3
ニューイヤーモチモチパニック!

#キマイラフューチャー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー


0




●親方、空からおもちが!
 ニューイヤーを迎えたキマイラフューチャーの一角でその事件は起こった。
「あいたっ! なんだ?」
 高層ビルに挟まれた通りで、イノシシ顔をした男が頭をさすりながら、落ちてきた何かを拾い上げる。
 それは白く光沢のある長方形をしていて……。
「いてっ! またかよ……っておいおいおいおい……!!」
 イノシシ顔の男は空を見上げると、口をあんぐりと開け、それから頭を押さえてうずくまった。
 似たような白いかたまりが空から雨のように降ってくるのだ。
「うわああああ、なんだこれえぇぇぇ!?」
 バラバラと落下してきたそれらが他の通行人にもぶつかり、サイバーでパンクなビルの看板や自動車の上にも落ちて跳ねる。
 猟兵の皆さんの中には恐らくご存知の方も多いだろう。
 落ちてくるもの……それはどこからどう見ても切り餅であった。

●フォーリン☆ライスケーキ
「新年あけましておめでとうございます。早速ですが、大変な事件が発生しました」
 新年の挨拶もそこそこに、振袖姿の化野・那由他(書物のヤドリガミ・f01201)が猟兵達に説明を始める。
「事件が起こっているのは、キマイラフューチャーの街の一角です。その周辺で空から切り餅が、こう、雨のように」
 嘘みたいな話ですけど本当なんです……みたいな仕草で猟兵達の反応を伺う那由他。
「このままでは道がお餅で埋まってしまいますし、交通の妨げにもなりますし、当たると結構痛いので……皆さんに犯人を捕まえて頂けないかと。こんな怪現象、背後にはオブリビオンの暗躍があるはずです」
 こんなおかしな事件はだいたい怪人の仕業だ、みたいな確信あふれる言葉を口にする那由他。
「事件を調べる方法は色々と考えられると思います。上から降ってきているんですよね……。あ、お餅、食べても大丈夫みたいですよ。調査の一環に良かったら」
 喉につまらせないで下さいね、などとさらっと恐ろしいことを言いつつ、那由他は猟兵達を送り出すのだった。


相馬燈
 ハッピーニューイヤー。マスターの相馬燈です。
 新年早々、恐るべき事件が発生してしまいました。
 きっとオブリビオンの仕業ですが今のところ詳しいことは分かっていません。皆さんの調査で原因を究明し、事件を解決して下さい。
 ……お正月のお餅にはくれぐれもご注意を。
47




第1章 冒険 『フォーリング・モチ』

POW   :    落下してきた餅の処理を行う。煮て良し!焼いて良し!

SPD   :    問題の空域まで移動できる手段を見つけ出す。

WIZ   :    落下してきた餅を解析して、原因・犯人を特定する。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

麗明・月乃
餅がいっぱい!餅じゃ餅じゃ!
……こほん。
とりあえず原因を調査してみるかのう。

とはいえどうしたら…とりあえず食べてみるかの。
【鶏の頂点に立つ少女】発動。
鶏を投げて適当に外して分裂させて私のテリトリーを作ってその上に座る。
ほら、寒いからのう。…じゃなかった、落ち着いて調べたいのじゃ。

【フォックスファイア】で焼いて食べたりそのままかじったり。鶏に小さくちぎって食べせせたり。
普通の餅と違うところ…。うーむ。
閃いた。きな粉とかがないとあんまり美味しくない。

野生の勘も頼りにとにかく色々やってみるかのう。
後は…うむ、餅の封印を解いて秘密を暴いたりな。
封印を解くとなんかきな粉が付いてくるとかあるかもしれぬ。


望月・十慈子
餅好きで探偵であるわたしにぴったりの事件ですね!
見事解決してみせましょう!
わたしがやることはもちろん、お餅の解析……ではなく!美味しくいただくことです!つまりPOW!

解析?推理?そんなことでお腹は満たせませんよ。
わたし自慢の探偵七つ道具を使って餅を処理します。
これは道具にみせかけた調味料入れ!いつでもどこでも一味足せるわたし必須のアイテムなのです!
味の調整お任せあれ!全て美味しくいただいてみせます!名探偵の名に懸けて!もちにはきなこをかけて!

小豆を調達してきてお汁粉にしてしまうのもいいですね!
甘くて暖かくて心もぽかぽかですね。
……ところで何故お餅食べてるんでしたっけ?まぁいいか!美味しいし。



「餅がいっぱい! 餅じゃ餅じゃ!」
 空から降ってくる切り餅を見て、麗明・月乃が小躍りする。
 食べ物が落ちてくるのだから夢のような光景と言えなくはないが、道路を埋め尽くすほどの餅ともなれば喜んでもいられない。
 こほん、と月乃は咳払いをして。
「空になにかあるのかのう……」
 思って見上げた途端、あわれ切り餅が月乃のおでこを直撃した。
「いたいのじゃ! 頭の上に落とすのではないわ!!」
 容赦なく降ってくる餅に慌てて退避する。
 月乃はそこでユーベルコード『鶏の頂点に立つ少女』を発動、召喚した鶏を両手で空へと解き放った。鶏が羽ばたき、天へと舞い上がるかと思われたその刹那、落ちてきた餅にぶつかって墜落する。
 鶏はきりもみしながら本来の能力通りに分裂し、餅の上を今度は鶏が埋め尽くした。
 自分のテリトリーを作り上げた月乃が温かな鶏達の上に陣取る。
「寒いからのう。……じゃなかった、落ち着いて調べたいのじゃ」 
 月乃は狐火を生じさせると、餅をそれで炙ってみる。焦げ目がついて、ぷっくりと膨らみ、いい匂いがしてくる。
 そのままかじってみた。
 普通の餅だ。
 鶏達にも小さく千切って食べさせてやる(……大丈夫なのだろうか)。
「普通の餅と違うところ………………閃いた」
 月乃のおでこにキュピーン! と電撃が走り、野生の勘が真理を掴む。
「きな粉とかがないとあんまり美味しくない」
 尻に敷いている鶏達がぐらついたのは気のせいか。
 月乃がどうしたものかと辺りを見回すと、折よく声をあげた者がいた。


「餅好きで探偵であるわたしにぴったりの事件ですね! 見事解決してみせましょう!」
 雨あられと降り注ぐ切り餅を前に胸を張ったのは望月・十慈子だ。探偵業(と称した食べ歩き)に邁進している十慈子からすれば。これはまさにお誂え向きの事件と言えた。
 傘を差しながら様子を見に来たキマイラの皆さんが十慈子に期待の眼差しを向ける。
 探偵である十慈子の目的は勿論、
「お餅の解析……ではなく! 美味しくいただくことです!」
 キマイラ達がずっこけた。
「解析? 推理? そんなことでお腹は満たせませんよ」
 しれっとうそぶく十慈子だが、本領発揮はここからだ。
 屋根のある場所を確保すると、自慢の探偵七つ道具を駆使して、もはや災害クラスになった餅との格闘を開始する。
「これは道具にみせかけた調味料入れ! いつでもどこでも一味足せるわたし必須のアイテムなのです!」
 十慈子が懐から取り出したるは、七つ道具が一つ。万年筆っぽく見えるその後ろのキャップをスポンと抜けばあら不思議、降るだけできなこや醤油が焼き餅を彩る。
「味の調整お任せあれ! 全て美味しくいただいてみせます! 名探偵の名に懸けて! もちにはきなこをかけて!」
 と、そこで十慈子はこちらをじーっと見てくる月乃の視線に気づいた。
 何故か鶏の群れの上に鎮座している。
 万年筆を掲げてみせると、月乃がそうそれ、とばかりに頷いた。
「お餅はやっぱりきなこですよね」
「助かったのじゃ。便利な道具よの……」
 十慈子が月乃にきなこを分けてあげると、月乃は探偵(?)七つ道具を見て言った。
 どうやら調理道具も用意してきたらしく、十慈子は鍋の中で小豆をことことと煮始める。
 煮込むための火は月乃が呼び出していた狐火だ。
 下準備ができると、砂糖を中心に味付けをして、焼いた餅を投入する。
 やがて正月定番のお汁粉が出来上がった。
「甘くて暖かくて心もぽかぽかですね」
 キマイラ達の笑顔を見ながらついついほんわかふわふわした気分になる十慈子。
「……ところで何故お餅食べてるんでしたっけ? まぁいいか! 美味しいし」
 ごうんごうんと上の方から微かな機械音が聞こえてきたような気がするが、十慈子は尚も餅料理に舌鼓を打つのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

マーシャ・ドラクロフ
※アドリブ・連携大歓迎※

■行動:POW
餅の処理を担当する。

餅に関しては技能【世界知識】で知識を有している状態。

「お餅が降る街……。
 もしかして、カッチコチのお餅なのコレ!?
 まずは既に落ちてきてるお餅の処理をしないとね!」

■ユーベルコード
影が奉ずる賢者の知恵を使用して、餅処理ができるアイテムを召喚する。

「お餅…お餅処理…といえば杵と臼!!
 出てきて私のアイテム!」

目的のアイテムの召喚に成功した場合、餅つきを開催する。

理想のアイテムが出なかった場合は与えられたネタで
「気合で餅つき決行です!!」

ちなみに餅に関しては口にして大丈夫であるか、
自身で毒見をしてから、問題なければ周囲に提供する。



「お餅が降る街……。もしかして、カッチコチのお餅なのコレ!?」
 世界知識のスキルによって餅なるものの情報を得てきたマーシャ・ドラクロフをして、目の前の光景は想像を絶するものだった。
「まずは既に落ちてきてるお餅の処理をしないとね!」
 このままでは地味に大惨事になる。というか現時点でかなりヤバい。
 マーシャは頷くと、ここぞとばかりにユーベルコードを発動した。
「お餅……お餅処理……といえば杵と臼!! 出てきて私のアイテム!」
 そう、今しなければならないことは目の前の切り餅との格闘!
 マーシャの影がうごめいて杵と臼の形となり、傘を差しながら沿道でそれを見ていたキマイラの皆さんがおおっ、とどよめく。影の臼は二本の手のようなものを伸ばすと、周囲の切り餅をかっさらって自分の中に放り込んでいく。
「それじゃ、餅つきを始めよう!」
 マーシャが宣言して、自分の影と繋がった杵を勢いよく真っ黒な臼に振り落とした。
 どぐしゃ、ごしゃ、ばきぃ!!
 世にも恐ろしげな音が響き渡る。
「き、気合でなんとか……!」
 何しろ切り餅である。臼の中が大変なことになっていき、周りのキマイラ達も隣同士で手を取り合って不安な目を向け始める。
 と、その時、他の猟兵から火で炙って膨らませた餅が大量に回ってきた。
「これならなんとか!」
 ガワはパリパリと硬いが、ついていけばなんとかそれっぽくはなる。マーシャが杵を振るうと、臼が影の両手を伸ばして合いの手を入れ、ひっくり返す。その手際に周りのキマイラたちも興味深そうに見入っていた。ひとしきりつき終わると、マーシャは臼の中の餅を切り取って毒味をした。問題ないことを確認して、
「大丈夫そうね。さあ、皆で食べよう」
 曲がりなりにも餅つきという文化でキマイラたちを沸かせたマーシャが、皆に餅を配っていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベルカ・スノードロップ
【ミスティ(f10486)と共に】

さて、どうしたものでしょうかね……。
溜息を一つついて相棒のミスティを見遣る
「その『もこもこ』は、お餅を食べれるんですか……?」
『夢食い』をしそうな見た目をしていますが……

【WIZ】を使って解析調査
『上、ですよね』と、上空と餅を交互に見て
(動画配信で布教する事件が多いこの世界で『食べられる餅』を降らせていること鑑みれば『直接配布による布教』が目的でしょうか?)
そうであるならば
高い建物にいるか、撒いた餅を食べている人の所に現れるか、ですね

他の猟兵に合流して、ミスティと答え合わせをしながら、お餅でも食べましょうか。
※アドリブ可


ミスティ・ストレルカ
(もっちもっち、もっちもっち)(餅をぷにぷにしてモグモグの図

【同行:ベルカおにぃ(f10622)】

●方針-調査WIZ
余計なお餅は【サモン・シープ】で薙ぎ払ってもらって
召喚した羊さんと一緒に食べたりして方角や成分を調べようと思います。

・出処
そういえば新しい建物を立てる際にお餅を高い所から撒くお祭りがあるって聞いた事があります。
高所にお餅ポイントを見つけて連打してるのかな…?
もし投げなら降り方に僅かな癖が見られるはず…

・成分
普通のお餅っぽいけど食べて判るかな?
折角だしよく噛んで食べるのです。
羊さんにも食べて(?)貰って心当たりを聞いてみます
答え合わせついでにおにぃにも食べて貰いますか(餅を突き出し



(もっちもっち、もっちもっち)
 ミスティ・ストレルカはぷっくり膨れた焼き餅を美味しそうに味わっていた。食べながら皿の上の餅をぷにぷにとつつく。
 食べても平気みたいだし、取り敢えず食べて調査を。喉に詰まらせないようよく噛んで。そんな彼女の目の前では、デフォルメされた羊が猛回転して路上に積もった餅を薙ぎ払っていた。おいで、ひつじさん――ミスティが可愛らしくサモン・シープで呼び出した途端にこれである。
「さて、どうしたものでしょうかね……」
 餅を頬張るミスティと暴れまわる羊を横目に、ベルカ・スノードロップは溜息を一つ。滅茶苦茶な状況ではあるが、こういう時こそ頭を働かせるべきだ。
「上、ですよね」
 降り注ぐ餅と、路上を埋め尽くす四角く白い塊を交互に見て、
(動画配信で布教する事件が多いこの世界で『食べられる餅』を降らせていることを鑑みれば……『直接配布による布教』が目的でしょうか?)
「せっかくだし羊さんもどうぞ」
 見れば、ひと仕事を終えて近寄ってきた羊に、ミスティは餅の欠片を与えていた。
「その『もこもこ』は、お餅を食べれるんですか……?」
「美味しいみたいですよ」
 粘る餅をばくばくと咀嚼するひつじさん。ベルカは額に手を当てて、
「どちらかと言うと『夢食い』をしそうな見た目と食べ方ですが……」
「答え探しのついでにおにぃにも食べて貰いましょう」
 頭を押さえるベルカに、餅の載った皿を突き出すミスティ。皿の上にはまだ手を付けていない焼き餅が一つあった。ベルカはそれを受け取りながら、また空を仰いで、
「上空になにかあるのは間違いなさそうですが」
 餅を一つ平らげたミスティは背の高いベルカを見上げると、同じように空に視線を送った。すると、はっと思い出したように口を開いて、
「そういえば、聞いたことがあります。新しい建物を立てる時に高いところからお餅を撒くって」
「高いところからですか。ああ、なるほど」
「そういうお祭りなんだとか」
「となると、犯人は上から私達を見ている……高い建物にいるか、撒いた餅を食べている人の前に現れるか、でしょうか」
「高いところにお餅ポイントを見つけて連打してるのかな……?」
 もしそうなら降り方に癖が見いだせる筈、とミスティは注意深く餅の落ちてくる様子を観察する。どうやら規則性があるようで、よくよく見れば降ったり止んだりを繰り返しているようだ。耳をすませば微かに機械音も聞こえてくる。
「これは当たりかも知れませんね」
 ベルカが言い、ミスティが小首をかしげる。
「でも犯人はどこにいるんでしょう……?」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リーファ・レイウォール
『餅』で『怪人』なら『もったぃ』とか、言いそうね。女性型か、それこそお待 餅の姿かね

餅の布教したいなら、他にやりようがありそうだけど

サムライエンパイアで、お餅の食べ方は色々と教えて貰ったわ
だから、お餅で料理を作るわね

食べて処理する人達のために、お餅を作ります
焼いたり、尾添ににしたり、揚げておかきにしたりと。

味見の課程で、辛い味付けにしてUC【スパイシー・ハイテンション】で自身も活性化させるわ

私自身の調査は、UCで活性化させた状態で【WIZ】での、餅の解析ね
料理していたところから、解析の一環よ

お餅を解析して、料理にもしていて思う
「料理につられて犯人が出て来たりしてね」



「『餅』で『怪人』なら『もったぃ』とか、言いそうね」
 リーファ・レイウォールは降ってくる餅を見上げながら、この事件を起こしている犯人について考えを巡らせていた。思考しながら道を埋め尽くす切り餅の一つを拾い上げてみる。
「……なにかありそうね。料理しながら調べてみましょうか」
 小さく頷くと、リーファはひとまず建物の庇の下に必要な分の餅を運び、持参した料理道具を広げ始めた。
(「サムライエンパイアで、お餅の食べ方は色々と教えて貰ったわ」)
 料理を作って消費する。それがリーファの選んだ行動だった。
 辺りには好奇心旺盛なキマイラ達が続々と集まってきていた。まるで料理の実演会のような状況の中、リーファは日頃の自炊で鍛えた腕を振るう。
 焼いて炙り、醤油をかけて頂くのは基本中の基本。まな板の上に人参や大根を置くと見事な包丁さばきで刻んでみせた。鍋で熱し調味していた汁の中に、刻んだ野菜と餅を投入する。
 サムライエンパイア伝統の料理、それはまさしくお雑煮だった。
 リーファの実演はそれだけに留まらない。切り餅を刻むと、熱した油で揚げて即席のおかきを作り上げる。その手際に、様子を見ていたキマイラの皆さんが拍手喝采した。
 普段から量を作るリーファにとって、集まったキマイラ達の分を用意するのはわけもないことだ。
「料理はこのくらいにして、調べてみましょうか」
 とは言えリーファの調査の主目的は餅の解析である。
 自分用に盛り付けたお雑煮の椀に、唐辛子を大量投入。辛味をつけた上で、ユーベルコード――スパイシー・ハイテンションを発動した。
 激辛スープと化した汁を口にするリーファ。その赤い瞳を構成する細胞が一挙に賦活され、リーファは切り餅の中に隠された何かを発見する。
(「そういうこと……随分、地味な趣向ね)
 まな板の上で横にした切り餅を、包丁を使って真ん中あたりで二つに切り分けた。
 すると、果たして――切り口に描かれていたのは、巾着餅の印だった。
「餅の布教をしたいなら、他にやりようがありそうだけど」
 気づけば、キマイラ達が猟兵に料理を振る舞われて活気づいている。
「料理につられて犯人が出て来たりして」
 空を見上げたリーファが言いながら目を細めた。目の神経細胞が活性化し、高まった視力で、リーファはビルを伝って降りてくる怪人の姿を捉える。
「――やっぱり、ね」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『怪人を追え!』

POW   :    とにかく全力で追いかける

SPD   :    ルートを読んで事前に罠を仕掛けておく

WIZ   :    話しかけて注意をひく

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「おのれよくもこしゃくな邪魔立てを! 切り餅という偉大な人類の遺産を知らしめた上、『むうびい』にて食べ方を布教するという拙者畢生の計画が!」
 高層ビルの上からロープでするすると降りてきた人影は、途中で止まると、大声でこう怒鳴った。和服を纏い、頭が餅で出来ているというその出で立ちは、言うまでもなく怪人のものだ。
「全自動切餅生成・射出装置も最早これまで。かくなる上は一度退き、捲土重来を図るのみ……!」
 何やら小難しい言葉を並べながら怪人が手にしたスイッチを押すと、今まで降り注いできていた餅が嘘のように止んだ。何らかの装置がビルに設置されていたということらしい。
「覚えておれよ!」
 ビルのベランダに飛び降り、看板に飛び移りながら、怪人はまた別のスイッチを懐から出して押した。エンジンを唸らせながら『巾着餅』とペイントされたバギーが自動操縦で道をかっ飛んでくる。和装の怪人は運転席に飛び乗ると、バズーカのようなものを取り出して猟兵めがけて構えた。
 無節操なことに円形の固い餅が連続発射される。
「さらば、さらば!」
 バギーに乗って走り出す怪人。ここで見す見す逃す手はない。
麗明・月乃
きなこ餅美味しいのじゃー。
なかなか良いお餅ではないかえ。
……ん?あれ?餅が止んだのかの?
って、ぎゃああああ!!?(バズーカの餅が当たった)

くそぅ!偉大なる私の可愛い額にたんこぶができたらどうするのじゃ!
あやつが何なのかは知らぬが――とにかく許せぬ!(きなこを頬にくっつけて地団駄を踏む)

【鶏の頂点立つ少女】を発動!バギーが通る道に鶏をぶん投げて、分裂させて妨害するのじゃ!
「ふははは!私を馬鹿にする者はこうなるのじゃー!」

更に!【潜む冠】を発動!
バギーを鶏に追跡させて私自身は「野生の勘」を発揮して先回りをし、突破した先でまた鶏を投げ込むのじゃ!
「逃がさんぞー!至福のきなこ餅の時間を返すのじゃー!」



「きなこ餅美味しいのじゃー。なかなか良いお餅ではないかえ」
 月乃は鶏の群れの上に座りながら、作りたての餅を賞味していた。よく伸びる独特な食感を堪能しながら、上目遣いでちらと空に視線を向ける。
「……ん? あれ? 餅が止んだのかの?」
 言い終えた直後に悲劇は起こった。
「って、ぎゃああああ!!?」
 すこーん!!
 月乃のおでこを怪人の放った丸餅バズーカの弾丸が直撃したのだ。
 衝撃に仰け反った月乃がすぐさま怪人を睨む。
「くそぅ! 偉大なる私の可愛い額にたんこぶができたらどうするのじゃ!」
「さらば、さらば!」
 バズーカを助手席に投げてバギーを発車させる怪人。
 月乃は青い瞳に怒りの炎を滾らせて、
「あやつが何なのかは知らぬが――とにかく許せぬ!」
 きなこを頬にくっつけたまま地団駄を踏む月乃(ガスガスと踏まれる鶏)。
 月乃は掲げた掌に再び鶏を召喚すると、思い切りぶん投げた。
「行けい! 行くのじゃ!!」
 コケーーーーッ!!
 ばさばさと羽ばたきながら、鶏が走り出したバギーを猛追する。
「な、なんでござるかあの鶏は!?」
 巾着餅ヘッドの怪人――その名も餅巾着侍はサイドミラーで飛んでくる鶏を視認すると軽くハンドルを切って回避。鶏がバギーの右側面を通り抜けて道路に突っ込んでいくが、それは月乃の目論見通りだ。
「ふぅ、危なかったでござる……って」
 怪人の駆るバギーの目の前で『攻撃を回避された』鶏がその効果通りに分裂、路上を埋め尽くすほどの群れと化した。
「なんぞーーーーっ!?」
「ふははは! 私を馬鹿にする者はこうなるのじゃー!」
 鶏の群れに突っ込み、がったんがったんと左右に揺れるバギー。避けた鶏達が飛び上がると巾着餅ヘッドを突つき始めた。開放型の運転席であったことは怪人にとって不運としか言いようがない。
「ぎゃあぁあぁぁ、頭を突くのはやめるでござる! 中身がぁぁぁぁ!?」
「逃がさんぞー! 至福のきなこ餅の時間を返すのじゃー!」
 無論、ただ傍観しているだけの月乃ではない。バギーの頭上には既に極めて発見されにくい黒い鶏(シャドウチキン)が飛んでおり、五感を共有した月乃が先回りして路地から現れると、またしても鶏を放って路上を埋め尽くした。
 爆走するバギーを鶏の群れが取り巻いて走っていくという凄まじい光景が現出した。

成功 🔵​🔵​🔴​

リーファ・レイウォール
行動方針は【WIZ】

技能の【高速詠唱】と【全力魔法】をつかって
UC【禍封紫青焔】を発動して、動きを止めさせてもらいましょうか。
「話を聞かせてもらうわよ」

動きが止まれば、技能【時間稼ぎ】を駆使して、話しかけて気を引くわね。
「中の『巾着餅の印』は、どういう意味なのかしら?」
と意図を訊いたり
「切り餅を布教したいなら、最初から動画配信の方が良かったんじゃない?」
と煽ったりして、足止めを試みるわね

どうせ、倒さないとならないのだし、煽った結果
こちらに攻撃の意思でも見せてくれれば願ったり叶ったりって所ね


ベルカ・スノードロップ
【ミスティ(f10486)と共に】※アドリブ、他連携歓迎

「話しかけて注意をひきましょうか」は、ミスティに。

「切り餅の布教、どうするつもりだったのか、聞かせてください、な」
他の猟兵の位置も確認した上、【地形の利用】
「な」と同時に、UC『ジャッジメント・クルセイド』を発動
指さしたのは、怪人ではなく、怪人が乗るバギー。
ついでなので【鎧砕き】を乗せましょう。

さて、なぜ存在から動画で知らしめなかったのかと、問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
別に、問い詰めずに、少し頭冷やしましょうか。でもいいんですが。
ここは、やはり問い詰めましょう。

行動は【WIZ】


ミスティ・ストレルカ
【同行:ベルカおにぃ(f10622)】

●方針-足留めWIZ
戦いに持ち込むためにも時間稼ぎが主になりますね。
その間に皆に合流してもらわないと…

声を聴いてもらうにもある程度は近づかないとですね
ルート読みは【第六感】、移動・餅弾幕は【空中戦】を用いての回避
護衛な羊さんはお餅が気に入ったのか時折もっちもちしてる模様


・引き留め
【時間稼ぎ】【誘惑】で気を引きたいところ。

このまま逃げていいのですかっ、折角PRして人が来たのなら押すところなのです
もしこのまま悪印象のまま逃げればお餅が格好悪い負の遺産扱いされかねないのですよ
お餅、美味しいのに…(もきゅって見つめ

ともあれ、足を留めて時間さえ稼げれば…来た、かな?



「早めに足止めしたいところね」
 リーファは走り出したバギーを追いかけながら詠唱を始めていた。効率的に魔力を編み上げ、思い通りの力を発現させる高速詠唱。急速に励起された神秘が焔と化して、道を駆けるリーファの武器を取り巻き始める。
「やれやれ、不可解な怪人ですね……」
 怪人を乗せて走り出したバギーを目で追いながら、ベルカは吐息する。
「ああいうのに限って逃げ足が早いんですよね」
 隣でミスティが言うと、ベルカは頷いて、
「このまま市街地を暴走させるのも拙い。話しかけて注意を引きましょうか」
 言い終えた時には、既に二人は走り出していた。ベルカは路上駐車している車に飛び乗ると、更にジャンプ。ビルに並ぶ漢字に似た文字の描かれた看板を次々に飛び移り、片やミスティは歩道に点々と並ぶスピーカーのようなボックスを足場にして、軽やかに追いかける。
「うーん、声を聴いてもらうにもある程度は近づかないとですね」
 追っ手を振り払おうと怪人がバズーカを構えて砲撃してくる。ミスティは連射される丸餅の砲弾を空中で踊るように避けながら失速せずに追跡を続ける。
 道の先では、召喚したデフォルメ調の羊が鶏の群れに突っ込みながらバギーを猛追していた。
「な、なななんでござるかあの羊は……! 今年の干支は猪でござるよ……!」
「おにぃ、このまま真っ直ぐです」
「ミスティの第六感は頼りになりますね」
 十字路をそのまま直進しようとする怪人の思考をミスティが読み取って、猛スピードで駆けるベルカが迫る看板を足場に跳躍。
 怪人を乗せたバギーは大通りのスクランブル交差点に突っ込もうとしていた。大勢のキマイラ達が慌てて逃げていく。
 リーファは目の前を横切る高架の上に飛び乗って怪人に狙いを定める。
 鶏の群れに取り巻かれながら暴走するバギー。キマイラ達はその様子を見るや大慌てで身近な建物に逃げ込んでいくので、余程でなければ被害に遭う心配はないと思われた。
 リーファは小さく頷くと、全力で紡ぎ上げた魔力を怪人に向けて放つ。
「……話を聞かせてもらうわよ」
 轟、と迸ったのは恐るべき火勢を以て渦巻く青い炎焔。青き炎龍の如く空を駆けたそれは怪人の乗ったバギーを取り巻くと、瞬く間に炎上させた。
「こ、これは……ぎゃあぁぁ! やめるでござる、焼き餅になるでござるー!!」
 アクセルを踏み、炎を振り払おうと右へ左へとハンドルを切る怪人。だが、バギーの速度は急激に低下していき、エンストでも起こしたかのように急停車した。
「う、動くでござるマイバギー……! ……なぜ動かんでござる!?」
 好機と見たベルカが指先に力を込め、
「切り餅の布教、どうするつもりだったのか、聞かせてください、な」
 な、の発音と同時に、天から審判の光が降り注ぎ、狙い過たず餅巾着侍――ではなく、バギーの右前輪のタイヤをふっ飛ばした。
「このまま逃げていいのですかっ、折角PRして人が来たのなら押すところなのです」
 怪人は逃走犯よろしく車から降りて逃げようとするが、道に降り立ったミスティがその背に言葉を放つ。
「もしこのまま悪印象のまま逃げれば、お餅が格好悪い負の遺産扱いされかねないのですよ」
 振り向いた餅巾着侍は7歳の女の子に上目遣いで言われて思わずたじろいだ。
 お餅、美味しいのに……。もきゅっと餅を食べながら澄んだ瞳を向けるミスティ。その隣で美味しそうに餅をもっちもちするひつじさん。更に後ずさる餅巾着侍。
「お、お前達が邪魔をしたからいけないのでござる! お前達さえいなければ、いんぱくと抜群の計画であったものを!」
(「足を止めて時間さえ稼げれば…………来た、かな?」)
 ミスティが怪人と対峙しながら後ろにも気を配る。 
「なぜ動画で知らしめようとしなかったのですかね?」
 ミスティの隣に降り立ったベルカは、怪人の言動に軽い頭痛を覚えて頭を押さえた。
 どうしてこんな手段を選んだのか小一時間問い詰めたい。
「切り餅を布教したいなら、最初から動画配信の方が良かったんじゃない? それと、この中の『巾着餅の印』は、どういう意味なのかしら?」
 追いかけてきたリーファが掌の中で切り餅を弾ませながら澄ました顔で煽っていく。
「そのままでは喰えない餅が調理したらこんなに美味しく! 的な驚きを無知蒙昧たるキマイラ達に与えてやる作戦だったのでござる! その印は拙者の計画を示す証であると共に、見つけた子供達が大興奮する隠れキャラみたいなものであって」
「だからそういうのも動画で済むでしょうに」
 突っ込みを入れるベルカ。
「現実的体験に勝るいんぱくとはないのでござる! ええい!」
 腕を伸ばして殴ってくる餅巾着侍の攻撃を、ベルカは読んでいたように紙一重で避ける。
「おっと。まあいいでしょう……少し頭冷やしましょうか」
(「煽りが効いているみたいね」)
 リーファが敵の状況を見定める。バギーは破損し、もう走り出せそうにない。計画を台無しにされ、逃亡手段さえ失った怒れる餅巾着侍は、もう目の前の猟兵を打ち倒す以外ないだろう。決着をつける好機だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『餅巾着侍』

POW   :    御澱流・田楽刺し
【長巻を用いた鋭い刺突攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【煮え滾る味噌だれ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    御澱流・チカラモチ
自身の肉体を【つきたての餅めいた形質】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    ちくわと鉄アレイ
【伝説的なニンジャマスター】の霊を召喚する。これは【食べると体力を回復出来るちくわ】や【当たるとダメージを受ける鉄アレイ】で攻撃する能力を持つ。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ハヤト・ヘミングです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


行き着いた先はスクランブル交差点のある広い大通りだ。キマイラ達は逃げ散り、計画を妨害され怒りに燃えた餅巾着侍は眼前の猟兵に満々たる敵意を向けている。
 決戦の舞台はここに整った。
マーシャ・ドラクロフ
★連携・アドリブ歓迎

「お餅を食べていたら追いつくのに時間がかかっちゃった。
 親玉との対決だね。張り切っていこー!」

■戦闘
POW型ユーベルコード「GUNRAM」を使用して戦う。

効果:
持参している折り畳み式マイホーム(ダンボール)と
合体して巨大ロボとなって悪を討つ!

「さぁ!このガンラムが相手だ!かかってきんしゃい!」

■技能
オーラ防御とダッシュで体当たりを繰り出したり
残像で敵を翻弄するなどの手段を用いてバトル!

「これでゲームオーバーだぁ!」


麗明・月乃
ぜぇ…はぁ…。
…走って追いかけたらめっちゃ疲れたのじゃ。
もう餅食べてて良いかの…。

とはいえおでこの恨みは晴らさねばならぬ。
鶏を呼び寄せて上に乗る。いなかったら【鶏の頂点に立つ少女】を再使用。
…最近これ上に乗る必要性が疑問なのじゃが…いや、良い。
『全力魔法』をもって『高速詠唱』で鶏『属性攻撃』である【弱者の力】を発動。
更に鶏の食欲の『封印を解く』。
そんな封印あるのかって?あるのじゃ(断言)
「やれー!いけー!餅巾着など啄んでしまうのじゃー!」
そのちくわも食ってよいぞ!
味噌だれは熱そうじゃけど!

で、私はフォックスファイア…だと鶏が燃えるの。
【九破魔狐の印】で変身、水属性の魔術でふやけさせるのじゃ。


リーファ・レイウォール
※連携・アドリブ大歓迎※
怪人の姿を見て思う
「……あなた。『切り餅』じゃなく『おでん』の布教をすべきよ」
……帰りに買っていきましょうか

戦闘は【WIZ】で魔法主体
周辺の店からの視線もあるし、舞い踊る様に紫青色の炎を怪人へ飛ばす
【属性攻撃】【2回攻撃】を駆使
「こんなのは、どうかしら?」

仲間の攻撃の軌道や範囲へ追い込む【援護射撃】も忘れない
アシストも、立派な活躍よ

UC【エレメンタル・ファンタジア】
現象は、ダイヤモンドダストね。
本来氷の礫であるところを、紫青色の炎にして【全力魔法】【高速詠唱】で顕現させます。
「ダイヤモンドというより、紫水晶よね」
よく使うし【アメジスト・ダスト】とでも名付けようかしら?



「ぜぇ……はぁ……。……走って追いかけたらめっちゃ疲れたのじゃ。もう餅食べてて良いかの……」
 全力疾走したマラソン選手の如く、ふらふらと月乃はビルの壁に手をついた。鶏で妨害したり近道を選んだりしたにせよ、相手はバギーである。
「とはいえおでこの恨みは晴らさねばならぬ……」
 息を整えていると、自分が召喚した鶏がまだそこらにうろついているのが目に入った。
「これ、そこな鶏どもよ。手を貸すのじゃ」 
 道草を食っていた、もとい、餅巾着怪人の破れた油揚げを美味しそうに喰らっていた鶏は、呼ばれるとしぶしぶ主人の下に集まってきた。
 よいこらせ、と鶏達の上に乗る月乃。
「よし行けい。急ぐのじゃ!」
 騎馬ならぬ騎鶏とでも言おうか。
「……最近これに乗る必要性に疑問を感じておるのじゃが……いや、良い」
 コケッコ、コケッコと甲高く鳴きながら、鶏達が月乃を戦場に運んでいく。

「最早、容赦せぬ。拙者の実力に恐れ慄くが良いのでござる!!」
 一方その頃、スクランブル交差点ではリーファが餅巾着侍と激闘を繰り広げていた。
 長巻による連続刺突を、リーファは全身に魔力を滾らせながら紙一重で回避。バックステップしつつ両の掌から紫青色の炎を放った。餅巾着侍が長巻を振るってそれを払う。
(「視線を感じるわね……」)
 スクランブル交差点の周囲は無人だが、付近の建物の中には、避難したキマイラ達の姿があった。子供達が窓に張り付き、怪人と戦うリーファに期待を込めた眼差しを向けている。
 こうなれば尚のこと、敗けるわけにはいかない。
 ドット絵っぽい伝説的ニンジャマスターがちくわと鉄アレイを放り投げてくるが、リーファは紫青色の炎を燃え上がらせ、激しい旋風でそれらを吹き飛ばした。
 長巻を手に、じりじりと間合いをはかる怪人。
「一つ、いいかしら?」
「敵ながら天晴な手並み。言ってみるが良いでござる」
 リーファは相変わらずクールな表情のまま、少しだけ目を細めて、
「……あなた。『切り餅』じゃなく『おでん』の布教をすべきよ」
「ぐはぁぁぁぁっ!?」
 この指摘は油揚げをとじる爪楊枝さながらにぐさっと刺さった。
 危うく長巻を取り落としそうになる餅巾着侍。
「せ、拙者は……おでん……しかし……うぐぐ……」
 苦しみ始める怪人に冷蔑するような視線を向けるリーファだが、心の中では、
(「……帰りにおでん買っていきましょうか」)
 などと決着後のことに思いを巡らせていたりする。
「お餅を食べてたら追いつくのに時間がかかっちゃった! ……ってあれ、もしかしてもう倒せそう?」
 走ってきたマーシャが苦しむ餅巾着侍を見て目をぱちくりさせる。
「か、かくなる上は切り餅を広めてからおでんを布教するでござる! というかおでんに切り餅を」
「切り餅から離れなさいよ」
「ええと、あの、これ親玉との対決だよね? そうだよね?」
 マーシャの問いにリーファは頷いて、再び全身に魔力を滾らせた。
 こういう追い詰められた手合いが取る行動は決まりきっている。
「死ねえぇぇぇぇ、でござる!!」
 もはや言い繕うこともせずに突っ込んでくる餅巾着侍。
「そういうことなら!」
 怪人の目の前に突如としてダンボールが広がった。それこそマーシャが持参した折り畳み式のマイホーム(!)であり、
「グレート・ウルトラ・ニコニコ・リーサル・アーマー・マーシャ起動!!」
 説明しよう、それは全身に無機物(特にダンボール)の鎧を纏い、二メートルを超すロボに変身を遂げるマーシャ・ドラクロフの秘技である!
 その名もグレート・ウルトラ・ニコニコ・リーサル・アーマー・マーシャ、即ち、GUN……リーサルの頭文字はL…………いいや構わん、GUNRAMだ!!
「さぁ! このガンラムが相手だ! かかってきんしゃい!」
 ジャキーンと決めポーズを取るマーシャ。
 姿形はだいたいご想像の通りである。
「なんという珍妙な見た目でござるか」
 餅巾着侍が引き気味に長巻を構え直すが、おまいうもいいところだ。
「こんなのは、どうかしら?」
 そうしている間にもリーファは全身に漲らせた魔力を放出。交差点一帯に幻想的な光景が立ち現れる。それは凝縮した魔力を空気中に散りばめた妙技。細氷さながらに輝くのは宝石のように美しい紫青色の炎だった。自然現象さえも制御して顕したダイヤモンドダスト。
 否、それは、
「ダイヤモンドというより、紫水晶よね。アメジスト・ダストとでも名付けようかしら?」
 揺蕩う炎がリーファの手の動きで嵐さながらに渦を巻き、餅巾着侍を取り巻く。
「おのれ、ここまでの力を操るとは……!」
「アシストも、立派な活躍よ」
「食らえええっ!!」
 リーファの援護を受けて、マーシャ――いや、ガンラムがガッシャガッシャと突進する。炎に全身を焼かれながらも餅巾着侍が伸縮する片腕を鞭のように振り回してくるが、
「当たらなければなんてことはないっ!」
「残像だとぅ!?」
 やたらレベルの高い残像を披露しながら円を描くような機動で回り込むガンラム。長巻に力を込めた餅巾着侍の薙ぎ払いは、オーラ纏わせたダンボールの腕でガッキと受け止めた。
「こ、この装甲……化物でござるか!」
「戦い方を教えてやるっ!」
 飛び蹴りを食らわせるガンラム。
 吹っ飛ぶ餅巾着侍。
 そこに鶏の鳴き声が割り込んできた。
「げぇっ! またあの鶏娘が来るでござるか……!」
「誰が鶏娘じゃー!!」
 ぴょんと鶏から飛び降りた月乃は、怒りのままに全力で鶏の食欲の封印を解き放った。
 そんな封印あるのかって? これがどうやらあるらしい。
 高速詠唱によって空に召喚円が形作られ、鶏独特のあの鳴き声が響き渡る。
 途端、空を見上げた餅巾着侍の頭上に大量の鶏が雪崩落ちてきた。
「ぎぃゃあぁあぁぁぁぁ!?」
「やれー! いけー! 餅巾着など啄んでしまうのじゃー!」
 大量の鶏が餅巾着侍のいい感じに焼かれた頭や体に纏わりついて一心不乱につつく。
 鶏達を応援しながら、月乃は自身の封印(妄想)を解除、九尾(妄想)の姿に変身した。
「フォックスファイア……だと鶏が燃えるの」
 下手をすれば焼き巾着餅と焼き鳥が完成してしまう。
 いいタイミングでニンジャマスターがちくわやら鉄アレイやらを投げてきたので、月乃は凝縮した水の弾丸を放って飛んでくるものを跳ね飛ばした。
「そのちくわも食ってよいぞ!」
 と、めでたい紅白の塊のようになった鶏の山から、むにゅーっと白い餅が飛び出した。それは離れた街路灯にくっつくと、高速で収縮し餅の本体を引き寄せる。ボロボロの着物も吸い寄せられ、離れ業で鶏の群れから脱出した餅巾着侍が荒い息を吐いた。
「はぁ、はぁ、流石に死ぬかと思ったでござる……」
 どうやらこの怪人、餅らしくなかなかに粘り強いようである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ベルカ・スノードロップ
【ミスティ(f10486)と一緒】

出遅れた感がありますね。
まぁ、遅参の詫びはコレでいきましょう。
「ミスティ、合わせてくださいね」
戦場への到着と同時
ミスティのユーベルコードに合わせてユーベルコード『ナイトメアジャベリン』を発動。
召喚するのは、闇色の槍。
形状のモデルは、魔槍や宝槍と称される数々の槍。
【串刺し】です。
この槍。闇属性なんですが、餅、カビたりは、しませんよね?

「おでんに、切り餅を入れたら、溶けてデロデロです。お揚げで包むのは、溶けても食べやすくするための知恵なのですよ。なので、餅巾着なら、含め煮も作れます」
餅巾着の侍なら、餅巾着にこそ誇りを持つべきです。


ミスティ・ストレルカ
木星の人かと思ったら伊賀の者だったのです?(混乱気味

●方針-WIZ
・防御
【見切り】【オーラ防御】で被害を減らすことを優先ですね。
ちくわは当たっても無害…ですし回収はダメージが溜まったらで
鉄アレイ…は電気で攻撃兼相殺狙えるかしら?

・攻撃
合わせの攻撃の隙間を縫い
【衝撃波】、電気を纏った突撃形態の羊さんが体当たりを仕掛ける


・亥年でござる
羊さんは…オフらしくて暇らしいのですよ?
(召喚はお仕事なのでもこもこ抗議する羊)


・終わりの餅
おにぃも巾着食べてみるのです?(箸で摘まんだ巾着を差出し
(背後で羊がむっちゃ押しそうな存在感を出す)(後出し故のTo Be continued

なんやかんやで美味しく頂きました



「好機到来ですか。時を要した詫びは、まぁ、コレでいきましょう」
 繰り広げられる戦いの間隙を突いて、餅巾着侍の前に立ったのはベルカだった。推移する戦況を冷静に見極めていた彼は、此処に自らの能力を顕示する。
「――我が夜の血に応え、顕現し、貫き穿て、夜王の槍」
 長身の青年を中心にして地から闇色の槍が幾重にも生じ、飛び出した。
 その総数、実に六十五。
 古の魔槍・宝槍を再現した黒き槍が術者の下知を前に空中で待機状態に入る。
「ミスティ、合わせてくださいね」
 戦場の中でさえ落ち着き失わない、美しく澄んだベルカの声だった。
「ひつじさんも準備できてますよ」
 ミスティが頷くと、雪白の髪に咲いたスノードロップが小さく揺れた。時として天の御遣いとも称されるオラトリオ。その神々しさを湛えた少女は、澄み渡る瞳を眼前の敵に向け、
「ちょ、ちょーっと待つでござる! なんでござるかこのいきなりシリアスな雰囲気! 拙者このままだと流れ的に」
「問答無用です」
 ミスティの声に合わせてひつじさんが電気を纏いながら餅巾着侍に突っ込んだ。
「猪突猛進な羊とか反則でござる……! 羊だか猪だかはっきりするでござる!」
「羊さんは……今年はオフで暇らしいのですよ?」
 干支的に。
 餅巾着侍を吹っ飛ばしたうえ衝撃波でごろごろ転がしたひつじさんが、主の方を見てモコモコ抗議した。どうも主の言動が不服らしい。召喚に応じて戦うのもなかなか大変な仕事のようだ。
「ちくわは放っておいても良さそうですね」
 黙殺したミスティはニンジャマスターが飛ばしてくる鉄アレイの軌道を見切って回避し、それができないものはオーラを纏わせた両腕で防御した。
「ひっ……!?」
 転げた餅巾着侍が小さく悲鳴を漏らして頭上を見上げたが、時既に遅い。
 空中で円を描くように浮遊する六十五振りの槍。
 神が操ったという三叉槍。触れただけで蜻蛉を両断したという宝槍。古の海獣の骨から作り上げたという魔槍――後世に伝わる形状を元にした槍の数々が怪人に狙いを定めた。
「串刺しです」
 涼やかな声でベルカが断を下し、手を以て命じる。
 怪人の悲鳴が響き渡った。
「この槍。闇属性なんですが、餅、カビたりは、しませんよね?」
 剣山さながらに突き刺された怪人に歩み寄りながら、ベルカが言う。
「おでんに、切り餅、と言っていましたが」
 地に突き刺さった槍の周りをゆっくりと歩きながら、尚も続ける。
「おでんに、切り餅を入れたら、溶けてデロデロです。お揚げで包むのは、溶けても食べやすくするための知恵なのですよ。 なので、餅巾着なら、含め煮も作れます」
 ……怪人としてはもはや聞いているどころの状況ではないのだが。
「餅巾着の侍なら、餅巾着にこそ誇りを持つべきです」
 ベルカがそう断言した直後、ぶにゅー!! となんとも奇妙な音と動きで怪人が槍林の間から逃れ、路上に立った。
「よくぞ申した……ならば餅巾着の誇りを胸に、この身が滅びるまで戦い抜くのみ……」
 まさに怪人と呼ぶに相応しい、恐るべき生命力である。
「そして……拙者だけが死ぬわけではない……貴様らの命も一緒に連れて行く……」
「巾着餅なのか木星の人なのかどっちなのです?」
 ミスティが混乱してフラフラしている。
 ベルカは額を押さえて深く溜息をついた。
「ええ、まだ死なないんですか」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リーファ・レイウォール
一つ溜息をついて……
(もう一息、と言った所かしらね)

「そうね。お餅。1月にはお餅を喉に詰まらせてしまう人が多くいたそうよ」
【高速詠唱】【全力魔法】を交えてのユーベルコードを発動。
怪人の周囲に顕現させるのは、紫青色の焔を纏った鎌鼬……炎の旋風です。

「だから、お餅でうっかり死んでしまわない様に、細かく刻まないといけないわよね?」
発生させた旋風で切り刻むように

「やっぱり、最期は焼き餅になるのがいいわよね? そうよね?」
纏わせた炎で、焼き焦がす様に

「あなた一人で、お逝きなさいな」
誰一人、殺させたりなんかしないわよ。仲間も、周囲で見ているこの世界の人たちも、ね



「お餅だからって粘り過ぎよ」
 魔力で生成した紫青の焔を滾らせて、リーファが怪人の前に歩み出る。
 再生を遂げた餅巾着侍はここに至って尚、戦意を失ってはいなかった。いや寧ろダメージを負うごとに粘り強さを増しているようにさえ見える。
 先刻までの軽薄な態度は鳴りを潜め、今や明らかな殺意がリーファに向けられていた。
(効いてはいるようだし……もう一息、と言った所かしらね)
 怪人とて不死身では有り得ない。
 溜め息をついたリーファが金色と緋色、左右異なる色を帯びた瞳で怪人を見据える。
 励起させた魔力が熱波を起こし、リーファの赤髪を靡かせ、白と黒の両翼をそよがせる。飛び道具を投げてくるニンジャマスターは、投げたものと共に、少女の総身から放たれる紫青の焔に巻かれて瞬時に炭化、消滅した。
「小癪な……かような技で阻もうが……この餅巾着侍、刺し違えてでも……」 
「あなた一人で、お逝きなさいな」
 リーファが冷然と言い捨てる。
 死なばもろとも、皆の命を連れて行く――そう怪人は口にした。ふざけた素振りを見せながらも、邪魔者を排除し、息の根を止めるだけの暴力性を目前の怪人は確かに秘めていた。
 常に犠牲と隣り合わせにある。それがオブリビオンとの戦いだ。
 故にこそ、リーファは冷静な態度の中に強い意志の焔を燃やして怪人を見据える。
「誰一人、殺させたりなんかしないわよ。仲間も、周囲で見ているこの世界の人達も、ね」
 気圧されて歯噛みする餅巾着侍。
「おのれ……かくまで拙者を愚弄するか……」
 リーファは小さく首を横に振った。
「これは貴方も知っているでしょうけど。……1月にはお餅を喉に詰まらせてしまう人が多くいたそうよ」
 叫びをあげ、長巻を手に突っ込もうとする怪人。
 リーファが短く詠唱する。
 自然現象をも塗り替える程の魔力は既に展開済みだった。
 故に口にした一言は最後の一小節(トリガー)。
 燃料に火種が投じられたように、怪人の周囲を紫青を帯びた焔の環が取り巻いた。
 否、それは高速で宙を駆ける紫青の焔を纏った鎌鼬だ。
「だから、お餅でうっかり死んでしまわない様に、細かく刻まないといけないわよね?」
 掲げた掌を握り込むリーファの仕草と呼応して、炎熱の鎌鼬が包囲を狭める。
「ガッ、アアァアァッ……!?」
 巻き起こる旋風がさながら幾重にも閃く焔の剣と化し、防御の姿勢を取った怪人を八つ裂きにして炎上させた。
 分断された怪人の体が地に落ち、燃え上がりながらも餅化する。痙攣し再集合しようとするその様は、滅びを免れるために人を捨てた者の成れの果てか――。
「やっぱり、最期は焼き餅になるのがいいわよね? そうよね?」
 無論、この機を見過ごすリーファではない。
 腕を振るうと、火竜の吐息もかくやという紫青の焔が怪人の断片を焼き尽くす。焼き餅から瞬時に消し炭と化した餅巾着侍に最早、再生の術はなかった。
「終わったわね。……さて、帰りましょうか」 
 怪人の撃破を見届けたキマイラ達が建物から飛び出してくる。街を救ったヒーローであるリーファをはじめとした猟兵達が、あっという間に取り巻かれた。
(「おでん、どうしようかしら」)
 やんややんやと大喝采するキマイラに囲まれながら、空を見上げたリーファは、戦いの後の食事に思いを巡らせるのだった。

●あの装置のその後
「おい、みんな来てみろよ! なんか変なもんがあるぞ!」
 一連の騒動が去り、事件が解決された後のこと。ビルの屋上で、キツネ顔をしたキマイラの子供が何かを見つけて仲間達に手招きした。
 彼が発見したそれこそは、餅巾着侍が設置し、完全に機能停止していた 全自動切餅生成・射出装置だった。内部にはまだ相当数の切り餅が保存されていて、
「白い四角いのが入ってるな」
「これ知ってるよ。猟兵がこれで料理作ってるの、オレ父ちゃんと一緒に見たもん」
 イノシシ顔をした少年がそれを見て言った。それを聞いたキマイラの子供達がよりいっそう騒ぎ出す。猟兵という言葉に、皆の瞳がキラキラと輝いていた。
「すげぇ! 試してみようぜ!」
「おいお前ら、そこで何やってんだ」
「げぇ、見つかった!」
 犬のおまわりさんみたいな服装をした青年がやってきて咎めたが、少年達が事情を説明すると嬉々として料理を手伝おうと言い出した。常に娯楽を求めるキマイラフューチャーの住人はこういうことが大好きなのだ。
 装置はあちこちで見つかった。どうやっても再起動しないので壊して中の切り餅を回収すると、大人から子供までが集まって切り餅料理大会を始める。
 旧人類の偉大さを証明するなどという怪人の望んだ影響はそこにはない。
 舌鼓を打つキマイラの胸には、ただ猟兵達の活躍が刻まれていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月10日


挿絵イラスト