を阻むのだ。
「ま、予想はしてたけどね!」
 翼を広げ、屋根を駆ける。高速で迫りくる枝を跳び越えながら進む姿、馬を駆る騎士の如く。
「なるほど、考えたなァ」
 紫黒のバイクを駆るクロトは線路に並行して大気中の水分を凍結、自分専用の道を作りながら列車に並走していた。彼がそんなものを作る理由は一つ、『陸路が線路に並んでいるとは限らない』からだ。時に高架橋の上を、時に地下に走る線路を進む列車は、地上の道路とは異なる道を行く。故に、どこまでも並走できる保証がない。ならば最初から道を作ってしまえばいい。
 一見、深菜のように屋根に乗った方が効率的にも見えるが、まずバイクでハードル走をすると着地の度に衝撃で機体が揺らされ、一瞬減速する。その隙に次の電柱が近づいてくるため、やがては叩き落とされる事になるのだ。そうでなくても、暴走列車の上に立つ、というだけでどれだけの突風に晒されるかなど、想像に難くない。
「四足ならコケる心配もねェから突っ走れる、ってか」
 観察しながらチェンジペダルを蹴り、ギアを上げて加速。獣の咆哮に似た唸りを上げて列車に機体を寄せて。
「乗れ! テメェは足がねェんだろ!?」
「助かります……!」
 列車から千秋が飛び移る。移動手段を持たない彼を乗せてクロトは更にペダルを蹴り、跳ね上がる前輪を叩き伏せて急加速。風を切り、氷の道を走り列車の前に躍り出た。
「うおおお!」
 飛び降りた千秋は半ば列車に撥ね飛ばされるようにして、先頭車両に掴みかかり、両脚を線路に降ろす。
「もう誰かが犠牲になるだなんて、懲り懲りですからね?」
「手伝います!」
 屋根を駆けてきた深菜も加わり、二人がかりで列車を押しとどめるが、線路の枕木を踏み砕きながら列車に前方へと引きずられてしまう。
「なんて馬力……!」
「諦めるわけには……!」
 減速はしているが、未だ曲がり切れる速度ではない。そんな折、内部からの連絡を受けたクロトは車体の横へ。
「乗客全員逃げたんなら、多少派手にやってもいいよなァ?」
 構えた腕に凍気を集め、生成したのは散弾銃。
「ブッ飛べェ!!」
 ダァン! ばら撒かれた氷の波動は車両を側面から凍結させ、内部まで駆け抜ける冷気はエンジンを凍結。強制停止させる。だが、まだ終わらない。
「くっ、止められない……!」
 歯噛みする深菜には分かった。慣性を殺し切れず、列車はこのまま線路から飛び出すと。その瞬間千秋は見た、この先に行きかう人々と……授業中なのか、『誰もいない』学校の校庭を。
「この力は……誰も犠牲にしないためにある……!」
 ペゴンッ、腑抜けた音と共に、指先が鉄板をぶち抜いて列車を掴んだ。
「諦めて……たまるかぁ!」
 殺し切れない慣性をむしろ利用して、先頭車両をブン投げる!
「届けぇええええ!!」
 千秋の咆哮に導かれるように、宙を舞う列車はグラウンドのど真ん中に叩き落とされ、凍結した機械の箱は無残にも瓦解するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『機関車怪人』

POW   :    トレイン・フリーク
【時刻表】【鉄道模型】【鉄道写真】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    出発進行!
自身の身長の2倍の【蒸気機関車】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    アクシデントクラッシュ
対象の攻撃を軽減する【高速走行モード】に変身しつつ、【煙を噴き上げながらの体当たり】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:来賀晴一

👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「何してくれちゃってんのぉおおお!?」
 先頭車両に隠れていたはずだが、身の危険を感じて一つ後ろの列車に移動していた怪人が飛び降りる。
「バトルは邪魔するし、目撃者は助けるし、むしろ俺より活躍するし……」
 ふるふると、怒りに震える怪人は猟兵達に指を突きつけた。
「こうなったらお前ら全員叩きのめして、俺が一番だって話に仕立てあげてやるぜぇえええ!!」
白鳥・深菜
何って、狩りの前準備よ?
真摯な狩りをするための、私は猟兵やってんよ。

それなのに。駅弁をおせちと言い張ったり、ノリと勢いで人質を取った真似したり。
……外道ね。喰えたもんじゃないわ。

「【遊撃担当】白鳥深菜。今日は鉄クズ狩りに勤しむとしようかしら?」

今回の立場は陽動。
敢えて敵の注意を【存在感】で引き付けて、他猟兵の大技の隙を作るようにするわ。

交戦中は【トリニティ・エンハンス】で風を纏い防御力を上げて、
【見切り】【武器受け】で防御を重視。
私は盾役として、機を待つわ。

そうだ、ちょっと【恐怖を与える】のもいいかもね。
貴方、ちゃんと目の前の獲物と向き合いなさい?(眼クワッ)
……って。


ビスマス・テルマール
列車から機関車の怪人が現れた……ですか

助太刀が間に合わなかった感は
ありますけど、この怪人が事件の元凶なら……止めるまでですっ!

●POW
トリニティ・チルドナメロウを
攻撃力重視で発動

トレイン・フリークと
真っ向勝負です

初手に
冷凍クロマグロソードを構え
冷やし孫茶バリアを纏った
体当たりをお見舞い

なめろうフォースセイバーを
添えた冷凍クロマグロソードで
『2回攻撃』し離脱ざまに

アームドフォートで『誘導弾』と『一斉発射』の併用をお見舞い

アームドフォートの『誘導弾』で味方を支援しつつ
味方の攻撃に紛れて

初手と同じ戦法を

アクシデントクラッシュには
冷やし孫茶バリアの体当たりを『盾受け』併用で

※アドリブ掛け合い絡み大歓迎


佐久間・嶺滋
お前は 脳筋か!?
まぁいいや。
…………オブリビオンは、殺すから

【暗殺】技能を使って相手背後を取り、【後ろの正面】。
失敗しても【恐怖を与える】にて圧をかけ、可能なら【目潰し】。
攻撃には【生命力吸収】を併用して相手をじわりじわりと追い込めるようにする。

どんなにふざけていようが、人命を危機に晒したお前は殺す。絶対にだ。


霧島・クロト
………たく、スリップ事故でも起こさせますかねっとォ!!

【凍原の種火】を相手の足元狙いで撃ち、スリップによる転倒を狙う形で。
味方の邪魔しねェ範疇で凍結地形をつくって有利に持ち込むぜェ。

あとは強化用に【属性攻撃】【2回攻撃】辺り。
【地形の利用】とバイクへの【騎乗】も継続して利用すんぜ。



「何って、狩りの前準備よ? 真摯な狩りをするために、私は猟兵やってんのよ」
 武装を分離し、身軽になった深菜はため息を溢す。
「それなのに、駅弁をおせちと言い張ったり、ノリと勢いで人質を取った真似したり……」
 今までの行いを振り返る様に、静かに目を閉じた。彼女の髪を撫でるように、ふわり。一陣の風が吹き抜けていく。
「外道ね」
 言い捨てると同時に、風は彼女を軸に回転し始め、その身を包みこむように旋風へと姿を変えた。
「喰えたもんじゃないわ。あなたは狩らない。この場で討伐する……!」
「来やがれ小娘、返り討ちにしてやんぜぇええ!!」
 怪人が時刻表(お財布収納サイズ)を取り出すとバリムシャァ、食べてしまった。すると全身から蒸気を噴き出し、奮起するではないか! しかし、その程度で臆する深菜ではない。
「【遊撃担当】白鳥深菜。今日は鉄クズ狩りに勤しむとしようかしら?」
 薄い微笑みすら浮かべ、刺突剣を構えて腕を引く。睨み合う両者の間に沈黙が広がり、先に動いたのは怪人。
「生意気な女の子はコロコロしましょ……」
「でやぁあああ!!」
「ぐぇっ!?」
 横合いからビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)による突進を受け、出鼻をくじかれた怪人が地面に転がるが、すぐさま跳ね起きビスマスを睨みつける。
「なんだお前!?」
「通りすがりのなめろう猟兵です!」
『Namerou Hearts Chilled!』
 三つのデバイスを腰のガジェットにセット。流れる電子音にアジの群れと餃子の皮、そしてマグロが彼女の周りで回遊する。
「オーダー、アタックモード!」
『Order Received !』
 アジの群れは細かく叩かれ、ビスマスの左手に茶漬けとして収まると、そのまま彼女の手甲と同化、小さな盾になる。餃子の皮は彼女を挟みこむと細かく畳まれるようにして鋭角的な鎧へ姿を変え、マグロの尾を掴めば左右からプレスされたように大剣へと変貌を遂げる。さらにマグロはその紡錘形の身を反らせて腹に刃を、背に峰を備えた巨大な得物へと進化すると、潮の香と海流の魔力を纏う。
「あ、これヤバい奴!」
 咄嗟に何かを悟った怪人が回避を試みるが。
「……たく、スリップ事故でも起こさせますかねっとォ!!」
「わたたったたた!?」
 クロトが指を鳴らせば大気の水分が凝縮され、水滴の魔弾に姿を変えた。文字通り雨霰として降り注ぐ弾丸に怪人が跳ねまわる様にあたふたしていると、地面に当たった魔弾は小さな染みとなり、瞬く間にその場を白く染めていく。
「凍ってる!?」
 ツルッと足を取られた怪人へ、バイクを駆るクロトが迫る!
「おっと悪い、わざとだから減点は無しでなァ!」
 車体を横に倒して氷の上で滑り、高速の体当たりを叩きこむと、吹っ飛んだ先の怪人を受け止めるように凍った地面が氷壁を突き立てる。叩きつけられた怪人が倒れ込むより先に、ビスマスが肉薄。
「クロ(ス)マグロソード!」
 袈裟斬りから素早く得物を反転。海上へ跳びあがるマグロの如く逆袈裟の斬撃を叩きこみ、後続で突進してきた深菜とスイッチ。金属の拳を振るわんとする怪人を風を纏わせた短剣で受け止め、じっと至近距離で睨みを利かせる。
「貴方、お弁当の扱い雑だったわね……ちゃんと目の前の獲物と向き合いなさい?」
「ひぇっ」
 クワッ! 鬼気迫る眼光に一瞬怯んだ。その隙に深菜が後退、ビスマスの砲塔が照準を合わせる。
「ファイア!」
 砲塔から飛び出したのは二匹のキンメダイ。赤く明滅する二匹の魚は途中で叩かれ滑らかななめろうに姿を変えると、多段式弾頭の小型ミサイルの如く四方八方から怪人へ殺到。しかし、地面に着弾して周囲に白煙と出汁の香りを漂わせる。
「くそ、何も見え……」
 トン。軽い感触が、首裏に。
「オブリビオンは、殺す」
 ベキィ!!
「ぎゃぁああああああ!?」
 頭部装甲の背面を嶺滋の一撃で破砕され、のたうち回る怪人を見下ろす嶺滋の目は冷ややか。
「どんなにふざけていようが、人命を危機に晒したお前は殺す」
 肩を蹴り飛ばし、背を向けさせて頭を踏みつけ、傷口に貫手を放つと。
「絶対にだ」
 内臓回路の一部を引きずり出し、零れだす電流の一部を剥奪、自身のサイキックエナジーへと変換するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

草野・千秋
いざ勝負だ、機関車怪人よ
お前に負ける僕たちではない

【POW】で乗り切ります
ヴァリアブル・ウエポンは正義の剣の形
どんなに自らを奮い立たせようとも
もう二度と立ち上がれないように
木っ端みじんにしてやる
こちらも全身機械の体を震わせて
2回攻撃を駆使し戦う
平和は、僕の、僕たちのものだ!
断罪してやる!


蒼汁之人・ごにゃーぽさん
でーおくれたー。ま、いいや。
ガジェットショータイムで召喚したカンブリア生物っぽい変な形状のペットロボ型ガジェットとテンペストで合体。詠唱で唱えた単位をcmに換算するなよ?いいか、換算するなよ?絶対に換算するなよ?

で、愛騎のハルキゲニアに騎乗しつつカンブリア大爆発で召喚した生物達と共に神風幻影で突撃するよ。

まぁ、本命は戦慄の蒼汁なわけですが。呪詛による概念攻撃だから味覚が無くてもその味を存分に体感できるよ☆
なお、蒼汁は回復薬なので、意識も体調も正常に保たれるから、その味からの逃走は不可能だよ☆


さて、換算するなよ?って言ったよね?(蒼汁掲げてにっこり)


*分かってやってるコミックリリーフ


アリス・セカンドカラー
レビテーションで空中戦。
で、マインドジャック。脳は無くても脳に相当する機関はあるでしょ?
命中率下がってても数撃ちゃ当たる作戦よ。
うまく効いたらそうね、擬人化したこの怪人をネタにBLな妄想を流し込んであげましょうか。ついでだからアリスのペット♪で合体済みの相手役も召喚しましょ☆

そしてエナジードレインよ。生命力吸収なら生命力しか吸収出来ないけど、盗む攻撃ならそれ以外のエネルギーも盗めるのよ☆


ヘルメス・トリスメギストス
「やれやれ、ついに怪人が本性を現したようですね。
キマイラの御主人様、お嬢様たちに被害が及ぶ前に、怪人にはお引き取り願いましょうか」

主に仕える執事として、暴れる怪人を放置するわけにはまいりません。
力ずくでもお帰りいただきましょう。

「怪人様、あまり騒動を起こされるようでしたら、
主に代わりまして、執事の私がご対応させていただきます」

執事とは主に危険が迫ったときに備えて
格闘術を身に付けているものなのです。

白手袋をはめ直し、怪人に対して【執事格闘術】による接近攻撃を仕掛けましょう。

執事格闘術。
それは名のある執事なら必ず習得していると言われる総合格闘術です。

え?魔術?策略?
何のことでしょう?(肉体派執事)



「中々面白そうな事になってるじゃない?」
 空中でクロールして泳ぐという新手の怪奇、アリス・セカンドカラー(不可思議な笛吹きの魔少女(発酵中)・f05202)が悶絶する怪人を見下ろす。
「それじゃー早速、マインドジャックいっちゃいましょうか」
 じっと見つめるその視線はただの眼差しではない。眼球に魔力を収束して見つめる事で対象の肉体の指揮系統に干渉する……いわば、生物を対象にしたクラッキング。電子回路へ潜り込み、そのOSをいじくり回す。
「ファイアウォール解除してー思考回路を停止してー……」
 見えないキーボードでもあるかのように、アリスは空間を叩いた。
「妄想をどーん!」
 ッタァン! エンターキーを叩くような動作と共に、怪人が崩れ落ちる。なんかこう、ほら、駅前で飲み過ぎたオッサンがやってそうなポーズだよ。
「おぇええええ……」
「妄想だけでイッちゃった? リアルも用意してるのに?」
 アリスが小首を傾げると、半透明の人間のような何かが二十名ほどぞろぞろ。それらは互いに結合すると、筋肉ダルマに姿を変えて怪人に襲いかかる。
「ギヤァアアアア!? 変態に犯されるぅうううう!?」
 怪人と明らかにアウトなアレが鬼ごっこしてる傍ら、蒼汁之人・ごにゃーぽさん(戦慄の蒼汁(アジュール)・f10447)はハルキゲニア(細長い体に、背中に伸びた棘と棘っぽい脚を持った生物で、上下と前後が非常に分かりにくい奇妙な生物。気になる人は検索してみよう)を模したメカペットに騎乗して腕を組む。
「色々出遅れた感があるが……ま、いいや」
 ビシッと、人差し指を天に向け。
「行くぞ相棒! 今こそ合体だ☆」
 ジャキーン! ハルキゲニアと合体して、刺々しい鎧を身にまとったごにゃーぽさんが、カッ! と目を開く。
「見よ、四億六千万ナノメートルのこの威容☆」
 ……いや、分かってるんだよ、これツッコんだ方がいいだろうなって。でもなんかこう、触れたら負けな気がしたんだ。
「詠唱で唱えた単位をセンチに換算するなよ? いいか、換算するなよ? 絶対に換算するなよ?」
 ごにゃーぽさんがさっきからチラッ、チラッて視線を投げてくる。多分『言え』ってフリなんだけど、言ったら死ぬ気がす……。
「五十センチ弱しかねーじゃねぇか!!」
 怪人が言っちゃったー!?
「換算するなよ? って言ったよね?」
 にっこり笑ったごにゃーぽさん。そう、彼女はフェアリー。身長は手乗りサイスしかない。
「いや、ボクはヒーローマスクなんだが……」
 マジで? ところで……怪人の口に流し込んでるソレ、何?
「蒼汁(アジュール)だけど?」
 何それ!?
「なに、ちょっとした回復薬さ。猟兵が袋叩きにしただけじゃ、やっぱりヒーローっぽくないだろう? ここは正々堂々戦ってやっつけようって作戦さ☆」
 そう語るごにゃーぽさんだが、当の怪人の方は陸に打ち上げられた小魚のような、あるいは殺虫剤をかけられた虫のような、明らかに絶命寸前の様子でビクンビクンしてるんだよね……。
「全く関係ないけど、良薬は口に苦しって言ってね?」
 やっぱりヤベー飲み物だー!?
「さて、キマイラの御主人様、お嬢様たちに被害が及ぶ前に、怪人にはお引き取り願いましょうか」
 キュッと白手袋をはめたヘルメスがニコリと微笑むと、嘔吐して這いつくばる怪人に向けてモップとバケツを手に歩み寄る。
「まずは他のご主人様、お嬢様の御迷惑にならないよう、綺麗にしまして……」
 吐瀉物(ていうか蒼汁)を掃除して、近くの排水溝に捨ててきたヘルメスはまるで地面を磨くかのようにモップを構えてバケツを置く。
「怪人様、あまり騒動を起こされるようでしたら、主に代わりまして、執事の私がご対応させていただきます」
「うるせー! こんだけ好き勝手やっといてまだ自分達が正しいとでもいうのか!?」
「そうですか……」
 それは、ヘルメスからの最後通告。これで引くなら、まだ情状酌量の余地があると思ったのだろう。だが、その気遣いは振り払われた。
「では仕方ありません。『お掃除』させていただきましょう」
「……えっ」
 宣言した時には、モップは怪人の脚を吹き飛ばし、スッ転ぶようにして怪人の体が宙に在る。何が起こったのかを理解するより先にヘルメスがターン、横殴りに振るわれるモップに胴体をくの字に折られ、吹き飛びそうになるが執事流回し蹴りで食い止められて滞空、ほぼ受け身も取れぬままにモップの柄が鳩尾を直撃。
 吹き飛ばされた怪人は頭からバケツに突っ込み、更に地面を転がるかと思いきや、グルグルと空中で高速スピン。落下した時にはまたバケツが下になっており、地面を一度も汚すことなく遥か遠方へ『お掃除』されてしまった。
「機関車怪人よ。お前に負ける僕たちではない」
 どっちかっていうと、バケツ怪人になってしまった怪人へ千秋が宣戦布告。
「どんなに自らを奮い立たせようとも、もう二度と立ち上がれないように木っ端みじんにしてやる」
 すらり、構えたのは実にありふれた長剣だった。一つだけ違うのは、その得物に切っ先が存在しない事。人はそれを処刑人の剣と呼び、鍛冶師は柄に『正義の剣』を意味する言葉を刻んだ。
「平和は、僕の、僕たちのものだ!」
 グォン。千秋の全身が唸る。機械化した肉体は感情に応えるようにその機能を加速させる。心臓のエンジンはけたたましく血液を回し、四肢代わりのマニュピレータは軋みを響かせる程に出力を上げる。
 ドッ、土煙と散らばる列車の残骸を巻き上げて、一歩。瞬く間に距離を詰めた千秋の一撃は重く、肩を砕き、胸を貫き、腹を引き裂いて怪人を這いつくばらせる。回路がショートして、鮮血を噴き出すようにスパークする怪人へと千秋は剣を振り上げた。
「断罪してやる!」
 ダンッ! 金属を強引に叩き潰したような音と共に、怪人の首が落とされた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月01日


挿絵イラスト