エンパイアウォー㊴~超信長ぶっころ的な?
●第六天魔王
「もはや儂に万にひとつの勝ち目も無かろう、か……」
地へと落ちた魔空安土城。
城主、織田信長の眼前に広がるのは徳川の軍勢。
「猟兵と共に来たか徳川よ。しかし、億が一にも可能性があるならば、試してみるのもまた一興」
一歩一歩、地を踏みしめながら信長は笑う。是非もなし。
「秘術、魔軍転生。儂に憑依せよ……!」
「フェンフェン!フェン!」
「来たかサルよ。……は、サルが今更、何を言うか」
うっすらと信長の口元がわずかにほころぶ。
かつて侍として語り聞かせた言葉を、豊臣秀吉は忘れてはいなかった。
「……フェンフェン」
「そうだなサル。奇策奇襲の名手が儂に憑いた今、億が一は二つに一つになったぞ」
「フェン?…フェン、フェフェン!!」
「は。サルが随分な口を儂に聞けたものよ。儂が戦場に立てば即ち儂が勝者。答えは一つ、であるか」
「なら始めるとしよう。サル……藤吉郎」
織田信長が刀を抜く。
「フェン、フェンフェン!」
「さあ猟兵よ、織田信長の力を見て散るがよい!再び乱世の時を蘇らせようぞ!」
第六天魔王『織田信長』、オブビリオン・フォーミュラ。
御大将の出陣に空気が震えた。
●グリモアベース。
「オブリビオン・フォーミュラ、織田信長。ついに最終決戦だよ!」
カバンシ・サフィリーン(ギャル系宝石人形(妹分)・f10935)は集まった猟兵を前に力強く言葉をかける。
「魔空安土城にいた信長軍本体は、皆が脅威を退けてくれた幕府軍が相手をしている。だからみんなは信長との直接勝負に集中できるよ!」
しかし第六天魔王──第六天魔王織田信長には奥の手があった。
「秘術『魔軍転生』、配下の魔将軍を『憑依』させ、自分の力に加え攻撃──その力は皆の気配を察知した瞬間に発動。つまりは先制攻撃をしてくる」
カバンシが予言した織田信長に憑依したのは隠し将『豊臣秀吉』。
「豊臣秀吉の見た目はこう……人というより毛玉みたいだけど、その毛玉がゴムマリのように飛び跳ねながら動き回っているって報告が来ているんだ」
通常攻撃に加え、秀吉の力を持って瞬時に飛んでくる攻撃は猟兵が動くより先に襲い掛かってくる。
先制攻撃への対処、そして対決。
「咄嗟にどう攻撃に対処するか、防ぐか逆に利用するか……力だけじゃなくてあらゆる事に対処する総合力ってのが重要だね!」
でも、ここまでエンパイアウォーを進め、幕府軍を万全の状態で送り出すことができた猟兵たちの力。
「その力で、思いっきりぶっころタイムだね!」
転送ゲートを作り出したカバンシは笑顔で猟兵を送り出した。
硅孔雀
サムライエンパイア大戦、最終決戦です。
硅孔雀です。
最終決戦、第六天魔王VS第六猟兵です。
●構成
ボス戦:オブリビオン・フォーミュラ「織田信長」。
秘術、魔軍転生により隠し将『豊臣秀吉』を憑依させた状態です。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●注意事項
第六天魔王『織田信長』は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
●特記事項
『豊臣秀吉』は「フェンフェン」という声?で織田信長と意思疎通し、WIZではゴムマリのように弾みながら襲い掛かってきます。
難易度相応の判定をいたします。
第1章 ボス戦
『第六天魔王『織田信長』秀吉装』
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POW : 黒槍殲撃
【秀吉を融合させた鋼鎧から無数の黒槍】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 黒粘剣戟術
【秀吉の黒粘液で全身から刀まで全てを覆い】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
WIZ : シャドウクローニング
レベル×5体の、小型の戦闘用【豊臣秀吉(フェンフェンだけで意思疎通可)】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
イラスト:UMEn人
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
鈴木・志乃
※人格名『昨夜』で参戦
もう、声が出ない
志乃、お願い、持ちこたえて
【罠使い】【ロープワーク】【毒使い】
光の鎖に『毒水塗ったトリモチ』をくっつけておきます!!!
この大一番に何してるのって?
私はいたって大真面目ですとも!!!
あの毛玉にトリモチついて引っ張ったら痛そうですね(真顔)
さあ展開してやるUC発動
【念動力】【ロープワーク】で絡め取れたらそのままフェンを
引っ張るなり盾にするなり信長にぶつけるなりする
【第六感】で攻撃を【見切り】光の鎖&フェンで【早業武器受け】
【オーラ防御】常時発動
さァ、全力でブン投げて【衝撃波】と【毒】攻撃だ
皮膚から毒が侵入すれば尚良し!
大一番の大博打
凶と出るか吉と出るか!!
(もう、声が出ない──志乃、お願い、持ちこたえて)
鈴木・志乃(ブラック・f12101)の中より目覚めた『昨夜』の耳に聞こえてくる音。
『──フェン、フェフェン!』
猟兵の気配を察知して織田信長が放ったユーベルコード:シャドウクローニングで生み出された54×5体の豊臣秀吉。
昨夜はユーベルコード:女神の拘束(ジャッジメント・コード)を発動させる。
破魔と浄化の力を持つ無数の光の鎖を素早くまとめ、毒と罠を仕掛ける。
今ここに、『毒水塗ったトリモチ』が光の鎖にくっつけられた。
(この大一番に何してるのって?)
──私はいたって大真面目ですとも!!!
『フェンフェン……フェフェーン!』
(あの毛玉にトリモチついて引っ張ったら痛そうですね……だから、くっつけたもので絡めとる!!!)
効率的に光の鎖で豊臣秀吉──フェンを次々に念動力で動かし捕まえ、昨夜は信長の先制攻撃を防ぐ。
『フェッ、フェーン!』
フェンの盾と当たれば毒が染み渡る武器を昨夜が手にした時、圧倒的な威圧感が周囲の空気を震わせる。
刀を抜いた織田信長が昨夜の前に現れた。
「儂が力を見せてやろうぞ!」
(このままブン回して、信長に、全力でブン投げてブチ当てる──!!)
昨夜の体には薄くオーラが纏い、信長の禍々しきオーラと重なる。
鎖は信長の体に纏わりつくように飛び交い──フェン、と豊臣秀吉が声を上げた。
・・・・・・・・・・・・・
「なるほど。サル、お前は毒に侵されているのであるな」
(……え?)
ガキィィィィィン!!!
衝撃と共に、昨夜の第六感ですら見切れなかった攻撃が彼女を襲い、吹き飛ばす。
盾として咄嗟に回した光の鎖ごと信長の刀は昨夜を切り裂く。
「サルを捕らえ武器とする、か。大戦での大博打、見事である」
はぁはぁと荒い呼吸、痛みに耐えながら昨夜は信長を見上げる。
よく見てみると信長の体には豊臣秀吉が食い込んでいた。
攻撃は成功した。
しかし、それ以上に自分へのダメージが大きい。顔を上げる昨夜の気力は、尽きようとしていた。
「だが儂とサルは一心同体。故にサルの『報告』で賽の目は儂に傾いた」
サルの報告。
織田信長と意思疎通が可能である豊臣秀吉を使っての攻撃は、同時に織田信長に攻撃手段を『伝えてしまう』リスクがあった。
「小娘──否、猟兵よ。我が身に傷をつけた事、褒めてつかわす」
昨夜の瞼がゆっくりと、閉じられた。
苦戦
🔵🔴🔴
ルード・シリウス
嗚呼、お前には感謝してるぞ第六天魔王…。お前のお陰で、俺は更に強くなる。お前が乱世を敷くと言うのなら、俺はその世界を喰らい尽くす…っ
先んじて放たれる無数の黒槍は、放たれる瞬間と放たれた軌道を見切り、残像による囮で攻撃を少しでも逸らし、同時に暴食剣・呪詛剣で防御もしくは斬り払う
全部防ごうとはせず多少の負傷は覚悟の上、致命傷になるのだけを最優先で
耐え凌ぐ事が出来たら【鮮血暴君の魔剣】を発動し接近
接近出来たら、二刀による鎧の防御を無視した連撃で斬り込み、受けた傷は捕食能力(吸血&生命力吸収)で回復し継戦能力維持
第六天魔王、お前との戦いは掛け値無しで楽しいぞ
俺は今、最高に生きていると感じてるからなっ
「嗚呼、お前には感謝してるぞ第六天魔王……」
ルード・シリウス(暴食せし黒の凶戦士・f12362)の赤い双眸に映るのは織田信長。口から洩れるは歓喜を抑えきれない言葉。
「気でも触れたか?猟兵よ」
信長の背後がゆらりと揺れ豊臣秀吉が実体化し、信長の纏う鋼鎧へと吸い込まれ──風が吹き始める。
「お前のお陰で、俺は更に強くなる」
「ならば死して儂の軍に加われ!」
風と共にルードを襲うのは無数の黒槍。弓か、銃弾か、あるいはそれ以上か。
(お前が乱世を敷くと言うのなら、俺はその世界を喰らい尽くす……っ!)
ルードに黒槍が刹那の間に襲い掛かった。
轟音が絶え間なく響き、やがて止まる。
場に突き立てられ、揺らし、上がった土煙からは僅かに血の匂いが漂う。
信長は刀を構え一歩前に出る。慢心も油断もせず冷静にその首を落としに動く。
──ザクリ。ザクリ。
信長の鎧が砕ける音と共に、信長の、オブビリオンの黒い血が噴出した。
「なっ……貴様ァ!」
信長の怒声と共に一瞬の内に空気が震え風が土埃を払う。
猟兵の死体と墓場が信長の目に映る、はずであった。
「もう一度言おう、お前には感謝してるぞ第六天魔王──これで、ユーベルコードを発動させることが出来たからな!」
ルードの体には無数の槍による傷が走り、暴食剣と呪詛剣が血に染まっていた。
無数の黒槍が襲う刹那、ルードは暴食剣・呪詛剣を構え思考を巡らせる。
(剣を振るう手と、頭と……致命傷だけは避ける)
ガキン! ガキン!
刃で受け止めきれなかった槍が一瞬ルードの肩を掠め、鮮血が吹き上がる。
(多少の負傷は覚悟の上。染まれ。俺の血で──染まれ!)
自身の血液で武器を濡らす事をルードのユーベルコード:鮮血暴君の魔剣(ダインスレイフ)は求めていた。そして、夥しい量の血に濡れた真紅の刀身を持つ大剣と化した二刀での接近からの連撃が信長に命中する。
「……はっ、身を削るか。しかしてその身どこまで持つか。見せてみよ!」
信長は刀でルードと応戦する。激しい剣と刀の応酬。
吹き上がる信長の血を文字通り啜り、出血した体をルードは回復させ戦闘は続く。
「第六天魔王、お前との戦いは掛け値無しで楽しいぞ」
オブビリオンを喰らいルードは笑う。信長も愉快げに笑う。
「猟兵、いや狂犬よ……! そうだ、儂の相手に相応しき!」
ルードの口の端が吊り上がる。
「俺は今、最高に生きていると感じてるから、なっ!」
成功
🔵🔵🔴
雛月・朔
【SPD】
武器:ヤドリガミの念動力
信長はやっぱり秀吉を『サル』って呼んでるんだ…。なんか忠犬みたいだからちゃんと呼んであげて欲しいなー。
さて敵の大将にしてフォーミュラーの織田信長、この世界の平和のためにここで倒れていただきます。お覚悟を。
自分の周囲と信長のいる場所目掛けて、金縛りの呪詛(【呪詛】【範囲攻撃】【マヒ攻撃】)を飛ばし行動の阻害を試みます。
あちらの攻撃手段は刀による接近戦のみの様子、であれば動きを止めて離れての攻撃がよさそうです。
ともあれ、金縛りが効くまではこちらも回避に専念せねばなりませんが…。
金縛りが効き、隙が出来たらUCを唱え、器物の分身を信長にぶん投げます。
カタリナ・エスペランサ
「主従の絆とは見上げたものだね魔王サマ! だったら二人纏めて骸の海に還るといいよ!」
「猟兵カタリナ・エスペランサ。一つお相手願おうか!」
未だ戦意衰えぬ主従にダガーを突き付け、朗々と名乗りを上げて。
摩擦抵抗を減らした信長の速度には《第六感》《見切り》で食いつき、滑る刃との直接の打ち合いは避けてダガー・シューズから放つ《衝撃波》の《武器落とし》、翼で風を起こしての《吹き飛ばし》を併用して攻撃回避。
「肩書で張り合う気も無いけど――魔神の力、ご堪能あれっ!」
僅かにでも隙が出来れば《早業》で《残像》を展開しての《時間稼ぎ》から【世界の不完全証明】による《鎧砕き》を叩き込みます。
※アドリブ・共闘歓迎です。
「フェンフェン、フェーン!」
織田信長に憑依した豊臣秀吉が敵襲を主に告げる。
それに頷き、織田信長は振り返る。猟兵の攻撃により結い上げた髪はほつれ、鋼鎧は綻び。
されども。
「主従の絆とは見上げたものだね魔王サマ! だったら二人纏めて骸の海に還るといいよ!」
織田信長と豊臣秀吉がカタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)に向ける視線は鋭く、かつて騒乱の世に君臨していた二人は『得物』としてカタリナを区別している。そう感じられた。
「小娘と……それとお前は男か。聞いていたぞ」
「あ、はい……気が付いていましたか」
──信長はやっぱり秀吉を『サル』って呼んでるんだ、なんか忠犬みたいだからちゃんと呼んであげて欲しいなー。
カタリナが宣戦布告している間の独り言も聞いていたのかと雛月・朔(たんすのおばけ・f01179)は気を引き締め戦闘の構えをとる。
「フェン?フェンフェン!!」
「はは、サルはサルよ。過去の海から蘇えりし今、儂に忠義を尽くす……儂に相応しき部下よ」
「フェン!」
空気が震える。
膨れ上がる『二人の武将』の威圧感に猟兵達は覚悟する──ユーベルコードより先に放たれる攻撃。
カタリナはダガーを抜き、突きつけながら朗々と、高らかに名乗りを上げる。
「猟兵カタリナ・エスペランサ。一つお相手願おうか!」
「同じく猟兵、雛月朔。さて敵の大将にしてフォーミュラーの織田信長、この世界の平和のためにここで倒れていただきます。お覚悟を」
「儂が名は織田信長、第六天魔王。さあ参るぞ! 貴様らの力見せてみよ!」
黒粘剣戟術。織田信長を文字通り黒く染め上げるのは忠臣秀吉の黒粘液。
漆黒の殺意と共に信長が暴風のように襲い掛かる。
「あちらの攻撃手段は刀による接近戦のみの様子、であれば動きを止めて離れての攻撃がよさそうです」
恐ろしい速度で接近する信長の様子を窺う雛月はカタリナに告げる。
「……とはいえ、刃は届くでしょう。時間が掛かりますが、動きを阻害させます」
「分かった!その間にアタシと……遊ぼう、よっと!」
カタリナは己の第六感に従い、城内を飛び交うように滑らかに動く信長の刀を避ける。
ハラリ、と纏めていた髪が一房金の砂となり地に落ちるが、カタリナの戦意はむしろ燃え上がる。
床に突き刺さると思いきや滑りながら向かってくる刃とは直接打ち合わず、衝撃波を伴いながらオラトリオの翼で一気に空へと上がる。
相手が自在に地を動けるのなら、こちらは空へと活路を見い出す。
カタリナが自由自在に織田信長を翻弄している間に雛月が周囲に放つのは金縛りの呪詛。カタリナとの戦闘個所を見定め、動きを麻痺させるように込める呪い。
蝕む呪いは暴風のように降り注ぐ刀の雨を弱らせ──二人の猟兵が、一つの瞬間を見逃すわけがない。
「行きます!……不意の不幸は等しく降りかかるもの」
先に発動したのは雛月のユーベルコード:「箪笥の角に小指をぶつけろ」。
器物の分身、ヤドリガミである己を体現した箪笥の分身をヤドリガミの念動力で一気に信長へと。
「……ぶん投げです!」
ズガガガガガッ!!城内に響き、信長を幾度も薙ぎ、叩き、押しつぶす。
「くっ、しかして箪笥。斬ってしまえば」
「──アタシのこと忘れてない?」
「なっ!?」
縦横無尽に飛び回る箪笥は同時に、カタリナの姿を隠すのにうってつけであった。
「肩書で張り合う気も無いけど――魔神の力、ご堪能あれっ!」
箪笥の陰から瞬時に飛び出したカタリナのピンクの瞳は、既に十分自らのユーベルコードが信長に届くことを脳に伝えている。
ユーベルコード:世界の不完全証明(ヴァニティ・ワールド)。
身に宿した魔神の魂が、権能が限定解放される。
「な……ぐ、あああああ!」
瞳に映るは信長がいた空間が『押しつぶされる』瞬間。
空間ごと圧潰させる疑似的な重力崩壊を信長は避けることなどできず、豊臣秀吉ごと瘴気を吐き出す。
オブビリオンフォーミュラとしての終焉、織田信長の撃破。
その道が切り開かれた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
向坂・要
第六天魔王、織田信長に豊臣秀吉、とこりゃまた有名どころが勢ぞろいときたもんだ
なんて嘯きつつも油断せず
第六感も生かし俯瞰で全体を把握する様心がけ
見切り、カウンターの要領で全力の範囲攻撃
相手の攻撃を可能な限り引き寄せUC で呼び出すは密度を増した引力、重力を内包した蝶の群れ
引力で引き寄せ重力場で潰したり動きを制限、って試みますぜ
それでもあちらさんが詰めてくるってんなら好都合
肉体は仮初めなんでね
逆に相手の動きを諸共封じ
至近距離から最大火力の暉焔による火球をお見舞いしてやりまさ
どっかの寺の火災とどっちが熱かったですかぃ?
アドリブ
絡み歓迎
刑部・理寿乃
敵UCを大剣で弾いたり防ぎつつ、飛んでくる或い勢いをなくし地面に落ちた黒槍を掴んで投げ返します(武器受け武器落とし第六感見切り怪力カウンター)
ダッシュで接近し生命力を奪う魔氷を纏った剣撃を行います
しかし、相手は強敵
強力な一撃を貰うでしょう―――その時こそ
「うつけは黄泉還ろうともなおうつけとは」とUCで召喚された織田信行の声
「おかげで化けて出ることになったではありませぬか、兄上」
「しかし、千載一遇。我が恨みここで果たすといたそう」
信行が戦ってる間に壊れたコアを閃光玉にし、アシストします(武器改造 目潰し)
「第六天魔王、織田信長に豊臣秀吉、とこりゃまた有名どころが勢ぞろいときたもんだ」
「儂の名を知っておるとは。褒めて遣わすぞ、狐」
向坂・要(黄昏通り雨・f08973)は飄々とした様子で嘯きつつ、警戒を怠らない。
「……ほう、竜もいるのか。良いぞ、良いぞ猟兵ども!」
ドラゴニアンの刑部・理寿乃(暴竜の血脈・f05426)に向けられた視線。
戦に勝ち続けてきた織田信長は愉快げに笑う。
「何が可笑しいのでしょう?」
織田信長は笑うのを止め、剣先を二人の猟兵に向ける。
「ここまで胸躍る戦があろうとは!徳川め、実に良き強者を揃えたもの……」
周囲の空気が震え織田信長に憑依した豊臣秀吉もフェンと雄たけびを上げる。
「我が信長軍。その軍勢に押しつぶされよ!」
ボロボロになった鋼鎧から無数の黒槍が飛び出し、大量の小型の豊臣秀吉が槍にしがみつくように動く。
2人の猟兵と、信長軍との対決。魔空安土城が震えた。
弾みながら動く豊臣秀吉(小)に対し、向坂が一歩前に出る。
「槍に軍勢……まぁ、全力で範囲攻撃を向こうさんがしてくるのなら、やってやりますぜ」
相手の攻撃を可能な限り引き寄せる──本人が口にしなくても、刑部には理解できた。
「であれば私は漏れた分を狙います……ご武運を」
向坂が立ち向かうは黒槍と、主君のためにぎらつかせた目の豊臣秀吉。
近づき、近づき、風を感じた時であった。
「「フェ、フェーーン!?!?」」
向坂の手から発せられたのはユーベルコード:エレメンタル・ファンタジア。
引き起こされる自然現象は密度を増した引力、重力を内包した蝶の群れ。
蝶がそっと止まり、重力で城にめり込ませる。
「はあああっ!」
向坂の力により飛んでいく勢いを落とした黒槍を刑部の大剣が弾く。
彼女の周囲にまるで墓標のように黒槍が突き立てられ、それは次の瞬間刑部自身の武器──投擲による攻撃を可能とさせた。
「ははははは!第一陣を破るか!」
刀を構え、槍をはじき織田信長は近づいてくる。向坂は好都合だと笑う。
(俺の肉体は仮初なんで、ね)
本来であれば既にユーベルコードで攻撃法を見せた向坂には、最早織田信長への攻撃手段はなかった。
しかし彼の身は肉ではなく、器に魂が宿ったヤドリガミ。
(肉体は仮初めなんでね……さあさ、ここまでこ……!?)
「お、おい!?」
向坂を通り越し走り出す刑部。今一対一で戦えば、それは即ち。
猟兵達の視線が交わり、向坂が目をゆっくりと瞬かせた。一瞬すれ違う。
「……この時を狙っていました」
「ご武運を」
覚悟を決めた刑部の大剣に魔氷が纏われる。
命を奪う力をもってしての剣撃が、信長を襲う。
カランと転がり広がる真っ赤な血。刑部の手から大剣が転がり落ちた。
「──はは、それで、それで終わりか!」
信長の刀の先が刑部の首を撥ねるため掲げられたその時。
『うつけは黄泉還ろうとも、なおうつけとは。弟は悲しくてなりませぬ』
響く声。
刑部の作戦を見届け、そして駆け寄った向坂は見る。信長の瞳が見開かれている光景を。
『おかげで化けて出ることになったではありませぬか、”兄上”』
「……貴様か、『信行』」
織田信長の声色はひどく冷静だが、現れたそれを睨みつける視線は鋭い。
自身の身を瀕死にすることによってはじめて発動する刑部のユーベルコード:失われし邂逅(ウシナワレシカイコウ)が召喚する人物。
それは敵対者に縁──同母弟ながら弟として戦乱の世に生き、織田信長が天下人として歩む道の中殺した身内。
『稲生ではないのは残念だが。しかし、千載一遇。我が恨みここで果たすといたそう』
刀を抜く若い男、織田信行が刀を構え信長に斬りかかる。
向坂に支えられながら、貫かれた『壊れたコア』に刑部は手をかける。
「流石に無茶しすぎ、ですぜ」
空気中の妖精達に呼びかけ傷を治させながら向坂は声を発する。
二人の猟兵の前で行われている激しい斬り合い。
うつけものの兄と、品行方正な弟が辿った道は既に両者ともに途絶えども、猟兵の力により過去への道は今ここに再現されている。
「兄弟同士殺し合ったのが戦の世、ってやつですかい……ああ、確かにそうだった」
猟兵の片方は人と共に歩んだヤドリガミ、片方は祖たる暴竜の血を引くドラゴニアン。
「だからこそ、過去から還ったオブビリオンは、猟兵が、殲滅する」
光り輝くコアが戦場を照らしその光に織田信長が一瞬止まる。
その瞬間、喉を貫くように信行の刀が信長に刺さり、薙ぎ払われた。
魔空安土城は炎に包まれていた。
向坂が放った炎に包まれ、もはや刀をとれず立つ織田信長。
「どっかの寺の火災とどっちが熱かったですかぃ?」
「……儂を奇襲でしか殺せなかった奴に比べれば、そなた達との戦は心地よかったぞ」
フェン、と信長に憑依していた秀吉が鳴く。
「猟兵よ。先に。地獄で待っておるぞ」
炎と共に、家臣と共に。織田信長の体は塵となり消えた。
織田信長、再び飲まれた炎の向こうは骸が海。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴